(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】共回転ツインスクリュー処理装置のための要素
(51)【国際特許分類】
B29C 48/405 20190101AFI20240905BHJP
B29C 48/505 20190101ALI20240905BHJP
B29C 48/535 20190101ALI20240905BHJP
B29C 48/615 20190101ALI20240905BHJP
B29C 48/64 20190101ALI20240905BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B29C48/405
B29C48/505
B29C48/535
B29C48/615
B29C48/64
B29B7/48
(21)【出願番号】P 2023523312
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 IB2021059031
(87)【国際公開番号】W WO2022079534
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】202041044894
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】507302427
【氏名又は名称】スティール エンジニアリング プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】STEER ENGINEERING PRIVATE LIMITED
【住所又は居所原語表記】290,4TH Main,4TH Phase,Peenya Industrial Area,Bangalore 560 058(IN)
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】バブー・パドマナバン
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-533618(JP,A)
【文献】特表2019-528194(JP,A)
【文献】特開平02-120006(JP,A)
【文献】特開2019-059242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/405
B29C 48/505
B29C 48/535
B29C 48/615
B29C 48/64
B29B 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共回転ツインスクリュー処理装置のための要素であって、
前記要素は、前記処理装置のスクリューシャフトに取り付けるための軸状穴を有し、
前記要素は、その上にらせん状に形成された連続的なセルフワイピングフライトを備え、
前記要素は、複数のセグメントを備え、前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリードを有する、
共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項2】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項3】
前記フライトは、前記複数のセグメントのセグメント毎に異なるリードを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項4】
前記フライトは、整数ローブフライトである、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項5】
前記フライトは、非整数ローブフライトである、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項6】
前記フライトは、分数ローブフライトである、
請求項5に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項7】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリード及び異なる非整数ローブを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項8】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリード及び異なる整数ローブを有する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項9】
前記フライトは、2つのセグメントにおいて異なるリードを有し、一方のセグメントにおいて整数ローブフライトであり、他方のセグメントにおいて非整数ローブフライトである、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項10】
前記フライトは少なくとも2つのセグメントの間で変化し、前記フライト変化は前記ローブの変化を伴い、
前記ローブの前記変化は、整数ローブフライトから非整数ローブフライトへの若しくはその逆の、又は整数ローブフライトから別の整数ローブフライトへの、又は非整数ローブフライトから別の非整数ローブフライトへの、フライト変化を含む、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項11】
前記フライトは、異なるローブフライトに変化する前に、最初に移行フライトに変化する、
請求項10に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項12】
前記フライトは、前記複数のセグメントの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有し、フライトは、少なくとも2つの隣接するセグメントにおいて整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項13】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1整数ローブフライトから第2整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項14】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに、又は非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項15】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1非整数ローブフライトから第2非整数ローブフライトに変化する、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項16】
前記フライトは、前記複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化するとともに整数ローブフライトに戻るか、又は非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化するとともに非整数ローブフライトに戻る、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項17】
少なくとも2つのセグメントは、前記要素の長さに沿ってグループとしてそれ自体を繰り返すセグメントのグループを形成してよい、
請求項1に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項18】
前記セグメントのグループは、前記要素の長さの30~90パーセントに沿ってそれ自体を繰り返す、
請求項17に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【請求項19】
前記セグメントの各々が等しい長さである、
請求項1から18までのいずれか1項に記載の共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ツインスクリュー処理装置の分野に関する。より具体的には、本開示は、共回転ツインスクリュー処理装置のための要素に関する。
【背景技術】
【0002】
ツインスクリュー押出機等の共回転ツインスクリュー処理装置は、通常、プラスチック、食品、塗料及び医薬品等の材料の製造、配合及び処理に使用される。ツインスクリュー処理装置によって実行される主なタスクは、材料を混合して溶融物を生成することである。ツインスクリュー処理装置での材料の溶融及び均質化は、剪断、スミアリング、伸び、曲げ、ねじり及び圧縮を引き起こす力の適用を伴う。一般に、ツインスクリュー処理装置を通過する材料の進行も、特定の処理装置要素の選択的な使用によって、溶融及び均質化プロセスのすべてのステップで制御される。ツインスクリュー処理装置は、ツインスクリュー処理装置を異なる処理要件に適合させることを可能にするスクリューシャフトに取り付けられた異なる処理要素を含んでいることがある。
【0003】
要素はセルフワイピング又は非セルフワイピングの場合があり、要素が同じ方向に回転されたとき、セルフワイピング要素が他のシャフトの対応する要素をワイプ又はクリーニングする。各要素はその上に形成されたフライトを有し、フライトは、要素の長さに沿って延在するとともに、要素の谷径よりも大きな放射状の直径を有する隆起部分又はローブを備えている。ローブの数は、整数ローブ又は非整数ローブフライトをそれぞれ形成する整数又は非整数であり得る。
【0004】
Babuの米国特許第6,783,270号は、分数ローブ要素を開示している。Babuの米国特許第10,207,423B2は、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化し、要素のリードLの何分の1かに渡って整数ローブフライトに戻る、リードLを有する連続的なフライトを備える要素を開示している。さらに、米国特許第10,239,233B2号は、要素のリードLの何分の1かに渡って、第1非整数ローブフライトから第2非整数ローブフライトに変化するとともに、第1非整数ローブフライトに戻る、リードLを有する連続的なフライトを備えている要素を開示している。
【0005】
処理装置のミキシング能力をより良く制御できる共回転処理装置のための要素の必要性が残っている。材料の低温処理を可能にする要素の必要性もある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様では、処理装置のスクリューシャフトに取り付けるための軸状穴を有する共回転ツインスクリュー処理装置のための要素が開示される。要素は、その上にらせん状に形成された連続的なセルフワイピングフライトを備える。さらに、要素は、複数のセグメントを備え、フライトは、複数のセグメントのうちの2つ以上のセグメントにおいて異なるリードを有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面、同様の参照番号は、同一又は機能的に類似した要素を指す場合がある。これらの参照番号は、詳細な説明において、様々な実施形態を示し、本開示の様々な態様及び利点を説明するために使用される。
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による共回転ツインスクリュー処理装置の例示的な図である。
【0009】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、
図1の共回転ツインスクリュー処理装置における処理要素の上面図である。
【0010】
【0011】
【
図4】
図4は、本開示の第1実施形態による、それぞれ異なるリードを有する複数のセグメントを有する、
図2の処理要素の概略ブロック図である。
【0012】
【
図5】
図5は、本開示の第2実施形態による、異なるリードを有する複数のセグメントを有する、
図2の処理要素の概略ブロック図である。
【0013】
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による、それぞれ等しい長さを有する複数のセグメントを有する、
図2の処理要素の概略ブロック図である。
【0014】
【
図7】
図7は、本開示の実施形態による、それぞれ異なる長さを有する複数のセグメントを有する、
図2の処理要素の概略ブロック図である。
【0015】
【
図8】
図8は、本開示の実施形態による、異なるフライト変化を有する複数のセグメントを有する、
図2の処理要素の概略ブロック図である。
【0016】
【
図9】
図9~12は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントの概略ブロック図である。
【
図10】
図9~12は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントの概略ブロック図である。
【
図11】
図9~12は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントの概略ブロック図である。
【
図12】
図9~12は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントの概略ブロック図である。
【0017】
【
図13】
図13~16は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちのセグメントの概略ブロック図である。
【
図14】
図13~16は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちのセグメントの概略ブロック図である。
【
図15】
図13~16は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちのセグメントの概略ブロック図である。
【
図16】
図13~16は、本開示の実施形態による、
図4~8の複数のセグメントのうちのセグメントの概略ブロック図である。
【0018】
【
図17】
図17は、本開示の第3実施形態による、複数のセグメントを有する、
図2の処理要素の例示的な図である。
【0019】
当業者は、図中の要素が単純化及び明確化のために図示されており、縮尺どおりに描かれていない可能性があることを理解するであろう。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本開示の様々な実施形態の理解を深めるのに役立つように、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、本明細書で「処理装置100」と呼ばれる、共回転ツインスクリュー処理装置100の例示的な図が開示されている。処理装置100は、2つの円筒形収納穴104,106を有するハウジング102を備えていてよい。2つの円筒形収納穴104,106は、互いに平行に配置された軸108,110をそれぞれ有することができる。第1及び第2収納穴104,106内に、第1スクリューシャフト112及び第2スクリューシャフト114がそれぞれ配置される。スクリューシャフト112,114に、一対の処理要素116,118又は「要素」が、それぞれ取り付けられてよい。一実施形態では、それぞれのスクリューシャフトに取り付けられた複数のそのような要素対が、取り込みゾーン、混合ゾーン及び出力ゾーンを含む様々なゾーンを処理装置100内に画定してよい。要素116,118は、スクリューシャフト112,114のスプラインがそれぞれ係合する溝付きの軸状穴120,122を備えていてよい。異なる係合手段を介してスクリューシャフト112,114に取り付けるように要素116,118が構成されてもよいことは明らかである。
【0021】
図2を参照すると、
図1の要素116,118の上面図の例示的なイラストが提供されている。本開示の一実施形態による要素116,118は、要素116,118が同時に共回転するときに、要素116が要素118の完全なワイピングを行うように、完全にセルフワイピング又はセルフクリーニングしている。要素116,118がセルフワイピングできるように、最小の特定のクリアランス202が要素116,118の間に画定されている。完全なワイピング要素、及びそれらがどのように生成されるかについては、例えばKlemens Kohlgruberによる書籍「The co-rotating twin screw extruder(共回転ツインスクリュー押出機)」で説明されている。1つの要素のスクリュープロファイル又はフライトは第2要素のスクリュープロファイルを決定し、それらは生成するスクリュープロファイル及び生成されたスクリュープロファイルとそれぞれ呼ばれる。明瞭さ及び理解のために、1つの要素116が詳細に説明されるであろう。
【0022】
図3を参照すると、スクリューシャフト112と係合する軸状穴120を有する、
図1及び
図2の要素116の正面図が開示されている。要素116は、その上にらせん状に形成された連続的なセルフワイピングフライト300を備える。フライト300は、要素116の長さに沿って、分数ローブ302,304,306等の1つ又は複数のローブ又は非整数ローブを有していてよい。フライト300は、フライト300を形成する要素116の長さに沿って、分数ローブ若しくは無理数ローブ又はそれらの任意の組み合わせ等の非整数の数のローブ又は整数の数のローブを有していてよい。形成されたフライト300は、遮断又は中断なく連続している。ローブの数は、従来は整数であり、典型的には1から4のローブの間で変動する。このような要素は、本開示では「整数ローブフライト」と呼ばれる。ローブの数は、非整数であってもよく、そのような要素は「非整数ローブフライト」又は非整数ローブフライトを有する要素と呼ばれる。
【0023】
非整数ローブ要素は、分数ローブ要素であってよい。単一ローブ要素、2ローブ要素(バイローブ要素)、3ローブ要素(トリローブ要素)及び/又は4ローブ要素から形成された分数ローブ要素の例は、米国特許第6,783,270号、米国特許第10,207,423号及び米国特許第10,239,233号で説明されている。非整数ローブ要素は、無理数ローブ要素であってよい。無理数ローブ要素は、米国特許第8,753,003号で説明されている。分数ローブ要素は、N/nが整数であり、その分数が第1整数と第2整数との間の移行度を決定するように、所定の分数によって第1整数要素(n)及び第2整数要素(N)の中間にある要素である。単一フライトローブと2ローブは、1.2.xx等の分数ローブを形成することができ、ここでxxは1~99の任意の数字であり得る。1~99の数字は、分数ローブが、単一フライト要素又は2ローブ要素のどちらにより似て見えることになるかを規定する。1.2.xxという表記の1及び2との数字は、単一フライト要素(1)及び2ローブ要素(2)それぞれの中間にあるローブ要素を表す。従って、1.4.50として表される分数ローブ要素は、単一フライトと4ローブ要素との間の中途にある要素を表す。
【0024】
一実施形態では、フライト300は、整数又は非整数の数のローブとして始まってよい。例えば、
図3において、フライト300は、1.3.05で指定される分数ローブフライトとして始まり、これは単一ローブフライトと3ローブフライトとの間の分数ローブフライトに対応する。
【0025】
図4を参照すると、要素116はまた、要素116の長さXに沿って複数のセグメント402~410を備えていてよい。要素116の長さXは、10mm~200mmの範囲内であってもよいが、より短い又はより長い要素の長さが除外されることは意図されていない。要素116のフライト300は、セグメント402~410のうちの2つ以上のセグメントにおいて異なるリードを有していてよい。例えば、セグメント402~410におけるフライト300は、リードL1~L5をそれぞれ有していてよく、リードL1~L5のうちの少なくとも2つは互いに異なり、リードのうちの1つは他のリードよりも大きい。一実施形態では、セグメント402~410のうちのすべての隣接するセグメントは、異なるリードを有する。一実施形態では、セグメント402~410のうちの少なくとも2つの隣接するセグメントは、異なるリードを有する。一実施形態では、セグメントのそれぞれは、異なるリードL1~L5を有していてよい。
【0026】
例えば、フライト300は、図示のように、セグメント402~410のすべてのセグメントにおいてそれぞれ異なるリードL1~L5を有していてよい。従って、フライト300は、示されるように、セグメント402~410のうちの2つ以上の隣接するセグメントにおいて異なるリードを有していてよい。例えば、セグメント402におけるフライト300はリードL1を有していてよく、セグメント402に隣接するセグメント404におけるフライト300は異なるリードL2を有していてよい。同様に、セグメント406におけるフライト300はリードL3を有していてよく、セグメント406に隣接するセグメント408におけるフライト300は異なるリードL4を有していてよい。
【0027】
図5を参照すると、別の実施形態では、フライト300は、セグメント402~410のうちの2つ以上の隣接するセグメントにおいて同じリードを有していてよい。例えば、フライト300は、セグメント402,404において異なるリードを有するが、セグメント406~410において同じリードL1を有する。
【0028】
図6を参照すると、一実施形態では、要素116のセグメント402~410のそれぞれの長さY1~Y5は、互いに等しくてよい。
【0029】
他の実施形態では、少なくとも2つのセグメントの長さは異なっていてよい。他の実施形態では、各セグメントの長さは異なっていてよい。
【0030】
図7を参照すると、セグメント402~410の長さY1~Y5は、互いに異なっていてよい。例えば、セグメント402~410の長さY1~Y5は、それぞれ2mm、0.5mm、0.5mm、0.5mm及び1mmであってよい。
【0031】
セグメント402~410のそれぞれの長さY1~Y5は、
図6~
図7に示されるように、要素116の長さXの2パーセント~20パーセントの範囲であってよいが、本明細書で指定された範囲に限定されない。例えば、要素116の長さXは25mmであってよく、セグメント402~410の長さY1~Y5はそれぞれ0.5mm~5mmの範囲であってよい。
【0032】
図3~
図7を参照すると、一実施形態では、フライト300は、要素116の長さXの全体にわたって、例えば分数ローブフライト又は無理数ローブフライト等の非整数ローブフライト又は整数ローブフライトであってよい。例えば、要素116のフライト300は、すべてのセグメント402~410において1.3.xxで指定される分数ローブフライトであってよく、要素116の長さXの全体にわたってローブに変化がなくてよい。
【0033】
図8を参照すると、別の実施形態では、セグメント402~410のそれぞれにおけるフライト300の変化は、ローブの変化を伴っていてよい。例えば、フライト300は、セグメント402~410において、例えば分数ローブフライト又は無理数ローブフライト等の非整数ローブフライトと整数ローブフライトとの間で変化してよい。一実施形態によれば、フライト300は、ローブの変化を伴う変化の前に、最初に移行フライトに変化してよい。例えば、フライト300は、整数ローブフライトから非整数ローブフライトへの若しくはその逆の、又は整数ローブフライトから別の整数ローブフライトへの、又は非整数ローブフライトから別の非整数ローブフライトへの変化の間の移行フライトに変化してよい。移行フライトは、セグメン402~410のそれぞれにおけるフライト300の異なる整数から整数への、整数から非整数への、非整数から整数への又は非整数から非整数へのローブフライト変化の間の中間の移行に対応する。
【0034】
例えば、一実施形態では、セグメント402におけるフライト300は、第1整数ローブフライトI1であってよい。フライト300は、最初に移行セグメント801において移行フライトT1に変化し、次にセグメント404において第1非整数ローブフライトN1に変化してよい。移行フライトT1は、セグメント402における第1整数ローブフライトI1とセグメント404における第1非整数ローブフライトN1との間の中間フライトであってよい。
【0035】
移行セグメントにおけるフライト300のリードは、前又は次のセグメントと同じであっても異なっていてもよい。例えば、移行セグメント801における移行フライトT1は、図示のように前のセグメント402と同じリードL1を有していてもよいし、例えばリードL2又はL3等のセグメント402とは異なるリードを有していてもよい。異なる移行セグメントにおけるフライト300のリードは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、移行セグメント801~803におけるフライト300のリードは、同じリードL1であってもよいし、図示のようにそれぞれ異なるリードL1,L3,L2を有していてもよい。
【0036】
同様に、図示のように、セグメント404におけるフライト300は、セグメント406において、移行セグメント802における移行フライトT2から第1整数ローブフライトI1に戻るか又は第2整数ローブフライトI2に変化してよい。例として、第1整数ローブフライトは2ローブであり、第2整数ローブフライトは3ローブであってよい。フライト300は、図示のようにセグメント408において第2整数ローブフライトI2であり続けてもよいし、別の整数ローブフライト又は別の非整数ローブフライトに変化してもよい。例示として、次のセグメント410におけるフライト300は、移行セグメント803における移行フライトT3から第2非整数ローブフライトN2に変化してよい。
【0037】
一実施形態において、セグメント402~410におけるフライト300は、セグメント402~410のうちの2つ以上のセグメントにおいて異なるリード及び異なる整数ローブを有していてよい。一実施形態では、複数のセグメント402~410の各セグメントは、異なるリード及び異なる整数ローブフライトを有するであろう。そのような移行のそれぞれは、フライト300が例えば移行フライトT1~T3等の移行フライトに変化する、例えば移行セグメント801~803等の中間移行セグメントを介して行われるであろう。
【0038】
図9を参照すると、リードL1を有するセグメント402におけるフライト300は、移行セグメント801において第1整数ローブフライトI1から移行フライトT1に変化し、次にリードL2を有するセグメント404において第2整数ローブフライトI2に変化してよい。
【0039】
別の実施形態において、フライト300は、セグメント402~410のうちの2つ以上のセグメントにおいて、異なるリード及び異なる非整数ローブを有していてよい。一実施形態では、複数のセグメント402~410の各セグメントは、異なるリード及び異なる非整数ローブフライトを有するであろう。このような移行のぞれぞれは、フライト300が移行フライトに変化される中間移行セグメントを介して行われるであろう。
【0040】
図10を参照すると、リードL1を有するセグメント402におけるフライト300は、移行セグメント801において第1非整数ローブフライトN1から移行フライトT1に変化し、次にリードL2を有するセグメント404において第2非整数ローブフライトN2に変化してよい。例として、第1非整数ローブフライトは1:3:50の分数ローブフライトであってよく、第2非整数ローブフライトは1:2:40の分数ローブフライトであってよい。
【0041】
さらに別の実施形態では、フライト300は、セグメント402~410のうちの隣接セグメントにおいて異なるリードを有していてよく、フライト300は隣接セグメントにおいて整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化してよい。
【0042】
図11を参照すると、リードL1を有するセグメント402におけるフライト300は、移行セグメント801において整数ローブフライトIから移行フライトT1に変化し、次にリードL2を有するセグメント404において非整数ローブフライトNに変化してよい。
【0043】
図12を参照すると、リードL1を有するセグメント402におけるフライト300は、移行セグメント801において非整数ローブフライトNから移行フライトT1に変化し、次にリードL2を有するセグメント404において整数ローブフライトIに変化してよい。
【0044】
一実施形態によれば、
図13~
図16を参照すると、要素116のセグメント内のフライト300、例えば、セグメント402~410のうちのセグメント402は、整数ローブフライトから別の整数ローブフライトに、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに、非整数ローブフライトから整数ローブフライトに、及び非整数ローブフライトから別の非整数ローブフライトに変化することもできる。各セグメントは一定のリードを有する。
【0045】
さらに、例えばセグメント402等の各セグメントにおけるフライト300は、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化するとともに、整数ローブフライトに戻ってもよい。さらに、例えばセグメント402等の各セグメントにおけるフライト300は、非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化するとともに、非整数ローブフライトに戻ってもよい。
【0046】
さらに、例えばセグメント402等の各セグメント内のフライト300は、整数ローブフライトから非整数ローブフライトへ若しくはその逆の、整数ローブフライトから別の整数ローブフライトへの、又は非整数ローブフライトから別の非整数ローブフライトへの変化の間に、移行フライトに変化してよい。各セグメントにおける移行フライトは、そのセグメントのリードと同じリードを有していてもよいし、そのセグメントのリードとは異なるリードを有していてもよい。
【0047】
例えば、
図13を参照すると、一実施形態では、セグメント402におけるフライト300は、変化を伴わずに、単一ローブ、2ローブ、3ローブ又は4ローブフライト等の整数ローブフライトIであってよい。
【0048】
図14を参照すると、別の実施形態では、セグメント402におけるフライト300は、第1整数ローブフライトI1から移行フライトT1に変化し、次に第2整数ローブフライトI2に変化してよい。例えば、フライト300は、セグメント内で単一ローブフライトから3ローブフライトに変化してよい。
【0049】
図15を参照すると、別の実施形態では、フライト300はまた、セグメント内で、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化するとともに整数ローブフライトに戻ってもよいし、非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化するとともに次に非整数ローブフライトに戻ってもよい。例えば、単一ローブフライト等の整数ローブフライトI1は、移行フライトT1に変化するとともに、次に分数ローブ1.3.xx.等の非整数ローブフライトNに変化してよい。次いで、フライト300は、非整数ローブフライトNから移行フライトT2に変化するとともに、次に例えば3ローブフライト等の第2整数ローブフライトI2に変化してよい。
【0050】
図16を参照すると、別の実施形態では、セグメント402におけるフライト300はまた、第1非整数ローブフライトN1から移行フライトT1に変化するとともに、次に第2非整数ローブフライトN2に変化してよい。例えば、セグメント402におけるフライト300は、非整数ローブフライト1.3.80から1.3.05に変化してよい。
【0051】
図13~
図16を参照すると、一実施形態では、移行フライトT1及び/又はT2のリードは、セグメント402と同じリードL1であってよい。別の実施形態では、移行フライトT1及び/又はT2のリードは、例えばリードL2又はL3等のセグメント402のリードL1とは異なるリードであってよい。
【0052】
図17を参照すると、別の実施形態による、複数のセグメント1702~1720を有する要素116が開示されている。要素116の長さXは、24mmであってよい。セグメント1702~1720の長さY1~Y10は、それぞれ2mm、0.5mm、0.5mm、0.5mm、1mm、1mm、0.5mm、0.5mm、0.5mm及び2mmであってよい。一実施形態では、セグメント1702~1720の長さY1~Y10は等しくてよい。
【0053】
フライト300は、セグメント1702~1720に沿ってそれぞれ延びる部分A~Jを有していてよい。フライト300は、セグメント1702~1720のうちの2つ以上のセグメントにおいて異なるリードを有していてよい。例えば、フライト300の部分AはリードL1を有していてよく、フライト300の部分B~DはリードL2を有していてよく、フライト300の部分E,FはリードL3をそれぞれ有していてよい。
【0054】
フライト300は、セグメント1702~1720のうちの2つ以上の隣接するセグメントにおいて異なるリードを有していてよい。例えば、セグメント1702におけるフライト300はリードL1を有していてよく、セグメント1702に隣接するセグメント1704におけるフライト300はリードL2を有していてよい。同様に、セグメント1708におけるフライト300はリードL2を有していてよく、セグメント1708に隣接するセグメント1710におけるフライト300はリードL3を有していてよい。一実施形態では、フライト300は、セグメント1702~1720のうちの2つ以上の隣接するセグメントにおいて同じリードをそれぞれ有していてよい。例えば、隣接するセグメント1704~1708におけるフライト300は同じリードL2を有していてよく、隣接するセグメント1710,1712におけるフライト300は同じリードL3を有していてよい。
【0055】
一実施形態では、セグメント1702~1720のうちの2つ以上のセグメントは、要素116の長さXに沿ってグループとしてそれ自体を繰り返すグループ又はシーケンスを形成してよい。例えば、リードL2,L3,L3,L2をそれぞれ有するフライト300を有するセグメント1708~1714のシーケンスSは、要素116の長さに沿って複数回繰り返されてよい。一実施形態では、シーケンスSは、セグメント1716まで繰り返されてよい。一実施形態では、繰り返すシーケンスSの全長Zは、要素116の長さXの30パーセントから90パーセントの範囲で変化してよいが、本明細書で指定された範囲に限定されない。例えば、要素116の長さXが24mmであり、セグメント1708~1714の長さがそれぞれ0.5mm、1mm、1mm及び0.5mmであるとき、シーケンスSの長さは、セグメント1708~1714の長さの合計、つまり2mmと等しくてよい。セグメント1708~1714のシーケンスSは、要素116の長さXに沿って6回繰り返されてよい。従って、繰り返すシーケンスSの全長Zは、12mm、すなわち24mmの要素116の長さXの50パーセントであってよい。
【0056】
特定の実施形態を以下に説明する。
共回転ツインスクリュー処理装置のための要素であって、要素は、処理装置のスクリューシャフトに取り付けるための軸状穴を有し、要素は、その上にらせん状に形成された連続的なセルフワイピングフライトを備え、要素は、複数のセグメントを備え、フライトは、複数のセグメントのうちの少なくとも2つのセグメントにおいて異なるリードを有する、共回転ツインスクリュー処理装置のための要素。
【0057】
フライトは、複数のセグメントのうちの2つの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有する、そのような要素。
【0058】
フライトは、複数のセグメントのセグメント毎に異なるリードを有する、そのような要素。
【0059】
フライトは、整数ローブフライトである、そのような要素。
【0060】
フライトは、非整数ローブフライトである、そのような要素。
【0061】
フライトは、分数ローブフライトである、そのような要素。
【0062】
フライトは、複数のセグメントのうちの2つのセグメントにおいて異なるリード及び異なる非整数ローブを有する、そのような要素。
【0063】
フライトは、複数のセグメントのうちの2つのセグメントにおいて異なるリード及び異なる整数ローブを有する、そのような要素。
【0064】
フライトは、複数のセグメントのうちの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有し、フライトは、複数のセグメントのうちの隣接するセグメントにおいて異なる非整数ローブのフライトに変化する、そのような要素。
【0065】
フライトは、2つのセグメントにおいて異なるリードを有し、一方のセグメントにおいて整数ローブフライトであり、他方のセグメントにおいて非整数ローブフライトである、そのような要素。
【0066】
フライトは少なくとも2つのセグメントの間で変化し、フライト変化はローブの変化を伴い、ローブの変化は、整数ローブフライトから非整数ローブフライトへの若しくはその逆の、又は整数ローブフライトから別の整数ローブフライトへの、又は非整数ローブフライトから別の非整数ローブフライトへの、フライト変化を含む、そのような要素。
【0067】
フライトは、異なるローブフライトに変化する前に、最初に移行フライトに変化されてから、そのような要素。
【0068】
フライトは、複数のセグメントのうちの隣接するセグメントにおいて異なるリードを有し、フライトは、少なくとも2つの隣接するセグメントにおいて整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化する、そのような要素。
【0069】
フライトは、複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1整数ローブフライトから第2整数ローブフライトに変化する、そのような要素。
【0070】
フライトは、複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに、又は非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化する、そのような要素。
【0071】
フライトは、複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、第1非整数ローブフライトから第2非整数ローブフライトに変化する、そのような要素。
【0072】
フライトは、複数のセグメントのうちの1つのセグメント内で、整数ローブフライトから非整数ローブフライトに変化するとともに整数ローブフライトに戻るか、又は非整数ローブフライトから整数ローブフライトに変化するとともに非整数ローブフライトに戻る、そのような要素。
【0073】
少なくとも2つのセグメントは、要素の長さに沿ってグループとしてそれ自体を繰り返すセグメントのグループを形成してよい、そのような要素。
【0074】
セグメントのグループは、要素の長さの30~60パーセントに沿ってそれ自体を繰り返す、そのような要素。
【0075】
セグメントの各々が等しい長さである、そのような要素。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本開示によって教示された要素116は、共回転ツインスクリュー押出機での使用に適している。教示された要素116は、処理装置100の溶融能力を向上してよく、均一な溶融混合を達成することを助けてよい。さらに、教示された要素116はまた、処理装置100のセルフワイピング能力を妥協しない。さらに、教示された要素116は、溶融及び均質化プロセス中の材料の伸張流動を向上してよい。さらに、教示された要素116は、溶融及び/又は均質化処理において一般的に伴われるものよりも低い処理温度で、材料の溶融及び/又は均質化を容易にしてよい。特に、要素116は、APIを含む医薬品成分等の温度に敏感な材料の処理に適している。要素116はまた、再利用のための廃棄物等の異なる融点又は軟化点を有する混合材料の処理に適している。