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  • 特許-酸性ガス吸着装置の再生方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-04
(45)【発行日】2024-09-12
(54)【発明の名称】酸性ガス吸着装置の再生方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20240905BHJP
   B01D 53/02 20060101ALI20240905BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20240905BHJP
【FI】
B01D53/04 220
B01D53/02
B01D53/14 100
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024009873
(22)【出願日】2024-01-26
(62)【分割の表示】P 2024514239の分割
【原出願日】2023-03-28
(65)【公開番号】P2024076384
(43)【公開日】2024-06-05
【審査請求日】2024-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2022064097
(32)【優先日】2022-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022190911
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕介
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 行成
(72)【発明者】
【氏名】菅 博史
(72)【発明者】
【氏名】飯田 和希
(72)【発明者】
【氏名】鳥井 淳史
(72)【発明者】
【氏名】中川 剛佑
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/111366(WO,A1)
【文献】特開2002-153718(JP,A)
【文献】特開2002-153717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D53/02-53/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の表面に配置される酸性ガス吸着層であって多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層と、を備える酸性ガス吸着装置に、酸性ガスを含むガスを前記酸性ガス吸着層と接触するように供給して、前記酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程と;
前記酸性ガス吸着材から酸性ガスを脱離させる工程と;
前記酸性ガスを吸着させる工程および前記酸性ガスを脱離させる工程が実施された酸性ガス吸着装置の前記酸性ガス吸着層を、前記基材の表面から除去する工程と;
前記酸性ガス吸着層が除去された基材の表面に多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層を形成する工程と;を含み、
前記基材を構成する材料は、アルミナ、炭化珪素、または、珪素-炭化珪素系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記多孔質担体は、メソポーラスシリカおよび/またはゼオライトを含み、
前記酸性ガス吸着層を前記基材の表面から除去する工程において、前記酸性ガス吸着層に酸性溶液を接触させて、前記酸性ガス吸着層を溶解する、
酸性ガス吸着装置の再生方法。
【請求項2】
前記酸性溶液は、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、塩酸、または、リン酸から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の酸性ガス吸着装置の再生方法。
【請求項3】
基材と、前記基材の表面に配置される酸性ガス吸着層であって多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層と、を備える酸性ガス吸着装置に、酸性ガスを含むガスを前記酸性ガス吸着層と接触するように供給して、前記酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程と;
前記酸性ガス吸着材から酸性ガスを脱離させる工程と;
前記酸性ガスを吸着させる工程および前記酸性ガスを脱離させる工程が実施された酸性ガス吸着装置の前記酸性ガス吸着層を、前記基材の表面から除去する工程と;
前記酸性ガス吸着層が除去された基材の表面に多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層を形成する工程と;を含み、
前記基材を構成する材料は、炭化珪素および/または珪素-炭化珪素系複合材料を含み、
前記多孔質担体は、メソポーラスアルミナを含み、
前記酸性ガス吸着層を前記基材の表面から除去する工程において、前記酸性ガス吸着層にアルカリ性溶液を接触させて、前記酸性ガス吸着層を溶解する、酸性ガス吸着装置の再生方法。
【請求項4】
前記アルカリ性溶液は、水酸化ナトリウム、または、水酸化カリウムから選択される少なくとも1種を含む、請求項3に記載の酸性ガス吸着装置の再生方法。
【請求項5】
基材と、前記基材の表面に配置される酸性ガス吸着層であって多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層と、を備える酸性ガス吸着装置に、酸性ガスを含むガスを前記酸性ガス吸着層と接触するように供給して、前記酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程と;
前記酸性ガス吸着材から酸性ガスを脱離させる工程と;
前記酸性ガスを吸着させる工程および前記酸性ガスを脱離させる工程が実施された酸性ガス吸着装置の前記酸性ガス吸着層を、前記基材の表面から除去する工程と;
前記酸性ガス吸着層が除去された基材の表面に多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層を形成する工程と;を含み、
前記基材は、複数のセルを規定する隔壁を備えるハニカム状基材であり、
前記酸性ガス吸着層は、前記隔壁の表面に形成されており、
前記酸性ガス吸着層は、前記多孔質担体および前記酸性ガス吸着材を含む粒子と、前記粒子を結合可能な有機バインダと、を含み、
前記有機バインダは、非プロトン性極性溶媒に対して溶解可能であり、かつ、プロトン性極性溶媒に対して実質的に不溶であり、
前記酸性ガス吸着層を前記基材の表面から除去する工程において、前記酸性ガス吸着層に非プロトン性極性溶媒を接触させて、前記有機バインダを溶解する、酸性ガス吸着装置の再生方法。
【請求項6】
前記基材は、複数のセルを規定する隔壁を備えるハニカム状基材であり、
前記酸性ガス吸着層は、前記隔壁の表面に形成されている、請求項1から4のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法。
【請求項7】
前記酸性ガスは、二酸化炭素である、請求項1から5のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法。
【請求項8】
前記酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程において、前記酸性ガス吸着装置に供給される酸性ガスを含むガスは、空気である、請求項1から5のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性ガス吸着装置の再生方法および酸性ガス吸着装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷を低減するために、大気に含まれる酸性ガスを分離・回収する取り組みがなされている。このような酸性ガスとして、主に、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(以下COと称する場合がある)が挙げられる。そのような取り組みの代表例として、二酸化炭素回収・利用・貯留(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage:CCUS)サイクルが知られている。このような二酸化炭素の分離・回収に用いられる二酸化炭素吸着装置として、複数の仕切り壁を有し、それによって複数の流れチャネルが形成されるハニカム基材と、仕切り壁中および上に配置される官能性構造単位基と、を含んでなる、CO捕獲用吸収性構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなCO捕獲用吸収性構造では、吸収性構造中を流れるガス流体からCOを捕獲でき、捕獲されたCOを所定条件下において脱離できる。しかし、特許文献1に記載のCO捕獲用吸収性構造を用いて大気に含まれるCOの吸着および脱離を繰り返すと、大気中に含まれる不純物および加熱処理の繰り返しによりCO回収率が徐々に低下する場合がある。この場合、CO捕獲用吸収性構造の全体の交換が必要となり、ランニングコストが増大するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/119929号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主たる目的は、酸性ガス回収性能を円滑に回復でき、ランニングコストの低減を図ることができる酸性ガス吸着装置の再生方法、および、優れた酸性ガス回収性能を有する酸性ガス吸着装置を製造できる酸性ガス吸着装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態による酸性ガス吸着装置の再生方法は、基材と、該基材の表面に配置される酸性ガス吸着層であって多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層と、を備える酸性ガス吸着装置に、酸性ガスを含むガスを該酸性ガス吸着層と接触するように供給して、該酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程と;該酸性ガス吸着材から酸性ガスを脱離させる工程と;該酸性ガスを吸着させる工程および該酸性ガスを脱離させる工程が実施された酸性ガス吸着装置の酸性ガス吸着層を該基材の表面から除去する工程と;酸性ガス吸着層が除去された基材の表面に多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層を形成する工程と;を含んでいる。
[2]1つの実施形態は、上記酸性ガスが二酸化炭素である、上記項目[1]に記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[3]1つの実施形態は、上記基材が複数のセルを規定する隔壁を備えるハニカム状基材であり、上記酸性ガス吸着層が前記隔壁の表面に形成されている、上記項目[1]または[2]に記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[4]1つの実施形態は、上記基材を構成する材料が、コージェライト、アルミナ、ムライト、炭化珪素、珪素-炭化珪素系複合材料、または、窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種を含み、上記多孔質担体が、有機金属構造体および/または活性炭を含み、上記酸性ガス吸着層を基材の表面から除去する工程において、上記酸性ガス吸着装置を加熱して酸性ガス吸着層を焼失させる、上記項目[1]から[3]のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[5]1つの実施形態は、上記酸性ガス吸着層を基材の表面から除去する工程において、上記酸性ガス吸着装置を400℃以上に加熱する、上記項目[4]に記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[6]1つの実施形態は、上記基材を構成する材料が、アルミナ、炭化珪素、または、珪素-炭化珪素系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種を含み、上記多孔質担体が、メソポーラスシリカおよび/またはゼオライトを含み、上記酸性ガス吸着層を基材の表面から除去する工程において、上記酸性ガス吸着層に酸性溶液を接触させて酸性ガス吸着層を溶解する、上記項目[1]から[3]のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[7]1つの実施形態は、上記酸性溶液が、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、塩酸、または、リン酸から選択される少なくとも1種を含む、上記項目[6]に記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[8]1つの実施形態は、上記基材を構成する材料が、炭化珪素および/または珪素-炭化珪素系複合材料を含み、上記多孔質担体が、メソポーラスアルミナを含み、上記酸性ガス吸着層を基材の表面から除去する工程において、上記酸性ガス吸着層にアルカリ性溶液を接触させて酸性ガス吸着層を溶解する、上記項目[1]から[3]のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[9]1つの実施形態は、上記アルカリ性溶液が、水酸化ナトリウム、または、水酸化カリウムから選択される少なくとも1種を含む、上記項目[8]に記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[10]1つの実施形態は、上記酸性ガス吸着層は、上記多孔質担体および上記酸性ガス吸着材を含む粒子と、上記粒子を結合可能な有機バインダと、を含み、上記有機バインダは、非プロトン性極性溶媒に対して溶解可能であり、かつ、プロトン性極性溶媒に対して実質的に不溶であり、上記酸性ガス吸着層を基材の表面から除去する工程において、上記酸性ガス吸着層に非プロトン性極性溶媒を接触させて、上記有機バインダを溶解する、上記項目[1]から[3]のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[11]1つの実施形態は、上記酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程において、上記酸性ガス吸着装置に供給される酸性ガスを含むガスが空気である、上記項目[1]から[10]のいずれかに記載の酸性ガス吸着装置の再生方法である。
[12]本発明の別の局面による酸性ガス吸着装置の製造方法は、基材と、該基材の表面に配置される酸性ガス吸着層であって多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層と、を備える酸性ガス吸着装置に、酸性ガスを含むガスを該酸性ガス吸着層と接触するように供給して、該酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程と;該酸性ガス吸着材から酸性ガスを脱離させる工程と;該酸性ガスを吸着させる工程および該酸性ガスを脱離させる工程が実施された酸性ガス吸着装置の酸性ガス吸着層を該基材の表面から除去する工程と;該酸性ガス吸着層が除去された基材の表面に多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層を形成する工程と;を含んでいる。
[13]1つの実施形態は、上記酸性ガスが二酸化炭素である、上記項目[12]に記載の酸性ガス吸着装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、酸性ガス回収性能を円滑に回復でき、ランニングコストの低減を図ることができる酸性ガス吸着装置の再生方法、および、優れた酸性ガス回収性能を有する酸性ガス吸着装置を製造できる酸性ガス吸着装置の製造方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の1つの実施形態に係る二酸化炭素吸着装置の概略斜視図である。
図2図2は、図1の二酸化炭素吸着装置の概略断面図である。
図3図3は、図1の二酸化炭素吸着装置から二酸化炭素吸着層を除去した状態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
A.酸性ガス吸着装置の再生方法の概略
図1は本発明の1つの実施形態に係る二酸化炭素吸着装置の概略斜視図であり;図2図1の二酸化炭素吸着装置の概略断面図であり;図3図1の二酸化炭素吸着装置から二酸化炭素吸着層を除去した状態の概略斜視図である。
本発明の1つの実施形態による酸性ガス吸着装置の再生方法は、基材1と、基材1の表面に配置される酸性ガス吸着層15であって、多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層15とを備える酸性ガス吸着装置100に、酸性ガスを含むガスを酸性ガス吸着層15と接触するように供給して、酸性ガス吸着材に酸性ガスを吸着させる工程(吸着工程)と;酸性ガス吸着材から酸性ガスを脱離させる工程(脱離工程)と;吸着工程および脱離工程が実施された酸性ガス吸着装置100の酸性ガス吸着層15を基材1の表面から除去する工程(除去工程)と;酸性ガス吸着層15が除去された基材1の表面に多孔質担体と酸性ガス吸着材とを含む酸性ガス吸着層15を形成する工程(再形成工程)と;を含んでいる。
本発明者らは、基材の寿命が酸性ガス吸着材の寿命よりも長いことを見出し、本発明を完成するに至った。より詳しくは、吸着工程および脱離工程が実施された酸性ガス吸着装置の酸性ガス吸着層を基材の表面から除去した後、新たな酸性ガス吸着層を基材の表面に形成する。これによって、酸性ガス吸着装置が再生される。そのため、基材を再利用できながら、優れた酸性ガス回収性能を円滑に回復できる。その結果、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0010】
酸性ガスとしては、例えば、二酸化炭素(CO)、硫化水素、二酸化硫黄、二酸化窒素、塩化水素が挙げられる。
1つの実施形態において、上記酸性ガスは、二酸化炭素(CO)である。本実施形態では、酸性ガス吸着装置100は二酸化炭素吸着装置100であり、酸性ガス吸着層15は二酸化炭素吸着層15であり、酸性ガス吸着材は二酸化炭素吸着材である。以下では、酸性ガス吸着装置の一実施形態としての二酸化炭素吸着装置100について詳述する。
【0011】
B.二酸化炭素吸着装置
二酸化炭素吸着装置100は、上記のとおり、基材1と二酸化炭素吸着層15とを備えている。基材1の構造は、特に制限されず、例えば、ハニカム状、ろ過布などのフィルター構造;ペレット構造などが挙げられる。二酸化炭素吸着層15は、それら基材1の表面に配置されていれば、特に制限されない。
【0012】
B-1.基材(ハニカム状基材)
1つの実施形態において、基材1は、複数のセル14を有するハニカム状基材10である。
セル14は、ハニカム状基材10の長さ方向(軸線方向)において、ハニカム状基材10の第1端面1a(流入端面)から第2端面1b(流出端面)まで延びている(図2参照)。セル14は、ハニカム状基材10の長さ方向に直交する方向の断面において、任意の適切な形状を有する。セルの断面形状として、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形以上の多角形、円形、楕円形が挙げられる。セルの断面形状およびサイズは、すべてが同一であってもよく、少なくとも一部が異なっていてもよい。このようなセルの断面形状のなかでは、好ましくは六角形、四角形が挙げられ、より好ましくは正方形、長方形または六角形が挙げられる。
【0013】
ハニカム状基材の長さ方向に直交する方向の断面におけるセル密度(すなわち、単位面積当たりのセル14の数)は、目的に応じて適切に設定され得る。セル密度は、例えば4セル/cm~320セル/cmであり得る。セル密度がこのような範囲であれば、ハニカム状基材の強度および有効GSA(幾何学的表面積)を十分に確保できる。
【0014】
ハニカム状基材10は、任意の適切な形状(全体形状)を有する。ハニカム状基材の形状として、例えば、底面が円形の円柱状、底面が楕円形の楕円柱状、底面が多角形の角柱状、底面が不定形の柱状が挙げられる。図示例のハニカム状基材10は、円柱形状を有している。ハニカム状基材の外径および長さは、目的に応じて適切に設定され得る。図示しないが、ハニカム状基材は、長さ方向に直交する方向の断面において、その中心部に中空領域を有していてもよい。
【0015】
ハニカム状基材10は、代表的には、外周壁11と;外周壁11の内側に位置している隔壁13と;を備えている。図示例では、外周壁11と隔壁13とは一体的に形成されている。外周壁11と隔壁13とは、別体であってもよい。
【0016】
外周壁11は、円筒形状を有している。外周壁11の厚みは、任意かつ適切に設定され得る。外周壁11の厚みは、例えば0.1mm~10mmであり得る。
【0017】
隔壁13は、複数のセル14を規定している。より詳しくは、隔壁13は、互いに直交する第1隔壁13aと第2隔壁13bとを有しており、第1隔壁13aおよび第2隔壁13bが、複数のセル14を規定している。セル14の断面形状は、第1隔壁13aおよび第2隔壁13bが外周壁11と接する部分を除いて、四角形である。なお、隔壁の構成は、上記した隔壁13に制限されない。隔壁は、放射方向に延びる第1隔壁と、周方向に延びる第2隔壁とを有し、それらが複数のセルを規定していてもよい。
【0018】
隔壁13の厚みは、ハニカム状基材の用途に応じて適切に設定され得る。隔壁13の厚みは、代表的には、外周壁11の厚みよりも薄い。隔壁13の厚みは、例えば0.03mm~0.6mmであり得る。隔壁の厚みは、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)による断面観察により測定される。隔壁の厚みがこのような範囲であれば、ハニカム状基材の機械的強度を十分なものとすることができ、かつ、開口面積(断面におけるセルの総面積)を十分なものとすることができる。
【0019】
隔壁13における気孔率は、目的に応じて適切に設定され得る。隔壁13における気孔率は、例えば15%以上、好ましくは20%以上であり、例えば70%以下、好ましくは45%以下である。なお、気孔率は、例えば水銀圧入法により測定され得る。
隔壁13の密度は、目的に応じて適切に設定され得る。それらの密度は、例えば1.7g/cm以上、好ましくは1.8g/cm以上であり、例えば2.8g/cm以下、好ましくは2.6g/cm以下である。なお、密度は、例えば水銀圧入法により測定され得る。
【0020】
隔壁13を構成する材料として、代表的にはセラミックスが挙げられる。セラミックスとして、例えば、炭化珪素、珪素-炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、窒化ケイ素、スピネル、炭化珪素-コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、および、アルミニウムチタネートが挙げられる。隔壁を構成する材料は、単独でまたは組み合わせて使用できる。隔壁を構成する材料のなかでは、好ましくは、コージェライト、アルミナ、ムライト、炭化珪素、珪素-炭化珪素系複合材料、および、窒化ケイ素が挙げられ、より好ましくは、炭化珪素、および、珪素-炭化珪素系複合材料が挙げられる。
【0021】
このようなハニカム状基材10は、代表的には、以下の方法により作製され得る。まず、上記したセラミックス粉末を含む材料粉末に、必要に応じてバインダーと水または有機溶媒とを加え、得られた混合物を混練して坏土とし、坏土を所望の形状に成形(代表的には押出成形)し、その後、乾燥し必要に応じて焼成して、ハニカム状基材10を作製する。焼成する場合は、例えば1200℃~1500℃で焼成する。焼成時間は、例えば1時間以上20時間以下である。
【0022】
B-2.二酸化炭素吸着層
1つの実施形態において、二酸化炭素吸着層15は、隔壁13の表面に形成されている。ハニカム状基材10では、セル14の断面における二酸化炭素吸着層15が形成されていない部分(代表的には中央部)に、ガス流路16が形成されている。二酸化炭素吸着層15は、図示例のように隔壁13の内面全体に(すなわち、ガス流路16を包囲するように)形成されてもよく、隔壁の表面の一部に形成されてもよい。二酸化炭素吸着層15が隔壁13の内面全体に形成されていると、COの除去効率の向上を図り得る。
【0023】
ガス流路16は、セル14と同様に第1端面1a(流入端面)から第2端面1b(流出端面)まで延びている。ガス流路16の断面形状としては、上記したセル14と同様の断面形状が挙げられ、好ましくは六角形、四角形が挙げられ、より好ましくは正方形、長方形または六角形が挙げられる。ガス流路16の断面形状およびサイズは、すべてが同一であってもよく、少なくとも一部が異なっていてもよい。
【0024】
二酸化炭素吸着層15は、多孔質担体と二酸化炭素吸着材とを含んでいる。二酸化炭素吸着層15では、多孔質担体がメソ細孔を形成している。
多孔質担体として、例えば、MOF-74、MOF-200、MOF-210などの有機金属構造体(MOF);活性炭;窒素ドープカーボン;メソポーラスシリカ;メソポーラスアルミナ;ゼオライト;カーボンナノチューブが挙げられ、好ましくは、有機金属構造体(MOF)、メソポーラスシリカ、および、メソポーラスアルミナが挙げられる。
【0025】
多孔質担体のBET比表面積は、例えば50m/g以上、好ましくは500m/g以上である。多孔質担体の表面積が上記下限以上であれば、二酸化炭素吸着材を十分に担持でき、CO吸収率の向上を図り得る。多孔質担体のBET比表面積の上限は代表的には2000m/g以下である。
【0026】
二酸化炭素吸着層15における多孔質担体の含有割合は、例えば0.1質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、例えば70質量%以下、好ましくは50質量%以下である。
【0027】
二酸化炭素吸着層15の厚みは、特に制限されるものではないが、例えば10μm以上、好ましくは50μm以上であり、例えば1000μm以下、好ましくは500μm以下である。
【0028】
二酸化炭素吸着材は、代表的には、多孔質担体に担持されており、ガス流路16に面して存在している。
二酸化炭素吸着材としては、COを吸着および脱離可能な任意の適切な化合物を採用し得る。二酸化炭素吸着材として、例えば、後述する窒素含有化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ化合物;炭酸カルシウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩;炭酸水素カルシウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩;MOF-74、MOF-200、MOF-210などの有機金属構造体(MOF);ゼオライト;活性炭;窒素ドープカーボンなどが挙げられる。二酸化炭素吸着材は、好ましくは、多孔質担体と異なる材料が採用される。
【0029】
二酸化炭素吸着材のなかでは、より好ましくは、窒素含有化合物が挙げられる。窒素含有化合物として、より具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-(3-アミノプロピル)ジエタノールアミン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ポリビニルアミン、メチルジエチルアミン、テトラエチレンペンタミンなどのアミン化合物;1-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジンなどのピペラジン化合物;ポリエチレンイミン-トリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピル-トリメトキシシランなどのアミノシランカップリング剤;ポリアミドアミン、ポリエチレンイミン、アミノ基を付与したポリスチレンなどの第一級アミノ基~第三級アミノ基を有する有機ポリマー;エチレンイミン、アミノ基を付与したスチレンなどの第一級アミノ基~第三級アミノ基を有する有機モノマー;アミノ基が置換基として付与された有機/無機化合物;が挙げられる。二酸化炭素吸着材は、単独でまたは組み合わせて使用できる。
【0030】
二酸化炭素吸着層15における二酸化炭素吸着材の含有割合は、例えば0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上である。二酸化炭素吸着材の含有割合が上記下限以上であると、優れたCO吸収率を安定して確保できる。二酸化炭素吸着材の含有割合の上限は、代表的には30質量%以下である。
【0031】
このような二酸化炭素吸着層15は、代表的には、以下の方法により作製され得る。まず、上記した多孔質担体を分散媒に分散した多孔質担体の分散液を調製し、当該分散液に二酸化炭素吸着材を添加する。次いで、多孔質担体および二酸化炭素吸着材を含む分散液を、基材1(具体的には隔壁13)上に塗布した後、塗膜を乾燥、必要に応じて焼結させて、二酸化炭素吸着層15を形成する。なお、二酸化炭素吸着層の形成方法については、E項の再形成工程の説明において詳述する。
【0032】
二酸化炭素吸着層15の作製方法は、上記に限定されない。例えば、上記した多孔質担体を分散媒に分散した多孔質担体の分散液を調製し、当該分散液を、基材1(具体的には隔壁13)上に塗布した後、塗膜を乾燥後に焼結させて、担体含有膜を形成する。その後、常温常圧下で液体の二酸化炭素吸着材、または、二酸化炭素吸着材の溶液を、担体含有膜に塗布する。これによって、二酸化炭素吸着材が担体含有膜の多孔質担体に染み込んで担持される。そのため、二酸化炭素吸着層15が形成される。
【0033】
別の実施形態では、二酸化炭素吸着層15は、上記した二酸化炭素吸着材および上記した多孔質担体を備える粒子と、有機バインダと、を含んでいる。上記した二酸化炭素吸着材および上記した多孔質担体を備える粒子は、二酸化炭素吸着能を有しており、以下では、二酸化炭素吸着能粒子とする。有機バインダは、二酸化炭素吸着能粒子を結合可能であり、代表的には基材1に固着する。有機バインダは、非プロトン性極性溶媒に対して溶解可能であり、かつ、プロトン性極性溶媒に対して実質的に不溶である。つまり、有機バインダは、プロトン性極性溶媒である水に対して耐性(耐水性)を有する。有機バインダが、プロトン性極性溶媒に対して実質的に不溶であり、耐水性を有しているので、例えば大気中の水蒸気によって、有機バインダが膨潤することを抑制できる。そのため、有機バインダの体積膨張および/または強度の低下を抑制でき、ひいては、有機バインダが二酸化炭素吸着能粒子を結合して保持する構造の変化を抑制できる。その結果、使用環境に関わらず、優れた二酸化炭素吸着能を維持できる。
【0034】
二酸化炭素吸着層15の隔壁13と反対側の表面は、好ましくは、三次元の網の目構造、または、多孔質なラメラ構造を有している。そのため、二酸化炭素吸着層の表面から内部に向かって効率的に二酸化炭素などの酸性ガスを拡散することができる。特に、有機バインダが耐水性を有しているので、酸性ガスと接触可能な表面において、このような微細な構造を、使用環境に関わらず安定して維持できる。
【0035】
二酸化炭素吸着能粒子は、代表的には、常温常圧(23℃、0.1MPa)において固体状態である。二酸化炭素吸着層15は、複数の二酸化炭素吸着能粒子を含んでいる。二酸化炭素吸着能粒子は、二酸化炭素吸着層15に含有された状態で、一次粒子であってもよく、複数の一次粒子が凝集した二次粒子であってもよい。
【0036】
二酸化炭素吸着能粒子が含む二酸化炭素吸着材のなかでは、好ましくは、上記した窒素含有化合物が挙げられ、より好ましくは、上記した第一級アミノ基~第三級アミノ基を有する有機モノマー、および、上記した第一級アミノ基~第三級アミノ基を有する有機ポリマーが挙げられる。当該有機ポリマーの重量平均分子量M(ポリスチレン換算)は、例えば1,000以上、好ましくは5万以上であり、例えば100万以下、好ましくは30万以下である。
【0037】
1つの実施形態において、二酸化炭素吸着能粒子が含む二酸化炭素吸着材は、実質的に、プロトン性極性溶媒(代表的には水)および非プロトン性極性溶媒に不溶である。
二酸化炭素吸着材の水に対する溶解度は、例えば0.1g/100g-HO以下、好ましくは0.05g/100g-HO以下である。二酸化炭素吸着材の水に対する溶解度が上記上限以下であれば、二酸化炭素吸着装置に優れた耐水性を安定して付与できる。なお、二酸化炭素吸着材の水に対する溶解度の下限は、代表的には0.01g/100g-HO以上である。
二酸化炭素吸着材の非プロトン性極性溶媒に対する溶解度は、例えば1g/100g-非プロトン性極性溶媒以下、好ましくは0.5g/100g-非プロトン性極性溶媒以下である。二酸化炭素吸着材の非プロトン性極性溶媒に対する溶解度が上記上限以下であれば、酸性ガス吸着装置の製造において、二酸化炭素吸着材が非プロトン性極性溶媒に溶解することを抑制できる。なお、二酸化炭素吸着材の非プロトン性極性溶媒に対する溶解度の下限は、代表的には0.01g/100g-非プロトン性極性溶媒以上である。
【0038】
二酸化炭素吸着材の溶解度パラメータは、例えば7以上、好ましくは8以上であり、例えば20以下、好ましくは15以下である。溶解度パラメータは、例えばヒルデブラント法により算出できる。
【0039】
有機バインダとしては、二酸化炭素吸着能粒子を結合可能な任意の適切な有機化合物を採用し得る。有機バインダは、非プロトン性極性溶媒に対して溶解可能であり、かつ、プロトン性極性溶媒に対して実質的に不溶である。有機バインダとして、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)などのフッ素重合体;ポリエーテルサルフォン(PES)などの非晶質プラスチックが挙げられる。有機バインダは、単独でまたは組み合わせて使用できる。
有機バインダのなかでは、好ましくは、少なくとも水を貧溶媒とする有機バインダ(実質的に水に不溶な有機バインダ)が挙げられ、より好ましくはフッ素重合体が挙げられ、さらに好ましくはポリフッ化ビニリデンが挙げられる。有機バインダがフッ素重合体(ポリフッ化ビニリデン)を含んでいると、二酸化炭素吸着装置に優れた耐熱性および耐水性を付与できる。
【0040】
有機バインダのプロトン性極性溶媒(代表的には水)に対する溶解度は、例えば0.1g/100g-プロトン性極性溶媒以下、好ましくは0.05g/100g-プロトン性極性溶媒以下である。有機バインダのプロトン性極性溶媒(代表的には水)に対する溶解度が上記上限以下であれば、酸性ガス吸着装置に優れた耐水性を安定して付与できる。なお、有機バインダのプロトン性極性溶媒(代表的には水)に対する溶解度の下限は、代表的には0.01g/100g-プロトン性極性溶媒以上である。
【0041】
有機バインダの溶解度パラメータは、例えば9以上、好ましくは10以上であり、例えば15以下、好ましくは13以下である。
【0042】
二酸化炭素吸着層15は、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダに加えて、任意の適切な添加材を含んでいてもよい。
二酸化炭素吸着層15における、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダの総和の含有割合は、例えば30体積%以上、好ましくは、50体積%以上であり、例えば100体積%以下、好ましくは99体積%以下である。なお、体積%は、例えば、微構造観察、元素分析によって測定できる。
【0043】
二酸化炭素吸着層15における二酸化炭素吸着能粒子の含有割合は、例えば5体積%以上、好ましくは30体積%以上である。二酸化炭素吸着能粒子の含有割合が上記下限以上であると、二酸化炭素吸着装置の二酸化炭素の吸着性能を十分に確保できる。二酸化炭素吸着能粒子の含有割合の上限は、代表的には85体積%以下である。
【0044】
二酸化炭素吸着層15における有機バインダの含有割合は、例えば5体積%以上、好ましくは15体積%以上である。有機バインダの含有割合が上記下限以上であると、後述する吸着工程および/または脱離工程において、二酸化炭素吸着能粒子が二酸化炭素吸着層から脱落することを抑制できる。有機バインダの含有割合の上限は、代表的には70体積%以下である。
【0045】
二酸化炭素吸着層15は、代表的には、連通した気孔を有している。二酸化炭素吸着層15の気孔率は、例えば10%以上90%以下、好ましくは10%以上60%以下、より好ましくは15%以上40%以下である。
【0046】
二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む二酸化炭素吸着層15は、代表的には、以下の方法により作製され得る。まず、上記した有機バインダを非プロトン性極性溶媒に溶解してバインダ溶液を調製し、バインダ溶液に上記した二酸化炭素吸着能粒子を分散させた後に、当該バインダ溶液を基材1(具体的には隔壁13)の表面に塗布して前駆体膜を形成し、該前駆体膜に含まれる非プロトン性極性溶媒を有機バインダに対する貧溶媒に置換して、二酸化炭素吸着層15を形成する。なお、二酸化炭素吸着層の形成方法については、E項の再形成工程の説明において詳述する。
【0047】
また、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む二酸化炭素吸着層15の作製方法は、上記に限定されない。例えば、上記したバインダ溶液に上記した多孔質担体を分散させ、当該バインダ溶液を基材1(具体的には隔壁13)の表面に塗布して前駆体膜を形成した後、前駆体膜に含まれる非プロトン性極性溶媒を有機バインダに対する貧溶媒に置換して、多孔質担体および有機バインダを含む担体含有膜を形成し、続いて、二酸化炭素吸着材を担体含有膜に含まれる多孔質担体に担持させて、二酸化炭素吸着層15を形成してもよい。
【0048】
C.吸着工程および脱離工程
1つの実施形態による二酸化炭素吸着装置の再生方法は、上記した通り、二酸化炭素吸着装置100が備える二酸化炭素吸着材にCOを吸着させる吸着工程と;二酸化炭素吸着材からCOを脱離させる脱離工程と;を含んでいる。
【0049】
吸着工程では、代表的には、COを含有するガス(CO含有ガス)を、ハニカム状基材のガス流路16に流通させて、二酸化炭素吸着層15と接触させる。1つの実施形態において、CO含有ガスは、空気(大気)である。CO含有ガスにおけるCO濃度は、例えば100ppm以上2体積%以下である。CO含有ガスは、COに加えて、代表的には窒素を含んでいる。吸着工程におけるCO含有ガスの温度は、例えば0℃以上40℃以下である。吸着工程におけるCO含有ガスの圧力は、例えば0.3×10Pa以上2.0×10Pa以下である。吸着工程におけるCO含有ガスの相対湿度RHは、例えば10%RH以上60%RH以下である。吸着工程の実施時間は、例えば15分以上3時間以下である。吸着工程におけるCO含有ガスの流速は、例えば0.5m/秒以上5m/秒以下である。
【0050】
これによって、ガス流路16に面して存在する二酸化炭素吸着材が、COを吸着する。吸着工程でのCO回収率(=100-(ガス流路を通過したガスにおけるCO濃度/ガス流路に流入前のガスにおけるCO濃度×100))は、例えば80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であり、例えば100%以下である。
【0051】
脱離工程(脱着工程と称される場合もある。)は、吸着工程後に実施される。脱離工程では、代表的には、二酸化炭素吸着装置を加熱し離脱したCOをポンプなどで吸引し回収する、または、回収されたCOを再度二酸化炭素吸着装置に打ち込み加熱し離脱したCOを回収する。
脱離工程における温度は、例えば40℃を超過し、好ましくは70℃以上であり、例えば200℃以下、好ましくは110℃以下である。脱離工程の実施時間は、例えば1分以上1時間以下である。
これによって、二酸化炭素吸着材が保持していたCOが、二酸化炭素吸着材から脱離(放出、脱着)される。そのため、COを回収でき、種々の用途(例えばメタネーション)に利用可能である。
【0052】
これら吸着工程および脱離工程は、好ましくは、繰り返し実施可能である。1つの実施形態において、吸着工程および脱離工程のサイクルは、例えば10回以上、好ましくは30回以上、より好ましくは50回以上、さらに好ましくは100回以上実施し得る。
【0053】
D.除去工程
1つの実施形態では、吸着工程および脱離工程が実施された後(好ましくは、吸着工程および脱離工程のサイクルが上記範囲で実施された後)に、除去工程が実施される。
除去工程では、吸着工程および脱離工程が実施された二酸化炭素吸着装置の二酸化炭素吸着層15を、基材1(代表的には隔壁13)の表面から除去する。
【0054】
二酸化炭素吸着層の除去方法は、基材の材料および多孔質担体の種類に応じて、任意の適切な方法が採用され得る。除去方法として、例えば、二酸化炭素吸着装置を加熱して二酸化炭素吸着層を焼失させる方法(焼失法);二酸化炭素吸着層に酸性溶液を接触させて二酸化炭素吸着層を溶解する方法(酸溶解法);二酸化炭素吸着層にアルカリ性溶液を接触させて二酸化炭素吸着層を溶解する方法(アルカリ溶解法)が挙げられる。なお、除去工程において、二酸化炭素吸着層に有機溶媒を接触させて、二酸化炭素吸着材のみを有機溶媒に溶解して除去する方法も検討される。しかし、このような方法では、二酸化炭素吸着層から二酸化炭素吸着材を十分に除去できず、劣化した二酸化炭素吸着材が残存するおそれがある。そのため、除去工程後に再形成工程を実施して二酸化炭素吸着層を再度形成すると、劣化した二酸化炭素吸着材が新たに形成した二酸化炭素吸着層に悪影響を及ぼす場合がある。また、多孔質担体が乾燥および/または焼結によって基材に固着している場合、有機溶媒では多孔質担体を除去できないため、除去工程後に再形成工程を実施すると、残存した多孔質担体上に二酸化炭素吸着層が形成され、ガス流路が狭くなり得る。そのため、多孔質担体および二酸化炭素吸着材を含み、多孔質担体が基材に固着する二酸化炭素吸着層が基材上に配置される二酸化炭素吸着装置には、有機溶媒を用いた除去工程は不適である。一方、二酸化炭素吸着層が二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含み、有機バインダが基材に固着する場合、二酸化炭素吸着層に非プロトン性極性溶媒を接触させることで、二酸化炭素吸着層を除去することが可能である(非プロトン性極性溶媒溶解法)。
【0055】
D-1.焼失法
基材1(ハニカム状基材10)を構成する材料が、コージェライト、アルミナ、ムライト、炭化珪素、珪素-炭化珪素系複合材料、または、窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種を含み、かつ、多孔質担体が有機金属構造体および/または活性炭を含む場合、除去工程では、好ましくは、焼失法が選択される。
焼失法では、吸着工程および脱離工程が実施された二酸化炭素吸着装置を加熱して二酸化炭素吸着層(多孔質担体および二酸化炭素吸着材)を焼失させる。加熱温度は、例えば400℃以上、好ましくは500℃以上であり、例えば700℃以下、好ましくは650℃以下である。加熱時間は、二酸化炭素吸着層を除去できれば特に制限されず、例えば1時間以上48時間以下である。
【0056】
D-2.酸溶解法
基材1(ハニカム状基材10)を構成する材料が、アルミナ、炭化珪素、または、珪素-炭化珪素系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種を含み、多孔質担体がメソポーラスシリカおよび/またはゼオライトを含む場合、除去工程では、好ましくは、酸溶解法が選択される。
酸溶解法では、吸着工程および脱離工程が実施された二酸化炭素吸着装置100のガス流路16に、酸性溶液を流通させて、酸性溶液を二酸化炭素吸着層15と接触させる。これによって、二酸化炭素吸着層(多孔質担体および二酸化炭素吸着材)が酸性溶液に溶解して除去される。
酸性溶液は、代表的には、酸成分の水溶液である。水中における酸成分の酸解離定数pKaは、例えば-4.0以上、好ましくは-3.7以上であり、例えば3以下、好ましくは2.7以下である。酸成分として、具体的には、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、塩酸およびリン酸が挙げられる。酸性溶液における酸成分の濃度は、例えば30質量%以上、好ましくは70質量%以上であり、例えば100質量%以下、好ましくは90質量%以下である。
【0057】
D-3.アルカリ溶解法
基材1(ハニカム状基材10)を構成する材料が、炭化珪素および/または珪素-炭化珪素系複合材料を含み、多孔質担体がメソポーラスアルミを含む場合、除去工程では、好ましくは、アルカリ溶解法が選択される。
アルカリ溶解法では、吸着工程および脱離工程が実施された二酸化炭素吸着装置100のガス流路16に、アルカリ性溶液を流通させて、アルカリ性溶液を二酸化炭素吸着層15と接触させる。これによって、二酸化炭素吸着層(多孔質担体および二酸化炭素吸着材)がアルカリ性溶液に溶解して除去される。
アルカリ性溶液は、代表的には、アルカリ成分の水溶液である。水中におけるアルカリ成分の塩基解離定数pKbは、例えば0以上、好ましくは1以上であり、例えば3以下、好ましくは2.5以下である。アルカリ成分として、具体的には、水酸化ナトリウム、および、水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ性溶液におけるアルカリ成分の濃度は、例えば10質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、例えば100質量%以下、好ましくは90質量%以下である。
【0058】
D-4.非プロトン性極性溶媒溶解法
二酸化炭素吸着層が二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む場合、除去工程では、好ましくは、非プロトン性極性溶媒溶解法が選択される。
非プロトン性極性溶媒溶解法では、吸着工程および脱離工程が実施された二酸化炭素吸着装置100のガス流路16に、非プロトン性極性溶媒を流通させて、非プロトン性極性溶媒を二酸化炭素吸着層15と接触させる。これによって、二酸化炭素吸着層に含まれる有機バインダが非プロトン性極性溶媒に溶解して、二酸化炭素吸着能粒子が基材から離脱する。これによって、二酸化炭素吸着層が除去される。
二酸化炭素吸着層を除去した非プロトン性極性溶媒は、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む。そのため、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む非プロトン性極性溶媒から、ろ過などにより二酸化炭素吸着能粒子を除去したのちに、有機バインダを含む非プロトン性極性溶媒に、プロトン性極性溶媒を添加することで有機バインダのみを析出させ再利用することもできる。
【0059】
非プロトン性極性溶媒としては、任意の適切な有機溶媒を採用し得る。非プロトン性極性溶媒として、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)が挙げられる。非プロトン性極性溶媒は、単独でまたは組み合わせて使用できる。
非プロトン性極性溶媒のなかでは、好ましくはN-メチル-2-ピロリドン(NMP)が挙げられる。非プロトン性極性溶媒がNMPを含んでいると、有機バインダ(特にPVDF)をより円滑に溶解でき、かつ、二酸化炭素吸着層を低エネルギーで円滑に除去できる。
【0060】
以上によって、図3に示すように、基材1(代表的には隔壁13)の表面から、二酸化炭素吸着層(多孔質担体および二酸化炭素吸着材)が除去される。基材1(代表的には隔壁13)の表面は、必要に応じて洗浄される。
【0061】
E.再形成工程
1つの実施形態では、除去工程後に再形成工程が実施される。再形成工程では、二酸化炭素吸着層15が除去された基材1(代表的には隔壁13)の表面に、新たに二酸化炭素吸着層15を形成する。
【0062】
再形成工程では、例えば、まず、上記した多孔質担体を分散媒に分散した多孔質担体の分散スラリー液を調製する。分散媒として、例えば、水、アルコール類、ジオール類が挙げられる。分散媒は、単独でまたは組み合わせて使用できる。分散媒のなかでは、好ましくは水系溶媒(水、および、水を含む混合溶媒)が挙げられる。
分散スラリー液における多孔質担体の濃度は、例えば10質量%以上、好ましくは15質量%以上であり、例えば50質量%以下、好ましくは30質量%以下である。多孔質担体の濃度を上記範囲に調整することにより、二酸化炭素吸着層を基材上に安定して形成し得る。
【0063】
次いで、分散スラリー液に二酸化炭素吸着材を添加する。分散スラリー液における二酸化炭素吸着材の濃度は、例えば5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、例えば30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。
【0064】
次いで、多孔質担体および二酸化炭素吸着材を含む分散スラリー液を、基材1(具体的には隔壁13)上に任意の適切な方法により塗布する。1つの実施形態では、ハニカム状基材10のセル14内に分散液を流通させる。これによって、隔壁の表面に分散液を円滑に塗布できる。分散スラリー液の塗布回数は、二酸化炭素吸着層の厚みに応じて適宜変更される。
【0065】
次いで、分散スラリー液を塗布したハニカム状基材を、例えば、50℃~200℃に加熱して、塗膜を乾燥、必要に応じて焼結させる。乾燥時間は、例えば0.5時間以上24時間以下である。焼結する場合は、例えば80℃~300℃で焼結する。焼結時間は、例えば1時間以上100時間以下である。
これによって、多孔質担体および二酸化炭素吸着材を含む二酸化炭素吸着層が、基材1(具体的には隔壁13)上に再度形成される。
【0066】
別の実施形態では、例えば、まず、上記した分散スラリー液を、上記と同様に、基材1(具体的には隔壁13)上に塗布する。次いで、分散スラリー液を塗布した基材上の塗膜を乾燥させた後に、例えば400℃以上800℃以下に加熱して焼結させる。焼結時間は、例えば1時間以上100時間以下である。これによって、担体含有膜が形成される。次いで、担体含有膜に、常温常圧下で液体の二酸化炭素吸着材、または、二酸化炭素吸着材の溶液を、上記と同様に、担体含有膜に塗布する。これによって、二酸化炭素吸着材が担体含有膜の多孔質担体に染み込んで担持される。これによっても、多孔質担体および二酸化炭素吸着材を含む二酸化炭素吸着層を、基材1(具体的には隔壁13)上に再度形成できる。
【0067】
さらに別の実施形態では、まず、上記した有機バインダを上記した非プロトン性極性溶媒に溶解して、バインダ溶液を調製する。非プロトン性極性溶媒は、上記した有機バインダを溶解可能であり、かつ、上記した二酸化炭素吸着能粒子(より詳しくは二酸化炭素吸着材)が不溶である。
【0068】
有機バインダと非プロトン性極性溶媒との溶解度パラメータ距離は、例えば3以下、好ましくは2以下である。有機バインダと非プロトン性極性溶媒との溶解度パラメータ距離が上記上限以下であれば、有機バインダを非プロトン性極性溶媒に円滑に溶解できる。有機バインダと非プロトン性極性溶媒との溶解度パラメータ距離の下限は、代表的には0以上である。
二酸化炭素吸着材と非プロトン性極性溶媒との溶解度パラメータ距離は、例えば2以上、好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上である。二酸化炭素吸着材と非プロトン性極性溶媒との溶解度パラメータ距離が上記下限以上であれば、二酸化炭素吸着材が非プロトン性極性溶媒に溶解することを抑制できる。二酸化炭素吸着材と非プロトン性極性溶媒との溶解度パラメータ距離の上限は、代表的には10以下である。
【0069】
次いで、バインダ溶液に、上記した二酸化炭素吸着能粒子を添加して分散させる。
【0070】
非プロトン性極性溶媒に対する有機バインダの溶液であって、二酸化炭素吸着能粒子が分散した溶液(粒子分散バインダ溶液)を、上記と同様に、基材1の表面に任意の適切な方法により塗布する。
これによって、基材1の表面(代表的には、隔壁13の表面)に、粒子分散バインダ溶液が塗布され、前駆体膜が形成される。前駆体膜は、上記した二酸化炭素吸着能粒子と、上記した有機バインダと、上記した非プロトン性極性溶媒と、を含んでいる。
【0071】
次いで、前駆体膜に含まれる非プロトン性極性溶媒を、有機バインダに対する貧溶媒に置換する。
貧溶媒は、上記した非プロトン性極性溶媒(良溶媒)よりも有機バインダを溶解しにくく、実質的には、有機バインダは、貧溶媒に不溶である。有機バインダと貧溶媒との溶解度パラメータ距離は、代表的には、有機バインダと非プロトン性極性溶媒(良溶媒)との溶解度パラメータ距離よりも大きい。有機バインダと貧溶媒との溶解度パラメータ距離は、例えば2以上、好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上である。
【0072】
貧溶媒として、例えば、水、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール類などのプロトン性極性溶媒;ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)などのフロン類;が挙げられる。貧溶媒は、単独でまたは組み合わせて使用できる。貧溶媒のなかでは、好ましくは水が挙げられる。
【0073】
非プロトン性極性溶媒の置換によりプロトン性溶媒に安定した膜が得られる。
【0074】
これによって、基材1の表面(代表的には隔壁13の表面)に、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む二酸化炭素吸着層15を再度形成できる。その後、必要に応じて、二酸化炭素吸着層15を乾燥させる。
【0075】
また、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む二酸化炭素吸着層の再形成工程は、上記した実施形態に制限されない。例えば、まず、上記と同様にバインダ溶液を調製する。次いで、バインダ溶液に、上記した多孔質担体を添加して分散させる。
【0076】
これによって、多孔質担体がバインダ溶液に分散して、多孔質担体が分散したバインダ溶液(担体分散バインダ溶液)が調製される。
【0077】
次いで、担体分散バインダ溶液を、基材1の表面に、上記した塗布方法により塗布する。
これによって、基材1の表面(代表的には隔壁13の表面)に、担体分散バインダ溶液が塗布され、前駆体膜が形成される。前駆体膜は、上記した多孔質担体と、上記した有機バインダと、上記した非プロトン性極性溶媒と、を含んでいる。
【0078】
次いで、前駆体膜に含まれる非プロトン性極性溶媒を、上記した貧溶媒に置換する。
これによって、基材1の表面(代表的には隔壁13の表面)に、担体含有膜が形成される。その後、必要に応じて、担体含有膜を乾燥させる。担体含有膜は、上記した多孔質担体と、上記した有機バインダとを含んでいる。
【0079】
次いで、上記した二酸化炭素吸着材を担体含有膜に含まれる多孔質担体に担持させる。本実施形態で使用される二酸化炭素吸着材は、好ましくは、常温常圧下で液体である。より具体的には、上記した塗布方法により、常温常圧下で液体の二酸化炭素吸着材を担体含有膜に塗布する。これによって、二酸化炭素吸着材が担体含有膜の多孔質担体に染み込んで担持され、酸性ガス吸着化合物および多孔質担体から構成される二酸化炭素吸着能粒子が形成される。すなわち、二酸化炭素吸着層15は、二酸化炭素吸着能粒子と有機バインダとから構成される。
以上によっても、二酸化炭素吸着能粒子および有機バインダを含む二酸化炭素吸着層15を再度形成できる。
【0080】
以上によって、二酸化炭素吸着装置100が再生される。このような二酸化炭素吸着装置(酸性ガス吸着装置)の再生方法は、言い換えると、新たな二酸化炭素吸着層(酸性ガス吸着層)を備える二酸化炭素吸着装置(酸性ガス吸着装置)の製造方法である。二酸化炭素吸着装置(酸性ガス吸着装置)の製造方法は、上記した吸着工程と;上記した脱離工程と;上記した除去工程と;上記した再形成工程と;を含んでいる。このような二酸化炭素吸着装置の製造方法では、優れたCO回収性能を有する二酸化炭素吸着装置を製造できる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の実施形態による酸性ガス吸着装置の再生方法は、酸性ガスの分離・回収に用いられる酸性ガス吸着装置の再生に用いられ、特に、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)サイクルに用いられる二酸化炭素吸着装置の再生に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0082】
10 ハニカム状基材
13 隔壁
14 セル
15 二酸化炭素吸着層
100 二酸化炭素吸着装置
図1
図2
図3