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特許7550350情報処理装置、紐づけ方法、およびセンサーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、紐づけ方法、およびセンサーシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20240906BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021016779
(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公開番号】P2022119557
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】白方 亨宗
(72)【発明者】
【氏名】滝波 浩二
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-109557(JP,A)
【文献】特開2010-098550(JP,A)
【文献】特開2014-146173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0188324(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/00- 1/68
G01S 5/00- 5/14
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路に沿って設置され、前記経路を移動する物体を検知する各センサーの識別子と前記各センサーの既知の設置位置とを紐づける情報処理装置であって、
前記物体を検知した検知完了センサーが送信する識別子を受信する受信回路と、
前記受信した識別子と前記各センサーの前記既知の設置位置とに基づいて、前記識別子と前記検知完了センサーの設置位置とを紐づける制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記経路のうち一部の第1経路で、前記各センサーの前記既知の設置位置に基づいて、前記識別子の受信順に、前記識別子を前記検知完了センサーの設置位置に紐づけ、
前記受信回路は、前記物体を検知しなかった検知未完了センサーから、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーにおける他センサーの信号の受信強度とを含む受信強度情報を受信し、
前記制御回路は、前記経路のうち残りの第2経路に設置されている前記検知未完了センサーに対して、前記受信強度情報と前記各センサーの設置位置関係とに基づいて、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーの設置位置とを紐づける、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記物体を検知するセンサー数が最も多くなるように前記物体の移動する経路を、前記第1経路に設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記物体が最も広い範囲にわたって移動するように前記物体の移動する経路を、前記第1経路に設定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
経路に沿って設置され、前記経路を移動する物体を検知する各センサーの識別子と前記各センサーの既知の設置位置とを紐づける情報処理装置の紐づけ方法であって、
前記物体を検知した検知完了センサーが送信する識別子を受信し、
前記経路のうち一部の第1経路で、前記各センサーの前記既知の設置位置に基づいて、前記識別子の受信順に、前記識別子を前記検知完了センサーの設置位置に紐づけ、
前記物体を検知しなかった検知未完了センサーから、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーにおける他センサーの信号の受信強度とを含む受信強度情報を受信し、
前記経路のうち残りの第2経路に設置されている前記検知未完了センサーに対して、前記受信強度情報と前記各センサーの設置位置関係とに基づいて、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーの設置位置とを紐づける、
紐づけ方法。
【請求項5】
経路に沿って設置され、前記経路を移動する物体を検知する複数のセンサーと、
前記複数のセンサーの識別子と前記各センサーの既知の設置位置とを紐づける情報処理装置と、
を有するセンサーシステムであって、
前記情報処理装置は、
前記物体を検知した検知完了センサーが送信する識別子を受信する受信回路と、
前記受信した識別子と前記各センーの前記既知の設置位置とに基づいて、前記識別子と前記検知完了センサーの設置位置とを紐づける制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記経路のうち一部の第1経路で、前記各センサーの前記既知の設置位置に基づいて、前記識別子の受信順に、前記識別子を前記検知完了センサーの設置位置に紐づけ、
前記受信回路は、前記物体を検知しなかった検知未完了センサーから、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーにおける他センサーの信号の受信強度とを含む受信強度情報を受信し、
前記制御回路は、前記経路のうち残りの第2経路に設置されている前記検知未完了センサーに対して、前記受信強度情報と前記各センサーの設置位置関係とに基づいて、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーの設置位置とを紐づける、
センサーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、紐づけ方法、およびセンサーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IoT(Internet of Things)化の急速な進展に伴い、無線機を搭載したセンサーの利用が増加している。このようなセンサーの利用増加に伴い、初期設定において、センサーの既知の設置位置と、センサーの個体識別子(ID)とを紐づける手作業の工数が増加し、手作業が煩雑化することが想定される。
【0003】
特許文献1には、人手に依らず無線機の設置位置と無線機IDと紐付ける位置推定装置が開示されている。特許文献1の位置推定装置は、無線機が設置されている位置は既知であるが、各位置の無線機IDが未知である場合に、無線機の設置位置と無線機IDとの組み合わせ全てを列挙し、無線機の受信信号強度と各無線機間の距離の情報とを用いて、設置位置と無線機IDとの組み合わせ全てにおいて矛盾度を計算する。そして、位置推定装置は、計算した矛盾度を比較して、矛盾度の低い無線機の設置位置と無線機IDとを紐付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】2017-227600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の位置推定装置では、無線機の既知の設置位置と未知の無線機IDとの組み合わせ全てにおいて矛盾度を計算し比較するため計算量が多く、消費電力が大きいという問題がある。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、消費電力を低減できる情報処理装置、紐づけ方法、およびセンサーシステムの提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施例は、経路に沿って設置され、前記経路を移動する物体を検知する各センサーの識別子と前記各センサーの既知の設置位置とを紐づける情報処理装置であって、前記物体を検知した検知完了センサーが送信する識別子を受信する受信回路と、前記受信した識別子と前記各センサーの前記既知の設置位置とに基づいて、前記識別子と前記検知完了センサーの設置位置とを紐づける制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記経路のうち一部の第1経路で、前記各センサーの前記既知の設置位置に基づいて、前記識別子の受信順に、前記識別子を前記検知完了センサーの設置位置に紐づけ、前記受信回路は、前記物体を検知しなかった検知未完了センサーから、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーにおける他センサーの信号の受信強度とを含む受信強度情報を受信し、前記制御回路は、前記経路のうち残りの第2経路に設置されている前記検知未完了センサーに対して、前記受信強度情報と前記各センサーの設置位置関係とに基づいて、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーの設置位置とを紐づける、情報処理装置。
【0008】
また、本開示の一実施例は、経路に沿って設置され、前記経路を移動する物体を検知する各センサーの識別子と前記各センサーの既知の設置位置とを紐づける情報処理装置の紐づけ方法であって、前記物体を検知した検知完了センサーが送信する識別子を受信し、前記経路のうち一部の第1経路で、前記各センサーの前記既知の設置位置に基づいて、前記識別子の受信順に、前記識別子を前記検知完了センサーの設置位置に紐づけ、前記物体を検知しなかった検知未完了センサーから、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーにおける他センサーの信号の受信強度とを含む受信強度情報を受信し、前記経路のうち残りの第2経路に設置されている前記検知未完了センサーに対して、前記受信強度情報と前記各センサーの設置位置関係とに基づいて、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーの設置位置とを紐づける、紐づけ方法。
【0009】
本開示の一実施例は、経路に沿って設置され、前記経路を移動する物体を検知する複数のセンサーと、前記複数のセンサーの識別子と前記各センサーの既知の設置位置とを紐づける情報処理装置と、を有するセンサーシステムであって、前記情報処理装置は、前記物体を検知した検知完了センサーが送信する識別子を受信する受信回路と、前記受信した識別子と前記各センターの前記既知の設置位置とに基づいて、前記識別子と前記検知完了センサーの設置位置とを紐づける制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記経路のうち一部の第1経路で、前記各センサーの前記既知の設置位置に基づいて、前記識別子の受信順に、前記識別子を前記検知完了センサーの設置位置に紐づけ、前記受信回路は、前記物体を検知しなかった検知未完了センサーから、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーにおける他センサーの信号の受信強度とを含む受信強度情報を受信し、前記制御回路は、前記経路のうち残りの第2経路に設置されている前記検知未完了センサーに対して、前記受信強度情報と前記各センサーの設置位置関係とに基づいて、前記検知未完了センサーの識別子と前記検知未完了センサーの設置位置とを紐づける、センサーシステム。
【0010】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータープログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一実施例によれば、情報処理装置は、消費電力を低減できる。
【0012】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態に係るセンサーシステムの構成例を示した図
図2】情報処理装置に入力される設置情報の一例を説明する図
図3】センサーの設置番号とセンサーIDとの紐付け結果の一例を示した図
図4】情報処理装置のブロック構成例を示した図
図5】センサーのブロック構成例を示した図
図6】探索木の一例を示した図
図7】試験経路に設置されたセンサーの設置位置とセンサーIDとの紐づけ処理の一例を説明する図
図8】紐づけ未完了のセンサーにおけるフィンガープリントの例を示した図
図9】試験経路に設置されたセンサーの設置位置とセンサーIDとの紐づけ処理の一例を説明する図
図10】情報処理装置のセンサー設置推定モードにおける動作例を示したフローチャート
図11】情報処理装置のセンサー設置推定モードにおける動作例を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0015】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0016】
図1は、本開示の実施の形態に係るセンサーシステムAの構成例を示した図である。図1に示すように、センサーシステムAは、情報処理装置1と、センサー2a~2gと、を有する。図1に示すA~Gは、センサー2a~2gのセンサーIDを示す。
【0017】
図1には、ベルトコンベアー3が示してある。ベルトコンベアー3は、図1の点線A1で示す周回経路と、周回経路をショートする矢印A2で示す分岐経路と、周回経路から外に向かって伸びる矢印A3で示す分岐経路と、を有する。
【0018】
ベルトコンベアー3によって搬送される物体Bの搬送経路は、例えば、情報処理装置1の指示に応じて設定されてもよい。物体Bは、ベルトコンベアー3に限らず、自動搬送車またはロボットといった搬送装置によって、予め設定された経路を搬送されてもよい。
【0019】
センサー2a~2gは、例えば、ベルトコンベアー3に沿って設置され、ベルトコンベアー3上を搬送される物体Bを検知する。例えば、センサー2a~2gは、光センサーであり、センサー2a~2gの前を通過する物体Bを検知する。センサー2a~2gは、無線機能を有し、物体Bを検知した検知情報を、情報処理装置1に無線送信する。また、センサー2a~2gは、相互に無線通信する。
【0020】
情報処理装置1は、例えば、サーバーまたはパーソナルコンピューターといった装置である。情報処理装置1は、センサー2a~2gの既知の設置位置と、センサー2a~2gのセンサーIDとを紐付けるセンサー設置推定モードと、物体Bがベルトコンベアー3上において適切に搬送されているか否かを監視する通常モードとの2つの動作モードを有する。
【0021】
通常モードにおいて、情報処理装置1は、センサー2a~2gから無線送信される検知情報を受信する。情報処理装置1は、受信した検知情報に基づいて、ベルトコンベアー3で搬送される物体Bが、予め設定された経路を適切に搬送されているか否かを監視する。なお、情報処理装置1は、センサー設置推定モードにおいて、センサー2a~2gの設置位置と、センサーIDとを紐付けた後、通常モードで動作してもよい。
【0022】
センサー設置推定モードにおいて、情報処理装置1には、ベルトコンベアー3に対する、センサー2a~2gの設置位置を示す設置情報がユーザーによって入力される。設置情報は、ベルトコンベアー3に対するセンサー2a~2gの設置位置を示す情報であって、センサー2a~2gのセンサーIDは含まれない。
【0023】
図2は、情報処理装置1に入力される設置情報の一例を説明する図である。設置情報は、図2に示すように、ベルトコンベアー3の形状(経路)を示す情報を有する。また、設置情報は、図2に示すように、センサー2a~2gの設置位置を示す設置番号1~7の情報を有する。設置番号の番号1~7は、情報処理装置1が付与してもよいし、ユーザーが設定してもよい。設置情報は、図2に示すように、ベルトコンベアー3に対するセンサー2a~2gの設置位置を示す。
【0024】
なお、設置情報は単に、ベルトコンベアー3に対するセンサー2a~2gの設置位置を示し、センサー2a~2gの設置位置(設置番号)と、センサーIDとの関係を示していない。情報処理装置1は、センサー設置推定モードにおいて、後述する方法を用い、センサー2a~2gの設置番号(設置位置)と、センサーIDとの紐付けを行う。
【0025】
図3は、センサー2a~2gの設置番号とセンサーIDとの紐付け結果の一例を示した図である。図3に示す設置番号は、図2の設置番号と同様に、センサー2a~2gのベルトコンベアー3に対する設置位置を示す。図3に示すA~Gは、センサー2a~2gのセンサーIDを示す。
【0026】
情報処理装置1は、後述する方法によって、設置番号とセンサーIDとを紐付ける。例えば、情報処理装置1は、図3に示すように、設置番号1とセンサーID「A」とを紐付ける。以下、同様に、情報処理装置1は、設置番号2~7とセンサーID「B」~「G」とを紐づける。これにより、ユーザーは、ベルトコンベアー3の設置番号1~7の各位置に、センサーID「A」~「G」のセンサーが設置されたことを把握できる。
【0027】
すなわち、ユーザーは、情報処理装置1から、センサー2a~2gの設置位置と、センサー2a~2gのセンサーIDとの紐付け結果を得る。従って、ユーザーは、センサー2a~2gのセンサーIDを意識せずにベルトコンベアー3に設置し、情報処理装置1から、ベルトコンベアー3のどの位置に、どのセンサーIDのセンサー2a~2gを設置したかの情報を得ることができる。
【0028】
なお、後述する設置位置とセンサーIDとの紐付け方法は、情報処理装置1の計算コストを抑制する。従って、情報処理装置1は、消費電力を低減できる。
【0029】
図4は、情報処理装置1のブロック構成例を示した図である。図4に示すように、情報処理装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、インターフェース部14と、を有する。
【0030】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)といったプロセッサーによって構成されてもよい。制御部11は、情報処理装置1全体を制御する。制御部11は、センサー2a~2gの設置番号と、センサー2a~2gのセンサーIDとを紐付ける紐付け部11aを有する。
【0031】
通信部12は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、またはWiGig(登録商標)といった無線通信を用いて、センサー2a~2gと無線通信を行う。
【0032】
記憶部13には、制御部11が動作するためのプログラムが記憶される。紐付け部11aは、制御部11がプログラムを実行することによって、その機能が実現されてもよい。また、記憶部13には、制御部11が計算処理を行うためのデータ、または、制御部11が各部を制御するためのデータが記憶される。記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、およびHDD(Hard Disk Drive)といった記憶装置によって記憶されてもよい。
インターフェース部14は、例えば、キー入力装置から受信した信号を受信し、制御部11に出力する入力部(図示せず)を有する。また、インターフェース部14は、例えば、制御部11から送信される信号を表示装置に出力する出力部(図示せず)を有する。
【0033】
図5は、センサー2aのブロック構成例を示した図である。図5に示すように、センサー2aは、制御部21aと、通信部22aと、記憶部23aと、センシング部24aと、を有する。
【0034】
制御部21aは、例えば、CPUまたはDSPといったプロセッサーによって構成されてもよい。制御部21aは、センサー2a全体を制御する。制御部21aは、他のセンサー2b~2gからの信号の受信強度を測定する測定部21aaを有する。測定部21aaは、情報処理装置1の指示に応じて、受信強度を含む受信強度情報を情報処理装置1に送信する。
【0035】
なお、信号の受信強度は、例えば、RSSI(Received signal strength indication)、SNR(signal-to-noise ratio)、またはSINR(Signal-to-interference-plus-noise ratio)であってもよい。また、受信強度情報には、受信強度を測定するための信号を送信したセンサーのセンサーIDと、信号を受信したセンサーのセンサーIDとが含まれてもよい。
【0036】
通信部22aは、例えば、Wi-Fi、ブルートゥース、またはWiGigといった無線通信を用いて、センサー2b~2gと無線通信を行う。また、通信部22aは、例えば、Wi-Fiまたはブルートゥースといった無線通信を用いて、情報処理装置1と無線通信を行う。
【0037】
記憶部23aには、制御部21aが動作するためのプログラムが記憶される。測定部21aaは、制御部21aがプログラムを実行することによって、その機能が実現されてもよい。また、記憶部32aには、制御部21aが計算処理を行うためのデータ、制御部21aが各部を制御するためのデータ、およびセンサー2aのセンサーIDが記憶される。センサーIDは、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスであってもよい。記憶部23aは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、およびHDDといった記憶装置によって記憶されてもよい。
【0038】
センシング部24aは、ベルトコンベアー3上を流れる物体Bの通過を検知する。例えば、センシング部24aは、光を出射して反射した光を受光し、受光した光に基づいて、物体Bの通過を検知してもよい。なお、センシング部24aは、近接センサー、赤外線センサー、音波センサー、RFID(Radio Frequency Identifier)、レーダーであってもよい。センシング部24aが物体Bを検知する領域は、検知領域と称されてもよい。
【0039】
以下、センサー2a~2gの設置位置とセンサーIDとの紐付け方法について説明する。
【0040】
1.探索木の生成処理
情報処理装置1は、ユーザーによって入力された設置情報に基づいて、ベルトコンベアー3の経路に対する、センサー2a~2gの設置位置関係を示す探索木を生成する。
【0041】
図6は、探索木の一例を示した図である。図6に示す数字は、図2で説明したセンサー2a~2gの設置番号1~7に対応する。
【0042】
例えば、図2において、ベルトコンベアー3は、設置番号4と6との間に、設置番号3が付与された分岐経路を有する。従って、図6の探索木の設置番号4からは、設置番号3と設置番号6とに枝が分かれている。
【0043】
また、図2において、ベルトコンベアー3は、設置番号6と7との間に、設置番号5が付与された分岐経路を有する。従って、図6の探索木の設置番号6からは、設置番号5と設置番号7とに枝が分かれている。なお、分岐経路を第2経路と称してもよい。
【0044】
2.試験経路に設置されたセンサーの設置位置とセンサーIDとの紐づけ処理
情報処理装置1は、探索木を生成した後、ベルトコンベアー3で物体Bを流す経路を設定する。この経路は、通常モードで搬送される物体Bの経路と異なっていてもよい。情報処理装置1は、例えば、物体Bを検知するセンサーの数が最大となるように、経路を設定してもよい。また、情報処理装置1は、物体Bがベルトコンベアー3上を最も広範囲にわたって移動するように、経路を設定してもよい。以下では、センサー設置推定モードにおいて、物体Bを流す経路を試験経路または第1経路と称することがある。なお、試験経路は、ユーザーによって任意に設定されてもよい。
【0045】
また、以下では、試験経路を、図2に示した設置番号1,2,4,6,7の順とする。すなわち、物体Bは、図1のセンサー2aの前を最初に通過し、センサー2b、センサー2c、センサー2d、およびセンサー2eの順に、点線A1に示した周回経路を移動する。なお、試験経路は、物体Bを検知するセンサー2a~2eの順番を、設置番号によって示した情報と捉えてもよく、検知順情報と称されてもよい。
【0046】
図7は、試験経路に設置されたセンサーの設置位置とセンサーIDとの紐づけ処理の一例を説明する図である。図7には、図6で説明した探索木が示してある。
【0047】
ユーザーは、情報処理装置1が設定した試験経路において、物体Bをベルトコンベアー3上に流す。物体Bは最初、設置番号1に設置されたセンサー2aの前を通過する。
【0048】
センサー2aは、センサー2aの前を通過する物体Bを検知し、センサーID「A」を含む検知情報を情報処理装置1に送信する。
【0049】
情報処理装置1は、設定した試験経路(設置番号1,2,4,6,7)の情報に基づいて、最初に受信した検知情報は、設置番号1に設置されたセンサーと判定する。従って、情報処理装置1は、図7の(A)に示すように、設置番号1と、受信した検知情報に含まれるセンサーID「A」とを紐づける。なお、ユーザーが試験経路の途中から物体Bをベルトコンベアー3上に流す場合、ユーザーは、最寄りセンサーの設置番号を情報処理装置1に入力する。
【0050】
センサー2aを通過した物体Bは、次にセンサー2bの前を通過する。センサー2bは、センサー2bの前を通過する物体Bを検知し、センサーID「B」を含む検知情報を情報処理装置1に送信する。
【0051】
情報処理装置1は、設定した試験経路の情報に基づいて、次に受信した検知情報は、設置番号2に設置されたセンサーと判定する。従って、情報処理装置1は、図7の(B)に示すように、設置番号2と、受信した検知情報に含まれるセンサーID「B」とを紐づける。
【0052】
センサー2bを通過した物体Bは、次にセンサー2cの前を通過する。センサー2cは、センサー2cの前を通過する物体Bを検知し、センサーID「C」を含む検知情報を情報処理装置1に送信する。
【0053】
情報処理装置1は、設定した試験経路の情報に基づいて、次に受信した検知情報は、設置番号4に設置されたセンサーと判定する。従って、情報処理装置1は、図7の(C)に示すように、設置番号4と、受信した検知情報に含まれるセンサーID「C」とを紐づける。
【0054】
センサー2cを通過した物体Bは、次にセンサー2dの前を通過する。センサー2dは、センサー2dの前を通過する物体Bを検知し、センサーID「D」を含む検知情報を情報処理装置1に送信する。
【0055】
情報処理装置1は、設定した試験経路の情報に基づいて、次に受信した検知情報は、設置番号6に設置されたセンサーと判定する。従って、情報処理装置1は、図7の(D)に示すように、設置番号6と、受信した検知情報に含まれるセンサーID「D」とを紐づける。
【0056】
センサー2dを通過した物体Bは、次にセンサー2eの前を通過する。センサー2eは、センサー2eの前を通過する物体Bを検知し、センサーID「E」を含む検知情報を情報処理装置1に送信する。
【0057】
情報処理装置1は、設定した試験経路の情報に基づいて、次に受信した検知情報は、設置番号7に設置されたセンサーと判定する。従って、情報処理装置1は、図7の(E)に示すように、設置番号7と、受信した検知情報に含まれるセンサーID「E」とを紐づける。
【0058】
すなわち、情報処理装置1は、試験経路上を移動する物体Bを検知したセンサー2a~2eが送信する識別子と、センサー2a~2eの設置位置とを、試験経路上を移動する物体Bの、センサー2a~2eを通過する順番に従って順次紐づける。
【0059】
以上の試験経路における物体Bの搬送により、試験経路上に設置された設置番号1,2,4,6,7のセンサー2a~2eの設置位置と、そのセンサーIDとの紐づけが完了する。一方、試験経路上に設置されていない設置番号3,5のセンサー2f,2gの設置位置と、そのセンサーIDとの紐づけは未完了である。なお、物体Bを検知したセンサー2a~2eは、検知完了センサーと称されてもよい。物体Bを検知しなかった紐づけ未完了のセンサー2f,2gは、検知未完了センサーと称されてもよい。
【0060】
3.試験経路外に設置されたセンサーの設置位置とセンサーIDとの紐づけ処理
情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサー2f,2gにおいては、紐づけ未完了のセンサー2f,2gと、紐づけ完了のセンサー2a~2eとの間の距離と、紐づけ未完了のセンサー2f,2gのフィンガープリントとを用いて、紐づけ未完了のセンサー2f,2gの設置位置と、そのセンサーIDとを紐づける。
【0061】
すなわち、情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサー2f,2gと、紐づけ完了のセンサー2a~2eとの間の距離と、紐づけ未完了のセンサー2f,2gのフィンガープリントとの間に、相関関係があることを利用して、紐づけ未完了のセンサー2f,2gの設置位置と、そのセンサーIDとを紐づける。
【0062】
例えば、紐づけ未完了のセンサー2f,2gは、情報処理装置1の指示に応じて、他のセンサー2a~2eから送信される信号の受信強度を測定し、フィンガープリントを生成する。紐づけ未完了のセンサー2f,2gは、生成したフィンガープリントと、センサー2f,2gのセンサーID「F」,「G」とを情報処理装置1に送信する。
【0063】
図8は、紐づけ未完了のセンサー2f,2gにおけるフィンガープリントの例を示した図である。図8に示すフィンガープリントFP1は、センサー2fのフィンガープリントを示す。フィンガープリントFP1には、受信強度を測定したセンサー2fのセンサーIDと、紐づけ未完了のセンサー2fにおける他のセンサー2a~2e,2gの信号の受信強度と、が含まれる。
【0064】
図8に示すフィンガープリントFP2は、センサー2gのフィンガープリントを示す。フィンガープリントFP2には、受信強度を測定したセンサー2gのセンサーIDと、紐づけ未完了のセンサー2gにおける他のセンサー2a~2fの信号の受信強度と、が含まれる。
【0065】
情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサー2f,2gからフィンガープリントFP1,FP2を受信した後、フィンガープリントFP1,FP2の受信強度を大きい順に並べる。以下では、紐づけ未完了のセンサー2fにおけるフィンガープリントFP1の受信強度の大小関係は、例えば、下記の関係(1)を有するとする(例えば、図1に示したセンサー2fと、センサー2a~2e,2gとの間の距離を参照)。
【0066】
fa>fd>dc>fe>fb>fg …(1)
【0067】
また、以下では、紐づけ未完了のセンサー2gにおけるフィンガープリントFP2の受信強度の大小関係は、例えば、下記の関係(2)を有するとする(例えば、図1に示したセンサー2gと、センサー2a~2fとの間の距離を参照)。
【0068】
ge>gd>gf>ga>gc>gb …(2)
【0069】
情報処理装置1は、フィンガープリントFP1,FP2の各々において、受信強度を大きい順に並べた後、紐づけ未完了の設置番号5の設置位置に、紐づけ未完了のセンサー2fが設置されていると仮定する。
【0070】
ここで、紐づけ未完了の設置番号5の設置位置に最も近い設置位置の設置番号は、図2の例において、設置番号7である。従って、設置番号5に設置したと仮定したセンサー2fのフィンガープリントFP1の受信強度は、設置番号7に設置されたセンサー2eの信号の受信強度が最も大きくなると推定される。なお、情報処理装置1は、ユーザーが入力した設置情報から、設置番号5の設置位置に最も近い設置位置の設置番号7を特定する。
【0071】
しかし、センサー2fがセンサー2eから受信した信号の受信強度は、上記の関係(1)に示すように、4番目に大きい。従って、情報処理装置1は、設置番号5にセンサー2fを設置した仮定は誤りと判定する。すなわち、情報処理装置1は、紐づけ未完了の設置番号5の設置位置には、紐づけ未完了のセンサー2fは設置されていないと判定する。
【0072】
次に、情報処理装置1は、紐づけ未完了の設置番号3の設置位置に、紐づけ未完了のセンサー2fが設置されていると仮定する。
【0073】
ここで、紐づけ未完了の設置番号3の設置位置に最も近い設置位置の設置番号は、図2の例において、設置番号1である。従って、設置番号3に設置したと仮定したセンサー2fのフィンガープリントFP1の受信強度は、設置番号1に設置されたセンサー2aの信号の受信強度が最も大きくなると推定される。なお、情報処理装置1は、ユーザーが入力した設置情報から、設置番号3の設置位置に最も近い設置位置の設置番号1を特定する。
【0074】
センサー2fがセンサー2aから受信した信号の受信強度は、上記の関係(1)に示すように、最も大きい。従って、情報処理装置1は、設置番号3にセンサー2fを設置した仮定は正しいと判定する。すなわち、情報処理装置1は、設置番号3の設置位置に、センサー2fが設置されていると判定する。そして、情報処理装置1は、図9の(A)に示すように、設置番号3と、センサー2fのセンサーID「F」とを紐づける。
【0075】
次に、情報処理装置1は、紐づけ未完了の設置番号5の設置位置に、紐づけ未完了のセンサー2gが設置されていると仮定する。
【0076】
ここで、紐づけ未完了の設置番号5の設置位置に最も近い設置位置の設置番号は、図2の例において、設置番号7である。従って、設置番号5に設置したと仮定したセンサー2gのフィンガープリントFP2の受信強度は、設置番号7に設置されたセンサー2eの信号の受信強度が最も大きくなると推定される。なお、情報処理装置1は、ユーザーが入力した設置情報から、設置番号5の設置位置に最も近い設置位置の設置番号7を特定する。
【0077】
センサー2gがセンサー2eから受信した信号の受信強度は、上記の関係(2)に示すように、最も大きい。従って、情報処理装置1は、設置番号5にセンサー2gを設置した仮定は正しいと判定する。すなわち、情報処理装置1は、設置番号5の設置位置に、センサー2gが設置されていると判定する。そして、情報処理装置1は、図9の(B)に示すように、設置番号5と、センサー2gのセンサーID「G」とを紐づける。
【0078】
以上の処理によって、情報処理装置1は、紐づけ未完了の設置番号3,5と、紐づけ未完了のセンサー2f,2gのセンサーIDとを紐づける。
【0079】
なお、上記において、情報処理装置1は、受信強度を大きい順に並べたが、小さい順に並べてもよい。
【0080】
なお、情報処理装置1は、フィンガープリントFP1の関係(1)において、受信強度faが最大となることから、設置番号1のセンサー2a付近の紐づけ未完了のセンサーである設置番号3のセンサーに対して、センサー2fを仮に紐づけし、フィンガープリントFP2の関係(2)において、受信強度geが最大となることから、設置番号7のセンサー2e付近の紐づけ未完了のセンサーである設置番号5のセンサーに対して、センサー2gを仮に紐づけしてもよい。情報処理装置1は、他の紐付け未完了のセンサーが無い場合、仮に紐付けしたセンサーをそのまま紐付けてもよい。
【0081】
なお、フィンガープリントFP1,FP2において、受信強度の順番が途中まで同じとなる場合、例えば、関係(1)でfaが受信強度最大となり、関係(2)でgaが受信強度最大となる場合、2番目以降の受信強度を用いて、紐付けするセンサーを決定しよもよい。
【0082】
また、情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサーが設置されていると仮定した設置位置の設置番号に近い設置番号を、複数取得してもよい。例えば、情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサーが設置されていると仮定した設置位置の設置番号に最も近い設置番号と、2番目に近い設置番号と、3番目に近い設置番号とを取得してもよい。そして、情報処理装置1は、取得した3つの設置番号に設置されたセンサーと、紐づけ未完了のセンサーとの間の距離と、大小順に並べ替えた紐づけ未完了のセンサーのフィンガープリントにおける受信強度とに基づいて、紐づけ未完了のセンサーのセンサーIDと、紐づけ未完了の設置番号とを紐づけてもよい。
【0083】
図10および図11は、情報処理装置1のセンサー設置推定モードにおける動作例を示したフローチャートである。図10および図11に示すフローチャートは、図10および図11に示す「A」において処理が続く。情報処理装置1には、設置情報が入力されているとする。
【0084】
情報処理装置1は、入力された設置情報に基づいて、ベルトコンベアー3に対するセンサー2a~2gの設置位置に設置番号を付与する(S1)。例えば、情報処理装置1は、図2に示したように、設置番号1~7を付与する。
【0085】
情報処理装置1は、入力された設置情報に基づいて、S1の設置番号を用いた探索木を生成する(S2)。例えば、情報処理装置1は、図6に示したように、探索木を生成する。
【0086】
情報処理装置1は、物体Bを流す試験経路を設定する(S3)。なお、ユーザーは、物体Bをベルトコンベアー3に投入する。ベルトコンベアー3は、情報処理装置1が設定した試験経路において、物体Bを搬送する。なお、ユーザーが試験経路の途中から物体Bをベルトコンベアー3上に流す場合、ユーザーは、最寄りセンサーの設置番号を情報処理装置1に入力する。
【0087】
情報処理装置1は、センサー2a~2gから、検知情報を受信したか否かを判定する(S4)。
【0088】
情報処理装置1は、検知情報を受信したと判定した場合(S4の「YES」)、受信した検知情報に含まれるセンサーIDと、設置番号(設置位置)とを紐づける(S5)。例えば、情報処理装置1は、図7で説明したように、物体Bを検知したセンサーが送信するセンサーIDと、そのセンサーIDを送信したセンサーの設置番号とを、物体Bを検知するセンサーの順番を設置番号によって示した検知順情報に基づいて順次紐付ける。
【0089】
情報処理装置1は、センサーIDを紐づけた設置番号が、試験経路の終端であるか否かを判定する(S6)。
【0090】
情報処理装置1は、センサーIDを紐づけた設置番号が、試験経路の終端でないと判定した場合(S6の「NO」)、処理をS4に移行する。
【0091】
一方、情報処理装置1は、センサーIDを紐づけた設置番号が、試験経路の終端であると判定した場合(S6の「YES」)、紐づけ未完了のセンサーのセンサーIDと、紐づけ未完了の設置番号とを特定する(S7)。
【0092】
情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサーから、フィンガープリントを受信する(S8)。例えば、情報処理装置1は、図8で説明したように、紐づけ未完了のセンサー2f,2gから、フィンガープリントFP1,FP2を受信する。
【0093】
情報処理装置1は、S8にて受信したフィンガープリントの受信強度を大きい順に並べ替える(S9)。例えば、情報処理装置1は、上記した関係(1)、(2)に示したように、フィンガープリントFP1,FP2の受信強度を大きい順に並べ替える。
【0094】
情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサーを1つ選択する(S10)。
【0095】
情報処理装置1は、S10にて選択した紐づけ未完了のセンサーと、他のセンサーとの間の距離と、S10にて選択した紐づけ未完了のセンサーの、S9にて並び替えた受信強度とに基づいて、S10にて選択した紐づけ未完了のセンサーIDと、紐づけ未完了の設置番号とを紐づける(S11)。
【0096】
情報処理装置1は、紐づけ未完了の全てのセンサーに対して設置番号の紐づけが完了したか否かを判定する(S12)。
【0097】
情報処理装置1は、紐づけ未完了の全てのセンサーに対して設置番号の紐づけが完了していないと判定した場合(S12の「NO」)、処理をS10に移行する。情報処理装置1は、紐づけ未完了の全てのセンサーに対して設置番号の紐づけが完了したと判定した場合(S12の「YES」)、フローチャートの処理を終了する。
【0098】
以上説明したように、情報処理装置1は、ベルトコンベアー3に沿って設置され、物体Bを検知する複数のセンサー2a~2gのセンサーIDと、複数のセンサー2a~2gの設置位置とを紐づける。情報処理装置1は、物体Bを検知したセンサーが送信するセンサーIDを受信する通信部12を有する。情報処理装置1は、センサーIDの受信順と、物体Bを検知するセンサーの順番を設置位置によって示した検知順情報とに基づいて、受信したセンサーIDと、センサーIDを送信したセンサーの設置位置とを紐づける制御部11を有する。
【0099】
そして、通信部12は、物体Bが通過しなかったためにセンサーIDを送信しなかった紐づけ未完了のセンサーから、紐づけ未完了のセンサーのセンサーIDと、紐づけ未完了のセンサーにおける他センサーの信号の受信強度とを含むフィンガープリントを受信する。制御部11は、受信したフィンガープリントと、各センサーの設置位置関係とに基づいて、紐づけ未完了のセンサーのセンサーIDと、紐づけ未完了のセンサーの設置位置とを紐づける。
【0100】
すなわち、情報処理装置1は、物体Bを検知したセンサーのセンサーIDについては、物体Bを検知したセンサーから送信されるセンサーIDと、そのセンサーの設置位置とを、検知順情報に基づいて紐づけする。
【0101】
一方、情報処理装置1は、物体Bが通過しなかったためにセンサーIDを送信しなかった紐づけ未完了のセンサーIDについては、紐づけ未完了のセンサーにおけるフィンガープリントと、各センサーとの設置位置関係(例えば、紐づけ未完了のセンサーと他のセンサーとの間の距離)とに基づいて、紐づけ未完了のセンサーIDと、紐づけ未完了のセンサーの設置位置とを紐づける。つまり、情報処理装置1は、センサーIDを送信しなかったセンサーに対して、フィンガープリントと、各センサーの設置位置関係とに基づく紐づけ処理を行う。
【0102】
ここで、検知順情報に基づく紐づけ処理は、フィンガープリントと、各センサーの設置位置関係とに基づく紐づけ処理に比べ、処理が簡易であるため、計算量が少なく済む。情報処理装置1は、センサーIDと設置位置との紐づけ処理の一部を、検知順情報に基づく紐づけ処理で行うため、センサーIDと設置位置との紐づけ処理の全てを、フィンガープリントと、各センサーの設置位置関係とに基づく紐づけ処理で行った場合に比べ、計算量を低減する。従って、情報処理装置1は、消費電力を低減できる。
【0103】
なお、上記において、情報処理装置1は、センサー設置推定モードの動作を所定の周期で実行してもよい。
【0104】
また、受信強度は、センサー2a~2g間だけでなく、情報処理装置1とセンサー2a~2g間の受信強度を用いてよい。
【0105】
情報処理装置1とセンサー2a~2gとのネットワークトポロジーは、情報処理装置1を中心としたスター型としてもよいし、メッシュ型としてもよい。また、スター型とメッシュ型とを組み合わせたものでもよい。
【0106】
また、センサーシステムAのエリアが広く、情報処理装置1とセンサー2a~2gとが直接接続することが難しい場合には、センサー2a~2gの一部を中継器とし、マルチホップ通信を行ってもよい。
【0107】
また、上記では、情報処理装置1が情報を集約し、センサーの設置位置と、センサーのセンサーIDとを紐づけるとしたが、これに限られない。センサーシステムAのセンサー2a~2gの少なくとも1つが、上記した情報処理装置1の役割を担ってもよい。
【0108】
また、情報処理装置1は、紐づけ未完了のセンサーの設置位置と、センサーIDとを紐づけに、受信強度を用いたがこれに限られない。情報処理装置1は、例えば、パケットエラー率を用いて、紐づけ未完了のセンサーの設置位置と、センサーIDとを紐づけてもよい。
【0109】
また、情報処理装置1およびセンサー2a~2gは、無線通信するとしたがこれに限られない。情報処理装置1およびセンサー2a~2gは、有線によって通信してもよい。
【0110】
また、情報処理装置1は、通常モードの動作中に、一定の周期でセンサー設置推定モードを実行してもよい。
【0111】
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0112】
以上、図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかである。そのような変更例または修正例についても、本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態における各構成要素は任意に組み合わされてよい。
【0113】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0114】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサー又は専用プロセッサーで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0115】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本開示は、経路上を移動するシステムで使用されるセンサー群の初期設定に有用である。
【符号の説明】
【0117】
A センサーシステム
B 物体
1 情報処理装置
2a~2g センサー
3 ベルトコンベアー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11