(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】資材管理方法、プログラム及び資材管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240906BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2020104027
(22)【出願日】2020-06-16
【審査請求日】2022-02-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末富 貴博
(72)【発明者】
【氏名】中村 敦
(72)【発明者】
【氏名】松林 豊
(72)【発明者】
【氏名】鹿取 徳和
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一祐
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】安井 雅史
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-59249(JP,A)
【文献】特開2010-55341(JP,A)
【文献】国際公開第2019/107420(WO,A1)
【文献】特開2005-215799(JP,A)
【文献】特開2006-176281(JP,A)
【文献】特開2020-33124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムの1以上のプロセッサにより実行される資材管理方法であって、
工作物を構成する資材に関する情報であって前記資材の識別情報を含む第1管理情報を
前記資材が受取者に提供される前に記憶しており、前記資材が
前記受取者に提供される前に前記資材に付される管理タグが、前記資材が前記受取者に提供された後にリーダで読み取られることで前記リーダに取得された、前記第1管理情報に対応する第2管理情報を、前記リーダから取得する第1取得ステップと、
前記工作物に関する工作物情報を取得する第2取得ステップと、
前記第2管理情報と前記工作物情報とを対応付けて管理する管理ステップと、を有し、
前記第1管理情報は、前記工作物が設置される又は設置されている現場における前記資材の搬入場所に関する情報、前記現場における前記資材の保管場所に関する情報、及び、前記現場への輸送手段における前記資材の保管場所に関する情報のうち少なくとも1つを更に含む、
資材管理方法。
【請求項2】
前記資材が前記受取者に提供された後に前記管理タグを前記リーダで読み取り、前記第2管理情報を取得する第3取得ステップを更に有する、
請求項1に記載の資材管理方法。
【請求項3】
前記リーダに取得された前記第2管理情報を前記工作物情報と照合し、前記資材が前記工作物情報に対応するか否かを判定する照合ステップを更に有する、
請求項1又は2に記載の資材管理方法。
【請求項4】
前記資材が前記受取者に提供される前に、前記第1管理情報を前記工作物情報と照合し、前記資材が前記工作物情報に対応するか否かを判定する確認ステップを更に有する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の資材管理方法。
【請求項5】
前記第1管理情報は、前記工作物の施工に関する施工情報を更に含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の資材管理方法。
【請求項6】
前記第1管理情報は、前記工作物が設置される又は設置されている前記現場に固有の情報を含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の資材管理方法。
【請求項7】
1つの前記管理タグは、複数の前記資材に関する前記第1管理情報を記憶している、
請求項1~6のいずれか一項に記載の資材管理方法。
【請求項8】
前記管理タグは、光を媒体として前記リーダで読み取られる光学タグである、
請求項1~7のいずれか一項に記載の資材管理方法。
【請求項9】
前記管理タグは、電波を媒体として前記リーダで読み取られる電子タグである、
請求項1~7のいずれか一項に記載の資材管理方法。
【請求項10】
前記第2管理情報を用いて前記資材を追跡する追跡ステップを更に有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の資材管理方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の資材管理方法を、前記コンピュータシステムの前記1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【請求項12】
工作物を構成する資材に関する情報であって前記資材の識別情報を含む第1管理情報を
前記資材が受取者に提供される前に記憶しており、前記資材が
前記受取者に提供される前に前記資材に付される管理タグが、前記資材が前記受取者に提供された後にリーダで読み取られることで前記リーダに取得された、前記第1管理情報に対応する第2管理情報を、前記リーダから取得する第1取得部と、
前記工作物に関する工作物情報を取得する第2取得部と、
前記第2管理情報と前記工作物情報とを対応付けて管理する管理部と、を備え、
前記第1管理情報は、前記工作物が設置される又は設置されている現場における前記資材の搬入場所に関する情報、前記現場における前記資材の保管場所に関する情報、及び、前記現場への輸送手段における前記資材の保管場所に関する情報のうち少なくとも1つを更に含む、
資材管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に資材管理方法、プログラム及び資材管理システムに関し、より詳細には、工作物を構成する資材に関する情報を管理する資材管理方法、プログラム及び資材管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の施工履歴情報管理システム(資材管理システム)は、工作物に使用される構成要素の製造時及び施工時の情報と共に、工作物を管理する。例えば、生コンクリートの製造業者は、出荷に当たり、生コンクリートの識別番号、出荷日時、材料特性及び製造方法等の情報を、ウェブサーバに入力する。施工業者は、工種、現場天候及び現場外気温等の情報を、ウェブサーバに入力する。利用者は、製造業者と施工業者が入力した情報を参照することにより、工作物に使用される構成要素の製造時及び施工時の情報を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、生コンクリート等の資材が搬入される現場では、資材の管理(例えば、検品作業及び在庫管理等)を要する。そこで、資材の管理の利便性を向上させることが望まれていた。
【0005】
本開示は、工作物が設置される現場における資材の管理の利便性を向上させることができる資材管理方法、プログラム及び資材管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る資材管理方法は、コンピュータシステムの1以上のプロセッサにより実行される。前記資材管理方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、管理ステップと、を有する。前記第1取得ステップでは、第2管理情報を、リーダから取得する。前記第2管理情報は、第1管理情報に対応する情報である。前記リーダは、資材に付された管理タグを、前記資材が受取者に提供された後に読み取ることで、前記第2管理情報を取得する。前記資材は、工作物を構成する。前記管理タグは、前記第1管理情報を前記資材が前記受取者に提供される前に記憶している。前記第1管理情報は、前記資材に関する情報である。前記第1管理情報は、前記資材の識別情報を含む。前記管理タグは、前記資材が前記受取者に提供される前に前記資材に付される。前記第2取得ステップでは、前記工作物に関する工作物情報を取得する。前記管理ステップでは、前記第2管理情報と前記工作物情報とを対応付けて管理する。前記第1管理情報は、前記工作物が設置される又は設置されている現場における前記資材の搬入場所に関する情報、前記現場における前記資材の保管場所に関する情報、及び、前記現場への輸送手段における前記資材の保管場所に関する情報のうち少なくとも1つを更に含む。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記資材管理方法を、前記コンピュータシステムの前記1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0008】
本開示の一態様に係る資材管理システムは、第1取得部と、第2取得部と、管理部と、を有する。前記第1取得部は、第2管理情報を、リーダから取得する。前記第2管理情報は、第1管理情報に対応する情報である。前記リーダは、資材に付された管理タグを、前記資材が受取者に提供された後に読み取ることで、前記第2管理情報を取得する。前記資材は、工作物を構成する。前記管理タグは、前記資材が前記受取者に提供される前に前記第1管理情報を記憶している。前記第1管理情報は、前記資材に関する情報である。前記第1管理情報は、前記資材の識別情報を含む。前記管理タグは、前記資材が前記受取者に提供される前に前記資材に付される。前記第2取得部は、前記工作物に関する工作物情報を取得する。前記管理部は、前記第2管理情報と前記工作物情報とを対応付けて管理する。前記第1管理情報は、前記工作物が設置される又は設置されている現場における前記資材の搬入場所に関する情報、前記現場における前記資材の保管場所に関する情報、及び、前記現場への輸送手段における前記資材の保管場所に関する情報のうち少なくとも1つを更に含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、工作物が設置される現場における資材の管理の利便性を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る資材管理方法を示すシーケンス図である。
【
図2】
図2は、同上の資材管理方法を実現する資材管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、実施形態に係る資材管理方法、プログラム及び資材管理システム1について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)概要
本実施形態の資材管理方法は、工作物を設置又は改修する工事、及び、工事の準備段階において用いられる。また、資材管理方法により得られたデータは、工事の最中及び工事後のメンテナンス等において活用される。工作物の一例は、建築物、橋、門、塀、及び、電柱等である。建築物の一例は、戸建住宅及び集合住宅等の住宅施設、並びに、事務所、店舗、学校、介護施設及び工場等の非住宅施設である。
【0013】
資材は、工作物を構成する。つまり、資材は、工作物の一部分であって、工作物は、複数の資材を組み合わせて形成される。資材の一例は、工作物の構造材料、及び、電設資材等である。工作物の構造材料の一例は、柱、壁材、生コンクリート、木材、ねじ及び釘等である。電設資材の一例は、電線、コネクタ、ブレーカ、スイッチ、コンセント、及び、照明器具等である。
【0014】
工作物が設置される現場又は設置されている現場には、複数の資材が搬入される。現場において、資材の受取者は、資材が既に搬入(納品)されているか否か、また、搬入されている場合はどこに保管されているか、等の情報を管理する必要がある。つまり、資材が適切に管理される必要がある。本実施形態の資材管理方法は、資材を適切に管理するために用いられる。
【0015】
図1に示すように、資材管理方法は、第1取得ステップ(ステップST7)と、第2取得ステップ(ステップST1)と、管理ステップ(ステップST8~ST12)と、を有する。第1取得ステップでは、第2管理情報を、リーダ32(
図2参照)から取得する。第2管理情報は、第1管理情報に対応する情報である。リーダ32は、資材に付された管理タグ52(
図2参照)を、資材が受取者に提供された後に読み取ることで、第2管理情報を取得する(ステップST6:第3取得ステップ)。資材は、工作物を構成する。管理タグ52は、第1管理情報を記憶している。第1管理情報は、資材に関する情報である。第1管理情報は、資材の識別情報を含む。管理タグ52は、資材が受取者に提供される前に資材に付される。第2取得ステップでは、工作物に関する工作物情報を取得する。管理ステップでは、第2管理情報と工作物情報とを対応付けて管理する。
【0016】
本実施形態では、第1管理情報と第2管理情報とは一致する。つまり、本実施形態では、資材に関する情報が管理タグ52に記憶される前の状態及び管理タグ52に留められた状態では、当該情報を第1管理情報と称し、資材に関する情報がリーダ32を用いて管理タグ52から取得された状態では、当該情報を第2管理情報と称する。
【0017】
上記資材管理方法によれば、第2管理情報と工作物情報とが対応付けられて管理されるので、工作物が設置される現場又は設置されている現場における資材の管理(例えば、納品の有無の管理及び在庫管理)の利便性が向上する。
【0018】
また、管理タグ52が読み取られることで、第2管理情報が取得される。そのため、第2管理情報が受取者の目視により取得される場合と比較して、第2管理情報の取得が容易となる。これにより、工作物が設置される現場において、受取者の負担を減らせる。
【0019】
なお、
図1のシーケンス図は、本実施形態に係る資材管理方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0020】
また、上記資材管理方法は、コンピュータシステムのプロセッサにより実現される。本実施形態のプログラムは、上記資材管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0021】
上記資材管理方法は、プログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0022】
また、上記資材管理方法は、資材管理システム1により実行される。
図2に示すように、資材管理システム1は、第1取得部(通信部21)と、第2取得部(通信部21)と、管理部(サーバ2)と、を備える。第1取得部は、第2管理情報を、リーダ32から取得する。第2管理情報は、第1管理情報に対応する情報である。リーダ32は、資材に付された管理タグ52を、資材が受取者に提供された後に読み取ることで、第2管理情報を取得する。資材は、工作物を構成する。管理タグ52は、第1管理情報を記憶している。第1管理情報は、資材に関する情報である。第1管理情報は、資材の識別情報を含む。管理タグ52は、資材が受取者に提供される前に資材に付される。第2取得部は、工作物に関する工作物情報を取得する。管理部は、第2管理情報と工作物情報とを対応付けて管理する。
【0023】
(2)詳細
以下では、集合住宅(工作物)を新築する工事において資材管理方法が用いられる場合を例に説明する。また、資材の受取者は、集合住宅の施工業者であるとする。資材の提供者は、資材を販売する小売店であるとする。
【0024】
資材管理システム1は、サーバ2、受取者端末3及び提供者端末4を備える。
【0025】
サーバ2、受取者端末3及び提供者端末4はそれぞれ、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、コンピュータシステムのプロセッサが実行することにより、サーバ2、受取者端末3及び提供者端末4の各々の少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、メモリに記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0026】
(2-1)サーバ
サーバ2は、通信部21と、記憶部22と、処理部23と、を有している。
【0027】
通信部21は、受取者端末3の後述の通信部31と通信するための通信インタフェースを含んでいる。通信部21は、例えば、インターネット等のネットワークを介して、通信部31と通信する。
【0028】
記憶部22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等である。記憶部22は、第2管理情報と工作物情報とを対応付けて記憶する。記憶部22は、第2管理情報と、工作物情報と、これらを対応付ける情報と、を含むデータベースを形成する。第2管理情報及び工作物情報は、受取者端末3の通信部31から送信されて通信部21により取得され、記憶部22に記憶される。
【0029】
処理部23は、第2管理情報と工作物情報とを対応付ける。また、処理部23は、受取者端末3からの要求に応じて、記憶部22のデータベースから所望の情報を検索する。処理部23は、検索により求められた情報を、通信部21を介して受取者端末3の通信部31に送信する。また、処理部23は、通信部21及び記憶部22の動作を制御する。また、処理部23は、第2管理情報を工作物情報と照合する(後述の照合ステップ)。
【0030】
(2-2)受取者端末
受取者は、受取者端末3を所有している。受取者端末3の一例は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0031】
本実施形態の受取者は、複数の人の集合である。具体的には、受取者は、1つの組織(会社等)に属する複数の人の集合である。受取者は、工作物の施工を行う作業者を含む。なお、受取者は、1人であってもよい。
【0032】
受取者端末3は、通信部31、リーダ32、制御部33、表示部34及び操作部35を有している。なお、通信部31、リーダ32、制御部33、表示部34及び操作部35の機能の全てが1つの受取者端末3に集約されていることは資材管理システム1において必須ではなく、これらの機能が、複数の受取者端末3に分散して設けられていてもよい。例えば、資材管理システム1は、通信部31及びリーダ32の機能を有する受取者端末3(第1受取者端末)と、通信部31、制御部33、表示部34及び操作部35の機能を有する受取者端末3(第2受取者端末)と、を備えていてもよい。第1受取者端末を所有する人又は組織と、第2受取者端末を所有する人又は組織と、が同一でなくてもよい。
【0033】
通信部31は、サーバ2の通信部21及び提供者端末4の後述の通信部41と通信するための通信インタフェースを含んでいる。通信部31は、例えば、インターネット等のネットワークを介して、通信部21及び通信部41と通信する。
【0034】
管理タグ52は、第1管理情報を記憶している。リーダ32は、管理タグ52を読み取ることで、管理タグ52から第2管理情報を取得する。
【0035】
管理タグ52の一例は、光学タグである。光学タグは、光(例えば、可視光レーザ)を媒体としてリーダ32で読み取られる。つまり、リーダ32の一例は、光学リーダである。光学タグの一例は、一次元バーコード又は二次元バーコード(QRコード(登録商標))である。つまり、リーダ32の一例は、一次元バーコードリーダ又は二次元バーコードリーダである。このように、本開示において「管理タグ52に記憶する」とは、ROM(Read Only Memory)等に電磁気的に記憶することに限定されず、物理的に記憶することも含む。
【0036】
管理タグ52の別の一例は、電子タグ(RFID:Radio Frequency Identifier)である。電子タグは、電波(RF信号)を媒体としてリーダ32で読み取られる。つまり、リーダ32の一例は、RFIDリーダである。
【0037】
管理タグ52の別の一例は、磁気タグである。磁気タグは、磁気を媒体としてリーダ32で読み取られる。つまり、リーダ32の一例は、磁気タグリーダである。
【0038】
本実施形態では、管理タグ52が二次元バーコードであり、リーダ32が二次元バーコードリーダである場合を例に説明する。
【0039】
制御部33は、通信部31、リーダ32、及び表示部34の動作を制御する。
【0040】
表示部34は、液晶ディスプレイ等のディスプレイである。表示部34は、第2管理情報及び工作物情報に基づく表示情報を表示する。表示情報は、例えば、通信部31がサーバ2から取得する。
【0041】
操作部35は、ユーザの操作を受け付けるユーザインタフェースである。制御部33は、操作部35に対してなされた操作に応じて、通信部31、リーダ32、及び表示部34の動作を制御する。操作部35は、例えば、複数の釦、キーボード及びタッチパネルディスプレイのうち少なくとも1つを含む。なお、操作部35がタッチパネルディスプレイを含む場合は、タッチパネルディスプレイが表示部34を兼ねていてもよい。
【0042】
(2-3)提供者端末
提供者は、提供者端末4を所有している。提供者端末4の一例は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0043】
本実施形態の提供者は、複数の人の集合である。具体的には、提供者は、1つの組織(会社等)に属する複数の人の集合である。なお、提供者は、1人であってもよい。
【0044】
提供者端末4は、通信部41、制御部42及び発行部43を有している。
【0045】
通信部41は、受取者端末3の通信部31と通信するための通信インタフェースを含んでいる。通信部41は、例えば、インターネット等のネットワークを介して、通信部31と通信する。
【0046】
制御部42は、通信部41及び発行部43の動作を制御する。
【0047】
発行部43は、管理タグ52(二次元バーコード)を発行する。発行部43は、例えば、プリンタである。発行部43は、例えば、シールに管理タグ52を印刷する。その後、提供者がシールを梱包材51に貼る。これをもって、梱包材51及び梱包材51に収容された複数の資材に、管理タグ52が付されると言える。
【0048】
(3)第1管理情報
資材に関する第1管理情報は、例えば、受取者により作成される。第1管理情報は、通信部31、41を介して、受取者端末3から提供者端末4へ送信される。
【0049】
第1管理情報は、資材の識別情報を含む。資材の識別情報の一例は、資材の品番、資材の製造番号、資材の数量、資材の発注日、資材の製造日、資材の発送日、資材の納品日、発注者(受取者)の名称、発注者の識別コード、提供者の名称、及び、提供者の識別コード等である。第1管理情報は、資材の性質(用途、規格、寸法及び材質等)を特定するための情報として、例えば、資材の品番及び資材の製造番号等の情報を含む。
【0050】
第1管理情報は、工作物の施工に関する施工情報を更に含む。施工情報の一例は、工作物の場所(住所等)、工作物の識別コード、工作物のうち資材の使用箇所を特定するための箇所情報、資材の搬入場所に関する情報、資材の保管場所に関する情報、作業者の氏名、作業者の識別コード、施工手順に関する情報、及び、施工費用等である。上記箇所情報の一例は、資材が使用される階を表す数字及び部屋番号、並びに、集合住宅の棟番号等に関する情報である。
【0051】
第1管理情報は、工作物が設置される又は設置されている現場に固有の情報を含む。上記固有の情報の一例は、施工情報である。上記固有の情報の別の一例は、施工の依頼者に関する情報等である。
【0052】
1つの管理タグ52は、複数の資材に関する第1管理情報を記憶している。例えば、1つの管理タグ52は、第1資材(例えば、電線)に関する第1管理情報と、第1資材とは品番が異なる第2資材(例えば、コンセント)に関する第1管理情報と、を含む。第1資材と第2資材とが、梱包材51に収容される。そして、管理タグ52を印刷したシールが梱包材51に貼られることで、管理タグ52が第1資材と第2資材との両方に対応付けられる。受取者は、リーダ32を用いて、第1資材に関する第2管理情報と第2資材に関する第2管理情報とを管理タグ52から取得することができる。
【0053】
(4)工作物情報
工作物に関する工作物情報は、例えば、受取者により作成される。工作物情報は、通信部31、21を介して、受取者端末3からサーバ2へ送信される。
【0054】
工作物情報の一例は、工作物のBIM(Building Information Modeling)データ、及び、工作物の設計データである。工作物情報は、例えば、工作物のどの箇所に、どの品番又は種類の資材が設けられるかの情報を含んでいる。ここで例えば、資材が電線の場合に、2つの電線のうち一方がVVFケーブルで、他方がCVケーブルである場合は、2つの電線(資材)の種類が異なると言える。また、複数の電線がいずれもVVFケーブルである場合は、複数の電線の品番が異なっていても、複数の電線(資材)の種類が同じと言える。また、工作物情報は、例えば、工作物のある箇所において代替品として使用可能な資材の品番又は種類の情報を含んでいる。
【0055】
(5)運用例
以下では、資材管理システム1を用いて資材を管理する手順の一例について、
図1を参照して説明する。
【0056】
(5-1)工作物情報の送信
受取者は、工作物情報(例えば、BIMデータ)を作成する。受取者端末3は、受取者端末3の通信部31とサーバ2の通信部21との間の通信により、工作物情報をサーバ2へ送信する(ステップST1)。ステップST1は、第2取得ステップに相当し、通信部21により実行される。第2取得ステップでは、工作物に関する工作物情報を取得する。サーバ2の記憶部22は、工作物情報を記憶する(ステップST2)。
【0057】
(5-2)発注情報及び第1管理情報の送信
また、受取者は、発注情報及び第1管理情報を作成する。受取者端末3は、受取者端末3の通信部31と提供者端末4の通信部41との間の通信により、発注情報及び第1管理情報を提供者端末4へ送信する(ステップST3)。つまり、提供者端末4は、資材に関する管理情報を、資材が受取者に提供される前(ステップST5よりも前)に取得する。ここで、発注情報は、受取者が提供者からの提供(販売)を希望する資材の品番及び数量の情報を含む。発注情報の少なくとも一部が、第1管理情報として扱われてもよい。
【0058】
(5-3)受注から発送まで
提供者は、提供者端末4が発注情報を取得することをもって、資材を買い求める旨の注文を受注する。提供者は、発注情報に基づいて、受取者が要求する複数の資材を梱包材51に収容する。
【0059】
制御部42は、梱包材51に収容される複数の資材に対応する第1管理情報を、二次元バーコード(管理タグ52)で表された情報に変換する。発行部43は、シールに二次元バーコードを印刷する。提供者は、二次元バーコードが印刷されたシールを梱包材51に貼る。つまり、提供者は、梱包材51及び複数の資材に管理タグ52を付す(ステップST4)。その後、提供者は、梱包材51及び二次元バーコード(管理タグ52)と共に、梱包材51に収容された複数の資材を受取者へ宛てて発送する(ステップST5)。複数の資材の受取場所は、例えば、工作物が設置される現場である。より詳細には、複数の資材の受取場所は、例えば、工作物が設置される現場に設置された倉庫又はトラックバースである。
【0060】
(5-4)管理タグの読み取り
受取者は、梱包材51に収容された複数の資材を受け取る。工作物が設置される現場において、受取者は、梱包材51に付された管理タグ52を、受取者端末3のリーダ32を用いて読み取る(ステップST6:第3取得ステップ)。つまり、本実施形態の資材管理方法は、第3取得ステップを更に有し、第3取得ステップでは、資材が受取者に提供された後に管理タグ52をリーダ32で読み取り、第2管理情報を取得する。受取者は、資材を受け取る度に、受取者端末3のリーダ32を用いて管理タグ52を読み取る。
【0061】
リーダ32で管理タグ52が読み取られ第2管理情報が取得されると、受取者端末3の通信部31は、取得された第2管理情報をサーバ2の通信部21に送信する(ステップST7)。ステップST7は、第1取得ステップに相当し、通信部21により実行される。第1取得ステップでは、第2管理情報を、受取者端末3の通信部31を介してリーダ32から取得する。記憶部22は、第2管理情報を記憶する(ステップST8)。
【0062】
処理部23は、リーダ32に取得された第2管理情報を、ステップST1で取得された工作物情報と照合し、資材が工作物情報に対応するか否かを判定する(ステップST9:照合ステップ)。通信部21は、照合ステップにおける判定結果を、受取者端末3に通知する(ステップST10)。受取者端末3の表示部34は、判定結果を表示する。これにより、受取者は、適切な資材が提供されたか否かを知ることができる。
【0063】
例えば、第1管理情報、すなわち第2管理情報は、資材の品番の情報を含む。工作物情報は、工作物の施工に要する複数の資材の各々の品番の情報を含む。ステップST9において、処理部23は、第2管理情報における資材の品番が、工作物情報における複数の資材の品番のいずれかと一致している場合、資材が工作物情報に対応していると判定する。つまり、この場合に処理部23は、適切な資材が受取者に提供されたと判定する。一方で、処理部23は、第2管理情報における資材の品番が、工作物情報における複数の資材の品番のいずれとも一致していない場合、資材が工作物情報に対応していないと判定する。つまり、この場合に処理部23は、不適切な資材が受取者に提供されたと判定する。
【0064】
また、第2管理情報は、資材の数量の情報を含む。工作物情報は、工作物の施工に要する資材の数量の情報を含む。管理タグ52が読み取られる度に、ステップST7によりサーバ2に第2管理情報が送信され、記憶部22に記憶される。処理部23は、記憶部22に記憶された第2管理情報を参照することで、工作物が設置される現場に存在する資材の数量の合計を求める。ステップST9において、処理部23は、工作物が設置される現場に存在する資材の数量の合計が、工作物情報における資材の数量以下の場合、資材が工作物情報に対応していると判定する。つまり、この場合に処理部23は、受取者に提供された資材の数量が過剰ではないと判定する。一方で、処理部23は、工作物が設置される現場に存在する資材の数量の合計が、工作物情報における資材の数量を超えている場合、資材が工作物情報に対応していないと判定する。つまり、この場合に処理部23は、受取者に提供された資材の数量が過剰であると判定する。
【0065】
ここで、処理部23は、資材の品番と数量との両方において第2管理情報と工作物情報とが対応している場合に、資材が工作物情報に対応していると判定してもよい。
【0066】
受取者端末3のリーダ32を用いて管理タグ52を読み取る作業は、検品作業に相当する。つまり、管理タグ52を読み取ることで、納品された資材の品番及び数量等の情報が、サーバ2の記憶部22に蓄積される。管理タグ52を使用することで、作業者が目視で検品作業をする場合と比較して、検品作業の手間を減らせる。また、受取者端末3を複数用意すれば、複数の作業者により検品作業を行える。各作業者が検品作業で取得した第2管理情報は、サーバ2に集約される。
【0067】
受取者端末3の表示部34は、管理タグ52を読み取ることで取得された第2管理情報の少なくとも一部に対応した情報を表示する。例えば、表示部34は、資材の識別情報(品番、名称及び数量等)と、施工情報(例えば、資材の使用箇所、搬入場所及び保管場所に関する情報)と、を表示する。
【0068】
受取者端末3は、リーダ32で管理タグ52を読み取り第2管理情報を取得すると、第2管理情報に対応する資材の保管場所を表示部34に表示する。受取者は、表示された保管場所に資材を保管する。その後、受取者は、受取者端末3を操作してサーバ2に照会することで、資材の保管場所を知ることができる。資材の保管場所の一例は、工作物が設置される現場に設置された倉庫、現場に停車したトラック、及び、工作物の領域内(例えば、室内)等である。工作物が集合住宅の場合、資材の保管場所の一例は、住戸の玄関前、住戸の室内、集合住宅のロビー、及び、集合住宅の各階等である。第2管理情報は、資材の保管場所の情報として、例えば、施設(倉庫等)又は輸送手段(トラック等)のどのエリアが資材の保管場所であるかを示す情報を含んでいる。
【0069】
ただし、第2管理情報は、資材の保管場所の情報を含んでいなくてもよい。管理タグ52が読み取られることで、サーバ2の記憶部22には少なくとも、資材が現場に納品されたという情報が記憶されるので、受取者は、受取者端末3を操作してサーバ2に照会することで、資材が現場に納品されたか否かを知ることができる。
【0070】
(5-5)照会
作業者(受取者)は、工作物の施工の際に、受取者端末3の操作部35を操作して、通信部31に要求信号を送信させる(ステップST11)。サーバ2の通信部21は、要求信号を受信する。処理部23は、記憶部22のデータベースから、要求信号により指定された所望の情報を検索する。サーバ2の通信部21は、処理部23が検索して見つけた情報を受取者端末3の通信部31へ送信する(ステップST12)。受取者端末3の表示部34は、通信部21から受け取った情報に応じた表示をする。
【0071】
作業者は、要求信号により、例えば、特定の資材が既に納品されているか否か、特定の資材の所在(保管場所等)、特定の工事に必要な資材の品番及び数量等の情報を提供するように要求することができる。より詳細な例として、作業者は、資材を特定するための情報(品番又は名称等)を操作部35に入力する。すると、ステップST12において、サーバ2の通信部21は、当該資材が既に納品されているか否か、及び、当該資材の所在に関する情報等を受取者端末3の通信部31へ送信し、表示部34は、通信部31で受信された情報に応じた表示をする。これにより、作業者は、当該資材が既に納品されているか否か、及び、当該資材の所在等を知ることができる。
【0072】
ステップST8~ST12が、管理ステップに相当する。管理ステップは、例えば、少なくともサーバ2により実行される。管理ステップでは、第2管理情報と工作物情報とを対応付けて管理する。そのため、ユーザ(作業者及び工事の発注者等)は、例えば、第2管理情報又は工作物情報を入力として、サーバ2から第2管理情報と工作物情報とを対応付けた情報を取得できる。
【0073】
工作物情報(例えば、BIMデータ)は、例えば、工作物のどの箇所に、どの品番又は種類の資材が設けられるかの情報を含んでいる。第2管理情報は、例えば、資材の識別情報(品番等)を含んでいる。資材が納品され、管理タグ52が読み取られると、第2管理情報がサーバ2に送信され、これに応じて、サーバ2の記憶部22は、資材が現場に納品されたという情報を記憶する。処理部23は、第2管理情報と工作物情報とを対応付ける。処理部23は、例えば、BIMデータ(工作物情報)で表される工作物上のある箇所について、当該箇所に設けられる資材が既に納品されているか否かの情報(第2管理情報に由来する情報)を、BIMデータに付加することで、第2管理情報と工作物情報とを対応付ける。作業者は、受取者端末3から要求信号を送信し(ステップST11)、これに対する応答として、BIMデータの提供を受けることができる(ステップST12)。作業者は、BIMデータを参照することで、資材が納品されているか否かを容易に知ることができる。
【0074】
また、処理部23は、例えば、BIMデータ(工作物情報)で表される工作物上のある箇所について、当該箇所に設けられる資材の保管場所を示す情報を、BIMデータに付加することで、第2管理情報と工作物情報とを対応付ける。作業者は、BIMデータを参照することで、資材を簡単に探すことができる。
【0075】
また、処理部23は、例えば、工事の内容を特定するための情報(工事の種別又は工事に割り振られたコード等)を工作物情報とし、工作物情報と第2管理情報とを対応付ける。工事の種別の一例は、建築物の基礎工事、配管工事、屋根工事、棟上げ、クロス張り、外壁工事、配線工事、断熱工事、コンセント取付工事及びインターホン取付工事等である。作業者は、工作物情報を受取者端末3の操作部35に入力して、資材に関する種々の情報(第2管理情報)を得ることができる。例えば、ステップST12において、サーバ2の通信部21は、工事に必要な資材の品番、数量及び所在等の情報を受取者端末3の通信部31へ送信し、表示部34は、通信部31で受信された情報に応じた表示をする。これにより、作業者は、工事に必要な資材の品番、数量及び所在等を知ることができる。あるいは、作業者は、資材の識別情報等の第2管理情報を受取者端末3の操作部35に入力して、第2管理情報に対応する工作物情報(工事の種別等)を得ることができる。
【0076】
また、作業者は、資材の保管場所を入力として、当該保管場所に保管された資材の一覧を表す情報を得ることができる。
【0077】
また、第2管理情報と工作物情報とが対応付けられることで、工事の完了後においても、資材に関する情報管理が容易となる。これにより、工作物のメンテナンス及び工作物の価値の評価等を円滑に行うことができる。例えば、処理部23は、BIMデータ(工作物情報)で表される工作物上のある箇所について、当該箇所に設けられる資材の品番、発注日及び製造日、提供者の名称、施工手順に関する情報、並びに、作業者の識別コード等の第2管理情報を、BIMデータに付加することで、第2管理情報と工作物情報とを対応付ける。これにより、工事の完了後に、ユーザ(作業者及び工事の発注者等)は、BIMデータを参照することで、資材に関する種々の情報(第2管理情報)を得ることができる。
【0078】
(変形例1)
以下、変形例1に係る資材管理方法について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
本変形例1の資材管理方法は、確認ステップを更に有する。確認ステップでは、資材が受取者に提供される前に、第1管理情報を工作物情報と照合し、資材が工作物情報に対応するか否かを判定する。確認ステップは、より詳細には、受取者が提供者に資材を発注する前に実行される。確認ステップは、例えば、サーバ2の処理部23により実行される。
【0080】
受取者が提供者に資材を発注する前に、受取者端末3の通信部31は、第1管理情報と工作物情報とをサーバ2の通信部21に送信する。処理部23は、第1管理情報を工作物情報と照合する(確認ステップ)。確認ステップによる判定結果は、受取者端末3に送信され、受取者端末3の表示部34に表示される。確認ステップを実行することにより、受取者が誤発注する可能性を低減できる。
【0081】
例えば、第1管理情報は、資材の品番の情報を含む。工作物情報は、工作物の施工に要する複数の資材の各々の品番の情報を含む。確認ステップにおいて、処理部23は、第1管理情報における資材の品番が、工作物情報における複数の資材の品番のいずれかと一致している場合、資材が工作物情報に対応していると判定する。この場合、受取者は、第1管理情報及び発注情報を修正することなく、第1管理情報及び発注情報を提供者に送信してよい(ステップST3)。一方で、処理部23は、第1管理情報における資材の品番が、工作物情報における複数の資材の品番のいずれとも一致していない場合、資材が工作物情報に対応していないと判定する。この場合、工作物情報(例えば、BIMデータ又は設計データ)に無い資材の情報が第1管理情報に含まれているので、受取者は、第1管理情報及び発注情報に誤りが無いか調査する。
【0082】
また、第1管理情報は、資材の数量の情報を含む。工作物情報は、工作物の施工に要する資材の数量の情報を含む。確認ステップにおいて、処理部23は、第1管理情報で表される資材の数量が、工作物情報で表される資材の数量と一致している場合、資材が工作物情報に対応していると判定してもよい。一方で、処理部23は、第1管理情報で表される資材の数量が、工作物情報で表される資材の数量と一致していない場合、資材が工作物情報に対応していないと判定してもよい。この場合、工作物情報と比較して多い又は少ない数量が、資材の数量の情報として第1管理情報に含まれているので、受取者は、第1管理情報及び発注情報に誤りが無いか調査する。
【0083】
なお、第1管理情報と工作物情報とのうち少なくとも一方は、提供者端末4の通信部41からサーバ2の通信部21に送信されてもよい。
【0084】
また、確認ステップは、サーバ2(処理部23)ではなく、受取者端末3又は提供者端末4により実行されてもよい。
【0085】
(変形例2)
以下、変形例2に係る資材管理方法について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
本変形例2の資材管理方法は、追跡ステップを更に有する。追跡ステップでは、第2管理情報を用いて資材を追跡する。追跡ステップは、例えば、少なくともサーバ2により実行される。
【0087】
第1管理情報、すなわち第2管理情報は、資材の識別情報を含む。提供者が管理タグ52と共に資材を発送した後、複数の事業所を経由して、管理タグ52及び資材が受取者に届けられる。各事業所のスタッフは、管理タグ52及び資材を受け取ると、リーダ32を有する端末を用いて管理タグ52を読み取ることで、資材の識別情報(第2管理情報)を取得する。端末は、資材の識別情報と、事業所を特定するための情報(例えば、端末の識別コード)と、をサーバ2に送信する。サーバ2の記憶部22は、各資材の識別情報と、この識別情報に対応付けられた資材がいつ、どの事業所に届いたかという情報と、を対応付けて記憶する。このように記憶される情報が、資材の配送状況を示す配送情報に相当する。
【0088】
受取者は、配送情報を要求する要求信号を、受取者端末3の通信部31に送信させ、これに応じて、サーバ2の通信部21は、記憶部22に記憶された配送情報を通信部31に送信する。表示部34は、通信部31で受信された情報に応じた表示をする。これにより、受取者は、資材の配送状況を知ることができる。
【0089】
(変形例3)
以下、変形例3に係る資材管理方法について説明する。実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0090】
実施形態において第1管理情報に含まれる情報の一部が、本変形例3では第1管理情報に含まれておらず、サーバ2の記憶部22に記憶されている。ここでは、第1管理情報のうち、工作物の施工に関する施工情報(資材の保管場所に関する情報等)が、第1管理情報に含まれておらず、サーバ2の記憶部22に記憶されているとする。施工情報は、少なくとも資材が受取者に提供される前に、記憶部22に記憶される。
【0091】
管理タグ52に記憶される第1管理情報は、識別情報として、資材に個別に振られた個別情報を含む。個別情報の一例は、資材の製造番号である。個別情報は、施工情報と対応付けられてサーバ2の記憶部22に記憶されている。例えば、予め受取者端末3からサーバ2へ個別情報及び施工情報が送信されて、個別情報と施工情報とが対応付けられていればよい。
【0092】
受取者端末3は、受取者が資材と共に受け取った管理タグ52をリーダ32により読み取り、識別情報を取得する。より詳細には、受取者端末3は、少なくとも個別情報を取得する。受取者端末3の通信部31は、個別情報をサーバ2の通信部21に送信する。すると、処理部23は、個別情報と対応付けられた施工情報を記憶部22から取得する。処理部23は、リーダ32に取得された個別情報を含む第2管理情報と、工作物情報と、を対応付ける。また、処理部23は、個別情報と対応付けられた施工情報を、工作物情報と対応付ける。また、通信部21は、施工情報を受取者端末3の通信部31へ送信する。結局、受取者端末3は、管理タグ52を読み取ることで、実施形態と同様に、識別情報及び施工情報の両方を取得することができる。
【0093】
本変形例3によれば、実施形態と比較して、管理タグ52に記憶される第1管理情報の情報量を減らせる。
【0094】
(実施形態のその他の変形例)
以下、実施形態のその他の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。また、以下の変形例は、上述の各変形例と適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0095】
受取者は、施工業者に限定されず、例えば、施工業者を補佐する者であってもよい。
【0096】
提供者は、小売店に限定されず、例えば、資材のメーカであってもよい。
【0097】
受取者と提供者とが同じ組織(会社等)に属していてもよい。
【0098】
受取者端末3の通信部31を用いて第1管理情報を提供者に送信する主体と、通信部31を用いて工作物情報をサーバ2に送信する主体と、リーダ32を用いて第2管理情報を取得する主体と、が同一であることは必須ではない。
【0099】
第1管理情報を取得するステップST3は、提供者以外の者(例えば、受取者)により実行されてもよい。また、ステップST3で取得された第1管理情報を記憶した管理タグ52は、ステップST3の実行者により発行されて、提供者に提供されてもよい。
【0100】
実施形態では、第2管理情報をリーダ32から取得する第1取得部と、工作物情報を取得する第2取得部とが、いずれもサーバ2の通信部21により実現されるが、資材管理システム1は、第1取得部とは別に第2取得部を備えていてもよい。
【0101】
第1管理情報と第2管理情報とが一致していることは必須ではなく、例えば、一方が他方を包含していてもよい。
【0102】
サーバ2の記憶部22に記憶される第2管理情報の一部が、人が行う入力作業により入力されてもよい。例えば、第2管理情報の施工情報のうち、作業者の氏名等の情報は、作業者が受取者端末3の操作部35を操作することで入力されてもよい。また、管理タグ52から取得された第2管理情報が、人が行う入力作業により修正されてもよい。また、例えば、資材がどの保管場所に保管されたかに関する情報が、第2管理情報の一部として作業者により入力されてもよい。
【0103】
個々の資材に、管理タグ52が付されていてもよい。
【0104】
照合ステップは、サーバ2(処理部23)ではなく、受取者端末3又は提供者端末4により実行されてもよい。
【0105】
発注情報及び第1管理情報のうち少なくとも一部は、工作物情報(BIMデータ等)から自動的に生成されてもよい。例えば、受取者は、提供者へ工作物情報を提供し、提供者が所有するコンピュータシステム(例えば、提供者端末4)は、工作物情報に基づいて、発注情報及び第1管理情報のうち少なくとも一部を生成してもよい。
【0106】
受取者端末3は、出力インタフェースとして、視覚的に情報を提示する表示部34に代えて、又は、表示部34に加えて、音声等の音により情報を提示する音響装置を有していても良い。
【0107】
サーバ2、受取者端末3及び提供者端末4は、互いに独立して提供されてもよい。資材管理システム1は、サーバ2、受取者端末3及び提供者端末4のうち、サーバ2のみを備えていてもよい。
【0108】
本開示における資材管理システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における資材管理システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0109】
また、サーバ2、受取者端末3及び提供者端末4の各々における複数の機能が、1つの装置に集約されていることはサーバ2、受取者端末3及び提供者端末4の各々に必須の構成ではなく、サーバ2、受取者端末3及び提供者端末4の各々の構成要素は、複数の装置に分散して設けられていてもよい。さらに、資材管理システム1の少なくとも一部の機能、例えば、サーバ2の処理部23の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0110】
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されている資材管理システム1の少なくとも一部の機能が、1つの装置に集約されていてもよい。例えば、サーバ2と提供者端末4に分散されている資材管理システム1の一部の機能が、1つの装置に集約されていてもよい。
【0111】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0112】
第1の態様に係る資材管理方法は、第1取得ステップと、第2取得ステップと、管理ステップと、を有する。第1取得ステップでは、第2管理情報を、リーダ(32)から取得する。第2管理情報は、第1管理情報に対応する情報である。リーダ(32)は、資材に付された管理タグ(52)を、資材が受取者に提供された後に読み取ることで、第2管理情報を取得する。資材は、工作物を構成する。管理タグ(52)は、第1管理情報を記憶している。第1管理情報は、資材に関する情報である。第1管理情報は、資材の識別情報を含む。管理タグ(52)は、資材が受取者に提供される前に資材に付される。第2取得ステップでは、工作物に関する工作物情報を取得する。管理ステップでは、第2管理情報と工作物情報とを対応付けて管理する。
【0113】
上記の構成によれば、第2管理情報と工作物情報とが対応付けられて管理されるので、工作物が設置される現場又は設置されている現場における資材の管理の利便性が向上する。
【0114】
また、第2の態様に係る資材管理方法は、第1の態様において、第3取得ステップを更に有する。第3取得ステップでは、資材が受取者に提供された後に管理タグ(52)をリーダ(32)で読み取り、第2管理情報を取得する。
【0115】
上記の構成によれば、検品作業の手間を減らせる。
【0116】
また、第3の態様に係る資材管理方法は、第1又は2の態様において、照合ステップを更に有する。照合ステップでは、リーダ(32)に取得された第2管理情報を工作物情報と照合し、資材が工作物情報に対応するか否かを判定する。
【0117】
上記の構成によれば、受取者は、適切な資材が提供されたか否かを知ることができる。
【0118】
また、第4の態様に係る資材管理方法は、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、確認ステップを更に有する。確認ステップでは、資材が受取者に提供される前に、第1管理情報を工作物情報と照合し、資材が工作物情報に対応するか否かを判定する。
【0119】
上記の構成によれば、誤発注を減らせる。
【0120】
また、第5の態様に係る資材管理方法では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、第1管理情報は、工作物の施工に関する施工情報を更に含む。
【0121】
上記の構成によれば、資材を施工情報と共に管理できるので、資材の管理の利便性が更に向上する。
【0122】
また、第6の態様に係る資材管理方法では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、第1管理情報は、工作物が設置される又は設置されている現場に固有の情報を含む。
【0123】
上記の構成によれば、資材を上記固有の情報と共に管理できるので、資材の管理の利便性が更に向上する。
【0124】
また、第7の態様に係る資材管理方法では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、1つの管理タグ(52)は、複数の資材に関する第1管理情報を記憶している。
【0125】
上記の構成によれば、1つの管理タグ(52)が1つの資材に関する第1管理情報のみを記憶している場合と比較して、管理タグ(52)の個数を減らせる。
【0126】
また、第8の態様に係る資材管理方法では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、管理タグ(52)は、光を媒体としてリーダ(32)で読み取られる光学タグである。
【0127】
上記の構成によれば、第2管理情報を容易に取得することができる。
【0128】
また、第9の態様に係る資材管理方法では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、管理タグ(52)は、電波を媒体としてリーダ(32)で読み取られる電子タグである。
【0129】
上記の構成によれば、第2管理情報を容易に取得することができる。
【0130】
また、第10の態様に係る資材管理方法は、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、追跡ステップを更に有する。追跡ステップでは、第2管理情報を用いて資材を追跡する。
【0131】
上記の構成によれば、受取者等が資材の配送状況を知ることができる。
【0132】
第1の態様以外の構成については、資材管理方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0133】
また、第11の態様に係るプログラムは、第1~10の態様のいずれか1つに係る資材管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0134】
上記の構成によれば、第2管理情報と工作物情報とが対応付けられて管理されるので、工作物が設置される現場又は設置されている現場における資材の管理の利便性が向上する。
【0135】
また、第12の態様に係る資材管理システム(1)は、第1取得部(通信部21)と、第2取得部(通信部21)と、管理部(サーバ2)と、を備える。第1取得部は、第2管理情報を、リーダ(32)から取得する。第2管理情報は、第1管理情報に対応する情報である。リーダ(32)は、資材に付された管理タグ(52)を、資材が受取者に提供された後に読み取ることで、第2管理情報を取得する。資材は、工作物を構成する。管理タグ(52)は、第1管理情報を記憶している。第1管理情報は、資材に関する情報である。第1管理情報は、資材の識別情報を含む。管理タグ(52)は、資材が受取者に提供される前に資材に付される。第2取得部は、工作物に関する工作物情報を取得する。管理部は、第2管理情報と工作物情報とを対応付けて管理する。
【0136】
上記の構成によれば、第2管理情報と工作物情報とが対応付けられて管理されるので、工作物が設置される現場又は設置されている現場における資材の管理の利便性が向上する。
【0137】
上記態様に限らず、実施形態に係る資材管理システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、資材管理方法及びプログラムにて具現化可能である。
【符号の説明】
【0138】
1 資材管理システム
2 サーバ(管理部)
21 通信部(第1取得部、第2取得部)
32 リーダ
52 管理タグ