(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】端末監視方法、プログラム、及び端末監視システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240906BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240906BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
G05B23/02 Z
H04L12/28 200D
(21)【出願番号】P 2020150770
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 浩二
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-357139(JP,A)
【文献】特開2019-040394(JP,A)
【文献】特開2000-259520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G05B 23/02
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される複数の端末を監視する端末監視方法であって、
前記複数の端末の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける受付処理と、
前記複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを前記優先順位に基づいて設定する設定処理と、
前記複数の端末の各々から、前記複数種類の情報の各々を、前記取得スケジュールに従って取得する取得処理と、
前記取得処理で取得した前記複数種類の情報を表示部に表示させる表示処理と、を含
み、
前記受付処理で、前記表示部の画面に前記複数種類の情報が表示された状態で、前記複数種類の情報のうち変更対象の情報に対して前記優先順位を変更する設定を受け付けると、前記表示処理で、前記複数種類の情報を前記優先順位に基づいて並べ直して前記表示部の画面に表示させる、
端末監視方法。
【請求項2】
前記複数種類の情報が、1種類以上の第1情報と、前記1種類以上の第1情報に比べて内容の更新頻度が多い1種類以上の第2情報とを含み、
前記取得処理では、前記1種類以上の第2情報を、前記1種類以上の第1情報よりも高い頻度で取得するように前記取得スケジュールを設定する、
請求項1に記載の端末監視方法。
【請求項3】
前記複数種類の情報が、複数種類の前記第2情報を含み、
前記受付処理では、前記複数種類の前記第2情報について前記優先順位の設定を種類ごとに受け付ける、
請求項2に記載の端末監視方法。
【請求項4】
前記設定処理では、前記複数種類の前記第2情報のうち、前記優先順位が相対的に高い前記第2情報を、前記優先順位が相対的に低い前記第2情報よりも高い頻度で取得するように前記取得スケジュールを設定する、
請求項3に記載の端末監視方法。
【請求項5】
前記設定処理では、前記複数の端末の各々から、所定の定期更新期間に、前記複数種類の情報の各々を少なくとも1回取得するように前記取得スケジュールを設定する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の端末監視方法。
【請求項6】
前記設定処理では、前記取得スケジュールを、前記優先順位と、前記ネットワークの通信トラフィックとに基づいて設定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の端末監視方法。
【請求項7】
前記設定処理では、前記ネットワークの通信トラフィックが閾値を超える場合は、前記通信トラフィックが前記閾値以下である場合に比べて、前記複数種類の情報の各々を取得する頻度を低くするように前記取得スケジュールを設定する、
請求項6に記載の端末監視方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の端末監視方法を、1以上のプロセッサで実行させるためのプログラム。
【請求項9】
ネットワークに接続される複数の端末を監視する端末監視システムであって、
前記複数の端末の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける受付処理部と、
前記複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを前記優先順位に基づいて設定する設定処理部と、
前記複数の端末の各々から、前記複数種類の情報の各々を、前記取得スケジュールに従って取得する取得処理部と、
前記取得処理部が取得した前記複数種類の情報を表示部に表示させる表示処理部と、を備え、
前記受付処理部が、前記表示部の画面に前記複数種類の情報が表示された状態で、前記複数種類の情報のうち変更対象の情報に対して前記優先順位を変更する設定を受け付けると、前記表示処理部が、前記複数種類の情報を前記優先順位に基づいて並べ直して前記表示部の画面に表示させる、
端末監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末監視方法、プログラム、及び端末監視システムに関する。より詳細には、本開示は、ネットワークに接続される複数の端末の状態を監視する端末監視方法、プログラム、及び端末監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ネットワークに設置される複数の被管理装置(端末)の監視を行うネットワーク管理装置(端末監視システム)を開示する。このネットワーク管理装置は、ネットワーク上に設置された被管理装置の情報を定期収集する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のネットワーク管理装置において、監視対象の被管理装置の台数が増加すると、ネットワークの通信トラフィックが増大する可能性があった。
【0005】
本開示の目的は、通信トラフィックの抑制を図ることができる端末監視方法、プログラム、及び端末監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の端末監視方法は、ネットワークに接続される複数の端末を監視する端末監視方法である。前記端末監視方法は、受付処理と、設定処理と、取得処理と、表示処理と、を含む。前記受付処理では、前記複数の端末の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける。前記設定処理では、前記複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを前記優先順位に基づいて設定する。前記取得処理では、前記複数の端末の各々から、前記複数種類の情報の各々を、前記取得スケジュールに従って取得する。前記表示処理では、前記取得処理で取得した前記複数種類の情報を表示部に表示させる。前記受付処理で、前記表示部の画面に前記複数種類の情報が表示された状態で、前記複数種類の情報のうち変更対象の情報に対して前記優先順位を変更する設定を受け付けると、前記表示処理で、前記複数種類の情報を前記優先順位に基づいて並べ直して前記表示部の画面に表示させる。
【0007】
本開示の一態様のプログラムは、前記端末監視方法を、1以上のプロセッサで実行させるためのプログラムである。
【0008】
本開示の一態様の端末監視システムは、ネットワークに接続される複数の端末を監視する端末監視システムである。前記端末監視システムは、受付処理部と、設定処理部と、取得処理部と、表示処理部と、を備える。前記受付処理部は、前記複数の端末の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける。前記設定処理部は、前記複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを前記優先順位に基づいて設定する。前記取得処理部は、前記複数の端末の各々から、前記複数種類の情報の各々を、前記取得スケジュールに従って取得する。前記表示処理部は、前記取得処理部が取得した前記複数種類の情報を表示部に表示させる。前記受付処理部が、前記表示部の画面に前記複数種類の情報が表示された状態で、前記複数種類の情報のうち変更対象の情報に対して前記優先順位を変更する設定を受け付けると、前記表示処理部が、前記複数種類の情報を前記優先順位に基づいて並べ直して前記表示部の画面に表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、通信トラフィックの抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る端末監視システムの概略的なブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の端末監視システムにおいて複数種類の情報に優先順位を設定する画面の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、同上の端末監視システムにおいて複数種類の情報を優先順位に応じて並べ変えた画面の一例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、同上の端末監視システムの動作を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、同上の端末監視システムが情報を取得するタイミングを示すタイムチャートである。
【
図6】
図6は、同上の端末監視システムが情報を取得するタイミングを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(1)概要
以下、本実施形態に係る端末監視得方法、プログラム、及び端末監視システムの概要について、
図1を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る端末監視方法は、
図1に示すように、ネットワークNT1に接続される複数の端末30を監視する端末監視方法である。この端末監視方法は、受付処理と、設定処理と、取得処理と、表示処理と、を含む。受付処理では、複数の端末30の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける。設定処理では、複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを優先順位に基づいて設定する。取得処理では、複数の端末30の各々から、複数種類の情報の各々を、取得スケジュールに従って取得する。表示処理では、取得処理で取得した複数種類の情報を表示部に表示させる。
【0013】
この端末監視方法は、例えば、施設において使用される複数の端末30の状態を監視するための端末監視方法である。ここにおいて、施設は、例えば、商業施設、テーマパーク、オフィスビル、学校、福祉施設、病院及び工場等の非住宅の施設と、集合住宅及び戸建住宅等の施設と、を含む。非住宅の施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。また、施設は、建物(建造物)だけでなく、球場、駐車場、グランド及び公園等の屋外施設を含む。
【0014】
端末監視方法の監視対象である「端末」は、例えば、施設内の複数箇所に配置される通信機能を備えた端末である。この種の端末としては、例えば、ネットワークカメラ、プロジェクタ、ディスプレイ装置、照明設備又は空調設備などの設備機器、温度センサ又は防犯センサなどのセンサ機器、などがある。また、複数の端末30は屋内に設置されるものに限定されず、屋外に設置されるものでもよい。なお、複数の端末30は、1つの施設において使用されるものに限定されず、複数の施設に分散配置されて使用されるものでもよい。また、複数の端末30は、航空機、船舶、鉄道車両などの移動体に設置されて使用されるものでもよい。また、複数の端末30は同種の端末に限定されず、複数種類の端末でもよい。以下の実施形態では複数の端末30がプロジェクタである場合について説明する。
【0015】
複数の端末30はネットワークNT1に接続される。このネットワークNT1は、施設に設けられたLAN(Local Area Network)でもよいし、インターネット等のネットワークでもよい。本実施形態の端末監視方法では、複数の端末30から複数種類の情報を取得することによって、複数の端末30の状態を監視する。複数種類の情報は、端末30の状態に関する情報であり、1種類以上の第1情報と、1種類以上の第1情報に比べて内容の更新頻度が多い1種類以上の第2情報とを含む。例えば、第1情報は、複数種類の端末30に共通する基本情報を含み、第2情報は、個々の端末30に固有の詳細情報を含む。基本情報は、詳細情報に比べて内容が更新される頻度が低い情報(言い換えれば、変化が少ない情報)であり、端末30の名称、モデル名、端末30の種類、ネットワークアドレス(例えばIPアドレス、MACアドレスなど)、通信の設定、電源電圧、及び稼働状態などの項目のうち少なくとも1つの項目の情報を含む。詳細情報は、基本情報に比べて内容が更新される頻度が高い情報である。端末30がプロジェクタである場合、その詳細情報は、プロジェクタにより投影される画像(静止画像又は動画像)の画像データ、ランプの使用時間、冷却用の冷却ファンの吸気温度や冷却ファンの回転数などの項目のうち少なくとも1つの項目の情報を含む。また、端末30がディスプレイ装置である場合、その詳細情報は、ディスプレイ装置に表示する画像データ等を含む。
【0016】
上述のように複数の端末30から取得する複数種類の情報は、第1情報(例えば基本情報)と、第1情報に比べて内容が更新される頻度が高い第2情報(例えば詳細情報)と、を含み得る。第2情報は、情報の中身が更新される頻度が第1情報に比べて高いので、第2情報を取得する頻度は、第1情報を取得する頻度よりも高いことが好ましい。逆に言えば、第1情報は、情報の中身が更新される頻度が第2情報に比べて低いので、第1情報を取得する頻度は、第2情報を取得する頻度よりも低くてもよい。
【0017】
本実施形態の端末情報取得方法では、受付処理によって複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付けると、設定処理によって複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを優先順位に基づいて設定する。取得処理では、取得スケジュールに従って複数の端末30の各々から複数種類の情報の各々を取得するので、複数種類の情報を取得する頻度を優先順位に応じて変更することができる。例えば、優先順位が高い情報ほど取得する頻度を高く、優先順位が低い情報ほど取得する頻度を低くするように取得スケジュールを設定すれば、複数種類の情報で取得する頻度が同じである場合に比べて、ネットワークの通信トラフィックを低減できる。よって、通信トラフィックの抑制を図ることができる端末監視方法を実現できる。また、優先順位が高い情報ほど取得する頻度を高くするように取得スケジュールを設定すれば、優先順位が高い情報は、優先順位が低い情報に比べて更新される頻度が高くなり、優先順位が高い情報についてはリアルタイム性を確保した監視が可能になる。
【0018】
また、本実施形態に係る端末監視方法は、一例として、
図1に示すような端末監視システム1にて実行される。換言すれば、端末監視システム1は、上述した端末監視方法を具現化するための一態様である。本実施形態に係る端末監視システム1は、ネットワークNT1に接続される複数の端末30を監視する端末監視システムであり、受付処理部11と、設定処理部12と、取得処理部13と、表示処理部14と、を備える。受付処理部11は、複数の端末30の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける。設定処理部12は、複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを優先順位に基づいて設定する。取得処理部13は、複数の端末30の各々から、複数種類の情報の各々を、取得スケジュールに従って取得する。表示処理部14は、取得処理部13が取得した複数種類の情報を表示部15に表示させる。
【0019】
ここにおいて、本実施形態に係る端末監視システム1は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。言い換えれば、本実施形態に係る端末監視方法は、コンピュータシステム(端末監視システム1)上で用いられる。つまり、端末監視方法は、プログラムでも具現化可能である。本実施形態に係るプログラムは、本実施形態に係る端末監視方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0020】
(2)詳細
(2.1)構成
本実施形態の端末監視システム1は、ネットワークNT1を介して接続された複数の端末30の状態を監視するためのシステムである。以下、端末監視システム1及び端末30の構成を
図1に基づいて説明する。
【0021】
(2.1.1)端末
端末30は、端末監視システム1による監視対象の端末である。本実施形態では端末30が、端末監視システム1が適用される施設で使用されるプロジェクタである場合を例に説明する。
【0022】
端末30は、処理部31と、送受信部32とを備える。
【0023】
送受信部32は、例えばLANの通信規格に準拠した通信モジュールを含み、ネットワークNT1を介して端末監視システム1との間で通信を行う。
【0024】
処理部31は、端末30の種類に応じた処理を実行する。例えば、端末30が映像をスクリーンに投影するプロジェクタである場合、処理部31は、映像を表示する表示装置、及び表示装置に表示された映像を投影する投影装置の動作を制御する。また、送受信部32が、端末30の状態に関する情報の送信を要求する要求コマンドを端末監視システム1から受信すると、処理部31は、要求コマンドで要求された情報を含む応答コマンドを作成し、この応答コマンドを送受信部32から端末監視システム1に送信させる。
【0025】
(2.1.2)端末監視システム
端末監視システム1は、上述のように、受付処理部11と、設定処理部12と、取得処理部13と、表示処理部14と、を備える。また、本実施形態の端末監視システム1は、表示部15と、送受信部16と、定期更新時間設定部17と、ネットワーク状態監視部18と、登録端末管理部19と、を更に備える。なお、端末監視システム1が、表示部15と、送受信部16と、定期更新時間設定部17と、ネットワーク状態監視部18と、登録端末管理部19とを備えることは必須ではなく、適宜省略が可能である。なお、端末監視システム1はコンピュータシステムを主構成としており、受付処理部11、設定処理部12、取得処理部13、表示処理部14、定期更新時間設定部17、ネットワーク状態監視部18、及び登録端末管理部19は、コンピュータシステムの演算機能によって実現される。また、端末監視システム1は、ユーザからの操作入力を受け付ける入力装置、及びユーザに対して情報を出力するための出力装置を含むユーザインタフェース(UI: User Interface)を有している。ここで、入力装置は、キーボード、マウス、及び音声入力装置の少なくとも一つを含み、出力装置は、液晶ディスプレイなどのディスプレイ装置、及びプリンタの少なくとも一つを含む。
【0026】
送受信部16は、例えばLANの通信規格に準拠した通信モジュールを含み、ネットワークNT1を介して複数の端末30の各々と通信を行う。
【0027】
受付処理部11は、複数の端末30の各々から取得する複数種類の情報の各々について、ユーザがユーザインタフェースを用いて設定する優先順位を受け付ける。受付処理部11は、選択項目表示処理部111と、優先順位受付部112と、を備える。
【0028】
選択項目表示処理部111は、複数の端末30から取得可能な複数種類の情報の中から、ユーザが優先的に監視したい情報を選択するための選択画面G1(
図2参照)を表示部15に表示させる。
【0029】
選択画面G1には、複数種類の情報(基本情報及び詳細情報を含む)を一覧表示するテーブルTB1が表示されている。テーブルTB1には、端末30から取得可能な複数種類の情報の名称が2列で表示されている。テーブルTB1の左側の列には、各端末30から個別に取得可能な複数種類の情報の項目名(例えば項目A~G)が表示されている。端末30がプロジェクタである場合、複数種類の情報の項目は、例えば、プロジェクタにて投影させる画像データ、ランプの使用時間、モデル名、ランプを冷却するための冷却ファンの吸気温度などの項目を含む。また、テーブルTB1の右側の列には、複数の端末30に共通する複数種類の一般情報が表示されている。一般情報の種類としては、例えば、端末30の動作エラーに関するエラー情報、端末30での異常を報知するための警告情報、端末30に関する各種の通知(例えばメンテナンスに関する通知など)のためのお知らせ情報などがある。
【0030】
テーブルTB1中の項目名及び種類名の左側にはチェックボックス101が表示されており、ユーザは、優先的に取得したい項目名及び種類名に対応するチェックボックス101に入力装置を用いてチェックを入れる。ユーザは、チェックボックス101にチェックを入れた後に入力装置を用いて並べ替えを指示する操作を行うと、選択項目表示処理部111は、優先順位が高い項目名及び種類名が各列の上側に表示されるように順番を並べ替えたテーブルTB1を表示部15に表示させる。ここにおいて、ユーザは、上カーソルボタン102又は下カーソルボタン103を操作して、選択した項目名又は種類名が列の上側に位置するように、複数の項目名及び種類名の並べ替えを行ってもよい。
図3は並べ替えを行った後のテーブルTB1の一例を示しており、優先順位が高い項目名及び種類名ほど各列の上側に表示されている。
【0031】
優先順位受付部112は、上記の選択画面G1において、複数の項目名及び種類名に対応するチェックボックス101でのチェックの有無に基づいて、複数の項目名及び種類名に対して設定された優先順位の情報を取得する。優先順位受付部112は、複数の端末30の各々について、取得可能な全ての情報、すなわち複数の項目名及び種類名に対して優先順位をそれぞれ設定する。そして、優先順位受付部112は、複数の項目名及び種類名と優先順位とを対応付けた選択リストを生成し、設定処理部12に出力する。ここにおいて、優先順位受付部112は、複数の項目名及び種類名を、それぞれに対応付けられた優先順位に従って並べ変えた選択リストを生成し、この選択リストを設定処理部12に出力する。
【0032】
定期更新時間設定部17は、ユーザがユーザインタフェースを用いて入力した定期更新期間に基づいて、端末30から情報を取得する時間間隔である更新期間を設定し、この更新期間を設定処理部12に出力する。
【0033】
ネットワーク状態監視部18は、端末監視システム1及び端末30が接続されるネットワークNT1に関するネットワーク情報を定期的に収集する。ネットワーク情報は、例えば、ネットワークNT1での通信速度、通信量(パケット量)、再送回数、及び再接続回数に関する情報のうちの少なくとも1つを含み得る。ネットワーク状態監視部18は、ネットワーク情報に基づいて、ネットワークNT1での通信トラフィックを監視する。具体的には、端末監視システム1の送受信部16が送受信する情報のネットワーク統計に関する情報に基づいて通信トラフィックを監視する。ネットワーク状態監視部18は、通信トラフィックの監視結果を設定処理部12に定期的に出力する。
【0034】
登録端末管理部19は、監視対象の複数の端末30の各々から個別に取得可能な複数種類の情報の各々について、各情報を取得するための要求コマンドが予め登録されている。
【0035】
設定処理部12は、受付処理部11から入力される選択リストに基づいて、複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを設定する。
【0036】
設定処理部12は、リスト作成部121と、スケジュール生成部122と、を備える。
【0037】
リスト作成部121には、受付処理部11から選択リストが入力され、登録端末管理部19から管理情報が入力される。選択リストは、端末30から取得したい複数種類の情報の項目名及び種類名を、その優先順位に応じて並べ変えたリストである。リスト作成部121は、選択リストにリストアップされた複数種類の項目名及び種類名の情報をそれぞれ取得するための要求コマンドを登録端末管理部19から取得する。そして、リスト作成部121は、選択リストにリストアップされた複数種類の項目名及び種類名の情報に対して、各情報を端末30に要求するための要求コマンドを対応付けた取得情報リストを作成し、取得情報リストをスケジュール生成部122に出力する。
【0038】
スケジュール生成部122には、定期更新時間設定部17から更新期間が入力され、ネットワーク状態監視部18から通信トラフィックの監視結果が入力され、リスト作成部121から取得情報リストが入力される。スケジュール生成部122は、更新期間と、通信トラフィックの監視結果と、取得情報リストとに基づいて、端末30から情報を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを生成する。スケジュール生成部122は、通信トラフィックが所定の閾値を超えないように、端末30から複数の情報を取得するタイミングを分散させた取得スケジュールを生成する。スケジュール生成部122は、生成した取得スケジュールを取得処理部13に出力する。
【0039】
取得処理部13は、上述のように、複数の端末30の各々から、複数種類の情報の各々を、設定処理部12が設定した取得スケジュールに従って取得する。取得処理部13は、コマンド生成解析部131と、情報検出部132と、を含む。
【0040】
コマンド生成解析部131は、端末30から情報を取得する取得タイミングの基準となるタイミング情報を定期的に発生する内部タイマを備える。コマンド生成解析部131には、設定処理部12で作成された取得スケジュールが入力される。コマンド生成解析部131は、内部タイマが発生するタイミング情報と取得スケジュールとに基づいて、複数種類の情報の中から、各取得タイミングで取得する取得対象の1又は複数の情報を決定する。コマンド生成解析部131は、取得対象の1又は複数の情報を要求する要求コマンドを生成し、生成した要求コマンドを送受信部16から要求先の端末30に送信させる。
【0041】
また、送受信部16が要求コマンドに応じて端末30から送信された応答コマンドを受信すると、この応答コマンドをコマンド生成解析部131に出力する。コマンド生成解析部131は、応答コマンドから取得対象の1又は複数の情報を含む端末情報を抽出して情報検出部132に出力する。
【0042】
情報検出部132は、コマンド生成解析部131から入力される端末情報を解析し、端末情報に含まれる1又は複数の情報を取得する。情報検出部132は、端末30に関する1又は複数の情報を取得すると、取得した1又は複数の情報をもとに端末30の状態を更新し、端末30の状態を表す状態情報を表示処理部14に出力する。
【0043】
表示処理部14は、情報検出部132から入力された状態情報に基づいて、監視対象の端末30の状態情報を表示部15の画面に表示させる。これにより、端末監視システム1のユーザは、表示部15に表示された画面に基づいて、端末30の状態を監視することができる。
【0044】
(2.2)動作説明
本実施形態の端末監視システム1による端末30の監視動作を
図4~
図6に基づいて説明する。
【0045】
端末監視システム1が端末監視方法を実行すると、選択項目表示処理部111が、
図2に示すような選択画面G1を表示部15に表示させる(S1)。ユーザが、選択画面G1に表示された複数の項目名及び種類名の情報の中から優先的に取得したい情報を選択すると、選択項目表示処理部111は、選択画面G1において複数の項目名及び種類名の情報を優先順位の高い順に並び替える。そして、選択項目表示処理部111は、複数の項目名及び種類名の情報を優先順位の高い順に並び替えた画面(
図3参照)を表示部15に表示させる。
図3の例では、ユーザが設定した優先順位にしたがって、項目A、項目C、項目F、項目B、項目D、項目E、項目Gの順に並び替えられている。このように、選択画面G1においてユーザの選択操作に応じて複数種類の情報の各々に優先順位が設定されると、優先順位受付部112が、選択画面G1でのユーザの選択操作に応じて、複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける(S2)。優先順位受付部112は、複数種類の情報と優先順位とを対応付けた選択リストを生成し、この選択リストを設定処理部12に出力する。本実施形態では、ユーザの選択操作に応じて複数種類の情報の各々に優先順位が設定されるので、ユーザは、所望の情報に高い優先順位を設定することで、所望の情報を優先的に監視する情報として設定することができる。言い換えると、取得対象の複数種類の情報が、複数種類の第2情報を含んでおり、受付処理部11は、複数種類の第2情報について優先順位の設定を種類ごとに受け付けているので、複数種類の第2情報の優先順位を種類ごとに細かく設定できる。
【0046】
このように、受付処理部11は、表示部15の画面に複数種類の情報を表示した状態で、複数種類の情報のうち変更対象の情報に対して優先順位を変更する設定を受け付けると、複数種類の情報を優先順位に基づいて並べ直して表示部15の画面に表示する。これにより、端末監視システム1のユーザは、表示部15の画面を見ながら、複数種類の情報の各々について優先順位を設定することが可能になる。
【0047】
設定処理部12のリスト作成部121は、受付処理部11から選択リストが入力されると、選択リストにリストアップされた複数種類の項目名及び種類名の情報を取得するための要求コマンドを登録端末管理部19から抽出する。リスト作成部121は、選択リストにリストアップされた複数種類の項目名及び種類名の情報に対して要求コマンドを対応付けた取得情報リストを作成し、取得情報リストをスケジュール生成部122に出力する。
【0048】
ここで、定期更新時間設定部17は、ユーザがユーザインタフェースを用いて入力した定期更新期間に基づいて情報を取得する時間間隔である更新期間を設定し、この更新期間をスケジュール生成部122に出力する。
【0049】
スケジュール生成部122は、更新期間と、取得情報リストとに基づいて、複数種類の情報を取得する取得スケジュールを生成する(S3)。
図5はスケジュール生成部122によって生成される取得スケジュールの一例を示す。
図5は、第1情報B1と3種類の第2情報H1,M1,L1を取得する場合の取得スケジュールを示している。3種類の第2情報H1,M1,L1のうち、第2情報H1が、優先順位が最も高い情報であり、第2情報L1が、優先順位が最も低い情報である。また、第1情報B1は、第2情報H1,M1,L1に比べて更新される頻度が低いので、第1情報B1の優先順位は第2情報H1,M1,L1の優先順位よりも低く設定されている。
【0050】
ここで、スケジュール生成部122は、定期更新期間CT1を4分割した更新期間T1~T4の各々で情報を取得するように取得スケジュールを設定する。この取得スケジュールでは、第1情報B1は、更新期間T1~T4のうちの更新期間T4で取得されるように取得スケジュールが設定されており、4回に1回の割合で情報の内容が更新される。また、優先順位が最も低い第2情報L1は、更新期間T3で取得されるように取得スケジュールが設定されており、4回に1回の割合で情報の内容が更新される。優先順位が中程度の第2情報M1は、更新期間T2,T4で取得されるように取得スケジュールが設定されており、2回に1回の割合で情報の内容が更新される。優先順位が最も高い第2情報H1は、更新期間T1~T4の各々で取得されるように取得スケジュールが設定されており、各更新期間T1~T4で情報の内容が更新される。このように、設定処理部12(スケジュール生成部122)は、1種類以上の第2情報H1,M1を、1種類以上の第1情報B1よりも高い頻度で取得するように取得スケジュールを設定している。内容の更新頻度が高い第2情報H1,M1は、第1情報B1よりも高い頻度で取得されるので、通信トラフィックの増大を抑制しつつ、第2情報H1,M1を監視する場合のリアルタイム性が向上するという利点がある。
【0051】
また、
図5の例では、設定処理部12(スケジュール生成部122)は、複数種類の第2情報H1,M1,L1のうち、優先順位が相対的に高い第2情報を、優先順位が相対的に低い第2情報よりも高い頻度で取得するように取得スケジュールを設定している。
【0052】
また、スケジュール生成部122(設定処理部12)は、複数の端末30の各々から、所定の定期更新期間CT1に、取得対象の複数種類の情報の各々を少なくとも1回は取得するように取得スケジュールを設定する。これにより、1回の定期更新期間CT1で、取得対象の複数種類の情報の各々を少なくとも1回は取得できるので、取得対象の全ての情報は定期更新期間CT1が経過するごとに少なくとも1回は更新される。
【0053】
スケジュール生成部122は、取得スケジュールを生成すると、ネットワーク状態監視部18から定期的に入力される通信トラフィックの解析結果を閾値と比較することによって通信状態が安定しているか否かを判断する(S5)。
【0054】
ここにおいて、ネットワーク状態監視部18は、ネットワークNT1に関するネットワーク情報として、例えば、各時点での送信パケット量、受信パケット量、リトライ回数、エラー情報、再接続回数、及びその他の統計値を収集する。例えば、下記の表1に示すように、ネットワーク状態監視部18は、時点t1及び時点t2(t2>t1)における送信パケット量PktT(t1),PktT(t2)を取得して、両者の差分ΔPktT(t2-t1)を求める。ネットワーク状態監視部18は、時点t1及び時点t2における受信パケット量PktR(t1),PktR(t2)を取得して、両者の差分ΔPktR(t2-t1)を求める。ネットワーク状態監視部18は、時点t1及び時点t2におけるリトライ回数Rty(t1),Rty(t2)を取得して、両者の差分ΔRty(t2-t1)を求める。ネットワーク状態監視部18は、時点t1及び時点t2におけるエラー情報(例えばエラー率)Err(t1),Err(t2)を取得して、両者の差分ΔErr(t2-t1)を求める。ネットワーク状態監視部18は、時点t1及び時点t2における再接続回数Recn(t1),Recn(t2)を取得して、両者の差分ΔRecn(t2-t1)を求める。また、ネットワーク状態監視部18は、時点t1及び時点t2におけるその他の統計値Other(t1),Other(t2)を取得して、両者の差分ΔOther(t2-t1)を求める。
【0055】
【0056】
ここで、ネットワーク状態監視部18は、送信パケット量の差分ΔPktT(t2-t1)及び受信パケット量の差分ΔPktR(t2-t1)を用いて下記の数1によりネットワークNT1での実効速度Spを求める。
【0057】
【0058】
ネットワーク状態監視部18は、実効速度Spの算出結果を通信トラフィックの解析結果としてスケジュール生成部122に出力する。スケジュール生成部122は、実効速度Spの算出結果と閾値との大小を比較することで、ネットワークNT1での通信状態が安定しているか否かを判断する。つまり、実効速度Spの算出結果が閾値以上であれば、スケジュール生成部122は通信状態が安定していると判断し、実効速度Spの算出結果が閾値未満であれば、スケジュール生成部122は通信状態が安定していないと判断する。
【0059】
ステップS5において通信状態が安定していると判断されると、取得処理部13が、ステップS3で作成された取得スケジュールを実行する(S7)。
【0060】
一方、ステップS5において通信状態が安定していないと判断されると、スケジュール生成部122は、通信トラフィックを抑制するために、情報を取得するタイミングを分散させるように取得スケジュールを変更する(S6)。
【0061】
図6はステップS6の変更処理で変更された後の取得スケジュールの一例を示す。この取得スケジュールでは、第1情報B1は第1情報B11と第1情報B12とに二分され、2回分の定期更新期間CT1の更新期間T4で取得されるように取得スケジュールが変更される。つまり、第1情報B1は、2回の更新周期T4で取得されることになる。
【0062】
同様に、優先順位が最も低い第2情報L1は、第2情報L11と第2情報L12とに二分され、2回分の定期更新期間CT1の更新期間T3で取得されるように取得スケジュールが変更される。つまり、優先順位が最も低い第2情報L1は、2回の更新周期T3で取得されることになる。
【0063】
優先順位が中程度の第2情報M1は、第2情報M11と第2情報M12とに二分され、更新期間T2,T4で取得されるように取得スケジュールが変更される。
【0064】
また、優先順位が最も高い第2情報H1は、第2情報H11と第2情報H12とに二分され、第2情報H11及び第2情報H12が更新期間T1~T4で交互に取得されるように取得スケジュールが変更される。
【0065】
このように、本実施形態は、設定処理部12(スケジュール生成部122)が、取得スケジュールを、優先順位と、ネットワークNT1の通信トラフィックとに基づいて設定しており、通信トラフィックを更に考慮して取得スケジュールを設定できる。具体的には、設定処理部12は、ネットワークNT1の通信トラフィックが閾値を超える場合は、通信トラフィックが閾値以下である場合に比べて、複数種類の情報の各々を取得する頻度を低くするように取得スケジュールを設定している。このように取得スケジュールが変更されることによって、更新期間T1~T4の各々で取得する情報量を低減できるので、結果的に通信トラフィックを抑制できる。
【0066】
ステップS6でスケジュール生成部122が通信トラフィックを抑制するように取得スケジュールを変更すると、取得処理部13が、ステップS6で変更された取得スケジュールを実行する(S7)。
【0067】
取得処理部13は、取得スケジュールに従って、各更新期間において、取得対象の情報を取得するための要求コマンドを送受信部16から対象の端末30に送信する。送受信部16が、要求コマンドに対する応答コマンドを端末30から受信すると、受信した応答コマンドを取得処理部13に出力する。取得処理部13は、端末30からの応答コマンドを解析することによって、送信を要求した情報を取得し(S8)、取得した情報を表示処理部14に出力する。
【0068】
表示処理部14は、取得処理部13から取得処理によって得られた情報が入力されると、この情報を表示部15に表示させる表示処理を行う(S9)。端末監視システム1のユーザは、表示部15に表示された情報を確認することで、監視対象の端末30の状態を把握することができる。
【0069】
ここにおいて、本実施形態の端末監視システム1では、ユーザが各情報に対して設定した優先順位に応じた取得頻度で各端末30から情報が取得される。したがって、優先順位が低い情報の取得頻度を優先順位が高い情報の取得頻度よりも低くすることで、ネットワークNT1の通信トラフィックを抑制できる。また、優先順位が高い情報の取得頻度を優先順位が低い情報の取得頻度よりも高くすることで、優先順位が高い情報についてはリアルタイム性を高めた監視を行うことができる。
【0070】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、端末監視システム1と同様の機能は、端末監視方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。
【0071】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0072】
本開示における端末監視システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における端末監視システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0073】
また、端末監視システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは端末監視システム1に必須の構成ではなく、端末監視システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、端末監視システム1の少なくとも一部の機能、例えば、端末監視システム1の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0074】
上記の実施形態では、ネットワーク状態監視部18は、ネットワークNT1での通信の実効速度Spを算出することで、通信トラフィックの解析を行っているが、実効速度Sp以外の評価値を求めることで通信トラフィックの解析を行ってもよい。
【0075】
例えば、ネットワーク状態監視部18は、上記の実効速度と再送回数とエラー情報(例えばエラー率)とを用いて通信トラフィックを解析してもよい。例えば、ネットワーク状態監視部18は、上記の実効速度と再送回数とエラー情報とを用いて下記の数2によりエラー評価値Enを算出し、このエラー評価値Enを通信トラフィックの解析結果としてスケジュール生成部122に出力してもよい。
【0076】
【0077】
また、スケジュール生成部122は、ネットワークNT1に関する他のネットワーク情報の値の大小に応じて重み係数を設定し、この重み係数を評価値に乗算した値と閾値との大小から、通信状態が安定しているか否かを判断してもよい。
【0078】
また、上記の実施形態では、スケジュール生成部122は、通信トラフィックの解析結果と閾値との大小を比較することによって通信状態が安定しているか否かを判断しているが、複数の閾値を設け、通信状態を複数の段階に判断してもよい。そして、スケジュール生成部122は、通信状態の複数の段階に応じて取得スケジュールをそれぞれ設定することで、取得スケジュールをより細かく設定してもよい。
【0079】
なお、上記の実施形態において、通信トラフィックの解析結果と閾値との2値の比較において、「より大きい」としているところは「以上」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「より大きい」か「以上」かに技術上の差異はない。同様に、「以下」としているところは「未満」であってもよい。
【0080】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の端末監視方法は、ネットワーク(NT1)に接続される複数の端末(30)を監視する端末監視方法である。端末監視方法は、受付処理と、設定処理と、取得処理と、表示処理と、を備える。受付処理では、複数の端末(30)の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける。設定処理では、複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを優先順位に基づいて設定する。取得処理では、複数の端末(30)の各々から、複数種類の情報の各々を、取得スケジュールに従って取得する。表示処理では、取得処理で取得した複数種類の情報を表示部(15)に表示させる。
【0081】
この態様によれば、受付処理によって複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付けると、設定処理によって複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを優先順位に基づいて設定する。取得処理では、取得スケジュールに従って複数の端末(30)の各々から複数種類の情報の各々を取得するので、複数種類の情報を取得する頻度を優先順位に応じて変更することができる。例えば、優先順位が高い情報ほど取得する頻度を高く、優先順位が低い情報ほど取得する頻度を低くするように取得スケジュールを設定すれば、複数種類の情報で取得する頻度が同じである場合に比べて、ネットワークの通信トラフィックを低減できる。よって、通信トラフィックの抑制を図ることができる端末監視方法を実現できる。
【0082】
第2の態様の端末監視方法では、第1の態様において、受付処理では、表示部(15)の画面に複数種類の情報を表示した状態で、複数種類の情報のうち変更対象の情報に対して優先順位を変更する設定を受け付けると、複数種類の情報を優先順位に基づいて並べ直して表示部(15)の画面に表示する。
【0083】
この態様によれば、ユーザは、表示部(15)の画面を見ながら、複数種類の情報の各々について優先順位を設定することが可能になる。
【0084】
第3の態様の端末監視方法では、第1又は2の態様において、複数種類の情報が、1種類以上の第1情報(B1)と、1種類以上の第1情報(B1)に比べて内容の更新頻度が多い1種類以上の第2情報(H1、M1)とを含む。取得処理では、1種類以上の第2情報(H1、M1)を、1種類以上の第1情報(B1)よりも高い頻度で取得するように取得スケジュールを設定する。
【0085】
この態様によれば、通信トラフィックの増大を抑制しつつ、第2情報(H1、M1)を監視する場合のリアルタイム性が向上するという利点がある。
【0086】
第4の態様の端末監視方法では、第3の態様において、複数種類の情報が、複数種類の第2情報(H1、M1,L1)を含む。受付処理では、複数種類の第2情報(H1、M1,L1)について優先順位の設定を種類ごとに受け付ける。
【0087】
この態様によれば、複数種類の第2情報(H1、M1,L1)に対してその種類ごとに優先順位を設定できる。
【0088】
第5の態様の端末監視方法では、第4の態様において、設定処理では、複数種類の第2情報(H1、M1,L1)のうち、優先順位が相対的に高い第2情報を、優先順位が相対的に低い第2情報よりも高い頻度で取得するように取得スケジュールを設定する。
【0089】
この態様によれば、通信トラフィックの増大を抑制しつつ、優先順位がより高い第2情報を監視する場合のリアルタイム性が向上するという利点がある。
【0090】
第6の態様の端末監視方法では、第1~5のいずれかの態様において、設定処理では、複数の端末(30)の各々から、所定の定期更新期間に、複数種類の情報の各々を少なくとも1回取得するように取得スケジュールを設定する。
【0091】
この態様によれば、所定の定期更新期間が経過するごとに、各情報の内容を少なくとも1回は更新することができる。
【0092】
第7の態様の端末監視方法では、第1~6のいずれかの態様において、設定処理では、取得スケジュールを、優先順位と、ネットワーク(NT1)の通信トラフィックとに基づいて設定する。
【0093】
この態様によれば、通信トラフィックを考慮して取得スケジュールを設定できる。
【0094】
第8の態様の端末監視方法では、第7の態様において、設定処理では、ネットワーク(NT1)の通信トラフィックが閾値を超える場合は、通信トラフィックが閾値以下である場合に比べて、複数種類の情報の各々を取得する頻度を低くするように取得スケジュールを設定する。
【0095】
この態様によれば、通信トラフィックを閾値以下に抑制できる。
【0096】
第9の態様のプログラムは、第1~8のいずれかの態様の端末監視方法を、1以上のプロセッサで実行させるためのプログラムである。
【0097】
この態様によれば、通信トラフィックの抑制を図ることができる。
【0098】
第10の態様の端末監視システム(1)は、ネットワーク(NT1)に接続される複数の端末(30)を監視する端末監視システム(1)である。端末監視システム(1)は、受付処理部(11)と、設定処理部(12)と、取得処理部(13)と、表示処理部(14)と、を備える。受付処理部(11)は、複数の端末(30)の各々から取得する複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付ける。設定処理部(12)は、複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを優先順位に基づいて設定する。取得処理部(13)は、複数の端末(30)の各々から、複数種類の情報の各々を、取得スケジュールに従って取得する。表示処理部(14)は、取得処理部(13)が取得した複数種類の情報を表示部(15)に表示させる。
【0099】
この態様によれば、受付処理部(11)が複数種類の情報の各々について優先順位の設定を受け付けると、設定処理部(12)が複数種類の情報の各々を取得するスケジュールを示す取得スケジュールを優先順位に基づいて設定する。取得処理部(13)は、取得スケジュールに従って複数の端末(30)の各々から複数種類の情報の各々を取得するので、複数種類の情報を取得する頻度を優先順位に応じて変更することができる。例えば、優先順位が高い情報ほど取得する頻度を高く、優先順位が低い情報ほど取得する頻度を低くするように取得スケジュールを設定すれば、複数種類の情報で取得する頻度が同じである場合に比べて、ネットワークの通信トラフィックを低減できる。よって、通信トラフィックの抑制を図ることができる端末監視方法を実現できる。
【0100】
上記態様に限らず、上記実施形態に係る端末監視システム(1)の種々の構成(変形例を含む)は、端末監視システム(1)が行う端末監視方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0101】
第2~第8の態様に係る構成については、端末監視方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 端末監視システム
11 受付処理部
12 設定処理部
13 取得処理部
14 表示処理部
15 表示部
30 端末
NT1 ネットワーク