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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】充電装置、充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240906BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240906BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/00 301B
H01M10/42 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020131852
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028452
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】遠矢 正一
(72)【発明者】
【氏名】笹田 基弘
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聖師
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134451(JP,A)
【文献】特開2000-090348(JP,A)
【文献】特開2012-079503(JP,A)
【文献】特開2013-200821(JP,A)
【文献】特表2018-505637(JP,A)
【文献】特開2011-055680(JP,A)
【文献】特開2018-160171(JP,A)
【文献】特開2019-198215(JP,A)
【文献】特開2019-153576(JP,A)
【文献】国際公開第2020/059833(WO,A1)
【文献】特開平11-150809(JP,A)
【文献】特開2000-341868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/00
H01M 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電池パックを着脱可能な複数のスロットと、
前記複数のスロットのうちの1つ以上に前記蓄電池パックが取り付けられている場合に、取り付けられた1つ以上の前記蓄電池パックを充電する充電回路と、
前記蓄電池パックの利用者に対する認証結果を取得する取得部と、
前記取得部において取得した前記認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた前記蓄電池パックのうちの1つが取り付けられた1つのスロットを取り外し可能スロットとして通知し、前記蓄電池パックが取り付けられていない1つのスロットを取り付け可能スロットとして通知する通知部と、
前記通知部が前記取り外し可能スロットと前記取り付け可能スロットとを通知してから、前記取り外し可能スロットからの前記蓄電池パックの取り外しを可能にし、前記取り付け可能スロットへの前記蓄電池パックの取り付けを可能にする制御部とを備え、
前記制御部は、1回の認証の成功に対して、前記取り外し可能スロットから前記蓄電池パックが取り外されると、前記取り付け可能スロットへの前記蓄電池パックの取り付け、または前記取り外し可能スロット以外からの前記蓄電池パックのさらなる取り外しを禁止し、前記取り付け可能スロットに前記蓄電池パックが取り付けられると、前記取り外し可能スロットからの前記蓄電池パックの取り外し、または前記取り付け可能スロット以外への前記蓄電池パックのさらなる取り付けを禁止する充電装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記取得部において取得した前記認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた前記蓄電池パックが存在しなければ、前記取り外し可能スロットを通知せず、
前記制御部は、前記通知部が前記取り外し可能スロットを通知しなければ、前記蓄電池パックの取り外しを不可能のままにする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記通知部は、前記取得部において取得した前記認証結果が成功を示す場合に、前記蓄電池パックが取り付けられていないスロットが存在しなければ、前記取り付け可能スロットを通知せず、
前記制御部は、前記通知部が前記取り付け可能スロットを通知しなければ、前記蓄電池パックの取り付けを不可能のままにする請求項1に記載の充電装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記通知部が前記取り外し可能スロットと前記取り付け可能スロットとを通知してから一定期間にわたって、前記取り外し可能スロットからの前記蓄電池パックの取り外しと、前記取り付け可能スロットへの前記蓄電池パックの取り付けとがない場合、前記取り外し可能スロットからの前記蓄電池パックの取り外しと、前記取り付け可能スロットへの前記蓄電池パックの取り付けとを不可能に戻す請求項1に記載の充電装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記利用者に関する利用者情報も取得し、
前記通知部は、前記取得部において取得した前記認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた前記蓄電池パックが複数存在すれば、充電がなされた複数の前記蓄電池パックのうちの1つを前記利用者情報をもとに選択し、選択した前記蓄電池パックが取り付けられた1つのスロットを取り外し可能スロットとして通知し、前記蓄電池パックが取り付けられていないスロットが複数存在すれば、前記蓄電池パックが取り付けられていない複数のスロットのうちの1つを前記利用者情報をもとに選択し、選択した1つの前記スロットを取り付け可能スロットとして通知する請求項1から4のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記利用者による前記蓄電池パックの過去の利用履歴の情報も取得し、
前記通知部は、前記取得部において取得した前記認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた前記蓄電池パックが複数存在すれば、充電がなされた複数の前記蓄電池パックのうちの1つを前記利用履歴の情報をもとに選択し、選択した前記蓄電池パックが取り付けられた1つのスロットを取り外し可能スロットとして通知する請求項1から4のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記複数のスロットのそれぞれは、第1状態において前記スロット内に突出せず、第2状態において前記スロット内に突出するロック機構を備え、
前記ロック機構は、前記制御部において前記蓄電池パックの取り外し、あるいは前記蓄電池パックの取り付けが可能にされている場合、前記第1状態になり、
前記ロック機構は、前記制御部において前記蓄電池パックの取り外しが不可能にされている場合、前記第2状態となって前記蓄電池パックに嵌合し、
前記ロック機構は、前記制御部において前記蓄電池パックの取り付けが不可能にされている場合、前記第2状態となって前記蓄電池パックの侵入を阻止する請求項1から6のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の充電装置が複数接続された充電システムであって、
複数の前記充電装置のうちの1つの前記充電装置の前記取得部が認証結果を取得した場合、当該1つの前記充電装置に隣接した前記充電装置と、当該1つの前記充電装置から、前記取り外し可能スロットと前記取り付け可能スロットが選択される充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電技術に関し、特に蓄電池を充電する充電装置、充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用期限を過ぎるなどしてリコール対象となった蓄電池パックは一般的に製造メーカ等により回収される。その際、リコール対象の蓄電池パックの所在を推定することが求められる。そのため、蓄電池パックを着脱可能な充電器には、基地局を介してサーバ装置と通信するための通信機能が備えられており、充電器は、蓄電池パックの識別情報をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、蓄電池パックの識別情報をもとに、当該蓄電池パックがリコール対象であるか否かを特定し、電池パックの識別情報を中継した基地局の識別情報をもとに、蓄電池パックの所在を推定する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-191833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような蓄電池パックは充電装置に取り付けられることによって充電される。また、充電装置に取り付けられた蓄電池パックを貸し出すビジネスが検討される。その際、充電装置には複数の蓄電池パックが収納され、登録された利用者に蓄電池パックが貸し出される。このような充電装置を効率的に稼働させることが求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、充電装置を効率的に稼働させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の充電装置は、複数の蓄電池パックを着脱可能な複数のスロットと、複数のスロットのうちの1つ以上に蓄電池パックが取り付けられている場合に、取り付けられた1つ以上の蓄電池パックを充電する充電回路と、蓄電池パックの利用者に対する認証結果を取得する取得部と、取得部において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パックのうちの1つが取り付けられた1つのスロットを取り外し可能スロットとして通知し、蓄電池パックが取り付けられていない1つのスロットを取り付け可能スロットとして通知する通知部と、通知部が取り外し可能スロットと取り付け可能スロットとを通知してから、取り外し可能スロットからの蓄電池パックの取り外しを可能にし、取り付け可能スロットへの蓄電池パックの取り付けを可能にする制御部とを備える。制御部は、1回の認証の成功に対して、取り外し可能スロットから蓄電池パックが取り外されると、取り付け可能スロットへの蓄電池パックの取り付け、または取り外し可能スロット以外からの蓄電池パックのさらなる取り外しを禁止し、取り付け可能スロットに蓄電池パックが取り付けられると、取り外し可能スロットからの蓄電池パックの取り外し、または取り付け可能スロット以外への蓄電池パックのさらなる取り付けを禁止する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、充電装置を効率的に稼働させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係る充電システムの構成を示す図である。
図2図2(a)-(i)は、図1の充電装置の動作概要を示す図である。
図3図3(a)-(c)は、図1のスロットにおけるロックの動作概要を示す図である。
図4図1の充電装置による処理手順を示すフローチャートである。
図5図5(a)-(d)は、実施例2に係る充電装置の動作概要を示す図である。
図6図6(a)-(d)は、実施例2に係る充電装置の別の動作概要を示す図である。
図7図7(a)-(f)は、実施例3に係る充電システムの動作概要を示す図である。
図8】実施例4に係る充電装置の構成を示す図である。
図9図9(a)-(c)は、図8の充電装置の外観を示す斜視図である。
図10図10(a)-(f)は、実施例5に係る充電装置の外観を示す斜視図である。
図11図11(a)-(c)は、実施例6に係る充電装置の外観を示す斜視図である。
図12図12(a)-(b)は、実施例6に係る別の充電装置の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
本開示の実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、充電装置において充電される複数の蓄電池パックを貸出可能な充電システムに関する。例えば、充電システムの利用者は、充電装置から蓄電池パックを取り外し、蓄電池パックを使用する。また、利用者は、使用済みの蓄電池パックを充電装置に接続することによって、蓄電池パックを蓄電装置に充電させる。このような充電システムにおいて、蓄電池パックを借りる側の利用者の誤使用、蓄電池パックの盗難等のトラブルの発生を低減することが求められる。また、充電装置を効率的に稼働させることが求められる。
【0011】
充電システムは利用者を予め登録し、利用者の権限を証明するためのカード、例えば、非接触式のIC(Integrated Circuit)カードが利用者に貸与される。ICカードは、蓄電池パックを借りるための権限証に相当する。充電装置はカードリーダを備えており、利用者はICカードをカードリーダに近づけることによって、利用者に対する認証処理が実行される。充電装置は、認証処理が成功すると、蓄電池パックを取り外し可能なスロット(以下、「取り外し可能スロット」という)と、蓄電池パックを取り付け可能なスロット(以下、「取り付け可能スロット」という)を特定する。ここで、1つの取り外し可能スロットと1つの取り付け可能スロットとが特定される。また、充電装置は、取り外し可能スロットと取り付け可能スロットとを利用者に通知する。
【0012】
通知者が蓄電池パックを借りる場合、通知者は、取り外し可能スロットから蓄電池パックを取り外す。取り外し可能スロットから蓄電池パックが取り外された後、充電装置は、取り付け可能スロットへの蓄電池パックの取り付けを禁止する。一方、通知者が蓄電池パックを返却する場合、通知者は、取り付け可能スロットに蓄電池パックを取り付ける。取り付け可能スロットに蓄電池パックが取り付けられた後、充電装置は、取り外し可能スロットからの蓄電池パックの取り外しを禁止する。つまり、1回の認証に対して、1つの蓄電池パックの取り外しと1つの蓄電池パックの取り付けのいずれかだけが認められる。このように1回の認証に対して1つの行動だけが可能になるので、トラブルの発生が低減される。また、トラブルの発生が低減されるので、充電装置が効率的に稼働される。
【0013】
図1は、充電システム1000の構成を示す。充電システム1000は、ネットワーク10、サーバ20、電力系統30、充電装置100、蓄電池パック300と総称される第1蓄電池パック300aから第5蓄電池パック300eを含む。充電システム1000に含まれる蓄電池パック300の数は「5」に限定されない。充電装置100は、スロット110と総称される第1スロット110aから第5スロット110e、端子112と総称される第1端子112aから第5端子112e、充電回路114と総称される第1充電回路114aから第5充電回路114e、制御部120、通信IF130、通信部140、通知部150と総称される第1通知部150aから第5通知部150e、ロック160と総称される第1ロック160aから第5ロック160eを含み、制御部120は、取得部122を含む。第1蓄電池パック300aから第5蓄電池パック300eは、BMU(Battery Management Unit)310を含む。
【0014】
ここでは、充電装置100、蓄電池パック300が、蓄電池パック300を貸し出す事業者に所有されており、蓄電池パック300が利用者に貸し出される場合を想定する。利用者は、第1蓄電池パック300aを使用して残量が少なくなると、充電装置100が設置された場所に行き、第1蓄電池パック300aを充電装置100に取り付け、充電装置100から第2蓄電池パック300bを取り外して持って帰る。充電装置100は、蓄電池パック300を貸し出す事業者とは別の事業者によって所有されてもよく、コンビニエンスストア等に設置されてもよい。各蓄電池パック300は、充放電可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン二次電池である。蓄電池パック300のBMU310は、蓄電池パック300の残量、モジュール温度等を測定することによって、蓄電池パック300を監視する。
【0015】
充電装置100の複数のスロット110は、複数の蓄電池パック300を着脱可能な取り付け口である。各スロット110には、蓄電池パック300と接続するための端子112が設けられる。端子112は、充電回路114に接続される。充電回路114は、スロット110に蓄電池パック300が取り付けられている場合に、取り付けられた1つ以上の蓄電池パック300を端子112経由で充電する。充電回路114における充電は制御部120に制御され、充電回路114における充電のための電力は電力系統30から供給される。充電回路114における充電処理には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。端子112は制御部120に直接接続され、端子112を介して制御部120とBMU310との通信がなされる。例えば、BMU310は蓄電池パック300の残量の情報を端子112経由で制御部120に送信する。制御部120は、蓄電池パック300の残量の情報を受信することによって、各スロット110に蓄電池パック300が取り付けられているか否か、取り付けられている場合の蓄電池パック300の残量を管理する。
【0016】
以下では、図2(a)-(i)も使用しながら、利用者が充電装置100から蓄電池パック300を取り外したり、利用者が充電装置100に蓄電池パック300を取り付けたりする場合における充電装置100の処理を説明する。図2(a)-(i)は、充電装置100の動作概要を示す。図2(a)-(c)は、充電装置100から蓄電池パック300を取り外す動作を示し、図2(d)-(f)は、充電装置100に蓄電池パック300を取り付ける動作を示す。図2(a)、図2(d)は初期状態であり、ここでは、一例として、第1スロット110aから第3スロット110cに第1蓄電池パック300aから第3蓄電池パック300cがそれぞれ取り付けられ、第5スロット110eに第5蓄電池パック300eが取り付けられているとする。一方、第4スロット110dには蓄電池パック300が取り付けられていない。図1に戻る。
【0017】
制御部120は、蓄電池パック300が取り付けられたスロット110から蓄電池パック300を取り外すことを禁止し、蓄電池パック300が取り付けられていないスロット110に蓄電池パック300に蓄電池パック300を取り付けることを禁止するために、ロック160を制御する。第1ロック160aは第1スロット110aに設けられ、第2ロック160bは第2スロット110bに設けられ、第3ロック160cは第3スロット110cに設けられる。また、第4ロック160dは第4スロット110dに設けられ、第5ロック160eは第5スロット110eに設けられる。
【0018】
図3(a)-(c)は、スロット110におけるロック160の動作概要を示す。ロック160は、前側ロック162、奥側ロック164を含む。2つの前側ロック162は、スロット110の開口部分の近くに設けられ、2つの奥側ロック164は、スロット110の底部分の近くに設けられる。また、蓄電池パック300の側面には、外側に向かって突出する2つの突起320が設けられる。
【0019】
図3(a)は、蓄電池パック300が取り付けられたスロット110を示し、例えば、図2(a)、図2(d)の第1スロット110aから第3スロット110c、第5スロット110eの状態を示す。その際、蓄電池パック300は端子112に接続される。また、2つの奥側ロック164がスロット110内に向かって突出する。一方、2つの前側ロック162はスロット110内に向かって突出しない。この状況において、蓄電池パック300をスロット110から取り外そうとしても、突起320が奥側ロック164に衝突することによって、蓄電池パック300が取り外されない。つまり、奥側ロック164が蓄電池パック300に嵌合することによって、蓄電池パック300の取り外しが阻止される。
【0020】
図3(b)は、蓄電池パック300が取り付けられていないスロット110を示し、例えば、図2(a)、図2(d)の第4スロット110dの状態を示す。2つの前側ロック162がスロット110内に向かって突出する。一方、2つの奥側ロック164はスロット110内に向かって突出しない。この状況において、蓄電池パック300をスロット110に取り付けようとしても、突起320が前側ロック162に衝突することによって、蓄電池パック300がスロット110に挿入されない。つまり、制御部120において蓄電池パック300の取り付けが不可能にされている場合、前側ロック162が蓄電池パック300の侵入を阻止することによって、蓄電池パック300の取り外しが阻止される。ロック160の構成はこれに限定されず、2つの奥側ロック164だけで構成されてもよい。図3(c)は後述して、図2(a)、図2(d)に戻る。
【0021】
利用者は、ICカード400を通信IF130に近づける。ICカード400は、登録された利用者に対して予め付与される。図1に戻る。通信IF130は、非接触式のICカード400と通信可能なカードリーダである。通信IF130は、ICカード400と通信することにより、ICカード400から利用者の認証に使用する情報(以下、「認証情報」という)を受信する。認証情報には、例えば利用者に付与された識別情報が含まれる。通信IF130は、制御部120に接続されており、認証情報を制御部120に出力する。制御部120は、通信IF130から受けつけた認証情報を含めるように認証要求を生成し、生成した認証要求を通信部140に出力する。通信部140は、ネットワーク10を介してサーバ20に認証要求を送信する。
【0022】
サーバ20は、認証要求を受信すると、認証要求に含まれた認証情報に対して認証処理を実行する。認証処理には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。サーバ20は、ネットワーク10を介して充電装置100に認証結果を送信する。通信部140は、認証結果を受信すると、認証結果を制御部120に出力する。制御部120の取得部122は、通信部140からの認証結果を受けつける。つまり、蓄電池パック300の利用者に対する認証結果が取得される。
【0023】
制御部120は、取得部122において取得した認証結果が失敗を示す場合に、処理を終了する。制御部120は、取得部122において取得した認証結果が成功を示す場合に、スロット110に取り付けられた蓄電池パック300のうちの1つの蓄電池パック300を選択する。例えば、制御部120は、残量が最も多い蓄電池パック300を選択する。制御部120は、選択した蓄電池パック300が取り付けられたスロット110を「取り外し可能スロット110」として特定する。取り外し可能スロット110は、充電がなされた蓄電池パック300のうちの1つが取り付けられた1つのスロット110であるといえる。また、制御部120は、取得部122において取得した認証結果が成功を示す場合に、蓄電池パック300が取り付けられていない1つのスロット110を「取り付け可能スロット110」として特定する。
【0024】
第1通知部150aは、第1スロット110aに対応して設けられ、制御部120からの指示によって点灯したり、消灯したりする。第1通知部150aは、複数色で点灯可能であってもよい。第2通知部150bから第5通知部150eは、第2スロット110bから第5スロット110eのそれぞれに対応して設けられ、第1通知部150aと同様に構成される。制御部120は、取り外し可能スロット110に対応した通知部150を点灯、例えば白色点灯させるとともに、取り付け可能スロット110に対応した通知部150を点灯、例えば白色点灯させる。制御部120は、それら以外のスロット110を消灯したままにする。
【0025】
図2(b)、図2(e)において、充電装置100を囲むように枠型形状の通知部150が配置される。通知部150の形状は枠型形状に限定されない。ここでは、取り外し可能スロット110が第1スロット110aであり第1通知部150aは点灯し、取り付けスロット110が第4スロット110dであり第4通知部150dは点灯する。第2通知部150b、第3通知部150c、第5通知部150eは消灯する。図1に戻る。
【0026】
制御部120は、通知部150の点灯によって取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110とを通知してから、取り外し可能スロット110からの蓄電池パック300の取り外しを可能にし、取り付け可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けを可能にする。これは、図2(b)、図2(e)において、第1スロット110aからの第1蓄電池パック300aの取り外しを可能にし、第4スロット110dへの蓄電池パック300の取り付けを可能にすることに相当する。蓄電池パック300の取り外しを可能にしたり、蓄電池パック300の取り付けを可能にしたりするために、制御部120は、ロック160を制御する。
【0027】
図3(c)は、取り外し可能スロット110、あるいは取り付け可能スロット110を示し、例えば、図2(a)、図2(d)の第1スロット110a、第4スロット110dの状態を示す。また、2つの前側ロック162と2つの奥側ロック164はスロット110内に向かって突出しない。この状況において、蓄電池パック300をスロット110から取り外すこと、蓄電池パック300をスロット110に取り付けることが可能になる。つまり、制御部120において蓄電池パック300の取り外し、あるいは蓄電池パック300の取り付けが可能にされている場合、前側ロック162と奥側ロック164はスロット110内に突出しない。ここで、図3(c)の前側ロック162と奥側ロック164の状態を第1状態と呼ぶ場合、図3(a)-(b)の前側ロック162と奥側ロック164の状態は第2状態と呼ばれる。図1に戻る。
【0028】
取り外し可能スロット110から蓄電池パック300が取り外されると、制御部120は、端子112を介して蓄電池パック300が接続されていないことを検出する。制御部120は、蓄電池パック300が接続されていないことを検出すると、取り外し可能スロット110のロック160を図3(b)の状態にさせる。また、制御部120は、蓄電池パック300が接続されていないことを検出すると、取り付け可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けを禁止する。つまり、制御部120は、取り付け可能スロット110のロック160に対して、図3(c)の状態を図3(b)の状態にさせる。そのため、蓄電池パック300が取り外しがなされると、蓄電池パック300の取り付けはなされない。さらに、取り外し可能スロット110以外のスロット110からの蓄電池パック300のさらなる取り外しも禁止される。その後、制御部120は、取り外し可能スロット110の通知部150と、取り付け可能スロット110の通知部150とを消灯させる。図2(b)において第1スロット110aから第1蓄電池パック300aが取り外されると、図2(c)のようになる。その際、第4スロット110dへの蓄電池パック300の取り付けはできなくされるとともに、第1通知部150aと第4通知部150dは消灯する。図1に戻る。
【0029】
一方、取り外し可能スロット110から蓄電池パック300が取り外されず、取り付け可能スロット110に蓄電池パック300が取り付けられると、制御部120は、端子112を介して蓄電池パック300が接続されたことを検出する。制御部120は、蓄電池パック300が接続されたことを検出すると、取り付け可能スロット110のロック160を図3(a)の状態にさせる。また、制御部120は、蓄電池パック300が接続されたことを検出すると、取り外し可能スロット110からの蓄電池パック300の取り外しを禁止する。つまり、制御部120は、取り外し可能スロット110のロック160に対して、図3(c)の状態を図3(a)の状態にさせる。そのため、蓄電池パック300が取り付けがなされると、蓄電池パック300の取り外しはなされない。さらに、取り付け可能スロット110以外のスロット110への蓄電池パック300のさらなる取り付けも禁止される。その後、制御部120は、取り外し可能スロット110の通知部150と、取り付け可能スロット110の通知部150とを消灯させる。図2(e)において第4スロット110dに第4蓄電池パック300dが取り付けられると、図2(f)のようになる。その際、第1スロット110aからの第1蓄電池パック300aの取り外しはできなくされるとともに、第1通知部150aと第4通知部150dは消灯する。図1に戻る。
【0030】
このように制御部120は、1回の認証の成功に対して、取り外し可能スロット110から蓄電池パック300が取り外されると、取り付け可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けを禁止する。一方、制御部120は、通知部150が取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110とを通知してから一定期間にわたって、取り外し可能スロット110からの蓄電池パック300の取り外しと、取り付け可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けとがない場合、取り外し可能スロット110からの蓄電池パック300の取り外しと、取り付け可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けとを不可能な状態に戻す。つまり、取り外し可能スロット110のロック160が、図3(c)の状態から図3(a)の状態に戻され、取り付け可能スロット110のロック160が、図3(c)の状態から図3(b)の状態に戻される。その後、制御部120は、取り外し可能スロット110の通知部150と、取り付け可能スロット110の通知部150とを消灯させる。
【0031】
ここでは、図2(g)のように初期状態において蓄電池パック300が取り付けられていないスロット110が存在しない場合を想定する。図2(g)では、第1スロット110aから第5スロット110eに第1蓄電池パック300aから第5蓄電池パック300eがそれぞれ取り付けられている。制御部120は、蓄電池パック300が取り付けられたスロット110から蓄電池パック300を取り外すことを禁止するために、ロック160を制御する。利用者は、ICカード400を通信IF130に近づける。通信IF130は、ICカード400と通信することにより、ICカード400から認証情報を受信する。制御部120は、通信IF130から受けつけた認証情報を含めるように認証要求を生成し、生成した認証要求を通信部140に出力する。通信部140は、ネットワーク10を介してサーバ20に認証要求を送信する。
【0032】
サーバ20は、認証要求に含まれた認証情報に対して認証処理を実行する。サーバ20は、ネットワーク10を介して充電装置100に認証結果を送信する。制御部120の取得部122は、通信部140からの認証結果を受けつける。制御部120は、取得部122において取得した認証結果が成功を示す場合に、スロット110に取り付けられた蓄電池パック300のうちの1つの蓄電池パック300を選択する。制御部120は、選択した蓄電池パック300が取り付けられたスロット110を「取り外し可能スロット110」として特定する。また、制御部120は、取得部122において取得した認証結果が成功を示す場合に、蓄電池パック300が取り付けられていないスロット110が存在しなければ、取り付け可能スロット110を特定しない。
【0033】
制御部120は、取り外し可能スロット110に対応した通知部150を点灯、例えば白色点灯させる。図2(h)において、取り外し可能スロット110が第1スロット110aであり第1通知部150aは点灯する。第2通知部150bから第5通知部150eは消灯する。図1に戻る。制御部120は、通知部150の点灯によって取り外し可能スロット110を通知してから、取り外し可能スロット110からの蓄電池パック300の取り外しを可能にする。一方、制御部120は、通知部150が取り付け可能スロット110を通知しなければ、取り外し可能スロット110以外のスロット110に対する蓄電池パック300の取り付けを不可能のままにする。これは、図2(h)において、第1スロット110aからの第1蓄電池パック300aの取り外しを可能にすることに相当する。
【0034】
取り外し可能スロット110から蓄電池パック300が取り外されると、制御部120は、端子112を介して蓄電池パック300が接続されていないことを検出する。制御部120は、蓄電池パック300が接続されていないことを検出すると、取り外し可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けを禁止する。その後、制御部120は、取り外し可能スロット110の通知部150を消灯させる。図2(h)において第1スロット110aから第1蓄電池パック300aが取り外されると、図2(i)のようになる。その際、第1通知部150aは消灯する。図1に戻る。
【0035】
制御部120は、取得部122において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パック300が存在しなければ、取り外し可能スロット110を特定しなくてもよい。その際、通知部150は、取り外し可能スロット110を通知しない。また、制御部120は、通知部150が取り外し可能スロット110を通知しなければ、蓄電池パック300の取り外しを不可能のままにする。
【0036】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0037】
以上の構成による充電システム1000の動作を説明する。図4は、充電装置100による処理手順を示すフローチャートである。取得部122は認証結果を取得する(S10)。認証結果が成功を示す場合(S12のY)、取り付け可能スロット110があれば(S14のY)、制御部120は、取り付け可能スロット110の通知部150を点灯し、ロック160を解錠する(S16)。取り付け可能スロット110がない場合(S14のN)、ステップ16をスキップする。制御部120は、取り外し可能スロット110の通知部150を点灯し、ロック160を解錠する(S18)。
【0038】
取り付け可能スロット110に蓄電池パック300が取り付けられず(S20のN)、取り外し可能スロット110から取り外されない場合(S22のN)、一定期間経過(S24)すると、制御部120は、通知部150を消灯し、ロック160を施錠する(S26)。取り付け可能スロット110に蓄電池パック300が取り付けられた場合(S20のY)、あるいは取り外し可能スロット110から取り外されなかった場合(S22のY)、制御部120は、通知部150を消灯し、ロック160を施錠する(S26)。認証結果が成功を示さない場合(S12のN)、処理は終了される。
【0039】
本実施例によれば、1回の認証の成功に対して、取り外し可能スロット110から蓄電池パック300が取り外されると、取り付け可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けを禁止するので、1つの蓄電池パック300を取り外すことだけに処理を限定できる。また、1つの蓄電池パック300を取り外すことだけに処理が限定されるので、誤使用あるいはトラブルの発生を低減できる。また、誤使用あるいはトラブルの発生が低減されるので、充電装置100を効率的に稼働させることができる。また、1回の認証の成功に対して、取り付け可能スロット110に蓄電池パック300が取り付けられると、取り外し可能スロット110からの蓄電池パック300の取り外しを禁止するので、1つの蓄電池パック300を取り付けることだけに処理を限定できる。また、1つの蓄電池パック300を取り付けることだけに処理が限定されるので、誤使用あるいはトラブルの発生を低減できる。
【0040】
また、充電がなされた蓄電池パック300が存在しなければ、取り外し可能スロット110を通知せず、蓄電池パック300の取り外しを不可能のままにするので、取り外し可能スロット110が存在しなくても取り付け可能スロット110に対する処理を実行できる。また、蓄電池パック300が取り付けられていないスロット110が存在しなければ、取り付け可能スロット110を通知せず、蓄電池パック300の取り付けを不可能のままにするので、取り付け可能スロット110が存在しなくても取り外し可能スロット110に対する処理を実行できる。
【0041】
また、認証されてから一定期間にわたって、取り外し可能スロット110からの蓄電池パック300の取り外しと、取り付け可能スロット110への蓄電池パック300の取り付けとがない場合、蓄電池パック300の取り外しと取り付けとを不可能に戻すので、認証の有効期間を限定できる。また、認証の有効期間が限定されるので、誤使用、あるいはトラブルの発生を抑制できる。また、蓄電池パック300の取り外し、あるいは取り付けが可能にされている場合に第1状態になり、蓄電池パック300の取り外しが不可能にされている場合、あるいは取り付けが不可能にされている場合、第2状態になるので、蓄電池パック300の誤った取り外しあるいは取り付けを防止できる。
【0042】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の充電装置(100)は、複数の蓄電池パック(300)を着脱可能な複数のスロット(110)と、複数のスロット(110)のうちの1つ以上に蓄電池パック(300)が取り付けられている場合に、取り付けられた1つ以上の蓄電池パック(300)を充電する充電回路(114)と、蓄電池パック(300)の利用者に対する認証結果を取得する取得部(122)と、取得部(122)において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パック(300)のうちの1つが取り付けられた1つのスロット(110)を取り外し可能スロット(110)として通知し、蓄電池パック(300)が取り付けられていない1つのスロット(110)を取り付け可能スロット(110)として通知する通知部(150)と、通知部(150)が取り外し可能スロット(110)と取り付け可能スロット(110)とを通知してから、取り外し可能スロット(110)からの蓄電池パック(300)の取り外しを可能にし、取り付け可能スロット(110)への蓄電池パック(300)の取り付けを可能にする制御部(120)とを備える。制御部(120)は、1回の認証の成功に対して、取り外し可能スロット(110)から蓄電池パック(300)が取り外されると、取り付け可能スロット(110)への蓄電池パック(300)の取り付け、または取り外し可能スロット(110)以外からの蓄電池パック(300)のさらなる取り外しを禁止し、取り付け可能スロット(110)に蓄電池パック(300)が取り付けられると、取り外し可能スロット(110)からの蓄電池パック(300)の取り外し、または取り付け可能スロット(110)以外への蓄電池パック(300)のさらなる取り付けを禁止する。
【0043】
通知部(150)は、取得部(122)において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パック(300)が存在しなければ、取り外し可能スロット(110)を通知せず、制御部(120)は、通知部(150)が取り外し可能スロット(110)を通知しなければ、蓄電池パック(300)の取り外しを不可能のままにしてもよい。
【0044】
通知部(150)は、取得部(122)において取得した認証結果が成功を示す場合に、蓄電池パック(300)が取り付けられていないスロット(110)が存在しなければ、取り付け可能スロット(110)を通知せず、制御部(120)は、通知部(150)が取り付け可能スロット(110)を通知しなければ、蓄電池パック(300)の取り付けを不可能のままにしてもよい。
【0045】
制御部(120)は、通知部(150)が取り外し可能スロット(110)と取り付け可能スロット(110)とを通知してから一定期間にわたって、取り外し可能スロット(110)からの蓄電池パック(300)の取り外しと、取り付け可能スロット(110)への蓄電池パック(300)の取り付けとがない場合、取り外し可能スロット(110)からの蓄電池パック(300)の取り外しと、取り付け可能スロット(110)への蓄電池パック(300)の取り付けとを不可能に戻す。
【0046】
複数のスロット(110)のそれぞれは、第1状態においてスロット(110)内に突出せず、第2状態においてスロット(110)内に突出するロック機構を備えてもよい。ロック機構は、制御部(120)において蓄電池パック(300)の取り外し、あるいは蓄電池パック(300)の取り付けが可能にされている場合、第1状態になり、ロック機構は、制御部(120)において蓄電池パック(300)の取り外しが不可能にされている場合、第2状態となって蓄電池パック(300)に嵌合し、ロック機構は、制御部(120)において蓄電池パック(300)の取り付けが不可能にされている場合、第2状態となって蓄電池パック(300)の侵入を阻止してもよい。
【0047】
(実施例2)
次に、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、充電装置100において充電される複数の蓄電池パック300を貸出可能な充電システム1000に関する。特に、実施例2は、取り外し可能スロット110の候補となるスロット110が複数存在する場合にそれらの中から取り外し可能スロット110を選択するための処理に関する。また、実施例2は、取り付け可能スロット110の候補となるスロット110が複数存在する場合にそれらの中から取り付け可能スロット110を選択するための処理に関する。実施例2に係る充電システム1000は、図1と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0048】
以下では、図5(a)-(d)も使用しながら、利用者が充電装置100から蓄電池パック300を取り外す充電装置100の処理を説明する。図5(a)-(d)は、充電装置100の動作概要を示す。図5(a)は初期状態であり、ここでは、一例として、第1スロット110aから第5スロット110eに第1蓄電池パック300aから第5蓄電池パック300eがそれぞれ取り付けられている。第1人物500aは、ICカード400を通信IF130に近づける。第1人物500aは、例えば、身長が180cm程度の利用者である。図1に戻る。通信IF130は、ICカード400と通信することにより、ICカード400から認証情報を受信する。制御部120は、通信IF130から受けつけた認証情報を含めるように認証要求を生成し、生成した認証要求を通信部140に出力する。通信部140は、ネットワーク10を介してサーバ20に認証要求を送信する。
【0049】
サーバ20は、認証要求を受信すると、認証要求に含まれた認証情報に対して認証処理を実行する。また、サーバ20は、登録された利用者に関する情報(以下、「利用者情報」という)を記憶する。利用者情報は、例えば、身長、性別を含む。認証結果が成功を示す場合、サーバ20は、認証情報に対応した利用者情報を抽出する。サーバ20は、ネットワーク10を介して充電装置100に認証結果を送信する。認証結果が成功を示す場合、サーバ20は、ネットワーク10を介して充電装置100に利用者情報も送信する。通信部140は、認証結果、利用者情報を受信すると、認証結果、利用者情報を制御部120に出力する。制御部120の取得部122は、通信部140からの認証結果、利用者情報を受けつける。
【0050】
制御部120は、取得部122において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パック300が複数存在すれば、充電がなされた複数の蓄電池パック300のうちの1つが取り付けられた1つのスロット110を利用者情報をもとに選択する。例えば、制御部120は、利用者情報の身長から所定の値を減算する。所定の値は、減算結果が利用者の手の高さに近くなるように定められる。制御部120は、各スロット110の高さの情報を記憶しており、減算結果に最も近い高さとなるスロット110であって、かつ充電がなされた蓄電池パック300が取り付けられたスロット110を優先的に選択する。選択されたスロット110が取り外し可能スロット110に相当する。これに続く処理は、実施例1と同様であり、図5(b)では、第1スロット110aが取り外し可能スロットとして選択され、第1通知部150aが点灯される。
【0051】
一方、蓄電池パック300が取り付けられていないスロット110が複数存在する場合も同様になされればよい。つまり、制御部120は、蓄電池パック300が取り付けられていない複数のスロット110のうちの1つを利用者情報をもとに選択する。選択されたスロット110が取り付け可能スロット110に相当する。
【0052】
図5(c)は別の初期状態であり、ここでも、一例として、第1スロット110aから第5スロット110eに第1蓄電池パック300aから第5蓄電池パック300eがそれぞれ取り付けられている。第2人物500bは、ICカード400を通信IF130に近づける。第2人物500bは、例えば、身長が160cm程度の利用者である。充電装置100、サーバ20における処理はこれまでと同様であり、図5(d)では、第3スロット110cが取り外し可能スロット110として選択され、第2通知部150bが点灯される。つまり、人物500の身長が高くなるほど、高い方のスロット110が取り外し可能スロット110として選択され、人物500の身長が低くなるほど、低い方のスロット110が取り外し可能スロット110として選択される。
【0053】
次に、取り外しスロット110、取り付けスロット110を選択するための別の選択処理を説明する。前提として、充電装置100の取り付け可能スロット110に蓄電池パック300が取り付けられた場合、つまり蓄電池パック300が返却された場合に、制御部120は端子112を介して蓄電池パック300の残量の情報を受けつける。制御部120は、蓄電池パック300を返却した利用者の認証情報とともに残量の情報を通信部140からサーバ20に送信させる。サーバ20は、利用者の認証情報と残量の情報を受信すると、利用者毎に残量の情報を記憶することによって、利用者による蓄電池パック300の過去の利用履歴の情報(以下、「利用履歴情報」という)を記憶する。
【0054】
以下では、図6(a)-(d)も使用しながら、利用者が充電装置100から蓄電池パック300を取り外す充電装置100の処理を説明する。図6(a)-(d)は、充電装置100の別の動作概要を示す。図6(a)は初期状態であり、ここでは、一例として、第1スロット110aから第5スロット110eに第1蓄電池パック300aから第5蓄電池パック300eがそれぞれ取り付けられている。また、第1蓄電池パック300aの残量は100%であり、第2蓄電池パック300bの残量は30%であり、第3蓄電池パック300cの残量は50%であり、第4蓄電池パック300dの残量は50%であり、第5蓄電池パック300eの残量は100%である。これらの蓄電池パック300の残量は充電装置100の制御部120において管理される。
【0055】
第3人物500cは、ICカード400を通信IF130に近づける。第3人物500cは、蓄電池パック300の電力使用量が相対的に多い利用者である。つまり、第3人物500cは、蓄電池パック300を返却する際に、蓄電池パック300の残量が相対的に少ない履歴を有する利用者である。図1に戻る。通信IF130は、ICカード400と通信することにより、ICカード400から認証情報を受信する。制御部120は、通信IF130から受けつけた認証情報を含めるように認証要求を生成し、生成した認証要求を通信部140に出力する。通信部140は、ネットワーク10を介してサーバ20に認証要求を送信する。
【0056】
サーバ20は、認証要求を受信すると、認証要求に含まれた認証情報に対して認証処理を実行する。認証結果が成功を示す場合、サーバ20は、認証情報に対応した利用履歴情報を抽出する。サーバ20は、ネットワーク10を介して充電装置100に認証結果を送信する。認証結果が成功を示す場合、サーバ20は、ネットワーク10を介して充電装置100に利用履歴情報も送信する。通信部140は、認証結果、利用履歴情報を受信すると、認証結果、利用履歴情報を制御部120に出力する。制御部120の取得部122は、通信部140からの認証結果、利用履歴情報を受けつける。
【0057】
制御部120は、取得部122において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パック300が複数存在すれば、充電がなされた複数の蓄電池パック300のうちの1つが取り付けられた1つのスロット110を利用履歴情報をもとに選択する。制御部120は、利用履歴情報をもとに利用者の過去の残量を推定する。例えば、制御部120は、利用履歴情報に含まれた過去の残量に対して、平均等の統計処理を実行することによって、過去の残量を推定する。また、制御部120は、利用履歴情報に含まれた過去の残量から最小の値を選択することによって、過去の残量を推定してもよい。ここで、過去の残量は、0%から100%の範囲で示される。制御部120は、100%から過去の残量を減算することによって、必要とされる残量を導出する。制御部120は、各蓄電池パック300のうち、必要とされる残量以上の残量を有する蓄電池パック300を選択する。選択した蓄電池パック300が複数存在する場合、制御部120は、それらの中で最小の残量を有する蓄電池パック300を選択する。選択した蓄電池パック300が取り付けられたスロット110が取り外し可能スロット110に相当する。これに続く処理は、実施例1と同様である。図6(b)では、残量が100%の第1蓄電池パック300aが取り付けられた第1スロット110aが取り外し可能スロット110であり、第1通知部150aが点灯される。
【0058】
図6(c)は別の初期状態であり、ここでも、一例として、第1スロット110aから第5スロット110eに第1蓄電池パック300aから第5蓄電池パック300eがそれぞれ取り付けられている。第4人物500dは、ICカード400を通信IF130に近づける。第4人物500dは、蓄電池パック300の電力使用量が相対的に少ない利用者である。つまり、第4人物500dは、蓄電池パック300を返却する際に、蓄電池パック300の残量が相対的に多い履歴を有する利用者である。充電装置100、サーバ20における処理はこれまでと同様であり、図6(d)では、残量が50%の第3蓄電池パック300cが取り付けられた第3スロット110cが取り外し可能スロット110であり、第3通知部150cが点灯される。つまり、第3人物500cよりも蓄電池パック300の使用量が少ない第4人物500dに対して、残量の少ない蓄電池パック300を取り付けたスロット110が選択される。
【0059】
本実施例によれば、充電がなされた蓄電池パック300が複数存在すれば、充電がなされた複数の蓄電池パック300のうちの1つが取り付けられたスロット110を利用者情報をもとに選択するので、利用者情報に応じたスロット110を選択できる。また、利用者情報に応じたスロット110が選択されるので、利用者の利便性を向上できる。また、蓄電池パック300が取り付けられていないスロット110が複数存在すれば、利用者情報をもとに1つのスロット110を選択するので、利用者情報に応じたスロット110を選択できる。また、認証する利用者の情報(身長、性別など)を予め登録するので、取り外しやすいスロット110を変えることができる。
【0060】
また、充電がなされた蓄電池パック300が複数存在すれば、充電がなされた複数の蓄電池パック300のうちの1つが取り付けられたスロット110を利用履歴の情報をもとに選択するので、利用者の利用履歴に適した残量の蓄電池パック300を選択できる。また、利用者の利用履歴に適した残量の蓄電池パック300が選択されるので、充電装置100を効率的に稼働させることができる。
【0061】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。取得部(122)は、利用者に関する利用者情報も取得し、通知部(150)は、取得部(122)において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パック(300)が複数存在すれば、充電がなされた複数の蓄電池パック(300)のうちの1つを利用者情報をもとに選択し、選択した蓄電池パック(300)が取り付けられた1つのスロット(110)を取り外し可能スロット(110)として通知し、蓄電池パック(300)が取り付けられていないスロット(110)が複数存在すれば、蓄電池パック(300)が取り付けられていない複数のスロット(110)のうちの1つを利用者情報をもとに選択し、選択した1つのスロット(110)を取り付け可能スロット(110)として通知してもよい。
【0062】
取得部(122)は、利用者による蓄電池パック(300)の過去の利用履歴の情報も取得し、通知部(150)は、取得部(122)において取得した認証結果が成功を示す場合に、充電がなされた蓄電池パック(300)が複数存在すれば、充電がなされた複数の蓄電池パック(300)のうちの1つを利用履歴の情報をもとに選択し、選択した蓄電池パック(300)が取り付けられた1つのスロット(110)を取り外し可能スロット(110)として通知してもよい。
【0063】
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。実施例3は、これまでと同様に、充電装置100において充電される複数の蓄電池パック300を貸出可能な充電システム1000に関する。実施例3では、これまで説明した充電装置100が複数接続される。実施例3に係る充電システム1000は、図1と同様のタイプである。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0064】
図7(a)-(f)は、充電システム1000の動作概要を示す。ここでは、一例として、充電システム1000に第1充電装置100aから第4充電装置100dが含まれる。充電システム1000に含まれる充電装置100の数は「4」に限定されない。図7(a)は、四角形状に配置された4つの充電装置100を示す上面図である。第1充電装置100aと第3充電装置100cは対向して配置され、第2充電装置100bと第4充電装置100dは対向して配置される。第1充電装置100aは第2充電装置100bと第4充電装置100dに隣接し、第2充電装置100bは第1充電装置100aと第3充電装置100cに隣接する。第3充電装置100cは第2充電装置100bと第4充電装置100dに隣接し、第4充電装置100dは第3充電装置100cと第1充電装置100aに隣接する。各充電装置100の制御部120は、隣接する充電装置100に関する情報を記憶する。
【0065】
図7(b)において、第1充電装置100aの通信IF130にICカード400が近づけられる。第1充電装置100aは、これまでと同様の処理を実行し、図示しないサーバ20から認証結果を受信する。認証結果が成功を示す場合、第1充電装置100aの制御部120は、第1充電装置100a、第2充電装置100b、第4充電装置100dの複数のスロット110を対象にして、取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110とを選択する。これは、第1充電装置100aの複数のスロット110と、第1充電装置100aに隣接した第2充電装置100b、第4充電装置100dの複数のスロット110とを選択の対象にすることに相当する。
【0066】
図示のごとく、通知部150が筐体の表面から突出しているので、充電装置100の側面から見た場合にも選択されたスロット110が分かりやすくされる。例えば、図7(b)の正面に立った人物500に対して第2充電装置100bのスロット110を使うように通知部150が点灯した場合でも、人物500はその立ち位置から側面の第2充電装置100bのスロット110を認識できる。
【0067】
図7(c)は、並べられた第2充電装置100bと第3充電装置100c、その両端に対向して配置される第1充電装置100aと第4充電装置100dを示す上面図である。第1充電装置100aは第2充電装置100bに隣接し、第2充電装置100bは第1充電装置100aと第3充電装置100cに隣接する。第3充電装置100cは第2充電装置100bと第4充電装置100dに隣接し、第4充電装置100dは第3充電装置100cに隣接する。各充電装置100の制御部120は、隣接する充電装置100に関する情報を記憶する。
【0068】
図7(d)において、第2充電装置100bの通信IF130にICカード400が近づけられる。第2充電装置100bは、これまでと同様の処理を実行し、図示しないサーバ20から認証結果を受信する。認証結果が成功を示す場合、第2充電装置100bの制御部120は、第1充電装置100a、第2充電装置100b、第3充電装置100cの複数のスロット110を対象にして、取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110とを選択する。これは、第2充電装置100bの複数のスロット110と、第2充電装置100bに隣接した第1充電装置100a、第3充電装置100cの複数のスロット110とを選択の対象にすることに相当する。
【0069】
図7(e)は、並べられた第1充電装置100aから第4充電装置100dを示す上面図である。第1充電装置100aは第2充電装置100bに隣接し、第2充電装置100bは第1充電装置100aと第3充電装置100cに隣接する。第3充電装置100cは第2充電装置100bと第4充電装置100dに隣接し、第4充電装置100dは第3充電装置100cに隣接する。各充電装置100の制御部120は、隣接する充電装置100に関する情報を記憶する。
【0070】
図7(f)において、第2充電装置100bの通信IF130にICカード400が近づけられる。第2充電装置100bは、これまでと同様の処理を実行し、図示しないサーバ20から認証結果を受信する。認証結果が成功を示す場合、第2充電装置100bの制御部120は、第1充電装置100a、第2充電装置100b、第3充電装置100cの複数のスロット110を対象にして、取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110とを選択する。これは、第2充電装置100bの複数のスロット110と、第2充電装置100bに隣接した第1充電装置100a、第3充電装置100cの複数のスロット110とを選択の対象にすることに相当する。
【0071】
本実施例によれば、認証を行った充電装置100と、当該充電装置100に隣接した充電装置100から、取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110が選択されるので、見つけやすい取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110を選択できる。また、認証を行った利用者の立ち位置に対して通知部150が視認できる範囲の充電装置100の中から、取り外し可能スロット110と取り付け可能スロット110を知らせることができる。
【0072】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。充電装置(100)が複数接続された充電システム(1000)であって、複数の充電装置(100)のうちの1つの充電装置(100)の取得部(122)が認証結果を取得した場合、当該1つの充電装置(100)に隣接した充電装置(100)と、当該1つの充電装置(100)から、取り外し可能スロット(110)と取り付け可能スロット(110)が選択されてもよい。
【0073】
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4は、これまでと同様に、充電装置において充電される複数の蓄電池パックを貸出可能な充電システムに関する。充電装置100の設置の自由度を向上して、充電装置100を効率的に稼働させることが求められる。実施例4では、充電装置100の構成がこれまでと異なる。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0074】
図8は、充電装置100の構成を示す。充電装置100は、制御部120、通信部140、挿入口200と総称される第1挿入口200a、第2挿入口200b、接続IF210と総称される第1接続IF210a、第2接続IF210bを含む。第1挿入口200aには充電用アタッチメント250が挿入され、充電用アタッチメント250は、スロット110、端子112、充電回路114を含む。スロット110には蓄電池パック300が挿入され、蓄電池パック300はBMU310を含む。第2挿入口200bには認証用アタッチメント260が挿入され、認証用アタッチメント260は通信IF130を含む。
【0075】
第1挿入口200aと第2挿入口200bは、充電装置100の筐体に設けられ、かつ共通のサイズを有する。充電装置100に設けられる挿入口200の数は「2」に限定されない。第1接続IF210aは第1挿入口200aの内部に設けられ、第2接続IF210bは第2挿入口200bの内部に設けられる。制御部120は、第1接続IF210aと第2接続IF210bとに接続される。
【0076】
第1挿入口200aは充電用アタッチメント250を取り付け可能である。充電用アタッチメント250は、蓄電池パック300を着脱可能なスロット110を有し、かつスロット110に蓄電池パック300が取り付けられている場合に蓄電池パック300を充電する。第1接続IF210aは、第1挿入口200aに取り付けられた充電用アタッチメント250に接続される。制御部120は、第1接続IF210aに接続された充電用アタッチメント250に充電処理を実行させる。つまり、第1挿入口200aに充電用アタッチメント250が接続され、充電用アタッチメント250のスロット110に蓄電池パック300が接続されている状態での処理は、これまでの充電装置100のスロット110に蓄電池パック300が接続されている状態での処理と同一である。
【0077】
第2挿入口200bは、認証用アタッチメント260と充電用アタッチメント250とのいずれか一方を取り付け可能である。図8においては第2挿入口200bに認証用アタッチメント260が取り付けられているが、第1挿入口200aに認証用アタッチメント260が取り付けられ、第2挿入口200bに充電用アタッチメント250が取り付けられてもよい。また、第1挿入口200aと第2挿入口200bのいずれにも充電用アタッチメント250が取り付けられてもよい。第2挿入口200bに充電用アタッチメント250が取り付けられている場合の充電装置100の処理は、第1挿入口200aに充電用アタッチメント250が取り付けられている場合の充電装置100の処理と同一である。
【0078】
認証用アタッチメント260は、充電用アタッチメント250と共通のサイズを有し、かつ充電用アタッチメント250とは異なる機能を実行可能なアタッチメントである。認証用アタッチメント260は、通信IF130を備え、利用者に対する認証機能を実行可能である。通信IF130はこれまでと同一であるので、ここでは説明を省略する。充電用アタッチメント250とは異なる機能を実行可能なアタッチメントは、認証用アタッチメント260に限られず、例えば、モニタを備えたアタッチメントであってもよい。また、アタッチメントは制御部120を含んでもよい。その際、アタッチメントの挿入方向は上下に反転可能にされてもよい。
【0079】
第2接続IF210bは、第2挿入口200bに認証用アタッチメント260が接続されている場合に認証用アタッチメント260に接続され、第2挿入口200bに充電用アタッチメント250が接続されている場合に充電用アタッチメント250に接続される。制御部120は、第2接続IF210bに認証用アタッチメント260が接続されている場合に認証用アタッチメント260の機能を実行させ、第2接続IF210bに充電用アタッチメント250が接続されている場合に充電用アタッチメント250に充電処理を実行させる。特に、制御部120は、利用者に対する認証結果が成功を示す場合に、第1挿入口200aに取り付けられた充電用アタッチメント250の利用を利用者に許可する。
【0080】
図9(a)-(c)は、充電装置100の外観を示す斜視図である。図9(a)は、充電装置100の外観の一例である。充電装置100の筐体102における斜面には、第1挿入口200a、第2挿入口200bを含む複数の挿入口200が設けられる。第2挿入口200bには認証用アタッチメント260が取り付けられる。第2挿入口200b以外の挿入口200には充電用アタッチメント250が取り付けられ、各充電用アタッチメント250には蓄電池パック300が取り付けられる。第2挿入口200b以外の挿入口200は第1挿入口200aを含む。
【0081】
図9(b)は、充電装置100の外観の別の一例である。充電装置100の筐体102における斜面は、第1挿入口200a、第2挿入口200bを含む複数の挿入口200が設けられる。全ての挿入口200には充電用アタッチメント250が取り付けられ、各充電用アタッチメント250には蓄電池パック300が取り付けられる。つまり、図9(b)では、第2挿入口200bに認証用アタッチメント260が取り付けられない。
【0082】
図9(c)は、充電装置100の外観のさらに別の一例である。図9(c)における充電装置100の筐体102の形状は、図9(a)-(b)における充電装置100の筐体102の形状とは異なり、柱形状を有する。充電装置100の筐体102には、第1挿入口200a、第2挿入口200bを含む複数の挿入口200が設けられる。第2挿入口200bには認証用アタッチメント260が取り付けられる。第2挿入口200b以外の挿入口200には充電用アタッチメント250が取り付けられ、各充電用アタッチメント250には蓄電池パック300が取り付けられる。第2挿入口200b以外の挿入口200は第1挿入口200aを含む。充電用アタッチメント250に取り付けられた蓄電池パック300の一部は筐体102から露出する。また、蓄電池パック300は、筐体102の面に対して傾けられる。
【0083】
本実施例によれば、挿入口200の形状が共通であり、アタッチメントの形状が共通であるので、機能に応じたアタッチメントを使用できる。また、機能に応じたアタッチメントが使用されるので、充電装置100を効率的に稼働させることができる。また、挿入口200の形状が共通であり、アタッチメントの形状が共通であるので、アタッチメントの位置を自由にできる。また、蓄電池パック300は筐体102の面に対して傾けられるので、蓄電池パック300を取り外しやすくできる。
【0084】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の充電装置(100)は、筐体(102)に設けられ、かつ共通のサイズを有する第1挿入口(200a)と第2挿入口(200b)と、第1挿入口(200a)の内部に設けられる第1接続インターフェース(210a)と、第2挿入口(200b)の内部に設けられる第2接続インターフェース(210b)と、第1接続インターフェース(210a)と第2接続インターフェース(210b)とに接続される制御部(120)とを備える。第1挿入口(200a)には、蓄電池パック(300)を着脱可能なスロット(110)を有した充電用アタッチメント(250)であって、かつスロット(110)に蓄電池パック(300)が取り付けられている場合に蓄電池パック(300)を充電する充電用アタッチメント(250)が取り付けられ、第1接続インターフェース(210a)は、第1挿入口(200a)に取り付けられた充電用アタッチメント(250)に接続され、制御部(120)は、第1接続インターフェース(210a)に接続された充電用アタッチメント(250)に充電処理を実行させ、第2挿入口(200b)には、充電用アタッチメント(250)と共通のサイズを有し、かつ充電用アタッチメント(250)とは異なる機能を実行可能なアタッチメントと、充電用アタッチメント(250)とのいずれか一方を取り付け可能であり、第2接続インターフェース(210b)は、第2挿入口(200b)にアタッチメントが接続されている場合にアタッチメントに接続され、第2挿入口(200b)に充電用アタッチメント(250)が接続されている場合に充電用アタッチメント(250)に接続され、制御部(120)は、第2接続インターフェース(210b)にアタッチメントが接続されている場合にアタッチメントの機能を実行させ、第2接続インターフェース(210b)に充電用アタッチメント(250)が接続されている場合に充電用アタッチメント(250)に充電処理を実行させる。
【0085】
充電用アタッチメント(250)に取り付けられた蓄電池パック(300)の一部は筐体(102)から露出するとともに、蓄電池パック(300)は、筐体(102)の面に対して傾けられてもよい。
【0086】
アタッチメントは、利用者に対する認証機能を実行可能であり、制御部(120)は、利用者に対する認証結果が成功を示す場合に、第1挿入口(200a)に取り付けられた充電用アタッチメント(250)の利用を利用者に許可してもよい。
【0087】
アタッチメントは、制御部(120)を含んでもよい。
【0088】
(実施例5)
次に、実施例5を説明する。実施例5は、これまでと同様に、充電装置において充電される複数の蓄電池パックを貸出可能な充電システムに関する。また、実施例5は、実施例4と同様に、アタッチメントを着脱可能な挿入口200を備える充電装置100に関する。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0089】
図10(a)-(f)は、充電装置100の外観を示す斜視図である。図10(a)は、充電装置100の筐体102の構造を示す。図10(a)において筐体102は縦置きされ、第1挿入口200aから第4挿入口200dが上下方向に並べられる。図10(b)は、図10(a)と同一の筐体102を横置きした場合を示す。その際、第1挿入口200aから第4挿入口200dが左右方向に並べられる。つまり、筐体102は、鉛直方向に対する第1挿入口200aと第2挿入口200bとの並び方が互いに異なる縦方向と横方向に設置可能である。縦方向を第1方向と呼ぶ場合に横方向は第2方向と呼ばれる。ここで、各挿入口200は、筐体102を縦方向に設置しても横方向に設置しても同一の形状を有する。例えば、挿入口200の開口は正方形の形状を有する。また、各挿入口200に設けられた接続IF210は回転可能であり、接続IF210は、筐体102を縦方向に設置しても横方向に設置しても同一方向を向く。
【0090】
図10(c)は、充電用アタッチメント250の構造を示す斜視図である。充電用アタッチメント250はスロット110を有する。スロット110の構造は、図3(a)-(c)と同様であり、内部に端子112が設けられる。充電用アタッチメント250は、筐体102を縦方向に設置しても横方向に設置しても挿入口200に挿入可能な形状を有する。図10(d)は、蓄電池パック300の構造を示す斜視図である。蓄電池パック300は、図3(a)-(c)と同様の構造を有し、両側面に突起320を有する。蓄電池パック300は、図3(a)-(c)と同様に充電用アタッチメント250のスロット110の中に取り付け可能である。図10(e)は、認証用アタッチメント260の構造を示す斜視図である。認証用アタッチメント260はスロット110に挿入可能な形状を有する。また、認証用アタッチメント260は、両側面に突起320を有する。挿入口200に充電用アタッチメント250が取り付けられ、充電用アタッチメント250のスロット110に認証用アタッチメント260が取り付けられる。
【0091】
図10(f)は、認証用アタッチメント260の別の構造を示す斜視図である。認証用アタッチメント260は、充電用アタッチメント250と同様の外側形状を有しているので、筐体102を縦方向に設置しても横方向に設置しても挿入口200に直接挿入可能である。つまり、図10(f)の認証用アタッチメント260を使用する場合、充電用アタッチメント250は不要になる。
【0092】
本実施例によれば、筐体102を縦置きにしても横置きにしても挿入口200は同一形状を有するので、筐体102の設置の自由度を向上できる。また、筐体102の設置の自由度が向上するので、充電装置100を効率的に稼働させることができる。
【0093】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。筐体(102)は、鉛直方向に対する第1挿入口(200a)と第2挿入口(200b)との並び方が互いに異なる第1方向と第2方向に設置可能であり、第1挿入口(200a)と第2挿入口(200b)は、筐体(102)を第1方向に設置しても第2方向に設置しても同一の形状を有してもよい。第1挿入口(200a)に取り付けられる充電用アタッチメント(250)は、筐体(102)を第1方向に設置しても第2方向に設置しても同一方向を向き、第2挿入口(200b)に取り付けられるアタッチメントと充電用アタッチメント(250)とのいずれか一方は、筐体(102)を第1方向に設置しても第2方向に設置しても同一方向を向く。
【0094】
(実施例6)
次に、実施例6を説明する。実施例6は、これまで説明した充電装置100のさまざまな形状を示す。充電装置100における処理はこれまでと同様である。ここでは、これまでとの差異を中心に説明する。
【0095】
図11(a)-(c)は、充電装置100の外観を示す斜視図である。図11(a)の筐体102は、図9(a)-(b)と同様に傾斜した面を有する。また、蓄電池パック300は、斜面に対して斜めに寝かされるように取り付けられる。図11(b)の筐体102は壁形状を有し、筐体102の上端部分の面に複数の蓄電池パック300が並べられる。図11(c)の筐体102は、図11(a)の筐体102と同様に斜面を有するが、蓄電池パック300はひな壇のように並べられる。
【0096】
図12(a)-(b)は、別の充電装置100の外観を示す斜視図である。図12(a)の筐体102は、2つの脚部の間に3段の共通台が設けられる。また、共通台の上に複数の蓄電池パック300が並べられる。図12(b)の筐体102は、図12(a)の筐体102と比較して共通台の面が傾けられる。傾けられた面の上の蓄電池パック300が取り付けられる。
【0097】
本実施例によれば、蓄電池パック300の構造の自由度を向上できる。
【0098】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0099】
実施例1から6の任意の組合せも有効である。本変形例によれば、実施例1から6の任意の組合せによる効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0100】
10 ネットワーク、 20 サーバ、 30 電力系統、 100 充電装置、 102 筐体、 110 スロット、 112 端子、 114 充電回路、 120 制御部、 122 取得部、 130 通信IF、 140 通信部、 150 通知部、 160 ロック、 162 前側ロック、 164 奥側ロック、 200 挿入口、 210 接続IF、 250 充電用アタッチメント、 260 認証用アタッチメント、 300 蓄電池パック、 310 BMU、 320 突起、 400 ICカード、 500 人物、 1000 充電システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12