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特許7550450炭化水素系廃棄物をオイルおよびガス燃料に変換するマイクロ波方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】炭化水素系廃棄物をオイルおよびガス燃料に変換するマイクロ波方法
(51)【国際特許分類】
   C10G 1/10 20060101AFI20240906BHJP
   H05B 6/80 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
C10G1/10
H05B6/80 Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020573526
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 US2019039985
(87)【国際公開番号】W WO2020006512
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】62/691,514
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520512111
【氏名又は名称】リシナジー,インク.
【氏名又は名称原語表記】RESYNERGI,INC.
【住所又は居所原語表記】1400 Valley House Drive, Suite 276,Rohnert Park,CA 94928 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】タンネ,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】スポット,タイラー
(72)【発明者】
【氏名】メイヒュー,フランク
(72)【発明者】
【氏名】マキニス,エイ.ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】レイ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】カーディナル,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】グリーア,トム
(72)【発明者】
【氏名】ルウァン,ロンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,レイレイ
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107723015(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102492442(CN,A)
【文献】特開2016-091636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/10
B09B 1/00-3/00
H05B 6/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料導入部、およびガス/廃棄チャー出力部に流体連絡する熱反応器を有する、炭素含有原料を一種かそれ以上の有用材料に変換するシステムにおいて、
この熱反応器が、
外周側部を有する多角形の内部マイクロ波キャビティと、
前記多角形の内部マイクロ波キャビティを取り囲みかつこれを収容する円筒形外周シェルであって、入力端部に原料入り口を備えた閉じた上部およびガス出力端にガス/廃棄チャー出口を備えた底部を有する円筒形外周シェルと、
前記外周シェルの外側に設けられ、かつこれに結合した複数のマイクロ波発生器であって、各マイクロ波発生器が前記多角形の内部マイクロ波キャビティのそれぞれの側に対応し、さらに前記外周シェルおよび前記マイクロ波キャビティを介して設けられ、マイクロ波エネルギーを前記マイクロ波キャビティの内部に指向搬送するマイクロ波発生器と、
前記内部マイクロ波キャビティに流体連絡する不活性ガス源と、
前記内部マイクロ波キャビティの周囲に設けられた複数の加熱素子と、
前記内部マイクロ波キャビティに全体としてセンタリングされ、かつ前記外周シェルの前記上部の内周側と前記底部との間に延設される垂直指向のマイクロ波透過性セラミックスリーブと、
このセラミックスリーブ内に回転自在かつ軸方向に設けられた混合オーガーと、
前記セラミックスリーブ内に収容されかつ前記混合オーガーを取り囲む複数のマイクロ波吸収球体と、
前記熱反応器で処理された後に、気化したガスおよび廃棄チャーが通過する出力格子と、
前記原料導入部に流体連絡する原料供給装置と、
前記ガス/廃棄チャー出口に流体連絡する冷却/凝縮システムと、
を有することを特徴とする変換システム。
【請求項2】
前記球体を半導体素材から製造する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記球体が炭化ケイ素である請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記炭化ケイ素の表面が粗面である請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記オーガーは動作が可逆的である請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記オーガーの各端部を軸受に支持する請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記原料供給装置が、前記熱反応器に搬送する前に、原料を溶融させる加熱器を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記原料供給装置が、前記原料供給装置と前記熱反応器との間に設けられ、マイクロ波加熱の下で炭化水素クラッキングに最適化した表面積を備えた原料を搬送する構成をもつオリフィスを有するオリフィスプレートを有する請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記熱反応器の底部において前記冷却/凝縮システムの間に設けられたサイクロン分離器を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
熱分解システムを使用して、炭素含有原料を一種かそれ以上の材料に転換することを特徴とする方法であって、以下の工程を備える方法:
(a)前記原料を粒子形態に粉砕する工程、
(b)前記原料をペレット化する工程、
(c)前記原料を溶融する工程、
(d)請求項1~9の熱反応器を用意する工程、
(e)機械式移転装置を使用して、前記原料を前記熱反応器に移転する工程、
(f)前記熱反応器において前記原料を気化させる工程、および
(g)前記原料の画分を凝縮させ、かつ分離する工程。
【請求項11】
さらに、処理済み原料を前記熱反応器に搬送する前に、これを処理し、保存して汚染から保護する工程を有する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
さらに、周囲の乾燥温度で保存済み原料を機械式転送装置に転送する工程、および
前記原料が前記熱反応器に流入している間、最適な供給速度を維持する工程を有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記機械式移転装置が、不活性ガスでパージした回転送り弁を有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに、保存済み原料の温度を溶融温度まで高くし、
溶融原料を材料移転装置に送り込み、そして
溶融原料が前記熱反応器に流入している間、最適な供給速度を維持する請求項11に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記機械式移転装置と押し出し機との間に押し出し機を設ける請求項14に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記熱反応器に送り込む前に、前記原料を約30~50℃に冷却する請求項11に記載の方法
【請求項17】
前記気化工程(f)において、不活性雰囲気中1~2psigの低圧で前記原料を約600~700℃の熱分解温度に加熱する工程を有する請求項14または15に記載の方法
【請求項18】
さらに、前記内部マイクロ波キャビティの周囲にバンドヒーターを設け、かつ前記熱反応器に設けられたマイクロ波吸収球体を使用して、工程(f)での原料の気化を強化し、これら球体がマイクロ波エネルギーおよび前記バンドヒーターから伝導熱および放射熱の両者を吸収する請求項15に記載の方法
【請求項19】
さらに、気化工程時混合オーガーを順・逆方向に使用して、前記マイクロ波吸収球体の混合を整合化しかつ効率化する請求項16に記載の方法
【請求項20】
さらに、前記バンドヒーターをオフにし、各種のパワーレベルおよび時間間隔でマイクロ波パワーを調節し、熱分解を整合化かつ効率化する請求項18に記載の方法
【請求項21】
さらに、可変速度でチャー副生物を混合し、前記熱反応器の下部において充填レベルを維持し、マイクロ波吸収球体を断熱しかつ湿潤化する請求項16又は17に記載の方法
【請求項22】
さらに、可変速度でチャー副生物を抽出し、バッチ操作または連続操作を行う請求項21に記載の方法
【請求項23】
さらに、前記熱反応器のガス出口に、排出された熱分解ガスを捕捉するように下向きアップドラフト管を設けて、凝縮する前にガス流れからガスデブリをクリーンかつ汚染のない状態で抽出する請求項18に記載の方法
【請求項24】
さらに、熱分解ガスをゼオライトまたは金属ドープ化有機金属材の触媒に流す請求項21に記載の方法
【請求項25】
さらに、リアルタイム操作を行うか、接続されたネットワークを介してローカル用途、オンサイト用途およびリモート用途のオーバーライド制御を行う請求項10~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
さらに、前記熱分解ガスを細かなスチールメッシュに流して、軽質なチャー粒子およびデブリを捕捉し、ブロックする請求項23に記載の方法
【請求項27】
前記熱反応器の前記ガス出口にあるスワーラープレートに熱分解ガスを流して、この熱分解ガスを渦巻き状に回転させ始める請求項10、15および24のいずれか1項に記載の方法
【請求項28】
さらに、熱分解システムを航海船に設置し、システムが発生する燃料を使用して、システム操作電力を発生し、陸側電力への負荷を緩和する請求項10~25のいずれか1項に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体としては特異的な固形廃棄物流れを産業上意味のある化学製品に変換するシステム、具体的にはプラスチック廃棄物熱分解システム、より具体的にはマイクロ波エネルギーを利用して、粉砕廃棄プラスチックを加熱し、燃料を含む有用かつ分離可能な副生物とするエネルギー効率の高いプラスチック熱分解システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック廃棄物を燃焼可能な燃料に変換するために熱的に分解する技術、特に熱分解技術(pyrosis technology)を使用することは公知であるが、エネルギー効率が高く、証明可能な持続性を実現することは手に負えないものである。同様に、安全ではない副生化合物の発生を最小限抑制するシステムを設計することは、一部の物質転換が重金属だけでなく、硫黄含有化合物および窒素含有化合物を発生することを考えると、システムにとっての至上命題である。にもかかわらず、効率を改善し、携帯性を改善したプラスチック熱分解システムは海洋、海岸および都市における廃棄プラスチックの圧倒的な蓄積問題を解決できる将来性を有する。これが、本発明の課題である。
【0003】
このような技術に潜在的に該当する従来特許および/または親出願を以下に列記する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願20090062581号
【文献】米国特許出願20100155216号
【文献】米国特許9,487,708号
【文献】米国特許8,382,957号
【文献】米国特許9,664,382号
【文献】米国特許8,690,977号
【文献】米国特許6,830,597号
【文献】米国特許7,883,606号
【文献】米国特許6,184,427号
【文献】米国特許出願20040253166号
【文献】米国特許出願20100256429号
【文献】米国特許8,657,999号
【文献】米国特許8,980,064号
【文献】米国特許出願20080264934号
【文献】米国特許7,927,465号
【文献】米国特許7,951,270号
【文献】米国特許7,629,497号
【文献】米国特許9,802,184号
【文献】米国特許7,531,703号
【文献】米国特許8,927,797号
【文献】米国特許8,187,428号
【文献】米国特許8,361,282号
【文献】米国特許4,118,282号
【文献】米国特許7,101,463号
【0005】
以上の特許文献は、本発明者等が認識している現状を反映する文献である。これらは本発明が意図している多くの課題だけでなく、該当する技術状態を理解するために有用な背景技術を提供しているが、いずれも本明細書に記載する発明を単独でも、あるいは組み合わせた場合でも開示するものではなく、また教示するものでもなく、示唆するものでもなく、明らかにするものでもなく、あるいは自明にするものでもない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、処理済みのプラスチック廃棄物やその他の炭素を含有するポリマー系供給原料を燃料油、持続可能なエネルギー、炭素チャーやその他の有用物に分解するモジュラー式で携帯可能な上に持続可能な効率の高い手段である。なお、本発明はポリマーに制限されず、一部変更するならば、バイオマスも処理できる。システム出力は限定するものではないが、ディーゼル、ガソリン、プロパン、ブタン、チャーである。本発明では、分配配置したマイクロ波加熱源を利用して、マイクロ波素子の商業上の信頼性を保護するため高断熱性反応器で効果的な混熱を行う。厳密な温度制御および機械的なルート化を利用して生成物を分配する手段を設ける。本発明で重要なことは、大容量の廃棄バイオマスやポリマー系粒子を均質かつ迅速な内部加熱、迅速な操作開始および操作停止、高いエネルギー効率、高い制御性を始めとするマイクロ波加熱の数多くの作用効果を利用することである。
【0007】
本発明の構成および操作方法に関する新規な多数の特徴については、本発明の好適な実施態様を例示する添付図面参照して行う以下の説明から、本発明の特徴および作用効果とともに理解できるはずである。添付図面は例示のみを目的とし、本発明の範囲を制限する意図はない。本発明の新規な各種の特徴については、本明細書に添付され、かつその一部を構成する特許請求の範囲に特定されている。本発明は、これら特徴の単独にあるではなく、特定記載した特徴を備えた機能構造すべての組み合わせにある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以上説明した以外の目的などは次に示す詳細な説明から明らかになるはずである。以下、添付図面を参照して説明を続ける。
【0009】
図1A図1Aは、本発明の熱分解システムの構造および操作部材を示す極度に概略化した図である。
図1B図1Bは、本発明においてカギとなる構成部材を示す、プラスチック熱分解システム全体の上部正面斜視図である。
図2図2は、原料を保持する機械式ホッパーを介して原料を受け取る、本発明に従って構成した廃棄物入力部(即ち、供給部)を示す側面図である。別な態様では、原料の機械式搬入については、真空方法または圧力供給方法(独特な延長部および反応器供給部を備えた標準的な押し出し機機能)を使用して実施できる。
図2A図2Aは、供給装置のオーガーフライト形状およびコンベヤパイプ壁を示す図2の断面線2A-2Aにそって図面化した詳細な横断側部断面図である。
図3図3は、本発明における反応器装置気化器を示す側面図であって、マイクロ波マグネトロン、バンドヒーターおよび廃棄物を取り出す部材の一体的な取り付けを示す図である。
図3A図3Aは、図3の断面線3A-3Aにそって図面化した横断側面図であって、反応器の気化器を示す図である。
図3B図3Bは、図3Aの断面3B-3Bにそって図面化した詳細な横断側面図であって、原料入り口(複数の場合もある)の位置(複数の場合もある)、およびきわめて高い温度で動作する装置の可使時間および寿命を延長するための気化器ミキサーのベアリングの細部を示す図である。
図3C図3Cは、注入器供給スクリューシステムを使用して原料を反応器室に注入するさいの本発明に係る可能な原料入り口(複数の場合もある)の形状を示す概略図である。入り口開口については、注入器スタイルの原料供給を行う場合には、原料の流れおよび表面積を改善するように構成する。
図3D図3Dは、図3Aの断面線3Dにそって図面化した詳細な側面図であって、本発明に従って不活性ガス雰囲気を構築するために使用するパージガスマニホールドを示す図である。
図3E図3Eは、図3の断面線3Eにそって図面化した詳細な側面図であって、オイルおよび/または液体の生産を改善し、炭素チャー廃棄物および副生物を抑制するために本発明で採用したアップドラフト排出および温度モニタリング要素を示す図である。
図4図4は、図3Aの断面線4-4にそって図面化した横断上面図であって、多角形壁断面および積層マイクロ波導波管を組み込んだ本発明の反応器の気化器を示す図である。
図4A図4Aは、図3Aの断面線4-4にそって図面化した詳細な横断側面図であって、特に対向マイクロ波導波管、断熱部、熱量吸着材(炭化ケイ素球体)、および混合シャフトを組み込んだ本発明における反応器の気化器の一次構造用の動作部材を示す図である。
図4B図4Bは、図4の断面線4Bにそって図面化した詳細な上面図であって、デブリをマイクロ波窓から取り払うことによってマイクロ波信号経路をクリアな状態に維持することによってマイクロ波エネルギーのパワーを最大化するために採用したナイフゲートを一体化したマイクロ波窓を示す図である。
図5図5は、反応出力である炭素チャーを回収し、バッチ操作用として、あるいは連続操作用として分配する構成の、本発明に係るクリーンアウト(cleanout)容器を示す図である。
図5A図5Aは、本発明に係る触媒クラッキング室を示す詳細な横断側面図である。
図5B図5Bは、プロセスフローを継続した状態でクリーニングを実施するために回転できる複数室を組み込んだ触媒クラッキング室を示す側面図である。
図6図6は、本発明に係るガス凝縮器装置を示す正面図である。
図6A図6Aは、図6の左端面図である。
図7図7は、本発明に係る燃料回収/プロセスモニタリングを示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aを参照して説明すると、図1Aは炭化水素系廃棄物をオイル燃料およびガス燃料に変換する新規かつ改良方法およびシステムを示す図である。このシステムは参照符号10で示す。
【0011】
図1Aは、本システムの主機能部を示す極度に概略化したプロセス流れ図で、主要部を強調した図である。処理準備として、一つの態様では、最適な供給速度を維持した状態で、原料を原料ホッパー12から周囲温度で機械式コンベヤ14に供給する。別な実施態様では、同様に最適な供給速度を維持した状態で、高温の溶融温度でコンベヤに原料を供給することができる。高温供給の場合、押し出し機を使用して、反応器へのスムーズな原料流れを確保することができる。さらに別な実施態様では、加熱された原料を30℃~50℃に冷却してから、反応器に導入し、融解が早めに起きる危険性を抑制し、反応器に原料をスムーズに供給する。冷却域において調節(baffling)を行って良好な混合および熱交換を確保することができる。
【0012】
マイクロ波透過性(microwave-transparent)反応器16に流入すると、炭素含有原料が、円形方向または多角形方向に配置された複数のマイクロ波源(図示省略)から誘導される対流熱および伝導熱によって650~700℃に加熱される。不活性ガス源18から不活性ガスを導入することによって内部雰囲気から酸素を追い出した窒素またはアルゴンの内部雰囲気になり、この雰囲気を1~2psigの低圧に維持する。
【0013】
よく知られているように、熱分解システムでは、炭素含有原料が熱によって化学的に分解し、大きなポリマー鎖を小さなポリマー鎖に、あるいは場合によっては処理済み廃棄ポリマー内の前駆体分子であったモノマーに切断するか、あるいは“クラッキング”する。廃棄物チャーが反応器の底部を出、廃棄チャー回収器20に向かう。熱分解すると、この熱分解炭化水素類は蒸発し、生成したガスが反応器を出、触媒充填クラッキング室22に流入し、次に反応器出口冷却器24に流入し、重油/タール回収器である“ワックストラップ(wax trap)”26に対応する適正な温度まで冷却し、ここから凝縮/冷却(蒸留)システムに流入し、ここで制御された炭素鎖にさらに精製され、ディーゼルからガソリンまでの各種等級の使用可能な燃料オイルに凝縮する。蒸留システムでは、まず重油およびタールが回収器26で回収され、システムを通過したガスがディーゼル凝縮器28に向かい、ここで冷却されてから生成物冷却器回収容器30により重く、鎖がより長いディーゼル生成物を回収する。ディーゼル生成物が沈降しているガスがある場合には、スプレーダウン式冷却器(spraydown cooler)32を介してディーゼル凝縮器に戻す。ディーゼル凝縮器で沈降しないより軽質なガスについては、ナフサ/ガソリン凝縮器34に回し、同様に冷却凝縮し、生成物冷却器回収容器36内に回収し、同伴しているガスがある場合には、スプレーダウン式冷却器38を介して凝縮器に戻す。水蒸気および最も軽いガスについては、ガソリン凝縮器の上部から取り出し、流体の逆流を防止し、かつ流れを確実にポジティブ化することによって燃料生産を改良するために利用されている水トラップ40を介して送り出す。最も軽いガスについては、コジェネレーション/フレア/触媒作用酸化装置42から排気する。
【0014】
当業者ならば理解できるように、原料が処理され、処理段を移動している間、即ち未処理原料を原料コンベヤに入力として供給し、反応器での熱分解クラッキングを受けてから、触媒室クラッキングを経て、凝縮、分離、回収および保存に至るまで、本システムの各部材は連続的に流体連絡する状態にあり、そして一つの段から前の段および後続段へのこのような機械的な結合、あるいは操作結合がある場合については、明細書全体を通して理解できるはずである。
【0015】
主部材システムを強調するための装置の概略
次に図1B図7を参照して、説明を続けるが、各図において同じ参照符号は同じ部材を示す。これら非概略的な図ではシステムは全体として100で示す。なお、システム部材については、離散的な個別の参照符号で示す。
【0016】
最初に図1Bについて説明する。本システムの操作要素については、斜視図で示す。本システムについては、標準ISO6346(20ft)輸送コンテナでの包装および輸送を容易にするためにロッキングキャスターを使用して金属基底部または金属フレーム102に取り付けることができるサイズなのが好ましい。また、本システムについては、20ftの設置面積内の開放“フラットベッド(flat-bed)”で輸送でき、また環境から保護するためにシュリンクラップ(shrink wrap)できる構成である。
【0017】
次に、最も本質的な態様から理解できるように、部材からみた本システムは原料供給部104を有する。この原料供給部104は不活性ガス源(図示省略)からの不活性ガスでパージしたエアロック式コンベヤまたは押し出し機に操作時に結合し、マイクロ波加熱を行った、絶縁性の高い反応器106に炭素含有原料を搬入する原料ホッパー103を有する。適正な温度制御を行うが、この制御は高速急冷噴霧凝縮器を利用して行い、有効な生成物出力が容易になる。反応器内の熱分解を促進するために触媒を使用することができ、そして軽いガスフレアまたは触媒酸化装置出力には、コジェネレーション部材を追加捕捉することができ、および/またはこれを使用することができる。ディーゼル凝縮器には液面センサーを設けることができる。
【0018】
図示してはいないが、よく知られているように、機械式ミル、粉砕機、シュレッダーやこれらを組み合わせたものを使用して、反応器室に導入するために好適な小さな粉砕体に原料を粉砕する。原料については、汚染から保護された環境内で保存し、状態調節する。
【0019】
反応器内で炭化水素類をクラッキングした後、廃棄物チャーを取り出し、廃棄物チャー回収器108に回収し、揮発したガスを冷却/凝縮システム110に送り、ここで各種のより軽質な炭化水素類を連続的に沈降させ、かつ回収する。この間、冷却システムが流動するガスから熱を多量に取り去るため、最終的にこれらが燃料回収タンク112に保存され、ディーゼルおよびガソリンが保存される。
【0020】
供給装置
次に図2図2Aを参照して説明を続けると、供給装置104を備えた部材は、一つかそれ以上の廃棄物流れのレベル検出器116、118を有する原料ホッパー103を備える。原料のレベル検出器については、システム内で適切に処理できない原料の導入を防止するとともに、処理パラメータを特定の原料に合わせるデータを提供するために設けることも可能である。実施態様では、廃棄物を検出/除去するだけでなく、原料の過剰供給検出器120も設ける。オーガーコンベヤの上端および下端にある目詰まり検出器122、126によって、ホッパーから反応器への原料の処理量が何らかの理由で停滞したときに、システムは連続操作できなくなる。
【0021】
角度が上向きのオーガーコンベヤ119はオーガー121を備え、このオーガーについては、原料の移動を促進し、かつ目詰まりを防止する螺旋状エッジ128を有する連続螺旋状フライト(continuous spiral fligth)を備えているのが好ましい。コンベヤの上端から押し出し機105を介して反応器106に原料が搬送される。
【0022】
反応器装置:
次に図3図4Bを参照して説明を続けると、これら図面は本発明の熱反応器装置(図1Bの参照符号106)を示す。原料供給時の混合は、オリフィスプレート130に設けた一つかそれ以上の供給オリフィス(またはダイ)を使用して行う。このプレート130を介してコンベヤシステム104からの原料が熱反応器106に搬送されるが、この反応器は(ポンプ、回転羽根弁などを介して)機械的に誘導される圧力か、あるいは重力のいずれかによって駆動される。オリフィスは、投入された原料の表面積を最大化するように配置される。様々なオフィリスの配置130a、130b、130cは図3Cにおいて見て取れる。システムは、多孔性の循環ダイ130a、または「リボン」片130c、あるいは複数の片130bを使用する“シャワーライザー(showerizer)”とすることができ、特定の炭素含有原料に最適な温度と圧力で熱分解するように設計された大量に投入する原料を輸送し、分配することができる。
【0023】
上部プレートを水冷する乾燥原料冷却入り口131を使用して、反応器への導入時にプラスチックが反応器の上部プレート141やその他の反応器内面に固着することを防止する。
【0024】
次に図3Dを参照して説明を続けると、この図は本発明に従って不活性ガス雰囲気を作り出すために使用する各種のパージガスマニホールド133の一つを例示する詳細な側面図である。これらガスマニホールドについては、稼働時の安全性および熱分解プロセスの整合性が改善するように構成する。
【0025】
図3Eに示すように、反応器の下端にはアップドラフト排出部158があり、これは廃棄チャー口162およびガス出口164を有する細索状反応器出口/サイクロン分離機(funicular reactor outlet and cyclone separator)160内に設ける。アップドラフト排気部は、細かいスチールメッシュフィルターを備え、下流側パイプの汚染を防止する。サイクロンプレートを反応器出口内に設けて、反応器の出力ガスを旋回させるため、チャーやその他の固形廃棄物の管理が簡単になる。このように、アップドラフト排出部が、実際にはサイクロン分離機であるものを反応器の底部に接続するため、固形廃棄物の除去効果が改善する。このアップドラフト排出部は(以下に詳しく説明する)ワックストラップ/リフラックスシステム(wax trap and reflux system)に結合するフランジ164を有し、そして廃棄チャー出口が廃棄チャー回収器に結合するフランジ162を備える。さらに、サイクロン分離機は温度プローブ166を備え、これが反応器出口のガス温度を検知し、使用する制御システムに、特に他のシステムデータを制御システムに送信される信号を発生し、マイクロ波作動を最適な反応器温度を合わせる。
【0026】
図4(横断上面平面図)および図4A(横断側面図)から理解できるように、反応器容器に外周シェル140は円筒形であり、構造的に整合性を保持する。この外周シェル140が多角形の(例えば五角形など)内部マイクロ波キャビティ138を取り囲み、反射を最適化する。中心に位置するマイクロ波透過性セラミックスリーブ142が、原料が熱分解する内容積の境界を決定する。実施態様では、このスリーブをセグメント化し、応力を小さく抑え、ひび割れを抑える。
【0027】
反応器室内での加熱については、外周の周りに設けられかつこれに固定された複数のマイクロ波発生装置132を使用して行う。マイクロ波発生装置132の使用数は、多角形の内部マイクロ波キャビティの辺の数に対応する。導波管132aは外周シェルを貫通し、マイクロ波が、外周シェルに位置するのが好ましい導波管の窓132bに放射し、内部マイクロ波キャビティを通過する。パージして取り入れた不活性ガスを用いた導波管および導波管の窓のクリーン化については、ガス入り口134を介して、および導波管の窓それぞれにある“エアナイフ”136を使用して行う。
【0028】
パルス化マイクロ波加熱を利用し、効率を改善し、加熱を最大化し、アーク発生を抑制し、かつ混合を最大化する。この部分的な理由は周波数ミスマッチによるマイクロ波混合が生じるからである。最適なパルス化については、原料の化学的特性および熱分解プロセスに必要な最適加熱によって駆動される。マイクロ波スプレッドについて、導波管開口およびマイクロ波ロードからの距離を算出する。そして、マイクロ波のリーク方向(レベルおよび性能)について、よく知られているように、定めておく。
【0029】
熱混合(混熱)
熱混合に先立って、不活性ガス(例えば窒素、アルゴンなど)を使用して反応室145から酸素をパージし、燃焼の危険を小さく抑えるとともに、高温における部材の酸化および崩壊を防止する。シェルのキャビティと内周側との間の多角形キャビティ138の周囲にバンドヒーター144を設ける。バンドヒーターはオンオフでき、選択的にこれを使用して、反応器室を予熱し、熱応力を小さく抑えるとともに、マイクロ波加熱の効率が最大になるように補っておく。マイクロ波エネルギーについては、整合的な効率の高い熱文化環境が構築されるようにパワーおよび時間の両者に対して調整しておく。
【0030】
セラミックスリーブの内部には、原料化学に従って選択される表面処理を施した炭化ケイ素球体146を設ける。球体の直径は0.375インチ~1インチであり、同じでもよく、バラツキがあってもよい。これら球体が、バンドヒーターから状態が調節されたマイクロ波エネルギーおよび伝熱性放射熱を吸収する。球体材料、球体径、表面特性(表面粗さなど)、および寸法については、混合が最適化かつ進行中の内部アーク発生を最小に抑えるように設定する。
【0031】
選択的に可逆的な軸方向スパイラルタイプのミキサー148が球体に動作を与えかつ撹拌し、原料を加熱分布が最大化し、かつ等しくなるように反応させる。この高い熱環境におけるミキサーを支えるベアリングシステム150は、図3Bに示すよう、グラファイト製スラストベアリングに結合することができるグラファイト製スリーブベアリング150a、およびステインレス製の二次ハウジング150cを備える。
【0032】
ガス/チャー出口上に設けた格子プレート139を使用して、廃棄物(チャー副生物)の流れをスローダウンするとともに、廃棄物を通過させる。このため、熱分解時の原料断熱および滞留時間の両者を最適化でき、これが廃棄物の分解および廃棄物の主反応器からの取り出しに寄与する。
【0033】
次に、プロセスの混合相について説明するが、この混合相はサイクロン分離機160を備え、チャーやその他の固形廃棄物の管理における重要な工程である。“スワーラープレート(swirler plate)”160aは、操作時に反応器の底部に結合し、この部分における固形物の取り出しの効率を高くするプレートである。スワーラープレートが回転を始め、合成ガスを渦巻き化する。実施態様では、非凝縮ガスをコジェネレーターシステムに送り、陸側電力(shore power)への負荷を小さく抑えることができる。
【0034】
廃棄物管理:
次に図5を参照して説明を続けるが、この図には熱分解システムの廃棄物管理部を示す。螺旋状“スクリュー”タイプのミキサー148を使用してチャーを混合し、これを取り出す方法工程で、チャーを動かし、撹拌して熱分配を最大化し、廃棄物を除去する。既に説明したように、スクリュータイプのミキサーは、スクリュー方向を選択的に可逆化でき、混合および除去に有利である。
【0035】
図5図6Aを参照して説明を続けると、サイクロン分離器と廃棄チャー回収器との間にナイフゲート(knife gate)152を設ける。このナイフゲートは“エアロック”として作用し、過剰なチャーの望ましくない蓄積が見られた場合にはこれを防ぐ。実施態様では、廃棄チャー回収器は水平方向に配置した単純な円筒形パイプであり、このパイプの両端にプレート153を被せる。
【0036】
図5Aは、本発明のクラッキング室156を示す図である。このクラッキング室は流体連絡し、直接反応器ガス処理を進めるものである。好ましくは、触媒153を利用して、逆重合(reverse polymerization)によって廃棄プラスチックを分解し、ポリマーをより効率的にリサイクルできるモノマー鎖に分解する。触媒としてはルイス酸、超酸、金属化炭素やゼオライトを使用することができる。図5Bに全体構成159を示すが、一つの実施態様では、この構成は複式クラッキング室部を備え、保守のために平行配置することができ、スワップアウトできるため、システム操作に対する妨害を最小限に抑えることができる。
【0037】
図6図6Aに示すように、アップドラフト排気158フランジ164に供給ライン154を結合し、インライン式フィルターをこれに付設して、連続操作およびバッチ操作で炭素デブリを捕捉しかつ除去する。触媒クラッキング室156の後ろには、重油/タール回収器“ワックストラップ”170が続く。実施態様では、ワックスを反応器に戻してさらに処理する。
【0038】
凝縮器装置
図6図6Aを参照して説明を続けると、これら図には凝縮器装置110を示す。これを上記のインライン式フィルター154に組み込み、ワックスおよびデブリを除去する。出力ガスは、アップドラフト管158(再度図3および図3Eを参照)を介して反応器室を出る。このアップドラフト管は角度が下向きであるため、ガスのクリーンかつ汚染のない抽出を担保でき、凝縮に先立って流体流れからデブリを除去できる。次に、これらガスは有機金属材か、あるいはゼオライト156aをドーピングしたマルチスプレー凝縮器/触媒室156を通るため、整合性をもった効率の高い熱分解環境を構築することができる。オイル循環については、オイルタンクを循環充填する単独のポンプを使用して行う。
【0039】
使用可能な燃料の蒸留については、冷却/凝縮システム内で行う。このシステムは直線状かつ直列状に触媒室156、反応器出口/“ワックストラップ”入り口冷却器157、ワックストラップ170、反応器出口冷却器に流体連絡するディーゼル凝縮器172、ディーゼル凝縮器に流体連絡するガソリン凝縮器174、そして最後の、ガソリン凝縮器に流体連絡するスプレーダウン冷却器176を備える。ポンプ178がそれぞれ熱交換器スプレーダウン冷却器を駆動する。
【0040】
燃料回収
システムの燃料回収部112を図7に示す。図示のように、この回収にはデュアルタンク180、182を使用するが、各タンクは容量/流量測定制御184、186を行う。
【0041】
制御システム
システムの制御装置114は取り付けフレームの設置面積内に実装したキャビネット内に収容する(図1B)。データの取得については、制御システムに電子的に連絡する複数の公知センサー/モニターを使用して行い、フィードバック信号ループを発信し、原料流れおよび燃料生産を最適化する。システム制御装置はフィードバックロジック、Bluetoothインターフェース、上記データ取得部、マシーンラーニング部、およびカスター/ユーザーグループマシン間のIoTを備える。マシーンラーニング部では温度を使用し、結果を出し、システムパラメーターを最適化する。制御システムの実施態様はでBluetooth、WiFi、Ethernet、あるいはセルラーLTEインターフェースを利用して、安全性および利便性の両者から操作の遠隔モニタリングを行うことができる。Bluetooth通信システムを使用しても遠隔警告システムを構築できる。
【0042】
以上の説明から、最も本質的な態様において炭素含有廃棄物原料を有用材に変換する方法とみなした場合、本発明は原料を粒子形態に粉砕(砕く、シュレッドする、粉々にする)する工程、原料をペレット化する工程、原料を融解する工程、本明細書冒頭で言及し、かつ添付図面に例示した型式の熱反応器を用意する工程、機械的な移転装置を使用して原料を熱反応器に移転する工程、熱反応器内で原料を蒸発させる工程、および凝縮し、原料の画分を分離する工程を備える。
【0043】
単独か、あるいは組み合わせて実施するが、必ずしも特定の順番で実施する必要のない付随的な方法工程があるが、例示すると、(1)熱反応器に搬送する前に処理済み原料を処理しかつ保存して原料を汚染から保護する工程、(2)周囲乾燥温度で機械式移転装置に保存原料を供給する工程、(3)原料が熱反応器に流入している間、原料供給量および供給速度を維持し、保存原料の温度を溶融温度に上げる工程、溶融原料を原料移転装置に供給し、溶融原料が反応器に流入している間原料供給量および供給速度を維持する工程、(4)機械的移転装置と押し出し機との間に押し出し機を設ける工程、(5)反応器への流入に先立って原料を約30℃~50℃に冷却する工程、(6)不活性雰囲気中1~2psigの低圧で蒸発工程で原料を約600℃~700℃の熱分解温度に加熱する工程、(7)熱反応器内に容れたマイクロ波吸収球体を使用して、原料の蒸発を促進する工程、(8)蒸発工程時順・逆方向に混合オーガーを使用する工程、(9)バンドヒーターを切って、マイクロ波パワーを各種のパワーレベルおよび時間間隔で調節して、整合しかつ効率の高い熱分解を実施する工程、(10)チャー副生物を可変速度で混合し、上記反応器の底部における充填レベルを維持し、マイクロ波吸収球体を絶縁し、かつ湿潤化する工程、(11)チャー副生物を可変速度で抽出して、バッチ式操作または連続式操作を行う工程、(12)接続した無線ネットワークを介してローカル用途、オンサイト用途およびリモート用途においてリアルタイムな運転およびオーバーライド制御を行う工程、(13)細かな鋼鉄製メッシュで熱分解ガスを処理し、軽質なチャー粒子およびデブリを捕捉かつブロックする工程、(14)熱反応器の出口にあるスワーラープレートを介して熱分解ガスを送って、熱分解ガスを旋回させ始めて、渦巻きを形成する工程、(15)熱分解システムを航海船に設置し、システムが発生する燃料を使用して、システム用電力を発生し、陸側電力への負荷を緩和する工程、(16)能動位置に回転できる3つの垂直部を触媒管に設け、少なくとも一つの垂直部が常に運転中にあり、少なくとも第2垂直部を回転させて取り外し、これを洗浄に回し、そして第3垂直部を熱で前処理する工程である。
【0044】
以上の説明に基づけば、当業者ならば、本発明を実施できるはずであり、また上記の説明は本発明者が現在意図している発明の最良の形態を与えるものである。本明細書は、本発明の好適な実施態様の全面的かつ完全な説明を開示するものであるが、本発明を図面に例示し、かつ記載してきた正確な構成、寸法関係、および操業に限定するものではない。各種の変更、構成修正などは当業者にとって明らかなはずであり、本発明の精神および範囲から逸脱せずに適宜実施できるはずである。これら変更などには、使用材料、使用部材、構成構造、サイズ、形状、機能、操業特徴などが包含されるものである。
【0045】
従って、以上の説明および図示は、特許請求の範囲に記載した発明の範囲を制限するものではない。
【符号の説明】
【0046】
10 システム
12 原料ホッパー
14 機械式コンベヤ
16 反応器
18 不活性ガス源
20 回収器
22 クラッキング室
24 冷却器
26 ワックストラップ(回収器)
28 ディーゼル凝縮器
30 回収容器
32 冷却器
34 ナフサ/ガソリン凝縮器
36 回収容器
38 冷却器
40 水トラップ
42 酸化装置
100 システム
102 フレーム
103 原料ホッパー
104 原料供給部
105 押し出し機
106 反応器
108 回収器
110 冷却/凝縮システム
112 燃料回収タンク
116、118 レベル検出器
119 オーガーコンベヤ
120 過剰供給検出器
121 オーガー
122、126 目詰まり検出器
128 螺旋状エッジ
130 オリフィスプレート
130a 循環ダイ
130b 片
130c リボン片
131 乾燥原料冷却入り口
132 マイクロ波発生装置
132a 導波管
132b 導波管の窓
133 パージガスマニホールド
134 ガス入り口
136 エアナイフ
138 キャビティ
139 プレート
140 外周シェル
141 上部プレート
142 セラミックスリーブ
144 バンドヒーター
145 反応室
148 ミキサー
150 システム
150a スリーブベアリング
150c 二次ハウジング
152 ナイフゲート
153 プレート
153 触媒
154 供給ライン
154 インライン式フィルター
156 クラッキング室
156a ゼオライト
157 入り口冷却器
158 アップドラフト排出部
159 全体構成
160 サイクロン分離機
160a スワーラープレート
162 廃棄チャー口
162 フランジ
164 ガス出口
164 フランジ
166 温度プローブ
170 重油/タール回収器“ワックストラップ”
172 ディーゼル凝縮器
174 ガソリン凝縮器
176 スプレーダウン冷却器
178 ポンプ
180、182 デュアルタンク
184、186 容量/流量測定制御
図1A
図1B
図2-2A】
図3
図3A-3D】
図3E
図4.4B】
図4A
図5
図5A
図5B
図6
図6A
図7