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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】姿勢矯正用クッション
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20240906BHJP
   A47C 27/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A61F5/01 E
A47C27/00 B
A47C27/00 K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021555578
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2021001376
(87)【国際公開番号】W WO2021225255
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2021-09-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0055209
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521420082
【氏名又は名称】カン、テ フ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン、テ フ
【合議体】
【審判長】中屋 裕一郎
【審判官】小川 恭司
【審判官】横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0344858(KR,Y1)
【文献】特表2018-532542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0112490(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0057830(KR,A)
【文献】特開2012-95974(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0140033(KR,Y1)
【文献】国際公開第2012/170407(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0296614(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01
A47C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に向かって上方傾斜するように形成され、ユーザーの上体を支持するクッション本体(A)を含み、
前記クッション本体(A)は、ユーザーの首と顎が定着されるように前端に上方に頚椎支持部(100)が突き出て形成され、ユーザーの脇が定着される両側端の間が下方に凹んで形成され、
前記両側端は前記クッション本体(A)の最大幅をなし、前記クッション本体(A)にうつ伏せになったユーザーの脇が前記両側端に置かれ、ユーザーの肩が前記両側端によって伸ばされ、
前記頚椎支持部(100)は、ユーザーの頭側がユーザーの腰よりも相対的に高く位置し、首骨が前方に膨らむように湾曲するC字形をなすように首と顎を支持し、上面が凹んで形成され、上端が前方に向かって下方傾斜するように形成されることによりユーザの顎を支持して、ユーザーの視線が前方を向くようにする、ことを特徴とする、姿勢矯正用クッション。
【請求項2】
前記クッション本体(A)は、ユーザーの胸が定着される部分に内側に胸定着部(200)が凹んで形成され、前記胸定着部(200)に対応する大きさをもって胸定着部(200)に嵌め込まれる胸定着クッション(300)が備えられることにより、前記胸定着クッション(300)を選択的に分離させて使用することができることを特徴とする、請求項1に記載の姿勢矯正用クッション。
【請求項3】
前記クッション本体(A)の前面には、内側に保管空間(400)が凹んで形成されることを特徴とする、請求項1に記載の姿勢矯正用クッション。
【請求項4】
横断面が「コ」字状を成し、前記クッション本体(A)の前端部を取り囲むように装着される補助クッション(B)をさらに含み、
前記補助クッション(B)は、前方に向かって上方傾斜するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の姿勢矯正用クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、姿勢矯正用クッションに係り、特に、うつ伏せ姿勢でスマホ首と平背の矯正効果を得ることができる姿勢矯正用クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ、コンピュータ、携帯電話などは、生活上必要不可欠な物品になっており、これらの物品の利用に多くの時間を費やしており、人々に様々な情報や利便性を提供する。ところが、これらの物品を利用することにより、次の疾患を患った人々が多くなっている。
【0003】
その代表的な疾患の一つであるスマホ首は、首が前方に突き出ている姿勢を意味し、具体的には、下側の首の骨は過度に曲がる方向に配列され、上側の首の骨と頭の骨は頭を返す方向に配列されて全体的に首の骨の前湾が消失し、頭が下げられていない状態で首が前方に突き出ている姿勢をいう。このようなスマホ首は、加齢するほど、筋肉がないほどよく発生するが、コンピュータや携帯電話などを多く使用するこの頃には、年齢・性別に関係なく誘発されている。また、スマホ首の姿勢を長くすると、首の骨の正常な力学が崩れて頚椎部のディスクに損傷を与え、頚椎骨の関節炎が加速されるため、単純に疼痛のみあるのではなく、呼吸にも支障を与える可能性がある。
【0004】
スマホ首に伴って発生する疾患の一つとして、「脊椎後湾」とも呼ばれる平背(ストレートバック)があり、これは、カーブをなすべき腰が一字状に伸びるか或いは反対方向に曲がる症状をいう。このような平背は、加齢に伴って上体の筋肉が減少して脊椎をまともに支えないために誘発されることもあるが、スマホ首と同様に、コンピュータや携帯電話などを長時間利用しながら前かがみ姿勢で座っているか横になっているのが、腰のC字型カーブを崩す原因になり、腰と肩に慢性的な痛みや変性疾患までもたらす。
【0005】
上述したスマホ首と平背を引き起こすおそれのある姿勢の一つがうつ伏せ姿勢であるが、多くの人々がうつ伏せ姿勢でテレビ、コンピュータ、携帯電話などを利用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、うつ伏せ姿勢を取るだけでスマホ首と平背を矯正又は予防することができる姿勢矯正用クッションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の姿勢矯正用クッションは、前方に向かって上方傾斜するように形成され、ユーザーの上体を支持するクッション本体を含み、前記クッション本体は、ユーザーの首と顎が定着されるように前端に上方に頚椎支持部が突き出て形成され、ユーザーの脇が定着される両側端の間が凹んで形成される。
【0008】
また、前記頚椎支持部は、上面が凹んで形成され、上端が前方に向かって下方傾斜するように形成されることができる。
【0009】
また、前記クッション本体は、ユーザーの胸が定着される部分に内側に胸定着部が凹んで形成され、前記胸定着部に対応する大きさをもって胸定着部に嵌め込まれる胸定着クッションが備えられることができる。
【0010】
また、前記クッション本体の前面には、内側に保管空間が凹んで形成されることができる。
【0011】
また、横断面が「コ」字状を成し、前記クッション本体の前端部を取り囲むように装着される補助クッションをさらに含み、前記補助クッションは、前方に向かって上方傾斜するように形成されることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザーが、クッション本体に上体が支持されるようにうつ伏せ姿勢を取るとき、ユーザーの首と顎が頚椎支持部に定着され、首の骨が前方に膨らむように曲がる緩やかなC字型を成すので、正常なC字型の首の骨をなすように誘導するとともに、ユーザーの肩が後方に伸ばされることにより、巻き肩の伸びが誘導され、背の筋肉が鍛えられるので、うつ伏せ姿勢を取るだけでスマホ首と平背を矯正又は予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による姿勢矯正用クッションの構造を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による姿勢矯正用クッションの正面と側面の構造を示す図である。
図3】本発明による姿勢矯正用クッションを使用する一例を側方からみて示す例示図である。
図4】本発明による姿勢矯正用クッションを使用する一例を上方からみて示す例示図である。
図5】本発明の他の実施形態による姿勢矯正用クッションの構造を示す斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態による姿勢矯正用クッションの構造を示す平面図である。
図7】本発明の別の実施形態による姿勢矯正用クッションの構造を示す平面図である。
図8】本発明による姿勢矯正用クッションを使用する他の一例を側方からみて示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明では、うつ伏せ姿勢を取るだけでスマホ首と平背を矯正又は予防することができるように、前方に向かって上方傾斜するように形成されてユーザーの上体を支持するクッション本体を含み、前記クッション本体は、ユーザーの首と顎が定着されるように前端に上方に頚椎支持部が突き出て形成され、ユーザーの脇が定着される両側端の間が凹んで形成されることを特徴とする、姿勢矯正用クッションを提供する。
【0015】
本発明の権利範囲は、以下で説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的要旨を逸脱することなく、当該技術分野における通常の知識を有する者によって多様に変形実施できる。
【0016】
以下、本発明の姿勢矯正用クッションは、図1図8を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明の姿勢矯正用クッションは、図1図4に示すように、ユーザーの上体を支持するクッション本体Aを含む。このとき、ユーザーは、うつ伏せで寝ているユーザーを意味するので、クッション本体Aは、図3に示すように、ユーザーの上体の前面が当接して支持される。また、うつ伏せで寝ているユーザーがクッション本体Aに支持された状態で腕を自由に使用することができるように、クッション本体Aの最大幅は、図4に示すように、ユーザーの両肩間の長さよりも短く形成され、クッション本体Aの最大幅をなす両側端は、ユーザーの脇の付近に位置するように形成されることが好ましい。このようなクッション本体Aは、様々な素材からなることができるが、ユーザーがもふもふを感じることができるようにEVA(Ethylene Vinyl Acetate)素材からなることが好ましい。
【0018】
具体的には、クッション本体Aは、図1図2(b)及び図3に示すように前方に向かって上方傾斜するように形成され、クッション本体Aの傾斜角度は約10°~40°であることが好ましく、これにより、ユーザーの頭側がユーザーの腰よりも相対的に高い位置で支持される。そして、クッション本体Aの前端には、上方に頚椎支持部100が突き出て形成され、頚椎支持部100にユーザーの首と顎が定着される。
【0019】
つまり、クッション本体Aは、図3に示すように、うつ伏せ姿勢を取ったユーザーの腰の付近から胸を通って首と顎が支持される。ユーザーの首と顎は、頚椎支持部100によって支持されることにより、首の骨が前方に膨らむように曲がる緩やかなC字型を成すので、正常なC字型の首の骨をなすように誘導するため、スマホ首を矯正又は予防する効果を得ることができる。
【0020】
頚椎支持部100は、具体的に、ユーザーの顎が楽に支持できるように上面が凹んで形成されながら、柔らかいシリコン素材からなることができ、クッション本体Aを用いて、うつ伏せになったユーザーの視線が正面、または正面よりもやや下方に向かうように、図2(b)に示すように、上端が前方に向かって下方傾斜するように形成されることができる。
【0021】
したがって、頚椎支持部100の高さ方向に沿ってユーザーの首が定着されながら、頚椎支持部100の上面にユーザーの顎が定着され、前方に下方傾斜した頚椎支持部100の上面によりユーザーの首の骨が過度に前方に膨らむように曲がることを防止することができるとともに、ユーザーは、クッション本体Aを利用しながらテレビを視聴したりノートパソコンや携帯電話などを使用したりすることができる。
【0022】
そして、クッション本体Aは、図1に示すように、ユーザーの脇が定着される両側端の間が凹んで形成される。これにより、クッション本体Aにうつ伏せになったユーザーは、図4に示すように、肩がクッション本体Aの両側端によって伸ばされるので、巻き肩の伸びが誘導されるとともに、背の筋肉が鍛えられる効果を得ることができるため、平背を矯正又は予防することができる。また、クッション本体Aにおいてユーザーの脇が定着される両側端は、前後方向に凹んで形成されながら、柔らかいシリコン素材からなることが好ましい。
【0023】
一方、クッション本体Aは、図5及び図6に示すように、ユーザーの胸が定着される部分、すなわち、ユーザーの脇が定着される両側端の間に、内側に陥入した胸定着部200が形成でき、胸定着部200に対応する大きさをもって胸定着部200に嵌め込まれる胸定着クッション300が備えられることができる。したがって、ユーザーの身体構造に応じて、胸定着部200を選択的に分離させて使用することができる。
【0024】
つまり、ユーザーが女性である場合、男性に比べて胸が目立っているので、胸定着クッション300を除去して、クッション本体Aを用いてうつ伏せ姿勢を取るとき、胸が胸定着部200内に収容されるようにすることにより、胸が圧迫されないようにすることができ、ユーザーが男性である場合、胸定着クッション300が胸定着部200に嵌め込まれた状態でクッション本体Aを使用することができるので、ユーザーの性別に応じて利便性を提供することができる。これに加えて、胸定着クッション300は、クッション本体Aから分離させて別途に枕、クッション用途に使用することもできる。
【0025】
クッション本体Aは、図2に示すように、前面には内側に保管空間400が凹んで形成されることができる。このような保管空間400は、その大きさと形状が多様に形成でき、眼鏡やリモコンなどの物品を保管することができる。
【0026】
一方、本発明の姿勢矯正用クッションは、上述したクッション本体Aと一緒に、またはクッション本体Aとは別個に使用できる補助クッションBをさらに含むことができる。補助クッションBは、図7に示すように、横断面が「コ」字状をなすように形成され、クッション本体Aの前端部を取り囲むように装着できる。このような補助クッションBは、クッション本体Aを用いてうつ伏せ姿勢を取ったユーザーが腕を前方に伸ばすときに腕を支持するか、或いはユーザーの前方に使用する物品を載置することに使用できる。
【0027】
上述したように、補助クッションBの使用時にユーザーが楽さを感じることができるように、補助クッションBは、図8に示すように、前方に向かって上方傾斜するように形成できる。したがって、ユーザーは、腕を軽く曲げて補助クッションBに支持されるようにし、携帯電話などの物品も補助クッションBに支持されるようにして、携帯電話などを楽に利用することができる。
【符号の説明】
【0028】
A クッション本体
B 補助クッション
100 頚椎支持部
200 胸定着部
300 胸定着クッション
400 保管空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8