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▶ ロスト アロー バイオ, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】流体処理デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
G01N35/08 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021569936
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 US2020017202
(87)【国際公開番号】W WO2020242544
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】62/852,719
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521511151
【氏名又は名称】ロスト アロー バイオ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】キルコイン, クリストファー
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0165784(US,A1)
【文献】特表2013-521780(JP,A)
【文献】国際公開第03/060056(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体処理デバイスであって、前記流体処理デバイスは、
2つ以上の流体チャネルの第1の組と2つ以上の流体チャネルの第2の組とを備えている複数の流体チャネルと、
前記複数の流体チャネルのそれぞれに関連付けられているサンプル入力ウェルと、
前記複数の流体チャネルのそれぞれに関連付けられているサンプル出力ウェルと、
少なくとも初期処理ステーションと、
末端処理ステーションと、
前記初期処理ステーションと前記末端処理ステーションとの間に配置されている1つ以上の中間処理ステーションと
を備え、
前記少なくとも初期処理ステーションは、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第1の初期プロセスポンプアセンブリと、
前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第2の初期プロセスポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている初期プロセスチャンバと
を備え、
前記初期処理ステーションの前記第1の初期プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第1の組の前記関連付けられている流体チャネルの各サンプル入力ウェルから、前記第1の組の各関連付けられている流体チャネルの一部を通して、各関連付けられている初期プロセスチャンバの中に流体サンプルを同時に移動させるように構成されており、
前記第2の初期プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第2の組の前記関連付けられている流体チャネルの各サンプル入力ウェルから、前記第2の組の各関連付けられている流体チャネルの一部を通して、各関連付けられている初期プロセスチャンバの中に流体サンプルを同時に移動させるように構成されており、
前記少なくとも初期処理ステーションは、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第1の初期試薬ポンプアセンブリと、
前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第2の初期試薬ポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている初期試薬入力ウェルと、
各初期試薬入力ウェルに関連付けられている初期試薬チャネルと
をさらに備え、
前記初期試薬チャネルは、前記初期試薬入力ウェルを前記関連付けられている流体チャネルの前記初期プロセスチャンバに接続し、
前記第1の初期試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第1の組の関連付けられている流体チャネルの各初期試薬入力ウェルから、前記関連付けられている初期試薬チャネルを通して、前記第1の組の関連付けられている流体チャネルの各初期プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されており、
前記第2の初期試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第2の組の前記関連付けられている流体チャネルの各初期試薬入力ウェルから、前記関連付けられている初期試薬チャネルを通して、前記第2の組の前記関連付けられている流体チャネルの各初期プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されており、
前記末端処理ステーションは、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第1の末端プロセスポンプアセンブリと、
前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第2の末端プロセスポンプアセンブリと
を備え、
前記末端処理ステーションの前記第1の末端プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第1の組の各関連付けられている流体チャネルの一部を通して、前記第1の組の前記関連付けられている流体チャネルの各サンプル出力ウェルの中に流体を同時に移動させるように構成されており、
前記末端処理ステーションの前記第2の末端プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第2の組の各関連付けられている流体チャネルの一部を通して、前記第2の組の前記関連付けられている流体チャネルの各サンプル出力ウェルの中に流体を同時に移動させるように構成されており、
各中間処理ステーションは、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第1の中間プロセスポンプアセンブリと、
前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第2の中間プロセスポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている中間プロセスチャンバと
を備え、
各中間処理ステーションの前記第1の中間プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記初期処理ステーションまたは前記1つ以上の中間処理ステーションのうちの先行するもののプロセスチャンバから、前記第1の組の各関連付けられている流体チャネルの一部を通して、前記第1の組の各関連付けられている中間プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成されており、
各中間処理ステーションの前記第2の中間プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記先行する処理ステーションのプロセスチャンバから、前記第2の組の各関連付けられている流体チャネルの一部を通して、前記第2の組の各関連付けられている中間プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成されており、
各中間処理ステーションは、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第1の中間試薬ポンプアセンブリと、
前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている第2の中間試薬ポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルのそれぞれに関連付けられている中間試薬入力ウェルと、
各中間試薬入力ウェルに関連付けられている中間試薬チャネルと
をさらに備え、
前記中間試薬チャネルは、前記中間試薬入力ウェルを前記関連付けられている流体チャネルの前記中間プロセスチャンバに接続し、
前記1つ以上の中間処理ステーションの前記第1の中間試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第1の組の前記関連付けられている流体チャネルの各中間試薬入力ウェルから、前記関連付けられている中間試薬チャネルを通して、前記第1の組の前記関連付けられている流体チャネルの各中間プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されており、
前記1つ以上の中間処理ステーションの前記第2の中間試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であることにより、前記第2の組の前記関連付けられている流体チャネルの各中間試薬入力ウェルから、前記関連付けられている中間試薬チャネルを通して、前記第2の組の前記関連付けられている流体チャネルの各中間プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されている、流体処理デバイス。
【請求項2】
前記流体処理デバイスは、前記初期処理ステーションと前記末端処理ステーションとの間に配置されている5つの中間処理ステーションを備えている、請求項1に記載の流体処理デバイス。
【請求項3】
前記第1の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第1の中間プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の中間プロセスポンプアセンブリおよび前記第1の末端プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の末端プロセスポンプアセンブリのそれぞれは、
2つ以上のプロセス固定子であって、各プロセス固定子は、第1のプロセスポンプチャンバおよび第2のプロセスポンプチャンバと、第1のプロセスチャンバポートおよび第2のプロセスチャンバポートとを画定し、前記第1のプロセスチャンバポートおよび前記第2のプロセスチャンバポートは、それぞれ、前記第1のプロセスポンプチャンバおよび前記第2のプロセスポンプチャンバと流体連通している、プロセス固定子と、
前記第1のプロセスポンプチャンバおよび前記第2のプロセスポンプチャンバのそれぞれ内に配置されているプロセスプランジャであって、前記第1のプロセスポンプチャンバ内に配置されている前記プロセスプランジャは、第1のプロセスプランジャロッドに接続されており、前記第2のプロセスポンプチャンバ内に配置されている前記プロセスプランジャは、第2のプロセスプランジャロッドに接続されており、
前記第1のプロセスポンプチャンバ内に配置されている前記プロセスプランジャは、前記関連付けられている第1のプロセスチャンバポートを通して前記第1のプロセスポンプチャンバの中に流体を同時に引き込むための第1の方向または前記関連付けられている第1のプロセスチャンバポートを通して前記第1のプロセスポンプチャンバから流体を同時に排出するための第2の方向に、前記第1のプロセスプランジャロッドを介して移動可能であり、
前記第2のプロセスポンプチャンバ内に配置されている前記プロセスプランジャは、前記関連付けられている第2のプロセスチャンバポートを通して前記第2のプロセスポンプチャンバの中に流体を同時に引き込むための第1の方向または前記関連付けられている第2のプロセスチャンバポートを通して前記第2のプロセスポンプチャンバから流体を同時に排出するための第2の方向に、前記第2のプロセスプランジャロッドを介して移動可能である、プロセスプランジャと、
各プロセス固定子に結合されているプロセス弁と
を備え、
前記プロセス弁は、前記第1のプロセスチャンバポートおよび前記第2のプロセスチャンバポートを各関連付けられている流体チャネルの上流部分に流体的に接続する第1の位置と、前記第1のプロセスチャンバポートおよび前記第2のプロセスチャンバポートを各
関連付けられている流体チャネルの下流部分に流体的に接続する第2の位置との間で移動可能であり、前記関連付けられている流体チャネルの前記下流部分は、前記関連付けられているプロセスチャンバまたは前記関連付けられているサンプル出力ウェルと流体連通している、請求項1に記載の流体処理デバイス。
【請求項4】
前記プロセス弁は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転移動のために前記プロセス固定子に対して回転可能に搭載されている回転子を備えている、請求項3に記載の流体処理デバイス。
【請求項5】
前記第1の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第1の中間プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の中間プロセスポンプアセンブリのそれぞれは、
2つ以上の試薬固定子であって、各試薬固定子は、第1の試薬ポンプチャンバおよび第2の試薬ポンプチャンバと、第1の試薬チャンバポートおよび第2の試薬チャンバポートとを画定し、前記第1の試薬チャンバポートおよび前記第2の試薬チャンバポートは、それぞれ、前記試薬ポンプチャンバと流体連通している、試薬固定子と、
前記第1の試薬ポンプチャンバおよび前記第2の試薬ポンプチャンバのそれぞれ内に配置されている試薬プランジャであって、前記第1の試薬ポンプチャンバ内に配置されている前記試薬プランジャは、第1の試薬プランジャロッドに接続されており、前記第2の試薬ポンプチャンバ内に配置されている前記試薬プランジャは、第2の試薬プランジャロッドに接続されており、
前記第1の試薬ポンプチャンバ内に配置されている前記試薬プランジャは、前記第1の試薬チャンバポートを通して前記第1の試薬ポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向または前記第1の試薬チャンバポートを通して前記第1の試薬ポンプチャンバから流体を排出する第2の方向に、前記第1の試薬プランジャロッドを介して移動可能であり、
前記第2の試薬ポンプチャンバ内に配置されている前記試薬プランジャは、前記第2の試薬チャンバポートを通して前記第2の試薬ポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向または前記第2の試薬チャンバポートを通して前記第2の試薬ポンプチャンバから流体を排出する第2の方向に、前記第2の試薬プランジャロッドを介して移動可能である、試薬プランジャと、
前記試薬固定子に結合されている試薬弁と
を備え、
前記試薬弁は、前記第1の試薬チャンバポートおよび前記第2の試薬チャンバポートを前記関連付けられている第1の試薬入力ウェルおよび第2の試薬入力ウェルに流体的に接続する第1の位置と、前記第1の試薬チャンバポートおよび前記第2の試薬チャンバポートを前記関連付けられているプロセスチャンバに流体的に接続する第2の位置との間で移動可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の流体処理デバイス。
【請求項6】
前記試薬弁は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転移動のために前記試薬固定子に対して回転可能に搭載されている回転子を備えている、請求項5に記載の流体処理デバイス。
【請求項7】
前記第1の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第1の中間プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の中間プロセスポンプアセンブリおよび前記第1の末端プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の末端プロセスポンプアセンブリは、プロセス弁ロッドを備え、前記第1の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の初期プロセスポンプアセンブリおよび前記第1の中間プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の中間プロセスポンプアセンブリおよび前記第1の末端プロセスポンプアセンブリおよび前記第2の末端プロセスポンプアセンブリのそれぞれの前記プロセス弁は、前記プロセス弁ロッドに結合されており、それによって、前記プロセス弁ロッドの移動が、それぞれの第1の位置と第2の位置との間で各プロセス弁の同時移動を生じさせる、請求項3~4のいずれか一項に記載の流体処理デバイス。
【請求項8】
前記第1の初期試薬ポンプアセンブリおよび前記第2の初期試薬ポンプアセンブリおよび前記第1の中間試薬ポンプアセンブリおよび前記第2の中間試薬ポンプアセンブリは、試薬弁ロッドを備え、前記第1の初期試薬ポンプアセンブリおよび前記第2の初期試薬ポンプアセンブリおよび前記第1の中間試薬ポンプアセンブリおよび前記第2の中間試薬ポンプアセンブリのそれぞれの前記試薬弁は、前記試薬弁ロッドに結合されており、それによって、前記試薬弁ロッドの移動が、それぞれの第1の位置と第2の位置との間で各試薬弁の同時移動を生じさせる、請求項5~6のいずれか一項に記載の流体処理デバイス。
【請求項9】
前記流体処理デバイスは、8つの流体チャネルを備えている、請求項1~8のいずれか一項に記載の流体処理デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
流体の複数のサンプルの多段階流体処理等の流体処理は、人為的エラー、機器エラー(例えば、処理体積またはタイミングの不一致)、二次汚染、および環境汚染を含む、問題の影響を受け得る。これらの問題は、計算、測定、識別、分析、または作動におけるエラー等のエラーにつながり得、それらは、例えば、不精密または不正確な結果および一貫性のないサンプル調製を生成し得る。これらの問題は、従来の流体処理技法およびデバイスにおける精巧な流体処理機器のための要件によって増幅される。加えて、従来の流体処理技法およびデバイスは、時間がかかり、高価である。
【0002】
したがって、複数の流体サンプル(例えば、単一の流体の複数のサンプル)の多段階流体処理を実施し、精密かつ正確な結果を効率的に生成し、一貫した処理された流体サンプルを調製し、人為的エラー、機器エラー、および汚染の問題を回避し得る流体処理デバイスおよび方法の必要性が存在する。複数の高価な従来の流体処理機器に取って代わり、次世代シークエンシング(NGS)等のプロセスのための自動サンプル調製を提供し得る低コスト消耗品に含まれるべきそのようなデバイスおよび方法の必要性も存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下は、本明細書に説明されるいくつかの側面の基本的理解を提供するために、簡略化された概要を提示する。本概要は、請求される主題の広範な概観ではない。これは、請求される主題の主要または重要な要素を識別することも、その範囲を正確に描写することも意図していない。その唯一の目的は、後に提示される、より詳細な説明の前置きとして、簡略化された形態でいくつかの概念を提示することである。
【0004】
本開示の側面は、2つ以上の流体チャネルと、少なくとも第1の処理ステーションとを備えている流体処理デバイスを包含する。第1の処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1のプロセスポンプアセンブリと、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1のプロセスチャンバであって、第1の処理ステーションの第1のプロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、関連付けられた流体チャネルの各第1のプロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成されている、第1のプロセスチャンバとを含み得る。第1の処理ステーションはさらに、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の試薬ポンプアセンブリと、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の試薬入力ウェルと、各第1の試薬入力ウェルを関連付けられた流体チャネルの第1のプロセスチャンバに接続する、各第1の試薬入力ウェルに関連付けられた第1の試薬チャネルとを含み得る。第1の処理ステーションの第1の試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、関連付けられた流体チャネルの各第1の試薬入力ウェルから、関連付けられた試薬チャネルを通して、関連付けられた流体チャネルの各第1のプロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成される。
【0005】
本開示のさらなる側面によると、流体処理デバイスは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられたサンプル入力ウェルを含み得、第1の処理ステーションの第1のプロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、関連付けられた流体チャネルの各サンプル入力ウェルから、関連付けられた流体チャネルの一部を通して、関連付けられた流体チャネルの各第1のプロセスチャンバの中に流体サンプルを同時に移動させるように構成される。
【0006】
本開示のさらなる側面によると、流体処理デバイスは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられたサンプル出力ウェルと、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第2のプロセスポンプアセンブリを含む、第2の処理ステーションを含み得る。第2の処理ステーションの第2のプロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、関連付けられた流体チャネルの各サンプル出力ウェルの中に流体を同時に移動させるように構成される。
【0007】
本開示のさらなる側面によると、流体処理デバイスは、第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとの間に配置された1つ以上の中間処理ステーションを含み得る。各中間処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間プロセスポンプアセンブリと、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間プロセスチャンバとを含み得る。各中間処理ステーションの中間プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、処理ステーションのうちの先行するもののプロセスチャンバから、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、中間処理ステーションの各中間プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成される。各中間処理ステーションはさらに、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間試薬ポンプアセンブリと、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間試薬入力ウェルと、各中間試薬入力ウェルを関連付けられた流体チャネルの中間プロセスチャンバに接続する各中間試薬入力ウェルに関連付けられた中間試薬チャネルとを含み得る。中間処理ステーションの中間試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、関連付けられた流体チャネルの各中間試薬入力ウェルから、関連付けられた中間試薬チャネルを通して、関連付けられた流体チャネルの各中間プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成される。いくつかの例では、流体処理デバイスは、第1の処理ステーションと第2の処理ステーションとの間に配置された5つの中間処理ステーションを含み得る。
【0008】
いくつかの例では、第1、第2、および中間プロセスポンプアセンブリの各々は、プロセスポンプチャンバおよびプロセスポンプチャンバと連通しているプロセスチャンバポートを画定するプロセス固定子と、プロセスポンプチャンバ内に配置され、プロセスプランジャロッドに接続されたプロセスプランジャと、プロセス固定子に結合される、プロセス弁とを含み得る。プロセスプランジャは、プロセスチャンバポートを通してプロセスポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向またはプロセスポンプチャンバからプロセスチャンバポートを通して流体を排出する第2の方向に、プロセスポンプチャンバ内でプロセスプランジャロッドを介して移動可能である。プロセス弁は、プロセスチャンバポートを関連付けられた流体チャネルの上流部分に流体的に接続する第1の位置と、プロセスチャンバポートを関連付けられた流体チャネルの下流部分に流体的に接続する第2の位置との間で移動可能であり、関連付けられた流体チャネルの下流部分は、関連付けられたプロセスチャンバまたは関連付けられたサンプル出力ウェルと流体連通する。いくつかの例では、プロセス弁は、第1の位置と第2の位置との間の回転移動のためにプロセス固定子に対して回転可能に搭載された回転子を含み得る。
【0009】
いくつかの例では、第1および中間試薬ポンプアセンブリの各々は、試薬ポンプチャンバおよび試薬ポンプチャンバと連通している試薬チャンバポートを画定する試薬固定子と、試薬ポンプチャンバ内に配置され、試薬プランジャロッドに接続された試薬プランジャと、試薬固定子に結合される試薬弁とを含み得る。試薬プランジャは、試薬チャンバポートを通して試薬ポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向または試薬ポンプチャンバから試薬チャンバポートを通して流体を排出する第2の方向に、試薬ポンプチャンバ内で試薬プランジャロッドを介して移動可能である。試薬弁は、試薬チャンバポートを関連付けられた試薬入力ウェルに流体的に接続する第1の位置と、試薬チャンバポートを関連付けられたプロセスチャンバに流体的に接続する第2の位置との間で移動可能である。いくつかの例では、試薬弁は、第1の位置と第2の位置との間の回転移動のために試薬固定子に対して回転可能に搭載された回転子を含み得る。
【0010】
いくつかの例では、第1、第2、および中間処理ステーションの各々のプロセスポンプアセンブリは、単一のプロセスプランジャロッドを含み得、各処理ステーションのプロセスポンプアセンブリのプロセスプランジャの全ては、単一のプロセスプランジャロッドの軸方向移動が、それらのそれぞれの第1および第2の方向にそれらのそれぞれのプロセスポンプチャンバ内でプロセスプランジャの同時移動を生じさせるように、単一のプロセスプランジャロッドに取り付けられる。いくつかの例では、第1および中間処理ステーションの各々の試薬ポンプアセンブリは、単一の試薬プランジャロッドを含み得、各処理ステーションの試薬ポンプアセンブリの試薬プランジャの全ては、単一の試薬プランジャロッドの軸方向移動が、それらのそれぞれの第1および第2の方向にそれらのそれぞれの試薬ポンプチャンバ内で試薬プランジャの同時移動を生じさせるように、単一の試薬プランジャロッドに取り付けられる。
【0011】
いくつかの例では、第1、第2、および中間処理ステーションの各々のプロセスポンプアセンブリは、プロセス弁ロッドを含み得、各処理ステーションのプロセスポンプアセンブリのプロセス弁の全ては、プロセス弁ロッドの移動が、それらのそれぞれの第1の位置と第2の位置との間でプロセス弁の同時移動を生じさせるように、プロセス弁ロッドに結合される。いくつかの例では、第1および中間処理ステーションの各々の試薬ポンプアセンブリは、試薬弁ロッドを含み得、各処理ステーションの試薬ポンプアセンブリの試薬弁の全ては、試薬弁ロッドの移動が、それらのそれぞれの第1の位置と第2の位置との間で試薬弁の同時移動を生じさせるように、試薬弁ロッドに結合される。
【0012】
本開示の側面はまた、流体処理デバイスを介して流体を処理すること等によって流体を処理する方法も包含する。本開示のさらなる側面によると、本方法は、同時かつ一斉に流体の複数のサンプルを処理するステップを含み得、複数のサンプルの各々は、流体処理デバイスの2つ以上の流体チャネルのうちの1つの中で別個に処理される。
【0013】
本開示の主題の他の特徴および特性、および動作の方法、構造の関連要素および部分の組み合わせの機能、および製造の経済は、その全てが、同様の参照番号が種々の図内の対応する部分を指定する本明細書の一部を形成する、付随する図面を参照して、以下の説明および添付の請求項の考慮に応じて、より明白となるであろう。
本発明はさらに、例えば、以下を提供する。
(項目1)
流体処理デバイスであって、前記流体処理デバイスは、
2つ以上の流体チャネルと、
少なくとも第1の処理ステーションと
を備え、
前記少なくとも第1の処理ステーションは、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1のプロセスポンプアセンブリと、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1のプロセスチャンバであって、前記第1の処理ステーションの前記第1のプロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、各関連付けられた第1のプロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成されている、第1のプロセスチャンバと、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の試薬ポンプアセンブリと、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の試薬入力ウェルと、
各第1の試薬入力ウェルに関連付けられた第1の試薬チャネルと
を備え、
前記第1の試薬チャネルは、各第1の試薬入力ウェルを前記関連付けられた流体チャネルの前記第1のプロセスチャンバに接続し、前記第1の処理ステーションの前記第1の試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記関連付けられた流体チャネルの各第1の試薬入力ウェルから、前記関連付けられた試薬チャネルを通して、前記関連付けられた流体チャネルの各第1のプロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されている、流体処理デバイス。
(項目2)
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられたサンプル入力ウェルをさらに備え、前記第1の処理ステーションの前記第1のプロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記関連付けられた流体チャネルの各サンプル入力ウェルから、前記関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記関連付けられた流体チャネルの各第1のプロセスチャンバの中に流体サンプルを同時に移動させるように構成されている、項目1に記載の流体処理デバイス。
(項目3)
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられたサンプル出力ウェルと、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第2のプロセスポンプアセンブリを備えている第2の処理ステーションと
をさらに備え、
前記第2の処理ステーションの前記第2のプロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記関連付けられた流体チャネルの各サンプル出力ウェルの中に流体を同時に移動させるように構成されている、項目1または2に記載の流体処理デバイス。
(項目4)
前記第1の処理ステーションと前記第2の処理ステーションとの間に配置された1つ以上の中間処理ステーションをさらに備え、各中間処理ステーションは、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間プロセスポンプアセンブリと、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間プロセスチャンバであって、各中間処理ステーションの前記中間プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記処理ステーションのうちの先行するもののプロセスチャンバから、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記中間処理ステーションの各中間プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成されている、中間プロセスチャンバと、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間試薬ポンプアセンブリと、
前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間試薬入力ウェルと、
各中間試薬入力ウェルに関連付けられた中間試薬チャネルと
を備え、
前記中間試薬チャネルは、各中間試薬入力ウェルを前記関連付けられた流体チャネルの中間プロセスチャンバに接続し、前記中間処理ステーションの前記中間試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記関連付けられた流体チャネルの各中間試薬入力ウェルから、前記関連付けられた中間試薬チャネルを通して、前記関連付けられた流体チャネルの各中間プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されている、項目3に記載の流体処理デバイス。
(項目5)
前記第1の処理ステーションと前記第2の処理ステーションとの間に配置された5つの中間処理ステーションを備えている、項目4に記載の流体処理デバイス。
(項目6)
前記第1、第2、および中間プロセスポンプアセンブリの各々は、
プロセスポンプチャンバおよび前記プロセスポンプチャンバと連通しているプロセスチャンバポートを画定するプロセス固定子と、
前記プロセスポンプチャンバ内に配置され、プロセスプランジャロッドに接続されたプロセスプランジャであって、前記プロセスプランジャは、前記プロセスチャンバポートを通して前記プロセスポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向または前記プロセスポンプチャンバから前記プロセスチャンバポートを通して流体を排出する第2の方向に、前記プロセスポンプチャンバ内で前記プロセスプランジャロッドを介して移動可能である、プロセスプランジャと、
前記プロセス固定子に結合されたプロセス弁と
を備え、
前記プロセス弁は、前記プロセスチャンバポートを前記関連付けられた流体チャネルの上流部分に流体的に接続する第1の位置と、前記プロセスチャンバポートを前記関連付けられた流体チャネルの下流部分に流体的に接続する第2の位置との間で移動可能であり、関連付けられた流体チャネルの前記下流部分は、前記関連付けられたプロセスチャンバまたは前記関連付けられたサンプル出力ウェルと流体連通している、項目5に記載の流体処理デバイス。
(項目7)
前記プロセス弁は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転移動のために前記プロセス固定子に対して回転可能に搭載された回転子を備えている、項目6に記載の流体処理デバイス。
(項目8)
前記第1および中間試薬ポンプアセンブリの各々は、
試薬ポンプチャンバおよび前記試薬ポンプチャンバと連通している試薬チャンバポートを画定する試薬固定子と、
前記試薬ポンプチャンバ内に配置され、試薬プランジャロッドに接続された試薬プランジャであって、前記試薬プランジャは、前記試薬チャンバポートを通して前記試薬ポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向または前記試薬ポンプチャンバから前記試薬チャンバポートを通して流体を排出する第2の方向に、前記試薬ポンプチャンバ内で前記試薬プランジャロッドを介して移動可能である、試薬プランジャと、
前記試薬固定子に結合された試薬弁と
を備え、
前記試薬弁は、前記試薬チャンバポートを前記関連付けられた試薬入力ウェルに流体的に接続する第1の位置と、前記試薬チャンバポートを前記関連付けられたプロセスチャンバに流体的に接続する第2の位置との間で移動可能である、項目5-7のいずれか1項に記載の流体処理デバイス。
(項目9)
前記試薬弁は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転移動のために前記試薬固定子に対して回転可能に搭載された回転子を備えている、項目8に記載の流体処理デバイス。
(項目10)
前記第1、第2、および中間処理ステーションの各々のプロセスポンプアセンブリは、単一のプロセスプランジャロッドを備え、各処理ステーションの前記プロセスポンプアセンブリの前記プロセスプランジャの全ては、前記単一のプロセスプランジャロッドに取り付けられており、それによって、前記単一のプロセスプランジャロッドの軸方向移動が、それらのそれぞれの第1および第2の方向にそれらのそれぞれのプロセスポンプチャンバ内で前記プロセスプランジャの同時移動を生じさせる、項目6または9に記載の処理デバイス。
(項目11)
前記第1および中間処理ステーションの各々の試薬ポンプアセンブリは、単一の試薬プランジャロッドを備え、各処理ステーションの前記試薬ポンプアセンブリの前記試薬プランジャの全ては、前記単一の試薬プランジャロッドに取り付けられており、それによって、前記単一の試薬プランジャロッドの軸方向移動が、それらのそれぞれの第1および第2の方向にそれらのそれぞれの試薬ポンプチャンバ内で前記試薬プランジャの同時移動を生じさせる、項目6-10のいずれか1項に記載の処理デバイス。
(項目12)
前記第1、第2、および中間処理ステーションの各々のプロセスポンプアセンブリは、プロセス弁ロッドを備え、各処理ステーションの前記プロセスポンプアセンブリの前記プロセス弁の全ては、前記プロセス弁ロッドに結合されており、それによって、前記プロセス弁ロッドの移動が、それらのそれぞれの第1の位置と第2の位置との間で前記プロセス弁の同時移動を生じさせる、項目6-11のいずれか1項に記載の処理デバイス。
(項目13)
前記第1および中間処理ステーションの各々の試薬ポンプアセンブリは、試薬弁ロッドを備え、各処理ステーションの前記試薬ポンプアセンブリの前記試薬弁の全ては、前記試薬弁ロッドに結合されており、それによって、前記試薬弁ロッドの移動が、それらのそれぞれの第1の位置と第2の位置との間で前記試薬弁の同時移動を生じさせる、項目6-12のいずれか1項に記載の処理デバイス。
(項目14)
4つの流体チャネルを備えている、項目1-13のいずれか1項に記載の処理デバイス。
(項目15)
流体処理デバイスであって、前記流体処理デバイスは、
2つ以上の流体チャネルの第1の組と2つ以上の流体チャネルの第2の組とを備えている複数の流体チャネルと、
少なくとも初期処理ステーションと
を備え、
前記少なくとも初期処理ステーションは、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の初期プロセスポンプアセンブリ、および前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第2の初期プロセスポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルの各々に関連付けられた初期プロセスチャンバであって、前記初期処理ステーションの前記第1の初期プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第1の組の各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、各関連付けられた初期プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成され、前記第2の初期プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第2の組の各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、各関連付けられた初期プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成されている、初期プロセスチャンバと、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の初期試薬ポンプアセンブリ、および前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第2の初期試薬ポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルの各々に関連付けられた初期試薬入力ウェルと、
各初期試薬入力ウェルに関連付けられた初期試薬チャネルと
を備え、
前記初期試薬チャネルは、前記初期試薬入力ウェルを前記関連付けられた流体チャネルの前記初期プロセスチャンバに接続し、
前記第1の初期試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第1の組の関連付けられた流体チャネルの各初期試薬入力ウェルから、前記関連付けられた初期試薬チャネルを通して、前記第1の組の関連付けられた流体チャネルの各初期プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成され、前記第2の初期試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第2の組の前記関連付けられた流体チャネルの各初期試薬入力ウェルから、前記関連付けられた初期試薬チャネルを通して、前記第2の組の前記関連付けられた流体チャネルの各初期プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されている、流体処理デバイス。
(項目16)
前記複数の流体チャネルの各々に関連付けられたサンプル入力ウェルをさらに備え、前記初期処理ステーションの前記第1の初期プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第1の組の前記関連付けられた流体チャネルの各サンプル入力ウェルから、前記関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記第1の組の前記関連付けられた流体チャネルの各初期プロセスチャンバの中に流体サンプルを同時に移動させるように構成され、前記初期処理ステーションの前記第2の初期プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第2の組の前記関連付けられた流体チャネルの各サンプル入力ウェルから、前記関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記第2の組の前記関連付けられた流体チャネルの各初期プロセスチャンバの中に流体サンプルを同時に移動させるように構成されている、項目15に記載の流体処理デバイス。
(項目17)
前記複数の流体チャネルの各々に関連付けられたサンプル出力ウェルと、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の端末プロセスポンプアセンブリと、前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第2の端末プロセスポンプアセンブリとを備えている端末処理ステーションと
をさらに備え、
前記端末処理ステーションの前記第1の端末プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第1の組の各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記第1の組の前記関連付けられた流体チャネルの各サンプル出力ウェルの中に流体を同時に移動させるように構成され、前記端末処理ステーションの前記第2の端末プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第2の組の各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記第2の組の前記関連付けられた流体チャネルの各サンプル出力ウェルの中に流体を同時に移動させるように構成されている、項目15または16に記載の流体処理デバイス。
(項目18)
前記初期処理ステーションと前記端末処理ステーションとの間に配置された1つ以上の中間処理ステーションをさらに備え、各中間処理ステーションは、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の中間プロセスポンプアセンブリ、および前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第2の中間プロセスポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルの各々に関連付けられた中間プロセスチャンバであって、各中間処理ステーションの前記第1の中間プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記処理ステーションのうちの先行するもののプロセスチャンバから、前記第1の組の各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記第1の組の各関連付けられた中間プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成され、各中間処理ステーションの前記第2の中間プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記先行する処理ステーションのプロセスチャンバから、前記第2の組の各関連付けられた流体チャネルの一部を通して、前記第2の組の各関連付けられた中間プロセスチャンバの中に流体を同時に移動させるように構成されている、中間プロセスチャンバと、
前記第1の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の中間試薬ポンプアセンブリ、および前記第2の組の前記2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第2の中間試薬ポンプアセンブリと、
前記複数の流体チャネルの各々に関連付けられた中間試薬入力ウェルと、
各中間試薬入力ウェルに関連付けられた中間試薬チャネルと
を備え、
前記中間試薬チャネルは、前記中間試薬入力ウェルを前記関連付けられた流体チャネルの前記中間プロセスチャンバに接続し、
前記中間処理ステーションの前記第1の中間試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第1の組の前記関連付けられた流体チャネルの各中間試薬入力ウェルから、前記関連付けられた中間試薬チャネルを通して、前記第1の組の前記関連付けられた流体チャネルの各中間プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成され、前記中間処理ステーションの前記第2の中間試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、前記第2の組の前記関連付けられた流体チャネルの各中間試薬入力ウェルから、前記関連付けられた中間試薬チャネルを通して、前記第2の組の前記関連付けられた流体チャネルの各中間プロセスチャンバの中に試薬を同時に移動させるように構成されている、項目17に記載の流体処理デバイス。
(項目19)
前記初期処理ステーションと前記端末処理ステーションとの間に配置された5つの中間処理ステーションを備えている、項目18に記載の流体処理デバイス。
(項目20)
前記初期、中間、および端末処理ステーションの各々の前記第1および第2のプロセスポンプアセンブリの各々は、
2つ以上のプロセス固定子であって、各プロセス固定子は、第1および第2のプロセスポンプチャンバと、第1および第2のプロセスチャンバポートとを画定し、前記第1および第2のプロセスチャンバポートは、それぞれ、前記第1および第2のプロセスポンプチャンバと流体連通している、プロセス固定子と、
各第1および第2のプロセスポンプチャンバ内に配置されたプロセスプランジャであって、前記第1のプロセスポンプチャンバ内に配置された前記プロセスプランジャは、第1のプロセスプランジャロッドに接続され、前記第2のプロセスポンプチャンバ内に配置された前記プロセスプランジャは、第2のプロセスプランジャロッドに接続され、
前記第1のプロセスポンプチャンバ内に配置された前記プロセスプランジャは、前記関連付けられた第1のプロセスチャンバポートを通して前記第1のプロセスポンプチャンバの中に流体を同時に引き込むための第1の方向または前記関連付けられた第1のプロセスチャンバポートを通して前記第1のプロセスポンプチャンバから流体を同時に排出するための第2の方向に、前記第1のプロセスプランジャロッドを介して移動可能であり、前記第2のプロセスポンプチャンバ内に配置された前記プロセスプランジャは、前記関連付けられた第2のプロセスチャンバポートを通して前記第2のプロセスポンプチャンバの中に流体を同時に引き込むための第1の方向または前記関連付けられた第2のプロセスチャンバポートを通して前記第2のプロセスポンプチャンバから流体を同時に排出するための第2の方向に、前記第2のプロセスプランジャロッドを介して移動可能である、プロセスプランジャと、
各プロセス固定子に結合されたプロセス弁と
を備え、
前記プロセス弁は、前記第1および第2のプロセスチャンバポートを各関連付けられた流体チャネルの上流部分に流体的に接続する第1の位置と、前記第1および第2のプロセスチャンバポートを各関連付けられた流体チャネルの下流部分に流体的に接続する第2の位置との間で移動可能であり、前記関連付けられた流体チャネルの前記下流部分は、前記関連付けられたプロセスチャンバまたは前記関連付けられたサンプル出力ウェルと流体連通している、項目18に記載の流体処理デバイス。
(項目21)
前記プロセス弁は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転移動のために前記プロセス固定子に対して回転可能に搭載された回転子を備えている、項目20に記載の流体処理デバイス。
(項目22)
前記初期および中間処理ステーションの各々の前記第1および第2のプロセスポンプアセンブリの各々は、
2つ以上の試薬固定子であって、各試薬固定子は、第1および第2の試薬ポンプチャンバと、第1および第2の試薬チャンバポートとを画定し、前記第1および第2の試薬チャンバポートは、それぞれ、前記試薬ポンプチャンバと流体連通している、試薬固定子と、
各第1および第2の試薬ポンプチャンバ内に配置された試薬プランジャであって、前記第1の試薬ポンプチャンバ内に配置された前記試薬プランジャは、第1の試薬プランジャロッドに接続され、前記第2の試薬ポンプチャンバ内に配置された前記試薬プランジャは、第2の試薬プランジャロッドに接続され、
前記第1の試薬ポンプチャンバ内に配置された前記試薬プランジャは、前記第1の試薬チャンバポートを通して前記第1の試薬ポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向または前記第1の試薬チャンバポートを通して前記第1の試薬ポンプチャンバから流体を排出する第2の方向に、前記第1の試薬プランジャロッドを介して移動可能であり、前記第2の試薬ポンプチャンバ内に配置された前記試薬プランジャは、前記第2の試薬チャンバポートを通して前記第2の試薬ポンプチャンバの中に流体を引き込む第1の方向または前記第2の試薬チャンバポートを通して前記第2の試薬ポンプチャンバから流体を排出する第2の方向に、前記第2の試薬プランジャロッドを介して移動可能である、試薬プランジャと、
前記試薬固定子に結合された試薬弁と
を備え、
前記試薬弁は、前記第1および第2の試薬チャンバポートを前記関連付けられた第1および第2の試薬入力ウェルに流体的に接続する第1の位置と、前記第1および第2の試薬チャンバポートを前記関連付けられたプロセスチャンバに流体的に接続する第2の位置との間で移動可能である、項目18-21のいずれか1項に記載の流体処理デバイス。
(項目23)
前記試薬弁は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の回転移動のために前記試薬固定子に対して回転可能に搭載された回転子を備えている、項目22に記載の流体処理デバイス。
(項目24)
前記初期、中間、および端末処理ステーションの各々の前記第1および第2のプロセスポンプアセンブリは、プロセス弁ロッドを備え、各処理ステーションの前記プロセスポンプアセンブリの前記プロセス弁の全ては、前記プロセス弁ロッドに結合されており、それによって、前記プロセス弁ロッドの移動が、それらのそれぞれの第1の位置と第2の位置との間で前記プロセス弁の同時移動を生じさせる、項目20-22のいずれか1項に記載の処理デバイス。
(項目25)
前記初期および中間処理ステーションの各々の前記試薬ポンプアセンブリは、試薬弁ロッドを備え、各処理ステーションの前記試薬ポンプアセンブリの前記試薬弁の全ては、前記試薬弁ロッドに結合されており、それによって、前記試薬弁ロッドの移動が、それらのそれぞれの第1の位置と第2の位置との間で前記試薬弁の同時移動を生じさせる、項目20-24のいずれか1項に記載の処理デバイス。
(項目26)
8つの流体チャネルを備えている、項目15-25のいずれか1項に記載の処理デバイス。
(項目27)
流体処理カセットを処理するためのデバイスであって、前記流体処理カセットは、1つ以上のプロセスチャンバを有し、前記1つ以上のプロセスチャンバの内で、サンプル材料が、サンプル混合物を形成するために少なくとも1つの試薬と混合され、前記デバイスは、
流体処理カセットを受け取り、保持するためのカセットトレイと、
1つ以上の磁石であって、各磁石は、前記カセットトレイ内で保持された前記流体処理カセットのプロセスチャンバに関連付けられており、各磁石は、磁場を前記関連付けられたプロセスチャンバ内の前記サンプル混合物に印加する前記関連付けられたプロセスチャンバに対する第1の位置と、前記磁石が前記第1の位置にあるときと比較して前記磁石が第2の位置にあるときに低減した磁場を前記関連付けられたプロセスチャンバ内の前記サンプル混合物に印加するための前記関連付けられたプロセスチャンバに対する第2の位置との間で移動可能である、磁石と、
1つ以上の熱要素と
を備え、
各熱要素は、前記カセットトレイ内に保持された前記流体処理カセットの関連付けられたプロセスチャンバと、前記関連付けられたプロセスチャンバに関連付けられた前記磁石との間に位置付けられ、前記1つ以上の熱要素の各々は、前記関連付けられたプロセスチャンバ内の前記サンプル混合物を選択的に加熱および/または冷却するように制御され、
前記熱要素は、前記磁石が前記第1の位置にあるときと同時に、または異なる時間に、前記関連付けられたプロセスチャンバ内の前記サンプル混合物を加熱または冷却することと、磁場を前記関連付けられたプロセスチャンバ内の前記サンプル混合物に印加することとを行うように構成されている、デバイス。
(項目28)
前記1つ以上の磁石は、前記流体処理カセットの各プロセスチャンバに関連付けられた永久磁石を備え、前記デバイスは、
各永久磁石に結合され、前記永久磁石を前記第2の位置に付勢するように構成されたばねと、
前記永久磁石のうちの1つ以上のものの下方に配置された磁石リフタと
をさらに備え、
前記磁石リフタは、各磁石のばねの付勢に逆らって前記1つ以上の永久磁石を前記磁石の第1の位置まで選択的に持ち上げるように構成されている、項目27に記載のデバイス。
(項目29)
前記磁石リフタに結合された磁石リフタペダルと、
拡張可能な磁石リフトアクチュエータアームを含む磁石リフトアクチュエータと
をさらに備え、
前記磁石リフトアクチュエータアームは、前記磁石リフタペダルに係合し、前記磁石リフタを持ち上げて作動させ、前記永久磁石を持ち上げるように構成されている、項目27に記載のデバイス。
(項目30)
2つ以上の磁石リフタと、関連付けられた磁石リフタペダルとを備え、前記磁石リフトアクチュエータは、前記磁石リフトアクチュエータアームが前記関連付けられた磁石リフタペダルに係合できるように、前記磁石リフタのうちの異なるものに対する動作位置に選択的に移動可能である、項目29に記載のデバイス。
(項目31)
各熱要素は、加熱器回路に取り付けられた抵抗加熱器を備え、各抵抗加熱器の温度は、独立して制御可能である、項目27-30のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目32)
各磁石は、前記磁石がその第1の位置にあるとき、前記関連付けられた熱要素を通してその関連付けられたプロセスチャンバ内の前記サンプル混合物に磁場を印加するように構成されている、項目27-31のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目33)
流体処理カセットを処理する方法であって、前記流体処理カセットは、1つ以上のプロセスチャンバを有し、前記1つ以上のプロセスチャンバ内で、サンプル材料が、サンプル混合物を形成するために少なくとも1つの試薬と混合され、前記方法は、
A.前記関連付けられたプロセスチャンバに近接していない位置から前記関連付けられたプロセスチャンバに近接した位置まで、各プロセスチャンバに関連付けられた磁石を移動させることによって、各プロセスチャンバ内の前記サンプル混合物に磁場を印加することと、
B.1つ以上の熱要素を用いて、各プロセスチャンバ内の前記サンプル混合物を選択的に加熱および/または冷却することであって、各熱要素は、関連付けられたプロセスチャンバと、前記関連付けられたプロセスチャンバに関連付けられた前記磁石との間に位置付けられている、ことと
を含み、
ステップAとステップBとは、各関連付けられたプロセスチャンバにおいて同時に、または異なる時間に生じることができる、方法。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する、付随する図面は、本開示の主題の種々の例を図示する。図面では、同様の参照番号が、同じまたは機能的に類似する要素を示す。
【0015】
図1図1は、流体処理カセットの上部プレートが除去された、本明細書に開示される概念を具現化する流体処理カセットの上平面図である。
【0016】
図2図2は、流体処理カセットの上面斜視図である。
【0017】
図3図3は、流体処理カセットの底面斜視図である。
【0018】
図4図4は、流体処理カセットの上部プレートの底面斜視図である。
【0019】
図5図5は、流体処理カセットの基部プレートの上面斜視図である。
【0020】
図6図6は、流体処理カセットのガスケットの斜視図である。
【0021】
図7図7は、図2の線A-Aに沿った流体処理カセットの部分斜視断面図である。
【0022】
図8図8は、流体処理カセットの固定子アセンブリの分解上面斜視図である。
【0023】
図9図9は、固定子アセンブリの分解底面斜視図である。
【0024】
図10図10は、固定子アセンブリの固定子シールの上面斜視図である。
【0025】
図11図11は、流体処理カセットの回転子構成要素が除去された、ポンプアセンブリの上面斜視図である。
【0026】
図12図12は、図11の線B-Bに沿った、回転子構成要素が除去された、ポンプアセンブリの上面斜視断面図である。
【0027】
図13図13は、流体処理カセットの上側回転子の上面斜視図である。
【0028】
図14図14は、上側回転子の底面斜視図である。
【0029】
図15図15は、流体処理カセットのポンプアセンブリの上面斜視図である。
【0030】
図16図16は、図15の線C-Cに沿ったポンプアセンブリの上面斜視断面図である。
【0031】
図17図17は、流体処理カセットの分解上面斜視図である。
【0032】
図18図18は、基部プレートの底部に形成された流体チャネルおよびポートを含む基部プレートの部分底平面図を示す。
【0033】
図19図19は、基部プレートフィルムが除去され、下側回転子が第1の位置にある、基部プレートの部分底平面図を示す。
【0034】
図20図20は、基部プレートフィルムが除去され、下側回転子が第1の位置にあり、実線の流体経路矢印および鎖線の流体経路矢印によって流体移動を示す基部プレートの部分底平面図を示す。
【0035】
図21図21-24は、底部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの底部固定子および回転子アセンブリの分解底面斜視図である。
図22図21-24は、底部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの底部固定子および回転子アセンブリの分解底面斜視図である。
図23図21-24は、底部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの底部固定子および回転子アセンブリの分解底面斜視図である。
図24図21-24は、底部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの底部固定子および回転子アセンブリの分解底面斜視図である。
【0036】
図25図25は、基部プレートフィルムが除去され、下側回転子が第2の位置にある、基部プレートの部分底平面図を示す。
【0037】
図26図26は、基部プレートフィルムが除去され、下側回転子が第2の位置にあり、実線の流体経路矢印および鎖線の流体経路矢印によって流体移動を示す、基部プレートの部分底平面図を示す。
【0038】
図27図27は、上部プレートの上部の上に形成された流体チャネルおよびポートを含む上部プレートの部分上平面図を示す。
【0039】
図28図28は、上部フィルムが除去され、下側回転子が第1の位置にある、上部プレートの上部の上に形成された流体チャネルおよびポートを含む、上部プレートの部分上平面図を示す。
【0040】
図29図29は、上部フィルムが除去され、上側回転子が第1の位置にあり、実線の流体経路矢印、鎖線の流体経路矢印、および点線の流体経路矢印によって流体移動を示す上部プレートの上部の上に形成された流体チャネルおよびポートを含む上部プレートの部分上平面図を示す。
【0041】
図30図30-33は、上部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの上部固定子および回転子アセンブリの分解上面斜視図である。
図31図30-33は、上部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの上部固定子および回転子アセンブリの分解上面斜視図である。
図32図30-33は、上部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの上部固定子および回転子アセンブリの分解上面斜視図である。
図33図30-33は、上部固定子および回転子アセンブリを通して異なる流体移動経路を示す流体処理カセットの上部固定子および回転子アセンブリの分解上面斜視図である。
【0042】
図34図34は、上部フィルムが除去され、上側回転子が第2の位置にある上部プレートの上部の上に形成された流体チャネルおよびポートを含む、上部プレートの部分上平面図を示す。
【0043】
図35図35は、上部フィルムが除去され、上側回転子が第2の位置にあり、実線の流体経路矢印および鎖線の流体経路矢印によって流体移動を示す上部プレートの上部の上に形成された流体チャネルおよびポートを含む上部プレートの部分上平面図を示す。
【0044】
図36図36は、流体処理カセットを作動させるためのアクチュエータデバイスの上面斜視図である。
【0045】
図37図37は、アクチュエータデバイスの回転子ロッドアクチュエータの斜視図である。
【0046】
図38図38は、アクチュエータデバイスのプランジャロッドアクチュエータの斜視図である。
【0047】
図39図39は、流体処理カセットの内部構成要素を作動させるように流体処理カセットに対して位置付けられたアクチュエータデバイスのレールおよびアクチュエータ構成要素の上面斜視図である。
【0048】
図40図40は、流体処理カセットの2つのそれぞれの処理ステーションにおいて温度制御および磁石制御を実施するように流体処理カセットに対して位置付けられた2つのフレックス回路加熱器およびアクチュエータデバイスの磁石および磁石リフタの2つの組の底面斜視図である。
【0049】
図41図41は、磁石リフトアクチュエータを含むアクチュエータデバイスのレールおよびアクチュエータ構成要素の斜視図である。
【0050】
図42図42は、図7と同様に、図2の線A-Aに沿って流体処理カセットの部分斜視断面図に対して位置付けられるフレックス回路加熱器およびアクチュエータデバイスの磁石および磁石リフタの組の分解上面斜視図である。
【0051】
図43図43は、流体処理カセットの動作の一般的概観を図示する概略図である。
【0052】
図44図44は、流体処理カセット内の種々の処理ステーションの動作を図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本開示の主題の側面は、種々の形態で具現化され得るが、以下の説明および付随する図面は、単に、これらの形態のうちのいくつかを主題の具体的例として開示することを意図しているにすぎない。故に、本開示の主題は、そのように説明および図示される形態または例に限定されることを意図していない。
【0054】
別様に定義されない限り、本明細書で使用される全ての専門用語、表記、および他の技術用語、または用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開出願、および他の出版物は、参照することによって、それらの全体として組み込まれる。本節に記載される定義が、参照することによって本明細書に組み込まれる、特許、出願、公開出願、および他の出版物に記載される定義に反する、または別様に矛盾する場合、本節に記載される定義が、参照することによって本明細書に組み込まれる定義より優先する。
【0055】
別様に示されない、または文脈が別様に示唆しない限り、本明細書で使用されるように、「a」または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上の」を意味する。
【0056】
本説明は、構成要素、装置、場所、特徴、またはその一部の位置および/または配向を説明する際に、相対的空間および/または配向用語を使用し得る。具体的に記述されない、または別様に説明の文脈によって決定付けられない限り、限定ではないが、上部、底部、上方、下方、下、その上に、上側、下側、その左、その右、その前、背後に、隣に、隣接して、間に、水平、垂直、対角、縦、横、半径方向、軸方向等を含む、そのような用語は、図面内のそのような構成要素、装置、場所、特徴、またはその一部を参照する際に便宜上使用され、限定的であることを意図していない。
【0057】
さらに、別様に記述されないかぎり、本説明に述べられる任意の具体的寸法は、単に、本開示の側面を具現化するデバイスの例示的実装を表すにすぎず、限定的であることを意図していない。
【0058】
用語「約」の使用は、明示的に示されるかどうかにかかわらず、本明細書に規定される全ての数値に適用される。本用語は、概して、当業者が、本開示の文脈で、記載される数値への適正な量の逸脱と見なすであろう(すなわち、同等の機能または結果を有する)、数字の範囲を指す。例えば、限定的であることを意図していないが、本用語は、そのような逸脱が値の最終機能または結果を改変しないことを前提として、所与の数値の±10パーセントの逸脱を含むものとして解釈されることができる。したがって、当業者によって理解されるであろうようないくつかの状況下で、約1%の値は、0.9%~1.1%の範囲であると解釈されることができる。
【0059】
本明細書で使用されるように、用語「隣接する」は、近傍にある、または接していることを指す。隣接する物体は、相互から間隔を置かれることができる、または互いに実際に、または直接接触することができる。いくつかの事例では、隣接する物体は、相互に結合されることができる、または互いに一体的に形成されることができる。
【0060】
本明細書で使用されるように、用語「近接する」は、近傍にある、接している、または比較的または機能的に小さい距離または空間によって分離されることを指す。例えば、第2の物体に近接する第1の物体は、第2の物体と接触することができる、または第1の物体から第2の物体までの距離または空間が、2つの物体がそれらのそれぞれの機能を果たす、または本開示によるそれらのそれぞれの特性を呈することを可能にするように、第2の物体の距離内にあり得る。
【0061】
本明細書で使用されるように、用語「実質的に」および「実質的」は、著しい度合いまたは程度を指す。例えば、事象、状況、特性、または性質と併せて使用されるとき、本用語は、事象、状況、特性、または性質が精密に生じる事例、および本明細書に説明される例の典型的許容レベルまたは変動性を考慮すること等の事象、状況、特性、または性質が密接に近似して生じる事例を指し得る。
【0062】
本明細書で使用されるように、用語「随意の」および「随意に」は、続いて説明される構成要素、構造、要素、事象、状況、特性、性質等が含まれる、または生じる場合とそうではない場合があり、説明は、構成要素、構造、要素、事象、状況、特性、性質等が含まれる、または生じる事例と、それが含まれない、または生じない事例とを含むことを意味する。
【0063】
種々の例によると、本明細書に説明されるようなアセンブリおよびデバイスは、1つ以上の要素、例えば、チャネル、分岐チャネル、弁、流動スプリッタ、通気口、ポート、アクセス面積、ビア、ビーズ、試薬含有ビーズ、カバー層、反応構成要素、それらの任意の組み合わせ、および同等物のうちの1つ以上のものを含む、1つ以上の流体処理通路を備え得る流体カートリッジと組み合わせて使用され得る。任意の要素が、別の要素と流体連通し得る。
【0064】
本明細書に説明される、または請求項に記載される、要素および構成要素の全ての可能性として考えられる組み合わせが、検討され、本開示の一部と見なされる。下記にさらに詳細に議論される、前述の概念および追加の概念の全ての組み合わせは、(そのような概念が相互に矛盾しないことを前提として)本明細書に開示される主題の一部であるとして検討されることを理解されたい。特に、本開示の最後に表出する請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であるとして検討される。
【0065】
添付の請求項では、用語「~を含む(including)」は、それぞれの用語「~を備えている(comprising)」の平易な英語の均等物として使用される。用語「~を備えている」および「~を含む」は、本明細書では、記載される要素を含むだけではなく、任意の追加の要素をさらに包含し、非制約であることを意図している。さらに、以下の請求項では、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」等は、単に標識として使用されるにすぎず、それらの目的に数値的要件を課すことを意図していない。
【0066】
用語「流体連通」は、直接流体連通、例えば、2つの領域が、2つの領域を接続する非閉塞流体処理通路を介して互いに流体連通し得ること、または流体連通することが可能であり得る、例えば、2つの領域が、その中に配置された弁を備え得る流体処理通路を介して接続されるときに、互いに流体連通することが可能であり得ることのいずれかを意味し、流体連通は、例えば、溶解可能な弁を溶解させること、破裂可能な弁を破裂させること、または別様に流体処理通路内に配置された弁を開放することによって、弁を作動させることに応じて、2つの領域の間に確立されることができる。
【0067】
効率的に、最小限の人為的エラーまたは機器エラーを伴って、複数の流体サンプルを処理することが可能な流体処理デバイスの必要性が存在する。流体処理は、例えば、流体分析または次世代シークエンシング(NGS)のためのサンプル調製等の流体サンプル調製を含むことができる。NGSサンプル調製は、例えば、高価で時間のかかるプロセス(例えば、1~3日)であり、精巧な研究室設備を要求する。さらに、NGSサンプル調製および他の従来の流体処理技法およびデバイスは、人為的エラー、機器エラーまたは故障、二次汚染、および環境汚染の影響を受け得る。
【0068】
本開示の側面は、同じ処理ステップを介して、別個であるが類似する流体チャネル内で同時に複数の流体サンプルを処理し、それによって、効率を増加させ、不一致を回避し、コストを低減することが可能な新規の流体処理デバイスを包含する。流体処理デバイスは、従来の流体処理技法に関連付けられた複数の別個の高価な機器に取って代わる単回使用消耗品等の消耗品に含まれることができる。例えば、流体処理デバイスは、NGSのためのサンプル調製を自動化することができる。流体処理デバイスは、DNAサンプル、唾液、およびホルマリン固定およびパラフィン包埋された(FFPE)組織の初期サンプル調製(ISP)を含む、種々の流体の流体処理またはサンプル流体調製のために好適である。さらに、環境汚染が、例えば、流体処理デバイスをシールし、流体処理デバイスの流体チャネルと外部処理機器との間の接触を最小化することによって、回避される。二次汚染が、例えば、流体処理デバイスの流体チャネルの間の任意の流体連通を除去することによって、回避される。
【0069】
流体処理デバイスは、3、4、5、6、7、8、9、10、または10を上回る流体チャネル等の2つ以上の流体チャネルを備えていることができる。流体チャネルは、流体チャネルと全ての他の流体チャネルとの間に流体連通が存在せず、二次汚染を回避し、緩衝剤洗浄または廃棄物収集の必要性を排除し得るように、全ての他の流体チャネルと別個であり得る。2つ以上の流体チャネルは、同じまたは類似する体積、形状、長さ、サイズ、または相対的位置付けを伴う構成要素等の同じまたは実質的に類似する構成要素に関連付けられる、またはそれを備えていることができる。2つ以上の流体チャネルは、同じまたは類似する数の構成要素に関連付けられることができ、関連付けられた構成要素は、2つ以上の流体チャネル内で同じまたは類似する順序にあり得る。いくつかの実施形態では、流体処理デバイスの全ての流体チャネルは、各流体チャネル内で同一の順序に配列される、同じ容積の流体経路を伴う対応する構成要素に関連付けられる。
【0070】
流体処理デバイスは、サンプル入力ウェル、チャネル、チャンバ、ポート、または他の流体入力要素等の各流体チャネルに関連付けられたサンプル入力構成要素を備えていることができる。流体処理デバイスは、サンプル出力ウェル、チャネル、チャンバ、ポート、または他の流体出力要素等の各流体チャネルに関連付けられたサンプル出力構成要素を備えていることができる。流体処理デバイス内の流体チャネルは、経路、チャネル、容器、ポート、レセプタクル、チャンバ、ウェル、弁、回転子、または他の流体構成要素等の流体構成要素を備えている、またはそれに関連付けられることができる。
【0071】
流体処理デバイスは、2つ以上の処理ステーションを備えていることができる。処理ステーションは、流体処理デバイスの2つ以上の流体チャネルに関連付けられることができ、各処理ステーションは、関連付けられた流体チャネルのそれぞれの中の流体に少なくとも1つの処理ステップを実施するように構成されることができる。処理ステーションの処理ステップは、関連付けられた流体チャネルのそれぞれの中の流体に同じように、かつ同時に実施されることができる。処理ステップは、流体を移動させるステップ、流体を保持するステップ、1つ以上の試薬を流体に添加するステップ、流体から1つ以上の廃棄物質を除去するステップ、温度制御(例えば、加熱)を流体に実施するステップ、または磁気分離手技等の磁気手技を流体に実施するステップを含むことができる。温度制御は、温度制御が、(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の目的のために)上昇した反応温度または熱サイクリングを制御し得るように、空気流および/または薄膜加熱器によって実施されることができる。磁気制御は、例えば、流体チャネル内の永久磁石と流体との間の距離を変化させることによって、永久磁石を使用して実施されることができる。
【0072】
例えば、流体処理デバイスは、8つの別個の流体チャネルと、8つ全ての流体チャネルとそれぞれ関連付けられる、6つの処理ステーションとを備えていることができる。本流体処理デバイスは、(例えば、各流体チャネルに関連付けられたサンプル入力ウェルを介して)8つの同じサンプル流体のうちの1つを8つの流体チャネルのそれぞれの中に受け取ることができ、6つの処理ステーションの各々は、次に、8つの流体チャネル内のサンプル流体が、全て同時に同一の処理ステップを受けるように、各流体チャネル内のサンプル流体に同じように処理ステップを同時に実施することができる。いったんサンプル流体が、次に、6つ全ての処理ステーションによって処理されると、各処理されたサンプル流体は、(例えば、各流体チャネルに関連付けられたサンプル出力ウェルを介して)流体処理デバイスから除去されることができる。別個の流体チャネルは、二次汚染を回避し、各サンプル流体の同時の同じ処理は、処理されたサンプル流体の間の不一致を回避する。
【0073】
流体処理デバイスは、少なくとも第1の処理ステーションを備えていることができる。第1の処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルのそれぞれの中の流体を処理するように構成されることができる。第1の処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1のプロセスチャンバまたは他の類似構成要素(例えば、セル、容器、チャネル、コンパートメント、またはレセプタクル)を備えていることができる。第1の処理ステーションはさらに、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1のプロセスポンプアセンブリを備えていることができる。第1のプロセスポンプアセンブリは、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して流体を移動させる、または各関連付けられた流体チャネルの一部を通して廃棄物質を移動させる等の1つ以上の処理ステップを各関連付けられた流体チャネル内の流体に実施するように構成されることができる。第1のプロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、処理ステップを各関連付けられた流体チャネル内の流体に同時に実施するように構成されることができる。処理ステップは、例えば、各関連付けられた流体チャネル内の下流の流体を、関連付けられた流体チャネルのサンプル入力ウェル等の第1のプロセスチャンバから上流にある関連付けられた流体チャネルの一部から、関連付けられた流体チャネルの第1のプロセスチャンバの中に移動させるステップであり得る。処理ステップは、例えば、廃棄物を、サンプル入力ウェル、第1の処理ステーションの第1のプロセスチャンバ、または第1の処理ステーションの第1のプロセスポンプアセンブリから下流にある関連付けられた流体チャネルの一部から、サンプル入力ウェル、第1の処理ステーションの第1のプロセスチャンバ、または第1の処理ステーションの第1のプロセスポンプアセンブリの中に上流に移動させるステップであり得る。例えば、サンプル流体内の着目分子は、第1の処理ステーションの第1のプロセスポンプアセンブリが、第1のプロセスチャンバからサンプル入力ウェルの中に上流に、または第1のプロセスポンプアセンブリの中に上流に、廃棄物を移動させている間に、第1の処理ステーションの第1のプロセスチャンバに近接して磁石によって定常して保持された強磁性粒子(例えば、磁気ビーズ)に着目分子(DNA等)を結合すること等によって、定常に保持され得る。これは、流体が洗い流されることを可能にし、したがって、着目分子を残す(ビーズ精製)。最後のステップは、磁気ビーズから分子を洗い落とし、その流体を次の処理ステップ上に送ることである。磁気ビーズは、試薬入力ウェルに添加される流体内にある。
【0074】
第1の処理ステーションはさらに、試薬入力ウェル、チャネル、チャンバ、ポート、または他の試薬入力要素等の2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の試薬入力構成要素を備えていることができる。いくつかの実施形態では、第1の試薬入力構成要素は、第1の試薬入力ウェルであり得る。第1の処理ステーションは、各第1の試薬入力ウェルに関連付けられた第1の試薬チャネルを備えていることができる。第1の試薬チャネルは、流体チャネル、ポート、または弁等の1つ以上の流体通路要素を備えていることができる。流体チャネルに関連付けられた第1の試薬入力ウェルが、関連付けられた第1の試薬チャネルを介して、関連付けられた流体チャネルの第1のプロセスチャンバに接続されることができる。第1の処理ステーションはさらに、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた第1の試薬ポンプアセンブリを備えていることができる。第1の試薬ポンプアセンブリは、例えば、試薬入力ウェルに関連付けられた第1の試薬チャネルを介して、関連付けられた流体チャネルの試薬入力ウェルから関連付けられた流体チャネルの第1のプロセスチャンバまで等、試薬(例えば、磁気ビーズを含む試薬)を移動させる処理ステップを実施するように構成されることができる。第1の試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、各関連付けられた流体チャネル内で試薬を同時に移動させるように構成されることができる。
【0075】
流体処理デバイスは、1つ以上の中間処理ステーションを備えていることができる。中間処理ステーションは、第1の処理ステーションと最終処理ステーションとの間に配置されることができる。中間処理ステーションは、第1の処理ステーションから下流にあるが、最終処理ステーションから上流にある、2つ以上の流体チャネルのそれぞれの一部等の2つ以上の流体チャネルのそれぞれの中で流体を処理するように構成されることができる。中間処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間プロセスチャンバまたは他の類似構成要素(例えば、セル、容器、チャネル、コンパートメント、またはレセプタクル)を備えていることができる。中間処理ステーションはさらに、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間プロセスポンプアセンブリを備えていることができる。中間処理ステーションの中間プロセスポンプアセンブリは、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して流体を移動させる、または各関連付けられた流体チャネルの一部を通して廃棄物質を移動させる等の1つ以上の処理ステップを各関連付けられた流体チャネル内の流体に実施するように構成されることができる。中間プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、処理ステップを各関連付けられた流体チャネル内の流体に同時に実施するように構成されることができる。処理ステップは、例えば、各関連付けられた流体チャネル内の下流の流体を、先行する処理ステーションのプロセスチャンバ、例えば、第1の処理ステーションの第1のプロセスチャンバまたは先行する中間処理ステーションの中間プロセスチャンバ等の中間プロセスチャンバから上流にある関連付けられた流体チャネルの一部から、関連付けられた流体チャネルの中間プロセスチャンバの中に移動させるステップであり得る。プロセスステップは、例えば、廃棄物を、先行する処理ステーション、中間処理ステーションの中間プロセスチャンバ、または中間処理ステーションの中間プロセスポンプアセンブリから下流にある関連付けられた流体チャネルの一部から、先行する処理ステーション(例えば、先行する処理ステーションのプロセスチャンバまたはプロセスポンプアセンブリ)、中間処理ステーションの中間プロセスチャンバ、または中間処理ステーションの中間プロセスポンプアセンブリの中に上流に移動させるステップであり得る。例えば、ビーズ精製プロセスが、中間処理ステーションの中間プロセスポンプアセンブリが廃棄物を中間プロセスチャンバから先行する処理ステーションの中に上流に、または中間プロセスポンプアセンブリの中に上流に移動させている間に、中間処理ステーションの中間プロセスチャンバ内で実施されることができる。
【0076】
各中間処理ステーションはさらに、中間試薬入力ウェル、チャネル、チャンバ、ポート、または他の試薬入力要素等の2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間試薬入力構成要素を備えていることができる。いくつかの実施形態では、中間試薬入力構成要素は、中間試薬入力ウェルであり得る。中間処理ステーションは、各中間試薬入力ウェルに関連付けられた中間試薬チャネルを備えていることができる。中間試薬チャネルは、流体チャネル、ポート、または弁等の1つ以上の流体通路要素を備えていることができる。流体チャネルに関連付けられた中間試薬入力ウェルは、関連付けられた中間試薬チャネルを介して、関連付けられた流体チャネルの中間プロセスチャンバに接続されることができる。中間処理ステーションはさらに、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた中間試薬ポンプアセンブリを備えていることができる。中間試薬ポンプアセンブリは、例えば、中間試薬入力ウェルに関連付けられた中間試薬チャネルを介して、関連付けられた流体チャネルの中間試薬入力ウェルから関連付けられた流体チャネルの中間プロセスチャンバまで等、試薬(例えば、磁気ビーズまたは洗浄緩衝剤を含む試薬)を移動させる処理ステップを実施するように構成されることができる。中間試薬ポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、各関連付けられた流体チャネル内で試薬を同時に移動させるように構成されることができる。
【0077】
流体処理デバイスは、最終処理ステーションを備えていることができる。最終処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルのそれぞれの中の流体を処理するように構成されることができる。最終処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた最終プロセスチャンバまたは他の類似構成要素(例えば、セル、容器、チャネル、コンパートメント、またはレセプタクル)を備えていることができる。最終処理ステーションは、サンプル出力ウェル、チャネル、チャンバ、ポート、または他の流体出力要素等の2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられたサンプル出力構成要素(例えば、サンプル出力ウェル)を備えていることができる。最終処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた最終プロセスポンプアセンブリを備えていることができる。最終プロセスポンプアセンブリは、各関連付けられた流体チャネルの一部を通して流体を移動させる、または各関連付けられた流体チャネルの一部を通して廃棄物質を移動させる等の1つ以上の処理ステップを各関連付けられた流体チャネル内の流体に実施するように構成されることができる。最終プロセスポンプアセンブリは、一斉に動作可能であり、処理ステップを各関連付けられた流体チャネル内の流体に同時に実施するように構成されることができる。処理ステップは、例えば、各関連付けられた流体チャネル内の下流の流体を、先行する処理ステーションのプロセスチャンバ、例えば、第1の処理ステーションの第1のプロセスチャンバまたは先行する中間処理ステーションの中間プロセスチャンバ等のサンプル出力ウェルから上流にある関連付けられた流体チャネルの一部から、関連付けられた流体チャネルのサンプル出力ウェルの中に移動させるステップであり得る。プロセスステップは、例えば、廃棄物を、先行する処理ステーション、最終処理ステーションの最終プロセスチャンバ、または最終処理ステーションの最終プロセスポンプアセンブリから下流にある関連付けられた流体チャネルの一部から、先行する処理ステーション(例えば、先行する処理ステーションのプロセスチャンバまたはプロセスポンプアセンブリ)、最終処理ステーションの最終プロセスチャンバ、または最終処理ステーションの最終プロセスポンプアセンブリの中に上流に移動させるステップであり得る。例えば、ビーズ精製プロセスが、最終処理ステーションの最終プロセスポンプアセンブリが廃棄物を最終プロセスチャンバから先行する処理ステーションの中に上流に、または最終プロセスポンプアセンブリの中に上流に移動させている間に、最終処理ステーションの最終プロセスチャンバ内で実施されることができる。いくつかの実施形態では、最終処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた最終プロセスチャンバまたは類似構成要素を備えない。いくつかの実施形態では、最終処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた最終試薬入力構成要素、最終試薬チャネル、および/または最終試薬ポンプアセンブリを備えない。いくつかの実施形態では、最終処理ステーションは、2つ以上の流体チャネルの各々に関連付けられた最終試薬入力構成要素、最終試薬チャネル、および/または最終試薬ポンプアセンブリを備えていることができる。いくつかの実施形態では、最終試薬関連特徴は、流体機能を実施しない(例えば、最終試薬関連特徴は、雰囲気に通気されない)、および/または構造またはアセンブリ目的を果たす。
【0078】
いくつかの例では、流体処理デバイスは、第1の中間処理ステーションおよび第2の中間処理ステーション等の複数の中間処理ステーションを備えている。いくつかの例では、流体処理デバイスは、3、4、5、6、7、8、9、10、または10個を上回る中間処理ステーションを備えている。複数の中間処理ステーションは、次に、1つ以上の処理ステップを実施することができる。例えば、第1の処理ステーションは、第1のプロセスポンプアセンブリを介して、サンプル入力ウェルから第1の処理ステーションの第1のプロセスチャンバまで流体サンプルを移動させ、第1の試薬ポンプアセンブリを介して、試薬を第1のプロセスチャンバの中に移動させることによって、2つ以上の関連付けられた流体チャネルのそれぞれの中の流体サンプルに処理ステップを実施することができ、次いで、第1の中間処理ステーションは、第1の中間プロセスポンプアセンブリを介して、流体サンプルを第1の中間処理ステーションの第1の中間プロセスチャンバに移動させ、第1の中間試薬ポンプアセンブリを介して、試薬を第1の中間プロセスチャンバの中に移動させることによって、2つ以上の関連付けられた流体チャネルのそれぞれの中の流体サンプルに処理ステップを実施することができ、次いで、第2の中間処理ステーションは、第2の中間プロセスポンプアセンブリを介して、流体サンプルを第2の中間処理ステーションの第2の中間プロセスチャンバに移動させ、第2の中間試薬ポンプアセンブリを介して、試薬を第2の中間プロセスチャンバの中に移動させることによって、2つ以上の関連付けられた流体チャネルのそれぞれの中の流体サンプルに処理ステップを実施することができ、次いで、最終処理ステーションは、流体サンプルをサンプル出力ウェルに移動させることによって、2つ以上の関連付けられた流体チャネルのそれぞれの中の流体サンプルに処理ステップを実施することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、第1のプロセスポンプアセンブリ、中間プロセスポンプアセンブリ、および/または最終プロセスポンプアセンブリは、往復ポンプ、例えば、プランジャポンプ等の少なくとも1つの容積型ポンプを備えている。例えば、これらのプロセスポンプアセンブリの各々は、少なくとも1つのプロセスポンプチャンバを画定し、少なくとも1つのプロセスポンプチャンバと流体連通する少なくとも1つのプロセスチャンバポートを画定するプロセス固定子を備えていることができる。いくつかの実施形態では、単一の固定子は、2つ以上のプロセスポンプアセンブリの構成要素を備えていることができる。例えば、単一のプロセス固定子は、2つ以上のプロセスチャンバポートの各々が、プロセスポンプチャンバのうちの1つと流体連通し、各プロセスポンプチャンバおよび関連付けられたプロセスチャンバポートが、2つ以上のプロセスポンプアセンブリのうちの1つの構成要素であるように、2つ以上のプロセスポンプチャンバおよび2つ以上のプロセスチャンバポートを画定することができる。1つ以上のプロセスプランジャは、プロセスポンプチャンバ内に配置されることができ、プロセスポンプチャンバ内で移動可能であり得る。プロセスプランジャは、プロセスプランジャロッドに接続されることができ、プロセスプランジャロッドを介して(例えば、軸方向に)移動可能であり得る。例えば、第1の方向へのプロセスポンプチャンバ内のプロセスプランジャの移動は、プロセスポンプチャンバと流体接続するプロセスチャンバポートを通して、プロセスポンプチャンバの中に流体を引き込むことができ、第2の方向へのプロセスポンプチャンバ内のプロセスプランジャの移動は、プロセスチャンバポートを通してプロセスポンプチャンバから流体を排出することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、処理ステーションの2つ以上のプロセスポンプアセンブリ(例えば、第1の処理ステーションの2つ以上の第1のプロセスポンプアセンブリ、中間処理ステーションの2つ以上の中間プロセスポンプアセンブリ、または最終処理ステーションの2つ以上の最終ポンプアセンブリ)は、単一のプロセスプランジャロッドを備え、2つ以上のプロセスポンプアセンブリのそれぞれのプロセスポンプチャンバ内に配置されたプロセスプランジャは、単一のプロセスプランジャロッドの軸方向移動が、それらのそれぞれの第1および第2の方向にそれらのそれぞれのプロセスポンプチャンバ内でプロセスプランジャの同時移動を生じさせるように、単一のプロセスプランジャロッドに取り付けられる。そのような実施形態は、プロセスポンプチャンバの中に、またはプロセスポンプチャンバから外に流体を移動させるステップ等の同一の処理ステップを2つ以上のプロセスポンプアセンブリに関連付けられた流体チャネル内の流体に同時に実施することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1のプロセスポンプアセンブリ、中間プロセスポンプアセンブリ、および/または最終プロセスポンプアセンブリは、少なくとも1つのプロセス弁を備えている。例えば、プロセス弁は、プロセスポンプアセンブリを関連付けられた流体チャネルの上流部分に流体的に接続する第1の位置と、プロセスポンプアセンブリを関連付けられた流体チャネルの下流部分に流体的に接続する第2の位置との間で移動可能であり得る。プロセス弁はまた、流体が、プロセスポンプアセンブリの関連付けられたプロセスチャンバまたは流体構成要素(例えば、チャンバ、チャネル、またはポート)等の構成要素内に保持される、またはそこに進入すること、またはそこから退出することを阻止されるように、閉鎖されるか、または、閉鎖位置まで移動可能であり得る。プロセス弁は、プロセス弁ロッドに動作可能に結合されることができ、プロセス弁ロッドを介して、例えば、第1の位置と第2の位置との間で移動可能(例えば、回転可能)であり得る。いくつかの実施形態では、プロセス弁は、第1の位置および第2の位置が、プロセス固定子によって画定されるプロセスチャンバポートを、それぞれ、関連付けられた流体チャネルの上流部分および下流部分に流体的に接続するように、プロセスポンプアセンブリのプロセス固定子に結合される。いくつかの実施形態では、プロセス弁は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である、複数の回転子ポートおよび/または回転子流体経路を伴う回転子等の回転子を備えている。例えば、プロセス弁は、第1の位置と第2の位置との間の回転移動のためにプロセス固定子に対して回転可能に搭載された回転子を備えていることができ、プロセス弁ロッドは、プロセス回転子ロッドであり得る。いくつかの実施形態では、単一のプロセス弁は、2つ以上のプロセスポンプアセンブリの構成要素であり、第1のプロセスポンプアセンブリの第1のプロセスポンプをその関連付けられた流体チャネルの上流部分に、第1のプロセスポンプアセンブリの第1のプロセスポンプをその関連付けられた流体チャネルの下流部分に、第2の別個のプロセスポンプアセンブリの第2のプロセスポンプをその関連付けられた流体チャネルの上流部分に、および/または第2の別個のプロセスポンプアセンブリの第2のプロセスポンプをその関連付けられた流体チャネルの下流部分に流体的に接続するために、2つ以上の位置の間で移動させられることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、処理ステーションの2つ以上のプロセスポンプアセンブリ(例えば、第1の処理ステーションの2つ以上の第1のプロセスポンプアセンブリ、中間処理ステーションの2つ以上の中間プロセスポンプアセンブリ、または最終処理ステーションの2つ以上の最終ポンプアセンブリ)は、単一のプロセス弁ロッドを備え、2つ以上のプロセスポンプアセンブリのそれぞれのプロセス弁は、単一のプロセス弁ロッドの移動が、それらの第1の位置と第2の位置との間でプロセス弁の同時移動を生じさせるように、単一のプロセス弁ロッドに結合される。そのような実施形態は、プロセスポンプアセンブリから上流または下流に流体移動を指向するステップ、または流体がプロセスポンプアセンブリの関連付けられたプロセスチャンバまたは流体構成要素に進入すること、またはそこから退出することを阻止するステップ等の同一の処理ステップを2つ以上のプロセスポンプアセンブリに関連付けられた流体チャネル内の流体に同時に実施することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1の試薬ポンプアセンブリおよび/または中間試薬ポンプアセンブリは、往復ポンプ、例えば、プランジャポンプ等の少なくとも1つの容積型ポンプを備えている。例えば、これらの試薬ポンプアセンブリの各々は、少なくとも1つの試薬ポンプチャンバを画定し、少なくとも1つの試薬ポンプチャンバと流体連通する少なくとも1つの試薬チャンバポートを画定する試薬固定子を備えていることができる。いくつかの実施形態では、単一の固定子は、2つ以上の試薬ポンプアセンブリの構成要素を備えていることができる。例えば、単一の試薬固定子は、2つ以上の試薬チャンバポートの各々が、試薬ポンプチャンバのうちの1つと流体連通し、各試薬ポンプチャンバおよび関連付けられる試薬チャンバポートが、2つ以上の試薬ポンプアセンブリのうちの1つの構成要素であるように、2つ以上の試薬ポンプチャンバおよび2つ以上の試薬チャンバポートを画定することができる。1つ以上の試薬プランジャは、試薬ポンプチャンバ内に配置されることができ、試薬ポンプチャンバ内で移動可能であり得る。試薬プランジャは、試薬プランジャロッドに接続されることができ、試薬プランジャロッドを介して(例えば、軸方向に)移動可能であり得る。例えば、第1の方向への試薬ポンプチャンバ内の試薬プランジャの移動は、試薬ポンプチャンバと流体接続する試薬チャンバポートを通して、試薬ポンプチャンバの中に流体を引き込むことができ、第2の方向への試薬ポンプチャンバ内の試薬プランジャの移動は、試薬チャンバポートを通して試薬ポンプチャンバから流体を排出することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、処理ステーションの2つ以上の試薬ポンプアセンブリ(例えば、第1の処理ステーションの2つ以上の第1の試薬ポンプアセンブリ、または中間処理ステーションの2つ以上の中間試薬ポンプアセンブリ)は、単一の試薬プランジャロッドを備え、2つ以上の試薬ポンプアセンブリのそれぞれの試薬ポンプチャンバ内に配置された試薬プランジャは、単一の試薬プランジャロッドの軸方向移動が、それらのそれぞれの第1および第2の方向にそれらのそれぞれの試薬ポンプチャンバ内で試薬プランジャの同時移動を生じさせるように、単一の試薬プランジャロッドに取り付けられる。そのような実施形態は、試薬入力ウェルから試薬ポンプチャンバの中に試薬を移動させるステップ、または試薬ポンプチャンバからプロセスチャンバの中に試薬を移動させるステップ等の同一の処理ステップを2つ以上の試薬ポンプアセンブリに関連付けられた流体チャネル内の流体に同時に実施することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の試薬ポンプアセンブリおよび/または中間試薬ポンプアセンブリは、少なくとも1つの試薬弁を備えている。例えば、試薬弁は、試薬ポンプアセンブリを関連付けられた試薬入力ウェルに流体的に接続する第1の位置と、試薬ポンプアセンブリを関連付けられたプロセスチャンバに流体的に接続する第2の位置との間で移動可能であり得る。試薬弁はまた、試薬が、試薬ポンプアセンブリの関連付けられた試薬入力ウェル、関連付けられたプロセスチャンバまたは流体構成要素(例えば、チャンバ、チャネル、またはポート)等の構成要素内に保持されるか、または、そこに進入すること、またはそこから退出することを阻止されるように、閉鎖される、または閉鎖位置まで移動可能であり得る。試薬弁は、試薬弁ロッドに動作可能に結合されることができ、試薬弁ロッドを介して、例えば、第1の位置と第2の位置との間で移動可能(例えば、回転可能)であり得る。いくつかの実施形態では、試薬弁は、第1の位置が、試薬固定子によって画定される試薬チャンバポートを関連付けられた試薬入力ウェルに流体的に接続し、第2の位置が、試薬チャンバポートを関連付けられたプロセスチャンバに流体的に接続するように、試薬ポンプアセンブリの試薬固定子に結合される。いくつかの実施形態では、試薬弁は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である、複数の回転子ポートおよび/または回転子流体経路を伴う回転子等の回転子を備えている。例えば、試薬弁は、第1の位置と第2の位置との間の回転移動のために試薬固定子に対して回転可能に搭載された回転子を備えていることができ、試薬弁ロッドは、試薬回転子ロッドであり得る。いくつかの実施形態では、単一の試薬弁は、2つ以上の試薬ポンプアセンブリの構成要素であり、第1の試薬ポンプアセンブリの第1の試薬ポンプをその関連付けられた流体チャネルの試薬入力ウェルに、第1の試薬ポンプアセンブリの第1の試薬ポンプをその関連付けられた流体チャネルのプロセスチャンバに、第2の別個の試薬ポンプアセンブリの第2の試薬ポンプをその関連付けられた流体チャネルの試薬入力ウェルに、および/または第2の別個の試薬ポンプアセンブリの第2の試薬ポンプをその関連付けられた流体チャネルのプロセスチャンバに流体的に接続するために、2つ以上の位置の間で移動させられることができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、処理ステーションの2つ以上の試薬ポンプアセンブリ(例えば、第1の処理ステーションの2つ以上の第1の試薬ポンプアセンブリ、または中間処理ステーションの2つ以上の中間試薬ポンプアセンブリ)は、単一の試薬弁ロッドを備え、2つ以上の試薬ポンプアセンブリのそれぞれの試薬弁は、単一の試薬弁ロッドの移動が、それらの第1の位置と第2の位置との間で試薬弁の同時移動を生じさせるように、単一の試薬弁ロッドに結合される。そのような実施形態は、試薬入力ウェルからの試薬移動を指向または阻止するステップ、または関連付けられたプロセスチャンバに指向するステップ等の同一の処理ステップを2つ以上の試薬ポンプアセンブリに関連付けられた流体チャネル内の流体に同時に実施することができる。
【0087】
いくつかの例では、1つ以上のプロセスポンプチャンバおよび/または試薬ポンプチャンバは、プランジャロッドシールを用いてシールされることができる。プランジャロッドシールは、ポンプチャンバ内に配置される1つ以上のプランジャロッドおよび/または1つ以上のプランジャと組み合わせて動作し、ポンプチャンバにシールを形成することができる。プランジャロッドシールは、ポンプチャンバ内のシールを破ること、またはシール解除することなく、または流体または空気がシールされたポンプから逃散することを可能にすることなく、1つ以上のプランジャロッドが、プランジャロッドシールを通して延び、それを通して移動することを可能にすることができる。
【0088】
いくつかの例では、プロセス固定子または試薬固定子等の固定子が、溶接、接着剤、またはエラストマシール等によって、1つ以上の固定子シールに結合されることができる。例えば、プロセス固定子および試薬固定子は、共有固定子シールに接続されることができる。固定子シールは、固定子シールの表面の中に形成される流体経路等の流体経路を備えていることができ、そのような固定子シール流体経路は、固定子シールが結合される固定子の流体ポートまたはチャネルとの流体連通を接続または形成することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、処理ステーション(例えば、第1の処理ステーション、中間処理ステーション、または最終処理ステーション)の2つ以上のプロセスチャンバは、互いに流体連通する。例えば、処理ステーションの2つ以上のプロセスチャンバは、2つ以上の流体チャネルからのプロセス流体が、単一のプールされたプロセスチャンバの中に受容され得、2つ以上の流体チャネルに関連付けられる処理ステーションのプロセスポンプアセンブリの各々が、単一のプールされたプロセスチャンバから上流にある関連付けられた流体チャネルの部分から単一のプールされたプロセスチャンバの中にプロセス流体を移動させ得るように、2つ以上の流体チャネルに関連付けられる単一のプールされたプロセスチャンバを形成するために組み合わせられることができる。いくつかの例では、最終処理ステーションは、1つ以上のプールされたプロセスチャンバを備え、1つ以上のプールされたプロセスチャンバの各々は、プールされた出力ウェルに関連付けられる。
【0090】
いくつかの実施形態では、回転子弁、固定子、または固定子シール等の構成要素は、処理ステーションの2つ以上のポンプアセンブリの構成要素である。例えば、処理ステーションの2つ以上のポンプアセンブリは、単一の回転子弁または単一の固定子を備えていることができる。例えば、単一の回転子弁は、2つの別個の流体チャネル内でプロセス流体または試薬を指向することができ、単一の固定子は、2つの別個の流体チャネル毎にプロセスポンプチャンバおよび/または試薬ポンプチャンバを画定することができる。回転子弁、固定子、または固定子シール等の単一の構成要素が、2つ以上のポンプアセンブリの構成要素である、いくつかの実施形態では、2つ以上のポンプアセンブリのうちの1つ以上のものは、2つ以上のポンプアセンブリのうちの残りのものを作動させることなく、作動されることができる。例えば、単一の固定子が、第1の流体チャネルの第1のポンプアセンブリのプロセスポンプチャンバおよび/または試薬ポンプチャンバを画定し、第2の別個の流体チャネルの第2のポンプアセンブリのプロセスポンプチャンバおよび/または試薬ポンプチャンバを画定する場合、第1の流体チャネルの第1のポンプアセンブリは、第2の別個の流体チャネルの第2のポンプアセンブリを作動させることなく、作動されることができ、逆も同様である。
【0091】
いくつかの実施形態では、1つ以上の中間サンプル出力ウェルは、流体チャネルに関連付けられることができる。中間サンプル出力ウェルが、例えば、関連付けられた流体チャネルの2つの処理ステーションの間に、またはポンプアセンブリに関連付けられた流体チャネルのプロセスチャンバとの間に配置されることができる。中間サンプル出力ウェルは、流体処理デバイスの処理ステーションにおけるサンプルプロセス流体への試薬の添加の前または後に、ある体積のサンプルプロセス流体が、流体処理デバイスの2つ以上の流体チャネルのそれぞれから回収されることを可能にするように構成されることができる。サンプル流体は、流体処理デバイスの外側で実施される、品質制御試験、アーカイビング、または他の流体分析の目的のために、中間サンプル出力ウェルから回収されることができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、流体処理デバイスは、消耗カセットを備えている。カセットは、上部プレートおよび基部プレート内にカプセル化またはシールされる、流体構成要素を備えていることができる。カセットは、カセットの内側にカプセル化またはシールされる以下の構成要素、すなわち、全ての流体構成要素、またはサンプル入力構成要素、試薬入力構成要素、および/またはサンプル出力構成要素を除く全ての流体構成要素、または全ての処理ステーション、または全てのポンプアセンブリを含有することができる。カセット幅は、約200mm、150mm、125mm、100mm、90mm、80mm、70mm、または60mm未満であり得る。カセット長さは、約400mm、350mm、325mm、300mm、275mm、250mm、225mm、210mm、200mm、190mm、180mm、または170mm未満であり得る。一例では、カセットは、8つの流体チャネルと、7つの処理ステーションとを含み、幅90mm、長さ210mmとなる。いくつかの例では、カセットの構成要素は、サイズおよび死容積を減少させるようにスタックされる。
【0093】
いくつかの実施形態では、流体処理デバイスは、液体ハンドラの内側に嵌合するように計または定寸されることができる。液体ハンドラは、サンプル流体をデバイスのサンプル入力ウェルの中に堆積させること等によって、サンプル流体を流体処理デバイスに移送することができる。液体ハンドラは、デバイスのサンプル出力ウェルまたはデバイスの中間サンプル出力ウェルから処理されたサンプル流体を回収すること等によって、流体処理デバイスから処理されたサンプル流体を除去することができる。液体ハンドラは、試薬を流体処理デバイスの試薬入力ウェルの中に堆積させること等によって、試薬を流体処理デバイスに移送することができる。流体処理デバイスは、標準マイクロタイタープレート間隔(例えば、9mm)に位置付けられるチャンバ等の液体ハンドラから流体を受け取る、またはそれによって回収された流体を有するように定寸および間隔を置かれたサンプル入力チャンバまたはウェルと、試薬入力チャンバまたはウェルと、中間サンプル出力チャンバまたはウェルと、サンプル出力チャンバまたはウェルとを備えていることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、流体処理デバイスの構成要素は、単純な処理(例えば、レーザ切断、水ジェット切断、ヒートシーリング、または潤滑)、プラスチック成型(例えば、射出成型、ブロー成型、または圧縮成型)、溶接(例えば、超音波溶接)、接着剤、またはスナップ継手を利用すること、または前述のうちの2つ以上のもののある組み合わせによって、製造される、および/または組み立てられることができる。流体処理デバイスの構成要素は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、OPP(ポリプロピレン)フィルム、熱可塑性ウレタン、熱可塑性エラストマ、ナイロン、またはポリシロキサン等のプラスチックから成ることができる。流体処理デバイスは、いくつかの構成要素、例えば、固定子、プランジャ、プランジャロッド、回転子弁ロッド、回転子弁、固定子シール、プランジャロッドシール、およびガスケットの複製を備えている。
【0095】
本開示の側面は、流体処理デバイスのポンプおよび/または弁をアクティブ化および制御するように構成される、アクチュエータデバイスを包含する。いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、1つ以上の弁ロッドまたは回転子ロッドを作動させること等によって、流体処理デバイスの弁を作動させる、1つ以上の弁アクチュエータ(例えば、回転子アクチュエータ)を備えている。例えば、アクチュエータデバイスは、1つ以上のプロセス弁または1つ以上のプロセス弁ロッドを作動させるための1つ以上のプロセス弁アクチュエータを備えていることができる。例えば、アクチュエータデバイスは、1つ以上の試薬弁または1つ以上の試薬弁ロッドを作動させるための1つ以上の試薬弁アクチュエータを備えていることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、一度に1つの処理ステーションの弁または弁ロッドを作動させるためのいくつかの弁アクチュエータを備え、作動デバイスは、例えば、流体処理デバイスの処理ステーションの間で弁アクチュエータを移動させるための1つ以上の弁線形アクチュエータを備えていることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、1つ以上のプランジャロッドを作動させること等によって、流体処理デバイスのポンプを作動させる、1つ以上のポンプアクチュエータ(例えば、プランジャアクチュエータ)を備えている。例えば、アクチュエータデバイスは、1つ以上のプロセスポンプまたは1つ以上のプロセスプランジャロッドを作動させるための1つ以上のプロセスポンプアクチュエータを備えていることができる。例えば、アクチュエータデバイスは、1つ以上の試薬ポンプまたは1つ以上の試薬プランジャロッドを作動させるための1つ以上の試薬ポンプアクチュエータを備えていることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、一度に1つの処理ステーションのポンプまたはポンプロッドを作動させるためのいくつかのポンプアクチュエータを備え、作動デバイスは、例えば、流体処理デバイスの処理ステーションの間でポンプアクチュエータを移動させるための1つ以上のポンプ線形アクチュエータを備えていることができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、流体処理デバイスのプロセスチャンバの温度を制御することができる。例えば、アクチュエータデバイスは、各プロセスチャンバの下方に位置付けられるように構成された加熱器または熱要素を備えていることができる。アクチュエータデバイスは、例えば、アクチュエータデバイスが、所与の処理ステーション内の全てのプロセスチャンバの温度を選択的に制御し得るように、個別にプロセスチャンバを加熱するように構成される薄いフレックス回路加熱器を備えていることができる。アクチュエータデバイスはさらに、冷却のための1つ以上のファンまたはブロワを備えていることができる。プロセスチャンバの温度制御は、(例えば、PCR目的のための)熱サイクリングを含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、流体処理デバイスのプロセスチャンバ内の磁場を制御することができる。例えば、アクチュエータデバイスは、磁場をプロセスチャンバの内容物に印加する、プロセスチャンバに近接する第1の位置、および磁場をプロセスチャンバの内容物に印加しない、プロセスチャンバに近接しない、またはあまり近接しない第2の位置等のプロセスチャンバから異なる距離に移動させられ得る1つ以上の永久磁石を備えていることができる。いくつかの例では、アクチュエータデバイスは、1つ以上の磁石を1つ以上のプロセスチャンバの底部まで持ち上げること等によって、1つ以上の磁石を1つ以上のプロセスチャンバの近接近内に移動させるように構成されている、磁石リフタを備えている。アクチュエータデバイスは、流体処理デバイスの処理ステーション内のプロセスチャンバの数に等しい、いくつかの磁石を備えていることができ、アクチュエータデバイスは、アクチュエータデバイスが一度に所与の処理ステーション内の全てのプロセスチャンバの磁場を選択的に制御し得るように、処理ステーションの間で磁石および磁石リフタを移動させるための磁石線形アクチュエータを備えていることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、別個に、または同時に、流体処理デバイスのプロセスチャンバ内の温度および磁場の両方を制御することができる。例えば、アクチュエータデバイスは、1つ以上のプロセスチャンバを加熱または冷却し、異なる時間に、または同時に、磁気制御を1つ以上のプロセスチャンバに適用することができる。いくつかの例では、アクチュエータデバイスは、(1)薄いフレキシブル回路加熱器がプロセスチャンバに近接して配置される、流体処理デバイス内の処理ステーションのプロセスチャンバを加熱するように構成される、薄いフレキシブル回路加熱器と、(2)1つ以上の磁石の1つ以上の磁場がプロセスチャンバの内容物に印加される、プロセスチャンバに近接する第1の位置と、1つ以上の磁石の1つ以上の磁場がプロセスチャンバの内容物に印加されない(またはあまり印加されない)、プロセスチャンバに近接しない第2の位置との間で、1つ以上の磁石を移動させるように構成されている、磁石リフタに結合される、1つ以上の磁石とを備えている。いくつかの例では、薄いフレキシブル回路加熱器は、1つ以上の磁石がプロセスチャンバに近接する第1の位置にあるときに、プロセスチャンバと1つ以上の磁石との間に配置され、1つ以上の磁石は、1つ以上の磁石が第1の位置にあるときに、プロセスチャンバの表面または壁に対して薄いフレキシブル回路加熱器を押圧することができる。例えば、温度制御は、1つ以上の磁石が第1の位置または第2の位置にあるときに、薄いフレキシブル回路加熱器を介してプロセスチャンバ内で実施されることができ、磁気制御は、1つ以上の磁石が第1の位置にあるときに、1つ以上の磁石を介してプロセスチャンバ内で実施されることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータデバイスは、DNA精製プロトコルに従って、プロセスチャンバ内で熱および/または磁気制御を実施するように構成される。
【0099】
図1は、ある実施形態による、例示的流体処理デバイスである、(上部プレート10(図2に示される)が除去され、示されていない)流体処理カセット5の基部プレート30の上面図である。図1に示されるように、カセット5は、カセット5の合計8つの入力ウェルの例示である入力ウェル34と、カセット5の合計8つの出力ウェルの例示である出力ウェル36とを備えている。カセット5は、8つの別個の流体チャネルを備え、いずれの流体チャネルも別の流体チャネルと流体連通しない。8つの入力ウェル34の各々は、異なる流体チャネルに関連付けられ、8つの出力ウェル36の各々は、異なる流体チャネルに関連付けられる。入力ウェル34および関連付けられた出力ウェル36は、同一の流体チャネルに関連付けられ、他の入力ウェルおよび出力ウェルは、基部プレート30の近位および遠位端におけるそれらの位置付けに基づいて、対で同様に関連付けられる。
【0100】
図1に示されるように、カセット5は、第1の処理ステーション500と、最終処理ステーション560と、第1の処理ステーション500と最終処理ステーション560との間に位置付けられる、第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、および550とを備えている。カセット5は、基部プレート30および上部プレート10(図2参照)内に処理ステーションをカプセル化およびシールし、シールされた消耗デバイスを形成する。第1の処理ステーション500は、第1のポンプアセンブリカラム501と、第2のポンプアセンブリカラム502と、第3のポンプアセンブリカラム503と、第4のポンプアセンブリカラム504とを備え、これらのポンプアセンブリカラムの各々は、一斉に動作可能であり、第1の処理ステーション500における8つ全ての流体チャネル内の流体に実質的に類似する処理ステップを同時に実施するように構成される。第1の中間処理ステーション510は、第1の中間ポンプアセンブリカラム511と、第2の中間ポンプアセンブリカラム512と、第3の中間ポンプアセンブリカラム513と、第4の中間ポンプアセンブリカラム514とを備え、これらのポンプアセンブリカラムの各々は、一斉に動作可能であり、第1の中間処理ステーション510における8つ全ての流体チャネル内の流体に実質的に類似する処理ステップを同時に実施するように構成される。各中間処理ステーション520、530、540、および550は、同様に、第1、第2、第3、および第4の中間ポンプアセンブリカラムを含む。最終処理ステーション560は、第1の最終ポンプアセンブリカラム561と、第2の最終ポンプアセンブリカラム562と、第3の最終ポンプアセンブリカラム563と、第4の最終ポンプアセンブリカラム564とを備え、これらのポンプアセンブリカラムの各々は、一斉に動作可能であり、最終処理ステーション560における8つ全ての流体チャネル内の流体に実質的に類似する処理ステップを同時に実施するように構成される。
【0101】
第1の処理ステーション500および第1の中間処理ステーション510の各ポンプアセンブリカラムは、カセット5の8つの流体チャネルが、これらの処理ステーションのそれぞれにおいて別個に処理されるように、2つの別個の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリおよび試薬ポンプアセンブリを備えている。最終処理ステーション560の各ポンプアセンブリカラムは、カセット5の8つの流体チャネルが、本処理ステーション内で別個に処理されるように、2つの別個の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリを備えている。最終処理ステーション560のポンプアセンブリカラムは、機能的試薬ポンプアセンブリを含まないこともある。
【0102】
図2は、カセット5の上面斜視図を示す。図2に示されるように、カセット5は、内部流体処理構成要素(図示せず)が、入力ウェルと出力ウェルとの間に配置され、基部プレート30および上部プレート10内にカプセル化される、一方の端部上の入力ウェル(例えば、入力ウェル34)および反対端上の出力ウェル(例えば、出力ウェル36)を伴うシールされたデバイスを備えている。上部プレート10の上部分が、上部フィルム12によってシールされる。複数の試薬入力ウェル14が、上部プレート10の上部に形成され、特定の流体チャネルのための特定の処理ステーションにおいて、ある体積の試薬または他のプロセス流体を受け取るように構成される。試薬入力ウェル14は、上部プレート10に形成される合計48個の試薬入力ウェルの例示であり、そのうちの8つは、6つの処理ステーション、すなわち、第1の処理ステーション500、および第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、および550(図1参照)のそれぞれにおける流体チャネルに関連付けられる(流体チャネルあたり1つの試薬入力ウェル)。
【0103】
上部プレート10に同様に形成される他の上部プレートポンプ制御ポートの例示である上部プレート10に形成される上部プレートポンプ制御ポート212は、試薬プランジャロッドアクチュエータ220(下記に説明される、図36、38、39参照)が、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202(図11参照)を介して内部流体構成要素を作動させることを可能にするように構成される。基部プレート30に形成される他の基部プレートポンプ制御ポートの例示である基部プレート30に形成される基部プレートポンプ制御ポート214は、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222(下記に説明される、図36、38、39参照)が、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206(図11参照)を介して内部流体構成要素を作動させることを可能にするように構成される。試薬プランジャロッドアクチュエータ220が、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202に結合される場合、上部プレートポンプ制御ポート212から外への試薬プランジャロッドアクチュエータ220の後退は、第1および第2の試薬プランジャロッドヨーク201、203(図11参照)の各々が、上部プレートポンプ制御ポート212の直径よりも大きい直径を有するので、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202と上部プレート10との間の干渉に起因して、試薬プランジャロッドアクチュエータ220を第1および第2の試薬プランジャロッド200、202から分断させるであろう。プロセスプランジャロッドアクチュエータ222が、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206に結合される場合、基部プレートポンプ制御ポート214から外へのプロセスプランジャロッドアクチュエータ222の後退は、第1および第2のプロセスプランジャロッドヨーク205、207(図11参照)の各々が、基部プレートポンプ制御ポート214の直径よりも大きい直径を有するので、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206と基部プレート30との間の干渉に起因して、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222を第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206から分断させるであろう。したがって、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202および第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206は、それぞれ、試薬プランジャロッドアクチュエータ220およびプロセスプランジャロッドアクチュエータ222の後退および解放に応じて、上部プレート10および基部プレート30の内側で保持されるように構成される。
【0104】
図3は、カセット5の底面斜視図を示す。基部プレート30の底部分が、基部フィルム32によってシールされる。基部フィルム32は、基部プレート30の底部に形成される特徴(例えば、プロセスチャンバ38)を示すように、図3では半透明として示され、そのような特徴の底面は、基部フィルム32によってシールされる。複数のプロセスチャンバ38が、基部プレート30の底部に形成され、特定の流体チャネルのための特定の処理ステーションにおいて流体を受け取るように構成される。プロセスチャンバ38は、基部プレート30に形成される合計48個のプロセスチャンバの例示であり、そのうちの8つは、6つの処理ステーション、すなわち、第1の処理ステーション500、および第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、および550(図1参照)のそれぞれにおける8つの流体チャネルに関連付けられる(流体チャネルあたり1つのプロセスチャンバ)。上部プレート10に同様に形成される他の上部プレート回転子制御ポートの例示である上部プレート10に形成される上部プレート回転子制御ポート236は、試薬回転子ロッドアクチュエータ240(図36、37、39参照)が、試薬回転子ロッド230(図15参照)を介して内部流体構成要素を作動させることを可能にするように構成される。基部プレート30に形成される他の基部プレート回転子制御ポートの例示である基部プレート30に形成される基部プレート回転子制御ポート238は、プロセス回転子ロッドアクチュエータ242(図36、37、39参照)が、プロセス回転子ロッド232(図15参照)を介して流体構成要素を作動させることを可能にするように構成される。試薬回転子ロッドアクチュエータ240が、試薬回転子ロッド230に結合される場合、上部プレート回転子制御ポート236から外へ、かつそこからある距離を離した試薬回転子ロッドアクチュエータ240の後退は、試薬回転子ロッド230と上部プレート10との間の干渉に起因して、試薬回転子ロッドアクチュエータ240を試薬回転子ロッド230から分断させるであろう。プロセス回転子ロッドアクチュエータ242が、プロセス回転子ロッド232に結合される場合、基部プレート回転子制御ポート238から外へ、かつそこからある距離を離したプロセス回転子ロッドアクチュエータ242の後退は、プロセス回転子ロッド232と基部プレート30との間の干渉に起因して、プロセス回転子ロッドアクチュエータ242をプロセス回転子ロッド232から分断させるであろう。したがって、試薬回転子ロッド230およびプロセス回転子ロッド232は、それぞれ、試薬回転子ロッドアクチュエータ240およびプロセス回転子ロッドアクチュエータ242の後退および解放に応じて、上部プレート10および基部プレート30の内側で保持されるように構成される。
【0105】
識別標識52は、カセット5内で処理される、または処理されるように求められるサンプル流体が、識別され得るように、バーコードまたはRFIDタグ、および/または人間に可読の識別マーカ等の機械可読識別マーカを備えていることができる。
【0106】
図4は、上部プレート10の底面斜視図である。試薬ウェルポート18は、上部プレート10の上部に形成され、試薬入力ウェル内の試薬が、ポンプアセンブリカラム511、512、513、および514(図1、17参照)等のポンプアセンブリカラムが封入される、カセット5の内側に移動させられることを可能にする試薬入力ウェル14(図2、7参照)の底部に位置するポートである。試薬・回転子ポート20が、ガスケットスロット64(図6、7参照)を介して試薬ウェルポート18に接続され、試薬ウェルポート18に進入する試薬が、試薬ポンプアセンブリの上側回転子150(図15参照)まで移動することを可能にする。試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート22は、試薬が、試薬・プロセスチャンバガスケットポート66(図6、7参照)を介して、次いで、試薬・プロセスチャンバ基部プレートポート42(図5、7参照)を介して、試薬ポンプアセンブリの上側回転子150(図15参照)から関連付けられたプロセスチャンバ38(図7参照)まで移動することを可能にする。図4に標識される、2つの試薬ウェルポート18、2つの試薬・回転子ポート20、および2つの試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート22は、繰り返しの特徴であり、その1つずつが、6つの処理ステーション、すなわち、第1の処理ステーション500、および第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、および550(図1参照)のそれぞれにおける8つの流体チャネルの各々に関連付けられる。試薬ウェルポート18、試薬・回転子ポート20、および試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート22に関して、図28および34の匹敵する要素402および422(第1および第2の試薬ウェルポート)、406および426(第1および第2の試薬・回転子ポート)、および410および430(第1および第2の試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート)を参照されたい。
【0107】
図5は、基部プレート30の上面斜視図である。試薬・プロセスチャンバ基部プレートポート42は、試薬が、試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート22(図4参照)から、試薬・プロセスチャンバガスケットポート66(図6参照)を介して、基部プレート30の底側に形成されるプロセスチャンバ38(図3参照)まで移動することを可能にする。図5に標識される、試薬・プロセスチャンバ基部プレートポート42は、繰り返しの特徴であり、その1つずつが、6つの処理ステーション、すなわち、第1の処理ステーション500、および第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、および550(図1参照)のそれぞれにおける8つの流体チャネルの各々に関連付けられる。基部プレート30に形成される他のガスケット位置付け支柱の例示であるガスケット位置付け支柱48は、支柱孔62の中に嵌合し、ガスケット60(図6参照)を固着および安定化するように構成される。
【0108】
図6は、試薬ウェルポート18と試薬・回転子ポート20(図4参照)との間に流体通路を形成する、ガスケットスロット64を備えている、ガスケット60の斜視図である。ガスケット60はさらに、試薬が、試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート22(図4参照)から試薬・プロセスチャンバ基部プレートポート42(図5参照)まで移動することを可能にする試薬・プロセスチャンバガスケットポート66を備えている。ガスケット60はさらに、ガスケット位置付け支柱48(図5参照)等のガスケット位置付け支柱を受け取るように構成された支柱孔62等の支柱孔を備えている。
【0109】
図7は、図2の線A-Aに沿って得られた流体処理カセット5の部分斜視断面図を示す。図7に示されるように、ガスケット60は、上部プレート10および基部プレート30の一部の間に位置付けられ、固定される。図7はまた、試薬入力ウェル14内の試薬が試薬ウェルポート18を通してガスケットスロット64の中に流体的に接続されることも示す。また、試薬は、上部プレート10の上部の上の一部から、試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート22を通して下に、次いで、試薬・プロセスチャンバガスケットポート66を通して、次いで、試薬・プロセスチャンバ基部プレートポート42を通して、プロセスチャンバ38の中に流体的に接続される。プロセスチャンバ38は、プロセスチャンバ出口ポート44を介して、後続の処理ステーションに接続される。基部フィルム32の一部が、プロセスチャンバ38の底面を形成する。
【0110】
図8は、試薬ポンプアセンブリの上部固定子80と、プロセスポンプアセンブリの底部固定子100と、上部固定子80と底部固定子100との間に配置される固定子シール120とを備えている固定子アセンブリの分解上面斜視図を示す。上部固定子80は、完全に上部固定子80を通して延び、上部固定子80の底部から第1の試薬ポンプチャンバ85まで延びている第1の試薬ポンプポート86と流体連通する固定子シール120の第1の上部固定子流体経路130と流体連通する第1の試薬回転子ポート84を備えている。上部固定子80はさらに、完全に上部固定子80を通して延び、上部固定子80の底部から第2の試薬ポンプチャンバ89まで延びている第2の試薬ポンプポート90と流体連通する固定子シール120の第2の上部固定子流体経路132と流体連通する第2の試薬回転子ポート88を備えている。第1および第2の試薬ポンプチャンバ85、89は、それらのそれぞれの試薬ポンプポート86、90、上部固定子流体経路130、132、および試薬回転子ポート84、88を介して、別個の流体チャネルに関連付けられる。
【0111】
上部固定子80はさらに、スナップ継手を形成し、上部固定子80および上部プレート10を相互に固定しる等のために、上部プレート10内の対応する孔の中にスナップ留めされるように構成される戻り止めを伴う可撓性タブである、少なくとも1つのスナップタブ81を備えている。
【0112】
底部固定子100は、完全に底部固定子100を通して延びている、第1のプロセス回転子ポート104と、第2のプロセス回転子ポート108とを備えている。底部固定子100はさらに、第1のプロセスポンプチャンバ105から底部固定子100の上部まで延びている第1のプロセスポンプポート106と流体連通する第1のプロセスポンプチャンバ105を備えている。底部固定子100はさらに、第2のプロセスポンプチャンバ109から底部固定子100の上部まで延びている第2のプロセスポンプポート110と流体連通する第2のプロセスポンプチャンバ109を備えている。
【0113】
底部固定子100はまた、固定子シール120の整列ピン123(図9参照)を受け取るように構成される、整列孔102も備えている。
【0114】
底部固定子100はさらに、スナップ継手を形成し、底部固定子100および基部プレート10を相互に固定しる等のために、基部プレート30内の対応する孔の中にスナップ留めされるように構成される戻り止めを伴う可撓性タブである、少なくとも1つのスナップタブ101を備えている。
【0115】
図9は、試薬ポンプアセンブリの上部固定子80と、プロセスポンプアセンブリの底部固定子100と、上部固定子80と底部固定子100との間に配置される固定子シール120とを備えている固定子アセンブリの分解底面斜視図を示す。底部固定子100は、完全に底部固定子100を通して延び、底部固定子100の上部から第1のプロセスポンプチャンバ105まで延びている第1のプロセスポンプポート106と流体連通する固定子シール120の第1の底部固定子流体経路136と流体連通する第1のプロセス回転子ポート104を備えている。底部固定子100はさらに、完全に底部固定子100を通して延び、底部固定子100の上部から第2のプロセスポンプチャンバ109まで延びている第2のプロセスポンプポート110と流体連通する固定子シール120の第2の底部固定子流体経路138と流体連通する第2のプロセス回転子ポート108を備えている。第1および第2のプロセスポンプチャンバ105、109は、それらのそれぞれのプロセスポンプポート106、110、底部固定子流体経路136、138、およびプロセス回転子ポート104、108を介して、別個の流体チャネルに関連付けられる。上部固定子80は、完全に上部固定子80を通して延びている、第1の試薬回転子ポート84と、第2の試薬回転子ポート88とを備えている。上部固定子80はさらに、第1の試薬ポンプチャンバ85から上部固定子80の底部まで延びている第1の試薬ポンプポート86と流体連通する第1の試薬ポンプチャンバ85を備えている。上部固定子80はさらに、第2の試薬ポンプチャンバ89から上部固定子80の底部まで延びている第2の試薬ポンプポート90と流体連通する第2の試薬ポンプチャンバ89を備えている。
【0116】
上部固定子80はまた、固定子シール120の整列ピン122(図8および10参照)を受け取るように構成される、整列孔82(図9参照)も備えている。
【0117】
図10は、固定子シール120を示す。固定子シール120は、上部固定子80の整列孔82の中に嵌合するように構成された上部整列ピン122と、底部固定子100の整列孔102の中に嵌合し、上部固定子80、底部固定子100、および固定子シール120を整合させるように構成された底部整列ピン123(図9参照)とを備えている。固定子シール120はさらに、各上部固定子流体経路130、132、および底部固定子流体経路136、138の周囲に固定子流体経路シーラント124を備えている。上部固定子80、底部固定子100、および固定子シール120は、カセット5の組立の間および溶接の間にともに溶接(例えば、超音波溶接)され得、固定子シール120の固定子流体経路シーラント124は、3つの構成要素を一緒に固定し、上部または底部固定子流体経路(130、132、136、138)の周囲からの漏出または二次汚染を防止するように、上部固定子80および底部固定子100の中に溶融される。留意すると、固定子シール120の一方の表面上の上部整列ピン122、第1の上部固定子流体経路130、および第2の上部固定子流体経路132、および固定子シール120の反対表面上の底部整列ピン123、第2の底部固定子流体経路138、および第1の底部固定子流体経路136は、それぞれ、固定子シール120の反対表面上の鏡像状特徴である。したがって、固定子シール120の構成要素は、説明目的のために「上部」または「底部」として標識され、そのように限定されない。例えば、固定子シール120のいずれかの反対表面が、上部固定子80の底部または底部固定子100の上部と整合され、それに固定されることができる。
【0118】
図11は、回転子構成要素(下記に説明される)が除去された、カセット5の処理ステーションのポンプアセンブリの上面斜視図を示す。図11に示されるポンプアセンブリは、上部固定子と、底部固定子と、固定子シールとをそれぞれ備えている、4つの固定子アセンブリを備え、そのうちの上部固定子80、底部固定子100、および固定子シール120が、それぞれ、例示的である。ポンプアセンブリはさらに、4つの上部固定子の第1の試薬ポンプチャンバを通して軸方向に延びている、第1の試薬プランジャロッド200を備え、そのうちの上部固定子80の第1の試薬ポンプチャンバ85(図8、9参照)が、例示的である。ポンプアセンブリはさらに、4つの上部固定子の第2の試薬ポンプチャンバを通して軸方向に延びている、第2の試薬プランジャロッド202を備え、そのうちの上部固定子80の第2の試薬ポンプチャンバ89(図8、9、12参照)が、例示的である。ポンプアセンブリはさらに、4つの底部固定子の第1のプロセスポンプチャンバを通して軸方向に延びている、第1のプロセスプランジャロッド204を備え、そのうちの底部固定子100の第1のプロセスポンプチャンバ105(図8、9参照)が、例示的である。ポンプアセンブリはさらに、4つの底部固定子の第2のプロセスポンプチャンバを通して軸方向に延びている、第2のプロセスプランジャロッド206を備え、そのうちの底部固定子100の第2のプロセスポンプチャンバ109(図8、9、12参照)が、例示的である。第1および第2の試薬プランジャロッド200、202は、それぞれ、第1および第2の試薬プランジャロッドヨーク201、203を備えている。第1および第2の試薬プランジャロッドヨーク201、203は、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202を試薬プランジャロッドアクチュエータ220(下記に説明される、図36、38、39参照)に動作可能に結合および分断するように構成される。第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206は、それぞれ、第1および第2のプランジャロッドヨーク205、207を備えている。第1および第2のプロセスプランジャロッドヨーク205、207は、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206をプロセスプランジャロッドアクチュエータ222(下記に説明される、図36、38、39参照)に動作可能に結合および分断するように構成される。
【0119】
図12は、図11の線B-Bに沿って得られた、回転子構成要素が除去された図11のポンプアセンブリの上面斜視断面図を示す。図12に示されるように、試薬プランジャ208が、上部固定子80の第2の試薬ポンプチャンバ89内に配置され、類似試薬プランジャが、互いの上部固定子の第2の試薬ポンプチャンバ内に配置される。また、プロセスプランジャ209が、底部固定子100の第2のプロセスポンプチャンバ109内に配置され、類似プロセスプランジャが、互いの底部固定子の第2のプロセスポンプチャンバ内に配置される。第2の試薬ポンプチャンバ内の試薬プランジャの全ては、第2の試薬プランジャロッド202の軸方向移動が、それらのそれぞれの第2の試薬ポンプチャンバ89内で試薬プランジャ208の同時移動を生じさせるように、単一の第2の試薬プランジャロッド202に取り付けられる。具体的に、第2の試薬ポンプポート90から離れるように試薬プランジャ208を移動させる、第1の方向へ(図12の右側へ)の第2の試薬プランジャロッド202の軸方向移動が、第2の試薬ポンプポート90を介して第2の試薬ポンプチャンバ89の中に試薬を引き込み、第2の試薬ポンプポート90のより近くに試薬プランジャ208を移動させる、第2の方向へ(図12の左側へ)の第2の試薬プランジャロッド202の軸方向移動が、第2の試薬ポンプポート90を介して第2の試薬ポンプチャンバ89から外に試薬を排出するであろう。同様に、第2のプロセスポンプチャンバ109内のプロセスプランジャ209の全ては、第2のプロセスプランジャロッド206の軸方向移動が、それらのそれぞれの第2のプロセスポンプチャンバ109内でプロセスプランジャ209の同時移動を生じさせるように、単一の第2のプロセスプランジャロッド206に取り付けられる。具体的に、第2のプロセスポンプポート110から離れるようにプロセスプランジャ209を移動させる、第1の方向へ(図12の右側へ)の第2のプロセスプランジャロッド206の軸方向移動が、第2のプロセスポンプポート110を介して第2のプロセスポンプチャンバ109の中に試薬を引き込み、第2のプロセスポンプポート110のより近くにプロセスプランジャ209を移動させる、第2の方向へ(図12の左側へ)の第2のプロセスプランジャロッド206の軸方向移動が、第2のプロセスポンプポート110を介して第2のプロセスポンプチャンバ109から外に試薬を排出するであろう。それぞれ、試薬プランジャ(例えば、試薬プランジャ208)またはプロセスプランジャ(例えば、プロセスプランジャ209)を介してシールされない、第2の試薬ポンプチャンバ(例えば、第2の試薬ポンプチャンバ89)および第2のプロセスポンプチャンバ(例えば、第2のプロセスポンプチャンバ109)の端部は、プランジャロッドシール(例えば、プランジャロッドシール210)によってシールされる。例えば、プランジャロッドシール210は、第2の試薬プランジャロッド202および第2のプロセスプランジャロッド206が、ポンプチャンバをシール解除することなく、かつ流体または空気がシールされたポンプチャンバから逃散することを可能にすることなく、プランジャロッドシール210を通して延在および移動することを許容されるように、それぞれ、試薬プランジャ208およびプロセスプランジャ209とともに第2の試薬ポンプチャンバ89および第2のプロセスポンプチャンバ109をシールする。
【0120】
図13は、カセット5の試薬ポンプアセンブリの構成要素である、上側回転子150の上面斜視図である。上側回転子150は、第1の回転子経路154を介して流体連通する第1の回転子ポート156および第2の回転子ポート158を備えている。上側回転子150はさらに、第2の回転子経路162を介して流体連通する第3の回転子ポート164および第4の回転子ポート166を備えている。第1、第2、第3、および第4の回転子ポート156、158、164、および166の各々は、完全に上側回転子150を通して延びている。上側回転子150はまた、上側固定子150を試薬回転子ロッド230(図15参照)に結合するように構成される、回転子コネクタ152も備えている。上側回転子150は、図13に示される上側回転子150の上部に面した部分が下側回転子170の底部に面した部分と同等であることを除いて、カセット5のプロセスポンプアセンブリの構成要素である、下側回転子170(図15参照)に実質的に類似する。
【0121】
図14は、上側回転子150の底面斜視図であり、第1、第2、第3、および第4の回転子ポート156、158、164、および166の各々が、完全に上側回転子150を通して延びていることを示す。図14に示される上側回転子150の底部に面した部分は、下側回転子170(図15参照)の上部に面した部分と同等である。
【0122】
図15は、カセット5の処理ステーションのポンプアセンブリの上面斜視図である。図15に示されるポンプアセンブリは、図11に示されるようなポンプアセンブリに類似するが、図15に示されるようなポンプアセンブリは、上側回転子(例えば、上側回転子150)と、下側回転子(例えば、下側回転子170)と、試薬回転子ロッド230と、プロセス回転子ロッド232とを含む。カセット5のポンプアセンブリ内の上側回転子150等の上側回転子および下側回転子170等の下側回転子は、それぞれ、上部固定子80および底部固定子100に結合される、回転子弁である。上側回転子150等の上側回転子は、試薬入力ウェル14(図2参照)等の試薬入力ウェルを、上部固定子80(図8、9、12参照)によって画定される第1および第2の試薬ポンプチャンバ85、89に流体的に接続する第1の位置と、第1および第2の試薬ポンプチャンバ85、89をプロセスチャンバ38(図3参照)等の関連付けられたプロセスチャンバに流体的に接続する第2の位置との間で、移動可能である。下側回転子170等の下側回転子は、底部固定子100(図8、9、12参照)によって画定される第1および第2のプロセスポンプチャンバ105、109を流体チャネルの上流部分(例えば、先行する処理ステーションの入力ウェル34(図1参照)またはプロセスチャンバ38)に流体的に接続する第1の位置と、第1および第2のプロセスポンプチャンバ105、109を流体チャネルの下流部分(例えば、本処理ステーションのプロセスチャンバ38または出力ウェル36(図1参照))に流体的に接続する第2の位置との間で、移動可能である。第1の位置における下側回転子170は、第1および第2のプロセスポンプチャンバ105、109が、それぞれ、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206の移動の方向に応じて、流体チャネルの上流部分からサンプル流体を受け取ること、または廃棄流体を流体チャネルの上流部分に排出することを可能にする(図11、12参照)。第2の位置における下側回転子170は、第1および第2のプロセスポンプチャンバ105、109が、再度、それぞれ、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206の移動の方向に応じて、サンプル流体を流体チャネルの下流部分に排出すること、または流体チャネルの上流部分から廃棄流体を受け取ることを可能にする。上側回転子150等の上側回転子は全て、試薬回転子ロッド230の移動が、それらの第1の位置と第2の位置との間で上側回転子150の同時移動を生じさせるように、回転子コネクタ152等の回転子コネクタを介して、単一の試薬回転子ロッド230に結合される。同様に、下側回転子170等の下側回転子は全て、プロセス回転子ロッド232の移動が、それらの第1の位置と第2の位置との間で下側回転子170の同時移動を生じさせるように、回転子コネクタ172等の回転子コネクタを介して、単一のプロセス回転子ロッド232に結合される。試薬回転子ロッド230は、試薬回転子ロッド230を試薬回転子ロッドアクチュエータ240(下記に説明される、図36、37、39参照)に動作可能に結合および分断するように構成される、試薬回転子ロッドヨーク231を備えている。プロセス回転子ロッド232は、プロセス回転子ロッド232をプロセス回転子ロッドアクチュエータ242(下記に説明される、図36、37、39参照)に動作可能に結合および分断するように構成される、プロセス回転子ロッドヨーク233を備えている。
【0123】
図16は、図15の線C-Cに沿って得られた、図15のポンプアセンブリの上面斜視断面図を示す。図16に示されるように、上部固定子に結合される上側回転子を備えている、試薬ポンプアセンブリは、上側回転子の回転子ポートおよび上部固定子の試薬回転子ポートを介して、組み合わせられた上側回転子および上部固定子を通して流体経路を提供する。例えば、図16は、上側回転子150が上部固定子80に結合され、その第1の位置に位置付けられると、上側回転子150の第1の回転子ポート156が、第1の試薬ポンプポート86(図8参照)を介して第1の試薬ポンプチャンバ85に接続する、固定子シール120の第1の上部固定子流体経路130とさらに流体連通する上部固定子80の第1の試薬回転子ポート84と流体連通することを示す。図16はまた、上側回転子150が上部固定子80に結合され、その第1の位置に位置付けられると、上側回転子150の第3の回転子ポート164が、第2の試薬ポンプポート90(図8参照)を介して第2の試薬ポンプチャンバ89に接続する、固定子シール120の第2の上部固定子流体経路132とさらに流体連通する固定子80の第2の試薬回転子ポート88と流体連通することも示す。
【0124】
図17は、第1の処理ステーション500、最終処理ステーション560、および第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、および550のそれぞれのポンプアセンブリを示す、流体処理カセットの分解上面斜視図である。図17に示されるように、各処理ステーションは、図15に示されるポンプアセンブリを備えている。最終処理ステーション560では、試薬ポンプアセンブリは、非機能的であり得る。
【0125】
図18は、基部プレート30の底部に形成された流体チャネルおよびポートを含む、基部プレート30の部分底平面図を示す。第1の回転子入力流体チャネル310は、第1のポート312および第2のポート314を接続し、第2の回転子入力流体チャネル320は、第1のポート322を第2のポート324に接続する。第1の回転子出力流体チャネル330は、第1のプロセスチャンバ入口352を介して、第1のポート332を第1のプロセスチャンバ350に接続し、第2の回転子出力流体チャネル340は、第2のプロセスチャンバ入口362を介して、第1のポート342を第2のプロセスチャンバ360に接続する。第1および第2の回転子入力流体チャネル310、320および第1および第2の回転子出力流体チャネル330、340のうちのいずれも、互いに接続されない、または直接流体連通しない。第1の回転子入力流体チャネル310、第1の回転子出力流体チャネル330、および第1のプロセスチャンバ350は全て、同一の流体チャネルに関連付けられる。第2の回転子入力流体チャネル320、第2の回転子出力流体チャネル340、および第2のプロセスチャンバ360は全て、異なる流体チャネルに関連付けられる。基部プレート30の底部に形成された、これらのチャネル、ポート、入口、およびプロセスチャンバは、基部プレート30の底部の一部の上に配置される、基部フィルム32によってシールされる。
【0126】
図19-20および25-26は、図18に類似し、加えて、下側回転子170、具体的に、基部プレート30の底面の上方に配置される下側回転子170の底面を示す。
【0127】
図19-22では、下側回転子170は、下側回転子170が関連付けられた流体チャネルの上流部分に結合される、底部固定子100によって画定されるプロセスポンプチャンバを流体的に接続する、その第1の位置にある。図19および20に示される処理ステーションが、カセット5の第1の処理ステーション500であるため、関連付けられた流体チャネルの上流部分は、先行する処理ステーションのプロセスチャンバではなく、入力ウェル、具体的に、第1の入力ウェル307および第2の入力ウェル308を備えている。
【0128】
図18-20によって示されるように、第1の入力ウェル307は、第1の回転子入力流体チャネル310の第1のポート312と流体連通し、そのうちの第2のポート314は、下側回転子170の第2の回転子ポート178と流体連通する。したがって、流体は、図20の実線の流体経路矢印によって示されるように、第1の回転子入力流体チャネル310を介して、第1の入力ウェル307から下側回転子170の第2の回転子ポート178まで移動することができる。流体は、次いで、図20の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、下側回転子170の第1の回転子経路174を介して、第2の回転子ポート178から第1の回転子ポート176まで移動することができる。図21の鎖線の流体経路矢印は、流体が、次いで、第1の回転子ポート176を通して上に、次いで、底部固定子100の第1のプロセス回転子ポート104を通して、次いで、固定子シール120の第1の底部固定子流体経路136に沿って、次いで、第1のプロセスポンプポート106を通して底部固定子100の第1のプロセスポンプチャンバ105の中に移動し得ることを示す。したがって、下側回転子170が、その第1の位置にあるとき、流体は、第1の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第1の入力ウェル307から第1のプロセスポンプチャンバ105まで第1の流体チャネルに沿って移動させられることができる。また、下側回転子170が、その第1の位置にあるとき、流体(例えば、廃棄物)は、代替として、同一の経路を介するが、第1の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第1のプロセスポンプチャンバ105から第1の入力ウェル307まで第1の流体チャネルに沿って逆方向に移動させられることができる。
【0129】
図18-20に示されるように、第2の入力ウェル308は、第2の回転子入力流体チャネル320の第1のポート322と流体連通し、そのうちの第2のポート324は、下側回転子170の第4の回転子ポート186と流体連通する。したがって、流体は、図20の実線の流体経路矢印によって示されるように、第2の回転子入力流体チャネル320を介して、第2の入力ウェル308から下側回転子170の第4の回転子ポート186まで移動することができる。流体は、次いで、図20の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、下側回転子170の第2の回転子経路182を介して、第4の回転子ポート186から第3の回転子ポート184まで移動することができる。図22の鎖線の流体経路矢印は、流体が、第3の回転子ポート184を通して上に、次いで、底部固定子100の第2のプロセス回転子ポート108を通して、次いで、固定子シール120の第2の底部固定子流体経路138に沿って、次いで、第2のプロセスポンプポート110を通して底部固定子100の第2のプロセスポンプチャンバ109の中に移動し得ることを示す。したがって、下側回転子170が、その第1の位置にあるとき、流体は、第2の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第2の入力ウェル308から第2のプロセスポンプチャンバ109まで第2の流体チャネルに沿って移動させられることができる。また、下側回転子170が、その第1の位置にあるとき、流体(例えば、廃棄物)は、代替として、同一の経路を介するが、第2の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第2のプロセスポンプチャンバ109から第2の入力ウェル308まで第2の流体チャネルに沿って逆方向に移動させられることができる。
【0130】
図23-26では、下側回転子170は、下側回転子170が関連付けられた流体チャネルの下流部分、具体的に、第1のプロセスチャンバ350および第2のプロセスチャンバ360に結合される、底部固定子100によって画定されるプロセスポンプチャンバを流体的に接続する、その第2の位置にある。
【0131】
図23の鎖線の流体経路矢印は、底部固定子100の第1のプロセスポンプチャンバ105内の流体が、第1のプロセスポンプポート106を通して、次いで、固定子シール120の第1の底部固定子流体経路136に沿って、次いで、底部固定子100の第1のプロセス回転子ポート104を通して、次いで、下側回転子170の第2の回転子ポート178を通して移動し得ることを示す。図25-26によって示されるように、流体は、次いで、図26の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、下側回転子170の第1の回転子経路174を介して、第2の回転子ポート178から第1の回転子ポート176まで移動することができる。図18および25-26によってさらに示されるように、第1の回転子ポート176は、第1の回転子出力流体チャネル330の第1のポート332と流体連通し、そのうちの第1のプロセスチャンバ入口352は、第1のプロセスチャンバ350と流体連通する。したがって、流体は、図26の実線の流体経路矢印によって示されるように、第1の回転子出力流体チャネル330を介して、下側回転子170の第1の回転子ポート176から第1のプロセスチャンバ350まで移動することができる。したがって、下側回転子170が、その第2の位置にあるとき、流体は、第1の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第1のプロセスポンプチャンバ105から第1のプロセスチャンバ350まで第1の流体チャネルに沿って移動させられることができる。また、下側回転子170が、その第2の位置にあるとき、流体(例えば、廃棄物)は、代替として、同一の経路を介するが、第1の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第1のプロセスチャンバ350から第1のプロセスポンプチャンバ105まで第1の流体チャネルに沿って逆方向に移動させられることができる。
【0132】
図24の鎖線の流体経路矢印は、底部固定子100の第2のプロセスポンプチャンバ109内の流体が、第2のプロセスポンプポート110を通して、次いで、固定子シール120の第2の底部固定子流体経路138に沿って、次いで、底部固定子100の第2のプロセス回転子ポート108を通して、次いで、下側回転子170の第4の回転子ポート186を通して移動し得ることを示す。図25-26によって示されるように、流体は、次いで、図26の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、下側回転子170の第2の回転子経路182を介して、第4の回転子ポート186から第3の回転子ポート184まで移動することができる。図18および25-26によってさらに示されるように、第3の回転子ポート184は、第2の回転子出力流体チャネル340の第1のポート342と流体連通し、そのうちの第2のプロセスチャンバ入口362は、第2のプロセスチャンバ360と流体連通する。したがって、流体は、図26の実線の流体経路矢印によって示されるように、第2の回転子出力流体チャネル340を介して、下側回転子170の第3の回転子ポート184から第2のプロセスチャンバ360まで移動することができる。したがって、下側回転子170が、その第2の位置にあるとき、流体は、第2の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第2のプロセスポンプチャンバ109から第2のプロセスチャンバ360まで第2の流体チャネルに沿って移動させられることができる。また、下側回転子170が、その第2の位置にあるとき、流体(例えば、廃棄物)は、代替として、同一の経路を介するが、第2の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第2のプロセスチャンバ360から第2のプロセスポンプチャンバ109まで第2の流体チャネルに沿って逆方向に移動させられることができる。
【0133】
図27は、上部プレート10の上部の上に形成された流体チャネルおよびポートを含む、上部プレート10の部分上平面図を示す。第1の回転子入力流体チャネル440は、第1のポート442および第2のポート444を接続し、第2の回転子入力流体チャネル450は、第1のポート452および第2のポート454を接続する。第1の回転子出力流体チャネル460は、第1のポート462を第2のポート464に接続し、第2の回転子出力流体チャネル470は、第1のポート472を第2のポート474に接続する。第1および第2の回転子入力流体チャネル440、450および第1および第2の回転子出力流体チャネル460、470のうちのいずれも、互いに接続されない、または直接流体連通しない。第1の試薬入力ウェル400、第1の回転子入力流体チャネル440、および第1の回転子出力流体チャネル460は全て、同一の流体チャネルに関連付けられる。第2の試薬入力ウェル420、第2の回転子入力流体チャネル450、および第2の回転子出力流体チャネル470は全て、異なる流体チャネルに関連付けられる。上部プレート10の上部に形成された、これらのチャネルおよびポートは、上部プレート10の上部の一部の上に配置される、上部フィルム12によってシールされる。
【0134】
図28-29および34-35は、図27に類似し、加えて、上側回転子150、具体的に、上部プレート10の上面の下方に配置される上側回転子150の上面、および第1および第2の試薬入力ウェル400、420を含有する上部プレート10の一部の下方に配置されるガスケット403を示す。
【0135】
図28-31では、上側回転子150は、上側回転子150が、関連付けられた流体チャネルの試薬入力ウェル、具体的に、第1の試薬入力ウェル400および第2の試薬入力ウェル420に結合される上部固定子80によって画定される試薬ポンプチャンバを流体的に接続するその第1の位置にある。
【0136】
図27-29によって示されるように、第1の試薬入力ウェル400は、第1の試薬ウェルポート402を介してガスケット403の第1のガスケットスロット404と流体連通し、第1のガスケットスロット404は、第1の試薬・回転子ポート406と流体連通する。したがって、流体は、図29の点線の流体経路矢印によって示されるように、第1のガスケットスロット404を介して、第1の試薬入力ウェル400から第1の試薬・回転子ポート406まで移動することができる。流体は、次いで、第1の試薬・回転子ポート406を通して第1の回転子入力流体チャネル440の第1のポート442まで上に移動することができ、そのうちの第2のポート444は、上側回転子150の第2の回転子ポート158と流体連通する。したがって、流体は、図29の実線の流体経路矢印によって示されるように、第1の回転子入力流体チャネル440を介して、第1の試薬・回転子ポート406から上側回転子150の第2の回転子ポート158まで移動することができる。流体は、次いで、図29の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、上側回転子150の第1の回転子経路154を介して、第2の回転子ポート158から第1の回転子ポート156まで移動することができる。図30の鎖線の流体経路矢印は、流体が、次いで、第1の回転子ポート156を通して下に、次いで、上部固定子80の第1の試薬回転子ポート84を通して、次いで、固定子シール120の第1の上部固定子流体経路130に沿って、次いで、第1の試薬ポンプポート86を通して上部固定子80の第1の試薬ポンプチャンバ85の中に移動し得ることを示す。したがって、上側回転子150が、その第1の位置にあるとき、流体は、第1の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第1の試薬入力ウェル400から第1の試薬ポンプチャンバ85まで第1の流体チャネルに沿って移動させられることができる。
【0137】
図27-29によって示されるように、第2の試薬入力ウェル420は、第2の試薬ウェルポート422を介してガスケット403の第2のガスケットスロット424と流体連通し、第2のガスケットスロット424は、第2の試薬・回転子ポート426と流体連通する。したがって、流体は、図29の点線の流体経路矢印によって示されるように、第2のガスケットスロット424を介して、第2の試薬入力ウェル420から第2の試薬・回転子ポート426まで移動することができる。流体は、次いで、第2の試薬・回転子ポート426を通して第2の回転子入力流体チャネル450の第1のポート452まで上に移動することができ、そのうちの第2のポート454は、上側回転子150の第4の回転子ポート166と流体連通する。したがって、流体は、図29の実線の流体経路矢印によって示されるように、第2の回転子入力流体チャネル450を介して、第2の試薬・回転子ポート426から上側回転子150の第4の回転子ポート166まで移動することができる。流体は、次いで、図29の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、上側回転子150の第2の回転子経路162を介して、第4の回転子ポート166から第3の回転子ポート164まで移動することができる。図31の鎖線の流体経路矢印は、流体が、次いで、第3の回転子ポート164を通して下に、次いで、上部固定子80の第2の試薬回転子ポート88を通して、次いで、固定子シール120の第2の上部固定子流体経路132に沿って、次いで、第2の試薬ポンプポート90を通して上部固定子80の第2の試薬ポンプチャンバ89の中に移動し得ることを示す。したがって、上側回転子150が、その第1の位置にあるとき、流体は、第2の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第2の試薬入力ウェル420から第2の試薬ポンプチャンバ89まで第2の流体チャネルに沿って移動させられることができる。
【0138】
図32-35では、上側回転子150は、上側回転子150が同一の処理ステーション内の関連付けられたプロセスチャンバに結合される、上部固定子80によって画定される試薬ポンプチャンバを流体的に接続する、その第2の位置にある。
【0139】
図32の鎖線の流体経路矢印は、上部固定子80の第1の試薬ポンプチャンバ85内の流体が、第1の試薬ポンプポート86を通して、次いで、固定子シール120の第1の上部固定子流体経路130に沿って、次いで上部固定子80の第1の試薬回転子ポート84を通して、次いで、上側回転子150の第2の回転子ポート158を通して移動し得ることを示す。図34-35によって示されるように、流体は、次いで、図35の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、上側回転子150の第1の回転子経路154を介して、第2の回転子ポート158から第1の回転子ポート156まで移動することができる。図27および34-35によってさらに示されるように、第1の回転子ポート156は、第1の回転子出力流体チャネル460の第1のポート462と流体連通し、そのうちの第2のポート464は、第1の試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート410と流体連通する。したがって、流体は、図35の実線の流体経路矢印によって示されるように、上側回転子150の第1の回転子ポート156から第1の試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート410まで移動することができる。さらに、第1の試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート410は、試薬・プロセスチャンバガスケットポート66および試薬・プロセスチャンバ基部プレートポート42(図7参照)を介して、第1の流体チャネルのプロセスチャンバ38に接続される。したがって、上側回転子150が、その第2の位置にあるとき、流体は、第1の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第1の試薬ポンプチャンバ85から関連付けられたプロセスチャンバまで第1の流体チャネルに沿って移動させられることができる。
【0140】
図33の鎖線の流体経路矢印は、上部固定子80の第2の試薬ポンプチャンバ89内の流体が、第2の試薬ポンプポート90を通して、次いで、固定子シール120の第2の上部固定子流体経路132に沿って、次いで、上部固定子80の第2の試薬回転子ポート88を通して、次いで、上側回転子150の第4の回転子ポート166を通して移動し得ることを示す。図34-35によって示されるように、流体は、次いで、図35の鎖線の流体経路矢印によって示されるように、上側回転子150の第2の回転子経路162を介して、第4の回転子ポート166から第3の回転子ポート164まで移動することができる。図27および34-35によってさらに示されるように、第3の回転子ポート164は、第2の回転子出力流体チャネル470の第1のポート472と流体連通し、そのうちの第2のポート474は、第2の試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート430と流体連通する。したがって、流体は、図35の実線の流体経路矢印によって示されるように、上側回転子150の第3の回転子ポート164から第2の試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート430まで移動することができる。さらに、第2の試薬・プロセスチャンバ上部プレートポート430は、試薬・プロセスチャンバガスケットポート66および試薬・プロセスチャンバ基部プレートポート42(図7参照)を介して、第2の流体チャネルのプロセスチャンバ38に接続される。したがって、上側回転子150が、その第2の位置にあるとき、流体は、第2の流体チャネルに関連付けられたプロセスポンプアセンブリによって、第2の試薬ポンプチャンバ89から関連付けられたプロセスチャンバまで第2の流体チャネルに沿って移動させられることができる。
【0141】
図36は、(上記に議論される)カセット5の構成要素を作動させるように構成される、アクチュエータデバイス250の上面斜視図である。カセットトレイ264は、カセット5の基部プレート30を受け取り、保持するように定寸および構成される。試薬回転子ロッドアクチュエータ240は、第1の線形レール252に結合され、試薬回転子ロッド230(図15参照)を作動させるように構成される。試薬回転子ロッドアクチュエータ240は、一度に単一の試薬回転子ロッド230を作動させるように構成され、第1の線形レールアクチュエータ254は、試薬回転子ロッドアクチュエータ240が、カセット5の異なる処理ステーション(例えば、第1の処理ステーション500、次いで、第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、550のそれぞれ、次いで、最終処理ステーション560、図1参照)の試薬回転子ロッド230を作動させるために再配置され得るように、第1の線形レール252に沿って試薬回転子ロッドアクチュエータ240を移動させるように構成される。プロセス回転子ロッドアクチュエータ242は、第1の線形レール252に結合され、プロセス回転子ロッド232(図15参照)を作動させるように構成される。プロセス回転子ロッドアクチュエータ242は、一度に単一のプロセス回転子ロッド232を作動させるように構成され、第1の線形レールアクチュエータ254は、プロセス回転子ロッドアクチュエータ242が、カセット5の異なる処理ステーション(例えば、第1の処理ステーション500、次いで、第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、550のそれぞれ、次いで、最終処理ステーション560、図1参照)のプロセス回転子ロッド232を作動させるために再配置され得るように、第1の線形レール252に沿ってプロセス回転子ロッドアクチュエータ242を移動させるように構成される。
【0142】
ある実施形態では、第1の線形レールアクチュエータ254は、アクチュエータデバイス250の基部に搭載される第1のアクチュエータトラック255に摺動可能に結合される、第1のレールアクチュエータキャリッジ253に取り付けられる回転モータを備えてもよい。第1の線形レール252は、第1の線形レールアクチュエータ254に動作可能に取り付けられ、第1のレールアクチュエータキャリッジ253に螺合可能に結合される、ねじ山付きロッド(送りねじ)を備えてもよい。試薬回転子ロッドアクチュエータ240およびプロセス回転子ロッドアクチュエータ242は、第1のレールアクチュエータキャリッジ253に取り付けられる。第1の線形レールアクチュエータ254の動作は、第1の線形レール252を回転させ、第1の線形レール252とレールアクチュエータキャリッジ253との間のねじ山付き結合は、第1のアクチュエータトラック255を横断して第1のレールアクチュエータキャリッジ253の線形平行移動を引き起こし、それによって、試薬回転子ロッドアクチュエータ240およびプロセス回転子ロッドアクチュエータ242を移動させる。代替として、第1のレールアクチュエータキャリッジ253の平行移動は、第1の線形レール252が固定されたままである間に、キャリッジ内のねじ山付きナットを回転させることによってもたらされることができる。
【0143】
図36にも示されるように、試薬プランジャロッドアクチュエータ220は、第2の線形レール256に結合され、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202(図11参照)を作動させるように構成される。試薬プランジャロッドアクチュエータ220は、一度に第1および第2の試薬プランジャロッド200、202の単一の組を作動させるように構成され、第2の線形レールアクチュエータ258は、試薬プランジャロッドアクチュエータ220が、カセット5の異なる処理ステーション(例えば、第1の処理ステーション500、次いで、第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、550のそれぞれ、次いで、最終処理ステーション560、図1参照)の第1および第2の試薬プランジャロッド200、202の組を作動させるために再配置され得るように、第2の線形レール256に沿って試薬プランジャロッドアクチュエータ220を移動させるように構成される。プロセスプランジャロッドアクチュエータ222は、第2の線形レール256に結合され、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206(図11参照)を作動させるように構成される。プロセスプランジャロッドアクチュエータ222は、一度に第1および第2の試薬プランジャロッド204、206の単一の組を作動させるように構成され、第2の線形レールアクチュエータ258は、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222が、カセット5の異なる処理ステーション(例えば、第1の処理ステーション500、次いで、第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、550のそれぞれ、次いで、最終処理ステーション560、図1参照)の第1および第2の試薬プランジャロッド204、206の組を作動させるために再配置され得るように、第2の線形レール256に沿ってプロセスプランジャロッドアクチュエータ222を移動させるように構成される。
【0144】
ある実施形態では、第2の線形レールアクチュエータ258は、アクチュエータデバイス250の基部に搭載される第2のアクチュエータトラック259に摺動可能に結合される、第2のレールアクチュエータキャリッジ257に取り付けられる回転モータを備えてもよい。第2の線形レール256は、第2の線形レールアクチュエータ258に動作可能に取り付けられ、第2のレールアクチュエータキャリッジ257に螺合可能に結合される、ねじ山付きロッド(送りねじ)を備えてもよい。試薬プランジャロッドアクチュエータ220およびプロセスプランジャロッドアクチュエータ222、および磁石リフトアクチュエータ260(図41参照)は、第2のレールアクチュエータキャリッジ257に取り付けられる。第2の線形レールアクチュエータ258の動作は、第2の線形レール256を回転させ、第2の線形レール256とレールアクチュエータキャリッジ257との間のねじ山付き結合は、第2のアクチュエータトラック259を横断して第1のレールアクチュエータキャリッジ257の線形平行移動を引き起こし、それによって、試薬プランジャロッドアクチュエータ220、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222、および磁石リフトアクチュエータ260(図41参照)を移動させる。代替として、第2のレールアクチュエータキャリッジ257の平行移動は、第2の線形レール256が固定されたままである間に、キャリッジ内のねじ山付きナットを回転させることによってもたらされることができる。
【0145】
図36に示されるように、アクチュエータデバイス250は、実質的に類似し、アクチュエータデバイス250の全てのフレックス回路加熱器の例示である第1のフレックス回路加熱器270および第2のフレックス回路加熱器274等の複数のフレックス回路加熱器を備えている。プロセスチャンバ38(図3参照)を備えている、カセット5の各処理ステーションは、別個のフレックス回路加熱器に関連付けられ、例えば、第1の処理ステーション500および第1の中間処理ステーション510(図1参照)は、カセット5がアクチュエータデバイス250のカセットトレイ264内に配設されるときに、それぞれ、第1および第2のフレックス回路加熱器270、274に関連付けられる。第1のフレックス回路加熱器270は、8つの抵抗加熱器272を備え、アクチュエータデバイス250の他のフレックス回路加熱器の各々は、同様に8つの抵抗加熱器272を備えている。各フレックス回路加熱器の8つの抵抗加熱器272は、フレックス回路加熱器に関連付けられる処理ステーションの8つのプロセスチャンバ38に対応し、それらに関連付けられる。例えば、第1のフレックス回路加熱器270の8つの抵抗加熱器272の各々は、第1のフレックス回路加熱器270に関連付けられた第1の処理ステーション500の8つのプロセスチャンバ38のうちの1つに対応する。カセット5のプロセスチャンバ38、具体的に、基部フィルム32(図3、7参照)の一部によって形成されるプロセスチャンバ38の底面は、カセット5がアクチュエータデバイス250のカセットトレイ264内に配設されるときに、複数のフレックス回路加熱器(例えば、第1および第2のフレックス回路加熱器270、274)の抵抗加熱器272と物理的に接触する。各抵抗加熱器272は、アクチュエータデバイス250が、カセット5の各処理ステーションの各プロセスチャンバ38内で独立して同一または異なる温度を維持し得るように、独立して制御されることができる。アクチュエータデバイス250はさらに、フレックス回路加熱器(例えば、第1および第2のフレックス回路加熱器270、274)の底部を横断して、カセットトレイ264の下の導管またはプレナムを通して空気(例えば、周囲の空気)を引き込み、所与の処理ステーションの8つのプロセスチャンバ38内の温度を同時に下げるように構成される、冷却ファン266を備えてもよい。第1および第2のフレックス回路加熱器270、274および冷却ファン266等の温度制御構成要素は、固定された高温を達成および維持する、または所与の処理ステーションのプロセスチャンバ38内で(例えば、PCR目的のために)熱サイクリングを実施することができる。
【0146】
図37は、アクチュエータデバイス250の試薬回転子ロッドアクチュエータ240およびプロセス回転子ロッドアクチュエータ242の斜視図である。試薬回転子ロッドアクチュエータ240は、試薬回転子ロッドアクチュエータ240が、それぞれ、試薬回転子ロッド230に(i)結合または(ii)分断されるときに、試薬回転子ロッド230の試薬回転子ロッドヨーク231(図15参照)によって(i)受容および保持される、または(ii)解放される、試薬回転子ロッドアクチュエータフィンガ244を備えている。試薬回転子ロッドアクチュエータフィンガ244は、上部プレート回転子制御ポート236(図3、40参照)を通して延び、試薬回転子ロッド230にアクセスし、それに結合し、それを作動させる。プロセス回転子ロッドアクチュエータ242は、プロセス回転子ロッドアクチュエータ242が、それぞれ、プロセス回転子ロッド232に(i)結合または(ii)分断されるときに、プロセス回転子ロッド232のプロセス回転子ロッドヨーク233(図15参照)によって(i)受容および保持される、または(ii)解放される、プロセス回転子ロッドアクチュエータフィンガ246を備えている。プロセス回転子ロッドアクチュエータフィンガ246は、基部プレート回転子制御ポート238(図3、40参照)を通して延び、プロセス回転子ロッド232にアクセスし、それに結合し、それを作動させる。
【0147】
図37に示されるように、プロセス回転子ロッドアクチュエータ242のプロセス回転子ロッドアクチュエータフィンガ246は、線形に延在され、試薬回転子ロッドアクチュエータ240の試薬回転子ロッドアクチュエータフィンガ244は、延在されない(すなわち、比較的に後退される)。試薬回転子ロッドアクチュエータ240は、(1)試薬回転子ロッド230に結合する、および/または試薬回転子ロッド230を第1の位置まで移動させるように、試薬回転子ロッドアクチュエータフィンガ244を完全に延在させること、(2)試薬回転子ロッド230を第2の位置まで移動させるように、試薬回転子ロッドアクチュエータフィンガ244を部分的に延在/後退させること、または(3)カセット5内で保持された試薬回転子ロッド230から分断するように、試薬回転子ロッドアクチュエータフィンガ244を完全に後退させることによって、試薬回転子ロッド230(図15参照)を作動させることができる。プロセス回転子ロッドアクチュエータ240は、(1)プロセス回転子ロッド232に結合する、および/またはプロセス回転子ロッド232を第1の位置まで移動させるように、プロセス回転子ロッドアクチュエータフィンガ246を完全に延在させること、(2)プロセス回転子ロッド232を第2の位置まで移動させるように、プロセス回転子ロッドアクチュエータフィンガ246を部分的に延在/後退させること、または(3)カセット5内で保持されたプロセス回転子ロッド232から分断するように、プロセス回転子ロッドアクチュエータフィンガ246を完全に後退させることによって、プロセス回転子ロッド232(図15参照)を作動させることができる。
【0148】
図38は、アクチュエータデバイス250の試薬プランジャロッドアクチュエータ220およびプロセスプランジャロッドアクチュエータ222の斜視図である。試薬プランジャロッドアクチュエータ220は、試薬プランジャロッドアクチュエータ220が、それぞれ、第1の試薬プランジャロッド200に(i)結合または(ii)分断されるときに、第1の試薬プランジャロッド200の第1の試薬プランジャロッドヨーク201(図11参照)によって(i)受容および保持される、または(ii)解放される、第1の試薬プランジャロッドアクチュエータフィンガ224を備えている。試薬プランジャロッドアクチュエータ220は、試薬プランジャロッドアクチュエータ220が、それぞれ、第2の試薬プランジャロッド202に(i)結合または(ii)分断されるときに、第2の試薬プランジャロッド202の第2の試薬プランジャロッドヨーク203(図11参照)によって(i)受容および保持される、または(ii)解放される、第2の試薬プランジャロッドアクチュエータフィンガ225を備えている。第1および第2の試薬プランジャロッドアクチュエータフィンガ224、225は、上部プレートポンプ制御ポート212(図2、39参照)を通して延び、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202にアクセスし、それに結合し、それを作動させる。プロセスプランジャロッドアクチュエータ222は、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222が、それぞれ、第1のプロセスプランジャロッド204に(i)結合または(ii)分断されるときに、第1のプロセスプランジャロッド204の第1のプロセスプランジャロッドヨーク205(図11参照)によって(i)受容および保持される、または(ii)解放される、第1のプロセスプランジャロッドアクチュエータフィンガ226を備えている。プロセスプランジャロッドアクチュエータ222は、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222が、それぞれ、第2のプロセスプランジャロッド206に(i)結合または(ii)分断されるときに、第2のプロセスプランジャロッド206の第2のプロセスプランジャロッドヨーク207(図11参照)によって(i)受容および保持される、または(ii)解放される、第2のプロセスプランジャロッドアクチュエータフィンガ227を備えている。第1および第2のプロセスプランジャロッドアクチュエータフィンガ226、227は、基部プレートポンプ制御ポート214(図2、39参照)を通して延び、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206にアクセスし、それに結合し、それを作動させる。
【0149】
図38に示されるように、第1および第2の試薬プランジャロッドアクチュエータフィンガ224、225は、線形に延在され、第1および第2のプロセスプランジャロッドアクチュエータフィンガ226、227は、延在されない(すなわち、比較的に後退される)。試薬プランジャロッドアクチュエータ220は、(1)第1および第2の試薬プランジャロッド200、202に結合する、および/または第1および第2の試薬プランジャロッド200、202を第1の位置まで移動させるように、第1および第2の試薬プランジャロッドアクチュエータフィンガ224、225を完全に延在させること、(2)第1および第2の試薬プランジャロッド200、202を第2の位置まで移動させるように、第1および第2の試薬プランジャロッドアクチュエータフィンガ224、225を部分的に延在/後退させること、または(3)それぞれ、カセット5内で保持された第1および第2の試薬プランジャロッド200、202から分断するように、第1および第2の試薬プランジャロッドアクチュエータフィンガ224、225を完全に後退させることによって、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202(図11参照)を作動させることができる。プロセスプランジャロッドアクチュエータ222は、(1)第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206に結合する、および/または第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206を第1の位置まで移動させるように、第1および第2のプロセスプランジャロッドアクチュエータフィンガ226、227を完全に延在させること、(2)第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206を第2の位置まで移動させるように、第1および第2のプロセスプランジャロッドアクチュエータフィンガ226、227を部分的に延在/後退させること、または(3)それぞれ、カセット5内で保持された第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206から分断するように、第1および第2のプロセスプランジャロッドアクチュエータフィンガ226、227を完全に後退させることによって、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206(図11参照)を作動させることができる。
【0150】
図39は、アクチュエータデバイス250の試薬およびプロセス回転子ロッドアクチュエータ240、242、試薬およびプロセスプランジャロッドアクチュエータ220、222、および第1および第2の線形レール252、256が、カセット5の内部構成要素を作動させるために位置付けられるように、アクチュエータデバイス250のこれらの構成要素に対して位置付けられる、カセット5の上面斜視図である。アクチュエータデバイス250のカセットトレイ264は、図39に示されていない(図36参照)。試薬プランジャロッドアクチュエータ220は、一対の上部プレートポンプ制御ポート212を介して、カセット5の第1および第2の試薬プランジャロッド200、202の組(図11参照)を作動させ、第2の線形レールアクチュエータ258は、試薬プランジャロッドアクチュエータ220が、異なる対の上部プレートポンプ制御ポート212を介して、第1および第2の試薬プランジャロッド200、202の異なるセットを作動させ得るように、試薬プランジャロッドアクチュエータ220とともに第2のレールアクチュエータキャリッジ257を第2の線形レール256に沿って異なる位置まで移動させる。プロセスプランジャロッドアクチュエータ222は、一対の基部プレートポンプ制御ポート214を介して、カセット5の第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206の組(図11参照)を作動させ、第2の線形レールアクチュエータ258は、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222が、異なる対の基部プレートポンプ制御ポート214を介して、第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206の異なるセットを作動させ得るように、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222とともに第2のレールアクチュエータキャリッジ257を第2の線形レール256に沿って異なる位置まで移動させる。図39に示されるように、試薬およびプロセスプランジャロッドアクチュエータ220、222は、試薬およびプロセスプランジャロッドアクチュエータ220、222が、それぞれ、カセット5の第1の処理ステーション500(図1参照)の第1および第2の試薬プランジャロッド200、202および第1および第2のプロセスプランジャロッド204、206(図11参照)を作動させることを可能にするように、カセット5に対して第2の線形レール256上の位置に位置する。
【0151】
試薬回転子ロッドアクチュエータ240は、上部プレート回転子制御ポート236(図40参照)を介して、カセット5の試薬回転子ロッド230(図15参照)を作動させ、第1の線形レールアクチュエータ254は、試薬回転子ロッドアクチュエータ240が、異なる上部プレート回転子制御ポート236を介して、異なる試薬回転子ロッド230を作動させ得るように、試薬回転子ロッドアクチュエータ240とともに第1のレールアクチュエータキャリッジ253を第1の線形レール252に沿って異なる位置まで移動させる。プロセス回転子ロッドアクチュエータ242は、基部プレート回転子制御ポート238(図40参照)を介して、カセット5のプロセス回転子ロッド232(図15参照)を作動させ、第1の線形レールアクチュエータ254は、プロセス回転子ロッドアクチュエータ242が、異なる基部プレート回転子制御ポート238を介して、異なるプロセス回転子ロッド232を作動させ得るように、プロセス回転子ロッドアクチュエータ242とともに第1のレールアクチュエータキャリッジ253を第1の線形レール252に沿って異なる位置まで移動させる。図39に示されるように、試薬およびプロセス回転子ロッドアクチュエータ240、242は、試薬およびプロセス回転子ロッドアクチュエータ240、242が、それぞれ、カセット5の第1の処理ステーション500(図1参照)の試薬回転子ロッド230およびプロセス回転子ロッド232(図15参照)を作動させることを可能にするように、カセット5に対して第1の線形レール252上の位置に位置する。
【0152】
図40は、アクチュエータデバイス250の第1および第2のフレックス回路加熱器270、274、第1および第2の磁石(磁石アレイ)280、290、および第1および第2の磁石リフタ282、292が、カセット5の第1の処理ステーション500および第1の中間処理ステーション510(図1参照)のプロセスチャンバ38内で温度制御および/または磁石制御を実施するために位置付けられるように、アクチュエータデバイス250のこれらの構成要素に対して位置付けられる、カセット5の底面斜視図である。アクチュエータデバイス250のカセットトレイ264は、図40に示されていない(図36参照)。上記に説明されるように、カセット5が、アクチュエータデバイス250内に配設されるとき、第1の処理ステーション500および第1の中間処理ステーション510は、第1の処理ステーション500の8つのプロセスチャンバ38の各々が、第1のフレックス回路加熱器270の8つの抵抗加熱器272のうちの1つ(図36参照)に対応し、それと近接するように、かつ第1の中間処理ステーション510の8つのプロセスチャンバ38の各々が、第2のフレックス回路加熱器274の8つの抵抗加熱器272のうちの1つ(図36参照)に対応し、それと近接するように、第1および第2のフレックス回路加熱器270、274に関連付けられる。本事例では、「近接する」は、第1の処理ステーション500および第1の中間処理ステーション510の各プロセスチャンバ38の底面を形成する、(図40で半透明として示される)基部フィルム32の一部が、関連付けられた第1および第2のフレックス回路加熱器270、274の対応する抵抗加熱器272と物理的に接触する、または加熱器に関連付けられたプロセスチャンバとの間の効率的な熱転写を許容するために、少なくとも十分に物理的に近接していることを意味する。上記に説明されるように、第1および第2のフレックス回路加熱器270、274は、それぞれ、第1の処理ステーション500および第1の中間処理ステーション510内でプロセスチャンバ38の温度制御を実施することができる。
【0153】
図40に示されるように、カセット5が、アクチュエータデバイス250内に配設されるとき、第1の処理ステーション500(図1参照)の8つのプロセスチャンバ38の各々は、アクチュエータデバイス250の8つの第1の磁石280のうちの1つに対応し、第1の中間処理ステーション510(図1参照)の8つのプロセスチャンバ38の各々は、アクチュエータデバイス250の8つの第2の磁石290のうちの1つに対応する。第1の磁石280は、第1の磁石リフタ282が、第1の磁石280を第1の位置まで持ち上げる、または第1の磁石280を第2の位置まで下げるために作動され得るように、第1の磁石リフタ282と動作可能に関連付けられる。持ち上げられた第1の位置(図40に示されるような)では、第1の磁石280は、第1のフレックス回路加熱器270に対して押圧し、第1の磁石280が、第1のフレックス回路加熱器270を通して磁場をそれらのプロセスチャンバ38に印加するように、第1の処理ステーション500のプロセスチャンバ38に近接する。下げられた第2の位置では、第1の磁石280は、第1の磁石280が、磁場をそれらのプロセスチャンバ38に印加しない(またはより弱い磁場を印加する)ように、比較的にそれらのプロセスチャンバ38にあまり近接していない。第2の磁石290は、第2の磁石リフタ292が、第2の磁石290を第1の位置まで持ち上げる、または第2の磁石290を第2の位置まで下げるために作動され得るように、第2の磁石リフタ292と動作可能に関連付けられる。持ち上げられた第1の位置では、第2の磁石290は、第2のフレックス回路加熱器274に対して押圧し、第2の磁石290が、第2のフレックス回路加熱器274を通して磁場をそれらのプロセスチャンバ38に印加するように、第1の中間処理ステーション510のプロセスチャンバ38に近接する。下げられた第2の位置(図40に示されるような)では、第2の磁石290は、第2の磁石290が、磁場をそれらのプロセスチャンバ38に印加しない(またはより弱い磁場を印加する)ように、比較的にそれらのプロセスチャンバ38にあまり近接していない。
【0154】
図40では、第1の磁石280は、第1のまたは上昇した位置に示され、第2の磁石290は、第2のまたは下げられた位置に示される。ある実施形態では、下げられた位置で関連付けられた磁石を付勢するために、第1のコイルばね281が、各個々の第1の磁石280に関連付けられてもよく、第2のコイルばね291が、各個々の第2の磁石290に関連付けられてもよく、それによって、磁石リフタ282または292は、付勢ばね力を克服し、磁石を第1のまたは上昇した位置まで押動する。
【0155】
図40に示されるように、カセット5が、アクチュエータデバイス250内に配設されるときに、第1の処理ステーション500のプロセスチャンバ38および第1の中間処理ステーション510のプロセスチャンバ38が、それぞれ、温度制御、磁石制御、または温度および磁石制御の両方を受け得るように、第1のフレックス回路加熱器270および第1の磁石280は、スタックされ、第2のフレックス回路加熱器274および第2の磁石290は、アクチュエータデバイス250内でスタックされる。図40に示されていないが、アクチュエータデバイス250は、フレックス回路加熱器(第1のフレックス回路加熱器270等)と、プロセスチャンバ38を備えている、カセット5の各処理ステーション(例えば、第1の処理ステーション500)に関連付けられる、磁石および磁石リフタの組(第1の磁石280および第1の磁石リフタ282等)とを備えている。すなわち、アクチュエータデバイス250は、フレックス回路加熱器と、第1の処理ステーション500および第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、550(図1参照)のそれぞれの中で温度および/または磁石制御を別個に実施するための磁石および磁石リフタの組とを備えている。
【0156】
図41は、アクチュエータデバイス250の第2の線形レール256の斜視図である。第2のレールアクチュエータキャリッジ257を介して第2の線形レール256に結合されるものは、アクチュエータデバイス250の試薬プランジャロッドアクチュエータ220、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222、および磁石リフトアクチュエータ260である。第2の線形レールアクチュエータ258は、試薬プランジャロッドアクチュエータ220、プロセスプランジャロッドアクチュエータ222、および磁石リフトアクチュエータ260とともに第2のレールアクチュエータキャリッジ257を第2の線形レール256に沿って異なる位置まで移動させるように構成される。磁石リフトアクチュエータ260は、磁石リフタを作動させ、それによって、磁石リフタに関連付けられた磁石の組を持ち上げる、または下げるように構成される、例えば、磁石リフタ282を作動させ、第1の磁石280(図40、42参照)を持ち上げる、または下げるように構成される。例えば、磁石リフトアクチュエータ260は、線形に下向きに磁石リフトアクチュエータアーム262を延在させ、第1の磁石リフタペダル284(図42参照)に係合し、それを下向きに回転させ、これは、第1の磁石リフタ282を回転させ、それによって、第1の磁石280を持ち上げる。磁石リフトアクチュエータ260は、線形に上向きに磁石リフトアクチュエータアーム262を後退させ、第1の磁石リフタペダル284の上向き回転を可能にし、これは、第1の磁石リフタ282を回転させ、それによって、例えば、第1の磁石280に関連付けられた第1のコイルばね281(図40参照)の付勢力の下で第1の磁石280を下げる。第2の線形レールアクチュエータ258は、磁石リフトアクチュエータ260が、カセット5の異なる処理ステーション(例えば、第1の処理ステーション500、次いで、第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、550のそれぞれ、図1参照)の磁石リフタ(例えば、第1の磁石リフタ282)を作動させるために再配置され得るように、第2の線形レール256に沿って磁石リフトアクチュエータ260を移動させるように構成される。
【0157】
図42は、第1の処理ステーション500(図1参照)のプロセスチャンバ38を露出する、図2の線A-Aに沿って得られたカセット5の部分斜視断面図に対して位置付けられる、アクチュエータデバイス250の第1のフレックス回路加熱器270、第1の磁石280、および第1の磁石リフタ282の分解上面斜視図を示す。上記に議論されるように、カセット5が、アクチュエータデバイス250内に配設されるとき、第1の処理ステーション500の各プロセスチャンバ38は、第1のフレックス回路加熱器270の別個の抵抗加熱器272に対応し、各抵抗加熱器272は、プロセスチャンバ38内の温度を独立して制御し、プロセスチャンバ38の底面を形成する基部フィルム32の一部と物理的に接触する。物理的接触は、カセット5、具体的に、プロセスチャンバ38を加圧することによって向上され、これは、その第1のフレックス回路加熱器270および抵抗加熱器272の上面に対して、プロセスチャンバ38の底面を形成する基部フィルム32の一部を押圧する。また、上記に議論されるように、カセット5が、アクチュエータデバイス250内に配設されるとき、第1の処理ステーション500の各プロセスチャンバ38は、第1の磁石280に対応し、それによって、下向きまたは上向きに第1の磁石リフタペダル284を回転させることは、第1の磁石リフタ282を回転させ、これは、それぞれ、第1の磁石280を持ち上げ、または下げ、プロセスチャンバ38の磁石制御を実施する。第1の磁石280が、磁場をプロセスチャンバ38に印加するように持ち上げられるとき、第1の磁石280は、第1のフレックス回路加熱器270の底面に対して押圧する。図42に示されるような第1の処理ステーション500、および関連付けられた第1のフレックス回路加熱器270、第1の磁石280、および第1の磁石リフタ282のこれらの側面はまた、カセット5の他の処理ステーションのそれぞれ(例えば、第1、第2、第3、第4、および第5の中間処理ステーション510、520、530、540、550、図1参照)にも適用される。
【0158】
図43は、上記に説明される流体処理カセットの単一の流体チャネルの動作の一般的概観を図示する概略図である。図43に示されるように、入力ウェル34において提供されるサンプルは、処理ステーション500、510、520、530、540、550のそれぞれを通して、次いで、出力ウェル36まで進行する。図43は、例示的であり、カセットは、6つを上回る、または6つ未満の処理ステーションを含み得る。加えて、図43は、単一の流体チャネルのみを示す。図43に図示される各処理ステーションおよび各プロセスは、上記に説明されるように、1つ以上の追加の流体チャネル内で同時に生じ得る。
【0159】
各処理ステーションでは、試薬が、サンプルに添加され、サンプル/試薬混合を伴うプロセスまたは反応が、プロセスステーション内で生じる。第1の処理ステーション500では、試薬「A」が、サンプルに添加され、プロセスまたは反応「A」が、第1の処理ステーション500内で生じる。第1の処理ステーション500内で生じるプロセスまたは反応「A」に関連して、熱制御、磁気制御、または両方が、反応(例えば、増幅またはハイブリダイゼーション)を助長すること、または磁気分離手技を実施すること等のプロセスの一側面を生じさせるように、サンプル/試薬混合物に適用される。熱または温度制御は、(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の目的のために)高反応温度または熱サイクリングを制御するために実装されることができる。磁気制御は、例えば、流体チャネル内の永久磁石と流体との間の距離を変化させることによって、永久磁石を使用して実施されることができる。
【0160】
プロセスまたは反応「A」に続いて、結果として生じる混合物は、第1の処理ステーション500から第1の中間処理ステーション510まで移動させられる。第1の中間処理ステーション510では、試薬「B」が、サンプルに添加され、プロセスまたは反応「B」が、第1の中間処理ステーション510内で生じる。第1の中間処理ステーション510内で生じるプロセスまたは反応「B」に関連して、熱制御、磁気制御、または両方が、反応(例えば、増幅またはハイブリダイゼーション)を助長すること、または磁気分離手技を実施すること等のプロセスの一側面を生じさせるように、サンプル/試薬混合物に適用される。
【0161】
混合物は、中間処理ステーション520、530、540、550まで連続して移動させられる。各中間処理ステーション520、530、540、550では、試薬「C」、「D」、「E」、および「F」が、それぞれ、サンプルに添加され、プロセスまたは反応「C」、「D」、「E」、および「F」が、それぞれ、中間処理ステーション520、530、540、550内で生じる。中間処理ステーション520、530、540、550内で生じるプロセスまたは反応「C」、「D」、「E」、および「F」に関連して、熱制御、磁気制御、または両方が、反応(例えば、増幅またはハイブリダイゼーション)を助長すること、または磁気分離手技を実施すること等のプロセスの一側面を生じさせるように、サンプル/試薬混合物に適用される。
【0162】
図1に示される最終処理ステーション560は、図43に表されていない。最終処理ステーション560は、サンプル混合物への試薬の添加、または最終プロセスステーション560において生じるプロセスまたは反応、または関連付けられる熱および/または磁気制御を伴わないが、代わりに、最後の中間処理ステーション550から出力ウェル36までの混合物の移動のみを伴う。
【0163】
図44は、上記に説明される流体処理カセット内の単一の流体チャネルの種々の処理ステーションの動作を図示する概略図である。
【0164】
図44の図式的に表される流体処理カセットは、第1の処理ステーション500の第1のポンプアセンブリカラム501(カラムA)および第1の中間プロセスステーション510の第1の中間ポンプアセンブリカラム511(カラムB)を示す。
【0165】
第1のポンプアセンブリカラム501(カラムA)は、第1の弁VA1(例えば、上記に説明される下側回転子弁170の例示である下側回転子弁170A)と、プロセスポンプチャンバPA1(例えば、上記に説明される第1のプロセスポンプチャンバ105の例示であるプロセスポンプチャンバ105A)と、試薬ポンプチャンバPA2(例えば、上記に説明される第1の試薬ポンプチャンバ85の例示である試薬ポンプチャンバ85A)と、第2の弁VA2(例えば、上記に説明される上側回転子弁150の例示である上側回転子弁150A)と、試薬入力ウェルRGTA(例えば、上記に説明される試薬ウェル14の例示である試薬入力ウェル14A)と、反応チャンバRA(例えば、上記に説明されるプロセスチャンバ38の例示であるプロセスチャンバ38A)とを含む。
【0166】
第1の中間ポンプアセンブリカラム511(カラムB)は、第1の弁VB1(例えば、上記に説明される下側回転子弁170の例示である下側回転子弁170B)と、プロセスポンプチャンバPB1(例えば、上記に説明される第1のプロセスポンプチャンバ105の例示であるプロセスポンプチャンバ105B)と、試薬ポンプチャンバPB2(例えば、上記に説明される第1の試薬ポンプチャンバ85の例示である試薬ポンプチャンバ85B)と、第2の弁VB2(例えば、上記に説明される上側回転子弁150の例示である上側回転子弁150B)と、試薬入力ウェルRGTB(例えば、上記に説明される試薬ウェル14の例示である試薬入力ウェル14B)と、反応チャンバRB(例えば、上記に説明されるプロセスチャンバ38の例示であるプロセスチャンバ38B)とを含む。
【0167】
残りの中間プロセス処理ステーション520、530、540、550(カラムCからF)の各々は、第1の中間処理ステーション510の第1の中間ポンプアセンブリカラム511と実質的に同一の様式で構成され、図44では詳細に示されない。
【0168】
図44は、単一の流体処理チャネルのみのための処理ステーションおよび関連付けられるポンプアセンブリカラムを示す。図44に図示される処理ステーションおよび関連付けられるポンプアセンブリカラムの各々が、提供されることができ、関連付けられる機能が、上記に説明されるような1つ以上の追加の流体チャネルにおいて同時に実施されることができる。
【0169】
サンプル材料が、サンプル入力ウェル34内に設置される。カラムAの第1の弁VA1は、入力ウェル34をカラムAのプロセスポンプチャンバPA1に接続するように構成される。プロセスポンプチャンバPA1内で動作可能なプロセスポンプが、入力ウェル34と第1の弁VA1との間の矢印「S」によって表されるように、ある量のサンプル材料を入力ウェル34からプロセスポンプチャンバPA1まで移動させるようにアクティブ化される。第1の弁VA1は、次に、プロセスポンプチャンバPA1を第1の処理ステーション500の反応チャンバRAに接続するように構成され、プロセスポンプは、第1の弁VA1と反応チャンバRAとの間の矢印「S」によって表されるように、サンプル材料をプロセスポンプチャンバPA1から反応チャンバRAまで移動させるようにアクティブ化される。
【0170】
第1の試薬、すなわち、試薬「A」が、第1の処理ステーション500の試薬入力ウェルRGTA内に設置または含まれる。カラムAの第2の弁VA2は、試薬入力ウェルRGTAをカラムAの試薬ポンプチャンバPA2に接続するように構成される。試薬ポンプチャンバPA2内で動作可能な試薬ポンプが、ある量の試薬「A」を試薬入力ウェルRGTAから試薬ポンプチャンバPA2まで移動させるようにアクティブ化される。第2の弁VA2は、次に、試薬ポンプチャンバPA2を反応チャンバRAに接続するように構成され、試薬ポンプは、試薬「A」を試薬ポンプチャンバPA2から反応チャンバRAまで移動させ、それによって、反応チャンバRA内でサンプルおよび試薬「A」の混合物を形成するようにアクティブ化される。
【0171】
代替実施形態では、サンプルおよび試薬を反応チャンバRAに添加する順序は、逆転され得る。
【0172】
プロセスまたは反応「A」は、(矢印「TまたはM」によって表されるような)熱制御、磁気制御、または両方が、反応(例えば、増幅またはハイブリダイゼーション)を助長すること、または磁気分離手技を実施すること等のプロセスの一側面を生じさせるように、反応混合物RA内のサンプル/試薬混合物に適用されるにつれて、第1の処理ステーション500内の反応チャンバRA内で生じる。熱または温度制御は、(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の目的のために)高反応温度または熱サイクリングを制御するように、例えば、上記に説明される第1のフレックス回路加熱器270の抵抗加熱器272および/または冷却ファン266(図36参照)によって実装されることができる。磁気制御は、例えば、上記に説明されるような第1の磁石280を持ち上げる第1の磁石リフタ282(図40、42参照)によって、例えば、流体チャネル内の永久磁石と流体との間の距離を変化させることによって、永久磁石を使用して実施されることができる。
【0173】
反応チャンバRAに含まれる混合物に磁気洗浄手技を生じさせるために、第1の弁VA1は、反応チャンバRAをプロセスポンプチャンバPA1に接続するように構成され、プロセスポンプは、磁場が、反応チャンバRAと第1の弁VA1との間の矢印「W」によって表されるように、磁場によって不動化されていない材料を反応チャンバRAからプロセスポンプチャンバPA1まで移動させるように、(例えば、第1の磁石280を持ち上げる第1の磁石リフタ282によって)反応チャンバRAの内容物に印加されている間に、アクティブ化される。第1の弁VA1は、次いで、プロセスポンプチャンバPA1を入力ウェル34に接続するように構成されることができ、プロセスポンプは、第1の弁VA1と入力ウェル34との間の矢印「W」によって表されるように、材料をプロセスポンプチャンバPA1から入力ウェル34まで移動させ、それによって、入力ウェル34内の廃棄物材料を隔離するように、アクティブ化されることができる。
【0174】
次に、反応チャンバRA内の材料は、第1の処理ステーション500から第1の中間処理ステーション510まで移動させられる。カラムBの第1の弁VB1は、第1の処理ステーション500の反応チャンバRAをカラムBのプロセスポンプチャンバPB1に接続するように構成される。プロセスポンプチャンバPB1内で動作可能なプロセスポンプが、反応チャンバRAと第1の弁VB1との間の矢印「S」によって表されるように、ある量のサンプル混合物を反応チャンバRAからプロセスポンプチャンバPB1まで移動させるようにアクティブ化される。第1の弁VB1は、次に、プロセスポンプチャンバPB1を第1の中間処理ステーション510の反応チャンバRAに接続するように構成され、プロセスポンプは、第1の弁VB1と反応チャンバRBとの間の矢印「S」によって表されるように、材料をプロセスポンプチャンバPB1から反応チャンバRBまで移動させるようにアクティブ化される。
【0175】
第2の試薬、すなわち、試薬「B」が、第1の中間処理ステーション510の試薬入力ウェルRGTB内に設置または含まれる。カラムBの第2の弁VB2は、試薬入力ウェルRGTBをカラムBの試薬ポンプチャンバPB2に接続するように構成される。試薬ポンプチャンバPB2内で動作可能な試薬ポンプが、ある量の試薬「B」を試薬入力ウェルRGTBから試薬ポンプチャンバPB2まで移動させるようにアクティブ化される。第2の弁VB2は、次に、試薬ポンプチャンバPB2を反応チャンバRBに接続するように構成され、試薬ポンプは、試薬「B」を試薬ポンプチャンバPB2から反応チャンバRBまで移動させ、それによって、反応チャンバRB内でサンプルおよび試薬「B」の混合物を形成するようにアクティブ化される。
【0176】
代替実施形態では、サンプル混合物および試薬を反応チャンバRBに添加する順序は、逆転され得る。
【0177】
プロセスまたは反応「B」は、(矢印「TまたはM」によって表されるような)熱制御、磁気制御、または両方が、反応(例えば、増幅またはハイブリダイゼーション)を助長すること、または磁気分離手技を実施すること等のプロセスの一側面を生じさせるように、反応チャンバRB内のサンプル/試薬混合物に適用されるにつれて、第1の中間処理ステーション510内の反応チャンバRB内で生じる。熱または温度制御は、(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の目的のために)高反応温度または熱サイクリングを制御するように、例えば、上記に説明される第2のフレックス回路加熱器274の抵抗加熱器272(図36参照)によって実装されることができる。磁気制御は、例えば、上記に説明されるような第2の磁石290を持ち上げる第2の磁石リフタ292(図40、42参照)によって、例えば、流体チャネル内の永久磁石と流体との間の距離を変化させることによって、永久磁石を使用して実施されることができる。
【0178】
反応チャンバRBに含まれる混合物に磁気洗浄手技を生じさせるために、第1の弁VB1は、反応チャンバRBをプロセスポンプチャンバPB1に接続するように構成され、プロセスポンプは、磁場が、反応チャンバRBと第1の弁VB1との間の矢印「W」によって表されるように、磁場によって不動化されていない材料を反応チャンバRBからプロセスポンプチャンバPB1まで移動させるように、(例えば、第2の磁石290を持ち上げる第2の磁石リフタ292によって)反応チャンバRBの内容物に印加されている間に、アクティブ化される。第1の弁VB1は、次いで、プロセスポンプチャンバPB1を第1の処理ステーション500の反応チャンバRAに接続するように構成されることができ、プロセスポンプは、第1の弁VB1と反応チャンバRAとの間の矢印「W」によって表されるように、材料をプロセスポンプチャンバPB1から反応チャンバRAまで移動させ、反応チャンバRA内の廃棄物材料を隔離するように、アクティブ化されることができる。
【0179】
上記に説明されるプロセスのうちの1つ以上のものが、中間処理ステーション520、530、540、550(カラムCからF)のそれぞれにおいて実施されることができる。
【0180】
最終的に処理された混合物(例えば、精製サンプル)を最後から2番目の処理ステーションから出力ウェル36まで移動させるために、最終処理ステーション560(図1参照)の第1の弁は、最後から2番目の処理ステーションの反応チャンバを最終処理ステーション560のプロセスポンプチャンバに接続するように構成される。プロセスポンプチャンバ内で動作可能なプロセスポンプが、ある量のサンプル混合物を最後から2番目の処理ステーションの反応チャンバから最終処理ステーション560のプロセスポンプチャンバまで移動させるようにアクティブ化される。最終処理ステーション560の第1の弁は、次に、最終処理ステーション560のプロセスポンプチャンバを出力ウェル36に接続するように構成され、プロセスポンプは、サンプル混合物をプロセスポンプチャンバから出力ウェル36まで移動させるようにアクティブ化される。
【0181】
前述の概念および下記にさらに詳細に議論される追加の概念の全ての組み合わせは(そのような概念が相互に矛盾しないことを前提として)、本明細書に開示される主題の一部であるものとして検討されることを理解されたい。特に、本開示の終わりに表出する、請求される主題の全ての組み合わせが、本明細書に開示される主題の一部であるものとして検討される。また、参照することによって組み込まれる任意の開示にも表出し得る本明細書で明示的に採用される用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味を与えられるべきであることも理解されたい。
【0182】
本開示の主題が、特徴の種々の組み合わせおよび副次的組み合わせを含む、ある例証的例を参照して、著しく詳細に説明され、示されているが、当業者は、本開示の範囲内に包含されるものとして、他の例およびその変形例および修正を容易に理解するであろう。さらに、そのような例、組み合わせ、および副次的組み合わせの説明は、請求される主題が、請求項に明示的に記載されるもの以外の特徴または特徴の組み合わせを要求することを伝えることを意図していない。故に、本開示の範囲は、以下の添付の請求項の精神および範囲内に包含される、全ての修正および変形例を含むことを意図している。
図1
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