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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】手と眼の反応能力を測定するシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20240906BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A61B5/11
A61B5/16 400
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022508873
(86)(22)【出願日】2020-08-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 EP2020073193
(87)【国際公開番号】W WO2021037631
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】19193520.4
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】102020115749.5
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522053780
【氏名又は名称】サニヴァ・ダイアグノスティクス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ニサー・ジェニー
(72)【発明者】
【氏名】ルプレヒト・スヴェン
(72)【発明者】
【氏名】デアリーン・シュテッフェン
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-126449(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0324443(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の手と眼の反応を測定するための測定システムであって、
一つの測定物体と、
少なくとも一つの動力源と、
少なくとも一つの保持機器と、
少なくとも一つの作動ユニットと、
少なくとも一つの第一のセンサーユニットであって、測定物体の主加速軸に沿った加速度の時間的な推移を測定するように構成された第一のセンサーユニットと、
少なくとも一つのさらに他の検知測定量の時間的な推移を測定する少なくとも一つの第二のセンサーユニットであって、測定物体から保持機器までの距離を測定する距離センサー、有利には、光学式距離センサーと、主加速軸に対して直角の加速挙動を測定する加速度センサーと、被験者の把持力の測定に適した力センサー、有利には、ピエゾ抵抗式圧力センサー、ピエゾ電気式圧力センサー又は容量式圧力センサーとの少なくともいずれかの中から選定される第二のセンサーユニットと、
少なくとも一つのデータ伝送用インタフェースであって、コンピュータ読取可能な信号の形で、センサーユニットにより特定されたデータを伝送するように構成されたインタフェースと、
センサーユニットにより特定されたデータを受信して、アルゴリズムにより処理するように構成された少なくとも一つのデータ処理ユニットと、を有し、
データ処理ユニットでは、第一のセンサーユニットにより特定されたデータと、第二のセンサーユニットにより特定されたデータとが相互に関連した所要の密度の測定データのポイントクラウドが収集され、その処理が実施される測定システム。
【請求項2】
前記の測定物体が、棒であり、10cm~120cmの範囲内の長さ、4mm~55mmの範囲内の直径及び50g~1,500gの範囲内の重量の中の一つ以上を有することを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
【請求項3】
前記の作動ユニットが、磁石式作動ユニット、電子式作動ユニット、電磁石式作動ユニット又は機械式作動ユニットであることを特徴とする請求項1又は2に記載の測定システム。
【請求項4】
前記の少なくとも一つのセンサーユニットとデータ処理ユニットが、遠隔測定形態で互いに接続されていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の測定システム。
【請求項5】
運動、運動分析及び身体トレーニングの分野における反応時間の推移を測定する際に使用するための請求項1~のいずれか1項に記載の測定システム。
【請求項6】
前記の身体トレーニングが、余暇のスポーツ、健康スポーツ並びに、特に、リハビリテーションの分野における健康のためのスポーツである請求項に記載の測定システム。
【請求項7】
神経変性疾患の医療分野における反応時間の推移を測定する際に使用するための請求項1~のいずれか1項に記載の測定システム。
【請求項8】
前記の神経変性疾患が、シヌクレイノパチーのグループから、有利には、パーキンソン病、多系統萎縮症、レビー小体型認知症から、或いはタウオパシーのグループから、有利には、アルツハイマー病から選定される請求項に記載の測定システム。
【請求項9】
被験者の反応時間を定量化するために請求項1~4のいずれか1項に記載の測定システムを作動させる方法であって、測定システムによる次の
d)力の作用をランダムに作動させる工程と、
e)測定時間長に渡って加速度の推移を検出する工程と、
f)全ての追加検知情報を検出する工程と、
g)全ての検知データをデータ処理システムに伝送し、データ処理システムにより次の工程を実施させる工程と、
a.特定されたデータ記録させ、
b.特定されたデータ記憶させ、
c.既存のデータセット追加的に得られたデータ比較させ、
d.推移値分析させ、
h)評価結果を出力させる工程と、を有する方法。
【請求項10】
記の方法の工程d)~f)と、前記の方法の工程g)b.~g)d.との中の一つ以上が、それぞれ任意の順番で出現することができる請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な神経認知症の運動課題を実施する場合に人の手と眼の反応能力を計測するのに適した測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な神経認知症の運動課題は、主に個人の手と眼の反応能力、注意力及び把持機能によって影響される。
【0003】
被験者の手と眼の反応能力、注意力及び把持機能を検出するための検査装置の最小の例は、落下棒テストである。
【0004】
その場合、最も簡単なケースでは、好適な長さ、多くの場合、約50cm~100cmの棒が検査指導員によって手の中に垂直に保持される。その場合、保持された棒は、被験者の計測すべき手の上方に、或いは手の中に把持されない状態で有る。検査指導員は、棒を離すことができる。棒は、地球の重力の作用によって加速して、短い時間後に被験者によってキャッチされる。棒の進んだ道程によって、自由落下の物理法則から、被験者の反応時間を推定することができる。その解決策は、被験者の反応能力に影響を及ぼす可能性の有る様々な制限を有する。その最小の例は、ここで述べた検査装置において、些細な客観性しか提供しない。
【0005】
従来技術では、技術を用いて落下棒テストの結果の再現性を向上させる幾つかの解決策が知られている。
【0006】
特許文献1には、ストップウォッチを組み入れた落下棒テストが開示されている。その棒は、測定の前に、垂直に吊り下がるように、その保持機器と接続される。その保持機器は、例えば、電磁石である。測定の開始は、保持機器を開く(電磁磁石の場合、ボタンの押下により電流の供給を停止する)検査指導員によって決定される。棒の内部のストップウォッチがスタートして、棒が、地球の重力場によって加速される。棒の外側には、第二のスイッチが在る。棒がキャッチされると、ストップウォッチが停止して、測定された時間差が、棒のディスプレイに直に表示される。
【0007】
特許文献2には、様々な形式の反応能力を測定するコンパクトな機器が提示されている。その機器は、例えば、異なる色のLEDにより実現される光学的な刺激又は音響的な刺激によって、被験者に指示(機器の所定のキーの押下)を与える。その場合、被験者が動作の実行のために要した時間長が測定される。刺激の形式と適用形態に応じて、異なる反応時間を収集することができる。簡単な反応時間の外に、決断力成分又は選択力成分も運動課題に取り入れることができる。更に、その機器は加速度計を有する。それによって、加速度の変化が検出され、そのために、ストップウォッチが実現されている。その機器は、それぞれ測定された時間差の情報を出力するための簡単なディスプレイを有する。
【0008】
特許文献3には、所定の刺激により作動されたこと(時計のスタート)を表示する電磁気的に保持される落下棒が開示されている。そのように、例えば、被験者が眼を閉じて、指導員が音響信号を選択する。その信号が作動信号である場合、光学分析機がスイッチオフされた時に、純粋な音響刺激に対して実施すべき運動課題の反応時間を測定することができる。同様の手法で、異なるランプが測定構成に取り付けられている。検査指導員が、それらのランプを点灯する。ランプが作動信号を示す場合、被験者は、反応しなければならず、手と眼の反応時間が計測される。
【0009】
従来技術では、専ら二つの測定時点から被験者の反応時間に関する生理学的な情報を導き出す測定システムだけが提案されている。前記の技術的な解決策の何れも、ランダムにスタートするストップウォッチの能力を超える測定課題を果たすことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】台湾特許公開第2011052894号明細書
【文献】米国特許公開第2010/0324443号明細書
【文献】日本実用新案第55-43019号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、被験者が測定システムに加える力の作用の推移と、キャッチ時及びキャッチ直後の計器の加速挙動とを記録した所要の密度の測定データのポイントクラウドを収集し、そのようにして得たデータの処理を実施して、基準データベースの限界値及び/又はデータとの比較を行う測定システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、主請求項の特徴とそれに従属する副請求項の特徴によって解決される。有利な実施形態は、それらをそれぞれ引用する下位請求項の対象である。
【0013】
この場合、複雑な神経認知症の運動課題において人の手と眼の反応能力を測定する測定システムは、少なくとも一つの測定物体を有する。この物体は、少なくとも一つの動力源を用いて、その少なくとも一つの保持機器から加速される。この場合、加速度を測定するように構成された少なくとも一つの第一のセンサーユニットが、加速度の時間的な推移を検出する。加速度の推移の測定に加えて、少なくとも一つの第二のセンサーユニットを用いて、別の検知測定量が検出される。
【0014】
そのようにして得られた検知データは、少なくとも一つのデータ伝送用インタフェースを用いて、コンピュータ読取可能な信号として、データ処理ユニットに伝送することができる。
【0015】
このデータ処理ユニットは、伝送されて来た検知データを処理する。
【0016】
反応時間及び把持機能を定量化する方法は、比較可能なデータを作り出す役割を果たす。この場合、この方法は、
a)手と眼の反応能力及び把持機能を測定する測定システムを準備する工程と、
b)測定システムに対して相対的に被験者の位置を決める工程と、
c)測定を開始する工程と、
d)力の作用をランダムに作動する工程と、
e)測定時間長に渡って加速度の推移を検出する工程と、
f)全ての追加検知情報を検出する工程と、
g)全ての検知データをデータ処理システムに伝送する工程と、
a.特定されたデータの記録
b.特定されたデータの記憶
c.既存のデータセット、基準データ及び/又は場合によっては、病気特有の限界値と の追加的に得られたデータの比較
d.推移値の分析
h)評価結果を出力する工程と、
を有する。
【0017】
以下において、使用する用語を詳しく定義する。
【0018】
測定物体:測定物体は、測定に必要なセンサーユニットと、作動ユニット又はその保持点と、動力伝達用及びデータ伝送用インタフェースとを固定及び/又は保持する役割を果たす。動力源が、測定物体に加速する力を加える。
【0019】
動力源:動力源は、測定物体に加速作用を加えることができる。この場合、達成される加速作用の時間的な推移は、十分に周知であるか、或いはセンサーユニットによって、測定技術的に検出される。これには、対象物を加速させる技術的な機器と同様に、地球の重力場が挙げられる(これに限定されない)。
【0020】
作動ユニット:作動ユニットは、先ずは作用する動力源に対抗して測定物体を保持するか、或いは動力源に対する保持作用を発生するのに適した機械的な部品及び/又は電磁気的な部品を有する。この場合、これらの部品は、自由に選定可能な時点に切り換えられ、この切換プロセス後に、保持作用が停止することとなる。この場合、作動ユニットの切換プロセスを従来の乱数発生器と関連付けて、作動シーケンスにおけるパターン形成によって起こり得る下意識の影響又は人である検査指導員の影響を出来る限り最小化することが、本発明の目的に適っている。
【0021】
センサーユニット:この場合、センサーユニットは、少なくとも一つの検知部分、電源供給部分及び伝送部分を有する。
【0022】
この検知部分は、有利には、測定量として、少なくとも一つの物理的又は化学的な特性を定性的又は定量的に検出するように構成された技術的な部品である。この場合、物理的な特性は、例えば、熱量、温度、圧力、音場の大きさ、明るさ又は加速度を含み、化学的な特性は、例えば、pH値、イオン強度又は電気化学的なポテンシャルを含む。多くの場合、この部品は、その周囲の物質の性質を検出するように構成される。
【0023】
これらの量は、物理的又は化学的な効果を用いて検出されて、電気信号に変換される。
【0024】
この電源供給部分は、センサーユニットの動作に必要なエネルギーを供給する。これは、電気信号への測定量の変換及びその伝送に必要なエネルギー需要も含む。多くの場合、これは、エネルギー源又はエネルギー貯蔵機器、例えば、バッテリー、蓄電器又はコンデンサーによって提供される。
【0025】
この伝送部分は、検知部分で変換された電気信号を通信伝送することができる、センサーユニットの部分である。これは、信号の伝送に適したインタフェースを介して行われる。このインタフェースは、物理的なインタフェースに限定されない。
【0026】
データ処理ユニット:この場合、データ処理ユニットは、センサーユニットによって特定されたデータを受信して、アルゴリズムにより処理するように構成された少なくとも一つのデータ処理設備を有する。更に、データ処理ユニットは、そのために送信機と受信機を有する。
【0027】
測定されたデータは、基準データベースの値と比較される。この基準データベースには、ローデータ及び/又は精製済みデータの形のそれまでの測定値が存在する。これらの基準データは、例えば、それまでの推移曲線、病気特有の限界値又は従来の方法の文献のデジタル化された値を含むことができ、これらに限定されない。
【0028】
本発明の実施構成では、測定物体は、有利には、横断面が丸い管又は棒である。有利には、この管又は棒は、その諸元において10cm~120cmの範囲内の長さ及び/又は4mm~55mmの範囲内の直径及び/又は50g~1,500gの範囲内の重量を有し、薄膜センサーを使用することによって、10gまでのより軽い重量も考えられる。この場合、考えられる最大重量は、最終的に被験者の体形により制限され、被験者が、例えば、3,000gの落下する大きな測定物体を無傷でキャッチできるか否かである。この場合、測定物体を加速させる動力源は、地球の重力場であり、この管又は棒は、地球の重力場内に垂直に配置される。
【0029】
有利には、この管又は棒は、木、プラスチック、例えば、ポリエチレン、軽金属、例えば、アルミニウム、或いはグラスファイバー強化アルミニウムやグラスファイバー強化プラスチック等の複合材料などの電気絶縁体から構成される。
【0030】
これは、そのように、遠隔計測用データ伝送の送信ユニット及び/又は受信ユニットを管又は棒の内部に設置できて、それに対応する装置の送信電力及び/又は受信電力を大きく損なうことが無いので、有利である。
【0031】
本発明の実施構成では、測定物体は、固体材料から製作される。この固体材料、有利には、木、プラスチック、例えば、ポリエチレン又は軽金属、例えば、アルミニウム内には、一般的に実施されている除去処理方法、例えば、フライス切削及び/又は穴開けによって、所要の中空空間が設けられる。これは、一般的に実施されている方法により、様々なエンドユーザーのための実施形態において、最大限の個別事情を達成できるので、有利である。そのように、重量を重くすることによって、より大きくなった慣性がより良好な測定に繋がるので、例えば、パワースポーツの分野では、全体の重量が重い測定物体が用いられる。更に、より大きな体力を有する被験者を考慮すべきである。例えば、そのように、体の弱い人が容易にキャッチできる、より軽い測定物体を製作することもできる。
【0032】
本発明の実施構成では、測定物体は、一般的に実施されている射出成形方法で製作される。これは、それにより多数の纏まったピースを経済的に有利に、速く製作できるので、有利である。
【0033】
3D印刷方法の使用に適した材料、例えば、PLA又はABSが特に有利である。これは、そのように、測定システムの個別的な製作が実現できるので、有利である。それによって、除去方法によって実現できない構造が実現可能になる。このように、測定システムの重心を最適にすることができる。
【0034】
測定物体の様々な製作方法及び具体化によって、有利には、幅広いエンドユーザー基盤が得られる。
【0035】
実施構成では、この管又は棒は、電気部品が損傷される可能性が無い形で、湿った環境で用いることができるように密閉される。これは、被験者が、その前の身体トレーニングにより汗でぬれた手で計測される場合に有利である。
【0036】
この場合、別の利点は、プラスチック製ケースを介した電気エネルギーの誘導式電力供給が金属製ケースと比べて明らかに容易になることである。更に、測定システムの全体的な重量への作用を無視できる。
【0037】
本発明の実施構成では、この測定物体は、互いに動ける形で配置された、好適な保持機器によって互いに連結されたプラスチック区画から構成される。これは、そのようにして、保管する場合に、より小さい所要スペースが実現できるので、有利である。更に、柔軟な外側ケースによって、誤用によって起こる可能性のある負傷する虞が最小化される。
【0038】
本発明の実施構成では、測定物体への電気エネルギーの誘導結合部が、保持部、特に、作動ユニット内に配置される。
【0039】
例えば、一つが測定物体の内部に在り、一つが測定物体の外部に在る、二つの電磁石が、測定物体をその静止位置に保持することができる。これらの電磁石の中の一つの電流方向を反転させた場合、これらの電磁石の間の力の作用が生じる。測定物体は、そこに在る電磁石によって加速される。そのため、これらの電磁石は、作動ユニット及び動力源として、エネルギーを供給する役割を果たす。
【0040】
本発明の実施構成では、この少なくとも一つの第二のセンサーが、
有利には、光学式距離センサーである距離センサー、
例えば、主加速軸に対して直角の加速挙動を記録する加速度センサー、
把持力の測定に適した力センサー(有利には、これらの力センサーは、ピエゾ抵抗式圧力センサー、ピエゾ電気式圧力センサー又は容量式圧力センサーにより実現される)、
の中から選定される。
【0041】
これは、そのようにして、更なるデータが、被験者特有の反応時間と相互に関連した形で検出されて、評価されるので、有利である。
【0042】
例えば、加速挙動と把持力の相互に関連した形の測定によって、運動システムで規定される関係において、神経筋肉特性、神経学的傾向及び/又は筋肉で規定される傾向を推定することができる。
【0043】
本発明の実施構成では、加速度センサーユニットが棒又は管の内部に取り付けられる。この把持力を測定するセンサーユニットは、棒の表面に沿った平面センサーによって実現される。これは、そのようにして、測定システム全体の構造負担と経済的な費用が小さくなるので、有利である。
【0044】
本発明の実施構成では、これらのセンサーユニットが、管又は棒の表面に取り付けられて、それと機械的に接続される。この場合、把持力と力分布の2次元画像の両方を表面に渡って収集するために、センサーユニットの縦続接続が使用される。これは、そのようにして、測定値の補正を実施できるので、有利である。そのように、例えば、把持反応を漸く実施することができるが、完全な把持力は、先ずは時間的に遅れた形で始まる。そのため、更に、個々の指の力の作用が測定可能である。
【0045】
本発明の実施構成では、少なくとも一つのセンサーユニットと、少なくとも一つのデータ処理ユニットが、遠隔測定形態で互いに接続される。そのため、センサーにより検出されたデータの非接触式遠隔伝送が実現可能である。この遠隔測定伝送は、そのように、例えば、ITで通常実施されているクラウドソルーションによって、分散式データ評価アルゴリズムを性能の良いデータ処理設備で動作させることができるので、有利である。
【0046】
本発明の実施構成では、ローカルな評価が考えられる。この場合、データは、標準的な伝送形態、例えば、WLANを用いて、到達範囲内に在るデータ処理設備に送信され、評価されて、現場に居る人によって解釈される。
【0047】
本発明の実施構成では、この測定システムは、体を鍛錬する分野での反応時間の推移の測定を実施するために使用される。これは、様々な種類のスポーツの力の運動家、その中の格闘家、航空分野及び宇宙飛行分野の人が、負荷強度、トレーニング量を最適に制御するとの意味でトレーニングプロセスにおいて自身の身体的能力を最適化する際に、並びにトレーニング手段及びトレーニング内容を選定する場合に、自身の反応時間の推移の精確な知見を提示されるので、有利である。
【0048】
例えば、宇宙空間での長期滞在中などの筋肉を退化させる環境において、人は、場合によっては、危険を防止できるようにするために、自身の手と眼の反応能力の監視と最適化を必要とする。この測定システムは、このような体を鍛錬する分野にも用いられ、そこでは、測定物体を加速させる動力源が、地球の重力場に依存しない動力源である。
【0049】
本発明の実施構成では、この測定システムは、特に、医療での使用分野、リハビリ治療及び健康スポーツでの予防分野において、トレーニングプロセスの前に力の能力を探知して、トレーニングプロセス中に管理し、診療期間又はトレーニングプロセスの終了時に定量化するために使用される。後者は、有利には、力の状態が最終的に存在すべき定義された目標範囲に応じて、力の状態の変化を判定することを可能にする。
【0050】
本発明の実施構成では、この測定システムは、余暇スポーツによって得られる、手と眼の協調と把持機能の改善度を検査するために使用される。
【0051】
この測定システムを体を鍛錬する幅広い用途範囲で使用する場合、幅広い匿名のデータ基盤を実現するのが有利である。それにより、考え得る巨大な管理グループが実現され、場合によっては、ネットワークベースのデータ処理設備(例えば、クラウドソルーション)を用いることによって、比較可能な手法も実現される。
【0052】
本発明の実施構成では、この測定システムは、医療分野で使用される。特に、未だ初期段階にある神経変性疾患を有する被験者の反応時間の推移と把持機能を測定する場合にも使用される。
【0053】
特に、この測定システムは、シヌクレイノパチーのグループ、例えば、パーキンソン病、多系統萎縮症、レビー小体型認知症の中からの神経変性疾患の割出及び/又は識別時に、或いはタウオパシーのグループ、例えば、アルツハイマー病の中からの神経変性疾患の割出時に使用される。
【0054】
この神経変性疾患の割出及び/又は識別のために、この測定システムを医療の適用分野で使用する場合、少なくとも一つの基準データベースの実現と拡大を伴って、幅広い匿名のデータ環境を実現することが有利である。それにより、各疾患に関して考え得る巨大なグループが実現され、場合によっては、ネットワークベースのデータ処理設備(例えば、クラウドソルーション)を用いることによって、比較可能な手法も得られる。
【0055】
そのため、基準データベースの基礎を成すデータ環境によって、スクリーニング検査の枠組みにおいて、神経変性疾患の非侵襲による早期の割出及び/又は識別が有利に実現される。
【0056】
本発明の実施構成では、この測定物体は、50cmの長さの棒であり、動力源は、測定物体の10m/sの平均加速度を引き起こすリターンスプリングである。このリターンスプリングは、サスペンション部で付勢されて、この棒は、保持状態にロックされる。
【0057】
センサーによる記録が開始される。作動ユニットによって、棒と保持部の間の接続が切り離されて、バネの付勢が解除される。棒は、加速されて、加速距離を進んだ後、被験者によってキャッチされる。そのため、加速度測定のフローにおいて、先ずは加速度の急峻な上昇が測定される。これに続く短いフェーズでは、加速度が理想的にはゼロとなって、測定物体が直線的に単調に更に動く。被験者が測定物体をキャッチすることによって、負の加速度が測定物体に作用する。
【0058】
本発明の実施構成では、この測定物体は、横断面が4mm×30mmのサイズの長方形で、長さが120mmの棒である。この場合、センサーユニットは、面で実現され、測定物体の表面上に配置される。動力源は、地球の重力場であり、棒は、その中に垂直に配置される。棒は、落下しないようにサスペンション部に固定される。センサーによる記録が開始される。作動ユニットによって、棒と保持部の間の接続が解除されて、棒が自由落下状態となる。棒は、加速されて、加速距離を進んだ後、被験者によってキャッチされる。
【0059】
本発明の実施構成では、この作動ユニットは、電磁石式作動ユニット及び/又は機械式作動ユニットである。純粋に電磁石式作動ユニットの利点は、それが製造及び構造において簡単なことである。そのように、例えば、周知の電磁石を用いて、リレー技術と同様に、電気エネルギーの供給によって、保持状態から解除状態に切換可能である。
【0060】
機械式作動ユニットとは、留め金、クリップ及び/又はピンなどの受動的なシステムであると理解する。能動的な機械式作動ユニットとは、圧力動作式システム、例えば、油圧装置又は空気圧装置であると理解する。
【0061】
純粋に受動的な機械式作動ユニットの利点は、それが外部のエネルギー源に依存しないことである。
【0062】
この場合、これらの組合せ(永久磁石の機械方式)も電磁石式及び/又は機械式に挙げられる。
【0063】
本発明の実施構成では、この測定物体(管又は棒)は、運動の自由度を並進的な自由動に有利に低減するガイドシステムと接続される。これは、そのように、ランダムな測定誤差が大幅に防止されるので、有利である。更に、このガイドシステムによって、道程の制限を実現することができる。これは、そのように、棒又は管がキャッチされないことによって負傷する虞が最小化されるので、有利である。
【0064】
本発明の実施構成では、この方法の工程a)~c)、この方法の工程d)~f)及びこの方法の工程g)b.~g)d.の中の一つ以上が、それぞれ任意の順序で実施される。
【0065】
本発明を実現するために、前述した実施構成と請求項の特徴を組み合わせることも、本発明の目的に適っている。
【0066】
以下において、幾つかの実施例と付属する図面に基づき、本発明を詳しく説明する。この場合、実施例は、本発明を記述するが、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】一つの実施構成の斜視図
図2】引っ込んだ状態の台の一つの実施例の考え得る寸法の略図
図3】延びた状態の台の一つの実施例の考え得る寸法の略図
図4】三つの直交する加速度センサーにより測定された加速度の推移のグラフ
図5】距離と把持力の推移のグラフ
図6】本方法及び測定動作のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1には、一つの実施構成の斜視図が図示されている。保持機器と、棒として実現された測定システムと、制御されない形の横転から測定システムを保護するガイドロープとを備えた台を認識できる。
【0069】
図2には、一つの実施例の考え得る寸法の略図が示されており、この測定システムは、高さを設定可能な台に静止している。この場合、ここでは、高さを設定可能な台の最小の高さが与えられており、この台は、引っ込んだ状態に在る。
【0070】
図3には、一つの実施例の考え得る寸法の略図が示されており、この測定システムは、高さを設定可能な台に静止している。この場合、ここでは、高さを設定可能な台の最大の高さが与えられており、この台は、延びた状態に在る。
【0071】
図4には、共通の時間軸に渡って、三つの直交する加速度センサーによる加速度の推移の測定が示されている。この場合、上側のグラフは、x軸に沿った加速度を示す。この場合、x軸は、被験者の動かず真っ直ぐに延びる視線方向である。
【0072】
中央のグラフは、y軸に沿った加速度の時間的な推移を示す。この場合、y軸は、水平線に対して平行又は逆方向である。
【0073】
下側のグラフは、z軸に沿った加速度を示す。この場合、x軸とy軸に対して直角のz軸は、地球の半径方向に沿っている。
【0074】
特に、z軸のグラフでは、0.95秒の時点に、加速度の負の推移が認識できる。これは、作動ユニットが棒をランダムな条件で自由にする瞬間である。これに続くフェーズは、加速度が一定であり、時間長が約1秒~1.15秒である。この場合、棒は、自由な状態になる。その後、1.25秒の時点において、加速度の急峻な正の上昇が認識できる。ここでは、被験者が棒をキャッチして、その後の時間期間の間、棒をしっかり保持している。
【0075】
x軸とy軸のデータから、キャッチ直後の棒のジッター運動を測定することができる。
【0076】
図5には、加速度の推移の測定を補完する、距離と把持力の測定が示されている。この場合、時間的なベースは、図4と同じである。これに関して、上側のグラフには、棒の上側(トップキャップ)から保持機器までの距離の光学的に測定された推移が時間に対してプロットされている。中央のグラフには、加速度の機械的な法則から得られる距離の計算値がプロットされている。この場合、1.25秒の時点における棒のキャッチ後の距離の恒常的な増加は、棒と保持機器の物理的な接近ではなく、データ分析のアーチファクトである。
【0077】
下側のグラフには、測定された把持力が時間に対してプロットされている。センサーの瞬間的な大きな作動が、1.25秒の時点に短い過剰応答を発生させている。棒が確実にキャッチされて、その情報が脳によって処理された後、把持力の低下(付勢解除状態)が起こっている。
【0078】
図6には、本方法及び測定動作のフロー図が図示されている。この場合、例えば、年齢、性別、トレーニング状態又は既往症などの人に関するデータの入力により開始される。このテストが開始、終了されて、人に関するデータと測定データの組合せがデータ処理ユニット(クラウドソルーション)に送信される。そこでは、データが匿名にされて、基準データベースの既存のデータセットと比較される。評価を終えた結果が、端末機器に送信される。ユーザーは、この分析の記録として得られた結果を消去すべきかを決定することができる。この得られたデータセットは、更に利用するための手続きの終了後に基準データベースに取り込まれる。
【0079】
一つの実施例において、この手と眼の反応能力を測定する測定システムは、棒、高さを設定可能な台、充電プラットフォーム及びソフトウェアの部品を有する。
【0080】
この棒は、「トップキャップ」と「ボディ」の構成部品に分解される。
【0081】
落下棒の本体(ボディ)は、丸い横断面を有する。ナイロンが電波を透過するとともに、通信ユニットを妨害しないので、この棒は、3D印刷によりナイロンから製作され、以下の諸元を有する。
直径:30cm
棒の長さ:767.1mm
落下棒の全体重量:405g
【0082】
この外側の表面には、二つの力センサーが取り付けられて、機械的に接続されている。これらの力センサーは、610mmの長さの長いベルトとして実現されている。そのため、力を検知する面の長さは、次の通りとなる。
力センサーの測定領域の長さ:610mm
【0083】
このボディは、棒の内部の制御課題用マザーボード、電源、Wifi通信ユニット、センサー用インタフェース及びファームウェアを備えたプロセッサーCPUを収容する。
【0084】
充電プラットフォームの外部のエネルギー源に依存しないデータ検出、記憶及び伝送を実現可能とするための棒の電源は、リチウムイオン電池の形で構成されている。
【0085】
棒の上方の閉鎖キャップ(トップキャップ)は、棒と同じ材料から製作される。このトップキャップは、以下の外寸を有する。
長さ:108mm
幅:118mm
高さ:13mm
【0086】
このトップキャップの上方の面上には、充電プラットフォームとの充電機能用のインタフェースとして、三つのバネ接点が搭載されている。更に、このトップキャップには、加速度センサーの外に、光学式距離センサーが組み込まれている。
【0087】
これらの加速度センサーは、三つの直交する空間方向での測定のために配置されている。外見上は、これらの加速度センサーによって、キャッチする正確な時点が検出される。光学式距離センサーを用いて、棒の上端と充電プラットフォームの間の距離が測定される。この場合、開始位置での手の下端により定義される正確なゼロの線の規定を不要にすることができる。
【0088】
光学式距離センサーは、充電プラットフォームとトップキャップの間の落下距離を計測し、加速度センサーは、特に、キャッチする時点を記録する。更に、トップキャップには、保持機器を開いて、そのようにして自由落下を引き起こすためのユニットが在る。
【0089】
この測定システムは、高さ設定可能な台に組み込まれて、そのようにして、立った状態と座った状態における1.50m~1.93mの身長の患者の標準的な測定を実現可能である。この場合、座った状態での測定は、身長が上記の限界外と見做された人及び/又は(例えば、車椅子に頼っているために)立った状態での測定が不可能な人のために存在する。この場合、個々のテスト位置は、肘の高さを考慮して、無段階に設定される。
【0090】
更に、測定器の脚部におけるピュアエステル製防音発泡スチロールから成る緩和層が、棒の衝突を緩和する。
【0091】
充電プラットフォームは、落下棒のセンサーユニット用のエネルギーを提供する。そのために、棒と充電プラットフォームの間の機械的なインタフェースには、それぞれ銅から成る三つの機械的な接点面が充電プラットフォームに設けられている。棒が充電プラットフォームと機械的に接触すると、棒が機械的に調整されて、接点面がトップキャップのバネ接点と接触して、電気エネルギーを伝送できるようになる。このようにして、棒内に在るリチウムイオン電池が充電される。充電プラットフォームに対して棒を所定の方向に向けるとともに、底部までの落下後の制御されない形での横転から落下棒を保護するために、充電プラットフォームには、二つのガイドワイヤーが取り付けられており、これらのガイドワイヤーは、棒を貫通して延びており、棒のキャッチ機器に固定されている。充電プラットフォームは、電気エネルギーを提供できるようにするために、電力供給用の電源アダプターのためのインタフェースを備えている。充電プラットフォームに棒を保持するために、充電プラットフォームには、永久磁石と電磁石が組み込まれている。この電磁石は、Wifiに基づく通信部品によって切り換える、或いは制御することができる。そのように、保持状態を変えることができる。これは、ソフトウェア側で、乱数発生器によって実現される。ここでは、棒のランダムな落下は、ガイダンス信号の受信後から6秒以内に引き起こされる。
【0092】
(充電プラットフォームを含む)長さ:795.3mm
【0093】
更に、このソフトウェアは、データ収集とデータ処理を実現可能であり、その場合、クラウドを利用できる基準データベースにアクセスする。
【0094】
このソフトウェアは、WLAN機能を有する各端末機器によって操作することができる。ユーザー面は、複数の面を有する。これらの面は、
入力側の「入力ページ」、
テストインタフェースの「テスト実施」、
出力側の「出力ページ」及び
レポート側の「レポートページ」
である。
【0095】
テストフローの例では、「入力ページ」の面には、例えば、年齢、性別、トレーニング状態又は既往症などの人に関する関連パラメータが記入される。
【0096】
それに続いて、「テスト実施」面を介して、テスト及び/又は試行の開始が準備される。また、テストパラメータ、例えば、センサーユニットの感度を設定又は変更することが可能である。更に、特に、地球の重力場に依存しない制御可能な動力源を使用する場合には、使用する加速度を設定及び/又は調整することができる。
【0097】
測定結果は、「出力ページ」面に光学的に表示されて、出力される。この場合、データの表示は、絶対値として、或いは基準データベースと年齢及び病気特有の限界値との比較に基づくデータの解釈値として実施される。
【0098】
最後に、「レポートページ」が、(解釈値と要約を含む)全ての結果を概観できる形で表すPDFデータの形で生成される。各測定は、クラウドに記憶される。この場合、個々の人の複数の測定をデータ保護に合致する形で比較することも規定される。
なお、本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1.
手と眼の反応を測定するための測定システムであって、
一つの測定物体と、
少なくとも一つの動力源と、
少なくとも一つの保持機器と、
少なくとも一つの作動ユニットと、
少なくとも一つの第一のセンサーユニットであって、加速度を測定するように構成された第一のセンサーユニットと、
少なくとも一つの第二のセンサーユニットと、
少なくとも一つのデータ伝送用インタフェースであって、コンピュータ読取可能な信号を伝送するように構成されたインタフェースと、
少なくとも一つのデータ処理ユニットと、を有する測定システム。
2.
前記の測定物体が、棒であり、10cm~120cmの範囲内の長さ、4mm~55mmの範囲内の直径及び50g~1,500gの範囲内の重量の中の一つ以上を有することを特徴とする上記1に記載の測定システム。
3.
前記の作動ユニットが、磁石式作動ユニット、電子式作動ユニット、電磁石式作動ユニット又は機械式作動ユニットであることを特徴とする上記1又は2に記載の測定システム。
4.
前記の少なくとも一つの第二のセンサーユニットが、距離センサー、有利には、光学式距離センサーと、加速度センサーと、把持力の測定に適した力センサー、有利には、ピエゾ抵抗式圧力センサー、ピエゾ電気式圧力センサー又は容量式圧力センサーとの中から選定されることを特徴とする上記1~3のいずれか1項に記載の測定システム。
5.
前記の少なくとも一つのセンサーユニットとデータ処理ユニットが、遠隔測定形態で互いに接続されていることを特徴とする上記1~4のいずれか1項に記載の測定システム。
6.
運動、運動分析及び身体トレーニングの分野における反応時間の推移を測定する際に使用するための上記1~5のいずれか1項に記載の測定システム。
7.
前記の身体トレーニングが、余暇のスポーツ、健康スポーツ並びに、特に、リハビリテーションの分野における健康のためのスポーツである上記6に記載の測定システム。
8.
神経変性疾患の医療分野における反応時間の推移を測定する際に使用するための上記1~5のいずれか1項に記載の測定システム。
9.
前記の神経変性疾患が、シヌクレイノパチーのグループから、有利には、パーキンソン病、多系統萎縮症、レビー小体型認知症から、或いはタウオパシーのグループから、有利には、アルツハイマー病から選定される上記8に記載の測定システム。
10.
反応時間を定量化する方法であって、
a)上記1~6のいずれか1項に記載の測定システムを準備する工程と、
b)測定システムに対して相対的に被験者の位置を決める工程と、
c)測定を開始する工程と、
d)力の作用をランダムに作動する工程と、
e)測定時間長に渡って加速度の推移を検出する工程と、
f)全ての追加検知情報を検出する工程と、
g)全ての検知データをデータ処理システムに伝送する工程と、
a.特定されたデータの記録
b.特定されたデータの記憶
c.既存のデータセットとの追加的に得られたデータの比較
d.推移値の分析
h)評価結果を出力する工程と、を有する方法。
11.
前記の方法の工程a)~c)と、前記の方法の工程d)~f)と、前記の方法の工程g)b.~g)d.との中の一つ以上が、それぞれ任意の順番で出現することができる上記10に記載の方法。
【符号の説明】
【0099】
1 トップキャップ及び充電プラットフォーム
2 棒
3 高さを設定可能な台
4 ガイドワイヤー
5 ガイドワイヤー用の引張機構と緩和層を備えた受止機器
6 台の脚部
7 電源ケーブル
8 無段階に高さ設定するためのレバー
9 電源アダプター
図1
図2
図3
図4
図5
図6