(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】カバー部材を具備した道路標識鋲
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240906BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20240906BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240906BHJP
【FI】
F21S2/00 631
F21V5/04 550
F21V5/04 200
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2024000399
(22)【出願日】2024-01-05
【審査請求日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0001657
(32)【優先日】2023-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523226974
【氏名又は名称】アトラス埋込型信号機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100127568
【氏名又は名称】酒井 善典
(74)【代理人】
【識別番号】100171402
【氏名又は名称】上田 ▲茂▼
(74)【代理人】
【識別番号】100188499
【氏名又は名称】勝又 政徳
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,サン ヨン
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0121164(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-2354817(KR,B1)
【文献】特表2021-526605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に設置空間が形成された下部ケースと;
前記設置空間に配置される回路基板と;
前記回路基板に装着されるLEDモジュールと;
前記回路基板に電源を供給する電源供給部と;
透明な材質から成り、前記下部ケース及び前記回路基板の上部に配置され、前記LEDモジュールから発光された光が透過する光透過部が上面周囲に形成されたアウターレンズと;
前記LEDモジュールの前方に配置されるとともに、前記回路基板に固定装着され、前記アウターレンズの下部に配置されて前記LEDモジュールから発光された光が透過した後、集光させるようにし、非球面レンズから成るインナーレンズと;
前記アウターレンズの上部を覆い隠蔽しつつ前記アウターレンズを前記下部ケースに固定結合させるカバー部材と;
を備え、
前記カバー部材の周囲には前記光透過部に対応する多数の貫通孔が形成され、
前記LEDモジュールは、多色SMD(表面実装部品)タイプのLEDから成り、
前記LEDモジュールは、
前記回路基板に垂直に配置された垂直基板と;
前記垂直基板に装着され、前面が平らな相互に異なる色のチップが前記垂直基板に水平方向に連続的に配置される多数のLEDチップと;
を備え、
水平方向に光を発散するように配置された前記LEDチップと前記インナーレンズは、前記カバー部材に形成された前記貫通孔より下部に位置し、
前記LEDチップから発光された光は、前期インナーレンズを透過しながら互いに平行した水平方向に屈折して前記光透過部の内側面に集光し、
前記光透過部の内側面に集光した光は、前記光透過部を透過しながら上方向に屈折して前記貫通孔を通じて外部の水平方向に発散され、
前記LEDチップは、前面が平らな第1チップ、第2チップ、第3チップが水平方向に連続的に接して配列され、
前記インナーレンズは、
前記第2チップの前方に配置され、上面と下面が傾斜するように形成され、中心線が水平方向に長く形成された非球面形状の第1屈曲部と;
前記第1チップの前方に配置され、前記第1屈曲部の一方に一体形成され、中心線の一端が前記第1屈曲部の中心線に接続され、他端が前記LEDチップの方向に曲がりながら曲線形を成す非球面形状の第2屈曲部と;
前記第3チップの前方に配置され、前記第1屈曲部の他方に一体形成され、中心線の一端が前記第1屈曲部の中心線に接続され、他端が前記LEDチップの方向に曲がりながら曲線形を成す非球面形状の第3屈曲部と;
を備え、
前記第2チップから発光された光は、前記第1屈曲部を透過しながら平行した直線として照射され、前記第1チップから発光された光は、前記第2屈曲部を透過しながら屈折して前記第2チップから発光された光と平行した直線として照射され、前記第3チップから発光された光は、前記第3屈曲部を透過しながら屈折して前記第2チップから発光された光と平行した直線として照射され、
前記カバー部材は、
前記アウターレンズの上面を覆うキャップ部と;
前記キャップ部の周囲から下方向に傾斜して延びるように形成された傾斜面部と;
前記傾斜面部から下方向に延長して前記下部ケースと接する支持部と;
前記傾斜面部に相互に離隔して形成された貫通孔と;
前記貫通孔によって相互に離隔した前記傾斜面部を互いに繋ぐ接続部と;
を備え、
前記キャップ部の周囲に前記貫通孔が配置され、前記貫通孔の周囲に前記接続部が配置され、
前記接続部は、前記傾斜面部よりも低い位置において上面が水平方向に平らに形成されるとともに前記傾斜面部を互いに接続し、
車両のタイヤは、前記キャップ部の上部外周面と前記接続部の上面に接触するとき、前記アウターレンズの光透過部と離隔して非接触され、
前記傾斜面部にはボルトが挿入されて前記下部ケースに結合され、
前記光透過部の外面にコーティング層が形成され、前記コーティング層は前記車両のタイヤと非接触することを特徴とする、カバー部材を具備した道路標識鋲。
【請求項2】
前記キャップ部は、前記LEDモジュールの上部を覆っているが、前記LEDチップから発光された光のうち、上方向に照射される光は、前記キャップ部によって外部の上方向に照射されることを防ぐことを特徴とする、請求項1に記載のカバー部材が具備された道路標識鋲。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部材を具備した道路標識鋲に関するものであり、特に道路に設置され、夜間または雨天時に歩行者及び運転者が鮮明に確認できるカバー部材を具備した道路標識鋲に関するものである。
【背景技術】
【0002】
道路標識(road sign)とは、道路法第3条及び道路の構造/施設基準に関する規定第30条による道路付属物であって、
夜間や雨天時に深刻な視認性の低下が伴う塗料型路面表示線の線形を補完し、運転者の視線を明確に誘導し、交通安全と円滑なコミュニケーションを図るための視線誘導施設を指す。
【0003】
このような道路標識鋲は、道路の中央線、車線境界、専用車線、路上障害物、安全地帯のような路面標識の機能を補完し、線形誘導や道路環境の変化に対するドライバーの認識を高める必要がある区間に設置される。
【0004】
道路端の線、曲線道路、トンネル、車線の減少/分離/合流区間、通行路の変更区間、交通島、インターチェンジ、左折車線を含む2車線道路、多車線道路及び道路幅が狭い橋梁などは代表的な設置区間に該当する。
【0005】
また、道路標識鋲は、その駆動方式により、自動車の前照灯のように外部から流入する光を反射する反射型と、それ自体に発光機能がある発光型とに区分され、発光型は更に点灯式、転換式などに細分化される。
【0006】
反射型道路標識鋲は自己発光機能がなく、自動車の前照灯を反射させて当該機能を果たす。
【0007】
そのため、比較的安価で設置が容易である代わりに所定の角度の反射面を具現するためには、路面から一定程度突出させて設置する必要があることから、道路の安定性と走行性を低下させ、反射面の磨耗による寿命短縮の問題があり、発光型道路標識鋲の使用率が増加する傾向にある。
【0008】
しかし、従来の発光型道路標識鋲は、多色LEDを使用し、色ごとに互いに異なる光源位置から互いに異なる色の光を発する場合、互いに異なる位置から発散される光が集光されないことから、互いに異なる色の光の方向を制御することが難しいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0121164号公報
【文献】韓国登録特許第10-2354817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、多色LEDを使用して、互いに異なる色の光が発光される光源位置が異なる場合においても互いに異なる位置から発散される光を集光させ、互いに異なる色の光の方向を制御することができるカバー部材を具備した道路標識鋲を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明のカバー部材を具備した道路標識鋲は、
内部に設置空間が形成された下部ケースと;
前記設置空間に配置される回路基板と;
前記回路基板に装着されるLEDモジュールと;
前記回路基板に電源を供給する電源供給部と;
透明な材質からなり、前記下部ケース及び回路基板の上部に配置され、前記LEDモジュールから発光された光が透過する光透過部が上面周囲に形成されたアウターレンズと;
前記LEDモジュールの前方に配置されるとともに、前記回路基板に固定装着され、前記アウターレンズの下部に配置され、前記LEDモジュールから発光された光を集光させるインナーレンズと;
前記アウターレンズの上部を覆うとともに前記アウターレンズを下部ケースに固定結合させるカバー部材と;
を含んで成るが、前記アウターレンズの上面は、前記カバー部材によって隠蔽され、前記カバー部材の周囲には、前記光透過部に対応する多数の貫通孔が形成され、前記LEDモジュールは、多色SMD(表面実装部品)タイプのLEDから成り、前記LEDモジュールは、前記回路基板に垂直に配置された垂直基板と;
前記垂直基板に装着され、前面が平らで、互いに異なる色のチップが前記垂直基板に水平方向に連続的に接して配置される多数のLEDチップ;
を含んで成り、水平方向に光を発散するように配置された前記LEDチップと前記インナーレンズは、前記カバー部材に形成された前記貫通孔より下部に位置し、前記LEDチップから発光された光は、前記インナーレンズを透過しながら互いに平行な水平方向に屈折して前記光透過部の内側面に集光し、前記光透過部の内側面に集光した光は、前記光透過部を透過しながら上方向に屈折して前記貫通孔を通じて外部の水平方向に発散される。
【0012】
前記LEDチップは、水平方向に配列された第1チップ、第2チップ、第3チップから成り、前記インナーレンズは非球面レンズから成り、前記インナーレンズは、前記第2チップの前方に配置され、上面と下面が傾斜して形成され、
中心線が水平方向に長く形成された非球面形状の第1屈曲部と;
前記第1チップの前方に配置され、前記第1屈曲部の一方に一体形成され、中心線の一端が前記第1屈曲部の中心線に接続され、他端が前記LEDチップの方向に曲がりながら曲線形をなす非球面状の第2屈曲部と;
前記第3チップの前方に配置され、前記第1屈曲部の他方に一体形成され、中心線の一端が前記第1屈曲部の中心線に接続され、他端が前記LEDチップの方向に曲がりながら曲線形を成す非球面状の第3屈曲部と;
からなるが、前記第2チップから発光された光は前記第1屈曲部を透過しながら平行した直線として照射され、前記第1チップから発光された光は前記第2屈曲部を透過しながら屈折して前記第2チップから発光された光と平行した直線として照射され、前記第3チップから発光された光は、前記第3屈曲部を透過しながら屈折して前記第2チップから発光された光と平行した直線として照射される。
【0013】
前記カバー部材は、
前記アウターレンズの上面を覆うキャップ部と;
前記キャップ部の周囲から下方向に傾斜するように延長形成された傾斜面部と;
前記傾斜面部から下方向に延長され、前記下部ケースと接する支持部と;
前記傾斜面部に相互に離隔して形成された貫通孔と;
前記貫通孔によって相互に離隔した前記傾斜面部を互いに接続する接続部;
を含んで成るが、前記キャップ部の周囲に前記貫通孔が配置され、前記貫通孔の周囲に前記接続部が配置され、前記接続部は、前記傾斜面部より低い位置において上面が水平方向に平らに形成されるとともに、前記傾斜面部を互いに接続し、車両のタイヤは、前記キャップ部の上部外周面と前記接続部の上面に触れるとき、前記アウターレンズの光透過部と離隔して非接触となる。
【0014】
前記光透過部の外面にコーティング層が形成されるが、前記コーティング層は、前記車両のタイヤと非接触である。
【0015】
前記キャップ部は、前記LEDモジュールの上部を覆っているが、前記LEDチップから発光された光のうち、上方向に照射される光は、前記キャップ部によって外部の上方向に照射されることが防止される。
【発明の効果】
【0016】
以上において説明したところの本発明のカバー部材が具備された道路標識鋲によれば、次のような効果がある。
【0017】
本発明は、前記LEDモジュールが多色SMD(表面実装部品)タイプのLEDから成り、水平方向に配置された多数のLEDチップから水平方向に互いに異なる色の光を発光しても、前記インナーレンズを通して光を前記アウターレンズの内側面に集光させた後、前記アウターレンズを通して外部の水平方向に発散することができ、互いに異なる色の光の方向を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施例による道路標識鋲の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例による道路標識鋲の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施例による道路標識鋲のLEDモジュールとインナーレンズの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1のA-A線で断面をとって見た断面構造図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施例による道路標識鋲のLEDモジュールとインナーレンズの平断面構造図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施例による道路標識鋲からインナーレンズとアウターレンズを通して光が発散する経路を図示したものである。
【
図7】
図7は、
図4において車両のタイヤが通過する場合を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のカバー部材が具備された道路標識鋲は、
図1ないし
図4に図示されたように、下部ケース(10)と、回路基板(20)と、LEDモジュール(30)と、電源供給部(40)と、アウターレンズ(50)と、インナーレンズ(60)と、カバー部材(70)とを含んで成る。
【0020】
前記下部ケース(10)は、内部に設置空間が形成されており、上部が開放されている。
【0021】
前記回路基板(20)は前記設置空間に配置される。
【0022】
前記LEDモジュール(30)は、前記回路基板(20)に装着される。
【0023】
本実施例では、前記LEDモジュール(30)は合計4個で構成され、90度間隔で配置されているが、場合によってその数及び方向は変更されることがある。
【0024】
前記電源供給部(40)は、前記回路基板(20)に外部電源を供給する。
【0025】
前記アウターレンズ(50)は、透明な材質から成り、前記下部ケース(10)及び回路基板(20)の上部に配置される。
【0026】
前記アウターレンズ(50)には、前記LEDモジュール(30)から発光された光が透過する光透過部(51)が上面周囲に形成されている。
【0027】
前記光透過部(51)は外面が下向きに傾斜するように形成されており、透過した光が水平方向に発散されるようにする。
【0028】
前記インナーレンズ(60)は、前記LEDモジュール(30)の前方に配置されるとともに、前記回路基板(20)に固定装着される。
【0029】
このような前記インナーレンズ(60)は、前記アウターレンズ(50)の下部に配置され、前記LEDモジュール(30)から発光された光を集光する。
【0030】
前記インナーレンズ(60)は非球面レンズから成る。
【0031】
前記カバー部材(70)は、前記アウターレンズ(50)の上部を覆いながら、前記アウターレンズ(50)を下部ケース(10)に固定結合させる。
【0032】
前記アウターレンズ(50)の上面は、前記カバー部材(70)によって隠蔽され、前記カバー部材(70)の周囲には、前記光透過部(51)に対応する多数の貫通孔(74)が形成されている。
【0033】
前記LEDモジュール(30)から発光された光は、前記インナーレンズ(60)を透過しながら、前記光透過部(51)の内側面に集光するように照射される。
【0034】
前記インナーレンズ(60)によって前記光透過部(51)の内側面に集光され照射された光は、前記光透過部(51)を透過しながら屈折して外部の水平方向へと発散される。
【0035】
図3及び
図5に図示したとおり、本実施例において前記LEDモジュール(30)は、多色SMD(表面実装部品)タイプのLEDから成る。
【0036】
前記LEDモジュール(30)は、前記回路基板(20)に垂直に装着されるとともに、LEDチップ(32)が水平方向を向くように配置される。
【0037】
前記LEDモジュール(30)は、前記回路基板(20)に垂直に配置された垂直基板(31)と、前記垂直基板(31)に装着された多数のLEDチップ(32)を含んで成る。
【0038】
前記LEDチップ(32)は、異なる色のチップが前記垂直基板(31)に水平方向に配置される。
【0039】
例えば、前記LEDチップ(32)は、水平方向に互いに異なる色の第1チップ(33)、第2チップ(34)、第3チップ(35)が配列されて成る。
【0040】
前記LEDチップ(32)の前方に配置される前記インナーレンズ(60)は、水平方向に配置された互いに異なる色のLEDチップ(32)から発光される光が屈折しながら互いに平行な水平方向に照射された後、前記光透過部(51)の内側に集光されるようにする。
【0041】
このため、前記インナーレンズ(60)は、第1屈曲部(61)と、第2屈曲部(62)と、第3屈曲部(63)を含んで成る。
【0042】
前記第1屈曲部(61)は、前記第2チップ(34)の前方に配置され、上面と下面が傾斜するように形成され、中心線が水平方向に長く形成された非球面形状から成る。
【0043】
前記第2屈曲部(62)は、前記第1チップ(33)の前方に配置され、前記第1屈曲部(61)の一方に一体形成される。
【0044】
このような前記第2屈曲部(62)は、中心線の一端が前記第1屈曲部(61)の中心線に接続され、他端が前記LEDチップ(32)方向に曲がりながら曲線形を成す非球面形状で構成される。
【0045】
前記第3屈曲部(63)は、前記第3チップ(35)の前方に配置され、前記第1屈曲部(61)の他方に一体形成される。
【0046】
このような前記第3屈曲部(63)は、中心線の一端が前記第1屈曲部(61)の中心線に接続され、他端が前記LEDチップ(32)方向に曲がりながら曲線を形成する非球面形状から成る。
【0047】
図面に図示した通り、前記第2屈曲部(62)と第3屈曲部(63)は、前記第1屈曲部(61)を中心に互いに逆方向に曲がった曲線形に形成される。
【0048】
中心に配置された前記第2チップ(34)から発光された光は、前記第1屈曲部(61)を透過しながら平行した直線として照射され、前記第1チップ(33)から発光された光は、前記第2屈曲部(62)を透過しながら屈折して前記第2チップ(34)から発光された光と平行した直線として照射され、前記第3チップ(35)から発光された光は、前記第3屈曲部(63)を透過しながら屈折して前記第2チップ(34)から発光された光と平行した直線として照射される。
【0049】
図6には、前記LEDモジュール(30)の互いに異なる位置から互いに異なる色の光が発光されたとき、前記インナーレンズ(60)を集光した後、前記アウターレンズ(50)の光透過部(51)を通して発散する光の経路を図示している。
【0050】
前記LEDモジュール(30)が多色SMDタイプのLEDから成る場合、前記インナーレンズ(60)に一般的な球面型レンズを使用すると、前記第2チップ(34)の両側に配置された第1チップ(33)と第3チップ(35)から発光された互いに異なる色の光は、球面型レンズを透過しながら側方に拡散され、光制御が困難となる。
【0051】
しかし、本発明は、前記LEDモジュール(30)が多色SMDタイプのLEDからなる場合、前記インナーレンズ(60)が前記第1屈曲部(61)、第2屈曲部(62)及び第3屈曲部(63)を有する非球面型レンズから成ることから、前記第2チップ(34)の両側に配置された第1チップ(33)と第3チップ(35)から発光された互いに異なる色の光が非球面形レンズである前記インナーレンズ(60)を透過しながら光が制御され、互いに平行した直線として照射されるようになる。
【0052】
したがって、多色SMDタイプのLED、すなわち水平方向に配置された多数のLEDチップ(32)から互いに異なる色の光が発光されても、前記インナーレンズ(60)を透過しながら互いに平行した直線の光で制御されるため、前記アウターレンズ(50)の内側面に集光させることができる。
【0053】
前記第1チップ(33)、第2チップ(34)及び第3チップ(35)は、全て同時に発光させることができ、選択的に一つずつ発光させることもできる。
【0054】
一方、前記カバー部材(70)は、キャップ部(71)と、傾斜面部(72)と、支持部(73)と、貫通孔(74)と、接続部(75)を含んで構成される。
【0055】
前記キャップ部(71)は不透明な材質から成り、前記アウターレンズ(50)の上面を覆う。
【0056】
図4に図示した通り、前記キャップ部(71)は、前記LEDモジュール(30)の上部を覆っている。
【0057】
これを通して、前記LEDチップ(32)から発光された光のうち、上方向に照射される光が前記キャップ部(71)によって外部の上方向に照射されることを防ぐことができる。
【0058】
前記傾斜面部(72)は、前記キャップ部(71)の周囲から下方向に傾斜するように延長形成される。
【0059】
前記支持部(73)は、前記傾斜面部(72)から下方向に延長して前記下部ケース(10)と接する。
【0060】
前記貫通孔(74)は、前記傾斜面部(72)に相互に離隔して形成され、前記キャップ部(71)の周囲に配置されている。
【0061】
前記貫通孔(74)は、前記アウターレンズ(50)の光透過部(51)を通して移動する光が外部に発散できるようにする。
【0062】
前記接続部(75)は、前記貫通孔(74)によって相互に離隔された前記傾斜面部(72)を互いに接続する。
【0063】
このような前記接続部(75)は、前記貫通孔(74)の周囲に配置される。
【0064】
したがって、前記カバー部材(70)の中心から外側方向に、前記キャップ部(71)、貫通孔(74)、接続部(75)が順に配置される。
【0065】
前記接続部(75)は、前記傾斜面部(72)よりも低い位置において上面が水平方向に平らに形成されるとともに、前記傾斜面部(72)を互いに接続する。
【0066】
前記のような構造により、
図7に図示した通り、車両のタイヤが道路標識鋲の上部を通過しながら、前記キャップ部(71)の上部外周面と前記接続部(75)の上面に触れると、車両のタイヤは、前記アウターレンズ(50)の光透過部(51)と離隔して非接触となる。
【0067】
したがって、前記光透過部(51)の外面に様々な機能性コーティング層を形成しても、車両のタイヤと前記コーティング層が非接触であるため、前記光透過部(51)の外面にコーティングされたコーティング層が車両のタイヤによって容易に剥がれることを防ぐことができる。
【0068】
前記のように、本発明は、前記LEDモジュール(30)が多色SMDタイプのLEDから成り、水平方向に配置された多数のLEDチップ(32)から水平方向に互いに異なる色の光を発光しても、前記インナーレンズ(60)を通して光を前記アウターレンズ(50)の内側面に集光させた後、前記アウターレンズ(50)を通して外部の水平方向に発散させることができる。
【0069】
本発明であるカバー部材が具備された道路標識鋲は、前述の実施例に限定されず、本発明の技術思想が許容される範囲内において多様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
10 下部ケース
20 回路基板
30 LEDモジュール
31 垂直基板
32 LEDチップ
33 第1チップ
34 第2チップ
35 第3チップ
40 電源供給部
50 アウターレンズ
51 光透過部
60 インナーレンズ
61 第1屈曲部
62 第2屈曲部
63 第3屈曲部
70 カバー部材
71 キャップ部
72 傾斜面部
73 支持部
74 貫通孔
75 接続部