(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】依存外科用ロボットアームの自動動き制御
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20240906BHJP
【FI】
A61B34/30
(21)【出願番号】P 2019530000
(86)(22)【出願日】2017-12-06
(86)【国際出願番号】 EP2017081652
(87)【国際公開番号】W WO2018104376
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-12-04
(32)【優先日】2016-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ポポヴィッチ アレクサンドラ
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/054256(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0265071(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0331644(US,A1)
【文献】特開2011-206312(JP,A)
【文献】国際公開第2014/114551(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/30 - 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立ロボットアームと、
依存ロボットアームと、
前記独立ロボットアーム及び前記依存ロボットアームと通信している動き依存性ロボットコントローラと
を備える動き依存性外科用ロボットシステムであって、
前記動き依存性ロボットコントローラが、座標空間内の前記独立ロボットアームの動きを示す入力信号に応答して、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの前記動きを制御し、
前記動き依存性ロボットコントローラが、更に、前記座標空間内の前記独立ロボットアームと前記依存ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の関数として、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの動きを制御し、
前記動き依存性ロボットコントローラが、更に、
衝突エリアのロケーションを示す環境情報を処理して前記座標空間内の前記依存ロボットアームによる障害物回避の関数として、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの前記動きを制御する、
動き依存性外科用ロボットシステム。
【請求項2】
前記座標空間内の前記依存ロボットアームの配向が、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの配向に依存する、請求項1に記載の動き依存性外科用ロボットシステム。
【請求項3】
前記座標空間内の前記依存ロボットアームの配向が、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの配向に依存しない、請求項1に記載の動き依存性外科用ロボットシステム。
【請求項4】
線形ベクトルが、更に、前記座標空間内の前記独立ロボットアームと前記依存ロボットアームとの間の前記空間幾何学的関係を定義する、請求項1に記載の動き依存性外科用ロボットシステム。
【請求項5】
前記線形ベクトルの大きさが可変であること、及び
前記線形ベクトルの方向が、前記座標空間の軸に平行であるか、前記座標空間の平面内を横断する方向であるか、又は前記座標空間内の球体の中心に対して放射状であるかのうちの1つであること、
のうちの1つである、請求項4に記載の依存性外科用ロボットシステム。
【請求項6】
前記動き依存性ロボットコントローラは、
座標空間内の前記独立ロボットアームの前記動きを示す入力信号に応答して、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの前記動きを制御するための独立動きベクトル信号を生成する独立動きベクトル生成器と、
前記独立動きベクトル生成器による前記独立動きベクトル信号の生成に応答して、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの前記動きに有益である独立作動コマンドを生成する独立ロボットアームアクチュエータと、
前記独立動きベクトル生成器による前記独立動きベクトル信号の生成に応答して、前記座標空間内の前記独立ロボットアームと前記依存ロボットアームとの間の前記空間幾何学的関係の前記関数として、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの前記動きを制御するための依存動きベクトル信号を生成する依存動きベクトル生成器と、
前記依存動きベクトル生成器による前記依存動きベクトル信号の生成に応答して、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの前記動きに有益である作動コマンドを生成する依存ロボットアームアクチュエータと
を備える、請求項1に記載の動き依存性外科用ロボットシステム。
【請求項7】
前記独立動きベクトルが、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの配置を示す大きさ及び方向のうちの少なくとも1つを含み、
前記依存動きベクトルが、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの配置を示す大きさ及び方向のうちの少なくとも1つを含む、
請求項6に記載の動き依存性外科用ロボットシステム。
【請求項8】
前記独立動きベクトルが、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの速度を示す大きさ及び方向のうちの少なくとも1つを含み、
前記依存動きベクトルが、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの速度を示す大きさ及び方向のうちの少なくとも1つを含む、
請求項6に記載の動き依存性外科用ロボットシステム。
【請求項9】
独立ロボットアームと、依存ロボットアームとを制御するための動き依存性ロボットコントローラであって、
座標空間内の前記独立ロボットアームの動きを示す入力信号に応答して、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの前記動きを制御するための独立動きベクトル信号を生成する独立動きベクトル生成器と、
前記独立動きベクトル生成器による前記独立動きベクトル信号の生成に応答して、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの前記動きに有益である独立作動コマンドを生成する独立ロボットアームアクチュエータと、
前記独立動きベクトル生成器による前記独立動きベクトル信号の生成に応答して、前記座標空間内の前記独立ロボットアームと前記依存ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の関数として、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの動きを制御するための依存動きベクトル信号を生成する依存動きベクトル生成器であって、
衝突エリアのロケーションを示す環境情報を処理して前記座標空間内の前記依存ロボットアームによる障害物回避の関数として、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの前記動きを制御するための前記依存動きベクトル信号を生成する依存動きベクトル生成器と、
前記依存動きベクトル生成器による前記依存動きベクトル信号の生成に応答して、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの前記動きに有益である作動コマンドを生成する依存ロボットアームアクチュエータと
を備える、
動き依存性ロボットコントローラ。
【請求項10】
前記独立動きベクトルが、前記座標空間内の前記独立ロボットアームの配置及び速度のうちの少なくとも1つを示す大きさ及び方向のうちの少なくとも1つを含み、
前記依存動きベクトルが、前記座標空間内の前記依存ロボットアームの配置及び速度のうちの少なくとも1つを示す大きさ及び方向のうちの少なくとも1つを含む、
請求項9に記載の動き依存性ロボットコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の発明は、一般に、2つ又はそれ以上の外科用ロボットアーム(たとえば、da Vinci(登録商標) Surgical System、Raven Robotic Surgical System、Sport(商標) Surgical System、Flex(商標) Robotic Systemなど)を利用する外科用ロボットシステムに関する。本開示の発明は、より詳細には、別の外科用ロボットアームの独立オペレータ制御に依存するある外科用ロボットアームの自動動き制御を与えることによって、そのような外科用ロボットシステムを改善することに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の外科用ロボットシステムの外科用ロボットアームは、外科医コンソールから制御される。一般に、オペレータは、コンソール上でハンドルを移動し、そこで、ハンドルからの信号が解釈され、外科用ロボットアームの動きに変換される。より詳細には、各外科用ロボットアームは、他の(1つ又は複数の)外科用ロボットアームに依存せずに動作させられ、これには、オペレータが、外科用ロボットアーム間の制御を頻繁に切り替えることが必要である。外科用ロボットアーム間のこの頻繁な制御の切替えは、ワークフロー問題を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
更に、多くのマルチロボットアーム外科タスクでは、1つの外科用ロボットアームの動きは、外科タスクを実行する目的で別の外科用ロボットアームの動きに依存する。たとえば、腹腔鏡手術では、糸結びの操作は、2つの外科用ロボットアームの同期した作業である。別の例では、ピックアンドプレース外科タスク(たとえば、スーチャースポンジ(suture sponge)又は撮像デバイス)も、外科用ロボットアームの同期した動きを必要とする。更なる例によって、いくつかの外科タスク(たとえば、切断する、及び焼灼する)は、ある外科用ロボットアームがリーディング外科用ロボットアームになるよう指定し、別の外科用ロボットアームをフォロア外科用ロボットアームに指定する(たとえば、フォロア外科用ロボットアームは、ラインに沿って固定距離離れてリーディング外科用ロボットアームに追従する)。更に、たとえば、外科用ロボットアームが内視鏡を保持しており、2つの追加の外科用ロボットアームが、それぞれ器具を保持している場合、ロボットで保持された内視鏡の動きは、ロボットで保持された器具を内視鏡の見える所に保つことを目的として器具の位置に依存する。
【0004】
明らかに、マルチロボットアーム外科タスクの成功又は失敗は、外科用ロボットアーム間の制御を頻繁に切り替えるための外科医コンソールオペレータの技能に非常に依存する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マルチロボットアーム外科タスクに関与する外科用ロボットアーム間の依存動きを改善するために、本開示は、(1つ又は複数の)入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)からの信号を解釈し、独立外科用ロボットアームの動きに変換し、そこで、1つ又は複数の依存外科用ロボットアームの動きを、独立外科用ロボットアームの動きに対する空間幾何学的関係によって定義することによって、1つ又は複数の入力デバイスを使用して2つ又はそれ以上の外科用ロボットアームを制御するための発明を提供する。本開示の発明による改善は、外科用ロボットアーム間の制御を切り替える必要を低減した、マルチロボットアーム外科タスクの直観的な制御である。
【0006】
本開示の発明を説明し、主張する目的で、
(1) 「空間幾何学的関係」という用語は、線形ベクトル及び/又は角ベクトルの形態の動きベクトルによって定義される座標空間内の複数の外科用ロボットアーム間の動き依存性を広く包含し、座標空間内の軸又は平面に対する動きベクトルの大きさ及び/又は方向、或いは座標空間内の幾何学的物体に対する動きベクトルの大きさ及び/又は方向によって更に定義され、
(2) 「独立外科用ロボットアーム」という用語は、本開示の技術分野で知られているような入力デバイスによって制御される座標空間内の動きの範囲を有する、本開示の技術分野で知られており、以下で想到されるような外科用ロボットアームのすべての構造上の構成を広く包含し、
(3) 「依存外科用ロボットアーム」という用語は、本開示の発明の原理に従って自動制御される座標空間内の動きの範囲を有する、本開示の技術分野で知られており、以下で想到されるような外科用ロボットアームのすべての構造上の構成を広く包含する。
【0007】
独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の、本開示の発明の原理による空間幾何学的関係の一例は、座標空間内の外科用ロボットアーム間の定義された線形ベクトルである。依存外科用ロボットアームの自動動き制御は、線形ベクトルの大きさに等しい外科用ロボットアーム間の距離を維持し、その線形ベクトルの方向は、依存外科用ロボットアームが、(1つ又は複数の)入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)のオペレータによって制御される、座標空間内の独立外科用ロボットアームの経路に追従するように変動する。
【0008】
独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の本開示の発明の原理による空間幾何学的関係の第2の例は、座標空間内の外科用ロボットアーム間の定義された線形ベクトルであり、その線形ベクトルは、座標空間の軸に平行な方向、座標空間の平面を横断する方向、又は球体の表面に対して放射状の方向を有する。(1つ又は複数の)入力デバイスのオペレータが、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動き制御を用いるとき、依存外科用ロボットアームの自動動き制御は、線形ベクトルの大きさに等しい外科用ロボットアーム間の距離を維持し、更に、軸に平行であるか、平面に対する横断であるか、又は球体に対して放射状であるベクトルの方向に対応する依存外科用ロボットアームの方向を維持する。
【0009】
独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の、本開示の発明の原理による空間幾何学的関係の第3の例は、座標空間内の外科用ロボットアーム間の定義された角ベクトルである。依存外科用ロボットアームの自動動き制御は、角ベクトルの大きさに等しい外科用ロボットアーム間の角配向を維持し、その角ベクトルの方向は、依存外科用ロボットアームが、(1つ又は複数の)入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)のオペレータによって制御される、座標空間内の独立外科用ロボットアームの経路を追跡するように変動する。
【0010】
独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の、本開示の発明の原理による空間幾何学的関係の第4の例は、座標空間内の外科用ロボットアーム間の定義された角ベクトルであり、角ベクトルは、座標空間の平面を横断する方向を有する。(1つ又は複数の)入力デバイスのオペレータが、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動き制御を用いるとき、依存外科用ロボットアームの自動動き制御は、角ベクトルの大きさに等しい外科用ロボットアーム間の角配向を維持し、更に、平面に対して横断する角ベクトル方向に対応する依存外科用ロボットアームの方向を維持する。
【0011】
独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の、本開示の発明の原理による空間幾何学的関係の第5の例は、外科タスク(たとえば、腹腔鏡手術における糸結び)の実行における外科用ロボットアーム間の定義された手順的同期である。座標空間内の依存外科用ロボットアームの自動動き制御は、(1つ又は複数の)入力デバイスのオペレータが、特定の外科手順に従って座標空間内の独立外科用ロボットアームの動き制御を用いるとき、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きの関数である(たとえば、依存外科用ロボットアームの自動動き制御は、手順的同期によって定義される陽関数を介して算出されるか、又は手順的同期を定義するルックアップテーブルを介して検索される)。
【0012】
独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとの間の、本開示の発明の原理による空間幾何学的関係の第6の例は、座標空間内の外科用ロボットアーム間の定義された相対配置である。依存外科用ロボットアームの自動動き制御は、入力デバイスのオペレータが、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動き制御を用いるとき、外科用ロボットアーム間の相対配置を維持する。
【0013】
更に、本開示の空間幾何学的関係は、指定された(1つ又は複数の)時間期間又はロボット外科手順の全体中に実施され、ロボット外科手順の固有の(1つ又は複数の)タスク又はすべてのタスクについて実施され、条件付き定義又は固定された定義を有し、時間の関数として定義される。
【0014】
同じく、本開示の発明を説明し、主張する目的で、
(1) 「動き依存性外科用ロボットシステム」という用語は、(1つ又は複数の)入力デバイスからの入力信号を独立外科用ロボットアームの動きになるように処理し、そこで、1つ又は複数の依存外科用ロボットアームの動きを、独立外科用ロボットアームに対する依存外科用ロボットアームの空間幾何学的関係によって定義することによって、2つ又はそれ以上の外科用ロボットアームを制御するための本開示の発明の原理を組み込んだ、本開示の技術分野で知られており、以下で想到されるようなすべての外科用ロボットシステムを広く包含する。知られている外科用ロボットシステムの例としては、限定はしないが、da Vinci(登録商標) Surgical System、Raven Robotic Surgical System、Sport(商標) Surgical System及びFlex(商標)Robotic Systemがある。
(2) 「動き依存性ロボット制御方法」という用語は、(1つ又は複数の)入力デバイスからの入力信号を独立外科用ロボットアームの動きになるように処理し、そこで、1つ又は複数の依存外科用ロボットアームの動きを、独立外科用ロボットアームに対する依存外科用ロボットアームの空間幾何学的関係によって定義することによって、2つ又はそれ以上の外科用ロボットアームを制御するための本開示の発明の原理を組み込んだ、本開示の技術分野で知られており、以下で想到されるような、外科用ロボットシステムを制御するすべての方法を広く包含する。
(3) 「動き依存性ロボットコントローラ」という用語は、本明細書で後で説明される本開示の様々な発明の原理の適用例を制御するための、本開示の動き依存性外科用ロボットシステム内で利用される格納される特定用途向けメインボード又は特定用途向け集積回路のすべての構造上の構成を広く包含する。コントローラの構造上の構成は、限定はしないが、(1つ又は複数の)プロセッサ、(1つ又は複数の)コンピュータ使用可能/コンピュータ可読記憶媒体、オペレーティングシステム、(1つ又は複数の)アプリケーションモジュール、(1つ又は複数の)周辺デバイスコントローラ、(1つ又は複数の)インターフェース、(1つ又は複数の)バス、(1つ又は複数の)スロット、及び(1つ又は複数の)ポートを含む。
(4) 「アプリケーションモジュール」という用語は、固有のアプリケーションを実行するための電子回路及び/又は実行可能プログラム(たとえば、(1つ又は複数の)非一時的コンピュータ可読媒体に記憶された実行可能ソフトウェア及び/又はファームウェア)からなる動き依存性ロボットコントローラの構成要素を広く包含し、
(5) 「信号」、「データ」及び「コマンド」という用語は、本明細書で後で説明される本開示の様々な発明の原理を適用することをサポートする情報及び/又は命令を通信するための、本開示の技術分野で理解され、本明細書で例示的に説明されるように、検出可能な物理量又は推進力のすべての形態(たとえば、電圧、電流、又は磁界強度)を広く包含する。本開示の構成要素間の信号/データ/コマンド通信は、限定はしないが、任意のタイプのワイヤード又はワイヤレス媒体/データリンク上のデータ/コマンド送信/受信、及びコンピュータ使用可能/コンピュータ可読記憶媒体にアップロードされた信号/データ/コマンドの読取りを含む、本開示の技術分野で知られており、以下で想到されるような通信方法に関与する。
【0015】
本開示の発明の一実施形態は、独立外科用ロボットアームと、依存外科用ロボットアームと、独立外科用ロボットアーム及び依存外科用ロボットアームと通信している動き依存性ロボットコントローラとを利用する動き依存性外科用ロボットシステムである。
【0016】
動作中、動き依存性ロボットコントローラは、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きを示す入力信号に応答して、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きを制御する。動き依存性ロボットは、更に、座標空間内の独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の関数として、座標空間内の依存外科用ロボットアームの動きを制御する。
【0017】
本開示の発明の第2の実施形態は、独立動きベクトル生成器と、独立外科用ロボットアームアクチュエータと、依存動きベクトル生成器と、依存外科用ロボットアームアクチュエータとを利用する動き依存性ロボットコントローラアプリケーションモジュールである。
【0018】
動作中、独立動きベクトル生成器は、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きを示す入力信号に応答して、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きを制御するための独立動きベクトル信号(たとえば、線形ベクトル又は角ベクトル)を生成する。
【0019】
独立外科用ロボットアームアクチュエータは、独立動きベクトル生成器による独立動きベクトル信号の生成に応答して、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きに有益である独立作動コマンドを生成する。
【0020】
依存動きベクトル生成器は、座標空間内の独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の関数として、座標空間内の依存外科用ロボットアームの動きを制御するための依存動きベクトル信号(たとえば、線形ベクトル又は角ベクトル)を生成する。
【0021】
依存外科用ロボットアームアクチュエータは、依存動きベクトル生成器による依存動きベクトル信号の生成に応答して、座標空間内の依存外科用ロボットアームの動きに有益である作動コマンドを生成する。
【0022】
本開示の発明の第3の形式実施形態は、動き依存性外科用ロボットシステムの動き依存性ロボット制御方法である。動き依存性ロボット制御方法は、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きを示す入力信号に応答して、座標空間内の独立外科用ロボットアームの動きを制御する動き依存性ロボットコントローラ、及び座標空間内の独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の関数として、座標空間内の依存外科用ロボットアームの動きを制御する動き依存性ロボットコントローラに関与する。
【0023】
本開示の発明の上記の実施形態及び他の実施形態、並びに本開示の発明の様々な特徴及び利点は、添付の図面とともに読み取られる本開示の発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明から更に明らかになる。詳細な説明及び図面は、限定的ではなく、本開示の発明の例示にすぎず、本開示の発明の範囲は、添付の特許請求の範囲とその均等物とによって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の例示的な実施形態を示す図である。
【
図2A-2E】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の空間距離の例示的な実施形態を示す図である。
【
図3A-3D】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の空間距離の更なる例示的な実施形態を示す図である。
【
図4A-4C】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの角配向の例示的な実施形態を示す図である。
【
図5A-5C】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の角配向の更なる例示的な実施形態を示す図である。
【
図6A-6G】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の手順的同期の例示的な実施形態を示す図である。
【
図7】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとのための動き依存性ロボット制御方法の第1の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【
図8A-8B】本開示の発明の原理による、依存外科用ロボットアームによる障害物回避の例示的な実施形態を示す図である。
【
図9】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとのための動き依存性ロボット制御方法の第2の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【
図10】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の例示的な実施形態を示す図である。
【
図11】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとの間の相対配置の例示的な実施形態を示す図である。
【
図12】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとのための動き依存性ロボット制御方法の第1の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【
図13】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとのための動き依存性ロボット制御方法の第2の例示的な実施形態を表すフローチャートである。
【
図14A-14B】本開示の発明の原理による、動き依存性外科用ロボットシステムの例示的な実施形態を示す図である。
【
図15A-15B】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとのための動き依存性ロボットコントローラの例示的な実施形態を示す図である。
【
図16A-16B】本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとのための動き依存性ロボットコントローラの例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の発明の理解を容易にするために、
図1~
図5の以下の説明は、本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の基本的な発明の原理を教示する。
図1~
図5のこの説明から、当業者は、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとの間の多数の様々な空間幾何学的関係を実践するために本開示の発明の原理をどのように適用すべきかを了解されよう。
【0026】
図1を参照すると、明快のために示されるX-Y軸によって象徴される3次元(「3D」)座標空間CSは、外科用ロボット手順(たとえば、一般的な外科手順、心臓外科手順、神経外科手術など)を実施するための動作空間を表す。実際には、座標空間CSは、動作空間内の患者の解剖学的領域の支持(たとえば、患者テーブル)によって確立される。
【0027】
座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAは、外科用ロボットシステム(図示せず)の入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)によって、本開示の技術分野で知られているように制御可能である。より詳細には、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAは、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の並進、回転及び/又は枢動を指示する入力デバイスによって生成された入力信号ISIRAの関数である。
【0028】
座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の並進、回転及び/又は枢動は、独立外科用ロボットアーム20と依存外科用ロボットアーム21との間の本開示の空間幾何学的関係SGRによって自動制御される。より詳細には、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAは、空間幾何学的関係SGRのコンテキストにおける座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAの関数であり、それにより、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の並進、回転及び/又は枢動を自動制御する。
【0029】
実際には、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAと依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、座標系CS内の外科用ロボットアーム20及び21のターゲット位置として導出される。
【0030】
一実施形態では、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAと依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、[X Y Z]IRAと[X Y Z]DRAとによる、座標系CS内の外科用ロボットアーム20及び21の3つのターゲット位置から導出される。
【0031】
第2の実施形態では、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAと依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、[X Y Z Φ Θ Ψ]IRAと[X Y Z Φ Θ Ψ]DRAとによる、座標系CS内の外科用ロボットアーム20及び21の3つのターゲット位置と3つの配向とから導出される。
【0032】
また、実際には、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAと依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、座標系CS内の外科用ロボットアーム20及び21の現在の配向のターゲット速度として導出される。
【0033】
一実施形態では、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAと依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、[dX/dt dY/dt dZ/dt]IRAと[dX/dt dY/dt dZ/dt]DRAとによる座標空間CS内の外科用ロボットアーム20及び21の3つの並進速度として導出される。
【0034】
第2の実施形態では、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRAと依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、[dX/dt dY/dt dZ/dt dΦ/dt dΘ/dt dΨ/dt]IRAと[dX/dt dY/dt dZ/dt dΦ/dt dΘ/dt dΨ/dt]DRAとによる座標空間CS内の外科用ロボットアーム20及び21の3つの並進速度及び3つの角速度として導出される。
【0035】
空間幾何学的関係SGRは、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20のオペレータ制御動きに対する依存外科用ロボットアーム21の動き依存性である。より詳細には、空間幾何学的関係SGRは、線形ベクトル及び/又は角ベクトルの形態の動きベクトルを定義し、座標空間内の軸又は平面に対する動きベクトルの大きさ及び/又は方向、或いは座標空間内の幾何学的物体に対する動きベクトルの大きさ及び/又は方向によって更に定義される。
【0036】
図2~
図5の以下の説明は、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の空間幾何学的関係SGRの様々な例を示している。
【0037】
図2Aを参照すると、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の経路追従線形ベクトル(path following linear vector)PFLVが空間幾何学的関係SGRを定義し、そこで、依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御は、経路追従線形ベクトルPFLVの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の空間距離を維持し、経路追従線形ベクトルPFLVの方向は、依存外科用ロボットアーム21が、(1つ又は複数の)入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)のオペレータによって制御される、座標空間CS(
図1)内の独立外科用ロボットアーム20の線形経路LP及び/又は曲線経路CLPに追従するように変動する。
【0038】
実際には、経路追従線形ベクトルPFLVの方向は、座標系CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きに依存して可変であるが、経路追従線形ベクトルPFLVの大きさは、(1つ又は複数の)固有の条件の下で固定又は可変である。たとえば、経路追従線形ベクトルPFLVの大きさは、外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内のターゲット位置に接近するにつれて低減されるか、或いは外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内で並進、回転及び/又は枢動されるにつれて時間とともに減衰する。
【0039】
また、実際には、経路追従線形ベクトルPFLVの実装形態の場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の配向に依存するか、又は依存しない。
【0040】
たとえば、
図2Bは、依存外科用ロボットアーム21aが、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの線形経路LPに追従するように、経路追従線形ベクトルPFLVの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の、固定又は可変の空間距離を維持する依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御を示す。この例では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存する、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向に関与する(たとえば、ロボットアーム20a及び21aは、座標空間CS内の同等の配向又は座標空間CS内の固定相対配向を維持する)。
【0041】
更なる例によって、
図2Cは、依存外科用ロボットアーム21aが、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの線形経路LPに追従するように、経路追従線形ベクトルPFLVの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の、固定又は可変の空間距離を維持する依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御を示す。この例では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存しない、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向に関与する(たとえば、ロボットアーム20a及び21aは、座標空間CS内の可変相対配向を有する)。
【0042】
更なる例によって、
図2Dは、依存外科用ロボットアーム21aが、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの曲線経路CLPに追従するように、経路追従線形ベクトルPFLVの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の、固定又は可変の空間距離を維持する依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御を示す。この例では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存する、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向に関与する。
【0043】
更なる例によって、
図2Eは、依存外科用ロボットアーム21aが、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの曲線経路CLPに追従するように、経路追従線形ベクトルPFLVの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の、固定又は可変の空間距離を維持する依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御を示す。この例では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存しない、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向に関与する。
【0044】
図3Aを参照すると、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の幾何学的線形ベクトルGLFが空間幾何学的関係SGRを定義し、そこで、(1つ又は複数の)入力デバイスのオペレータが座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動き制御を用いるとき、依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御は、幾何学的線形ベクトルGLFの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の空間距離を維持し、更に、座標空間CSの軸に平行であるか、座標空間CSの平面の横断であるか、又は球体の表面に対して放射状である幾何学的線形ベクトルの方向に対応する、依存外科用ロボットアーム21の方向を維持する。
【0045】
実際には、幾何学的線形ベクトルGLFの方向は、座標系CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きに依存して可変であるが、幾何学的線形ベクトルGLFの大きさは、(1つ又は複数の)固有の条件の下で固定又は可変である。たとえば、幾何学的線形ベクトルGLFの大きさは、外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内のターゲット位置に接近するにつれて低減されるか、或いは外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内で並進、回転及び/又は枢動されるにつれて時間とともに減衰する。
【0046】
また、実際には、幾何学的線形ベクトルGLFの実装形態の場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の配向に依存するか、又は依存しない。
【0047】
たとえば、
図3Bは、幾何学的線形ベクトルGLFの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の、固定又は可変の空間距離を維持する依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御を示し、幾何学的線形ベクトルGLFの方向は、座標空間CSのX軸に平行に固定される。この例では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存する、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向に関与する。
【0048】
更なる例によって、
図3Cは、幾何学的線形ベクトルGLFの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の、固定又は可変の空間距離を維持する依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御を示し、幾何学的線形ベクトルGLFの方向は、座標空間CSのXY平面を横断する。この例では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存しない、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向に関与する。
【0049】
更なる例によって、
図3Dは、球体の中心から放射状に延びる幾何学的線形ベクトルGLFの大きさに等しい、外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の、固定又は可変の空間距離を維持する依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御を示し、球体の表面に沿った幾何学的線形ベクトルGLFの方向は、独立外科用ロボットアーム20aの回転動きに依存する。この例では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存しない、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向に関与する。
【0050】
図4Aを参照すると、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の経路追跡角ベクトル(path trailing angular vector)PTAVが空間幾何学的関係SGRを定義し、そこで、依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御は、依存外科用ロボットアーム21が、(1つ又は複数の)入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)のオペレータによって制御される、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20を追跡するように、外科用ロボットアーム20の経路と外科用ロボットアーム21の経路との角配向を維持する。
【0051】
実際には、経路追跡角ベクトルPTAVの方向は、座標系内の独立外科用ロボットアーム20の動きに依存して可変であるが、経路追跡角ベクトルPTAVの大きさは、(1つ又は複数の)固有の条件の下で固定又は可変である。たとえば、経路追跡角ベクトルPTAVの大きさは、外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内のターゲット位置に接近するにつれて低減されるか、或いは外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内で並進、回転及び/又は枢動されるにつれて時間とともに減衰する。
【0052】
また、実際には、経路追跡角ベクトルPTAVの実装形態の場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の配向に依存するか、又は依存しない。
【0053】
たとえば、
図4B及び
図4Cは、依存外科用ロボットアーム21が、(1つ又は複数の)入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)のオペレータによって制御される、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20を追跡するように、外科用ロボットアーム20の経路と外科用ロボットアーム21の経路との、固定又は可変の角配向を維持する依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御を示す。
図4Bの場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存する。逆に、
図4Cの場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存しない。
【0054】
図5Aを参照すると、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の幾何学的角ベクトルGAVが、空間幾何学的関係SGRを定義し、そこで、依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御は、(1つ又は複数の)入力デバイスのオペレータが、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動き制御を用いるとき、座標系CSの平面に対する、外科用ロボットアーム20の経路と外科用ロボットアーム21の経路との角配向を維持する。
【0055】
実際には、幾何学的角ベクトルGAVの方向は、座標系内の独立外科用ロボットアーム20の動きに依存して可変であるが、幾何学的角ベクトルGAVの大きさは、(1つ又は複数の)固有の条件の下で固定又は可変である。たとえば、幾何学的角ベクトルGAVの大きさは、外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内のターゲット位置に接近するにつれて低減されるか、或いは外科用ロボットアーム20及び21が座標空間CS内で並進、回転及び/又は枢動されるにつれて時間とともに減衰する。
【0056】
また、実際には、幾何学的角ベクトルGAVの実装形態の場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の配向に依存するか、又は依存しない。
【0057】
たとえば、
図5B及び
図5Cは、依存外科用ロボットアーム21が、(1つ又は複数の)入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)のオペレータによって制御される、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20を追跡するように、XY平面に対する、外科用ロボットアーム20の経路と外科用ロボットアーム21の経路との、固定又は可変の角配向を維持する依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御を示す。
図5Bの場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存する。逆に、
図5Cの場合、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21aの配向は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20aの配向に依存しない。
【0058】
図6Aを参照すると、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の手順的同期23が、外科タスク(たとえば、腹腔鏡下の糸結び)の実装形態から導出された本開示の空間幾何学的関係を定義し、そこで、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御は、(1つ又は複数の)入力デバイスのオペレータが、外科タスクに従って座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動き制御を用いるとき、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きの外科タスクのコンテキスト内の関数である。
【0059】
実際には、依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御は、外科タスクに従って外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の手順的関係を定義する陽関数24を介して算出される。
【0060】
また、実際には、依存外科用ロボットアーム21の自動動き制御は、外科タスクに従って外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の手順的関係を記憶するルックアップテーブル25を介して検索される。
【0061】
たとえば、
図6B~
図6Gは、外科用ロボットアーム20a及び21aによって実施される腹腔鏡下の糸結びの連続的なステップを示す。
【0062】
一実施形態では、依存外科用ロボットアーム21aの自動動き制御は、腹腔鏡下の糸結びタスクのステップに従って外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間の手順的関係を定義する陽関数を介して算出される。より詳細には、この例では、陽関数は、
図6Cに示されているように、独立外科用ロボットアーム20aの周りに糸を巻きつける独立外科用ロボットアーム20aの回転の完了時の独立外科用ロボットアーム20aの配置に対する依存外科用ロボットアーム21aの動きを定義し、そこで、依存外科用ロボットアーム21aは、独立外科用ロボットアーム20aに対する位置において自動的に移動され、それにより
図6Dに示されているように糸を把持する。更に、更なる陽関数は、
図6D及び
図6Eに示されているように、輪にされた糸を通る独立外科用ロボットアーム20aの動きの完了時の独立外科用ロボットアーム20aの配置に対する依存外科用ロボットアーム21aの動きを定義し、そこで、依存外科用ロボットアーム21aは、独立外科用ロボットアーム20aに対する位置において自動的に移動され、それにより
図6Gに示されているように糸を締める。
【0063】
代替的に、ルックアップテーブルが、
図6Cに示されているように、独立外科用ロボットアーム20aの周りに糸を巻きつける独立外科用ロボットアーム20aの回転の完了時の独立外科用ロボットアーム20aの配置に対する依存外科用ロボットアーム21aの動きを定義し、そこで、依存外科用ロボットアーム21aは、独立外科用ロボットアーム20aに対する位置において自動的に移動され、それにより
図6Dに示されているように糸を把持する。更に、ルックアップテーブルは、
図6D及び
図6Eに示されているように、輪にされた糸を通る独立外科用ロボットアーム20aの動きの完了時の独立外科用ロボットアーム20aの配置に対する依存外科用ロボットアーム21aの動きを定義し、そこで、依存外科用ロボットアーム21aは、独立外科用ロボットアーム20aに対する位置において自動的に移動され、それにより
図6Gに示されているように糸を締める。
【0064】
本開示の発明の理解を更に容易にするために、
図7~
図9の以下の説明は、本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームと依存外科用ロボットアームとのための動き依存性ロボット制御方法の基本的な発明の原理を教示する。
図7~
図9のこの説明から、当業者は、独立外科用ロボットアームと1つ又は複数の依存外科用ロボットアームとのための多数の様々な動き依存性ロボット制御方法を実践するために本開示の発明の原理をどのように適用すべきかを了解されよう。
【0065】
図7を参照すると、フローチャート30は、独立外科用ロボットアーム20(
図1)と依存外科用ロボットアーム21(
図1)とのための動き依存性ロボット制御方法を表している。
【0066】
フローチャート30の段階S32は、
A. 独立外科用ロボットアーム20の並進動き、回転動き及び/又は枢動動きに関して座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20のロボット動きRM
IRAを指示する入力信号ISの本開示の技術分野で知られている解釈と、
B. 座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20のエンドエフェクタのターゲット配置又はターゲット速度を表す動きベクトルMV
IRAへの、ロボット動きRM
IRAの本開示の技術分野で知られている変換と、
C. 独立外科用ロボットアーム20の(1つ又は複数の)アクチュエータ(たとえば、作動可能なジョイント)のための作動コマンドAC
IRAの本開示の技術分野で知られている算出であって、それにより独立外科用ロボットアーム20のエンドエフェクタを座標空間CS内でターゲット位置に、又はターゲット速度において移動させる、算出と
に関与する、座標空間CS(
図1)内の独立外科用ロボットアーム動きを包含する。
【0067】
実際には、独立アーム20を座標空間CS内で現在の位置からターゲット位置に並進、回転及び/又は枢動させるための、独立外科用ロボットアーム20の各アクチュエータの作動コマンドACIRAを算出するために、インバースキネマティクス(逆運動学)モデルが使用される。
【0068】
また、実際には、独立外科用ロボットアーム20を座標空間CS内でターゲット速度において並進、回転及び/又は枢動させるための、独立外科用ロボットアーム20の各アクチュエータの作動コマンドACIRAを算出するために、ヤコビアン関数が使用される。
【0069】
図7に示されている段階S32の例示的な実行は、入力デバイス103(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)が、入力信号IS
IRAを本開示の動き依存性ロボットコントローラ104aに通信することを包含し、動き依存性ロボットコントローラ104aは、段階S32について前に説明された作動コマンドAC
IRAを算出して、それにより独立外科用ロボットアーム20の独立動きを制御する。
【0070】
段階S32のエンドエフェクタ動き変換が完了すると、フローチャート30の段階S34は、
A. 座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21のエンドエフェクタのターゲット配置又はターゲット速度を表す動きベクトルMV
DRAの算出であって、そこで、動きベクトルMV
DRAが、独立外科用ロボットアーム20のための動きベクトルMV
IRAと任意の適用可能な空間幾何学的関係(たとえば、
図2~
図6の空間幾何学的関係のうちの1つ)との関数である、動きベクトルMV
DRAの算出と、
B. 依存外科用ロボットアーム21の(1つ又は複数の)アクチュエータ(たとえば、作動可能なジョイント)のための作動コマンドAC
DRAの本開示の技術分野で知られている算出であって、それにより依存外科用ロボットアーム21のエンドエフェクタを座標空間CS内でターゲット位置に、又はターゲット速度において移動させる、算出と
に関与する、座標空間CS(
図1)内の依存外科用ロボットアーム動きを包含する。
【0071】
実際には、依存外科用ロボットアーム21を座標空間CS内で現在の位置からターゲット位置に並進、回転及び/又は枢動させるための、依存外科用ロボットアーム21の各アクチュエータの作動コマンドACDRAを算出するために、インバースキネマティクスモデルが使用される。
【0072】
また、実際には、依存外科用ロボットアーム21を座標空間CS内でターゲット速度において並進、回転及び/又は枢動させるための、依存外科用ロボットアーム21の各アクチュエータの作動コマンドACDRAを算出するために、ヤコビアン関数が使用される。
【0073】
図7に示されている段階S34の例示的な実行は、動き依存性ロボットコントローラ104aが、段階S34について前に説明されたように作動コマンドAC
DRAを算出して、それにより、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きに依存する、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の動きを制御することを包含する。
【0074】
実際には、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きに依存する、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の動きを制御しながら、本開示の動き依存性ロボットコントローラは、環境的危険物の障害物回避を実施する。
【0075】
たとえば、
図8Aは、手術室内の操作室中のスタッフ、デバイス及び/又はセンサーを表す衝突エリアCA1及びCA2を示す。外科用ロボットアーム20a及び21aが衝突エリアCA1及びCA2を回避するために、外科用ロボットシステムの入力デバイスは、衝突エリアCA1及びCA2の回避において独立外科用ロボットアーム21aの動きを制御するように動作させられるが、本開示の動き依存性ロボットコントローラは、衝突エリアCA1及びCA2のロケーションを示す環境情報を処理し、衝突エリアCA1及びCA2を回避するために必要に応じて依存外科用ロボットアーム21aの依存動きを変更する。環境情報は、この場合、外科用ロボットシステムに登録されるトラッキングシステム(たとえば、電磁トラッキングシステム、又は光トラッキングシステム)によって提供される。
【0076】
更なる例によって、
図8Bは、独立外科用ロボットアーム20aの動きに依存する依存外科用ロボットアーム21aの動きを制御するための、球体に対する解剖学的禁止ゾーンFZ1~FZ3を示す。本開示の動き依存性ロボットコントローラは、解剖学的禁止ゾーンFZ1~FZ3のロケーションを示す情報を処理し、解剖学的禁止ゾーンFZ1~FZ3を回避するために必要に応じて依存外科用ロボットアーム21aの依存動きを変更する。環境情報は、この場合、(1つ又は複数の)画像(たとえば、手術中及び手術前の画像又は内視鏡画像の融合)内で画成される解剖学的禁止ゾーンFZ1~FZ3を示す、解剖学的領域の(1つ又は複数の)画像から導出される。
【0077】
より詳細には、
図8Bに示されているように、球体の表面上で外科用ロボットアーム20aと外科用ロボットアーム21aとの間で一定の距離が維持されることになる場合、依存外科用ロボットアーム21aの位置は、球体上のどこかである。したがって、環境信号が内視鏡ビデオである場合、オペレータは画像上で許容(又は禁止)ゾーンをマークすることができる。したがって、独立外科用ロボットアーム20aが移動するにつれて、本開示の動き依存性ロボットコントローラは画像中の(1つ又は複数の)許容ゾーンをトラッキングし、依存外科用ロボットアーム21aが許容される球体の表面上のセクションを算出する。
【0078】
図9を参照すると、フローチャート40は、障害物回避態様を組み込んだ、独立外科用ロボットアーム20(
図1)と依存外科用ロボットアーム21(
図1)とのための動き依存性ロボット制御方法を表している。特に、フローチャート40は、本明細書で前に説明された、フローチャート30(
図7)の変更バージョンであり、フローチャート40の段階S42がフローチャート30の段階S32に対応し、フローチャート40の段階S44がフローチャート30の段階S34に対応し、本開示の動き依存性ロボットコントローラ104bは、
A. 座標空間CS内の許容ゾーンAZ
DRAをもたらすための、環境信号ES
DRAの、本開示の技術分野で知られている解釈と、
B. 座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21のエンドエフェクタのターゲット配置又はターゲット速度を表す動きベクトルMV
DRAの算出であって、そこで、動きベクトルMV
DRAが、独立外科用ロボットアーム20のための動きベクトルMV
IRAと、任意の適用可能な空間幾何学的関係(たとえば、
図2~
図6の空間幾何学的関係のうちの1つ)と、許容ゾーンAZ
DRAとの関数である、動きベクトルMV
DRAの算出と
の更なる行為を実行する。
【0079】
本開示の発明の更なる理解を容易にするために、
図10~
図13の以下の説明は、本開示の発明の原理による、独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとの間の空間幾何学的関係の基本的な発明の原理を教示する。
図10~
図13のこの説明から、当業者は、独立外科用ロボットアームのペアと依存外科用ロボットアームとの間の多数の様々な空間幾何学的関係を実践するために本開示の発明の原理をどのように適用すべきかを了解されよう。
【0080】
図10を参照すると、この場合も、明快のために示されるX-Y軸によって象徴される3次元(「3D」)座標空間CSは、外科用ロボット手順(たとえば、一般的な外科手順、心臓外科手順、神経外科手術など)を実施するための動作空間を表す。実際には、座標空間CSは、動作空間内の患者の解剖学的領域の支持(たとえば、患者テーブル)によって確立される。
【0081】
座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20及び22の動きベクトルMVIRAは、外科用ロボットシステム(図示せず)の入力デバイス(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)によって、本開示の技術分野で知られているように制御可能である。より詳細には、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20及び22の動きベクトルMVIRA1及びMVIRA2は、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20及び22の並進、回転及び/又は枢動を指示する(1つ又は複数の)入力デバイスによって生成された入力信号ISIRA1及びISIRA2の関数である。実際には、入力デバイスは、座標空間CS内の外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム22との動き制御の間で切替え可能であるか、又は代替的に、座標空間CS内の外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム22との動きを独立して制御するために2つの別個の入力デバイスが利用される。
【0082】
座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の並進、回転及び/又は枢動は、独立外科用ロボットアーム20及び22と依存外科用ロボットアーム21との間の本開示の空間幾何学的関係SGRによって自動制御される。より詳細には、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAは、空間幾何学的関係SGRのコンテキストにおける座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRA1と独立外科用ロボットアーム22の動きベクトルMVIRA2との関数であり、それにより、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21の並進、回転及び/又は枢動を自動制御する。
【0083】
実際には、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRA1と、独立外科用ロボットアーム22の動きベクトルMVIRA2と、依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、本明細書で前に説明されたように、座標系CS内の外科用ロボットアーム20~22のターゲット位置として導出される。
【0084】
また、実際には、独立外科用ロボットアーム20の動きベクトルMVIRA1と、独立外科用ロボットアーム22の動きベクトルMVIRA2と、依存外科用ロボットアーム21の動きベクトルMVDRAとは、座標系CS内の外科用ロボットアーム20~22の現在の配向のターゲット速度として導出される。
【0085】
空間幾何学的関係SGRは、座標空間CS内の独立外科用ロボットアーム20及び22のオペレータ制御動きに対する依存外科用ロボットアーム21の動き依存性である。より詳細には、空間幾何学的関係SGRは、線形ベクトル及び/又は角ベクトルの形態の動きベクトルを定義し、座標空間内の軸又は平面に対する動きベクトルの大きさ及び/又は方向、或いは座標空間内の幾何学的物体に対する動きベクトルの大きさ及び/又は方向によって更に定義される。
【0086】
実際には、外科用ロボットアーム20と外科用ロボットアーム21との間の空間幾何学的関係SGR、及び外科用ロボットアーム21と外科用ロボットアーム22との間の異なる空間幾何学的関係SGRは、本発明の動き依存性ロボットコントローラ(たとえば、
図2~
図6の空間幾何学的関係SGR)によってコンカレントに実施される。
【0087】
代替的に実際には、外科用ロボットアーム20~22間の単一の空間幾何学的関係SGRが、本発明の動き依存性ロボットコントローラによって実施される。
【0088】
図11の以下の説明は、外科用ロボットアーム20~22間の空間幾何学的関係SGRの例を示している。
【0089】
図11を参照すると、空間距離三角形SDTが、独立外科用ロボットアーム20a及び22aが解剖学的物体AOのほうへ、又は解剖学的物体AOから離れるように移動されるとき、内視鏡依存外科用ロボットアーム21bと独立外科用ロボットアーム20aと独立外科用ロボットアーム22aとの間の空間距離を維持するための外科用ロボットアーム20~22間の空間幾何学的関係を定義する。
【0090】
図12を参照すると、フローチャート50は、独立外科用ロボットアーム20及び22(
図10)と依存外科用ロボットアーム21(
図10)とのための動き依存性ロボット制御方法を表している。特に、フローチャート50は、本明細書で前に説明された、フローチャート30(
図7)の変更バージョンであり、フローチャート50の段階S52はフローチャート30の段階S32に対応し、フローチャート50の段階S54はフローチャート30の段階S34に対応し、本開示の動き依存性ロボットコントローラ104cは、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21のエンドエフェクタのターゲット配置又はターゲット速度を表す動きベクトルMV
DRAを算出し、そこで、動きベクトルMV
DRAは、独立外科用ロボットアーム20のための動きベクトルMV
IRA1と、独立外科用ロボットアーム22のための動きベクトルMV
IRA2と、任意の適用可能な空間幾何学的関係(たとえば、
図2~
図6及び
図11の空間幾何学的関係のうちの1つ)との関数である。
【0091】
図13を参照すると、フローチャート50は、障害物回避態様を組み込んだ、独立外科用ロボットアーム20及び22(
図10)と依存外科用ロボットアーム21(
図10)とのための動き依存性ロボット制御方法を表している。特に、フローチャート60は、本明細書で前に説明された、フローチャート40(
図9)の変更バージョンであり、フローチャート60の段階S62はフローチャート40の段階S42に対応し、フローチャート60の段階S64はフローチャート40の段階S44に対応し、本開示の動き依存性ロボットコントローラ104dは、座標空間CS内の依存外科用ロボットアーム21のエンドエフェクタのターゲット配置又はターゲット速度を表す動きベクトルMV
DRAを算出し、そこで、動きベクトルMV
DRAは、独立外科用ロボットアーム20のための動きベクトルMV
IRA1と、独立外科用ロボットアーム22のための動きベクトルMV
IRA2と、任意の適用可能な空間幾何学的関係(たとえば、
図2~
図6及び
図11の空間幾何学的関係のうちの1つ)と、許容ゾーンAZとの関数である。
【0092】
本開示の発明の更なる理解を容易にするために、
図14~
図16の以下の説明は、本開示の発明の原理による、動き依存性外科用ロボットシステムと動き依存性外科用ロボットコントローラとの基本的な発明の原理を教示する。
図14~
図16のこの説明から、当業者は、本開示の発明の原理による、動き依存性外科用ロボットシステムと動き依存性外科用ロボットコントローラとの多数の様々な実施形態を実践するために本開示の発明の原理をどのように適用すべきかを了解されよう。
【0093】
図14Aを参照すると、本開示の動き依存性外科用ロボットシステム100aは、オペレータコンソール101とロボットカート105aとを利用する。
【0094】
オペレータコンソール101aは、本開示の技術分野で知られているように、手術前画像、手術中画像、及び/又はそのような画像の融合を表示するためのディスプレイ/画像コントローラ102を含む。
【0095】
オペレータコンソール101aは、
図15及び
図16に関して本明細書で更に説明されるように、1つ又は複数の入力デバイス103(たとえば、(1つ又は複数の)ハンドル、(1つ又は複数の)ジョイスティック、(1つ又は複数の)ローラーボールなど)と、動き依存性ロボットコントローラ104とを更に含む。
【0096】
ロボットカート105aは、独立外科用ロボットアーム20と、依存外科用ロボットアーム21と、患者テーブル106とを含む。
【0097】
実際には、ロボットカート105aは、更なる外科用ロボットアーム20及び/又は外科用ロボットアーム21を含む。
【0098】
また実際には、外科用ロボットアームは、システム100によって実施されるべき特定の外科タスクに基づいて、独立外科用ロボットアーム又は依存外科用ロボットアームをサービスする。
【0099】
図14Bを参照すると、動き依存性外科用ロボットシステム100bは、ロボットカート105bが動き依存性ロボットコントローラ104を含む、システム100a(
図14A)の代替バージョンである。
【0100】
本開示の動き依存性外科用ロボットシステム(たとえば、システム100a及び100b)は、撮像システム及び/又はトラッキングシステムとともに実践される。
【0101】
利用される場合、撮像システムは、解剖学的領域(図示せず)を撮像するための、及びそのような撮像の情報を与える撮像データを動き依存性外科用ロボットシステムに通信するための、本開示の技術分野で知られており、以下で想到される任意の撮像モダリティを実施する。撮像モダリティの例としては、限定はしないが、CT、MRI、X線及び超音波がある。
【0102】
代替的に、撮像システムは、特に、動き依存性外科用ロボットシステムが、解剖学的構造を撮像するための外科用ロボットアームによって保持される撮像器具を利用するとき、省略される。そのような撮像器具の例としては、限定はしないが、内視鏡及び腹腔鏡がある。
【0103】
利用される場合、トラッキングシステムは、座標空間内で外科用ロボットアームをトラッキングするための、及びそのようなトラッキングを示すトラッキングデータを動き依存性外科用ロボットシステムに通信するための、本開示の技術分野で知られており、以下で想到される任意のトラッキング技法を実施する。トラッキング技法の例としては、限定はしないが、電磁トラッキング、光トラッキング、及びFiber-Optic RealShape(「FORS」)センサートラッキングがある。
【0104】
代替的に、トラッキングシステムは、特に、動き依存性外科用ロボットシステムが、座標空間内で(1つ又は複数の)外科用ロボットアームをトラッキングするための符号化外科用ロボットアーム生成トラッキングデータを利用するとき、省略される。
【0105】
次に、動き依存性ロボットコントローラ104の例示的な実施形態が、本明細書で説明される。
【0106】
たとえば、動き依存性ロボットコントローラ104は、1つ又は複数のシステムバスを介して相互接続された、プロセッサ、メモリ、ユーザインターフェース、ネットワークインターフェース、及びストレージを含む。
【0107】
プロセッサは、メモリ又はストレージに記憶された命令を実行すること、或いは場合によってはデータを処理することが可能な任意のハードウェアデバイスである。したがって、プロセッサは、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の同様のデバイスを含む。
【0108】
メモリは、たとえば、L1、L2、又はL3キャッシュ、或いはシステムメモリなど、様々なメモリを含む。したがって、メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、又は他の同様のメモリデバイスを含む。
【0109】
ユーザインターフェースは、管理者などのユーザとの通信を可能にするための1つ又は複数のデバイスを含む。たとえば、ユーザインターフェースは、ユーザコマンドを受信するためのディスプレイ、マウス、及びキーボードを含む。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、ネットワークインターフェースを介してリモート端末に提示される、コマンドラインインターフェース又はグラフィカルユーザインターフェースを含む。
【0110】
ネットワークインターフェースは、他のハードウェアデバイスとの通信を可能にするための1つ又は複数のデバイスを含む。たとえば、ネットワークインターフェースは、イーサネット(登録商標)プロトコルに従って通信するように構成されたネットワークインターフェースカード(NIC)を含む。更に、ネットワークインターフェースは、TCP/IPプロトコルによる通信のためのTCP/IPスタックを実装する。ネットワークインターフェースのための様々な代替の又は更なるハードウェア又は構成が明らかであろう。
【0111】
ストレージは、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスクストレージ媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、又は同様の記憶媒体など、1つ又は複数の機械可読記憶媒体を含む。様々な実施形態では、ストレージは、プロセッサが実行するための命令、又はプロセッサがそれに対して動作するデータを記憶する。たとえば、ストレージは、ハードウェアの様々な基本動作を制御するためのベースオペレーティングシステムを記憶する。ストレージは、更に、実行可能ソフトウェア/ファームウェア及び/又は(1つ又は複数の)アプリケーションモジュールの形態の、(1つ又は複数の)アプリケーションモジュールを記憶する。
【0112】
図15Aを参照すると、動き依存性ロボットコントローラ104の実施形態は、フローチャート30(
図7)を実行するためのアプリケーションモジュール110~113を利用する。
【0113】
特に、フローチャート30の段階S32に従って、独立動きベクトル生成器110が、入力信号ISIRAを処理して、動きベクトルMVIRAを生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111が、動きベクトルMVIRAを処理して、作動コマンドACIRAを生成する。
【0114】
更に、フローチャート30の段階S34に従って、依存動きベクトル生成器112aが、空間幾何学的関係SGRのコンテキストにおいて動きベクトルMVIRAを処理して、動きベクトルMVDRAを生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111が、動きベクトルMVDRAを処理して、作動コマンドACDRAを生成する。
【0115】
図15Bを参照すると、動き依存性ロボットコントローラ104の実施形態は、フローチャート40(
図9)を実行するためのアプリケーションモジュール110~113を利用する。
【0116】
特に、フローチャート40の段階S42に従って、独立動きベクトル生成器110が、入力信号ISIRAを処理して、動きベクトルMVIRAを生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111が、動きベクトルMVIRAを処理して、作動コマンドACIRAを生成する。
【0117】
更に、フローチャート40の段階S44に従って、依存動きベクトル生成器112bが、空間幾何学的関係SGRのコンテキストにおいて動きベクトルMVIRAと環境信号EIDRAとを処理して、動きベクトルMVDRAを生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111が、動きベクトルMVDRAを処理して、作動コマンドACDRAを生成する。
【0118】
図16Aを参照すると、動き依存性ロボットコントローラ104の実施形態は、フローチャート50(
図12)を実行するための構成要素110~113を利用する。
【0119】
特に、フローチャート50の段階S52に従って、独立動きベクトル生成器110aが、入力信号ISIRA1を処理して、動きベクトルMVIRA1を生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111aが、動きベクトルMVIRA1を処理して、作動コマンドACIRA1を生成し、独立動きベクトル生成器110bが、入力信号ISIRA2を処理して、動きベクトルMVIRA2を生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111bが、動きベクトルMVIRA2を処理して、作動コマンドACIRA2を生成する。
【0120】
更に、フローチャート50の段階S54に従って、依存動きベクトル生成器112cが、空間幾何学的関係SGRのコンテキストにおいて動きベクトルMVIRA1と動きベクトルMVIRA2とを処理して、動きベクトルMVDRAを生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111が、動きベクトルMVDRAを処理して、作動コマンドACDRAを生成する。
【0121】
図16Bを参照すると、動き依存性ロボットコントローラ104の実施形態は、フローチャート60(
図13)を実行するための構成要素110~113を利用する。
【0122】
特に、フローチャート60の段階S62に従って、独立動きベクトル生成器110aが、入力信号ISIRA1を処理して、動きベクトルMVIRA1を生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111aが、動きベクトルMVIRA1を処理して、作動コマンドACIRA1を生成し、独立動きベクトル生成器110bが、入力信号ISIRA2を処理して、動きベクトルMVIRA2を生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111bが、動きベクトルMVIRA2を処理して、作動コマンドACIRA2を生成する。
【0123】
更に、フローチャート60の段階S64に従って、依存動きベクトル生成器112dが、空間幾何学的関係SGRのコンテキストにおいて動きベクトルMVIRA1と動きベクトルMVIRA2と環境信号EIDRAとを処理して、動きベクトルMVDRAを生成し、独立外科用ロボットアームアクチュエータ111が、動きベクトルMVDRAを処理して、作動コマンドACDRAを生成する。
【0124】
図1~
図16を参照すると、当業者は、限定はしないが、ロボットアーム間の制御を切り替える必要を低減した、マルチロボットアーム外科タスクの直観的な制御を行う際の、本開示の発明による外科用ロボットシステムの改善を含む、本開示の多数の利益を了解されよう。
【0125】
さらに、本明細書において提供される教示に鑑みて当業者が理解するように、本開示/明細書に記載され及び/又は図面に描かれる特徴、要素、部品などは、電子部品/回路、ハードウェア、実行可能ソフトウェア、及び実行可能ファームウェアの様々な組み合わせで実装され得り、単一の要素内又は複数の要素内に組み合わせ可能な機能を提供し得る。例えば、各図に示す/図示する/描写する様々な特徴、要素、部品等の機能は、専用ハードウェアや、適切なソフトウェアと関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアを使用して提供することができる。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、又は複数の個別のプロセッサ(その一部が共有及び/又は多重化されてもよい)によって提供され得る。さらに、「プロセッサ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、暗示的に、例えばデジタルシグナルプロセッサ(「DSP」)ハードウェア、メモリ(例えば、ソフトウェアを保存するためのリードオンリーメモリー(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、不揮発性記憶装置など)、及びプロセスを実行及び/又は制御可能な(及び/又はそのように構成可能な)実質的に任意の手段及び/又は機械(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、回路、これらの組み合わせ等)を含み得る。
【0126】
さらに、本発明の原理、側面、及び実施形態、ならびにそれらの具体例を説明する本明細書におけるすべての記述は、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含するように意図されている。さらに、そのような均等物は、現在知られている均等物、及び将来開発される均等物の両方を含むことが意図される(例えば、構造にかかわらず、同じ又は実質的に同様な機能を果たすことができる任意の開発された要素)。したがって、例えば、本明細書に提示されるブロック図は、本発明の原理を具体化する例示的なシステム構成要素及び/又は回路の概念図を表し得ることが、本明細書において提供される教示に接した当業者には理解されるであろう。同様に、本明細書において提供される教示に接した当業者は、あらゆるフローチャート及びフロー図などが、コンピュータ可読記憶媒体内に実体的に表され得り、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているか否かに関わらず、コンピュータ、プロセッサ、又は処理機能を有する他のデバイスによって実行され得る様々なプロセスを表し得ることを理解するであろう。
【0127】
さらに、本開示の例示的実施形態は、例えばコンピュータ又は任意の命令実行システムによって使用される又はこれらに関連して使用されるプログラムコード及び/又は命令を提供するコンピュータ可用及び/又はコンピュータ可読媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品又はアプリケーションモジュールの形態を取り得る。本開示によれば、コンピュータ可用又はコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される又はこれらに関連して使用されるプログラムを含む、格納する、通信する、伝搬する、又は転送することができる任意の装置であり得る。このような例示的媒体は、例えば電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、若しくは半導体システム(又は装置若しくはデバイス)又は伝播媒体であり得る。コンピュータ可読媒体の例には、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュ(ドライブ)、剛性磁気ディスク、及び光ディスクが含まれる。光ディスクの現在の例には、CD-ROM、CD-R/W、及びDVDが含まれる。さらに、今後開発される可能性のあるあらゆる新しいコンピュータ可読媒体もまた、本開示の例示的実施形態に従って使用又は言及され得るコンピュータ可読媒体であると見なされるべきことが理解されよう。
【0128】
新規かつ進歩性のある画像誘導モーションスケールの好ましい例示的実施形態(実施形態は例示的であり、限定的ではないと意図される)を説明してきたが、図面を含め本明細書において提供される教示に接した当業者は、改変及び変更をなし得ることに留意されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態の範囲内にある、本開示の好ましい例示的実施形態に変更を加えることができることを理解されたい。
【0129】
さらに、本開示に係るデバイスを組み込んだ及び/又は実装する、又はデバイスにおいて使用/実装され得る対応する及び/又は関連するシステムもまた、本開示の範囲内であると考えられる。また、本開示に係るデバイス及び/又はシステムを製造及び/又は使用するための対応する及び/又は関連する方法もまた、本開示の範囲内であると考えられる。