(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3266 20160101AFI20240906BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240906BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240906BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
G09G3/3266
G09F9/30 338
G09F9/30 330
G09G3/20 621M
G09G3/20 680G
G09G3/20 622E
H01L29/78 612B
(21)【出願番号】P 2019569423
(86)(22)【出願日】2019-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2019101834
(87)【国際公開番号】W WO2021031166
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲曾▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ウェイ▼▲ユン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼ ▲躍▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 耀
(72)【発明者】
【氏名】李 孟
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0217935(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0189075(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206293(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106782290(CN,A)
【文献】特開2005-010791(JP,A)
【文献】中国実用新案第205900070(CN,U)
【文献】国際公開第2011/104945(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/054515(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3266
G09F 9/30
G09G 3/20
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素アレイ領域と周辺領域とを含むベース基板と、
前記周辺領域内に設けられ、かつ、前記ベース基板の第1側に位置する第1走査駆動回路、複数の電源線、第1信号線群及び第2信号線群と、を含み、
前記第1走査駆動回路は、カスケード接続される複数の第1シフトレジスタを含み、
前記複数の電源線は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに複数の電源電圧を供給するように構成され、
前記第1信号線群は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに少なくとも1つのタイミング信号を供給するように構成される少なくとも1つのタイミング信号線を含み、
前記第2信号線群は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタのうちの1段目の第1シフトレジスタに接続されて、第1トリガ信号を前記1段目の第1シフトレジスタに供給するように構成される第1トリガ信号線を含み、
前記第1トリガ信号線は、前記複数の電源線と前記画素アレイ領域との間に位置
し、
前記複数の電源線は、第1電源線及び第2電源線を含み、
前記第1電源線及び前記第2電源線は、同一の第1電源電圧を供給するように構成され、
前記第1電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第1走査駆動回路の前記ベース基板への正射影と部分的に重複し、
前記第2電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第1電源線の前記ベース基板への正射影と、前記第2信号線群の前記ベース基板への正射影との間に位置する、表示基板。
【請求項2】
前記第2信号線群は、前記第1走査駆動回路の前記画素アレイ領域に近い側に位置し、
前記第1信号線群は、前記第1走査駆動回路の前記第2信号線群が位置する側と対向する他方側に位置する、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記画素アレイ領域は、互いに並列でありかつ重複しない第1表示領域と第2表示領域とを含み、前記第1走査駆動回路は、前記第1表示領域に接続されて、表示するように前記第1表示領域を駆動し、
前記表示基板は、前記周辺領域内に設けられかつ前記ベース基板の第1側に位置する、前記画素アレイ
領域の走査方向に沿って前記第1走査駆動回路から順に配列されかつ前記第2表示領域に接続されて、表示するように前記第2表示領域を駆動する第2走査駆動回路をさらに含み、
前記第2走査駆動回路は、カスケード接続される複数の第2シフトレジスタを含み、
前記第2信号線群は、前記第2走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第2シフトレジスタのうちの1段目の第2シフトレジスタに接続されて、前記第2走査駆動回路に含まれる1段目の第2シフトレジスタに第2トリガ信号を供給するように構成される第2トリガ信号線をさらに含む、請求項
1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第1トリガ信号線及び前記第2トリガ信号線の延在長さは、前記第1走査駆動回路及び前記第2走査駆動回路の配列長さと同じである、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記第1トリガ信号線と前記第2トリガ信号線とが並設される、請求項
3に記載の表示基板。
【請求項6】
少なくとも一つの第1抵抗をさらに含み、
前記第1抵抗は、前記第1走査駆動回路の前記1段目の第1シフトレジスタから離れる側に位置し、前記第1トリガ信号線は、前記少なくとも一つの第1抵抗を介して前記第1走査駆動回路の1段目の第1シフトレジスタに接続される、請求項3に記載の表示基板。
【請求項7】
少なくとも一つの第2抵抗をさらに含み、
前記第2抵抗は、前記第1走査駆動回路の最終段の第1シフトレジスタと前記第2走査駆動回路の1段目の第2シフトレジスタとの間に位置し、前記第2トリガ信号線は、前記少なくとも一つの第2抵抗を介して前記第2走査駆動回路の1段目の第2シフトレジスタに接続される、請求項
6に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第1抵抗と前記第2抵抗との抵抗値が異なる、請求項
7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第1表示領域と前記第2表示領域との間に位置する折り返し線をさらに含み、
前記第2抵抗は、前記折り返し線の延在方向に位置し、前記折り返し線の延在方向は、前記第1信号線群及び前記第2信号線群の延在方向と垂直である、請求項
7に記載の表示基板。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第2抵抗の前記ベース基板への正射影は、前記第1走査駆動回路の最終段の第1シフトレジスタの前記ベース基板への正射影と、前記第2走査駆動回路の1段目の第2シフトレジスタの前記ベース基板への正射影との間に位置する、請求項
7に記載の表示基板。
【請求項11】
前記少なくとも一つの第1抵抗は、前記ベース基板と垂直な方向において前記ベース基板と前記第2信号線群との間に位置し、前記少なくとも一つの第1抵抗の前記ベース基板への正投影が、前記第2信号線群の前記ベース基板への正投影の前記画素アレイ領域から離れる側に位置する、請求項
6に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第1抵抗の材料は、半導体材料である、請求項
6に記載の表示基板。
【請求項13】
少なくとも一つの第1接続線と、少なくとも一つの第2接続線とをさらに含み、
前記第1接続線は、前記少なくとも一つの第1抵抗の一端と前記第1走査駆動回路の1段目の第1シフトレジスタとを接続し、
前記第2接続線は、前記少なくとも一つの第1抵抗の他端と前記第1トリガ信号線とを接続する、請求項
6に記載の表示基板。
【請求項14】
前記第1接続線及び前記第2接続線は、前記少なくとも一つの第1抵抗の前記ベース基板から離れる側に位置する、請求項
13に記載の表示基板。
【請求項15】
第1導電接続部と、第2導電接続部と、第1絶縁層と、第2絶縁層と、をさらに含み、
前記第1導電接続部及び前記第2導電接続部は、前記第1接続線及び前記第2接続線の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記複数の電源線、前記第1信号線群及び前記第2信号線群と同層に設けられ、
前記第1絶縁層は、前記ベース基板と垂直な方向において前記少なくとも一つの第1抵抗と前記第1接続線及び前記第2接続線との間に位置し、前記第2絶縁層は、前記ベース基板と垂直な方向において前記第1接続線及び前記第2接続線と前記第1導電接続部及び前記第2導電接続部との間に位置し、
前記第1導電接続部の一端は、前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記第1接続線の一端に接続され、前記第1導電接続部の他端は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記少なくとも一つの第1抵抗の一端に接続され、
前記第1接続線の他端は、前記第1走査駆動回路の1段目の第1シフトレジスタに接続され、
前記第2導電接続部の一端は、前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記第2接続線の一端に接続され、前記第2導電接続部の他端は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記少なくとも一つの第1抵抗の他端に接続され、
前記第2接続線の他端は、前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記第1トリガ信号線に接続される、請求項
13に記載の表示基板。
【請求項16】
前記第1走査駆動回路の各第1シフトレジスタは、前記第1電源線に接続される第1構成トランジスタと、前記第2電源線に接続される第2構成トランジスタ及び第3構成トランジスタとを含み、
前記第1構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第1信号線群の前記ベース基板への正射影と前記第1電源線の前記ベース基板への正射影との間に位置し、且つ前記第1電源線の前記ベース基板への正射影に近く、
前記第2構成トランジスタ及び第3構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第1電源線の前記ベース基板への正射影と前記第2電源線の前記ベース基板への正射影との間に位置し、前記第2電源線の前記ベース基板への正射影に近い、請求項3に記載の表示基板。
【請求項17】
前記複数の電源線は、第3電源線と第4電源線とを含み、
前記第3電源線と前記第4電源線とは、同一の第2電源電圧を供給するように構成され、
前記第4電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第1走査駆動回路の前記ベース基板への正射影と一部に重複し、
前記第3電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第4電源線の前記ベース基板への正射影と、前記第1信号線群の前記ベース基板への正射影との間に位置する、請求項
1に記載の表示基板。
【請求項18】
前記第1走査駆動回路の各第1シフトレジスタは、前記第3電源線に接続される第4構成トランジスタと、前記第4電源線に接続される第5構成トランジスタとをさらに含み、
前記第4構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第3電源線の前記ベース基板への正射影の、前記第1信号線群の前記ベース基板への正射影から離れる側に位置し、前記第3電源線の前記ベース基板への正射影に近く、
前記第5構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第4電源線の前記ベース基板への正射影と前記第2信号線群の前記ベース基板への正射影との間に位置し、前記第4電源線の前記ベース基板への正射影に近い、請求項
17に記載の表示基板。
【請求項19】
請求項1~
18のいずれか一項に記載の表示基板を含む、表示装置。
【請求項20】
ベース基板を提供するステップと、
前記ベース基板と垂直な方向において、半導体層、第1絶縁層、第1導電層、第2絶縁層、第2導電層、第3絶縁層及び第3導電層を順に形成するステップと、を含み、
前記電源線、前記第1信号線群及び前記第2信号線群が前記第3導電層に位置し、
前記第1走査駆動回路が前記半導体層、前記第1導電層及び前記第2導電層に形成され、
前記第1走査駆動回路が前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通するスルーホールを介してそれぞれ前記電源線、前記第1信号線群及び前記第2信号線群に接続される、請求項1~
18のいずれか一項に記載の表示基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、表示基板及びその製造方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術分野において、例えば、液晶表示パネル又は有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)表示パネルの画素アレイは、一般的に、複数行のゲート線と、ゲート線と交差する複数列のデータ線と、を含む。ゲート線に対する駆動は、ボンディングされる集積駆動回路によって実現されてもよい。近年、非晶質シリコン薄膜トランジスタ又は酸化物薄膜トランジスタの製造プロセスの絶え間ない向上に伴って、ゲート線駆動回路を薄膜トランジスタアレイ基板に直接に集積してGOA(Gate driver On Array)を形成してゲート線を駆動することもできるようになっている。例えば、カスケード接続される複数のシフトレジスタユニットを含むGOAを用いて画素アレイの複数行のゲート線にオン・オフ状態の電圧信号(走査信号)を供給することができ、これにより、例えば、複数行のゲート線が順次オンになるよう制御するとともに、各画素セルに表示画像の各階調に必要な階調電圧を形成して、1フレームの画像を表示するように、データ線によって画素アレイにおける対応する行の画素セルにデータ信号を供給する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも一実施例では、画素アレイ領域と周辺領域とを含むベース基板と、前記周辺領域内に設けられ、かつ、前記ベース基板の第1側に位置する第1走査駆動回路、複数の電源線、第1信号線群及び第2信号線群と、を含む表示基板が提供される。前記第1走査駆動回路は、カスケード接続される複数の第1シフトレジスタを含み、前記複数の電源線は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに複数の電源電圧を供給するように構成され、前記第1信号線群は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに少なくとも1つのタイミング信号を供給するように構成される少なくとも1つのタイミング信号線を含み、前記第2信号線群は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタのうちの1段目の第1シフトレジスタに接続されて、第1トリガ信号を前記1段目の第1シフトレジスタに供給するように構成される第1トリガ信号線を含み、前記第1トリガ信号線は、前記複数の電源線と前記画素アレイ領域との間に位置する。
【0004】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第2信号線群は、前記第1走査駆動回路の前記画素アレイ領域に近い側に位置し、前記第1信号線群は、前記第1走査駆動回路の前記第2信号線群が位置する側と対向する他方側に位置する。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記画素アレイ領域は、互いに並列でありかつ重複しない第1表示領域と第2表示領域とを含み、前記第1走査駆動回路は、前記第1表示領域に接続されて、表示するように前記第1表示領域を駆動し、前記表示基板は、前記周辺領域内に設けられかつ前記ベース基板の第1側に位置する、前記画素アレイの走査方向に沿って前記第1走査駆動回路と共に順に配列され、かつ前記第2表示領域に接続されて、表示するように前記第2表示領域を駆動する第2走査駆動回路をさらに含む。前記第2走査駆動回路は、カスケード接続される複数の第2シフトレジスタを含み、前記第2信号線群は、前記第2走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第2シフトレジスタのうちの1段目の第2シフトレジスタに接続されて、前記第2走査駆動回路に含まれる1段目の第2シフトレジスタに第2トリガ信号を供給する第2トリガ信号線をさらに含む。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1トリガ信号線及び前記第2トリガ信号線の延在長さは、前記第1走査駆動回路及び前記第2走査駆動回路の配列長さと同じである。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1トリガ信号線と前記第2トリガ信号線とが並設される。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記複数の電源線は、第1電源線及び第2電源線を含み、前記第1電源線及び前記第2電源線は、同一の第1電源電圧を供給するように構成される。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第1走査駆動回路の前記ベース基板への正射影と一部に重複し、前記第2電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第1電源線の前記ベース基板への正射影と、前記第2信号線群の前記ベース基板への正射影との間に位置する。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板は、少なくとも一つの第1抵抗をさらに含み、前記第1抵抗は、前記第1走査駆動回路の前記1段目の第1シフトレジスタから離れる側に位置し、前記第1トリガ信号線は、前記少なくとも一つの第1抵抗を介して前記第1走査駆動回路の1段目の第1シフトレジスタに接続される。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板は、少なくとも一つの第2抵抗をさらに含み、前記第2抵抗は、前記第1走査駆動回路の最終段の第1シフトレジスタと前記第2走査駆動回路の1段目の第2シフトレジスタとの間に位置し、前記第2トリガ信号線は、前記少なくとも一つの第2抵抗を介して前記第2走査駆動回路の1段目の第2シフトレジスタに接続される。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1抵抗と前記第2抵抗との抵抗値が異なる。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板は、前記第1表示領域と前記第2表示領域との間に位置する折り返し線をさらに含み、前記第2抵抗は、前記折り返し線の延在方向に位置し、前記折り返し線の延在方向は、前記第1信号線群及び前記第2信号線群の延在方向と垂直である。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記少なくとも1つの第2抵抗の前記ベース基板への正射影は、前記第1走査駆動回路の最終段の第1シフトレジスタの前記ベース基板への正射影と、前記第2走査駆動回路の1段目の第2シフトレジスタの前記ベース基板への正射影との間に位置する。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記少なくとも一つの第1抵抗は、前記ベース基板と垂直な方向において前記ベース基板と前記第2信号線群との間に位置し、前記少なくとも一つの第1抵抗の前記ベース基板への正投影が、前記第2信号線群の前記ベース基板への正投影の前記画素アレイ領域から離れる側に位置する。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1抵抗の材料は、半導体材料である。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板は、少なくとも一つの第1接続線と、少なくとも一つの第2接続線とをさらに含み、前記第1接続線は、前記少なくとも一つの第1抵抗の一端と前記第1走査駆動回路の1段目の第1シフトレジスタとを接続し、前記第2接続線は、前記少なくとも一つの第1抵抗の他端と前記第1トリガ信号線とを接続する。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1接続線及び前記第2接続線は、前記少なくとも一つの第1抵抗の前記ベース基板から離れる側に位置する。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板は、第1導電接続部と、第2導電接続部と、第1絶縁層と、第2絶縁層と、をさらに含み、前記第1導電接続部及び前記第2導電接続部は、前記第1接続線及び前記第2接続線の前記ベース基板から離れる側に位置し、前記複数の電源線、前記第1信号線群及び前記第2信号線群と同層に設けられ、前記第1絶縁層は、前記ベース基板と垂直な方向において前記少なくとも一つの第1抵抗と前記第1接続線及び前記第2接続線との間に位置し、前記第2絶縁層は、前記ベース基板と垂直な方向において前記第1接続線及び前記第2接続線と前記第1導電接続部及び前記第2導電接続部との間に位置する。前記第1導電接続部の一端は、前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記第1接続線の一端に接続され、前記第1導電接続部の他端は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記少なくとも一つの第1抵抗の一端に接続され、前記第1接続線の他端は、前記第1走査駆動回路の1段目の第1シフトレジスタに接続され、前記第2導電接続部の一端は、前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記第2接続線の一端に接続され、前記第2導電接続部の他端は、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記少なくとも一つの第1抵抗の他端に接続され、前記第2接続線の他端は、前記第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して前記第1トリガ信号線に接続される。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1走査駆動回路の各第1シフトレジスタは、前記第1電源線に接続される第1構成トランジスタと、前記第2電源線に接続される第2構成トランジスタ及び第3構成トランジスタとを含み、前記第1構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第1信号線群の前記ベース基板への正射影と前記第1電源線の前記ベース基板への正射影との間に位置し、且つ前記第1電源線の前記ベース基板への正射影に近く、前記第2構成トランジスタ及び第3構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第1電源線の前記ベース基板への正射影と前記第2電源線の前記ベース基板への正射影との間に位置し、前記第2電源線の前記ベース基板への正射影に近い。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記複数の電源線は、第3電源線と第4電源線とを含み、前記第3電源線と前記第4電源線とは、同一の第2電源電圧を供給するように構成され、前記第4電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第1走査駆動回路の前記ベース基板への正射影と一部に重複し、前記第3電源線の前記ベース基板への正射影は、前記第4電源線の前記ベース基板への正射影と、前記第1信号線群の前記ベース基板への正射影との間に位置する。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1走査駆動回路の各第1シフトレジスタは、前記第3電源線に接続される第4構成トランジスタと、前記第4電源線に接続される第5構成トランジスタとをさらに含み、前記第4構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第3電源線の前記ベース基板への正射影の、前記第1信号線群の前記ベース基板への正射影から離れる側に位置し、且つ前記第3電源線の前記ベース基板への正射影に近く、前記第5構成トランジスタの前記ベース基板への正射影は、前記第4電源線の前記ベース基板への正射影と前記第2信号線群の前記ベース基板への正射影との間に位置し、前記第4電源線の前記ベース基板への正射影に近い。
【0023】
本開示の少なくとも一実施例では、画素アレイ領域と周辺領域とを含むベース基板と、前記周辺領域内に設けられかつ前記ベース基板の第1側に位置する第1走査駆動回路、複数の電源線、第1信号線群及び第2信号線群と、を含む表示基板が提供される。前記第1走査駆動回路は、カスケード接続される複数の第1シフトレジスタを含み、前記複数の電源線は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに複数の電源電圧を供給するように構成され、前記第1信号線群は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに少なくとも1つのタイミング信号を供給するように構成される少なくとも1つのタイミング信号線を含み、前記第2信号線群は、前記第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタのうちの1段目の第1シフトレジスタに接続されて、第1トリガ信号を前記1段目の第1シフトレジスタに供給するように構成される第1トリガ信号線を含み、前記第1走査駆動回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、第3トランジスタと、含み、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタは、それぞれ前記第1信号線群に接続され、前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタのチャネルの延在方向は、前記第1信号線群及び前記第2信号線群の延在方向と平行である。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板では、前記第1走査駆動回路は、前記第1信号線群にそれぞれ接続される第6トランジスタと第7トランジスタとをさらに含み、前記第6トランジスタ及び前記第7トランジスタのチャネルの延在方向は、前記第1信号線群及び前記第2信号線群の延在方向と平行である。
【0025】
本開示の少なくとも一実施例では、本開示のいずれかの実施例に係る表示基板を含む表示装置がさらに提供される。
【0026】
本開示の少なくとも一実施例では、ベース基板を提供するステップと、前記ベース基板と垂直な方向において、半導体層、第1絶縁層、第1導電層、第2絶縁層、第2導電層、第3絶縁層及び第3導電層を順に形成するステップと、を含み、前記電源線、前記第1信号線群及び前記第2信号線群が前記第3導電層に位置し、前記第1走査駆動回路が前記半導体層、前記第1導電層及び前記第2導電層に形成され、前記第1走査駆動回路が前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通するスルーホールを介してそれぞれ前記電源線、前記第1信号線群及び前記第2信号線群に接続される表示基板の製造方法がさらに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、単に本発明の一部の実施例に関し、本発明を限定するものではないことが明らかである。
【0028】
【
図2】
図1に示す発光制御シフトレジスタの動作時の信号タイミングチャートである。
【
図3】本開示の少なくとも一実施例に係る第1抵抗及び第2抵抗の模式図である。
【
図4】本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の模式図である。
【
図5A】本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板のレイアウト模式図である。
【
図5B】第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタが含まれる表示基板のレイアウト模式図である。
【
図6B】
図5Bに示す表示基板に含まれる1段目のシフトレジスタの各層の配線の平面図である。
【
図7B】
図5Bに示す表示基板に含まれる1段目のシフトレジスタの各層の配線の平面図である。
【
図8】
図5Aに示す表示基板の各層の配線の平面図と
図5Bに示す表示基板に含まれる1段目のシフトレジスタの各層の配線の平面図である。
【
図9B】
図5Bに示す表示基板に含まれる1段目のシフトレジスタの各層の配線の平面図である。
【
図10】
図5Bに示す表示基板のA-A`方向の断面図である。
【
図11】本開示の少なくとも一実施例に係る表示装置の概略図である。
【
図12】本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下では本発明の実施例の図面を参照し、本発明の実施例の技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。説明される本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働をせずに得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0030】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術的用語又は科学的用語は、本発明の属する分野における一般的技能を有する者によって理解される通常の意味である。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものに過ぎない。同様に、「1つ」や「一」、「該」などの類似する用語も数量を制限するものではなく、少なくとも1つが存在することを示すものである。「含む」や「含まれる」などの類似する用語は、挙げられる素子や物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子や物を排除するものではない。「接続」や「互いに接続」などの類似する用語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0031】
以下に、いくつかの具体的な実施例により本開示を説明する。本発明の実施例に対する以下の説明が明確かつ簡明になるように、既知の機能及び既知の部材に対する詳細な説明が省略されうる。本発明の実施例のいずれかの部材が1つ以上の図面に記載される場合、各図面において、該部材には同一の符号が付される。
【0032】
図1は、発光制御シフトレジスタの回路図である。
図2は、
図1に示す発光制御シフトレジスタの動作時の信号タイミングチャートである。以下、
図1及び
図2を参照して、該発光制御シフトレジスタの動作プロセスについて簡単に説明する。
【0033】
図1に示すように、該発光制御シフトレジスタ100は、10個のトランジスタ(第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、…、第10トランジスタT10)及び三つのコンデンサ(第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、第3コンデンサC3)を含む。例えば、複数の発光制御シフトレジスタ100がカスケード接続される場合、1段目のシフトレジスタ100の第1トランジスタT1の第1極は、第1トリガ信号線ESTV1に接続されて第1トリガ信号ESTV1を受信するように構成され、他の各段の発光制御シフトレジスタ100の第1トランジスタT1の第1極は、前段の発光制御シフトレジスタ100に接続されて、前段の発光制御シフトレジスタ100から出力される第1出力信号EMを受信する。
【0034】
なお、
図1及び
図2のCKは第1クロック信号端を示し、ECKは第1クロック信号線及び第1クロック信号を示し、第1クロック信号端CKが第1クロック信号線ECKに接続されて第1クロック信号を受信し、CBは第2クロック信号端を示し、ECBは第2クロック信号線及び第2クロック信号を示し、第2クロック信号端CBが第2クロック信号線ECBに接続されて第2クロック信号を受信する。例えば、第1クロック信号ECK及び第2クロック信号ECBは、デューティ比が50%より大きいパルス信号を用いてもよい。VGH1は、第1電源線及び第1電源線によって供給される第1電源電圧を示し、例えば、第1電源電圧が直流のハイレベルである。VGL1は、第3電源線及び第3電源線によって供給される第2電源電圧を示し、例えば、第2電源電圧が直流のローレベルであり、第1電源電圧が第2電源電圧より大きい。N1、N2、N3及びN4は、それぞれ第1ノード、第2ノード、第3ノード及び第4ノードを示す。
【0035】
図1に示すように、第1トランジスタT1のゲートは、第1クロック信号端CK(すなわち、第1クロック信号線ECK)に接続されて第1クロック信号を受信し、第1トランジスタT1の第1極は、入力端INに接続され、第1トランジスタT1の第2極は、第1ノードN1に接続される。例えば、該発光制御シフトレジスタが1段目のシフトレジスタである場合、入力端INは、第1トリガ信号線ESTV1に接続されて第1トリガ信号を受信し、該発光制御シフトレジスタが1段目のシフトレジスタ以外の他の各段のシフトレジスタである場合、入力端INは、その前段の発光制御シフトレジスタの出力端OUTに接続される。
【0036】
第2トランジスタT2のゲートは、第1ノードN1に接続され、第2トランジスタT2の第1極は、第1クロック信号線ECKに接続されて第1クロック信号を受信し、第2トランジスタT2の第2極は、第2ノードN2に接続される。
【0037】
第3トランジスタT3のゲートは、第1クロック信号線ECKに接続されて第1クロック信号を受信し、第3トランジスタT3の第1極は、第3電源線VGL1に接続されて第2電源電圧を受信し、第3トランジスタT3の第2極は、第2ノードN2に接続される。
【0038】
第4トランジスタT4のゲートは、第2クロック信号端CB(すなわち、第2クロック信号線ECB)に接続されて第2クロック信号を受信し、第4トランジスタT4の第1極は、第1ノードN1に接続され、第4トランジスタT4の第2極は、第5トランジスタT5の第1極に接続される。
【0039】
第5トランジスタT5のゲートは、第2ノードN2に接続され、第5トランジスタT5の第2極は、第1電源線VGHに接続されて第1電源電圧を受信する。
【0040】
第6トランジスタT6のゲートは、第2ノードN2に接続され、第6トランジスタT6の第1極は、第2クロック信号線ECBに接続されて第2クロック信号を受信し、第6トランジスタT6の第2極は、第3のノードN3に接続される。
【0041】
第1コンデンサC1の第1端は、第2ノードN2に接続され、第1コンデンサC2の第2端は、第3ノードN3に接続される。
【0042】
第7トランジスタT7のゲートは、第2クロック信号線ECBに接続されて第2クロック信号を受信し、第7トランジスタT7の第1ゲートは、第3ノードN3に接続され、第7トランジスタT7の第2ゲートは、第4ノードN4に接続される。
【0043】
第8トランジスタT8のゲートは、第1ノードN1に接続され、第8トランジスタT8の第1極は、第1電源線VGH1に接続されて第1電源電圧を受け、第8トランジスタT8の第2極は、第4ノードN4に接続される。
【0044】
第9トランジスタT9のゲートは、第4ノードN4に接続され、第9トランジスタT9の第1極は、第1電源線VGH1に接続されて第1電源電圧を受信し、第9トランジスタT9の第2極は、出力端OUTに接続される。
【0045】
第3コンデンサC3の第1端は、第4ノードN4に接続され、第3コンデンサC3の第2端は、第1電源線VGH1に接続されて第1電源電圧を受信する。
【0046】
第10トランジスタT10のゲートは、第1ノードN1に接続され、第10トランジスタT10の第1極は、第3電源線VGL1に接続されて第2電源電圧を受信し、第10トランジスタT10の第2極は、出力端OUTに接続される。
【0047】
第2コンデンサC2の第1端は、第2クロック信号線ECBに接続されて第2クロック信号を受信し、第2コンデンサC2の第2端は、第1ノードN1に接続される。
【0048】
図1に示す発光制御シフトレジスタ100におけるトランジスタは、いずれもP型トランジスタを例として説明され、すなわち各トランジスタは、ゲートにローレベルが入力されるときにオンになり、ハイレベルが入力されるときにオフになる。この場合、第1極はソースであり、第2極はドレインであってもよい。
【0049】
本開示の実施例は、
図1の構成形態を含むがこれに限定されず、例えば、発光制御シフトレジスタ100における各トランジスタは、N型トランジスタを用いてもよく、あるいは、P型トランジスタとN型トランジスタとを合わせて用いてもよく、同時に選定されたタイプのトランジスタのポート極性を本開示の実施例における対応するトランジスタのポート極性に従って接続すればよい。
【0050】
図2は、
図1に示す発光制御シフトレジスタの動作時の信号タイミングチャートである。以下、
図1及び
図2を参照して、該発光制御シフトレジスタの動作プロセスについて詳細に説明する。例えば、1段目の発光制御シフトレジスタ100の動作原理で説明し、他の各段の発光制御シフトレジスタ100の動作原理は同様であるため、詳しく説明しない。
図2に示すように、該発光制御シフトレジスタの動作プロセスは、6つの段階を含み、それぞれが第1段階P1、第2段階P2、第3段階P3、第4段階P4、第5段階P5及び第6段階P6であり、
図2は各段階における各信号の時系列波形を示している。
【0051】
第1段階P1では、
図2に示すように、第1クロック信号ECKがローレベルであるので、第1トランジスタT1と第3トランジスタT3とがオンになり、オンになった第1トランジスタT1がハイレベルの第1トリガ信号ESTV1を第1ノードN1に伝送することにより、第1ノードN1のレベルがハイレベルになるので、第2トランジスタT2、第8トランジスタT8及び第10トランジスタT10が、オフになる。なお、オンになった第3トランジスタT3がローレベルの第2電源電圧VGL1を第2ノードN2に伝送することにより、第2ノードN2のレベルがローレベルになるので、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6が、オンになる。第2クロック信号ECBがハイレベルであるため、第7トランジスタT7は、オフになる。なお、第3コンデンサC3の蓄積作用で、第4ノードN4のレベルをハイレベルに保持することができ、これにより、第9トランジスタT9が、オフになる。第1段階P1では、第9トランジスタT9及び第10トランジスタT10がいずれもオフになるため、該発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_1から出力される第1出力信号は、その前のローレベルに保持される。
【0052】
第2段階P2では、
図4に示すように、第2クロック信号ECBがローレベルであるので、第4トランジスタT4、第7トランジスタT7が、オンになる。第1クロック信号ECKがハイレベルであるので、第1トランジスタT1及び第3トランジスタT3が、オフになる。第1コンデンサC1の蓄積作用で、第2ノードN2が引き続き一つ前の段階のローレベルに保持されうるので、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6が、オンになる。ハイレベルの第1電源電圧VGH1が、オンになった第5トランジスタT5及び第4トランジスタT4を介して第1ノードN1に伝送されることにより、第1ノードN1のレベルが引き続き1つ前の段階のハイレベルに保持されるので、第2トランジスタT2、第8トランジスタT8及び第10トランジスタT10は、オフになる。なお、ローレベルの第2クロック信号ECBが、オンになった第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7を介して第4ノードN4に伝送されることにより、第4ノードN4のレベルがローレベルになるので、第9トランジスタT9がオンになり、オンになった第9トランジスタT9がハイレベルの第1電源電圧VGH1を出力するので、第2段階P2において、該発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_1から出力される第1出力信号は、ハイレベルである。
【0053】
第3段階P3では、
図4に示すように、第1クロック信号ECKがローレベルであるため、第1トランジスタT1及び第3トランジスタT3は、オンになる。第2クロック信号ECBがハイレベルであるので、第4トランジスタT4及び第7トランジスタT7は、オフになる。第3コンデンサC3の蓄積作用で、第4ノードN4のレベルを1つ前の段階のローレベルに保持することができ、これにより、第9トランジスタT9がオン状態に保持され、オンになった第9トランジスタT9がハイレベルの第1電源電圧VGH1を出力するので、第3の段階P3において、該発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_1から出力される出力信号は、依然としてハイレベルである。同時に、この段階において、2段目の発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_2からハイレベルが出力される(具体的には、上記第2段階P2における1段目の発光制御シフトレジスタの動作プロセスを参照してもよい)。
【0054】
第4段階P4では、
図4に示すように、第1クロック信号ECKがハイレベルであるので、第1トランジスタT1及び第3トランジスタT3は、オフになる。第2クロック信号ECBがローレベルであるので、第4トランジスタT4及び第7トランジスタT7は、オンになる。第2コンデンサC2の蓄積作用で、第1ノードN1のレベルが1つ前の段階のハイレベルに保持されることにより、第2トランジスタT2、第8トランジスタT8及び第10トランジスタT10は、オフになる。第1コンデンサC1の蓄積作用で、第2ノードN2は、引き続き1つ前の段階のローレベルに保持され、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6は、オンになる。なお、ローレベルの第2クロック信号ECBがオンになった6トランジスタT6及び第7トランジスタT7を介して第4ノードN4に伝送されることにより、第4ノードN4のレベルがローレベルになるので、第9トランジスタT9が、オンになり、オンになった第9トランジスタT9は、ハイレベルの第1電源電圧VGH1を出力するので、第2段階P2において、該発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_1から出力される第1出力信号は、依然としてハイレベルである。同時に、この段階では、2段目の発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_2は、ハイレベルを出力する(具体的には、上記第3段階P3における1段目の発光制御シフトレジスタの動作プロセスを参照してもよい)。
【0055】
第5段階P5では、
図4に示すように、第1クロック信号ECKがローレベルであるので、第1トランジスタT1及び第3トランジスタT3は、オンになる。第2クロック信号ECBがハイレベルであるので、第4トランジスタT4及び第7トランジスタT7は、オフになる。オンになった第1トランジスタT1は、第1ノードN1のレベルがローレベルになるように、ローレベルの第1トリガ信号ESTVを第1ノードN1に伝送する。
【0056】
例えば、第5段階P5では、第1クロック信号ECKのローレベルの電圧が-6Vであり、第1トリガ信号ESTV1のローレベルの電圧が-6Vであり、第1トランジスタT1の閾値電圧Vthが-1.5Vである。第1トランジスタT1がP型トランジスタであるので、第1トランジスタT1がオンになるように、第1トランジスタT1のゲート及びソースの電圧Vgsを第1トランジスタT1の閾値電圧Vthよりも小さくする必要がある。そのため、第1ノードN1が-4.5Vまで充電されると、第1トランジスタT1は、オフになり、この場合、第1ノードN1への充電が停止される。すなわち、この段階では、第1ノードN1のローレベルの電圧が-4.5Vであるので、第2トランジスタT2、第8トランジスタT8及び第10トランジスタT10は、オンになる。オンになった第2トランジスタT2が、ローレベルの第1クロック信号ECKを第2ノードN2に伝送することにより、第2ノードN2のレベルをさらに低くすることができるので、第2ノードN2は、引き続き1つ前の段階のローレベルに保持され、これにより、第5トランジスタT5及び第6トランジスタT6は、オンになる。なお、オンになった第8トランジスタT8は、ハイレベルの第1電源電圧VGH1を第4ノードN4に伝送することにより、第4ノードN4のレベルをハイレベルにするので、第9トランジスタT9が、オフになる。オンになった第10トランジスタT10は、第1ノードN1のローレベル(例えば、-4.5V)に応答して、ローレベルの第2電源電圧VGL(例えば、-6V)を出力する。同様に、第10トランジスタT10の閾値電圧Vthが-1.5Vであり、第10トランジスタT10がオンになるように、第10トランジスタT10のゲート及びソースの電圧Vgsを第10トランジスタT10の閾値電圧Vthよりも小さくする必要があるので、出力端OUTから出力される電圧が-3Vであるとき、第10トランジスタT10は、オフになる。すなわち、この段階では、出力端OUTのローレベルの電圧が-3Vであるので、第5段階P5において、該発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_1から出力される出力信号は、第1ローレベル(例えば、-3V)になる。同時に、この段階では、2段目の発光制御シフトレジスタ100の出力端OUT_2から、ハイレベルが出力される(具体的には、上記第4段階P4における1段目の発光制御シフトレジスタの動作プロセスを参照してもよい)。
【0057】
第6段階P6では、
図4に示すように、第1クロック信号ECKがハイレベルであり、第2クロック信号ECBがローレベルであるので、第4トランジスタT4及び第7トランジスタT7がオンになる。第2クロック信号ECBが第5段階P5でのハイレベルからローレベルに変化するので、例えば、変化量がΔt(例えば、6Vより大きい)であり、第2コンデンサC2のブートストラップ効果により、第1ノードN1のレベルは、第5段階P5でのローレベル(例えば、-4.5V)から、より低いローレベル(例えば、-4.5V-Δt)に変化し、これにより、第2トランジスタT2及び第10トランジスタT10は、第1ノードN1のローレベル(例えば、-4.5V-Δt)の制御下でオンになる。上記第10トランジスタT10の導通特性により、ローレベルの第2電源電圧VGL(例えば-6V)が出力端OUTに完全に出力されうる。例えば、この第6段階P6では、該出力端OUTから出力される電圧は、第2ローレベル(例えば、-6V)である。同時に、この段階では、2段目の第1シフトレジスタ100の出力端OUT_2から、ローレベル(例えば、-3Vであり、具体的には、上記第4段階P4における1段目の第1シフトレジスタの動作プロセスを参照してもよい)が出力される。
【0058】
例えば、
図1に示すように、該表示基板の左側に、配線が密集しているので、第1トリガ信号線ESTV1に残されるスペースが比較的小さく、複数のトリガ信号線の導入が不便になる。なお、
図1に示すように、第1電源線VGH1が1つのみであり、第5トランジスタT5、第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9が第1電源線VGH1に接続されるように巻き回されるため、表示基板の鉛直方向で占めるスペースが大きくなり、表示基板のレイアウト設計に不利である。
【0059】
本開示の少なくとも一実施例では、画素アレイ領域と周辺領域とを含むベース基板と、周辺領域内に設けられかつベース基板の第1側に位置する第1走査駆動回路、複数の電源線、第1信号線群及び第2信号線群と、を含む表示基板が提供される。第1走査駆動回路は、カスケード接続される複数の第1シフトレジスタを含み、複数の電源線は、第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに複数の電源電圧を供給するように構成され、第1信号線群は、第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタに少なくとも1つのタイミング信号を供給するように構成される少なくとも1つのタイミング信号線を含み、第2信号線群は、第1走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数の第1シフトレジスタのうちの1段目の第1シフトレジスタに接続されて、第1トリガ信号を1段目の第1シフトレジスタに供給するように構成される、複数の電源線と画素アレイ領域との間に位置する第1トリガ信号線を含む。
【0060】
本開示の少なくとも一実施例では、上記表示基板に対応する表示装置及び製造方法がさらに提供される。
【0061】
本開示の上記実施例に係る表示基板は、第1トリガ信号線が複数の電源線と画素アレイ領域との間に設けられて、信号線の導入が容易になり、大サイズの表示パネルの表示の実現に有利である。
【0062】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施例及びその一部の例について詳細に説明する。
【0063】
本開示の少なくとも一実施例では、表示基板が提供される。例えば、該表示基板は、1行ごとに1ドライバの走査駆動回路に適用されてもよく、すなわち、1段のシフトレジスタから出力される出力信号が、1行の画素セルのみを駆動する。1行ごとに1ドライバの走査駆動回路は、1行ごとに2ドライバの走査駆動回路に比べて、駆動する必要のある負荷が半分減少されるため、より強い駆動能力を有し、大サイズの表示パネルの表示により好適である。
【0064】
なお、該表示基板は、一行二重駆動の走査駆動回路にも同様に適用されてもよく、すなわち、1段のシフトレジスタから出力される出力信号は、2行の画素セルを駆動することができ、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0065】
図4は本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の模式図である。この表示基板1は、例えば、
図4に示すように、ベース基板10と、第1走査駆動回路130と、複数の電源線140と、第1信号線群150と、第2信号線群160と、を含む。
【0066】
例えば、該ベース基板100は、例えば、ガラス、プラスチック、石英などの適切な材料を用いることができ、本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、ベース基板10は、画素アレイ領域110と周辺領域120とを含み、第1走査駆動回路130、複数の電源線140、第1信号線群150及び第2信号線群160が、周辺領域120内に設けられ、ベース基板10の第1側、例えば、ベース基板10の左側に位置する。
【0067】
画素アレイ領域110は、例えば、アレイ状に配列される複数の画素セルPを含む。例えば、複数の画素セルPの各々は、画素回路を含み、例えば、発光素子(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0068】
例えば、第1走査駆動回路130は、カスケード接続される複数の第1シフトレジスタ100を含み、例えば、複数の
図1に示すようなシフトレジスタ100を含む。説明が明確かつ簡潔になるように、以下、第1シフトレジスタ100をシフトレジスタ100と略する。以下の実施例でもこれと同様であり、詳しく説明しない。例えば、該複数のシフトレジスタ100の出力端は、それぞれ画素アレイ領域に位置する各行の画素回路の発光制御端に接続されて該各行の画素回路に出力信号(例えば、発光制御信号)を供給することにより、発光するように発光素子を駆動することを実現する。例えば、該画素回路は、当分野内の、例えば、2T1C、4T2C、8T2Cなどの回路構成を含む画素回路であってもよく、ここでは、詳しく説明しない。
【0069】
例えば、第1走査駆動回路130は、少なくとも一つのトランジスタを含み、該少なくとも一つのトランジスタのチャネルの延在方向は、第1信号線群150及び第2信号線群160の延在方向と平行であり、これにより、第1走査駆動回路130のチャネルの長さ方向と垂直な方向における面積を減少させ、プロセス整合度を向上させ、比較的好ましいチャネル効果を生じさせることができる。
【0070】
例えば、第1走査駆動回路130は、第1信号線群150、例えば、第1信号線群150の第1クロック信号ECKにそれぞれ接続される第1トランジスタT1、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3を含む。例えば、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3のチャネルの延在方向は、第1信号線群150及び第2信号線群160の延在方向と平行である。例えば、チャネルの延在方向は、トランジスタの第1極から第2極への延在方向であり、例えば、第1トランジスタT1の第1極から第2極への延在方向である。
【0071】
例えば、第1走査駆動回路130は、第1信号線群150にそれぞれ接続される第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7をさらに含み、第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7のチャネルの延在方向は、第1信号線群150及び第2信号線群160の延在方向と平行である。
【0072】
例えば、複数の電源線140は、第1走査駆動回路130に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタ100に複数の電源電圧、例えば、第1電源電圧(例えば、直流のハイレベル)や第2電源電圧(例えば、直流のローレベル)などを供給するように構成される。
【0073】
第1信号線群150は、第1走査駆動回路130に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタ100に、少なくとも1つのタイミング信号、例えば、第1クロック信号ECK及び第2クロック信号ECBを供給するように構成される、少なくとも1つのタイミング信号線、例えば、上記第1クロック信号線ECK及び第2クロック信号線ECBを含む。
【0074】
例えば、少なくとも一例では、第2信号線群160は、第1走査駆動回路150に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタ100のうちの1段目のシフトレジスタに接続されて、1段目のシフトレジスタに第1トリガ信号を供給するように構成される第1トリガ信号線ESTV1を含む。例えば、第1トリガ信号線ESTV1は、複数の電源線140と画素アレイ領域110との間に位置する。例えば、
図4に示すように、該第1トリガ信号線ESTV1は、該第1走査駆動回路130の右側に位置してもよく、すなわち、第1トリガ信号線ESTV1のベース基板10への正投影は、第1走査駆動回路130のベース基板10への正投影と画素アレイ領域110のベース基板10への正投影との間に位置する。当然のことながら、第1走査駆動回路130のトランジスタ間に位置してもよく、すなわち、第1トリガ信号線ESTV1のベース基板10への正投影は、第1走査駆動回路130のベース基板10への正投影と少なくとも一部重複し、トリガ信号線の導入を容易にするために、それを配線が密集でない領域に設けることを満たせばよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0075】
なお、該表示基板は、複数の走査駆動回路、及び該複数の走査駆動回路の1段目のシフトレジスタにそれぞれ接続される複数のトリガ信号線をさらに含んでもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0076】
例えば、一部の例では、該表示基板が第2走査駆動回路、第3走査駆動回路などの複数の走査駆動回路をさらに含む場合、該表示基板は、該第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタに接続される第2トリガ信号線ESTV2、第3走査駆動回路の1段目のシフトレジスタに接続される第3トリガ信号線などの複数のトリガ信号線をさらに含む。例えば、該第2走査駆動回路、第3走査駆動回路などの複数の走査駆動回路は、第1走査駆動回路と構成が同じであり、第1走査駆動回路から順次配列され、ともに該表示基板の画素アレイ領域を駆動する。例えば、該画素アレイ領域は、互いに重複しない(例えば、並設される)複数の表示領域を含み、第1走査駆動回路、第2走査駆動回路及び第3走査駆動回路などの複数の走査駆動回路は、それぞれ対応する表示領域を駆動する。
【0077】
例えば、複数の走査駆動回路を含む場合、該第2信号線群160は、該複数のトリガ信号線をさらに含む。例えば、該複数のトリガ信号線は、複数の電源線140と画素アレイ領域110との間に位置してもよく、例えば、各走査駆動回路の右側に位置するか、又は各走査駆動回路と少なくとも重複してもよく、トリガ信号線の導入を容易にするために、それを配線が密集でない領域に設けることを満たせばよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0078】
本開示の上記実施例に係る表示基板は、第1トリガ信号線の位置を調整することにより、配線が密集であることによるより多くの信号線を導入不可や、巻き回し接続などの問題を回避し、表示パネルの狭額縁設計の実現にさらに有利であり、これにより、大サイズの表示パネルの表示の実現に有利である。
【0079】
図5Aは、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板のレイアウト模式図である。
図5Bは、第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタが含まれる表示基板のレイアウト模式図である。
図10は、
図5Bに示す表示基板のA-A`方向の断面図である。当然のことながら、
図10は、
図5Aに示す積層構成を説明するために用いられてもよい。
【0080】
なお、
図5Bに示す1段目のシフトレジスタの積層構成は、各走査駆動回路の1段目のシフトレジスタに適用されてもよく、対応するトリガ信号との接続を変更すればよく、すなわち、第1走査駆動回路の1段目のシフトレジスタは、第1トリガ信号線ESTV1に接続され、第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタは、第2トリガ信号線ESTV2に接続され……、以降同様とする。
【0081】
図6A、
図7A、
図8及び
図9Aは、それぞれ
図5Aに示す表示基板の各層の配線の平面図を示している。
図6Aは、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の半導体層の平面図であり、
図7Aは、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の第1導電層の平面図であり、
図8は、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の第2導電層の平面図であり、
図9Aは、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の第3導電層の平面図である。
【0082】
例えば、層間絶縁層(例えば、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層などを含む)は、
図6A~
図9Aに示す層構成の間に位置してもよい。例えば、(
図10に示すような)第1絶縁層350は、
図6Aに示す半導体層310と
図7Aに示す第1導電層320との間に位置し、(
図10に示すような)第2絶縁層360は、
図7Aに示す第1導電層320と
図8に示す第2導電層330との間に位置し、(
図10に示すような)第3絶縁層370は、
図8に示す第2導電層330と
図9Aに示す第3導電層340との間に位置する。
【0083】
例えば、
図10に示すように、該表示基板は、第4絶縁層380をさらに含み、該第4絶縁層380は、第3導電層340の上に位置し、第3導電層340を保護するために用いられる。
【0084】
例えば、第1絶縁層350、第2絶縁層360、第3絶縁層370及び第4絶縁層380の材料は、例えば、SiNx、SiOx、SiNxOyなどの無機絶縁材料や、例えば、有機樹脂などの有機絶縁材料、又は他の適切な材料を含んでもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0085】
なお、
図5Aに示す表示基板について、第1走査駆動回路における一つのシフトレジスタとそれに接続される信号線のレイアウト設計を例として説明する。その他の各段のシフトレジスタのレイアウト実施形態は、
図5Aに示すレイアウト形態を参照してもよく、ここでは、詳しく説明しない。言うまでもないが、他のレイアウト形態を採用してもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。当然のことながら、その他の各走査駆動回路の各段のシフトレジスタも、
図5Aに示すレイアウト形態を参考にしてもよいし、他のレイアウト形態を用いてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0086】
以下、
図5A~
図9Aを参照して本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板について詳細に説明する。
【0087】
例えば、
図5Aに示すシフトレジスタ100の第1トランジスタT1~第10トランジスタT10は、
図6Aに示す半導体層310に形成されてもよい。半導体層310は、半導体材料をパターニングして形成されてもよい。この半導体層310は、例えば、
図6Aに示すように、必要に応じて、短棒状、又は湾曲、屈曲を有する形状であってもよく、上記第1トランジスタT1~第10トランジスタT10の活性層を製造するために用いられてよい。各活性層は、ソース領域と、ドレイン領域と、ソース領域とドレイン領域との間に位置するチャネル領域とを含んでもよい。例えば、チャネル領域は、不純物がドーピングされることにより、半導体特性を具備でき、ソース領域とドレイン領域とは、チャネル領域の両側に位置し、不純物がドーピングされることで導電性を具備できる。例えば、該ソース領域は、トランジスタのソース(第1極とも呼ばれる)に対応し、ドレイン領域は、トランジスタのドレイン(第2極とも呼ばれる)に対応する。例えば、
図10に示すように、第1トランジスタT1を例として、該第1トランジスタT1の活性層は、ソース領域S1と、(
図10の破線で示すような)ドレイン領域D1と、チャネル領域P1と、を含み、該第1トランジスタT1は、ゲートG1をさらに含み、ゲートG1は、第1導電層320に位置し、以下に説明するので、ここでは、詳しく説明しない。なお、第1トランジスタT1のドレイン領域D1は、
図5BのA-A`方向の断面図に示されていないが、説明を明確にするために、
図10では、第1トランジスタT1のドレイン領域D1を破線で追加する。
【0088】
例えば、半導体層310の材料は、酸化物半導体、有機半導体又は非晶質シリコン、多結晶シリコンなどを含んでもよく、例えば、酸化物半導体は、金属酸化物半導体(例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO))を含み、多結晶シリコンは、低温多結晶シリコンや高温多結晶シリコンなどを含み、本開示の実施例は、これについて限定しない。なお、上記ソース領域及びドレイン領域は、n型不純物又はp型不純物がドーピングされる領域であってもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0089】
なお、他の例では、各トランジスタの第1極と第2極は、他の導電層に位置してもよく、半導体層との間に位置する絶縁層におけるスルーホールを介して対応する活性層に接続され、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0090】
図7Aは、該表示基板の第1導電層320を示している。第1導電層320は、第1絶縁層に設けられることにより、半導体層310と絶縁される。例えば、第1導電層320は、第1コンデンサC1~第3コンデンサC3の第1電極CE11、CE12、CE13及び第1トランジスタT1~第10トランジスタT10のゲートを含んでもよく、それに応じて、第1絶縁層もゲート絶縁層とされる。
図7Aに示すように、第1トランジスタT1~第10トランジスタT10のゲートは、各トランジスタの半導体層構成と第1導電層320の配線とが重複する部分である。
【0091】
図8は、該表示基板の第2導電層330を示している。第2導電層330は、第1コンデンサC1~第3コンデンサC3の第2電極CE21、CE22、CE23を含む。例えば、第2電極CE21は、第1電極CE11と少なくとも一部に重複して第1コンデンサC1を形成し、第2電極CE22は、第1電極CE12と少なくとも一部に重複して第2コンデンサC2を形成し、第2電極CE23は、第1電極CE13と少なくとも一部に重複して第3コンデンサC3を形成する。
【0092】
図9Aは、この表示基板の第3導電層340を示している。第3導電層340は、第1信号線群150と、複数の電源線140と、第2信号線群160とを含んでいる。なお、該第3導電層は、各トランジスタ、コンデンサ及び信号線間を接続する導電接続部をさらに含む。
図5A及び
図9Aに示すように、第1信号線群150、複数の電源線140及び第2信号線群160は、少なくとも一つのスルーホールを介してその他の各層における接続の必要があるトランジスタに接続され、各トランジスタ間も少なくとも一つのスルーホールを介して接続され、又は導電接続部を介してブリッジ接続され、ここでは、詳しく説明しない。
【0093】
例えば、上記第3導電層340の材料はアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金又は他の任意の適切な材料を含んでもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、第1導電層320及び第2導電層330の材料は、第3導電層340の材料と同じであってもよく、ここでは、詳しく説明しない。
【0094】
図5Aは、上記
図6Aに示す半導体層310と、
図7Aに示す第1導電層320と、
図8に示す第2導電層330と、
図9Aに示す第3導電層340との積層位置関係を示す図である。
【0095】
図5A及び
図9Aに示すように、少なくとも一例では、該表示基板は、行方向に沿って順に設けられる第1信号線群150(例えば、第1クロック信号線ECK及び第2クロック信号線ECBを含む)と、複数の電源線140(例えば、第3電源線VGL1、第1電源線VGH1及び第4電源線VGL2を含む)と、第2信号線群160(例えば、第1トリガ信号線ESTV1を含む)とを含む。なお、第2走査駆動回路を含む場合、例えば、第2信号線群160は、第2トリガ信号線ESTV2をさらに含む。
【0096】
一部の実施例では、
図4又は
図5Aに示すように、第2信号線群160は、第1走査駆動回路130の画素アレイ領域110に近い側に位置し、第1信号線群150は、第1走査駆動回路130の第2信号線群160が位置する側と対向する他方側に位置する。例えば、
図4又は
図5Aに示すように、第2信号線群160は、シフトレジスタ100の右側に位置し、第1信号線群150は、シフトレジスタ100の左側に位置する。
【0097】
本実施形態では、第1トリガ信号線ESTV1や第2トリガ信号線ESTV2などの第2信号線群160をシフトレジスタの右側に設け、すなわち、第1信号線群150及び複数の電源線140から離れて設けられることにより、左側の信号線が多すぎることによる配線の密集を回避することができる。これにより、配線の密集に起因してトリガ信号線に残されるスペースが小さすぎて他の信号線の導入に影響を与えることを回避することができる。
【0098】
他の一部の例では、
図5Aに示すように、複数の電源線140は、第1電源線VGH1、第2電源線VGH2、第3電源線VGL1及び第4電源線VGL2を含む。例えば、第1電源線VGH1と第2電源線VGH2とは、同一の第1電源電圧、例えば、直流の高電圧を供給する。
【0099】
例えば、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影は、第1走査駆動回路のベース基板10への正射影と一部に重複し、第2電源線VGH2のベース基板10への正射影は、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影と、第2信号線群160のベース基板10への正射影との間に位置する。
【0100】
なお、第1走査駆動回路のベース基板10への正射影が連続した領域ではないので、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影は、第1走査駆動回路の一部のトランジスタやコンデンサのベース基板10への正射影と一部に重複すればよい。本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、
図5Aに示すように、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影は、第1導電層320における配線と重複する。例えば、第3トランジスタT3のゲートと第1トランジスタT1のゲートとを接続する配線、第4トランジスタT4のゲートを接続する配線、第5トランジスタT5のゲートを接続する配線、及び第2トランジスタT2のゲートを接続する配線と一部に重複する。
【0101】
例えば、
図5Aに示すように、第1走査駆動回路の各シフトレジスタは、第1電源線VGH1に接続される第1構成トランジスタと、第2電源線VGH2に接続される第2構成トランジスタ及び第3構成トランジスタとを含む。例えば、第5トランジスタT5は、第1構成トランジスタの一例であり、第8トランジスタT8は、第2構成トランジスタの一例であり、第9トランジスタT9は、第3構成トランジスタの一例である。以下、第1構成トランジスタが第5トランジスタT5、第2構成トランジスタが第8トランジスタT8、第3構成トランジスタが第9トランジスタT9であることを例として説明するが、本開示の実施例は、これについて限定しない。以下の実施例は、これと同様であるため、詳しく説明しない。
【0102】
例えば、第5トランジスタT5のベース基板10への正射影は、第1信号線群150のベース基板10への正射影と第1電源線VGH1のベース基板10への正射影との間にあって、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影に近い。第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9のベース基板10への正射影は、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影と第2電源線VGH2のベース基板10への正射影との間にあって、第2電源線VGH2のベース基板10への正射影に近い。すなわち、第1電源線VGH1が第5トランジスタT5に近い位置に設けられ、第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9が第2電源線VGH2に近い位置に設けられることにより、第5トランジスタT5、第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9が、いずれも1つの電源線(例えば第1電源線VGH1)に接続されるように巻き回されることを回避することができる。これにより、表示基板の鉛直方向における配線の巻き回しによるスペースの占用が回避される。
【0103】
例えば、第3電源線VGL1と第4電源線VGL2とは、同一の第2電源電圧、例えば、直流の低電圧を供給するように構成される。例えば、第1電源電圧は、第2電源電圧よりも高い。例えば、第4電源線VGL2のベース基板10への正射影は、第1走査駆動回路のベース基板10への正射影と一部に重複し、第3電源線VGL1のベース基板10への正射影は、第3電源線VGL1のベース基板10への正射影と第1信号線群150のベース基板10への正射影との間に位置する。
【0104】
上述の通り、第1走査駆動回路のベース基板10への正射影は、連続した領域ではないので、第4電源線VGL2のベース基板10への正射影は、第1走査駆動回路の一部のトランジスタやコンデンサのベース基板10への正射影と一部に重複すればよい。本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、
図5Aに示すように、第4電源線VGL2のベース基板10への正射影は、第1導電層320における配線と重複する。例えば、第8トランジスタT8のゲートを接続する配線、第10トランジスタT10のゲートを接続する配線、第2コンデンサC2の第1電極CE12と一部に重複する。
【0105】
例えば、第1走査駆動回路の各シフトレジスタは、第3電源線VGL1に接続される第4構成トランジスタをさらに含み、それに加えて、第4電源線VGL2に接続される第5構成トランジスタとを含む。例えば、第3トランジスタT3は、第4構成トランジスタの一例であり、第10トランジスタT10は、第5構成トランジスタの一例である。以下、第3トランジスタT3が第4構成トランジスタ、第10トランジスタT10が第5構成トランジスタであることを例として説明するが、本開示の実施例は、これについて限定しない。以下の実施例は、これと同様であるため、詳しく説明しない。
【0106】
例えば、第3トランジスタT3のベース基板10への正射影は、第3電源線VGL1のベース基板10への正射影の、第1信号線群150のベース基板10への正射影から離れる側にあって、第3電源線VGL1のベース基板10への正射影に近い。例えば、第10トランジスタT10のベース基板10への正射影は、第4電源線VGL2のベース基板10への正射影と第2信号線群160のベース基板10への正射影との間にあって、第10トランジスタT10のベース基板10への正射影に近い。すなわち、第3電源線VGL1が第3トランジスタT3に近い位置に設けられ、第10トランジスタT10が第4電源線VGL2に近い位置に設けられることにより、第3トランジスタT3及び第10トランジスタT10が、いずれも1つの電源線(例えば、第3電源線VGL1)に、又はそれぞれ表示基板の左側に位置する第3電源線VGL1及び第4電源線VGL2に接続されるように巻き回されることを回避することができる。これにより、表示基板の鉛直方向における配線の巻き回しによるスペースの占有が回避される。
【0107】
本開示の少なくとも一実施例では、第1電源線VGH1、第2電源線VGH2、第3電源線VGL1及び第4電源線VGL2を、接続されるトランジスタの近傍にそれぞれ設けることにより、各トランジスタがいずれも1つの電源線に接続されるように巻き回されることを回避することができる。これにより、表示基板の鉛直方向における配線の巻き回しによるスペースの占有が回避され、狭額縁の設計の実現に有利である。
【0108】
他の一部の実施例では、画素アレイ領域110は、互いに並列しかつ重複しない第1表示領域と第2表示領域と(図示せず)を含み、第1走査駆動回路130は、第1表示領域に接続されて、表示するように第1表示領域を駆動する。
【0109】
該表示基板は、前記周辺領域に設けられかつベース基板の一方側に位置する第2走査駆動回路をさらに含む。例えば、該第2走査駆動回路は、画素アレイの走査方向(例えば、列方向)に沿って第1走査駆動回路から順に配列され、第2表示領域に接続されて、表示するように第2表示領域を駆動する。例えば、第2走査駆動回路は、カスケード接続される複数の第2シフトレジスタ(例えば、
図5Bに示す1段目のシフトレジスタ132)を含む。例えば、第2シフトレジスタの構成は、第1シフトレジスタの回路構成と同じであり、いずれも
図1に示すシフトレジスタの回路構成を採用する。当然のことながら、第2シフトレジスタの構成は、第1シフトレジスタの回路構成と異なってもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。記載を明確かつ簡潔にするために、以下、第2シフトレジスタがシフトレジスタと略される。以下の実施例では、これと同様であるため、詳しく説明しない。
【0110】
例えば、該表示基板は、折り返し表示基板であり、第1表示領域と第2表示領域との間に位置する折り返し線をさらに含む。例えば、第2抵抗R2は、折り返し線の延在方向に位置し、折り返し線の延在方向は、第1信号線群150及び第2信号線群160の延在方向と垂直であり、これにより、信号線は、表示基板全体を貫通することができ、例えば、第1信号線群150及び第2信号線群160の延在方向は、
図4に記載の鉛直方向であり、折り返し線の延在方向は、水平方向である。
【0111】
例えば、
図5Bに示すように、第2信号線群160は、第2トリガ信号線ESTV2をさらに含み、第2トリガ信号線ESTV2は、第2走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタのうちの1段目のシフトレジスタ132に接続されて、第2走査駆動回路に含まれる1段目のシフトレジスタ132に第2トリガ信号を供給する。例えば、第1トリガ信号線ESTV1と第2トリガ信号線ESTN2とは、隣接して並設される。第1トリガ信号線ESTV1及び第2トリガ信号線ESTV2は並列に延在し、両者の延在長さは、いずれも第1走査駆動回路及び第2走査駆動回路の配列長さと同じであり、例えば、表示パネル全体を貫通することができる。これにより、第1トリガ信号線ESTV1と第2トリガ信号線ESTV2との長さの違いによる配線抵抗の違いで、それぞれによって伝送されるトリガ信号に影響を与えることを回避することができる。それに応じて、例えば、複数の走査駆動回路を含む場合、その他の各トリガ信号線も、第1トリガ信号線ESTV1及び第2トリガ信号線ESTV2に隣接して並設されてもよく、その延在長さは、いずれも第1トリガ信号線ESTV1及び第2トリガ信号線ESTV2の延在長さと同じであってもよい。
【0112】
なお、
図5Bは、第1走査駆動回路の最終段のシフトレジスタ131及び第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタ132のみを模式的に示している。他の各段のシフトレジスタのレイアウト形態は、
図5Aに示すレイアウト形態を参照してもよく、詳しく説明しない。
【0113】
図6B、
図7B、
図8及び
図9Bは、それぞれ
図5Bに示す表示基板に含まれる1段目のシフトレジスタの各層の配線の平面図を示している。以下、
図5B~
図9Bを参照して、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板について詳細に説明する。
【0114】
なお、
図6Bに示す半導体層は、
図6Aに示す半導体層と同様であり、相違点は、少なくとも一つの抵抗(例えば、第2抵抗R2)をさらに含む点である。
図7Bに示す第1導電層320は、
図7Aに示す第1導電層320と同様であり、相違点は、第1接続線L1及び第2接続線L2をさらに含む点である。
図9Bに示す第3導電層340は、
図9Aに示す第3導電層340と同様であり、相違点は、第1導電接続部341及び第2導電接続部342をさらに含む点である。具体的な接続関係は、以下に詳細に説明する。
【0115】
例えば、第1走査駆動回路の最終段のシフトレジスタ131から出力信号が出力される場合、第2トリガ信号線ESTV2は、第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタ132に第2トリガ信号を供給して、1行ずつ出力信号を出力するように、それに含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタを駆動する。なお、第1トリガ信号線ESTV1が第1走査駆動回路に第1トリガ信号を供給すると同時に、第2トリガ信号線ESTV2が第2走査駆動回路に第2トリガ信号を供給することにより、動作するように第1走査駆動回路と第2走査駆動回路とを同時に駆動することができ、正常な画像を表示するように、表示基板の画素アレイ領域の画素セルを駆動できればよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0116】
例えば、一部の例では、
図3に示すように、該表示基板は、少なくとも一つの(
図3に示すような)第1抵抗R1をさらに含む。例えば、該第1抵抗R1は、第1走査駆動回路130の1段目の第1シフトレジスタから離れる側に位置する。例えば、第1トリガ信号線ESTV1は、第1抵抗R1を介して第1走査駆動回路130の1段目のシフトレジスタ(例えば、1段目のシフトレジスタの第1トランジスタT1)に接続される。例えば、
図5Bに示すように、表示基板が第2走査駆動回路230を含む場合、該表示基板は、少なくとも1つの第2抵抗R2をさらに含んでもよい。例えば、第2抵抗R2は、第1走査駆動回路130の最終段の第1シフトレジスタと、第2走査駆動回路230の1段目の第2シフトレジスタとの間に位置する。例えば、第2トリガ信号線ESTV2は、第2抵抗R2を介して第2走査駆動回路230の1段目の第2シフトレジスタに接続され、例えば、第2走査駆動回路230の1段目のシフトレジスタ132の第1トランジスタT1に接続される。
【0117】
例えば、第1抵抗R1の抵抗値と第2抵抗R2の抵抗値とは異なる。例えば、一部の例では、第1トリガ信号線ESTV1は、表示基板の上側からコントローラ20に接続されて第1トリガ信号を受信し、第2トリガ信号線ESTV2は、該表示基板の中央部を挿通し、コントローラに接続されて第2トリガ信号を受信し、これにより、第1トリガ信号線ESTV1と第2トリガ信号線ESTV2との配線抵抗(負荷)が異なるため、例えば、第1トリガ信号線ESTV1の負荷が第2トリガ信号線ESTV2の負荷よりも大きい場合、第1抵抗R1は、第2抵抗R2よりも小さく、第1トリガ信号線ESTV1における配線抵抗の抵抗値に第1抵抗の抵抗値を加算した値と、第2トリガ信号線ESTV1における配線抵抗の抵抗値に第2抵抗の抵抗値を加算した値とが略等しくなる。例えば、一部の例では、第1抵抗R1の抵抗値は、5000オームであり、第2抵抗R2の抵抗値は、5500オームであり、第1トリガ信号線ESTV1における配線抵抗の抵抗値は、1000オームであり、第2トリガ信号線ESTV1における配線抵抗の抵抗値は、500オームである。
【0118】
なお、該表示基板が複数の走査駆動回路を含む場合、該表示基板は、該複数の走査駆動回路の1段目のシフトレジスタと、対応するトリガ信号線とをそれぞれ接続する複数の抵抗をさらに含んでもよく、例えば、該表示基板が第3走査駆動回路、第4走査駆動回路などの複数の走査駆動回路を含む場合、それに応じて、該表示基板は、1段目のシフトレジスタの第1トランジスタT1にそれぞれ接続される第3抵抗、第4抵抗などをさらに含み、本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、その他の複数の抵抗の設置は、いずれも該第1抵抗及び第2抵抗R2の設置を参照してもよく、詳しく説明しない。
【0119】
例えば、該第1抵抗と第2抵抗は、同じであってもよく、異なってもよく、具体的には実際の状況に応じて決定されてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、第1抵抗及び第2抵抗の材料は、半導体材料であってもよく、トランジスタの活性層と同層に設けられてもよい。該第1抵抗及び第2抵抗は、例えば、
図6Bに示す半導体層に位置する。
【0120】
図5Bには、第2抵抗の接続形態が示されるので、
図5Bに示す第2抵抗R2を例として以下に説明する。
図10は、
図5Bに示す表示基板のA-A`方向の断面図である。以下、
図5B及び
図10を参照して、第2抵抗を例とする各抵抗の接続形態について詳細に説明する。
【0121】
図5B及び
図10に示すように、第2抵抗R2は、ベース基板10と垂直な方向において、ベース基板10と第2信号線群160との間(すなわち、半導体層310)に位置し、第2抵抗R2のベース基板10への正投影は、第2信号線群160のベース基板10への正投影の画素アレイ領域から離れる側に位置する。それに応じて、第1抵抗は、ベース基板10と垂直な方向において、ベース基板10と第2信号線群160との間(すなわち半導体層310)に位置し、第1抵抗のベース基板10への正投影は、第2信号線群160のベース基板10への正投影の画素アレイ領域から離れる側に位置する。なお、第1抵抗及び第2抵抗R2は、
図5Bに示す位置に限定されず、他の適切な位置に設けられてもよく、トリガ信号線と第1トランジスタT1とを接続しやすい位置に位置すればよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0122】
図5Bに示すように、該表示基板は、少なくとも一つの第1接続線L1と少なくとも一つの第2接続線L2とをさらに含む。第1の接続線L1は、第2抵抗R2の一端を第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタ(例えば、第1トランジスタT1)に接続し、第2接続線L2は、第2抵抗R2の他端を第2トリガ信号線ESTV2に接続する。
【0123】
なお、該表示基板は、他の走査駆動回路に対応する抵抗と一対一に対応する複数の第1接続線及び第2接続線をさらに含み、第1抵抗又は他の抵抗は、いずれも対応する第1接続線及び第2接続線を介して対応する走査駆動回路及びトリガ信号線に接続され、例えば、第1接続線は、第1抵抗の一端を第1走査駆動回路の1段目のシフトレジスタに接続し、第2接続線は、前記第1抵抗の他端を第1トリガ信号線に接続し、ここでは、詳しく説明しない。
【0124】
例えば、第1接続線L1及び第2接続線L2は、第2抵抗R2のベース基板10から離れる側に位置し、すなわち、第1接続線L1及び第2接続線L2は、
図7Bに示す第1導電層320に位置するため、第3導電層340に設けられる際に、第4電源線VGL2と交差することによる信号の乱れを回避することができる。
【0125】
例えば、表示基板は、少なくとも一つの第1導電接続部L3及び第2導電接続部L4をさらに含むことによって、各抵抗が、第1接続線及び第2接続線にブリッジ接続されるようになる。例えば、第1の導電接続部L3及び第2導電接続部L4は、第1の接続線L1及び第2接続線L2のベース基板10から離れる側に位置し、複数の電源線140、第1信号線群150及び第2信号線160と同層に設けられ、すなわち、第1の導電接続部L3及び第2導電接続部L4は、
図9Bに示す第3導電層340に位置する。
【0126】
例えば、上述の通り、表示基板1は、第1絶縁層350と、第2絶縁層360と、第3絶縁層370とをさらに含む。例えば、第1絶縁層350は、ベース基板10と垂直な方向において、第2抵抗R2(すなわち半導体層310)と第1接続線L1及び第2接続線L2(第1導電層320)との間に位置し、第2絶縁層360は、ベース基板10と垂直な方向において、第1接続線L1及び第2接続線L2(すなわち第1導電層320)と第1導電接続部L3及び第2導電接続部L4(すなわち第3導電層340)との間に位置する。なお、第2絶縁層360と第3導電層340との間には、
図8に示す第2導電層330及び第2導電層330と第3導電層340との間に位置する第3絶縁層370がさらに含まれ、具体的な説明は、以上の説明を参照してもよく、ここでは、詳しく説明しない。
【0127】
例えば、
図5B及び
図10に示すように、第1導電接続部L3の一端は、第2絶縁層360(及び第3絶縁層370)を貫通するスルーホール133を介して第1接続線L1の一端に接続され、第1導電接続部L3の他端は、第1絶縁層350及び第2絶縁層360(並びに第3絶縁層370)を貫通するスルーホール134を介して第2抵抗R2の一端に接続される。例えば、第1接続線L1の他端は、第2絶縁層360及び第3絶縁層370を貫通するスルーホール135と、第1絶縁層350、第2絶縁層360及び第3絶縁層370を貫通するスルーホール139とを介して、第1走査駆動回路の1段目のシフトレジスタ(例えば、第1トランジスタT1のソースS1)に接続される。例えば、該第1接続線L1の他端のベース基板10への正投影は、第1トランジスタT1のソースS1のベース基板10への正投影と少なくとも一部に重複する場合、第1接続線L1の他端は、第1絶縁層350を貫通するスルーホール(図示せず)を介して第1トランジスタT1のソースS1に接続されてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0128】
第2導電接続部L4の一端は、第2絶縁層350(及び第3絶縁層360)を貫通するスルーホール136を介して第2接続線L2の一端に接続され、第2導電接続部L4の他端は、第1絶縁層350及び第2絶縁層360(並びに第3絶縁層370)を貫通するスルーホール137を介して第2抵抗R2の他端に接続される。第2接続線L2の他端は、第2絶縁層360及び第3絶縁層370を貫通するスルーホール138を介して第2トリガ信号線ESTV2に接続される。
【0129】
なお、該表示基板は、他の走査駆動回路に対応する抵抗と一対一に対応する複数の第1導電接続部及び第2導電接続部をさらに含み、第1抵抗又は他の抵抗は、いずれも対応する第1導電接続部と第2導電接続部を介して、対応する第1接続線及び第2接続線に接続され、ここでは、詳しく説明しない。
【0130】
例えば、第1導電接続部の一端は、第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して第1接続線の一端に接続され、第1導電接続部の他端は、第1絶縁層及び第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して第1抵抗の一端に接続され、第1接続線の他端は、第1走査駆動回路の1段目のシフトレジスタに接続され、第2導電接続部の一端は、第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して第2接続線の一端に接続され、第2導電接続部の他端は、第1絶縁層及び第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して第1抵抗の他端に接続され、第2接続線の他端は、第2絶縁層を貫通するスルーホールを介して第1トリガ信号線に接続される。
【0131】
本開示の実施例では、各走査駆動回路の1段目のシフトレジスタは、各抵抗を介して対応するトリガ信号に接続され、装置に通電する瞬間に発生する静電気が各信号(例えば、トリガ信号、クロック信号など)に与える影響を回避することができる。これにより、走査駆動回路から出力される出力信号をより正確にし、表示パネルの表示品質を向上させることができる。
【0132】
本開示の少なくとも一実施例は、表示装置をさらに提供する。
図11は本開示の少なくとも一実施例に係る表示装置の概略図である。
図11に示すように、この表示装置2は、本開示のいずれの実施例に係る表示基板1、例えば、
図4、
図5A又は
図5Bに示す表示基板1を含む。
【0133】
なお、該表示装置2は、OLEDパネル、OLEDテレビ、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなどの任意の表示機能を有する製品又は部品であってもよい。該表示装置2は、他の部材をさらに含んでもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0134】
なお、記載を明確かつ簡潔にするために、本開示の実施例は、該表示装置の全ての構成要素を示していることではない。該表示装置の基板機能を実現するために、当業者は具体的なニーズに応じて他の図示しない構成を提供し、設けることができ、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0135】
上記実施例に係る表示装置2の技術的効果については、本開示の実施例に係る表示基板1の技術的効果を参照してもよいので、ここでは、詳しく説明しない。
【0136】
本開示の少なくとも一実施例は、表示基板の製造方法をさらに提供する。
図12は、本開示の少なくとも一実施例に係る表示基板の製造方法のフローチャートである。この製造方法は、例えば、本開示のいずれの実施例に係る表示基板の製造に適用することができる。例えば、
図5A又は
図5Bに示す表示基板の製造に適用することができる。
【0137】
図12に示すように、該表示基板の製造方法は、ステップS110~ステップS120を含む。
【0138】
ステップS110:ベース基板を提供する。
【0139】
ステップS120:ベース基板の周辺領域であってベース基板の第1側に第1走査駆動回路、複数の電源線、第1信号線群及び第2信号線群を形成する。
【0140】
ステップS110に関して、該ベース基板10は、例えば、ガラス、プラスチック、石英、又は他の適切な材料を用いることができ、本開示の実施例は、これについて限定しない。ベース基板10は、例えば、画素アレイ領域110と周辺領域120とを含む。
【0141】
ステップS120に関して、例えば、第1走査駆動回路130、複数の電源線140、第1信号線群150及び第2信号線群160は、周辺領域120内、かつ、ベース基板10の第1側、例えば、ベース基板10の左側に設けられる。
【0142】
例えば、第1走査駆動回路130は、カスケード接続される複数のシフトレジスタ100を含み、例えば、複数の
図1に示すようなシフトレジスタを含む。例えば、シフトレジスタの第1トランジスタT1~第10トランジスタT10は、
図6Aに示す半導体層310上に形成されてもよい。例えば、半導体層310の材料は、酸化物半導体、有機半導体又は非晶質シリコン、多結晶シリコンなどを含んでもよく、例えば、酸化物半導体は、金属酸化物半導体(例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO))を含み、多結晶シリコンは、低温多結晶シリコン又は高温多結晶シリコンなどを含み、本開示の実施例は、これについて限定しない。なお、上記ソース領域及びドレイン領域は、n型不純物又はp型不純物がドーピングされている領域であってもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0143】
例えば、第1コンデンサC1~第3コンデンサC3の第1電極CE11、CE12、CE13及び第1トランジスタT1~第10トランジスタT10のゲートは、
図7Aに示す第1導電層320に形成されてもよい。
図7Aに示すように、第1トランジスタT1~第10トランジスタT10のゲートは、各トランジスタの半導体層構成と第1導電層320における配線とが重複する部分である。
【0144】
例えば、第1コンデンサC1~第3コンデンサC3の第2電極CE21、CE22、CE23は
図8に示す第2導電層330に形成されてもよい。例えば、第2電極CE21は、第1電極CE11と少なくとも一部重複して第1コンデンサC1を形成し、第2電極CE22は、第1電極CE12と少なくとも一部に重複して第2コンデンサC2を形成し、第2電極CE23は、第1電極CE13と少なくとも一部に重複して第3コンデンサC3を形成する。
【0145】
例えば、複数の電源線140、第1信号線群150及び第2信号線群は、
図9Aに示す第3導電層340に形成されてもよい。なお、該第3導電層は、各トランジスタ、コンデンサ及び信号線間を接続する導電接続部をさらに含む。
図5A及び
図9Aに示すように、第1信号線群150、複数の電源線140及び第2信号線群160は、少なくとも一つのスルーホールを介してその他の各層における接続の必要があるトランジスタに接続され、各トランジスタ間も少なくとも一つのスルーホールを介して接続され、又は導電接続部を介してブリッジ接続され、ここでは、詳しく説明しない。
【0146】
例えば、上記第3導電層340の材料はアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金又は他の任意の適切な材料を含んでもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、第1導電層320及び第2導電層330の材料は、第3導電層340の材料と同じであってもよく、ここでは、詳しく説明しない。
【0147】
例えば、複数の電源線140は、第1走査駆動回路130に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタ100に電源電圧を供給するように構成される。例えば、第1電源電圧(例えば、直流のハイレベルを有する)や第2電源電圧(例えば、直流のローレベルを有する)などを供給する。
【0148】
例えば、第1信号線群150は、少なくとも1つのタイミング信号線を含み、例えば、第1走査駆動回路130に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタ100にタイミング信号、例えば、上記第1クロック信号ECK及び第2クロック信号ECBを供給するように構成される、第1クロック信号線ECK及び第2クロック信号線ECBを含む。
【0149】
例えば、少なくとも一例では、第2信号線群160は、第1走査駆動回路150に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタ100の1段目のシフトレジスタに接続されて、1段目のシフトレジスタに第1トリガ信号を供給するように構成される第1トリガ信号線ESTV1を含む。第1トリガ信号線ESTV1は、例えば、複数の電源線140と画素アレイ領域110との間に設けられる。
【0150】
一部の実施例では、
図4又は
図5Aに示すように、第2信号線群160は、第1走査駆動回路130の画素アレイ領域110に近い側に形成され、第1信号線群150は、第1走査駆動回路130の第2信号線群160が位置する側と対向する他方側に形成される。例えば、
図4又は
図5Aに示すように、第2信号線群160は、シフトレジスタ100の右側に位置し、第1信号線群150は、シフトレジスタ100の左側に位置する。
【0151】
本実施例では、第1トリガ信号線ESTV1をシフトレジスタの右側に設け、即ち、第1信号線群150及び複数の電源線140から離れて設けられることにより、左側の信号線が多すぎることによる配線の密集を回避することができる。これにより、配線の密集に起因してトリガ信号線に残されるスペースが小さすぎて他の信号線の導入に影響を与えることを回避することができる。
【0152】
例えば、ステップS120は、第1電源線VGH1、第2電源線VGH2、第3電源線VGL1をベース基板10に形成するステップ、及び第1電源線VGH1に接続される第5トランジスタT5と、第2電源線VGH2に接続される第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9と、第3電源線VGHL1に接続される第3トランジスタT3と、第4電源線VGL2に接続される第10トランジスタT10とをベース基板10に形成するステップをさらに含む。例えば、第1電源線VGH1と第2電源線VGH2とは、同一の第1電源電圧、例えば、直流の高電圧を供給する。
【0153】
例えば、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影は、第1走査駆動回路のベース基板10への正射影と一部に重複し、第2電源線VGH2のベース基板10への正射影は、第1電源線VGH1のベース基板10への正射影と、第2信号線群160のベース基板10への正射影との間に位置する。
【0154】
例えば、第5トランジスタT5に近い位置に第1電源線VGH1が形成され、第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9に近い位置に第2電源線VGH2が形成されることにより、第5トランジスタT5、第8トランジスタT8及び第9トランジスタT9がいずれも1つの電源線(例えば第1電源線VGH1)に接続されるように巻き回されることを回避でき、表示基板の鉛直方向における配線の巻き回しによるスペースの占有が回避される。
【0155】
例えば、第3電源線VGL1と第4電源線VGL2とは、同一の第2電源電圧、例えば、直流の低電圧を供給する。例えば、第1電源電圧は、第2電源電圧よりも高い。例えば、第4電源線VGL2のベース基板10への正射影は、第1走査駆動回路のベース基板10への正射影と一部に重複し、第3電源線VGL1のベース基板10への正射影は、第3電源線VGL1のベース基板10への正射影と、第1信号線群150のベース基板10への正射影との間に位置する。
【0156】
例えば、第3トランジスタT3に近い位置に第3電源線VGL1が形成され、第10トランジスタT10に近い位置に第4電源線VGL2が形成されることにより、第3トランジスタT3と第10トランジスタT10とが、いずれも1つの電源線(例えば、第3電源線VGL1)に接続され、又は表示基板の左側に位置する第3電源線VGL1と第4電源線VGL2とにそれぞれ接続されるように巻き回されることを回避することができ、表示基板の鉛直方向における配線の巻き回しによるスペースの占有が回避される。
【0157】
例えば、一部の例では、該表示基板の製造方法は、周辺領域内であってベース基板10の第1側に第2走査駆動回路を形成するステップをさらに含む。例えば、第2走査駆動回路は、カスケード接続される複数のシフトレジスタ(例えば、
図5Bに示す1段目のシフトレジスタ132)を含む。例えば、
図5Bに示すように、第2信号線群160は、第2走査駆動回路に含まれるカスケード接続される複数のシフトレジスタのうちの1段目のシフトレジスタ132に接続されて、第2走査駆動回路に含まれる1段目のシフトレジスタ132に第2トリガ信号を供給する第2トリガ信号線ESTV2をさらに含む。
【0158】
例えば、第1トリガ信号線ESTV1及び第2トリガ信号線ESTV2の延在長さは、いずれも第1走査駆動回路及び第2走査駆動回路の配列長さと同じであり、これにより、第1トリガ信号線ESTV1と第2トリガ信号線ESTV2との延在長さの違いによる配線抵抗の違いで、それぞれによって伝送されるトリガ信号に影響を与えることを回避することができる。それに応じて、例えば、複数の走査駆動回路を含む場合、その他の各トリガ信号線の延在長さは、いずれも第1トリガ信号線ESTV1及び第2トリガ信号線ESTV2の延在長さと同じであってもよい。
【0159】
例えば、一部の例では、該表示基板の製造方法は、ベース基板10に垂直な方向において、ベース基板10と第2信号線群160との間に、少なくとも1つの第1抵抗と少なくとも1つの第2抵抗とを形成するステップをさらに含む。
【0160】
なお、該表示基板が複数の走査駆動回路を含む(例えば、第3走査駆動回路、第4走査駆動回路などをさらに含む)場合、該表示基板の製造方法は、ベース基板10に垂直な方向において、ベース基板10と第2信号線群との間に複数の走査駆動回路に対応する抵抗を形成するステップをさらに含み、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0161】
図5B及び
図10に示すように、第2抵抗R2は、ベース基板10と垂直な方向において、ベース基板10と第2信号線群160との間(すなわち半導体層310)に位置し、第2抵抗R2のベース基板10への正投影は、第2信号線群160のベース基板10への正投影の画素アレイ領域から離れる側に位置する。それに応じて、第1抵抗は、ベース基板10に垂直な方向において、ベース基板10と第2信号線群160との間に位置し、第1抵抗のベース基板10への正射影は、第2信号線群160のベース基板10への正射影の画素アレイ領域から離れる側に位置する。なお、第1抵抗R2及び第2抵抗R2は、
図5Bに示す位置に限らず、他の適切な位置に設けられてもよい。
【0162】
例えば、一部の例では、該表示基板の製造方法は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2のベース基板10から離れる側、すなわち第1導電層320に、少なくとも1つの第1接続線及び少なくとも1つの第2接続線を形成するステップをさらに含む。したがって、第3導電層340に設けられる際に、第4電源線VGL2と交差することによる信号の乱れを回避することができる。
【0163】
例えば、第1接続線は、第1抵抗の一端を第1走査駆動回路の1段目のシフトレジスタに接続し、第2接続線は、前記第1抵抗の他端を第1トリガ信号線に接続する。第1接続線L1は、第2抵抗R2の一端を第2走査駆動回路の1段目のシフトレジスタ(例えば、第1トランジスタT1)に接続し、第2接続線L2は、第2抵抗R2の他端を第2トリガ信号線ESTV2に接続する。
【0164】
例えば、一部の例では、該表示基板の製造方法は、ベース基板10に、複数の電源線140、第1信号線群150及び第2信号線群160と同層に設けられる第1導電接続部L3及び第2導電接続部L4を形成するステップと、ベース基板10と垂直な方向において、第1抵抗R1(すなわち半導体層310)と第1接続線L1及び第2接続線L2(第1導電層320)との間に第1絶縁層350を形成するステップと、ベース基板10と垂直な方向において、第1接続線L1及び第2接続線L2(第1導電層320)と第1導電接続部L3及び第2導電接続部L4(すなわち第3導電層340)との間に第2絶縁層360を形成するステップと、をさらに含む。なお、該表示基板の製造方法は、第2絶縁層360と第3導電層340との間に、
図8に示すような第2導電層330と、第2導電層330と第3導電層340との間に位置する第3絶縁層370とを形成するステップをさらに含み、具体的な説明は、上記説明を参照してもよく、ここでは、詳しく説明しない。
【0165】
例えば、
図5B及び
図10に示すように、第1導電接続部L3の一端は、第2絶縁層360(及び第3絶縁層370)を貫通するスルーホール133を介して第1接続線L1の一端に接続され、第1導電接続部L3の他端は、第1絶縁層350及び第2絶縁層360(並びに第3絶縁層370)を貫通するスルーホール134を介して第2抵抗R2の一端に接続される。例えば、第1接続線L1の他端は、第2絶縁層360及び第3絶縁層370を貫通するスルーホール135と、第1絶縁層350、第2絶縁層360及び第3絶縁層370を貫通するスルーホール139とを介して第1走査駆動回路の1段目のシフトレジスタ(例えば、第1トランジスタT1のソースS1)に接続される。例えば、該第1接続線L1の他端のベース基板10への正投影が、第1トランジスタT1のソースS1のベース基板10への正投影と少なくとも一部に重複する場合、第1接続線L1の他端は、第1絶縁層350を貫通するスルーホール(図示せず)を介して第1トランジスタT1のソースS1に接続されてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0166】
第2導電接続部L4の一端は、第2絶縁層360(及び第3絶縁層370)を貫通するスルーホール136を介して第2接続線L2の一端に接続され、第2導電接続部L4の他端は、第1絶縁層350及び第2絶縁層360(並びに第3絶縁層370)を貫通するスルーホール137を介して第2抵抗R2の他端に接続される。第2接続線L2の他端は、第2絶縁層360及び第3絶縁層370を貫通するスルーホール138を介して第2トリガ信号線ESTV2に接続される。
【0167】
本開示の実施例では、各走査駆動回路の1段目のシフトレジスタは、各抵抗を介して対応するトリガ信号に接続されることにより、装置に通電する瞬間に発生する静電気が各信号(例えば、トリガ信号、クロック信号など)に与える影響を回避することができる。これにより、走査駆動回路から出力される出力信号をより正確し、表示パネルの表示品質を向上させることができる。
【0168】
なお、本開示の複数の実施例では、該表示基板の製造方法のフローは、より多く又はより少ない操作を含んでもよく、これらの操作は、順次又は並列に実行することができる。上記の製造方法のフローは、特定の順序で表れる複数の操作を含むが、複数の操作の順序が限定されないことは明らかである。上記の製造方法は、1回実行されてもよく、所定の条件に従って複数回実行されてもよい。
【0169】
上記実施例に係る表示基板の製造方法の技術的効果について、本開示の実施例に係る表示基板の技術的効果を参照してもよく、ここでは、詳しく説明しない。
【0170】
下記の点は、説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に係る構成のみに関し、その他の構成は、一般的な設計を参照してもよい。
(2)矛盾しない限り、本開示の実施例や実施例における特徴を互いに組み合わせて、新たな実施例を得ることができる。
【0171】
以上は、単なる本開示の例示的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を制限するものではない。本開示の保護範囲は、添付される特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0172】
10 ベース基板
20 コントローラ
100 発光制御シフトレジスタ
110 画素アレイ領域
120 周辺領域
130 第1走査駆動回路
132 シフトレジスタ
133~139 スルーホール
140 電源線
150 第1信号線群
160 第2信号線群
230 第2走査駆動回路
310 半導体層
320 第1導電層
330 第2導電層
340 第3導電層
341 第1導電接続部
342 第2導電接続部
350 第1絶縁層
360 第2絶縁層
360 第2絶縁層
370 第3絶縁層
380 第4絶縁層