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特許7550520撮像装置、制御方法、プログラムならびに記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】撮像装置、制御方法、プログラムならびに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20240906BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20240906BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20240906BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20240906BHJP
【FI】
H04N23/60 300
H04N5/77 200
H04N5/93
H04N23/63
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020010329
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2021118434
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍋嶋 累
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-150932(JP,A)
【文献】特開2009-053244(JP,A)
【文献】特開2010-178270(JP,A)
【文献】特開2016-208145(JP,A)
【文献】特開2016-197230(JP,A)
【文献】特開2007-110516(JP,A)
【文献】特開2015-070549(JP,A)
【文献】特開2008-085729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 5/77
H04N 5/93
H04N 23/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、前記撮像装置から出力中の映像を表示し、その映像を録画するか否かをユーザが選択可能な外部機器と、を有するシステムの前記撮像装置であって、
撮像手段により得られた映像を前記外部機器の録画操作を行う前記ユーザが視認可能な表示部に表示する表示手段と、
前記撮像手段により得られた映像を外部機器に出力する出力手段と、
撮影待機中は撮影中よりも前記映像の撮像時の処理が軽減された第1の動作モードと、撮影待機中か撮影中かにかかわらず前記映像の撮像時の処理が同じである第2の動作モードのいずれかに切り替えて実行可能な処理手段と、
記映像を前記表示部に表示せず、前記外部機器に出力する第1の動作を実行し、
記映像を前記表示部に表示し、前記外部機器に出力する第2の動作を実行するように制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1の動作モードにおける前記撮影待機中は前記第1の動作を実行し、前記第1の動作モードにおける前記撮影中は前記第2の動作を実行し、前記第2の動作モードにおいて前記第2の動作を実行することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
静止画を撮影する静止画撮影モードと、動画を撮影する動画記録モードのいずれかに切り替えることが可能な設定手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおいて前記第1の動作と前記第2の動作のいずれかに切り替えることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおける前記撮影待機中は前記第1の動作を実行し、前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおける前記撮影中は前記第2の動作を実行することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1の動作モードにおいて前記外部機器に前記映像の撮像時の前記撮像装置の状態を示す情報を出力することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第1の動作モードにおいて前記外部機器に前記映像のフレームに関する情報を出力しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
撮像装置と、前記撮像装置から出力中の映像を表示し、その映像を録画するか否かをユーザが選択可能な外部機器と、を有するシステムの前記撮像装置であって、
撮像手段により得られた映像を前記外部機器の録画操作を行う前記ユーザが視認可能な表示部に表示する表示手段と、
前記撮像手段により得られた映像を外部機器に出力する出力手段と、
撮影待機中は撮影中よりも前記映像の撮像時の処理が軽減された第1の動作モードと、撮影待機中か撮影中かにかかわらず前記映像の撮像時の処理が同じである第2の動作モードのいずれかに切り替えて実行可能な処理手段と、
記映像を前記表示部に表示し、前記外部機器に出力しない第1の動作を実行し
映像を前記表示部に表示し、前記外部機器に出力する第2の動作を実行するように制御する制御手段と、
静止画を撮影する静止画撮影モードと、動画を撮影する動画記録モードのいずれかに切り替えることが可能な設定手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおいて前記第1の動作と前記第2の動作のいずれかに切り替えることが可能であり、
前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおける前記撮影待機中は前記第1の動作を実行し、前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおける前記撮影中は前記第2の動作を実行し、前記第2の動作モードにおいて前記第2の動作を実行することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の動作モードにおいて前記映像のフレームに関する情報は出力しないことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像装置と、前記撮像装置から出力中の映像を表示し、その映像を録画するか否かをユーザが選択可能な外部機器と、を有するシステムの前記撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、
撮像手段により得られた映像を前記外部機器の録画操作を行う前記ユーザが視認可能な表示部に表示する表示手段と、前記撮像手段により得られた映像を外部機器に出力する出力手段と、を有し、撮影待機中は撮影中よりも前記映像の撮像時の処理が軽減された第1の動作モードと、撮影待機中か撮影中かにかかわらず前記映像の撮像時の処理が同じである第2の動作モードのいずれかに切り替えて実行可能であり、
前記制御方法は
記映像を前記表示部に表示せず、前記外部機器に出力する第1の動作を実行し、
記映像を前記表示部に表示し、前記外部機器に出力する第2の動作を実行するように制御するステップを有し、
前記制御するステップでは、前記第1の動作モードにおける前記撮影待機中は前記第1の動作を実行し、前記第1の動作モードにおける前記撮影中は前記第2の動作を実行し、前記第2の動作モードにおいて前記第2の動作を実行することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
撮像装置と、前記撮像装置から出力中の映像を表示し、その映像を録画するか否かをユーザが選択可能な外部機器と、を有するシステムの前記撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、
撮像手段により得られた映像を前記外部機器の録画操作を行う前記ユーザが視認可能な表示部に表示する表示手段と、前記撮像手段により得られた映像を外部機器に出力する出力手段と、静止画を撮影する静止画撮影モードと、動画を撮影する動画記録モードのいずれかに切り替えることが可能な設定手段と、を有し、撮影待機中は撮影中よりも前記映像の撮像時の処理が軽減された第1の動作モードと、撮影待機中か撮影中かにかかわらず前記映像の撮像時の処理が同じである第2の動作モードのいずれかに切り替えて実行可能であり、
前記制御方法は
記映像を前記表示部に表示し、前記外部機器に出力しない第1の動作を実行し
記映像を前記表示部に表示し、前記外部機器に出力する第2の動作を実行するように制御するステップを有し、
前記制御するステップでは、前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおいて前記第1の動作と前記第2の動作のいずれかに切り替えることが可能であり、
前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおける前記撮影待機中は前記第1の動作を実行し、前記第1の動作モードの前記動画記録モードにおける前記撮影中は前記第2の動作を実行し、前記第2の動作モードにおいて前記第2の動作を実行することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から7のいずれか1項に記載された撮像装置として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から7のいずれか1項に記載された撮像装置として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータによる読み取りが可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影時の動作モードを切り替え可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどの撮像装置において動画撮影を行う場合、撮像部の処理負荷やバッテリの消費電力などが大きくなると、これらが発熱し装置内部が高温となるおそれがある。このため、デジタルカメラなどの撮像装置には、装置内部が高温とならないように、撮像部の処理負荷やバッテリの消費電力を抑える昇温緩和機能が搭載されているものもある。
【0003】
昇温緩和機能(エコモード)は、撮影待機時の映像のフレームレートや解像度などを撮影時よりも低下させることで、撮像部の処理負荷やバッテリの消費電力を抑える機能である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-253280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、映像を外部機器に出力する際に、撮影待機中であっても外部の録画機器で録画が実行される場合があり、このような場合に、画質などが劣化していると、ユーザの意図しない映像が録画されてしまう可能性がある。
【0006】
また、撮影待機時から撮影時へ切り替わるときに動画が一時的に停止した状態で記録されたり、タイムコードの出力が停止してしまったりして、ユーザの意図しない映像が録画されてしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、装置内部が高温となることを低減しつつ、ユーザが意図する映像を外部機器で録画できる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は撮像装置と、前記撮像装置から出力中の映像を表示し、その映像を録画するか否かをユーザが選択可能な外部機器と、を有するシステムの前記撮像装置であって、撮像手段により得られた映像を前記外部機器の録画操作を行う前記ユーザが視認可能な表示部に表示する表示手段と、前記撮像手段により得られた映像を外部機器に出力する出力手段と、撮影待機中は撮影中よりも前記映像の撮像時の処理が軽減された第1の動作モードと、撮影待機中か撮影中かにかかわらず前記映像の撮像時の処理が同じである第2の動作モードのいずれかに切り替えて実行可能な処理手段と、記映像を前記表示部に表示せず、前記外部機器に出力する第1の動作を実行し、記映像を前記表示部に表示し、前記外部機器に出力する第2の動作を実行するように制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1の動作モードにおける前記撮影待機中は前記第1の動作を実行し、前記第1の動作モードにおける前記撮影中は前記第2の動作を実行し、前記第2の動作モードにおいて前記第2の動作を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、装置内部が高温となることを低減しつつ、ユーザが意図する映像を外部機器で録画できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の装置の外観図。
図2】本実施形態の装置構成を示すブロック図。
図3】(a)は実施形態1の動作説明図、(b)は実施形態2の動作説明図、(c)は実施形態3の動作説明図、(d)は実施形態4の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
<装置構成>図1及び図2を参照して、本実施形態のデジタルカメラの機能及び外観について説明する。
【0013】
本実施形態のデジタルカメラ100の背面の外観を示す図1において、背面表示部101は画像や各種情報を表示する液晶表示パネル(LCD)等からなる。シャッターボタン102は撮影指示を行うための操作部である。モード切替ボタン103は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ107は接続ケーブル108とデジタルカメラ100とを接続するインターフェースである。操作部104はユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材からなる操作部である。コントローラホイール106は操作部104に含まれる回転可能な電子ダイヤルである。電源スイッチ105は電源のオン、オフを切り替える操作部である。記録媒体109はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット110は記録媒体109を格納するためのスロットである。記録媒体スロット110に格納された記録媒体109は、デジタルカメラ100との通信が可能となり、データの書き込みや読み出しが可能となる。蓋111は記録媒体スロット110の蓋である。図1では、蓋111を開けて記録媒体スロット110から記録媒体109の一部を取り出して露出させた状態を示している。
【0014】
本実施形態のデジタルカメラ100の内部構成を示す図2において、撮影レンズ203はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター204は絞り機能を備える。撮像部205は被写体の光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS等で構成される撮像素子である。A/D変換器206は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器206は、撮像部205から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア202は、デジタルカメラ100の、撮影レンズ203を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ203、シャッター204、撮像部205を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0015】
画像処理部207は、A/D変換器206からのデータ、又は、メモリ制御部209からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部207では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部201が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部207ではさらに、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0016】
A/D変換器206からの出力データは、画像処理部207及びメモリ制御部209を介して、或いは、メモリ制御部209を介してメモリ210に直接書き込まれる。メモリ210は、撮像部205によって得られ、A/D変換器206によりデジタルデータに変換された画像データや、背面表示部101に表示するための画像データを格納する。メモリ210は、所定枚数の静止画や所定時間の動画および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0017】
また、メモリ210は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器208は、メモリ210に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して背面表示部101に供給する。こうして、メモリ210に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器208を介して背面表示部101により表示される。背面表示部101は、LCD等の表示器上に、D/A変換器208からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器206によって一旦A/D変換され、メモリ210に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器208においてアナログ変換し、背面表示部101に逐次転送して表示することで、ライブビュー画像の表示を行える。
【0018】
不揮発性メモリ213は、電気的に消去・記憶可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ213には、システム制御部201の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0019】
システム制御部201は、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ213に記憶されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。212はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ212には、システム制御部201の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ213から読み込んだプログラム等を展開する。また、システム制御部201はメモリ210、D/A変換器208、背面表示部101等を制御することにより表示制御も行う。
【0020】
システムタイマー211は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0021】
モード切替ボタン103、第1シャッタースイッチ102a、第2シャッタースイッチ102b、操作部104はシステム制御部201に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0022】
モード切替ボタン103は、システム制御部201の動作モードを静止画撮影モード、動画記録モード、再生モードなどのいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オートモード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモードなどがある。モード切替ボタン103で、これらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替ボタン103で撮影モード選択画面に一旦切り替えた後に、撮影モード選択画面に表示された、各撮影モードに対応する選択肢のいずれかを他の操作部材を用いて選択することで切り替えるようにしてもよい。同様に、動画記録モードにも複数のモードが含まれていてもよい。また、動画記録モードには、デジタルカメラ100の内部の発熱による温度上昇を低減するエコモードが含まれる。
【0023】
第1シャッタースイッチ102aは、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン102の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の撮影準備処理を開始する。
【0024】
第2シャッタースイッチ102bは、シャッターボタン102の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部201は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部205からの信号読み出しから記録媒体109に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理を開始する。
【0025】
操作部104の各操作部材は、背面表示部101に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、シーンごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタンなどがある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が背面表示部101に表示される。ユーザは、背面表示部101に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0026】
コントローラホイール106は、操作部104に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール106を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部201はデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール106が回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。なお、コントローラホイール106は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール106自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサよりなる操作部材で、コントローラホイール106自体は回転せず、コントローラホイール106上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい(いわゆる、タッチホイール)。
【0027】
電源制御部214は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部214は、その検出結果及びシステム制御部201の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体109を含む各部へ供給する。
【0028】
電源部215は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、リチウムイオン電池等の二次電池、ACアダプタ等からなる。記録媒体I/F216は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体109とのインターフェースである。記録媒体109は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0029】
通信部217は、無線アンテナや有線ケーブルによって外部機器と通信可能に接続し、映像や音声の送受信を行う。通信部217は無線LAN(Local Area Network)やインターネットにも接続可能である。通信部217は撮像部205で撮像された画像データ(ライブビュー画像を含む)や、記録媒体109に記録されている画像ファイルを外部機器に送信でき、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信できる。通信部217は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth(登録商標) Low Energyといった近距離無線通も可能である。
【0030】
姿勢検知部218は、重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部218で検知された姿勢に応じて、撮像部205で撮像された画像がデジタルカメラ100を横に構えて撮影されたものか、縦に構えて撮影されたものかを判別可能である。システム制御部201は、姿勢検知部218で検知された姿勢に関する情報を撮像部205で撮像された画像データに付加したり、画像データを回転して記憶することが可能である。姿勢検知部としては、加速度センサやジャイロセンサ等を用いることができる。
【0031】
外部出力I/F219は、メモリ210に格納されている表示用または記録用の映像データ(静止画データまたは動画データ)をデジタル信号のまま外部機器300に供給する。例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠した通信プロトコルに従って、映像信号、音声信号、制御信号を出力する。こうして、メモリ210に書き込まれた表示用または記録用の映像データは外部機器300において表示または記録される。外部機器300は、例えば、4Kや8K対応の表示機器や録画機器である。なお、外部出力I/F219は、HDMI(登録商標)に限らず、SDIやUSBであってもよい。
【0032】
また、背面表示部101には、表示画面に対するタッチ操作を検出可能なタッチセンサを有するタッチパネル104aが設けられている。タッチパネル104aは、背面表示部101の表示画面に重ね合わせて平面的に構成され、接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。システム制御部201は、タッチパネル104aに対する以下の操作を検出できる。タッチパネル104aを指やペンで触れたこと(タッチダウン)。タッチパネル104aを指やペンで触れている状態であること(タッチオン)。タッチパネル104aを指やペンで触れたまま移動していること(ムーブ)。タッチパネル104aに触れていた指やペンを離したこと(タッチアップ)。タッチパネル104aに何も触れていない状態(タッチオフ)。タッチパネル104aに指やペンでタッチダウンとタッチアップを連続して行うことをタップと称する。これらの操作や、タッチパネルに指やペンが触れている位置座標は、システム制御部201に通知され、システム制御部201は通知された情報に基づいてタッチパネルにどのような操作が行われたかを判定する。ムーブについてはタッチパネル104aで移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル104aの垂直成分・水平成分ごとに判定できる。またタッチパネル104aをタッチダウンから所定の距離以上のムーブを経てタッチアップをしたとき、ドラッグを経てドロップが行われたこととする(ドラッグアンドドロップ)。タッチパネル104aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。
【0033】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0034】
なお、本実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤ、ゲーム機、電子ブックリーダなど、表示部を備え、外部機器にデータを転送可能な装置であれば、本発明は適用可能である。
【0035】
<動作説明>次に、図3を参照して、本実施形態のデジタルカメラ100の動作について説明する。
【0036】
本実施形態のデジタルカメラ100は、ユーザが操作部104を介してエコモードをオンまたはオフに切り替え可能であり、エコモードがオンであるかオフであるかに応じて動作を切り替えて実行可能である。エコモードは、動画記録モードにおいて、デジタルカメラ100の撮像部205の処理負荷やバッテリの消費電力を抑え、装置内部の発熱による温度上昇を低減するために、撮影待機中は撮影中よりも映像の撮像時の処理を軽減する昇温緩和機能である。詳しくは、エコモードがオンの場合に、撮影待機中は撮影中(動画記録中)よりも撮像部205から出力される動画のフレームレートや解像度を低下させる。また、外部出力I/F219を介して外部機器300に映像信号を出力する場合には、撮影待機時と動画記録時とで動画のフレームレートや解像度が同じとなるように映像信号を生成して外部機器300に出力する。このようにしている理由は、外部機器300に出力される映像信号のフレームレートや解像度が変化すると、変化するごとに外部機器300との再接続が必要となるためである。例えば、撮影待機時の映像信号の解像度が1920x1080、動画記録時の映像信号の解像度が3840x2160である場合、撮影待機時には映像信号を縦横2倍にリサイズ(拡大)して外部機器300に出力し、撮影待機時の映像信号のフレームレートが30p、動画記録時の映像信号の解像度が60pの場合、撮影待機時ではフレームレートを30pから60pに補完して外部機器300に出力する。
【0037】
図3は、本実施形態のデジタルカメラ100のエコモードの設定状態に応じた、外部出力(情報表示、タイムコード)、背面表示部101の動作状態を例示している。
【0038】
映像表示は、背面表示部101に映像を表示する状態と表示しない状態がある。
【0039】
外部出力は、外部出力I/F219を介して外部機器300に映像信号を出力する状態と出力しない状態がある。
【0040】
外部出力時の情報表示は、撮影設定やバッテリ残量などのデジタルカメラ100の撮影時の状態を示すOSD(On Screen Display)情報を映像信号と重畳して出力する状態と映像のみを出力する状態がある。
【0041】
タイムコードは、外部出力I/F219を介して外部機器300にタイムコードを出力する状態と出力しない状態がある。タイムコードは、動画記録時に映像信号のフレームごとに記録される「時・分・秒・フレーム」の情報である。
【0042】
[実施形態1]
まず、図3(a)を参照して、エコモードがオンの場合に、ユーザが意図しない画が外部機器300で実行されないようにする制御例を説明する。
【0043】
外部出力時の情報表示は、ユーザがオン(有効)またはオフ(無効)に設定が可能である。
【0044】
図3(a)のNo.1、2は、エコモードがオフの場合であり、背面表示部101と外部機器300に映像信号とタイムコードを出力する。
【0045】
外部出力の情報表示がオンの場合(No.1)には、外部機器300に対して映像信号にOSD情報を重畳して出力する。なお、ユーザが操作部104を操作して、一時的に情報表示をオフ(映像信号のみ出力)に設定できるようにしてもよい。
【0046】
外部出力の情報表示がオフの場合(No.2)には、外部機器300に映像信号のみを出力する。
【0047】
図3(a)のNo.3、4は、エコモードがオンの場合であり、背面表示部101を非表示とし、外部機器300のみに映像信号を出力する。また、外部出力の情報表示の設定がオンであるかオフであるかにかかわらず、外部機器300にOSD情報を重畳した映像信号を出力する。
【0048】
このように制御することで、エコモードがオンの場合は、映像信号のフレームレートや解像度が撮影待機時と動画記録時とで異なるため、ユーザが意図しない動画を外部機器300で録画しないように促すことができる。
【0049】
なお、エコモードがオンの場合には、外部出力の情報表示の設定をユーザが設定できないようにし、強制的に設定をオンにするようにしてもよい。また、外部機器300で意図しない録画が実行されないようにタイムコードも出力しない。
【0050】
なお、撮影待機状態と動画記録時の切り替え時には、撮像部205から出力される動画のフレームレートや解像度が変更されるので一時的に映像表示の更新が停止されるが、映像信号およびタイムコートの外部出力を停止しないようにすることでタイムコードは連続性を保持することができるので、撮影待機中もタイムコードの出力を継続してもよい(いわゆるフリーラン)。
【0051】
本実施形態によれば、エコモードがオンの場合に、背面表示部101を非表示とし、ユーザは外部機器300での録画が実行しにくくなるので、ユーザが意図していないフレームレートや解像度の動画を外部機器300で録画しないようにユーザに促すことができる。
【0052】
[実施形態2]
次に、図3(b)を参照して、撮影待機中に、ユーザが意図しない画が外部機器300で実行されないようにする制御例を説明する。
【0053】
図3(b)のNo.1、2、3、4は、エコモードがオフの場合であり、撮影待機時であるか動画記録時であるかにかかわらず背面表示部101と外部機器300に映像信号とタイムコードを出力する。
【0054】
外部出力の情報表示がオンの場合(No.1、3)には、外部機器300に対して映像信号にOSD情報を重畳して出力する。なお、ユーザが操作部104を操作して、一時的に情報表示をオフ(映像信号のみ出力)に設定できるようにしてもよい。
【0055】
外部出力の情報表示がオフの場合(No.2、4)には、外部機器300に映像信号のみを出力する。
【0056】
図3(b)のNo.5、6は、エコモードがオンの場合であり、撮影待機中は、背面表示部101を非表示とし、外部機器300のみに映像信号を出力する。また、外部出力の情報表示の設定がオンであるかオフであるかにかかわらず、外部機器300にOSD情報を重畳した映像信号を出力する。
【0057】
このように制御することで、映像信号のフレームレートや解像度が撮影待機時と動画記録時とで異なるため、ユーザが意図しない動画を外部機器300で録画しないように促すことができる。
【0058】
なお、エコモードがオンの場合には、外部機器300で意図しない録画が実行されないようにタイムコードも出力しない。
【0059】
動画記録中は、動画のフレームレートや解像度はユーザ設定になっているので、ユーザが外部機器300で録画を実行するようにしてもよい。このため、ユーザが操作部104を操作して、一時的に情報表示をオフ(映像信号のみを出力)にできるようにしてもよい。また、タイムコードは、動画記録中のみカウントアップするようにしてもよい(いわゆるレックラン)。
【0060】
なお、撮影待機状態と動画記録時の切り替え時には、撮像部205から出力される動画のフレームレートや解像度が変更されるので一時的に映像表示の更新が停止されるが、映像信号およびタイムコートの外部出力を停止しないようにすることでタイムコードは連続性を保持することができるので、撮影待機中もタイムコードの出力を継続してもよい(いわゆるフリーラン)。
【0061】
図3(b)のNo.7、8は、エコモードがオンの場合であり、動画記録中であるため、動画のフレームレートや解像度はユーザ設定になっているので、背面表示部101と外部機器300に映像信号とタイムコードを出力する。
【0062】
外部出力の情報表示がオンの場合(No.7)には、外部機器300に対して映像信号にOSD情報を重畳して出力する。なお、ユーザが操作部104を操作して、一時的に情報表示をオフ(映像信号のみ出力)に設定できるようにしてもよい。
【0063】
外部出力の情報表示がオフの場合(No.8)には、外部機器300に対して映像信号のみを出力する。
【0064】
本実施形態によれば、エコモードがオンの場合における撮影待機中は、背面表示部101を非表示とし、ユーザは外部機器300での録画が実行しにくくなるので、ユーザが意図していないフレームレートや解像度の動画を外部機器300で録画しないようにユーザに促すことができる。
【0065】
[実施形態3]
次に、図3(c)を参照して、動画記録モード時に、ユーザが意図しない録画が外部機器300で実行されないようにする制御例を説明する。
【0066】
図3(c)のNo.1、2、3、4、5、6、7、8は、エコモードがオフの場合であり、撮影待機時であるか動画記録時であるか、静止画撮影モードであるか動画記録モードであるかにかかわらず背面表示部101と外部機器300に映像信号とタイムコードを出力する。
【0067】
外部出力の情報表示がオンの場合(No.1、3、5、7)には、外部機器300に対して映像信号にOSD情報を重畳して出力する。なお、ユーザが操作部104を操作して、一時的に情報表示をオフ(映像信号のみ出力)に設定できるようにしてもよい。
【0068】
外部出力の情報表示がオフの場合(No.2、4、6、8)には、外部機器300に映像信号のみを出力する。
【0069】
図3(c)のNo.9、10、11、12は、エコモードがオンの場合であり、静止画撮影モードでは、外部出力の目的は外部機器300での記録ではなく、外部機器300での映像の確認であると考えられる。そのため、撮影待機時は動画記録時と動画のフレームレートや解像度が異なるものの、エコモードがオフの場合と同様に背面表示部101と外部機器300に映像信号とタイムコードを出力する。
【0070】
図3(c)のNo.13、14、15、16は、エコモードがオンの場合であり、動画記録モードでは、図3(b)のNo.5、6、7、8と同一の動作を行う。
【0071】
本実施形態によれば、動画記録モードにおける撮影待機中は、背面表示部101を非表示とし、ユーザは外部機器300での録画が実行しにくくなるので、ユーザが意図していないフレームレートや解像度の動画を外部機器300で録画しないようにユーザに促すことができる。
【0072】
[実施形態4]
次に、図3(d)を参照して、エコモードがオンの場合に外部出力をしないことでユーザが意図しない録画が外部機器300で実行されないようにする制御例を説明する
エコモードがオンの場合は、背面表示部101のみに映像信号を出力して表示を行い、外部機器300には映像信号とタイムコードは出力しない。
【0073】
なお、実施形態3のように動画記録モード時のみ外部機器300に映像信号を出力しないようにしてもよい。
【0074】
本実施形態によれば、エコモードがオンの場合に、外部機器300に映像信号を出力しないので、ユーザが意図していないフレームレートや解像度の動画を外部機器300で録画しないようにユーザに促すことができる。
【0075】
[他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0076】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0077】
100…デジタルカメラ、101…背面表示部、104…操作部、201…システム制御部、205…撮像部、219…外部出力I/F、300…外部機器
図1
図2
図3