(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】電子機器、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240906BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240906BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H01M10/48 301
H02J7/00 302A
H02J1/00 301D
H02J1/00 304H
(21)【出願番号】P 2020093674
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 祥
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-124782(JP,A)
【文献】特開2013-233058(JP,A)
【文献】特開2003-009403(JP,A)
【文献】特開2017-127177(JP,A)
【文献】特開2014-113006(JP,A)
【文献】特開2007-282471(JP,A)
【文献】特開2016-168634(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0172770(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、
前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定する判定手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行い、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行う制御手段と
、を有し、
前記第2の制御は、前記第1の制御よりも前記電池の発熱を抑制する制御であり、
前記制御手段は、前記第2の制御では、前記第1の制御よりも前記電池の動作可能な温度範囲の上限値を低くすることにより、前記第1の制御よりも前記電池の発熱を抑制することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
電子機器であって、
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、
前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定する判定手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行い、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行う制御手段と、を有し、
前記取得手段は、前記電池と前記電子機器とを接続するコネクタの温度を検出することにより、前記第2の温度情報を取得することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
電子機器であって、
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、
前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定する判定手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行い、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行う制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報のそれぞれが、既定の温度の条件よりも低い温度領域である場合、または前記既定の温度の条件よりも高い温度領域である場合に、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報のそれぞれが前記既定の温度の条件を満たす場合よりも、前記電池の動作電流を低くすることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記第2の制御は、前記第1の制御よりも前記電池の発熱を抑制する制御であ
り、
前記制御手段は、前記第2の制御では、前記第1の制御よりも前記電池の動作可能な温度範囲の上限値を低くすることにより、前記電池の発熱を抑制することを特徴とする請求項2または3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2の制御では、前記第1の制御よりも前記電池の動作電流を低くすることにより、前記電池の発熱を抑制することを特徴とする請求項
1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記取得手段は、前記電池と前記電子機器とを接続するコネクタの温度を検出することにより、前記第2の温度情報を取得することを特徴とする請求項
1または3に記載の電子機器。
【請求項7】
前記判定手段は、前記電池から正しい温度情報を取得可能か否かを判定することを特徴とする請求項1から
6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1の制御において、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報のそれぞれが、既定の温度の条件よりも低い温度領域である場合、または前記既定の温度の条件よりも高い温度領域である場合に、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報のそれぞれが前記既定の温度の条件を満たす場合よりも、前記電池の動作電流を低くすることを特徴とする請求項
1または2に記載の電子機器。
【請求項9】
前記電子機器の温度の状態を表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1から
8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記電子機器の温度が上昇して表示を切り替える温度状態になった場合に、前記電子機器の電池以外の部分の温度が上昇しているのか、前記電池の温度が上昇しているのかがわかるように、前記表示手段の表示を制御することを特徴とする請求項
9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記制御手段は、前記電池の温度が上昇していることがわかる表示として、ポップアップ表示を行うことを特徴とする請求項
10に記載の電子機器。
【請求項12】
電子機器であって、
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、
前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定する判定手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行い、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行う制御手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合に、その旨を表示する表示手段
と
を
有することを特徴とす
る電子機器。
【請求項13】
前記制御手段は、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合に、前記表示手段に、ユーザにその電池を使用するか否かを確認する画面をさらに表示させることを特徴とする請求項
12に記載の電子機器。
【請求項14】
電子機器であって、
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、
前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定する判定手段と、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行い、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行う制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合に、その旨を外部機器の表示手段に表示させることを特徴とす
る電子機器。
【請求項15】
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段とを有する電子機器の制御方法であって、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定するステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行うステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行うステップと
、を有し、
前記第2の制御は、前記第1の制御よりも前記電池の発熱を抑制する制御であり、
前記第2の制御では、前記第1の制御よりも前記電池の動作可能な温度範囲の上限値を低くすることにより、前記第1の制御よりも前記電池の発熱を抑制することを特徴とする制御方法。
【請求項16】
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段とを有する電子機器の制御方法であって、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定するステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行うステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行うステップと、を有し、
前記取得手段は、前記電池と前記電子機器とを接続するコネクタの温度を検出することにより、前記第2の温度情報を取得することを特徴とする制御方法。
【請求項17】
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段とを有する電子機器の制御方法であって、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定するステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行うステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行うステップと、を有し、
前記第1の制御において、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報のそれぞれが、既定の温度の条件よりも低い温度領域である場合、または前記既定の温度の条件よりも高い温度領域である場合に、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報のそれぞれが前記既定の温度の条件を満たす場合よりも、前記電池の動作電流を低くすることを特徴とする制御方法。
【請求項18】
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段とを有する電子機器の制御方法であって、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定するステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行うステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行うステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合に、その旨を前記電子機器の表示手段に表示するステップと
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項19】
電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段とを有する電子機器の制御方法であって、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定するステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行うステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行うステップと、
前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合に、その旨を外部機器の表示手段に表示させるステップと
を有することを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池と通信可能な電子機器およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電池と通信可能であり、電池の種別に応じた制御を行う電子機器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信不能な電池または正しい通信ができない電池が電子機器に接続された場合、電子機器は、電池から電池の温度情報を取得することができない。そのような場合、電子機器または電池が電池の過度の温度上昇により損傷してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、通信不能な電池または正しい通信ができない電池を使用した場合であっても、電池の過度の温度上昇を防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、電池から第1の温度情報を受信する通信手段と、前記電池の近傍の温度を示す第2の温度情報を取得する取得手段と、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できるか否かを判定する判定手段と、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できると判定された場合には、前記第1の温度情報と前記第2の温度情報とを用いて第1の制御を行い、前記電池から正常に前記第1の温度情報を取得できないと判定された場合には、前記第2の温度情報を用いて前記第1の制御とは異なる第2の制御を行う制御手段と、を有し、前記第2の制御は、前記第1の制御よりも前記電池の発熱を抑制する制御であり、前記制御手段は、前記第2の制御では、前記第1の制御よりも前記電池の動作可能な温度範囲の上限値を低くすることにより、前記第1の制御よりも前記電池の発熱を抑制する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通信不能な電池または正しい通信ができない電池を使用した場合であっても、電池の過度の温度上昇を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1におけるストロボ300の構成要素を説明するための側断面図である。
【
図2】実施形態1におけるストロボ300の構成要素を説明するためのブロック図である。
【
図3】実施形態1における電池301の構成要素を説明するためのブロック図である。
【
図4】電池301の温度上昇を説明するための図である。
【
図5】電池301の放電特性を説明するための図である。
【
図6】電池301の温度と動作電流の関係を説明するための図である。
【
図7】実施形態1におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】電池301の状態表示の例を説明するための図である。
【
図9】通信不能電池などの表示の例を説明するための図である。
【
図10】電池温度上昇後の表示動作を説明するためのフローチャートである。
【
図11】電池温度上昇後の表示画像の例を説明するための図である。
【
図12】画面表示の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明の実施形態は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
[実施形態1]
図1は、実施形態1における電子機器の一例であるストロボ300の構成要素を説明するための側断面図であり、
図2は、ストロボ300の構成要素を説明するための図である。ストロボ300は、撮像装置に着脱可能である。なお、
図1、
図2において同一機能部分には、同じ符号を付している。
【0011】
まず、ストロボ300の構成要素について説明する。ストロボ300は、撮像装置に着脱可能に接続される本体部300aと、本体部300aに対して上下方向および左右方向に回動可能に保持される可動部300bとを有する。
【0012】
制御プロセッサ310は、ストロボ300の構成要素を制御する。制御プロセッサ310は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマー回路、EEPROM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータなどを含むワンチップICを有する。インターフェース回路3000は、撮像装置の制御プロセッサと端子130を介して通信を行う。ストロボ300の外部に接続される電池301は、ストロボ300の電源(VBAT)として機能する。
【0013】
図3は、電池301の構成要素を説明するための図である。
図3を参照し、電池301の構成要素を説明する。
【0014】
電池301は、通信機能を有する電池であり、電池セル301aと、過放電などの監視を行なう保護回路と、制御プロセッサ301bとを有する。
【0015】
制御プロセッサ301bは、ワンチップマイクロコンピュータを有し、制御プロセッサ301bの中には通信機能部と、電池301の電池残量を監視する残量検出部とが存在する。制御プロセッサ301bは、各種の電池情報を取得して記録し、それを通信データ化してストロボ300の制御プロセッサ310へ送信する。さらに、制御プロセッサ301bは、認証IC301cと連携し、制御プロセッサ310に電池認証用の暗号化情報を送信する。制御プロセッサ310は、この暗号化情報を用いて電池認証処理を行う。電池温度検出部301dは、電池301の温度を検出し、検出された温度を示す温度情報を制御プロセッサ301bに通知する。
【0016】
電池301の外装には、電池セル301aの正極に接続される端子301f、電池セル301aの負極に接続される端子301hを有するコネクタ301eが配置されている。コネクタ301eは、さらに制御プロセッサ301bの通信ポートと接続される通信端子301gを有する。これらの端子に対応するストロボ300側のコネクタの各端子は、ストロボ300の制御プロセッサ310に接続され、各端子を介して電池301からの電力供給と通信とが行われる。
【0017】
端子温度検出部399は、電池301の近傍に配置されたコネクタ301eの温度を検出し、検出された温度を制御プロセッサ310に通知する。
【0018】
図2、
図3に示される蓄電部302は、昇圧部302a、電圧検出に用いる抵抗302b,302c、メインコンデンサ302dを有する。蓄電部302は、電池301の電圧を昇圧部302aで数百Vに昇圧してメインコンデンサ302dを充電し、発光のための電気エネルギーとして蓄える。昇圧部302aは、制御プロセッサ310からの制御信号(FETのON時間を指示する信号)により電池301からの電流を変更することが可能である。メインコンデンサ302dの充電電圧は、抵抗302b,302cにより分圧され、分圧された電圧は制御プロセッサ310のA/D変換端子に入力される。
【0019】
トリガー回路303は、放電管305を励起させるためのパルス電圧を放電管305に印加する。発光制御回路304は、放電管305の発光の開始および停止を制御する。放電管305は、トリガー回路303から印加される数KVのパルス電圧を受け、励起されてメインコンデンサ302dに充電された電気エネルギーを放出し、発光する。
【0020】
積分回路309は、フォトダイオード314の受光電流を積分し、その出力がコンパレータ315の反転入力端子と制御プロセッサ310のA/Dコンバータ端子に入力される。コンパレータ315の非反転入力端子は、制御プロセッサ310内のD/Aコンバータ端子に接続され、コンパレータ315の出力端子はANDゲート311の入力端子に接続される。ANDゲート311のもう一方の入力端子には、制御プロセッサ310の発光制御端子(FL_START)が接続され、ANDゲート311の出力は発光制御回路304に入力される。なお、フォトダイオード314は、放電管305から発せられる光を受光するセンサーであり、直接またはグラスファイバーなどを介して放電管305から発せられる光を受光する。
【0021】
反射傘306は、放電管305から発せられる光を反射させて所定の方向へ導く。光学パネルなどを含むズーム光学系307は、放電管305との相対位置を変更可能に保持されており、放電管305とズーム光学系307との相対位置を変更することにより、ストロボ300のガイドナンバーおよび照射範囲を変化させることができる。
【0022】
ストロボ300の発光部は、放電管305、反射傘306、ズーム光学系307を有する。ストロボ300の発光部の照射範囲はズーム光学系307の移動により変化し、ストロボ300の発光部の照射方向は可動部300bの回動により変化する。
【0023】
入力部312は、電源スイッチ、ストロボ300の動作モードを設定するモード設定スイッチ、各種パラメータを設定する設定ボタンなどの操作部を含んでおり、制御プロセッサ310は、入力部312への入力に応じて各種処理を実行する。ストロボ300の調光補正の設定を変更するための操作部も入力部312に含まれる。液晶装置や発光素子を有する表示部313は、ストロボ300の各状態を表示する。調光範囲の下限を下回った場合の警告表示を行うためのLEDもこの表示部313に含まれる。
【0024】
ズーム駆動回路330は、放電管305とズーム光学系307の相対位置に関する情報をエンコーダなどにより検出するズーム検出部330aと、ズーム光学系307を移動させるためのモーターを含むズーム駆動部330bとを有する。ズーム光学系307の駆動量は、レンズユニットの制御プロセッサから出力される焦点距離情報を撮像装置の制御プロセッサを介して制御プロセッサ310が取得し、その焦点距離情報に基づいて制御プロセッサ310が計算することにより決定される。または、入力部312によりユーザから指定された位置となるように、制御プロセッサ310がズーム光学系307を駆動する。
【0025】
無線ユニット370は、ワイヤレス通信によりストロボ300を制御する。ワイドパネル380は、発光部の照射方向前方に配置され、発光部の照射範囲を拡大させる光学部材である。ワイドパネル380は、発光部300bから手動で引き出して使用される。バウンスアダプタ390は、発光部の照射方向前方の位置にかぶせられ、発光部の照射範囲を拡大させる光学部材である。なお、ワイドパネル380は正面の発光を拡散させるが、バウンスアダプタ390は上下左右に拡散させ、正面に強い光が照射されない。
【0026】
通信ラインSCは、ストロボ300と撮像装置とを接続する通信ラインである。例えば、撮像装置とストロボ300は、データの交換、コマンドの送信などを通信ラインSCを介して相互に行う。
【0027】
通信ラインSCの一例として、
図2の端子130に3端子式のシリアル通信の例を示す。端子130は、インターフェース回路1001を介して撮像装置の制御プロセッサに接続される。端子130は、撮像装置とストロボ300の通信の同期をとるためのSCLK_S端子、撮像装置からストロボ300にデータを送信するMOSI_S端子、ストロボ300から撮像装置にデータを送信するMISO_S端子を含む。端子130は、アクセサリシューなどのような、ストロボ300などのアクセサリを撮像装置に接続するための端子である。端子130は、撮像装置とストロボ300とをつなぐGND端子も含む。
【0028】
撮像装置の制御プロセッサから制御プロセッサ310にデータを送信する場合は、SCLK_S端子の8ビットのクロックに同期してMOSI_S端子に入力する各ビットを0,1とすることでデータをシリアルで送信する。また、制御プロセッサ310から撮像装置の制御プロセッサにデータを送信する場合は、SCLK_S端子の8ビットのクロックに同期してMISO_S端子から出力する各ビットを0,1とすることでデータをシリアルで送信する。8ビット(1バイト)通信で、SCLK_S信号の立ち上がりのタイミングで信号の読み書きを行っている。そして、この8ビット通信を、コマンド、コマンドデータ、データと繰り返して行う。
【0029】
次に、実施形態1における電池温度制御について
図4と
図5を用いて説明する。
【0030】
図4は、電池301を一定の電流値(10A)で放電した場合の温度上昇カーブの概略を示す図である。横軸が時間、縦軸が電池301の温度(制御プロセッサ301bが電池温度検出部301dとの通信により取得する電池301の温度)をそれぞれ示している。細線で示した曲線が電流10Aで放電した場合の温度上昇カーブであり、太線で示した曲線が時刻T1まで電流10Aで放電し、時刻T1から電流3Aで放電した場合の温度上昇カーブである。ここでは、
図4中の75°Cが電池301の温度上昇の上限であるものとする。放電電流を10Aで放電し続けた場合、時刻T2で75°Cに達する。
【0031】
実施形態1では、電池301の放電時間を長くするために、
図4に太線で示した温度上昇カーブとなるように放電制御を行う。例えば、電池301の温度が上限温度より低い所定の温度(
図4では60°C)に到達した時点で、制御プロセッサ310は電池301の放電電流が3A相当になるように、昇圧部302aの制御を変更している。
図4中の太線で示した温度上昇カーブを見れば、実施形態1の制御により、電池301の温度が75°Cに到達する時刻が時刻T3まで伸びていることがわかる。
【0032】
図5は、電池301を環境温度が25°C、-10°C、-20°Cの条件において、放電電流10Aと、3Aで放電させた場合の電圧変化カーブをそれぞれ示した図である。
【0033】
図5(a)が放電電流10Aの場合の電池301の電圧変化カーブを示しているが、-20°Cの環境では、電池301の電圧が放電開始直後に5.5V程度まで低下している。ここでストロボ300の動作可能電圧が仮に5.8Vであったとすると、この電圧ではストロボ300を動作させることができなくなってしまう。ストロボ300の動作状態によってはデータの書き換えなどを発生させる可能性があるため、電池301の電圧が動作可能電圧よりも低くなることは避ける必要があり、-20°Cの環境において電流10Aでの放電を実施することは難しい。
【0034】
一方、
図5(b)に示す放電電流3Aの場合の電圧変化カーブでは、-20°Cの環境であっても放電直後の電池301の電圧は6.0V以上を維持できており、電流3Aの放電を実施することは可能である。そのため、実施形態1では、制御プロセッサ310が電池301と通信して得られた電池301の温度情報が-10°Cより低い場合には、動作電流(電池301にとっては放電電流)が3A程度になるよう、昇圧部302aの制御を変更する。
【0035】
図6(a)は、
図4、
図5で説明した電池301の温度と動作電流との関係を説明するための図である。図中最上段「電池温度」とは、制御プロセッサ310が制御プロセッサ301bと通信を行い受信した電池温度検出部301dの検出値である。
【0036】
「ストロボ内部温度」とは、ストロボ300の内部温度を意味し、実施形態1においては端子温度検出部399で検出される温度である。「動作電流」とは、制御プロセッサ310がメインコンデンサ302dの充電制御を行う際の平均電流値のことであり、制御プロセッサ310が昇圧部302aに出力するパルスの幅を変更することで制御することができる。
【0037】
電池温度75°C以上の動作電流の欄にある「動作制限」とは、ストロボ300のメインコンデンサ302dの充電動作を禁止した状態を示す。この状態では、メインコンデンサ302dに既に蓄えられているエネルギーの範囲内で発光動作を行うことはできるが、一度エネルギーを使用してしまえば、電池温度が75°C未満になるまで再発光することはできない。メインコンデンサ302dの充電、ストロボ300の発光以外の動作(設定の変更、ワイヤレス制御など)を行うことは可能である。
図6(b)については、後述する。
【0038】
次に、
図7は、実施形態1におけるストロボ300の動作を説明するためのフローチャートである。
図7を参照して、ストロボ300の動作について説明する。本フローチャートの動作は、電池301がストロボ300に接続されて、制御プロセッサ310が起動されると開始される。
【0039】
ステップS101では、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ301bとの通信を試みる。このとき、制御プロセッサ310は、制御プロセッサ301bに対し、電池301の型名、識別情報などを送信する要求を送信する。
【0040】
ステップS102では、制御プロセッサ310は、電池301が通信可能な電池か否かを判定する。例えば、制御プロセッサ310が制御プロセッサ301bにステップS101で要求した情報に対し、制御プロセッサ301bから応答信号が送信されるか否かにより判定する。応答信号の送信があった場合は、ステップS103に移行し、応答信号の送信がなかった場合は、ステップS111に移行する。
【0041】
ステップS103では、制御プロセッサ310は、通信可能な電池301が正しい通信を行うことができるか否か(電池301の電池情報を正常に取得できるか否か)を判定する。例えば、所定の暗号コードを制御プロセッサ301bに送信し、制御プロセッサ301bから正しい応答信号が送られてきたか否かを判定する。正しい応答信号が送られてきた場合は、ステップS105に移行する。正しい応答信号が送られてこなかった場合は、ステップS111に移行する。
【0042】
ステップS105では、制御プロセッサ310は、電池情報表示、制御のために必要な情報である電池301の電池残量、劣化度、温度などの情報を制御プロセッサ301bに送信するよう要求する。制御プロセッサ301bは、制御プロセッサ310に要求された情報を返信する。なお、ステップS105では、情報の通信のみを行い、実際の表示はステップS107で行う。
【0043】
ステップS106では、制御プロセッサ310は、ステップS105で取得した電池301の温度情報と
図6のテーブルとに基づいて、制御に使用する温度検出部とストロボ300の動作条件を設定する。ここでは「電池301との通信が可能でかつ正しい通信が行える場合」であるため、
図6(a)の表に従い、電池301の温度とストロボ300の内部温度とを用いて制御を行う、と決定する。動作電流の設定の詳細に関しては、
図10のフローチャートも参照して後述する。ここでは、電池301の温度およびストロボ300の内部温度のいずれもが
図6(a)の「通常」(既定の温度領域)の範囲内であったものとする。
【0044】
ステップS107では、制御プロセッサ310は、ステップS106で決定した動作条件でストロボ300の制御を開始する。なお、ここでは、制御プロセッサ310は、ステップS105において受信した電池情報に基づいて、電池301の電池残量を表示部313に表示させる。また、ストロボ300の表示部313が詳細な電池情報を表示することが可能な場合は、電池情報表示画面において電池301の電池残量の他、劣化度などの電池情報を表示部313に表示させる。
【0045】
図8は、電池情報の表示例を説明するための図である。
図8(a)は、電池301との通信が可能であって正しい通信が行えると判定された場合における、表示画面の例を示している。電池301との通信により得られた電池残量情報に基づいて、制御プロセッサ310は画面右上に電池アイコン801を表示する。
図8(b)は、ストロボ300が詳細な電池情報を表示することが可能な場合の表示画面の例を示している。電池301の電池残量の%での表示802の他、劣化度803などを表示している。
【0046】
ステップS102で電池301との通信が可能ではないと判定された場合、または、ステップS104で電池301からの正しい応答が得られなかった場合は、制御プロセッサ310は、ステップS111において
図9に示すような画面を表示する。すなわち、「バッテリーと通信できません」とユーザに告知表示を行なうとともに、「このバッテリーを使用しますか?」とユーザに問いかけ、ユーザから、「YES」または「NO」の入力をさせるようにする(ユーザに確認する)。
【0047】
ステップS112では、制御プロセッサ310は、ユーザの入力結果が使用希望であるか、使用希望でないかを判定する。使用希望である場合はステップS113に移行し(ステップS111でYES)、使用希望でない場合はステップS114に移行する(ステップS111でNO)。
【0048】
ステップS113では、制御プロセッサ310は、
図6(b)のテーブルに基づいて、制御に使用する温度検出部とストロボ300の動作条件を決定する。例えば、制御に使用する温度検出部は端子温度検出部399のみとし、動作電流の最大値は3Aとし、動作制限をかける温度設定も55°Cとする。このような動作条件を設定するのは次のような理由による。「電池301が通信可能で正しい通信が行える場合」以外の制御では、電池温度情報を通信により取得することができない、または正しい通信ができないため取得した温度情報を使用することができない。つまり、電池温度検出部301dの温度情報が取得できないため、端子温度検出部399のみを用いて制御する必要があり、熱伝導の遅延などを考慮し、安全を見て、動作電流、動作制限温度(動作可能な温度範囲)の上限値を低く設定する必要があるからである。このような制御を行うことにより、電池301の発熱を抑制する。
【0049】
ステップS113で「電池301が通信可能で正しい通信が行える場合」以外の制御条件に設定した後はステップS107に移行し、制御プロセッサ310は、設定された条件に基づいてストロボ300の制御を開始する。
【0050】
ステップS113を経由してステップS107に移行した場合の電池情報の表示例を
図8(c)に示す。電池301が通信可能ではなく電池情報を取得できない電池、または、正しい通信ができない電池と判定されたため、制御プロセッサ310は電池残量を表示することができず、電池アイコンは「空」を示す表示804となる。
図8(d)は、ステップS113を経由してステップS107に移行した場合の電池情報表示画面の例を示している。電池情報を取得することができない、または、正しい通信ができないため、「バッテリーと通信できません」と表示することにより、その旨をユーザに知らせる。
【0051】
ステップS112でユーザが使用を希望しなかった(ステップS112でNO)場合は、ステップS114に移行し、制御プロセッサ310はシャットダウン処理を行う。
【0052】
次に、
図10を用いて、ストロボ300を連続使用した場合の状態表示と動作電流の更新の動作について説明する。
【0053】
ここで、状態表示とは
図11の表示1102,1103,1104のことであり、電池301の温度またはストロボ300の内部温度が上昇した場合に、電池301の温度が高くなっている状態を知らせるものである。
図11の表示1104は
図6(a)の通常状態を示し、表示1102は
図6(a)の温度上昇の第1段階を示し、表示1103は
図6(a)の温度上昇の第2段階を示している。
【0054】
図11(a)は、電池301の温度上昇により第1段階または第2段階に遷移したことを知らせるポップアップ表示の例を示している。ストロボ300の温度上昇を示す表示1102,1103を電池301の温度上昇以外(例えば発光部の温度上昇)にも使用していた場合、これらの表示だけでは電池301の温度が上昇したのか、発光部の温度が上昇したのかを判定できない。そのため、実施形態1では、発光部(電池301以外(電池以外)の部分)による温度上昇状態と区別するため、電池301の温度上昇により状態表示を変更する場合には、ポップアップ表示を行う。また、電池温度検出部および端子温度検出部の出力に応じて動作電流を変更するが、変更するタイミングについても併せて説明する。
【0055】
図7のステップS107においてストロボ300が動作を開始した後、
図10のステップS301からフローが開始される。
【0056】
ステップS301では、制御プロセッサ310は、状態表示の状況を取得する。実施形態1では、
図6(a)の上段に記載されている、「通常」、「第1段階」、「第2段階」に対して、
図11(d)、
図11(b)、
図11(c)に示す表示がそれぞれ対応している。なお、
図6(a)の温度情報が-10°Cより低い領域については低温と分類し、状態表示は「通常」と同じであるが、動作電流が3Aとなる。
【0057】
ステップS302では、制御プロセッサ310は、電池301の温度とストロボ300の内部温度とを取得する。
【0058】
ステップS303では、制御プロセッサ310は、ステップS302で取得した温度が第1段階以上(
図6(a)の第1段階に対応する温度以上)であるか否かを判定する。電池301の温度が第1段階以上である場合は、ステップS311に移行し、第1段階以上でない場合はステップS304に移行する。
【0059】
ステップS304では、制御プロセッサ310は、状態表示を通常状態の表示(
図11(d)の表示1104)に更新する。動作電流については、ステップS302で取得した電池301の温度とストロボ300の内部温度がともに通常(電池301の温度情報が-10°C以上60°C以下でストロボ300の内部温度が60°C以下)の範囲であった場合は、10Aに設定する。低温(電池301の温度情報が-10°Cより低い)の範囲であった場合は、動作電流を3Aに設定する。そしてこのフローを終了する。
【0060】
ステップS311では、制御プロセッサ310は、ステップS302で取得した温度が第2段階以上(
図6(a)の第2段階に対応する温度以上)であるか否かを判定する。第2段階以上である場合はステップS321に移行し、第2段階以上でない場合はステップS312に移行する。
【0061】
ステップS312では、制御プロセッサ310は、状態表示を第1段階の表示(
図11(b)の表示1102)に更新する。動作電流については、3Aに設定する。その後、ステップS313に移行する。
【0062】
ステップS321では、制御プロセッサ310は、状態表示を第2段階の表示(
図11(c)の表示1103)に更新する。動作については、メインコンデンサ302dへの充電制御を禁止する。この状態であっても、発光、設定変更などの動作は可能である。その後、ステップS313に移行する。
【0063】
ステップS313では、制御プロセッサ310は、上位への状態遷移(通常状態から第1段階、または第1段階から第2段階への状態遷移)が発生したかを、ステップS301で取得した状態表示の状況と、ステップS312またはS321での状態表示を比較し判定する。上位の温度状態への状態遷移が発生した場合はステップS314に移行し、発生しなかった場合はこのフローを終了する。
【0064】
ステップS314では、制御プロセッサ310は、
図11(a)に示すような温度上昇を示すポップアップ表示を行う。ポップアップ表示は、ボタンの押し込みなどのユーザによる所定の操作が行われた場合に、制御プロセッサ310が消去する。その後、このフローを終了する。
【0065】
ストロボ300を連続的に使用した場合の状態表示の更新に関する
図10のフローチャートの動作は、一定時間間隔毎(例えば1秒毎)に実施され、表示が更新される。
【0066】
以上説明したように、実施形態1では、電池301が通信可能な電池か否か、正しい電池情報が取得可能な電池か否かを判定し、動作条件を設定する。これにより、電池301が通信不能な電池または正しい電池情報が得られない電池であっても、ストロボ300を安全に使用することができる。
【0067】
例えば、電池301が通信不能な電池または正しい電池情報が得られない電池であると制御プロセッサ310が判定した場合は、制御に使用する温度検出部を端子温度検出部399のみとし、許容する制限温度を安全な方向へ変更する(制限温度を下げる)。また、制御プロセッサ310は、メインコンデンサ302dの充電時の電流値を抑えるよう、制御を変更する。
【0068】
以上の制御を行うことにより、電池301が通信不能な電池または正しい電池情報が得られない電池である場合であっても、温度上昇を緩やかにして機器の使用時間を長くすることができる。
【0069】
[実施形態2]
実施形態1では、ストロボ300が表示装置を持つ場合について説明した。この実施形態2では、ストロボ300が表示装置を持たない場合について説明する。ストロボ300の構成要素については、表示部313を持たないこと以外は実施形態1と同じであるため、それらの説明を省略する。
【0070】
実施形態2でのストロボ300の動作は、
図7のフローチャートのステップS111おける「画面表示」に関する制御が異なるだけで他については実施形態1と同じであるため、ステップS111の説明以外の説明は省略する。
【0071】
実施形態2では、
図7のフローチャートのステップS111に到達したら、
図12のステップS201に移行する。
【0072】
ステップS201では、制御プロセッサ310は、通信ラインSCにより撮像装置の制御プロセッサと通信を行い、ストロボ300が撮像装置に接続されているか否かを判定する。ストロボ300が撮像装置に接続されていないと判定された場合は、ストロボ300が撮像装置に接続されるまで待機する。ストロボ300が撮像装置に接続されたと判定された場合は、ステップS202に移行する。
【0073】
ステップS202では、制御プロセッサ310は、撮像装置の制御プロセッサと通信を行い、
図9に示すような画面表示を撮像装置の表示部に行わせる。すなわち、「バッテリーと通信できません」とユーザに告知表示を行なうとともに、「このバッテリーを使用しますか?」とユーザに問いかけ、ユーザから、「YES」または「NO」の入力をさせるようにする。撮像装置の制御プロセッサは、ユーザの入力結果を制御プロセッサ310に送信して、
図7のステップS112に戻る。そして、制御プロセッサ310は、ユーザの入力結果を判定する。
【0074】
以上説明したように、ストロボ300が表示部を持たない場合であっても、撮像装置(外部機器)と接続したときに撮像装置側の表示部を用いることにより、電池301が通信ができない電池である旨をユーザに知らせることができる。そして、ユーザの使用希望があれば使用を許可することが可能となる。
【0075】
[実施形態3]
上述の実施形態では、上述の実施形態における電子機器としてストロボ300を例に挙げて説明したが、上述の実施形態における電子機器はストロボ300に限定されるものではなく、電池301と通信を行うストロボ300以外の電子機器にも広く適用可能である。
【0076】
[実施形態4]
実施形態1~3で説明した様々な機能、処理または方法は、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサなどがプログラムを用いて実現することもできる。以下、実施形態4では、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサなどを「コンピュータX」と呼ぶ。また、実施形態4では、コンピュータXを制御するためのプログラムであって、実施形態1~3で説明した様々な機能、処理または方法を実現するためのプログラムを「プログラムY」と呼ぶ。
【0077】
実施形態1~3で説明した様々な機能、処理または方法は、コンピュータXがプログラムYを実行することによって実現される。この場合において、プログラムYは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してコンピュータXに供給される。実施形態4におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ハードディスク装置、磁気記憶装置、光記憶装置、光磁気記憶装置、メモリカード、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどの少なくとも一つを含む。実施形態4におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、non-transitoryな記憶媒体である。
【符号の説明】
【0078】
300:ストロボ、301:電池、301d:電池温度検出部、302:蓄電部、310:制御プロセッサ、399:端子温度検出部