(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】水中油乳化組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20240906BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240906BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240906BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20240906BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240906BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q19/00
A61K8/60
A61K8/39
A61K8/86
A61K8/55
(21)【出願番号】P 2020096760
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本木 裕美
(72)【発明者】
【氏名】仁王 厚志
(72)【発明者】
【氏名】松尾 一貴
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-214537(JP,A)
【文献】特開2020-002093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C08B 1/00-37/00
CAPLUS/MEDLINE/KOSMET/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)~(c)を含有する、水中油乳化組成物。
(a)
下記一般式(1)で表されるアルキルグリコシドを組成物全体の0.05~1.5質量%
(b)
臨界充填パラメーター(CPP)が1/2~1のポリグリセリン脂肪酸エステルを組成物全体の0.1~4.0質量%
(c)リン脂質を組成物全体の0.1~4.0質量%
【化1】
(式中、Nは2~7の整数を表し、Rは独立して水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、nは1~4の整数を表す。)
【請求項2】
(b)がモノオレイン酸ポリグリセリルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(c)が水素添加されていてもよいレシチンである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
含有量の質量比(b):(c)が1:40~40:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
含有量の質量比(a):(b)+(c)が1:160~1:5である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
さらに(d)高級脂肪酸を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
さらに(e)高級アルコールを含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
乳液やクリームなどの皮膚外用剤の剤型のひとつに、水中油乳化剤型がある。
一般に水中油乳化組成物は、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えるものとして好まれている。
近年は、肌に保湿感を付与したり有効成分を表皮の奥深くまで届けたりする機能性を備える、水中油乳化剤型の皮膚外用剤も提案されている。特許文献1には、特定の共重合体と仮面活性剤とシリコーンとを組み合わせることで、水相成分を角層に速く深く浸透させることができる水中油乳化組成物が記載されている。
また、特定の界面活性剤を組み合わせて乳化に用いることで、より微細なエマルションを生成して、経時及び温度安定性と使用感に優れる水中油乳化組成物を製造できることも開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-089745号公報
【文献】特許6031182号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スキンケア化粧料等の皮膚外用組成物においては、水溶性又は油溶性の種々の有効成分を表皮(角層)に浸透させることが望まれている。
このような状況に鑑みて、表皮(角層)への浸透性に優れた水中油型乳化組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の3種の界面活性剤を所定量組み合わせて用いると、上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]以下の(a)~(c)を含有する、水中油乳化組成物。
(a)アルキルグリコシドを組成物全体の0.05~1.5質量%
(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルを組成物全体の0.1~4.0質量%
(c)リン脂質を組成物全体の0.1~4.0質量%
[2](a)アルキルグリコシドが、下記一般式(1)で表される化合物である、[1]に記載の組成物。
【0007】
【化1】
(式中、Nは2~7の整数を表し、Rは独立して水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、nは1~4の整数を表す。)
【0008】
[3](c)が水素添加されていてもよいレシチンである、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]含有量の質量比(b):(c)が1:40~40:1である、[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]含有量の質量比(a):(b)+(c)が1:160~1:5である、[1]~[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]さらに(d)高級脂肪酸を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の組成物。[7]さらに(e)高級アルコールを含有する、[1]~[6]のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水中油乳化組成物は、肌に塗布すると表皮(角層)への浸透性に優れる。水中油乳化組成物には、水相や油相にそれぞれ有効成分を含有させることができ、それらを表皮深くに届けることにより、有効成分を効果的に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の水中油乳化組成物を塗布した1時間後に観察した表皮モデル断面の蛍光顕微鏡写真。
【
図2】比較例3の水中油乳化組成物を塗布した1時間後に観察した表皮モデル断面の蛍光顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の水中油乳化組成物は、(a)アルキルグリコシドを必須に含有する。
アルキルグリコシドは、糖残基にアルキル基がエーテル結合したものである。
ここで糖残基としては、単糖類又は多糖類のいずれでもよく、単糖類としては、グルコース、ガラクトース、キシロース、マンノース、リキソース、アラビノース、及びフルクトースが挙げられる。多糖類は二糖~七糖が好ましく、マルトース、キシロビオース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、ゲンチオビース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、セロトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、イソマルトテトラオース、イソマルトペンタオース、イソマルトヘキサオース、及びイソマルトヘプタースが挙げられる。これらのうちマルトース及びマルトトリオースがより好ましい糖残基である。なお、糖残基は、α体とβ体のいずれでもよい。
また、アルキル基としては、好ましくは炭素数8~24、より好ましくは炭素数10~20、さらに好ましくは炭素数10~16の、分岐を有していてもよいアルキル基が挙げられる。
【0012】
本発明におけるアルキルグリコシドとしては、下記一般式(1)で表されるアルキルグ
リコシドがより好ましい。
【0013】
【0014】
一般式(1)において、Nは2~7の整数を表す。Rは独立して水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、好ましくはメチル基を表す。nは1~4の整数を表し、好ましくは2又は3を表し、より好ましくは2を表す。すなわち、一般式(1)で表されるアルキルグリコシドは、オリゴ糖の末端の糖の1位の水酸基と脂肪族アルコールとが結合(縮合)した構造を有する。
なお、かかる脂肪族アルコールは、好ましくは炭素数12~20、より好ましくは炭素数12~16の、さらに好ましくは炭素数15の、分岐を有していてもよい脂肪族アルコールである。
【0015】
一般式(1)で表されるアルキルグリコシドにおける糖残基は、親水部である。
糖残基としては、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、及びマルトヘプタオースが挙げられ、マルトース及びマルトトリオースがより好ましい。
【0016】
一般式(1)において、脂肪鎖は本発明に係るアルキルグリコシドにおける疎水部である。
脂肪鎖の部分は、分岐鎖があってもなくてもよいが、好ましくは分岐鎖を有する。すなわち、一般式(1)においてRは、独立して水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表すが、好ましくは炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0017】
本発明に係るアルキルグリコシドとしては、下記一般式(2)で表される化合物が特に好ましい。
【0018】
【0019】
一般式(2)において、Nは2~7の整数を表す。nは1~4の整数を表し、より好ましくはnは2又は3であり、さらに好ましくは2である。
一般式(2)に包含される化合物としては、例えば、Mal2Far(マルトースとヘキサヒドロファルネソールのグリコシド体)、Mal3Far(マルトトリオースとヘキサヒドロファルネソールのグリコシド体)、Mal3Phyt(マルトトリオースとヘキ
サヒドロフィトールのグリコシド体)などが挙げられるが、特に限定されない。
【0020】
前記アルキルグリコシドは、例えば、臭化糖を用いるグリコシル化法、フッ化糖を用いるグリコシル化法、トリクロロアセトイミデートを用いるグリコシル化法、アセチル化糖を用いるグリコシル化法等、種々の周知の方法により取得することができ、より具体的には特許3882067号、特許4817435号、特許5207420号、特開2013-129660号公報、特開2012-17318号公報等に記載の合成工程が挙げられる。
【0021】
本発明の組成物における(a)アルキルグルコシドの含有量は、組成物全体の0.05~1.5質量%であり、0.05~1.0質量%が好ましく、0.05~0.8質量%がより好ましい。
このような範囲で用いることにより、微細な乳化エマルションを形成させることができ、表皮への浸透性を向上させることができる。
【0022】
本発明の水中油乳化組成物は、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルを必須に含有する。
ここでポリグリセリン脂肪酸エステルは、分岐鎖又は直鎖の、飽和又は不飽和の脂肪酸と、グリセリンとのエステルであり、脂肪酸の炭素数は好ましくは8~20であり、より好ましくは12~18である。また、グリセリンの重合度は好ましくは2~10であり、より好ましくは4~10であり、さらに好ましくは4~6である。また、脂肪酸の付加数は特に限定されず、モノ-、ジ-、トリ-、又はそれ以上のいずれでもよいが、モノエステルが好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値は特に問わないが、3~18のものが好ましい。なお、本明細書においてHLB値は、グリフィンの式より算出した値をいう。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、両親媒性物質の親水部と疎水部の幾何学的割合を表す臨界充填パラメーター(CPP)が1/2~1であることが好ましい。これは、分子の極性で平板上に並びやすい(すなわち、Lα相を形成しやすい)ものであると、微細で安定な乳化エマルションを形成しやすいためである。
【0023】
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、モノパルミチン酸ポリグリセリル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、及びジラウリン酸ポリグリセリルが挙げられる。より好ましい例としてはグリセリン重合度が4~10の、モノオレイン酸ポリグリセリル(モノオレイン酸ポリグリセリル-5等)、モノラウリン酸ポリグリセリル(モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-10等)、及びモノパルミチン酸ポリグリセリル(モノパルミチン酸ポリグリセリル-6等)が挙げられる。さらに好ましい例としては、グリセリン重合度が4~6の、モノオレイン酸ポリグリセリル(モノオレイン酸ポリグリセリル-5等)やモノラウリン酸ポリグリセリル(モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6)が挙げられる。
【0024】
本発明の組成物における(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、組成物全体の0.1~4.0質量%であり、0.1~2.0質量%が好ましく、0.1~1.2質量%がより好ましい。
このような範囲で用いることにより、微細な乳化エマルションを形成させることができ、表皮への浸透性を向上させることができる。
【0025】
本発明の水中油乳化組成物は、(c)リン脂質を必須に含有する。
リン脂質としては、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
グリセロリン脂質は、グリセロリン酸骨格を有する物質で、親油基として脂肪酸エステル、長鎖アルキルエーテル、ビニルエーテル等を有する。具体的には、ホスファチジルコリン(レシチン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジイルイノシトール、ホスファチジルイノシトールポリリン酸、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール(カルジオリピン)、ホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸などが挙げられる。
スフィンゴリン脂質は、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン等の長鎖塩基又は長鎖脂肪酸と、リン酸又はホスホン酸を有する。具体的には、セラミド1-リン酸誘導体(スフィンゴミエリンなど)、セラミド1-ホスホン酸誘導体(セラミドアミノエチルホスホン酸など)が挙げられる。
【0026】
本発明においてリン脂質は、動植物から抽出・精製した天然物であっても、化学合成したものであってもよく、水素添加や水酸化処理などの加工を施したものでもよい。例えば、水添レシチン等が好ましく挙げられる。天然物としては、大豆又は卵黄等からの抽出・精製物であるレシチンが、市販品の入手が容易であり、好ましい。
【0027】
本発明の組成物における(c)リン脂質の含有量は、組成物全体の0.1~4.0質量%であり、0.1~3.0質量%が好ましく、0.1~2.0質量%がより好ましい。
このような範囲で用いることにより、微細な乳化エマルションを形成させることができ、表皮への浸透性を向上させることができる。
【0028】
本発明の組成物における(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)リン脂質の含有量の含有量の質量比(b):(c)は、1:40~40:1が好ましく、1:30~30:1がより好ましく、1:20~20:1がさらに好ましい。
このような範囲で(b)と(c)を組み合わせることにより、表皮への浸透性をより向上させることができ、良好な使用感を付与することもできる。
【0029】
本発明の組成物における(a)アルキルグリコシドの含有量と、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルと(c)リン脂質との含有量の合計の質量比(a):(b)+(c)は、1:160~1:5が好ましく、1:120~1:5がより好ましく、1:80~1:5がさらに好ましい。
このような範囲で(a)、(b)及び(c)を組み合わせることにより、表皮への浸透性をより向上させることができ、良好な使用感を付与することもできる。
【0030】
本発明の水中油乳化組成物は、表皮への浸透性をより向上させる観点から、さらに(d)高級脂肪酸を含有することが好ましい。
高級脂肪酸としては、特に限定されないが、炭素数8以上の、飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐を有する脂肪酸が好ましい。具体的には、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等が好ましく挙げられる。
【0031】
本発明の組成物における(d)高級脂肪酸の含有量は、組成物全体の0.1~3.0質量%が好ましく、0.1~2.0質量%がより好ましく、0.1~1.0質量%がさらに好ましい。
【0032】
本発明の水中油乳化組成物は、表皮への浸透性をより向上させる観点から、さらに(e)高級アルコール含有することが好ましい。
高級アルコールとしては、特に限定されないが、炭素数8以上の、飽和又は不飽和の、
直鎖又は分岐を有する、一価のアルコールが好ましい。具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が好ましく挙げられる。
【0033】
本発明の組成物における(e)高級アルコールの含有量は、組成物全体の0.1~3.0質量%が好ましく、0.1~2.0質量%がより好ましく、0.1~1.0質量%がさらに好ましい。
【0034】
本発明の組成物は、前述した(a)~(e)を含め、水性成分及び油性成分を含有する。水性成分は、水の他に、25~65℃の水に溶解する成分であればよい。油性成分はいわゆる油剤に限らず、25~65℃の水に懸濁して1時間静置した後に水と相分離する成分であればよい。
本発明の組成物において、水性成分と油性成分との含有量の質量比は、好ましくは1:40~40:1、より好ましくは1:30~30:1、さらに好ましくは1:20~20:1である。水相に対する油相の比率(内相比)をこのような範囲とすると、さっぱりとした使用感と十分な保湿性とが両立した優れた使用感とすることができる。
【0035】
本発明の水中油乳化組成物は、後述の実施例に示されるように肌に塗布すると表皮への浸透性に優れる。具体的には、水性成分及び油性成分を表皮角層へ素早く深く浸透することができ、さらに顆粒層、基底層まで到達させることが期待される。そのため、肌の水分保持量を高めたり、後述する種々の有効成分を表皮角層、顆粒層、基底層まで到達させて効果的に作用させたりする効果が得られる。
【0036】
水中油乳化組成物には、水相や油相にそれぞれ有効成分を含有させることができ、それらを表皮深くに届けることにより、有効成分を効果的に作用させることができる。
そのため、本発明の組成物は皮膚外用剤とすることが特に好ましい。
皮膚外用組成物としては、化粧料や医薬部外品の態様とすることが好ましく、スキンケア化粧料がより好ましく、乳液やクリーム等が挙げられる。
【0037】
本発明の組成物は、定法に従って製造することができる。
【0038】
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、通常化粧料に用いられる他の成分を任意に配合することができる。かかる任意成分としては、例えば、(e)以外のアルコール、エーテル、粉体、油剤、保湿剤、他の界面活性剤、金属イオン封鎖剤、パール剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、防腐剤、水溶性高分子、香料、各種有効成分等が挙げられる。
【0039】
(e)以外アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール;トリメチロールプロパン等の3価のアルコール;ペンタエリスリトール等の4価のアルコール;キシリトール等の5価のアルコール;トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体;デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコール;ポリグリセリン;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、
エチレングリコールイソプロピルエーテル等のアルコールアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等のアルコールアルキルエーテル類;
キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等のグリセリンモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール重合体;
グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、等が挙げられる。
【0040】
エーテルとしては、上記アルコールに該当するものの他、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0041】
粉体としては、球状、針状、板状等その形状は特に限定されず、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、アルミナ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリ(メタ)アクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末等);金属石鹸(例えば、ミ
リスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム);無機白色顔料
(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッド雲母、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッド雲母、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッ
パーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
【0042】
油剤としては、シリコーン油、極性油、天然油、炭化水素油等が挙げられる。
【0043】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、シクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、カプリリルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマ
ー等が挙げられる。
【0044】
極性油としては、合成エステル油として、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、オクチルメトキシシンナメート等が挙げられる。
【0045】
天然油としては、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、ヒマワリ油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
【0046】
炭化水素油としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、水添ポリ(C6-12)オレフィン、水添ポリイソブテン等が挙げられる。
【0047】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙
げられる。
【0048】
他の界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
ただし、(a)~(c)による効果を損なう場合があるため、他の界面活性剤は実質的に含有しないことが好ましい。ここで実質的に含有しないとは、組成物全体の好ましくは0.1質量%以下をいい、より好ましくは0.01質量%以下をいう。
【0049】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0050】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-
3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベ
ンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POEアルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0051】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0052】
非イオン性界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン類(例えば、ポリエチレングリコール-10ジメチコン、ポリエチレングリコール-12ジメチコン等);ポリグリセリン変性シリコーン類(例えば、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等);ソルビタン脂肪酸エステル
類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等);グリセリンアルキルエーテル等の非親水性非イオン性界面活性剤が挙げられる。また、POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);POEアルキルフェニルエーテル類(例えば、POEノニルフェニルエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック(登録商標)等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラ P
OE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;他のアルキルグリコシド;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等の親水性非イオン性界面活性剤も挙げられる。
【0053】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0054】
パール剤としては、例えば、ジステアリン酸グリコール、チタンマイカ等が挙げられる。
【0055】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシ
ルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン
酸等が挙げられる。
【0056】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0057】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0058】
pH調製剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0059】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体
、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0060】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール、ピロ亜硫酸塩、没食子酸エステル、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0061】
防腐剤としては、例えば、パラベン類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0062】
水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コ
メ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例え
ば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等の天然の水溶性高分子、
デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等の半合成の水溶性高分子、
ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等の合成の水溶性高分子が挙げられる。
【0063】
各種有効成分としては、例えば、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);
血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【実施例】
【0064】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0065】
<水中油乳化組成物の調製>
表1に示す処方成分で、定法により水中油乳化組成物を調製した。
【0066】
<官能評価>
10名の熟練者がそれぞれ、調製した各組成物を0.5gずつ手の甲にとり、塗布時の浸透性及び保湿性について以下の基準に照らし官能評価した。全評価者で協議して決めた評価をその組成物の評価結果とした。結果を表1に示す。
(浸透性)
◎:すばやい浸透を感じる
○:浸透を感じる
△:遅いが浸透を感じる
×:まったく浸透を感じない
(保湿性)
◎:とてもしっとりする
○:しっとりする
△:ややしっとりする
×:まったくしっとりしない
【0067】
<安定性の評価>
10名の熟練の評価者が、調製した各組成物を40℃で3ヶ月間保存した後の性状を、以下の4段階で評価した。全評価者の評価結果で最も低い評価をその組成物の評価結果とした。結果を表1に示す。
(安定性)
◎:まったく変化なし
○:ごくわずかに分離したが使用上の問題なし
△:わずかに分離した
×:分離した
【0068】
<三次元培養皮膚による浸透性の評価>
調製した各組成物について、三次元培養表皮への浸透性を以下の試験手順で評価した。三次元培養表皮モデル(LabCyteEPI-MODEL24/J-TEC製)を培地に移し、37℃、5%
CO2条件下で1時間プレ培養した。各組成物に、水溶性マーカーであるCalcein(和
光純薬工業製)を0.02%(約0.3mM)になるように添加して試料を調製した。調製した各試料を、プレ培養後の三次元培養表皮モデルに、50μL/ウェルずつ塗布した。1時間後にそれぞれサンプリングし、三次元培養表皮モデル上に残った試料をPBS溶液(TaKaRa BIO製PBSTablets)でよく洗浄した。その後、メスで切り取り、O.C.T Compoundに包埋し、-80℃で1日間凍結した。凍結した三次元培養表皮モデルから、サクラ精機製 Tissue-Tek PolarDMを用いて、表皮断面の凍結切片を作製した。各凍結切片を、共
焦点レーザースキャン顕微鏡(Carl Zeiss 製 LSM510)を用いて観察した。観察条件は以下の通り。
レーザー:アルゴン
検出波長:505~530nm
レーザー強度(Master Gain):415
【0069】
塗布1時間後に観察した表皮モデル断面の蛍光画像を
図1及び2に示す。緑色に染まった部分は、水中油乳化組成物が浸透した部分を示す。実施例1の組成物は角層に素早く深く浸透することがわかる。
また、10名の熟練者がそれぞれ、前記蛍光画像に基づいて組成物の浸透性を、0(全く浸透していない)~10(完全に浸透している)の基準で評価した。点数を集計し、平均点を以下の4段階で評価した。結果を表1に示す。
◎:10点
○:5~9点
△:1~4点
×:0点
【0070】
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の水中油乳化組成物は、肌に塗布すると表皮への浸透性に優れる。そのため、水中油乳化組成物に含有させた有効成分を表皮深くに到達させることができ、効果的に作用させることができるので、スキンケア化粧料などの皮膚外用剤に好適である。