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特許7550553首部を有する容器のためのロッキング頂部
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】首部を有する容器のためのロッキング頂部
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/00 20060101AFI20240906BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B65D51/00 100
A61J1/05 315D
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020115093
(22)【出願日】2020-07-02
(65)【公開番号】P2021014307
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】1907693
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505003193
【氏名又は名称】アー レイモンド エ シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マキシム クラヴェル
(72)【発明者】
【氏名】ガエタン レイ
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-506603(JP,A)
【文献】特表2013-504499(JP,A)
【文献】特表2015-509893(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0089862(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0240476(US,A1)
【文献】特開平10-118154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/00
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
首部を有する容器(200)のためのロッキング頂部(100)であって、その頂部は、前記容器(200)の前記首部(201)内にストッパー(10)を封鎖することが意図され、および前記容器(200)上の2つの位置、すなわち、前記ストッパー(10)が前記首部(201)に部分的に押し込まれる中間保持位置、および前記ストッパー(10)が前記首部(201)に押し込まれおよびロックされるロッキング位置、を採用することができ、前記頂部(100)は、外側本体(30)および前記外側本体(30)に嵌入されおよび軸方向にロックするように構成されるケージ(20)を含み、前記ケージ(20)は、
- 上部リング(21)、
- 前記上部リング(21)に接続されおよびそれと共に前記ケージ(20)の円筒状概形を画定する、複数n個の分岐部(22)、
- n/2個の中央ブリッジ(25)およびn/2個の下部ブリッジ(26)であって、各々は2つの隣接する分岐部(22)を一緒に接続し、前記中央ブリッジ(25)および前記下部ブリッジ(26)は前記ケージ(20)の周辺に交互に配置され、各中央ブリッジ(25)は、前記頂部(100)が前記中間保持位置にあるときに、前記上部リング(21)に抗して、前記ケージ(20)内部に前記ストッパー(10)を封鎖することが意図される第1の可撓性タブ(23)を支持し、および各下部ブリッジ(26)は第2の可撓性タブ(24)を支持する、n/2個の中央ブリッジ(25)およびn/2個の下部ブリッジ(26)、
を含み、
前記頂部(100)は、前記中間保持位置において、
- 前記下部ブリッジ(26)および前記分岐部(22)のみが前記容器(200)の前記首部(201)のカラー(202)を取り囲むことが意図されており、
- 前記中央ブリッジ(25)は、軸方向において、前記上部リング(21)と前記下部ブリッジ(26)との間に位置し、各中央ブリッジ(25)は、それと前記カラー(202)との間に前記軸方向に沿って開放空間(251)を形成するように設計されており、前記開放空間(251)の高さは、前記軸方向において、前記中央ブリッジ(25)と前記カラー(202)と同一平面の高さとの間に画定され、前記第2のタブ(24)の前記ケージ(20)の内側に向かう傾斜の開始点を示し、前記高さは、前記開放空間(251)が前記容器(200)の前記カラー(202)を超えて延びるように、0.2mmから2.0mmの間であることを特徴とするロッキング頂部(100)。
【請求項2】
前記中央ブリッジ(25)は、前記ケージ(20)の周囲の20%から40%の間を占め、および前記下部ブリッジ(26)は、前記周囲の40%から70%の間を占めることを特徴とする請求項1に記載のロッキング頂部(100)。
【請求項3】
各開放空間(251)は中央ブリッジ(25)の幅と実質的に等しい前記ケージ(20)の周囲周りの幅有することを特徴とする請求項1または2に記載のロッキング頂部(100)。
【請求項4】
前記第2のタブ(24)は、前記頂部(100)が前記中間保持位置にあるときに、前記容器(200)の前記首部(201)の前記カラー(202)に接触し続け、および前記頂部(100)がそのロッキング位置にあるときに、前記カラー(202)の下を圧迫することが意図されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のロッキング頂部(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの下部ブリッジ(26)は、前記ケージ(20)の外側に向かって傾斜されおよび前記上部リング(21)に向かって配向される第3の可撓性タブ(27)を支持し、および前記第3のタブ(27)に隣接する剪断ゾーン(28)を有し、前記第3のタブ(27)に対する張力の適用は、前記頂部(100)が前記容器(200)上の前記ロッキング位置にあるときに、前記剪断ゾーン(28)における破損を引き起こすことができ、および前記首部(201)から前記ケージ(20)を接続解除することを可能にすることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のロッキング頂部(100)。
【請求項6】
前記外側本体(30)は、前記頂部が前記容器(200)上の前記ロッキング位置にあるときに、前記本体(30)が前記頂部(100)から取り除かれることを可能にするために、剪断部(35)を有することを特徴とする請求項5に記載のロッキング頂部(100)。
【請求項7】
外向きに広がったカラー(202)で終端する円形開口を備える首部(201)を有し、および前記首部(201)内に配置されおよび請求項1から6のいずれか一項に記載のロッキング頂部(100)と関連付けられるストッパー(10)を含む容器(200)であって、各第2のタブ(24)は、前記上部リング(21)の方向において、前記ケージ(20)の内側に向かって傾斜され、および前記n/2個の第2のタブ(24)は、30Nから70Nの間に印加されたときに、前記容器(200)上の前記頂部(100)の前記中間保持位置から前記ロッキング位置への移行を可能にするように構成されることを特徴とする容器(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、首部を有する容器(vessel)のための頂部(top)に関し、その頂部は、ストッパーを前記容器の首部内に封鎖(block)することが意図される。本発明は、特に、例えばストッパーが頂部によってロックされる前に凍結乾燥工程を受ける傾向のある医薬製品のための、フラスコに適したロッキング頂部(locking top)に関する。
【背景技術】
【0002】
首部を有する容器のためのロッキング頂部は、文献(特許文献1および特許文献2)から知られている。これらの頂部は、外側リング、および軸方向に延びる複数の実質的に同一の分岐部(branches)によって互いに接続される2つのリングで形成される「ミュズレ(muselet)」を含む。そのような頂部は、容器の首部内にストッパーを封鎖することを可能にし、前記ストッパーは、ミュズレ内に保持されている。容器の内容物に凍結乾燥されることを必要とする特定の医療用途のために、ストッパーを完全に押し込むことなく、および頂部を容器の首部上にロックすることなく、頂部を容器上に配置することができる。ストッパーは、さらに、その足部に開口を含み、凍結乾燥中に水蒸気が抜け出る(emerge)のを可能にする。出願人は、それにもかかわらず、これらの頂部の構成は、蒸発性の融剤(evaporative flux)に悪影響を及ぼし、そのようにして凍結乾燥の有効性を低減させることを観察した。これは、凍結乾燥中に、ミュズレの下部リングは容器の首部を完全に取り囲み、およびリングはミュズレを取り囲み、容器の内側と外側との間の気体交換能力(gas exchange capacity)を劇的に低減させるからである。
【0003】
文献(特許文献3)は、ストッパーの上部を取り囲むように構成される停止デバイス(stopping device)を提案し、凍結乾燥中に、その足部に開口を有するストッパーは、容器の首部に単に部分的に押し込まれ、および停止デバイスは、前記首部に届かない。蒸発性の融剤は、ストッパーの開口から外部に乱されずに通過し得る。この解決策は、それにもかかわらず、足部の小部分だけが首部に保持され、一方、停止デバイスを圧迫する(bearing)ストッパーのまさに実質的な部分は保持されないので、ストッパーが凍結乾燥中に首部にあまり確実には保持されないという欠点を有する。さらに、停止デバイスは、ストッパー上に置かれるに過ぎず、およびその上に保持されず、停止デバイスおよびストッパーは、したがって、偶発的に接続解除されやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】欧州特許第2464577号明細書
【文献】欧州特許第2464580号明細書
【文献】国際公開第2012/069538号
【発明の概要】
【0005】
本発明は、先行技術の欠点の全てまたはいくつかを克服することが目的とされる解決策を提案する。本発明は、それがロッキング位置に移行する前に中間保持位置においてストッパーの良好な保持を提供しながら、有効な凍結乾燥を可能にする、ロッキング頂部に関する。
【0006】
本発明は、首部を有する容器のためのロッキング頂部に関し、その頂部は、容器の首部内にストッパーを封鎖することが意図され、ならびに前記容器上の2つの位置、すなわち、ストッパーが首部に部分的に押し込まれる中間保持位置およびストッパーが首部に押し込まれおよび首部内にロックされるロッキング位置、を採用することができる。頂部は、外側本体(outer body)、および外側本体に嵌入しおよび外側本体内において軸方向にロックするように構成されるケージ、を含む。ケージは、
・ 上部リング、
・ 上部リングに接続され、およびそれと共にケージの円筒状概形(general form)を画定する、複数n個の分岐部、
・ n/2個の中央ブリッジおよびn/2個の下部ブリッジであって、各々は2つの隣接する分岐部を一緒に接続し、中央ブリッジおよび下部ブリッジはケージの周辺上に交互に配置され、各中央ブリッジは頂部が中間保持位置にあるときに上部リングに抗して(against)ケージ内部にストッパーを封鎖することが意図される第1の可撓性タブを支持し、および各下部ブリッジは第2の可撓性タブを支持する、n/2個の中央ブリッジおよびn/2個の下部ブリッジ、
を含む。
【0007】
頂部は、中間保持位置において、
・ 下部ブリッジおよび分岐部のみが容器の首部のカラーを取り囲むことが意図されており、
・ 中央ブリッジは、軸方向において、上部リングと下部ブリッジとの間に位置し、各中央ブリッジは、それとカラーとの間に開放空間を形成するように設計されている点で、注目に値する。
【0008】
単独で採用されるまたは任意の技術的に実行可能な組み合わせにおける、本発明の他の有利な非限定的な特徴によると、
・ 中央ブリッジは、ケージの周囲(perimeter)の20%から40%の間を占め、および下部ブリッジは、前記周囲の40%から70%の間を占め、
・ 各開放空間は、0.2mmから2mmの間の軸方向高さ、およびケージの周囲周りの中央ブリッジの幅と実質的に等しい幅を有し、
・ 第2のタブは、頂部が中間保持位置にあるときに、容器の首部のカラーに接触し続け、および頂部がそのロッキング位置にあるときに、カラーの下を圧迫する(bear)ようになることが意図され、
・ 各第2のタブは、上部リングの方向においてケージの内側に向かって傾斜され、
・ 少なくとも1つの下部ブリッジは、ケージの外側に向かって傾斜されおよび上部リングに向かって配向される第3の可撓性タブを支持し、および前記第3のタブに隣接する剪断ゾーン(shear zone)有し、第3のタブに対する張力の適用は、頂部が容器上のロッキング位置にあるときに、剪断ゾーンにおける破損を引き起こすことができ、および、首部からケージを接続解除することを可能にし、
・ 前記頂部が容器上のロッキング位置にあるときに、前記本体が頂部から取り除かれる(withdrawn)ことを可能にするために、外側本体は、剪断部(shear part)を有する。
【0009】
本発明は、さらに、外向きに広がった(flared)カラーで終端する円形開口(circular opening)を備える首部を有し、および前記首部内に配置されおよび上記のようなロッキング頂部と関連付けられるストッパーを含む、容器に関する。
【0010】
有利には、各第2のタブは、上部リングの方向においてケージの内部に向かって傾斜され、およびn/2個の第2のタブは、30Nから70Nの間、好ましくは、30Nから50Nの間の力が頂部に印加されたときに、容器上の頂部の中間保持位置からロッキング位置への移行を可能にするように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に続く本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1a図1aおよび図1bは、中間保持位置における、首部に部分的に押し込まれたストッパーおよび本発明に従うロッキング頂部を備える首部を有する容器を通る、2つの直交する断面における断面図である。
図1b図1aおよび図1bは、中間保持位置における、首部に部分的に押し込まれたストッパーおよび本発明に従うロッキング頂部を備える首部を有する容器を通る、2つの直交する断面における断面図である。
図1c】中間保持位置における、首部に部分的に押し込まれたストッパーおよび本発明に従うロッキング頂部のケージを備える首部を有する容器の斜視図である。
図1d】中間保持位置における、ストッパー(不図示)および本発明に従うロッキング頂部を備え、頂部は容器上に配置されている、首部を有する容器の斜視図である。
図2a】本発明によるロッキング頂部のケージを示す図である。
図2b】本発明によるロッキング頂部のケージを示す図である。
図3a】本発明によるロッキング頂部の外側本体を示す図である。
図3b】本発明によるロッキング頂部の外側本体を示す図である。
図3c】本発明に従うロッキング頂部の外側本体のキャップを示す図である。
図3d】本発明に従うロッキング頂部の外側本体のキャップを示す図である。
図4a図4aおよび図4bは、ロッキング位置における、首部に押し込まれたストッパーおよび本発明に従うロッキング頂部を備える首部を有する容器を通る、2つの直交する断面における断面図である。
図4b図4aおよび図4bは、ロッキング位置における、首部に押し込まれたストッパーおよび本発明に従うロッキング頂部を備える首部を有する容器を通る、2つの直交する断面における断面図である。
図4c】ロッキング位置における、首部に押し込まれたストッパーおよび本発明に従うロッキング頂部のケージを備える、首部を有する容器の斜視図である。
図4d】ロッキング位置における、ストッパー(不図示)および本発明に従うロッキング頂部を備え、頂部は容器上に配置されている、首部を有する容器の斜視図である。
図5a】本発明の具体的な実施形態に従う、首部を有する容器のためのロッキング頂部のケージを示す図である。
図5b】本発明の具体的な実施形態に従う、首部を有する容器のためのロッキング頂部の外側本体を示す図である。
図5c】本発明の具体的な実施形態に従う、首部を有する容器のためのロッキング頂部の外側本体を示す図である。
図5d】本発明の具体的な実施形態に従う、首部を有する容器のためのロッキング頂部の外側本体のキャップを示す図である。
図5e】本発明の具体的な実施形態に従う、首部を有する容器のためのロッキング頂部の外側本体のキャップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
記述的な部分において、図中、同一の参照番号は、同一種類の要素に使用され得る。図は、読みやすさを目的として、必ずしも縮尺比に従わない略図である。
【0013】
本発明は、首部を有する容器200のためのロッキング頂部100に関し、この頂部は、前記容器200の首部201内にストッパー10を封鎖することが意図される。容器200は、特に、首部201の外周に対して外向きに広がったカラー202で終端する円形開口を備える首部201を有するフラスコの形状を採用してもよい。換言すれば、カラー202の外径は、図1a、図1bに示されるように、首部201の外径よりも大きい。
【0014】
薬学的用途(pharmaceutical applications)の分野において、容器200の首部201の内径の観点において規格(standards)があり、13mmおよび20mmが例である。
【0015】
ストッパー10は、円形断面(circular section)ならびに頭部11および足部12を備えるT形状を有し、頭部11は、直径が足部12よりも大きい。このようにして、ストッパー10の足部12が首部201に完全に押し込まれたときに、頭部11は、カラー202に抗して(against)封鎖される。
【0016】
序論において述べられたように、フラスコの内容物が凍結乾燥されることが意図されるときに、ストッパー10は、その足部12に開口13を有して、ストッパー10が首部202(図1bおよび図4b)に完全に押し込まれない限り、蒸発性の融剤が通過するのを可能にする。
【0017】
頂部100は、ストッパー10と関連付けられるときに、容器200上の2つの位置を採用することができ、第1の位置は、中間保持位置と称され、そこで、ストッパー10は、首部201に部分的に押し込まれる(図1a、図1b、図1c、図1d)。ストッパーの部分的押し込みは、ストッパー10の足部12に形成される開口13を蒸発性の融剤が通過することを可能にするので、容器200が凍結乾燥工程の対象とされてもよいのは、この位置である。この蒸発性の融剤の効果的な循環を可能にする頂部100の特徴を、以下に記載するものとする。
【0018】
ストッパー10と関連付けられる頂部100は、また、ロッキング位置と称される第2の位置を採用することができ、そこで、ストッパー10は、頂部100によって首部201に全体的に押し込まれおよびロックされる(図4a、図4b、図4c、図4d)。この位置において、ストッパー10は、容器200を密閉的に(hermetically)密封し、足部12(およびしたがって開口13)は、容器200の首部201によって全体的に取り囲まれる。
【0019】
頂部100は、外側本体30、および外側本体30に嵌入しおよび外側本体30内において軸方向にロックするように構成されるケージ20、を含む。
【0020】
ケージ20は、上部リング21、および上部リング21に接続されおよびそれとの間に、中心軸zを持つケージ20の円筒状概形を画定する複数n個の分岐部22、を含む(図2a、図2b)。
【0021】
ケージ20は、また、n/2個の中央ブリッジ25およびn/2個の下部ブリッジ26を含み、各々は、2つの隣接する分岐部22を一緒に接続する。形容詞「上部(upper)」、「中央(median)」、および「下部(lower)」は、容器200上の中間保持位置またはロッキング位置において頂部100内に据え付けられるケージ20を参照して使用されることに注意されたい。容器200が垂直位置にあるときに、ケージ20の上部リング21は、ケージ20の他の要素よりも高い高さの「頂部(top)」の状態にあり、中央ブリッジ25および下部ブリッジ26は、それぞれ、中央高さおよび低い高さにある。このようにして、中央ブリッジ25は、軸方向zにおいて、上部リング21と下部ブリッジ26との間に位置する。
【0022】
中央ブリッジ25および下部ブリッジ26は、ケージ20の周辺に交互に配置される。図2aおよび図2bに示される例において、ケージは、6個の分岐部22、3個の中央ブリッジ25および3個の下部ブリッジ26を含む。
【0023】
有利には、中央ブリッジ25は、ケージ20の周囲の20%から40%の間、例えば30%を占め、および下部ブリッジ26は、前記周囲の40%から70%の間、例えば60%を占める。100%を構成するための残りの周囲は、分岐部22によって占められる(図2a)。
【0024】
ケージ20は、さらに、複数の第1のタブ23を含み、各々は中央ブリッジ25によって支持される。各第1のタブ23は、可撓性であり、および上部リング21の方向において、分岐部22に対して、ケージ20の内側に向かって、20°から60°の間の角度、有利にはおよそ45°だけ、傾斜される。
【0025】
これらの第1のタブ23は、ストッパー10が頂部100と関連付けられるときに、上部リング21に抗して、ケージ20内部にストッパー10を封鎖することが意図される。第1のタブ23は、前記ストッパーがケージ20内に導入されるときに、ストッパー10の頭部11が通ることを可能にするように曲がり、および頭部11の下に封鎖されて、ストッパー10が前記ケージ20から引き出されることを防止する。
【0026】
これら第1のタブ23のおかげで、ストッパー10は、適切に、頂部100と一体になったままとなり、および特に、頂部100が容器200のその中間保持位置にあるときに、ストッパー10および頂部100の偶発的な分離は起こり得ない。
【0027】
ケージ20は、また、複数の第2のタブ24を含み、各々は下部ブリッジ26によって支持される。各第2のタブ24は、可撓性であり、および上部リング21の方向において、分岐部22に対して、ケージ20の内側に向かって、20°から60°の間の角度、有利にはおよそ30°だけ、傾斜される。
【0028】
これら第2のタブ24は、頂部100が中間保持位置にあるときに、カラー202の上側に、わずかに高められてまたはそれと接触して、留まることが意図される(図1a)。この中間保持位置において、下部ブリッジ26および分岐部22は、カラー202を少なくとも部分的に取り囲むことが意図される。この構成は、凍結乾燥工程中のストッパー10/頂部100ユニットのより安定的および確実な機械的保持を可能にする。
【0029】
本発明によるケージ20において、各中央ブリッジ25は、頂部100がその中間保持位置にあるときに、それとカラー202との間に開放空間251を形成するように設計される。(図1c)。ケージ20は、このようにして、その周辺にわたって分布させられるn/2個の開放空間251を有し、凍結乾燥工程中の蒸発性の融剤の効果的な排出(evacuation)を可能にする。
【0030】
有利には、各開放空間251は、0.2mmから2mmの間の軸方向zの高さ、および中央ブリッジ25の幅と実質的に等しいケージ20の周囲周りの幅を有する。開放空間251の高さは、中央ブリッジ25と第2のタブ24のケージ20の内側に向かう傾斜の開始を指し示す線との間の軸方向zの距離として定義されてもよい(図2a)。これは、カラー202と第2のタブ24との間の接触が確立され、そのようにして中間保持位置を画定し得るのは、この傾斜の開始の線においてであるからである。
【0031】
さらに、第2のタブ24は、頂部100がロッキング位置にあるときに、容器200の首部201のカラー202の下を圧迫するようになることが意図される(図4a、図4c)。これは、それがロック位置(locked position)に移行するときに、ストッパー10/頂部100ユニットは、その頭部11がカラー202を圧迫する(bearing)までストッパー10の足部12が首部201に完全に押し込まれるように、容器200の首部201内/周りに下に移動することとなるからである。それが押し込まれたときに、第2のタブ24は、曲がりおよび脇へ移動して、カラー202が通過するのを可能にし、および前記カラーの下で封鎖されるようになり、このようにして、ストッパー10を容器200上にロックする。
【0032】
ロッキング位置において、第1のタブ23は、それらはカラー202の周縁に抗して圧迫している(bearing against)ので、脇に移動することに留意されたい。それらは、したがって、ストッパー10の頭部11の下に残らず、および前記頭部がカラー202を圧迫することを可能にする。中央ブリッジ25は、次いで、カラー202の周縁を取り囲み、開放空間251を排除する。
【0033】
有利には、第2のタブ24は、30Nから70Nの間、好ましくは30Nから50Nの間の低力が頂部100に印加されたときに、ストッパー10と関連付けられる頂部100の中間保持位置からロッキング位置への移行を可能にするように構成される。
【0034】
このために、第2のタブ24は、20°から60°のオーダーの分岐部22に対する傾斜、0.6mmから1.3mmの間の厚さ、およびケージ20を形成する材料の選択によって与えられる可撓性を有する。
【0035】
そのおかげで低振幅の(low-amplitude)力を印加することによってロッキング位置に押し込むことが可能とされるこの有利な構成は、複数の頂部100の上部に力を及ぼすプレートによって、複数の頂部100をそれらのそれぞれの容器200上に集合的にロックすることを可能にする。この低い閉力(closing force)は、また、容器200の高さの大幅な変動(major variations)を補償し、およびこのようにして、破損を引き起こすことなく、閉鎖プレート(closing plate)の下に存在する前記容器200の全ての閉鎖に達することを可能にする。
【0036】
本発明による頂部100の他の要素の説明に戻り、外側本体30は、中心軸zを持つ円筒状概形を持つ(図1d、図3a、図3b、図4d)。外側本体30の1つの端部30aは、半閉鎖型(semi-closed)であり、および他の端部30bは、開放型(open)である。開放型端部30bは、ケージ20を受け入れるように設けられており、これは、外側本体30に嵌入することとなり、上部リング21を半閉鎖型端部30aの内面に抗して配置する。
【0037】
外側本体30は、頂部100がストッパー10を容器200上にロックしているときにケージ20が外側からのあらゆるアクセスを防止するように、前記ケージが嵌入されたときに前記ケージ20を完全に取り囲むように構成される。
【0038】
外側本体30は、その円筒状の内壁に形成されおよびケージ20の相補手段と協働して外側本体30内でケージ20を軸方向にロックすることができる円形溝31を含む(図3a)。これらの手段は、例えば、ケージ20の分岐部22上に配置されおよびケージ20が外側本体30内に完全に導入されたときに溝31内に封鎖されるようになるように設けられる、キャッチ221である(これは、図2aおよび図2bに見られ得る)。外側本体30は、このようにして、頂部100が容器上のロッキング位置にあるときに、ケージ20を損傷しおよび容器200の信頼性(reliability)および閉鎖タイトネスに悪影響を及ぼす危険を冒すことなく、中心軸zの周りを自在に回転可能である。
【0039】
外側本体30の半閉鎖型端部30aは、キャップ32によって閉鎖され、その機能は、ストッパー10へのあらゆるアクセスを防止することである(図3c、図3d)。容器200の内容物にアクセスすることが望まれるとき、キャップ32は、取り除かれなければならず、このようにして、半閉鎖型端部30aのオリフィスおよびケージ20の上部リング21のオリフィスを現れさせ、ストッパー10の頭部11は、アクセス可能であり、および容器200の内容物は、例えば、ストッパー10を通して針を挿入することによって、サンプリングされ得る。
【0040】
有利には、いったん取り除かれたキャップ32は、容器200およびその内容物の単回使用(single use)を保証するように、外側本体30に再び固定され得ない。文献(特許文献1および特許文献2)から知られている本体30にキャップ32を固定する不可逆的な方法は、本発明の状況においても使用され得る。
【0041】
また、ストッパー10は、頂部100を形成するケージ20、外側本体30およびキャップ32が組み立てられると、頂部100内に導入され得るので、ロッキング頂部100およびストッパーは、有利には、使用される前は、別個に保管され得ることに留意されたい。
【0042】
本発明の1つの特定の実施形態によると、ロッキング頂部100は、完全に取り除かれることができ、および容器を全体的に開放するようにストッパー10が取り除かれることを可能にする(図5aから図5e)。
【0043】
この場合において、ケージ20は、上部リング21の方向においてケージ20の外側に向かって傾斜される第3のタブ27を支持する少なくとも1つの下部ブリッジ26を含む。(少なくとも1つの)下部ブリッジ26は、さらに、前記第3のタブ27に隣接する剪断ゾーン28を有する(図5a)。
【0044】
外側本体30は、また、剪断部35を有する(図5b、図5c)。剪断部35は、例えば、半閉鎖型端部30aの部分および円筒状壁の部分からなっていてもよく、前記部分は、そこで外側本体30の厚さが低減される二重溝によって、画定される(図5c)。キャップ32は、例えば図5dおよび図5eに示されるように、外側本体30の半閉鎖型端部30aの外面に固定される。このために、キャップ32は、例えば、外側本体30の半閉鎖型端部30aの中心におよび特に剪断部35に属する前記端部のその部分に存在するオリフィスを通過することが意図されるスタッド(stud)を含んでいてもよい。キャップ32および外側本体30は、熱かしめ(heat staking)によって一緒に固定されてもよい。
【0045】
実際には、容器200の内容物にアクセスすることが望まれるとき、キャップ32の縁部は、それを把握しおよび引裂力(tearing force)を働かせるために持ち上げられる。この力は、外側本体30の閉鎖型端部30aのオリフィス内に熱かしめされたスタッドによって、キャップ32から剪断部35に伝達される。この力は、十分であれば、その低減された厚さのおかげで二重溝において破損を誘発することとなる。外側本体30の閉鎖型端部30aの部分および円筒状壁の部分が取り外されるので、外側本体30は、容易に取り除かれ得る。
【0046】
これは、ストッパー10を容器200の首部201内にロックするケージ20へのアクセスを与える。第3のタブ27は、最初に、それが上部リング21の方向においてケージ20の外側に向かって傾斜されるように考案され、その弾性特性のおかげで、それは、ケージ20が外側本体30内において軸方向にロックされたときに、外側本体30の内壁に平行に折れることができることを覚えておくべきである。外側本体30が取り除かれたときに、第3のタブ27は、有利には、ケージ20の外側に向かうその最初の傾斜を取り戻し、これは、使用者によってそれが把持されることを容易にする。開口タブ27は、有利には、細長い形状のものであり、これは、把持されることをさらにいっそう容易にする。
【0047】
第3のタブ27に対する把持および張力の適用は、下部ブリッジ26の剪断ゾーン28における破損を引き起こし、ケージ20は、次いで、容器200の首部201から容易に接続解除され得、取り除かれるべきストッパー10のためのフリーアクセスを残す。
【0048】
第3のタブ27は、その形状、傾斜および第2のブリッジ26上に形成される剪断ゾーン28に対する場所によって、複数のケージ20に関して信頼性のあるおよび繰り返し可能な破損を促進する。
【0049】
本発明による頂部100を形成する様々な要素(ケージ20、外側本体30、キャップ32)は、好ましくは、凍結乾燥プロセス、ガンマオートクレーブおよびエチレンオキサイド(ETO)滅菌プロセス、ならびに意図される利用分野と適合する(compatible with)プラスチック材料を、成形すること(molding)によって製造される。例えば、ケージ20、外側本体30およびキャップ32は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)のような材料から形成されてもよい。キャップ32は、全体的に取り除かれ得る頂部100の特定の実施形態において、その把持を容易にするために、例えばポリプロピレン(PP)のような可撓性プラスチック材料から形成され得ることに留意されたい。
【0050】
もちろん、本発明は、記載される実施形態および例に限定されず、および特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、それらに対して変形がなされてもよい。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e