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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】入浴情報報知システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/265 20220101AFI20240906BHJP
   F24D 15/00 20220101ALI20240906BHJP
   F24H 15/196 20220101ALI20240906BHJP
   F24H 15/395 20220101ALI20240906BHJP
   F24H 15/45 20220101ALI20240906BHJP
   F24H 15/457 20220101ALI20240906BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
F24H15/265
F24D15/00 B
F24H15/196 301Z
F24H15/395
F24H15/45 101
F24H15/457
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020129722
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2022026323
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】北野 啓一
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-093380(JP,A)
【文献】特開2003-172536(JP,A)
【文献】特開2006-113028(JP,A)
【文献】特開2006-065367(JP,A)
【文献】特開2002-015384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K3/00
F24D15/00
F24H1/00-15/493
G08B23/00-31/00
G08C13/00-25/04
H04Q9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に人が存在するか否かを検出可能な浴室側人検出部と、
前記浴室に隣接する脱衣室に人が存在するか否かを検出可能な脱衣室側人検出部と、
前記浴室及び前記脱衣室を利用し得るユーザが認識し得る報知情報を出力可能な報知情報出力部と、
前記浴室側人検出部により前記浴室に人が存在することが検出された場合に該浴室の使用中であることを示す浴室使用情報を前記報知情報出力部から出力させ、前記脱衣室側人検出部により前記脱衣室に人が存在することが検出された場合に該脱衣室の使用中であることを示す脱衣室使用情報を該報知情報出力部から出力させるように該報知情報出力部の作動制御を行う制御部とを備えており、
前記制御部は、前記脱衣室側人検出部により前記脱衣室に人が存在することが検出された場合において、該脱衣室に存在する人である脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴開始前の使用であるか否か、及び該脱衣室入室者の入浴終了後の使用であるか否かを推定する機能を有しており、該脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴開始前の使用であると推定される場合と、該脱衣室入室者の入浴終了後の使用であると推定される場合とで、それぞれの使用を識別可能な態様で前記脱衣室使用情報を前記報知情報出力部から出力させ、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室の空調を行い得る浴室空調装置の運転状態が所定の運転状態であるときに行われたという条件を少なくとも含む所定の第1条件が成立する場合に、前記脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴開始前の使用であると推定するように構成されていることを特徴とする入浴情報報知システム。
【請求項2】
請求項記載の入浴情報報知システムにおいて、
前記第1条件は、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室側人検出部により、前記浴室に人が存在することが検出されない状態で行われたという条件をさらに含むことを特徴とする入浴情報報知システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入浴情報報知システムにおいて、
前記制御部は、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室側人検出部により前記浴室に人が存在することが所定時間以上、継続して検出された後に行われたという条件を少なくとも含む所定の第2条件が成立する場合に、前記脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴終了後の使用であると推定するように構成されていることを特徴とする入浴情報報知システム。
【請求項4】
請求項記載の入浴情報報知システムにおいて、
前記第2条件は、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室側人検出部により、前記浴室に人が存在することが検出されない状態で行われたという条件をさらに含むことを特徴とする入浴情報報知システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1項に記載の入浴情報報知システムにおいて、
前記報知情報出力部は、前記ユーザが使用する携帯端末を含むことを特徴とする入浴情報報知システム。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載の入浴情報報知システムにおいて、
前記報知情報出力部は、給湯装置用のリモコンとして台所に配置されるリモコンを含むことを特徴とする浴槽情報報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室と脱衣室との使用状況を示す入浴情報を報知するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、浴室を使用しようとするユーザ(以降、浴室使用希望者という)の要求に応じて、浴室の使用状況を浴室使用希望者に報知するシステムが知られている。
【0003】
このシステムでは、浴室に配置された人感センサにより浴室に人が存在することが検知される場合に、浴室を使用できないことが浴室使用希望者に報知される。さらに、浴室に人が存在することが検知されない場合でも、浴室使用希望者からの要求を受けた直前の所定時間以内に、他のユーザからの要求に応じて浴室を使用できる旨の報知を行った場合には、当該他のユーザが浴室に入る直前の状態であるとみなして、浴室使用希望者に対して浴室を使用できないことが報知される。
【0004】
また、浴室に人が存在することが検知されない状態で、浴室使用希望者からの要求を受けたときに、その直前の所定時間以内に浴室に他のユーザが存在することが検知された場合には、当該他のユーザが浴室を退室してからの経過時間が、浴室を使用できる旨の情報と共に、浴室使用希望者に対して報知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-16361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に見られるシステムでは、浴室使用希望者が、浴室の使用状況を確認するための要求を行う前に、例えば他のユーザが当該システムに対する要求操作を行うことなく、浴室を使用して入浴する場合があり得る。
【0007】
この場合、当該他のユーザが浴室に隣接する脱衣室で脱衣等の入浴準備を行っている状況で、浴室使用希望者が浴室の使用状況を確認するための要求を行った場合には、該浴室使用希望者に対して浴室を使用できる旨の報知が行われてしまう。ひいては、他のユーザが脱衣室に居る状況で、浴室使用希望者が、不用意に脱衣室に入室しようとしてしまう虞がある。
【0008】
ここで、特許文献1に見られるシステムでは、各ユーザが、浴室を使用しようとする都度、浴室の使用状況を確認するための要求操作を必ず行うようにすれば、上記の不都合を回避し得る。しかるに、各ユーザが、浴室を使用しようとする都度、浴室の使用状況を確認するための要求操作を行うことは、各ユーザにとって、煩わしいものとなりやすい。
【0009】
また、特許文献1に見られるシステムでは、他のユーザが入浴後に脱衣室で着衣等を行っている状況で、浴室使用希望者が浴室の使用状況を確認するための要求を行った場合には、当該他のユーザが浴室から退室してからの経過時間が浴室使用希望者に報知されるものの、該経過時間だけでは、浴室使用希望者は、他のユーザが脱衣室から退室するタイミングが判りにくい。このため、浴室使用希望者は必要以上に長い時間、待機することになりやすい。
【0010】
さらに、特許文献1に見られるシステムでは、他のユーザが、浴室に存在する状況で、浴室使用希望者が浴室の使用状況を確認するための要求を行った場合には、当該他のユーザが入浴以外の目的で短時間だけ浴室に入室した場合であっても、浴室を使用できない旨の報知が浴室使用希望者に対してなされる。そして、このような場合には、浴室使用希望者は、浴室に入浴者が居ると思って、必要以上に長い時間、待機することになりやすい。
【0011】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、入浴しようとするユーザが、浴室とこれに隣接する脱衣室との使用状況を的確に認識し得るように該使用状況をユーザに報知することができる入浴情報報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の入浴情報報知システムは、上記の目的を達成するために、浴室に人が存在するか否かを検出可能な浴室側人検出部と、
前記浴室に隣接する脱衣室に人が存在するか否かを検出可能な脱衣室側人検出部と、
前記浴室及び前記脱衣室を利用し得るユーザが認識し得る報知情報を出力可能な報知情報出力部と、
前記浴室側人検出部により前記浴室に人が存在することが検出された場合に該浴室の使用中であることを示す浴室使用情報を前記報知情報出力部から出力させ、前記脱衣室側人検出部により前記脱衣室に人が存在することが検出された場合に該脱衣室の使用中であることを示す脱衣室使用情報を該報知情報出力部から出力させるように該報知情報出力部の作動制御を行う制御部とを備えており、
前記制御部は、前記脱衣室側人検出部により前記脱衣室に人が存在することが検出された場合において、該脱衣室に存在する人である脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴開始前の使用であるか否か、及び該脱衣室入室者の入浴終了後の使用であるか否かを推定する機能を有しており、該脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴開始前の使用であると推定される場合と、該脱衣室入室者の入浴終了後の使用であると推定される場合とで、それぞれの使用を識別可能な態様で前記脱衣室使用情報を前記報知情報出力部から出力させ、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室の空調を行い得る浴室空調装置の運転状態が所定の運転状態であるときに行われたという条件を少なくとも含む所定の第1条件が成立する場合に、前記脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴開始前の使用であると推定するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
【0013】
かかる第1発明によれば、浴室及び脱衣室のそれぞれで人が存在するか否かを検出するので、浴室及び脱衣室のそれぞれ毎に、使用中であるか否かを示し得る情報として信頼性の高い前記浴室使用情報と前記脱衣室使用情報とを報知情報出力部を介してユーザに提示することが可能となる。
【0014】
さらに、脱衣室に人が存在する場合(脱衣室の使用中である場合)には、脱衣室に存在する人(脱衣室入室者)による該脱衣室の使用が、入浴開始前の使用であると推定される場合と、入浴終了後の使用であると推定される場合とで、それぞれの使用を識別可能な態様で脱衣室使用情報が報知情報出力部から出力される。
【0015】
このため、ユーザは、浴室に人が存在しない場合であっても、脱衣室に人(脱衣室入室者)が存在する場合には、該脱衣室入室者が、入浴開始前の準備をしているユーザなのか、入浴終了後に浴室から脱衣室に移動したユーザなのか、あるいは、これら以外の用事で脱衣室に入室したユーザなのかを報知情報出力部から出力される情報によって認識することができる。
【0016】
このため、入浴しようとするユーザは、報知情報出力部から出力される情報によって、脱衣室及び浴室のそれぞれが使用中であるか否かを正しく認識し得ると共に、脱衣室が使用されている状況では、該脱衣室の使用目的を認識できるので、入浴可能となるタイミングを予測しやすくなる。ひいては、該タイミングまでの行動計画を立てやすくなる。
【0017】
よって、第1発明によれば入浴しようとするユーザが、浴室とこれに隣接する脱衣室との使用状況を的確に認識し得るように該使用状況をユーザに報知することができる。
【0019】
ここで、例えば冬季等、気温が低い状況では、入浴しようとするユーザは、浴室に入室する前に、浴室空調装置の運転状態を、例えば浴室の暖房を行う運転状態に設定する場合が多い。また、例えば夏季等、気温が高い状況では、入浴しようとするユーザは、浴室に入室する前に、浴室空調装置の運転状態を、例えば浴室への送風を行う運転状態に設定する場合が多い。このように、浴室空調装置の運転状態は、入浴しようとするユーザが浴室に入室する前に、特定の運転状態に設定されることが多い。
【0020】
そこで、第発明では、前記制御部は、脱衣室の使用が脱衣室入室者の入浴開始前の使用であると推定することを上記の如く行う。これにより、脱衣室に存在する人(脱衣室入室者)が入浴開始前に該脱衣室を使用している可能性が高い状況で、そのことを他の使用と区別して推定することが可能となる。
【0021】
上記第発明では、前記第1条件は、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室側人検出部により、前記浴室に人が存在することが検出されない状態で行われたという条件をさらに含むことが好ましい(第発明)。これによれば、脱衣室の使用が脱衣室入室者の入浴開始前の使用であると推定する場合に、その推定結果の信頼性をより一層高めることができる。
【0022】
上記第1または発明では、前記制御部は、例えば、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室側人検出部により前記浴室に人が存在することが所定時間以上、継続して検出された後に行われたという条件を少なくとも含む所定の第2条件が成立する場合に、前記脱衣室入室者による該脱衣室の使用が、該脱衣室入室者の入浴終了後の使用であると推定するように構成されているという態様を採用し得る(第発明)。
【0023】
ここで、入浴のために浴室に入室したユーザが、入浴を終えて浴室から退室するまでには、ある程度時間がかかる。従って、浴室に人が存在することが所定時間以上、継続して検出された後に、脱衣室での人の存在が検出された場合に、該脱衣室に存在する人は、入浴後に、浴室から脱衣室に移動した人である可能性が高い。
【0024】
そこで、第発明では、前記制御部は、脱衣室の使用が脱衣室入室者の入浴終了後の使用であると推定することを上記の如く行う。これにより、脱衣室に存在する人(脱衣室入室者)が入浴終了後に該脱衣室を使用している可能性が高い状況で、そのことを他の使用と区別して推定することが可能となる。
【0025】
上記第発明では、前記第2条件は、前記脱衣室側人検出部による人の存在の検出が、前記浴室側人検出部により、前記浴室に人が存在することが検出されない状態で行われたという条件をさらに含むことが好ましい(第発明)。これによれば、脱衣室の使用が脱衣室入室者の入浴終了後の使用であると推定する場合に、その推定結果の信頼性をより一層高めることができる。
【0026】
上記第1~第発明では、前記報知情報出力部は、前記ユーザが使用する携帯端末を含み得る(第発明)。これによれば、ユーザは、特定の場所に移動することを必要とせずに、自身の携帯端末で容易に浴室使用情報及び脱衣室使用情報を確認することができる。
【0027】
また、上記第1~第発明では、前記報知情報出力部は、給湯装置用のリモコンとして台所に配置されるリモコンを含み得る(第発明)。これによれば、ユーザは、冷蔵庫等の利用頻度が比較的高い装置が存在する台所で、既存のリモコンを介して容易に浴室使用情報及び脱衣室使用情報を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態の入浴情報システムの全体構成を示す図。
図2図1に示す給湯装置の制御装置7の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の一実施形態を図1及び図2を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の入浴情報報知システム1は、給湯装置2と、浴室空調装置20と、該給湯装置2及び浴室空調装置20が設置された住戸の浴室BRを使用する各ユーザが日常的に携帯する携帯端末30とを用いて構築されたシステムである。
【0030】
給湯装置2は、台所や浴室、洗面所等の給湯対象部(図示省略)に供給する給湯用水を加熱する給湯運転を行い得る熱源機3と、熱源機3の作動制御を行う機能を有する制御装置7(以降、給湯制御装置7という)と、熱源機3の運転操作をユーザが行うためのリモコン10とを備える。
【0031】
熱源機3は、例えば公知の構成の熱源機であり、その給湯運転時に、給水路4から供給される給湯用水を加熱し、その加熱した給湯用水を給湯路5を介して給湯対象部に供給する。なお、熱源機3は、給湯運転の他、浴室BRの浴槽BTへの湯はりや、浴槽BT内の湯水の加熱等の風呂運転を行い得るように構成された熱源機であってもよい。さらに、熱源機3は、例えば浴室空調装置20の後述の空調本体部21等、暖房運転機能を有する装置との間で暖房用の温水を循環させつつ加熱し得るように構成された熱源機であってもよい。
【0032】
リモコン10は、例えば台所に配置される第1リモコン10aと、浴室に配置される第2リモコン10bとの2つのリモコンを含む。これらのリモコン10a,10bのそれぞれは、複数の操作スイッチを含む操作部(図示省略)と、熱源機3の作動等に関する様々な情報を表示可能な液晶ディスプレイ等の表示部11と、音声情報や警報音を出力可能なスピーカ等の発音部12と備えると共に、給湯制御装置7と有線又は無線による通信を行うことが可能である。
【0033】
また、浴室BRに配置される第2リモコン10bには、浴室BRに人が存在するか否かを検出可能な浴室側人検出部13が搭載されている。該浴室側人検出部13は、例えば赤外線、超音波、可視光等を使用する公知の人感センサを用いて構成され得る。そして、第2リモコン10bは、浴室側人検出部13による検出データを適宜、給湯制御装置7に送信することが可能である。
【0034】
また、リモコン10a,10bの一方、例えば台所に配置される第1リモコン10aは、各ユーザの携帯端末30とWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式による無線通信を適宜、行い得るように構成されている。この場合、各ユーザの携帯端末30は、例えばスマートフォン、タブレット端末、フィーチャーフォン等により構成され得る。そして、第1リモコン10aと各ユーザの携帯端末30との間で通信接続を行うための初期設定が、第1リモコン10aと各ユーザの携帯端末30とであらかじめなされている。
【0035】
なお、本実施形態では、第1リモコン10aと各ユーザの携帯端末30とは、本発明における報知情報出力部としての機能を有するものである。
【0036】
給湯制御装置7は、例えばマイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路等を含む1つ以上の電子回路ユニットにより構成され、熱源機3に搭載されている。そして、給湯制御装置7は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能によって、各リモコン10と有線又は無線による通信を行い得ると共に、浴室空調装置20の後述の制御装置23と有線又は無線による通信を行い得る。
【0037】
さらに、給湯制御装置7は、各リモコン10での操作に応じて該リモコン10から与えられる運転指令等に応じて熱源機3の作動制御を行う機能を有すると共に、浴室BRでの入浴に関連する情報として、浴室BRの使用状況と該浴室BRに隣接する脱衣室UDRの使用状況とを示す情報(以降、入浴報知情報という)をユーザに報知するための処理を実行する機能を有する。従って、本実施形態では、給湯制御装置7は、本発明における制御部の一例として機能するように構成されている。
【0038】
浴室空調装置20は、浴室BRの天井(又は側壁)に設置される空調本体部21と、空調本体部21の作動制御を行う機能を有する制御装置23(以降、空調制御装置23という)と、空調本体部21の運転操作をユーザが行うためのリモコン25(以降、空調リモコン25という)とを備える。
【0039】
空調本体部21は、例えば、浴室BRの暖房、乾燥、換気、浴室BRへの涼風の送風等の空調運転を行い得る公知の構成のものである。なお、空調本体部21は、上記の空調運転の他、浴室BR内にミストを噴霧するミスト運転等を行い得るものであってもよい。
【0040】
空調リモコン25は、浴室BRに隣接する脱衣室UDRに配置されるリモコンであり、複数の操作スイッチを含む操作部(図示省略)と、空調本体部21の作動等に関する様々な情報を表示可能な表示部26とを備えると共に、空調制御装置23と有線又は無線による通信を行うことが可能である。
【0041】
また、空調リモコン25には、脱衣室UDRに人が存在するか否かを検出可能な脱衣室側人検出部27が搭載されている。該脱衣室側人検出部27は、前記浴室側人検出部13と同様に、公知の人感センサを用いて構成され得る。そして、空調リモコン25は、脱衣室側人検出部27による検出データを適宜、空調制御装置23に送信することが可能である。
【0042】
空調制御装置23は、例えばマイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路等を含む1つ以上の電子回路ユニットにより構成され、空調本体部21に搭載されている。そして、該空調制御装置23は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能によって、空調リモコン25及び前記給湯制御装置7のそれぞれと無線又は有線による通信を行うことが可能であると共に、空調リモコン25の操作部の操作に応じて該空調リモコン25から与えられる運転指令等に応じて空調本体部21の作動制御を行う機能を有する。さらに、空調制御装置23は、給湯制御装置7からの要求等に応じて、空調本体部21の運転状態を給湯制御装置7に通知したり、脱衣室側人検出部27による検出データを空調リモコン25から取得して、給湯制御装置7に送信することが可能である。
【0043】
各ユーザの携帯端末30には、浴室BR及び脱衣室UDRのそれぞれの使用状況を確認するためのアプリケーションがあらかじめインストールされている。そして、該アプリケーションを起動した各ユーザの携帯端末30は、第1リモコン10aとの通信を通じて、前記入浴報知情報を取得し、該入浴報知情報を該携帯端末30で表示情報もしくは音声情報としてユーザに提示することが可能である。以上、上記アプリケーションを入浴情報アプリという。
【0044】
次に、浴室BR及び脱衣室UDRのそれぞれの使用状況をユーザに報知することに関する処理を具体的に説明する。給湯制御装置7は、所定の演算処理周期で、図2のフローチャートに示す処理を実行する。
【0045】
STEP1において、給湯制御装置7は、浴室BRに人が存在するか否かを判断する。この場合、給湯制御装置7は、浴室側人検出部13の検出データを第2リモコン10bに要求する。このとき、第2リモコン10bは、浴室側人検出部13の検出データを取得し、給湯制御装置7に送信する。そして、給湯制御装置7は、第2リモコン10bから受信した検出データに基づいてSTEP1の判断処理を実行する。
【0046】
STEP1の判断結果が肯定的である場合には、給湯制御装置7は、さらに、STEP2において、脱衣室UDRに人が存在するか否かを判断する。この場合、給湯制御装置7は、脱衣室側人検出部27の検出データを空調制御装置23に要求する。このとき、空調制御装置23は、脱衣室側人検出部27の検出データを空調リモコン25を介して取得し、給湯制御装置7に送信する。そして、給湯制御装置7は、空調制御装置23から取得した検出データに基づいてSTEP2の判断処理を実行する。
【0047】
STEP2の判断結果が肯定的である場合(浴室BR及び脱衣室UDRの両方に人が存在している場合)には、STEP3において、給湯制御装置7は、浴室BRに存在する人が入浴のために浴室BRに居ると確定し得る条件(以降、入浴確定条件という)が成立するか否かを判断する。本実施形態では、入浴確定条件は、例えばSTEP1の判断結果が肯定的になる状態(浴室側人検出部13により人の存在が検出される状態)が所定時間以上、継続するという条件である。
【0048】
なお、入浴確定条件は、STEP1の判断結果が肯定的になる状態の継続時間に限らず、例えば、浴槽BT内に水位の変化に基づく条件、あるいは、浴槽BR内での人の動きに関する条件、あるいは、これらを複合させた条件等であってもよい。
【0049】
STEP3の判断結果が肯定的である場合(入浴確定条件が成立する場合)には、給湯制御装置7は、STEP4において、浴室BRの使用状況の推定結果を示す状態データ(以降、浴室使用状態推定データという)と脱衣室UDRの使用状況の推定結果を示す状態データ(脱衣室使用状態推定データという)とを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。
【0050】
この場合、STEP4では、浴室BRに居る人は、入浴目的で浴室BRに居る可能性が高いことから、浴室使用状態推定データとして、浴室BRが入浴での使用中であることを示すデータが設定される。また、脱衣室UDRに居る人は、入浴以外の目的(例えば、洗面、手洗い等)で脱衣室UDRに居る可能性があることから、脱衣室使用状態推定データとして、単に、脱衣室UDRが使用中であることを示すデータが設定される。
【0051】
STEP3の判断結果が否定的である場合(入浴確定条件が成立しない場合)には、給湯制御装置7は、STEP5において、浴室使用状態推定データと脱衣室使用状態推定データとを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。
【0052】
この場合、STEP5では、浴室BRに存在する人は、入浴以外の目的で浴室BRに居る可能性があることから、浴室使用状態推定データとして、単に、浴室BRが使用中であることを示すデータが設定される。また、脱衣室UDRに居る人は、STEP4と同様に、入浴以外の目的で脱衣室UDRに居る可能性があることから、脱衣室使用状態推定データとして、単に、脱衣室UDRが使用中であることを示すデータが設定される。
【0053】
前記STEP2の判断結果が否定的である場合(浴室BRに人が存在し、且つ、脱衣室UDRには人が存在しない場合)には、給湯制御装置7は、STEP6において、前記STEP3と同様に、入浴確定条件が成立するか否かを判断する。
【0054】
このSTEP6の判断結果が肯定的である場合(入浴確定条件が成立する場合)には、給湯制御装置7は、STEP7において、浴室使用状態推定データと脱衣室使用状態推定データとを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。この場合、STEP7では、浴室BRに居る人は、STEP4と同様に、入浴目的で浴室BRに居る可能性が高いことから、浴室使用状態推定データとして、浴室BRが入浴での使用中であることを示す状態データが設定される。また、脱衣室UDRには、人が居ないので、脱衣室使用状態推定データとして、脱衣室UDRが未使用であることを示すデータが設定される。
【0055】
STEP6の判断結果が否定的である場合(入浴確定条件が成立しない場合)には、給湯制御装置7は、STEP8において、浴室使用状態推定データと脱衣室使用状態推定データとを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。
【0056】
この場合、STEP8では、浴室BRに居る人は、入浴以外の目的で浴室BRに居る可能性があることから、浴室使用状態推定データとして、STEP5と同様に、単に、浴室BRが使用中であることを示すデ゛ータが設定される。また、脱衣室UDRには、人が居ないので、脱衣室使用状態推定データとして、脱衣室UDRが未使用であることを示すデータが設定される。
【0057】
前記STEP1の判断結果が否定的である場合(浴室BRの人が存在しない場合)には、給湯制御装置7は、さらに、STEP9において、脱衣室UDRに人が存在するか否かを判断する。この判断処理は、前記STEP2と同様に行われる。
【0058】
そして、STEP9の判断結果が肯定的である場合(浴室BRに人が存在せず、且つ、脱衣室UDRに人が存在する場合)には、給湯制御装置7は、前記入浴確定条件が成立した後の状態であるか否か(詳しくは、STEP1の判断結果が肯定的になる状態で、STEP3又は6で入浴確定条件が成立した後に、STEP1の判断結果が肯定的になった状態であるか否か)を判断する。
【0059】
このSTEP10の判断結果が肯定的である場合(入浴確定条件が成立した後の状態である場合)には、給湯制御装置7は、STEP11において、浴室使用状態推定データと脱衣室使用状態推定データとを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。この場合、STEP11では、浴室BRには人が居ないので、浴室使用状態推定データとして、浴室BRが未使用であることを示すデータが設定される。また、脱衣室UDRに居る人は、浴室BRでの入浴の終了後に浴室BRから脱衣室UDRに移動して、着衣等を行っている可能性が高いことから、脱衣室使用状態推定データとして、入浴終了後の脱衣室UDRの使用中であることを示すデータが設定される。
【0060】
従って、本実施形態では、STEP1の判断結果が否定的となり、且つ、STEP10の判断結果が肯定的になる状況で、脱衣室UDRに人が存在することが検出されるという条件が本発明における第2条件に相当し、この条件が成立する場合に、脱衣室UDRに人が存在する人(脱衣室入室者)による脱衣室UDRの使用が、該脱衣室入室者の入浴終了後の脱衣室UDRの使用であると推定される。
【0061】
STEP10の判断結果が否定的である場合(入浴確定条件が成立した後の状態でない場合)には、給湯制御装置7は、さらに、STEP12において、浴室空調装置20の運転状態が所定の運転状態であるか否かを判断する。
【0062】
ここで、該所定の運転状態は、入浴しようとするユーザが、利用する可能性が高い浴室空調装置20の運転状態である。例えば、冬季等、気温が比較的低い状況では、入浴しようとするユーザは、浴室BRに入室する前に、浴室BRを暖房する暖房運転を浴室空調装置20に実行させたり、あるいは、浴室空調装置20の換気運転を一時的に停止させることが多い。また、夏季等、気温が比較的高い状況では、入浴しようとするユーザは、浴室BRに入室する前に、浴室BRに涼風を送風する送風運転を浴室空調装置20に実行させることが多い。
【0063】
そこで、本実施形態では、給湯制御装置7は、浴室空調装置20の運転状態が、暖房運転の実行状態である場合、あるいは、換気運転の一時的な停止状態である場合、あるいは、送風運転の実行状態である場合に、STEP12の判断結果が肯定的であると判断し、これら以外の運転状態では、STEP12の判断結果が否定的であると判断する。
【0064】
そして、STEP12の判断結果が肯定的である場合には、給湯制御装置7は、STEP13において、浴室使用状態推定データと脱衣室使用状態推定データとを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。この場合、STEP13では、浴室BRには人が居ないことから、浴室使用状態推定データとして、浴室BRが未使用であることを示すデータが設定される。また、脱衣室UDRに居る人は、入浴開始前の準備(脱衣等)を行っている可能性が高いことから、脱衣室使用状態推定データとして、入浴開始前の脱衣室UDRの使用中であることを示すデータが設定される。
【0065】
従って、本実施形態では、STEP1の判断結果が否定的となり、且つ、STEP10の判断結果が否定的になり、且つ、STEP12の判断結果が肯定的になる状況で、脱衣室UDRに人が存在することが検出されるという条件が本発明における第1条件に相当し、この条件が成立する場合に、脱衣室UDRに人が存在する人(脱衣室入室者)による脱衣室UDRの使用が、該脱衣室入室者の入浴開始前の脱衣室UDRの使用であると推定される。
【0066】
STEP12の判断結果が否定的である場合には、給湯制御装置7は、STEP14において、浴室使用状態推定データと脱衣室使用状態推定データとを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。この場合、STEP14では、浴室BRには人が居ないことから、浴室使用状態推定データとして、浴室BRが未使用であることを示すデータが設定される。また、脱衣室UDRに存在する人は、入浴に関連しない目的で脱衣室UDRに居る可能性があることから、脱衣室使用状態推定データとして、単に、脱衣室UDRの使用中であることを示すデータが設定される。
【0067】
また、前記STEP9の判断結果が否定的である場合(浴室BR及び脱衣室UDRの両方に人が存在しない場合)には、給湯制御装置7は、STEP15において、浴室使用状態推定データと脱衣室使用状態推定データとを決定して、今回の演算処理周期の処理を終了する。この場合、浴室BRに人が居ないことから、浴室使用状態推定データとして、浴室BRが未使用であることを示すデータが設定される。また、脱衣室UDRに人が居ないことから、脱衣室使用状態推定データとして、脱衣室UDRが未使用であることを示すデータが設定される。
【0068】
給湯制御装置7は、以上の如く、浴室BRの使用状況の推定結果を示す浴室使用状態推定データと、脱衣室UDRの使用状況の推定結果を示す脱衣室使用状態推定データとを逐次決定する。
【0069】
一方、各ユーザは、これから入浴しようとするタイミング等において、浴室BR及び脱衣室UDRの使用状況を前記入浴報知情報により確認しようとするときには、給湯装置2の第1リモコン10aで当該確認のための所定の操作を行い、あるいは、前記入浴情報アプリを起動した自身の携帯端末30で当該確認のための所定の操作を行う。
【0070】
この場合、第1リモコン10aで上記確認のための操作が行われた場合には、該第1リモコン10aから給湯制御装置7に入浴報知情報の要求が行われる。これに応じて、給湯制御装置7は、現在の浴室使用状態推定データ及び脱衣室使用状態推定データを入浴報知情報として第1リモコン10aに送信する。そして、第1リモコン10aは、受信した浴室使用状態推定データ及び脱衣室使用状態推定データのそれぞれの内容を示す入浴報知情報を、表示情報として表示部11に表示させることと、音声情報として発音部12から出力させることとの両方又は一方を実行する。
【0071】
この場合、浴室使用状態推定データが、浴室BRの入浴での使用中であることを示すデータである場合に、ユーザに対して出力される入浴報知情報(表示情報及び音声情報の両方又は一方)のうち、該浴室使用状態推定データの内容を示す情報(浴室使用情報)は、浴室BRの使用が入浴目的の使用であることをユーザが識別し得る情報である。
【0072】
また、脱衣室使用状態推定データが、入浴開始前の脱衣室UDRの使用中であることを示すデータである場合に、ユーザに対して出力される入浴報知情報(表示情報及び音声情報の両方又は一方)のうち、該脱衣室使用状態推定データの内容を示す情報(脱衣室使用情報)は、脱衣室UDRの使用が、該脱衣室UDRに存在する人の入浴開始前の使用であることをユーザが識別し得る情報である。
【0073】
また、脱衣室使用状態推定データが、入浴終了後の脱衣室UDRの使用中であることを示すデータである場合に、ユーザに対して出力される入浴報知情報(表示情報及び音声情報の両方又は一方)のうち、該脱衣室使用状態推定データの内容を示す情報(脱衣室使用情報)は、脱衣室UDRの使用が、該脱衣室UDRに存在する人の入浴終了後の使用であることをユーザが識別し得る情報である。
【0074】
なお、上記表示情報は、浴室使用状態推定データ及び脱衣室使用状態推定データのそれぞれの内容をユーザが視覚的に認識し得るものであればよく、例えば文字、図形、ランプの点灯もしくは点滅、あるいは、これらの組み合わせにより構成され得る。
【0075】
また、ユーザが、前記入浴情報アプリを起動した自身の携帯端末30で、浴室BR及び脱衣室UDRの使用状況を確認するための所定の操作を行った場合には、入浴報知情報の要求が該携帯端末30から第1リモコン10aを介して給湯制御装置7に送信される。これに応じて、給湯制御装置7は、現在の浴室使用状態推定データ及び脱衣室使用状態推定データを入浴報知情報として第1リモコン10aを介して上記携帯端末30(上記所定の操作が行われた携帯端末30)に送信する。そして、該携帯端末30は、受信した浴室使用状態推定データ及び脱衣室使用状態推定データのそれぞれの内容を示す入浴報知情報(浴室使用情報及び脱衣室使用情報を、表示情報として該携帯端末30の表示部31に表示させることと、音声情報として該携帯端末30の発音部(図示省略)から出力させることとの両方又は一方を実行する。
【0076】
この場合、リモコン10aでの情報出力の場合と同様に、浴室使用状態推定データが、浴室BRの入浴での使用中であることを示すデータである場合、脱衣室使用状態推定データが、入浴開始前の脱衣室UDRの使用中であることを示すデータである場合、あるいは、脱衣室使用状態推定データが、入浴終了後の脱衣室UDRの使用中であることを示すデータである場合に、携帯端末30によりユーザに対して出力される入浴報知情報(表示情報及び音声情報の両方又は一方)のうち、当該データに対応する情報は、リモコン10aでの入浴報知情報の出力の場合と同様に、当該データの内容をユーザが識別し得る情報である。
【0077】
なお、携帯端末30での表示情報は、第1リモコン10aでの表示情報と同じ形態の表示情報あるいは異なる形態の表示情報のいずれであってもよい。また、携帯端末30での音声情報は、第1リモコン10aでの音声情報と同じ文章構成の音声情報、あるいは異なる文章構成の音声情報であってもよい。
【0078】
また、本実施形態では、携帯端末30で、入浴報知情報を出力する場合において、浴室使用状態推定データが、浴室BRの使用中であることを示すデータである場合、あるいは、脱衣室使用状態データが、脱衣室UDRの入浴開始前の使用中もしくは入浴終了後の使用中であることを示すデータである場合には、さらに、入浴できない旨を示す情報を、表示情報及び音声情報の両方もしくは一方の情報として携帯端末30から出力させる。
【0079】
また、浴室使用状態推定データが未使用であることを示すデータであり、且つ、脱衣室使用状態データが、脱衣室UDRの入浴開始前の使用中もしくは入浴終了後の使用中であることを示すデータでない場合(脱衣室UDRが単なる使用中であることを示すデータであるか、又は、未使用であることを示すデータである場合)には、さらに、入浴できる旨を示す情報を、表示情報及び音声情報の両方もしくは一方の情報として携帯端末30から出力させる。これにより、入浴しようとするユーザは、自身の携帯端末30で入浴できるか否かを容易に認識することができる。なお、上記のように入浴できるか否かの情報をユーザに報知することは、携帯端末30に限らず、第1リモコン10aでも行うようにしてもよい。
【0080】
上記のように、第1リモコン10a又はユーザの携帯端末30で入浴報知情報が出力されることで、例えば、ユーザのうちの一人のユーザAが浴室BRに存在する状況で、入浴しようとするユーザBが第1リモコン10aまたは自身の携帯端末30で入浴報知情報を確認すると、浴室BRの使用状況に関する入浴報知情報として、浴室BRの使用中であることを示す情報、又は入浴での使用中であることを示す情報がユーザBに提示される。このため、ユーザBは待機する。
【0081】
その後、ユーザAが浴室BRから脱衣室UDRに移動した状態で、ユーザBが第1リモコン10aまたは自身の携帯端末30で入浴報知情報を確認すると、浴室BRの使用状況に関する入浴報知情報として、浴室BRが未使用であることを示す情報がユーザBに提示されると共に、脱衣室UDRの使用状況に関する入浴報知情報として、脱衣室UDRが使用中であることを示す情報、又は入浴終了後の使用中であることを示す情報がユーザBに提示される。これにより、ユーザBは、まもなく、入浴することが可能になることを認識できる。
【0082】
さらに、その後、ユーザBが脱衣室UDRから退室した状態で、ユーザBが第1リモコン10aまたは自身の携帯端末30で入浴報知情報を確認すると、浴室BRの使用状況に関する入浴報知情報として、浴室BRが未使用であることを示す情報がユーザBに提示されると共に、脱衣室UDRの使用状況に関する入浴報知情報として、脱衣室UDRが未使用であることを示す情報がユーザBに提示される。これにより、ユーザBは、入浴することが可能になったことを認識することができる。
【0083】
以上の如く、第1リモコン10a又はユーザの携帯端末30で出力される入浴報知情報によって、入浴しようとするユーザは、浴室BRや脱衣室UDRを覗いたりすることなく、浴室BR及び脱衣室UDRの使用状況を容易に認識することができる。
【0084】
特に、脱衣室UDRが使用中である場合(脱衣室UDRに人が存在する場合)において、入浴しようとするユーザは、該脱衣室UDRの使用が、入浴終了後の使用であるか、入浴終了前の使用であるか、あるいは、それ以外の目的での使用であるかを区別して認識することができる。
【0085】
このため、入浴しようとするユーザは、自身が入浴し得るタイミングを予測しやすくなる共に、脱衣室UDRを使用しているユーザと時間調整を行いやすくなる。また、他のユーザが入浴開始前あるいは入浴終了後に脱衣室UDRを使用している状況で、入浴しようとするユーザが不用意に脱衣室UDRに入室しようとしてしまうことを回避することができる。
【0086】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか例示する。
【0087】
前記実施形態では、第1リモコン10a又は携帯端末30でユーザが所定の操作を行うことに応じて、該第1リモコン10a又は携帯端末30で入浴報知情報としての表示情報を常時又は一定の周期で出力させるようにしてもよい。
【0088】
また、前記実施形態では、図2のフローチャートに示した処理を給湯制御装置7で実行するようにしたが、該処理の全体もしくは一部を例えば、第1リモコン10a又は第2リモコン10bで実行するようにすることも可能である。さらに、該処理を、給湯装置2とは別の装置で実行してもよい。さらに、本発明における報知情報出力部を給湯装置2とは別の装置に備えてもよい。また、浴室側人検出部を第2リモコン10bと別体で浴室BRに配置したり、脱衣室側人検出部を空調リモコン25と別体で脱衣室UDRに配置してもよい。
【0089】
また、入浴報知情報の出力は、例えば、第1リモコン10aと携帯端末30とのいずれか一方だけで行うようにしてもよく、あるいは、第1リモコン10a及び携帯端末30とは別の装置で行うようにしてもよい。また、例えば、給湯装置2の第1リモコン10a又は第2リモコン10b又は給湯制御装置7と、ユーザの携帯端末30とが、インターネット等の外部ネットワークを介して外部のサーバと通信を行い得る場合には、該サーバからユーザの携帯端末30に入浴報知情報を適宜送信するようにしてもよい。
【0090】
また、脱衣室UDRに人が存在することが検出された場合に、例えば、浴室BRに人が存在するか否かによらずに、前記STEP10,12の判断処理を介して脱衣室UDRの使用が、入浴終了後の使用であるか、入浴開始前の使用であるかを推定することも可能である。ただし、入浴終了後の使用であるか、入浴開始前の使用であるかの推定結果の信頼を高める上では、前記実施形態の如く、浴室BRに人の存在が検出されないことを必要条件として、当該推定を行うことが好ましい。
【符号の説明】
【0091】
1…入浴情報報知システム、7…制御装置(制御部)、10a…第1リモコン(報知情報出力部、リモコン)、13…浴室側人検出部、27…脱衣室側人検出部、20…浴室空調装置、30…携帯端末。
図1
図2