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  • 特許-研磨パッド及びその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】研磨パッド及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/26 20120101AFI20240906BHJP
   B24B 37/22 20120101ALI20240906BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20240906BHJP
【FI】
B24B37/26
B24B37/22
B24B37/24 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020159096
(22)【出願日】2020-09-23
(65)【公開番号】P2022052608
(43)【公開日】2022-04-04
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005359
【氏名又は名称】富士紡ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小池 堅一
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-195839(JP,A)
【文献】特開2010-082707(JP,A)
【文献】特表2017-513722(JP,A)
【文献】特開2000-332069(JP,A)
【文献】特開2013-006256(JP,A)
【文献】特開2006-346805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/00 - 37/34
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション層と、接着層と、研磨層とがこの順で積層してなる研磨パッドであって、
前記クッション層は、前記研磨層側の面に、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を有しており、
前記研磨層は、前記接着層を介して、前記凸部及び前記凹部に沿って前記クッション層に貼り合わされていることにより、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を表面に有し、
前記研磨層の前記凹凸形状は、曲面形状であり、かつ前記凸部と前記凹部とが規則的なパターンで並ぶように形成されており、
前記研磨層の前記凸部の形状は、前記研磨層の前記凹部を反転させた形状である、研磨パッド。
【請求項2】
研磨面側から平面視したときに、前記研磨層の前記凹凸形状は、前記凸部と前記凹部とが、縦横方向に交互に並ぶように形成されている、請求項に記載の研磨パッド。
【請求項3】
前記研磨層における、1つの前記凹部を挟んで隣り合う前記凸部の頂点間の距離は、5mm以上、50mm以下である、請求項に記載の研磨パッド。
【請求項4】
前記研磨層の前記凹部の底点を基準とした前記凸部の頂点の高さは、0.5mm以上、30mm以下である、請求項1~の何れか1項に記載の研磨パッド。
【請求項5】
前記研磨層は、研磨面側に溝が形成されている、請求項1~の何れか1項に記載の研磨パッド。
【請求項6】
直径20mmの円形状の加圧板を用いた40%圧縮硬さが、80gf/cm以上、350gf/cm以下である、請求項1~の何れか1項に記載の研磨パッド。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の研磨パッドの製造方法であって、
複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を有するクッション層と、研磨層とを、接着層を介して、前記研磨層が前記凹凸形状に沿うように重ね合わせて得られた積層体を接着する、研磨パッドの製造方法であって、
前記凹凸形状は、曲面形状であり、かつ前記凸部と前記凹部とが規則的なパターンで並ぶように形成されており、
前記凸部の形状は、前記凹部を反転させた形状である、研磨パッドの製造方法。
【請求項8】
プロファイル加工により前記クッション層に前記凹凸形状を付与することを含む、請求項に記載の研磨パッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨パッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、若しくはタブレット型PCのような多機能型モバイル機器、ミュージックプレーヤー、携帯ゲーム機器、カメラ、及び時計等に用いられる筐体は、他の製品との差別化を図るために、様々な形状が採用されている。近年では、小型携帯電子機器の形状として、外周に向けて厚さを減少させ、外周に沿って湾曲面が形成されている形状のように、厚さに変化をもたせた形状が多用されている。金属筐体又は樹脂筐体における外周に沿った湾曲面は、切削加工又は金型成形により加工されるが、加工後の表面には切削又は成形に由来する加工痕又はうねりが存在する。そこで、湾曲面形状を崩すことなく加工痕又はうねりを取り去り、表面粗さをナノレベルに低減する研磨工程が必要となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、研磨面が湾曲面をなす研磨対象物の研磨に用いられ、前記研磨対象物を前記研磨パッドに押し付けて、湾曲面をなす研磨面に追従した形状に前記研磨パッドを変形させつつ研磨する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-196224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、研磨パッドを研磨対象物の形状に変形させて研磨を行うことを示しているが、研磨対象物に対しスラリーが潤沢な箇所とスラリーが届きにくい箇所が存在することで研磨ムラが生じる。そのため、研磨ムラを解消するために、研磨工程中に研磨対象物の向きを変更する操作を行う必要があり生産効率が悪い。さらに、板状ではなく立体的な研磨対象物を研磨パッドに沈みこませた際に、研磨対象物と研磨パッドとの間が塞がり、スラリーを供給及び排出することができず、未研磨部分が生じたり、研磨精度が低下したりするという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、研磨パッドと被研磨物との間において研磨スラリーの供給及び排出が可能であり、研磨品質及び研磨効率を向上できる研磨パッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る研磨パッドは、クッション層と、接着層と、研磨層とがこの順で積層してなる研磨パッドであって、前記クッション層は、前記研磨層側の面に、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を有しており、前記研磨層は、前記接着層を介して、前記凸部及び前記凹部に沿って前記クッション層に貼り合わされていることにより、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を表面に有し、前記研磨層の前記凹凸形状は、曲面形状であり、かつ前記凸部と前記凹部とが規則的なパターンで並ぶように形成されている。
【0008】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る研磨パッドの製造方法は、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を有するクッション層と、研磨層とを、接着層を介して、前記研磨層が前記凹凸形状に沿うように重ね合わせて得られた積層体を接着する研磨パッドの製造方法であって、前記凹凸形状は、曲面形状であり、かつ前記凸部と前記凹部とが規則的なパターンで並ぶように形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、研磨パッドと被研磨物との間において研磨スラリーの供給及び排出が可能であり、研磨品質及び研磨効率を向上できる研磨パッド及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る研磨パッドの構成を示す断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る研磨パッドの使用状態を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る研磨パッドを研磨面側から平面視したときの研磨層の凹凸形状の配列パターンを示す模式図である。
図4】研磨層の凹凸形状の別の配列パターンを示す模式図である。
図5図1の点線丸囲みで示す部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
[研磨パッド]
図1は、本実施形態に係る研磨パッド10の構成を示す部分断面図である。図1に示すように、研磨パッド10は、クッション層11と、接着層12と、研磨層13とがこの順に積層された構成を有している。
【0013】
クッション層11は、複数の凸部111及び複数の凹部112からなる凹凸形状を、研磨層13と対向する側に有している。研磨層13は、接着層12を介して、クッション層11の凹凸形状に沿って、クッション層11に貼り合わされている。これにより、研磨層13の表面には、複数の凸部131及び複数の凹部132からなる凹凸形状が形成されている。詳細は後述するが、研磨パッド10を研磨面側から平面視したときに、研磨パッド10における凸部131と凹部132とは、縦横方向に交互に並ぶように形成されている(後述の図3)。説明の便宜上、奥に見える隣の列の凸部は、破線で示している。
【0014】
図2は、研磨パッド10を使用して研磨を行っている状態を模式的に示す断面図である。図2に示すように、研磨装置1の研磨定盤20には、研磨定盤側接着層30を介して研磨パッド10が貼り付けられている。また、被研磨物Wが、保持定盤50に取り付けられているスペーサー40によって、研磨パッド10に押し当てられている。ここで、被研磨物Wの被研磨面には、平面部W1と曲面部W2とが含まれている。図2に示すように、被研磨物Wの研磨においては、被研磨物Wが研磨パッド10上でスペーサー40によって上から押し当てられ、研磨パッド10に沈み込んだ状態となる。被研磨物Wの押し当てから解放されると、研磨パッド10は元の形態に戻る。
【0015】
研磨パッド10が、凹凸形状を有するクッション層11に沿って研磨層13が貼り合わされた構成であることにより、研磨層13の凹凸形状が、被研磨物Wの形状に依らず、すなわち被研磨面が湾曲面であっても、その形状に追従して変形することが可能となる。言い換えれば、凸部131、凹部132の凹凸形状が消失して被研磨物Wの形状と略同一に変形する。これにより、研磨層13は、凸部131だけでなく凹部132の表面でも被研磨物Wに接することになり、凸部131だけでなく凹部132の表面も被研磨物Wの研磨に寄与することができる。この状態で、研磨スラリーを供給しながら研磨パッド10を回転させることにより、被研磨物Wの平面部W1と曲面部W2とを同時に研磨することができる。したがって、研磨パッド10は、湾曲面を有する被研磨物Wの研磨に好適に使用される。また、研磨層13の凹部132に研磨スラリーを溜めることができるため、凹部132に溜めた研磨スラリーを被研磨物Wに接触させることができる。したがって、研磨スラリーが潤沢な状態で、被研磨物Wを研磨することができるため、研磨効率及び研磨品質を向上できる。
【0016】
図1に示すように、研磨パッド10では、クッション層11の凹凸形状が曲面形状である。これにより、研磨層13の凹凸形状も曲面形状である。すなわち、クッション層11の凸部111及び凹部112、並びに研磨層13の凸部131及び凹部132は何れも、曲面形状である。これにより、被研磨物Wを研磨パッド10に押し当てたときに、研磨面が曲面部W2の形状に追従した形状に変形し易くなり、曲面部W2に接触し易くなる。したがって、被研磨物Wを研磨パッド10に沈み込ませた際に、研磨パッド10の研磨面を被研磨物Wの曲面部W2の形状に沿った形状にさせることができる。そのため、研磨品質及び研磨効率を向上できる。また、クッション層11の凹凸形状が曲面形状であることにより、研磨パッド10を製造するときに、クッション層11の凹凸形状に沿わせて隙間なく研磨層13を貼り合わせることが容易となる。
【0017】
凸部131の形状は、凹部132を反転させた形状である。凸部131の頂点を含む凸部131の断面形状は、当該頂点を含む対称軸で線対称となっている曲線形状である。例えば、当該断面形状は、円又は楕円の円弧、放物線、及び正弦曲線(サインカーブ)などであり得る。したがって、本実施形態において、凸部131の頂点と凹部132の底点とを含む断面の研磨面の形状は、曲線によって形作られた波型形状である。凸部131の形状が凹部132を反転させた形状ではなく、例えば凹部132が曲面形状で凸部131が角を有する四角錘又は角柱である場合には、角に研磨応力が集中しやすく角部がちぎれてしまったり、被研磨物Wに傷をつけたりする恐れがある。逆に、凸部131が曲面形状で凹部132が角を有する四角錘又は角柱である場合には、研磨加工中、研磨屑が凹部の隅に貯まりやすく、研磨屑の排出性に劣り、研磨傷の要因になることがある。また、曲面が連続した凹凸形状ではなく、凸部131と凹部132との間に平面がある場合も、沈み込み量が制限されてしまうことがある。凸部131の形状が凹部132を反転させた形状であると、変曲点がないため研磨スラリーの保持にムラがなく、研磨スラリーの移動もスムーズに行うことができ、研磨パッド10が被研磨物Wに対し滑らかに移動することができるため好ましい。
【0018】
図3は、研磨パッド10を研磨面側から平面視したときの研磨層13の凹凸形状の配列パターンを示す模式図である。図3に示す配列パターン(パターンA)は、研磨層13において、全ての凸部131及び凹部132が規則的な単一の配列となっている。パターンAは、凸部131と凹部132とが、縦横方向に交互に並ぶように形成されている。すなわち、凸部131が千鳥状に設けられている。研磨層13の凹凸形状がこのような単一配列のパターンであることにより、均等に配置された凹部132に研磨スラリーが保持される。そのため、被研磨物Wを研磨パッド10に沈み込ませたときに、被研磨物Wの平面部W1及び曲面部W2に研磨スラリーをまんべんなく行き渡らせることができる。さらに、研磨加工時、被研磨物Wの表面形状に沿うように凸部131と凹部132との高低差が消失、或いは十分に小さくなる。凹部132に保持された研磨スラリーは、凹部132を囲む周囲の凸部131領域に分配される。そのため、被研磨物Wと研磨パッド10との間に十分な量の研磨スラリーを存在させることができる。
【0019】
凹凸形状の配列パターンの別の態様を図4に示す。図4は、研磨パッド10を研磨面側から平面視したときの、研磨層13の凹凸形状の別の配列パターン(パターンB)を示す模式図である。図4に示すように、パターンBは、研磨層13において、規則的なパターンB1と、パターンB1とは異なる規則的なパターンB2とが縦方向に交互に組み合わされた複合配列となっている。パターンB1は、凸部131と凹部132とが、縦横方向に交互に並ぶように形成されている。パターンB2は、凸部131の形状とは異なる形状を有する凸部131’と、凹部132の形状とは異なる形状を有する凹部132’とが横方向に交互に並ぶように形成されている。このように、研磨層13における凹凸形状は、面全体が単一パターンで形成される場合に限らず、一定周期で別のパターンが存在していてもよい。すなわち、研磨層13における凹凸形状は、凸部131と凹部132とが規則的なパターンで並んでいれば、単一配列であっても、複合配列であってもよい。
【0020】
1つの凹部132を挟んで隣り合う凸部131の頂点間の距離であるピッチPは、被研磨物Wの厚さ、湾曲面部分の曲率に応じて設定すればよい。ピッチPは、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、15mm以上であることがより好ましい。また、ピッチPは、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。厚さ方向における凹部132の底点を起点としたときの凸部131の頂点の高さHも、被研磨物Wの厚さ、湾曲面部分の曲率に応じて設定すればよい。高さHは、研磨パッドの厚みに対して、0.5~90%であることが好ましく、1~70%であることがより好ましく、10~60%であることがさらに好ましい。具体的には、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましく、1.5mm以上であることがさらに好ましい。また、高さHは、30mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましく、15mm以下であることがさらに好ましい。これにより、凹部132において研磨スラリーを十分に溜めることができる。
【0021】
図5は、図1の点線丸囲みで示す部分を拡大して示す断面図である。図5に示すように、研磨層13は、研磨面側に溝133が形成されていてもよい。研磨層13に溝133が形成されていることにより、研磨パッド10の被研磨物Wの表面への追従性を向上できる。また、溝133に研磨スラリーを流入、排出させることができる。そのため、被研磨物Wを研磨パッド10に沈み込ませたときに、被研磨物Wの平面部W1及び曲面部W2に被研磨物W周囲の研磨面上(押圧されていない研磨面上)にある研磨スラリーを流入させやすく、研磨時にまんべんなく行き渡らせることができる。
【0022】
研磨面側から平面視したときの溝133の配設パターンは特に限定されない。溝133の配設パターンは、例えば、格子状、放射状、同心円状、渦巻状等であってよい。溝133に囲まれた部分の形状は、例えば、多角形(例えば、正三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形等の四角形等)、円形、楕円形等であってよい。
【0023】
溝133の幅は、研磨パッド10の被研磨物Wの表面への追従性を向上し、かつ研磨スラリーを十分に溜めることができる観点から、0.2mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることがより好ましい。また、溝133の幅は、研磨可能な研磨面の面積を確保する観点から、5.0mm以下であることが好ましく、3.0mm以下であることがより好ましい。
【0024】
溝133の深さは、例えば、研磨層13の厚さに応じて適宜選択することができる。溝133の深さは、研磨パッド10の被研磨物Wの表面への追従性を向上し、かつ研磨スラリーの流排出性を向上させる観点から、0.2mm以上であることが好ましく、0.4mm以上であることがより好ましい。また、溝133の深さは、例えば、2.0mm以下であり得、あるいは1.0mm以下であり得る。
【0025】
溝133同士の間隔は、研磨パッド10の被研磨物Wの表面への追従性を向上し、かつ研磨スラリーを十分に供給することができる観点から、0.5mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることがより好ましい。
【0026】
研磨層13は、被研磨物Wを研磨する層であり、クッション層11の凹凸形状に沿って貼り合わせが可能な伸張性を有している。研磨層13としては、例えば、湿式成膜されたポリウレタン樹脂シート、不織布、織布、ポリウレタン樹脂成形体等を用いることができる。これらの中でも、湿式成膜されたポリウレタン樹脂シートが適度な伸縮性を有するため好ましい。
【0027】
研磨層13の厚さは、例えば、0.5mm以上、あるいは0.7mm以上であり得、5.0mm以下、あるいは3.0mm以下であり得る。
【0028】
研磨層13のショアA硬度は、例えば、8以上、あるいは15以上であり得、40以下、あるいは30以下であり得る。ショアA硬度は、試料片(10cm×10cm)を用意し、A型硬度計(日本工業規格、JIS K 7311)に準拠して測定される。
【0029】
研磨層13の見かけ密度は、0.1g/cm以上、0.4g/cm以下であり得る。
【0030】
クッション層11は、クッション性を有している層である。クッション層11としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、エチレン酢酸ビニル共重合体フォーム、ポリスチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等を用いることができる。
【0031】
発泡倍率は、6~60倍であることが好ましく、10~40倍であることがより好ましい。フォームの発泡倍率が前記範囲の下限値以上であれば、優れた圧縮性が得られ、フォームの発泡倍率が前記範囲の上限値以下であれば、優れた耐久性が得られる。
【0032】
連続気泡率は95%以上であると優れた圧縮性を得やすいので好ましい。
【0033】
クッション層11の厚さT11は、被研磨物Wの厚さの2~15倍であることが好ましい。例えば、被研磨物Wの厚さが2.0mmの場合、クッション層11の厚さT11は、4.0mm以上であることが好ましく、6.0mm以上であることがより好ましい。これにより、クッション層11が変形し易く、被研磨物Wを研磨パッド10に十分に深く押し込むことができ、被研磨物Wの曲面部W2の形状に追従し易くすることができる。また、研磨力が不足することなく良好な研磨特性が得られる観点から、50mm以下であることが好ましく、20mm以下であることがより好ましい。なお、クッション層11の厚さT11とは、クッション層11の接着層12との接触面とは反対側の面からクッション層の凸部111の頂点までの高さである。
【0034】
クッション層11の直径20mmの円形状の加圧板を用いた40%圧縮硬さは、50gf/cm以上、あるいは75gf/cm以上であり得、300gf/cm以下、あるいは200gf/cm以下であり得る。
【0035】
クッション層11の見かけ密度は、0.01g/cm以上、0.05g/cm以下であり得る。
【0036】
接着層12は、研磨層13とクッション層11とを接着する層である。接着層12は特に限定されず、従来知られているものであってもよく、感圧型であっても感熱型であってもよい。例えば、感圧型接着剤としては、シリコーン系接着剤、変性シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤、ゴム系接着剤が挙げられ、感熱型接着剤としては、例えば、アクリル系、ニトリル系、ニトリルゴム系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の熱可塑性接着剤が挙げられる。
【0037】
接着層12の厚さは、例えば、0.1mm以上、あるいは0.2mm以上であり得、1.0mm以下、あるいは0.8mm以下であり得る。
【0038】
研磨パッド10の直径20mmの円形状の加圧板を用いた40%圧縮硬さは、80gf/cm以上であることが好ましく、100gf/cm以上であることがより好ましく、120gf/cm以上であることがさらに好ましい。また、350gf/cm以下であることが好ましく、300gf/cm以下であることがより好ましく、250gf/cm以下であることがさらに好ましい。直径20mmの円形状の加圧板を用いた40%圧縮硬さは、JIS K 6400-2:2012 C法に準拠して測定される。研磨パッド10の直径20mmの円形状の加圧板を用いた40%圧縮硬さがこのような小さい範囲であることにより、被研磨物Wを、研磨パッド10に、被研磨物Wの厚さ以上に深く沈み込ませることが容易になる。
【0039】
研磨パッド10の厚さT10は、被研磨物Wを研磨パッド10に十分に深く押し込むことができ、被研磨物Wの曲面部W2の形状に追従し易くすることができる観点から、被研磨物Wの厚さの2~15倍であることが好ましい。例えば、被研磨物Wの厚さが2.0mmの場合、5.0mm以上であることが好ましく、7.0mm以上であることがより好ましい。また、研磨パッド10の厚さT10は、55mm以下、あるいは25mm以下であり得る。なお、研磨パッド10の厚さT10とは、クッション層11の接着層12との接触面とは反対側の面から、研磨層13の凸部131の頂点までの高さである。
【0040】
研磨パッド10は、クッション層11における接着層12との接触面とは反対側の面側に、研磨定盤20に研磨パッド10を接着させるための両面テープ等の接着層をさらに積層していてもよい。当該接着層のクッション層11との接触面とは反対側の面側に、さらに離型紙を積層していてもよい。なお、離型紙を含む研磨パッド10を使用するときは、離型紙を剥がしてから、研磨定盤20に、離型紙を剥がした研磨パッド10を貼り合わせればよい。
【0041】
[研磨パッドの製造方法]
研磨パッド10の製造方法は、研磨層作製工程と、クッション層作製工程と、貼り合わせ工程とを含む。
【0042】
(研磨層作製工程)
研磨層作製工程では、研磨層13を作製する。例えば、研磨層13は、湿式成膜されたポリウレタン樹脂シートとする場合、湿式成膜法により形成することができる。
【0043】
ここで、湿式成膜法とは、成膜する樹脂を有機溶媒に溶解させて得られた樹脂溶液をシート状の基材に塗布後、当該有機溶媒は溶解するが当該樹脂は溶解しない凝固液中に通して当該有機溶媒を置換し、凝固させ、乾燥させて、発泡層を形成する方法である。例えば、特許第5421635号、特許第5844189号を参照して製造することができる。
【0044】
成膜後のポリウレタンシート表面側にバフ処理を行い、研磨表面に開孔を形成するとともに厚さを均一としたのち、切削により溝を形成することで、研磨層13を得ることができる。
【0045】
(クッション層作製工程)
クッション層作製工程では、クッション材に対して曲面形状であり、かつ凸部と凹部とが規則的なパターンで並ぶように加工可能な手法であればよい。従来知られているものであってもよく、例えば、プロファイル加工、二次元切削加工、CFカット加工、熱成型加工等によりクッション層11を得ることができる。これらの中でも、プロファイル加工が曲面形状であり、かつ凸部111と凹部112とが規則的なパターンとなるように加工しやすいため好ましい。
【0046】
例えば、プロファイル加工を行うことで、クッション層11の一面側に曲面形状の凹凸形状を付与することができる。プロファイル加工は、例えば、特開2015-128483号公報に記載の方法よって形成することができる。プロファイル加工によって、複数の凹部及び複数の凸部からなる凹凸形状を連続的に形成することができ、切断箇所の一方側と他方側に同形状の凹凸が形成される。したがって、一般に知られている公知の製造方法によって、このような凸部の突出した形状と凹部の窪んだ形状とが同一である凹凸形状を有するクッション層11を得ることができる。
【0047】
(貼り合わせ工程)
貼り合わせ工程では、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を有するクッション層11と、研磨層13とを、接着層12を介して、研磨層13がクッション層11の凹凸形状に沿うように重ね合わせる。そして、これにより得られた積層体を接着する。
【0048】
例えば、接着層12として感熱型接着剤を用いる場合、加熱された一対のヒートロール間に積層体を通して、接着層12を熱溶融させる。これにより、研磨層13が、接着層12を介して、クッション層11の凸部111及び凹部112に沿って、クッション層11に熱圧着により貼り合わされる。ヒートロールの加熱温度は、接着層として用いる感熱型接着剤の種類に応じて適宜設定すればよく、例えば、80~120℃であることが好ましい。
【0049】
(まとめ)
本発明の態様1に係る研磨パッドは、クッション層と、接着層と、研磨層とがこの順で積層してなる研磨パッドであって、前記クッション層は、前記研磨層側の面に、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を有しており、前記研磨層は、前記接着層を介して、前記凸部及び前記凹部に沿って前記クッション層に貼り合わされていることにより、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を表面に有し、前記研磨層の前記凹凸形状は、曲面形状であり、かつ前記凸部と前記凹部とが規則的なパターンで並ぶように形成されている、構成である。
【0050】
本発明の態様2に係る研磨パッドは、前記の態様1において、前記研磨層の前記凸部の形状は、前記研磨層の前記凹部を反転させた形状である、構成としてもよい。
【0051】
本発明の態様3に係る研磨パッドは、前記の態様1又は2において、研磨面側から平面視したときに、前記研磨層の前記凹凸形状は、前記凸部と前記凹部とが、縦横方向に交互に並ぶように形成されている、構成としてもよい。
【0052】
本発明の態様4に係る研磨パッドは、前記の態様3において、前記研磨層における、1つの前記凹部を挟んで隣り合う前記凸部の頂点間の距離は、5mm以上、50mm以下である、構成としてもよい。
【0053】
本発明の態様5に係る研磨パッドは、前記の態様1~4の何れか1つにおいて、前記研磨層の前記凹部の底点を基準とした前記凸部の頂点の高さは、0.5mm以上、30mm以下である、構成としてもよい。
【0054】
本発明の態様6に係る研磨パッドは、前記の態様1~5の何れか1つにおいて、前記研磨層は、研磨面側に溝が形成されている、構成としてもよい。
【0055】
本発明の態様7に係る研磨パッドは、前記の態様1~6の何れか1つにおいて、直径20mmの円形状の加圧板を用いた40%圧縮硬さが、80gf/cm以上、350gf/cm以下である、構成としてもよい。
【0056】
本発明の態様8に係る研磨パッドの製造方法は、複数の凸部及び複数の凹部からなる凹凸形状を有するクッション層と、研磨層とを、接着層を介して、前記研磨層が前記凹凸形状に沿うように重ね合わせて得られた積層体を接着する、研磨パッドの製造方法であって、前記凹凸形状は、曲面形状であり、かつ前記凸部と前記凹部とが規則的なパターンで並ぶように形成されている、構成である。
【0057】
本発明の態様11に係る研磨パッドの製造方法は、前記の態様10において、プロファイル加工により前記クッション層に前記凹凸形状を付与することを含む、構成としてもよい。
【0058】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例
【0059】
以下、本発明にかかる実施例と、比較のために作製した比較例とに対して以下の研磨試験を行った。なお、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0060】
(実施例1)
研磨層として、100%モジュラス7.8MPaのポリエステル系ポリウレタン樹脂の(30質量部)及びN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(70質量部)を含む溶液100質量部に、別途DMF60質量部及び水5質量部を添加し、混合した。混合溶液を濾過することにより不溶成分を除去し、樹脂含有溶液を得た。
【0061】
上記樹脂含有溶液をポリエステルシート上にナイフコータを用いて塗布厚さが0.8mmとなるよう塗布した。当該樹脂含有溶液が塗布されたポリエステルシートを凝固浴(凝固液は水)に浸漬して該樹脂含有溶液を凝固させた。その後、ポリエステルシートを剥離し、洗浄及び乾燥させて、伸度350%のポリウレタン樹脂シートを得た。
【0062】
得られたポリウレタン樹脂シートの表面をバフ処理し、厚さを0.73mmとした。その後、バフ処理した表面側に回転刃で幅1mm、深さ0.6mmの溝であって、当該表面から平面視したときに当該溝で囲まれた形状が一辺の長さが3.0mmである正三角形の集合となる溝を形成し、研磨層を得た。
【0063】
クッション層として、発泡ポリウレタン(エバーライトSF、ブリヂストン化成品株式会社製)にプロファイル加工を施した。具体的には、凹凸形状を有する回転ローラに発泡ポリウレタンを通し、ローラに挟まれて圧縮されたスポンジの中心に刃を入れて凹凸形状にカットした。これにより、厚さ方向における凹部の底点から凸部の頂点までの高さが6mm、ピッチ(1つの凹部を挟んで隣り合う凸部同士の間隔)が20mm、研磨面側から平面視したときに、凸部と凹部とが、縦横方向に交互に並ぶように形成された凹凸形状を有するクッション層を得た。当該クッション層の凸部における厚さは10mmであった。
【0064】
研磨層とクッション層との間に接着層であるハイボン(日立化成株式会社製、ウレタン系ホットメルト形接着剤)を挟み、クッション層と接着層と研磨層とがこの順で積層した積層体を得た。90℃の温度に加熱された一対のヒートロール間に積層体を通し、クッション層の凹凸形状側の全面と、研磨層の溝が形成されていない全面とを接着層を介して貼り合わせた。そして、クッション層における接着層との接触面とは反対側の面に離型紙を有する両面テープを、両面テープの離型紙側の面とは反対側の接着面がクッション層と接触するように貼り付けて、研磨パッドを作製した。
【0065】
(実施例2)
研磨層に溝を形成しない以外、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。
【0066】
(比較例1)
クッション層として、発泡ポリウレタン(エバーライトSF、ブリヂストン化成品株式会社製)にプロファイル加工を施さず、厚さ10mmの平坦なシート状物を使用した以外、実施例1と同様にして研磨パッドを作製した。クッション層にプロファイル加工が施されていないため、研磨層の表面も平坦となっている。
【0067】
〔40%圧縮硬さ測定〕
直径20mmの円形状の加圧板を用いた40%圧縮硬さは、JIS K 6400-2:2012 C法に準拠して行い、具体的には以下に示すように測定を行った。測定対象の研磨パッドを100mm×100mmの矩形に切り出し、シート状の試験片とした。当該試験片を微小強度評価試験機(島津製作所製、マイクロオートグラフ、MST-I)の台上の中央に両面テープで固定した。直径20mmの円形状の加圧板(平板)で5gの荷重をかけた点を原点として、1mm/minの速さで厚さ方向に荷重を加え、クッション層の厚さが圧力をかけていない自然状態の厚さに対して40%の厚さになるまで圧縮し、その際の応力を40%圧縮硬さとした。この時、加圧板と接触する試験片には凸部が少なくとも一つ含まれる領域を測定した。
【0068】
〔研磨試験〕
研磨試験には、研磨装置としてラップマスター社製、36PL-3Rを用い、被研磨物としてはアクリル樹脂板(65mm×65mmの矩形状、厚さ2mmで端部に曲面加工によって湾曲部形成済み)を用いた。
【0069】
研磨装置の保持定盤には、アクリル樹脂板と同一形状で厚さが5mmのスペーサーを貼り付け、スペーサーの上にアクリル樹脂板10枚を保持させた。研磨定盤に、実施例及び比較例に係る研磨パッドを両面テープによって固定した。
【0070】
研磨試験は、荷重:470g/cm、研磨速度:保持定盤22rpm/研磨定盤26rpmに設定し、研磨時間:10minの条件で行った。
【0071】
また、研磨に用いるスラリーとして、コロイダルシリカスラリー(フジミインコーポレイテッド製「COMPOL80」)を2倍に希釈したものを使用し、研磨スラリー流量:30ml/minで供給した。
【0072】
研磨の結果については以下のように評価を行った。
【0073】
<研磨性能評価>
研磨前の被研磨物に対し研磨加工面となる平面部、及び4つの湾曲した側面部(A~D)の合計5か所に油性ペンで印をつけ、研磨後に全ての印が消失していた場合を〇とし、印が残っていた場合を×として研磨性能の評価を行った。
【0074】
<表面粗さ評価>
研磨終了後の被研磨物の平面部、湾曲した側面部4面について表面粗さを測定し、表面粗さが40nm未満である場合を〇、40nm以上である場合を×として評価を行った。なお、被研磨物の湾曲した側面部の測定は、被研磨物を30°傾斜させた状態で保持し湾曲した側面部の直上より測定を行った。
【0075】
ここで、表面粗さの測定には非接触粗さ測定機(ザイゴ株式会社製商品名「NewView5022」)を用い、測定倍率は2倍、測定視野は横307.609μm×縦307.609μmの範囲で設定して、表面粗さSaを測定した。
【0076】
実施例1、2及び比較例1の結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
実験の結果、実施例1、2については、研磨後のワークの表面にインクの印は見当たらず、表面粗さについても平面部、湾曲した側面部ともに低減しており、良好な評価が得られた。これに対して、比較例1は、平面部は研磨されているものの、湾曲した側面部にはインクの印が残り、表面粗さも低減することができず、平面部と4つの湾曲した側面部とを同時に研磨することができなかった。
【0079】
プロファイル加工を施したクッション層を用いた実施例1、2は、プロファイル加工を施さなかったクッション層を用いた比較例1よりも、圧縮硬さが小さく、表面粗さが低減し、平面部と4つの湾曲した側面部とを同時に研磨することができた。また、研磨面に溝が形成されている実施例1は、研磨面に溝が形成されていない実施例2よりも、圧縮硬さがさらに小さくなり、表面粗さがさらに低減した。
【0080】
比較例1の研磨パッドは柔らかなクッション層を使用しているため、被研磨物の平面部及び4つの湾曲した側面部の全てを研磨パッドに沈み込ませることは可能であった。しかしながら、凹凸形状を有していない比較例1の研磨パッドは、被研磨物表面への研磨スラリーの供給手段がない。そのため、被研磨物を研磨パッドに沈みこませたときに、被研磨物に接触する研磨スラリーが全て被研磨物の周囲の研磨パッドの研磨面(押圧されていない研磨面)に押し出されてしまった。その結果、被研磨物の表面粗さを低減させることができなかった。
【0081】
一方、プロファイル加工を施したクッション層を有する実施例1、2は、研磨スラリーが研磨層の凹部に溜まっており、被研磨物を沈み込ませたときに、凹部に溜まった研磨スラリーを被研磨物に接触させることができる。研磨層の研磨面側に溝が形成されている実施例1では、被研磨物の接触領域の周囲の研磨面から被研磨物の接触面へ溝を通じて研磨面の研磨スラリーを流入させることができ、さらに研磨スラリーを研磨面に供給することができる。これにより、被研磨物の表面粗さをさらに低減することができたと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、湾曲面を有する被研磨物の研磨に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 研磨装置
10 研磨パッド
11 クッション層
12 接着層
13 研磨層
111 凸部
112 凹部
131、131’ 凸部
132、132’ 凹部
133 溝
図1
図2
図3
図4
図5