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特許7550592機器利用状況特定システム、機器利用状況特定装置、機器利用状況特定方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】機器利用状況特定システム、機器利用状況特定装置、機器利用状況特定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240906BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020168165
(22)【出願日】2020-10-05
(65)【公開番号】P2022060615
(43)【公開日】2022-04-15
【審査請求日】2023-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】森實 優太
(72)【発明者】
【氏名】千住 琴音
(72)【発明者】
【氏名】大澤 奈々穂
(72)【発明者】
【氏名】貴島 淳子
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-109056(JP,A)
【文献】特開2019-006564(JP,A)
【文献】特開2019-212131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、
機器の状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、
過去の前記機器の状態の履歴に基づいて、過去に前記機器に発生したイベントのイベント発生時点を特定するイベント発生時点特定部と、
前記イベント発生時点に基づいて、前記イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する周期算出部と、
前記イベント発生周期と前記周期開始時点とから特定される前記機器の利用状況を通知する情報を前記端末装置へ送信する状況通知部と、を備える、
機器利用状況特定システム。
【請求項2】
前記周期算出部は、過去の予め設定された算出対象期間を前記イベント発生周期と同じ長さの複数のサブ算出対象期間に分割したときの前記複数のサブ算出対象期間それぞれに含まれる前記イベント発生時点の数の平均値と分散とを算出し、前記平均値が予め設定された基準平均値範囲内であり且つ分散が最も小さくなる前記複数のサブ算出対象期間に対応する前記イベント発生周期と前記周期開始時点とを算出する、
請求項1に記載の機器利用状況特定システム。
【請求項3】
前記イベント発生周期と前記周期開始時点とに基づいて、前記算出対象期間を前記複数のサブ算出対象期間に分割したときの前記複数のサブ算出対象期間内の予め設定された複数の時間帯それぞれの前記イベントの発生率であるイベント発生率を算出し、予め設定されたイベント発生時点予測時期から次の前記イベント発生時点予測時期の間において、算出した前記イベント発生率が予め設定された基準発生率以上の時間帯を予測イベント発生時点として特定するイベント発生時点予測部を更に備える、
請求項2に記載の機器利用状況特定システム。
【請求項4】
前記周期算出部は、前記算出対象期間における複数の前記イベント発生時点から選択された2つのイベント発生時点の間のインターバル時間に基づいて、前記基準平均値範囲を設定する、
請求項2または3のいずれか1項に記載の機器利用状況特定システム。
【請求項5】
前記イベント発生周期と前記周期開始時点と直近の前記イベント発生時点とに基づいて、前記機器の利用状況に異常が発生したか否かを判定する判定部を更に備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の機器利用状況特定システム。
【請求項6】
複数の機器それぞれの前記イベント発生周期と前記周期開始時点とを集計して得られる集計情報を生成する集計部を更に備え、
前記機器状態取得部は、前記複数の機器それぞれの状態を示す機器状態情報を前記複数の機器それぞれについて取得し、
前記イベント発生時点特定部は、前記複数の機器それぞれの過去の前記機器の状態の履歴に基づいて、過去に前記複数の機器それぞれに発生したイベントのイベント発生時点を特定し、
前記周期算出部は、前記複数の機器それぞれの過去のイベント発生時点に基づいて、前記複数の機器それぞれについて前記イベント発生周期と前記周期開始時点とを個別に算出し、
前記集計部は、前記周期算出部により算出された前記複数の機器それぞれの前記イベント発生周期と前記周期開始時点とを集計することにより前記集計情報を生成する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の機器利用状況特定システム。
【請求項7】
前記機器のユーザの行動スケジュールを示すスケジュール情報に基づいて、前記機器状態情報を分類する機器状態分類部を更に備え、
前記イベント発生時点特定部は、分類された機器状態情報の中から、機器のユーザの行動スケジュールに応じた機器状態情報を選出して前記イベント発生時点を特定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の機器利用状況特定システム。
【請求項8】
機器の状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、
過去の前記機器の状態の履歴に基づいて、過去に前記機器に発生したイベントのイベント発生時点を特定するイベント発生時点特定部と、
前記イベント発生時点に基づいて、前記イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する周期算出部と、
前記イベント発生周期と前記周期開始時点とから特定される前記機器の利用状況を通知する情報を端末装置へ送信する状況通知部と、を備える、
機器利用状況特定装置。
【請求項9】
機器利用状況特定装置が、機器の状態を示す機器状態情報を取得するステップと、
前記機器利用状況特定装置が、過去の前記機器の状態の履歴に基づいて、過去に前記機器に発生したイベントのイベント発生時点を特定するステップと、
前記機器利用状況特定装置が、前記イベント発生時点に基づいて、前記イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出するステップと、
前記機器利用状況特定装置が、前記イベント発生周期と前記周期開始時点とから特定される前記機器の利用状況を通知する情報を端末装置へ送信するステップと、を含む、
機器利用状況特定方法。
【請求項10】
コンピュータを、
機器の状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部、
過去の前記機器の状態の履歴に基づいて、過去に前記機器に発生したイベントのイベント発生時点を特定するイベント発生時点特定部、
前記イベント発生時点に基づいて、前記イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する周期算出部、
前記イベント発生周期と前記周期開始時点とから特定される前記機器の利用状況を通知する情報を端末装置へ送信する状況通知部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器利用状況特定システム、機器利用状況特定装置、機器利用状況特定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器が過去に利用された時刻と同じような時刻に利用されるという利用区間の周期性に着目し、複数の機器の過去の消費電力の履歴データから、複数の機器それぞれについて利用が開始される可能性が高いと予測される区間を予測する利用開始区間予測装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この利用開始区間予測装置は、1日における少なくとも1つの利用区間がそれぞれ1日周期で到来することを前提として、過去における機器それぞれの消費電力から得られる各利用区間の利用開始区間を集計することにより、将来における機器それぞれの利用開始区間を予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2011/111348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された利用開始区間予測装置の場合、機器の利用区間が複数日に亘る長さの周期で生じる場合、即ち、機器の利用区間の周期が1日よりも長い場合に、その機器の利用区間の利用開始区間を求めることが難しい。この場合、求められた利用開始区間の精度が低下してしまい、その結果、求めた利用開始期間に基づく機器の制御を適切に行うことができない虞がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされたものであり、機器の利用状況を適切に特定することができる機器利用状況特定システム、機器利用状況特定装置、機器利用状況特定方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る機器利用状況特定システムは、
端末装置と、
機器の状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、
過去の前記機器の状態の履歴に基づいて、過去に前記機器に発生したイベントのイベント発生時点を特定するイベント発生時点特定部と、
前記イベント発生時点に基づいて、前記イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する周期算出部と、
前記イベント発生周期と前記周期開始時点とから特定される前記機器の利用状況を通知する情報を前記端末装置へ送信する状況通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、周期算出部が、過去のイベント発生時点に基づいて、イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出し、状況通知部が、周期開始時点を起点としたイベント発生周期毎のイベントの発生状況から特定される機器の利用状況を通知する情報を端末装置へ送信する。これにより、イベント発生周期を1日で固定することなく、過去のイベント発生時点に基づいてイベント発生周期と周期開始時点を算出し、算出したイベント発生周期と周期開始時点とから機器の利用状況を特定するので、機器の利用状況を精度良く特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態1に係る機器利用状況特定システムの概略構成図
図2】実施の形態1に係る機器利用状況特定システムのハードウェア構成を示すブロック図
図3】実施の形態1に係る機器利用状況特定システムの機能構成を示すブロック図
図4】(A)は実施の形態1に係る個別情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係る集計情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図5】実施の形態1に係る機器利用状況特定システムの機能構成を示すブロック図
図6】(A)は実施の形態1に係る機器状態記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係るイベント条件記憶部が記憶する情報の一例を示す図、
図7】実施の形態1に係る周期情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図8】(A)実施の形態1に係る周期算出部の動作説明図、(B)は実施の形態1に係る周期算出部が周期開始時点および周期算出部を算出する方法を説明するための図
図9】実施の形態1に係るイベント発生時点予測部がイベント発生時点を予測する方法を説明するための図
図10】実施の形態1に係る機器利用状況特定システムの動作の一例を示すシーケンス図
図11】実施の形態1に係る機器利用状況特定システムの動作の一例を示すシーケンス図
図12】(A)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の一例を示す図
図13】実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図
図14】(A)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の一例を示す図
図15】実施の形態1に係る機器利用状況特定システムの動作の一例を示すシーケンス図
図16】実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図
図17】(A)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の一例を示す図、(C)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の一例を示す図
図18】(A)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の一例を示す図、(C)は実施の形態1に係る端末装置の表示部に表示される他の操作画面画像の一例を示す図
図19】実施の形態1に係るクラウドサーバが実行する機器利用状況特定処理の流れの一例を示すフローチャート
図20】実施の形態1に係るクラウドサーバが実行する周期開始時点・周期算出処理の流れの一例を示すフローチャート
図21】実施の形態1に係るクラウドサーバが実行する機器利用状況特定処理の流れの一例を示すフローチャート
図22】実施の形態1に係るクラウドサーバが実行する利用開始時点予測処理の流れの一例を示すフローチャート
図23】実施の形態2に係る機器利用状況特定システムの機能構成を示すブロック図
図24】(A)は実施の形態2に係るスケジュール記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態1に係る機器状態記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図25】実施の形態2に係るクラウドサーバが実行する機器利用状況特定処理の流れの一例を示すフローチャート
図26】変形例に係る周期算出部の動作説明図
図27】変形例に係るクラウドサーバが実行する周期開始時点・周期算出処理の流れの一例を示すフローチャート
図28】変形例に係る端末装置の表示部に表示される操作画面画像の一例を示す図
図29】変形例に係る機器利用状況特定システムの機能構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の各実施の形態に係る機器利用状況特定システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る機器利用状況特定システムは、端末装置と、機器の状態を示す機器状態情報を取得する機器状態取得部と、過去の機器の状態の履歴に基づいて、過去に機器に発生したイベントのイベント発生時点を特定するイベント発生時点特定部と、イベント発生時点に基づいて、イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する周期算出部と、イベント発生周期と周期開始時点とから特定される機器の利用状況を示す情報を端末装置へ送信する送信部と、を備える。
【0011】
本実施の形態に係る機器利用状況特定システムは、例えば図1に示すような、建物H1内に設置された少なくとも1つの機器4の利用状況を特定するものである。建物H1には、例えば機器4の他に、系統電源PSから供給される電力を各機器4へ分岐して供給する分電盤21と、各機器4へ供給される電力量を計測する電力量計測装置22と、各機器4を制御する制御装置3と、が設置されている。また、建物H1には、建物H1内に設けられた局所ネットワークNW2と広域ネットワークNW1とを接続するためのルータ7が設置されている。局所ネットワークNW2は、無線LAN(Local Area Network)または有線LANである。広域ネットワークNW1は、例えばインターネットである。ルータ7は、例えばブロードバンドルータである。本実施の形態に係る機器利用状況特定システムは、端末装置5、6と、端末装置5、6および制御装置3と広域ネットワークNW1を介して通信可能なクラウドサーバ1と、を備える。端末装置5は、例えば機器4のメインテナンスを行う会社、建物H1の警備を行う会社等に属するオペレータが所持する。端末装置6は、建物H1の居住者が所持する。
【0012】
機器4は、例えば、自然冷媒ヒートポンプ式の給湯機、空気調和機、照明器具、床暖房システム、冷蔵庫、IH(Induction Heating)調理器、テレビ、食洗機、炊飯器、空気清浄機、電気温水器、除湿機等である。機器4は、分電盤21から電力供給を受ける。電力量計測装置22は、いわゆるスマートメータであり、例えばカレントトランスを利用して分電盤21から機器4へ供給される電力の消費電力量を計測し、計測した消費電力量を示す電力量情報を生成して制御装置3へ送信する。ここで、電力量計測装置22は、それぞれ、制御装置3から電力量情報の制御装置3への送信を要求する電力量情報要求情報を制御装置3から受信すると、それに応じて、電力量情報を生成する。そして、電力量計測装置22は、生成した電力量情報を制御装置3へ送信する。
【0013】
制御装置3は、例えばHEMS(Home Energy Management System)コントローラであり、図2に示すように、CPU301と、主記憶部302と、補助記憶部303と、局所通信部307と、計時部308と、各部を接続するバス309と、を備える。主記憶部302は、CPU301の作業領域として使用される揮発性メモリである。補助記憶部303は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、制御装置3の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。局所通信部307は、局所ネットワークNW2に接続するためのインタフェースを有し、局所ネットワークNW2を介して、機器4および電力量計測装置22との間で通信する。計時部308は、現時点の日時を計時するRTC(Real Time Clock)として機能するものである。
【0014】
CPU301は、補助記憶部303が記憶するプログラムを主記憶部302に読み出して実行することにより、図3に示すように、動作状態取得部311、電力量取得部312および機器状態通知部313として機能する。また、図2に示す補助記憶部303は、図3に示すように、機器4の動作状態を示す動作状態情報と機器4での消費電力量を示す電力量情報とを記憶する機器状態記憶部331を有する。動作状態取得部311は、計時部308が計時する時刻に基づいて予め設定された動作状態情報取得時期が到来したと判定すると、機器4に対して動作状態情報の送信を要求する動作状態情報要求情報を機器4へ送信することにより動作状態情報を機器4から取得する。ここで、動作状態情報は、機器のオンオフ状態、機器4の動作モード、設定温度を示す情報である。また、動作状態取得部311は、取得した動作状態情報を機器状態記憶部331に記憶させる。電力量取得部312は、計時部308が計時する時刻に基づいて予め設定された電力量情報取得時期が到来したと判定すると、機器4に対して電力量情報の送信を要求する電力量要求情報を電力量計測装置22へ送信することにより機器4での消費電力量を示す電力量情報を機器4から取得する。なお、電力量取得部312は、例えば機器4が自機で消費される消費電力量を監視する機能を有するものである場合、機器4から直接電力量情報を取得するものであってもよい。また、電力量取得部312は、取得した電力量情報を機器状態記憶部331に記憶させる。機器状態通知部313は、計時部308が計時する時刻に基づいて予め設定された機器状態送信時期が到来したと判定すると、機器状態記憶部331が記憶する動作状態情報と電力量情報とを含む機器状態情報を生成してクラウドサーバ1へ送信する。ここで、機器状態送信時期は、特に限定されるものではなく、例えば30分、1時間の周期で到来するように設定されてもよい。また、機器状態情報は、機器状態情報を送信した時刻を示す時刻情報を含む。
【0015】
端末装置5は、例えばパーソナルコンピュータであり、図2に示すように、CPU501と、主記憶部502と、補助記憶部503と、表示部504と、入力部505と、広域通信部506と、各部を接続するバス509と、を備える。主記憶部502は、CPU501の作業領域として使用される揮発性メモリである。補助記憶部503は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、端末装置5の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。表示部504は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等であり、CPU501から入力された各種情報を出力する。入力部505は、例えばキーボードであり、前述のオペレータの操作に応じた各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPU501へ出力する。広域通信部506は、広域ネットワークNW1に接続するためのインタフェースを有する。
【0016】
CPU501は、補助記憶部503が記憶するプログラムを主記憶部502に読み出して実行することにより、図3に示すように、受信部511、表示制御部512、受付部513および送信部515として機能する。また、図2に示す補助記憶部503は、図3に示すように、機器4の稼働状況を示す情報を表示する操作画面画像を生成するための画像情報を記憶する操作画面記憶部531と、個別情報記憶部532と、集計情報記憶部533と、を有する。個別情報記憶部532は、例えば図4(A)に示すように、後述する機器4についてのイベント発生周期を示す周期情報と、イベント発生周期の周期開始時点を示す周期開始時点情報と、を、ユーザ識別情報、氏名情報、連絡先情報、地域情報、機器識別情報およびイベント種類情報の組み合わせに対応づけて記憶する。ここで、イベント種類情報は、周期情報および周期開始時点情報に対応するイベントの種類を示し、例えば、1年における機器4の使用開始というイベントを示す。
【0017】
集計情報記憶部533は、例えば図4(B)に示すように、機器4の周期開始時点をイベント種類情報が示すイベントの種類毎に集計して得られる集計情報を記憶する。図4(B)に示す例では、機器識別情報ID[i+1]で識別される複数の機器4について使用開始月を集計した結果を示している。
【0018】
図3に戻って、受付部513は、オペレータによる入力部505を介した操作を受け付け、受け付けた操作内容を示す操作情報を表示制御部512へ通知する。表示制御部512は、受付部513から通知される操作情報に基づいて、操作画面記憶部531から画像情報を取得し、取得した画像情報から操作画面画像を生成し、生成した操作画面画像を表示部504に表示させる。受信部511は、クラウドサーバ1から送信される機器4の利用状況を示す情報を受信すると、受信した情報を表示制御部512へ通知する。表示制御部512は、受信部511から機器4の利用状況を示す情報が通知されると、操作画面記憶部531から機器4の利用状況を表示部504に表示させるための画像情報を取得し、機器4の利用状況を示す情報と取得した画像情報とに基づいて、機器4の利用状況を示す操作画面画像を生成して表示部504に表示させる。
【0019】
端末装置6は、例えばスマートフォンであり、図2に示すように、CPU601と、主記憶部602と、補助記憶部603と、表示部604と、入力部605と、広域通信部606と、各部を接続するバス609と、を備える。主記憶部602は、揮発性メモリであり、補助記憶部603は、不揮発性メモリであり、端末装置6の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。表示部604は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、CPU601から入力された各種情報を出力する。入力部605は、例えば表示部604に重ねて配置された透明なタッチパッドであり、建物H1の居住者の操作に応じた各種操作情報を受け付けて、受け付けた操作情報をCPU601へ出力する。広域通信部606は、広域ネットワークNW1に接続するためのインタフェースを有する。
【0020】
CPU601は、補助記憶部603が記憶するプログラムを主記憶部602に読み出して実行することにより、図5に示すように、受信部611、表示制御部612、受付部613、メッセージ特定部614、異常通知部615、異常通知設定部616および送信部617として機能する。また、図2に示す補助記憶部503は、図5に示すように、操作画面記憶部631と、メッセージ記憶部632と、異常通知設定記憶部633と、を有する。メッセージ記憶部632は、端末装置5から送信されたメッセージ情報を記憶するとともに、クラウドサーバ1から異常通知情報を受信した場合に建物H1の居住者に異常が発生したことを報知するメッセージを示すメッセージ情報を記憶する。異常通知設定記憶部633は、クラウドサーバ1から送信される異常通知情報の送信先の情報を含む異常通知設定情報を記憶する。
【0021】
受付部613は、入力部605を介した操作を受け付け、受け付けた操作内容を示す操作情報を表示制御部612または異常通知部615へ通知する。表示制御部612は、受付部613から通知される操作情報に基づいて、操作画面記憶部631から画像情報を取得し、取得した画像情報から操作画面画像を生成し、生成した操作画面画像を表示部604に表示させる。受信部611は、クラウドサーバ1から送信される異常通知情報を受信すると、受信した異常通知情報を異常通知部615へ通知する。また、受信部611は、端末装置5から送信されるメッセージ情報を受信すると、受信したメッセージ情報をメッセージ記憶部632に記憶させる。メッセージ特定部614は、メッセージ記憶部632が記憶するメッセージ情報の中から表示部604に表示させるメッセージ情報を特定し、特定したメッセージ情報を表示制御部612に通知する。表示制御部612は、メッセージ特定部614からメッセージ情報が通知されると、操作画面記憶部631から画像情報を取得し、メッセージ情報と取得した画像情報とに基づいて、操作画面画像を生成して表示部604に表示させる。
【0022】
異常通知部615は、受信部611から異常通知情報が通知されると、異常通知情報をメッセージ特定部614に通知する。この場合、メッセージ特定部614は、メッセージ記憶部632から、異常が発生したことを報知するメッセージ情報を特定し、特定したメッセージ情報を表示制御部612に通知する。また、異常通知部615は、受付部613から通知される操作情報に基づいて、異常通知情報を送信部617に通知する。送信部617は、異常通知部615から異常通知情報が通知されると、異常通知情報を端末装置5へ送信する。異常通知設定部616は、送信部617が異常通知部615から異常通知情報が通知された場合の異常通知情報の送信先を設定し、設定した送信先を示す情報を異常通知設定記憶部633に記憶させる。
【0023】
図2に戻って、クラウドサーバ1は、例えばサーバ用途のコンピュータであり、CPU101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、広域ネットワークNW1に接続される広域通信部106と、計時部108と、これらを相互に接続するバス109と、を有する機器利用状況特定装置である。主記憶部102は、CPU101の作業領域として使用される揮発性メモリである。補助記憶部103は、磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。計時部108は、現時点の日時を計時するRTCとして機能するものである。
【0024】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図3に示すように、機器状態取得部111、イベント発生時点特定部112、周期算出部113、個別情報生成部114、集計部115、イベント発生時点予測部116、判定部117、状況通知部118および予測時点通知部119として機能する。また、図2に示す補助記憶部103は、図3に示すように、機器状態記憶部131と、イベント条件記憶部132と、イベント発生時点記憶部133と、周期情報記憶部134と、個別情報記憶部135と、集計情報記憶部136と、予測時点記憶部137と、ユーザ情報記憶部139と、異常通知設定記憶部140と、を有する。機器状態記憶部131は、例えば図6(A)に示すように、機器4での消費電力量を示す電力量情報と、機器4のオンオフ状態を示すオンオフ情報と、機器4に設定されるパラメータを示すパラメータ情報と、を、月日情報、時刻情報および機器識別情報の組み合わせと対応づけて記憶する。なお、図6(A)に示す例では、機器識別情報IDD[i+1]が付与された機器4が空気調和機であり、その機器4に設定されるパラメータである設定温度が、22℃である例を示している。
【0025】
イベント条件記憶部132は、図6(B)に示すように、機器4でイベントが発生したと判定する場合のそのイベントに対応する機器4の電力量、オンオフ状態およびパラメータに対する条件を示すイベント発生条件情報を、各イベントの種類を示すイベント種類情報およびイベントに対応する機器4の機器識別情報の組み合わせに対応づけて記憶する。図6(B)に示す例では、機器識別情報IDD[i]の機器4が給湯機であり、機器4におけるイベント種類情報DAE[m]で識別されるイベントは、給湯機である機器4による湯の沸き上げの開始であり、機器4がオフ状態からオン状態に遷移したときにイベントが発生したと判定される。また、機器識別情報IDD[i+1]の機器4が空気調和機であり、機器4におけるイベント種類情報DAE[m+1]で識別されるイベントは、空気調和機である機器4の使用開始であり、機器4がオフ状態からオン状態に遷移し且つ機器4がオンする直前の1ヶ月よりも長い期間中機器4がオフ状態で維持されていた場合に発生したと判定される。更に、機器識別情報IDD[i+2]の機器4が空気清浄機であり、機器4におけるイベント種類情報DAE[m+2]で識別されるイベントは、空気清浄機である機器4の使用開始であり、機器4がオフ状態からオン状態に遷移し且つ機器4がオンする直前の1ヶ月よりも長い期間中機器4がオフ状態で維持されていた場合に発生したと判定される。
【0026】
図3に戻って、イベント発生時点記憶部133は、機器状態記憶部131が記憶する機器状態情報とイベント条件記憶部132が記憶するイベント発生条件情報とに基づいて特定されたイベント発生時点を示すイベント発生時点情報を、ユーザ識別情報、機器識別情報およびイベント種類情報の組み合わせに対応づけて記憶する。周期情報記憶部134は、例えば図7に示すように、後述する機器4についてのイベント発生周期を示す周期情報と、イベント発生周期の周期開始時点を示す周期開始時点情報と、を、ユーザ識別情報、機器識別情報およびイベント種類情報の組み合わせに対応づけて記憶する。図7に示す例では、ユーザ識別情報IDU[j]で識別されるユーザが機器識別情報IDD[i]で識別される機器4を利用する際、イベント種類情報DAE[m]で識別されるイベントが、周期が24時間であり周期開始時点が12時となるように周期的に発生することを示している。また、ユーザ識別情報IDU[j]で識別されるユーザが機器識別情報IDD[i+1]で識別される機器4を利用する際、イベント種類情報DAE[m+1]で識別されるイベントが、周期が1年であり周期開始時点が年始から181日目となるように周期的に発生することを示している。
【0027】
図3に戻って、個別情報記憶部135は、前述の個別情報記憶部532と同様に、周期情報と周期開始時点情報とを、ユーザ識別情報、氏名情報、連絡先情報、地域情報、機器識別情報およびイベント種類情報の組み合わせに対応づけて記憶する。また、集計情報記憶部136は、前述の集計情報記憶部533と同様に、機器4の周期開始時点をイベント種類情報が示すイベントの種類毎に集計して得られる集計情報を記憶する。予測時点記憶部137は、周期情報記憶部134が記憶する周期情報および周期開始時点情報に基づいて予測された将来の予測イベント発生時点を示す予測イベント発生時点情報を記憶する。ユーザ情報記憶部139は、機器4のユーザの氏名を示す氏名情報、ユーザへの連絡先を示す連絡先情報およびユーザが居住する地域を示す地域情報を、ユーザ識別情報に対応づけて記憶する。ここで、連絡先情報としては、ユーザが所持する端末装置5を識別する端末識別情報を含む。また、端末識別情報としては、端末装置5に付与されたアドレス情報が含まれる。異常通知設定記憶部140は、異常通知情報の送信先の情報を含む異常通知設定情報を記憶する。
【0028】
機器状態取得部111は、制御装置3から定期的に送信される機器4の状態を示す機器状態情報を取得し、取得した機器状態情報を機器状態記憶部131に記憶させる。イベント発生時点特定部112は、過去の機器4の状態の履歴に基づいて、過去に機器4に発生したイベントのイベント発生時点を特定する。具体的には、イベント発生時点特定部112は、機器状態記憶部131が記憶する機器状態情報が示す機器4の状態の履歴と、イベント条件記憶部132が記憶するイベント発生条件情報が示すイベント発生条件と、を比較し、機器4の状態の履歴がイベント発生条件を満たす時点をイベント発生時点に特定する。そして、イベント発生時点特定部112は、特定したイベント発生時点を示すイベント発生時点情報を、ユーザ識別情報、機器識別情報およびイベント種類情報の組み合わせに対応づけてイベント発生時点記憶部133に記憶させる。
【0029】
周期算出部113は、イベント発生時点記憶部133が記憶するイベント発生時点情報が示すイベント発生時点に基づいて、イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する。ここで、周期算出部113は、まず、過去の予め設定された算出対象期間をイベント発生周期と同じ長さの複数のサブ算出対象期間に分割したときの複数のサブ算出対象期間それぞれに含まれるイベント発生時点の数の平均値と分散とを算出する。周期算出部113は、例えば図8(A)に示すように、算出対象期間が「3/1」から「3/12」までの間の期間に設定されているとする。この場合、周期算出部113は、例えばイベント発生周期dtを48時間、周期開始時点を0時に設定し、このイベント発生周期dtと同じ長さの複数(例えば6つ)のサブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[5]に分割したときの各サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[5]に含まれるイベント発生時点T[1]、T[2]、・・・、T[6]の数の平均値と分散とを算出する。この場合、周期算出部113が算出する平均値と分散とは、図8(B)に示すように、「1.0」、「0.53」となる。そして、周期算出部113は、サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[5]の長さ、即ち、イベント発生周期dtを予め設定された時間だけ増加させてから各サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[5]に含まれるイベント発生時点T[1]、T[2]、・・・、T[6]の数の平均値と分散とを算出することを繰り返す。これにより、例えば図8(B)に示すように、周期開始時点が「0時」でイベント発生周期が「48時間」、「72時間」、「96時間」、「120時間」それぞれの場合に対応するサブ算出対象期間に含まれるイベント発生時点の数の平均値と分散とが算出される。次に、周期算出部113は、周期開始時点を予め設定された時間だけ遅らせてから、再び複数種類のイベント発生周期dtそれぞれに対応するサブ算出対象期間に含まれるイベント発生時点の数の平均値と分散とを算出することを繰り返す。これにより、例えば図8(B)に示すように、周期開始時点が「0時」、「0時から1時間後の時点」、・・・、「0時から24+t時間後の時点」、・・・それぞれについて、イベント発生周期が「48時間」、「72時間」、「96時間」、「120時間」それぞれの場合に対応するサブ算出対象期間に含まれるイベント発生時点の数の平均値と分散とが算出される。
【0030】
そして、周期算出部113は、イベント発生時点の数の平均値が予め設定された基準平均値範囲内であり且つ分散が最も小さくなる複数のサブ算出対象期間に対応するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する。例えば図8(B)に示すように、イベント発生周期が「48時間」であり、周期開始時点が「0時から24+t時間後の時点」である場合、分散が「0」で最も小さくなったとする。この場合、周期算出部113は、イベント発生周期を「48時間」に決定し、周期開始時点を「0時から24+t時間後の時点」に決定する。また、基準平均値範囲は、その下限に相当するイベント発生回数下限値と、その上限に相当するイベント発生回数上限値により規定される。周期算出部113は、このようにして決定したイベント発生周期を示す周期情報と、周期開始時点を示す周期開始時点情報と、を、ユーザ識別情報、機器識別情報およびイベント種類情報の組み合わせに対応づけて周期情報記憶部134に記憶させる。なお、サブ算出対象期間の長さが1日である場合、算出対象期間の長さは、連続した2日分以上の長さであれば何日分であってもよい。また、周期算出部113は、分散が等しいイベント発生周期および周期開始時点の組み合わせが複数存在する場合、イベント発生回数の平均値が整数値に近い組み合わせを採用するようにしてもよい。
【0031】
図3に戻って、個別情報生成部114は、周期情報記憶部134が記憶する周期情報、周期開始時点情報、ユーザ識別情報、機器識別情報およびイベント種類情報を取得し、ユーザ情報記憶部139から取得したユーザ識別情報に対応する氏名情報、連絡先情報および地域情報を取得する。そして、個別情報生成部114は、周期情報、周期開始時点情報、ユーザ識別情報、機器識別情報、イベント種類情報、氏名情報、連絡先情報および地域情報が互いに対応付けられた個別情報を生成して個別情報記憶部135に記憶させる。集計部115は、周期算出部113により算出された複数の機器4それぞれのイベント発生周期と周期開始時点とを集計することにより集計情報を生成する。そして、集計部115は、生成した集計情報を集計情報記憶部136に記憶させる。ここで、集計情報が、空気調和機である機器4の使用開始の周期とその周期開始時点を集計した結果を示す場合、例えば空気調和機の清掃業者が、この集計情報を空気調和機である機器4のクリーニング時期を予測するための情報として有効に活用することができる。また、集計情報が、空気清浄機である機器4の使用開始の周期とその周期開始時点を集計した結果を示す場合、例えば空気清浄機の販売業者が、この集計情報を空気清浄機である機器4のフィルタ交換時期を予測するための情報として有効に活用することができる。また、薬局は、この集計情報を、花粉症に有効な目薬の購入増加時期を予測するための情報として有効に活用することができる。
【0032】
イベント発生時点予測部116は、イベント発生周期と周期開始時点とに基づいて、前述の複数のサブ算出対象期間内の予め設定された複数の時間帯毎のイベント発生率を算出する。ここで、イベント発生時点予測部116は、複数の時間帯それぞれにおけるイベント発生回数を算出対象期間全体におけるイベント発生回数で除することによりイベント発生率を算出する。そして、イベント発生時点予測部116は、予め設定されたイベント発生時点予測時期から次の前記イベント発生時点予測時期の間において、算出したイベント発生率が予め設定された基準発生率よりも大きい時間帯を予測イベント発生時点として特定する。例えばイベント発生時点予測時期が12時に設定されており、複数のサブ算出対象期間についての複数の時間帯それぞれのイベント発生率が、例えば図9に示すような分布を示すとする。ここで、基準発生率が25%に設定されている場合、イベント発生時点予測部116は、「19時」および「6時」を予測イベント発生時点として特定する。イベント発生時点予測部116は、特定した予測イベント発生時点を示す予測イベント発生時点情報を予測時点記憶部137に記憶させる。予測時点通知部119は、予測時点記憶部137が記憶する予測イベント発生時点情報を状況通知部118に通知する。
【0033】
判定部117は、イベント発生周期と周期開始時点と直近のイベント発生時点とに基づいて、機器4の利用状況に異常が発生したか否かを判定する。判定部117は、まず、周期情報記憶部134が記憶する周期情報と周期開始時点情報とを取得し、直近の周期開始時点と直近の周期開始時点から周期情報が示す周期だけ過去に遡った時点までの間の判定対象期間を特定する。そして、判定部117は、イベント発生時点記憶部133が記憶するイベント発生時点情報に基づいて、直近のイベント発生時点を特定し、直近のイベント発生時点が前述の判定対象期間内に含まれるか否かを判別する。ここで、判定部117は、直近のイベント発生時点が前述の判定対象期間内に含まれないと判別した場合、異常が発生したと判定する。判定部117は、異常が発生したと判定すると、ユーザ情報記憶部139から対応する連絡先情報を取得し、ユーザ識別情報と連絡先情報とを含む判定結果情報を生成して状況通知部118に通知する。
【0034】
状況通知部118は、イベント発生周期と周期開始時点とから特定される機器4の利用状況を通知する情報を端末装置5、6へ送信する。具体的には、状況通知部118は、予め設定された利用状況提示時期が到来すると、個別情報記憶部135が記憶する個別情報と集計情報記憶部136が記憶する集計情報とを取得し、取得した個別情報および集計情報を端末装置5へ送信する。また、状況通知部118は、予測時点通知部119から予測イベント発生時点情報が通知されると、通知された予測イベント発生時点情報を、対応する端末装置6へ送信する。更に、状況通知部118は、端末装置6から異常通知設定情報を受信すると、受信した異常通知設定情報を異常通知設定記憶部140に記憶させる。そして、状況通知部118は、判定部117から判定結果情報が通知されると、異常通知設定記憶部140が記憶する異常通知設定情報に基づいて、判定部117から通知された判定結果情報を端末装置5へ送信する。
【0035】
次に、本実施の形態に係る機器利用状況特定システムの動作について図10から図18を参照しながら説明する。まず、図10に示すように、予め設定された動作状態情報取得時期が到来すると、機器4に対して動作状態情報の制御装置3への送信を要求する動作状態情報要求情報が、制御装置3から機器4へ送信される(ステップS1)。一方、機器4は、動作状態情報要求情報を受信すると、それに応じて、動作状態情報を生成する(ステップS2)。次に、生成された動作状態情報が、機器4から制御装置3へ送信される(ステップS3)。このとき、制御装置3は、受信した動作状態情報を機器状態記憶部331に記憶させる。続いて、予め設定された電力量情報取得時期が到来すると、電力量計測装置22に対して電力量情報の送信を要求する電力量情報要求情報が、制御装置3から電力量計測装置22へ送信される(ステップS4)。一方、電力量計測装置22は、電力量情報要求情報を受信すると、それに応じて、電力量情報を生成する(ステップS5)。その後、生成された電力量情報が、電力量計測装置22から制御装置3へ送信される(ステップS6)。このとき、制御装置3は、受信した電力量情報を機器状態記憶部331に記憶させる。以後、動作状態情報取得時期および電力量情報取得時期が到来する毎に、ステップS1からS6までの一連の処理が実行される。
【0036】
また、予め設定された機器状態送信時期が到来すると、制御装置3は、機器状態記憶部331が記憶する動作状態情報および電力量情報を含む機器状態情報を生成する(ステップS7)。次に、生成された機器状態情報が、制御装置3からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS8)。ここで、クラウドサーバ1は、機器状態情報を受信すると、受信した機器状態情報を機器状態記憶部131に記憶させる。続いて、予め設定された利用状況提示時期が到来すると、クラウドサーバ1は、機器状態記憶部131が記憶する機器状態情報に基づいて、機器4についてイベント発生時点を特定する(ステップS9)。その後、図11に示すように、クラウドサーバ1は、特定したイベント発生時点に基づいて、機器4においてイベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する(ステップS10)。ここで、クラウドサーバ1は、算出したイベント発生周期を示す周期情報と周期開始時点を示す周期開始時点情報とを周期情報記憶部134に記憶させる。
【0037】
次に、クラウドサーバ1が、周期情報記憶部134が記憶する周期情報、周期開始時点情報を含む個別情報を生成し(ステップS11)、生成された個別情報が、クラウドサーバ1から端末装置5へ送信される(ステップS12)。ここで、端末装置5は、個別情報を受信すると、受信した個別情報を個別情報記憶部532に記憶させる。続いて、クラウドサーバ1は、複数の機器4それぞれのイベント発生周期と周期開始時点とを集計することにより集計情報を生成する(ステップS13)。その後、生成された集計情報が、クラウドサーバ1から端末装置5へ送信される(ステップS14)。ここで、端末装置5は、集計情報を受信すると、受信した集計情報を集計情報記憶部533に記憶させる。
【0038】
次に、業者が端末装置5の入力部505に対して端末装置5の表示部504に集計情報を表示させるための集計情報表示操作を行ったとする。そうすると、端末装置5は、集計情報表示操作を受け付けて、それに応じて集計情報を表示部504に表示させる(ステップS15)。ここで、端末装置5は、例えば図12(A)に示すような、周期開始時点の集計結果を示すグラフ画像GA11と、グラフ画像GA11に含まれるグラフの詳細を通知する詳細通知画像GA12と、を含む操作画面画像GA1を表示部504に表示させる。この操作画面画像GA1は、更に、集計対象の機器4の種類を示すメッセージM11と、ユーザが選択したグラフに対応する月と人数とを通知するメッセージM12と、ユーザが選択したグラフを確定する際に選択される「選択」釦画像BU11と、詳細通知画像GA12を上下方向へスクロールさせる際に選択される釦画像BU12と、選択されたグラフに対応する機器4のユーザへメッセージ情報を送信する際に選択される釦画像BU13と、を含む。
【0039】
図11に戻って、続いて、業者が端末装置5の入力部505に対して端末装置5の表示部504に表示されている操作画面画像GA1をメッセージ入力用の操作画面画像に切り替えるための操作画面画像切替操作を行ったとする。この操作画面画像切替操作は、例えば図12(A)に示すような操作画面画像GA1が表示部504に表示されている状態で入力部505に対して釦画像BU13を選択する操作に相当する。そうすると、端末装置5は、図11に示すように、操作画面画像切替操作を受け付けて、それに応じてメッセージ入力用操作画面画像を表示部504に表示させる(ステップS16)。ここで、端末装置5は、例えば図12(B)に示すような、メッセージの送付先となる機器4のユーザに関する情報を示す画像GA21と、メッセージ入力欄を表す画像B21と、機器4のユーザへ送信する画像情報のURLを指定する欄を表す画像B22と、機器4のユーザからの問合せ先の会社名、電話番号、メールアドレスを指令する欄を表す画像B23、B24、B25と、を含む操作画面画像GA2を表示部504に表示させる。この操作画面画像GA2は、更に、表示部504に再度前述の操作画面画像GA1を表示される際に選択される釦画像BU21と、メッセージ入力欄に入力されたメッセージ情報を一時的に端末装置5の補助記憶部503に記憶させる際に選択される釦画像BU22と、業者がメッセージ入力欄へのメッセージの入力が完了した際に選択される釦画像BU23と、を含む。
【0040】
図11に戻って、その後、業者が端末装置5の入力部505に対してメッセージの入力を完了させるための入力完了操作を行ったとする。この入力完了操作は、例えば図12(B)に示すような操作画面画像GA2が表示部504に表示されている状態で入力部505に対して釦画像BU23を選択する操作に相当する。そうすると、端末装置5は、図11に示すように、入力完了操作を受け付けて、それに応じて入力したメッセージ情報を含む送信内容確認画面画像を表示部504に表示させる(ステップS17)。ここで、端末装置5は、例えば図13に示すような、メッセージの送付先となる機器4のユーザの人数、メッセージの文字数、金額等に関する情報を示すメッセージM31と、機器4のユーザへ送信するメッセージ情報を含む画像GA31と、を含む送信内容確認画面画像GA3を表示部504に表示させる。この送信内容確認画面画像GA3は、更に、表示部504に再度前述の操作画面画像GA2を表示される際に選択される釦画像BU31と、機器4のユーザへ送信するメッセージ情報の内容を確認した後、メッセージ情報を機器4のユーザへ送信する際に選択される釦画像BU32と、を含む。
【0041】
図11に戻って、次に、業者が端末装置5の入力部505に対してメッセージ情報の確認を完了させるための確認完了操作を行ったとする。この確認完了操作は、例えば図13に示すような送信内容確認画面画像GA3が表示部504に表示されている状態で入力部505に対して釦画像BU32を選択する操作に相当する。そうすると、図11に示すように、メッセージ情報が、端末装置5から機器4のユーザが所持する端末装置6へ送信される(ステップS18)。一方、端末装置6は、メッセージ情報を受信すると、受信したメッセージ情報を表示部604に表示させる(ステップS19)。
【0042】
続いて、機器4のユーザが、端末装置6に対してクラウドサーバ1から端末装置6への異常通知の態様を設定するための異常通知設定操作を行ったとする。この異常通知設定操作は、端末装置6が例えば図14(A)に示すような異常通知設定画面画像GA4を表示部604に表示させた状態で行われる。異常通知設定画面画像GA4は、異常通知の態様を指定するためのチェックボックス画像CB41と、通知先のメールアドレスを入力する欄を示す画像B41と、異常通知の順番を設定する欄を示す画像SB41と、を含む。また、異常通知設定画面画像GA4は、異常通知の態様の設定が完了した際に選択される釦画像BU41と、異常通知の順番の設定が完了した際に選択される釦画像BU42と、を含む。そして、機器4のユーザが、端末装置6の表示部604に異常通知設定画面画像GA4が表示されている状態で、入力部605に対して釦画像BU41、BU42を選択する操作を行うと、図11に示すように、端末装置6が異常通知設定情報を受け付ける(ステップS20)。その後、図15に示すように、端末装置6が受け付けた異常通知設定情報が、端末装置6からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS21)。ここで、クラウドサーバ1は、端末装置6から異常通知設定情報を受信すると、受信した異常通知設定情報を異常通知設定記憶部140に記憶させる。
【0043】
次に、クラウドサーバ1は、算出した機器4についての周期開始時点が到来すると、機器4についての直近のイベント発生時点を特定する(ステップS22)。ここで、クラウドサーバ1が、イベント発生周期と周期開始時点と直近のイベント発生時点とに基づいて、機器4の利用状況に異常が発生したと判定したとする(ステップS23)。この場合、異常通知情報が、クラウドサーバ1から機器4のユーザの端末装置6へ送信される(ステップS24)。一方、端末装置6は、異常通知情報を受信すると、受信した異常通知情報を表示部604に表示させる(ステップS25)。ここで、端末装置6は、例えば図14(B)に示すような、異常を通知するメッセージM51と、端末装置5へ異常通知情報を転送することを示唆するメッセージM52と、を含む操作画面画像GA5を表示部604に表示させる。また、操作画面画像GA5は、機器4のユーザが、異常通知情報の端末装置5への転送を不要と判断した場合に選択される釦画像BU51と、異常通知情報の端末装置5への転送を行うと判断した場合に選択される釦画像BU52と、を含む。
【0044】
図15に戻って、続いて、機器4のユーザが、端末装置6に対して異常通知情報の端末装置5への転送を行うための異常通知転送操作を行ったとする。この異常通知転送操作は、例えば、端末装置6の表示部604に図14(B)に示すような操作画面画像GA5が表示されている状態で、入力部605に対して釦画像BU52を選択する操作に相当する。この場合、図15に示すように、異常通知情報が、端末装置6から端末装置5へ送信される(ステップS26)。一方、端末装置5は、端末装置6から異常通知情報を受信すると、その異常通知情報を含む異常通知画面画像を表示部504に表示させる(ステップS27)。ここで、端末装置5は、例えば図16に示すような、異常通知情報を受信した日時、機器4のユーザの氏名等を示す画像GA61を含む異常通知画面画像GA6を表示部504に表示させる。
【0045】
図15に戻って、また、クラウドサーバ1は、予め設定されたイベント発生時点予測時期が到来すると、機器4についてのイベント発生周期と周期開始時点とに基づいて、イベント発生時点を予測する(ステップS28)。クラウドサーバ1は、予測したイベント発生時点を示す予測イベント発生時点情報を予測時点記憶部137に記憶させる。その後、クラウドサーバ1は、予測イベント発生時点が到来すると、予測時点通知情報を生成する(ステップS29)。次に、生成された予測時点通知情報が、クラウドサーバ1から端末装置6へ送信される(ステップS30)。一方、端末装置6は、予測時点通知情報を受信すると、機器4のユーザに予測されたイベント発生時点が到来したことを報知するメッセージ情報を表示部604に表示させる(ステップS31)。このとき、端末装置6は、到来したイベント発生時点に対応する機器4が給湯機である場合、図17(A)に示すような給湯機を稼働させることを促すメッセージM71を含む報知画面画像GA71を表示部604に表示させてもよい。ここで、報知画面画像GA71は、表示部604に表示された報知画面画像GA71を消去して元の操作画面画像を表示部604に表示させる際に選択される釦画像BU71を含む。
【0046】
また、端末装置6は、クラウドサーバ1から予想時点通知情報を受信すると、ユーザの操作に応じて、到来したイベント発生時点に対応する機器4を動作させるための動作指令情報を生成して制御装置3へ送信するものであってもよい。この場合、端末装置6は、例えば図17(B)に示すようなメッセージM71と、給湯機を稼働させる際に選択される釦画像BU72と、給湯機を稼働させない場合に選択される釦画像BU73と、を含む操作画面画像GA72を表示部604に表示させてもよい。そして、端末装置6が操作画面画像GA72を表示部604に表示させている状態で、機器4のユーザが入力部605に対して釦画像BU72を選択する操作を行うと、機器4を動作させるよう指令する動作指令情報が、端末装置6からクラウドサーバ1を介して制御装置3へ送信されるようにしてもよい。この場合、制御装置3は、動作指令情報を受信すると、受信した動作指令情報に応じて機器4を動作させるための制御情報を生成して対応する機器4へ送信するようにすればよい。また、制御装置3は、機器4へ制御情報を送信した後、制御情報の機器4への送信完了を通知する送信完了通知情報を、クラウドサーバ1を介して端末装置6へ送信してもよい。そして、端末装置6が、クラウドサーバ1から送信完了通知情報を受信すると、例えば図17(C)に示すような機器4を動作させたことをユーザに報知するメッセージM73を含む報知画面画像GA73を表示部604に表示させてもよい。
【0047】
更に、端末装置6は、到来したイベント発生時点に対応する機器4が空気調和機である場合、図18(A)に示すような空気調和機の設定の変更を促すメッセージM81を含む操作画面画像GA81を表示部604に表示させてもよい。なお、機器4は、空気調和機に限定されるものではなく、動作モードの設定変更が可能な機器であれば空気調和機以外の機器であってもよい。ここで、操作画面画像GA81は、機器4の設定を変更するための操作画面画像へ切り替える際に選択される釦画像BU81と、機器4の設定を変更しない場合に選択される釦画像BU82と、を含む。そして、端末装置6が操作画面画像GA81を表示部604に表示させている状態で、機器4のユーザが入力部605に対して釦画像BU81を選択する操作を行うと、端末装置6が、例えば図18(B)に示すような機器4の設定を変更するための各種釦画像BU831、BU832、BU833と、設定変更が完了した際に選択される釦画像BU834と、を含む操作画面画像GA82を表示部604に表示させてもよい。
【0048】
また、端末装置6は、到来したイベント発生時点に対応する機器4が給湯機である場合、図18(C)に示すような給湯機を動作させることを事前に通知するメッセージM83と、機器4の動作を中止する際に選択される釦画像BU84と、を含む報知画面画像GA83を表示部604に表示させてもよい。そして、端末装置6が報知画面画像GA83を表示部604に表示させている状態で、機器4のユーザが入力部605に対して釦画像BU84を選択する操作を行うと、前述の動作指令情報が制御装置3へ送信されることなく、報知画面画像GA83が表示部604から消去される。一方、端末装置6が報知画面画像GA83を表示部604に表示させている状態で予め設定された時間だけ放置されると、前述の動作指令情報がクラウドサーバ1を介して制御装置3へ送信され、制御装置3が機器4を稼働させる。
【0049】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する機器利用状況特定処理について図19から図22を参照しながら説明する。この機器利用状況特定処理は、クラウドサーバ1へ電源が投入されたことを契機として開始される。まず、機器状態取得部111は、制御装置3から機器状態情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。機器状態取得部111が、機器状態情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述するステップS103の処理が実行される。一方、機器状態取得部111は、機器状態情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、取得した機器状態情報を機器状態記憶部131に記憶させる(ステップS102)。次に、イベント発生時点特定部112は、予め設定された周期開始時点・周期算出時期が到来したか否かを判定する(ステップS103)。イベント発生時点特定部112が、未だ周期開始時点・周期算出時期が到来していないと判定すると(ステップS103:No)、後述するステップS112の処理が実行される。一方、イベント発生時点特定部112は、周期開始時点・周期算出時期が到来したと判定すると(ステップS103:Yes)、イベント条件記憶部132が記憶するイベント条件情報を参照して、周期開始時点および周期を算出する対象となる算出対象イベントを選択する(ステップS104)。
【0050】
続いて、イベント発生時点特定部112は、選択した算出対象イベントについてイベント発生時点を特定する(ステップS105)。ここで、イベント発生時点特定部112は、特定したイベント発生時点を示すイベント発生時点情報をイベント発生時点記憶部133に記憶させる。その後、周期算出部113は、選択した算出対象イベントについてのイベント発生周期と周期開始時点とを算出するために周期開始時点・周期算出処理を実行する(ステップS106)。
【0051】
ここで、周期算出部113が実行する周期開始時点・周期算出処理について図20を参照しながら詳細に説明する。まず、周期算出部113は、イベント発生周期dtの初期値を設定する(ステップS201)。ここで、イベント発生周期dtの初期値は、例えば「48時間」に設定される。次に、周期算出部113は、周期開始時点ttを「0」に設定する(ステップS202)。続いて、周期算出部113は、イベント発生回数を算出する対象となるサブ算出対象期間dT[i]のインデックス番号iを「0」に設定する(ステップS203)。その後、周期算出部113は、サブ算出対象期間dT[i]におけるイベント発生回数を算出する(ステップS204)。ここで、周期算出部113は、サブ算出対象期間dT[i]について算出したイベント発生回数を示す情報を主記憶部102に一時的に記憶させる。次に、周期算出部113は、インデックス番号「i」を「1」だけインクリメントする(ステップS205)。続いて、周期算出部113は、インデックス番号「i」が予め設定されたサブ算出対象期間dT[i]の総数N1よりも小さいか否かを判定する(ステップS206)。ここで、周期算出部113は、インデックス番号「i」が前述の総数N1よりも小さいと判定すると(ステップS206:Yes)、再びステップS204の処理を実行する。一方、周期算出部113は、インデックス番号「i」が前述の総数N1以上であると判定すると(ステップS206:No)、主記憶部102が記憶するサブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の平均値と分散とを算出する(ステップS207)。
【0052】
その後、周期算出部113は、周期開始時点ttを予め設定された単位時間dttだけインクリメントする(ステップS208)。ここで、単位時間dttは、例えば1時間に設定される。次に、周期算出部113は、周期開始時点の初期値「0」から新たに設定された周期開始時点ttまでの時間ttがイベント発生周期dtよりも長いか否かを判定する(ステップS209)。周期算出部113は、時間ttがイベント発生周期dt以下であると判定すると(ステップS209:No)、再びステップS203の処理を実行する。一方、周期算出部113は、時間ttがイベント発生周期dtよりも長いと判定すると(ステップS209:Yes)、サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の平均値Aが予め設定されたイベント発生回数下限値Ath1以下であるか否かを判定する(ステップS210)。ここで、イベント発生回数下限値Ath1は、例えば0.5に設定される。そして、周期算出部113が、サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の平均値Aがイベント発生回数下限値Ath1以下であると判定したとする(ステップS210:Yes)。この場合、周期算出部113は、イベント発生周期dtを予め設定された単位時間ddtだけインクリメントする(ステップS211)。続いて、周期算出部113は、イベント発生周期dtが予め設定されたイベント発生周期上限値dtmaxよりも長いか否かを判定する(ステップS212)。ここで、周期算出部113によりイベント発生周期dtがイベント発生周期上限値dtmax以下であると判定されると(ステップS212:No)、再びステップS202の処理が実行される。一方、周期算出部113によりイベント発生周期dtがイベント発生周期上限値dtmaxよりも長いと判定されると(ステップS212:Yes)、後述するステップS216の処理が実行される。
【0053】
また、周期算出部113が、ステップS210において、サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の平均値Aがイベント発生回数下限値Ath1よりも大きいと判定したとする(ステップS210:No)。この場合、周期算出部113は、サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の平均値Aが予め設定されたイベント発生回数上限値Ath2よりも大きいか否かを判定する(ステップS213)。ここで、イベント発生回数上限値Ath2は、例えば1.5に設定される。そして、周期算出部113によりサブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の平均値Aがイベント発生回数上限値Ath2以下であると判定されると(ステップS213:No)、後述するステップS216の処理が実行される。一方、周期算出部113が、サブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の平均値Aがイベント発生回数上限値Ath2よりも大きいと判定したとする(ステップS213:Yes)。この場合、周期算出部113は、イベント発生周期dtの1/2の周期を新たなイベント発生周期dtに設定する(ステップS214)。その後、周期算出部113は、イベント発生周期dtが予め設定されたイベント発生周期下限値dtminよりも短いか否かを判定する(ステップS215)。ここで、周期算出部113によりイベント発生周期dtがイベント発生周期下限値dtmin以上であると判定されると(ステップS215:No)、再びステップS202の処理が実行される。一方、周期算出部113によりイベント発生周期dtがイベント発生周期下限値dtminよりも短いと判定されたとする(ステップS215:Yes)。この場合、周期算出部113は、算出したサブ算出対象期間dT[0]、dT[1]、・・・、dT[N1]それぞれにおけるイベント発生回数の分散が最も小さくなるときイベント発生周期と周期開始時点とを特定する。このようにして、周期算出部113は、イベント発生時点の数の平均値が予め設定された基準平均値範囲内、即ち、イベント発生回数下限値Ath1以上且つイベント発生回数上限値Ath2以下であり且つ分散が最も小さくなる複数のサブ算出対象期間に対応するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する。なお、ステップS214において、周期算出部113が、イベント発生周期dtの1/2の周期を新たなイベント発生周期dtに設定する例について説明したが、これに限定されるものではなく、予め設定された単位時間だけ短縮するようにしてもよい。
【0054】
図19に戻って、周期算出部113は、ステップS106の周期開始時点・周期算出処理を実行した後、算出対象イベントの全てについて周期開始時点およびイベント発生周期を算出したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、周期算出部113が、未だ算出対象イベントの全てについて周期開始時点およびイベント発生周期を算出していないと判定すると(ステップS107:No)、再びステップS104の処理が実行される。一方、周期算出部113が、算出対象イベントの全てについて周期開始時点およびイベント発生周期を算出したと判定したとする(ステップS107:Yes)。この場合、個別情報生成部114は、周期情報記憶部134が記憶する周期情報、周期開始時点情報、ユーザ識別情報、機器識別情報およびイベント種類情報を取得し、ユーザ情報記憶部139からユーザ識別情報に対応する氏名情報、連絡先情報および地域情報を取得して、前述の個別情報を生成する(ステップS108)。このとき、個別情報生成部114は、生成した個別情報を個別情報記憶部135に記憶させる。次に、状況通知部118は、個別情報記憶部135が記憶する個別情報を端末装置5へ送信する(ステップS109)。続いて、集計部115は、周期算出部113により算出された複数の機器4それぞれのイベント発生周期と周期開始時点とを集計することにより集計情報を生成する(ステップS110)。ここで、集計部115は、生成した集計情報を集計情報記憶部136に記憶させる。その後、状況通知部118は、集計情報記憶部136が記憶する集計情報を端末装置5へ送信する(ステップS111)。
【0055】
次に、判定部117は、周期情報記憶部134が記憶する周期開始時点情報を参照して、予め設定された対象となる機器4それぞれについて周期開始時点が到来したか否かを判定する(ステップS112)。ここで、判定部117が、対象となる機器4それぞれについて周期開始時点が未だ到来していないと判定すると(ステップS112:No)、後述するステップS116の処理が実行される。一方、判定部117が、対象となる機器4のいずれかについて周期開始時点が到来したと判定すると(ステップS112:Yes)、イベント発生時点記憶部133が記憶するイベント発生時点情報を参照して、その機器4の直近のイベント発生時点を特定する(ステップS113)。続いて、判定部117は、イベント発生周期と周期開始時点と直近のイベント発生時点とに基づいて、機器4の利用状況に異常が発生したか否かを判定する(ステップS114)。ここで、判定部117が、機器4の利用状況が正常であると判定すると(ステップS114:No)、後述するステップS116の処理が実行される。一方、判定部117は、機器4の利用状況に異常が発生したと判定すると(ステップS114:Yes)、機器4の利用状況に異常が発生したことを示す判定結果情報を状況通知部118に通知する。そして、状況通知部118は、判定結果情報が通知されると、機器4の利用状況に異常が発生したことを示す異常通知情報を端末装置6へ送信する(ステップS115)。
【0056】
その後、イベント発生時点予測部116は、予め設定されたイベント発生時点予測時期が到来したか否かを判定する(ステップS116)。イベント発生時点予測部116が、未だイベント発生時点予測時期が到来していないと判定すると(ステップS116:No)、後述するステップS118の処理が実行される。一方、イベント発生時点予測部116は、イベント発生時点予測時期が到来したと判定すると(ステップS116:Yes)、機器4についてイベントが発生する時点を予測するイベント発生時点予測処理を実行する(ステップS117)。
【0057】
ここで、イベント発生時点予測部116が実行するイベント発生時点予測処理について図22を参照しながら詳細に説明する。まず、イベント発生時点予測部116は、イベント発生時点記憶部133が記憶するイベント発生時点情報を取得する(ステップS301)。次に、イベント発生時点予測部116は、周期情報記憶部134が記憶するイベント発生周期情報および周期開始時点情報を取得する(ステップS302)。続いて、イベント発生時点予測部116は、取得したイベント発生時点情報、イベント発生周期情報および周期開始時点情報に基づいて、周期開始時点tから次の周期開始時点t+dtまでの間の予め設定された複数の時間帯それぞれにおけるイベント発生率を算出する(ステップS303)。ここで、複数の時間帯は、それぞれ、例えばイベント発生周期を予め設定された数に等分割して得られる時間帯に設定される。例えばイベント発生周期が24時間である場合、複数の時間帯は、それぞれ、長さ1時間の時間帯に設定することができる。その後、イベント発生時点予測部116は、イベント発生率Peが予め設定された基準発生率Pethよりも大きい時間帯を特定する(ステップS304)。例えば図9に示す例の場合において、基準発生率Pethが25%に設定されている場合、イベント発生時点予測部116は、「19時」、「6時」の時間帯を特定する。なお、基準発生率Pethは、0%に設定されていてもよい。
【0058】
図22に戻って、次に、イベント発生時点予測部116は、取得した直近のイベント発生時点情報に基づいて、直近の周期開始時点tからイベント発生時点予測時期ttsまでの間にイベントが発生しているか否かを判定する(ステップS305)。ここで、イベント発生時点予測部116は、直近の周期開始時点tからイベント発生時点予測時期ttsまでの間にイベントが発生していると判定すると(ステップS305:Yes)、後述するステップS307の処理を実行する。一方、イベント発生時点予測部116は、直近の周期開始時点tからイベント発生時点予測時期ttsまでの間に未だイベントが発生していないと判定したとする(ステップS305:No)。この場合、イベント発生時点予測部116は、イベント発生時点予測時期ttsから直近の周期開始時点tからイベント発生周期dtだけ経過した時点t+dtまでの間にイベント発生率Peが基準発生率Pethよりも大きい時間帯が存在するか否かを判定する(ステップS306)。ここで、イベント発生時点予測部116は、イベント発生時点予測時期ttsから前述の時点t+dtまでの間のイベント発生率Peが基準発生率Peth以下であると判定したとする(ステップS306:No)。この場合、イベント発生時点予測部116は、予測時点記憶部137が記憶するイベント発生フラグ情報をイベントが無いことを示すフラグ情報「F0」に設定する(ステップS307)。一方、イベント発生時点予測部116は、イベント発生時点予測時期ttsから前述の時点t+dtまでの間にイベント発生率Peが基準発生率Pethよりも大きい時間帯が存在したと判定したとする(ステップS306:Yes)。この場合、イベント発生時点予測部116は、イベント発生時点予測時期ttsから前述の時点t+dtまでの間に存在するイベント発生率Peが基準発生率Pethよりも大きい時間帯を予測イベント発生時点に特定する(ステップS308)。イベント発生時点予測部116は、予測時点記憶部137が記憶するイベント発生フラグ情報をイベントが発生すると予想されることを示すフラグ情報「F1」に設定するとともに、予測イベント発生時点を示す予測イベント発生時点情報を予測時点記憶部137に記憶させる(ステップS309)。
このようにして、イベント発生時点予測部116は、機器4についてイベント発生時点予測時期ttsから前述の時点t+dtまでの間における予測イベント発生時点を特定する。
【0059】
図21に戻って、予測時点通知部119は、ステップS116またはS117の処理が実行された後、予測時点記憶部137が記憶するイベント発生フラグ情報が前述のフラグ情報「F1」に設定されているか否かを判定する(ステップS118)。予測時点通知部119が、イベント発生フラグ情報が前述のフラグ情報「F0」に設定されていると判定すると(ステップS118:No)、そのまま再びステップS101の処理が実行される。一方、予測時点通知部119は、イベント発生フラグ情報が前述のフラグ情報「F1」に設定されていると判定すると(ステップS118:Yes)、予測時点記憶部137が記憶する予測イベント発生時点情報を参照して、予測イベント発生時点が到来したか否かを判定する(ステップS119)。予測時点通知部119が、予測イベント発生時点が未だ到来していないと判定すると(ステップS119:No)、そのまま再びステップS101の処理が実行される。一方、予測時点通知部119は、予測イベント発生時点が到来したと判定すると(ステップS119:Yes)、予測発生時点通知情報を生成する(ステップS120)。次に、状況通知部118は、生成された予測発生時点通知情報を端末装置6へ送信する(ステップS121)。続いて、再びステップS101の処理が実行される。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態に係る機器利用状況特定システムによれば、周期算出部113が、過去のイベント発生時点に基づいて、イベントが発生するイベント発生周期と周期開始時点とを算出し、状況通知部118が、周期開始時点を起点としたイベント発生周期毎のイベントの発生状況から特定される機器4の利用状況を通知する情報を端末装置5、6へ送信する。これにより、イベント発生周期を1日で固定することなく、過去のイベント発生時点に基づいてイベント発生周期と周期開始時点を算出し、算出したイベント発生周期と周期開始時点とから機器4の利用状況を特定するので、機器4の利用状況を精度良く特定することができる。
【0061】
また、本実施の形態に係る周期算出部113は、過去の予め設定された算出対象期間をイベント発生周期と同じ長さの複数のサブ算出対象期間期間に割したときの複数のサブ算出対象期間それぞれに含まれるイベント発生時点の数の平均値と分散とを算出する。そして、周期算出部113は、算出した平均値が予め設定された基準平均値範囲内であり且つ分散が最も小さくなる複数のサブ算出対象期間に対応するイベント発生周期と周期開始時点とを算出する。これにより、機器4におけるイベント発生周期と周期開始時点とを精度良く算出することができるので、機器4の利用状況を精度良く特定できる。
【0062】
更に、本実施の形態に係る機器利用状況特定システムは、機器4のイベント発生周期と周期開始時点とに基づいて、機器4について将来イベントが発生する予測イベント発生時点を特定するイベント発生時点予測部116を備える。ここで、イベント発生時点予測部116は、まず、前述の複数のサブ算出対象期間内の予め設定された複数の時間帯それぞれのイベント発生率を算出する。そして、イベント発生時点予測部116は、予め設定されたイベント発生時点予測時期から次の前記イベント発生時点予測時期の間において、算出したイベント発生率が予め設定された基準発生率以上の時間帯を予測イベント発生時点として特定する。これにより、機器4について前述の予測イベント発生時点を精度良く特定することができるので、機器4のユーザに予測イベント発生時点に基づく通知情報を的確に伝達することが可能となる。
【0063】
また、本実施の形態に係る機器利用状況特定システムは、機器4のイベント発生周期と周期開始時点と直近のイベント発生時点とに基づいて、機器4の利用状況に異常が発生したか否かを判定する判定部117を備える。これにより、機器4の利用状況に異常が発生した場合にその旨をユーザまたは業者に伝達するサービスを提供することが可能となる。本実施の形態に係る機器利用状況特定システムでは、端末装置6が、例えば図14(A)に示すような異常通知設定画面画像GA4を表示部604に表示させる。これにより、利用者は、異常通知設定画面画像GA4が表示部604に表示された状態で、入力部605を介して異常通知の態様を指定したり、通知先のメールアドレスを入力したり、異常通知の順番を設定したりすることができる。即ち、利用者が、機器の利用状況に異常が発生したことを通知する方法を好みに応じて選択することができる。特に、異常通知の順番を適切に設定することにより、警備会社のスタッフによる利用者への不要な訪問を減らすことができる。
【0064】
更に、本実施の形態に係る機器利用状況特定システムは、複数の機器4それぞれのイベント発生周期と周期開始時点とを集計して得られる集計情報を生成する集計部115を備える。ここで、集計部115は、周期算出部113により算出された複数の機器4それぞれのイベント発生周期と前記周期開始時点とを集計することにより集計情報を生成する。これにより、複数の機器4それぞれの集計情報に基づいた機器4の利用状況の分析を行うことが可能となるので、例えば複数の機器4を管理する業者が複数の機器4のメインテナンス時期を集計情報から把握することが可能となる。本実施の形態に係る機器利用状況特定システムでは、端末装置5が、例えば図12(B)に示すような操作画面画像GA2を表示部504に表示させる。そして、機器4のメインテナンスを行う業者は、操作画面画像GA2が表示部504に表示された状態で、入力部505を介して顧客へ送信するメッセージを入力することができる。このため、業者が、顧客に案内する機器4のメインテナンス時期を分散させることにより、メインテナンス時期が一時期に集中することに起因して業者の対応負荷が増大してしまうことを防止できる。一方、機器4の利用者にとってもメインテナンスが集中する時期における業者へのメインテナンスの発注を避けることができる。
【0065】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る機器利用状況特定システムは、機器のユーザの行動スケジュールを示すスケジュール情報に基づいて、機器状態情報を分類する機器状態分類部を備える点が実施の形態1と相違する。そして、イベント発生時点特定部は、分類された機器状態情報の中から、機器のユーザの行動スケジュールに応じた機器状態情報を選出してイベント発生時点を特定する。
【0066】
本実施の形態に係る機器利用状況特定システムのハードウェア構成は、実施の形態1で説明したハードウェア構成と同様である。以下の本実施の形態の説明において、同様の構成については適宜実施の形態1と同一の符号を用いて説明する。図23に示すように、クラウドサーバ2001のCPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、機器状態取得部111、機器状態分類部2121、イベント発生時点特定部2112、周期算出部2113、個別情報生成部114、集計部115、イベント発生時点予測部116、判定部117、状況通知部118、予測時点通知部119およびスケジュール取得部2120として機能する。また、補助記憶部103は、機器状態記憶部2131と、イベント条件記憶部2132と、イベント発生時点記憶部2133と、周期情報記憶部134と、個別情報記憶部135と、集計情報記憶部136と、予測時点記憶部137と、異常通知設定記憶部140と、スケジュール記憶部2138と、を有する。スケジュール記憶部2138は、例えば図24(A)に示すように、機器4のユーザの行動内容を示す行動内容情報と、行動内容情報が示す行動が行われる予定の日付、開始時刻、終了時刻を示す日付情報、開始時刻情報、終了時刻情報と、を、ユーザ識別情報に対応づけて記憶する。
【0067】
機器状態記憶部2131は、例えば図24(B)に示すように、電力量情報とオンオフ情報とパラメータ情報とともにスケジュール記憶部2138が記憶するスケジュール情報に基づいて設定された日属性情報を、月日情報、時刻情報および機器識別情報の組み合わせと対応づけて記憶する。イベント条件記憶部2132は、イベント発生条件情報を、各イベントの種類を示すイベント種類情報およびイベントに対応する機器4の機器識別情報とともに日属性情報を考慮するか否かを示す日属性フラグ情報と対応づけて記憶する。イベント発生時点記憶部2133は、イベント発生時点情報を、日属性情報に対応づけて記憶している。
【0068】
機器状態分類部2121は、機器4のユーザの行動スケジュールを示すスケジュール情報に基づいて、機器状態情報を分類する。ここで、機器状態分類部2121は、まず、スケジュール記憶部2138から分類対象となる対象日の行動内容情報を取得し、取得した行動内容情報から対象日の日属性を設定する。例えば図24(A)および(B)に示す例では、機器状態分類部2121は、「3/9」の行動内容情報がDAB[n]である場合、「3/9」の日属性をDAA[n]に設定し、「3/12」の行動内容情報がDAB[n+1]である場合、「3/12」の日属性をDAA[n+1]に設定している。ここで、機器状態分類部2121は、例えば行動内容情報が示す文字列についてテキスト解析を実行し、文字列に含まれる単語の種類に基づいて機器状態情報を分類する。機器状態分類部2121は、例えば行動内容情報が示す文字列が「Aさんとご飯」であるとすると、テキスト解析を実行することにより「Aさん」、「ご飯」という単語を抽出する。そして、機器状態分類部2121は、単語「Aさん」、「ご飯」を含む文字列を示す行動内容情報に対応する日属性を同一の日属性に分類する。
【0069】
イベント発生時点特定部2112は、イベント条件記憶部2132が記憶する日属性フラグ情報を参照し、日属性フラグ情報が日属性情報を考慮することを示している場合、機器状態記憶部2131が記憶する機器状態情報の中から同一の日属性情報に対応する機器状態情報を選出する。そして、イベント発生時点特定部2112は、選出した機器状態情報が示す機器4の履歴と、イベント条件記憶部2132が記憶するイベント発生条件情報が示すイベント発生条件と、を比較して、その日属性情報が示す日属性に対応するイベント発生時点に特定する。周期算出部2113は、イベント条件記憶部2132が記憶する日属性フラグ情報を参照して、イベント発生周期および周期開始時点の算出対象イベントの日属性フラグ情報が日属性を考慮することを示している場合、同一の日属性情報に対応する日のみを抽出してイベント発生周期および周期開始時点を算出する。
【0070】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ2001が実行する機器利用状況特定処理について図25を参照しながら説明する。まず、ステップS101からS103までの一連の処理が実行され、ステップS103において、イベント発生時点特定部2112が、周期開始時点・周期算出時期が到来したと判定したとする(ステップS103:Yes)。この場合、イベント発生時点特定部2112は、イベント条件記憶部2132が記憶するイベント条件情報を参照して、周期開始時点および周期を算出する対象となる算出対象イベントを選択する(ステップS104)。次に、イベント発生時点特定部2112は、イベント条件記憶部2132が記憶する日属性フラグ情報を参照し、日属性フラグ情報が日属性情報を考慮することを示しているか否かを判定する(ステップS2101)。ここで、イベント発生時点特定部2112は、日属性フラグ情報が日属性情報を考慮しないことを示していると判定すると(ステップS2101:No)、そのままステップS105以降の処理が実行される。一方、イベント発生時点特定部2112は、日属性フラグ情報が日属性情報を考慮することを示していると判定すると(ステップS2101:Yes)、算出対象の日属性情報を選択する(ステップS2102)。続いて、イベント発生時点特定部2112は、機器状態記憶部2131から選択した日属性情報と同一の日属性情報の機器状態情報を選出する(ステップS2103:Yes)。その後、イベント発生時点特定部2112は、選出した機器状態情報を用いて、選択した算出対象イベントについてイベント発生時点を特定する(ステップS105)。次に、ステップS106以降の処理が実行される。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態に係る機器利用状況特定システムによれば、機器状態分類部2121が、機器4のユーザの行動スケジュールを示すスケジュール情報に基づいて、機器状態情報を分類し、イベント発生時点特定部2112が、分類された機器状態情報の中から、機器4のユーザの行動スケジュールに応じた機器状態情報を選出してイベント発生時点を特定する。これにより、機器4のユーザの行動スケジュールによる影響を考慮した形でイベント発生周期と周期開始時点を算出し、算出したイベント発生周期と周期開始時点とから機器4の利用状況を特定するので、機器4の利用状況を精度良く特定することができる。
【0072】
また、本実施の形態に係る機器利用状況特定システムによれば、行動スケジュールが通常とは異なる場合にもその行動スケジュールに応じた機器4におけるイベント発生時点を予測することができるので、機器4を行動スケジュールに適した形で制御することが可能となるという利点がある。
【0073】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば、周期算出部113が、前述の算出対象期間における複数のイベント発生時点から選択された2つのイベント発生時点の間のインターバル時間に基づいて、基準平均値範囲を設定するものであってもよい。具体的には、周期算出部113が、周期開始時点・周期算出処理において、イベント発生周期の初期値、イベント発生周期上限値およびイベント発生周期下限値を、前述のインターバル時間に基づいて設定するものであってもよい。この場合、周期算出部113は、例えば図26に示すように、予め設定された算出対象期間中における複数のイベント発生時点T[1]、T[2]、・・・について、その後1回目のイベント発生時点との間のインターバル時間pdt1(pdt1[1]、pdt1[2]、・・・)の平均値、分散、その後2回目のイベント発生時点との間のインターバル時間pdt2(pdt2[1]、pdt2[2]、・・・)の平均値、分散、その後3回目のイベント発生時点との間のインターバル時間pdt3(pdt3[1]、pdt3[2]、・・・)の平均値、分散を算出する。そして、周期算出部113は、算出した分散のうちの最小の分散に対応するインターバル時間の平均値をイベント発生周期の初期値に設定するようにしてもよい。また、周期算出部113は、最小の分散に対応するインターバル時間の平均値の最小値を算出し、算出した最小値をイベント発生周期下限値に設定する。更に、周期算出部113は、最小の分散に対応するインターバル時間の平均値の最大値を算出し、算出した最大値をイベント発生周期上限値に設定するようにしてもよい。
【0074】
ここで、本変形例に係る周期算出部113が実行する周期開始時点・周期算出処理について図27を参照しながら詳細に説明する。まず、周期算出部113は、算出対象期間中の最初のイベント発生時点を特定する(ステップS3201)。ここで、周期算出部113は、図26に示すイベント発生時点T[1]を特定する。次に、周期算出部113は、図27に示すように、インターバル時間内におけるイベント発生回数を反映した数nを「1」に設定する(ステップS3202)。続いて、周期算出部113は、イベント発生時点を示すインデックス番号「m」を「1」に設定する(ステップS3203)。その後、周期算出部113は、イベント発生時点T[m+n]、T[m]との間のインターバル時間を算出する(ステップS3204)。ここで、周期算出部113は、算出したインターバル時間を示す情報を、数nを示す情報に対応づけて主記憶部102に記憶させる。次に、周期算出部113は、インデックス番号「m」を「1」だけインクリメントする(ステップS3205)。続いて、周期算出部113は、インデックス番号が算出対象期間中におけるイベント発生回数M1よりも小さいか否かを判定する(ステップS3206)。ここで、周期算出部113は、インデックス番号「m」が前述のイベント発生回数M1よりも小さいと判定すると(ステップS3206:Yes)、再びステップS3203の処理を実行する。
【0075】
一方、周期算出部113は、インデックス番号「m」が前述のイベント発生回数M1以上であると判定すると(ステップS3206:No)、数nを「1」だけインクリメントする(ステップS3207)。その後、周期算出部113は、数nが予め設定された基準数N2よりも小さいか否かを判定する(ステップS3208)。ここで、基準数N1は、イベント発生回数M1以下の数に設定される。周期算出部113は、数nが前述の基準数N1よりも小さいと判定すると(ステップS3208:Yes)、再びステップS3203の処理を実行する。一方、周期算出部113は、数nが前述の基準数N1以上であると判定すると(ステップS3208:No)、各数nについてインターバル時間の平均値と分散とを算出する(ステップS3209)。次に、周期算出部113は、算出したインターバル時間の分散のうちの最小の分散に対応するインターバル時間の平均値をイベント発生周期の初期値dtに設定する。また、周期算出部113は、最小の分散に対応するインターバル時間の平均値の最小値を算出し、算出した最小値をイベント発生周期下限値dtminに設定する。更に、周期算出部113は、最小の分散に対応するインターバル時間の平均値の最大値を算出し、算出した最大値をイベント発生周期上限値dtmaxに設定する(ステップS3210)。続いて、ステップS201以降の処理が実行される。
【0076】
なお、本変形例において、周期算出部113が、算出対象期間中における時間的に隣り合うイベント発生時点の間におけるインターバル時間を算出し、算出したインターバル時間の平均値をイベント発生周期の初期値に設定してもよい。そして、周期算出部113は、算出したインターバル時間の最小値をイベント発生周期下限値に設定し、算出したインターバル時間の最大値をイベント発生周期上限値に設定してもよい。
【0077】
また、周期算出部113が、機器4が時間的に連続して利用されていない連続未稼働時間を特定し、特定した連続未稼働期間内はイベントが発生しないものとしてイベント発生周期並びに周期開始時点を算出してもよい。
【0078】
本構成によれば、周期開始時点・周期算出処理におけるイベント発生周期の初期値を適切な値に設定することができるので、周期開始時点・周期算出処理に要する計算負荷を軽減することができる。
【0079】
実施の形態1および2において、端末装置6が、異常通知情報を受信すると、例えば図28に示すような、異常を通知するメッセージMM5を含む電子メール画面を表示部604に表示させるものであってもよい。
【0080】
実施の形態2において、日属性情報がその日の気象条件を示す情報を含むものであってもよい。この場合、イベント発生時点特定部2112は、イベント条件記憶部2132が記憶する日属性フラグ情報を参照し、日属性フラグ情報が日属性情報を考慮することを示している場合、機器状態記憶部2131が記憶する機器状態情報の中から気象条件が同一の日属性情報に対応する機器状態情報を選出するようにすればよい。
【0081】
実施の形態1および2では、クラウドサーバ1が、イベント発生時点特定部112、周期算出部113、イベント発生時点予測部116、判定部117および状況通知部118等として機能する例について説明した。但し、これに限らず、建物H1内に設置された制御装置において、実施の形態1、2で説明したクラウドサーバ1の機能の一部が実現されるものであってもよい。
【0082】
本変形例に係る機器利用状況特定システムは、例えば図29に示すように、端末装置5、6と、局所ネットワークNW2、ルータ7および広域ネットワークNW1を介して端末装置5、6と通信可能な制御装置3003と、を備える。なお、図29において実施の形態1と同様の構成については、図3と同一の符号を付している。また、制御装置3003は、実施の形態1で説明した制御装置3と同様のハードウェア構成を有する。制御装置3003は、イベント発生時点特定部112、周期算出部113、イベント発生時点予測部116、判定部117、状況通知部118および予測時点通知部119を有する。また、制御装置3003は、機器状態記憶部331と、イベント条件記憶部132と、イベント発生時点記憶部133と、周期情報記憶部134と、予測時点記憶部137と、ユーザ情報記憶部139と、を有する。ここで、イベント発生時点特定部112は、機器状態記憶部331が記憶する機器状態情報が示す機器4の状態の履歴と、イベント条件記憶部132が記憶するイベント発生条件情報が示すイベント発生条件と、を比較し、機器4の状態の履歴がイベント発生条件を満たす時点をイベント発生時点に特定するようにすればよい。
【0083】
また、本開示に係るクラウドサーバ1、2001、端末装置5、6の各種機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。この場合、ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、プログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)およびMO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータに読み込んでインストールすることにより、前述の各機能を実現することができるコンピュータを構成してもよい。そして、各機能をOS(Operating System)とアプリケーションとの分担またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合には、OS以外の部分のみを記録媒体に格納してもよい。
【0084】
さらに、搬送波に各プログラムを重畳し、ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、ネットワーク上の掲示板(BBS,Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前述の処理を実行できるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示は、機器の利用状況を監視するシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0086】
1,2001 クラウドサーバ、3,3003 制御装置、4 機器、5,6 端末装置、7 ルータ、21 分電盤、22 電力量計測装置、101,301,501,601 CPU、102,302,502,602 主記憶部、103,303,503,603 補助記憶部、106,506,606 広域通信部、108,308 計時部、109,309,509,609 バス、111 機器状態取得部、112,2112 イベント発生時点特定部、113,2113 周期算出部、114 個別情報生成部、115 集計部、116 イベント発生時点予測部、117 判定部、118 状況通知部、119 予測時点通知部、131,331,2131 機器状態記憶部、132,2132 イベント条件記憶部、133,2133 イベント発生時点記憶部、134 周期情報記憶部、135,532 個別情報記憶部、136,533 集計情報記憶部、137 予測時点記憶部、139 ユーザ情報記憶部、140 異常通知設定記憶部、307 局所通信部、311 動作状態取得部、312 電力量取得部、313 機器状態通知部、504,604 表示部、505,605 入力部、511,611 受信部、512,612 表示制御部、513,613 受付部、515,617 送信部、531,631 操作画面記憶部、534 入力情報記憶部、535 利用状況記憶部、614 メッセージ特定部、615 異常通知部、616 異常通知設定部、632 メッセージ記憶部、633 異常通知設定記憶部、2120 スケジュール取得部、2121 機器状態分類部、2138 スケジュール記憶部、B21,B22,B23,B24,B25,B41 画像、BU11,BU12,BU13,BU21,BU23,BU31,BU32,BU41,BU42,BU51,BU52,BU71,BU72,BU81,BU84,BU831,BU832,BU833,BU834 釦画像、GA1,GA2,GA72,GA81,GA82 操作画面画像、GA3 送信内容確認画面画像、GA4 通知設定画面画像、GA6 通知画面画像、GA71,GA73,GA83 報知画面画像、H1 建物、M31,M51,M52,M71,M73,M83,MM5 メッセージ、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク、PS 系統電源
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