(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ギヤトランスミッション
(51)【国際特許分類】
F16H 63/18 20060101AFI20240906BHJP
F16H 63/38 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
F16H63/18
F16H63/38
(21)【出願番号】P 2020168723
(22)【出願日】2020-10-05
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森田 悠介
(72)【発明者】
【氏名】安田 紀史
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-28346(JP,A)
【文献】特開平11-82734(JP,A)
【文献】特開2019-183905(JP,A)
【文献】特開2014-59003(JP,A)
【文献】特開平1-279141(JP,A)
【文献】特開2019-178753(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/18
F16H 63/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のシフトギヤと、前記複数のシフトギヤに各別に係合された状態でシフター支軸にスライド可能に支持された複数のシフターと、前記シフター支軸の支軸芯に平行なドラム軸芯が備えられ、かつ、前記複数のシフターが各別に係合する複数のシフター操作カム部が外周部に形成されたシフトドラムと、前記シフトドラムに連動連結された変速操作軸と、を有し、前記変速操作軸の回転操作によって前記シフトドラムが前記ドラム軸芯を回転中心にして回転操作されることにより、前記複数のシフターが前記シフター操作カム部によってスライド操作されて前記シフトギヤを変速段設定用の変速ギヤに係脱操作するように構成され、
前記シフトギヤが係合状態になる回転操作位置に前記シフトドラムを位置決めするデテント機構が備えられ、
前記デテント機構は、前記シフトドラムに形成された位置決め回転部と、前記位置決め回転部に形成された位置決め作用部に係合されることにより、前記シフトドラムの前記回転操作位置に対応する回転位置に前記位置決め回転部を位置決めする位置決めアームと、前記位置決めアームを前記位置決め作用部に係合付勢する位置決めバネと、を有し、
前記変速操作軸は、前記ドラム軸芯と平行に並ぶ状態で備えられ、
前記位置決めアームは、前記変速操作軸に相対回転可能に支持される状態で前記変速操作軸から前記位置決め回転部に向けて延ばされており、
前記シフトドラムと前記変速操作軸とを連動連結する連動機構、および前記デテント機構は、ミッションケースの内部に設けられ、
前記連動機構と前記デテント機構とは、個別の機構に構成された状態で、前記シフトドラムの前記ドラム軸芯に沿う方向での両端部のうちの一方の端部に備えられて
おり、
前記位置決め回転部は、前記シフトドラムの支軸部に設けられ、
前記連動機構は、前記支軸部に設けられ、前記変速操作軸の動力が伝達されるドラム操作ギヤを有し、
前記位置決め回転部の外径が前記ドラム操作ギヤの外径よりも大きく設定されているギヤトランスミッション。
【請求項2】
前記変速操作軸の操作位置を検出する回転ポテンショメータが備えられ、
前記回転ポテンショメータの回転操作軸の軸芯が前記変速操作軸の軸芯上に位置する状態で前記回転操作軸と前記変速操作軸とが一体になって回転するように係合されている請求項1に記載のギヤトランスミッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤトランスミッションに関する。
【背景技術】
【0002】
ギヤトランスミッションには、複数のシフトギヤと、複数のシフトギヤに各別に係合された状態でシフター支軸にスライド可能に支持された複数のシフターと、シフター支軸の支軸芯に平行なドラム軸芯が備えられ、かつ、複数のシフターが各別に係合する複数のシフター操作カム部が外周部に形成されたシフトドラムと、シフトドラムに連動連結された変速操作軸と、を有し、変速操作軸の回転操作によってシフトドラムがドラム軸芯を回転中心にして回転操作されることにより、複数のシフターがシフター操作カム部によってスライド操作されてシフトギヤを変速段設定用の変速ギヤに係脱操作するように構成されたものがある。
【0003】
この種のギヤトランスミッションとしては、特許文献1に示されるものがある。特許文献1に示されるギヤトランスミッションには、複数のシフトギヤとしての第1シフタ、第2シフタが備えられている。第1シフタに係合されたシフターとしての第1シフトフォーク、および、第2シフタに係合されたシフターとしての第2シフトフォークがシフター支軸としのフォークロッドにスライド可能に支持されている。第1シフトフォークが係合するシフタ操作カム部としての第1案内溝、および、第2シフトフォークが係合するシフタ操作カム部としての第2案内溝が外周部に形成されたシフトドラムとしてのカム軸が備えられている。カム軸に操作ギヤおよびセクタギヤを介して連動連結された変速操作軸としての連動軸が備えられている。連動軸の回転操作によってカム軸が回転操作されることにより、第1シフトフォークが第1案内溝によってスライド操作されて第1シフタを変速段設定用の変速ギヤとしての第2低速ギヤおよび第2高速ギヤに係脱操作され、第2シフトフォークが第2案内溝によってスライド操作されて第2シフタを変速段設定用の変速ギヤとしての第2後進ギヤに係脱操作されるよう構成されている。
【0004】
特許文献1に示されるギヤトランスミッションでは、カム軸と一体回転する円盤と、円盤の複数箇所に穿設された貫通孔と、ミッションケースに設けられたボールと、を有し、ボールが貫通孔に係合することによってカム軸の位置保持が行われるようにボール式のデテント機構が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のデテント機構を採用した場合、シフトドラムに位置決め回転部を形成し、位置決め回転部に形成した位置決め作用部に係合する位置決め部材をミッションケースに支持するので、位置決め部材を支持させるべきミッションケースの位置が本来の位置とは位置ずれしたものになると、シフトギヤが係合状態になる回転操作位置にシフトドラムがなっても、位置決め回転部の位置決め作用部に位置決め部材が係合しない。すなわち、位置決め部材を支持させる位置の設定を精度よく行わねばならず、デテント機構の組付けに手間が掛かる。
【0007】
本発明は、シフトドラムの位置決めを精度よく行わせられながら組付けが行い易く、かつ簡素な構造で済むギヤトランスミッションを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるギヤトランスミッションは、
複数のシフトギヤと、前記複数のシフトギヤに各別に係合された状態でシフター支軸にスライド可能に支持された複数のシフターと、前記シフター支軸の支軸芯に平行なドラム軸芯が備えられ、かつ、前記複数のシフターが各別に係合する複数のシフター操作カム部が外周部に形成されたシフトドラムと、前記シフトドラムに連動連結された変速操作軸と、を有し、前記変速操作軸の回転操作によって前記シフトドラムが前記ドラム軸芯を回転中心にして回転操作されることにより、前記複数のシフターが前記シフター操作カム部によってスライド操作されて前記シフトギヤを変速段設定用の変速ギヤに係脱操作するように構成され、前記シフトギヤが係合状態になる回転操作位置に前記シフトドラムを位置決めするデテント機構が備えられ、前記デテント機構は、前記シフトドラムに形成された位置決め回転部と、前記位置決め回転部に形成された位置決め作用部に係合されることにより、前記シフトドラムの前記回転操作位置に対応する回転位置に前記位置決め回転部を位置決めする位置決めアームと、前記位置決めアームを前記位置決め作用部に係合付勢する位置決めバネと、を有し、前記変速操作軸は、前記ドラム軸芯と平行に並ぶ状態で備えられ、前記位置決めアームは、前記変速操作軸に相対回転可能に支持される状態で前記変速操作軸から前記位置決め回転部に向けて延ばされており、前記シフトドラムと前記変速操作軸とを連動連結する連動機構、および前記デテント機構は、ミッションケースの内部に設けられ、前記連動機構と前記デテント機構とは、個別の機構に構成された状態で、前記シフトドラムの前記ドラム軸芯に沿う方向での両端部のうちの一方の端部に備えられており、前記位置決め回転部は、前記シフトドラムの支軸部に設けられ、前記連動機構は、前記支軸部に設けられ、前記変速操作軸の動力が伝達されるドラム操作ギヤを有し、前記位置決め回転部の外径が前記ドラム操作ギヤの外径よりも大きく設定されているギヤトランスミッション。
【0009】
本構成によると、シフトギヤが係合状態になる回転操作位置にシフトドラムがなると、位置決めバネによる位置決めアームの係合付勢によって位置決めアームが位置決め回転部の位置決め作用部に係合するので、シフトギヤが係合状態になる回転操作位置でのシフトドラムの位置決めが精度よく行われるのであり、位置決めアームを変速操作軸に相対回転可能に支持させるだけで済み、デテント機構の組付けを行い易い。位置決めアームの支持部材に変速操作軸を活用するので、特別な支持部材が不要な簡素な構造で済む。
【0010】
本発明においては、
前記変速操作軸の操作位置を検出する回転ポテンショメータが備えられ、前記回転ポテンショメータの回転操作軸の軸芯が前記変速操作軸の軸芯上に位置する状態で前記回転操作軸と前記変速操作軸とが一体になって回転するように係合されていると好適である。
【0011】
本構成によると、変速操作軸が回転操作されると、変速操作軸の動力が回転操作軸に直接に伝達されて回転ポテンショメータが操作されるので、変速操作軸の操作位置を検出できるのみならず、変速操作軸と回転操作軸とを連動させる特別な連動機構が不要な簡素な構造で済む。また、変速操作軸の数多い回転操作位置の検出も一つの回転ポテンショメータによって行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】有段変速操作具の操作位置を示す説明図である。
【
図4】ギヤトランスミッションを示す左側面図である。
【
図5】ギヤトランスミッションを示す平面図である。
【
図7】ギヤトランスミッションの変速部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、多目的車両の走行車体に関し、
図1に示される矢印Fの方向を「車体前方」、矢印Bの方向を「車体後方」、矢印Uの方向を「車体上方」、矢印Dの方向を「車体下方」、紙面表側の方向を「車体左方」、紙面裏側の方向を「車体右方」とする。
【0014】
〔多目的車両の全体の構成〕
図1に示されるように、多目的車両は、走行装置としての左右一対の前車輪1が操向可能かつ駆動可能に備えられ、走行装置としての左右一対の後車輪2が駆動可能に備えられた走行車体を有している。走行車体の前後中間部に、搭乗部3が形成されている。搭乗部3には、運転座席4、および、前車輪1を操向操作するステアリングホィール5を有する運転部3Aと、運転座席4よりも後側に位置する後部座席6が備えられている。走行車体の後部に、荷台7が設けられている。荷台7の下方に、前車輪1および後車輪2に向けて出力するエンジン8が設けられている。
【0015】
〔走行動力伝達系〕
図2は、エンジン8からの動力を前車輪1(
図1参照)および後車輪2(
図1参照)に伝達する走行動力伝達系を示す平面図である。走行動力伝達系には、エンジン8からの動力を変速して前車輪1及び後車輪2に向けて出力する無段変速装置10及びギヤトランスミッション20が設けられている。ギヤトランスミッション20は、エンジン8の後方に設けられている。無段変速装置10とギヤトランスミッション20とは、無段変速装置10の出力がギヤトランスミッション20に入力されるように直列状態で設けられている。
本実施形態では、エンジン8の出力軸8aの動力が無段変速装置10に入力され、無段変速装置10によって変速された動力がギヤトランスミッション20に入力され、ギヤトランスミッション20によって変速された動力がミッションケース21の下部から前向きに突出された前輪出力軸51から前車輪1に向けて出力される。ギヤトランスミッション20によって変速された動力がミッションケース21の後部内に設けられた後輪差動機構53から左右の後輪駆動軸53bを介して後車輪2に伝達される。前輪出力軸51は、前輪駆動ケース9(
図1参照)の内部に設けられた前輪差動機構(図示せず)に回転軸51a(
図1参照)を介して連結される。
【0016】
〔無段変速装置〕
図2に示されるように、無段変速装置10は、エンジン8の横側方とギヤトランスミッション20の横側方とに亘って設けられている。無段変速装置10は、変速ケース11を備えている。変速ケース11の内部に、エンジン8の出力軸8aに連動連結された入力プーリ12、ギヤトランスミッション20の入力軸(第1軸23)に連動連結された出力プーリ13、入力プーリ12と出力プーリ13とに巻回された無端回動ベルト14が設けられている。入力プーリ12および出力プーリ13は、無端回動ベルト14の巻き掛け径の変更が可能なように割りプーリによって構成されている。無段変速装置10は、いわゆるベルト式無段変速装置に構成されている。
【0017】
図2に示されるように、エンジン8のアクセル装置8bにアクセル連係機構15を介して連係されたアクセルペダル16と、無段変速装置10に備えられた変速操作部10aとが無段変速連係機構17を介して連係されている。アクセルペダル16は、運転部3Aに設けられている。アクセルペダル16によってアクセル装置8bが操作されてエンジン回転数が上昇側に調速されると、無段変速連係機構17の作用により、アクセル装置8bの作動に連係して変速操作部10aが操作されて無段変速装置10が高速側に変速操作される。アクセルペダル16によってアクセル装置8bが操作されてエンジン回転数が下降側に調速されると、無段変速連係機構17の作用により、アクセル装置8bの作動に連係して変速操作部10aが操作されて無段変速装置10が低速側に変速操作される。
【0018】
無段変速装置10は、前車輪1および後車輪2の駆動速度を変速する主変速装置として変速操作されるように構成されている。無段変速装置10の変速操作は、無段変速操作具としてのアクセルペダル16によって行われる。具体的には、アクセルペダル16が操作されると、入力プーリ12および出力プーリ13におけるベルト巻き掛け径が変更され、エンジン8から入力プーリ12に入力された動力が入力プーリ12と出力プーリ13の間で無段階に変速されて出力プーリ13からギヤトランスミッション20に出力される。
【0019】
〔ギヤトランスミッション〕
ギヤトランスミッション20は、
図2に示されるように、ミッションケース21を備え、ミッションケース21の横幅方向と走行車体の横幅方向とが一致する状態で設けられている。
図4,5,6に示されるように、ギヤトランスミッション20は、ミッションケース21の前上部に回転可能に支持された第1軸23などを有する変速部20Aと、変速部20Aの出力を前車輪1および後車輪2に向けて出力する伝動機構20Bと、を備えている。
【0020】
変速部20Aは、
図5,6に示されるように、第1軸23を備える他、第1軸23に対して平行に並ぶ状態でミッションケース21の内部に設けられた第2軸24および第3軸25を備えている。第1軸23、第2軸24および第3軸25は、ミッションケース21の横幅方向に延びる状態で備えられている。
【0021】
第1軸23の一端側がミッションケース21から無段変速装置10に向けて突出され、無段変速装置10の出力プーリ13に連動されている。第1軸23は、ギヤトランスミッション20の入力軸になっている。
図5,6に示されるように、ミッションケース21の内部において、第1軸23に、第1入力ギヤ26、第2入力ギヤ27、第3入力ギヤ28および第4入力ギヤ29が設けられている。
【0022】
図5,6に示されるように、第1入力ギヤ26に噛み合った前進1速段設定用の第1変速ギヤ31、第2入力ギヤ27に噛み合った前進2速段設定用の第2変速ギヤ32、第3入力ギヤ28に噛み合った前進3速段設定用の第3変速ギヤ33が回転支軸としての第2軸24に相対回転可能に支持されている。第4入力ギヤ29に噛み合った逆転ギヤ34が第3軸25に支持され、逆転ギヤ34に噛み合った後進1速段設定用の後進ギヤ35が第2軸24に相対回転可能に支持されている。
【0023】
図7に示されるように、第1変速ギヤ31の外径は、第3変速ギヤ33の外径よりも大きく設定されている。第1変速ギヤ31の外径は、第2変速ギヤ32の外径よりも大きく設定されている。第2変速ギヤ32の外径は、第3変速ギヤ33の外径よりも大きく設定されている。第2変速ギヤ32の外径および第3変速ギヤ33の外径よりも外径が大きい第1変速ギヤ31は、ミッションケース21の横幅方向において、第2変速ギヤ32よりも内側に位置し、かつ、第3変速ギヤ33よりも内側に位置するように配置されている。
【0024】
図7に示されるように、第1変速ギヤ31と第3変速ギヤ33との間において、第1シフトギヤ36が第2軸24に支持されている。第1シフトギヤ36は、第1変速ギヤ31の側部に形成されている歯部31aに係合されて第1変速ギヤ31を第2軸24に連動連結する伝動状態と、第3変速ギヤ33の側部に形成されている歯部33aに係合されて第3変速ギヤ33を第2軸24に連動連結する伝動状態と、第1変速ギヤ31の歯部31aから離脱されて第1変速ギヤ31の第2軸24に対する連動連結を解除し、かつ、第3変速ギヤ33の歯部33aから離脱されて第3変速ギヤ33の第2軸24に対する連動連結を解除する中立状態とにスライド可能な状態で第2軸24に支持されている。
【0025】
図7に示されるように、第2変速ギヤ32と後進ギヤ35との間において、第2シフトギヤ37が第2軸24に支持されている。第2シフトギヤ37は、第2変速ギヤ32の側部に形成されている歯部32aに係合されて第2変速ギヤ32を第2軸24に連動連結する伝動状態と、後進ギヤ35の側部に形成されている歯部35aに係合されて後進ギヤ35を第2軸24に連動連結する伝動状態と、第2変速ギヤ32の歯部32aから離脱されて第2変速ギヤ32の第2軸24に対する連動連結を解除し、かつ、後進ギヤ35の歯部35aから離脱されて後進ギヤ35の第2軸24に対する連動連結を解除する中立状態とにスライド可能な状態で第2軸24に支持されている。
【0026】
図6に示されるように、伝動機構20Bは、第4軸41などを備えるギヤ連動機構40を介して第2軸24に一端部が連動連結された回転伝動軸としての第5軸49、第5軸49の他端部にベベルギヤ機構50を介して連動連結され、第5軸49の動力を前車輪1に向けて出力する前輪出力軸51、第5軸49の中間部に入力ギヤ53aが連動連結され、第5軸49の動力を後車輪2に向けて出力する後輪差動機構53を備えている。入力ギヤ53aは、第5軸49に設けられた伝動ギヤ52に係合されることによって第5軸49に連動連結されている。前輪出力軸51は、ミッションケース21の前後方向に延びる状態で設けられている。第4軸41および第5軸49は、ミッションケース21の横幅方向に延びる状態で備えられている。
【0027】
ギヤ連動機構40は、
図6に示されるように、第4軸41を備える他、第2軸24に設けられた第1伝動ギヤ42、第1伝動ギヤ42に噛み合った状態で第4軸41の一端部に設けられた第2伝動ギヤ43、第4軸41の他端部に設けられた第3伝動ギヤ44、第3伝動ギヤ44に噛み合った状態で第5軸49の一端部に設けられた第4伝動ギヤ45を備えている。
【0028】
図7に示されるように、後進ギヤ35における根元の第1伝動ギヤ42に対向する角部に、応力集中を緩和する段差35bが形成されている。第1変速ギヤ31における根本の第1伝動ギヤ42に対向する角部に、後進ギヤ35の段差35bと同様の段差が形成されている。
【0029】
図5,7に示されるように、第1シフトギヤ36に先端部55aが係合された第1シフター55、および、第2シフトギヤ37に先端部56aが係合された第2シフター56がシフター支軸57にスライド可能に支持されている。シフター支軸57は、第2軸24と平行に並ぶ状態でミッションケース21に支持されている。シフター支軸57の支軸芯Xに平行なドラム軸芯Yが備えられたシフトドラム58がミッションケース21に回転可能に支持されている。シフトドラム58の外周部に、第1シフター55の操作部55bが係合する第1シフター操作カム部59、および、第2シフター56の操作部56bが係合する第2シフター操作カム部60が備えられている。第1シフター操作カム部59および第2シフター操作カム部60は、操作部55b,56bがスライド可能に係入する案内溝によって構成されている。シフトドラム58がドラム軸芯Yを回転中心にして回転されることにより、第1シフター55が第1シフター操作カム部59によってシフター支軸57に沿わせてスライド操作されて第1シフトギヤ36をスライド操作し、第2シフター56が第2シフター操作カム部60によってシフター支軸57に沿わせてスライド操作されて第2シフトギヤ37をスライド操作するように構成されている。
【0030】
シフトドラム58の回転操作を行う変速操作軸61が設けられている。具体的には、変速操作軸61は、
図5,7に示されるように、ミッションケース21の横幅方向に延びる状態、かつ、ドラム軸芯Yと平行に並ぶ状態でミッションケース21の上部に回転可能に支持されている。
図7に示されるように、ミッションケース21の内部において、変速操作軸61の一端部とシフトドラム58のうちの支軸部58aとにわたり、変速操作軸61とシフトドラム58とを連動連結する連動機構62が設けられている。変速操作軸61が回転操作されると、変速操作軸61の動力が連動機構62によって支軸部58aに伝達されてシフトドラム58が回転操作される。
【0031】
連動機構62は、
図7,8に示されるように、シフトドラム58の支軸部58aに設けられ、シフトドラム58と共に回転するドラム操作ギヤ63と、ドラム操作ギヤ63に噛み合った状態で変速操作軸61の一端部に設けられ、変速操作軸61と共に回転する伝動ギヤ64と、を備えている。伝動ギヤ64は、扇型ギヤによって構成されている。
【0032】
図2,7に示されるように、変速操作軸61に連係機構65を介して有段変速操作具66が連係されている。有段変速操作具66は、運転部3Aに設けられている。連係機構65は、変速操作軸61の連動機構62が設けられている側とは反対側の端部から延ばされた揺動アーム67、および、揺動アーム67と有段変速操作具66とを連係させる操作ケーブルなどを備えている。
【0033】
〔デテント機構〕
第1シフトギヤ36及び第2シフトギヤ37が係合状態あるいは中立状態になる回転操作位置にシフトドラム58を位置決めするデテント機構70が設けられている。デテント機構70は、ミッションケース21の内部に設けられている。
【0034】
具体的には、デテント機構70は、
図7,9に示されるように、シフトドラム58のうちの支軸部58aに形成された位置決め回転部71と、変速操作軸61から位置決め回転部71に向けて延ばされた位置決めアーム72と、位置決めアーム72のボス部72aにコイル部73aが外嵌された位置決めバネ73と、を有している。
【0035】
位置決め回転部71の周部における5箇所に、位置決め作用部としての凹入部74が設けられている。位置決めアーム72は、基部に備えられたボス部72aで変速操作軸61に回転可能に支持されている。位置決めアーム72の遊端部に、ローラ75が回転可能に設けられている。位置決めアーム72は、位置決め回転部71が回転すると、変速操作軸61を揺動支点にして揺動することによってローラ75によって凹入部74に係脱し、凹入部74に係合することによってシフトドラム58の回転操作位置に対応する回転位置に位置決め回転部71を位置決めする。位置決めバネ73の一端部が位置決めアーム72に係止され、位置決めバネ73の他端部がミッションケース21に係止されている。位置決めアーム72は、凹入部74に係合するように位置決めバネ73によって揺動付勢されている。
【0036】
〔回転ポテンショメータ〕
変速操作軸61の操作位置を検出する回転ポテンショメータ76が設けられている。回転ポテンショメータ76は、
図4,7に示されるように、ミッションケース21の外部に設けられている。回転ポテンショメータ76のメータケース76aは、ミッションケース21にネジ止めされている。回転ポテンショメータ76の回転操作軸76bは、回転操作軸76bの軸芯が変速操作軸61の軸芯上に位置するように配置されている。回転操作軸76bと変速操作軸61とは、一体になって回転するように係合されている。具体的には、回転操作軸76bが変速操作軸61に設けられた連結孔に係入され、回転操作軸76bと変速操作軸61とが一体に回転するように係合している。回転操作軸76bと変速操作軸61との係合は、回転操作軸76bおよび連結孔の非円形によって行われている。
【0037】
ギヤトランスミッション20は、前車輪1および後車輪2の駆動速度を後進1段、前進3段の計4段階に変速する副変速装置として変速操作されるように構成されている。ギヤトランスミッション20の変速操作は、有段変速操作具66によって行われる。
【0038】
具体的には、
図3に示されるように、有段変速操作具66は、揺動操作されることにより、操作具ガイド77によって案内されて中立位置[N]、後進位置[R]、前進1速位置[UL]、前進2速位置[L]および前進3速位置[H]に切り換わる。
【0039】
前進2速位置[L]は、前進3速位置[H]よりも低速の操作位置であり、前進1速位置[UL]は、前進2速位置[L]よりも低速の操作位置である。有段変速操作具66の中立位置[N]、前進3速位置[H]、前進2速位置[L]、前進1速位置[UL]への切り換わりは、この記載の順序で行われる。すなわち、有段変速操作具66は、中立位置[N]から前進3速位置[H]に切り換わり、前進3速位置[H]から前進2速位置[L]に切り換わり、前進2速位置[L]から前進1速位置[UL]に切り換わる。
【0040】
有段変速操作具66が中立位置[N]に操作されると、有段変速操作具66の操作力によって変速操作軸61が回転操作され、変速操作軸61の操作力によってシフトドラム58が中立現出の回転操作位置に回転操作される。すると、第1シフター55が第1シフター操作カム部59によってスライド操作されて第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31および第3変速ギヤ33に対する離脱状態に第1シフター55によって操作される。さらに、第2シフター56が第2シフター操作カム部60によってスライド操作されて第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32および後進ギヤ35に対する離脱状態に第2シフター56によって操作される。位置決め回転部71がシフトドラム58と共に回転して5箇所の凹入部74のうちの第1凹入部74aに位置決めアーム72が係合され、シフトドラム58が中立現出の回転操作位置(第1シフトギヤ36および第2シフトギヤ37が離脱状態になる回転操作位置)にデテント機構70によって位置決めされる。ギヤトランスミッション20においては、中立状態になり、第1軸23の動力の第2軸24への伝達が停止され、前車輪1及び後車輪2に向けての出力が停止される。ギヤトランスミッション20は、デテント機構70によって中立状態に保持される。回転ポテンショメータ76の回転操作軸76bが変速操作軸61によって回転操作され、変速操作軸61の操作位置が回転ポテンショメータ76によって検出されて検出結果がギヤトランスミッション20の中立状態の検出結果として回転ポテンショメータ76から表示装置(図示せず)などに出力される。
【0041】
有段変速操作具66が後進位置[R]に操作されると、有段変速操作具66の操作力によって変速操作軸61が回転操作され、変速操作軸61の操作力によってシフトドラム58が後進現出の回転操作位置に回転操作される。すると、第1シフター55が第1シフター操作カム部59によってスライド操作されて第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31および第3変速ギヤ33に対する離脱状態に第1シフター55によって操作される。さらに、第2シフター56が第2シフター操作カム部60によってスライド操作されて第2シフトギヤ37が後進ギヤ35に対する係合状態に第2シフター56によって操作される。位置決め回転部71がシフトドラム58と共に回転して5箇所の凹入部74のうちの第2凹入部74bに位置決めアーム72が係合され、シフトドラム58が後進現出の回転操作位置(第2シフトギヤ37が後進ギヤ35に対する係合状態になり、第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31および第3変速ギヤ33に対する離脱状態になる回転操作位置)にデテント機構70によって位置決めされる。ギヤトランスミッション20においては、後進伝動状態になり、第1軸23の動力が第4入力ギヤ29、逆転ギヤ34および後進ギヤ35によって後進動力に変速され、後進動力が第2軸24に伝達されて第2軸24から伝動機構20Bに入力され、後進動力が前輪出力軸51から前車輪1に向けて出力され、後進動力が後輪差動機構53から後車輪2に向けて出力される。ギヤトランスミッション20は、デテント機構70によって後進伝動状態に保持される。回転ポテンショメータ76の回転操作軸76bが変速操作軸61によって回転操作され、変速操作軸61の操作位置が回転ポテンショメータ76によって検出されて検出結果がギヤトランスミッション20の後進伝動状態の検出結果として回転ポテンショメータ76から出力される。
【0042】
有段変速操作具66が前進3速位置[H]に操作されると、有段変速操作具66の操作力によって変速操作軸61が回転操作され、変速操作軸61の操作力によってシフトドラム58が前進3速現出の回転操作位置に回転操作される。すると、第1シフター55が第1シフター操作カム部59によってスライド操作されて第1シフトギヤ36が第3変速ギヤ33に対する係合状態に第1シフター55によって操作される。さらに、第2シフター56が第2シフター操作カム部60によってスライド操作されて第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32および後進ギヤ35に対する離脱状態に第2シフター56によって操作される。位置決め回転部71がシフトドラム58と共に回転して5箇所の凹入部74のうちの第3凹入部74cに位置決めアーム72が係合され、シフトドラム58が前進3速現出の回転操作位置(第1シフトギヤ36が第3変速ギヤ33に対する係合状態になり、第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32および後進ギヤ35に対する離脱状態になる回転操作位置)にデテント機構70によって位置決めされる。ギヤトランスミッション20においては、前進3速の前進伝動状態になり、第1軸23の動力が第3入力ギヤ28および第3変速ギヤ33によって前進3速の動力に変速され、前進3速の動力が第2軸24に伝達されて第2軸24から伝動機構20Bに入力され、前進1速および前進2速よりも高速の前進3速の前進動力が前輪出力軸51から前車輪1に向けて出力され、前進3速の前進動力が後輪差動機構53から後車輪2に向けて出力される。ギヤトランスミッション20は、前進3速の前進伝動状態にデテント機構70によって保持される。回転ポテンショメータ76の回転操作軸76bが変速操作軸61によって回転操作され、変速操作軸61の操作位置が回転ポテンショメータ76によって検出されて検出結果がギヤトランスミッション20の前進3速の前進伝動状態の検出結果として回転ポテンショメータ76から出力される。
【0043】
有段変速操作具66が前進2速位置[L]に操作されると、有段変速操作具66の操作力によって変速操作軸61が回転操作され、変速操作軸61の操作力によってシフトドラム58が前進2速現出の回転操作位置に回転操作される。すると、第1シフター55が第1シフター操作カム部59によってスライド操作されて第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31および第3変速ギヤ33に対する離脱状態に第1シフター55によって操作される。さらに、第2シフター56が第2シフター操作カム部60によってスライド操作されて第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32に対する係合状態に第2シフター56によって操作される。位置決め回転部71がシフトドラム58と共に回転して5箇所の凹入部74のうちの第4凹入部74dに位置決めアーム72が係合され、シフトドラム58が前進2速現出の回転操作位置(第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31および第3変速ギヤ33に対する離脱状態になり、第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32に対する係合状態になる回転操作位置)にデテント機構70によって位置決めされる。ギヤトランスミッション20においては、前進2速の前進伝動状態になり、第1軸23の動力が第2入力ギヤ27および第2変速ギヤ32によって前進2速の動力に変速され、前進2速の動力が第2軸24に伝達されて第2軸24から伝動機構20Bに入力され、前進3速よりも低速かつ前進1速よりも高速の前進2速の動力が前輪出力軸51から前車輪1に向けて出力され、前進2速の動力が後輪差動機構53から後車輪2に向けて出力される。ギヤトランスミッション20は、前進2速の前進伝動状態にデテント機構70によって保持される。回転ポテンショメータ76の回転操作軸76bが変速操作軸61によって回転操作され、変速操作軸61の操作位置が回転ポテンショメータ76によって検出されて検出結果がギヤトランスミッション20の前進2速の前進伝動状態の検出結果として回転ポテンショメータ76から出力される。
【0044】
有段変速操作具66が前進1速位置[UL]に操作されると、有段変速操作具66の操作力によって変速操作軸61が回転操作され、変速操作軸61の操作力によってシフトドラム58が前進1速現出の回転操作位置に回転操作される。すると、第1シフター55が第1シフター操作カム部59によってスライド操作されて第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31に対する係合状態に第1シフター55によって操作される。さらに、第2シフター56が第2シフター操作カム部60によってスライド操作されて第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32および後進ギヤ35に対する離脱状態に第2シフター56によって操作される。位置決め回転部71がシフトドラム58と共に回転して5箇所の凹入部74のうちの第5凹入部74eに位置決めアーム72が係合され、シフトドラム58が前進1速現出の回転操作位置(第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31に対する係合状態になり、第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32および後進ギヤ35に対する離脱状態になる回転操作位置)にデテント機構70によって位置決めされる。ギヤトランスミッション20においては、前進1速の前進伝動状態になり、第1軸23の動力が第1入力ギヤ26および第1変速ギヤ31によって前進1速の動力に変速され、前進1速の動力が第2軸24に伝達されて第2軸24から伝動機構20Bに入力され、前進3速および前進2速よりも低速の前進1速の動力が前輪出力軸51から前車輪1に向けて出力され、前進1速の動力が後輪差動機構53から後車輪2に向けて出力される。ギヤトランスミッション20は、前進1速の前進伝動状態にデテント機構70によって保持される。回転ポテンショメータ76の回転操作軸76bが変速操作軸61によって回転操作され、変速操作軸61の操作位置が回転ポテンショメータ76によって検出されて検出結果がギヤトランスミッション20の前進1速の前進伝動状態の検出結果として回転ポテンショメータ76から出力される。
【0045】
〔伝動融通部〕
図6に示されるように、伝動機構20Bに、回転支軸としての第2軸24の設定回転角での遊転を許容する伝動融通部80が設けられている。具体的には、伝動融通部80は、
図6に示されるように、回転伝動軸としての第5軸49のうちのギヤ連動機構40が連結されている部位に設けられている。第5軸49のうちのギヤ連動機構40が連結されている部位は、第5軸49のうちの前輪出力軸51および後輪差動機構53が連結されている部位よりも伝動方向上手側の部位である。伝動融通部80は、
図6に示されるように、第4伝動ギヤ45に設けられ、第4伝動ギヤ45と共に回転する伝動回転部81と、第5軸49に設けられ、第5軸49と共に回転する受動回転部82と、を備えている。伝動回転部81の側部における複数箇所に、伝動突起83が設けられ、受動回転部82の側部における複数箇所に、受動突起84が設けられている。伝動突起83および受動突起84は、隣り合う伝動突起83同士の間に一つの受動突起84が係入する状態、かつ、伝動突起83と受動突起84が回転方向に相対的に設定ずれ角Aだけ位置ずれ可能な状態で設けられている。
【0046】
伝動融通部80においては、伝動突起83と受動突起84が一端面どうしで当接することによって第4伝動ギヤ45から第5軸49への前進動力の伝達が行われ、伝動突起83と受動突起84が他端面どうしで当接することによって第4伝動ギヤ45から第5軸49への後進動力の伝達が行われ、伝動突起83と受動突起84の設定ずれ角Aでの相対的な位置ずれによって第2軸24の設定回転角の遊転が許容される。
【0047】
第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31に係合操作される際、第1シフトギヤ36と、第1変速ギヤ31の歯部31aとの端面同士が当たっても、伝動融通部80によって第2軸24の遊転が許容されるので、第1シフトギヤ36と第1変速ギヤ31とが回転方向に位置ずれし易くて第1シフトギヤ36が第1変速ギヤ31の歯部31aに係合し易い。第1シフトギヤ36が第3変速ギヤ33に係合操作される際、第2シフトギヤ37が第2変速ギヤ32に係合操作される際、第2シフトギヤ37が後進ギヤ35に係合操作される際、も同様である。
【0048】
本実施形態では、伝動突起83および受動突起84を設けているが、伝動回転部81と受動回転部82の一方に凹入部を設け、凹入部に設定回転角だけスライド可能に係入する伝動突起を伝動回転部81と受動回転部82の他方に設けて伝動融通部を構成してもよい。
【0049】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、無段変速装置10がベルト式無段変速装置に構成された例を示したが、これに限らず、静油圧式無段変速装置など、各種の無段変速装置に構成されたものであってもよい。
【0050】
(2)上記した実施形態では、エンジン8からの動力が無段変速装置10に入力され、無段変速装置10の出力がギヤトランスミッション20に入力されるように無段変速装置10とギヤトランスミッション20が直列状態で設けられた例が示されたが、エンジン8からの動力がギヤトランスミッション20に入力され、ギヤトランスミッション20の出力が無段変速装置10に入力されるように無段変速装置10とギヤトランスミッション20が直列状態で設けられたものであってもよい。
【0051】
(3)上記した実施形態では、ギヤトランスミッション20が後進1段、前進3段に変速可能に構成された例を示したが、後進2段以上、前進2段、あるいは前進4段以上に変速可能に構成されたものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、複数のシフトギヤに各別に係合された複数のシフターと、複数のシフターが各別に係合する複数のシフター操作カム部が外周部に形成されたシフトドラムと、シフトドラムに連動連結された変速操作軸と、を有するギヤトランスミッションに適用できる。
【符号の説明】
【0053】
21 ミッションケース
31 変速ギヤ(第1変速ギヤ)
32 変速ギヤ(第2変速ギヤ)
33 変速ギヤ(第3変速ギヤ)
35 変速ギヤ(後進ギヤ)
36 シフトギヤ(第1シフトギヤ)
37 シフトギヤ(第2シフトギヤ)
55 シフター(第1シフター)
56 シフター(第2シフター)
57 シフター支軸
58 シフトドラム
58a 支軸部
59 シフター操作カム部(第1シフター操作カム部)
60 シフター操作カム部(第2シフター操作カム部)
61 変速操作軸
62 連動機構
63 ドラム操作ギヤ
70 デテント機構
71 位置決め回転部
72 位置決めアーム
73 位置決めバネ
76 回転ポテンショメータ
76b 回転操作軸
X 支軸芯
Y ドラム軸芯