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▶ アビオメド インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ピールアウェイシースアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20240906BHJP
   A61M 60/122 20210101ALI20240906BHJP
【FI】
A61M25/06 550
A61M60/122
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020564174
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 US2019032736
(87)【国際公開番号】W WO2019222546
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】62/672,212
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/802,454
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コルクチ クリストファー ネイソン
(72)【発明者】
【氏名】ファントゥッツィ グレン
(72)【発明者】
【氏名】カラブレーゼ ドリュー
(72)【発明者】
【氏名】リュー クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】モードリッシュ ジョン
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0182387(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0082000(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0238965(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 60/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピールアウェイシースハブと;
ピールアウェイシースボディであって、
該ピールアウェイシースハブに接続された近位端、
遠位端、
該ピールアウェイシースボディの外半径を画定し、かつ最外面を画定する外層、
内半径を有する、該ピールアウェイシースボディの第一の内腔を画定し、かつ最内面を画定する内層
該内半径と該外半径との間に位置する、該ピールアウェイシースボディの該内層の剛性および該外層の剛性のうちの少なくとも1つよりも高い剛性を有する補強層、並びに
該ピールアウェイシースボディの、該最外面または該最内面、若しくは両方のうちの少なくとも1つから、該外層および該補強層、または該内層および該補強層、若しくは両方を貫通して、それぞれ延びる、1つまたは複数の切欠きであって、ピールアウェイ線を画定する整列した別々の切欠きの連なりとして、または該ピールアウェイシースボディの長さに沿ってピールアウェイ線を画定する連続的な切欠きとして、構成され、該ピールアウェイ線が該1つまたは複数の切欠きと整列し、該ピールアウェイシースボディが該ピールアウェイ線に沿ってピールアウェイされるように構成されている、1つまたは複数の切欠き
を含む、ピールアウェイシースボディと
を含む、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項2】
補強層がハイポチューブである、請求項1記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項3】
補強層が、少なくとも2つの周方向不連続部を含む、請求項1または2記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項4】
少なくとも2つの周方向不連続部がそれぞれ、ハイポチューブの表面に形成されたスリットを含む、請求項1~3のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項5】
ハイポチューブの表面上の少なくとも2つの周方向不連続部が、互いに対して平行であり、該ハイポチューブの長さに沿って等間隔である、請求項1~4のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項6】
ハイポチューブの表面上のスリットが周方向の長さを有し、該スリットの該長さが、すべてのスリットで実質的に同一である、請求項1~5のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項7】
スリットが
第一のスリットのセットであって、該第一のスリットのセットの各スリットが中心を有し、該第一のスリットのセット中の各スリットの中心が、ハイポチューブの長さに沿って第一のスリット軸を形成する、第一のスリットのセットと、
第二のスリットのセットであって、該第二のスリットのセットの各スリットが中心を有し、該第二のスリットのセット中の各スリットの中心が、該ハイポチューブの該長さに沿って第二のスリット軸を形成する、第二のスリットのセットと
を含み、該第二のスリット軸が該第一のスリット軸からある角度だけオフセットされている、請求項1~6のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項8】
1つまたは複数の切欠きが、ピールアウェイシースボディの表面上に第一および第二のピールアウェイ線をさらに画定し
該ピールアウェイシースボディ沿いの任意の長軸方向位置で、第一のスリット軸が該第一のピールアウェイ線と同じ周方向位置にあり、第二のスリット軸が該第二のピールアウェイ線と同じ周方向位置にある、請求項1~7のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項9】
ピールアウェイ線の少なくとも1つが、ピールアウェイシースボディの内面上に位置する、請求項1~8のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項10】
ピールアウェイ線の少なくとも1つが、ピールアウェイシースボディの外面上に位置する、請求項1~8のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項11】
第一および第二のピールアウェイ線が互いに直径方向に対向する、請求項1~10のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項12】
ピールアウェイシースハブが、
近位円錐形部分
遠位円柱形部分、および
少なくとも1つの周方向不連続部
をさらに含み、
該ピールアウェイシースハブの該少なくとも1つの周方向不連続部が該ピールアウェイシースボディの少なくとも1つの切欠きと整列し、かつ該ピールアウェイシースハブの該少なくとも1つの周方向不連続部は、該ピールアウェイシースハブの厚みが減少した部分を提供する、請求項1~11のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項13】
ピールアウェイシースハブの少なくとも1つの周方向不連続部が第一の周方向不連続部および第二の周方向不連続部を含み、該ピールアウェイシースハブの近位円錐形部分が該第一の周方向不連続部を含み、該ピールアウェイシースハブの遠位円柱形部分が該第二の周方向不連続部を含む、請求項12記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項14】
第一の周方向不連続部と第二の周方向不連続部が、長軸方向に整列している、請求項13記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項15】
第二の周方向不連続部の遠位端が、ピールアウェイシースボディの表面に沿って第一および第二のピールアウェイ線のうちの少なくとも1つの近位端に当接している、請求項13または14記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項16】
内層および外層が熱可塑性樹脂を含む、請求項1~15のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項17】
熱可塑性樹脂が、PEBAXまたはTPUのうちの少なくとも1つである、請求項1~16のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項18】
補強層が、LCP、PEBAX、ステンレス鋼、ニチノールまたはケブラー(登録商標)のうちの少なくとも1つである、請求項1~17のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項19】
補強層が、ピールアウェイシースボディの遠位部分にのみ存在する、請求項1~18のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項20】
補強層が、ピールアウェイシースボディの近位部分にのみ存在する、請求項1~18のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項21】
補強層が、ピールアウェイシースボディの中間部分にのみ存在する、請求項1~18のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項22】
補強層が、ピールアウェイシースボディの長さに沿って交互の部分に存在する、請求項1~18のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項23】
ハイポチューブが、2つのC字形半分として構成されている、請求項1~22のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項24】
ピールアウェイシースボディの内面上のピールアウェイ線が、該ピールアウェイシースボディの全長に沿って延びる、請求項1~23のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項25】
親水コーティングが、ピールアウェイシースボディの外層の少なくとも一部分を被覆する、請求項1~24のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項26】
ピールアウェイシースボディの遠位端から、該ピールアウェイシースボディの近位端から約5cm遠位側まで、親水コーティングによって被覆された外層の部分が延びる、請求項1~25のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【請求項27】
ピールアウェイシースボディの遠位端から、該ピールアウェイシースボディの近位端から約2cm遠位側まで、親水コーティングによって被覆された外層の部分が延びる、請求項1~26のいずれか一項記載のピールアウェイシースアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その内容が本出願の付録Aとして組み入れられる、2018年5月16日に出願された米国特許仮出願第62/672,212号およびその内容が本出願の付録Bとして組み入れられる、2019年2月7日に出願された米国特許仮出願第62/802,454号への優先権の恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
患者が心臓発作を起こしたのち、心臓の機能を支援するために機械的循環補助装置が導入されることが多い。いくつかの適応においては、心臓ポンプが患者血管系を通して心臓に挿入されて、心臓の負荷の軽減を支援する。ポンプは、心臓の左心室から血液を引き出し、それを大動脈に押し込む;または、下大静脈(IVC)から血液を引き出し、右心房および右心室をバイパスし、血液を肺動脈に押し込むように構成され得る。一部のシステムはオンボードモータによってポンプを作動させるが、他のシステムは外部モータでポンプを作動させる。さらに他のシステムは、患者血管系を通って心臓に到達する長いカニューレを有する体外ポンプを使用する。他のシステムは、心臓に入らず、大動脈または他の血管中に留まるポンプを使用する。
【0003】
機械的循環補助装置(たとえば心臓内心臓ポンプアセンブリ)または他の医療装置は、様々な方法で患者に導入することができる。一般的な手法は、心臓処置中に外科的または経皮的に血管系に導入する手法である。たとえば、ピールアウェイイントロデューサシースなどのシースを使用するカテーテル法が大腿動脈に適用され得る。別の手法において、シースは、腋窩または鎖骨下挿入部位を通して挿入することができる。あるいはまた、シースは、他の場所、たとえば大腿静脈または心臓の左側もしくは右側を支援するためのポンプの送達のための任意の経路に挿入することもできる。
【0004】
ポンプアセンブリのための挿入経路を形成するために、イントロデューサシースを動脈切開部から大腿動脈に挿入することができる。次いで、装置の一部分をイントロデューサシースの内腔に通して動脈の中へと進める。装置(たとえばポンプアセンブリ)が挿入されたならば、イントロデューサシースをピールアウェイする。次いで、再配置シースを、たとえばポンプアセンブリの上から動脈切開部の中へと進めることができる。医療装置の挿入中にイントロデューサシースを再配置シースに交換すると、止血弁とともに使用されるときの患者への再配置シースの固定が改善されるため、皮膚の挿入部位(または血管内の挿入部位)における下肢虚血および出血を減らすことができる。
【0005】
ピールアウェイシースは、血管アクセスを形成し、医療装置の通過を可能にするという利点を提供し、シースを2つの区画へと剥離させることによってシースを除去するオプションを有する。本明細書において参照されるように、シースは、イントロデューサシース;再配置シース;または血管装置とともに使用される任意の他のピールアウェイシース、であることができる。
【0006】
シースが導入経路に沿って導入されるときにシースが受ける曲げ力が理由で、可撓性かつ耐キンク性のイントロデューサシースが望ましい。経路は、表面の動脈切開部を通過し、次いで組織を通過し、そして血管の中へ入るシースの軸をたどる。経路は、挿入部位における患者の皮膚の表面に対して斜めである。血管に到達したのち、シースは、血管(たとえば大腿動脈)の経路に沿うように移行する。挿入角は、個々の患者、処置およびシースを使用する施術者に基づいて異なり得る。血管軸は、患者およびイントロデューサシースが入れられる血管系の部分に依存して異なり得る。挿入軸と血管軸との間の角度がシースキンクのリスクに影響する。角度は、患者および処置の場所に応じて、約15°~約75°の範囲であることができる。この角度が大きければ大きいほど、軸方向移行においてイントロデューサシースがキンクする可能性が高くなる。任意のシースは有限長を有するため、イントロデューサの最小限の望ましい部分(2cm~5cm)を動脈中に維持するために、通常、より深い血管の場合にはより大きい挿入角が必要である。超音波を使用する臨床医は通常、アクセスニードルの可視化を支援するために大きい挿入角を使用して、最終的には大きいシース挿入角を生じさせる。肥満患者の場合、血管が挿入点に対して比較的深いため、一部の大腿挿入はキンクをこうむる。また、特に腸骨中の蛇行がシースをキンクさせるおそれがある。特に、経皮腋窩挿入は、腋窩挿入部位の隣接区域の神経束に当たることを避けるために、大腿挿入と比べ、より深くあり、より大きい挿入角を必要とする。したがって、経皮腋窩挿入、たとえば鎖骨下経皮腋窩挿入中に使用されるイントロデューサシースは、挿入中、よりキンクをこうむりやすいといえる。
【0007】
たとえば一部のカテーテルにおいて実施されているように、構造的補強を加えるなど、いくつかの技術が耐キンク性を改善することが知られている。しかし、構造的補強は通常、ピールアウェイ機能性とは相容れない。好ましい補強材料は一般に、比較的高い弾性率を有する材料、すなわち構造的補強に比較的高い剛性を与えることができる材料、たとえば金属である。それらの材料特性が理由で、これらの補強材料はまた、装置のピールアウェイを困難または不可能にする。ポリマー補強層が構造的補強として使用されることもあるが、耐キンク性および可撓性を改善するその能力は、それに固有の材料特性が理由で限られる。ポリマーおよびポリマーから構築された層は、たとえば金属と比べ、はるかに低い弾性率および剛性しか有しない。
【発明の概要】
【0008】
概要
本明細書に記載されるシステム、方法および装置は、血管装置、たとえば心臓内血液ポンプシステムまたは他の機械的循環補助装置を患者血管系に導入するための、改善された耐キンク性および改善された可撓性を有するピールアウェイシース機能性を有する可撓性イントロデューサシースを提供する。そのような改善された機能性を有するイントロデューサシースは、本明細書に開示されるように、様々な方法で達成することができる。概して、シースは、剛性が異なる少なくとも2つの区画、1つの剛性区画および少なくとも1つの低剛性区画を有する。改善されたシースは、改善された耐キンク性を可能にする。少なくとも1つの高剛性区画および少なくとも1つの低剛性区画を有する1つの例示的な構成が、内層、第二の補強層および外層を有するシースである。1つの実施形態は、その長さに沿って少なくとも2つの不連続部を有するように構成された補強層を含む、多層シース構造を提供する。すると、施術者は、ピールアウェイ力をシースに加え、シースを、補強層の不連続部に沿って割ることができる。同じくシースをピールアウェイしやすくすることができる1つまたは複数の切欠きがシースに沿って含まれてもよい。1つまたは複数の切欠きは、シースボディの最外または最内面から延び、シース層のいくらかを貫通する。切欠きは、別々の切欠きの連なりとして構成されることもできるし、シースの長さに沿う連続的なピールアウェイ線として構成されることもできる。切欠きの整列がピールアウェイ線を画定し、そのピールアウェイ線に沿って施術者がシースをピールアウェイする。切欠きの少なくとも1つの利点は、シースがピールアウェイされるところの線を画定する能力であり、それらの線を補強層の不連続部と整列させることにより、シースをピールアウェイするために必要な力の量を減らすことができる。
【0009】
本開示の第一の態様にしたがって、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイアセンブリは、ピールアウェイシースハブおよびピールアウェイシースボディを含む。ピールアウェイシースボディは、近位端部分、遠位端部分および中間部分を有し、近位端部分がピールアウェイシースハブに接続されている。ピールアウェイシースボディはさらに、外層、内層、および、内層と外層との間に位置する補強層を有する。外層はシースの外半径を画定し、ピールアウェイシースボディの内層は、内半径を有するシース内腔を画定する。内層はさらにピールアウェイ線を含む。ピールアウェイ線は、半径方向に延びる切欠きとして構成され、切欠きは、ピールアウェイシースボディの内層に沿って延びる線を形成するために、長軸方向に連続的に延びる。補強層は、長軸方向に延びる2つのC字形半分を有して周方向不連続部を形成するハイポチューブとして構成されている。補強ハイポチューブは、内層の剛性および外層の剛性のうちの少なくとも1つよりも高い剛性を有する。補強ハイポチューブは、ピールアウェイシースボディの中間部分に沿って延びるが、遠位端部分には延びない。補強層は近位端部分の中に延びてもよい。ピールアウェイシースボディの近位端部分内で、補強層は、ピールアウェイシースハブの遠位端を越えて近位方向に延び、ピールアウェイシースハブ内で終端する。いくつかの実施形態において、補強層は、ピールアウェイシースハブの遠位端を越えて近位方向に約2cm延びる。ピールアウェイシースハブの遠位端が終端するところの特定の長軸方向地点は、ピールアウェイシースボディに対し、ピールアウェイシースボディの長さに沿って所望の耐キンク性および可撓性を与えるように選択される。ピールアウェイシースボディの遠位端部分は、ピールアウェイシースボディが患者に挿入されたとき血管系への外傷を減らすようにデザインされた、テーパ状の先端を含み得る。
【0010】
本開示の別の態様にしたがって、ピールアウェイシースアセンブリは、ピールアウェイシースハブおよびピールアウェイシースボディを含む。ピールアウェイシースボディは、ピールアウェイシースハブに接続されている近位端部分と、遠位端部分とを有し、それらが一緒になって長軸方向に延びる第一の内腔を画定する。いくつかの構成において、遠位端部分と近位端部分は、異なる材料を含む。たとえば、遠位端部分は内PEBAX層、ステンレス鋼補強層および外TPU層を有し得る。近位端部分は内PEBAX層および外TPU層を有し得る。加えて、内層材料は、遠位端部分と近位端部分とで異なってもよい。たとえば、遠位端部分の内層がPEBAXを含み、近位端部分の内層がTPUを含んでもよいし、その逆であってもよい。同様に、外層材料は、遠位端部分と近位端部分とで異なっていてもよい。たとえば、遠位端部分の外層がPEBAXを含み、近位端部分の内層がTPUを含んでもよいし、その逆であってもよい。いくつかの実施形態において、補強層は、遠位層と近位層との間で異なる材料で構築されている。たとえば、補強層は、遠位部分においてはステンレス鋼であり、近位部分においてはニチノールであってもよい。近位端部分は、遠位端部分の内径に等しい内径を有することができる。
【0011】
本開示の別の態様にしたがって、ピールアウェイシースボディは、近位端部分と、補強層を含む中間部分と、遠位端部分とを有する。近位端部分は、ピールアウェイシースハブに接続されている。近位端部分、中間部分および遠位端部分は、長軸方向に延びる第一の内腔を画定する。いくつかの実施形態において、補強層は、近位端部分の中に延びず、遠位端部分の中に延びない。たとえば、遠位端部分は内ポリマー層および外ポリマー層を含み、中間部分は内ポリマー層、補強層および外ポリマー層を含み、近位端部分は内ポリマー層および外ポリマー層を含む。たとえば、遠位端部分は内PEBAX層および外TPU層を含み得、中間部分は内PEBAX層、ステンレス鋼補強層および外TPU層を含み得、外近位端部分は内PEBAX層および外TPU層を含み得る。いくつかの実施形態において、ステンレス鋼はSAE 304ステンレス鋼を含む。さらなる実施形態において、PEBAX層はPEBAX 3533~7233のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、補強層は近位端部分の中に延びる。他の実施形態において、補強層は遠位端部分の中に延びる。いくつかの実施形態において、補強層は遠位端部分と近位端部分の両方の中に延びる。いくつかの実施形態において、ピールアウェイシースボディの内径はその長さ全体を通して実質的に一定である。他の実施形態において、ピールアウェイシースボディの近位端部分は、遠位端部分の外径よりも小さい外径を有することができる。縮小した外径の近位端部分を有する構成の1つの利点は、破断させるべき材料がより少ないため、操作者が、より小さな力を加えるだけでピールアウェイシースハブを破断し得ることである。
【0012】
いくつかの構成において、ピールアウェイシースボディは、内半径に位置する内層と、外半径に位置する外層と、内半径と外半径との間の半径に位置する補強層とを含む。特定の実施形態において、外層の少なくとも一部分上に親水コーティングがある。いくつかの実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、ピールアウェイシースボディの遠位端から、ピールアウェイシースボディの近位端から約5cm~約2cm遠位側まで、延びる。他の実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、ピールアウェイシースボディの遠位端から、シースボディの近位端から約4cm~約3cm遠位側まで、延びる。さらなる実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、ピールアウェイシースボディの遠位端から、ピールアウェイシースボディの近位端から約3.5cm遠位側まで、延びる。親水コーティングは、患者の血管系へのピールアウェイシースボディの挿入を容易にする。ピールアウェイシースボディの全長を親水コーティングでコートすると、ピールアウェイシースボディに作用する動脈圧が理由でピールアウェイシースボディが大動脈から押し退けられるおそれがあるため、ピールアウェイシースボディの近位端部分は一般に、親水コーティングを有しないように構成される。
【0013】
いくつかの構成において、遠位端部分と近位端部分は、同じ層中に同じ材料を含み得る。たとえば、遠位端部分と近位端部分の両方の内層はPEBAXを含み得、遠位端部分と近位端部分の両方の外層はTPUを含み得る。さらなる実施形態において、中間部分は、遠位端部分および近位端部分とは異なる材料を含む。いくつかの実施形態において、ピールアウェイシースボディの中間部分にのみ補強層があり、ピールアウェイシースボディの遠位端部分および近位端部分に補強層はない。たとえば、遠位端および近位端部分は内PEBAX層および外TPU層を有し得、中間部分は内PEBAX層、ステンレス鋼補強層および外TPU層を有し得る。ピールアウェイシースボディの中間部分にのみ補強層を有する構成の1つの利点は、ピールアウェイシースボディの全長にわたって補強層を有する構成と比べ、製造が比較的容易であることである。ピールアウェイシースボディの遠位端部分における補強層の非存在は、補強層の非存在が内および外層がリフローすることを可能にするため、テーパ状の遠位先端のより容易な形成を可能にする。ポリマー層のリフローは、ピールアウェイシースボディが、患者の血管系へ導入されたとき、または患者の血管系を通してナビゲートされるときに曲げられるとき、応力を受け入れるための増大した能力をピールアウェイシースボディに提供する。リフロープロセスは一般に、材料を様々な温度で融解させ、様々なプロセス設定値を実現することによって制御され得る。加えて、ピールアウェイシースボディの近位端部分における補強層の非存在は、射出成形プロセスを安定させるのに役立ち、ピールアウェイシースボディのポリマー層が一貫した性質でピールアウェイシースハブに合わせて成形されることを可能にする。
【0014】
補強層が延びるところのピールアウェイシースボディの長さは、ピールアウェイシースボディの特定の部分に沿うキンクを防ぐために調節されることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、補強層は、中間部分には存在するが、遠位端部分には存在しない。そのような実施形態において、補強層は、ピールアウェイシースボディの近位端部分の可変長にわたって延び得る。たとえば、補強層の近位端は、シースハブの遠位端が終端するところの同じ長軸方向地点で終端し得る。他の実施形態において、補強層は、ピールアウェイシースハブの遠位端を越えて近位方向に延び得る。いくつかの実施形態において、補強層は、ピールアウェイシースハブの遠位端を越えて近位方向に約2cm延びる。他の実施形態において、補強層は、ピールアウェイシースハブの遠位端を越えて近位方向に約1cm延びる。補強層が終端するところの特定の地点は、ピールアウェイシースボディの長さに沿ってシースボディの耐キンク性を調節するように選択されることができる。ピールアウェイシースボディの遠位端部分は、ピールアウェイシースボディが患者に挿入されたとき血管系への外傷を減らすようにデザインされたテーパ状の先端を含み得る。
【0015】
補強層は、改善された耐キンク性をピールアウェイシースアセンブリに好都合に与える材料特性を有する。たとえば、補強層の1つのそのような物性は、内層または外層の剛性よりも高いその剛性(rigidity)である。剛性(stiffness)は、本明細書において、たとえばヤング率または弾性率によって計測される材料の性質と定義され、剛性(rigidity)は、本明細書において、変形に抵抗する要素(たとえばシース)の能力と定義される。一例として、補強層の弾性率は、内層または外層材料の材料の弾性率よりも高い、補強層の材料の弾性率である。いくつかの実施形態において、補強層材料の剛性は、内層または外層材料の剛性よりも高い。いくつかの構成において、補強層材料の剛性は、内層または外層材料の剛性の約18倍~約12,000倍である。他の構成において、補強層材料の剛性は、内層または外層材料の剛性の約100倍~約9,000倍である。他の実施形態において、補強層材料の剛性は、内層または外層材料の剛性の約75倍~約100倍である。さらなる実施形態において、補強層材料の剛性は、内層または外層材料の剛性の約400倍~約500倍である。特定の構成において、補強層材料の剛性は、内層または外層材料の剛性の約1,000倍~約7000倍である。さらなる構成において、補強層材料の剛性は、内層または外層材料のいずれかの剛性の約4,000倍である。いくつかの実施形態において、補強層の選択されたジオメトリーおよび厚さが、内および外層の厚さとともに、補強層、内層および外層の相対剛性の変化を生じさせることができる。
【0016】
いくつかの構成において、補強層の材料は、LCP、PEBAX、ステンレス鋼、ニチノールまたはケブラーであることができる。内層材料および外層材料は熱可塑性樹脂である。たとえば、内層材料および外層材料は、PEBAXまたはTPUであることができる。内層の厚さは、約0.001インチ~約0.015インチであることができる。さらに、外層の厚さは、約0.001インチ~約0.015インチであることができる。実施形態の全壁厚さは約0.016インチ以下である。
【0017】
補強層は、好都合に、耐キンク性を提供すると同時に、ピールアウェイシースアセンブリのピールアウェイ機能性を可能にする。補強層は、少なくとも2つの不連続部をその表面に含む。たとえば、不連続部は、補強層の表面のスリットまたは開口である。様々な構成のスリットまたは開口を補強層の表面に適用して、ピールアウェイシースアセンブリの可撓性および耐キンク性を調節することができる。いくつかの実施形態においては、少なくとも2つの不連続部が、補強層表面上、ピールアウェイシースボディの長軸に対して垂直な方向に向けられている。この整列は、好都合に、ピールアウェイシースボディの長さに沿って、ピールアウェイシースボディの残り部分よりも構造的に弱い線を形成して、この線に沿ってピールアウェイシースアセンブリをピールアウェイするのに必要な力を減らす。
【0018】
いくつかの実施形態において、補強層はハイポチューブである。ハイポチューブは、レーザカットされ、レーザカットによって残された鋭いエッジを鈍くするために電解研磨される。レーザカットは、ハイポチューブの表面に沿って少なくとも2つの不連続部を残す。他の実施形態において、補強層は編組フィラメントまたはコイル状フィラメントである。これらの実施形態において、編組またはコイルは本質的に、その表面に沿って不連続部を有するように構成される。さらなる実施形態において、ハイポチューブは、シースボディの長さに沿って長軸方向に延びる2つのC字形半分で構成される。
【0019】
補強層中の不連続部の長さは、シースの様々な機械的性質のバランスをとるために、シースの周に沿ってサイズ設定される。不連続部の周方向長さは、切欠き作製を可能にするのに十分な大きさでなければならない。たとえば、不連続部は、切欠きを作製することができるよう、マンドレル突出部の1つを受け入れるのに十分な大きさでなければならない。同時に、不連続部の周方向長さは、シースが挿入中の座屈またはキンクに抵抗するよう、十分に小さくなければならない。そのようなものとして、不連続部の長さの範囲内でのみシースが上記の好都合な性質のすべてを保持するような、臨界ギャップ幅とも呼ばれる周方向不連続部の臨界サイズがある。いくつかの実施形態において、臨界ギャップ幅は約0.1~約1.5mmの範囲であり得る。
【0020】
さらなる実施形態においては、補強層の表面に沿って一連の不連続部が構成される。いくつかの実施形態において、不連続部は互いに対して平行である。いくつかの実施形態において、不連続部は、互いに対して平行または等間隔ではないよう、補強層の表面に対して様々な角度にある。いくつかの実施形態において、各不連続部はシースの周に沿って同じ長さを有する。あるいはまた、不連続部は、ピールアウェイシースボディの周に沿って可変長を有することもできる。いくつかの実施形態において、不連続部は、ピールアウェイシースボディの長さに沿って等間隔である。他の例において、不連続部は、ピールアウェイシースボディの長さに沿ってピールアウェイシースアセンブリの性質を変化させるために、補強層の長さに沿って可変的に離間している。たとえば、ピールアウェイシースボディの近位端部分がピールアウェイシースボディの遠位端部分よりも高い可撓性を有するよう、ピールアウェイシースボディの近位端部分における2つの連続する不連続部の間の距離はより小さくてもよい。他の例において、2つの連続する不連続部の間の距離は、ピールアウェイシースボディの近位端および遠位端部分でより大きく、ピールアウェイシースボディの長さの中間部に向けてより小さくなってもよい。そのような例において、ピールアウェイシースボディの遠位端および近位端部分は、ピールアウェイシースボディの長さの中間部と比べて増大した耐キンク性を有し、ピールアウェイシースボディの長さの中間部は、ピールアウェイシースボディの遠位端および近位端部分と比べて増大した可撓性を有する。他の例においては、補強層の表面には斜めに不連続部があり、スリットを通過するシースの表面断面が楕円形になるようになっている。補強層の表面に沿って不連続部構成を変化させることが、異なる可撓性および耐キンク性をシースに与える。加えて、異なる不連続部構成は、ピールアウェイシースボディ上の異なるピールアウェイ線を受け入れることができる。
【0021】
不連続部は不連続部の第一のセットおよび第二のセットを含み得、不連続部の各セット中の各不連続部は中心を有する。不連続部の第一のセットの中心は第一の不連続軸を画定し、不連続部の第二のセットの中心は第二の不連続軸を画定する。第一の不連続軸と第二の不連続軸は、補強層の周に沿って一定の角度だけオフセットし得る。第一および第二の不連続軸がオフセットする角度は、約0°~約180°の範囲であり得る。いくつかの構成において、不連続部は、補強層の円周に沿って延びるスリットであることができる。シース上の所与の長軸方向位置における不連続部の数に依存して、補強層は、不連続部によって隔てられた複数の円弧状セグメントを含む。特定の実施形態において、円弧状セグメントは2つのC字形半分である。
【0022】
周方向不連続部に加えて、補強層は、補強層の周囲に延びる一連の開口を有し得る。開口は、円形、楕円形、菱形、または一般に、開口を通過する内層および外層のリフローを可能にする他の任意の形状であり得る。開口は、一定の長軸方向地点で補強層の周囲にリングを形成し得る。いくつかの実施形態において、ハイポチューブの長さに沿って規則的間隔でハイポチューブの周囲に開口のリングがある。たとえば、補強層の長さに沿って1.2インチごとに開口のリングがあってもよい。他の実施形態において、開口のリングは、補強層の長さに沿って0.6インチごとに補強層の周囲に延び得る。特定の実施形態において、開口のリングは、補強層の長さに沿って0.75インチごとに補強層の周囲に延び得る。さらなる実施形態において、開口のリングは、補強層の長さに沿って1.05インチごとに補強層の周囲に延び得る。他の実施形態において、開口のリングは、補強層の長さに沿って0.9インチごとに補強層の周囲に延び得る。開口の各リング中の各開口は一定範囲の表面積を有し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、各開口は約5~約25mm2の表面積を有する。他の実施形態において、各開口の表面積は約10~約20mm2である。特定の実施形態において、各開口の表面積は約15mm2である。補強層の長さに沿って周方向に延びる一連の開口を組み込むことの少なくとも1つの利点は、開口部を通過する内層および外層のリフローを可能にして、内層および外層の互いへのより大きな接着を提供し得ることである。
【0023】
上記のように、補強層は、ハイポチューブ、編組フィラメントまたはコイル状フィラメントで形成されることができる。補強層が編組フィラメントで形成される1つの実施形態において、編組フィラメントは、高さが約0.0005インチ~約0.007インチであり、幅が約0.005インチ~約0.060インチである扁平な断面を有する。あるいはまた、編組フィラメントは、約0.0005インチ~約0.007インチの直径を有する丸い断面を有することもできる。編組フィラメントは複数のストランドを含むことができ、編組フィラメントは、約7~約60のPPI(picks per inch)を有することができる。補強層がコイル状フィラメントで形成される別の実施形態において、コイル状フィラメントは、高さが約0.0005インチ~約0.007インチであり、幅が約0.005インチ~約0.060インチである扁平な断面を有する。あるいはまた、コイル状フィラメントは、約0.0005インチ~約0.007インチの直径を有する丸い断面を有することもできる。コイル状フィラメントは複数のストランドを含むことができ、コイル状フィラメントは約16~約75のWPI(wraps per inch)を有することができる。コイル状または編組フィラメントで形成された補強層の少なくとも1つの利点はフィラメントの各ラップまたはウィーブの間のギャップの存在であり、これが、ハイポチューブ補強層の不連続部と同様に、補強層およびシースを全体としてピールアウェイするために必要な力の量を減らす。さらに、フィラメントの各ラップまたはウィーブの間のより大きなギャップはより高いシース可撓性を可能にする。編組またはコイル状フィラメントの少なくとも1つの利点は、様々な用途に関し、補強層のために同じ製造プロセスを使用することができると同時に、ギャップのサイズを調節する、すなわちWPI、すなわち編組フィラメント間のギャップのサイズを選択する能力である。
【0024】
ピールアウェイシースアセンブリの剛性または可撓性は、ピールアウェイシースボディのすべてまたはいくつかの部分に補強層を組み込むことに基づいて調節され得る。いくつかの実施形態において、補強層は、スリットまたは開口であり得る周方向不連続部をその表面に含む。たとえば、いくつかの実施形態において、ピールアウェイシースボディの一部分に補強層はないが、代わりに、ピールアウェイシースボディは、その耐キンク性のために、その長さ沿いの選択区域における部分的補強に依存する。いくつかの実施形態は、より低剛性の遠位シース(たとえば、遠位補強層を有しない)を、より高剛性の近位または中間シース(たとえば、補強層を有する)とともに有する。他の実施形態は、より低剛性の近位シース(たとえば、近位補強層を有しない)を、より高剛性の遠位または中間シース(たとえば、補強層を有する)とともに有する。たとえば、ピールアウェイシースボディの遠位端部分は、補強層を有しないようにデザインされ得、近位または中間区画は補強層を有するであろう。ピールアウェイシースボディの遠位区画における補強層の非存在の少なくとも1つの利点は、補強層の包含なしで内層および外層がより容易にリフローすることができるため、テーパ状の先端のより容易な形成を可能にし得ることである。他の例において、近位端部分は、補強層を含む3つの層を有し、遠位端部分は、第一の層材料の内層および外層材料の外層のみを有する。内層材料および外層材料は、PEBAXまたはTPUのうちの少なくとも1つであることができる。遠位端部分が補強層を有しないいくつかの実施形態において、内層および外層は同じ内および外材料を含む。しかし、内層と外層とは異なる材料であることもできる。たとえば、内層はPEBAXであることができ、外層はTPUであることができる。他の実施形態において、シースの近位端部分には補強層がないが、中間部、遠位端部分またはその両方にはそれが含まれる。さらなる実施形態において、シースの中間部分には補強層がないが、近位端部分、遠位端部分またはその両方にはそのような層が含まれる。さらなる実施形態において、補強層はシースの交互のセグメントに存在する。部分補強層の少なくとも1つの利点は、シースがその長さに沿って、たとえばその近位端および遠位端部分において異なる剛性を有して、シース挿入を支援し得ることである。たとえば、遠位端部分のより低い剛性は、好都合に、血管系への外傷を最小限にする。別の例として、近位端部分のより高い剛性は、好都合に、剛性を変えることによってピールアウェイシースボディの耐キンク性を維持する。ピールアウェイシースボディの層の材料の剛性を変化させ、転じて、ピールアウェイシースボディの部分の剛性を変化させることは、ピールアウェイシースアセンブリ全体としての剛性を変化させて、たとえば耐キンク性を促進することができる。
【0025】
先に詳述したように、補強層が延びるところのピールアウェイシースボディの長さは、ピールアウェイシースアセンブリの特定の部分に沿ってキンクするのを防ぐために調節されることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、補強層は、中間部分には存在するが、遠位端部分には存在しない。そのような実施形態において、補強層は、近位端部分中に可変長にわたって延び得る。たとえば、補強層の近位端は、シースハブが終端するところの同じ長軸方向地点で終端し得る。他の実施形態において、補強層の近位端は、ピールアウェイシースハブの遠位端よりも近位方向に延び得る。たとえば、補強層は、ピールアウェイシースハブの遠位端から約0cm~約2cm近位側で終端し得る。補強層が終端するところの地点とピールアウェイシースハブが終端するところの地点との間の具体的な距離は、ピールアウェイシースボディの長さ沿いのそれら2つの地点の間で特定の耐キンク性を生み出すように選択されることができる。
【0026】
耐キンク性ピールアウェイシースボディはまた、その長さに沿って延びるピールアウェイ線を有するように構成され、ピールアウェイ線は、ピールアウェイシースボディの補強層中の1つまたは複数の不連続部と整列している。整列は、たとえば、不連続部をピールアウェイ線と同じ周方向位置に配置することにより、ピールアウェイシースボディに沿って長軸方向に達成することができる。ピールアウェイシースボディのピールアウェイ線を補強層中の少なくとも1つの周方向不連続部と整列させると、ピールアウェイシースボディをより容易にピールアウェイすることができる。いくつかの適応において、ピールアウェイシースボディは、補強層を破断することなく、ピールアウェイシースボディの全長に沿ってピールアウェイする。たとえば、ピールアウェイシースボディの遠位端部分にのみ補強層を有する実施形態において、操作者は、内層および外層を破断することにより、近位端部分におけるピールアウェイシースアセンブリの除去を開始する。ピールアウェイシースボディの近位端部分にのみ補強層を有する実施形態において、操作者は、補強層を破断することによって近位端部分のシースの除去を開始し、次いで、ピールアウェイシースボディの遠位端部分を切り離しながら内層および外層のみを破断する。
【0027】
ピールアウェイシースハブは、操作者がピールアウェイシースアセンブリを保持するためのハンドルを提供するように構成されている。加えて、操作者は、ピールアウェイシースハブからのピールアウェイシースアセンブリのピールアウェイを開始する。いくつかのデザインにおいて、ピールアウェイシースハブは、近位円錐形部分および遠位円柱形部分を有する。近位円錐形部分は近位不連続部を有し得、遠位円柱形部分は遠位不連続部を有し得る。いくつかの実施形態において、第一および第二の不連続部は周方向不連続部である。不連続部は互いに整列し、遠位周方向不連続部の遠位端が、ピールアウェイシースボディの長さに沿って延びる少なくとも1つのピールアウェイ線の近位端に当接する。この整列の少なくとも1つの利点は、ピールアウェイシースアセンブリをピールアウェイするのに必要な力を減らすことにより、ピールアウェイシースボディとともにピールアウェイハブの取り外しを容易にし、それにより、操作者が補強層を破断する必要がないことを保証し得ることである。
【0028】
さらなる実施形態において、ピールアウェイシースアセンブリの遠位端部分は、その長さに沿って、直径方向に対向する少なくとも1対の切欠きを有するように構成され、切欠きは、ピールアウェイシースボディの内面または外面を通って延びて、ピールアウェイ機能性を提供する。補強層が存在する場合、切欠きは補強層の不連続部と整列して、ピールアウェイシースボディの長さ沿いの所与の長軸方向地点で、不連続部と同じ周方向位置に切欠きが位置するようになっている。切欠きと補強層の不連続部との間の整列の少なくともいくつかの利点は、ピールアウェイ線を画定し、ピールアウェイシースボディをピールアウェイするために必要な力の量を減らし、それにより、操作者がピールアウェイシースアセンブリをピールアウェイすることを可能にする能力である。いくつかの適応において、ピールアウェイは補強層を破断することなく起こる。いくつかの実施形態において、切欠きは、内層の最内面から補強層を通って延びる内径切欠きである。さらなる実施形態において、内径切欠きは外層の手前で終端する。他の実施形態において、内径切欠きは外層内で終端する。他の実施形態において、切欠きは、最外層の最外面から補強層を通って延びる外径切欠きである。さらなる実施形態において、外径切欠きは内層の手前で終端する。他の実施形態において、外層切欠きは内層内で終端する。直径方向に対向する切欠きを有する実施形態において、切欠きは、ピールアウェイシースボディの表面上に、直径方向に対向する1対のピールアウェイ線を画定し、ピールアウェイ線の各対はピールアウェイシースボディの長さに沿って延び、ピールアウェイシースアセンブリはピールアウェイラインに沿って切り離されることができる。いくつかの実施形態において、ピールアウェイ線はピールアウェイシースボディの内面に沿って延びる。他の実施形態において、ピールアウェイ線は外面に沿って延びる。切欠きは、ピールアウェイシースアセンブリをピールアウェイするために必要な力の量を減らすのに役立つことができる。上述したように、切欠きはまた、改善されたピールアウェイ機能性のために、ピールアウェイ線を補強層の不連続部と整列させるのに役立つことができる。
【0029】
別の態様は、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリを提供する。ピールアウェイシースアセンブリは、ピールアウェイシースハブおよびピールアウェイシースボディを有し、ピールアウェイシースボディは、ピールアウェイシースハブに接続されている近位端部分と、遠位端部分とを有する。ピールアウェイシースボディは、長軸方向に延びる第一の内腔を画定する。ピールアウェイシースボディはさらに、内半径に位置する内層と、外半径に位置する外層と、内半径と外半径との間の半径に位置する補強層とを含む。特定の実施形態において、外層の少なくとも一部分上に親水コーティングがある。いくつかの実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、ピールアウェイシースボディの遠位端から、ピールアウェイシースボディの近位端から約5cm~約2cm遠位側まで、延びる。他の実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、シースボディの遠位端から、シースボディの近位端から約4cm~約3cm遠位側まで、延びる。さらなる実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、シースボディの遠位端から、シースボディの近位端から約3.5cm遠位側まで、延びる。親水コーティングは、患者の血管系へのシースボディの挿入を容易にする。シースボディの全長を親水コーティングでコートすると、シースボディに作用する動脈圧が理由でシースボディが大動脈から押し退けられるおそれがあるため、シースボディの一部分は一般に、親水コーティングを有しないように構成される。本実施形態のシースボディはさらに、内層または外層のうちの少なくとも1つを通過して延びる、直径方向に対向する少なくとも1対の切欠きを含む。
【0030】
さらなる実施形態において、直径方向に対向する切欠きは、内層の内面から補強層を通って延び、外層の手前または外層内で終端する内径切欠きであることができる。内径切欠きの少なくとも1つの利点は、外径切欠きと比べて、その相対的な製造しやすさである。加えて、切欠きは、外層の外面から補強層を通って延び、内層の手前または内層内で終端する外径切欠きであることができる。外径切欠きの少なくとも1つの利点は、内径切欠きと比べて、シースのピールアウェイを容易にする相対的な容易さである。
【0031】
加えて、ピールアウェイシースボディは、内層を通って延びる、直径方向に対向する少なくとも1対の内切欠きを有してもよい。いくつかの実施形態において、内切欠きは外層の手前で終端する。他の実施形態において、これらの切欠きは外層内で終端する。ピールアウェイシースボディはさらに、外層を通って延びる、直径方向に対向する少なくとも1対の外切欠きを含む。いくつかの実施形態において、外切欠きは内層の手前で終端する。他の実施形態において、切欠きは内層内で終端する。上述したように、切欠きは、ピールアウェイ線を補強層の不連続部と整列させるのに役立つ。使用される具体的な切欠き構成、特に、内径切欠きが使用されるのか外径切欠きが使用されるのか、また、シースの長さ沿いのどこで各切欠きが終端するのかは、所望のピールアウェイシースアセンブリ可撓性および耐キンク性を得るために、補強層のジオメトリーに基づいて選択されることができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、内切欠きはピールアウェイシースボディの第一のセグメントに沿って延び、外切欠きはピールアウェイシースボディの第二のセグメントに沿って延びる。いくつかの実施形態において、第一のセグメントと第二のセグメントは、長軸方向に部分的に重複する。重複するセグメントは、第一および第二のピールアウェイシースボディセグメントの間の移行領域として働き得る。他の実施形態において、第一のセグメントと第二のセグメントは、長軸方向に完全に重複する。いくつかの実施形態において、第一のセグメントは、ピールアウェイシースボディの近位端部分に対応し、第二のセグメントは、ピールアウェイシースボディの遠位端部分に対応する。いくつかの実施形態において、第一のセグメントはピールアウェイシースボディの全長に沿って延びる。内径切欠きを有する利点は、射出成形プロセス中、熱伝達がシース層を融解させ、切欠きを封じさせることなく、シースボディのポリマー層がリフローすることを可能にすることによって、ハブ上へのオーバモールド成形を可能にし得ることである。外径切欠きの少なくとも1つの利点は、それが多様な補強層を受け入れ得ることである。外径切欠きを使用する少なくとも1つの利点は、改善された製造しやすさである。理由は、外径切欠きは、様々なハイポチューブジオメトリー、様々な編組フィラメントジオメトリーおよび様々なコイル状フィラメントジオメトリーとともに使用することができるからである。図14に関連して以下に詳述するように、様々な層のアセンブリののち、操作者は、補強層のジオメトリーに依存して外径切欠きの位置を選択することができる。
【0033】
また、ピールアウェイシースボディおよびピールアウェイシースハブを含む、請求項に係るピールアウェイシースアセンブリを製造する方法が開示される。多層ピールアウェイシースアセンブリの層は、1工程で、または1層ごとに、熱収縮させることができる。例示的な方法の第一の工程は、マンドレルを第一の材料の第一の層でコートすることを含む。マンドレルを第一の層でコートしたのち、操作者は、第一の材料の第一の層を熱収縮させる。第三の工程において、操作者は、熱収縮した第一の層を、補強層材料の第二の層でコートする。次いで、操作者は、第二の材料の第二の層を、第三の材料の最外第三層でコートする。第三の工程は、この熱収縮した第一の層を、第二の材料の第二の層および第三の材料の最外第三層でコートすることを含み、ここで、第二の層は補強層である。最後に、すべての層を一緒に熱収縮させて、最終的なピールアウェイシースアセンブリを得る。いくつかの実施形態においては、PTFE熱収縮材を使用して層を熱収縮させる。切欠きを有する実施形態において、内切欠きは、半径方向突出部を有するマンドレルを使用して製造され、外切欠きは、レーザカットによって、または半径方向突出部を有するマンドレルをシースの外面に押し当てることによって製造される。
【0034】
ピールアウェイシースハブは、ピールアウェイシースハブ材料を少なくとも2つのインサートとともに型に入れる射出成形によって製造される。いくつかの実施形態において、ピールアウェイシースハブは、近位円錐形区画および遠位円柱形区画を有する。近位円錐形区画および遠位円柱形区画はそれぞれ、いくつかの実施形態においては周方向不連続部である不連続部を含む。ピールアウェイシースハブが成形され、ピールアウェイシースボディに融着されたのち、インサートを取り出すと、インサートの形状の凹んだ空間が残る。インサートの取り出しによって残された空間が、ピールアウェイシースハブの長さに沿って長軸方向に不連続部を形成する。不連続部は、互いに、かつシースボディ上のピールアウェイ線と整列して、ピールアウェイシースボディのピールアウェイを容易にすることができる。周方向不連続部がピールアウェイシースボディ中のピールアウェイ線と整列した状態で、ピールアウェイシースハブをピールアウェイシースボディに融着することができる。
【0035】
本開示のさらなる実施形態にしたがって、第一の材料の第一のストリップと、第二の材料の第二のストリップと、第一のストリップおよび第二のストリップによって画定される内腔とを含む、シースボディが提供される。第一の材料は第一の剛性を有することができ、第二の材料は、第一の剛性とは異なる(たとえば、より低い)第二の剛性を有することができる。第一のストリップおよび第二のストリップは隣接しながら、たとえば螺旋状にシースボディの遠位端から近位端まで延びて向けられる。螺旋または渦巻構造、ならびに、異なる剛性の、交互の第一および第二のストリップが、イントロデューサシースを曲げるために加える必要がある力を減らすことにより、可撓性を改善する。また、曲げ半径の内径に沿う圧縮時および曲げ半径の外径に沿う引張り時にイントロデューサシースが可撓性区画において変形する能力を高めることにより、かつ、より剛性の区画によって直径の圧壊強度を高めることにより、耐キンク性を改善する。改善された可撓性および増大した耐キンク性は、高い挿入角を要する処置、たとえば経皮腋窩挿入を使用する処置の場合に有益である。
【0036】
1つの実施形態において、第一のストリップおよび第二のストリップは、第一のストリップおよび第二のストリップの向きに対して垂直にはカットされていない。この構成の少なくとも1つの利点は、補強コイルまたは編組がシースを包囲することを要することなく、各ストリップの材料特性の複合物である材料特性を有するシースを得ることである。特に、この構成は、キンクを最小限にしながらも可撓性(たとえば曲げ)を高めるように適合された複合材料特性を有するシースを生み出す。
【0037】
いくつかの実施形態において、第一の材料は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)またはポリエチレンであり、第二の材料は、PEBAまたは熱可塑性エラストマーである。
【0038】
特定の実施形態において、第一のストリップおよび第二のストリップは、同じ幅を有する。いくつかの実施形態において、第一のストリップおよび第二のストリップの幅は1mmである。他の実施形態にしたがって、第一のストリップおよび第二のストリップは、異なる幅を有する。いくつかの実施形態において、第一のストリップの幅は3mmであり、第二のストリップの幅は1mmである。第一および第二のストリップそれぞれの幅を変える少なくとも1つの利点は、特定のイントロデューサシースに望まれる剛性および曲げ剛性を得るようにシースの複合特性を変化させ得ることである。
【0039】
いくつかの実施形態において、シースボディは、厚さならびに第一の切欠きおよび第二の切欠きをその中に有する壁を含む。第一の切欠きおよび第二の切欠きは、シースボディの長さに沿って軸方向に整列することができ、互いに対向する向きにあることができる。特定の実施形態において、第一の切欠きおよび第二の切欠きは、シースボディの内面上にある。他の実施形態にしたがって、第一の切欠きおよび第二の切欠きは、シースボディの外面上にある。特定の実施形態にしたがって、シースボディは、シースボディのピールアウェイ中、第一の切欠きおよび第二の切欠きに沿って二分割される。切欠きの少なくとも1つの利点は、分割線が異なる厚さの材料の第一および第二の両ストリップを通過するときシースボディのピールアウェイしやすさを改善し得ることである。
【0040】
いくつかの実施形態において、シースボディは、テーパ状の先端を含む。特定の実施形態にしたがって、テーパ状の先端は、第一の材料および第二の材料を含む。他の実施形態において、テーパ状の先端は、第一の材料のみを含む。いくつかの実施形態にしたがって、テーパ状の先端は、第二の材料のみを含む。
【0041】
本開示のさらなる実施形態にしたがって、血液ポンプの挿入のためのイントロデューサシースが提供される。イントロデューサシースは、シースボディおよびシースハブを含む。たとえば、本開示のシースボディ実施形態。シースボディは、第一の剛性を有する第一の材料の第一のストリップと、第二の剛性を有する第二の材料の第二のストリップと、第一のストリップおよび第二のストリップによって画定される第一の内腔とを含むことができる。第一の剛性は第二の剛性よりも大きくあることができる。第一のストリップおよび第二のストリップは、隣接しながら螺旋状に、シースボディの遠位端から近位端まで向けられることができる。シースハブは、第二の内腔を画定する近位端および遠位端を含むことができる。シースハブの遠位端はシースボディの近位端に取り付けられることができる。異なる剛性の、交互の第一および第二のストリップの螺旋構造が、イントロデューサシースを曲げるために加える必要がある力を減らすことにより、可撓性を改善し、また、イントロデューサシースのコラム強度(座屈を生じさせるために必要な軸方向力である)を増すことにより、強度を改善する。改善された可撓性および増大したコラム強度は、高い挿入角、たとえば鎖骨下挿入部位を用いる処置の場合に有益である。
【0042】
いくつかの実施形態において、第一の内腔と第二の内腔は、流体連通している。シースの第一および第二の両内腔を通して、様々な機器を連続的に挿入し、回収して、所望の位置への装置の配置を達成したのちに、シースをピールアウェイすることができる。
【0043】
シースハブは、流体がハブの近位端から出ることを防ぐようにサイズ設定された止血弁を含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、シースハブは、第一の切欠きおよび第二の切欠きを含む。第一の切欠きおよび第二の切欠きは、シースハブの長さに沿って軸方向に整列することができ、互いに対向する向きにあることができる。特定の実施形態において、第一の切欠きおよび第二の切欠きは、シースハブの内面上にあることができる。他の実施形態において、第一の切欠きおよび第二の切欠きは、シースハブの外面上にあることができる。
【0045】
本開示のさらなる実施形態にしたがって、可撓性イントロデューサシースボディを製造する方法が提供される。方法は、第一の材料の第一のストリップおよび第二の材料の第二のストリップを、隣接させながらマンドレルに巻き付ける工程、および両ストリップを一緒に固定して(たとえば加熱によって)、それらが隣接し、ピールアウェイ機能性をもつようにする工程、を含む。方法は、第一のストリップの第一の遠位端および第二のストリップの第二の遠位端を固定する工程を含み得る。方法は、第一のストリップの第一の近位端および第二のストリップの第二の近位端を固定する工程を含み得る。方法はまた、第一のストリップ、第二のストリップおよびマンドレルの上に熱収縮チューブを配置する工程を含み得る。さらに、方法は、第一のストリップおよび第二のストリップを加熱する工程を含み得る。方法はさらに、熱収縮チューブを取り出す工程を含み得る。方法はまた、第一のストリップおよび第二のストリップをマンドレルから取り外す工程を含み得る。
【0046】
本開示のさらなる実施形態にしたがって、第一の材料の第一のストリップと、第二の材料の第二のストリップと、シースボディの遠位端および近位端によって画定される内腔とを含む、シースボディが提供される。第一の材料は第一の剛性を有することができ、第二の材料は、第一の剛性とは異なる第二の剛性を有することができる。第一のストリップおよび第二のストリップは、内腔上に隣接しながら、たとえば螺旋状にシースボディの遠位端から近位端まで延びて向けられる。内腔は、第一および/または第二の材料と同じまたは異なる剛性を有する、第三の材料でできていることができる。
【0047】
いくつかの実施形態において、シースボディは、第一の厚さを有する外壁と、第二の厚さを有する内壁と、外壁中の第一の切欠きおよび第二の切欠きとを含む。第一の切欠きおよび第二の切欠きは、シースボディの長さに沿って軸方向に整列することができ、互いに対向する向きにあることができる。
【0048】
製造方法の少なくとも1つの利点は、改善された曲げ可撓性およびより高い耐キンク性を提供するように調整された複合材料特性を有するシースを形成する能力である。加えて、製造方法は、滑らかな内面および外面を有するシースボディの製造を可能にする。
[本発明1001]
以下:
ピールアウェイシースハブと;
ピールアウェイシースボディであって、
該ピールアウェイシースハブに接続された近位端、
遠位端、
該ピールアウェイシースボディの外半径を画定する外層、
内半径を有する、該ピールアウェイシースボディの第一の内腔を画定する内層、ならびに
該内半径と該外半径との間に位置する、該内層の剛性および該外層の剛性のうちの少なくとも1つよりも高い剛性を有する補強層
を含む、ピールアウェイシースボディと
を含む、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1002]
補強層がハイポチューブである、本発明1001のピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1003]
補強層が、少なくとも2つの周方向不連続部を含む、本発明1001または1002のピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1004]
少なくとも2つの周方向不連続部がそれぞれ、ハイポチューブの表面に形成されたスリットを含む、本発明1001~1003のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1005]
ハイポチューブの表面上のスリットが、互いに対して平行であり、該ハイポチューブの長さに沿って等間隔である、本発明1001~1004のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1006]
ハイポチューブの表面上のスリットが周方向の長さを有し、該スリットの該長さが、すべてのスリットで実質的に同一である、本発明1001~1005のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1007]
スリットが、以下:
第一のスリットのセットであって、該第一のスリットのセットの各スリットが中心を有し、該第一のスリットのセット中の各スリットの中心が、ハイポチューブの長さに沿って第一のスリット軸を形成する、第一のスリットのセットと、
第二のスリットのセットであって、該第二のスリットのセットの各スリットが中心を有し、該第二のスリットのセット中の各スリットの中心が、該ハイポチューブの該長さに沿って第二のスリット軸を形成する、第二のスリットのセットと
を含み、該第二のスリット軸が該第一の軸からある角度だけオフセットされている、本発明1001~1006のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1008]
ピールアウェイシースボディの表面上に第一および第二のピールアウェイ線をさらに含み、
該ピールアウェイシースボディ沿いの任意の長軸方向位置で、第一のスリット軸が該第一のピールアウェイ線と同じ周方向位置にあり、第二のスリット軸が該第二のピールアウェイ線と同じ周方向位置にある、本発明1001~1007のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1009]
ピールアウェイ線の少なくとも1つが、ピールアウェイシースボディの内面上に位置する、本発明1001~1008のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1010]
ピールアウェイ線の少なくとも1つが、ピールアウェイシースボディの外面上に位置する、本発明1001~1008のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1011]
第一および第二のピールアウェイ線が互いに直径方向に対向する、本発明1001~1010のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1012]
ピールアウェイシースハブが、
近位円錐形部分、および
遠位円柱形部分
をさらに含む、本発明1001~1011のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1013]
近位円錐形部分が近位周方向不連続部を含み、遠位円柱形部分が遠位周方向不連続部を含む、本発明1001~1012のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1014]
近位周方向不連続部と遠位周方向不連続部が、長軸方向に整列している、本発明1001~1013のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1015]
遠位周方向不連続部の遠位端が、ピールアウェイシースボディの表面に沿って少なくとも1つのピールアウェイ線の近位端に当接している、本発明1001~1014のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1016]
内層および外層が熱可塑性樹脂を含む、本発明1001~1015のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1017]
熱可塑性樹脂が、PEBAXまたはTPUのうちの少なくとも1つである、本発明1001~1016のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1018]
補強層が、LCP、PEBAX、ステンレス鋼、ニチノールまたはケブラー(登録商標)のうちの少なくとも1つである、本発明1001~1017のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1019]
補強層が、ピールアウェイシースボディの遠位部分にのみ存在する、本発明1001~1018のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1020]
補強層が、ピールアウェイシースボディの近位部分にのみ存在する、本発明1001~1018のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1021]
補強層が、ピールアウェイシースボディの中間部分にのみ存在する、本発明1001~1018のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1022]
補強層が、ピールアウェイシースボディの長さに沿って交互の部分に存在する、本発明1001~1018のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1023]
ハイポチューブが、2つのC字形半分として構成されている、本発明1001~1022のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1024]
ピールアウェイシースボディの内面上のピールアウェイ線が、該ピールアウェイシースボディの全長に沿って延びる、本発明1001~1023のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1025]
親水コーティングが、ピールアウェイシースボディの外層の少なくとも一部分を被覆する、本発明1001~1024のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1026]
ピールアウェイシースボディの遠位端から、該ピールアウェイシースボディの近位端から約5cm遠位側まで、親水コーティングによって被覆された外層の部分が延びる、本発明1001~1025のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1027]
前記シースボディの遠位端から、該ピールアウェイシースボディの近位端から約2cm遠位側まで、親水コーティングによって被覆された外層の部分が延びる、本発明1001~1026のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1028]
以下:
ピールアウェイシースハブと;
ピールアウェイシースボディであって、
該ピールアウェイシースハブに接続された近位端、
遠位端、
該ピールアウェイシースボディの外半径を画定する外層、
内半径を有する、該ピールアウェイシースボディの第一の内腔を画定する内層、
該内半径と該外半径との間に位置する補強層、および
該内層または該外層のうちの少なくとも1つを通って半径方向に延びる、直径方向に対向する1対の切欠き
を含む、ピールアウェイシースボディと
を含む、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1029]
切欠きが、内層の最内面から補強層を通って延びる内径切欠きである、本発明1001~1028のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1030]
切欠きが外層の手前で終端する、本発明1001~1029のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1031]
切欠きが外層内で終端する、本発明1001~1030のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1032]
切欠きが、外層の最外面から補強層を通って延びる外径切欠きである、本発明1001~1031のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1033]
切欠きが内層の手前で終端する、本発明1001~1032のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1034]
切欠きが内層内で終端する、本発明1001~1033のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1035]
直径方向に対向する1対の切欠きが、ピールアウェイシースボディの表面上に、直径方向に対向する1対のピールアウェイ線を画定し、該1対のピールアウェイ線それぞれが該ピールアウェイシースボディの長さに沿って延び、該ピールアウェイシースボディが該ピールアウェイ線に沿って切り離されることができる、本発明1001~1034のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1036]
ピールアウェイシースボディの表面が内面である、本発明1001~1035のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1037]
ピールアウェイシースボディの表面が外面である、本発明1001~1036のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1038]
補強層が、ピールアウェイシースボディの近位部分にのみ存在する、本発明1001~1037のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1039]
直径方向に対向する1対の切欠きを有するピールアウェイシースボディ沿いの任意の長軸方向位置で、該1対の切欠き中の各切欠きが、該切欠きが画定するピールアウェイ線と同じ周方向位置に位置する、本発明1001~1038のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1040]
以下:
ピールアウェイシースハブと;
ピールアウェイシースボディであって、
該ピールアウェイシースハブに接続された近位端、
遠位端、
該ピールアウェイシースボディの外半径を画定する外層、
内半径を有する、該ピールアウェイシースボディの第一の内腔を画定する内層、
該内半径と該外半径との間に位置する補強層、
該内層を通って該内半径と第三の半径との間の第四の半径まで延びる、直径方向に対向する少なくとも1対の第一の内切欠き、および
該外層を通って該内半径と該第三の半径との間の第五の半径まで延びる、直径方向に対向する少なくとも1対の第二の外切欠き
を含む、ピールアウェイシースボディと
を含む、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1041]
第一の内切欠きが、ピールアウェイシースボディの第一の長軸方向セグメントに沿って延び、
第二の外切欠きが、該ピールアウェイシースボディの第二の長軸方向セグメントに沿って延びる、本発明1001~1040のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1042]
第一のセグメントと第二のセグメントが、長軸方向に部分的に重複する、本発明1001~1041のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1043]
第一のセグメントと第二のセグメントが、完全に重複する、本発明1001~1042のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1044]
直径方向に対向する少なくとも1対の第一の内切欠き、および直径方向に対向する少なくとも1対の第二の外切欠きが、直径方向に対向する1対のピールアウェイ線を画定し、該1対のピールアウェイ線それぞれがピールアウェイシースボディの長さに沿って延び、該ピールアウェイ線に沿って該ピールアウェイシースボディが切り離されることができる、本発明1001~1043のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1045]
1対のピールアウェイ線の各ピールアウェイ線が、内切欠きと外切欠きの両方によって形成される、本発明1001~1044のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1046]
補強層が、シースの長さに沿って延びる第一のセットの不連続部と、ピールアウェイシースボディの長さに沿って延びる第二のセットの不連続部とを含む、本発明1001~1045のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1047]
ピールアウェイシースボディ沿いの任意の長軸方向位置で、第一のセットの不連続部の軸が第一のピールアウェイ線と同じ周方向位置にあり、第二のセットの不連続部の軸が第二のピールアウェイ線と同じ周方向位置にある、本発明1001~1046のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1048]
血液ポンプの挿入のための、ピールアウェイシースボディとピールアウェイシースハブとを含むピールアウェイシースアセンブリを製造するための方法であって、
マンドレルを、第一の材料の第一の層でコートする工程;
該第一の層を熱収縮させる工程;
該熱収縮した第一の層を、補強層である第二の材料の第二の層、および第三の材料の最外第三層でコートする工程;および
該第一、第二および第三の層材料を熱収縮させる工程
を含む、方法。
[本発明1049]
マンドレルが、熱収縮したシースボディ中に少なくとも1つの内径切欠きを残すように構成されている一段高い突出部を有し、該少なくとも1つの内径切欠きが、第一の層の最内面から延び、第二の層を通過し、第三の層の手前またはその内部で終端する、本発明1001~1048のいずれかの、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリを製造する方法。
[本発明1050]
以下:
ピールアウェイシースハブと;
ピールアウェイシースボディであって、
該ピールアウェイシースハブに接続された近位端、中間セグメント、遠位端、該近位端と該中間セグメントとの間の近位セグメント、および該中間セグメントと該遠位端との間の遠位セグメント、
該シースの外半径を画定する外層、
内半径を有する、該ピールアウェイシースボディの第一の内腔を画定する内層、ならびに
該内層と該外層との間で該中間セグメント中に位置する、該内層の剛性および該外層の剛性のうちの少なくとも1つよりも高い剛性を有する補強層
を含む、ピールアウェイシースボディと
を含む、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1051]
補強層が近位セグメント中に位置する、本発明1001~1050のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1052]
補強層が遠位セグメント中に位置する、本発明1001~1051のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1053]
以下:
ピールアウェイシースハブと;
ピールアウェイシースボディであって、
該ピールアウェイシースハブに接続された近位端、中間セグメント、遠位端、該近位端と該中間セグメントとの間の近位セグメント、および該中間セグメントと該遠位端との間の遠位セグメント、
該ピールアウェイシースボディの外半径を画定し、かつ外層材料を含む外層、
内半径を有する、該シースの第一の内腔を画定し、かつ内層材料を含む内層、ならびに
該内層と該外層との間で該中間セグメント中に位置する、該内層材料の剛性および該外層材料の剛性のうちの少なくとも1つよりも高い剛性を有する材料を含む補強層
を含む、ピールアウェイシースボディと
を含む、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1054]
補強層が近位セグメント中に位置する、本発明1001~1053のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1055]
補強層が遠位セグメント中に位置する、本発明1001~1054のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1056]
以下:
ピールアウェイシースハブと;
ピールアウェイシースボディであって、
該ピールアウェイシースハブに接続された近位端、
中央の長軸方向区画、
遠位端、
該ピールアウェイシースの外半径を画定する外層、
内半径を有する、ピールアウェイシースボディ内腔を画定する内層、ならびに
該内層と該外層との間に位置する、該内層の剛性および該外層の剛性の少なくとも1つよりも高い剛性を有する補強ハイポチューブ
を含み、
該補強ハイポチューブが、長軸方向に延びる2つのC字形半分で構成されており、該補強ハイポチューブが、該中央の長軸方向区画に沿って延びるように構成されており;
該内層が、該シースボディに沿って長軸方向に連続的に延びるピールアウェイ線をさらに含む、
ピールアウェイシースボディと
を含む、血液ポンプの挿入のためのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1057]
補強ハイポチューブが、ピールアウェイシースボディの近位部分の中に延びるように構成されている、本発明1001~1056のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1058]
外層の長軸方向部分上に延びる親水コーティングをさらに含む、本発明1001~1057のいずれかのピールアウェイシースアセンブリ。
[本発明1059]
血液ポンプの挿入のためのシースボディであって、
第一の剛性を有する第一の材料の第一のストリップ;および
第二の剛性を有する第二の材料の第二のストリップ
を含み、
該第一の剛性が該第二の剛性よりも高く;
該第一のストリップおよび該第二のストリップが、隣接しながら螺旋状に、該シースボディの遠位端から近位端まで向けられている、
シースボディ。
[本発明1060]
第一の材料が、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)およびポリエチレンのうちの1つを含み、第二の材料が、PEBAおよび熱可塑性エラストマーのうちの1つを含む、本発明1001~1059のいずれかのシースボディ。
[本発明1061]
第一のストリップと第二のストリップが、同じ幅を有する、本発明1001~1060のいずれかのシースボディ。
[本発明1062]
第一のストリップの第一の幅および第二の幅の第二の幅が、1mmである、本発明1001~1061のいずれかのシースボディ。
[本発明1063]
第一のストリップと第二のストリップが、異なる幅を有する、本発明1001~1062のいずれかのシースボディ。
[本発明1064]
第一のストリップの第一の幅が3mmであり、第二のストリップの第二の幅が1mmである、本発明1001~1063のいずれかのシースボディ。
[本発明1065]
厚さを有する壁;および
該壁中の、第一の切欠きおよび第二の切欠き
をさらに含み、
該第一の切欠きおよび該第二の切欠きが、シースボディの長さに沿って軸方向に整列し、互いに対向する向きにある、
本発明1001~1064のいずれかのシースボディ。
[本発明1066]
第一の切欠きおよび第二の切欠きが、シースボディの内面上にある、本発明1001~1065のいずれかのシースボディ。
[本発明1067]
第一の切欠きおよび第二の切欠きが、シースボディの外面上にある、本発明1001~1066のいずれかのシースボディ。
[本発明1068]
シースボディのピールアウェイ中、第一の切欠きおよび第二の切欠きに沿って二分割される、本発明1001~1067のいずれかのシースボディ。
[本発明1069]
テーパ状の先端をさらに含む、本発明1001~1068のいずれかのシースボディ。
[本発明1070]
テーパ状の先端が、第一の材料および第二の材料を含む、本発明1001~1069のいずれかのシースボディ。
[本発明1071]
テーパ状の先端が、第一の材料のみを含む、本発明1001~1070のいずれかのシースボディ。
[本発明1072]
テーパ状の先端が、第二の材料のみを含む、本発明1001~1071のいずれかのシースボディ。
[本発明1073]
以下:
近位端および遠位端を有するシースボディであって、
第一の剛性を有する第一の材料の第一のストリップ、
第二の剛性を有する第二の材料の第二のストリップ、
ここで、該第一の剛性は該第二の剛性よりも高く、
ここで、該第一のストリップおよび該第二のストリップは、隣接しながら螺旋状に、該シースボディの遠位端から近位端まで向けられている、および
該第一のストリップおよび該第二のストリップによって画定される第一の内腔
を含む、シースボディと;
第二の内腔を画定する近位端および遠位端を有するシースハブであって、
ここで、該シースハブの遠位端が、該シースボディの近位端に取り付けられている、
シースハブと
を含む、血液ポンプの挿入のためのイントロデューサシース。
[本発明1074]
第一の内腔と第二の内腔が流体連通している、本発明1001~1073のいずれかのイントロデューサシース。
[本発明1075]
シースハブが、流体が該ハブの近位端から出ることを防ぐようにサイズ設定された止血弁をさらに含む、本発明1001~1074のいずれかのイントロデューサシース。
[本発明1076]
シースハブが、第一の切欠きおよび第二の切欠きをさらに含み、
該第一の切欠きおよび該第二の切欠きが、該シースハブの長さに沿って軸方向に整列し、互いに対向する向きにある、本発明1001~1075のいずれかのイントロデューサシース。
[本発明1077]
第一の切欠きおよび第二の切欠きが、シースハブの内面上にある、本発明1001~1076のいずれかのイントロデューサシース。
[本発明1078]
第一の切欠きおよび第二の切欠きが、シースハブの外面上にある、本発明1001~1077のいずれかのイントロデューサシース。
[本発明1079]
可撓性イントロデューサシースボディを製造する方法であって、
第一の材料の第一のストリップおよび第二の材料の第二のストリップを隣接させながらマンドレルの周囲に巻き付ける工程;
該第一のストリップの第一の遠位端および該第二のストリップの第二の遠位端を固定する工程;
該第一のストリップの第一の近位端および該第二のストリップの第二の近位端を固定する工程;
該第一のストリップ、該第二のストリップおよび該マンドレルの上に熱収縮チューブを配置する工程;
該第一のストリップおよび該第二のストリップを加熱する工程;
該熱収縮チューブを取り出す工程;および
該第一のストリップおよび該第二のストリップを該マンドレルから取り外す工程
を含む、方法。
[本発明1080]
血液ポンプの挿入のためのシースボディであって、
第一の剛性を有する第一の材料の第一のストリップ、
第二の剛性を有する第二の材料の第二のストリップ、
ここで、該第一の剛性は該第二の剛性よりも高く、および
該シースボディの遠位端および近位端によって画定される内腔
を含み、
該第一のストリップおよび該第二のストリップが、隣接しながら螺旋状に、該内腔上を該シースボディの該遠位端から該近位端まで向けられている、
シースボディ。
[本発明1081]
第二の剛性が内腔の第三の剛性よりも高い、本発明1001~1080のいずれかのシースボディ。
[本発明1082]
第一の厚さを有する外壁;
第二の厚さを有する内壁;および
該外壁中の第一の切欠きおよび第二の切欠き
をさらに含み、
該第一の切欠きおよび該第二の切欠きが、シースボディの長さに沿って軸方向に整列し、互いに対向する向きにある、本発明1001~1081のいずれかのシースボディ。
【図面の簡単な説明】
【0049】
前記および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考察することによって明らかになる。図中、全体を通して類似の符番が類似の部品を指す。
【0050】
図1】ピールアウェイシースボディおよびピールアウェイシースハブを含む、ピールアウェイシースアセンブリを示す。
図2図2Aは、長軸方向地点から見た、連続的な第二の層の周を有するピールアウェイシースボディの断面を示す。図2Bは、第二の層中の周方向不連続部を横切る長軸方向地点から見たピールアウェイシースボディの断面を示す。
図3A】ピールアウェイシースボディの軸方向断面を示す。
図3B】レーザカットハイポチューブの可能なデザインを示す。
図3C】レーザカットハイポチューブの可能なデザインを示す。
図4-1】内径および外径切欠きの可能な構成を軸方向断面に沿って示す。
図4-2】内径および外径切欠きの可能な構成を軸方向断面に沿って示す。
図5】内径および外径切欠きの可能な構成を周方向断面に沿って示す。
図6】内層、補強層および第三層を示す断面を示す。
図7】ピールアウェイシースハブおよびピールアウェイシースボディの近位部分のアイソメトリック図を示す。
図8】ピールアウェイシースハブの円柱形部分内のピールアウェイイントロデューサシースの周方向断面を示す。
図9】ピールアウェイシースハブの円錐形部分内のイントロデューサピールアウェイシースの周方向断面を示す。
図10】ピールアウェイシースハブおよびピールアウェイシースボディの近位端部分の上面図を示す。
図11】周方向不連続部に内部切欠きを有するレーザカットハイポチューブの断面を示す。
図12】金型が破断壁面にあるピールアウェイイントロデューサシースの断面を示す。
図13】金型が破断壁面にないピールアウェイイントロデューサシースの断面を示す。
図14】ピールアウェイシースアセンブリの特定の実施形態を製造する例示的な方法を示す。
図15】補強層がピールアウェイシースハブの中へ延びる、ピールアウェイイントロデューサシースの例示的な縦断面を示す。
図16】例示的なシースハブに結合された2枚の材料ストリップを含む例示的な拡張可能なシースボディを含む例示的なイントロデューサシースアセンブリのアイソメトリック図を示す。
図17】第一のストリップおよび第二のストリップを有する例示的な可撓性シースボディのアイソメトリック図を示す。
図18図17の可撓性シースボディの例示的な図を示す。
図19】第一のストリップおよび第二のストリップが幅およびねじれ角を有する、図17の可撓性シースボディの概略プロファイルを示す。
図20】第一の切欠きおよび第二の切欠きを内面上に有する図17の可撓性シースボディの断面図を示す。
図21図20の可撓性シースボディのアイソメトリック図を示す。
図22】第一の切欠きおよび第二の切欠きを外面上に有する図17の可撓性シースボディの断面図を示す。
図23図22の可撓性シースのアイソメトリック図を示す。
図24図17の可撓性シースボディを製造する例示的な方法を示す。
図25】内腔と、外面上の第一の切欠きおよび第二の切欠きとを有する可撓性シースボディの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
詳細な説明
本明細書に開示されるシステム、方法および装置の全体的理解を提供するために、特定の例示的な態様を説明する。本明細書に記載される態様および特徴は、経皮心臓ポンプシステムと関連する使用に関して具体的に記載されるが、本教示は、他の機械的循環補助装置および他のタイプの医療装置、たとえば電気生理学研究およびカテーテルアブレーション装置、血管形成およびステント留置装置、血管造影カテーテル、末梢穿刺中心静脈カテーテル、正中線カテーテル、末梢カテーテル、下大静脈フィルタ、腹部大動脈瘤治療装置、血栓摘出装置、TAVRデリバリーシステム、心臓治療および心臓補助装置、たとえばバルーンポンプ、外科的切開を使用して埋め込まれる心臓補助装置ならびに他の静脈または動脈ベースの管腔内導入カテーテルおよび装置に適合され、適用されてもよいことが理解されよう。
【0052】
本明細書に記載されるシステム、方法および装置は、改善された耐キンク性および改善された可撓性を有するピールアウェイシース機能性を有する可撓性イントロデューサシースを提供する。そのような改善された機能性を有するイントロデューサシースは、本明細書に開示されるように、様々な方法で達成することができる。概して、シースは、剛性が異なる少なくとも2つの区画、1つの剛性区画および少なくとも1つの低剛性区画を有する。改善されたシースは、改善された耐キンク性を可能にする。少なくとも1つの剛性区画および少なくとも1つの低剛性区画を有する1つの例示的な構成が、内層、第二の補強層および外層を有するシースである。そのような実施形態において、補強層はレーザカットハイポチューブまたは編組もしくはコイル状フィラメントを含み得る。以下、付録Aに複写された出願第62/672,212号に開示されているように、少なくとも1つの剛性区画および少なくとも1つの低剛性区画を有する別の構成は、単一層で螺旋構成に巻かれた剛性ストランドおよび低剛性ストランドを含む。イントロデューサシースの低剛性区画を異なるポリマー材料で作製することにより、イントロデューサシースはまた、シースがより容易にピールアウェイされることを可能にする。同じ層または異なる層のいずれかに、高剛性材料および低剛性材料を使用することは、耐キンク性と可撓性との間で選択を強いる、一定の剛性を有する1つの材料のみを使用する一般的なピールアウェイシースに対する改善である。大きい挿入角でピールアウェイシースを必要とする臨床シナリオにおいては、耐キンク性を改善すると同時に可撓性を改善することが非常に望ましい。そのような臨床シナリオとしては、血管と挿入点との間の距離が理由である、肥満患者の場合の大腿アクセス、ならびに腋窩挿入部位の隣接区域における敏感な解剖学的ランドマークおよび神経束が理由である、鎖骨下腋窩アクセスがある。加えて、補強層中の不連続部および/またはシース層中の切欠きの存在が、シースをピールアウェイするために加えられる力を減らす。
【0053】
図1は、シースハンドル101、シースハブ102、シースボディ103、近位端104、遠位端106、シースボディ内腔108、シースボディ内層110、補強層112および外層114を含む、例示的なピールアウェイシースアセンブリ100を示す。シースハブ102はシースボディ103に結合され、シースボディ103は近位端104および遠位端106を有する。シースハブ102はシースボディ103の近位端104に結合されている。シースボディ103は、シースボディ103の長軸に沿って延びる第一の内腔108を画定する。図2~6に関連して以下さらに説明するように、ピールアウェイシースアセンブリ100は、可撓性と耐キンク性の両方を提供するために、多層デザインを有する。シースボディ103は、第一の最内半径に位置する内層110と、第二の半径に位置する補強層112と、第三の最外半径に位置する外層114とを含む。内層110および外層114は、内層110および外層114それぞれに関して同じであってもよい熱可塑性樹脂を含む。あるいはまた、内層110および外層114は、異なる熱可塑性樹脂を含んでもよい。補強層112は、内層110および外層114とは異なる材料特性を有する。たとえば、補強層は、内層110および外層114のうちの少なくとも1つよりも剛性である。図1に示す例示的な態様はさらに、外層の少なくとも一部分上に親水コーティングを含み得る。いくつかの実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、シースボディの遠位端から、シースボディの近位端から約5cm~約2cm遠位側まで、延びる。他の実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、シースボディの遠位端から、シースボディの近位端から約4cm~約3cm遠位側まで、延びる。さらなる実施形態において、親水コーティングが配置されるところの外層の部分は、シースボディの遠位端から、シースボディの近位端から約3.5cm遠位側まで、延びる。前述のように、親水コーティングは、患者の血管系へのシースボディの挿入を容易にする。シースボディの全長を親水コーティングでコートすると、シースボディに作用する動脈圧が理由でシースボディが大動脈から押し退けられるおそれがあるため、シースボディの一部分は一般に、親水コーティングを有しないように構成されている。
【0054】
補強層は、ハイポチューブ、編組フィラメントまたはコイル状フィラメントであることができる。補強層は、少なくとも2つの不連続部をその表面に有するように構成されている。たとえば、補強層のハイポチューブは、一連のスリットをその表面に有するように構成されることができる。そのようなスリットは、ハイポチューブが、その固有の剛性を与えられて、改善された耐キンク性を提供するだけでなく、改善された可撓性を有することをも可能にする。別の例として、編組またはコイル状フィラメントの第二の層は、フィラメント編組またはラップの間に不連続部を含む。フィラメント補強層の少なくとも1つの利点は、フィラメントの各ラップまたは編組の間の不連続部の存在であり、これが、補強層およびシースを全体としてピールアウェイするために必要な力の量を減らす。さらに、フィラメントの各ラップ間のさらなる不連続部はより高い可撓性を可能にする。フィラメントの少なくとも1つの利点は、様々な用途のために、補強層のために同じ製造プロセスを用いながらも、不連続部のサイズを調節する、すなわちWPI(wraps per inch)を選択する能力である。フィラメントの1つのさらなる利点は、フィラメントのサイズを変えることによって不連続部間の離隔距離を調節しながらも不連続部の所与のサイズを維持する能力である。フィラメント構成およびハイポチューブ構成のいずれも、多様なピールアウェイ線デザインによって実現することができる。ハイポチューブまたはコイル状フィラメントから構築された補強層の1つの利点は、層の厚さを層の長さ全体を通して一定であるように構成し得ることである。
【0055】
シースボディはまた、その長さに沿って延びるピールアウェイ線を有するように構成され、ピールアウェイ線は、シースの補強層中の少なくとも1つの周方向不連続部と重複する。シースのピールアウェイ線と補強層中の少なくとも1つの周方向不連続部との間の重複の少なくとも1つの利点は、補強層を破断することなくシースをピールアウェイする能力である。
【0056】
以下、図2および3に関連して説明するように、補強層はレーザカットハイポチューブであることができる。ハイポチューブは、少なくとも2つの不連続部をその表面に有するように機械加工されることができる。いくつかの実施形態において、不連続部は、ハイポチューブの周の一部分に沿って延び、周方向不連続部である。他の実施形態において、不連続部は、ハイポチューブの長さに沿って延び、長軸方向不連続部である。他の実施形態において、不連続部は、周方向と長軸方向の両方に延びてもよい。特定の実施形態において、たとえば図5A~Bに示し、以下さらに詳述するように、代表的な周方向断面はいくつかの周方向不連続部を含む。たとえば、図5A~Bに示すように、不連続部は2つ以上のスリットであることができる。他の実施形態において、不連続部は様々なサイズおよび形状であり得る。たとえば、不連続部は、長方形、円形、楕円形および菱形であることができる。
【0057】
1つの実施形態において、たとえば図3Bに示すように、ハイポチューブの表面のスリットは、互いに対して平行であり、ハイポチューブの長さに沿って等間隔である。そのような実施形態においては、ハイポチューブの長さに沿って見られ得る2つの異なる周方向断面がある。第一の周方向断面が図2Aに示されている。
【0058】
断面200は、内半径に位置する内層202、中間半径に位置する補強層204および最外半径に位置する外層206を示す。図2Aの中心は第一の内腔208を示す。図2Aは、シースボディ沿いの、補強層204が連続的な周を有するところの長軸方向地点から見たものである。内層202、補強層204および外層206は同心である。本明細書において定義される「同心」とは、各層が同じ中心を共有し、外層206が補強層204および内層202を完全に包囲し、補強層204が内層202を完全に包囲することを意味する。
【0059】
第二の例示的な周方向断面が図2Bに示されている。断面220は、内半径に位置する内層222、中間半径に位置する補強層224および最外半径に位置する外層226を示す。図2Bの中心は第一の内腔230を示す。図2Bの断面は、補強層224が、レーザカットハイポチューブ中のスリットに対応する周方向不連続部228を有するところの長軸方向地点からシースボディ沿いに見たものである。そのようなものとして、図2Bの断面は不連続な補強層を示す。少なくとも1つの周方向不連続部228は、ピールアウェイ機能性をシースに提供する線を画定する。
【0060】
図2Aおよび2B中、補強層204の材料特性が、好都合に、改善された可撓性および耐キンク性をシースアセンブリに与える。たとえば、1つのそのような物性は、内層202または外層206の材料のうちの少なくとも1つの剛性よりも高い、補強層の剛性である。補強層材料204の別のそのような物性は、同じく内層202または外層206の材料の弾性率のうちの少なくとも1つよりも高くあり得る、その弾性率である。第一の内層202材料および外層206材料は熱可塑性樹脂であり得、熱可塑性樹脂はPEBAXまたはTPUのうちの少なくとも1つであることができる。補強層204材料は、LCP、PEBAX、ステンレス鋼、ニチノールまたはケブラーのうちの少なくとも1つであることができる。内層202の厚さは0.001インチ~0.015インチであることができる。さらに、外層206の厚さは0.001インチ~0.015インチであることができる。実施形態の全壁厚さは0.016インチ以下である。
【0061】
図3Aは、ピールアウェイシースアセンブリの1つの例示的な縦断面300を示し、シースボディの長軸がページの平面中にある。断面は、内半径にある内層302、中間半径にある補強層304および外半径にある外層306を示す。補強層304は不連続部308を有する。不連続部308は、いくつかの実施形態において、周方向不連続部である。一緒になって、3つの層は第一の内腔310を画定する。補強層304内で、リブ309を隔てている周方向不連続部308は補強層304によって接続されている。周方向不連続部308は、有限の弧長を有し、補強層304の周の全長には延びない。周方向不連続部308は、異なる弧長を有し得、異なる幅を有し得る。周方向不連続部308の弧長は約0.5cm~1cmであり得る。同様に、周方向不連続部308の幅は、約0.1~0.5cm、約0.2~0.4cmおよび約0.3cmであり得る。
【0062】
図3Bは、ハイポチューブの各不連続部322および324がハイポチューブの周に沿って同じ長さを有するところの、補強層320中の不連続部322および324の1つの構成を示す。図3B中の不連続部は長軸方向に等間隔であり、不連続部は不連続部の第一のセットおよび第二のセットを含む。第一のスリット322と同じ周方向位置に位置する不連続部が第一のセットを構成し、第二のスリット324と同じ周方向位置に位置する不連続部が第二のセットを画定する。不連続部の各セット中の各不連続部は中心を有する。不連続部の第一のセットの中心は第一の不連続軸を画定し、不連続部の第二のセットの中心は第二の不連続軸を画定する。いくつかの態様において、図3Bに示すように、第一および第二のスリット軸はいくらかの角度だけオフセットされている。ハイポチューブの長さに沿ってスリットのすべてが同じ軸上に中心を有するような、2つのスリット軸がオフセットされる角度は0°であり得る。スリット軸がオフセットされる角度は0~約18°の範囲である。一例において、スリット軸がオフセットされる角度は、各スリットが同じ軸上に中心を有する状態に対応する、0°である。別の例において、スリット軸がオフセットされる角度は、2つのスリット軸が互いに直径方向に対向する状態に対応する、180°である。本明細書において定義される「直径方向に対向」とは、実施形態の2つの特徴がシースボディに沿って180°のオフセットによって離されていることを意味する。他の例において、軸は、約30~約150°の角度だけオフセットされてもよい。他の例において、軸は、約60~約120°の角度だけオフセットされてもよい。他の例において、軸は約90°の角度だけオフセットされてもよい。他の例において、不連続部は、ハイポチューブの表面に沿って異なる長さを有する。他の例において、スリットは、シースに沿って変化する可撓性を達成するために、ハイポチューブの長さに沿って可変的に離間している。たとえば、間隔は、シースの近位部分においては固定されることができ、遠位端においてより高い耐キンク性を提供しながらも近位端においてより容易なピールアウェイの能力を提供するために、遠位方向に増大してもよい。別の例において、スリットは、シースボディの両端でもっとも接近してもよく、シースボディの長さの中間部でより大きな間隔を有して、シースボディの中間部に耐キンク性を提供しながらも、シースの末端部が容易にピールアウェイされることを可能にしてもよい。フィラメント補強層に関連して上述したように、不連続部は異なるサイズおよび形状であり得る。ハイポチューブ補強層を有する構成もまた、異なるサイズおよび形状の不連続部を有することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、ハイポチューブは、一連のリブを接続するスパインを有するように構成され得る。本明細書において定義される「スパイン」とは、シースボディの第一の内腔に対して平行な長軸方向に連続的に延びるハイポチューブの一部分をいう。本明細書において定義される「リブ」とは、一端だけでスパインに接続され、スパインから周方向に延びるハイポチューブの部分をいう。いくつかの実施形態において、リブは1つしかなく、ハイポチューブは、シースボディの長さに沿って長軸方向に延びる1つのC字形に似ている。他の実施形態においては、いくつかのリブがあってもよい。リブは、周方向不連続部によって長軸方向に隔てられ得る。他の実施形態において、それぞれがリブのセットに接続されている2つ以上のスパインがあってもよい。そのような実施形態のすべてにおいて、リブの数および間隔は、所望の耐キンク性および可撓性を生み出すように最適化されることができる。互いにより近い間隔のリブはより高い耐キンク性を提供する。より大きな間隔のリブはより高い可撓性およびピールアウェイのしやすさを提供する。
【0064】
図3Cは、補強層330中の不連続部332および開口334の別の構成を示す。図3C中、周方向不連続部332は、補強層の周に沿って延びるように向けられている。開口334の包含は、製造中に補強層330への内層および外層の接着に役立つ。開口334は多様な形状に構成され得る。開口334は、たとえば、円形、楕円形または菱形であり得る。先に詳述したように、開口334は、補強層330の周に沿って延びるように構成されている。開口334は、補強層330の長さに沿って規則的な間隔で向けられ得る。たとえば、開口334は、補強層330の長さに沿って0.7インチごとに含まれてもよい。他の実施形態において、開口334は、補強層の長さに沿って0.9インチごとに配置されてもよい。特定の実施形態において、開口334は、補強層の長さに沿って1.1インチごとに配置されてもよい。先に詳述したように、開口334は一定範囲の表面積を有し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、各開口334は約5~約25mm2の表面積を有する。他の実施形態において、各開口334の表面積は約10~約20mm2である。特定の実施形態において、各開口334の表面積は約15mm2である。開口の組み込みは、製造中にシースボディの内層および外層が互いによりよく接着することを可能にする。この増大した接着は、シースボディが、曲げられるとき、応力をよりよく受け入れることを可能にする。リフロープロセスもまた、ハイポチューブの長さに沿って構成された周方向スリットの中へのポリマーリフローが得られるように制御される。ポリマーを有しないままのスリットは、スリットが圧縮および拡大ゾーンとして機能することを可能にし、それがシースボディの可撓性を高める。
【0065】
図4A~4Eは、内径および外径切欠きのいくつかの可能な構成を示す。そのような構成の切欠きはピールアウェイ線を画定し、このピールアウェイ線に沿って、施術者はシースアセンブリを剥がして切り離すことができる。図4A~4Eは、内層402、補強層404および外層406ならびにシース内腔408を示す。また、例示的な切欠き410が示されている。図4Aは、内径切欠きのみを有する実施形態を示す。図4Aの内径切欠きは、内層402の最内面から出発し、補強層404を貫通し、外層406内で終端する。別の実施形態において、外径切欠き410は、内層402の最内面から出発し、補強層404を貫通し、外層406の手前で終端する。内径切欠きを含む実施形態(図4A)は比較的容易に製造される。
【0066】
図4Bは、外径切欠きのみを有する実施形態を示す。図4Bの外径切欠きは、外層406の最外面から出発し、補強層404を貫通し、内層402内で終端する。別の実施形態において、図4Bの外径切欠きは、外層406の最外面から出発し、補強層404を貫通し、内層402の手前で終端する。外径切欠きを含む実施形態(図4B)は、ピールアウェイ機能性に関し、内径切欠きのみを有する構成よりも高い性能を発揮する。
【0067】
図4Cは、内径切欠きと外径切欠きの両方を有し、それら2つのタイプの切欠きがシースボディの長さに沿って長軸方向に重複しない実施形態を示す。図4Dは、切欠きがシースボディの長さに沿って長軸方向に部分的に重複する実施形態を示す。図4Eは、切欠きがシースボディの長さに沿って長軸方向に完全に重複する実施形態を示す。1つの実施形態において、外径切欠きは、シースボディの遠位部分の少なくとも遠位端に沿って延び、内径切欠きは、シースの近位端のすべてに沿っておよび最大でもシースボディの遠位部分の近位端に沿って延びる。別の実施形態においては、内径切欠きと外径切欠きの両方がシースボディの第一の区画の任意の部分に沿って重複しながら延びることに加えて、外径切欠きは、シースボディの遠位部分の少なくとも遠位端に沿って延び、内径切欠きは、シースの近位部分のすべてに沿っておよび最大でもシースボディの近位部分の近位端に沿って延びる。
【0068】
図5Aは、内層502、補強層504および外層506を有するシースボディの周方向断面500を示す。3つの層は、シースボディの長軸に沿って延びる内腔508を画定する。直径方向に対向する外径切欠き510が、外層506の最外面から延び、補強層504を貫通し、内層502内で終端している。
【0069】
図5Bは、内層522、補強層524および外層526を有するシースボディの周方向断面520を示す。3つの層は、シースボディの長軸に沿って延びる第一の内腔528を画定する。直径方向に対向する外径切欠き530が、外層522の最内面から延び、補強層524を貫通し、内層526内で終端している。図4A~Eに関連して述べたように、図5Aにおけるような外径切欠きを有する構成は、改善されたピールアウェイ性能を有し、図5Bにおけるような内径切欠きを有する構成は、より容易に製造される。いくつかの実施形態は内径切欠きのみを有し、他の実施形態は外径切欠きのみを有する。さらなる実施形態は、内径切欠きと外径切欠きの両方を有してもよく、内径切欠きは、もっぱら外径切欠きからシースボディの長さに沿って延びる。さらなる実施形態は、内径切欠きと外径切欠きの両方があるシースボディの一部分を有し得る。いくつかの他の実施形態は、1つの切欠きのみが見られる区域と、2タイプの切欠きが長軸方向に重複して見られる区域の両方を有し得る。
【0070】
図6も同様に、内層602、補強層604および外層606を含むシースの層の断面600を示す。不連続部610が補強層604中に見てとれる。いくつかの実施形態において、不連続部610は周方向不連続部である。
【0071】
図7は、シースハブ701およびシースボディ707の近位部分706のアイソメトリック図700を示す。シースハブは、周方向不連続部703を有する近位円錐形部分702と、周方向不連続部705を有する遠位円錐形部分704とを含む。シースハブ701の遠位円錐形部分704はシースボディ707の近位部分706に取り付けられている。不連続部703および705は、シースボディ707のピールアウェイ線と整列するように構成されて、不連続部を有するシースボディの長さ沿いの所与の長軸方向地点で、ピールアウェイ線が不連続部と同じ周方向位置に位置するようになっている。いくつかの実施形態において、不連続部703および705は周方向不連続部である。
【0072】
図8は、シースハブの遠位円柱形部分810をA-A'線(図7を参照)から見た周方向断面800を示す。内層802が、補強層804および外層806と一緒になって、第一の内腔808を画定する。シースハブの円柱形部分810中の不連続部812は、シースの取り出しを容易にするために、シースボディのピールアウェイ線と整列し、いくつかの実施形態において、周方向不連続部である。不連続部812は、同じくシースの取り出しを容易にするために、シースハブの近位円錐形部分の不連続部とも整列する。シースハブの近位円錐形部分の不連続部は、いくつかの実施形態において、周方向不連続部である。図12に関連して詳述するように、シースハブの円柱形部分810中の不連続部812は、インサートをシースハブ材料中に配置したのち、シースハブ材料をシースボディに融着することによって製造される。融着後にインサートを取り出すと、シースハブの円柱形部分810中に周方向不連続部812が残る。
【0073】
図9は、シースハブの近位円錐形部分910をB-B'線(図7を参照)から見た周方向断面900を示す。内層902が第一の内腔908を画定する。シースハブの円錐形部分910中の不連続部912は、シースの取り出しを容易にするために、シースハブの遠位円柱形部分の不連続部と整列することができ、シースハブの遠位円柱形部分はまた、シースボディのピールアウェイ線とも整列する。いくつかの実施形態において、不連続部912は周方向不連続部である。図12に関連して詳述し、シースハブの遠位円柱形部分中の周方向不連続部に関連して先に詳述したように、シースハブの円錐形部分910中の周方向不連続部912は、インサートをシースハブ材料中に配置したのち、シースハブ材料をシースボディに融着することによって製造される。融着後にインサートを取り出すと、シースハブの円錐形部分910中に周方向不連続部912が残る。加えて、図9の例示的な態様に示すように(かつ、図12に関連して以下さらに詳述するように)、シースハブの近位円錐形部分には内シース層のみが存在する。以下、図12に関連して詳述するように、内層902は特定の厚さを有する。シースハブの近位円錐形部分910中の内層902の厚さは、近位円錐形部分910に対して遠位側にある層の厚さ未満であることができる。近位円錐形部分910中の内層902の厚さは、近位円錐形部分910中に縮径区画ができるように選択されることができる。縮径区画は、相対的に遠位側の層の全厚さよりも小さい外径を有することもできるし、相対的に遠位側の層の全厚さに等しい外径を有することもできる。シースハブの近位円錐形部分910内の1つのシース層のみの存在は、シースを切り離すために操作者が破断しなければならない材料の量を減らして、操作者が加える破断力をより小さくすることを可能にする。
【0074】
図10は、シースハブ1001およびシースボディの近位部分1006の上面図1000を示す。シースハブ1001は、近位円錐形部分1002および遠位円柱形部分1004を含む。不連続部1003がシースハブの円錐形部分1002中に存在し、不連続部1005がシースハブの円柱形部分中に存在する。不連続部1003および1005は、いくつかの実施形態において、周方向不連続部である。周方向不連続部1003および1005はシースボディのピールアウェイ線と整列している。シースボディの近位端1006は遠位円錐形部分1004でシースハブ1001に結合されている。図7はまた、A-A’線およびB-B'線を示し、これらの線から見た円柱形部分および円錐形部分中のハブの例示的な断面がそれぞれ図8および図9に示されている。
【0075】
ピールアウェイシースの製造は、多層シースボディの製造、シースハブの製造およびシースハブとシースボディとのアセンブリを含む。特定の切欠きおよび層構成は、製造しやすさのために構成されることができる。たとえば、シースの近位部分中の補強層の非存在が、射出成形プロセスを安定化させるのに役立つ。加えて、内径切欠きの使用が、製造プロセス中にポリマー層がリフローするとき切欠きが封じられないことを保証する。図14に関連して以下さらに詳細に説明するように、多層シースボディは熱収縮プロセスを通して製造される。熱収縮はラミネーションとも呼ばれる。
【0076】
1つの製造方法においては、最内第一層材料、補強第二層材料、および最外第三層材料をマンドレルの上に配置する。次いで、これらの層を熱収縮させる。たとえば、PTFE熱収縮材を使用する。
【0077】
別の方法においては、最内第一層をマンドレルの上に配置し、熱収縮させ、その時点で、補強第二層材料および最外第三層材料を、熱収縮した第一の層の上に配置する。次いで、熱収縮した第一の層、補強第二層材料、および最外第三層材料を一緒にラップ熱収縮させる。
【0078】
さらに別の方法においては、各層をマンドレルに順次に熱収縮させる。まず、最内第一層をマンドレルの上に配置し、熱収縮させる。次いで、熱収縮した第一の層を、補強第二層材料でコートする。次いで、2つの層を熱収縮させる。次いで、2つの熱収縮した層を、最外第三層材料でコートする。そして、3つの層をラップ熱収縮させる。
【0079】
内径切欠きを有するシースボディを製造する場合、熱収縮に使用されるマンドレルは一段高いスパインを含み、マンドレルを使用する層の熱収縮が、マンドレルスパインの形状の内径切欠きを有するシースボディを形成するようになっている。外径切欠きを有するシースボディを製造する場合、最外第三層は、熱収縮中に型を用いて構成され、型は外径切欠きの形状を有する。熱収縮させたのち、型を取り出すと、型の形状の外径切欠きが残る。図11に関連して以下さらに詳述するように、周方向不連続部は、製造中に少なくともマンドレルが不連続部を通って延びること可能にし、かつ改善された可撓性を提供するのに十分な大きさでなければならない。不連続部のサイズは、製造に使用されるマンドレルの突出部のサイズよりも小さくてはならない。しかし、不連続部はまた、それでいて改善された耐キンク性を提供するのに十分な小ささでなければならない。不連続部が大きすぎるならば、シースは座屈する。
【0080】
補強第二層の任意の構成に関して類似の製造方法が存在する。たとえば、補強層が、複数のハイポチューブ円弧セグメントを有するハイポチューブであるとき、最内第一層を熱収縮させたのち、熱収縮した最内第一層に円弧セグメントを熱収縮させ得る。これは、最外第三層の組み込みおよび熱収縮の前に、増大する数のハイポチューブ円弧セグメントが最内第一層に適切に接着されることを保証するために実施されることができる。加えて、補強層が、複数の円弧セグメントを含むハイポチューブであるとき、最内第一層を熱収縮させたのち、熱収縮した第一の層に円弧セグメントを個々に熱収縮させてもよい。同様に、前述の編組およびコイル状フィラメント構造を、熱収縮した最内第一層に熱収縮させたのち、最外第三層を熱収縮させて、最内第一層へのフィラメント層の適切な接着を保証することもできる。
【0081】
患者からシースを取り出すとき、シースボディに加え、シースハブがピールアウェイされる。前記のように、また、図12および13に関連して、シースハブは、シースハブ材料をシースハブ型に入れる射出成形を使用して製造され、型は、少なくとも1つのインサートを有するように構成されている。いくつかの実施形態においては、2つのインサートが使用される。シースハブを成形し、シースボディに融着させたのち、少なくとも1つのインサートを取り出す。そのようなものとして、シースハブは、製造中に、少なくとも1つの形状の凹んだ空間の形態の破断壁を含むように構成される。この凹んだ空間は、施術者がシースハブのピールアウェイを容易にするのに役立つ。図12は、金型が破断壁面にあるイントロデューサシースの断面1200を示す。破断壁は、2つのインサートがシースハブ材料から取り出されたのち、それらのインサートの形状を有するように構成されている。他の構成においては、1つのインサートが使用されてもよく、さらなる実施形態においては、3つ以上のインサートが使用されてもよい。加えて、図12は縮径区画1210を示す。内層は、近位方向に補強層または外層よりも遠くに延びるように構成され得るため、縮径区画1210は、内層のみを含み得るシースボディ沿いの近位セグメントに対応する。縮径区画1210は厚さ1211を有する。層1212は厚さ1213を有し、層1214は厚さ1215を有する。いくつかの実施形態において、厚さ1211は厚さ1213および1215の合計よりも小さい。他の実施形態において、厚さ1211は厚さ1213に等しく、縮径区画1210と層1212とが1つの連続的な層を形成するようになっている。他の実施形態において、厚さ1211は厚さ1213よりも小さい。前述のように、シースの近位部分における補強層の非存在の1つの利点は、シースボディのポリマー層が一貫した性質でシースハブに合わせて成形されることを可能にする射出成形プロセスの安定化である。図13は、インサートがシースハブに対してどのように位置するのかを示す、金型が破断壁面にないイントロデューサシースの断面100を示す。
【0082】
図11は、周方向ギャップ1110中に内部切欠き1108を有するレーザカットハイポチューブ1104の断面1100を示す。内層1102、補強層1104および外層1106は、ピールアウェイ機能性を高めるために、周方向ギャップ中に内部切欠きを有するように構成されている。前述のように、不連続部は、少なくとも1つの内径または外径切欠きがそれを通って延びることを可能にし、かつ改善された可撓性を提供するのに十分な大きさでなければならないが、同時に、改善された耐キンク性を提供するのに十分な小ささでなければならない。いくつかの実施形態において、周方向ギャップ1110の幅は約0.1~約1.5mmの範囲である。他の実施形態において、周方向ギャップ1110の幅は約0.3~約1.2mmの範囲である。特定の実施形態において、クリティカルギャップ1110の幅は約0.5~約1.0mmの範囲である。さらなる実施形態において、クリティカルギャップ1110の幅は約0.7~約0.8mmの範囲である。特定の実施形態において、クリティカルギャップ1110の幅は約0.761mmである。
【0083】
図14は、特定の実施形態の、心臓ポンプの導入のためのピールアウェイシースアセンブリの製造のためのフローチャートを示す。プロセス1400は、操作者がマンドレルを第一の材料の第一の層でコートする工程1402から出発する。いくつかの実施形態において、第一の層材料は、PEBAXまたはTPUのうちの1つを含む熱可塑性樹脂である。工程1404で、操作者は第一の層を熱収縮させる。これは、第一の層材料を熱収縮材でコートし、層および熱収縮材を加熱することを含む。第一の層を熱収縮させたのち、工程1406で、操作者は、熱収縮した第一の層を、補強第二層材料の第二の層でコートする。次いで、工程1408で、操作者は、補強第二層材料の第二の層を、第三の層材料の最外層でコートする。工程1410で、操作者は、熱収縮した第一の層、補強第二層および第三の層材料を一緒に熱収縮させる。図3Cに関連して先に詳述したように、シースボディの長さに沿って規則的な長軸方向間隔で補強層の周囲にリングを形成する補強層中の開口が、内層および外層がリフローすることを可能にする。このリフローは、内層および外層の互いへのよりよい接着を提供し、これは、シースボディが曲げられるときに、応力をよりよくシースボディが受け入れることを可能にする。製造プロセスは、周方向スリット中への内層および外層のリフローが起こらないように制御される。スリットからのポリマー層の非存在は、スリットが圧縮および拡大ゾーンとして機能することを可能にし、改善された可撓性をシースボディに提供する。方法のさらなる実施形態において、製造に使用されるマンドレルは少なくとも1つの一段高いスパインを有し得、第一の層材料の熱収縮が、熱収縮した第一の層中に少なくとも1つの内部切欠きを残すようになっている。他の実施形態において、操作者は、熱収縮した補強層のジオメトリーに基づいて各外切欠きの位置を選択する。方法の他の実施形態において、操作者は、補強第二層および最外第三層を熱収縮させる前に、第一の層を熱収縮に付す必要がない。すなわち、操作者は、第一、第二および第三の層をはじめて同時に熱収縮させ得る。
【0084】
図15は、内層1504、外層1506、補強層1508、シースハブ1510、補強ハブ長さ1512、遠位部分1514、中間部分1516および近位部分1518を有するシースボディ1502の縦断面1500を示す。前述のように、補強層1508が延びるところのシースボディ1502の長さは、シースボディ1502の特定の部分に沿ってキンクを防ぐために調節されることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、補強層1508は、遠位部分1514には存在しないが、中間部分1516には存在する。そのような実施形態において、補強層1508は、補強ハブ長1512によって示されるように、近位部分1518の中へ様々な深さまで延び得る。たとえば、補強層1508の近位端は、シースハブ1510が終端するところの同じ長軸方向地点で終端し得る。他の実施形態において、例示的な図15に示すように、補強層1508は、シースハブ1510が終端するところの長軸方向地点よりも遠位側にある長軸方向地点で終端してもよい。他の実施形態において、補強層1508の近位端は、シースハブ1510が終端するところの長軸方向地点よりも近位側にある長軸方向地点で終端してもよい。補強層1508が終端するところの長軸方向地点は補強ハブ長1512によって与えられ得る。たとえば、補強ハブ長1512は、シースの特定の長さに沿って所望の耐キンク性を生み出すために、シースハブ1510の中へ所望の深さまで延びることができる。補強ハブ長1512は、たとえば、補強層1508が、シースハブ1510が終端するところの長軸方向地点から2cm遠位側で終端するよう、長さ2cmであり得る。他の実施形態において、補強ハブ長1512は、補強層1508が、シースハブ1510が終端するところの長軸方向地点から1cm遠位側で終端するよう、1cmであってもよい。さらなる実施形態において、補強ハブ長1512は、補強層1508が、シースハブ1510が終端するところの長軸方向地点で終端するよう、ゼロであってもよい。補強層が終端する地点とシースハブが終端する地点との間の具体的な距離は、シースボディの長さ沿いのそれら2つの地点の間で特定の耐キンク性を生み出すように選択されることができる。補強層の表面は、補強層のピールアウェイを容易にするための不連続部を有するように構成されている。ピールアウェイはシースハブ中から始まり、シースハブの中に延びる補強層を有する実施形態の場合、施術者が、補強層を含むシースボディの一部分にピールアウェイシース力を直接加えることができるため、補強層のピールアウェイは容易になる。
【0085】
図16は、シースハブ1602に結合されたシースボディ1700(図17に関連してさらに説明する)を含む例示的なイントロデューサシースアセンブリ1600を示す。図17~19に関連して以下さらに詳細に説明するように、シースボディ1700は、異なる剛性を有する材料の2つのストリップ1706および1708を含む螺旋デザインを有する。この二材料螺旋デザインの少なくとも1つの利点は、耐キンク性を改善しながらも可撓性を改善するための、複合材料特性を有するシースを得る能力である。1つの局面において、シースボディ1700は、異なる剛性を有する材料のリングを交互に含むリングデザインを有することができる。別の局面において、シースボディ1700は、異なる剛性を有する材料のストリップを交互に含む長軸方向ストリップデザインを有することができる。シースボディ1700およびシースハブ1602はいずれも、近位端および遠位端を有する。シースハブ1602の遠位端はシースボディ1700の近位端に結合されている。たとえば、シースハブの遠位端はシースボディの近位端に接着または接合されている。あるいはまた、シースハブの遠位端はシースボディの近位端と一体に形成されている。シースハブ1602は把持面1604および切欠き1606を含む。把持面1604は、直径方向に対向する2つのタブまたは把持に適した任意の他のジオメトリーで形成され得る。把持面1604は、シースハブ1602およびシースボディ1700のピールアウェイを容易にする。シースのピールアウェイ中、力が把持面1604(たとえば、図16に示すようなタブ)に加えられ、シースハブ1602は、その長軸に沿って、切欠き1606から出発しながら二分割される。切欠き1606は、シースハブの長さに沿って軸方向に整列することができ、互いに対向する向きにある。シースハブ1602上の切欠き1606は、シースハブ1602の内面にあることもできるし、シースハブ1602の外面にあることもできる。シースハブ1602は、シースハブ1602の把持面1604への力の適用によって切欠き1606に沿ってシースハブを破断させることにより、2つのピースへと切り離すことができる。図20~23に関連して以下さらに詳細に説明するように、シースボディは、切欠きを、シースボディ1700の内面上に有することもできるし(図20および21)、シースボディ1700の外面上に有することもできる(図22および23)。シースボディ1700沿いの切欠きは切れ目に代えられてもよい。シースハブ1602およびシースボディ1700のピールアウェイを容易にするために、シースボディ1700上の切欠きが、切欠き1606と整列することができる。シースボディ1700上の切欠きまたは切れ目の少なくとも1つの利点は、シースの両螺旋ストリップを断ち切ることにより、シールをピールアウェイし得るときの容易さを改善し得ることである。シースボディ1700は、シースハブ1602を破断させたのち、シースハブ1602の把持面1604へのさらなる力の適用によってシースボディ1700の切欠きに沿ってシースボディ1700を破断させることにより、2つのピースへと切り離すことができる。
【0086】
シースボディ1700の内腔とシースハブ1602の内腔とは流体連通しており、シースハブ1602とシースボディ1700との間で医療装置の通過を可能にする。1つの局面において、シースハブ1602は止血弁を含む。止血弁は、医療装置の挿入中、流体がハブの近位端から出ることを防ぐようにサイズ設定されることができる。
【0087】
図17および18は、遠位端1702、近位端1704、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708を含む例示的なシースボディ1700(たとえば、図16のシースボディ1700)を示す。シースボディ1700の遠位端1702から近位端1704まで延びて円柱形の内腔を形成する、交互の、または相補的な螺旋として、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708が向けられている。図19に関連して以下さらに詳細に説明するように、内腔の内径、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708の幅ならびにねじれ角が相互に関連づけられ、所望のシース特性を得るために対応する値が選択される。内腔は、医療装置の挿入を可能にするようにサイズ設定されることができる。たとえば、内腔は、経皮ポンプの挿入を可能にするようにサイズ設定されることができる。内腔の内径は3Fr(1mm)~23Fr(7.67mm)の範囲であることができる。シースボディ1700の長さは7cm(たとえば、経皮腋窩/鎖骨下挿入の場合)~45cm(たとえば、大腿経大静脈挿入の場合)の範囲であることができる。腋窩/鎖骨下動脈を介する経皮アクセスの場合、シースボディの長さはより短くあることができる。対照的に、大腿動脈を介する経皮アクセスの場合、より長いシースボディが必要である。
【0088】
第一のストリップ1706および第二のストリップ1708は、異なる可撓性および剛性を有する材料でできている。たとえば、第一のストリップ1706は、第一の剛性を有する第一の材料でできており、第二の材料は、第二の剛性を有する第二の材料でできている。第一の剛性は第二の剛性よりも高くあることができる。第一および第二の材料として使用することができる材料の例は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)材料、ポリエチレン材料および熱可塑性エラストマーを含む。第一および第二の材料として使用することができるPEBA材料の例はそれぞれPEBAX 7233およびPEBEX 3533を含む。低密度ポリエチレン(LDPE)および高密度ポリエチレン(HDPE)は、第一の材料として使用することができるポリエチレン材料の例である。第二の材料として使用することができる熱可塑性エラストマーの例は、スチレンエチレンブチレンスチレン(SEBS)およびエチレン酢酸ビニル(EVA)を含む。たとえば、第一のストリップ206はPEBAX 7233製であることができ、第二のストリップ1708はEVA製であることができる。異なる材料特性を有する第一のストリップと第二のストリップとが並列する少なくとも1つの利点は、全体としてのイントロデューサシースのための特定の剛性を選択する能力である。
【0089】
シースボディ1700の遠位端1702はテーパ状の先端を含むことができる。テーパ状の先端は、シースボディ1700の内腔の一定の内径を維持するが、シースボディ1700の遠位端1702における滑らかな移行を可能にするために、シースボディ1700の外壁をテーパ状にする。テーパ状の先端は、第一のストリップ1706の第一の材料、第二のストリップ1708の第二の材料、第一の材料と第二の材料の両方または第三の材料から形成されることができる。テーパ状の先端が第一の材料と第二の材料の両方から形成されるならば、テーパ状の先端は、型の中でシースボディ1700を熱成形することによって製造することができる。テーパ状の先端が第一の材料のみ、第二の材料のみ、または第三の材料のみから形成されるならば、テーパ状の先端は、選択されたテーパ状先端材料の小さなチューブをシースボディ1700の遠位端1702に熱成形することによって製造することができる。テーパ状の先端の少なくとも1つの利点は、シースにとって望ましい材料特性を維持しながらも、シースを挿入するときの血管系への外傷を最小限にし得ることである。
【0090】
図19は、第一のストリップ1706が第一の幅1710を有し、第二のストリップ1708が第二の幅1712を有する、図17の可撓性シースボディ1700の概略プロファイルを示す。また、図19には、ねじれ角1714が示されてる。ねじれ角1714は、第一の幅1710および第二の幅1712のうちの厚い方に対するシースボディ1700の内腔の内径の比のアークタンジェントと定義される。第一の幅1710および第二の幅1712は0.17mm~3.83mmの範囲であることができる。1つの局面において、第一の幅1710と第二の幅1712とは同じ幅であることができる。たとえば、第一の幅1710および第二の幅1712は1mmであることができる。別の局面において、第一の幅1710と第二の幅1712とは異なる幅であることができる。たとえば、第一の幅1710は3mmであることができ、第二の幅は1mmであることができる。ねじれ角は0°~90°で異なることができる。螺旋デザインにおいて、ねじれ角1714は好ましくは60°~80°の範囲である。上述したように、シースボディ1700は、代替的に、異なる剛性を有する材料のリングを交互に含むリングデザインまたは異なる剛性を有する材料をストリップを交互に含む長軸方向ストリップデザインを有することもできる。リングデザインを使用するならば、ねじれ角1714は90°である。理由は、各リングがシースボディ1700の内腔に対して垂直になるからである。長軸方向ストリップデザインを使用するならば、ねじれ角1714は0°である。理由は、各ストリップがシースボディ1700の内腔に対して平行になるからである。
【0091】
上述したように、シースボディ1700は、シースボディ1700のピールアウェイを容易にする切欠きを有することができる。切欠きは、三角形であり、シースボディ1700の壁の一部を形成することができる。シースボディ1700の壁は、厚さが0.1mm~1.67mmの範囲であることができる。切欠きは全壁厚さの50%~90%を占めることができる。たとえば、切欠きの厚さは0.05mm~1.5mmであることができる。図20および21は、第一の内切欠き1802および第二の内切欠き1804を含む例示的なシースボディ1800を示す。第一の内切欠き1802および第二の内切欠き1804は、シースボディ1800の長さに沿って軸方向に整列し、互いに対向する向きにあることができる。第一の内切欠き1802および第二の内切欠き1804はシースボディ1800の内面に沿って延びる。図9に関連して以下さらに詳細に説明するように、第一の内切欠き1802および第二の内切欠き1804は、シースボディ1800の製造中、マンドレル上で形成することができる。同様に、シースハブ1602の内切欠き1606は、シースハブ1602の製造中、コアピン上で形成することができる。シースボディの内面に切欠きを設けることは、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708の螺旋を断ち切ることによってより容易なシースのピールアウェイを可能にしながらも、シースボディの滑らかな円形の外側プロファイルを維持するのに役立つ。
【0092】
あるいはまた、シースボディ上の切欠きはシースボディの外面にあることもできる。図22および23は、第一の外切欠き1902および第二の外切欠き1904を含む例示的なシースボディ1900を示す。第一の外切欠き1902および第二の外切欠き1904は、シースボディ1900の長さに沿って軸方向に整列し、互いに対向する向きにあることができる。第一の外切欠き1902および第二の外切欠き1904は、スカイビングによってシースボディ1900に切り込むことができる。同様に、シースハブ1602の外切欠き1606は、少なくとも部分的に、スカイビングによってシースハブ1602に切り込むことができる。別の局面において、シースハブ1602の外切欠き1606は、シースハブ1602の製造中、型中のジオメトリーによって形成されることができる。シースの外面に切欠きを設けることは、挿入する機器および装置の通過を容易にするための、シースの滑らかな円形の内面を提供する。
【0093】
シースボディ1700は、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708をラミネーションマンドレルに巻き付け、加熱して一緒に接着させるラミネーションプロセスを使用して作製することができる。図24は、図17に関連して上述した、ラミネーションによって可撓性シースボディ1700を製造するプロセス1900を示す。工程1702で、第一の材料の第一のストリップ1706および第二の材料の第二のストリップ1708を隣接させながらマンドレルに巻き付ける。図17に関連して上述したように、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708は、異なる可撓性および剛性を有する材料でできていることができる。たとえば、第一のストリップ1706は、第一の剛性を有する第一の材料でできていることができ、第二の材料は、第二の剛性を有する第二の材料でできていることができる。第一の剛性は第二の剛性よりも高くあることができる。
【0094】
工程1904で、第一のストリップ1706の第一の遠位端および第二のストリップ1708の第二の遠位端を固定する。たとえば、第一のストリップ1706の第一の遠位端および第二のストリップ1708の第二の遠位端を、マンドレルに対して定位置にはさみ付けることができる。あるいはまた、両遠位端を、拘束シース内に閉じ込めることもできるし、仮接着剤によって定位置に保持することもできる。
【0095】
工程1906で、第一のストリップ1706の第一の近位端および第二のストリップ1708の第二の近位端を固定する。ストリップ1706および1708の遠位端を固定するために使用される方法のいずれかを使用して、ストリップ1706および1708の近位端を固定することができる。
【0096】
工程1908で、第一のストリップ1706、第二のストリップ1708およびマンドレルの上に熱収縮チューブを配置する。熱を熱収縮チューブに加えると、熱収縮チューブは、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708を加熱し、各ストリップの螺旋縁に沿ってそれらを互いに接着させる。熱収縮チューブは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)または他の適当な熱収縮材料でできていることができる。熱収縮チューブに熱を加えるために使用されるエネルギー源は、レーザビームまたは任意の他の適当な発熱方法であることができる。
【0097】
工程1910で、熱収縮チューブ、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708を加熱する。加熱中、熱収縮チューブ材料は無傷のままである(すなわち融解しない)が、第一のストリップ1706および第二のストリップ1708はリフローし、各ストリップの螺旋縁に沿って一緒に接着する。
【0098】
工程1912で、熱収縮チューブを取り出すと、接着した第一のストリップ1706および第二のストリップ1708がマンドレル上に残る。
【0099】
工程1914で、接着した第一のストリップ1706および第二のストリップ1708によって形成されたシースボディ1700をマンドレルから取り外す。たとえば、接着したストリップを全体としてマンドレルから取り外し得るタイミングは、熱収縮プロセスが完了したのち接着したストリップがクールダウンするのに必要な時間の長さに依存し得る。図19および20に関連して上述したように、マンドレルは、シースボディ1700上に内切欠き1802および1804を成形することができる三角形ジオメトリーを有する突出部を含むことができる。マンドレル上の三角形ジオメトリーは、マンドレルの長さに沿って軸方向に整列し、互いに対向する向きにあることができる。マンドレル上の三角形ジオメトリーは、所望の内切欠き1802および1804の寸法を有することができる。たとえば、マンドレル上の三角形ジオメトリーの高さは0.05mm~1.5mmの範囲であることができる。上記製造方法の少なくとも1つの利点は、シースを患者血管系に導入するための改善された可撓性および耐キンク性を有する複合材料特性を有するシースを得るために、2つの異なる材料の均一に接着されたストリップによってシースを得る能力を含む。
【0100】
上述したように、シースボディは、異なる剛性を有する材料の2つのストリップから作製されることができる。あるいはまた、シースボディは、第三の材料でできた内腔を含むこともできる。図25は、第一の材料でできた第一のストリップ2102、第二の材料でできた第二のストリップ2104および内腔2106を含む例示的なシースボディ2100を示す。1つの局面において、シースボディ2100は、異なる剛性を有する材料のリングを交互に含むリングデザインを含む。別の局面において、シースボディ2100は、異なる剛性を有する材料のストリップを交互に含む長軸方向ストリップデザインを含む。内腔2106は、第一および/または第二の材料と同じまたは異なる剛性を有する第三の材料でできていることができる。1つの局面において、内腔2106は、第一のストリップ2102または第二のストリップ2104と同じ材料でできていることができる。別の局面において、内腔2106は、PTFEまたはFEPなどの滑りのある材料から作製されることができる。図20および21に関連して詳述したシースボディ1800と同様に、シースボディ2100は第一の外切欠き2108および第二の外切欠き2110を含む。第一の外切欠き2108および第二の外切欠き2110は、シースボディ2100の長さに沿って軸方向に整列し、互いに対向する向きにあることができる。第一の外切欠き2108および第二の外切欠き2110は、第一のストリップ2102および第二のストリップ2104の厚さを通過することができる。あるいはまた、第一の外切欠き2108および第二の外切欠き2110は、第一のストリップ2102および第二のストリップ2104の厚さを通過し、続けて、部分的に、ただし完全ではないが、内腔2106の厚さを通過することができる。上述したように、第一の外切欠き2108および第二の外切欠き2110は、スカイビングによってシースボディ2100に切り込むことができる。あるいはまた、図20および21に関連して詳述したように、切欠きは内面にあり、第一のストリップ2102および第二のストリップ2104が外側チューブによって包囲されるようになっていることもできる。シースボディ2100に内腔2106を含めることにより、シースボディ1700、1800および1900と比べ、一貫した滑らかな引き裂き伝播を達成することができる。第一の外切欠き2108および第二の外切欠き2110を部分的に内腔2106の厚さに通して延ばすことは、引き裂きが切欠きに沿って伝播する可能性を高め、引き裂きが第一のストリップと第二のストリップとの間の界面に沿って伝播する可能性を下げる。
【0101】
前記は、本開示の原理を例示したものにすぎず、装置は、限定のためではなく例示のために提示される前記局面以外の局面によって実現されることもできる。本明細書に開示される装置は、血液ポンプの経皮挿入における使用に関して示されるが、止血を要する他の用途における装置に適用されてもよいことが理解されよう。
【0102】
本開示を考察したのち、当業者には変形および改変が思い浮かぶであろう。開示された特徴は、本明細書に記載された1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせおよび部分的組み合わせ(複数の従属的組み合わせおよび部分的組み合わせを含む)で実現され得る。上記様々な特徴は、それらの任意の構成部分を含め、他のシステムとして組み合わされてもよいし、一体化されてもよい。そのうえ、特定の特徴が省略されてもよいし、実現されなくてもよい。
【0103】
変更、置換および変形の例は当業者によって確認可能であり、本明細書に開示された情報の範囲を逸脱することなく実施することもできる。本明細書において引用されたすべての参考文献は、参照により全体として組み入れられ、本出願の一部を構成する。
図1
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図3A
図3B
図3C
図4-1】
図4-2】
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