(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】化粧品用のパッケージングおよび/または塗布アセンブリのための変形可能な吸収性基材
(51)【国際特許分類】
A45D 34/00 20060101AFI20240906BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20240906BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240906BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20240906BHJP
【FI】
A45D34/00 510Z
A45D34/04 560
B33Y10/00
B33Y80/00
(21)【出願番号】P 2020571526
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 FR2019051512
(87)【国際公開番号】W WO2019243748
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-04-11
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502189579
【氏名又は名称】エルブイエムエイチ レシェルシェ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・シュヴァリエ
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-508086(JP,A)
【文献】国際公開第2018/007758(WO,A1)
【文献】特表2010-505503(JP,A)
【文献】国際公開第2017/078204(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3198102(JP,U)
【文献】特開2003-144223(JP,A)
【文献】国際公開第2017/017228(WO,A1)
【文献】特表2016-536099(JP,A)
【文献】特表2003-529427(JP,A)
【文献】国際公開第2017/033797(WO,A1)
【文献】特表2017-508086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00-34/04
B33Y 10/00,80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品用のパッケージングアセンブリ(10)であって、前記化粧品を受け入れることを意図されている少なくとも1つのレセプタクル(12)と、前記レセプタクル(12)内に受け入れられる吸収性基材(14)と、前記レセプタクル(12)を閉じるためのカバー(16)とを備え、前記パッケージングアセンブリは、前記レセプタクル(12)を受け入れるハウジング(18)と、化粧品アプリケータ部材(20)と、前記ハウジング(18)を閉じるためのキャップ(22)とをさらに備え、前記吸収性基材(14)は隆起部(26)によって画成されるセル(24)を有し、前記隆起部は付加製造によって形成され
、前記隆起部(26)は多角形の断面、円形の断面、および楕円形の断面からなる群から選択される断面を有する円筒形である、
パッケージングアセンブリ。
【請求項2】
前記隆起部(26)は、選択的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、ステレオリソグラフィー、または溶融フィラメント製造によって形成される請求項1に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項3】
前記吸収性基材(14)は、主方向(A)に延在している状態で、前記隆起部(26)は前記吸収性基材(14)が前記主方向(A)に圧力(P)によって圧縮されたときに実質的に同じ平面内に延在するような形状をしている請求項1または2に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項4】
前記隆起部(26)は、また付加製造によって形成された、ちょうつがい(32)によって相互接続される請求項1から
3のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項5】
前記吸収性基材(14)は、主方向(A)に延在した状態で、前記吸収性基材(14)は、前記吸収性基材(14)が第1のセル(24a)を有する第1の層(14a)と、前記吸収性基材(14)が前記第1のセル(24a)とは異なる第2のセル(24b)を有する第2の層(14b)とを有する請求項1から
4のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項6】
前記第1および第2のセル(24a、24b)は、
- 異なる形状を有し、および/または
- 異なる体積を有する請求項
5に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項7】
前記吸収性基材(14)は、主方向(A)に延在している状態で、前記吸収性基材(14)は、前記主方向(A)に対して垂直に配向されている少なくとも1つの層を有し、前記少なくとも1つの層は第3のセルと第4のセルとを有し、前記第4のセルは前記第3のセルとは異なる請求項1から
6のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項8】
前記第3および第4のセルは、
- 異なる形状を有し、および/または
- 異なる体積を有する請求項
7に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項9】
前記吸収性基材(14)は、表面の少なくとも1つにスキン(34、38、42)を備える請求項1から
8のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項10】
前記吸収性基材(14)は、実質的に円筒形の形状を有し、延在の主方向(A)に延在しており、側部スキン(34)は前記吸収性基材(14)の側面に形成される請求項
9に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項11】
前記吸収性基材(14)は、前記吸収性基材(14)が延在の前記主方向(A)に圧縮されたときに前記側部スキン(34)が流路(36)内に少なくとも部分的に受け入れられるような形状を有する、側部表面上の前記流路(36)をさらに備える請求項
10に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項12】
前記吸収性基材(14)は、相互連結されたセル(24
1、24
2)を有する請求項1から
11のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項13】
前記セル(24)は、
- 正多面体、および
- 切頂正多面体のうちから選択された形状を有する請求項1から
12のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項14】
前記セル(24)の前記隆起部(26)は、0.05mmから5mmの間の長さ(l26)を有する請求項1から
13のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項15】
前記セル(24)の前記隆起部(26)は、0.02mmから3mmの間の直径(d26)を有する請求項1から
14のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項16】
- 開セル(24)、
- 半開セル、のうちの少なくとも1つを含む請求項1から
15のいずれか一項に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項17】
前記吸収性基材(14)は、閉じられているセルをさらに含む請求項
16に記載の
パッケージングアセンブリ。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の化粧品用のパッケージングアセンブリを製造するための製造方法であって、
-
少なくとも、付加製造によって吸収性基材(14)のセル(24)の隆起部(26)を形成するステップa)を含む方法を実施することによって吸収性基材(14)を生産すること
であって、前記セル(24)の前記隆起部(26)は、3Dプリンティングによって、ステップa)において形成される、こと、
- 前記化粧品を受け入れることを意図されている少なくとも1つのレセプタクル(12)と、前記レセプタクル(12)を閉じるのに適しているカバー(16)とを設けること、
- 前記吸収性基材(14)を前記レセプタクル(12)内に留置すること、
- 前記吸収性基材(14)に化粧品を含浸させること、および
- 前記レセプタクル(12)を前記カバー(16)で閉じること、からなるステップを含む製造方法。
【請求項19】
- ハウジング(18)と、前記ハウジング(18)を閉じるのに適しているキャップ(22)とを設けること、
- 化粧品アプリケータ部材(20)を設けること、
- 前記レセプタクル(12)および前記化粧品アプリケータ部材(20)を前記ハウジング(18)内に配置構成すること、および
- 前記キャップ(22)を使用して前記ハウジング(18)を閉じること、からなるステップをさらに含む請求項
18に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品を含浸させることを意図されている変形可能な吸収性基材(deformable absorbent substrate)に関する。本発明は、そのような吸収性基材を含む、化粧品用のパッケージング(packaging)および/または塗布アセンブリにも関する。本発明は、そのような吸収性基材を生産するための方法および化粧品用のそのようなパッケージングアセンブリにも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の目的のために、「化粧品」は、人間に塗布されることを意図されている化粧品を意味すると理解される。「化粧品」は、より一般的には、化粧品に関する2009年11月30日の欧州議会および理事会規則(EC)第1223/2009号で定義されているような製品である。
【0003】
出願FR3,039,378は、化粧品を含浸させることができる吸収性基材を含む、化粧品用のパッケージングアセンブリの一例を説明している。このような吸収性基材は、特に化粧品の予期せぬ流れを防止し、製品は、アプリケータと吸収性基材との接触および吸収性基材への圧力によって放出される。
【0004】
FR3,039,378によれば、吸収性基材は、開セルスポンジ、または織りもしくは不織繊維を含む材料のものである。これらの材料は、化粧品を含浸させる優れた能力を有する。しかしながら、これらの材料は、一般に、それらが含浸されている化粧品を再分配または放出することはその一部についてしかできない。その結果、化粧品の著しい損失が生じ、使用できない。
【0005】
より一般的には、特性--特に吸収性および回収の程度--がより正確に決定され得る、化粧品用のパッケージングアセンブリに対する吸収性基材が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この目的のために、化粧品用のパッケージングおよび/または塗布アセンブリのための変形可能な吸収性基材が説明されており、この吸収性基材は隆起部によって画成されているセルを有し、この隆起部は付加製造によって作製される。
【0008】
したがって、有利には、このような吸収性基材を、特に付加製造プロセスによって生産することで、スポンジ材料または織布もしくは不織布材料から作られた吸収性基材のものに比べてかなり細かく、良好な制御された特性を得ることが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
好ましい実施形態によれば、吸収性基材は、次の特徴のうちの1つまたは複数を、単独で、または組み合わせて含む。
- 隆起部は、選択的レーザー焼結、選択的レーザー溶融、ステレオリソグラフィー、または溶融フィラメント製造によって形成される。
- 基材が主方向に延在している状態で、隆起部は、吸収性基材が主方向に圧力によって圧縮されたときに実質的に同じ平面内に延在するような形状をしている。
- 隆起部は、多角形、特に、正方形または六角形、円形または楕円形の断面を有する円筒形である。
- 隆起部は、適切であれば、好ましくは隆起部と同時に、付加製造によっても形成されるヒンジによって相互接続されている。
- 基材が主方向に延在している状態で、吸収性基材は、吸収性基材が第1のセルを有する第1の層と、吸収性基材が第1のセルとは異なる第2のセルを有する第2の層とを有する。
- 第1および第2のセルは、
- 異なる形状を有し、および/または
- 異なる体積を有する。
- 吸収性基材が主方向に延在している状態で、吸収性基材は、主方向に対して垂直に配向されている少なくとも1つの層を有し、前記少なくとも1つの層は第3のセルと第4のセルとを有し、第4のセルは第3のセルとは異なる。
- 第3および第4のセルは、
- 異なる形状を有し、および/または
- 異なる体積を有する。
- 基材は、その表面の少なくとも1つにスキンを備え、スキンは好ましくは流体密封部分を有し、スキンはより好ましくはその表面全体にわたって流体密封状態にあり、スキンは吸収性基材の残り部分と一体であるか、または吸収性基材の残り部分に取り付けられている。
- 吸収性基材は実質的に円筒形の形状を有し、延在の主方向に延在しており、側部スキンが吸収性基材の側面に形成され、スキンは好ましくは、延在の主方向に圧縮された吸収性基材の高さに実質的に等しい、吸収性基材の延在の主方向に沿って測定された、高さを有する。
- 吸収性基材は、吸収性基材が延在の主方向に圧縮されたときに側部スキンが流路内に少なくとも部分的に受け入れられるような形状を有する、側部表面上の流路をさらに備え、流路は吸収性基材の残り部分と一体であるか、または吸収性基材の残り部分に取り付けられる。
- 吸収性基材は、相互連結されたセルを有し、相互連結されたセル間に接触があるか、または接触がない。
- セルは、
- 正多面体、特に正八面体、および
- 切頂正多面体、特に切頂正八面体、のうちから選択された形状を有する。
- セルの隆起部は、0.05mmから5mmの間の長さを有する。
- セルの隆起部は、0.02mmから3mmの間の直径を有する。
- 吸収性基材は、
- 開セル、
- 半開セル、のうちの少なくとも1つを含む。
- 吸収性基材は、閉じられたセルをさらに含む。
【0010】
別の態様によれば、化粧品用のパッケージングアセンブリであって、化粧品を受け入れることを意図されている少なくとも1つのレセプタクルと、レセプタクル内に受け入れられる、すべての組合せにおいて上で説明されているような吸収性基材と、レセプタクルを閉じるためのカバーとを備えるパッケージングアセンブリが説明されている。
【0011】
パッケージングアセンブリは、レセプタクルを受け入れるハウジングと、化粧品アプリケータ部材と、ハウジングを閉じるためのキャップとをさらに備え得る。
【0012】
封止されたパウチ内の化粧品を含浸させた、すべての組合せにおいて上で説明されているような吸収性基材を含む、特にすべての組合せにおいて上で説明されているような、化粧品用のパッケージングアセンブリのための化粧品リフィル(cosmetic product refill)も説明される。
【0013】
吸収性基材は、パウチの内側の、好ましくはカバーによって閉じられている、レセプタクル内に受け入れられ得る。
【0014】
さらに別の態様によれば、付加製造によって吸収性基材のセルの隆起部を形成するステップa)を少なくとも含む、すべての組合せにおける、上で説明されているような吸収性基材を製造するための方法が説明されている。
【0015】
セルの隆起部は、3Dプリンティングによって、特にSLS、FSL、ステレオリソグラフィー、または溶融フィラメント製造によって、ステップa)において形成されてよい。
【0016】
化粧品用のパッケージングアセンブリを製造するための製造方法は、
- すべての組合せにおいて上で説明されている方法を実施することによって吸収性基材を生産すること、
- 化粧品を受け入れることを意図されている少なくとも1つのレセプタクルと、レセプタクルを閉じるのに適しているカバーとを設けること、
- 吸収性基材をレセプタクル内に留置すること、
- 吸収性基材に化粧品を含浸させること、および
- レセプタクルをカバーで閉じること、からなるステップをさらに含み得る。
【0017】
製造方法は、
- ハウジングと、ハウジングを閉じるのに適しているキャップとを設けること、
- 化粧品アプリケータ部材を設けること、
- レセプタクルおよび化粧品アプリケータ部材をハウジング内に留置すること、および
- キャップを使用してハウジングを閉じること、からなるステップをさらに含み得る。
【0018】
本発明は、添付図面を参照しつつ述べられている、次の説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】吸収性基材を有する、化粧品用のパッケージングアセンブリを表す概略断面図である。
【
図2】
図1の化粧品用のパッケージングアセンブリの使用を例示する図である。
【
図3】
図1の吸収性基材が有し得るセルの例を例示する図である。
【
図4】
図1の吸収性基材が有し得るセルの例を例示する図である。
【
図5】
図1の吸収性基材が有し得るセルの例を例示する図である。
【
図6】
図1の吸収性基材が有し得るセルのネットワークを例示する概略図である。
【
図7】
図1の吸収性基材のセルの隆起部の可能な断面を例示する概略図である。
【
図8】
図1の吸収性基材の2つの可能なセルを表す概略図である。
【
図9】
図1の吸収性基材が有し得るセルネットワークの第2の例を例示する概略図である。
【
図10】
図1の吸収性基材の変更形態を例示する図である。
【
図11】
図1の吸収性基材の変更形態を例示する図である。
【
図12】
図1の吸収性基材の変更形態を例示する図である。
【
図13】
図1の吸収性基材の変更形態を例示する図である。
【
図14】
図1の吸収性基材の変更形態を例示する図である。
【
図15】
図1の化粧品用のパッケージングアセンブリのための例示的な化粧品リフィルの断面図を例示する概略図である。
【
図16】
図1のパッケージングアセンブリの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書の残り部分では、同一であるか、または同一の機能を有する要素は、同じ参照表記を有する。本明細書の説明を簡潔にするために、これらの要素は、各実施形態の文脈の中では説明されない。それどころか、実施形態の間の相違点のみが説明されている。
【0021】
図1は、化粧品用のパッケージングアセンブリの例10を例示している。例示されているように、パッケージングアセンブリ10は、レセプタクル12と、レセプタクル12内に受け入れられる吸収性基材14と、レセプタクル12を閉じるためのカバー16とを備える。
【0022】
「吸収性基材」は、ここでは、たとえば、毛管作用によって、化粧品を保持するのに適している基材を意味すると理解される。化粧品は、流体、具体的には液体、より具体的には粘性のあるもの、または粉体形状のものであってもよい。
【0023】
吸収性基材14は、化粧品を含浸させるのに適している。好ましくは、吸収性基材14は、化粧品を含浸されている、言い換えると、化粧品を保持している。
【0024】
吸収性基材14は、変形可能である(または可撓性を有する)。特に、吸収性基材は、有利には、基材が含浸される化粧品の少なくとも一部を回収するために、使用者による手の圧力、たとえば親指を使用することで、有利には圧縮可能である。圧縮可能とは、特に使用者による手の圧力によって、特に親指による圧力を加えることによって、適切であれば、吸収性基材14中に保持されている化粧品から化粧品を装填されるべきアプリケータ部材を介して、吸収性基材の体積を最小化することが可能であることを意味するとここでは理解される。
【0025】
吸収性基材を圧縮することにより、吸収性基材に含浸される化粧品の少なくとも一部を回収することが可能になる。特に、最初に化粧品を飽和するまで含浸した吸収性基材から、圧縮による吸収性基材の体積を最小化することによって、吸収性基材に最初に含浸された化粧品の80%超、より好ましくは90%超を回収することが好ましくは可能である。
【0026】
それに加えて、パッケージングアセンブリ10は、また、レセプタクル12を受け入れるハウジング18と、化粧品アプリケータ部材20と、ハウジング18を閉じるためのキャップ22とを備え得る。ここでは、アプリケータ部材20は、レセプタクル12を閉じるカバー16内に収納される。レセプタクル12は、たとえば、ハウジング18内に着脱可能に受け入れられる。次いで、ハウジング18内のレセプタクル12を交換し、したがって、パッケージングアセンブリ10に化粧品をリフィルすることが可能である。一実施例により、この場合には、アプリケータ部材20は、好ましくは、レセプタクル12と同時に交換されてもよい。
【0027】
アプリケータ部材20は、たとえば、スポンジである。
【0028】
レセプタクル12は、吸収性基材14の延在の主軸と一致する、使用時に垂直である、主軸Aに沿って配置構成されている。
【0029】
図示された例では、吸収性基材14は、延在の軸Aを有する、実質的に円筒形の形状を有している。ここで、吸収性基材の形状は、回転柱である。吸収性基材14の断面は、円板以外の形状を有していてもよい。一般に、吸収性基材14は、任意の形状を有し得る。
【0030】
カバー20は、当業者であれば利用できる任意の好適な手段によってレセプタクル12に固定され得る。特に、カバー20は、レセプタクル12上にネジ留めされるか、またはクリップ留めされ得る。また、カバー20は、ちょうつがい(図示せず)をレセプタクル12に付けてちょうつがいで動くようにされてもよく、および/またはレセプタクル12を閉じるその位置でカバー20を係止するための手段(図示せず)を備えてもよい。
【0031】
同様に、キャップ22は、当業者であれば利用できる任意の手段によって直接的にまたは間接的にハウジング18に固定されてもよい。したがって、キャップ22は、特に、ハウジング18に直接、またはレセプタクル12のカバー16にクリップ留めまたネジ留めされてもよい。キャップ22が、ハウジング18上に、またはちょうつがいをレセプタクル12のカバー16に付けてちょうつがいで動くように装着され、および/またはハウジング18を閉じるその位置にキャップ22を係止するための手段(図示せず)を備えることも可能である。
【0032】
もちろん、パッケージングアセンブリ10の他の構成も可能である。
【0033】
図2を見るとわかるように、そのようなパッケージングアセンブリ10は、アプリケータ部材20を吸収性基材14に対して施すことによって使用され、吸収性基材14に含浸される化粧品は放出され、アプリケータ部材20を含浸する。次いで、使用者は、アプリケータ部材20に含浸される化粧品を、たとえば自分の皮膚に塗布することができる。
【0034】
化粧品は、特に、液体ファンデーション、半液体ファンデーション、粉体形状のファンデーション、または香水もしくはメイクアップなどの他の化粧品もしくはセルフケア物質であってもよい。化粧品は、特に、ふるい、メッシュ、または皮膚を通した分配を必要とするものから選択され得る。化粧品は、また、グロス、セルフタンナー、パウダー、真珠層、もしくは粒子を組み込んだ香水などの再ブレンドを必要とするものから選択されてもよい。化粧品は、セルフケア配合物、たとえば、
- 剥離効果をもたらす研磨要素を含む、いわゆる「スクラブ」配合物、または
- 特にたとえば「油中水滴」、「水中油滴」、もしくは「シリコーン中水」タイプの、多相セルフケア配合物、または
- 多相メイクアップリムーブ配合物、から選択されてもよい。
【0035】
本発明の化粧品は、界面活性剤を組み込んだ配合物から選択されてもよく、これは吸収性基材を用いて泡を生成するために使用され得る。
【0036】
上で示されている例は、網羅的でなく、製品および用途の限定的なリストを構成しない。
【0037】
したがって、吸収性基材14の利点は、第1に、程度の差はあるが粘性があるか、またはさらには粉末状の化粧品をレセプタクル12内に保持することであり、したがって、化粧品の漏れまたはより一般的に化粧品の損失を防止することである。
【0038】
しかしながら、吸収性基材14の別の利点は、化粧品の放出および塗布の直前に、化粧品を混合することにあるものとしてよい。たとえば、化粧品は、不溶性の要素で構成されていてもよく、静止時には、異なる相を有するエマルジョンの形態を有していてもよい。化粧品は、特に、流体中の固体粒子、および/または異なる密度の複数の流体を含み得る。この場合、吸収性基材14の延在の主軸Aの方向に、吸収性基材14を1つまたは複数の回数押すことで、異なる相を混合すること、および/または化粧品中の粒子を分配することが可能になる。したがって、塗布された化粧品は、より均一なきめを有する。
【0039】
ここで、吸収性基材14は、付加製造によって形成された隆起部26によって画成される、セル24を有することに留意されたい。好ましくは、セル24は、複数の隆起部26によって画成される。セルは、ここでは、隆起部によって形成され、ネットワークを形成するために繰り返される、幾何学的パターンを意味すると理解される。ネットワークは、すべてのセルが同一である場合に規則的であるか、またはセルが様々である場合には不規則であり得る。
【0040】
それ自体知られている方式において、「付加製造」という用語は、材料の付加による製造のための方法を意味すると理解される。付加製造は、有利には、コンピュータ支援製造である。付加製造は、特に、たとえば連続した層を積み重ねることによって、材料の付加により部品を整形することによって実行され得る。したがって、付加製造は、材料の除去、またはその実装に幾何学上の制約を課す成形プロセス、またはスポンジ材料を生産するために一般的に実装されるような化学反応から結果として生じる、またその結果としてランダムなおよび/または不規則な構造が生じるプロセスとは反対である。
【0041】
付加製造は、特に一般大衆によって、「3次元印刷」または「3Dプリンティング」と呼ばれることがある。
【0042】
このような付加製造プロセスは、吸収性基材14の多数の変更形態を生産することを可能にし、これはスポンジ材料、または織布もしくは不織布から作られた基材と比較して多数の有利な特性を示す。
【0043】
吸収性基材14のセル24の隆起部26を形成するために、多くのプロセス、特に、次のようなプロセスが実装され得る。
- 選択的レーザー焼結(またはSLS):このプロセスでは、三次元モデルは、選択された厚さの連続する2次元層によって作製され、レーザーが微粉のタンク内の各層を連続的に掃引し、焼結する。
- 選択的レーザー溶融(またはSLM):このプロセスでは、三次元モデルは、選択された厚さの連続する2次元層によって作製され、レーザーが微粉のタンク内の各層を連続的に掃引し、溶融する。モデルの固化は、レーザーを停止した直後に行われる。
- ステレオリソグラフィー(またはステレオリソグラフィー装置の略としてSLA):このプロセスでは、三次元モデルは、選択された厚さの連続する2次元層によって作製され、一対のレーザーが液体浴中の各層を連続的に掃引し、2つのレーザービームの交差点でのみそれを重合する。
- 溶融フィラメント製造(またはFFF):このプロセスでは、三次元モデルは、溶融フィラメントを堆積することによって作製される。
【0044】
これらの製造プロセスは、特に、使用される材料および/または隆起部26および/またはセル24に対して望まれている寸法に応じて選択される。
【0045】
吸収性基材14の場合、これは、特に、
- ポリアミド、たとえば、PA11、
- ポリエチレン、
- 熱可塑性ポリウレタンまたはTPU、
- ポリアリルエーテルケトンまたはPAEK、および
- 金属または金属合金であって、特に、
- アルミニウムもしくはアルミニウム合金、
- コバルトもしくはコバルト合金、
- クロムもしくはクロム合金、特にコバルトとクロムとの合金、
- ニッケルもしくはニッケル合金、
- ステンレス、および
- チタンもしくはチタン合金、から選択され得る金属または金属合金のうちの1つから作られ得る。
【0046】
付加製造プロセスでは、したがって、化粧品を保持することができるセル24を作製することが可能である。これを行うために、各セル24の体積が減らされる。各セルの体積は、含有される配合物に適合される。付加製造は、特にセルのサイズを適合させることを可能にする。
【0047】
したがって、セル24の体積は、特に、たとえば毛管作用によって、化粧品を貯蔵することを可能にするために、セルが収容する配合物に適合される。
【0048】
セル24の隆起部26は、たとえば、0.5mmから5mmの間の長さl26を有する。セル24の隆起部26の長さは、この間隔の範囲内で、収容される配合物に応じて選択される。
【0049】
また、セルの隆起部は、たとえば、0.02mmから3mmの間の直径d26を有する。「隆起部の直径」は、ここでは、隆起部の断面の最大寸法を意味すると理解される。
【0050】
セル24の形状は、大きく変化し得る。実際には、これらのセル24は、付加製造プロセスによって形成され、吸収性基材14が化粧品を貯蔵し、次いで、吸収性基材14への圧力によって放出することを可能にすることができる任意の形状を取り得る。
【0051】
特に、セル24は、多面体であってよい。
図3および
図4は、そのようなセルの例を例示している。
【0052】
図3において、セル24は、八面体の形状を有している。ここでは、たとえば、セルは開いている、すなわち、隆起部26の間の空間は空である。
【0053】
図4において、セル24は、切頂八面体の形状を有している。ここで、図示されているセル24は半開である、すなわち、隆起部26によって形成された切頂八面体のいくつかの表面28は空であるが、隆起部26によって形成された切頂八面体の他の表面30は詰まっている。
【0054】
一般に、またセル24の形状とは無関係に、これらは開いているか、または閉じているか、または部分的に開いている(または半開)かのいずれかであってよい。また、同じ吸収性基材14において、開セルおよび/または閉セルおよび/または半開セルを形成することも可能である。ここで、付加製造プロセスを用いて、開セル、閉セル、または半開セルを非常に正確に画成することが可能であるということに留意されたい。閉セルおよび/または半閉セルの形成は、化粧品の流れを誘導することを可能にし得る。たとえば、閉および/または半閉セルは、軸Aに沿って吸収性基材に圧力がかかった場合に、長手方向の端部に向かって、軸Aの方向に、化粧品の流れを誘導するように整形される。それに加えて、または代替的に、閉および/または半閉セルは、軸Aに沿って吸収性基材に圧力がかかった場合に、吸収性基材14の側部表面に向かう方へ進む方向に、化粧品の流れを誘導するように整形される。
【0055】
特に有利な実施形態によれば、セル24は、吸収性基材14が延在の方向Aに圧縮されたときに画成する隆起が実質的に同じ平面内にあり得るような形状を有する。これは、吸収性基材14が圧縮されたときに化粧品がトラップされたままであり得るセル24の「無効体積」を減少させるという利点を有している。
【0056】
そのようなセル24の一例が、
図5に例示されている。この図では、セル24は、軸Aの円錐台形螺旋の形態で延在する隆起部26によって画成される。したがって、セル24の圧縮が行われる場合、セル24の延在の軸Aの方向に沿った圧力Pによって、セルは、平面内の渦巻きの形状まで縮小される。
【0057】
図6に例示されているように、セル24はすべて同一であってもよい。セル24は、たとえば、隆起部26を隣接するセル24と共有することによって、互いに連結されてもよい。しかしながら、代替的に、セル24は、互いから離間されてよい。
【0058】
図7を見るとわかるように、隆起部26は、多角形の断面26s、特に三角形、正方形、もしくは六角形、または円形もしくは楕円形の断面を有する円筒形であってもよい。隆起部26の断面は、特に、基材が圧縮されたときに吸収性基材14を用いて生じる混合を改善するように選択されてもよい。この目的のために、多角形の断面が好ましいように見える。逆に、吸収性基材が圧縮されたときに吸収性基材が放出することができる化粧品の体積を増加させるためには、角度を有しない断面が好ましいように見える。
【0059】
また、隆起部26は、その全長に沿って実質的に一定の断面を有していてもよく、
図8の左側に例示されているように、互いに直接接続されてもよい。直接的に、とは、ここでは、いかなる構造要素も挟装されないことを意味すると理解される。この場合、吸収性基材14の可撓性は、隆起部26それ自体の可撓性によってもたらされる。言い換えれば、吸収性基材14が化粧品を放出することができることを確実にするために、隆起部26は、使用者が吸収性基材14に、たとえば親指で、直接的に、またはアプリケータ部材20を介して、圧力Pを加えたときに変形することができるように寸法を決められるべきである。
【0060】
反対に、
図8の右側に例示されているように、隆起部26は、ちょうつがい32によって相互接続され得る。ちょうつがい32は、特に、縮小された断面の部分、特に、隆起部26の断面よりも小さい断面の部分によって作製され得る。また、ちょうつがいは、たとえば、吸収性基材14のセル24の隆起部26と同時に、付加製造法によって形成される。この場合、ちょうつがい32だけで、吸収性基材の可撓性を得ることが可能であり、隆起部26は使用者からの圧力Pがかかった場合でも変形しないように十分な剛性を有している。
【0061】
代替的に、吸収性基材14の可撓性は、隆起部26の可撓性と、これらの隆起部26の間のちょうつがい32の存在との組合せによって得られる。
【0062】
さらに、
図9に概略が示されているように、セル24は、相互に連結されたセル24
1、24
2の2つのネットワーク25
1、25
2を形成し得る。2つのネットワーク25
1、25
2のセル24
1、24
2は、互いに独立しているか、または互いに逆に接続され得る。相互連結されたセルにより、配合物を混合するための能力を最適化することが可能になり得るが、そのような混合は他の技術では可能でない。また、相互連結されたセルは、圧縮強度を最小化することによって吸収性基材14の可撓性を最適化するために使用され得る。
【0063】
ここで、2つのネットワーク251、252は実質的に同一であり、同一のセル241、242を含む。しかしながら、代替的に、2つのネットワーク251、252は、異なる形状を有していてもよい。特に、第1のネットワーク251のセル241は、第2のネットワーク252のセル242と異なり得る。
【0064】
図10は、吸収性基材14の別の例の断面図を表している。この基材は、スキン34を含むという点で、説明したばかりのものと本質的に異なる。ここで、このスキン34は、吸収性基材14の側部表面を越えて延在する。このスキンは、別々に生産され、次いで、吸収性基材14に取り付けられ得る。しかしながら、代替的に、このスキン34は、吸収性基材14の残り部分、特にセル24の隆起部26と同時に生産される。
【0065】
代替的に、スキンは、天然もしくは合成繊維の織物、天然もしくは合成繊維の布、フェルトから作られ得るか、または人工合成皮膚であってもよい。
【0066】
スキン34は、たとえば、化粧品の局所的のみの分配を防止するか、または逆に、それを許すことによって、化粧品の分配をフィルタリングまたは調節するための要素を形成し得る。
【0067】
ここで、スキン34は、流体密封である(または不浸透性を有する)。スキン34は、
図10に例示されているように、軸Aに沿って向けられた圧力Pの効果の下で吸収性基材14が圧縮されたときの吸収性基材14の最小高さに対応する高さh14について延在している。このスキンは、使用者が吸収性基材14を方向Aに圧縮したときに吸収性基材14の側部表面から漏れる化粧品の量を減少させることを可能にする。有利には、このスキン34は、使用時に上側端部の付近の吸収性基材14上に固定される。
【0068】
スキン34は、吸収性基材14に、1つまたは複数の箇所で、またはスキン34の高さ全体に沿って、接続され得る。化粧品の使用時のきれいさを改善するために、吸収性基材14は、スキンの最初の数ミリメートルのところに、閉じているかまたは部分的に閉じている構造を有するリングを設けてよく、それによって、吸収性基材14の周囲にリングが形成される。これにより、配合物分配表面の周りの、吸収性基材の側部表面上に防汚保護リングを形成することが可能になり得る。
【0069】
図11において、吸収性基材は、スキン34に加えて、上で提示されているものと同一の流路36を有する。流路36は、本質的に、U字形断面を備える環状の形状を有する。ここで、流路36は、使用時に吸収性基材14の下側端部に固定される。ここでもまた、流路36は、吸収性基材14の残り部分と別に形成され、次いでそれに取り付けられるか、または吸収性基材の残り部分と、言い換えると、セル24の隆起部26、および好ましくは適切であればスキン34と同時に作製され、取り付けられ得る。
図11を見るとわかるように、流路36は、方向Aで吸収性基材14に圧力Pが加えられた場合にスキン34を少なくとも部分的に受け入れるように整形され得る。ここでもまた、流路36内に受け入れられたスキン34の協働は、方向Aで吸収性支持物14に使用者が圧力Pを加えた場合に、吸収性基材の側面を通る化粧品の流れを減少させるか、または防止することさえも目的としている。皮膚34と流路36との協働は、実際には、吸収性基材14の側面を通って流れるために化粧品が打ち勝つべきヘッドロスを増加させる。
【0070】
図12では、スキン38は、吸収性基材14の端面--この場合、上側表面--に置かれる。このスキン38は、化粧品に対しても流体密封する。このスキン38は、また、適切であれば、別々に作製され、吸収性基材14に取り付けられるか、または吸収性基材の残り部分と、特にセル24の隆起部26、および好ましくは吸収性基材14の側部表面および/または流路36上のスキン34と同時に作製されてもよい。一例として、
図12に例示されているスキン38は、環状の形状を有し、貫通孔40を有する。したがって、スキン38は、セル24から吸収性基材14の上側表面への化粧品の移動を減少させる。したがって、そのようなスキン38は、吸収性基材14が延在の主方向Aに圧縮されたときに吸収性基材14によって分配される化粧品の量を制御することを可能にする。
【0071】
それに加えて、または代替的に、スキン42は、上で説明されているように、特に吸収性基材14の上側表面上に形成され得る。このスキン42は、特に、美的効果を生み出し、および/またはブランド、テキスト、ロゴ、デザイン、もしくは他の任意の情報伝達標識を示すことを可能にする。前に示されているように、このスキンは、また、アプリケータ部材上の配合物の回収を最適化することを目的として、含まれる配合物の分配における「流量低減体」としても作用し得る。
【0072】
図14に例示されているように、吸収性基材14は、吸収性基材14が第1のセル24aを有する第1の層14aと、吸収性基材14が第1のセル24aとは異なる第2のセル24bを有する第2の層14bとを有し得る。特に、第1および第2のセル24a、24bは、異なる形状および/または異なる体積を有する。特に、化粧品が回収される位置から吸収性基材14の頂部の方へ配置されている第2のセル24bは、第1のセル24aに比べて小さい体積を有する。
【0073】
より一般的には、吸収性基材14のセル24は、すべてが同一ではなくてもよい。吸収性基材14のセル24は、特に、化粧品が回収される位置から吸収性基材14の表面に近いほど減少する体積を有していてもよい。
【0074】
図15に例示されているように、化粧品用のパッケージングアセンブリ10は、リフィル44によって補充され得る。この化粧品リフィル44は、
図15に例示されているように、封止されたパウチ46に、化粧品を含浸させた、すべての変更形態における、上で説明されているような吸収性基材14を備える。ここで、リフィル44は、カバー16によって閉じられた、パウチ46の内側の、吸収性基材14を受け入れ、アプリケータ部材20を受け入れる、レセプタクル12をさらに備える。
【0075】
さらに、
図16は、化粧品用のパッケージングアセンブリ10を製造するための製造方法100のフローチャートの概略を表している。
【0076】
この製造方法は、吸収性基材14のセル24の隆起部26を付加製造によって形成するステップ102を含む。
【0077】
上で示されているように、実装される付加製造プロセスは、特に、選択的レーザー焼結プロセス、選択的レーザー溶融プロセス、ステレオリソグラフィープロセス、または溶融フィラメント製造プロセスであってよい。
【0078】
さらに、吸収性基材14は、化粧品の分配をフィルタリングまたは調節するための要素によって部分的にまたは完全に覆われていてもよく、この調節要素は化粧品の分配を許すか、または反対に、局所的に妨げる。上で説明されているスキン34のような、この化粧品の分布をフィルタリングまたは調節するための要素は、特に、天然もしくは合成繊維の織物、天然もしくは合成繊維の布、フェルト、または人工合成皮膚で作られていてもよい。フィルタリング要素は、吸収性基材14に取り付けられても取り付けられなくてもよい。
【0079】
吸収性基材14は、使用者に対して感触を改善するようにも覆われ得る。
【0080】
方法100は、続いて、化粧品を受け入れることを意図されている少なくとも1つのレセプタクル12と、レセプタクル12を閉じるのに適しているカバー16とを設けるステップ104を含む。
【0081】
吸収性基材14は、レセプタクル12への一体化の前、途中、または後に覆われてもよいことは、ここで留意されるべきである。
【0082】
ステップ106において、吸収性基材14はレセプタクル12内に置かれ、ステップ108において、吸収性基材14は化粧品を含浸される。ステップ110において、レセプタクル12は、カバー16で閉じられる。
【0083】
ステップ112において、ハウジング18およびハウジング18を閉じることができるキャップ22が設けられる。ステップ114において、化粧品アプリケータ部材20が設けられる。ステップ116において、レセプタクル12および化粧品アプリケータ部材20は、ハウジング18内に置かれる。最後に、ステップ118において、ハウジング18は、キャップ20を使用して閉じられる。
【0084】
本発明は、図を参照しつつ上で説明されている実施形態のみに限定されず、それどころか、当業者が利用できる多数の変更形態を有し得る。特に、断りのない限り、説明されている様々な実施形態は組み合わせることができる。
【0085】
セルの幾何学的形状は、好ましくは、吸収性基材の圧縮の際に体積を最小にするように選択され、それによって、吸収性基材の無効体積を減少させる。
【0086】
図示されていない変形形態によれば、吸収性基材は、軸Aに垂直に延在する同じ層内に異なるセルを有する。軸Aに垂直に延在する層は、特に、吸収性基材の体積全体に対応し得る。この場合、セルは、軸Aに関して半径方向の位置のみに依存し、軸Aに沿って測定された垂直方向の位置とは無関係である。たとえば、セルは、軸Aから吸収性基材14の側部表面に向かう半径方向に次第に小さくなるか、または逆に次第に大きくなる。吸収性基材14の側部表面に近づくにつれてセルが次第に小さくなることにより、特に、吸収性基材の側部表面に近づく化粧品の流れのヘッドロスを徐々に大きくすることが可能になる。したがって、吸収性基材14から側部表面を介して漏れる化粧品の量を減らすことが可能である。
【0087】
説明されている例では、吸収性基材14は、化粧品リザーバー/ミキサーとして使用される。代替的に、吸収性基材は、化粧品アプリケータ部材として使用されてもよい。この場合、リザーバーおよび吸収性基材をアプリケータ部材として備える化粧品塗布アセンブリに一体化されてもよく、アプリケータ部材は有利には化粧品リザーバーの内容物から分離されている。
【符号の説明】
【0088】
10 パッケージングアセンブリ
12 レセプタクル
14 吸収性基材
14a 第1の層
14b 第2の層
16 カバー
18 ハウジング
20 化粧品アプリケータ部材
20 カバー
22 キャップ
24 セル
24a 第1のセル
24b 第2のセル
26 隆起部
28 表面
30 表面
32 ちょうつがい
34 スキン
36 流路
38 スキン
40 貫通孔
42 スキン
44 リフィル
46 パウチ
241、242 セル
251、252 ネットワーク