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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
   B60K 13/04 20060101AFI20240906BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20240906BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B60K13/04 B
E02F9/00 L
F01N3/24 C
F01N3/24 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021028699
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022129853
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 佑太
(72)【発明者】
【氏名】生井 秀俊
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-112907(JP,A)
【文献】国際公開第2016/163300(WO,A1)
【文献】特開2014-122476(JP,A)
【文献】国際公開第2017/034043(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/216824(WO,A1)
【文献】特開2015-105652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/04
E02F 9/00
F01N 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンよりも上方に配置されキャブを支持するキャブフロアと、
前記エンジンの第1排気管から排出された排気ガスを処理する第1後処理装置と、
前記エンジンの第2排気管から排出された排気ガスを処理する第2後処理装置と、を備え、
前記第1後処理装置と前記第2後処理装置とは、前記エンジンよりも後方且つ前記キャブフロアよりも下方且つ前記キャブフロアよりも後方において、車幅方向に並べて配置される、
ダンプトラック。
【請求項2】
前記キャブよりも上方に配置されるプロテクタ板及び前記プロテクタ板の後端部に接続される前板を有するダンプボディを備え、
前記第1後処理装置及び前記第2後処理装置のそれぞれは、前記前板よりも前方に配置される、
請求項1に記載のダンプトラック。
【請求項3】
前記第1後処理装置は、前記第1後処理装置の長手方向と前記車幅方向とが一致するように配置され、
前記第2後処理装置は、前記第2後処理装置の長手方向と前記車幅方向とが一致するように配置される、
請求項1又は請求項2に記載のダンプトラック。
【請求項4】
前記第1後処理装置は、前記第2後処理装置の車幅方向一方側に配置され、
前記第1後処理装置の排気口は、前記第1後処理装置の車幅方向一方側の側部に設けられ、
前記第2後処理装置の排気口は、前記第2後処理装置の車幅方向他方側の側部に設けられ、
前記第1後処理装置の排気口に接続される第3排気管と、
前記第2後処理装置の排気口に接続される第4排気管と、を備え、
前記第3排気管の流出口及び前記第4排気管の流出口のそれぞれは、前記第1後処理装置よりも車幅方向一方側に配置される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のダンプトラック。
【請求項5】
上下方向において、前記第4排気管の少なくとも一部は、前記第1後処理装置の中心及び前記第2後処理装置の中心よりも下方に配置される、
請求項4に記載のダンプトラック。
【請求項6】
前記第4排気管は、前記第1後処理装置及び前記第2後処理装置の後方に配置される中間部を有し、
上下方向において、前記第4排気管の中間部は、前記第1後処理装置の中心及び前記第2後処理装置の中心よりも下方に配置される、
請求項5に記載のダンプトラック。
【請求項7】
上下方向において、前記第3排気管の流出口の位置と前記第4排気管の流出口の少なくとも一部の位置とは、一致する、
請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のダンプトラック。
【請求項8】
上下方向において、前記第3排気管の流出口及び前記第4排気管の流出口のそれぞれは、前記第1後処理装置の中心及び前記第2後処理装置の中心よりも上方に配置される、
請求項7に記載のダンプトラック。
【請求項9】
前記エンジンを支持する車体フレームを備え、
前記第1後処理装置及び前記第2後処理装置のそれぞれは、前記車体フレームに着脱される、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンから排出された排気ガスの後処理装置として、特許文献1に開示されているような後処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/007060号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダンプトラックに後処理装置を設置する場合、設置スペースの制約により後処理装置をエンジンルームに設置することが困難になる可能性がある。後処理装置をエンジンルームの外側に設置する場合、後処理装置の位置によっては、運転者の視界を妨げてしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、排気ガスの後処理装置をダンプトラックの適正な位置に配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、エンジンと、エンジンよりも上方に配置されキャブを支持するキャブフロアと、エンジンの第1排気管から排出された排気ガスを処理する第1後処理装置と、エンジンの第2排気管から排出された排気ガスを処理する第2後処理装置と、を備え、第1後処理装置と第2後処理装置とは、エンジンよりも後方且つキャブフロアよりも下方において、車幅方向に並べて配置される、ダンプトラックが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、排気ガスの後処理装置がダンプトラックの適正な位置に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係るダンプトラックを模式的に示す前方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係るダンプトラックを模式的に示す左側面図である。
図3図3は、実施形態に係るダンプトラックの一部を示す側断面図である。
図4図4は、実施形態に係る車体フレームとエンジンと後処理装置とを示す左側面図である。
図5図5は、実施形態に係るエンジンと後処理装置とを示す後方からの斜視図である。
図6図6は、実施形態に係るキャブフロアと後処理装置との関係を示す平面図である。
図7図7は、実施形態に係る後処理装置を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、3次元直交座標系を設定し、3次元直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向とし、X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向とし、所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。実施形態においては、XY平面と水平面とが平行であることとする。
【0011】
X軸方向は左右方向を示す。Y軸方向は前後方向を示す。Z軸方向は上下方向を示す。左右方向とは、ダンプトラックの操舵されない車輪の回転軸と平行な方向をいい、車幅方向と同義である。上下方向とは、地面と接触するダンプトラックのタイヤの接地面と直交する方向をいう。前後方向とは、左右方向及び上下方向と直交する方向をいう。+X方向は右方向であり、-X方向は左方向である。+Y方向な前方向であり、-Y方向は後方向である。+Z方向は上方向であり、-Z方向は下方向である。
【0012】
[ダンプトラック]
図1は、実施形態に係るダンプトラック1を模式的に示す前方からの斜視図である。図2は、実施形態に係るダンプトラック1を模式的に示す左側面図である。図3は、実施形態に係るダンプトラック1の一部を示す側断面図である。
【0013】
ダンプトラック1は、鉱山の採掘現場で稼働する自走式のオフロードダンプトラックである。ダンプトラック1は、リジッドフレーム式である。
【0014】
図1図2、及び図3に示すように、ダンプトラック1は、車体フレーム2と、エンジン3と、走行装置4と、キャブフロア5と、ダンプボディ6と、後処理装置7とを備える。
【0015】
車体フレーム2は、エンジン3、キャブフロア5、及びダンプボディ6のそれぞれを支持する。
【0016】
エンジン3は、ダンプトラック1の動力源である。エンジン3は、車体フレーム2の前部に支持される。エンジン3は、ディーゼルエンジンである。エンジン3は、燃料を燃焼して動力を発生する。エンジン3から排気ガスが排出される。
【0017】
走行装置4は、車体フレーム2を支持して走行する。走行装置4は、前車軸8Fと、後車軸8Rとを有する。前車軸8Fに前タイヤ9Fが装着される。後車軸8Rに後タイヤ9Rが装着される。前車軸8Fは、ダンプトラック1の操舵装置により操作される。後車軸8Rは、操舵されない。X軸方向は、後車軸8Rの回転軸と平行な方向である。走行装置4は、エンジン3が発生する動力により作動する。エンジン3は、パワーテイクオフ10を介してトランスミッション11に接続される。パワーテイクオフ10は、エンジン3よりも後方に配置される。トランスミッション11は、パワーテイクオフ10よりも後方に配置される。エンジン3で発生した動力は、パワーテイクオフ10、トランスミッション11、及び後車軸8Rを介して、後タイヤ9Rに伝達される。後タイヤ9Rが回転することにより、ダンプトラック1が走行する。
【0018】
キャブフロア5は、プレート状の部材である。キャブフロア5は、エンジン3よりも上方において、車体フレーム2の前部に支持される。キャブフロア5は、エンジン3よりも上方に配置される。また、キャブフロア5の少なくとも一部は、前車軸8F(前タイヤ9F)よりも上方に配置される。キャブフロア5は、キャブ12を支持する。キャブ12は、キャブフロア5の上面の左部に配置される。キャブ12の内側に運転室が設けられる。運転者は、運転室に搭乗してダンプトラック1を運転する。
【0019】
ダンプボディ6は、積荷を積載する。ダンプトラック1は、リアダンプ方式である。ダンプトラック1は、ダンプボディ6を後方に回動することによってダンプボディ6から積荷を排出する。
【0020】
ダンプボディ6は、回動することにより、積載姿勢とダンプ姿勢とに変化することができる。積載姿勢とは、ダンプボディ6の可動範囲において車体フレーム2に最も接近するように下降して車体フレーム2に着座した姿勢をいう。ダンプ姿勢とは、ダンプボディ6の可動範囲において車体フレーム2が最も離れるように上昇した姿勢をいう。ダンプボディ6が積載姿勢において、ダンプボディ6に積荷が積載され、ダンプトラック1は走行可能である。ダンプボディ6がダンプ姿勢において、ダンプボディ6から積荷が排出される。
【0021】
ダンプボディ6は、プロテクタ板6Aと、前板6Bと、底板6Cと、右側板6Dと、左側板6Eとを有する。ダンプボディ6が積載姿勢において、プロテクタ板6Aは、キャブ12よりも上方に配置される。前板6Bは、プロテクタ板6Aの後端部に接続される。プロテクタ板6Aの後端部と前板6Bの上端部とが接続される。底板6Cは、前板6Bの下端部に接続される。前板6Bの下端部と底板6Cの前端部とが接続される。右側板6Dは、前板6Bの右端部及び底板6Cの右端部のそれぞれに接続される。左側板6Eは、前板6Bの左端部及び底板6Cの左端部のそれぞれに接続される。プロテクタ板6A、前板6B、底板6C、右側板6D、及び左側板6Eは、一体である。
【0022】
[後処理装置]
図4は、実施形態に係る車体フレーム2とエンジン3と後処理装置7とを示す左側面図である。図5は、実施形態に係るエンジン3と後処理装置7とを示す後方からの斜視図である。図6は、実施形態に係るキャブフロア5と後処理装置7との関係を示す平面図である。図7は、実施形態に係る後処理装置7を示す右側面図である。
【0023】
後処理装置7は、エンジン3から排出された排気ガスを処理する。後処理装置7は、排気ガスを浄化する。実施形態において、後処理装置7は、選択触媒と還元剤とを利用して排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を還元して浄化する尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムを含む。
【0024】
実施形態において、後処理装置7は、第1後処理装置71と、第2後処理装置72とを含む。図3図4図5図6、及び図7に示すように、第1後処理装置71と第2後処理装置72とは、エンジン3よりも後方且つキャブフロア5よりも下方において、車幅方向(左右方向)に並べて配置される。実施形態において、第1後処理装置71は、第2後処理装置72の右方に配置される。
【0025】
上下方向において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、エンジン3よりも上方に配置される。上下方向において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、キャブフロア5よりも下方に配置される。実施形態において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、パワーテイクオフ10及びトランスミッション11の少なくとも一方の上方に配置される。前後方向において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、エンジン3よりも後方に配置される。前後方向において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、キャブフロア5よりも後方に配置される。ダンプボディ6が積載姿勢において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、ダンプボディ6の前板6Bよりも前方に配置される。
【0026】
第1後処理装置71と第2後処理装置72とは、同一種類の尿素SCRシステムである。第1後処理装置71の性能と第2後処理装置72の性能とは、等しい。第1後処理装置71の外形と第2後処理装置72の外形とは、等しい。第1後処理装置71の外形の寸法と第2後処理装置72の外形の寸法とは、等しい。第1後処理装置71の外形は、所定方向に長い。第2後処理装置72の外形は、所定方向に長い。第1後処理装置71の外形及び第2後処理装置72の外形は、略円筒状でもよいし、それ以外の形状でもよい。
【0027】
第1後処理装置71は、第1後処理装置71の長手方向とダンプトラック1の車幅方向とが一致するように、車体フレーム2に配置される。第2後処理装置72は、第2後処理装置72の長手方向とダンプトラック1の車幅方向とが一致するように、車体フレーム2に配置される。
【0028】
実施形態において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、車体フレーム2に着脱可能である。
【0029】
前後方向において、第1後処理装置71の位置と第2後処理装置72の位置とは、実質的に等しい。上下方向において、第1後処理装置71の位置と第2後処理装置72の位置とは、実質的に等しい。
【0030】
第1後処理装置71の右端部は、ダンプボディ6の右端部よりも左方に配置される。第2後処理装置72の左端部は、ダンプボディ6の左端部よりも右方に配置される。すなわち、左右方向において、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、ダンプボディ6から外側に突出しない。
【0031】
実施形態において、エンジン3は、V型12気筒エンジンである。エンジン3は、複数の右側のシリンダと複数の左側のシリンダとを有する。右側のシリンダと左側のシリンダとは、前後方向に交互に配置される。また、エンジン3は、所謂、縦置きエンジンである。すなわち、エンジン3のクランクシャフトは、前後方向に長い。右側のシリンダは、前後方向に6つ設けられる。左側のシリンダは、前後方向に6つ設けられる。エンジン3には、右側のシリンダと左側のシリンダとから排出された排気ガスをエンジン3の外部に排出する図示しない排出口が配置される。
【0032】
複数の右側のシリンダのそれぞれは、排出口を介して、第1排気管13に接続される。複数の左側のシリンダのそれぞれは、排出口を介して、第2排気管14に接続される。右側のシリンダから排出された排気ガスは、排出口を介して、第1排気管13に排出される。左側のシリンダから排出された排気ガスは、排出口を介して、第2排気管14に排出される。
【0033】
第1後処理装置71は、第1排気管13に接続される。第1後処理装置71は、エンジン3の第1排気管13から排出された排気ガスを処理する。第2後処理装置72は、第2排気管14に接続される。第2後処理装置72は、エンジン3の第2排気管14から排出された排気ガスを処理する。
【0034】
第1排気管13は、第1後処理装置71の吸気口15に接続される。吸気口15は、第1後処理装置71の前部の左部に設けられる。第2排気管14は、第2後処理装置72の吸気口16に接続される。吸気口16は、第2後処理装置72の前部の右部に設けられる。
【0035】
エンジン3から排出され第1排気管13を介して第1後処理装置71の吸気口15に流入した排気ガスは、第1後処理装置71において浄化された後、第1後処理装置71の排気口17から排出される。エンジン3から排出され第2排気管14を介して第2後処理装置72の吸気口16に流入した排気ガスは、第2後処理装置72において浄化された後、第2後処理装置72の排気口18から排出される。
【0036】
第1後処理装置71の排気口17は、第1後処理装置71の右側の側部に設けられる。第2後処理装置72の排気口18は、第2後処理装置72の左側の側部に設けられる。
【0037】
第1後処理装置71の排気口17は、第3排気管19に接続される。第2後処理装置72の排気口18は、第4排気管20に接続される。
【0038】
第3排気管19は、流入口21と流出口22とを有する。流入口21は、第3排気管19の一端部に設けられる。流出口22は、第3排気管19の他端部に設けられる。第1後処理装置71の排気口17と第3排気管19の流入口21とが接続される。第1後処理装置71の排気口17から排出された排気ガスは、第3排気管19を流通した後、第3排気管19の流出口22から流出する。
【0039】
第4排気管20は、流入口23と流出口24とを有する。流入口23は、第4排気管20の一端部に設けられる。流出口24は、第4排気管20の他端部に設けられる。第2後処理装置72の排気口18と第4排気管20の流入口23とが接続される。第2後処理装置72の排気口18から排出された排気ガスは、第4排気管20を流通した後、第4排気管20の流出口24から流出する。
【0040】
実施形態において、第3排気管19の流出口22及び第4排気管20の流出口24のそれぞれは、第1後処理装置71よりも右側に配置される。エンジン3の排気ガスは、第3排気管19の流出口22及び第4排気管20の流出口24のそれぞれからダンプトラック1の右方に排出される。
【0041】
上下方向において、第4排気管20の少なくとも一部は、第1後処理装置71の中心C1及び第2後処理装置72の中心C2よりも下方に配置される。実施形態において、第1,第2後処理装置71,72の中心C(C1,C2)とは、上下方向及び前後方向における第1,第2後処理装置71,72の略中心をいう。実施形態において、第4排気管20は、第1後処理装置71及び第2後処理装置72の後方に配置される中間部20Mを有する。第4排気管20の中間部20Mが、上下方向において第1後処理装置71の中心C1及び第2後処理装置72の中心C2よりも下方に配置される。
【0042】
図7に示すように、第3排気管19の流出口22の位置と第4排気管20の流出口24の少なくとも一部の位置とは、一致する。すなわち、第3排気管19の流出口22の高さと第4排気管20の流出口24の少なくとも一部の高さとは、一致する。上下方向において、第3排気管19の流出口22及び第4排気管20の流出口24のそれぞれは、第1後処理装置71の中心C1及び第2後処理装置72の中心C2よりも上方に配置される。
【0043】
第3排気管19の右端部(流出口22)及び第4排気管20の右端部(流出口24)のそれぞれは、ダンプボディ6の右端部よりも左方に配置される。第3排気管19の左端部及び第4排気管20の左端部のそれぞれは、ダンプボディ6の左端部よりも右方に配置される。すなわち、左右方向において、第3排気管19及び第4排気管20のそれぞれは、ダンプボディ6から外側に突出しない。
【0044】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、第1後処理装置71と第2後処理装置72とは、エンジン3よりも後方且つキャブフロア5よりも下方において、車幅方向に並べて配置される。実施形態によれば、第1後処理装置71と第2後処理装置72とは、エンジン3よりも後方に配置されるので、エンジンルームには設置されない。また、第1後処理装置71と第2後処理装置72とは、キャブフロア5よりも下方に配置されるので、運転者の視界を妨げない。第1後処理装置71と第2後処理装置72とは、車幅方向に並べて配置されるので、エンジン3よりも後方且つキャブフロア5よりも下方の空間が有効活用される。以上により、第1後処理装置71と第2後処理装置72とは、ダンプトラック1の適正な位置に配置される。
【0045】
第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、ダンプボディ6の前板6Bよりも前方に配置される。これにより、エンジン3よりも後方且つキャブフロア5よりも下方且つ前板6Bよりも前方の空間が有効活用される。また、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、プロテクタ板6A及び前板6Bにより保護される。
【0046】
第1後処理装置71は、第1後処理装置71の長手方向と車幅方向とが一致するように配置される。第2後処理装置72は、第2後処理装置72の長手方向と車幅方向とが一致するように配置される。これにより、第1後処理装置71及び第2後処理装置72の占有空間が大きくなることが抑制される。
【0047】
第1後処理装置71は、第2後処理装置72の右側に配置される。第1後処理装置71の排気口17は、第1後処理装置71の右側の側部に設けられる。第2後処理装置72の排気口18は、第2後処理装置72の左側の側部に設けられる。排気口17に接続される第3排気管19の流出口22は、第1後処理装置71よりも右側に配置される。排気口18に接続される第4排気管20の流出口24は、第1後処理装置71よりも右側に配置される。第3排気管19の流出口22及び第4排気管20の流出口24のそれぞれが、第1後処理装置71よりも右側に配置されるので、排気ガスは、ダンプトラック1の右側に排出される。キャブ12はキャブフロア5の左側に配置されるので、運転室と流出口22及び流出口24との距離は長くなる。そのため、流出口22及び流出口24から排気ガスが排出されるときの騒音が運転室に伝達されることが抑制される。また、流出口22及び流出口24から排出された排気ガスが運転室に流入することが抑制される。
【0048】
上下方向において、第4排気管20の少なくとも一部は、第1後処理装置71の中心C1及び第2後処理装置72の中心C2よりも下方に配置される。実施形態において、第4排気管20の中間部20Mが、第1後処理装置71の中心C1及び第2後処理装置72の中心C2よりも下方に配置される。これにより、第4排気管20とダンプボディ6の少なくとも一部との接触が抑制される。
【0049】
上下方向において、第3排気管19の流出口22の位置と第4排気管20の流出口24の少なくとも一部の位置とは、一致する。流出口22と流出口24とが同じ高さに配置されるので、第3排気管19及び第4排気管20の占有空間が大きくなることが抑制される。また、必要に応じて、第3排気管19の流出口22と第4排気管20の流出口24とをマニホールドで接続することができる。
【0050】
上下方向において、第3排気管19の流出口22及び第4排気管20の流出口24のそれぞれは、第1後処理装置71の中心C1及び第2後処理装置72の中心C2よりも上方に配置される。流出口22と流出口24とが第1後処理装置71の上部及び第2後処理装置72上部と同じ高さに配置されるので、第3排気管19及び第4排気管20の占有空間が大きくなることが抑制される。
【0051】
第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれは、車体フレーム2に着脱される。第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれが車体フレーム2に支持されるので、第1後処理装置71及び第2後処理装置72と車体フレーム2との相対位置の変動が抑制される。第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれが車体フレーム2から外されることにより、第1後処理装置71及び第2後処理装置72のそれぞれのメンテナンス性が向上する。
【符号の説明】
【0052】
1…ダンプトラック、2…車体フレーム、3…エンジン、4…走行装置、5…キャブフロア、6…ダンプボディ、6A…プロテクタ板、6B…前板、6C…底板、6D…右側板、6E…左側板、7…後処理装置、8F…前車軸、8R…後車軸、9F…前タイヤ、9R…後タイヤ、10…パワーテイクオフ、11…トランスミッション、12…キャブ、13…第1排気管、14…第2排気管、15…吸気口、16…吸気口、17…排気口、18…排気口、19…第3排気管、20…第4排気管、20M…中間部、21…流入口、22…流出口、23…流入口、24…流出口、71…第1後処理装置、72…第2後処理装置、C1…中心、C2…中心。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7