(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法、及び、生ポリマーセメントモルタルの製造方法
(51)【国際特許分類】
B28C 7/04 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
B28C7/04
(21)【出願番号】P 2021041606
(22)【出願日】2021-03-15
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】高木 智子
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 有寿
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 賢三
【審査官】大西 美和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-154511(JP,A)
【文献】特開昭58-069762(JP,A)
【文献】特開昭63-130309(JP,A)
【文献】特開昭63-118208(JP,A)
【文献】特開昭63-276505(JP,A)
【文献】特開平06-297447(JP,A)
【文献】特開2016-179912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00-32/02
C04B 40/00-40/06
B28C 1/00- 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント材と無機非結合粉体とポリマーとを含有する生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法であって、
前記無機非結合粉体を添加する手順について、
前記ポリマーと前記セメント材と水とを混錬するポリマー・セメント混錬工程に投入する前記セメント材に予め前記無機非結合粉体を練り込む凝集抑制手順、
又は、前記ポリマー・セメント混錬工程の終了後に、前記ポリマーと前記水と前記セメント材との混錬物に、前記無機非結合粉体を後添加する凝集促進手順、
の2つの手順のうちの何れかを選択することによって、
前記生ポリマーセメントモルタルの流動性を調整する、
生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法、及び、生ポリマーセメントモルタルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セメントモルタルの材料に、更にポリマー成分を添加して混練することによって得られるポリマーセメントモルタル(PCM)が、構造物のすり減り抵抗性や、強度を向上させるための補修材として広く用いられている(特許文献1、2参照)。
【0003】
このポリマーセメントモルタル(PCM)は、より、流し込み、吹付け、或いは、左官工法等、様々な工法によって用いられているが、フレッシュ状態のポリマーセメントモルタル(PCM)(本明細書において「生ポリマーセメントモルタル」と言う)に求められる流動性は、用途や工法毎に応じて大きく異なる。そこで、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性は、硬化促進剤、増粘剤、又は、凝結調整材等の各種の添加剤を、施工前の何れかの適切な段階で、「生ポリマーセメントモルタル」を構成する材料に適量添加することによって調整されている(特許文献3、4参照)。
【0004】
「生ポリマーセメントモルタル」の流動性を調整するための上記の各種の添加剤の添加のタイミングと添加量とは、それぞれの使用現場において求められる「生ポリマーセメントモルタル」の性状に応じて、個別に厳密に管理する必要があった。これら各種の添加剤の添加のタイミングと添加量を少しでも誤った場合には、フレッシュ状態においてポリマーセメントモルタル(PCM)に求められる必要な流動性を得られないこととなる。そして、ポリマーセメントモルタル(PCM)を用いる施工現場において、上記の流動性調整の失敗に起因する施工不良がしばしば発生していた。
【0005】
又、上記の各種の添加剤が、セメント材の硬化を阻害する要因となる場合もあり、フレッシュモルタルへの各種の添加剤を添加することが、硬化後のセメント硬化体の強度や耐久性等の品質をばらつかせる要因となるリスクもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-11897号公報
【文献】特開2020-11898号公報
【文献】特開2013-67529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性を、添加剤の添加に依存せずに調整することができる技術的手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、「生ポリマーセメントモルタル」を構成するセメント材、ポリマー、及び、その他の無機非結合粉体との混錬の手順を適宜変更することのみによって、添加剤の化学的作用に依存せずに、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性を調整できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は具体的には、以下の各方法等を提供する。
【0009】
(1) セメント材と無機非結合粉体とポリマーとを含有する生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法であって、前記無機非結合粉体を添加する手順について、前記ポリマーとセメント材と水とを混錬するポリマー・セメント混錬工程に投入する前記セメント材に予め前記無機非結合粉体を練り込む凝集抑制手順、又は、前記ポリマー・セメント混錬工程の終了後に、ポリマーと水とセメント材との混錬物に、前記無機非結合粉体を後添加する凝集促進手順、の2つの手順のうちの何れかを選択することによって、前記生ポリマーセメントモルタルの流動性を調整する、生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法。
【0010】
(1)の生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法によれば、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性の調整を、添加剤の添加に依存せずに、材料の混錬手順の変更のみによって実現することができる。又、流動性を調整するために添加する添加剤が、硬化後のセメント硬化体の強度等に悪影響を与えるリスクを排除することができる。
【0011】
(2) セメント材と無機非結合粉体とを混錬して、セメント・無機非結合粉体混合物を得る、第1の混錬工程と、前記セメント・無機非結合粉体混合物と、ポリマー及び水と、を混錬する、第2の混錬工程とを、順次行う、高流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法。
【0012】
(2)の高流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法によれば、吹き付け用用途等に好適な流動性の高い「生ポリマーセメントモルタル」を、凝結調整材等の添加剤の添加に依存せずに、混錬手順の変更のみによって製造することができる。又、流動性を高めるために添加する上記の添加剤が、硬化後のセメント硬化体の強度等に悪影響を与えるリスクを排除することができる。
【0013】
(3) セメント材とポリマー及び水とを混錬して、ポリマー・セメント混合物を得る、第1の混錬工程と、前記ポリマー・セメント混合物と、無機非結合粉体と、を混錬する、第2の混錬工程とを、順次行う、低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法。
【0014】
(3)の低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法によれば、左官用用途等に好適な流動性の低い「生ポリマーセメントモルタル」を、増粘剤等の添加剤の添加に依存せずに、混錬手順の変更のみによって製造することができる。又、流動性を低めるために添加する上記の添加剤が、硬化後のセメント硬化体の強度等に悪影響を与えるリスクを排除することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性を、添加剤の添加に依存せずに調整することができる。又、混錬手順の変更のみによって、同一のセメント原材料から、流動性の異なる様々な「生ポリマーセメントモルタル」を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の生ポリマーセメントモルタルの製造方法の流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0018】
<生ポリマーセメントモルタル>
本発明の「生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法(以下、単に、「流動性調整方法」とも言う)は、結合材であるセメント材と、細骨材等の無機非結合粉体材料の他に、ポリマーを含んでなる、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性を、各種の添加剤の添加による化学反応に依存せずに調整する技術的手段である。以下、先ずは、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性を調整することができる本発明の各方法の実施態様の詳細の説明に先行して、本発明の「流動性調整方法」の実施対象である「生ポリマーセメントモルタル」の概略について説明する。
【0019】
(セメント材)
上記の「生ポリマーセメントモルタル」において、結合材として用いるセメント材は、水硬性又は潜在水硬性を有するものであれば特に限定されず、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等のポルトランドセメントを適宜選択して用いることができる。
【0020】
又、上記のポルトランドセメントの他、シリカセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメント、ビーライト高含有セメント等も単独で、或いは、他のセメント材と混合して用いることができる。しかしながら、これらの中でも、上述の普通ポルトランドセメントが通常よく使用され、又、本発明の「流動性調整方法」に好適に適用することができる。
【0021】
(無機非結合粉体)
「生ポリマーセメントモルタル」に含有される「無機非結合粉体」は、モルタル中において他の材料と化学的に反応して結合することがない無機物の粉体であればよい。又、この「無機非結合粉体」には、モルタルを構成する細骨材等、粒径5mm以下の各種の無機粒体も含まれる。
【0022】
従って、「生ポリマーセメントモルタル」に必須成分として含まれる細骨材を、「無機非結合粉体」と位置付けて、その添加のタイミングを適切に変更することによって、本発明の流動方法を実施することができる。
【0023】
この「無機非結合粉体」として、砂、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材、又は、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材等、公知の各種の細骨材を適宜選択して用いることができる。又、上記の各種の細骨材以外の無機粉体、例えば、石灰石微粉末、シリカフューム等を、「無機非結合粉体」と位置付けて、これらの添加のタイミングを適切に限定することによって、本発明の方法を実施することもできる。
【0024】
(ポリマー)
本発明の実施対象とする「生ポリマーセメントモルタル」に含有される「ポリマー」は、従来公知の各種のポリマーセメントモルタルに含まれる各種ポリマーであればよく、その特定のポリマーに限定はされない。
【0025】
但し、上記のポリマーは、「カルボン酸(塩)基をもつモノマー単位を有するポリマー」であることが好ましい。「カルボン酸(塩)基をもつモノマー」としては、「(メタ)アクリル酸(塩)系モノマー」が好ましい。ここで、「(メタ)アクリル酸(塩)系モノマー」とは、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基、又は、これらの基における水素原子が他の原子若しくは原子団に置き換わった基の少なくとも1つの基を有し、且つ、該基中のカルボニル基を含んで構成されるカルボン酸基(-COOH基)、その塩又はその酸無水物基(-C(=O)-O-C(=O)-基)を有するモノマーである。(メタ)アクリル酸系モノマー(酸基含有モノマー)の塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が好ましいものとして挙げられる。
【0026】
又、本発明の各方法を実施する際に用いるポリマーは、エマルション形態のもの(以下、「ポリマーエマルション」と言う)であることが好ましい。この「ポリマーエマルション」は、上述の各種のポリマーのうちの1種を含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。又、このポリマーエマルションは、エマルションを形成する溶媒として水系溶媒を含むことが好ましい。水系溶媒は、水を含む限りその他の有機溶媒を含んでいてもよいが、溶媒として水のみを含むことが好ましい。
【0027】
<生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法>
本発明の「生ポリマーセメントモルタルの流動性調整方法」(以下、単に「流動性調整方法」とも言う)は、上述した「生ポリマーセメントモルタル」の流動性を、各種の添加剤の添加による化学的作用に依存せずに、各材料の混錬手順の変更のみによって実現する方法である。
【0028】
「生ポリマーセメントモルタル」を製造する際には、何れの場合においても、何れかの段階において、水とセメント材とポリマーと、を混錬する工程(本明細書においてこの工程を「ポリマー・セメント混錬工程」と言う)が必須の工程となる。そして、この「ポリマー・セメント混錬工程」においては、セメント材とポリマーとの凝集反応が進行しやすく、この反応が進行すると、「生ポリマーセメントモルタル」の流動性が低下することが分かっている。
【0029】
本発明の「流動性調整方法」においては、「ポリマー・セメント混錬工程」におけるセメント材とポリマーとが混錬される溶媒中に、セメント材とポリマーとの凝集反応の進行を阻害する「無機非結合粉体」を同時に存在させるか否かを、明確な意図をもって選択する。これにより、目標とする流動性の発現を、材料変更によらずに、製造の手順の変更によって、より具体的には、異なる2種の製造手順のうちの何れか1つの手順を選択することによって、実現する方法である。
【0030】
本発明の「流動性調整方法」において、流動性を低くする調整を行う場合には、「ポリマー・セメント混錬工程」に投入するセメント材に、予め「無機非結合粉体」を練り込む手順(本明細書において「凝集抑制手順」と言う)を必須の手順とする。
【0031】
一方、「流動性調整方法」において、流動性を高くする調整を行う場合には、「ポリマー・セメント混錬工程」においては、水とセメント材とポリマーとの混錬のみを行い、この工程の終了後に、これらの混錬物に後添加する態様で、「無機非結合粉体」を添加する手順(本明細書において「凝集促進手順」と言う)を必須の手順とする。
【0032】
上記の「凝集抑制手順」及び「凝集促進手順」の何れかの選択は、使用材料の変更は伴わないので、硬化後のセメント硬化体の強度が材料変更に起因して変動するリスクを回避することができる。又、同一の施工現場内で、例えば、「生ポリマーセメントモルタル」に要求される流動性が異なる、異種の工法(吹付けと左官等)が、行われる場合であっても、各工法用に配合をそれぞれ調整した複数種の材料の準備をすることなく、同一配合の材料に本発明の「流動性調整方法」を適用することによって、それぞれの工法に適した「生ポリマーセメントモルタル」を施工現場において調合することも可能である。
【0033】
<高流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法>
本発明の「高流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」は、上記の流動性の調整方法における流動性調整に係る作用効果を利用して、以下に説明する2つの工程を順次行うことによって、流動性の高い「生ポリマーセメントモルタル」を得る製造方法である。この製造方法は、モルタルフローが約300mm程度の「生ポリマーセメントモルタル」の製造に適した製造方法である。尚、本明細書において「生簿ポリマーセメントモルタル」の流動性の評価基準とする「モルタルフロー」とは、本発明の各製造方法等によって、製造された直後の各「生ポリマーセメントモルタル」から採取した試料について、JIS R 5201-2015に準じる測定方法により測定したフロー値のことを言う。
【0034】
(第1の混錬工程)
「高流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」においては、セメント材と、無機非結合粉体と、を混錬して、「セメント・無機非結合粉体混合物」を得る、第1の混錬工程st1を上述の「ポリマー・セメント混錬工程」に先行して行う(
図1参照)。第1の混錬工程st1は、普通ポルトランドセメント等のセメント材(粉体)と、細骨材等の「無機非結合粉体」とを、水分を加えない状態で空練りすることによって行う。
【0035】
(第2の混錬工程)
そして、第1の混錬工程st1で得た上述の「セメント・無機非結合粉体混合物」と、ポリマー及び水とを混錬する、第2の混錬工程st2を、「第1の混錬工程」の後に引き続いて行う。
【0036】
(用途)
「高流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」は、例えば、埋設型枠中への流し込み等、「生ポリマーセメントモルタル」に、高い流動性(好ましくは、モルタルフロー300mm程度)が求められる場合に好適な製造方法である。
【0037】
<低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法>
本発明の「低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」は、上記の流動性の調整方法における流動性調整に係る作用効果を利用して、以下に説明する2つの工程を順次行うことによって、流動性の低い「生ポリマーセメントモルタル」を得る製造方法である。この製造方法は、モルタルフローが約100mm以上200mm以下程度の「生ポリマーセメントモルタル」の製造に適した製造方法である。
【0038】
(第1の混錬工程)
「低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」においては、第1の混錬工程st1において、セメント材と、ポリマーと、水とを混錬して、「ポリマー・セメント混合物」を得る工程stを先ず行う。そして、「低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」における第1の混錬工程st1は、上述した本発明の「調整方法」における「ポリマー・セメント混錬工程」に相当する工程である。但し、「低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」における第1の混錬工程st1は、「ポリマー」と「セメント材」とが最初に混錬される場から、細骨材等の「無機非結合粉体」を排除した点が、従来の生ポリマーセメントモルタルの製造方法とは異なる。
【0039】
(第2の混錬工程)
そして、「低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」においては、においては、上述の第1の混錬工程st1を終えた後に、当該工程で得た上述の「ポリマー・セメント混合物」に「無機非結合粉体」を後添加する態様で、最終的にこれら全ての材料を混錬する第2の混錬工程st2を行う(
図1参照)。
【0040】
(用途)
「低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」は、例えば、左官工法に用いる場合等、「生ポリマーセメントモルタル」に、だれ止め性、チクソ性を担保するために必要な低い流動性(モルタルフローが約100mm~200mm程度)が求められる場合に好適な製造方法である。
【0041】
ここで、例えば、埋設型枠の補修材や目地材を使用する場合、従来工法であれば、本体部分と同程度の強度特性や耐久性を有するセメント材料を選定する必要があった。しかしながら、本発明を採用することにより、先ず、上記の「高流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」によって、流動性の高い「生ポリマーセメントモルタル」を得て、これを用いて埋設型枠を製造した後に、上記の「低流動性生ポリマーセメントモルタルの製造方法」を用いて、即ち、実際の作業としては、混錬の手順を変更することのみによって、同じ材料から、流動性の低い「生ポリマーセメントモルタル」を製造し、これを、補修材や目地材として用いることができる。本発明を利用して、全体プロセスをこのように最適化することにより、従来、求められる流動性が異なる工法毎に別途調達する必要があった複数種の専用材料の調達を不要として、全ての工法による作業に単一種の材料配合によって、対応することもできる。
【符号の説明】
【0042】
st1 第1の混錬工程
st2 第2の混錬工程