(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】出力システム、携帯装置、位置情報サーバ、プログラム及び出力方法
(51)【国際特許分類】
B61L 23/06 20060101AFI20240906BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240906BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B61L23/06
G08G1/09 F
G08G1/16 A
(21)【出願番号】P 2021065228
(22)【出願日】2021-04-07
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】小泉 晶史
【審査官】清水 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-142725(JP,A)
【文献】特開2006-224737(JP,A)
【文献】特開平10-001053(JP,A)
【文献】特開2009-202833(JP,A)
【文献】特開2019-011024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L 23/06
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道上を移動する移動体が接近している場合に予め定められた出力を行う携帯装置及び位置情報サーバを備える出力システムにおいて、
前記携帯装置は、
前記携帯装置の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部と、
前記携帯装置位置と、前記移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断する制御部と、
前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信しない携帯側通信部と、を備え、
前記位置情報サーバは、
前記携帯装置位置情報を受信するサーバ側通信部と、
前記携帯装置位置情報を用いて、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否か検知する接近検知部と、
前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記サーバ側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知する接近通知部と、を備え、
前記携帯装置は、前記携帯側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることの通知を受けた場合に、前記予め定められた出力を行う出力部をさらに備えること
を特徴とする出力システム。
【請求項2】
軌道上を移動する移動体が接近している場合に予め定められた出力を行う携帯装置及び位置情報サーバを備える出力システムにおいて、
前記携帯装置は、
前記携帯装置の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部と、
前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信する携帯側通信部と、を備え、
前記位置情報サーバは、
前記携帯装置位置情報を受信するサーバ側通信部と、
前記携帯装置位置情報を用いて、前記携帯装置位置と、前記移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断し、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置情報を用いて、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知しない接近検知部と、
前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記サーバ側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知する接近通知部と、を備え、
前記携帯装置は、前記携帯側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることの通知を受けた場合に、前記予め定められた出力を行う出力部をさらに備えること
を特徴とする出力システム。
【請求項3】
前記移動体に搭載される移動局をさらに備え、
前記移動局は、
前記移動体の位置である移動体位置を特定する移動体位置特定部と、
前記移動体位置を示す移動体位置情報を前記位置情報サーバに送信する移動側通信部と、を備え、
前記サーバ側通信部は、前記移動体位置情報を受信し、
前記接近検知部は、前記携帯装置位置情報で示される前記携帯装置位置と、前記移動体位置情報で示される前記移動体位置との間の距離が、閾値として用いられる距離閾値よりも短い場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近していると判断すること
を特徴とする請求項
1又は2に記載の出力システム。
【請求項4】
前記距離閾値は、前記移動体が移動する軌道が含まれる場所の天気に応じて変化すること
を特徴とする請求項
3に記載の出力システム。
【請求項5】
前記距離閾値は、前記移動体の速度が速いほど、長いこと
を特徴とする請求項
3に記載の出力システム。
【請求項6】
現在の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部と、
前記携帯装置位置と、移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断する制御部と、
前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を、位置情報サーバに送信し、前記位置情報サーバから前記移動体が接近していることの通知を受信
し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信しない携帯側通信部と、
前記通知を受信した場合に、予め定められた出力を行う出力部と、を備えること
を特徴とする携帯装置。
【請求項7】
携帯装置から前記携帯装置の位置を示す携帯装置位置情報を受信するサーバ側通信部と、
前記携帯装置位置情報を用いて、移動体が移動する軌道と、前記携帯装置との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断し、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置情報を用いて、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知
し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知しない接近検知部と、
前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記サーバ側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知する接近通知部と、を備えること
を特徴とする位置情報サーバ。
【請求項8】
コンピュータを、
現在の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部、
前記携帯装置位置と、移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断する制御部、
前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を、位置情報サーバに送信し、前記位置情報サーバから前記移動体が接近していることの通知を受信
し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信しない携帯側通信部、及び、
前記通知を受信した場合に、予め定められた出力を行う出力部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
携帯装置から前記携帯装置の位置を示す携帯装置位置情報を受信するサーバ側通信部、
前記携帯装置位置情報を用いて、移動体が移動する軌道と、前記携帯装置との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断し、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置情報を用いて、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知
し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知しない接近検知部、及び、
前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記サーバ側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知する接近通知部、として機能させること
を特徴とするプログラム。
【請求項10】
軌道上を移動する移動体が接近している場合に予め定められた出力を行う携帯装置及び位置情報サーバを備える出力システムが行う出力方法において、
前記携帯装置が、前記携帯装置の位置である携帯装置位置を特定し、
前記携帯装置が、前記携帯装置位置と、前記軌道との間の最短距離が閾値よりも短い場合に、
前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を、位置情報サーバに送信し、前記位置情報サーバから前記移動体が接近していることの通知を受信し、
前記携帯装置が、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信せず、
前記携帯装置が、前記通知を受信した場合に、予め定められた出力を行うこと
を特徴とする出力方法。
【請求項11】
軌道上を移動する移動体が接近している場合に予め定められた出力を行う携帯装置及び位置情報サーバを備える出力システムが行う出力方法において、
前記携帯装置が、前記携帯装置の位置である携帯装置位置を特定し、
前記位置情報サーバが、前記携帯装置位置と、前記移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断し、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置により、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知し、
前記位置情報サーバが、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知せず、
前記位置情報サーバが、前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知し、
前記携帯装置が、前記通知を受信した場合に、予め定められた出力を行うこと
を特徴とする出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、出力システム、携帯装置、位置情報サーバ、プログラム及び出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、線路工事を安全に行うために、列車が接近していることを出力することで作業者に警報を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この提案されている技術では、列車が位置情報と、速度情報とを携帯装置に送信し、携帯装置がそれらの情報と、携帯装置の位置情報とを用いて、列車が携帯装置の位置に到着する時間を計測する。そして、携帯装置は、列車からの距離が許容限界以下である場合に警報音を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、列車が接近していることを出力するための従来の技術では、列車の速度、及び、列車と、携帯装置との距離に基づいて接近を検知しており、列車が走行する線路と、人との距離が考慮されていない。
【0005】
例えば、線路と、人との距離が長い場合、列車と、人との距離が近づいたとしても最終的に接触することはない。言い換えると、従来技術は、列車と、人とが明らかに接触しない場合であっても、列車の到着時刻の計測及び接近の出力をしてしまうことで、人を不要に軌道から退避させてしまうという課題がある。
【0006】
そこで、本開示の一又は複数の態様は、人と、軌道との距離を考慮して、移動体の接近を出力することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る出力システムは、軌道上を移動する移動体が接近している場合に予め定められた出力を行う携帯装置及び位置情報サーバを備える出力システムにおいて、前記携帯装置は、前記携帯装置の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部と、前記携帯装置位置と、前記移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断する制御部と、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信しない携帯側通信部と、を備え、前記位置情報サーバは、前記携帯装置位置情報を受信するサーバ側通信部と、前記携帯装置位置情報を用いて、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否か検知する接近検知部と、前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記サーバ側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知する接近通知部と、を備え、前記携帯装置は、前記携帯側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることの通知を受けた場合に、前記予め定められた出力を行う出力部をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の一態様に係る携帯装置は、現在の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部と、前記携帯装置位置と、移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断する制御部と、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を、位置情報サーバに送信し、前記位置情報サーバから前記移動体が接近していることの通知を受信し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信しない携帯側通信部と、前記通知を受信した場合に、予め定められた出力を行う出力部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本開示の一態様に係る位置情報サーバは、携帯装置から前記携帯装置の位置を示す携帯装置位置情報を受信するサーバ側通信部と、前記携帯装置位置情報を用いて、移動体が移動する軌道と、前記携帯装置との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断し、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置情報を用いて、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知しない接近検知部と、前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記サーバ側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知する接近通知部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、現在の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部、前記携帯装置位置と、移動体が移動する軌道との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断する制御部、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を、位置情報サーバに送信し、前記位置情報サーバから前記移動体が接近していることの通知を受信し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信しない携帯側通信部、及び、前記通知を受信した場合に、予め定められた出力を行う出力部、として機能させることを特徴とする。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、携帯装置から前記携帯装置の位置を示す携帯装置位置情報を受信するサーバ側通信部、前記携帯装置位置情報を用いて、移動体が移動する軌道と、前記携帯装置との間の最短距離が閾値よりも短いか否かを判断し、前記最短距離が前記閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置情報を用いて、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知し、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記移動体が前記携帯装置に接近しているか否かを検知しない接近検知部、及び、前記移動体が前記携帯装置に接近している場合に、前記サーバ側通信部を介して、前記移動体が前記携帯装置に接近していることを前記携帯装置に通知する接近通知部、として機能させることを特徴とする。
【0012】
本開示の一態様に係る出力方法は、軌道上を移動する移動体が接近している場合に予め定められた出力を行う携帯装置及び位置情報サーバを備える出力システムが行う出力方法において、前記携帯装置が、前記携帯装置の位置である携帯装置位置を特定し、前記携帯装置が、前記携帯装置位置と、前記軌道との間の最短距離が閾値よりも短い場合に、前記携帯装置位置を示す携帯装置位置情報を、位置情報サーバに送信し、前記位置情報サーバから前記移動体が接近していることの通知を受信し、前記携帯装置が、前記最短距離が前記閾値以上である場合に、前記携帯装置位置情報を前記位置情報サーバに送信せず、前記携帯装置が、前記通知を受信した場合に、予め定められた出力を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一又は複数の態様によれば、人と、軌道との距離を考慮して、移動体の接近を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1及び2に係る出力システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】移動局の機能を概略的に示すブロック図である。
【
図3】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1における携帯装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1における位置情報サーバの機能を概略的に示すブロック図である。
【
図6】実施の形態1に係る出力システムでの動作を示すシーケンス図である。
【
図7】実施の形態2における携帯装置の機能を概略的に示すブロック図である。
【
図8】実施の形態2における位置情報サーバの機能を概略的に示すブロック図である。
【
図9】実施の形態2に係る出力システムでの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る出力システム100の構成を概略的に示すブロック図である。
出力システム100は、携帯装置130と、位置情報サーバ150とを備え、移動局110を備えていてもよい。
なお、移動局110は、移動体101に搭載されている。
【0016】
移動体101は、予め決められた軌道102を移動する。ここでの移動体101は、列車等の特定の軌道102を走行する車両を想定している。
携帯装置130は、GPS(Global Positioning System)等により、携帯装置130の位置を特定して、携帯装置130の位置を示す位置情報を取得する。例えば、携帯装置130は、GPS衛星103からのGPS信号を受信することで、携帯装置130の位置を特定する。
【0017】
携帯装置130は、軌道102の一定間隔毎の位置情報を保存している。
移動局110は、GPS等により、移動局110の位置を特定して、移動局110の位置を示す位置情報を取得する。移動局110は、移動体101に搭載されているため、移動局110の位置は、移動体101の位置とみなすことができる。
【0018】
携帯装置130と、位置情報サーバ150との間では、無線通信によって情報の送受信が行われる。また、移動局110と、位置情報サーバ150との間においても同様に、無線通信によって情報の送受信が行われる。
【0019】
携帯装置130は、携帯装置130の位置情報を位置情報サーバ150に与える。
移動局110は、移動局110の位置情報を位置情報サーバ150に与える。
位置情報サーバ150は、移動局110が携帯装置130に接近していることを携帯装置130に通知する。携帯装置130は、軌道102上を移動する移動体101が接近している場合に、予め定められた出力を行う。
【0020】
図2は、実施の形態1における移動局110の機能を概略的に示すブロック図である。
移動局110は、GPSアンテナ111と、位置情報送信用アンテナ112と、GPS受信部113と、無線通信部114と、制御部115とを備える。
【0021】
GPSアンテナ111は、GPS衛星103からのGPS信号を受信する。
【0022】
位置情報送信用アンテナ112は、無線通信部114からの指示の下、無線信号を位置情報サーバ150へ送信する。
【0023】
GPS受信部113は、GPSアンテナ111により受信されたGPS信号に基づいて、現在の位置を測定し、測定された現在の位置を示す位置情報である移動体位置情報を制御部115に与える。言い換えると、GPS受信部113は、移動体101の位置である移動体位置を特定する移動体位置特定部として機能する。
【0024】
無線通信部114は、制御部115からの指示の下、位置情報サーバ150への無線信号の送信を行う。例えば、無線通信部114は、移動体位置情報を位置情報サーバ150に送る移動側通信部として機能する。
【0025】
制御部115は、無線通信部114に対して制御指示を行う。
【0026】
以上に記載された制御部115の一部又は全部は、例えば、
図3(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、移動局110は、いわゆるコンピュータで実現することができる。
【0027】
また、制御部115の一部又は全部は、例えば、
図3(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、制御部115は、処理回路網により実現することができる。
【0028】
なお、GPS受信部113は、GPS受信機により実現することができる。
無線通信部114は、無線通信機により実現することができる。
【0029】
図4は、実施の形態1における携帯装置130の機能を概略的に示すブロック図である。
携帯装置130は、GPSアンテナ131と、無線通信用アンテナ132と、GPS受信部133と、軌道位置情報データベース(以下、軌道位置情報DBという)134と、無線通信部135と、距離算出部136と、制御部137と、音声出力部138とを備える。
【0030】
GPSアンテナ131は、GPS衛星103からのGPS信号を受信する。
【0031】
無線通信用アンテナ132は、無線通信部135からの指示の下、位置情報サーバ150との間で無線信号を送受信する。
【0032】
GPS受信部133は、GPSアンテナ131により受信されたGPS信号に基づいて現在の位置を測定し、測定された現在の位置を示す位置情報である携帯装置位置情報を距離算出部136に与える。言い換えると、GPS受信部133は、携帯装置130の位置である携帯装置位置を特定する携帯装置位置特定部として機能する。
【0033】
軌道位置情報DB134は、移動体101が移動する軌道102の一定距離間隔毎の位置情報である軌道位置情報を記憶する。
【0034】
無線通信部135は、制御部137からの指示の下、位置情報サーバ150との無線送受信を行う携帯側通信部として機能する。例えば、無線通信部135は、携帯装置位置情報を位置情報サーバ150に送信する。
【0035】
距離算出部136は、GPS受信部133から与えられた携帯装置位置情報と、軌道位置情報DB134から取得した軌道位置情報とから、携帯装置130と、軌道との間の最短距離を算出する。そして、距離算出部136は、算出された最短距離を示す最短距離情報を制御部137に与える。
例えば、距離算出部136は、軌道位置情報で示される一定距離間隔毎の位置同士を直線で結ぶことで、軌道102を推測し、推測された軌道102と、携帯装置位置情報で示される位置との最短距離を算出する。
【0036】
制御部137は、携帯装置130の各機能部に対して制御指示を行う。
例えば、制御部137は、距離算出部136から与えられた最短距離情報で示される最短距離と、予め定められた閾値である第一の閾値とを比較する。そして、制御部137は、最短距離が第一の閾値よりも短い場合に、無線通信部135に指示することで、携帯装置位置情報を、位置情報サーバ150に送信させる。
【0037】
また、制御部137は、無線通信部135を介して、位置情報サーバ150から移動体101の接近が通知された場合に、音声出力部138に警報の鳴動を指示する。
【0038】
音声出力部138は、無線通信部135を介して、移動体101が携帯装置130に接近していることの通知を受けた場合に、予め定められた出力を行う出力部として機能する。具体的には、音声出力部138は、制御部137の指示の下、警報を鳴動する。
【0039】
以上に記載された距離算出部136及び制御部137の一部又は全部は、例えば、
図3(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、携帯装置130は、いわゆるコンピュータで実現することができる。
【0040】
また、距離算出部136及び制御部137の一部又は全部は、例えば、
図3(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、距離算出部136及び制御部137は、処理回路網により実現することができる。
【0041】
なお、GPS受信部133は、GPS受信機により実現することができる。
軌道位置情報DB134は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により実現することができる。
無線通信部135は、無線通信機により実現することができる。
音声出力部138は、スピーカにより実現することができる。
【0042】
図5は、実施の形態1における位置情報サーバ150の機能を概略的に示すブロック図である。
位置情報サーバ150は、通信部151と、位置情報受信部152と、移動体位置情報DB153と、接近検知部154と、接近通知部155とを有する。
【0043】
通信部151は、移動局110又は携帯装置130と通信を行うサーバ側通信部として機能する。例えば、通信部151は、インターネット等のネットワークに接続されており、そのネットワークを介して、移動局110又は携帯装置130と通信を行う。
【0044】
位置情報受信部152は、通信部151を介して、移動局110から移動体101の位置情報である移動体位置情報を受信し、その移動体位置情報を移動体位置情報DB153に保存する。
また、位置情報受信部152は、通信部151を介して、携帯装置130から、携帯装置130の位置を示す携帯装置位置情報を受信し、その携帯装置位置情報を接近検知部154に与える。
【0045】
移動体位置情報DB153は、位置情報受信部152から与えられる移動体位置情報を保存する。
【0046】
接近検知部154は、携帯装置130の位置と、軌道102との間の最短距離が閾値よりも短い場合に、移動体101が携帯装置130に接近しているか否かを検知する。例えば、接近検知部154は、通信部151で受信される携帯装置位置情報を用いて、移動体101が携帯装置130に接近しているか否かを検知する。ここでの閾値を距離閾値ともいう。
【0047】
具体的には、接近検知部154は、移動体位置情報DB153に保存されている移動体位置情報と、位置情報受信部152から与えられる携帯装置位置情報とによって、移動体101が接近している携帯装置130を検知する。例えば、接近検知部154は、携帯装置位置情報で示される携帯装置130の位置と、移動体位置情報で示される移動体101の位置との間の距離が、第二の閾値として用いられる距離閾値よりも短い場合に、移動体101が携帯装置130に接近していると判断する。
【0048】
そして、移動体101が接近している携帯装置130がある場合には、接近検知部154は、接近通知部155に指示することで、その携帯装置130に移動体101の接近を通知させる。
【0049】
接近通知部155は、接近検知部154から指示の下、通信部151を介して、携帯装置130に移動体101の接近を通知する。具体的には、接近通知部155は、移動体101が携帯装置130に接近している場合に、通信部151を介して、移動体101が携帯装置130に接近していることを携帯装置130に通知する。
【0050】
以上に記載された位置情報受信部152、接近検知部154及び接近通知部155の一部又は全部は、例えば、
図3(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。言い換えると、位置情報サーバ150は、いわゆるコンピュータで実現することができる。
【0051】
また、位置情報受信部152、接近検知部154及び接近通知部155の一部又は全部は、例えば、
図3(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラムで動作するプロセッサ、プログラムで動作する並列プロセッサ、ASIC又はFPGA等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、位置情報受信部152、接近検知部154及び接近通知部155は、処理回路網により実現することができる。
【0052】
なお、通信部151は、NIC(Network Interface Card)等の通信装置により実現することができる。
移動体位置情報DB153は、HDD又はSSD等の記憶装置により実現することができる。
【0053】
図6は、実施の形態1に係る出力システム100での動作を示すシーケンス図である。
まず、携帯装置130のGPS受信部133は、GPSアンテナ131がGPS衛星103から受信したGPS信号に基づいて現在位置を定周期で測定する(S10)。そして、GPS受信部133は、測定された現在位置を示す携帯装置位置情報を距離算出部136に定周期で与える。
【0054】
携帯装置130の距離算出部136は、携帯装置位置情報で示される位置と、軌道位置情報DB134に保存されている軌道位置情報とから、携帯装置130と、軌道との最短距離を算出する(S11)。そして、距離算出部136は、算出された最短距離を示す最短距離情報及び携帯装置位置情報を制御部137に与える。
【0055】
携帯装置130の制御部137は、最短距離情報で示される最短距離と、第一の閾値とを比較する(S12)。
【0056】
そして、その最短距離が第一の閾値未満である場合には、制御部137は、携帯装置位置情報を、無線通信部135に与え、無線通信部135が無線通信用アンテナ132を介して位置情報サーバ150にその携帯装置位置情報を送る(S13)。なお、その最短距離が第一の閾値以上である場合には、制御部137は、携帯装置位置情報を無線通信部135に与えず、その送信を行わせない。
【0057】
また、移動局110のGPS受信部113は、GPSアンテナ111がGPS衛星103から受信したGPS信号に基づいて現在位置を定周期で測定する(S14)。そして、GPS受信部113は、測定された現在位置を示す移動体位置情報を制御部115に定周期で与える。
【0058】
移動局110の制御部115は、その移動体位置情報を無線通信部114に与え、無線通信部114が位置情報送信用アンテナ112を介して、その移動体位置情報を位置情報サーバ150に送る(S15)。
【0059】
位置情報サーバ150の位置情報受信部152は、通信部151が受信した移動体位置情報を、移動体位置情報DB153に保存する(S16)。
【0060】
その後、位置情報サーバ150の通信部151が、携帯装置位置情報を受信すると、接近検知部154は、携帯装置位置情報と、移動体位置情報DB153に保存されている移動体位置情報とから、携帯装置130と、移動体101との間の距離である直線距離を算出する(S17)。
【0061】
そして、接近検知部154は、算出された直線距離と、第二の閾値とを比較する(S18)。
【0062】
その直線距離が第二の閾値未満である場合には、接近検知部154は、接近通知部155に指示することで、携帯装置130に移動体101の接近を携帯装置130へ通知させる(S19)。
なお、その直線距離が第二の閾値以上である場合には、接近検知部154は、接近通知部155に指示を行わない。このため、接近通知部155は、携帯装置130に移動体101の接近を通知しない。
【0063】
携帯装置130の無線通信部135は、位置情報サーバ150から移動体101の接近を通知する無線信号を、無線通信用アンテナ132を介して受信し、制御部137に接近を通知する。そのような通知を受けた制御部137は、音声出力部138に警報の鳴動を指示する。その指示に従って、音声出力部138は、警報を鳴動させる(S20)。携帯装置130が鳴動することで、それを所持する人は移動体101の接近を知ることができる。
【0064】
なお、接近検知部154は、状況に応じて、第二の閾値を変更してもよい。例えば、接近検知部154は、移動体101が移動する軌道102が含まれる場所の天気に応じて、第二の閾値を変化させてもよい。具体的には、接近検知部154は、雨又は曇りの時に、天候が晴れの時よりも第二の閾値を大きくしてもよい。晴れの時よりも雨又は曇りの時には、移動体101の制動距離が伸びることが想定される。これにより、携帯装置130に移動体101の接近が通知されるタイミングをより早くすることができ、軌道102の近傍にいる人の安全を確保することができる。
【0065】
このような場合、接近検知部154は、通信部151を介して、天気情報を配信している他のサーバから、その天気情報を受け取ることで、移動体101が移動する軌道102が含まれる場所の天気を特定すればよい。また、移動局110の制御部115が、例えば、図示しないカメラ等の撮像部により撮像された画像を解析することにより、移動体101が移動する軌道102が含まれる場所の天気を特定してもよい。また、図示しない入力部を介して、移動体101の運転手が、天気を入力してもよい。そして、制御部115は、無線通信部114を介して、特定された天気を示す天気情報を位置情報サーバ150に送ってもよい。なお、撮像部は、移動局110に備えられてもよく、移動体101に備えられていてもよい。入力部も同様である。
【0066】
また、接近検知部154は、一定時間内の移動体位置情報で示される移動体101の変位から、移動体101の速度を算出し、その速度が速いほど、第二の閾値を大きくしてもよい。これにより、移動体101の速度が速い場合には、その速度が遅い場合よりも、携帯装置130に移動体101の接近が通知されるタイミングを早くすることができ、軌道102の近傍にいる人の安全を確保することができる。
【0067】
以上のように、実施の形態1によれば、携帯装置130と、軌道102との間の最短距離が、第一の閾値に対応する一定距離以上の携帯装置130には、移動体101の接近が通知されないため、携帯装置130に不要に接近が通知されることがない。これにより、人が移動体101の接触を避けるために、軌道102から不要に退避する必要がなくなり、軌道102の近傍における作業の中断時間を短縮することが可能になる。
【0068】
また、携帯装置130と、軌道102との間の最短距離が一定距離以上の携帯装置130は、位置情報サーバ150へ位置情報を無線で通信しないように構成され、さらに、位置情報サーバ150から携帯装置130への無線通信による伝送も行われないため、無線通信の伝送量を削減することが可能になる。そして、無線通信の伝送量を削減することで、携帯装置130が無線通信に使用する電力量も削減することが可能になる。
【0069】
実施の形態2.
図1に示されているように、実施の形態2に係る出力システム200は、携帯装置230と、位置情報サーバ250とを備え、移動局110をさらに備えてもよい。
実施の形態2に係る出力システム200の移動局110は、実施の形態1に係る出力システム100の移動局110と同様である。
【0070】
図7は、実施の形態2における携帯装置230の機能を概略的に示すブロック図である。
携帯装置230は、GPSアンテナ131と、無線通信用アンテナ132と、GPS受信部133と、無線通信部135と、制御部237と、音声出力部138とを備える。
実施の形態2における携帯装置230のGPSアンテナ131、無線通信用アンテナ132、GPS受信部133、無線通信部135及び音声出力部138は、実施の形態1における携帯装置130のGPSアンテナ131、無線通信用アンテナ132、GPS受信部133、無線通信部135及び音声出力部138と同様である。
【0071】
なお、実施の形態2における携帯装置230は、実施の形態1における携帯装置130の軌道位置情報DB134及び距離算出部136を備えていない。そして、実施の形態2における携帯装置230のGPS受信部133は、携帯装置位置情報を制御部237に与える。
【0072】
制御部237は、携帯装置230の各機能部に対して制御指示を行う。
例えば、制御部137は、無線通信部135に指示することで、GPS受信部133から与えられた携帯装置位置情報を、位置情報サーバ250に送信させる。
【0073】
また、制御部237は、無線通信部135を介して、位置情報サーバ150から移動体101の接近が通知された場合に、音声出力部138に警報の鳴動を指示する。
【0074】
図8は、実施の形態2における位置情報サーバ250の機能を概略的に示すブロック図である。
位置情報サーバ250は、通信部151と、位置情報受信部152と、移動体位置情報DB153と、接近検知部254と、接近通知部155と、軌道位置情報データベース(以下、軌道位置情報DB)256とを有する。
【0075】
実施の形態2における位置情報サーバ250の通信部151、位置情報受信部152、移動体位置情報DB153及び接近通知部155は、実施の形態1における位置情報サーバ150の通信部151、位置情報受信部152、移動体位置情報DB153及び接近通知部155と同様である。
なお、実施の形態2における位置情報サーバ250の位置情報受信部152は、携帯装置位置情報を接近検知部254に与える。
【0076】
軌道位置情報DB256は、移動体101が移動する軌道102の一定距離間隔毎の位置情報である軌道位置情報を記憶する。
なお、軌道位置情報DB256は、HDD又はSSD等の記憶装置により実現することができる。
【0077】
接近検知部254は、携帯装置位置情報を用いて、携帯装置230と、軌道102との最短距離が閾値よりも短いか否かを判断する。そして、接近検知部254は、その最短距離がその閾値よりも短い場合に、携帯装置位置情報を用いて、移動体101が携帯装置230に接近しているか否かを検知する。
【0078】
例えば、接近検知部254は、位置情報受信部152から与えられた携帯装置位置情報と、軌道位置情報DB256から取得した軌道位置情報とから、携帯装置230と、軌道との間の最短距離を算出する。例えば、接近検知部254は、軌道位置情報で示される一定距離間隔毎の位置同士を直線で結ぶことで、軌道102を推測し、推測された軌道102と、携帯装置位置情報で示される位置との最短距離を算出する。
【0079】
そして、接近検知部254は、算出された最短距離と、予め定められた閾値である第一の閾値とを比較する。そして、接近検知部254は、最短距離が第一の閾値よりも短い場合に、移動体位置情報DB153に保存されている移動体位置情報と、位置情報受信部152から与えられる携帯装置位置情報とによって、移動体101が接近している携帯装置230を検知する。移動体101が接近している携帯装置230がある場合には、接近検知部254は、接近通知部155に指示することで、その携帯装置230に移動体101の接近を通知させる。
【0080】
図9は、実施の形態2に係る出力システム200での動作を示すシーケンス図である。
まず、携帯装置230のGPS受信部133は、GPSアンテナ131がGPS衛星103から受信したGPS信号に基づいて現在位置を定周期で測定する(S30)。そして、GPS受信部133は、測定された現在位置を示す携帯装置位置情報を制御部237に定周期で与える。
【0081】
携帯装置230の制御部237は、その携帯装置位置情報を、無線通信部135に与え、無線通信部135が無線通信用アンテナ132を介して位置情報サーバ250にその携帯装置位置情報を送る(S31)。実施の形態2では、携帯装置位置情報が、定周期で位置情報サーバ250に送られる。
【0082】
また、移動局110のGPS受信部113は、GPSアンテナ111がGPS衛星103から受信したGPS信号に基づいて現在位置を定周期で測定する(S32)。そして、GPS受信部113は、測定された現在位置を示す移動体位置情報を制御部115に定周期で与える。
【0083】
移動局110の制御部115は、その移動体位置情報を無線通信部114に与え、無線通信部114が位置情報送信用アンテナ112を介して、その移動体位置情報を位置情報サーバ250に送る(S33)。
【0084】
位置情報サーバ250の位置情報受信部152は、通信部151が受信した移動体位置情報を、移動体位置情報DB153に保存する(S34)。
【0085】
位置情報サーバ250の接近検知部254は、携帯装置位置情報で示される位置と、軌道位置情報DB256に保存されている軌道位置情報とから、携帯装置230と、軌道との最短距離を算出する(S35)。
【0086】
そして、接近検知部254は、算出された最短距離と、第一の閾値とを比較する(S36)。
【0087】
そして、その最短距離が第一の閾値未満である場合には、接近検知部254は、処理をステップS37に進める。なお、その最短距離が第一の閾値以上である場合には、接近検知部254は、再度、携帯装置位置情報が受信されるまで待機する。
【0088】
ステップS37では、接近検知部254は、携帯装置位置情報と、移動体位置情報DB153に保存されている移動体位置情報とから、携帯装置230と、移動体101との間の直線距離を算出する。
【0089】
そして、接近検知部254は、算出された直線距離と、第二の閾値とを比較する(S38)。
【0090】
その直線距離が第二の閾値未満である場合には、接近検知部254は、接近通知部155に指示することで、携帯装置230に移動体101の接近を通知させる(S40)。
なお、その直線距離が第二の閾値以上である場合には、接近検知部254は、接近通知部155に指示を行わない。このため、接近通知部155は、携帯装置230に移動体101の接近を通知しない。
【0091】
携帯装置230の無線通信部135は、位置情報サーバ250から移動体101の接近を通知する無線信号を無線通信用アンテナ132を介して受信し、制御部237に接近を通知する。そのような通知を受けた制御部237は、音声出力部138に警報の鳴動を指示する。その指示に従って、音声出力部138は、警報を鳴動させる(S40)。携帯装置230が鳴動することで、それを所持する人は移動体101の接近を知ることができる。
【0092】
以上のように、実施の形態2によれば、携帯装置230は、携帯装置230の位置情報を、軌道102との間の距離に関わらず、位置情報サーバ250に送信するようにしたので、携帯装置230が軌道102の位置情報を保存する必要がない。よって、携帯装置230の保持するデータの量を削減することができる。
【符号の説明】
【0093】
100,200 出力システム、 101 移動体、 102 軌道、 103 GPS衛星、 110 移動局、 111 GPSアンテナ、 112 位置情報送信用アンテナ、 113 GPS受信部、 114 無線通信部、 115 制御部、 130,230 携帯装置、 131 GPSアンテナ、 132 無線通信用アンテナ、 133 GPS受信部、 134 軌道位置情報DB、 135 無線通信部、 136 距離算出部、 137,237 制御部、 138 音声出力部、 150,250 位置情報サーバ、 151 通信部、 152 位置情報受信部、 153 移動体位置情報DB、 154,254 接近検知部、 155 接近通知部、 256 軌道位置情報DB。