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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】排水設備用の液位検知ユニット
(51)【国際特許分類】
   E03F 1/00 20060101AFI20240906BHJP
   E03F 5/06 20060101ALN20240906BHJP
【FI】
E03F1/00 Z
E03F5/06 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021140192
(22)【出願日】2021-08-30
(65)【公開番号】P2023034109
(43)【公開日】2023-03-13
【審査請求日】2024-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】大森 清
(72)【発明者】
【氏名】坂井 仁
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-076850(JP,A)
【文献】実開昭60-069266(JP,U)
【文献】特開2018-193857(JP,A)
【文献】実開昭59-066117(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0272203(US,A1)
【文献】米国特許第04771272(US,A)
【文献】特開2012-026109(JP,A)
【文献】特開平10-066661(JP,A)
【文献】中国実用新案第211401359(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00
E03F 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水設備内にケーブルを介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液位センサと、
前記排水設備内において前記ケーブルの延び方向に延び、前記ケーブルを介して前記液位センサを浮き上がり可能に支持する支持プレートと、
前記ケーブルの延び方向に対して交差して該ケーブルを前記支持プレートに押圧する押圧部材と、
を備え、
前記押圧部材の少なくとも前記ケーブルとの接触部は、円弧を持って形成されていて、前記ケーブルの曲率半径以上の曲率半径を有する
ことを特徴とする排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項2】
前記押圧部材における前記接触部と、前記支持プレートとの最小の間隔は、前記ケーブルの外径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項3】
前記押圧部材を支持する一対の支持部を備え、
前記一対の支持部はそれぞれ、前記押圧部材の端部をそれぞれ支持する少なくとも1つの支持個所を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項4】
前記支持部は、前記ケーブルの延び方向に沿って互いに連続した複数の前記支持個所を有することを特徴とする請求項3に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項5】
前記支持部は、前記支持プレートにおいて前記ケーブルの延び方向に沿って複数の所定の位置に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項6】
前記一対の支持部のうち少なくとも一方の支持部は、前記液位センサに面する側が丸味を持って形成された丸角部を有することを特徴とする請求項3から5までのいずれか一項に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項7】
前記押圧部材は、円筒状に形成されており、一方から他方に挿通された帯状の結束部材により前記支持プレートに取り付けられていることを特徴とすることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一項に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項8】
前記押圧部材は、少なくとも一方の端部の側に前記接触部に対して外側に拡幅した拡幅部を有し、
前記拡幅部と前記支持プレートとの間隔は、前記ケーブルの外径よりも小さい
ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項9】
前記ケーブルは、前記押圧部材に対して少なくとも一回り巻かれていることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【請求項10】
前記支持プレートに対して直角をなすように設けられて、前記排水設備に取り付けられて、該排水設備の側から前記液位センサを覆う取付プレートを備えることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の排水設備用の液位検知ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水設備用の液位検知ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、気候変動に伴い、各地で水害が発生している。水害の発生は年々増加し、災害の規模も大きくなっている。例えば、集中豪雨が突然に発生した場合、道路上の大量の雨水が下水道、河川、道路脇の側溝等に流れ込むことになる。流れ込んだ水量が想定を超えた場合、下水道、河川、道路脇の側溝等から水が溢れ出すことになり、交通網の遮断、住宅への浸水などの被害をもたらすことがある。
【0003】
例えば、下水や雨水などを貯留する汚水槽(排水設備)の内部で上下方向に延びる筒状部材内に設けられていて、吊りロープと、複数のフロートスイッチ(液位センサ)と、を備えるフリクト式の液位検出装置(液位検知ユニット)が知られている(例えば、特許文献1参照)。液位検出装置は、内部が中空であるケース内に固定される。フロートスイッチは、水平よりも上側に設定された所定の動作角度より上方に傾斜するとオンになり、許容される所定の液位(警戒液位)を検出する。
【0004】
また、所定の位置において保持具により位置決めされたフロートスイッチが知られている(例えば、特許文献2参照)。フロートスイッチのケーブルは、水中において保持具により保持されている。保持具の位置は、下限液位と上限液位との間のほぼ中央に位置している。フロートスイッチの本体部は、保持具から略水平方向に延出したケーブルを介して、検出する液位に応じて保持具を中心に上下に浮き沈みする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-26109号公報
【文献】特開昭57-19926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、住宅の周りに設けられた雨水マスなどの排水設備における液位変化の検知は、水害の発生を知るという点において重要である。雨水マスにおいては、グレーチングのような格子状の蓋が用いられる。グレーチングを通じて、想定以上の雨水が雨水マス内に流れ込んだ場合、液面が急激上昇し、雨水マス内の液面が下がった場合、フロートスイッチも水面の下降に併せて下がる。
【0007】
長期にわたって液面の上昇及び下降が繰り返されると、フロートスイッチも併せて上下に繰り返し浮き沈みする。フロートスイッチの浮き沈みに併せて、例えば、特許文献2に記載の保持具との接触箇所において、保持具に対するケーブルの局所的な接触が繰り返される。ケーブルが繰り返し保持具に接触することにより、ケーブルにおいて断線が発生するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、液面が繰り返し上昇及び下降しても、ケーブルに対する負荷を軽減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る液位検知ユニットは、排水設備内にケーブルを介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液位センサと、前記排水設備内において前記ケーブルの延び方向に延び、前記ケーブルを介して前記液位センサを浮き上がり可能に支持する支持プレートと、前記ケーブルの延び方向に対して交差して該ケーブルを前記支持プレートに押圧する押圧部材と、を備え、前記押圧部材の少なくとも前記ケーブルとの接触部は、円弧を持って形成されていて、前記ケーブルの曲率半径以上の曲率半径を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、液面が繰り返し上昇及び下降しても、ケーブルに対する負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本発明の一実施の形態に係る液位検知ユニットがグレーチングに取り付けられた状態を上方から見た示す斜視図である。
図1B図1Aにおける液位検知ユニットがグレーチングに取り付けられた状態を下方から見た示す斜視図である。
図2】本実施の形態に係る液位検知ユニットの斜視図である。
図3A】プレート部材を上方から見た斜視図である。
図3B】プレート部材を示す斜視図であり、位置調節具は取り外されている。
図4A】位置調節具の構成を説明するための斜視図である。
図4B】位置調節具の支持部材の構成を説明するための斜視図である。
図5】液位センサの構成を説明するための図である。
図6A】動作前の液位センサの状態を示す部分的な断面図である。
図6B】動作後の液位センサの状態を示す部分的な断面図である。
図7】位置調節具が他の警戒水位に対応した位置に設けられた状態を示す図である。
図8】変形例1に係る位置調節具20Aの構成を説明するための斜視図である。
図9A】変形例2に係る位置調節具の構成を説明するための斜視図である。
図9B図9BのB-B線に沿った断面図である。
図10A】変形例1に係る支持部材の構成を説明するための斜視図である。
図10B】変形例2に係る支持部材の構成を説明するための斜視図である。
図11A】変形例に係るプレート部材の構成を説明するための斜視図である。
図11B】変形例に係るプレート部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0013】
〔1〕排水設備内にケーブル(50)を介して吊り下げられ、液面(WL)が所定の液位(K1;K2)に達したことを検知するフロート型の液位センサ(30)と、排水設備内においてケーブル(50)の延び方向に延び、ケーブル(50)を介して液位センサ(30)を浮き上がり可能に支持する支持プレート(12;12A)と、ケーブル(50)の延び方向に対して交差して該ケーブル(50)を支持プレート(12;12A)に押圧する押圧部材(22;22A)と、を備え、押圧部材(22;22A)の少なくともケーブル(50)との接触部は、円弧を持って形成されていて、ケーブル(50)の曲率半径以上の曲率半径を有することを特徴とする。
【0014】
〔2〕押圧部材(22;22A;22B)における接触部と、支持プレート(12;12A)との最小の間隔は、ケーブル(50)の外径よりも小さい。
【0015】
〔3〕押圧部材(22;22A;22B)を支持する一対の支持部(21;21A;21B;121A)を備え、一対の支持部(21;21A;21B;121A)はそれぞれ、押圧部材(22;22A;22B)の端部をそれぞれ支持する少なくとも1つの支持個所(212a;212c;212f;123A)を有する。
【0016】
〔4〕支持部(21;21A;21B;123A)は、ケーブル(50)の延び方向に沿って互いに連続した複数の支持個所(212c;212f;123A)を有する。
【0017】
〔5〕支持部(21;21A;21B)は、支持プレート(12)においてケーブル(50)の延び方向に沿って複数の所定の位置に着脱自在に取り付けられている。
【0018】
〔6〕一対の支持部(21)のうち少なくとも一方の支持部(21)は、液位センサ(30)に面する側が丸味を持って形成された丸角部(214)を有する。
【0019】
〔7〕押圧部材(22)は、円筒状に形成されており、一方から他方に挿通された帯状の結束部材(23)により支持プレート(12)に取り付けられている。
【0020】
〔8〕押圧部材(22A)は、少なくとも一方の端部の側に接触部(221A)に対して外側に拡幅した拡幅部(222A)を有し、拡幅部(222A)と支持プレート(12)との間隔は、ケーブル(50)の外径よりも小さい。
【0021】
〔9〕ケーブル(50)は、押圧部材(22;22A;20B)に対して少なくとも一回り巻かれている。
【0022】
〔10〕支持プレート(12;12A)に対して直角をなすように設けられて、排水設備に取り付けられて、排水設備の側から液位センサ(30)を覆う取付プレート(11;11A)を備える。
【0023】
以下に、本発明の実施の形態等について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、実施の形態等において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0024】
本実施の形態に係る液位検知ユニット1は、排水設備内にケーブル50を介して吊り下げられ、液面が所定の液位に達したことを検知するフロート型の液位センサ30と、排水設備内においてケーブル50の延び方向に延び、ケーブル50を介して液位センサ30を浮き上がり可能に支持する支持プレート12と、ケーブル50の延び方向に対して交差してケーブル50を支持プレート12に押圧する棒状の押圧部材22と、を備え、押圧部材22の少なくともケーブルとの接触部は、円弧を持って形成されていて、ケーブル50の曲率半径以上の曲率半径を有することを特徴とする。以下、本実施の形態に係る液位検知ユニット1について具体的に説明する。
【0025】
本実施の形態に係る液位検知ユニット1は、例えば、雨水を流す側溝に設けられている雨水マスなどの排水設備のグレーチング500に取り付けられる。図1Aは、本発明の一実施の形態に係る液位検知ユニット1がグレーチング500に取り付けられた状態を上方から見た斜視図である。図1Bは、図1Aにおける液位検知ユニット1がグレーチング500に取り付けられた状態を下方から見た斜視図である。
【0026】
液位検知ユニット1は、許容量を超えた水が排水設備内に入り込み、雨水マス内の水面(液面)が所定の水位(以下、「警戒水位」ともいう)に達したことを検知する。液位検知ユニット1は、例えば、公知の排水設備に適用され、適用される排水設備は、特定の排水設備に限定されない。例えば、本実施の形態に係る液位検知ユニット1は、排水設備に設けられる格子状のグレーチング500に取り付けられる。
【0027】
[液位検知ユニット]
図2は、本実施の形態に係る液位検知ユニット1の斜視図である。液位検知ユニット1は、排水設備のグレーチング500に内側から取り付けられる。液位検知ユニット1は、グレーチング500に対して、ステンレス製の結束具510を介して取り付けられている(図1A図1B参照)。液位検知ユニット1は、プレート部材10と、液位センサ30と、ケーブル50と、電源装置70と、を備える。
【0028】
(プレート部材)
図3Aは、プレート部材10を上方から見た斜視図である。プレート部材10は、合成樹脂又は金属等により形成されており、取付プレート11と、支持プレート12と、位置調節具20と、を有する。プレート部材10は、取付プレート11と支持プレート12とが互いにL字状又は略L字状になるように連結された部材である。取付プレート11及び支持プレート12は、互いに一体に形成されていている。
【0029】
図3Bは、プレート部材10を示す斜視図であり、位置調節具20は取り外されている。プレート部材10の取付プレート11は、平面視矩形の板部材であり、グレーチング500に対してステンレス製の結束具510を介して支持可能である。取付プレート11は、複数の挿通孔111を有する。挿通孔111に結束具510が通されてグレーチング500に取り付けられる。取付プレート11は、後述する液位センサ30をその吊下げ方向において上側から覆っている。
【0030】
プレート部材10の支持プレート12は、平面視矩形の板部材であり、支持プレート12は、取付プレート11に対して直角をなすように設けられている。支持プレート12は、一方の短辺を取付プレート11の短辺に突きあわせたように、取付プレート11と一体に形成されている。支持プレート12は、グレーチング500に対して鉛直方向に延びる。支持プレート12は、ケーブル50を介して液位センサ30を支持する。支持プレート12には、液位センサ30を支持した状態において、例えば、ネジなどの締結具により電源装置70が取り付けられる。
【0031】
支持プレート12は、複数の挿通孔121を有する。2つの挿通孔121は、支持プレート12の短手方向に所定の間隔をあけて対をなして、支持プレート12の長手方向に所定の間隔をあけて2組の一対の挿通孔121が設けられている。各一対の挿通孔121の間にケーブル50が配置されて、ケーブル50は、例えば、公知の帯状の結束具(図示せず)などにより支持プレート12に固定される。なお、一対の挿通孔121は、2組に限定されない。
【0032】
支持プレート12は、さらに複数の位置調節孔122を有する。5つの位置調節孔122が支持プレート12の長手方向に並んで形成されている。短手方向において所定の間隔をあけて、一組5つの位置調節孔122が設けられている。各組の位置調節孔122は、短手方向において、一対の挿通孔121を挟むようにして設けられている。なお、各組において位置調節孔122の数は、5つに限定されない。
【0033】
各組において2つの位置調節孔122には、後述する支持部材(支持部)21が取り付けられる。取り付けられる位置調節孔122に応じて、支持プレート12の長手方向における支持部材21の位置が調節される。
【0034】
支持プレート12は、さらにスリット123を有している。スリット123は、支持プレート12の長手方向に沿って、一方の組の位置調節孔122にわたって延びている。スリット123には、後述する位置調節具20の押圧部材22を固定するための結束部材23が通される。
【0035】
図4Aは、位置調節具20の構成を説明するための斜視図である。図4Bは、位置調節具20の支持部材21の構成を説明するための斜視図である。支持プレート12には、位置調節具20が着脱自在に取り付けられている。位置調節具20は、支持部材(支持部)21と、押圧部材22と、結束部材23と、を有する。位置調節具20のうち支持部材21が支持プレート12に対して着脱自在に取り付けられる。
【0036】
支持部材21は、合成樹脂又は金属等により形成されている。支持部材21は、取付部211と、収容部212と、延出部213と、を有する。支持部材21は、1枚の板状の部材により形成されている。取付部211は、支持プレート12に取り付けられる部分である。取付部211は、2つの取付孔211aを有する。2つの取付孔211aの間隔は、支持プレート12の長手方向に直接的に隣接する2つの位置調節孔122の間隔と同じである。
【0037】
支持部材21は、取付部211の2つの取付孔211aを支持プレート12の2つの位置調節孔122と整合させて、取付孔211a及び位置調節孔122に、所定の締結具を挿通することにより、支持プレート12に取り付けられる。
【0038】
収容部212は、位置調節具20が支持プレート12に取り付けられた状態において、電源装置70とは反対の側に向かって突出している。収容部212は、取付部211の2つの取付孔211aが並ぶ方向に沿って延びる一方の縁部から延出するようになっている。収容部212は、取付部211に対して直角又は略直角をなしている。
【0039】
収容部212は、収容孔(支持個所)212aを有する。収容孔212aには、後述する押圧部材22の一端部が挿通されるようになっている。収容孔212aの内径は、押圧部材22の外径と同じ又は略同じである。
【0040】
延出部213は、位置調節具20が支持プレート12に取り付けられた状態において、取付プレート11に面する収容部212の縁、及び液位センサ30に面する収容部212の縁に設けられている。延出部213は、収容部212から取付部211の側に延出している。支持部材21は、延出部213が互いに異なる側に延出しているように、支持プレート12に取り付けられる。収容部212と延出部213との移行部(丸角部)214は、丸味をもって形成されている。
【0041】
なお、延出部213は、位置調節具20が支持プレート12に取り付けられた状態において、液位センサ30に面する収容部212の縁に設けられていればよい。また、延出部213は、2つの支持部材21のうち、一方の支持部材21にのみ設けられていてもよい。具体的には、液位センサ30の先端31に接続されているケーブル50の端に近い支持部材21にのみ延出部213が設けられていてもよい。
【0042】
押圧部材22は、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルなどの合成樹脂により形成されている。押圧部材22は、両端が開口した同一径の円筒状の部材である。押圧部材22は、支持プレート12の短手方向に対向して取り付けられている一対の支持部材21の間に設けられる。押圧部材22は、両端部の側において一対の支持部材21の収容孔212aに支持されている。押圧部材22は、支持部材21に支持された状態において、押圧部材22の中心を通る軸線方向における両端部が支持部材21から突出する程度の長さを有する。ケーブル50は、位置調節具20が支持プレート12に取り付けられた状態において、押圧部材22と支持プレート12との間に位置する。
【0043】
押圧部材22は、外周面の一部においてケーブル50と交差して接触する。ケーブル50と接触する押圧部材22の外周面の部分(接触部)は、円弧を有している。押圧部材22は、円弧状の接触部においてケーブル50を支持プレート12に向かって押し付けるように支持プレート12に設けられている。ケーブル50と接触する押圧部材22の円弧部分の曲率半径は、ケーブル50の直径又は押圧部材22と接触するケーブル50の部分の曲率半径よりも大きい。
【0044】
なお、押圧部材22は、ケーブル50との接触部において、押圧部材22と接触するケーブル50の部分の曲率半径よりも大きい曲率半径を有していれば、軸線方向に対して交差する断面形状は円形に限定されない。押圧部材22の断面形状は、例えば、楕円形、角丸長方形等であってもよい。
【0045】
押圧部材22が一対の位置調節孔122に支持された状態において、支持プレート12に最も近接する押圧部材22の外周面(接触部)と、支持プレート12との間の間隔は、ケーブル50の外径よりも小さい。つまり、支持プレート12と、支持部材21の収容孔212aとの最小間隔は、ケーブル50の外径よりも小さい。
【0046】
結束部材23は、帯状の部材である。結束部材23の一端は、押圧部材22の一端から他端に向かって挿通されて、支持プレート12のスリット123を通り、位置調整具20が取り付けられている側とは反対の支持プレート12の側を通されている。結束部材23は、その両端において互いに結束されている。これにより、押圧部材22は、支持部材21に対して固定される。なお、結束部材23は、公知の部材であってよい。
【0047】
(液位センサ及びケーブル)
図5は、液位センサ30の構成を説明するための図である。液位センサ30は、フロート型のセンサである。液位センサ30は、ケーブル50によりプレート部材10の支持プレート12に吊り下げられる。液位センサ30は、ケーブル50が支持プレート12に固定されることにより支持プレート12に支持される。液位センサ30は、液位が上昇するに伴い、鉛直方向に沿った吊下げ方向においてケーブル50が接続された先端31にケーブル50とは反対側の基端32が近づくように傾くことにより、警戒液位を検知する。
【0048】
液位センサ30は、内部に、ウェイト(図示せず)、球体(図示せず)、マイクロスイッチ(図示せず)等を有する。液位センサ30は、フロートとしての機能を有し、浮力より質量が大きくなっている。なお、液位センサ30は、特に限定されず、公知のフロート型のセンサを使用することができる。
【0049】
液位センサ30の中心を通る軸線x1に沿った液位センサ30の断面形状は、滴形又は略滴形である。軸線x1に対して交差する液位センサ30の断面形状は円形又は略円形である。液位センサ30の断面形状における直径は、ケーブル50が取り付けられた先端31の側から、軸線x1に沿って基端32に向かって連続的に大きくなっている。液位センサ30は、先端31から吊下げ方向において先端31とは反対側にある基端32の中心を延在する軸線x1が、例えば、水平状態に近づいていく過程においてスイッチがオンになる。
【0050】
ケーブル50は、例えば、ポリエチレンなどの絶縁性の外被により導電性の心線が覆われて形成されている。ケーブル50は、可撓性であり、吊下げ方向において、プレート部材10の支持プレート12の上側から取り付けられている。ケーブル50は、液位センサ30と電気的に接続されている。ケーブル50は、取付プレート11の側から支持プレート12に沿わされて延在している。ケーブル50の一端は、液位センサ30の先端31の側に接続されている。ケーブル50の他端は、支持プレート12の背後に設けられた電源装置70に接続されている。
【0051】
ケーブル50は、支持プレート12に沿って延在している。ケーブル50は、液位センサ30から所定の間隔をあけた位置で、例えば、帯状の締結具により支持プレート12に取り付けられてもよい。
【0052】
ケーブル50は、支持プレート12の側から押圧部材22に一回り巻かれている(図6A図6B参照)。つまり、支持プレート12と押圧部材22との間には、ケーブル50が2つの個所において押圧部材22により支持プレート12に向かって押し付けられている。なお、ケーブル50は、押圧部材22に巻かれずに、支持プレート12と押圧部材22との間で1個所において支持プレート12に押し付けられていてもよい。
【0053】
(電源装置)
電源装置70は、液位センサ30とは反対の側で支持プレート12に取り付けられている。電源装置70にはケーブル50が電気的に接続されている。電源装置70は、液位センサ30に対してケーブル50を介して電力を供給している。電源装置70は、2つの接続部71を有している(図2参照)。電源装置70とケーブル50とは、一方の接続部71において電気的に接続されている。
【0054】
(液位センサの動作)
図6Aは、動作前の液位センサ30の状態を示す部分的な断面図である。図6Bは、動作後の液位センサ30の状態を示す部分的な断面図である。液位センサ30が検知する警戒液位K1は、グレーチング500から液位センサ30の吊下げ方向に沿って、所定の間隔をあけた位置に任意に設定される。水面WLが警戒液位K1に達すると、例えば、グレーチング500から水が溢れ出すおそれがあることの指標となる。
【0055】
例えば、液位センサ30は、基端32から所定の高さ位置における液位を検知するようになっている。位置調節具20の位置を調整して、適宜、液位センサ30の吊り下げ位置を変更して、軸線x1を通る基端32からの所定の高さ位置を任意に設定された警戒液位K1に対応させることができる。なお、ケーブル50において押圧部材22により支持プレート12に向かって押し付けられる位置及び液位センサ30の先端31から押圧される位置までのケーブル50の長さを調整して、液位センサ30の吊り下げ位置を変更した場合、液位センサ30の可動範囲が大きくなり、可動範囲を確保するために装置が大型化することがあり好ましくない。
【0056】
グレーチング500を通じて流入する雨量の増加に伴い、水面WLが液位センサ30の基端32にまで達し、液位センサ30が浮かび出す。液位センサ30は、ケーブル50とともに傾きながら支持プレート12から離れるように浮き上がる。
【0057】
液位センサ30は、浮力より質量が大きくなっている。液位センサ30において浮力の中心点は基端32の側にあり、液位センサ30の重心は先端31の側に位置している。そのため、浮力の中心点と重心とがずれていることにより、液位センサ30に回転モーメントが発生する。回転モーメントの発生により、液位センサ30は、水面WLが上昇するに伴い、液位センサ30の先端31が傾いて、吊り下げ方向において液位センサ30の先端31と基端32とが接近し、軸線x1が水平又は略水平に近づく(図6B参照)。
【0058】
例えば、水面WLが警戒液位K1にまで達して、液位センサ30の軸線x1が支持プレート12との間で所定の角度を超えると、内部の球体が転がりマイクロスイッチがオンになる。液位センサ30は、排水設備内の水面WLが警戒液位K1に達したことを警告する信号を外部機器に送信する。
【0059】
以上のような液位検知ユニット1においては、水面の上昇に伴い液位センサ30は浮き上がる。液位センサ30の先端31の側のケーブル50は、液位センサ30の浮き上がりに伴い支持プレート12の側から位置調節具20の押圧部材22の側に持ち上がる。これにより、ケーブル50への負荷は局所的に高まることになる。
【0060】
本実施の形態における押圧部材22は、円筒状に形成されており、ケーブル50との接触する接触部の曲率半径は、ケーブル50の曲率半径よりも大きくなっている。つまり、押圧部材22の太さは、ケーブル50の太さよりも大きい。したがって、押圧部材22との接触部においてケーブル50が屈曲することは防がれ、ケーブル50への局所的な負荷を大幅に抑制及び軽減することができる。
【0061】
押圧部材22の円弧部分の曲率半径が、ケーブル50の直径又は曲率半径より小さい場合、液位センサ30の浮き上がりに伴い、押圧部材22に対してケーブル50が屈曲することがあり、このような事象は好ましくない。センサ30が上昇及び下降を繰り返しても、押圧部材22により、ケーブル50への負荷は軽減され、長期にわたる液位センサ30の信頼性を担保することができる。
【0062】
さらに、ケーブル50が接触する押圧部材22と支持プレート12との間の最小間隔がケーブル50の外径又は太さ以下であるので、ケーブル50は、押圧部材22によって支持プレート12に対して押し付けられている。これにより、液位センサ30が浮き上がる際に2つの支持部材21間でのケーブル50の移動を抑制して、液位センサ30及びケーブル50が支持部材21と接触することを防ぐことができる。支持部材21と液位センサ30及びケーブル50との不都合な接触を回避することにより、液位センサ30及びケーブル50の損傷が防がれる。
【0063】
さらに、支持部材21は、丸味を帯びて形成されている移行部214を有しているので、例えば、水位の急激な上昇に伴い液位センサ30が2つの支持部材21の間で左右に振られながら上昇して、ケーブル50が支持部材21に接触した場合であってもケーブル50が損傷することを防ぐことができる。
【0064】
さらに、円筒状に形成された押圧部材22は、結束部材23が挿通された状態において支持部材21に支持されて、支持部材21の収容孔212aにおいて支持プレート12の側に向かって押し付けられているので、押圧部材22の軸線方向に沿った移動を抑制することができる。これにより、押圧部材22が、支持部材21から抜け落ちることが防がれる。
【0065】
さらに、取付プレート11は、グレーチング500に取り付けられた状態において、液位センサ30を上方から覆うようになっている。これにより、例えば、雨水が排水設備内に流入してきた場合、取付プレート11がいわゆる屋根となり、流入する雨水による液位センサ30による液面WLの検知に対する影響を最小限に抑えることができる。
【0066】
さらに、位置調節具20は、支持プレート12に対して着脱自在であるので、液位センサ30の作動位置、つまり測定したい警戒水位の位置の調節に関する自由度が高くなる。図7は、位置調節具20が警戒水位K2に対応した位置に設けられた状態を示す図である。警戒水位Kの位置に応じて、ケーブル50の長さ及び支持プレート12における位置調節具20の位置調節が必要になる。
【0067】
例えば、警戒水位の変更により、警戒水位K1を検知するように位置決めされていた液位センサ30によって、警戒水位K1より下側に位置する警戒水位K2を検知したい。この場合、液位センサ30によって警戒水位K1を検知するように5つの位置調節孔122のうち上から2つの位置調節孔122を介して位置調節具20が取り付けられてある場合、液位センサ30は、警戒水位K2よりも上側にある警戒水位K1において作動するため、警戒水位K2に水位が達した場合であっても液位センサ30は、警報を発することはできない。
【0068】
本実施の形態に係る液位検知ユニット1によれば、位置調節具20は、着脱自在に支持プレート12に取り付けられているので、警戒水位K2に併せて支持部材21を支持プレート12の長手方向において位置調節可能である。支持プレート12には、各組5つの位置調節孔122が設けられているので、4段階での支持部材21の位置調節が可能になる。これにより、液位検知ユニット1の設置個所において検知したい警戒水位が変更された場合であっても、柔軟に液位センサ30の位置を変更して、種々異なる警戒水位の検知に対応することができる。
【0069】
<位置調節具の変形例>
上記の本実施の形態において位置調節具20の押圧部材22は、同一径を有する円筒状の部材であったが、他の形状であってもよい。図8は、変形例1に係る位置調節具20Aの構成を説明するための斜視図である。以下、位置調節具20と異なる部分について主として説明し、位置調節具20と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0070】
位置調節具20Aは、支持部材21と、押圧部材22Aと、結束部材23と、を有する。押圧部材22Aは、押圧部221Aと、拡幅部222Aと、を有する。押圧部221Aは、ケーブル50と接触する接触部である。押圧部221Aにおける曲率半径は、ケーブル50の直径又は押圧部材22と接触するケーブル50の部分の曲率半径よりも大きい。
【0071】
拡幅部222Aは、接触してケーブル50を支持プレート12に押し付ける部分の外周面に対して外方に拡幅している。拡幅部222Aは、押圧部材22Aの軸線方向に沿って一方の端部の側に一体に設けられている。具体的には、拡幅部222Aは、押圧部材22Aの一方の端部の側の縁から所定の間隔をあけて設けられている。拡幅部222Aは、押圧部材22Aが支持部材21に支持された状態において、液位センサ30の先端31に接続されているケーブル50の側に位置している。
【0072】
拡幅部222Aと支持プレート12との最小の間隔は、ケーブル50の直径又は太さよりも十分に小さい。押圧部材22Aによれば、水面の上昇に伴う液位センサ30の左右の揺れを十分に抑制することができる。これにより、液位センサ30及びケーブル50と支持部材21との接触は回避される。
【0073】
また、拡幅部222Aは、押圧部材22の両方の端部の側に設けられていてもよい。この場合、ケーブル50は、押圧部材22と支持プレート12との間において、拡幅部222Aにより、押圧部材22の軸線方向において両側から挟み込まれるようになる。これにより、ケーブル50の移動及び揺動をより確実に抑制することができる。
【0074】
なお、拡幅部222Aは、押圧部材22Aと一体に形成されていたが、別体に形成されていてもよい。別体の拡幅部222Aの場合、拡幅部222Aは、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルなどの合成樹脂により円筒状に形成されていて、内径が押圧部材22の外径と同じ又は僅かに小さく、押圧部221Aに嵌め込まれている。
【0075】
また、本実施の形態の位置調節具20及び変形例1に係る位置調節具20Aは、支持部材21によって着脱自在に支持プレート12に取り付けられていたが、支持部材21を設けなくてもよい。図9Aは、変形例2に係る位置調節具20Bの構成を説明するための斜視図である。図9Bは、図9AのB-B線に沿った断面図である。以下、液位検知ユニット1と異なる部分について主として説明し、液位検知ユニット1と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0076】
液位検知ユニット1は、プレート部材10と、液位センサ30と、ケーブル50と、電源装置70と、を備える。プレート部材10は、合成樹脂又は金属等により形成されており、取付プレート11と、支持プレート12と、位置調節具20Bと、を有する。
【0077】
位置調節具20Bは、押圧部材22と、結束部材23と、を有する。つまり、位置調節具20Bは、位置調節具20における支持部材21を有していない。位置調節具20Bを用いた場合、押圧部材22は、ケーブル50によって支持されている。位置調節具20Bの場合、ケーブル50は、押圧部材22に一回り巻かれているので、押圧部材22は、2つの個所においてケーブル50によって支持されている。これにより、押圧部材22は、その軸線方向に沿って安定してケーブル50によって支持することができる。
【0078】
押圧部材22と支持プレート12との間におけるケーブル50による接触部の間隔は、適宜調節可能であり、間隔を広げることにより、押圧部材22の安定性を上げることができる。
【0079】
位置調節具20Bの場合、支持プレート12に沿って押圧部材22の位置を調節して、結束部材23により支持プレート12に対して位置固定することにより、所定の警戒水位に対応した位置に液位センサ30を設置することができる。
【0080】
<変形例1:支持部材>
また、上記の実施の形態において、支持部材21は、支持個所として押圧部材22を一個所でのみ支持する収容孔212aを有していたが、押圧部材22を複数の支持個所において支持する収容孔を有していてもよい。図10Aは、変形例1に係る支持部材21Aの構成を説明するための斜視図である。以下、支持部材21と異なる部分について主に説明し、支持部材21と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0081】
変形例1に係る支持部材21Aは、取付部211と、収容部212と、を有する。取付部211は、2つの取付孔211aを有する。2つの取付孔211aの間隔は、支持プレート12の長手方向に直接的に隣接する2つの位置調節孔122の間隔と同じである。収容部212は、収容孔212bを有する。収容孔212bには、押圧部材22の一端部が挿通されるようになっている。
【0082】
収容孔212bは、2つの個所において押圧部材22を支持するよう形成されている。具体的には、収容孔212bは、押圧部材22の外径と同じ又は略同じ内径の孔を偏心して重ねた孔として形成されていて、2つの支持個所212cを有する。
【0083】
2つの支持個所212cは、支持部材21が支持プレート12に取り付けられた状態において、上下方向に並んでいる。2つの支持個所212cの間には、互いに対向する位置で互いに向かい合って突出する一対の凸部212dが設けられている。
【0084】
一方の支持個所212cに押圧部材22が一端部の側で支持された場合、押圧部材22は、一部の円弧部分が他方の支持個所212cに入り込んでいるが、一対の凸部212dにおいて他方の支持個所212cへ移動することはできない。
【0085】
変形例1に係る支持部材21Aによれば、支持プレート12における位置調節孔122に対して複数の位置に選択可能に取付け可能であるとともに、2つの支持個所212cにおいて選択的に押圧部材22を支持することができる。これにより、液位センサ30は、検知したい警戒水位の位置に柔軟に対応することができる。
【0086】
<変形例2:支持部材>
図10Bは、変形例2に係る支持部材21Bの構成を説明するための斜視図である。以下、支持部材21と異なる部分について主に説明し、支持部材21と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0087】
変形例2に係る支持部材21Bは、取付部211と、収容部212と、を有する。取付部211は、2つの取付孔211aを有する。2つの取付孔211aの間隔は、支持プレート12おいて長手方向に隣接する位置調節孔122のうち、一の位置調節孔122とその2つ隣にある位置調節孔122との間隔と同じである。
【0088】
収容部212は、収容孔212eを有する。収容孔212eには、押圧部材22の一端部が挿通されるようになっている。収容孔212eは、3つの個所において押圧部材22を支持するよう形成されている。具体的には、収容孔212eは、押圧部材22の外径と同じ又は略同じ内径の孔を偏心して重ねた孔として形成されていて、3つの支持個所212fを有する。
【0089】
3つの支持個所212fは、支持部材21が支持プレート12に取り付けられた状態において、上下方向に並んでいる。3つの支持個所212fの間にはそれぞれ、互いに対向する位置で、互いに向かい合って突出する一対の凸部212gが設けられている。
【0090】
一方の支持個所212fに押圧部材22が一端部の側で支持された場合、押圧部材22は、一部の円弧部分が他方の支持個所212fに入り込んでいるが、一対の凸部212gにおいて他方の支持個所212fへ移動することはできない。
【0091】
変形例2に係る支持部材21Bによれば、支持プレート12における位置調節孔122に対して複数の位置に選択可能に取付け可能であるとともに、3つの支持個所212fにおいて選択的に押圧部材22を支持することができる。これにより、液位センサ30は、検知したい警戒水位の位置に柔軟に対応することができる。
【0092】
なお、支持部材21,21A,21Bにおいて、収容部212はそれぞれ、孔として形成された収容孔212a,212b,212eを有していたが孔に限定されない。例えば、支持プレート12とは反対の側の収容部212の縁部から円弧状に凹に支持個所が形成されていてもよい。
【0093】
また、上記の実施の形態において取付プレート11及び支持プレート12は、一体に形成されており、支持部材21は、支持プレート12に着脱自在に形成されていたが、取付プレート11及び支持プレート12は、別体に形成されており、支持プレート12に支持部材21に相当する部分が一体に形成されていてもよい。
【0094】
<変形例:プレート部材>
図11Aは、変形例に係るプレート部材10Aの構成を説明するための斜視図である。図11Bは、変形例に係るプレート部材10Aの側面図である。以下、プレート部材10と異なる部分について主として説明し、プレート部材10と同じ部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0095】
プレート部材10Aは、取付プレート11Aと、支持プレート12Aと、により形成されている。プレート部材10Aは、取付プレート11Aと支持プレート12Aとが互いにL字状又は略L字状になるように連結された部材である。取付プレート11A及び支持プレート12Aは、互いに金属製の2つのアングル部材13Aを介して互いに連結されている。
【0096】
取付プレート11Aは、合成樹脂又は金属等により形成された平面視矩形の板部材である。取付プレート11Aは、グレーチング500に対してステンレス製の結束具510を介して支持可能である。取付プレート11Aは、複数の挿通孔111を有する。挿通孔111に結束具510が通されてグレーチング500に取り付けられる。
【0097】
支持プレート12Aは、合成樹脂又は金属等により形成された平面視矩形の板部材である。アングル部材13Aを介して取付プレート11Aに対して直角に取り付けられている。支持プレート12Aは、一方の短辺を取付プレート11Aの短辺に突きあわせた状態において互いに連結されている。支持プレート12Aは、グレーチング500に対して鉛直方向に延びる。支持プレート12Aは、ケーブル50を介して液位センサ30を支持する。
【0098】
支持プレート12Aは、一対の支持部121Aを有する。例えば、支持プレート12Aが金属プレート等により形成されている場合、支持部121Aは、支持プレート12Aに対するプレス加工等により、電源装置70が取り付けられる側とは反対の側に折り曲げられている。支持部121Aは、収容孔122Aを有する。収容孔122Aには、後述する押圧部材22Bの一端部が挿通されるようになっている。なお、例えば、支持プレート12Aが合成樹脂により形成されている場合、支持部121Aは、支持プレート12Aと一体に成形されている。
【0099】
収容孔122Aは、2つの個所において押圧部材22Bを支持するよう形成されている。具体的には、収容孔122Aは、押圧部材22Bの外径と同じ又は略同じ内径の孔を偏心して重ねた孔として形成されていて、2つの支持個所123Aを有する。
【0100】
2つの支持個所123Aは、支持プレート12Aの長手方向に沿って上下に並んでいる。2つの支持個所123Aの間には、互いに対向する位置で、互いに向かい合って突出する一対の凸部124Aが設けられている。
【0101】
支持部121Aは、各支持個所123Aの電源装置70の側にそれぞれ2つのボルト孔125Aが設けられている。
【0102】
支持部121Aに支持される押圧部材22Bは、円柱状に形成されている。ケーブル50と接触する押圧部材22Bの円弧部分の曲率半径は、ケーブル50の直径又は押圧部材22Bと接触するケーブル50の部分の曲率半径よりも大きい。
【0103】
収容孔122Aの一方の支持個所123Aに押圧部材22Bが支持された状態において、押圧部材22Bの両端部は、支持部121Aから突出していない。対応するボルト孔125Aには座金W及びボルトBが挿入されている。この状態において、座金Wは、その周縁部が部分的に収容孔122A及び支持個所123Aに重なるように突き出している。これにより、押圧部材22Bは、その軸線方向に沿って移動することはない。なお、収容孔122Aにおける押圧部材22Bの支持個所123Aは、2つに限られず、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0104】
一方の支持個所123Aに押圧部材22Bが一端部の側で支持された場合、押圧部材22Bは、一部の円弧部分が他方の支持個所123Aに入り込んでいるが、一対の凸部124Aにおいて他方の支持個所123Aへ移動することはできない。
【0105】
<その他>
以上、本発明の好適な実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態及び変形例における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。例えば、液位検知ユニット1に2つの液位センサ30を設けてもよい。
【0106】
2つの液位センサ30を設ける場合、取付プレート11;11Aとは反対の側の支持プレート12;12Aの端に、別の支持プレート12;12Aが接続されている。上下方向において上側の一の液位センサ30の下側に他の液位センサが設けられる。これにより、一の液位検知ユニット1によって、複数の警戒水位を設定し、検知することができる。
【符号の説明】
【0107】
1・・・液位検知ユニット
10,10A・・・プレート部材
11,11A・・・取付プレート
12,12A・・・支持プレート
20,20A,20B・・・位置調節具
21,21A,21B,121A・・・支持部材(支持部)
212a・・・収容孔(支持個所)
212c,212f,123A・・・収容孔(支持個所)
213・・・延出部
214・・・移行部(丸角部)
22,22A,22B押圧部材
221A 押圧部
222A 拡幅部
23・・・結束部材
30・・・液位センサ
50・・・ケーブル
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B