(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】互いに相対して配置可能なクロージャ部を備えるクロージャ装置
(51)【国際特許分類】
F16B 21/04 20060101AFI20240906BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20240906BHJP
A44B 13/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
F16B21/04 A
F16B7/20 A
A44B13/00
(21)【出願番号】P 2021518758
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2020077328
(87)【国際公開番号】W WO2021064002
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102019215277.5
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515160367
【氏名又は名称】フィドロック・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FIDLOCK GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(72)【発明者】
【氏名】ビュットナー・ハイコ
(72)【発明者】
【氏名】ヒラー・ラッセ
(72)【発明者】
【氏名】ボトクス・ブライド
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー・ヨアヒム
【審査官】山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06295702(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0248793(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 21/00-21/20
F16B 7/00-7/22
F16B 5/00-5/12
F16B 1/00-1/04
A44B 13/00
H01F 7/02
A45C 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャ装置(1,1A~1D)であって、
当該クロージャ装置(1,1A~1D)を閉止するのに閉止方向(X)に沿って互いに向かい合って配置されることが可能であり、閉止位置にて互いに連結される、本体(20)を有する第1のクロージャ部(2,2A~2D)、および第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記本体(20)に対して調節可能である少なくとも1つのロックエレメント(23)と、
前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)に形成された少なくとも1つの係合部位(310)と、を備え、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)と前記少なくとも1つの係合部位(310)とは、閉止位置にて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とが互いにロックされるように相互に係合する、クロージャ装置(1,1A~1D)において、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、第1の磁性設備(22)を具備しており、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、第2の磁性設備(32)を具備しており、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)とは、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用し、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備(22)及び/又は前記第2の磁性設備(32)によって牽引されるように磁性を有する構成であり、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、調節部(21)、および当該調節部(21)と作動可能に接続されて回転軸心(D)回りに回転可能である作動エレメント(24)を含み、当該作動エレメント(24)を回転させると、前記調節部(21)は、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)を前記少なくとも1つの係合部位(310)から脱係合させて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、を互いに切り離すように、駆動方向(B)に駆動可能であ
り、
前記駆動方向(B)が、前記回転軸心(D)に沿った向きであることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項2】
請求項1に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記回転軸心(D)が、前記閉止方向(X)に沿った向きであることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項3】
クロージャ装置(1,1A~1D)であって、
当該クロージャ装置(1,1A~1D)を閉止するのに閉止方向(X)に沿って互いに向かい合って配置されることが可能であり、閉止位置にて互いに連結される、本体(20)を有する第1のクロージャ部(2,2A~2D)、および第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記本体(20)に対して調節可能である少なくとも1つのロックエレメント(23)と、
前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)に形成された少なくとも1つの係合部位(310)と、を備え、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)と前記少なくとも1つの係合部位(310)とは、閉止位置にて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とが互いにロックされるように相互に係合する、クロージャ装置(1,1A~1D)において、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、第1の磁性設備(22)を具備しており、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、第2の磁性設備(32)を具備しており、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)とは、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用し、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備(22)及び/又は前記第2の磁性設備(32)によって牽引されるように磁性を有する構成であり、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、調節部(21)、および当該調節部(21)と作動可能に接続されて回転軸心(D)回りに回転可能である作動エレメント(24)を含み、当該作動エレメント(24)を回転させると、前記調節部(21)は、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)を前記少なくとも1つの係合部位(310)から脱係合させて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、を互いに切り離すように、駆動方向(B)に駆動可能であり、
前記駆動方向(B)が、前記回転軸心(D)に沿った向きであり、
前記作動エレメント(24)は、当該作動エレメント(24)を回転させると前記調節部(21)を前記駆動方向(B)に駆動するように案内するガイド設備(242)を有していることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)
【請求項4】
請求項
3に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記ガイド設備(242)が、ゲートガイドまたは少なくとも1つの斜面部(246,247)で構成されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項5】
クロージャ装置(1,1A~1D)であって、
当該クロージャ装置(1,1A~1D)を閉止するのに閉止方向(X)に沿って互いに向かい合って配置されることが可能であり、閉止位置にて互いに連結される、本体(20)を有する第1のクロージャ部(2,2A~2D)、および第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記本体(20)に対して調節可能である少なくとも1つのロックエレメント(23)と、
前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)に形成された少なくとも1つの係合部位(310)と、を備え、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)と前記少なくとも1つの係合部位(310)とは、閉止位置にて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とが互いにロックされるように相互に係合する、クロージャ装置(1,1A~1D)において、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、第1の磁性設備(22)を具備しており、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、第2の磁性設備(32)を具備しており、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)とは、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用し、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備(22)及び/又は前記第2の磁性設備(32)によって牽引されるように磁性を有する構成であり、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、調節部(21)、および当該調節部(21)と作動可能に接続されて回転軸心(D)回りに回転可能である作動エレメント(24)を含み、当該作動エレメント(24)を回転させると、前記調節部(21)は、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)を前記少なくとも1つの係合部位(310)から脱係合させて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、を互いに切り離すように、駆動方向(B)に駆動可能であり、
前記駆動方向(B)が、前記回転軸心(D)に沿った向きであり、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、前記第1のクロージャ部(2)の収容開口(202)内に調節可能に収容されていることを特徴とする、クロージャ装置(1)。
【請求項6】
請求項
5に記載のクロージャ装置(1)において、前記収容開口(202)は、当該収容開口(202)内で前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が前記閉止方向(X)の斜めに延びる調節方向に沿って調節可能となるように前記閉止方向(X)に対して斜めに延びていることを特徴とする、クロージャ装置(1)。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、前記調節部(21)に設置されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項8】
請求項
7に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記調節部(21)上の前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、当該調節部(21)のベアリング開口(211,212)内に受け入れられており、かつ、前記閉止方向(X)に対して横断方向に当該調節部(21)に対して調節可能であることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記係合部位(310)が、前記閉止方向(X)の斜めに延びる第1の傾斜面(311)を有し、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)が、前記閉止方向(X)の斜めに延びる第2の傾斜面(201)を有しており、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記閉止位置にて、前記第1の傾斜面(311)と前記第2の傾斜面(201)との間に配されることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項10】
請求項
9に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記第1の傾斜面(311)と前記第2の傾斜面(201)とは、前記閉止方向(X)及び横断方向(Q)に広がる平面視で、平行に又は0を上回るかもしくは0を下回る角度をもって互いに配置されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか一項に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、細長い棒状エレメントとして構成されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項12】
請求項1から
11のいずれか一項に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記第1の磁性設備(22)が、前記作動エレメント(24)に設置されていて、当該作動エレメント(24)と一緒に回転可能であることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項13】
請求項1から
12のいずれか一項に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記作動エレメント(24)を前記閉止位置に対応する回転位置から回転させると、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)との間の磁気吸引が弱まることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項14】
請求項1から
13のいずれか一項に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)が設けられた基部ユニット(30)を有することを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
【請求項15】
請求項1から
14のいずれか一項に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)を複数具備したクロージャアセンブリ(5)。
【請求項16】
請求項
15に記載のクロージャアセンブリ(5)において、複数の前記クロージャ装置(1,1A~1D)が、回転軸心(D)回りに回転可能な共通の作動エレメント(24)を有することを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
【請求項17】
請求項
15または
16に記載のクロージャアセンブリ(5)において、当該クロージャアセンブリ(5)が、第1の締結ユニット(50)および第2の締結ユニット(51)を備え、当該第1の締結ユニット(50)が前記複数のクロージャ装置(1,1A~1D)の複数の第1のクロージャ部(2,2A~2D)を含み、当該第2の締結ユニット(51)が前記複数のクロージャ装置(1,1A~1D)の複数の第2のクロージャ部(3,3A~3D)を含むことを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
【請求項18】
請求項
17に記載のクロージャアセンブリ(5)において、前記第1の締結ユニット(50)が駆動エレメント(4)を含み、当該駆動エレメント(4)は、当該駆動エレメント(4)を駆動すると全ての前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記作動エレメント(24)を調節することができるように、全てのクロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記作動エレメント(24)にトランスミッション接続部を介して接続されていることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
【請求項19】
請求項
18に記載のクロージャアセンブリ(5)において、前記トランスミッション接続部が、前記駆動エレメント(4)上の歯部(41,41A~41D)又はカップリングエレメント(400)によって確立されることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
【請求項20】
複数のクロージャ装置(1,1A~1D)を具備したクロージャアセンブリ(5)であって、
各クロージャ装置(1,1A~1D)が、
当該クロージャ装置(1,1A~1D)を閉止するのに閉止方向(X)に沿って互いに突き合わせることが可能であり閉止位置にて互いに連結される、本体(20)を有する第1のクロージャ部(2,2A~2D)、および第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記本体(20)に対して調節可能である少なくとも1つのロックエレメント(23)と、
前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)に形成された少なくとも1つの係合部位(310)と、
を備え、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)と前記少なくとも1つの係合部位(310)とは、閉止位置にて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とが互いにロックされるように相互に係合する、クロージャアセンブリ(5)において、
各クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、第1の磁性設備(22)を具備しており、各クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、第2の磁性設備(32)を具備しており、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)とは、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用し、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備(22)及び/又は前記第2の磁性設備(32)によって牽引されるよう磁性を有する構成であり、各クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、調節部(21)および当該調節部(21)と作動可能に接続された作動エレメント(24)を含み、当該作動エレメント(24)を調節すると、前記調節部(21)は、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)を前記少なくとも1つの係合部位(310)から脱係合させて前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに切り離すよう駆動方向(B)に駆動可能であり、当該クロージャアセンブリ(5)が駆動エレメント(4)を具備し、当該駆動エレメント(4)は、当該駆動エレメント(4)を駆動すると複数の前記作動エレメント(24)を一緒に調節することができるように、前記複数のクロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の複数の前記作動エレメント(24)にトランスミッション接続部を介して接続されていることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
【請求項21】
請求項20に記載のクロージャアセンブリ(5)において、前記クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の複数の前記作動エレメント(24)が、共通の回転軸心(D)回りに回転可能な共通のエレメントで構成されていることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載されているとおり、クロージャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のクロージャ装置は、当該クロージャ装置を閉止するのに閉止方向に沿って互いに突き合わせることが可能であり閉止位置にて互いに連結される、本体を有する第1のクロージャ部、および第2のクロージャ部、を備える。当該クロージャ装置は、さらに、上記第1のクロージャ部の上記本体に調節可能に設置された少なくとも1つのロックエレメント、を備える。上記第2のクロージャ部には、少なくとも1つの係合部位が形成されている。上記少なくとも1つのロックエレメントと上記少なくとも1つの係合部位とは、上記閉止位置にて、上記第1のクロージャ部と上記第2のクロージャ部とが互いにロックされるように相互に係合する。
【0003】
このようなクロージャ装置は、一般的に、2つの構造物を互いに繋げる役割を果たす。このようなクロージャ装置は、例えば、車両のダッシュボードなどの上位のアセンブリ上に、携帯電話やタブレット型コンピュータなどの電子装置を(切離し可能に)使用する目的で、当該電子装置に適用することが可能である。しかし、このようなクロージャ装置は、例えば、ドリンクボトルなどの物体を自転車のフレームや荷物かごに締結する目的で自転車に適用することも可能である。このようなクロージャ装置は、例えば、ロボットグリッパ上に物体を確立する目的で使用することも可能である。
【0004】
このようなクロージャ装置は、上記閉止位置にて、荷重を支持する固定された相互連結を上記クロージャ部間に確立する。このときの連結は、対応する構造物同士をユーザが引き離すことができるよう簡単かつ楽に切り離すことが可能でなければならない。
【0005】
特許文献1から知られているクロージャ装置では、いわゆる雄部がいわゆる雌部に突き合わせられる。雄部には磁石が設けられており、当該磁石が、プラグの様式で連結しながら雌部における円盤状のロックエレメントと相互作用することで、雄部と雌部とが閉止位置にて互いにロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、荷重を支持する固定された連結を閉止位置にてクロージャ部間に確立すると同時に簡単かつ楽に切り離すことが可能なクロージャ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の構成を備える主題によって達成される。
つまり、前記第1のクロージャ部が、第1の磁性設備を具備しており、前記第2のクロージャ部が、第2の磁性設備を具備している。前記第1の磁性設備と前記第2の磁性設備とは、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用する。ここでの少なくとも1つのロックエレメントは、前記少なくとも1つの係合部位と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備及び/又は前記第2の磁性設備によって牽引されるよう磁性を有する構成である。前記第1のクロージャ部は、調節部、および当該調節部と作動可能に接続されて回転軸心回りに回転可能である作動エレメントを含み、当該作動エレメントを回転させると、前記調節部は、前記少なくとも1つのロックエレメントを前記少なくとも1つの係合部位から脱係合させて前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とを互いに切り離すよう駆動方向に駆動可能である。
【0009】
つまり、前記クロージャ装置は、磁気式のクロージャ装置として構成されている。前記第1のクロージャ部および前記第2のクロージャ部のそれぞれに、一つの磁性設備が設けられている。これらの磁性設備は、いずれも例えば永久磁石で構成されているか、あるいは、一方のクロージャ部のほうが永久磁石で、他方のクロージャ部のほうが強磁性体からなる磁性アーマチュアで構成されている。前記磁性設備同士は、前記クロージャ部同士を互いに突き合わせると当該クロージャ部同士が互いに引き寄せられて互いに係合するように磁気的に相互作用する。これにより、前記クロージャ装置の閉止が磁気的に容易にされている。
【0010】
このときの磁性設備同士は、さらに、前記閉止位置にて前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部との間にロック作用を確立する役割も果たす。
つまり、前記第1のクロージャ部の前記第1の磁性設備および前記第2のクロージャ部の前記第2の磁性設備に加えて、前記少なくとも1つのロックエレメントが磁性を有する構成とされている。例えば、当該少なくとも1つのロックエレメントは、前記第1のクロージャ部の前記第1の磁性設備および/または前記第2のクロージャ部の前記第2の磁性設備と磁気的に相互作用するように全体もしくは一部が強磁性体からなるか又は永久磁石性を有するように構成されている。
【0011】
具体的に述べると、このときの磁気的な相互作用は、前記閉止位置にて前記少なくとも1つのロックエレメントを対応する前記係合部位と係合させるように当該磁気的な相互作用によって引き寄せるタイプのものである。このようにして、前記第1のクロージャ部の前記少なくとも1つのロックエレメントが、前記閉止位置にて、前記第2のクロージャ部における対応する前記係合部位と係合する。これにより、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部との間にロック作用が確立される。前記磁気的な相互作用によってこのロック作用が維持されることで、前記閉止位置にあるときの前記クロージャ部同士は、荷重を支持するよう互いに固定連結された状態となる。
【0012】
例えば、前記第1のクロージャ部の前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記閉止位置にて、前記第2のクロージャ部の前記第2の磁性設備によって磁気吸引されて当該第2のクロージャ部の前記係合部位と係合する。つまり、前記クロージャ装置を閉止する際には、前記磁気的な相互作用により、磁性を有する前記ロックエレメントと前記第2のクロージャ部との間に自動的に前記ロック作用が確立される。これにより、前記閉止位置にて、前記クロージャ部同士が荷重を支持するよう互いに固定保持される。
【0013】
前記少なくとも1つのロックエレメントを動かせば、磁気的な効果に抗して前記ロック作用を解消することが可能である。これにより、前記クロージャ部同士を互いに引き離すことが可能となる。つまり、前記少なくとも1つのロックエレメントを対応する前記係合部位から脱係合させることにより、前記クロージャ部同士を互いに切り離して前記クロージャ装置を開放することが可能になる。
【0014】
このときの前記ロックエレメントの調節は、前記ロックエレメントに作動可能に接続された調節部によって行われる。当該調節部は、作動エレメントを駆動することで当該調節部が前記第1のクロージャ部の前記本体に対して駆動方向に駆動されて、それに前記ロックエレメントが随伴することで当該ロックエレメントを対応する前記係合部位から脱係合させることができるように、当該作動エレメントに接続されている。これにより、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とが互いに切り離される。
【0015】
本明細書における作動エレメントは、前記第1のクロージャ部の前記本体に対して回転可能であるように取り付けられており、この目的のために、例えば前記本体に回転可能に取り付けられる。前記作動エレメントは、当該作動エレメントを対応する回転軸心回りに回転させると前記調節部が力を偏向させながら好ましくは直線状である駆動方向に駆動されて且つそれに前記ロックエレメントが随伴して前記係合部位から脱係合するように、当該調節部と作動可能に接続されている。
【0016】
これにより、前記クロージャ装置は、前記クロージャ部同士を互いに切り離すように、簡単かつ容易に駆動される。前記作動エレメントに例えばトランスミッションによって駆動エレメントを追加・接続することにより、前記作動エレメントの調節を触覚的観点からみて魅力的なものにする(haptisch angenehm erfolgen)ことができる。これにより、前記クロージャ装置を解除する際の駆動がなおいっそう簡単になる。
【0017】
一実施形態では、前記第1のクロージャ部又は前記第2のクロージャ部が係合開口を有し、当該係合開口に他方のクロージャ部の例えばピンの形状の係合エレメントを導入することで前記クロージャ装置の閉止が可能となっている。つまり、一方のクロージャ部が(係合開口を有する)雌部として構成されるのに対し、他方のクロージャ部が(係合エレメントを有する)雄部として構成される。前記雌部に前記少なくとも1つのロックエレメントが設けられ得ると共に、これに応じて少なくとも1つの前記係合開口が前記雄部に設けられ得る。しかしながら、反対に、前記少なくとも1つのロックエレメントを前記雄部に設けると共に、前記少なくとも1つの係合開口を前記雌部に形成することも考えられ得る。
【0018】
一実施形態において、前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記閉止方向及び当該閉止方向と交差して(当該少なくとも1つのロックエレメントが長寸となる長手方向と交差して)、延びる交差方向に広がる平面視で直線状に調節可能である。変形例において、前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記閉止方向及び前記交差方向に広がる平面視でピボット可能とされてもよい。前記少なくとも1つのロックエレメントは、それぞれ、前記第2のクロージャ部の前記少なくとも1つの係合部位と第1の位置にて係合することで前記クロージャ部同士を前記閉止位置にて互いにロックするよう、前記第1のクロージャ部上で調節可能とされる。前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記ロック作用を解消して前記クロージャ部同士を簡単に互いに切り離すことができるように、この第1の位置から調節することが可能とされる。
【0019】
一実施形態では、前記作動エレメントを前記第1のクロージャ部の前記本体に対して回転させるための前記回転軸心が、前記閉止方向に沿った向きである。
前記クロージャ部同士を互いに切り離すように、前記調節部が動くことのできる前記駆動方向は、前記回転軸心に沿った向きであり得る。つまり、前記作動エレメントを前記回転軸心回りに回転させると、前記調節部が力を偏向させながら当該回転軸心に沿って調節される。
【0020】
一実施形態において、前記作動エレメントは、当該作動エレメントを回転させると前記調節部を前記駆動方向に駆動するように案内するガイド設備を有している。具体的に述べると、当該ガイド設備は、前記作動エレメントの回転運動が前記調節部の好ましくは直線状に向いた調節運動に変換されるように力の偏向を行う。前記ガイド設備は、例えば、ゲートガイドにより実現することが可能である。当該ゲートガイドには、前記作動エレメントが回転すると前記調節部が前記駆動方向に沿って動くように、例えばガイドピンの形態で当該調節部に形成されたガイドエレメントが係合する。変形例において、前記ガイド設備は、前記作動エレメントを当該作動エレメントの前記回転軸心回りに回転させたときに例えばガイドピンの形態で前記調節部に形成されたガイドエレメントが乗り上がる、1つ又は複数の斜面部の配置構造によって形成されたものとされてもよい。
【0021】
前記調節部は、例えば、相互に反対側となる部位に2つのガイドエレメントを有し得る。これらのガイドエレメントは、前記調節部が前記作動エレメントの2つのゲートガイドで案内されるように、当該作動エレメントのそれぞれ対応するゲートガイドと係合する。
好ましくは、前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記第1のクロージャ部の前記本体の収容開口内に収容されており、かつ、当該収容開口内で調節することが可能である。当該収容開口は、前記第1のクロージャ部の前記本体上で前記少なくとも1つのロックエレメントが直線状の調節運動またはピボット運動を行うように、当該少なくとも1つのロックエレメントのガイドを予め設定したものであり得る。
【0022】
一実施形態において、前記収容開口は、当該収容開口内で前記少なくとも1つのロックエレメントが前記閉止方向に対して斜めに且つ前記交差方向に対して斜めに延びる調節方向に沿って調節可能となるように、前記閉止方向と前記交差方向とに対して斜めに延びている。この場合の前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記第1のクロージャ部の前記本体上で直線状に調節可能となる。このときの前記調節方向は、前記閉止方向に対して斜めに前記少なくとも1つのロックエレメントを前記少なくとも1つの係合部位と係合または脱係合させることができるように、前記閉止方向に対して斜めに延びている。
【0023】
前記収容開口を斜め向きにすることにより、前記クロージャ部同士を互いに突き合わせた際に、当該収容開口内で前記少なくとも1つのロックエレメントを、自動的に方向をそらす(ausweichen)ことが可能になる。つまり、前記第2のクロージャ部の前記係合エレメントが前記少なくとも1つのロックエレメントに作用した際に、当該少なくとも1つのロックエレメントが前記閉止方向に対して斜めに傾いた前記収容開口内を変位できるようになるため、前記係合エレメントを当該少なくとも1つのロックエレメントに沿うように動かして当該少なくとも1つのロックエレメントと前記係合エレメントの前記少なくとも1つの係合部位とを係合させるということが可能になる。
【0024】
一実施形態において、前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記調節部に設置されており、このため、当該調節部を動かしたときに随伴するようになる。よって、前記調節部を駆動すれば、前記ロックエレメントが前記係合部位から脱係合して前記クロージャ部間の連結を解除することが可能になる。前記調節部は、当該調節部の調節時に例えば前記少なくとも1つのロックエレメントの端部に働きかけることで、当該少なくとも1つのロックエレメントを前記第2のクロージャ部の前記少なくとも1つの係合部位から脱係合させ得る。これにより、前記調節部を調節することで前記少なくとも1つのロックエレメントが動き出し、当該ロックエレメントが前記第2のクロージャ部の前記少なくとも1つの係合部位から脱係合する。
【0025】
前記調節部上の前記少なくとも1つのロックエレメントは、当該調節部のベアリング開口内に受け入れられたものとされ得る。当該ベアリング開口は、当該ベアリング開口内で前記ロックエレメントが前記閉止方向と交差するように動くことが可能であるよう、つまり、前記調節部に対して調節可能であるよう形成されている。
【0026】
一実施形態では、前記係合部位が、前記閉止方向の斜めに延びる第1の傾斜面を有し、前記第1のクロージャ部が、前記閉止方向の斜めに延びる第2の傾斜面を例えば前記収容開口の領域に有している。前記少なくとも1つのロックエレメントが前記閉止位置にて前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面との間に配されることにより、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部との間にロック作用が確立される。
【0027】
具体的に述べると、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部との間の前記ロック作用は、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とを前記閉止方向に沿って互いに保持することにより、少なくとも当該ロック作用を解除しない限りは前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とを前記閉止方向に沿って互いに容易に切り離すことができないように、前記閉止方向に沿って働くものとされる。前記閉止方向に沿って前記クロージャ部同士に相互に荷重がかかると、前記傾斜面を介して力が前記少なくとも1つのロックエレメントへ加わる。前記傾斜面同士の相互傾斜位置が、前記ロック作用の強さと強度を決める。
【0028】
第1の実施形態において、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面は、前記閉止方向及び前記交差方向に広がる平面視で相互に平行になるように延びている。これにより、前記閉止位置にて前記クロージャ部同士に相互に荷重がかかった際に、相互に平行に向いた平面間に前記少なくとも1つのロックエレメントがつっかえる(verklemmt wird)ことで、前記クロージャ部間にロック作用が確立される。荷重がかかった状態の前記クロージャ部は、ある程度のクリアランスを使って互いに動くことができる。上限力を上回ると(例えば、荷重がかかった状態の前記係合エレメントが当該係合エレメントと前記係合開口との間のクリアランスによって傾動し前記傾斜面同士が厳密な相互平行に向かなくなると)前記ロック作用が自動的に解除され、これにより前記クロージャ部同士を互いに引き離すことができるようになると考えられ得る。
【0029】
代替的な一実施形態では、前記傾斜面間の角度が0を上回るものとされ得る。つまり、前記閉止方向及び前記交差方向に広がる平面視で前記傾斜面が描く相互角度は、0を上回る。これは、前記傾斜面間に存在する幅が外側に向かって、つまり、前記係合部位から離れるにつれて拡がることにより、当該傾斜面同士が、外側に向かって幅広となる楔形状(Keilform)を描いているものと解釈されたい。前記傾斜面同士がこのような相互の傾きをもって位置することにより、前記閉止位置にて前記クロージャ部同士を少なくともほぼクリアランスなしで保持することが可能となる。これには、例えば前記クロージャ部間に振動力が働いた際に、前記少なくとも1つのロックエレメントが前記少なくとも1つの係合部位のより奥側と係合するよう引き込まれることで、当該クロージャ部同士が押し縮まってクリアランスなしで相互に係合するという効果がある。一定の上限力を上回ると、このときのクロージャ部同士は前記ロック作用を自動的に解消すると同時に互いに自動的に切り離され得る。
【0030】
代替的なさらなる他の実施形態では、前記傾斜面間の角度が0を下回る。つまり、前記閉止方向及び前記交差方向に広がる平面視で前記傾斜面同士が描く相互角度は、前記傾斜面間に存在する幅が外側に向かって、つまり、前記少なくとも1つの係合部位から離れるにつれて狭まるような相互角度となる。したがって、前記傾斜面同士は、外側に向かって先すぼまる楔形状を相互に描く。前記傾斜面同士がこの種の相互の傾きをもって位置することにより、前記閉止位置にて前記クロージャ部間の連結が自己固定的なものになる。前記クロージャ部間に荷重が働くと、前記傾斜面間に前記少なくとも1つのロックエレメントが食い込んで前記少なくとも1つの係合部位とより奥側で係合するよう負荷が加わるため、前記少なくとも1つのロックエレメントと前記係合部位との連結が安定化する。荷重がかかった状態の前記クロージャ部間には、ある程度のクリアランスが生じ得る。
【0031】
一実施形態において、前記少なくとも1つのロックエレメントは、細長い棒状体(Stabelement)として構成されている。前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記閉止位置にて、対応する前記係合部位と係合する。前記クロージャ部同士を相互に切り離すには、前記第1のクロージャ部の前記本体の対応する前記収容開口内で前記少なくとも1つのロックエレメントを例えば前記閉止方向の斜めに動かすことにより、当該少なくとも1つのロックエレメントを対応する前記係合部位から脱係合させることが可能である。
【0032】
変形例において、前記少なくとも1つのロックエレメントは、例えば環状に構成されてもよい。この場合の前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記閉止方向を中心とした周方向に延在し、ここでは、周方向に閉じるか又は周方向一箇所が開くように(つまり、開いたリングとして)構成されたものとなる。この少なくとも1つのロックエレメントは、前記閉止位置にて、前記第2のクロージャ部の係合エレメントに例えば前記閉止方向を取り囲むように形成された係合部位と係合する。前記クロージャ部間の連結を解除するには、前記少なくとも1つのロックエレメントを調節する(例えば、この環状のロックエレメントを拡径させる)ことで、当該ロックエレメントを前記第2のクロージャ部の対応する前記係合部位から脱係合させるということが可能である。つまり、有利には、この場合の前記ロックエレメントの少なくとも一部が弾性を有するように構成される。
【0033】
一実施形態では、前記第1のクロージャ部の前記第1の磁性設備が、前記作動エレメントに設置されていて当該作動エレメントと一緒に回転可能である。具体的に述べると、これにより、前記作動エレメントを回転させることで前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部との間の磁気吸引力にも影響が生じ得て、特には弱まり得る。つまり、前記作動エレメントを駆動することで前記ロック作用が解除されるだけでなく前記クロージャ部間の磁着も弱まり、場合によっては反転して反発が生じる。これにより、前記クロージャ部同士をなお一層互いに切り離し易くすることができる。
【0034】
前記第1のクロージャ部は、例えば、一個のロックエレメントを含むものとされ得る。しかし、一実施形態では、前記第1のクロージャ部が2つ(又は2つ以上の)ロックエレメントを含む。前記第1のクロージャ部に2つのロックエレメントが設けられている場合、例えば、前記第1のクロージャ部に形成された係合開口の両側にこれらのロックエレメントが設置されることで、これらのロックエレメントが前記第2のクロージャ部の前記係合エレメント及び当該係合エレメントに形成された前記係合部位と両側で相互作用し、これによって前記閉止位置にてロック作用が両側で確立され得る。
【0035】
一実施形態において、前記第2のクロージャ部は、基部ユニット及び当該基部ユニットに一体的に形成されて前記第1のクロージャ部の対応する係合開口と係合するピンの様式の剛体の係合エレメントを有する、剛体エレメントとして構成されている。一実施形態において、前記第2のクロージャ部の前記第2の磁性設備は、前記係合エレメントを前記係合開口と係合させるときに前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とが磁気吸引で相互作用し引き寄せられて自動的に相互係合するように、前記係合エレメントに設置され得る。このとき、前記第2のクロージャ部の前記係合エレメントには、前記第1のクロージャ部の1つ又は複数のロックエレメントと係合することで前記クロージャ装置の前記閉止位置にて前記第2のクロージャ部とのロックを行う1つ又は複数の係合部位が形成され得る。
【0036】
例えば、クロージャアセンブリは、上記の種類のクロージャ装置を複数具備し得る。当該クロージャアセンブリは、例えば、第1の締結ユニット(Befestigungseinheit)および第2の締結ユニットを備え得る。当該第1の締結ユニットが前記複数のクロージャ装置の複数の第1のクロージャ部を含み、当該第2の締結ユニットが前記複数のクロージャ装置の複数の第2のクロージャ部を含む。これらの締結ユニット同士は、互いに突き合わせることが可能であり、かつ、それらのクロージャ装置によって連結位置にて機械的に互いに固定連結される。前記締結ユニット同士の突合せは、それらのクロージャ装置の前記磁性設備によって磁気的に支援される。
【0037】
前記クロージャアセンブリの各クロージャ装置は、例えば、専用の一個の作動エレメントを有し得る。しかしながら、前記クロージャ装置同士が共通の回転軸心回りに回転可能な共通の作動エレメントを有するものとすることも考えられ得る。つまり、これらのクロージャ装置に個別の作動エレメントが存在するのではなく、共通の一個物のエレメントによってこれらのクロージャ装置の作動エレメント同士を一体的に構成するということになる。
【0038】
それらのクロージャ装置の前記専用の作動エレメントまたは前記共通の作動エレメントを駆動することにより、それらのクロージャ装置を開放させることができて且つこれによって前記締結ユニット同士を互いに切り離すことができる。これにより、前記締結ユニット同士を互いに引き離して取り外すことが可能になる。
【0039】
一実施形態では、前記第1の締結ユニットが駆動エレメントを含み、当該駆動エレメントは、例えばスライド(Schieber)として構成されて例えば前記第1の締結ユニットのハウジング部に直線状に変位可能に取り付けられている。当該駆動エレメントは、当該駆動エレメントを駆動させることで前記クロージャ装置の個々の第1のクロージャ部の前記作動エレメントを調節することができるように、これらの作動エレメントにトランスミッション接続部(Getriebeverbindung)を介して接続されている。
前記クロージャ装置が前記専用の作動エレメントを含むものである場合には、前記駆動エレメントを調節することでこれらの作動エレメント同士を一緒に調節することができるように当該駆動エレメントがこれらの作動エレメントに接続されている。前記クロージャ装置が当該クロージャ装置同士の前記調節部を調節する共通の作動エレメントを含むものである場合には、当該駆動エレメントを駆動することで前記共通の作動エレメントを回転させることが可能とされる。つまり、前記駆動エレメントは、個々のクロージャ装置の開放をまとめて駆動することが可能であり、当該駆動エレメントを駆動することで、これらのクロージャ装置のロックを解除し且つこれによって前記締結ユニット同士を互いに切り離すことが可能になる。
【0040】
前記トランスミッション接続部を構成するため、前記駆動エレメントは、例えば歯付き部位を有するものとされ得る。当該歯付き部位は、前記作動エレメント上の歯部と噛み合うように当該作動エレメントの対応する当該歯部と歯で係合する。これにより、前記駆動エレメントを調節したときに個々のクロージャ装置の前記作動エレメントが回転する。前記専用の作動エレメントまたは前記共通の作動エレメントを回転させることで前記調節部が駆動され、これによって個々のクロージャ装置の前記ロックエレメントが調節されることにより、前記ロック作用が解除される。
【0041】
トランスミッション接続部は、歯車による係合に代えて、例えばレバー機構、摩擦エレメントを具備した摩擦伝動部、ロープ機構等の別の伝動部によって実現することも可能である。
また、前記トランスミッション接続部は、前記駆動エレメントに例えばカップリングピンの形態で形成されて前記作動エレメントのカップリング開口と係合するカップリングエレメントによって実現することも可能である。このようなカップリングによって前記駆動エレメントの長手方向調節運動を前記作動エレメントの回転運動に変換することが可能となり、当該駆動エレメントを駆動して前記作動エレメントを回転させることができるようになる。これにより、前記駆動エレメントを用いて前記クロージャ装置の専用の作動エレメント同士または全クロージャ装置の共通の作動エレメントを回転させることが可能となる。
【0042】
複数のクロージャ装置を共通の駆動エレメントで駆動すると共に当該駆動エレメントを、トランスミッション接続部を介して作動エレメント同士に接続するという構成は、個々のクロージャ装置の作動エレメントを回転式ではなく例えば直線状に調節出来るようにしたクロージャアセンブリにも適用することが可能である。
【0043】
例えば、コネクタアセンブリ(Anschlussbaugruppe)が複数のクロージャ装置を具備し、各クロージャ装置が、当該クロージャ装置を閉止するのに閉止方向に沿って互いに突き合わせることが可能であり、閉止位置にて互いに連結される本体を有する第1のクロージャ部、および第2のクロージャ部と、前記第1のクロージャ部の前記本体に対して調節可能である少なくとも1つのロックエレメントと、前記第2のクロージャ部に形成された少なくとも1つの係合部位と、を備える。前記少なくとも1つのロックエレメントと前記少なくとも1つの係合部位とは、閉止位置にて、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とが互いにロックされるように相互に係合する。このとき、各クロージャ装置の前記第1のクロージャ部が第1の磁性設備を具備しており、各クロージャ装置の前記第2のクロージャ部が第2の磁性設備を具備しており、前記第1の磁性設備と前記第2の磁性設備とは、前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用し、前記少なくとも1つのロックエレメントは、前記少なくとも1つの係合部位と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備及び/又は前記第2の磁性設備によって牽引されるよう磁性を有する構成である。各クロージャ装置の前記第1のクロージャ部は、調節部および当該調節部と作動可能に接続された作動エレメントを含み、当該作動エレメントを調節すると、前記調節部は、前記少なくとも1つのロックエレメントを前記少なくとも1つの係合部位から脱係合させて前記第1のクロージャ部と前記第2のクロージャ部とを互いに切り離すよう駆動方向に駆動可能である。このクロージャアセンブリは駆動エレメントを具備し、当該駆動エレメントは、当該駆動エレメントを駆動すると前記作動エレメント同士を一緒に調節することができるように、前記複数のクロージャ装置の前記第1のクロージャ部の前記作動エレメント同士にトランスミッション接続部を介して接続されている。
この種のクロージャアセンブリは、前述した個々のクロージャ装置の態様や有利な実施形態と組み合わせることが可能である。この範囲については、先行する説明の全体を参照されたい。
【0044】
前記クロージャアセンブリの前記作動エレメントは、各クロージャ装置にそれ独自の作動エレメントが振り当てられるよう専用の作動エレメント同士で構成することが可能である。しかしながら、当該作動エレメント同士を、共通の回転軸心回りに回転可能な共通の一体的エレメントで構成することも可能である。
前記調節部は、傾斜偏向面によって駆動される例えばロッカー等として構成することが可能である。
以下では、本発明の基礎をなす概念について、図面に示す例示的な実施形態を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】第1の締結ユニットと第2の締結ユニットとを備えるクロージャアセンブリの例示的な一実施形態を、これらの締結ユニット同士が互いに外れた状態で示す図である。
【
図8】第1の締結ユニットのクロージャ部を示す図である。
【
図9A】閉止位置にあるときのクロージャアセンブリのうちの、クロージャ装置(単独)を示す図である。
【
図10A】作動エレメントを駆動させて開放しているときのクロージャアセンブリのうちの、クロージャ装置(単独)を示す図である。
【
図11A】さらに開放させたときのクロージャアセンブリのうちの、クロージャ装置(単独)を示す図である。
【
図12A】開放位置にあるときのクロージャアセンブリのうちの一つのクロージャ装置を示す図である。
【
図13】閉止位置でのロック作用を示した、
図9Cの断面図の部分拡大図である。
【
図14】クロージャアセンブリの例示的なさらなる実施形態を示す分解図である。
【
図15】開放位置にあるときのクロージャアセンブリの図である。
【
図16】閉止位置にあるときのクロージャアセンブリの図である。
【
図17A】閉止位置にあるときのクロージャアセンブリの図である。
【
図18A】開放している最中のクロージャアセンブリを示す図である。
【
図19A】開放をさらに進めた際のクロージャアセンブリを示す図である。
【
図20A】開放位置にあるときのクロージャアセンブリを示す図である。
【
図21A】ロック位置にあるときの、クロージャアセンブリの締結ユニットのロックアセンブリを単独で示す、上方からみた図である。
【
図21B】ロック位置にあるときの、クロージャアセンブリの締結ユニットのロックアセンブリを示す、下方からみた図である。
【
図22A】ロック解除位置にあるときの、クロージャアセンブリの締結ユニットのロックアセンブリを示す、上方からみた図である。
【
図22B】ロック解除位置にあるときの、クロージャアセンブリの締結ユニットのロックアセンブリを示す、下方からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1~
図13に、締結ユニット50,51を備えるクロージャアセンブリ5の例示的な一実施形態を示す。締結ユニット50と締結ユニット51とは、
図1から見て取れるように閉止方向Xに沿って互いに突き合わせることが可能であり、閉止位置にて互いに固定連結される。
【0047】
クロージャアセンブリ5は、例えば自動二輪車などの車両といった上位のアセンブリ(uebergeordneten Baugruppe)にバッグを取り付けるのに使用可能である。このとき、バッグなどの取り付けたいアセンブリが締結ユニット50に繋げられ得るとともに、締結ユニット51が車両などの上位のアセンブリ上に確立されることで、クロージャアセンブリ5を介して取り付けたいアセンブリを上位のアセンブリ上に切離し可能に固定することが可能になる。
図1及び
図2と
図3の分解図との組合せから見て取れるように、締結ユニット50は、カバー501で閉じられるハウジング部500を含む。
【0048】
ハウジング部500には、駆動エレメント4がロック解除方向Eに沿って変位可能に取り付けられている。
図1及び
図2から見て取れるように、ハウジング部500からは把持部42が突出し、外側からアクセスできるようになっている。これにより、駆動エレメント4は、例えばユーザが外部から手動で駆動させることができる。
【0049】
クロージャアセンブリ5は、複数のクロージャ装置1A~1Dを具備している。各クロージャ装置1A~1Dは、第1のクロージャ部2A~2Dおよび第2のクロージャ部3A~3Dを含み、閉止位置にて締結ユニット50と締結ユニット51とを互いに固定ロックする役割を果たす。これにより、締結ユニット50,51同士が荷重を支持するように互いに保持される。
【0050】
締結ユニット50には、後でその機能を詳述するが、第1のクロージャ部2A~2Dが設けられている。
図3の分解図と
図6及び
図7との組合せから見て取れるように、第1の各クロージャ部2A~2Dは、一個のロックエレメント23、一個の調節部21、およびハウジング部500のうちの対応する各ベアリング受入れ部(Lageraufnahme)502A~502Dに回転可能に受け入れられた一個の作動エレメント24を有する。
【0051】
例えば
図8から見て取れるように、各作動エレメント24の回転体240には歯部243が形成されている。各作動エレメント24は、歯部243を介して、駆動エレメント4の調節体40の対応する歯付き部位41A~41Dと歯で係合する。これにより、駆動エレメント4を駆動することで、複数の作動エレメント24を一緒に回転させることができる。
【0052】
駆動エレメント4は、テンション・スプリングとして構成されたスプリング・エレメント43のばね付勢に抗してロック解除方向Eに駆動されるように、かつ、駆動後は当該ばね付勢によって駆動前の初期位置へと自動的にリセットされるように、ハウジング部500に対して当該ばねエレメント43で弾性的に付勢されている。
【0053】
これに対し、第2のクロージャ部3A~3Dは、例えば
図4、
図5等から見て取れるように馬蹄形状の基部ユニット30に形成されている。第2の各クロージャ部3A~3Dは、係合部位310を具備した一個の係合エレメント31を有する。係合部位310は、当該係合エレメント31に形成されており、締結ユニット50の第1のクロージャ部2A~2Dのロックエレメント23と相互作用する役割を果たす。基部ユニット30は、締結プレート33および例えばねじの形態の適切な締結エレメントを介して、例えば自動二輪車のタンクといった車両などの従属対象のユニット上に確立することができる。
【0054】
【0055】
図9A~
図9Eないし
図12A~
図12Eに示すように、クロージャ装置1は、棒状体形態のロックエレメント23を備える。ロックエレメント23は、調節部21の本体部分210のベアリングアーム211,212に配置されており、相互両端部が当該ベアリングアーム211,212のベアリング開口213,214内に受け入れられている。調節部21は、閉止方向Xとは逆の駆動方向Bに沿って調節可能であるようにクロージャ部2の本体20に取り付けられている。当該本体20は、ハウジング部500の基部503によって形成されている(
図3の分解図を参照のこと)。この目的のために、調節部21は、ベアリングアーム211,212が本体20から突出すると共に、本体20のうちの作動エレメント24に面さない側でロックエレメント23と接続される。
【0056】
作動エレメント24は、本体20に対して回転軸心D回りに回転可能である回転体240を有する。作動エレメント24は、回転体240の周方向外皮面上の互いに正反対側となるように形成されたゲートガイドの形態のガイド設備242(この目的には例えば
図8を参照のこと)を介して、調節部21の本体部分210内側のガイドピンの形態のガイドエレメント215,216と接続されることにより、回転軸心D回りの回転方向Aへの作動エレメント24の回転運動が、本体20に対する(つまり、ハウジング部500の基部503に対する)調節部21の駆動方向Bへの直線状の調節運動に変換されるようになっている。
【0057】
この目的のために、ゲートガイド242は閉止方向Xの斜めに延びている。作動エレメント24の回転運動でガイドエレメント215,216がゲートガイド242内をスライドすることにより、調節部21が駆動方向Bに沿って動かされる。
【0058】
図9A~
図9Eには、閉止位置にあるときのクロージャ装置1が描かれている。閉止位置では、例えば
図9Cの断面図と
図13の拡大図との組合せから見て取れるように、締結ユニット50のクロージャ部2のロックエレメント23が締結ユニット51のクロージャ部3の係合エレメント31と係合しロックされている。
【0059】
図7と
図13との組合せから見て取れるように、ロックエレメント23は、調節部21と接続されることに加えて、本体20に形成されて締結ユニット50の基部503から閉止方向Xに突出する支持部分200の収容開口202内に収容されている。収容開口202は、閉止方向X及び交差方向Qに広がる平面と直交に延びる棒状のロックエレメント23が対応する当該収容開口202内で動くことができるように溝の様式で形成されており、かつ、本例では閉止方向X及び交差方向Qに広がる平面視で閉止方向Xの斜めに延びている。
【0060】
クロージャ装置1を閉止するには、クロージャ部2とクロージャ部3とを、締結ユニット51の各係合エレメント31が締結ユニット50の対応する各ロックエレメント23と係合するように閉止方向Xに沿って互いに突き合わせる。係合エレメント31をロックエレメント23に突き合わせたとき、当該ロックエレメント23が外側へ(つまり、収容開口202内で横に)押しのけられることで、クロージャ部2,3が
図9A~
図9Eに示す閉止位置に到達する。
【0061】
このとき、各クロージャ部2,3は磁性設備を具備している。これらの磁性設備は、クロージャ部2,3を互いに突き合わせたときに磁気吸引するよう相互に対向する。これにより、クロージャアセンブリ5を閉止するための締結ユニット50,51同士の突合せが磁気的に支援される。各磁性設備22,32は、例えば永久磁石で構成され得る。個々のクロージャ部2,3の磁性設備22,32は、同一でない極で互いに対向することで磁気吸引するよう相互作用する。また、一方の磁性設備22,32を永久磁石で構成し、他方の磁性設備32,22を強磁性体からなる磁性アーマチュアで構成することも考えられ得る。
【0062】
図示の例示的な実施形態において、クロージャ部2の磁性設備22は、作動エレメント24の回転体240内の組付開口241に収容される。これにより、作動エレメント24が回転したときには、当該磁性設備が作動エレメント24と一緒に回転軸心D回りに回転することができる。
これに対し、クロージャ部3の磁性設備32は、基部ユニット30内に収容されている。
【0063】
第2のクロージャ部3の磁性設備32は、ロックエレメント23と磁気吸引で相互作用する。これにより、前記閉止位置にてロックエレメント23が係合エレメント31の係合部位310と係合するように引き寄せられることで、
図9A~
図9Eから見て取れるようにクロージャ部2,3間に形状係合によるロック作用が確立する。
【0064】
クロージャ部2,3同士に荷重がかかると、
図13から見て取れるように、ロックエレメント23が係合部位310の傾斜面311と支持部分200の収容開口202内のこれに対向する傾斜面201との間に割り込む。これにより、クロージャ部2,3同士が互いに保持されてロックが行われる。少なくとも前記ロック作用が解除されない限りは、当該クロージャ部2,3同士を互いに容易に切り離すことができなくなる(所定の上限力を上回ることで当該クロージャ部2,3同士が引き離されるようにすることも任意で可能である)。
【0065】
クロージャ部2,3同士を互いに切り離したい場合には、駆動エレメント4を締結ユニット50のハウジング部500に対してロック解除方向Eに動かすことにより、作動エレメント24を回転軸心D回りの回転方向Aに回転させることが可能である。本例では、クロージャアセンブリ5の全てのクロージャ装置1A~1Dの作動エレメント24が、駆動エレメント4と個々の作動エレメント24との間のトランスミッション接続部によって一緒に駆動される。
【0066】
図10A~
図10Dないし
図11A~
図11Dから見て取れるように、作動エレメント24を回転方向Aに回転させることにより、各クロージャ装置1の調節部21が駆動方向Bに調節される。これによってロックエレメント23が随伴することになり、当該ロックエレメント23は係合エレメント31の係合部位310の傾斜面311上に乗って交差方向Qに外側へ向かって調節される。これにより、当該ロックエレメント23が係合エレメント31を通り越える。
【0067】
作動エレメント24を回転させると、クロージャ部2の磁性設備22も一緒に回転するので、例えば
図11の重合せ透過図から見て取れるように当該磁性設備22,32が調和状態から抜け出し、当該磁性設備22,32間の磁気吸引が弱まる。
【0068】
これにより、
図12A~
図12Eに示すように、クロージャ部2,3を閉止方向Xの逆方向に互いに簡単に切り離すことができるようになる。本実施形態では、開放に必要な力が、磁性設備22と磁性設備32との間に働く磁力で予め決まっている。これにより、調節部21を磁気的に付勢し、少々の切離し力では簡単に誤開放しないようにすることが可能となる。
このとき、荷重が加わっていれば、調節部21を変位させるのに必要な力が増加する。
クロージャアセンブリ5の締結ユニット50,51は、複数のクロージャ装置1A~1Dで互いに連結される。これにより、前記閉止位置にて、荷重を支持する固定された多箇所連結が得られる。
【0069】
クロージャ装置1の開放は、簡単かつ楽である。具体的に述べると、開放するには、ユーザが駆動エレメント4を把持部42で掴んでロック解除方向Eに引っ張るだけでよい。これによってクロージャ装置1A~1Dをまとめて開放できるので、締結ユニット50,51を閉止方向Xの逆方向に互いに切り離すことが可能となる。
【0070】
図14ないし
図22A~
図22Cに、クロージャアセンブリ5の例示的なさらなる実施形態を示す。
例示的な本実施形態では、クロージャアセンブリ5が締結ユニット50,51を備える。締結ユニット50,51は、互いに突き合わせられることにより、当該締結ユニット50,51間に、つまり、締結ユニット50に繋がった構造物と締結ユニット51に繋がった構造物との間に連結を確立することが可能である。
【0071】
図示の例示的な実施形態において、第1の締結ユニット50は、ハウジング部500,501により形成されてロックアセンブリ25を包持するハウジングを含む。本例では、ロックアセンブリ25がクロージャ装置2A~2Dを構成している。各クロージャ装置2A~2Dは、円盤状の本体250からラグ(Lasche)の形態で突出した対応する支持部分200に配置されている一個のロックエレメント23を有する。当該ロックエレメント23は、支持部分200におけるスロット形態の収容開口202内で案内される。
【0072】
図示の例示的な実施形態において、クロージャ装置2A~2Dの調節部21は、前記ハウジングのハウジング部500上で案内されるスライド・エレメント217同士のアセンブリで構成されている。スライド・エレメント217は、ロックエレメント23の端部に作用するベアリング開口213,214を有する。
【0073】
ハウジング部501には、作動エレメント24が回転軸心D回りに回転可能に取り付けられている。当該作動エレメント24は、クロージャ装置2A~2Dに対して共通して振り当てられていると共に、複数のスライド・エレメント217と相互作用するガイド設備242を構成している。作動エレメント24は、ハウジング部501のベアリングエレメント504に取り付けられており、回転することで複数のスライド・エレメント217を一緒に調節し且つこれによってロックエレメント23に作用することができる。
【0074】
駆動エレメント4は、細長い棒状形態の調節体40を有する。調節体40は、ユーザが掴むことで駆動エレメント40を駆動させることが可能な把持部42に接続されている。駆動エレメント4は、ハウジング部500,501間でロック解除方向Eに沿って変位可能に案内されると共に、カップリングピンの形態のカップリングエレメント400を介して作動エレメント24に接続されている。これにより、駆動エレメント4を長手方向に変位させると作動エレメント24が回転軸心D回りに回転し、これによってスライド・エレメント217を調節することができる。
【0075】
第2の締結ユニット51は、本体30により形成されている。本体30には、係合部位310の形態の一個の係合エレメント31をそれぞれ有するクロージャ部3A~3Dが形成されており、係合部位310は突部によって境界(in Form eines durch einen Vorsprung begrenzten Eingriffsabschnitts)が形成されている。本例では、締結ユニット50の各クロージャ部2A~2Dに対して、締結ユニット51のそれぞれ一つのクロージャ部3A,3Dが振り当てられている。
【0076】
作動エレメント24には、永久磁石アッセンブリ形態の磁性エレメント22が設置されている。磁性エレメント22は、締結ユニット50に割り当てられている。締結ユニット51の本体30には、永久磁石のアッセンブリ形態の磁性エレメント32が設置されている。磁性エレメント22と磁性エレメント32との相互作用により、クロージャ部2A~2D,3A~3D間にロック連結を確立するための締結ユニット50,51同士の突合せが磁気的に支援される。
【0077】
図15には、取り外された(geoeffneten Stellung)クロージャアセンブリ5が描かれている。これに対し、
図16には、取り付けられた(geschlossenen Stellung)クロージャアセンブリ5が描かれている。締結ユニット50と締結ユニット51とは、取り付けられた位置にて互いに連結されることで互いにロックされる。これにより、締結ユニット50,51同士、つまり、締結ユニット50に繋がれた構造物と締結ユニット51に繋がれた構造物とが、固定されて荷重を支持するように互いに保持される。
【0078】
図17A~
図17Gは、取り付けられた状態にあるときのクロージャアセンブリ5の図である。取り付けられた状態では、ロックエレメント23が、ロックアセンブリ25の支持部分200の対応する収容開口202内で締結ユニット51寄りの位置に位置する。ロックエレメント23は、
図17Dから見て取れるように、収容開口202の傾斜範囲で径方向内方にオフセットして締結ユニット51の係合エレメント31と係合する。このようにして、クロージャ部2A~2D,3A~3Dにより、締結ユニット50,51間にロック作用が確立される。
【0079】
ロックエレメント23は、磁性を有しており、締結ユニット51の磁性エレメント32との磁気的な相互作用により、
図17Dから見て取れるように係合エレメント31と係合するよう自動的に引き寄せられる。
前記閉止位置にて、スライド・エレメント217は、
図17Eから見て取れるように作動エレメント24に対して締結ユニット51の方向に上昇する。作動エレメント24は駆動前の回転位置に位置しているので、当該作動エレメント24からスライド・エレメント217には負荷が加わっていない。
【0080】
クロージャアセンブリ5を開放するには、把持部42で駆動エレメント4をロック解除方向Eに動かす。駆動エレメント4にはカップリングエレメント400を介して作動エレメント24が接続されているため、特に
図18Fから見て取れるように、当該作動エレメント24が回転軸心D回りに回転する。
【0081】
作動エレメント24は、それによって複数のスライド・エレメント217を作動させる。作動エレメント24のガイド設備242がスライド・エレメント217のガイドピン215を動かすことで、
図18Dから見て取れるように、当該スライド・エレメント217が駆動方向B下方へと引っ張られる。これにより、
図18D及び
図18Gから見て取れるように、スライド・エレメント217がベアリング開口213,214でロックエレメント23とカップリングされて、当該ロックエレメント23がロックアセンブリ25の対応する収容開口202内で下方かつ外側に向かって調節される。
【0082】
作動エレメント24の駆動では、磁性エレメント22も作動エレメント24と一緒に回転するので、当該磁性エレメント22が、
図18Gから見て取れるように、磁性エレメント32と対向する位置から外れることになる。これにより、締結ユニット50,51間の磁気吸引が減少するか、消えるか、あるいは、反転して反発が生じる。
これにより、駆動エレメント4でロック解除した後、締結ユニット50,51同士を
図19A~
図19Gに示すように互いに取り外すことが可能になる。
【0083】
前記クロージャアセンブリを開放した後に把持部42を手離すと、駆動エレメント4が
図20A~
図20Gに示す駆動前の位置に戻る。駆動エレメント4は、例えばばねエレメント43(
図14を参照のこと)の付勢によってこのように自動的にリセットされる。
つまり、クロージャアセンブリ5は開放位置に位置することになる。クロージャアセンブリ5は、締結ユニット50,51同士を再び互いに突き合わせることで再閉止することができる。
図21A~
図21C及び
図22A~
図22Cは、クロージャ部2A~2Dが設けられていると共に作動エレメント24を具備した状態のロックアセンブリ25を、単独で示す図である。
【0084】
各スライド・エレメント217には、内方に向いたガイドピン215が形成されている。ガイドピン215は、作動エレメント24のガイド設備242と相互作用する役割を果たす。これらのスライド・エレメント217は、共同で、クロージャ部2A~2Dの調節部21を構成している。本例では、作動エレメント24を回転軸心D回りに回転させるとスライド・エレメント217同士を一緒に回転させることができるように、当該作動エレメント24の外周上に各スライド・エレメント217に対するガイド設備242がそれぞれ振り当てられている。
【0085】
図21B及び
図21Cならびに
図22B及び
図22Cから見て取れるように、図示の例示的な実施形態における作動エレメント24のガイド設備242は、作動エレメント24の周方向凹所245を画成する斜面部246,247によって形成されている。各スライド・エレメント217のガイドピン215が、作動エレメント24の対応する凹所245内に位置している。
【0086】
スライド・エレメント217は、
図21A~
図21Cに対応する前記閉止位置にて、円盤状の本体250に対して駆動方向Bの逆方向に上昇している。ロックエレメント23は、
図21Aから見て取れるように、内方にオフセットした上昇位置に位置することになる。この位置にあるときのガイドピン215は、
図21B及び
図21Cから見て取れるように、対応するそれぞれの第1の斜面部246と当接している。
【0087】
本例では、スライド・エレメント217が斜面部246によって前記上昇位置に保持される。これに加えて又はこれに代えて、スライド・エレメント217は前記上昇位置へと動いて当該上昇位置にてロックエレメント23と一緒に保持される。このときのロックエレメント23は、作動エレメント24の磁性エレメント22との磁気的な相互作用により、内方へオフセットされた上側ロック位置へと動く。
【0088】
スライド・エレメント217を駆動するために作動エレメント24を回転させると、
図22A~
図22Cから見て取れるように、当該スライド・エレメント217のガイドピン215が、対応する凹所245のうちの反対側にある対応するそれぞれの斜面部247に当接して当該斜面部247上に乗る。これにより、
図22Aから見て取れるようにスライド・エレメント217同士が一緒に駆動方向Bに変位して調節が生じ、ロックエレメント23同士が支持部分200の対応する前記収容開口内で下方外側へとオフセットする。これにより、前述したように、ロックエレメント23同士が締結ユニット51のクロージャ部3A~3Dの対応する係合エレメント31から脱係合する。
【0089】
図1~
図13の例示的な実施形態では各クロージャ部2A~2Dに対して専用の作動エレメント24がそれぞれ設けられているのに対し、
図14ないし
図22A~
図22Cの例示的な実施形態ではクロージャ部2A~2Dの全てのロックエレメント23を一緒にロック解除する共通の作動エレメント24が設けられている。この点を除けば、これらの例示的な実施形態は機能的な部分、特にはロックエレメント23と係合エレメント31との相互作用による前記ロック作用が実質的に同一である。よって、
図14ないし
図22A~
図22Cの例示的な実施形態の機能を踏まえながら、
図1~
図13の例示的な実施形態に関する説明も参照されたい。
【0090】
本発明の基礎をなす概念は、これまでに述べた例示的な実施形態に限定されず、別の様式で実現することも可能である。
前述した種類のクロージャ装置は、全く違う方法で使用することが可能である。
つまり、クロージャアセンブリは、バッグなどの構造物を車両などの従属対象の構造物に連結するのに使用可能である。例えば、バッグをクロージャアセンブリによって自動二輪車のタンクに締結することが可能である。
【0091】
また、前述した種類のクロージャ装置は、電子装置を自動車、自転車などの例えば車両内や車両上の従属対象の構造物に連結するのに使用可能である。例えば、携帯電話をこのような装置によって自動車のダッシュボード上や自転車のハンドルバー上に(切離し可能に)確立することが可能である。
しかしながら、前記クロージャ装置は、その他の物体を互いに連結するのに使用することも可能であり、例えばヘルメット(特には、スポーツヘルメット)やバッグや衣服の止め具として使用することが可能である。
以下、本発明に含まれる態様を記す。
〔態様1〕クロージャ装置(1,1A~1D)であって、
当該クロージャ装置(1,1A~1D)を閉止するのに閉止方向(X)に沿って互いに向かい合って配置されることが可能であり、閉止位置にて互いに連結される、本体(20)を有する第1のクロージャ部(2,2A~2D)、および第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記本体(20)に対して調節可能である少なくとも1つのロックエレメント(23)と、
前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)に形成された少なくとも1つの係合部位(310)と、を備え、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)と前記少なくとも1つの係合部位(310)とは、閉止位置にて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とが互いにロックされるように相互に係合する、クロージャ装置(1,1A~1D)において、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、第1の磁性設備(22)を具備しており、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、第2の磁性設備(32)を具備しており、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)とは、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用し、
前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備(22)及び/又は前記第2の磁性設備(32)によって牽引されるように磁性を有する構成であり、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、調節部(21)、および当該調節部(21)と作動可能に接続されて回転軸心(D)回りに回転可能である作動エレメント(24)を含み、当該作動エレメント(24)を回転させると、前記調節部(21)は、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)を前記少なくとも1つの係合部位(310)から脱係合させて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、を互いに切り離すように、駆動方向(B)に駆動可能であることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様2〕態様1に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記回転軸心(D)が、前記閉止方向(X)に沿った向きであることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様3〕態様1または2に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記駆動方向(B)が、前記回転軸心(D)に沿った向きであることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様4〕態様1から3のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記作動エレメント(24)は、当該作動エレメント(24)を回転させると前記調節部(21)を前記駆動方向(B)に駆動するように案内するガイド設備(242)を有していることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様5〕態様4に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記ガイド設備(242)が、ゲートガイドまたは少なくとも1つの斜面部(246,247)で構成されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様6〕態様1から5のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1)において、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、前記第1のクロージャ部(2)の収容開口(202)内に調節可能に収容されていることを特徴とする、クロージャ装置(1)。
〔態様7〕態様6に記載のクロージャ装置(1)において、前記収容開口(202)は、当該収容開口(202)内で前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が前記閉止方向(X)の斜めに延びる調節方向に沿って調節可能となるように前記閉止方向(X)に対して斜めに延びていることを特徴とする、クロージャ装置(1)。
〔態様8〕態様1から7のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、前記調節部(21)に設置されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様9〕態様8に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記調節部(21)上の前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、当該調節部(21)のベアリング開口(211,212)内に受け入れられており、かつ、前記閉止方向(X)に対して横断方向に当該調節部(21)に対して調節可能であることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様10〕態様1から9のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記係合部位(310)が、前記閉止方向(X)の斜めに延びる第1の傾斜面(311)を有し、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)が、前記閉止方向(X)の斜めに延びる第2の傾斜面(201)を有しており、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記閉止位置にて、前記第1の傾斜面(311)と前記第2の傾斜面(201)との間に配されることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様11〕態様10に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記第1の傾斜面(311)と前記第2の傾斜面(201)とは、前記閉止方向(X)及び横断方向(Q)に広がる平面視で、平行に又は0を上回るかもしくは0を下回る角度をもって互いに配置されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様12〕態様1から11のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)が、細長い棒状エレメントとして構成されていることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様13〕態様1から12のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記第1の磁性設備(22)が、前記作動エレメント(24)に設置されていて、当該作動エレメント(24)と一緒に回転可能であることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様14〕態様1から13のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記作動エレメント(24)を前記閉止位置に対応する回転位置から回転させると、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)との間の磁気吸引が弱まることを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様15〕態様1から14のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)において、前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)が設けられた基部ユニット(30)を有することを特徴とする、クロージャ装置(1,1A~1D)。
〔態様16〕態様1から15のいずれか一態様に記載のクロージャ装置(1,1A~1D)を複数具備したクロージャアセンブリ(5)。
〔態様17〕態様16に記載のクロージャアセンブリ(5)において、複数の前記クロージャ装置(1,1A~1D)が、回転軸心(D)回りに回転可能な共通の作動エレメント(24)を有することを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
〔態様18〕態様16または17に記載のクロージャアセンブリ(5)において、当該クロージャアセンブリ(5)が、第1の締結ユニット(50)および第2の締結ユニット(51)を備え、当該第1の締結ユニット(50)が前記複数のクロージャ装置(1,1A~1D)の複数の第1のクロージャ部(2,2A~2D)を含み、当該第2の締結ユニット(51)が前記複数のクロージャ装置(1,1A~1D)の複数の第2のクロージャ部(3,3A~3D)を含むことを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
〔態様19〕態様18に記載のクロージャアセンブリ(5)において、前記第1の締結ユニット(50)が駆動エレメント(4)を含み、当該駆動エレメント(4)は、当該駆動エレメント(4)を駆動すると全ての前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記作動エレメント(24)を調節することができるように、全てのクロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記作動エレメント(24)にトランスミッション接続部を介して接続されていることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
〔態様20〕態様19に記載のクロージャアセンブリ(5)において、前記トランスミッション接続部が、前記駆動エレメント(4)上の歯部(41,41A~41D)又はカップリングエレメント(400)によって確立されることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
〔態様21〕複数のクロージャ装置(1,1A~1D)を具備したクロージャアセンブリ(5)であって、
各クロージャ装置(1,1A~1D)が、
当該クロージャ装置(1,1A~1D)を閉止するのに閉止方向(X)に沿って互いに突き合わせることが可能であり閉止位置にて互いに連結される、本体(20)を有する第1のクロージャ部(2,2A~2D)、および第2のクロージャ部(3,3A~3D)と、
前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の前記本体(20)に対して調節可能である少なくとも1つのロックエレメント(23)と、
前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)に形成された少なくとも1つの係合部位(310)と、
を備え、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)と前記少なくとも1つの係合部位(310)とは、閉止位置にて、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とが互いにロックされるように相互に係合する、クロージャアセンブリ(5)において、
各クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、第1の磁性設備(22)を具備しており、各クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)は、第2の磁性設備(32)を具備しており、前記第1の磁性設備(22)と前記第2の磁性設備(32)とは、前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに突き合わせたときに磁気吸引で相互作用し、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)は、前記少なくとも1つの係合部位(310)と係合する方向へと前記閉止位置にて前記第1の磁性設備(22)及び/又は前記第2の磁性設備(32)によって牽引されるよう磁性を有する構成であり、各クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)は、調節部(21)および当該調節部(21)と作動可能に接続された作動エレメント(24)を含み、当該作動エレメント(24)を調節すると、前記調節部(21)は、前記少なくとも1つのロックエレメント(23)を前記少なくとも1つの係合部位(310)から脱係合させて前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)と前記第2のクロージャ部(3,3A~3D)とを互いに切り離すよう駆動方向(B)に駆動可能であり、当該クロージャアセンブリ(5)が駆動エレメント(4)を具備し、当該駆動エレメント(4)は、当該駆動エレメント(4)を駆動すると複数の前記作動エレメント(24)を一緒に調節することができるように、前記複数のクロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の複数の前記作動エレメント(24)にトランスミッション接続部を介して接続されていることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
〔態様22〕態様21に記載のクロージャアセンブリ(5)において、前記クロージャ装置(1,1A~1D)の前記第1のクロージャ部(2,2A~2D)の複数の前記作動エレメント(24)が、共通の回転軸心(D)回りに回転可能な共通のエレメントで構成されていることを特徴とする、クロージャアセンブリ(5)。
【符号の説明】
【0092】
1,1A~1D クロージャ装置
2,2A~2D クロージャ部
20 本体
200 支持部分
201 傾斜面
202 収容開口
21 調節部
210 本体部分
211,212 ベアリングアーム
213,214 ベアリング開口
215,216 ガイドエレメント(ガイドピン)
217 スライド・エレメント
22 磁性設備
23 ロックエレメント
24 作動エレメント
240 回転体
241 組付開口
242 ガイド設備
243 歯部
244 カップリング開口
245 凹所
246,247 斜面部
25 ロックアセンブリ
250 本体
3,3A~3D クロージャ部
30 基部ユニット
31 係合エレメント
310 係合部位
311 傾斜面
32 磁性設備
33 締結プレート
4 駆動エレメント
40 調節体
400 カップリングエレメント(カップリングピン)
41,41A~41D 歯付き部位
42 把持部
43 ばねエレメント
5 クロージャアセンブリ
50 締結ユニット
500 ハウジング部
501 カバー
502A~502D ベアリング開口
503 基部
504 ベアリングエレメント(ベアリングピン)
51 締結ユニット
A 回転方向
B 駆動方向
C 駆動方向
D 回転軸心
E ロック解除方向
X 閉止方向