(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】内部勾配材料、道具、および方法
(51)【国際特許分類】
B26B 3/00 20060101AFI20240906BHJP
B23P 15/40 20060101ALI20240906BHJP
B26D 1/00 20060101ALI20240906BHJP
B32B 5/14 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
B26B3/00 Z
B23P15/40 Z
B26D1/00
B32B5/14
(21)【出願番号】P 2021541083
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2020014719
(87)【国際公開番号】W WO2020154464
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-16
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521311713
【氏名又は名称】バード スティール,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ラトケ,コーレイ,ダブリュー.
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06389699(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 3/00
B23P 15/40
B26D 1/00
B32B 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレート(12)および第2のプレート(14)を備える道具であって、各プレート(12、14)は、他方のプレート(12、14)の接触面(16、18)に接して境界面(30)を確立する接触面(16、18)、ならびに前記境界面(30)でより高濃度であり、各プレート(12、14)の前記境界面(30)および前記接触面(16、18)から離れるにつれて量が減少してより低濃度になる少なくとも1つの添加剤(20)の勾配(21)を有し、前記少なくとも1つの添加剤(20)は、各プレート(12、14)の少なくとも1つの特性を変化させ、前記第1のプレート(12)および前記第2のプレート(14)のそれぞれは、金属材料で形成さ
れ、前記境界面(30)は、外側境界を有し、前記道具は、前記境界面(30)の前記外側境界の少なくとも一部に沿った少なくとも1つの作業エッジ(68)を含み、前記少なくとも1つの添加剤(20)は、前記第1および第2のプレート(12、14)の硬度を増大させ、前記作業エッジ(68)は、前記道具の使用中にセルフシャープニングする、道具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの添加剤(20)は、前記第1および第2のプレート(12、14)の腐食性流体に対する耐食性を増大させ、前記作業エッジ(68)は、前記腐食性流体への前記道具の浸漬中にセルフシャープニングする、請求項
1に記載の道具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの添加剤(20)は、少なくとも1つの鋼特性改質剤を含む、請求項1に記載の道具。
【請求項4】
各プレート(12、14)が接触面(16、18)を有する、第1のプレート(12)および第2のプレート(14)を選択することであって、前記第1のプレート(12)および前記第2のプレート(14)のそれぞれは、金属材料で形成されることと、
前記接触面(16、18)の少なくとも1つに少なくとも1つの添加剤(20)を配置することと、
前記接触面(16、18)を1つに合わせることと、
圧力を加えて前記第1のプレート(12)および前記第2のプレート(14)を互いに押し付けることと、
前記第1のプレート(12)および前記第2のプレート(14)に少なくとも1つのタイプのエネルギーを加えて、プレート(12、14)同士を融合させ、境界面(30)でより高濃度であり、各プレート(12、14)の前記境界面(30)および前記接触面(16、18)から離れるにつれて量が減少してより低濃度になる少なくとも1つの添加剤(20)の勾配(21)を有する境界面(30)を前記接触面(16、18)に確立することであって、前記少なくとも1つの添加剤(20)は、各プレート(12、14)の少なくとも1つの特性を変化さ
せ、前記境界面(30)は、外側境界を有し、道具は、前記境界面(30)の前記外側境界の少なくとも一部に沿った少なくとも1つの作業エッジ(68)を含み、前記少なくとも1つの添加剤(20)は、前記第1および第2のプレート(12、14)の硬度を増大させ、前記作業エッジ(68)は、前記道具の使用中にセルフシャープニングすることと、
を含む、道具を作製する方法。
【請求項5】
少なくとも熱エネルギーが、前記第1のプレート(12)および前記第2のプレート(14)に加えられる、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
プレート(12、14)は、勾配(21)を有する境界面(30)を確立する前に、選択された道具の形状に予め形成される、請求項
4に記載の方法。
【請求項7】
前記融合させたプレート(12、14)を選択された道具に形作ることをさらに含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの添加剤(20)は、少なくとも1つの鋼特性改質剤を含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項9】
内部勾配(21)を有するように形成された材料であって、前記材料は、第1の部分(62)および第2の部分(64)を備え、各部分(62、64)は、他方の部分(62、64)の接触面(16、18)に接して境界面(30)を確立する接触面(16、18)、ならびに前記境界面(30)でより高濃度であり、各部分(62、64)の前記境界面(30)および前記接触面(16、18)から離れるにつれて量が減少してより低濃度になる少なくとも1つの添加剤(20)の勾配(21)を有し、前記少なくとも1つの添加剤(20)は、各部分(62、64)の少なくとも1つの特性を変化させ、前記第1の部分(62)および前記第2の部分(64)のそれぞれは、金属材料で形成さ
れ、前記境界面(30)は、外側境界を有し、道具は、前記境界面(30)の前記外側境界の少なくとも一部に沿った少なくとも1つの作業エッジ(68)を含み、前記少なくとも1つの添加剤(20)は、前記第1および第2のプレート(12、14)の硬度を増大させ、前記作業エッジ(68)は、前記道具の使用中にセルフシャープニングする、材料。
【請求項10】
前記少なくとも1つの添加剤(20)は、少なくとも1つの鋼特性改質剤を含む、請求項
9に記載の材料。
【請求項11】
前記接触面(16、18)の少なくとも1つに前記少なくとも1つの添加剤(20)を配置し、前記接触面(16、18)を1つに合わせた後、プレート(12、14)の縁部(42、44)は封止され、前記少なくとも1つの添加剤(20)を含む封止された空洞を形成する、請求項
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年1月23日に出願された米国仮出願第62/795,893号の優先権を主張する。上述の出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、内部勾配を有する材料および道具、ならびにそれを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
材料は、所望の性能特性を達成するために、多くの異なる技術を利用して配合され、かつ/または形作られてきた。繰り返しの切断またはスライスに有用なエッジを維持しながら、一定の強度、剛性、および/または可撓性の特性を必要とする、ナイフ、刀剣、ならびに他の切断、穴あけ、および/またはスライス工具などの多くの道具が存在する。
【0004】
3つ以上の層を接合して各層の特性を組み合わせるために、積層が利用されてきた。「三枚」などの特殊な技術は、異なるタイプの鋼または他の材料を組み合わせてナイフおよび刀剣を作製する。材料の多くは高価であり、技術のいくつかは時間かかる。そのような組み合わせは、より柔らかいホストのクラッドより低い頻度ではあるが、依然として定期的に研ぐ必要があるため、真にセルフシャープニングではない。同じ特徴が、ダマスカス鋼などのるつぼ鋼を含む、現在利用可能な特殊合金にも当てはまり、これも、時間とともに鈍り、研ぎ直す必要がある。
【0005】
したがって、依然として選択された性能要件を満たしながら、全体的なコスト効率のより良い材料、およびそれから作製される道具を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、少なくとも1つの内部勾配を有する材料および道具を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、そのような材料および道具を作製するための改善された方法を提供することである。
【0008】
用語「道具」は、本明細書で利用される場合、その最も広い意味で、(i)ナイフ、のみ、はさみ、ドリルビット、ペンチ、農業用ブレード、およびブレードを有する他の品目などの工具、(ii)手術器具を含む器具、ならびに(iii)釣り針および針などの装置を含むことを意図する。
【0009】
用語「セルフシャープニング」は、本明細書で利用される場合、道具の硬いエッジが受ける、硬いエッジがより鋭くなるか、または他の方法で利用により合うものになる、後の任意の形態の負荷を意味する。そのような「セルフシャープニング」は、工具としての道具の通常の使用中、洗浄中、保管中、または道具の全体的な使用および/もしくはユーザ(単数もしくは複数)の状況に有益な「セルフシャープニングサイクル」を経る任意の他の方法で起こり得る。
【0010】
用語「プレート」は、本明細書で利用される場合、本発明に従って1つ以上の添加剤が適用され得る少なくとも1つの表面を有する、道具のためのシート、スラブ、および他のホスト形態を含む。アングルピースは、長手方向縁部を共有する2つのプレートの例であり、2つのアングルプレートは、プレート間の少なくとも1つの添加剤とともに押し付けられ得る。チューブまたはパイプは、2つの共通長手方向縁部を有する、最初に曲げられたプレートの例であり、2つの曲げられたプレートは、チューブまたはパイプをつぶすことによってプレート間の少なくとも1つの添加剤とともに押し付けられ得る。
【0011】
本発明は、第1のプレートおよび第2のプレートを含む道具を特徴とし、各プレートは、他方のプレートの接触面に接して境界面を確立する接触面、ならびに各接触面でより高濃度であり、各プレートの接触面から離れるにつれて量が減少してより低濃度になる少なくとも1つの添加剤の勾配を有し、少なくとも1つの添加剤は、各プレートの少なくとも1つの特性を変化させる。
【0012】
いくつかの実施形態では、境界面は、外側境界を有し、道具は、境界面の外側境界の少なくとも一部に沿った少なくとも1つの作業エッジを含む。一実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、第1および第2のプレートの硬度を増大させ、作業エッジは、道具の使用中にセルフシャープニングする。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、第1および第2のプレートの腐食性流体に対する耐食性を増大させ、作業エッジは、腐食性流体への道具の浸漬中にセルフシャープニングする。ある実施形態では、増大した耐食性を有する内部勾配は、本発明に従って、単独で、または増大した硬度、低下した展性もしくは他の可塑性、および/もしくは増大した摩耗能力などの他の特性と組み合わせて提供される。いくつかの実施形態では、第1および第2のプレートの一方または両方は、実質的に最終的な道具形状に予め形成され、他の実施形態では、組み合わされたアセンブリは、本発明による処理後に、道具に形作られる。ある実施形態では、第1のプレートおよび第2のプレートの少なくとも1つは、金属材料で形成される。
【0013】
本発明はまた、道具を作製する方法を特徴とする。方法は、各プレートが接触面を有する、第1のプレートおよび第2のプレートを選択することと、接触面の少なくとも1つに少なくとも1つの添加剤を配置することとを含む。接触面は1つに合わせられ、圧力が加えられて第1のプレートおよび第2のプレートを互いに押し付ける。方法は、第1のプレートおよび第2のプレートに少なくとも1つのタイプのエネルギーを加えて、プレート同士を融合させ、境界面でより高濃度であり、各プレートの接触面から離れるにつれて量が減少してより低濃度になる少なくとも1つの添加剤の勾配を有する境界面を接触面に確立することをさらに含む。少なくとも1つの添加剤は、各プレートの少なくとも1つの特性を変化させる。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも熱エネルギーが加えられる。ある実施形態では、プレートは、勾配を確立する前に、選択された道具の形状に予め形成される。他の実施形態では、方法は、プレートを選択された道具に形作ることをさらに含む。
【0015】
本発明はまた、内部勾配を有するように形成され、第1のプレートおよび第2のプレートなどの第1の部分および第2の部分を含む、材料として表され得る。各部分は、他方の部分に接して境界面を確立する接触面を有する。境界面でより高濃度であり、各部分の接触面から離れるにつれて量が減少してより低濃度になる少なくとも1つの添加剤の勾配が存在し、少なくとも1つの添加剤は、各部分の少なくとも1つの特性を変化させる。
【0016】
以下では、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】それらの間に配置された添加剤を有する2つのプレートの概略側断面図である。
【
図2】境界面を有する道具アセンブリを形成するための本発明による処理後の、
図1の2つのプレートの概略側断面図である。
【
図3】
図2のアセンブリ中の境界面に対する内部勾配を概略的に示すグラフである。
【
図4】道具に形作る前の、
図2のアセンブリの概略斜視図である。
【
図5】
図2および
図4のアセンブリから形作られた道具のナイフエッジの概略断面図である。
【
図6】本発明による代替技術に従って利用される添加剤のストランドを有する下部プレートの概略斜視図である。
【
図7A】
図6のストランドを有するプレートを利用して最初に形成されるような、滑らかな作業エッジを有する道具の概略側面図である。
【
図7B】作業エッジにセレーションを生じる使用後の
図7Aの道具の概略側面図である。
【
図8】本発明によるVerd Steel A7で作製されたナイフブレード対従来のナイフブレードの、破断ラインに必要な力Fg(グラム)対ボール紙および木材の切断のスライス負荷総数#のグラフである。
【
図9】本発明の一態様によるプロセス概要のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、道具およびそれを作製する方法によって達成され得、第1のプレートおよび第2のプレートを含み、各プレートは、他方のプレートの接触面に接して境界面を確立する接触面、ならびに境界面および各接触面でより高濃度であり、各プレートの境界面および接触面から離れるにつれて量が減少してより低濃度になる少なくとも1つの添加剤の勾配を有する。少なくとも1つの添加剤は、各プレートの少なくとも1つの特性を変化させ、例えば、硬度および/もしくは耐食性を向上させるか、または境界面の可塑性を低下させる。
【0019】
本発明による1つの構成技術では、
図1の第1のプレート12および第2のプレート14は、添加剤20が接触面16、18の一方または両方に配置された後に、1つに合わせられる。矢印F1は、接触面16の反対側の表面で第1のプレート12に加えられる第1の力を表し、矢印F2は、接触面18の反対側の表面で第2のプレート14に加えられる第2の力を表す。1つの技術では、力F1およびF2は両方とも、対向するピストンを互いに向かって動かす液圧プレスなどによる動的な力である。別の技術では、力F1およびF2の一方は静的であるが、他方はプレートの一方に動的に加えられた力を表す。
【0020】
図1の2つのプレート12および14は、
図2および
図4では、以下でより詳細に記載されるような、プレート12内の添加剤20の第1の内部勾配22およびプレート14内の添加剤20の第2の内部勾配24を含む、内部勾配21を有する境界面30を確立するための本発明による処理後の、融合したモノリシックアセンブリ10として示される。
【0021】
各プレート12、14は、ホストプレートとして機能し、すなわち、各プレートは、そのプレート中に移動して、各プレート12、14内でそれぞれ内部勾配22、24を確立する、少なくとも1つの添加剤20のホストとなる。ホストプレートは、本明細書では、「ベースプレート」または「ベース材料」とも呼ばれてよい。
【0022】
図3は、
図2のアセンブリ10中の内部勾配21を概略的に示す、y軸が濃度Cおよびx軸が距離Dのグラフである。破線56は、この構成では0.95のピーク濃度50を有する境界面30を表す。濃度は、線52で表されるような勾配22および線54で表されるような勾配24内で、ゼロまで徐々に低下する。線52および54の片側の「ゼロ」濃度は、破線56がx軸と交差する点からの距離で表されるような境界面30からのその距離を越えて、添加剤が移動および/または拡散していないことを示す。
【0023】
図2のアセンブリ10は、
図4では、外縁42を有するプレート12および外縁44を有するプレート14で示される。本発明によるいくつかの方法では、縁部42および44は、以下でより詳細に記載されるような、圧着、溶接、または他の封止技術によって封止される。
【0024】
この構成では、組み合わされたアセンブリ10は、本発明による処理後に、ナイフなどの道具に形作られる。
図5のナイフブレード60は、切断、スライス、切削、または他のエッジ関連作業などの作業を行うためのエッジ68を有するように、
図2および
図4のアセンブリ10から形作られた道具を表す。他の構成では、第1および第2のプレートの一方または両方は、実質的に最終的な道具形状に予め形成される。
【0025】
図5のブレード60は、プレート12および14からそれぞれ形作られた第1の部分62および第2の部分64で示される。破線66は、境界面30を示す。破線70および72は、初期のエッジ74で交わり、初回使用前のナイフブレード60の初期の寸法を概略的に表す。
図5は、かなり概略的であり、正確な縮尺で描かれていない。実際のアブレーションおよび/または他の浸食摩耗は、初期ホスト材料の特性、ホスト材料内に分散した添加剤のタイプ、および加熱および/または急冷ステップの延長または短縮などの、以下でより詳細に記載されるような本発明による、分散の程度に依存することになる。浸食摩耗の速度も、エッジ74に与えられる負荷のタイプおよび程度に依存することになる。しかしながら、一般に、ホスト材料は、初期の側部70、72からより容易に除去されてセルフシャープニングを達成することになり、この構成では硬化添加剤の濃度が最も高いエッジ74では、摩耗はより少ない。負荷に応じて、立体選択性も生じ得る。場合によっては、セルフシャープニングエッジは立体特異的になり、すなわち、非限定的な例として、右側の切削が、切削プロセス中により効率的になり、次いで、左側への切り替えは、ブレードが前述の左側の切削に最適になるまでに数スライスを必要とする。
【0026】
本発明による別の構成技術では、
図6の、少なくとも1つの添加剤組成物のストランド80が、下部ホストプレート14aに配置される。用語「ストランド」は、本発明に従ってホスト材料に適用される炭素などの添加剤のロープ、ストライプ、糸、および他の不均一な分布を含む。添加剤が硬度を増大させる場合、柄Hを有するナイフ90について
図7Aおよび
図7Bに概略的に示すように、セレーション型が使用中に生じる。
図6のストランド80は、
図7A~
図7Bの破線80で示される。十分に摩耗した後、ナイフ90は、ストランド80から生じる内部勾配によって強化されたより硬い刃(頂点)94の間に刃溝(谷)92を生じる。
【0027】
一般に、勾配または複数の勾配が、多くの異なる、比較的同じ、かつ/または非常に特殊な物理的特性の利益を達成するために、本発明に従って適用されてよい。結果として生じる勾配は、任意のジオメトリのものであってよく、非限定的な例として、
図7A~
図7Bに示す非限定的なセレーション例などのストライプを達成する垂直ストランド、窒素の非限定的な例などの中央縁部のみのもの、相対的に1次元(添加剤のドットまたはスポット)、ストランドなどの2次元、および/または3次元形状の任意の他のジオメトリが挙げられる。
【0028】
炭素の非限定的な例で示されるこの場合の任意の垂直ストランドは、この炭素「ロープ」の非限定的な例に限定されずに、任意の勾配自体に加えられて、マイクロセレーションを含有するブレードエッジを製造し得る。これらのマイクロセレーションは、例えば、ブレードを手持ちナイフ作業に使用する場合、強い「噛み」を提供する。このマイクロセレーション効果は、ナイフエッジに強く望まれる特性であり、一般に、「鋼化」と呼ばれるプロセスを介して新たに研がれたナイフに加えられ、かつ/またはマイクロセレーションは、研がれたナイフを比較的粗いグリットの研磨媒体で研いで軽く修正することによって加えられる。発明者らは、最初にナイフを表面処理するときに、サンドペーパなどの表面処理媒体によって残された擦り傷が、発明者らの材料が有益に提供するマイクロセレーションの発生に寄与し得ることを見出した。木材、ボール紙、圧縮ボール紙等を切断することによって強い負荷がかかるとき、マイクロセレーションは終始持続する。これは、軟材およびボール紙を約5ポンドの圧力で25,000スライス超などの、非常に強い負荷を含んでいる。Verd Steelマイクロセレーションの存在および持続性は、大量の中程度のスライス負荷(食品を切断するのに使用されるなど)を受けると滑らかになる傾向がある他のナイフに有益である。
【0029】
図8は、本発明によるVerd Steel A7で作製されたナイフブレード(実線100)対従来のナイフブレード(破線102)の、破断ラインに必要な力Fg(グラム)対ボール紙および木材の切断のスライス負荷総数#のグラフである。これらの結果は、一方は、Browning and Sonからの有名な高品質カスタムダマスカスナイフのブレードであり、他方は、本発明によるVerd Steel配合A7で作製されたブレードである、2つのナイフブレードを試験することによってもたらされた。両方のナイフを、Chef’s Choice Professional Sharpening Station 130で研ぎ、次いで、DTC100試験クリップを備えるSharp PT50A Electronic Knife Sharpness Testerを使用して鋭さを試験して、初期の鋭さを決定した。次いで、両方のナイフに、各々合計300スライスの負荷をかけ、150回は、使用済みの4分の1インチの梱包用ボール紙をスライスし、150カットは軟材をスライスした。最後に、ナイフを、上述の方法を使用して鋭さについて再び試験した。
【0030】
図8のデータ点は、5つの測定点の平均を示す。結果は、Browning and Sonのナイフが負荷に応じて鈍り、試験媒体を破断するのに、負荷前より51.8g多い力を必要としたことを示す。Verd Steelのナイフはより鋭くなり、試験媒体を破断するのに、初期より25.8g少ない力を必要とした。これは、高品質のナイフが合理的な負荷により鈍った条件下で、本明細書に記載されたVerd Steelのナイフは、より鋭くなり、性能が改善されたことを示す。
【0031】
本発明による1つの方法では、最小数のステップは以下の通りである。第1に、どこに添加剤が適用される場合でも、鋼または他のホスト材料の表面をフレッシュな表面に調製する。第2に、1つ以上の添加剤を、ホスト材料の選択された表面(単数または複数)に加える。非限定的な例として、添加剤は、グラファイト単独、尿素単独、および/またはセラミックなどの硬質粒子単独であり得る。粒子は、ウルトラナノ(直径1nm未満)から0.5mmの大きな結晶までのサイズであり得る。第3に、内部勾配を達成するために、熱エネルギーおよび/または圧力などのエネルギーを加える:少なくとも2つのプレートを1つに合わせ、熱を加え、押圧してプレートを融合させる。
【0032】
本発明による1つの構成では、1018型鋼管、および粒子径0.05ミクロンの炭化ケイ素10グラム超を組み合わせ、ともに押圧して、勾配を有するセルフシャープニングナイフにし、厚さ約1mmではあるが、作業可能なセルフシャープニングブレードを見出した。同様に、発明者らは、粒子径0.05ミクロンのアルミナ10グラム超を、類似のA36鋼管に加えた。
【0033】
逆に、発明者らは、合計0.4μLの1,2-ジアミノシクロヘキサンを36インチ四方の80CrV2板状系に使用し、薄く鋭いセルフシャープニングブレードが生成されたことを見出した。拡散のレベル、ゆえに、切断のために選択されたプロファイルの形状は、熱処理の温度および時間を変更することによって調整可能である。例えば、1,2-DACH、50nmの炭化ケイ素、および50nmの炭化ホウ素の添加剤を有する、A36低炭素鋼の厚いピースが作製された。ブレードを2つに切断して、完全なセルフシャープニング層を有する2つのピースを作製した。一方のピースは、871℃に8時間さらに暴露され、他方のピースは、元の大きなピースとして押圧された後、再加熱されなかった。次いで、両方のピースは、勾配拡散のサイズの目測を可能とする流体に浸漬された。
【0034】
急冷を介して閉じ込める前に拡散の程度を意図的に操作することが、この例で説明される。上記の例でより長い時間加熱したピースは、さらなる熱処理をされなかった他方のピースよりはるかに多い拡散を示し、このピースがまた、より幅広いブレードエッジプロファイルにセルフシャープニングするであろうことを意味した。したがって、ホスト材料、添加剤、添加剤の量、表面調製の方法、(封止が行われる場合)空間を封止する方法、時間、温度、押圧回数、ならびに/または熱サイクルの時間および温度を操作することによって、特定のセルフシャープニング材料が作製され得、ユーザが選択した特定の用途に合うようにさらに最適化され得る。
【0035】
本発明による内部勾配を有するブレードを製造するための1組の方法ステップを、
図9のフローチャート200に示す。ステップ201で、最終製品の目的を決定し、ステップ202で、適切なタイプの鋼などのホスト材料を選択する。ステップ203で、ホスト材料のプレートとして機能する80CrV2の2つのシートを取得し、次いで、ステップ204で、各シートプレートを表面処理する。ステップ205で、選択された最終目的を果たす添加剤の組成および量を決定し、ステップ206で、1つ以上の添加剤を、シートプレートの選択された清浄な表面に適用する。この実施形態では、ステップ208で、典型的には、消耗ワイヤ電極を用いたMIG(金属不活性ガス)溶接を利用した、外縁の周りの溶接などによって、プレートの縁部を封止する。
【0036】
ステップ209で、ブレードのタイプを選択し、(i)魚おろし包丁用などの、より細く、より鋭いエッジを達成するために選択されるもう1回の押圧(ステップ201a)、(ii)日常的に持ち歩くナイフを達成するために選択されるもう2回の押圧(ステップ210b)、または(iii)斧もしくは手斧ヘッド用などの、より大きく、より頑丈なエッジを達成するための、871℃などの温度での保持(ステップ210c)に加えてもう2回の押圧(ステップ210d)につながる。次に、ステップ211で、ブレードを、1つ以上の熱サイクルに通す。ステップ212で、最終的なブレードおよび/またはタング形状を切断し、ステップ213で、初期のエッジプロファイルを確立する。ブレードを、ステップ214で熱処理し、次いで、ステップ215で急冷する。次いで、ステップ216で、エッジをより正確に発見し、次いで、ステップ217で、ブレードを焼き戻しする。異なるホスト材料、添加剤、および処理パラメータのより詳細な例を、以下に提供する。
【0037】
上で定義された用語「道具」、「セルフシャープニング」、および「プレート」に加えて、本明細書で利用される他の用語は、以下のように定められる。用語「より鋭い、研ぐこと、鋭い等」は、たいていの比較的研がれた道具の最終目標である、合理的に選択され、そのために道具が作製された固体材料を、より容易にスライスするか、またはスライスするのに許容される現状にあるエッジを提供することを意味する。前述の「鋭さ」に適用されてもされなくてもよい副因子としては、エッジプロファイル(単数または複数)、切断される固体に対するエッジ潤滑性、エッジの任意の他のジオメトリ、セレーション、スライスに「噛み」を提供し得るマイクロセレーションが挙げられる。
【0038】
用語「スライスすること、スライス、スライサ等」は、ブレードのエッジの線状接触面が、静止時のブレードと固体材料との間の接触面とされるのと同じ線に沿って、約90度で固体表面に一直線に動かされるように、ブレードを固体表面と係合することを意味する。本明細書では、用語「スライス」はまた、以下:「スライス」動作なしで切断される材料にブレードを押し込む「切断」、ブレードが表面に動かされ、所望の効果を与える速度で打ち付けられる「細断」、処理を受ける材料に点が押し込まれる「穴あけ」、ならびに係合される材料内に任意の種類のギャップが作り出される効果を有するように材料を係合する、あらゆるすべての他の方法/技術のすべてを、任意の組み合わせで含むように適用される。
【0039】
用語「切削する」および「切削」は、通常、四角い板の縁部で、ある角度で粒状に切断することによって、木材の小片を削り取るか、またはスライスして取ることを意味する。
【0040】
用語「金属」および「金属性」は、すべてのタイプの鋼および合金鋼、炭素を含有する鉄材料、鉄系材料を含み、アルミニウム、チタン、および半金属の非限定的な例を含む、本発明によるセルフシャープニング勾配層の生成から利益を受け得るすべての他の金属材料を含む。
【0041】
用語「ホスト材料」は、金属、エポキシを含むポリマー、ゴムを含むエラストマー、ガラス、結晶、セラミック、木材、エラストマー、および本発明に従って処理されると内部勾配を生じる任意の他の材料を含む。
【0042】
用語「添加剤」は、クロムなどの、利益に影響を与えるものの添加を具現化して、セルフシャープニングおよび/もしくはブレード性能を直接支援し、ならびに/またはセルフシャープニング能力を支援する。しばしば本明細書では、「加えられる材料」と呼ばれる。
【0043】
本発明による内部勾配を有する道具は、農業利用を含む様々な努力に有用である。農業における任意の草刈り、挽砕、細断、微粉化(粉砕)プロセスは、この技術から大きな利益を受けるであろう。これらの農業利益は、本発明によるブレードがセルフシャープニングであり、より高い効率、より少ない燃料消費、および切断エッジにつながるすべての駆動部のより少ない摩耗を、より長く持続させるため、ブレードを変える労力がより少ないことを含む。例として、本発明による勾配を有する干し草用ナイフが、市販の干し草カッターで試験され、セルフシャープニング能力は、この現実世界の用途で存在した。
【0044】
セルフシャープニングエッジを有する道具が上に記載されているが、これは発明を限定するものではない。本発明による内部勾配材料は、以下の特性の1つ以上を有し得る:
i)使用中のセルフシャープニング、
ii)増大した強度、
iii)剥離および/もしくは分離に対する耐性、
iv)電気容量、
(1)物理的強度の増大による、
(2)他の選択された理由による、
v)電気抵抗率、
vi)電気コンダクタンス、
vii)物理的強度、
viii)耐食性、
ix)マイクロセレーションおよび/もしくはマクロセレーション、
x)任意の種類の切断能力の増大、
xi)エッジ強度、
xii)エッジ保持、
xiii)エッジの鋭さ、
xiv)エッジおよび/もしくはブレードの安定化、
xv)ベース材料の結晶粒改質、
xvi)靭性、
xvii)耐摩耗性、
xviii)アブレーション耐性、
xix)延性および/もしくは展性などの可塑性、ならびに/または
xx)耐破損性。
【0045】
本発明によるそのような材料は、以下の利益の1つ以上を提供し得る:
a.最終製品の非常に高い特性の柔軟性および/または同調性、製品を作製するプロセス、ならびに目的に合った製品を作製する選択。
b.組み合わせの性質;説明のために、非限定的な例示のみを目的として、従来のナイフエッジブレード作製を考えると、エッジに加えられ得る無限の異なる材料が、無限の数の組み合わせならびに全体濃度および相対濃度の両方で存在する。さらに、説明のみを目的とした例示的な非限定的列挙として、単独のまたは組み合わせた異なる添加剤タイプ、温度、加熱時間、押圧、ベース金属の選択、ベース金属の表面処理の変形などの異なるプロセスは、様々なタイプの添加剤の、異なる拡散の速度および程度をもたらす。
c.非常に少ない量の添加剤が必要とされるため、全体的な効果における大きな差が、多くの場合で実現される。例として、かつ説明のみを目的として、1つの構成では、本発明に従って処理される道具は、長さ7.5インチ、幅2インチのナイフであり、15平方インチの表面積をもたらす。セルフシャープニング厚さの範囲が、50nm(およそ鋭いかみそりのエッジの厚さ)の距離範囲にわたって2質量%の添加剤から0質量%の添加剤まで下がるような量だけであるならば、500cm2×50nm=0.025cm3である。鋼の密度を約8.0g/cm3とすると、0.025cm3×8.0g/cm3であり、このナイフでは、添加剤の量は0.2gとなり、2%の目標レベルでは0.004g、すなわち4mgである。
【0046】
【0047】
【表2】
添加剤は、非限定的な例として、ガスデポジション、液体、固体、粉末、ゲル、基材(単数または複数)上へのスラリーの噴霧、ミスト、霧化材料、1つ以上の表面への衝突、還元、電気めっき、ならびにあらゆるすべての他の添加機構が挙げられる任意の形態で、加えられてよい。これらの添加剤およびそれらの添加剤の組み合わせのいくつかは、加熱前にプレートの封止を必要としないが、他は、縁部封止から利益を受けるであろう。
【0048】
配合A7の例
図8で取り上げられ、上に記載されたような、本発明によるVerd Steel配合A7を作製するための1つの技術は、以下の通りである。まず、2ピースの、Alpha Knife Supply(Cedar City、UT)からの厚さ0.110の80CrV2は、KMGベルトサンダで36グリットのサンドペーパを用いて表面処理され、次いで、600グリットの炭化ケイ素サンドペーパで軽くハンドサンディングされて、本発明によるホストプレートとして機能する。次いで、プレートを、アセトンに浸した低リントセルロースワイプで清浄化し、乾燥させ、次いで、各プレートの表面36平方インチ当たり4.0μLの最終量の1,2-ジアミノシクロヘキサン、各プレートの表面36平方インチ当たり0.00832gの最終量の50nmの炭化ホウ素粒子、および各プレート36平方インチ当たり合計0.00894gの50nmの炭化ケイ素粒子を、蒸発性担体として400μLのアセトンの使用を可能とする最終濃度まで加える。次に、400μLのこの上記原料を、表面に加え、2つのプレートをともに押圧しかつこすり合わせることによって広げる。
【0049】
次いで、2つのプレートを、約5psiの中程度の目標圧力でともに押圧し、レーザ溶接されたプレート内に封止された空洞を形成するために、2つのプレートは、レーザ溶接を使用して、プレートの縁部の周りを共に接合された。次に、ともに溶接されたユニットを、室温から140分のランプで871℃に加熱し、30分間保持して、気化しかつ周囲の金属表面に取り込まれる時間を与え、36平方インチのプレートに対して75トンの力で押圧して、本発明によるA7材料とも呼ばれる、プレートアセンブリを形成し得る。次に、温度を、30分かけて1000℃に上昇させ、1000℃で5分間保持し、75トンで再び押圧する。次いで、A7材料を、1250℃に加熱し、そこで10分間保持し、75トンで再び押圧し、次いで、約700℃でプレス機から除去し、室温への徐冷のために乾燥バーミキュライトに配置した。
【0050】
次いで、A7材料のプレートアセンブリを、120分のランプで871℃に加熱し、続いて、少なくとも2時間かけて室温に冷却させ、1時間かけて725℃に上昇させ、少なくとも2時間冷却し、次いで、1時間かけて650℃に上昇させ、少なくとも1時間かけて冷却させることによって焼き鈍しする。
【0051】
次に、A7材料を、レーザ切断して形状加工し、切断エッジを、砥石グラインダに続いて36グリットの定置式ベルトサンダ/グラインダを使用して約1mmに近づけた。
【0052】
次いで、A7材料を、1時間かけて871℃に加熱し、5分間保持し、150°FのParks AAAなどの油中で急冷した。次いで、A7材料を、2時間、350°Fで1回熱処理し、電気オーブン内で室温に徐々に冷却させた。
【0053】
次いで、Verd Steel A7を、最初に、KMGベルトサンダで180グリットのサンドペーパを使用し、ホローグラインドを注意深く使用し、材料をむしろ「浮上」させて、耐摩耗性のより高い内部勾配に至るまで研いだ。次いで、再形状加工/研ぎ、および
図8に示され、上に記載されたようなBrowning and Sonダマスカスナイフと比較する試験を受ける前に、A7材料を、木材のスライス、ボール紙の切断、および軟材のたたき切りに使用して、セルフシャープニング能力を確認した。
【0054】
ホスト材料に加えられる圧力および他のエネルギーに関して、押圧に利用される量は、400トンまでの現在のプレス能力で、1トン未満、150トンまでの使用を含む。また、うまくいったのは、ハンマー、金敷、大型ハンマーを使用し、1回から20回をはるかに超える範囲の再加熱およびハンマー打ちイベントまたはそのサイクルを有する、手持ち金敷鍛造である。ヒータは、プロパン炉、圧縮空気添加を有するプロパン炉、および電気炉を含んでいた。勾配を作る拡散プロセスに役立った温度は、300℃~1250℃であったが、この範囲は、おそらくわずかに拡大され得る。
【0055】
使用した異種金属は、80CrV2と組み合わされた15N20、および8670と組み合わされた15N20を含む。
【0056】
上述のように、アングルピースは、すでに封止されている、長手方向縁部を共有する2つのプレートの例であり、2つのアングルプレートは、プレート間の少なくとも1つの添加剤とともに押し付けられ得、次いで、反対側の縁部および2つの端部が封止され得る。チューブまたはパイプは、2つの共通および封止長手方向縁部を有する、最初に曲げられたプレートの例であり、2つの曲げられたプレートは、チューブまたはパイプをつぶすことによってプレート間の少なくとも1つの添加剤とともに押し付けられ得、次いで、両端を封止する。
【0057】
円筒形ホスト材料の例
いくつかの構成では、ホスト材料は、本発明による、中心から半径方向の内部勾配を有する円筒形固体になるように製造され、これは、釣り針、針、ならびに増大した硬度、耐食性、および/または道具の中心で向上した他の添加剤特性から利益を受ける、穴あけ先端または他の先端部を有する円形断面の他の道具に有用である。他の構成では、ホスト材料は、チューブまたはパイプのように最初は中空である。
【0058】
金属パイプを利用する例は、以下の通りである。低炭素軟鋼を、より厚肉の5/16”の鋼管としてHome Depotから購入した。内側は、購入時に清浄であり、外側は、研磨により、さびがほとんどない、清浄で、滑らかな、光沢のある表面にされた。内側は、光にかざして覗くと、「光沢があり」清浄に見えた。チューブを、弓鋸で6ピースに切断した。チューブが軟鋼のものであることの証拠に、弓鋸は素早く通過した。
【0059】
各ピースに対して、まだ冷たい間に、一方の端部を金敷上で、木槌で打って閉じた。5つの処理条件を作り出した:
・制御.両端を打って閉じ、中心を部分的に平らにした。一方の端部をチューブ長に対して斜めの角度で打ち、部分的に平らにして、確実にIDを回収できるようにした。
・実験A.一方の端部を打って閉じ、少量の0.05ミクロンのアルミナを加え、他方の端部を打って閉じ、中間を打って部分的に閉じた。
・実験B.一方の端部を打って閉じ、ある長さのナイロンロープを、開放端を通して加えた。ロープを、他方の閉鎖した端部に詰めた。中心にピンチ点(砂時計のようなくびれ)を打ち、次いで、他方の端部を打って閉鎖し、空いている領域の部分を打って部分的に閉鎖した。
・実験C.Bの繰り返し。
・実験D.一方の端部を打って閉じた。少量のナイロン、少量の0.05ミクロンのアルミナ粉末を加えた。他方の端部を打って閉鎖した。中心部を部分的に平らにした。
・実験E.多量のナイロンロープを加え、チューブの中心に詰めた。多量(収まる全ての量)のアルミナを、チューブ内のナイロンロープの各側に加え、鋼棒で詰めた。次いで、各端部を打ち、中心部を部分的に平らにした。
【0060】
次いで、各シリーズを炉に入れ、各々数分間、黄色グロー(かつ非磁性)に加熱した。8分後、各チューブを、炉から金敷にトングで素早く取り出し、部分的に平らにした領域を、手鍛造の素早い中程度の打撃エネルギーを使用して、木槌で素早く打ち合わせた。次いで、各ピースを炉に戻し、再加熱し、続いて木槌で打つことを、(最初のサイクルを含めて)合計3サイクル行った。
【0061】
次いで、各シリーズを、約45分間、周囲温度に冷却させた。次いで、各ピースを炉に戻し、3分間、黄色に加熱させ、次いで、素早く急冷し、冷めるまで使用済みモータ油中で前後に動かした。次いで、各平らにしたチューブは、ほとんどすべての金属が軟鋼であるため、その後の加熱処理なしで直接試験された。結果は、鍛接融合が無傷の場合、得られた各ブレードはセルフシャープニングしたことを示す。さらに、高レベルの研磨剤を含有するチューブは、鋸で切ってのみおよびハンマーヘッドにすることができた。
【0062】
化学腐食例。
増大した耐食性を有する内部勾配は、本発明に従って、単独で、または増大した硬度および/もしくは摩耗などの他の特性と組み合わせて提供され得る。内部耐食性勾配を有するブレードは、酢、塩水、またはイオン性および/もしくは酸性溶液などの他の腐食性流体への定期的な浸漬によって、セルフシャープニングすることができる。一晩の酢への浸漬中にセルフシャープニングするブレードが作製された。(内部腐食勾配を有する)腐食によるセルフシャープニングおよび(内部硬度勾配を有する)使用によるセルフシャープニングに加えて、(摩耗勾配として)ナノ粒子研磨剤を組み合わせる、他のブレードが作製された。
【0063】
内部腐食勾配を作る一実施例として、321ステンレス鋼の2つの薄いシートを、0.110インチの80CrV2の2つのプレートの間に加えた。1,2-ジアミノシクロヘキサンに加えて、50nmの炭化ケイ素および50nmの炭化ホウ素の添加剤を、321ステンレス鋼の2つのシートの間に配置した。サンドイッチは、80CrV2>321ステンレス鋼>添加剤>321ステンレス鋼>80CrV2となる。上に記載されたVerd Steel A7の例と同様に、外部を溶接し、加熱および押圧する。この材料は、発明者らによって、希酸(HCl)または塩水(NaCl ~4%w/w)中に置かれるとはるかに鋭くなることが見出された。また、そのような腐食負荷によるセルフシャープニングは、1.純ガリウム、2.純ステンレス鋼粉末、3.ステンレス鋼粉末に加えて、50nmの炭化ケイ素、50nmの炭化ホウ素、および1,2-ジアミノシクロヘキサン(4μL)の添加剤であった。さらに、粉末純コバルト、粉末純ケイ素、粉末純ケイ素に加えて50nmの炭化ケイ素および50nmの炭化ホウ素および4μLの1,2-ジアミノシクロヘキサンの添加剤は、上記の酸溶液、塩水、または他の腐食性環境への浸漬により、セルフシャープニングすることが見出された。最後に、純鉄粉末、純ケイ素粉末、純マンガン粉末、純ガリウム粉末、純コバルト粉末、および粉末ステンレス鋼を含有する添加剤混合物は、希塩酸に18時間にわたって浸漬するとセルフシャープニングする80CrV2クーポンをもたらした。
【0064】
添加剤例
別の例として、セルフシャープニングナイフエッジを、本発明に従って、80CrV2ベース(ホスト)鋼から、本明細書に記載されたように1,2-ジアミノシクロヘキサン、50nmの炭化ケイ素、および50nmの炭化ホウ素を使用して作製した。このナイフは、乾燥竹、乾燥圧縮ボール紙、乾燥軟材(横びきおよび縦びき)の25,000スライス超を受け、さらに、50回超の強いたたき切り回数にわたって乾燥軟材を4×4のポールにたたき切るのに手斧と同様に使用され、これは、深さ0.5インチ超、大部分は深さ約1インチの細断片を各々生じた。このナイフは、1)最初にむしろ鈍っていた場合、時間とともに鋭くなり、2)時間とともに非常に良好な鋭さを維持し、3)意図的に損傷された場合、使用中により鋭くなることによって応答するという点で、セルフシャープニングすることが見出された。硬化エッジは、ベース鋼と異なる、明るい色の材料のものであり、ナイフがもたらすエッジは、大きな負荷により丸くなったが、マイクロセレーションは、試験を通じて残りかつ生じたことに留意されたい。大きな摩耗負荷は、セレーションをある程度丸くするが、摩耗は、刃溝と刃との間の振幅を増大させるように働き、これは、無傷で非常に鋭いまま残り、素晴らしい「感触」、および紙を含む多様な試験媒体をスライスする能力をもたらすマイクロセレーションを維持した。
【0065】
拡大下で、横びき鋸によく似た、セレーションエッジの微視的蛇行性が観察され、エッジの不連続性が鮮明に見られ、これは、鋸歯状エッジの証拠となる。また、これは、研ぐことを意図した装置でブレードを研ぐことによってではなく、ブレードを使用することによって変化したエッジであることに留意されたい。したがって、これは、ブレードを使用した激しい切断および細断中、連続的な「作業エッジ」であり続ける。
【0066】
より詳細な例は、以下のように提供され、内部勾配を作り出してセルフシャープニング機能を促進する、任意の種類のナイフ鋼に適している。まず、炭素±窒素源±粒子を選択された金属間に加える。例えば、ナイフ鋼80CrV2に、約0.1μL/in2金属の割合で1,2-ジアミノシクロヘキサンが加えられ、炭化ケイ素粒子および炭化ホウ素粒子が0.05μmの粒子として加えられる。80CrV2の2つのピースを、次第に細かいグレードのサンドペーパで表面処理してよく、アセトンに浸した低リントセルロースワイプで清浄化し、乾燥させ、次いで、粒子をアセトンに加え、一方または両方の表面に広げてよい。次いで、約0.1μL/in2の量の1,2-ジアミノシクロヘキサンを、一方のプレートの中心に加えてよい。次いで、2つのプレートを、約1psiの中程度の目標圧力で組み立ててよく、溶接部内に封止された空洞を形成するために、2つのプレートは、レーザ溶接を使用して、プレートの縁部の周りを共に接合された。次に、ともに溶接された2つのプレートを、75°Fから30分のランプで1550°Fに加熱し、5分間保持して、気化しかつ周囲の金属表面に取り込まれる時間を与えてよい。次に、温度を、30分かけて2000°Fに上昇させ、材料を2000psiで押圧してよい。最後に、材料を、5分かけて2000°Fに加熱し、4000psiで押圧してよい。
【0067】
次に、単一の形態である、今融合させたプレートを、応力を解放し、結晶粒度を制御するために、熱サイクル技術を使用して焼き鈍ししてよい。例えば、材料を、10分かけて1600°Fに加熱し、5分間保持し、バーミキュライト/パーライト乾燥断熱材に配置して徐冷または温度プログラム冷却を促進し、4時間かけて75°Fを達成してよい。次に、材料を、10分かけて1425°Fに加熱し、5分間保持し、徐冷して、4時間かけて75°Fを達成してよい。同様に、材料を、1200°Fに加熱し、徐冷してよい。これらのパラメータは変動してよいが、まとめてナイフ作製の「温度サイクル」と呼ばれる。
【0068】
次に、材料を、レーザ切断、ウォータージェット切断、もしくは任意の他の切断方法を含む様々な方法で切断し、かつ/またはサンドペーパおよび/もしくは砥石媒体で研磨して、所望のナイフの第1のプロファイルを達成してよい。
【0069】
次いで、材料を、1600°Fに加熱し、5分間保持し、100°FのParks AAAなどの油中で急冷してよい。次いで、材料を、毎回2時間、350°Fで2回熱処理して、焼き戻しを達成してよい。
【0070】
次いで、材料を、セルフシャープニングエッジを「発見」するために研いでよい。これは、市販のナイフ研ぎ器によって行われるか、または単純に動くサンドペーパに当てられてよい。エッジは、典型的には、研ぐために使用される機械の研磨負荷に対する物理的耐性がはるかに高いため、非常に発見しやすい。
【0071】
次いで、任意の柄または他の構成を、道具に加えてよい。ここで、ナイフは、セルフシャープニング条件にあり、多くの可能な用途にすぐに従事できる。
【0072】
特に、第1の処理パラメータの変更が、第2の処理パラメータの対応する変更で補償または相殺される場合、許容される処理パラメータの範囲は非常に広いことに留意すべきである。例えば、鋼と1つ以上の添加剤との融合は、より高い温度およびより低い圧力で達成され得、逆も同様であり、かつ/または鋼の鍛接特性を変更する様々な添加剤の使用で達成され得る。
【0073】
添加剤の添加率は、ng~gレベルで利用され、この範囲全体にわたって成功を収めている。得られた鋼が設計される用途は、異なる幅および異なる勾配特性を必要とする。発明者らは、顕微鏡検査でほとんど測定不能(おそらく幅約1nm)から、幅約2mmまでの勾配を作った。
【0074】
1つ以上の添加剤によって変化し得る別の材料特性は、延性または展性などの可塑性である。勾配の中心での展性の低下は、道具に対する衝撃によって発生するような圧縮応力下で変形する材料の能力を低下させ、勾配の中心から材料を流出させる。可塑性に影響を与える、本発明による内部勾配は、特定の層が剥がれることなく、ホスト材料が、より硬い中心面から優先的に流出すること、さらに、セルフシャープニング能力を提供する機構として流出することを可能とする。
【0075】
本発明に従って利用可能な材料のタイプ:
A.任意の種類のナイフ鋼:内部勾配を作り出してセルフシャープニング機能を促進する。ナイフ鋼は、製造方法、組成、および/または用途にかかわらず、任意の鋼であってよい。
B.内部勾配によってセルフシャープニング機能ユニットにされ得る、比較的低「硬化」の鋼および材料:
-A36、1018~1055などの軟鋼、
-304、316、420、440を含む、300シリーズ、400シリーズなどの軟ステンレス鋼、これらのいずれかの任意の品質のもの、ならびに/または
-任意のスクラップ金属もしくはあまり知られていない金属。
C.内部勾配の生成における重要な手段としての、レーザ溶接および/またはレーザ切断の使用。
D.すべての添加剤を内部勾配に取り込むことを可能とする方法の使用。
E.セルフシャープニング勾配を増大/安定化/生成するものの添加。
F.以下に応答して鋭くなるセルフシャープニングシステムの生成:
-摩耗および/または任意の種類の切断
-衝撃
-腐食
-酸化
-可溶化
-例えば海水および/または他の塩水中の塩化物イオン
-温度
-材料に加える任意の他のエネルギー。
G.以下を含む、他の目的のための内部勾配の使用:
-電池
-キャパシタ
-兵器耐性装甲
-内部部品の内部風化
-機械的に誘起または増大された風化
-材料の結合。
【0076】
追加情報および考察
本発明によるセルフシャープニング勾配は、片面系、多面系に適用され得、複数の層を有する系、同じピースまたは異なるピース内のセルフシャープニングの任意の形状を含むモルフォロジーの複雑さを含む。拡散技術を使用して金属勾配の物理的差異を発生させ、その後、規則的な、不規則な、または特定のシステム(単数または複数)で負荷をかけると、セルフシャープニングシステムが得られる。現在は金属材料が好ましいが、任意の材料が、前述の金属勾配中の「金属」と部分的にまたは完全に置き換わってよい。例えば、ダイヤモンド粒子、特にダイヤモンドナノ粒子などの、セラミックまたは鉱物粒子は、G10繊維ガラスなどのエポキシホスト材料の添加剤として機能し得る。
【0077】
さらなる添加剤が利用されて、同じ特性(この場合、硬化)のさらなる利益を提供し得、かつ/または炭素などの他の添加剤(単数もしくは複数)に相乗効果、独立した効果、もしくは不利益を提供し得る。非限定的な例として、窒素は、非限定的な例として0(中心面)~2mmの、より長い距離にわたって現れる拡散エッジ安定性(単数または複数)を示し得る勾配(単数または複数)を発生させるために加えられ得る。この非限定的な例では、炭素濃度勾配は、エッジの細いセルフシャープニング特性を提供するが、窒素勾配は、任意の装置におけるエッジの使用中のエッジローリングにエッジが耐えるのを支援する。勾配(単数または複数)のそのような非限定的な例は、多くの異なる、比較的同じ、または非常に特殊な物理的特性の利益に当てはまり得る。結果として生じる勾配は、任意のジオメトリのものであってよく、非限定的な例として、
図7A~
図7Bに関連して上で論じられたセレーション例などの垂直「ストライプ」、以下の窒素の非限定的な例などの中央縁部のみのもの、相対的に1D(ドット)、2D、および/または3D空間および形状の任意の他のジオメトリが挙げられる。当業者は、拡散の横方向の多様なジオメトリ、および/または他の勾配形成機構(単数もしくは複数)が提供するようなものから生じる、増加した用途の価値(単数もしくは複数)を認識するであろう。
【0078】
前述の勾配に影響し得る任意の表面堆積方法または任意の他の構造的方法は、理解するための非限定的な例として以下が挙げられる:
・レーザ印刷
・3D印刷
・インクジェット印刷
・任意の他のタイプの印刷
・平板金属の2つのピースの間に「滑り込ませる」ことができる、予め印刷された材料
・前述の勾配(単数または複数)の確立を提供する目的で、接合される金属間に加えられ得る、予め作製され、かつ/または予め組み立てられた添加剤システム。
・印刷用紙
・ネット、ウェビング、ウェブ、円筒、織布、不織布材料、改質した平坦プラスチック、改質した非平坦プラスチック、積層プラスチック(単数または複数)が挙げられ、任意の他の添加剤または一連の添加剤または処理を伴う用途およびまたは機能を含む、任意の構成のプラスチック。
【0079】
勾配は、窒化、炭化、浸炭窒化、クロム添加、アルミナ添加、酸化、還元、その他として知られている一般的なプロセスのいずれか1つおよび/または組み合わせによって生成され得る。勾配(単数または複数)は、一酸化炭素、アンモニア、水素、天然ガス、プロパン、メタン、任意のアルカン、アルケン、アルキン、石炭または任意の固体の加熱からのガスが挙げられる非限定的な例の列挙からのいずれかまたは任意の組み合わせを含み、本明細書ではプラスチックとも呼ばれる任意のポリマーを含む、気体組み込みシステムを使用することによって作られ得る。
・勾配(単数または複数)が、プラスチック、他のポリマー、生物材料、油、ならびに/または任意の他の固体および/もしくは液体、ならびに/または固体/液体の組み合わせで作られる場合。
・プラスチック(単数または複数)が、任意の種類の炭化のための炭素源を提供するのに使用され、かつ/または窒素が、任意の種類の窒化を提供するのに使用され、かつ/または酸素源が、炭素源とともに一酸化炭素の形成を支援する場合。
〇任意の量の直径約0.05ミクロンのアルミナ粒子の添加を含む、アルミナ粒子が炭素層に加えられ得る場合。
〇任意の他の材料、化学物質が、任意の形態で、前述のプラスチックに加えられる場合。
〇ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、フェノール-ホルムアルデヒド、ポリエステル、ポリ-p-フィニレン-2,6-ベンゾビスオキサゾール(poly-p-phynylene-2,6-benzobisoxazole)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ならびにあらゆるすべての有機ポリマーが任意の濃度、配合、ならびに/または組み合わせで挙げられる非限定的な例の列挙からいずれかを、任意の組み合わせでまたは単独で含む、任意の比の原子構成の前述の化学物質(単数または複数)。
〇すべてのプラスチックを含み、非限定的な例として、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリロニトリル類、ポリ(2,5ピリジン)、ポリ(3,5ピリジン)、DNA、RNA、タンパク質、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、デンプン、ペクチン、およびすべての他のポリマーが挙げられる列挙からの、任意のポリマー。
〇任意の種類の化学物質。
〇非限定的な例として、ベークライト、ケブラー、Tarpon、マイラー、ネオプレン、ナイロン、ノーメックス、オーロン、Risen、Technocrat、テフロン(登録商標)、Ultimo、Vectren、バイトン、Zygon、または任意の他のブランド化合物の化学物質(単数または複数)が挙げられる、商標名化合物のいずれか。
・上記のいずれか、または廃プラスチック、廃非プラスチック、産業廃棄物、家庭廃棄物、古紙、おがくず廃棄物、および/もしくは任意の他の廃セルロースもしくは廃棄物様セルロース含有材料(単数もしくは複数)などのセルロース系廃棄物が挙げられる廃棄物(単数または複数)に由来する、異なる材料。
・生物ワックスおよび石油化学ワックス、ならびに/またはそれらの組み合わせを含む任意のワックス。
・非限定的な例として、エチレングリコールモノメチルエステル、エチレングリコール、エチレンオキシド、任意の種類の粘着付与剤、製品WD-40、任意の種類のモータ油が挙げられる例の列挙からの、表面に接触する任意の層サイズの材料の作製に一般に関連する任意の材料。
【0080】
あらゆる形態の押出成形および他の金属材料成形、作製、強化、および処理方法が、内部勾配を作り出すのに有効である。非限定的な例として、押出機および/または圧延機が、中心線に添加剤を含み、したがって、例えば針および/または釣り針のセルフシャープニング点を提供するワイヤまたはロッドを作製するのに使用されてよい。メンテナンスに関して、セルフシャープニングは、セルフシャープニング能力を維持し、鋭さは、変動し得るが、適切な負荷の間を通じて通常の許容される鋭さのままである。均衡状態に関して、セルフシャープニングは、材料が過度に鋭くなる場合、設計された鋭さに鈍り、次いでその鋭さのままになること、すなわち「そのエッジプロファイルを発見すること」を含む。本質的には、負荷とともに内部勾配によって提供される鋭さは、均衡状態の鋭さになる。
【0081】
本発明の特定の特徴が、いくつかの図面に示され、他の図面には示されていないが、これは単に便宜のためであり、各特徴は、本発明による他の特徴のいずれかまたはすべてと組み合わされ得る。本発明の基本的な新規特徴が、その好ましい実施形態に当てはまるように示され、記載され、指摘されているが、示された道具の形態および細部ならびにそれらの動作の様々な省略、置換、ならびに変更が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく当業者によって行われ得ることが理解されるであろう。例えば、実質的に同じ機能を、実質的に同じ方法で実行して同じ結果を達成するそれらの要素および/またはステップのすべての組み合わせは、本発明の範囲内であることが明示的に意図される。ある記載された実施形態から別のものへの要素の置換も、完全に意図および企図される。図面は必ずしも正確な縮尺で描かれていないが、本質的に単に概念的なものであることも理解されるべきである。
【0082】
したがって、本明細書に添付された特許請求の範囲によって示されるものにのみ限定されることが意図される。当業者なら本開示を検討した後で他の実施形態を思いつくが、それは以下の特許請求の範囲内にある。