(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ランダムアクセス方法及び端末
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20240101AFI20240906BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240906BHJP
H04W 36/24 20090101ALI20240906BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W16/28
H04W36/24
(21)【出願番号】P 2021562838
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 CN2020086708
(87)【国際公開番号】W WO2020216331
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-11-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】201910345900.2
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】陳 力
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】本郷 彰
【審判官】圓道 浩史
(56)【参考文献】
【文献】InterDigital Inc.,Triggers for Conditional Handover in NR[online],3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1903560,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105bis/Docs/R2-1903560.zip>,2019年03月29日
【文献】CMCC,Consideration of Beamforming for NR Conditional Handover[online],3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1904344,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105bis/Docs/R2-1904344.zip>,2019年03月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に用いられるランダムアクセス方法であって、
少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得することと、
前記ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択することと、
前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始することとを含み、
前記第一の条件付き切り替えトリガ条件が、ビーム測定結果のみに関し、前記第一の条件付き切り替えトリガ条件が、潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の判断条件を満たすことである場合、
前記第一の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において、ビーム測定結果に基づいて第一の条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果及びセル測定結果に基づいて第一の条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであり、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第一の判断条件の関連パラメータは、ビーム測定結果に基づく条件付き切り替えトリガ条件に対応する閾値パラメータであり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件の関連パラメータは、セル測定結果に基づく条件付き切り替えトリガ条件に対応する閾値パラメータである、方法。
【請求項2】
前記第一の判断条件は、
潜在的ターゲットセルに存在するビームの測定結果が第一の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第一のビームの数が第一の予め設定された数以上であり、そのうち、前記第一のビームの測定結果が第二の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第二のビームの数がサービングセルにおける第三のビームの数以上であり、そのうち、前記第二のビームの測定結果が第三の予め設定された閾値を下回らず、前記第三のビームの測定結果が第四の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第四のビームの数とサービングセルにおける第五のビームの数との差値が第二の予め設定された数以上であり、そのうち、前記第四のビームの測定結果が第五の予め設定された閾値を下回らず、前記第五のビームの測定結果が第六の予め設定された閾値を下回らないことと、のうちのいずれか一つを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのセル測定結果を取得することと、
前記セル測定結果及び第二の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択することとをさらに含み、
そのうち、前記第二の条件付き切り替えトリガ条件は、
潜在的ターゲットセルのセル測定結果が第二の判断条件を満たすことである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第二の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されていないことと、
端末において第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において、セル測定結果に基づいて第二の条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果とセル測定結果に基づいて第二の条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであり、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件である、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記ビーム測定結果は、
チャネル状態情報リファレンス信号CSI-RSの測定結果と、
同期信号ブロックSSBの測定結果と、
復調リファレンス信号DMRSの測定結果と、
他のリファレンス信号の測定結果と、のうちの少なくとも一つを含み、
前記測定結果は、
リファレンス信号受信パワーRSRPと、
リファレンス信号受信品質RSRQと、
信号対干渉とノイズ比SINRと、
チャネル品質指示CQIと、のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得するための第一の取得モジュールと、
前記ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択するための第一の選択モジュールと、
前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始するための開始モジュールとを含み、
前記第一の条件付き切り替えトリガ条件が、ビーム測定結果のみに関し、前記第一の条件付き切り替えトリガ条件が潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の判断条件を満たすことである場合、
前記第一の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において、ビーム測定結果に基づいて第一の条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果及びセル測定結果に基づいて第一の条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであり、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第一の判断条件の関連パラメータは、ビーム測定結果に基づく条件付き切り替えトリガ条件に対応する閾値パラメータであり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件の関連パラメータは、セル測定結果に基づく条件付き切り替えトリガ条件に対応する閾値パラメータである、端末。
【請求項7】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されており、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、請求項1~
5のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法のステップを実現させる、端末。
【請求項8】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、請求項1~
5のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法のステップを実現させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年4月26日に中国で提出された中国特許出願番号No.201910345900.2の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
本開示は、通信技術分野に関し、特にランダムアクセス方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ソースセルのチャネル条件が悪化すると、端末がソースノードの切り替えコマンド関連メッセージを受信できなくなり、それにより切り替え失敗を引き起こすことを避けるために、現在では、条件付き切り替え(Conditional Handover、CHO)プロセスを導入した。
【0003】
現在のCHOプロセスにおいて、端末は、ソースセル及び/又はターゲットセルのセル測定結果に基づいて、条件付き切り替えトリガ条件を満たすかどうかを判断し、条件付き切り替えトリガ条件を満たすと判断した時、切り替えプロセスを実行し、ターゲットノードに対してランダムアクセスプロセスを開始することができる。
【0004】
しかしながら、現在のネットワークノードに複数の伝送リファレンスポイント(Transmission Reference Point、TRP)を配置することができ、端末が複数のビームにてランダムアクセスプロセスを開始することができるが、セル測定結果は、往々にして、対応するセルにおけるビーム状況をリアルに反映できないため、現在のCHOプロセスの切り替え成功率は比較的に低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、現在の条件付き切り替えプロセスの切り替え成功率が低いという問題を解決するためのランダムアクセス方法及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するために、本開示は、以下のように実現される。
【0007】
第一の方面によれば、本開示の実施例は、端末に用いられるランダムアクセス方法を提供する。前記方法は、
少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得することと、
前記ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択することと、
前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始することとを含む。
【0008】
第二の方面によれば、本開示の実施例は、端末を提供する。前記端末は、
少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得するための第一の取得モジュールと、
前記ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択するための第一の選択モジュールと、
前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始するための開始モジュールとを含む。
【0009】
第三の方面によれば、本開示の実施例は、端末を提供する。前記端末は、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されており、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、そのうち、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記ランダムアクセス方法のステップを実現させる。
【0010】
第四の方面によれば、本開示の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、そのうち、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記ランダムアクセス方法のステップを実現させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の実施例では、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得し、前記ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択し、前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始することで、ビーム測定結果を条件付き切り替えトリガ条件に導入することができ、それによってビーム測定結果に基づく条件付き切り替えプロセスを実現させ、切り替え成功率を向上させ、通信効率を確保する。
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本開示の実施例において使用される必要がある添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下の記述における添付図面は、ただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、それらの添付図面に基づき、他の添付図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施例のランダムアクセス方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の実施例の端末の構造概略図のその一である。
【
図3】本開示の実施例の端末の構造概略図のその二である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本開示の実施例において使用される必要がある添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下の記述における添付図面は、ただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、それらの添付図面に基づき、他の添付図面を取得することもできる。
【0014】
本開示を理解しやすくするために、まず、本開示の実施例の条件付き切り替えプロセスを説明する。選択的に、本開示の実施例の条件付き切り替えプロセスは、主に以下のステップを含む。
【0015】
S1:ソースノードは、一つ以上(即ち、少なくとも一つ)の潜在的ターゲットノードに切り替え要求(handover request)メッセージを送信する。
【0016】
S2:選択的に、潜在的ターゲットノードは、端末に対してアクセス制御を行う。潜在的ターゲットノードは、端末による切り替えのために、ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、RACH)リソースを予約又は配置し、それは、端末がこの潜在的ターゲットノード上でランダムアクセスを開始するために用いられる。
【0017】
S3:(アクセス制御を許可すれば)潜在的ターゲットノードは、ソースノードに切り替え応答(handover response)メッセージを送信する。選択的に、この切り替え応答メッセージに切り替えコマンドが含まれてもよく、該切り替えコマンドは、ソースノードによって端末に透過伝送される。
【0018】
S4:ソースノードは、端末に切り替えコマンドを含むメッセージを送信する。例えば、このメッセージは、無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)再配置メッセージ又はモビリティ制御(Mobility Control)メッセージであってもよい。選択的に、このメッセージに条件付き切り替えトリガ条件が含まれてもよい。
【0019】
S5:端末は、ネットワーク配置に基づいて、潜在的ターゲットセルに対して測定を行い、測定結果を得て、この測定結果が配置され又は予め設定された条件を満たせば、対応するターゲットセルにてランダムアクセスプロセスを開始する。選択的に、この測定結果は、ビーム測定結果(又は、セルリファレンス信号測定結果と呼ばれる)及び/又はセル測定結果を含んでもよい。
【0020】
本開示の実施例の少なくとも一つの目的は、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件を満たすかどうか、又は、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果とセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件を満たすかどうかを判断し、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからトリガ条件を満たすターゲットセルを選択し、ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始する、ビーム測定結果に基づくランダムアクセス方法及び端末を提供することである。このように、ビーム測定結果を条件付き切り替えトリガ条件に導入することができ、それによってビーム測定結果に基づく条件付き切り替えプロセスを実現させ、切り替え成功率を向上させ、通信効率を確保する。
【0021】
理解できるように、具体的に実現する時、本開示の実施例における端末は、関連技術における方式を採用してもよく、即ち、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件を満たすかどうかを判断し、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからトリガ条件を満たすターゲットセルを選択し、ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始する。
【0022】
以下では、実施例と添付図面を結び付けながら、本開示を詳しく説明する。
【0023】
図1を参照すると、
図1は、本開示の実施例によるランダムアクセス方法のフローチャートである。この方法は、端末に用いられ、
図1に示すように、この方法は、以下のステップを含む。
【0024】
ステップ101:少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得する。
【0025】
そのうち、上記少なくとも一つの潜在的(potential又はCandidate)ターゲットセルは、ソースセルによって決定されてもよい。潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得するために、端末は、ネットワーク配置に基づいて潜在的ターゲットセルに対して測定を行うことができる。
【0026】
本実施例では、ビーム測定結果は、セルリファレンス信号測定結果であると理解されてもよい。ビーム測定結果は、
チャネル状態情報リファレンス信号(Channel State Information Reference Signal、CSI-RS)の測定結果と、
同期信号ブロック(Synchronization Signal and PBCH block、SSB)の測定結果と、
復調リファレンス信号(Demodulation Reference Signal、DMRS)の測定結果と、
他のリファレンス信号の測定結果と、のうちの少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限らない。
【0027】
選択的に、上記測定結果は、
リファレンス信号受信パワー(Reference Signal Receiving Power、RSRP)と、
リファレンス信号受信品質(Reference Signal Received Quality、RSRQ)と、
信号対干渉とノイズ比(Signal to Interference plus Noise Ratio、SINR)と、
チャネル品質指示(Channel Quality Indicator、CQI)と、のうちの少なくとも一つを含んでもよいが、それらに限らない。
【0028】
ステップ102:ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択する。
【0029】
そのうち、この第一の条件付き切り替えトリガ条件は、ネットワークによって予め配置されるものであってもよく、プロトコルによって約束されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよく、本開示の実施例は、これを制限しない。
【0030】
理解できるように、ステップ102を実行する場合、一つのみの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の条件付き切り替えトリガ条件を満たせば、端末は、この潜在的ターゲットセルをターゲットセルとして直接的に選択することができ、複数の潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の条件付き切り替えトリガ条件を満たせば、端末は、予め設定された条件に基づいて、複数の潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択することができ、この予め設定された条件は、例えば、ターゲットセルにおける、測定結果が判断条件を満たすビームの数が最も多いことであるが、これに限らない。
【0031】
ステップ103:ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始する。
【0032】
本開示の実施例のランダムアクセス方法は、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得し、前記ビーム測定結果及び予め設定された条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択し、前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始することで、ビーム測定結果を条件付き切り替えトリガ条件に導入することができ、それによってビーム測定結果に基づく条件付き切り替えプロセスを実現させ、切り替え成功率を向上させ、通信効率を確保する。
【0033】
本開示の実施例では、第一の条件付き切り替えトリガ条件は、選択的に、ビーム測定結果に関連するか、又は、ビーム測定結果とセル測定結果に同時に関連する。
【0034】
選択的に、第一の条件付き切り替えトリガ条件がビーム測定結果に関連する場合、第一の条件付き切り替えトリガ条件は、潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の判断条件を満たすことであってもよい。
【0035】
このように、ビーム測定結果に基づく条件付き切り替えプロセスを実現させることができる。
【0036】
選択的に、第一の条件付き切り替えトリガ条件がビーム測定結果に関連する場合、この第一の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されており、そのうち、この関連パラメータは、例えば予め設定された閾値、予め設定された数などであることと、
端末において第二の判断条件の関連パラメータが配置されておらず、そのうち、この関連パラメータは、例えば予め設定された閾値、予め設定された平均化を必要とするビーム数などであることと、
端末において第一の判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された数など)が配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された平均化を必要とするビーム数など)が配置されていることと、
端末において、ビーム測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果とセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであってもよく、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件である。上記予め設定された平均化を必要とするビーム数は、セル測定結果を決定するために用いられる。即ち、セル測定結果を計算する時、予め設定された数のビーム又は予め設定された閾値よりも高い予め設定された数のビームの測定結果の平均値に基づいて、セル測定結果を取得する。
【0037】
選択的に、端末において配置されている第一の判断条件の関連パラメータは、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。選択的に、端末において配置されている第二の判断条件の関連パラメータは、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。選択的に、端末において配置されている上記指示情報は、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。
【0038】
このように、上記配置方式を介して、端末は、ビーム測定結果を条件付き切り替えトリガ条件に導入することを選択することができ、それによってビーム測定結果に基づく条件付き切り替えプロセスを実現させる。
【0039】
選択的に、上記の第一の判断条件は、
潜在的ターゲットセルに存在するビームの測定結果が第一の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第一のビームの数が第一の予め設定された数以上であり、そのうち、前記第一のビームの測定結果が第二の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第二のビームの数がサービングセルにおける第三のビームの数以上であり、そのうち、前記第二のビームの測定結果が第三の予め設定された閾値を下回らず、前記第三のビームの測定結果が第四の予め設定された閾値を下回らず、理解できるように、第三の予め設定された閾値と第四の予め設定された閾値とが同じであっても異なっていてもよいことと、
潜在的ターゲットセルにおける第四のビームの数とサービングセルにおける第五のビームの数との差値が第二の予め設定された数以上であり、そのうち、前記第四のビームの測定結果が第五の予め設定された閾値を下回らず、前記第五のビームの測定結果が第六の予め設定された閾値を下回らず、理解できるように、第五の予め設定された閾値と第六の予め設定された閾値とが同じであっても異なっていてもよいことと、のうちのいずれか一つを含んでもよいが、それらに限らない。
【0040】
説明すべきことは、上記の第一の予め設定された閾値、第二の予め設定された閾値、第三の予め設定された閾値、第四の予め設定された閾値、第五の予め設定された閾値及び第六の予め設定された閾値は、ネットワークによって配置されるものであってもよく、プロトコルによって約束されるものであってもよく、ランダムアクセスのためのリファレンス信号リソースの選択に用いられる閾値、例えばrsrp-ThresholdSSB又はrsrp-ThresholdCSI-RSであってもよい。
【0041】
上記の第一の予め設定された数と第二の予め設定された数は、同じであっても異なっていてもよい。さらに、第一の予め設定された数と第二の予め設定された数は、ネットワークによって配置されるものであってもよく、プロトコルによって約束されるものであってもよく、TRPによってアクティブ化されたビームの数以上であってもよい。
【0042】
選択的に、第一の条件付き切り替えトリガ条件がビーム測定結果とセル測定結果に同時に関連する場合、上記ステップ102の前に、前記方法は、
少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのセル測定結果を取得することをさらに含み、
上記ステップ102は、
ビーム測定結果、セル測定結果及び前記第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択することを含む。
【0043】
このように、ビーム測定結果とセル測定結果を同時に条件付き切り替えのトリガ条件とすることができ、それによって切り替え成功率を確保し、通信効率を向上させる。
【0044】
選択的に、第一の条件付き切り替えトリガ条件がビーム測定結果とセル測定結果に同時に関連する場合、この第一の条件付き切り替えトリガ条件は、
潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の判断条件を満たし、且つ前記潜在的ターゲットセルのセル測定結果が第二の判断条件を満たすことであってもよい。
【0045】
さらに、前述した、ビーム測定結果、セル測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択することは、
複数の前記潜在的ターゲットセルのセル測定結果が前記第二の判断条件を満たす場合、第六のビームの数が最も多い潜在的ターゲットセルを前記ターゲットセルとして選択するか、又は、第七のビームの数が第三の予め設定された数よりも大きいいずれか一つの潜在的ターゲットセルを前記ターゲットセルとして選択することを含んでもよく、
そのうち、前記第六のビームの測定結果は第一の判断条件を満たし、前記第七のビームの測定結果は前記第一の判断条件を満たす。
【0046】
そのうち、この第一の判断条件は、上述したとおりであってもよい。ここでは説明を省略する。この第二の判断条件は、セル測定結果の判断条件であり、従来の測定報告イベントのうちの少なくとも一つであってもよく、
サービングセルのセル測定結果が第一の絶対閾値よりも優れているというイベントA1と、
サービングセルのセル測定結果が第二の絶対閾値よりも悪いというイベントA2と、
潜在的ターゲットセルのセル測定結果がサービングセルのセル測定結果よりも優れているというイベントA3と、
潜在的ターゲットセルのセル測定結果が第三の絶対閾値よりも優れているというイベントA4と、
サービングセルのセル測定結果が第四の絶対閾値よりも悪く、且つ潜在的セルのセル測定結果が第五の絶対閾値よりも優れているというイベントA5と、のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0047】
理解できるように、上記の第一の絶対閾値、第二の絶対閾値、第三の絶対閾値、第四の絶対閾値及び第五の絶対閾値は、同じであっても異なっていてもよく、さらに、ネットワークによって配置されるものであってもよく、プロトコルによって約束されるものであってもよく、本開示の実施例は、これを制限しない。
【0048】
選択的に、第一の条件付き切り替えトリガ条件がビーム測定結果とセル測定結果に同時に関連する場合、この第一の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された数など)が配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された平均化を必要とするビーム数など)が配置されていることと、
端末において、ビーム測定結果とセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであってもよく、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件である。
【0049】
選択的に、端末において配置されている第一の判断条件の関連パラメータは、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。選択的に、端末において配置されている第二の判断条件の関連パラメータは、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。選択的に、端末において配置されている上記指示情報は、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。
【0050】
このように、上記配置方式を介して、端末は、ビーム測定結果とセル測定結果を同時に条件付き切り替えトリガ条件に導入することを選択することができ、それによって切り替え成功率を確保し、通信効率を向上させる。
【0051】
本開示の実施例では、選択的に、前記方法は、
前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのセル測定結果を取得することと、
前記セル測定結果及び第二の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択することとをさらに含み、
そのうち、前記第二の条件付き切り替えトリガ条件は、
潜在的ターゲットセルのセル測定結果が第二の判断条件を満たすことである。
【0052】
理解できるように、この第二の条件付き切り替えトリガ条件は、セル測定結果に関連する。この第二の判断条件は、上述したとおりであってもよい。ここでは説明を省略する。
【0053】
選択的に、第二の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された数など)が配置されていないことと、
端末において第二の判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された平均化を必要とするビーム数など)が配置されていることと、
端末において第一の判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された数など)が配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において、セル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果とセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであってもよく、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件である。この第一の判断条件と第二の判断条件は、上述したとおりであってもよい。ここでは説明を省略する。
【0054】
選択的に、端末において配置されている第一の判断条件の関連パラメータは、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。選択的に、端末において配置されている第二の判断条件の関連パラメータは、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。選択的に、端末において配置されている上記指示情報は、端末において予め配置されるものであってもよく、ネットワークノードから端末に送信されるものであってもよい。
【0055】
このように、上記配置方式を介して、端末は、セル測定結果を条件付き切り替えトリガ条件に導入することを選択することができ、それによってセル測定結果に基づく条件付き切り替えプロセスを実現させる。
【0056】
理解できるように、本開示の少なくとも一つの実施例では、条件付き切り替えトリガ条件に対してビーム測定結果判断条件(即ち、上記の第一の判断条件)及び/又はセル測定結果判断条件(即ち、上記の第二の判断条件)を使用することは、以下のいずれか一つのケースを含んでもよい。
【0057】
1)端末においてセル測定結果判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された平均化を必要とするビーム数など)が配置されているか、又は、端末においてビーム測定結果判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された数など)が配置されていなければ、セル測定結果判断条件を使用し、そうでなければ、ビーム測定結果判断条件を使用する。
【0058】
2)端末においてビーム測定結果判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された数など)が配置されているか、又は、端末においてセル測定結果判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された平均化を必要とするビーム数など)が配置されていなければ、ビーム測定結果判断条件を使用し、そうでなければ、セル測定結果判断条件を使用する。
【0059】
3)端末においてビーム測定結果判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された数など)が配置されており、且つセル測定結果判断条件の関連パラメータ(例えば予め設定された閾値、予め設定された平均化を必要とするビーム数など)が配置されていれば、ビーム測定結果判断条件及び/又はセル測定結果判断条件を使用する。
【0060】
4)端末において、ビーム測定結果判断条件を使用するよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果判断条件とセル測定結果判断条件を使用するよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていれば、ビーム測定結果判断条件を使用する。
【0061】
5)端末において、ビーム測定結果判断条件とセル測定結果判断条件を使用するよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていれば、ビーム測定結果判断条件とセル測定結果判断条件を使用する。
【0062】
6)端末において、セル測定結果判断条件を使用するよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果判断条件とセル測定結果判断条件を使用するよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていれば、セル測定結果判断条件を使用する。
【0063】
上記実施例は、本開示のランダムアクセス方法を説明した。以下では、実施例と添付図面を結び付けて、本開示の端末を説明する。
【0064】
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施例による端末の構造概略図である。
図2に示すように、この端末20は、
少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得するための第一の取得モジュール21と、
前記ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択するための第一の選択モジュール22と、
前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始するための開始モジュール23とを含む。
【0065】
本開示の実施例の端末は、ビーム測定結果を条件付き切り替えトリガ条件に導入することができ、それによってビーム測定結果に基づく条件付き切り替えプロセスを実現させ、切り替え成功率を向上させ、通信効率を確保する。
【0066】
本開示の実施例では、選択的に、前記第一の条件付き切り替えトリガ条件は、
潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の判断条件を満たすことである。
【0067】
さらに、前記第一の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において第二の判断条件の関連パラメータが配置されていないことと、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において、ビーム測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果及びセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであり、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件である。
【0068】
選択的に、前記端末は、
前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのセル測定結果を取得するための第二の取得モジュールをさらに含み、
前記第一の選択モジュールは、具体的には、
前記ビーム測定結果、前記セル測定結果及び前記第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルから前記ターゲットセルを選択するために用いられる。
【0069】
さらに、前記第一の条件付き切り替えトリガ条件は、
潜在的ターゲットセルのビーム測定結果が第一の判断条件を満たし、且つ前記潜在的ターゲットセルのセル測定結果が第二の判断条件を満たすことである。
【0070】
選択的に、前記第一の判断条件は、
潜在的ターゲットセルに存在するビームの測定結果が第一の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第一のビームの数が第一の予め設定された数以上であり、そのうち、前記第一のビームの測定結果が第二の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第二のビームの数がサービングセルにおける第三のビームの数以上であり、そのうち、前記第二のビームの測定結果が第三の予め設定された閾値を下回らず、前記第三のビームの測定結果が第四の予め設定された閾値を下回らないことと、
潜在的ターゲットセルにおける第四のビームの数とサービングセルにおける第五のビームの数との差値が第二の予め設定された数以上であり、そのうち、前記第四のビームの測定結果が第五の予め設定された閾値を下回らず、前記第五のビームの測定結果が第六の予め設定された閾値を下回らないことと、のうちのいずれか一つを含む。
【0071】
選択的に、前記第二の判断条件は、
サービングセルのセル測定結果が第一の絶対閾値よりも優れているというイベントと、
サービングセルのセル測定結果が第二の絶対閾値よりも悪いというイベントと、
潜在的ターゲットセルのセル測定結果がサービングセルのセル測定結果よりも優れているというイベントと、
潜在的ターゲットセルのセル測定結果が第三の絶対閾値よりも優れているというイベントと、
サービングセルのセル測定結果が第四の絶対閾値よりも悪く、且つ潜在的セルのセル測定結果が第五の絶対閾値よりも優れているというイベントと、のうちの少なくとも一つを含む。
【0072】
選択的に、前記第一の選択モジュールは、具体的には、
複数の前記潜在的ターゲットセルのセル測定結果が前記第二の判断条件を満たす場合、第六のビームの数が最も多い潜在的ターゲットセルを前記ターゲットセルとして選択するか、又は、第七のビームの数が第三の予め設定された数よりも大きいいずれか一つの潜在的ターゲットセルを前記ターゲットセルとして選択するために用いられ、
そのうち、前記第六のビームの測定結果は前記第一の判断条件を満たし、前記第七のビームの測定結果は前記第一の判断条件を満たす。
【0073】
選択的に、前記第一の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において、ビーム測定結果とセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていることと、のうちのいずれか一つであり、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件である。
【0074】
選択的に、前記端末は、
前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのセル測定結果を取得するための第三の取得モジュールと、
前記セル測定結果及び第二の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択するための第二の選択モジュールとをさらに含み、
そのうち、前記第二の条件付き切り替えトリガ条件は、
潜在的ターゲットセルのセル測定結果が第二の判断条件を満たすことである。
【0075】
選択的に、前記第二の条件付き切り替えトリガ条件を採用する前提条件は、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されていないことと、
端末において第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において第一の判断条件の関連パラメータが配置されており、且つ第二の判断条件の関連パラメータが配置されていることと、
端末において、セル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するか、又は、ビーム測定結果とセル測定結果に基づいて条件付き切り替えトリガ条件の判断を行うよう明示的又は非明示的に指示するための指示情報が配置されていること、のうちのいずれか一つであり、
そのうち、前記第一の判断条件は、ビーム測定結果に対応する条件であり、前記第二の判断条件は、セル測定結果に対応する条件である。
【0076】
選択的に、前記ビーム測定結果は、
CSI-RSの測定結果と、
SSBの測定結果と、
DMRSの測定結果と、
他のリファレンス信号の測定結果と、のうちの少なくとも一つを含む。
【0077】
選択的に、前記測定結果は、
RSRPと、RSRQと、SINRと、CQIと、のうちの少なくとも一つを含む。
【0078】
本開示の実施例は、端末をさらに提供する。前記端末は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶されており、且つ前記プロセッサ上で運行できるコンピュータプログラムとを含み、そのうち、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記ランダムアクセス方法の実施例の各プロセスを実現させることができ、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の重複を回避するために、ここで説明を省略する。
【0079】
具体的には、
図3は、本開示の各実施例を実現する端末のハードウェア構造概略図である。端末300は、無線周波数ユニット301、ネットワークモジュール302、オーディオ出力ユニット303、入力ユニット304、センサ305、表示ユニット306、ユーザ入力ユニット307、インターフェースユニット308、メモリ309、プロセッサ310、及び電源311などの部材を含むが、それらに限らない。当業者であれば理解できるように、
図3に示す端末構造は、端末に対する限定を構成しなく、端末には、図示された部材の数よりも多くまたは少ない部材、または何らかの部材の組み合わせ、または異なる部材の配置が含まれてもよい。本開示の実施例では、端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピューター、車載端末、ウェアラブルデバイス、及び歩数計などを含むが、それらに限らない。
【0080】
そのうち、プロセッサ310は、少なくとも一つの潜在的ターゲットセルのビーム測定結果を取得し、前記ビーム測定結果及び第一の条件付き切り替えトリガ条件に基づいて、前記少なくとも一つの潜在的ターゲットセルからターゲットセルを選択し、前記ターゲットセル上でランダムアクセスプロセスを開始するために用いられる。
【0081】
本開示の実施例の端末30は、上記
図1に示す方法の実施例で実現される各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的效果を達することができる。説明の重複を回避するために、ここでは説明を省略する。
【0082】
理解すべきことは、本開示の実施例では、無線周波数ユニット301は、情報の送受信または通話中の信号の送受信に用いられてもよい。具体的には、基地局からの下りリンクデータを受信してから、プロセッサ310に処理させてもよい。また、上りリンクのデータを基地局に送信してもよい。一般的には、無線周波数ユニット301は、アンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限られない。なお、無線周波数ユニット301は、無線通信システムやネットワークを介して他の機器との通信を行ってもよい。
【0083】
端末は、ネットワークモジュール302によってユーザに無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供し、例えば、ユーザへ電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスなどを支援する。
【0084】
オーディオ出力ユニット303は、無線周波数ユニット301またはネットワークモジュール302によって受信されたまたはメモリ309に記憶されたオーディオデータをオーディオ信号に変換して、音声として出力することができる。そして、オーディオ出力ユニット303はさらに、端末300によって実行された特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼び信号受信音、メッセージ着信音など)を提供することができる。オーディオ出力ユニット303は、スピーカ、ブザー及び受話器などを含む。
【0085】
入力ユニット304は、オーディオまたはビデオ信号を受信するために用いられる。入力ユニット304は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)3041とマイクロホン3042を含んでもよい。グラフィックスプロセッサ3041は、ビデオキャプチャモードまたは画像キャプチャモードにおいて画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像またはビデオの画像データを処理する。処理された画像フレームは、表示ユニット306に表示されてもよい。グラフィックスプロセッサ3041によって処理された画像フレームは、メモリ309(または他の記憶媒体)に記憶されてもよく、または無線周波数ユニット301またはネットワークモジュール302を介して送信されてもよい。マイクロホン3042は、音声を受信することができるとともに、このような音声をオーディオデータとして処理することができる。処理されたオーディオデータは、電話の通話モードにおいて、無線周波数ユニット301を介して移動通信基地局に送信することが可能なフォーマットに変換して出力されてもよい。
【0086】
端末300はさらに、少なくとも一つのセンサ305、例えば、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサを含む。具体的には、光センサは、環境光センサ及び接近センサを含み、そのうち、環境光センサは、環境光の明暗に応じて、表示パネル3061の輝度を調整することができ、接近センサは、端末300が耳元に移動した時、表示パネル3061及び/又はバックライトをオフにすることができる。モーションセンサの一種として、加速度計センサは、各方向(一般的には、三軸)における加速度の大きさを検出することができ、静止時、重力の大きさ及び方向を検出することができ、端末姿勢(例えば、縦横スクリーン切り替え、関連ゲーム、磁力計姿勢校正)の識別、振動識別関連機能(例えば、歩数計、タップ)などに用いられてもよい。センサ305はさらに、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどを含んでもよく、ここでは説明を省略する。
【0087】
表示ユニット306は、ユーザによって入力された情報またはユーザに提供される情報を表示するために用いられている。表示ユニット306は、表示パネル3061を含んでもよく、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形式で表示パネル3061を配置してもよい。
【0088】
ユーザ入力ユニット307は、入力された数字または文字情報の受信、端末のユーザによる設置及び機能制御に関するキー信号入力の発生に用いられてもよい。具体的には、ユーザ入力ユニット307は、タッチパネル3071および他の入力機器3072を含む。タッチパネル3071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上または付近でのユーザによるタッチ操作(例えば、ユーザが指、タッチペンなどの任意の適切な物体または付属品を使用してタッチパネル3071上またはタッチパネル3071付近で行う操作)を収集することができる。タッチパネル3071は、タッチ検出装置とタッチコントローラの二つの部分を含んでもよい。そのうち、タッチ検出装置は、ユーザによるタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに伝送する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、それをタッチポイント座標に変換してから、プロセッサ310に送信し、プロセッサ310から送信されてきたコマンドを受信して実行する。なお、抵抗式、静電容量式、赤外線及び表面音波などの様々なタイプを用いてタッチパネル3071を実現してもよい。タッチパネル3071以外、ユーザ入力ユニット307は、他の入力機器3072を含んでもよい。具体的には、他の入力機器3072は、物理的なキーボード、機能キー(例えば、ボリューム制御ボタン、スイッチボタンなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限られない。ここでは説明を省略する。
【0089】
さらに、タッチパネル3071は、表示パネル3061上に覆われてもよい。タッチパネル3071は、その上または付近でのタッチ操作を検出した場合、プロセッサ310に伝送して、タッチイベントのタイプを特定し、その後、プロセッサ310は、タッチイベントのタイプに応じて表示パネル3061で相応な視覚出力を提供する。
図3では、タッチパネル3071と表示パネル3061は、二つの独立した部材として端末の入力と出力機能を実現するものであるが、何らかの実施例では、タッチパネル3071と表示パネル3061を集積して端末の入力と出力機能を実現してもよい。具体的には、ここでは限定しない。
【0090】
インターフェースユニット308は、外部装置と端末300との接続のためのインターフェースである。例えば、外部装置は、有線または無線ヘッドフォンポート、外部電源(または電池充電器)ポート、有線または無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置への接続用のポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含んでもよい。インターフェースユニット308は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信するとともに、受信した入力を端末300内の一つまたは複数の素子に伝送するために用いられてもよく、または端末300と外部装置との間でデータを伝送するために用いられてもよい。
【0091】
メモリ309は、ソフトウェアプログラム及び各種のデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ309は、主に記憶プログラム領域および記憶データ領域を含んでもよい。そのうち、記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができ、記憶データ領域は、携帯電話の使用によって作成されるデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。なお、メモリ309は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、非揮発性メモリ、例えば、少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の非揮発性ソリッドステートメモリデバイスをさらに含んでもよい。
【0092】
プロセッサ310は、端末の制御センターであり、各種のインターフェースと線路によって端末全体の各部分に接続され、メモリ309内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行又は実行すること、及びメモリ309内に記憶されたデータを呼び出し、端末の各種の機能を実行し、データを処理することにより、端末全体をモニタリングする。プロセッサ310は、一つまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ310は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを集積してもよい。そのうち、アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェースおよびアプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するためのものである。理解すべきことは、上記モデムプロセッサは、プロセッサ310に集積されなくてもよい。
【0093】
端末300はさらに、各部材に電力を供給する電源311(例えば、電池)を含んでもよい。選択的に、電源311は、電源管理システムによってプロセッサ310にロジック的に接続されてもよい。それにより、電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
【0094】
また、端末300は、いくつかの示されていない機能モジュールをさらに含んでもよい。ここでは説明を省略する。
【0095】
本開示の実施例は、さらにコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上述した、端末側に用いられるランダムアクセス方法の実施例の各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的効果を達することができる。説明の重複を回避するために、ここで説明を省略する。そのうち、このコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は、光ディスクなどである。
【0096】
説明すべきことは、本明細書において、「含む」、「包含」という用語またはその他の任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素を含むだけではなく、明確にリストアップされていない他の要素も含み、またはこのようなプロセス、方法、物品または装置に固有の要素も含む。それ以上の制限がない場合に、「……を1つ含む」という文章で限定された要素について、この要素を含むプロセス、方法、物品または装置には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。
【0097】
以上の実施の形態の記述によって、当業者であればはっきりと分かるように、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームの形態によって実現されてもよい。無論、ハードウェアによっても実現されるが、多くの場合、前者は、好適な実施の形態である。このような理解を踏まえて、本開示の技術案は、実質にはまたは従来の技術に寄与した部分がソフトウェア製品の形式によって表われてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、一台の端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、またはネットワーク機器などであってもよい)に本開示の各実施例に記載の方法を実行させるための若干の指令を含む。
【0098】
以上は、添付図面を結び付けながら、本開示の実施例を記述していたが、本開示は、上述した具体的な実施の形態に限らず、上述した具体的な実施の形態は例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本開示による示唆を基にして、本開示の趣旨や請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式の変更を行うことができ、それらはいずれも本開示の保護範囲に入っている。