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特許7550807受信装置を充電するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】受信装置を充電するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20240906BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240906BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240906BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20240906BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J7/00 301A
H02J7/00 301D
H02J7/02 F
H02J50/12
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022019975
(22)【出願日】2022-02-10
(62)【分割の表示】P 2017141402の分割
【原出願日】2017-07-21
(65)【公開番号】P2022062233
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2022-03-11
【審判番号】
【審判請求日】2024-02-23
(31)【優先権主張番号】201641026650
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】プラディープ・ヴィジャヤン
(72)【発明者】
【氏名】ソマクマール・ラマチャンドラパニッカー
(72)【発明者】
【氏名】ディーパク・アラビンド
(72)【発明者】
【氏名】アルン・クマール・ラグナタン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュヌ・マハデバ・アイヤール
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】土居 仁士
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0211702(US,A1)
【文献】特開2012-213252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電パッド(130、402、502)であって、
第1の周波数帯域で動作可能な複数の第1の共振器コイル(136)と、
第2の周波数帯域で動作可能な複数の第2の共振器コイル(138)と、
前記複数の第1の共振器コイル(136)および前記複数の第2の共振器コイル(138)に磁気的に結合される少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)と、
前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)に動作可能に結合され、前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)を介して前記複数の第1の共振器コイル(136)および前記複数の第2の共振器コイル(138)を駆動するよう構成される、励磁ユニット(110、302)と、
並列構成に配置された前記複数の第1の共振器コイル(136)を備える第1の層(404)と、
並列構成に配置された前記複数の第2の共振器コイル(138)を備える第2の層(406)と、
を備え、
前記複数の第1の共振器コイル(136)および前記複数の第2の共振器コイル(138)が、互いに上下に積み重ねられ、
前記励磁ユニット(110、302)は、
第1の周波数制御信号(122)および第2の周波数制御信号(124)のうちの少なくとも一方を制御ユニット(112)から受信し、
前記第1の周波数制御信号(122)が受信された場合に、入力電力(120)のDC電圧を、前記第1の周波数帯域からの周波数を有する第1のAC電圧に変換し、
前記第2の周波数制御信号(124)が受信された場合に、前記入力電力(120)の前記DC電圧を、前記第2の周波数帯域からの周波数を有する第2のAC電圧に変換するように構成され、
前記制御ユニット(112)は、
励磁ユニットに対して第1の周波数制御信号(122)および第2の周波数制御信号(124)のうちの少なくとも一方を供給して、選択的に前記第1の共振器コイル(136)にAC電圧を無線伝送させるか、または前記第2の共振器コイル(138)に前記AC電圧を無線伝送させるよう構成される、
充電パッド(130、402、502)。
【請求項2】
前記励磁ユニット(110、302)は、前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)を介して前記複数の第1の共振器コイル(136)を駆動し、前記第1の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第1のAC電圧を第1の受信装置(106)に伝送するよう構成される、請求項に記載の充電パッド(130、402、502)。
【請求項3】
前記励磁ユニット(110、302)は、前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)を介して前記複数の第2の共振器コイル(138)を駆動し、前記第2の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第2のAC電圧を第2の受信装置(108)に伝送するよう構成される、請求項に記載の充電パッド(130、402、502)。
【請求項4】
前記励磁ユニット(110、302)は、前記複数の第1の共振器コイル(136)および前記複数の第2の共振器コイル(138)を、前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)を介して駆動するよう構成される、単一変換器(216、304)のみを備える、請求項1に記載の充電パッド(130、402、502)。
【請求項5】
無線充電装置であって、
充電パッド(130、402、502)であって、
入力電力(120)のDC電圧を、第1の周波数帯域からの周波数を有する第1のAC電圧および第2の周波数帯域からの周波数を有する第2のAC電圧の少なくとも一方に変換するよう構成された励磁ユニット(110、302)と、
前記励磁ユニット(110、302)に動作可能に結合される伝送ユニット(114)であって、前記伝送ユニット(114)が、
前記励磁ユニット(110、302)に電気的に結合される少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)と、
前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)に磁気的に結合され、前記第1の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第1のAC電圧を伝送するよう構成される、複数の第1の共振器コイル(136)と、
前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)に磁気的に結合され、前記第2の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第2のAC電圧を伝送するよう構成される複数の第2の共振器コイル(138)と、
並列構成に配置された前記複数の第1の共振器コイル(136)を備える第1の層(404)と、
並列構成に配置された前記複数の第2の共振器コイル(138)を備える第2の層(406)と、
を備える、伝送ユニット(114)と、
を備える、充電パッド(130、402、502)と、
前記励磁ユニット(110、302)に結合され、第1の周波数制御信号(122)および第2の周波数制御信号(124)の少なくとも一方を、前記励磁ユニット(110、302)に供給して、選択的に前記第1の共振器コイル(136)にAC電圧を無線伝送させるか、または前記第2の共振器コイル(138)に前記AC電圧を無線伝送させるよう構成される、制御ユニット(112)と、
を備え、
前記複数の第1の共振器コイル(136)および前記複数の第2の共振器コイル(138)が、互いに上下に積み重ねられる、
無線充電装置。
【請求項6】
前記制御ユニット(112)が、前記第1の周波数制御信号(122、814)および前記第2の周波数制御信号(124、816)の少なくとも一方を備える変調信号(812)を供給するよう構成される、請求項に記載の無線充電装置。
【請求項7】
前記励磁ユニット(110、302)が、
前記第1の周波数制御信号(122)が受信された場合、前記入力電力(120)の前記DC電圧を前記第1の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第1のAC電圧に変換し、
前記第2の周波数制御信号(124)が受信された場合、前記入力電力(120)の前記DC電圧を前記第2の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第2のAC電圧に変換する、
よう構成される、請求項に記載の無線充電装置。
【請求項8】
前記励磁ユニット(110、302)は、前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)を介して前記複数の第1の共振器コイル(136)を駆動し、前記第1の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第1のAC電圧を第1の受信装置(106)に伝送するよう構成される、請求項に記載の無線充電装置。
【請求項9】
前記複数の第1の共振器コイル(136)が、前記第1の受信装置(106)内の受信器コイル(140)に磁気的に結合され、前記第1の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第1のAC電圧を前記第1の受信装置(106)に伝送する、請求項に記載の無線充電装置。
【請求項10】
前記励磁ユニット(110、302)は、前記少なくとも1つの励磁器コイル(132、134、202、310、312)を介して前記複数の第2の共振器コイル(138)を駆動し、前記第2の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第2のAC電圧を第2の受信装置(108)に伝送するよう構成される、請求項に記載の無線充電装置。
【請求項11】
前記複数の第2の共振器コイル(138)が、前記第2の受信装置(108)内の受信器コイル(142)に磁気的に結合され、前記第2の周波数帯域からの前記周波数を有する前記第2のAC電圧を前記第2の受信装置(108)に伝送する、請求項10に記載の無線充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、無線電力伝送システムに関し、より詳細には、受信装置を充電するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電力伝送システムは、電源から、例えば、モバイル機器、生物医学装置、およびポータブル・コンシューマ・デバイスなどの1つまたは複数の受信装置に電力を伝送するために広く使用されている。典型的には、電力伝送システムは、接触型電力伝送システムまたは無線電力伝送システムとすることができる。即刻の、または連続的な電力伝送が必要であるが相互接続ワイヤーが利用困難な特定の用途では、無線電力伝送システムが望ましい。
【0003】
無線電力伝送システムでは、充電装置を使用して、入力電力を、送信可能な電力に変換し、それをさらに送信して、受信器デバイス内の1つまたは複数のバッテリを充電する。しかしながら、これらの受信装置は、無線周波数規格の1つと適合可能である。例えば、Alliance for Wireless Power(A4WP)、Wireless Power Consortium(WPC)、およびPower Matters Alliance(PMA)の3つの競合する周波数規格が現在存在する。WPC規格(Qi)は、100kHzから200kHzの周波数範囲で規定される。PMA規格は、200kHzから400kHzの周波数範囲で規定される。さらに、A4WP規格は、約7MHzの周波数で規定される。従来の充電装置は、異なる周波数規格で動作する受信装置を充電するために使用することができない。
【0004】
したがって、異なる周波数規格で動作する受信装置を充電するための改良型システムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、充電パッドが開示される。充電パッドは、第1の周波数帯域で動作可能な少なくとも1つの第1の共振器コイルを含む。また、充電パッドは、第2の周波数帯域で動作可能な少なくとも1つの第2の共振器コイルを含む。さらに、充電パッドは、少なくとも1つの第1の共振器コイルおよび少なくとも1つの第2の共振器コイルに磁気的に結合された少なくとも1つの励磁器コイルを含む。さらに、充電パッドは、少なくとも1つの励磁器コイルに動作可能に結合され、少なくとも1つの励磁器コイルを介して少なくとも1つの第1の共振器コイルおよび少なくとも1つの第2の共振器コイルを駆動するよう構成される励磁ユニットを含む。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、無線充電装置が開示される。無線充電装置は、入力電力のDC電圧を、第1の周波数帯域からの周波数を有する第1のAC電圧と第2の周波数帯域からの周波数を有する第2のAC電圧との少なくとも一方に変換するよう構成される励磁ユニットを含む充電パッドを含む。また、充電パッドは、励磁ユニットに動作可能に結合される伝送ユニットを含み、伝送ユニットは、励磁ユニットに電気的に結合される少なくとも1つの励磁器コイルと、少なくとも1つの励磁器コイルに磁気的に結合されて、第1の周波数帯域からの周波数を有する第1のAC電圧を伝送するよう構成される、少な
くとも1つの第1の共振器コイルと、少なくとも1つの励磁器コイルに磁気的に結合されて、第2の周波数帯域からの周波数を有する第2のAC電圧を伝送するよう構成される、少なくとも1つの第2の共振器コイルと、を備える。さらに、無線充電装置は、励磁ユニットに結合され、第1の周波数制御信号および第2の周波数制御信号のうちの少なくとも一方を励磁ユニットに供給するよう構成される、制御ユニットを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、1つまたは複数の受信装置を充電する方法が開示される。本方法は、励磁ユニットによって、第1の周波数制御信号および第2の周波数制御信号のうちの少なくとも一方を受信するステップを含む。また、本方法は、第1の周波数制御信号が受信される場合、入力電力のDC電圧を、第1の周波数帯域からの周波数を有する第1のAC電圧に、励磁ユニットによって変換するステップを含む。さらに、本方法は、第2の周波数制御信号が受信される場合、入力電力のDC電圧を、第2の周波数帯域からの周波数を有する第2のAC電圧に、励磁ユニットによって変換するステップを含む。さらに、本方法は、第1の周波数帯域からの周波数を有する第1のAC電圧を第1の受信装置に伝送するために、少なくとも1つの励磁器コイルを介して少なくとも1つの第1の共振器コイルを駆動するステップを含む。さらに、本方法は、第2の周波数帯域からの周波数を有する第2のAC電圧を第2の受信装置に伝送するために、少なくとも1つの励磁器コイルを介して少なくとも1つの第2の共振器コイルを駆動するステップを含む。
【0008】
本開示のこれらの、および他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を添付図面を参照して読むと、より理解されるであろう。添付図面において、同様の参照符号は、図面を通じて、同様の項目を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による無線電力伝送システムを表すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による無線電力伝送システムを表す回路図である。
図3】本発明の別の実施形態による無線電力伝送システムを表す回路図である。
図4】本発明の一実施形態による、第1の共振器コイルおよび第2の共振器コイルを有する充電パッドの概略図である。
図5】本発明の別の実施形態による、第1の共振器コイルおよび第2の共振器コイルを有する充電パッドの概略図である。
図6】本発明の一実施形態による受信装置に磁気的に結合される第1の共振器コイルおよび第2の共振器コイルを有する充電パッドの概略図である。
図7】本発明の一実施形態による、複数の受信装置を充電する方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態によるさまざまな制御信号のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で詳細に説明するように、1つまたは複数の無線受信器を充電するためのシステムおよび方法のさまざまな実施形態を開示する。特に、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、異なる周波数規格に基づいて設計された無線受信装置の充電を可能にする第1の共振器コイルおよび第2の共振器コイルを駆動することができる励磁ユニットを使用する。
【0011】
別段の定めがない限り、本明細書で使用される技術的用語および科学的用語は、本明細書が属する当業者により一般的に理解されるのと同じ意味である。本明細書で用いられる「第1の」、「第2の」等の用語は、いかなる順序、量、または重要性も意味するものではなく、むしろ1つの要素と別の要素とを区別するために用いられる。また、「a」および「an」という単語は、数量を限定する意味はなく、参照項目が少なくとも1つは存在することを意味する。「または」という用語は、包括的であり、列挙された項目の1つ、
一部、またはすべてを意味するものとする。本明細書での「含む」「備える」もしくは「有する」、およびそれらの変化形の使用は、その後に列挙される項目、その均等物ならびに追加項目を包含することを意味する。「接続される」および「結合される」という用語は、物理的もしくは機械的接続もしくは結合に制限されず、直接的もしくは間接的な、電気的接続もしくは電気的結合を含むことができる。さらに、「回路」および「回路要素」および「制御ユニット」という用語は、単一構成要素または複数構成要素のいずれかを含むことができ、能動的および/または受動的であり、説明する機能を提供するために互いに接続されるか、または結合される。さらに、本明細書で使用されるような動作可能に結合されるという用語は、有線結合、無線結合、電気結合、磁気結合、無線通信、ソフトウェアベース通信、またはそれらの組み合わせを含む。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による無線電力伝送システム100の概略図である。無線電力伝送システム100は、電源102からモバイル機器、生物医学装置、ポータブル・コンシューマ・デバイスなどの1つまたは複数の受信装置に電力を伝送するために使用される。特に、自動車産業では、車両は、電源102から、携帯電話、ラップトップ、暖房換気および空調(HVAC)ユニットなどのモバイル機器に電力を供給するために使用される1つまたは複数の充電パッドを含む。一実施形態では、無線電力伝送システム100は、非接触電力伝送システムとも呼ばれることがある。
【0013】
図示した実施形態では、無線電力伝送システム100は、第1の受信装置106および第2の受信装置108に無線で結合される無線充電装置104を含む。無線電力伝送システム100は、第1の受信装置106および第2の受信装置108に限定されず、任意の数の受信装置を含むことができることに留意されたい。
【0014】
第1および第2の受信装置106、108は、無線周波数規格の1つと適合可能とすることができる。例えば、受信装置のうちの1つは、約7MHzの周波数で規定されたAlliance for Wireless Power(A4WP)規格に適合可能とすることができる。同様に、別の受信装置は、100kHzから200kHzの周波数範囲で規定されたWireless Power Consortium(WPC)規格(Qi)に適合可能とすることができる。受信装置の1つは、200kHzから400kHzの周波数範囲で規定されたPower Matters Alliance(PMA)規格に適合可能とすることができる。他の受信装置の1つは、約6.7MHzの周波数で規定されたAir Fuel Alliance規格に適合可能とすることができる。本発明の実施形態の理解を容易にするために、第1の受信装置106は、約6.7MHzの周波数で規定されたAir Fuel Alliance規格のなどの第1の周波数規格に適合可能であると考えられる。第1の周波数規格は、高周波数規格と呼ばれることもある。同様に、第2の受信装置108は、100kHzから200kHzの周波数範囲で規定されるWPC規格などの第2の周波数規格に適合可能であると考えられる。第2の周波数規格は、低周波数規格と呼ばれることもある。受信装置106、108は、任意の周波数規格とすることができ、本明細書で説明する周波数規格に限定されないことに留意されたい。また、任意の数の周波数規格に適合可能である任意の数の受信装置を、充電のために考慮することができる。
【0015】
受信装置/ガジェットのそれぞれに対して異なる周波数規格に適合可能な従来の電力伝送システムでは、充電装置は、受信装置のそれぞれに対して、それぞれの受信装置が対応する周波数規格で電力を供給しない場合がある。従来の電力伝送システムの1つでは、専用変換器を有する別個の充電装置と、各周波数規格用の専用周波数コイルとが、対応する受信装置に電力を供給するために使用される。しかしながら、各周波数規格に対して別個の充電装置を使用することは、従来の電力伝送システムのセットアップコストおよび維持コストを実質的に増加させる可能性がある。
【0016】
従来のシステムに関連する上記の問題/欠点を克服するために、例示的な電力伝送システム100は、任意の周波数規格の第1および第2の受信装置106、108を充電するよう構成される無線充電装置104を含む。無線充電装置104は、電源102から第1および第2の受信装置106、108に電力を供給するために使用される充電パッド130および制御ユニット112を含む。充電パッド130は、1つまたは複数の受信装置106、108が、対応する受信装置106、108内の1つまたは複数のバッテリを充電するために配置することができる電気容器と呼ぶことができる。一実施形態では、制御ユニット112を充電パッド130内に配置することができる。別の実施形態では、制御ユニット112を充電パッド130の外部に配置することができる。さらに、充電パッド130は、励磁ユニットおよび伝送ユニット114を含む。一実施形態では、励磁ユニット110は、第1および第2の受信装置106、108に所望の周波数で電力を供給するために使用される1つまたは複数の変換器(図示せず)を含むことができる。
【0017】
励磁ユニット110は、電源102および制御ユニット112に電気的に結合される。電源102は、DC電圧を有する入力電力120を励磁ユニット110に供給するよう構成される。いくつかの実施形態では、入力電力120は、約1Wから200Wの範囲内とすることができる。一実施形態では、電源102は無線充電装置104の一部とすることができる。別の実施形態では、電源102は、無線充電装置104の外部に配置することができる。
【0018】
さらに、励磁ユニット110は、電源102からDC電圧を有する入力電力120を受け取るよう構成される。さらに、励磁ユニット110は、入力電力120のDC電圧を、第1の周波数帯域の周波数を有する第1のAC電圧および/または第2の周波数帯域の周波数を有する第2のAC電圧に変換するよう構成される。第1の周波数帯域は、約4MHzから約9MHzまでの周波数の範囲とみなすことができることに留意されたい。同様に、第2の周波数帯域は、約100kHzから約1MHzまでの周波数の範囲とみなすことができる。また、「第1の周波数帯域の周波数」および「第1の周波数」という用語は、以下の明細書では互換的に使用することができることに留意されたい。同様に、「第2の周波数帯域の周波数」および「第2の周波数」という用語は、以下の明細書では互換的に使用することができる。
【0019】
さらに、励磁ユニット110は、制御ユニット112から第1の周波数制御信号122および/または第2の周波数制御信号124を受信するよう構成される。第1の周波数制御信号122を制御ユニット112から受信した場合、励磁ユニット110は、入力電力120のDC電圧を第1の周波数を有する第1のAC電圧に変換するよう構成される。同様に、第2の周波数制御信号124を制御ユニット112から受信した場合、励磁ユニット110は、入力電力120のDC電圧を第2の周波数を有する第2のAC電圧に変換するよう構成される。一例では、第1および第2のAC電圧は、約5ボルトから50ボルトの範囲内とすることができる。DC電圧を第1のAC電圧または第2のAC電圧に変換することに関する詳細は、図2および図3を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【0020】
一実施形態では、制御ユニット112は、第1の周波数制御信号122と第2の周波数制御信号124とを定期的に交互に励磁ユニット110に送るように構成される。1つの特定の実施形態では、制御ユニット112は、第1の周波数制御信号122および第2の周波数制御信号124を含む変調信号を送信するよう構成される。別の実施形態では、制御ユニット112は、第1の周波数制御信号122および第2の周波数制御信号124を励磁ユニット110内のスイッチの異なるセットに同時に送信するよう構成される。
【0021】
励磁ユニット110は、第1のAC電圧または第2のAC電圧を有する入力電力を伝送
ユニット114に伝送するようさらに構成される。伝送ユニット114は、励磁ユニット110に電気的に結合された1つまたは複数の励磁器コイル132、134を含む。励磁器コイル132、134に加えて、伝送ユニット114は、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138を含む。1つまたは複数の第1の共振器コイル136は、励磁器コイル132および第1の受信装置106内の第1の受信器コイル140に磁気的に結合される。同様に、1つまたは複数の第2の共振器コイル138は、第2の受信装置108内の励磁器コイル134および第2の受信器コイル142に磁気的に結合される。一実施形態では、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138は、互いに上下に積み重ねることができる。さらに、単一の励磁器コイルを使用して、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および/または1つまたは複数の第2の共振器コイル138を駆動することができる。別の実施形態では、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138は、同一平面上または異なる平面上に並べて配置することができる。
【0022】
さらに、励磁器コイル132、134ならびに1つまたは複数の第1および第2の共振器コイル136、138は、第1のAC電圧または第2のAC電圧を有する入力電力を受信装置106、108に無線伝送するために使用される。特に、励磁ユニット110がDC電圧を第1の周波数の第1のAC電圧に変換した場合、励磁器コイル132と1つまたは複数の第1の共振器コイル136とが同時に励磁されて、第1のAC電圧を有する入力電力が第1の受信装置106の第1の受信器コイル140に伝送される。同様に、励磁ユニット110がDC電圧を第2の周波数の第2のAC電圧に変換した場合、励磁器コイル134と1つまたは複数の第2の共振器コイル138とが同時に励磁されて、第2のAC電圧を有する入力電力が第2の受信装置108の第2の受信器コイル142に伝送される。有利には、充電装置104の共振器コイル136、138は、受信装置106、108と無線充電装置104との間の距離がより長くなっても電力を伝送することを容易にする。一実施形態では、受信装置106、108と無線充電装置104との間の距離は、約10mmから約100mmの範囲とすることができる。
【0023】
さらに、第1および第2の受信装置106、108は、第1および第2の受信装置106、108に含まれる1つまたは複数のバッテリ126、128を充電するために、第1の周波数を有する第1のAC電圧または第2の周波数を有する第2のAC電圧を使用するよう構成される。一実施形態では、携帯電話およびラップトップなどの第1および第2の受信装置106、108は、第1および第2の受信装置106、108が設計される周波数規格に基づいて第1の共振器コイル136および/または第2の共振器コイル138に磁気的に結合することができる。例えば、第1の受信装置106がAir Fuel Alliance規格などの第1の周波数規格に設計されている場合、第1の受信装置106は、第1の共振器コイル116から第1の周波数を有する第1のAC電圧を受け取る。同様に、第2の受信装置108がWPC規格などの第2の周波数規格に設計されている場合、第2の受信装置108は、第2の共振器コイル118から第2の周波数を有する第2のAC電圧を受け取る。一例では、第1および第2の受信装置106、108は、第1および第2の受信装置106、108のバッテリ126、128を充電するために充電パッド130上に配置することができる。
【0024】
したがって、例示的な無線電力伝送システム100を使用することによって、単一の充電装置104は、1つまたは複数の周波数規格に適合可能な第1および第2の受信装置106、108に電力を磁気的に伝送するよう構成される。
【0025】
図2を参照すると、本発明の別の実施形態による無線電力伝送システム100の概略図が示される。無線電力伝送システム100は、入力電力120を電源102から第1およ
び第2の受信装置106、108に伝送するために使用される。
【0026】
無線電力伝送システム100は、無線充電装置104と、第1の受信装置106と、第2の受信装置108とを含む。無線充電装置104は、第1の受信装置106および第2の受信装置108に無線で結合される。第1の受信装置106および第2の受信装置108は、無線周波数規格の1つに適合可能とすることができる。
【0027】
さらに、無線充電装置104は、電源102から第1および第2の受信装置106、108に電力を供給するために使用される充電パッド130および制御ユニット112を含む。充電パッド130は、励磁ユニット110および伝送ユニット114を含む。無線電力伝送システム100は、他の構成要素を含んでもよく、図2に示す構成要素に限定されないことに、留意されたい。
【0028】
図示した実施形態では、励磁ユニット110は、電源102に電気的に結合され、電源102からDC電圧を有する入力電力120を受け取るよう構成される単一の変換器216のみを含む。単一の変換器216は、単一のDCまたはライン周波数入力を有する電気的に接続された装置として定義される。励磁ユニット110は、任意の数の変換器を含むことができ、図2に示すような単一の変換器に限定されないことに留意されたい。さらに、単一の変換器216は、第1のスイッチ208、第2のスイッチ210、複数のダイオード212、およびハーフブリッジインバータ回路を形成するように配置された複数のコンデンサ214を含む。第1および第2のスイッチ208、210、ダイオード212、およびコンデンサ214は、励磁ユニット110の入力端217と出力端218との間に電気的に結合される。一実施形態では、スイッチ208、210は、MOSFETまたはIGBTなどの電子スイッチを含むことができる。スイッチ208、210は、他の半導体スイッチを含んでもよく、MOSFETおよびIGBTに限定されないことに留意されたい。さらに、第1のスイッチ208と第2のスイッチ210とは互いに相補的に動作する。例えば、第1のスイッチ208が期間Tonの間に作動する場合、第2のスイッチ210は、この期間Tonの間は、停止される。同様に、第2のスイッチ210が期間Toffの間に作動する場合、第1のスイッチ208は、この期間Toffの間は、停止される。
【0029】
さらに、制御ユニット112は、第1の周波数制御信号122と第2の周波数制御信号124とを第1のスイッチ208と第2のスイッチ210とに交互に繰り返し送信するよう構成される。一実施形態では、制御ユニット112は、励磁器コイル202の特性の変化に基づいて、第1および第2の周波数制御信号122、124を生成することができる。例えば、第1の受信装置106および/または第2の受信装置108が充電パッド130上に配置される場合、励磁器コイル202内の電流などの特性が変化する可能性がある。さらに、励磁器コイル202の特性の変化は、制御ユニット112によって使用され、第1および第2の周波数制御信号122、124を生成することができる。
【0030】
さらに、制御ユニット112は、第1の期間の間、第1の周波数制御信号122を第1のスイッチ208に送信する。同時に、制御ユニット112は、第1の期間の間、第1の周波数制御信号122と相補的な信号を第2のスイッチ210に送信する。一例では、第1の周波数制御信号122は、約7MHzの高いスイッチングパルス周波数を有することができる。第1の期間中、第1のスイッチ208と第2のスイッチ210とは相補的に動作して、入力電力120のDC電圧を第1の周波数を有する第1のAC電圧に変換する。一実施形態では、第1の周波数は、約4MHzから約9MHzの範囲内とすることができる。特定の一実施形態では、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、第1の周波数制御信号122に基づいて入力電力120のDC電圧を変調して、励磁ユニット110の出力端218で第1の周波数を有する第1のAC電圧を生成するよう構成される。
【0031】
同様に、制御ユニット112は、第2の期間の間、第2の周波数制御信号124を第1のスイッチ208に送信する。同時に、制御ユニット112は、第2の期間の間、第2の周波数制御信号と相補的な信号を第2のスイッチ210に送信する。一実施形態では、第2の周波数制御信号124は、約200kHzの低いスイッチングパルス周波数を有することができる。第2の期間中、第1のスイッチ208と第2のスイッチ210とは相補的に動作して、入力電力120のDC電圧を第2の周波数を有する第2のAC電圧に変換する。一実施形態では、第2の周波数は、約100kHzから約1MHzの範囲内とすることができる。一実施形態では、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、第2の周波数制御信号124に基づいて入力電力120のDC電圧を変調して、励磁ユニット110の出力端218で第2の周波数を有する第2のAC電圧を提供するよう構成される。
【0032】
さらに、第1のAC電圧または第2のAC電圧を有する入力電力は、励磁ユニット110から伝送ユニット114に伝送される。伝送ユニット114は、励磁ユニット110の出力端218に電気的に結合される励磁器コイル202を含む。励磁器コイル202は、図1に示す励磁器コイル132、134のうちの1つと同様とすることができることに留意されたい。さらに、伝送ユニット114は、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138を含む。例示を容易にするために、1つの第1の共振器コイル136および1つの第2の共振器コイル138のみを示す。第1の共振器コイル136は、励磁器コイル202および第1の受信装置106内の第1の受信器コイル140に磁気的に結合される。第1の共振器コイル136および励磁器コイル202は、第1のAC電圧を有する電力を第1の受信装置106の第1の受信器コイル140に伝送するために使用される。さらに、第1のAC電圧を有する電力は、次いで、第1の受信器コイル140から、電力調整器232を介して第1の受信装置106内のバッテリなどの電気負荷228に送信される。
【0033】
同様に、第2の共振器コイル138は、第2の受信装置108の励磁器コイル202および第2の受信器コイル142に磁気的に結合される。第2の共振器コイル138および励磁器コイル202は、第2のAC電圧を有する電力を第2の受信装置108の第2の受信器コイル142に伝送するために使用される。さらに、第2のAC電圧を有する電力は、次いで、第2の受信器コイル142から、電力調整器234を介して第2の受信装置108内のバッテリなどの電気負荷230に伝送される。別の実施形態では、伝送ユニット114は、2つの励磁器コイルを含むことができ、一方の励磁器コイルは、第1の共振器コイル136に磁気的に結合され、他方の励磁器コイルは、第2の共振器コイル138に磁気的に結合される。
【0034】
無線電力伝送システム100の通常の動作中、制御ユニット112は、第1の周波数制御信号122および第2の周波数制御信号124を周期的および/または交互に励磁ユニット110に送信するよう構成される。特に、制御ユニット112は、第1の期間の間に、第1の周波数制御信号122を第1のスイッチ208に送信し、第1の周波数制御信号122と相補的な信号を第2のスイッチ210に送信する。さらに、第1の期間中、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、第1の周波数制御信号122のスイッチングパルスに基づいてON状態とOFF状態とを切り替え、入力電力のDC電圧を、第1の周波数を有する対応する第1のAC電圧に変換する。ON状態は、スイッチ208、210が作動している状態とみなすことができることに留意されたい。OFF状態は、スイッチ208、210が停止している状態とみなすことができる。
【0035】
さらに、第1のAC電圧を有する入力電力は、励磁器コイル202および第1の共振器コイル136を同時に励磁するために使用することができる。特に、励磁器コイル202
は、第1のAC電圧に対応する磁界を生成することができる。さらに、生成された磁界は、第1の共振器コイル136を介して第1の受信器コイル140に向けて集束することができる。一実施形態では、第1の共振器コイル136ならびに1つまたは複数のコンデンサを使用して、励磁器コイル202によって生成される磁界を強化することができる。続いて、第1の受信器コイル140は、強化された磁界を受け取り、強化された磁界を第1のAC電圧を有する入力電力に変換するよう構成される。一実施形態では、第1の共振器コイル136は、励磁器コイル202と第1の受信器コイル140との間の磁気結合を強化するために使用される。第1の受信器コイル140は、電力調整器232を介して第1の周波数を有する第1のAC電圧を電気負荷228に伝送する。
【0036】
さらに、第1の期間の終了時に、制御ユニット112は、第2の期間の間に、第2の周波数制御信号122を第1のスイッチ208に送信し、第1の周波数制御信号122と相補的な信号を第2のスイッチ210に送信する。さらに、第2の期間中、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、第2の周波数制御信号124のスイッチングパルスに基づいてON状態とOFF状態とを切り替え、入力電力のDC電圧を、第2の周波数を有する対応する第2のAC電圧に変換する。
【0037】
さらに、第2のAC電圧を有する入力電力は、励磁器コイル202および第2の共振器コイル138を同時に励磁するために使用することができる。特に、励磁器コイル202は、第2のAC電圧に対応する磁界を生成することができる。さらに、生成された磁界は、第2の共振器コイル138を介して第2の受信器コイル142に向けて集束することができる。一実施形態では、第2の共振器コイル138ならびに1つまたは複数のコンデンサを使用して、励磁器コイル202によって生成される磁界を強化することができる。続いて、第2の受信器コイル142は、強化された磁界を受け取り、強化された磁界を第2のAC電圧を有する入力電力に変換するよう構成される。一実施形態では、第2の共振器コイル138は、励磁器コイル202と第2の受信器コイル142との間の磁気結合を強化するために使用される。その後、第2の受信器コイル142は、電力調整器234を介して第2の周波数を有する第2のAC電圧を電気負荷230に伝送する。一実施形態では、制御ユニット112は、第1の周波数制御信号122と第2の周波数制御信号124とを励磁ユニット110に交互に送信し、第1の周波数を有する第1のAC電圧と第2の周波数を有する第2のAC電圧とを、対応する受信装置106、108に送信する。
【0038】
例示的な電力伝送システム100において、励磁ユニット110は、第1の共振器コイル136および第2の共振器コイル138の両方を駆動して、電源102から異なる周波数規格の受信装置106、108に電力を伝送する。
【0039】
図3を参照すると、本発明の別の実施形態による無線電力伝送システム300の概略図が示される。図3の無線電力伝送システム300は、励磁ユニット302が、フルブリッジインバータ回路を有する単一変換器304を含み、伝送ユニット114が、第1の励磁器コイル310と第2の励磁器コイル312とを含む点を除いて、図2の無線電力伝送システム100と同様である。特に、単一変換器304は、スイッチ306の第1の脚部と、スイッチ308の第2の脚部とを含む。スイッチ306の第1の脚部は、制御ユニット112から第1の周波数制御信号122を受信するよう構成され、スイッチ308の第2の脚部は、制御ユニット112から第2の周波数制御信号124を受信するよう構成される。この実施形態では、第1の周波数制御信号122は、約6.7MHzの高いスイッチングパルス周波数を有する連続信号であり、第2の周波数制御信号124は、約200kHzの低いスイッチングパルス周波数を有する連続信号である。
【0040】
スイッチ306の第1の脚部は、第1の周波数制御信号122が受信された場合に起動する。さらに、スイッチ306の第1の脚部は、入力電力120のDC電圧を第1の周波
数を有する第1のAC電圧に変換するよう構成される。一実施形態では、この第1の周波数は、約4MHzから約9MHzの範囲内とすることができる。第1の周波数を有する第1のAC電圧は、第1の励磁器コイル310に伝送され、第1の励磁器コイル310は、第1のAC電圧を有する電力を第1の共振器コイル136を介して第1の受信装置106に磁気的に伝送する。一実施形態では、第1の共振器コイル136は、第1のAC電圧を有する電力を強化し、その結果、第1の受信装置106が、電力損失なしで電力を受け取るか、または無視できる電力損失で電力を受け取ることができる。
【0041】
同様に、スイッチ308の第2の脚部は、第2の周波数制御信号124が受信された場合に起動する。さらに、スイッチ308の第2の脚部は、入力電力120のDC電圧を第2の周波数を有する第2のAC電圧に変換するよう構成される。一実施形態では、第2の周波数は、約100kHzから約1MHzの範囲内とすることができる。第2の周波数を有する第2のAC電圧は、第2の励磁器コイル312に伝送され、第2の励磁器コイル312は、第2のAC電圧を有する電力を第2の共振器コイル138を介して第2の受信装置108に磁気的に伝送する。一実施形態では、第2の共振器コイル138は、第2のAC電圧を有する電力を強化し、その結果、第2の受信装置108が、電力損失なしで電力を受け取るか、または無視できる電力損失で電力を受け取ることができる。
【0042】
図4を参照すると、例示的な実施形態による充電パッド402の概略図が示される。充電パッド402は、図1の充電パッド130と同様とすることができる。さらに、充電パッド402は、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138を含む。特に、充電パッド402は、1つまたは複数の第1の共振器コイル136を有する第1の層404と、1つまたは複数の第2の共振器コイル138を有する第2の層406とを含む。第1および第2の層404、406は、1つまたは複数の周波数コイルを有する電気的キャリアとみなすことができる。第1の層404および第2の層406は、充電パッド402内で互いに近接して配置される。一実施形態では、第1の層404は、並列構成および/または直列構成に配置された複数の第1の共振器コイル136を含むことができる。同様に、第2の層406は、並列構成および/または直列構成に配置された複数の第2の共振器コイル138を含むことができる。別の実施形態の1つでは、充電パッド402はまた、対応する励磁器コイル132、134を介して、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および/または1つまたは複数の第2の共振器コイル138を独立して駆動することができる励磁ユニット110を含むこともできる。
【0043】
1つまたは複数の第1の周波数コイル116および1つまたは複数の第2の周波数コイル118は、充電パッド402内で上下に積み重ねられる。受信装置は、充電パッド402の上面の所定の位置に、充電パッド402内で、1つまたは複数の第1の周波数コイル116および1つまたは複数の第2の周波数コイル118が、所定の位置の下側に配置されるように配置される。励磁ユニット110は、受信装置の周波数規格に基づいて、1つまたは複数の第1の周波数コイル116および/または1つまたは複数の第2の周波数コイル118を駆動する。
【0044】
図5を参照すると、別の実施形態による充電パッド502の概略図が示される。充電パッド502は、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138有する単一層504を含む。特に、第1の共振器コイル136と第2の共振器コイル138とは、充電パッド502の単一層504内に交互に配置される。一実施形態では、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138は、充電パッド502内に埋め込まれる。別の実施形態の1つでは、第1の共振器コイル136および/または第2の共振器コイル138は、1つまたは複数の所望のパターンで配置されるコイルのアレイとすることができる。単一層504は
、異なる周波数コイルを有する電気的キャリアとみなすことができる。
【0045】
図6を参照すると、例示的な実施形態による充電パッド402の概略図が示される。充電パッド402は、1つまたは複数の第1の共振器コイル136を有する第1の層404と、1つまたは複数の第2の共振器コイル138を有する第2の層406とを含む。さらに、第1の共振器コイル136は、第1の受信装置106に磁気的に結合され、第2の共振器コイル138は、第2の受信装置108に磁気的に結合される。一実施形態では、充電パッド402は、第1および第2の受信装置がその上に配置される表面を含む。別の実施形態では、1つまたは複数の第1の共振器コイル136および1つまたは複数の第2の共振器コイル138は、同一平面上または異なる平面上に並べて配置することができる。
【0046】
図7を参照すると、本発明の一実施形態による、複数の受信装置を充電する方法を示すフローチャートが示される。方法700は、図1および図2を参照して説明される。ステップ702において、励磁ユニット110は、制御ユニット112から第1の周波数制御信号122および第2の周波数制御信号124の少なくとも一方を受信する。特に、制御ユニット112は、第1の周波数制御信号122と第2の周波数制御信号124とを交互に繰り返して励磁ユニット110に送信する。電源102は、DC電圧を有する入力電力120を励磁ユニット110に供給する。
【0047】
続いて、ステップ704において、励磁ユニット110は、第1の周波数制御信号122が受信される場合、入力電力120のDC電圧を第1の周波数を有する第1のAC電圧に変換する。特に、制御ユニット112は、第1の期間の間に、第1の周波数制御信号122を第1のスイッチ208に送信し、第1の周波数制御信号122と相補的な信号を第2のスイッチ210に送信する。さらに、この第1の期間中、励磁ユニット110内の第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、第1の周波数制御信号122のスイッチングパルスに基づいてON状態とOFF状態とを切り替え、入力電力のDC電圧を、第1の周波数を有する対応する第1のAC電圧に変換する。一実施形態では、第1の周波数は、約4MHzから約9MHzの範囲内とすることができる。
【0048】
さらに、ステップ706において、励磁ユニット110は、第2の周波数制御信号124が受信される場合、入力電力のDC電圧を第2の周波数を有する第2のAC電圧に変換する。特に、制御ユニット112は、第2の期間の間に、第2の周波数制御信号122を第1のスイッチ208に送信し、第1の周波数制御信号122と相補的な信号を第2のスイッチ210に送信することができる。さらに、この第2の期間中、励磁ユニット110内の第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、第2の周波数制御信号124のスイッチングパルスに基づいてON状態とOFF状態とを切り替え、入力電力のDC電圧を、第2の周波数を有する対応する第2のAC電圧に変換する。一実施形態では、第2の周波数は、約100kHzから約1MHzの範囲内とすることができる。
【0049】
ステップ708において、単一の変換器110は、少なくとも1つの励磁器コイル132を介して少なくとも1つの第1の共振器コイル136を駆動し、第1の周波数帯域からの周波数を有する第1のAC電圧を第1の受信装置106に伝送する。特に、少なくとも1つの第1の共振器コイル136は、第1のAC電圧を有する電力を強化し、その結果、第1の受信器コイル140が、何らの電力損失なく電力を受け取ることができる。さらに、第1のAC電圧は、電力調整器232によって調整され、第1の受信装置106内のバッテリなどの負荷230に供給される。
【0050】
さらに、ステップ710において、励磁ユニット110は、少なくとも1つの励磁器コイル134を介して少なくとも1つの第2の共振器コイル138を駆動し、第2の周波数帯域からの周波数を有する第2のAC電圧を第2の受信装置108に伝送する。特に、少
なくとも1つの第2の共振器コイル138は、第2のAC電圧を有する電力を強化し、その結果、第2の受信器コイル142が、何らの電力損失なく電力を受け取ることができる。さらに、第2のAC電圧は、電力調整器234によって調整され、第2の受信装置108内のバッテリなどの負荷230に供給される。
【0051】
本明細書で説明する例示的な実施形態によれば、例示的なシステムおよび方法は、励磁ユニット110を使用して、任意の周波数規格の受信装置を充電することを容易にする。
【0052】
図8を参照すると、本発明の態様によるさまざまな制御信号のグラフが示される。参照番号802は、入力電力のDC電圧を第1のAC電圧に変換するために制御ユニットから励磁ユニットに送信される第1の周波数制御信号を表す。第1の周波数制御信号802は、806で表される第1の期間中に複数のスイッチングパルス804を含む。さらに、参照番号808は、入力電力のDC電圧を第2のAC電圧に変換するために制御ユニットから励磁ユニットに送信される第2の周波数制御信号を表す。第2の周波数制御信号808は、820で表される第2の期間中に単一のスイッチングパルス810を含む。ここで、第2の周波数制御信号808は、第2の期間820内でより多くの数のスイッチングパルスを含むことに留意されたい。しかしながら、第2の期間820内の第2の周波数制御信号808のスイッチングパルスの数は、第1の期間806内の第1の周波数制御信号802に対するスイッチングパルスの数よりも少ない。参照番号812は、第1の周波数制御信号814および第2の周波数制御信号816を含む変調信号を表す。特に、第1の周波数制御信号814は、第1の期間806の間に生成され、第2の周波数制御信号816は、第2の期間820の間に生成される。
【0053】
本開示の特定の特色だけを本明細書において例示および記載してきたが、多数の改良および変形が当業者には思いつくと思われる。したがって、添付の特許請求の範囲が、本開示の真の精神の範囲内にあるすべてのこのような改良および変形を含むことが意図されることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0054】
100 無線電力伝送システム
102 電源
104 無線充電装置
106 第1の受信装置
108 第2の受信装置
110 励磁ユニット、変換器
112 制御ユニット
114 伝送ユニット
116 第1の共振器コイル、第1の周波数コイル
118 第2の共振器コイル、第2の周波数コイル
120 入力電力
122 第1の周波数制御信号
124 第2の周波数制御信号
126 バッテリ
128 バッテリ
130 充電パッド
132 励磁器コイル
134 励磁器コイル
136 第1の共振器コイル
138 第2の共振器コイル
140 第1の受信器コイル
142 第2の受信器コイル
202 励磁器コイル
208 第1のスイッチ
210 第2のスイッチ
212 ダイオード
214 コンデンサ
216 変換器
217 入力端
218 出力端
228 電気負荷
230 電気負荷
232 電力調整器
234 電力調整器
300 無線電力伝送システム
302 励磁ユニット
304 単一変換器
306 スイッチ
308 スイッチ
310 第1の励磁器コイル
312 第2の励磁器コイル
402 充電パッド
404 第1の層
406 第2の層
502 充電パッド
504 単一層
802 第1の周波数制御信号
804 スイッチングパルス
806 第1の期間
808 第2の周波数制御信号
810 スイッチングパルス
812 変調信号
814 第1の周波数制御信号
816 第2の周波数制御信号
820 第2の期間

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8