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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】垂直パッケージモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240906BHJP
   H01L 25/16 20230101ALI20240906BHJP
【FI】
H01L23/12 L
H01L23/12 F
H01L25/16 A
H01L25/16 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022073061
(22)【出願日】2022-04-27
(65)【公開番号】P2022186602
(43)【公開日】2022-12-15
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】202110618463.4
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】王 聞師
【審査官】相澤 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-227739(JP,A)
【文献】特開2009-044160(JP,A)
【文献】特開2009-054666(JP,A)
【文献】特開2008-211254(JP,A)
【文献】特開2001-177044(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103280424(CN,A)
【文献】特開2002-359343(JP,A)
【文献】国際公開第2011/111300(WO,A1)
【文献】特開2008-244451(JP,A)
【文献】特開2021-052148(JP,A)
【文献】特開2009-302221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板と、濡れ性側面付きパッケージ構造とを含む垂直パッケージモジュールであって、
前記濡れ性側面付きパッケージ構造は、
第1誘電体層であって、前記第1誘電体層にパッケージキャビティが設けられ、前記パッケージキャビティの外側である前記第1誘電体層の側壁に第1側壁パッドが設けられ、前記第1側壁パッドの側面が前記第1誘電体層の側壁から露出される第1誘電体層と、
前記パッケージキャビティ内にパッケージされ、且つ活性面のピンが前記第1誘電体層の第1面に面しているチップと、
前記第1誘電体層の第1面に設けられ、前記第1側壁パッド及び前記チップの活性面におけるピンに直接又は間接的に接続される配線層と、を含み、
前記チップの活性面に機能領域が設けられ、前記機能領域は前記第1誘電体層から露出して、かつ前記第1面に面しており、
前記第1誘電体層の前記第1面と相対する面である第2面に放熱層が設けられ、前記放熱層は前記チップの放熱面に直接接続される、又は第1熱伝達性ビアポストを介して前記チップの放熱面に接続され、
前記濡れ性側面付きパッケージ構造が前記第1側壁パッドの側面を介して前記プリント回路基板に溶接され、かつ前記第1面が前記プリント回路基板に垂直である、
ことを特徴とする垂直パッケージモジュール。
【請求項2】
前記配線層は、前記第1側壁パッドに直接接続される、又は第2導電性ビアポストを介して前記第1側壁パッドに接続され、前記配線層は、さらに前記チップの活性面におけるピンに直接接続される、又は第1導電性ビアポストを介して前記チップの活性面におけるピンに接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の垂直パッケージモジュール。
【請求項3】
前記配線層は複数層あり、隣接する2層の前記配線層は第3導電性ビアポストを介して接続されている、ことを特徴とする請求項2に記載の濡れ性側面付きパッケージ構造。
【請求項4】
前記配線層には底部パッドが設けられ、前記第1側壁パッド及び前記底部パッドのうちの少なくとも1つに半田ボールが植え付けられている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の垂直パッケージモジュール。
【請求項5】
前記チップの活性面に透明な第2表面保護層が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の垂直パッケージモジュール。
【請求項6】
前記チップの活性面に非透明な第2表面保護層が設けられ、前記第2表面保護層に、前記機能領域に対応する窓掛け部位が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の垂直パッケージモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージの技術分野に関し、特に、濡れ性側面付きパッケージ構造、その製造方法、及び垂直パッケージモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージ技術では、金属突起(Bump、バンプとも呼ばれる)によるバンプフリップチップパッケージ技術でも、ピンによる実装及びプラグイン、ワイヤボンディングなどのパッケージ技術でも、チップ上に金属バンプ又はワイヤをワイヤフレーム又はIC基板に接続される電気接点として配置する必要がある。伝達中の電気信号の伝送距離が長くなり、ワイヤ間に寄生インダクタンスが存在することにより、電気信号に高損失や高遅延が生じ、且つパッケージの小型化が実現できない。
【0003】
BGA又はLGAパッケージ技術は、半導体パッケージ技術としてよく使用されているパッケージ技術であり、主に従来の針状ピンの代わりに金属接点式パッケージを用いたものであるが、一般的には製品の外観からその半田点、特に底部の半田点の性能が良好であるか否かを直接判定するのが困難であり、その結果、パッケージ製品の使用時の信頼性や安定性に影響を及ぼす。
【0004】
I/Oの数が増えるに伴い、ワイヤボンディングのパッケージ方式はパッケージの要件を満たすことができなくなり、また、面積が一定のパッケージ構造によって基板における半田ボールの数の増加が制限される。現在、このような課題を解決するために、チップ上に再分配用の配線層を配置することにより、間隔を増大して新しい電気接触部材を製造し、BGA又はLGAのパッケージ体を形成するが、このようにすると、製品の歩留まりの低下及びパッケージコストの増加を招く。さらに、パッケージ体のパッドがパッケージ体の底部にあることから、デバイスは表面実装によってしか印刷垂直パッケージモジュールに取り付けられず、デバイスの放熱には、回路を介した下方への伝達やデバイスの裏面からの能動的な放熱が必要とされ、このため、側面垂直組立の場合に適用できず、特定の半導体デバイスによる多方向送受信の機能への要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、少なくとも従来技術に存在する技術的課題の1つを解決することを目的とする。このため、本発明は、半田濡れ可能な側壁パッドを有し、チップピンを介して配線層を引き出すことによって、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くする濡れ性側面付きパッケージ構造、その製造方法、及び垂直パッケージモジュールを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本発明の実施例に係る濡れ性側面付きパッケージ構造は、第1誘電体層であって、前記第1誘電体層にパッケージキャビティが設けられ、前記パッケージキャビティの外側である前記第1誘電体層の側壁に第1側壁パッドが設けられる第1誘電体層と、前記パッケージキャビティ内にパッケージされ、且つ活性面のピンが前記第1誘電体層の第1面に面しているチップと、前記第1誘電体層の第1面に設けられ、前記第1側壁パッド及び前記チップの活性面におけるピンに直接又は間接的に接続される配線層とを含む。
【0007】
本発明の実施例に係るパッケージ構造は、少なくとも下記の有益な効果を有する。従来のパッケージ構造に比べて、本発明の実施例では、半田濡れ可能な第1側壁パッドが設けられ、且つチップピンを介して配線層が引き出されることにより、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くし、パッケージ構造の小型化、及び電気信号伝達の損失や遅延の最適化に有利である。第1側壁パッドに半田が濡れる際に、自動光検出機器を用いて第1側壁パッドへの半田濡れの状況を調べて、半田の品質を判定し、さらにチップの半田性能の有効性を判断することができ、関連電子製品の組立後の信頼性を向上させるのに有利であり、自動車グレードの要件を満たすことができる。
【0008】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記配線層は、前記第1側壁パッドに直接接続される、又は第2導電性ビアポストを介して前記第1側壁パッドに接続され、前記配線層は、さらに前記チップの活性面におけるピンに直接接続される、又は第1導電性ビアポストを介して前記チップの活性面におけるピンに接続される。
【0009】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記配線層は複数層あり、隣接する2層の前記配線層は第3導電性ビアポストを介して接続されている。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1誘電体層の第2面に放熱層が設けられ、前記放熱層は前記チップの放熱面に直接接続される、又は第1熱伝達性ビアポストを介して前記チップの放熱面に接続されている。
【0011】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記配線層には底部パッドが設けられ、前記第1側壁パッド及び前記底部パッドのうちの少なくとも1つに半田ボールが植え付けられている。
【0012】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記チップの活性面に機能領域が設けられ、前記機能領域は前記第1誘電体層から露出している。
【0013】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記チップの活性面に透明な第2表面保護層が設けられている。
【0014】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記チップの活性面に非透明な第2表面保護層が設けられ、前記第2表面保護層に、前記機能領域に対応する窓掛け部位が設けられている。
【0015】
第2態様では、本発明の実施例に係るパッケージ構造の製造方法は、誘電体枠を提供するステップであって、前記誘電体枠に少なくとも1つのパッケージキャビティが設けられ、前記誘電体枠の、前記パッケージキャビティの外側に第1金属柱が設けられ、前記第1金属柱の2つの端面がそれぞれ前記誘電体枠の対向する両面に露出しているステップと、パッケージ対象のチップを前記パッケージキャビティ内にパッケージして、第1仕掛け品を得るステップであって、前記チップの活性面におけるピンが前記第1仕掛け品の第1面に面しているステップと、前記第1金属柱及び前記チップの活性面におけるピンに直接又は間接的に接続される配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造して、第2仕掛け品を得るステップと、前記第2仕掛け品を切断して、第1側壁パッドを有するパッケージユニットを得るステップであって、少なくとも1本の切断経路が前記第1金属柱を通っているステップとを含む。
【0016】
本発明の実施例に係るパッケージ構造の製造方法は、少なくとも下記の有益な効果を有する。本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法によって得られるパッケージ構造では、従来のパッケージ構造に比べて、本発明の実施例では、半田濡れ可能な第1側壁パッドが作製され、且つチップピンを介して配線層が引き出されることにより、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くし、パッケージ構造の小型化、及び電気信号伝達の損失や遅延の最適化に有利である。第1側壁パッドに半田が濡れる際に、自動光検出機器を用いて第1側壁パッドへの半田濡れの状況を調べて、半田の品質を判定し、さらにチップの半田性能の有効性を判断することができ、関連電子製品の組立後の信頼性を向上させるのに有利であり、自動車グレードの要件を満たすことができる。
【0017】
本発明のいくつかの実施例によれば、配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造するステップは、前記チップの活性面におけるピンが前記第1仕掛け品の第1面に面しており且つ第1面に露出しているときに、前記チップの活性面におけるピンに直接接続される前記配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造して、前記第2仕掛け品を得るステップを含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施例によれば、配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造するステップは、前記チップの活性面におけるピンが前記第1仕掛け品の第1面に面しており且つ前記第1仕掛け品に埋設されたときに、前記チップの活性面におけるピンに連通する第1導通孔を前記第1仕掛け品の第1面に開けるステップと、電気めっきによって、前記第1導通孔内で、第1端が前記チップの活性面におけるピンに接続され、第2端が前記第1仕掛け品の第1面に露出している第1導電性ビアポストを加工するステップと、前記第1導電性ビアポストに接続され、前記第1導電性ビアポストを介して前記チップの活性面におけるピンに接続される前記配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造して、前記第2仕掛け品を得るステップとを含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記配線層は複数層あり、隣接する2層の前記配線層は第3導電性ビアポストを介して接続され、最外層の前記配線層は第4導電性ビアポストを介して前記第1金属柱に接続される。
【0020】
本発明のいくつかの実施例によれば、配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造するステップは、前記チップの活性面におけるピンが前記第1仕掛け品の第1面に面しており且つ前記チップの放熱面が前記第1仕掛け品内に埋設されたときに、前記第1仕掛け品の第2面に、前記チップの放熱面に連通する第2導通孔を開けるステップと、電気めっきによって、前記第2導通孔内で、第1端が前記チップの放熱面に接続され、第2端が前記第1仕掛け品の第2面に露出している第1熱伝達性ビアポストを加工するステップと、前記配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造し、前記第1熱伝達性ビアポストに接続される放熱層を前記第1仕掛け品の第2面に製造して、前記第2仕掛け品を得るステップとを含む。
【0021】
本発明のいくつかの実施例によれば、配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造するステップは、前記チップの活性面におけるピンが前記第1仕掛け品の第1面に面しており且つ前記チップの放熱面が前記第1仕掛け品の第2面に露出しているときに、前記配線層を前記第1仕掛け品の第1面に製造し、前記チップの放熱面に直接接続される放熱層を前記第1仕掛け品の第2面に製造して、前記第2仕掛け品を得るステップを含む。
【0022】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記チップの活性面に機能領域が設けられ、パッケージ対象のチップを前記パッケージキャビティ内にパッケージするステップは、前記パッケージキャビティの底部に仮負荷面を提供するステップと、前記チップを前記パッケージキャビティ内に実装し、且つ前記チップの活性面を前記仮負荷面上に実装するステップと、パッケージ材料を用いて前記チップをパッケージするステップと、前記仮負荷面を除去して、前記チップの活性面における機能領域を露出させるステップとを含む。
【0023】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第2仕掛け品を切断した後、前記チップの活性面に透明な第2表面保護層を加工するステップをさらに含む。
【0024】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第2仕掛け品を切断した後、前記チップの活性面に非透明な第2表面保護層を加工するステップと、前記第2表面保護層において前記機能領域に対応する位置に窓をかけるステップとをさらに含む。
【0025】
第3態様では、本発明の実施例に係るパッケージ構造は、第2態様に記載のパッケージ構造の製造方法によって得られる。
【0026】
第4態様では、本発明の実施例に係る垂直パッケージモジュールは、第1態様に記載のパッケージ構造を含むか、又は、第3態様に記載のパッケージ構造を含む。
【0027】
第5態様では、本発明の実施例に係る垂直パッケージモジュールは、プリント回路基板と、第2側壁パッドが設けられ、前記第2側壁パッドを介して前記プリント回路基板に溶接され、第1面が前記プリント回路基板に垂直であるパッケージユニットと、前記パッケージユニット内にパッケージされ、且つ前記第2側壁パッドに電気的に接続され、機能エリアが前記パッケージユニットの第1面に面している、機能エリアを有するパッケージデバイスとを含む。
【0028】
本発明の実施例に係る垂直パッケージモジュールは、少なくとも下記の有益な効果を有する。本発明では、パッケージユニットに第2側壁パッドが設けられることで、平面の表面実装方式を垂直実装方式に変更し、これにより、実装面積を小さくし、垂直パッケージモジュールの小型化や高密度化に有利であり、且つ垂直実装方式により、光、電磁波、赤外線などの信号に対するパッケージデバイスの放射、伝達、受信や検知方向が単一方向から選択可能な複数の方向になり、信号受送信などの関連機能の実現に有利であり、また、垂直パッケージモジュールの設計難度の低減に有利であり、また、垂直組立プロセスの難度を低下させるとともに、基板レベルの組立の信頼性を向上させる。
【0029】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記プリント回路基板の表面又は側辺に窪みが設けられ、前記窪み内に第1パッドが設けられ、前記第2側壁パッドは前記第1パッドに溶接により接続されている。
【0030】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記プリント回路基板の上面又は下面に凸部が設けられる。
【0031】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記凸部に第2パッドが設けられ、前記パッケージユニットには底部パッドがさらに設けられ、前記底部パッドは前記第2パッドに溶接により接続されている。
【0032】
本発明の追加的な態様及び利点の一部は以下の説明において記載されるが、一部は以下の説明から明らかになるか、又は本発明を実施することにより把握される。
本発明の上記及び/又は付加的な態様、及び利点は、以下の図面を参照しながら実施例を説明することにより、明らかになりかつ理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図一である。
図2図1に示すパッケージ構造の模式的な下面図である。
図3】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図二である。
図4】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図三である。
図5】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図四である。
図6】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図五である。
図7】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図六である。
図8a】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図七である。
図8b】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図八である。
図8c】本発明の実施例のパッケージ構造の構造模式図九である。
図9】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図10】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図11】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図12】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図13】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図14】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図15】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図16】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図17】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図18】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図19】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図20】本発明の実施例のパッケージ構造の製造方法の中間手順の模式図である。
図21】本発明の実施例の垂直パッケージモジュールの構造模式図一である。
図22】a、b、c、dは、それぞれ本発明の実施例において異なる数のパッケージユニットの、プリント回路基板での配置の上面図である。
図23】本発明の実施例の垂直パッケージモジュールの構造模式図二である。
図24】本発明の実施例の垂直パッケージモジュールの構造模式図三である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例について詳細に説明し、前記実施例の示例は図面に示され、図面を通じて同一又は類似の符号は、同一もしくは類似の構成要素、又は同一もしくは類似の機能を有する構成要素を表す。以下、図面を参照して説明する実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためにのみ使用され、本発明を限定するものとして理解すべきではない。
【0035】
本発明の説明において、いくつかは1つ又は複数であることを意味し、複数は2つ以上を意味し、よりも大きい、よりも小さい、超えるなどは、当該数を含まないものとして理解され、以上、以下、以内などは、当該数を含むものとして理解される。第1、第2の記載は単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を指示又は示唆したり、係る技術的特徴の数又は技術的特徴の前後関係を暗黙的に示したりすると理解すべきではない。
【0036】
本発明の説明において、特に明確な限定がない限り、「設ける」、「取り付ける」、「接続」などの用語は広義に理解すべきであり、当業者は技術的解決手段の具体的な内容に合わせて上記の用語の本発明における具体的な意味を合理的に判定することができる。
【0037】
〔実施例1〕
図1及び図2を参照すると、本実施例は、第1誘電体層110と、チップ200(マイクロ回路、マイクロチップ又は集積回路とも呼ばれる)と、配線層300とを含む濡れ性側面付きパッケージ構造を開示する。第1誘電体層110の材料はガラス繊維布、高分子重合体又はセラミック材料のうちの少なくとも1種である。第1誘電体層110にはパッケージキャビティ101が設けられ、具体的には、パッケージキャビティ101は第1誘電体層110の中央部に位置し、第1誘電体層110の側壁であってパッケージキャビティ101の外側に第1側壁パッド120が設けられ、第1側壁パッド120の数は、チップ200の活性面におけるピン201の数及び実際の配線のニーズに応じて決定される。チップ200はパッケージキャビティ101内にパッケージされ、且つチップ200の活性面におけるピン201は第1誘電体層110の第1面に面しており、ここで、チップ200をパッケージするためのパッケージ材料103は、味の素株式会社製のビルドアップ材料、重合体基質を有する材料、感光性絶縁材料、パッケージ成形コンパウンドやポリイミドなどであってもよい。パッケージ材料103によってチップ200をパッケージキャビティ101内に包み、且つチップ200の一部はパッケージ材料103から露出し、これにより、電気的接続や放熱可能な接続が実現される。図1図3及び図4を参照すると、配線層300は第1誘電体層110の第1面に設けられ、配線層300は第1側壁パッド120及びチップ200の活性面におけるピン201に直接又は間接的に接続され、第1側壁パッド120とチップ200の活性面におけるピン201との間の電気的接続を可能とする。なお、ピン201は第1誘電体層110の2つの対向する面のうちのいずれかに面してもよいが、説明の便宜上、本発明の実施例では、ピン201の向きを基準として、第1誘電体層110の第1面を特定し、即ち、第1誘電体層110のうちピン201が面している面を第1面とする。
【0038】
従来のパッケージ構造に比べて、本発明の実施例では、チップ200のピン201を介して配線層300を引き出すことによって、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くし、パッケージ構造の小型化、及び電気信号伝達の損失や遅延の最適化に有利である。さらに、本実施例では、第1側壁パッド120が設けられることにより、単位面積あたりのパッケージ構造により多くのパッドを配置することが可能になり、これにより、増えつつあるI/Oの数への要件を満たす。第1側壁パッド120の設計によりパッケージ構造の表面実装、側面実装又は垂直実装が可能になり、各種の場面の実装の要件が満たされ、パッケージ構造の適用性の向上に有利である。使用する際には、第1側壁パッド120に半田が濡れたときに、自動光検出機器を用いて第1側壁パッド120への半田濡れの状況を調べて、半田の品質を判定し、さらにチップ200の半田性能の有効性を判断することができ、関連電子製品の組立後の信頼性を向上させるのに有利であり、自動車グレードの要件を満たすことができる。
【0039】
デザインによって、配線層300と第1側壁パッド120及びチップ200の活性面におけるピン201との間の接続方式は、全て直接接続又は間隔接続としてもよい。ここで、図1又は図3を参照すると、図には、配線層300が第1側壁パッド120及びチップ200の活性面におけるピン201にそれぞれ直接接続されている場合が示される。図4を参照すると、配線層300が第1側壁パッド120に直接接続され、配線層300が第1導電性ビアポスト301を介してチップ200の活性面におけるピン201に接続される場合が示される。図5を参照すると、配線層300が第2導電性ビアポスト302を介して第1側壁パッド120に接続され、配線層300が第1導電性ビアポスト301を介してチップ200の活性面におけるピン201に接続される場合が示される。したがって、本実施例では、配線層300は第1側壁パッド120に直接接続されるか、又は第2導電性ビアポスト302を介して第1側壁パッド120に接続され、配線層300は、また、チップ200の活性面におけるピン201に直接接続されるか、又は第1導電性ビアポスト301を介してチップ200の活性面におけるピン201に接続されてもよい。
【0040】
図5図6及び図7を参照すると、配線層300の数は1層又は複数層とし、このようにして、配線のニーズが満たされ得る。配線層300が複数層である場合、隣接する2層の配線層300は第3導電性ビアポスト303を介して接続され、最外層の配線層300は第4導電性ビアポスト304を介して第1側壁パッド120に接続される。
【0041】
図5又は図7を参照すると、第1誘電体層110の第2面に放熱層400が設けられ、これはチップ200の放熱効率向上に有利であり、チップ200の作動温度を下げ、チップ200の作動信頼性を向上させる。ここで、放熱層400はチップ200の放熱面に直接接続されるか、又は第1熱伝達性ビアポスト401を介してチップ200の放熱面に接続される。具体的には、図5を参照すると、放熱層400がチップ200の放熱面に直接接続されている場合が示され、図7を参照すると、放熱層400が第1熱伝達性ビアポスト401を介してチップ200の放熱面に接続されている場合が示される。
【0042】
さらに図5又は図7を参照すると、使用に際しては、回路基板に容易に接続できるように、第1側壁パッド120には半田ボール600が植え付けられるか、又は回路基板に半田ペーストが印刷される。もちろん、一部のパッケージ構造では、配線層300に底部パッドが設けられ、実際の溶接のニーズに応じて、表面実装、側面実装又は垂直実装のために、第1側壁パッド120及び底部パッドのうち少なくとも一方に半田ボール600が植え付けられる。
【0043】
なお、パッケージ構造を保護するために、パッケージ構造に第1表面保護層510が付与されており、具体的には、第1表面保護層510は配線層300に覆われるが、放熱層400が設けられた場合、第1表面保護層510は放熱層400にも覆われる。第1表面保護層510は、機械的保護や水蒸気バリアの機能を発揮するために、半田レジスト層又はプラスチックパッケージ層としてもよい。
【0044】
図8aを参照すると、実際に使用する際には、チップ200のモデルによって、チップ200の活性面の向きが異なる。例えば、チップ200がLED、受光デバイスやセンサチップなどの部品である場合、チップ200の活性面に機能領域202が設けられ、機能領域202は第1誘電体層110から露出し、即ち、チップ200の活性面は、信号送信、信号受信、信号伝達や信号検知などの機能を果たすためにパッケージキャビティ101の外側に面している。
【0045】
図8bを参照すると、一部のタイプのチップの場合、例えば防水性が求められるチップの場合、チップ200に対する保護を補強するために、チップ200の活性面には透明な第2表面保護層520が設けられる。
【0046】
第2表面保護層520の材料によって、第2表面保護層520は様々な保護作用を果たし、例えば機械的保護や水蒸気バリアの役割を果たす。
【0047】
もちろん、図8cを参照すると、第2表面保護層520の材料によって、チップ200の活性面に非透明な第2表面保護層520が設けられてもよく、この場合、第2表面保護層520では、機能領域202を逃すために機能領域202に対応する窓掛け部位が設けられ、機能領域202を露出させ、これにより、信号送信、信号受信、信号伝達や信号検知などの機能を果たす。
【0048】
〔実施例2〕
本発明の実施例は、ステップS100、ステップS200、ステップS300、及びステップS400を含むパッケージ構造の製造方法を提供し、以下、各ステップについて詳細に説明する。
【0049】
S100:図9及び図10を参照すると、パッケージ構造の第1誘電体層110を形成するための誘電体枠100を提供する。誘電体枠100には少なくとも1つのパッケージキャビティ101が設けられ、誘電体枠100においてパッケージキャビティ101の外側に第1金属柱102が設けられ、第1金属柱102の2つの端面はそれぞれ誘電体枠100の対向する両面に露出している。本実施例では、パッケージキャビティ101は、誘電体枠100の対向する両面に連通する空洞であり、誘電体枠100の材料はガラス繊維布、高分子重合体又はセラミック材料のうちの少なくとも1種である。説明の便宜上、本実施例では、誘電体枠100上に4*3=12個のパッケージキャビティ101がアレイ状に設けられ、同一行には、誘電体枠100のうち隣接するパッケージキャビティ101の間に第1金属柱102が設けられ、且つ、誘電体枠100の両側壁のうちパッケージキャビティ101側にも同じく第1金属柱102が設けられる。
【0050】
S200:図11を参照すると、パッケージ対象のチップ200をキャビティ101内にパッケージして、第1仕掛け品を得て、チップ200の活性面におけるピン201は第1仕掛け品の第1面に面している。チップ200のパッケージは、積層、射出成形や圧延プロセスなどにより行われてもよく、ここで、チップ200をパッケージするためのパッケージ材料103は、味の素株式会社製のビルドアップ材料、重合体基質を有する材料、感光性絶縁材料、パッケージ成形コンパウンドやポリイミドなどであり、パッケージ材料103によってチップ200をパッケージキャビティ101内に包み、且つチップ200の一部はパッケージ材料103から露出し、これにより、電気的接続又は放熱可能な接続が実現される。
【0051】
S300:図12を参照すると、第1金属柱102及びチップ200の活性面におけるピン201に直接又は間接的に接続されることで第1金属柱102とチップ200の活性面におけるピン201とを電気的に接続する配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造して、第2仕掛け品を得る。従来のパッケージ構造に比べて、本発明の実施例では、チップ200のピン201を介して配線層300を引き出すことによって、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くし、パッケージ構造の小型化、及び電気信号伝達の損失や遅延の最適化に有利である。
【0052】
S400:さらに図12を参照すると、第2仕掛け品を切断して、第1側壁パッド120を有するパッケージユニットを得て、ここで、少なくとも1本の切断経路は第1金属柱102を通っており、切断はレーザ切断であってもよいし、機械的切断であってもよい。同一行にある隣接する2つのパッケージキャビティ101は、同一列にある第1金属柱102の中心の接続線(図における破線で示される)を切断経路として、切断経路に沿って切断され、これにより、第1金属柱102の断面は誘電体枠100の表面に露出して、第1側壁パッド120となり、次に、一次切断を受けた仕掛け品について二次等分切断が行われて、パッケージユニットが得られる。第1側壁パッド120の設計により、パッケージ構造は、単位面積当たりより多くのパッドを配置することが可能であり、これにより、増えつつあるI/Oの数への要件を満たす。第1側壁パッド120の設計によりパッケージ構造の表面実装、側面実装又は垂直実装が可能になり、各種の場面の実装の要件が満たされ、パッケージ構造の適用性の向上に有利である。
【0053】
ステップS300において、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造するというステップとしては、本実施例は2種類の実施形態を開示する。第一に、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造するステップはステップS310を含む。
【0054】
S310:図11及び図12を参照すると、チップ200の活性面におけるピン201が第1仕掛け品の第1面に面しており且つ第1仕掛け品の第1面に露出しているときに、チップ200の活性面におけるピン201に直接接続される配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造して、第2仕掛け品を得る。なお、チップ200の実装において、パッケージキャビティ101の底部に仮負荷面を提供することにより、チップ200の活性面におけるピン201が第1仕掛け品の第1面に面しており且つ第1仕掛け品の第1面に露出している。また、配線層300の製造方法は、パターントランスファーやパターンめっきによって実現されてもよく、これは当業者にとって公知の技術であり、本実施例では、説明を省略する。
【0055】
第二に、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造するステップは、ステップS321~ステップS323を含む。
【0056】
S321:図13及び図14を参照すると、チップ200の活性面におけるピン201が第1仕掛け品の第1面に面しており且つ第1仕掛け品に埋設されたときに、第1仕掛け品の第1面に、チップ200の活性面におけるピン201に連通する第1導通孔104を開ける。本実施例では、第1導通孔104は、レーザ穴あけによって得られる。
【0057】
S322:図15を参照すると、電気めっきによって、第1導通孔104内で、第1端がチップ200の活性面におけるピン201に接続され、第2端が第1仕掛け品の第1面に露出している第1導電性ビアポスト301を加工する。
【0058】
S323:さらに図15を参照すると、第1導電性ビアポスト301に接続され、第1導電性ビアポスト301を介してチップ200の活性面におけるピン201に接続される配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造して、第2仕掛け品を得る。このような構成によれば、チップ200の活性面におけるピン201をパッケージ材料103にパッケージすることができ、また、チップ200を第1金属柱102に電気的に接続することもでき、チップ200への水蒸気の影響を低減させ、チップ200の作動安定性の向上に有利である。
【0059】
なお、パッケージ材料103の厚さが大きい場合、図14を参照すると、ステップS321では、第1導通孔104は複数あり、複数の第1導通孔104は、第1金属柱102及びチップ200の活性面におけるピン201に対応して連通する。このような場合、図15を参照すると、ステップS322では、電気めっきによって、対応する第1導通孔104内で、第2導電性ビアポスト302及び第1導電性ビアポスト301をそれぞれ加工し、このうち、第2導電性ビアポスト302の第1端は第1金属柱102に接続され、第1導電性ビアポスト301の第1端はチップ200の活性面におけるピン201に接続され、第2導電性ビアポスト302の第2端及び第1導電性ビアポスト301の第2端は全て第1仕掛け品の第1面に露出する。ステップS323では、第1仕掛け品の第1面に配線層300が製造されると、配線層300は第2導電性ビアポスト302及び第1導電性ビアポスト301にそれぞれ接続され、これにより、配線層300は第2導電性ビアポスト302を介して第1金属柱102に接続され、配線層300は第1導電性ビアポスト301を介してチップ200の活性面におけるピン201に接続され、さらに、配線層300は第1金属柱102及びチップ200の活性面におけるピン201にそれぞれ間接的に接続される。
【0060】
図16を参照すると、本実施例では、配線層300は複数層あり、隣接する2層配線層300は第3導電性ビアポスト303を介して接続され、最外層の配線層300は第4導電性ビアポスト304を介して第1金属柱102に接続される。ここで、複数層の配線層300の加工方法は、パターントランスファー、パターンめっき、積層やラミネートなどの工程によって行われてもよく、同様に、第3導電性ビアポスト303及び第4導電性ビアポスト304の加工方法もパターントランスファー、パターンめっき、積層やラミネートなどの工程によって行われてもよく、これらは当業者に公知の技術であるため、本実施例では説明を省略する。このような構成によれば、本実施例では、複数層のファンアウトを有するパッケージ構造を製造することができ、配線密度の向上に有利である。
【0061】
チップ200の放熱効率を向上させるために、第1仕掛け品に放熱層400を加工してもよく、ここで、放熱層400はステップS300と同時に製造されてもよく、本実施例では、2種類の実施形態が提供される。
【0062】
第一に、上記ステップS300では、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造するステップは、以下のステップを含む。
図17を参照すると、チップ200の活性面におけるピン201が第1仕掛け品の第1面に面しており且つチップ200の放熱面が第1仕掛け品に埋設されたときに、第1仕掛け品の第2面に、チップ200の放熱面に連通する第2導通孔105を開ける。本実施例では、チップ200の放熱面はチップ200の裏面に位置し、チップ200の放熱面及びチップ200の活性面におけるピン201はそれぞれチップ200の対向する両面に位置する。
【0063】
図18を参照すると、電気めっきによって、第2導通孔105内で、第1端がチップ200の放熱面に接続され、第2端が第1仕掛け品の第2面に露出している第1熱伝達性ビアポスト401を加工する。
【0064】
さらに図18を参照すると、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造し、第1熱伝達性ビアポスト401に接続される放熱層400を第1仕掛け品の第2面に製造して、第2仕掛け品を得る。放熱層400の製造方法は、パターントランスファーやパターンめっきによって行われてもよく、本実施例では説明を省略する。
【0065】
第二に、上記ステップS300では、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造するステップは、以下のステップを含む。
【0066】
図14及び図15を参照すると、チップ200の活性面におけるピン201が第1仕掛け品の第1面に面しており且つチップ200の放熱面が第1仕掛け品の第2面に露出しているときに、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造し、チップ200の放熱面に直接接続される放熱層400を第1仕掛け品の第2面に製造して、第2仕掛け品を得る。配線層300の製造方法は上記の実施形態を参照すればよく、ここでは説明を省略する。
【0067】
上記ステップS300では、配線層300を第1仕掛け品の第1面に製造した後、以下のステップを含む。
図19又は図20を参照すると、第1仕掛け品に第1表面保護層510を付与して、第2仕掛け品を得る。第1表面保護層510は、機械的保護や水蒸気バリアの機能を果たすために、半田レジスト層又はプラスチックパッケージ層としてもよい。放熱層400が加工された場合、パターントランスファープロセス、プラズマエッチングやレーザプロセスによって第1表面保護層510を部分的に除去して、対応する放熱金属を露出させる。ここで、第1表面保護層510のプラスチックパッケージ材料はパッケージ材料103であってもよい。
【0068】
さらに図19又は図20を参照すると、パッケージユニットを得た後、第1側壁パッド120にボール植え付け処理を行って、第1側壁パッド120に接続構造を加工してもよい。なお、一部のパッケージ構造では、配線層300に底部パッドが設けられ、第1表面保護層510には底部パッドを露出させるための窓掛け部位が設けられ、この場合、第1側壁パッド120及び底部パッドにボール植え付け処理を行って、第1側壁パッド120及び底部パッドで接続構造を加工してもよい。
【0069】
実際に使用する際には、チップ200のモデルによって、チップ200の活性面の向きが異なる。例えば、チップ200がLED、受光デバイスやセンサチップなどの部品である場合、チップ200の活性面に機能領域202が設けられている。
【0070】
機能領域202を第1誘電体層110から露出させるために、上記ステップS200では、パッケージ対象のチップ200をパッケージキャビティ101にパッケージするステップは、ステップS210~S240を含む。
【0071】
S210:パッケージキャビティ101の底部に仮負荷面(未図示)を提供し、ここで、仮負荷面は誘電体枠100の底部に設けられる仮負荷板、又は、誘電体枠100の底部に貼り付けられた粘着紙又は粘着テープであってもよい。
【0072】
S220:チップ200をパッケージキャビティ101内に実装し、且つチップ200の活性面を仮負荷面に実装し、これにより、チップ200の活性面は誘電体枠100の底部と面一、即ち第1誘電体層110の表面と面一になる。
【0073】
S230:パッケージ材料103を用いてチップ200をパッケージする。チップ200の活性面が仮負荷面に実装されているため、パッケージに際して、パッケージ材料103はチップ200の活性面を避けることができ、パッケージ材料103がチップ200全体を覆うことを回避する。
【0074】
S240:仮負荷面を除去して、チップ200の活性面における機能領域202を露出させる。チップ200の活性面が仮負荷面に実装されているので、仮負荷面が除去されると、チップ200の活性面は露出し、パッケージ済みの構造は図8aに示す。もちろん、チップ200の活性面にピン201が設けられている場合、ピン201は第1誘電体層110から露出してもよい。チップ200を保護するために、上記ステップS400では、第2仕掛け品を切断した後、ステップS520をさらに含んでもよい。
【0075】
S520:チップ200の活性面に透明な第2表面保護層520を加工し、その構造は図8bに示す。
【0076】
上記ステップS400では、第2表面保護層520の材料によって、第2表面保護層520の加工方式が異なる。例えば、第2仕掛け品を切断した後、ステップS521~S522をさらに含んでもよい。
【0077】
S521:チップ200の活性面に非透明な第2表面保護層520を加工する。
【0078】
S522:第2表面保護層520において機能領域202に対応する位置に窓をかけ、その構造は図8cに示す。このように、機能領域202を避け、機能領域202を露出させ、信号送信、信号受信、信号伝達や信号検知などの機能を果たす。
【0079】
〔実施例3〕
本発明の実施例は、実施例2のパッケージ構造の製造方法によって得られるパッケージ構造を開示する。従来のパッケージ構造に比べて、本発明の実施例では、チップ200のピン201を介して配線層300を引き出すことによって、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くし、パッケージ構造の小型化、及び電気信号伝達の損失や遅延の最適化に有利である。さらに、本実施例では、第1側壁パッド120が設けられることにより、単位面積あたりのパッケージ構造により多くのパッドを配置することが可能になり、これにより、増えつつあるI/Oの数への要件を満たす。第1側壁パッド120の設計によりパッケージ構造の表面実装、側面実装又は垂直実装が可能になり、各種の場面の実装の要件が満たされ、パッケージ構造の適用性の向上に有利である。使用する際には、第1側壁パッド120に半田が濡れたときに、自動光検出機器を用いて第1側壁パッド120への半田濡れの状況を調べて、半田の品質を判定し、さらにチップ200の半田性能の有効性を判断することができ、関連電子製品の組立後の信頼性を向上させるのに有利であり、自動車グレードの要件を満たすことができる。
【0080】
〔実施例4〕
本発明の実施例は、実施例1のパッケージ構造又は実施例3のパッケージ構造を含む垂直パッケージモジュールを開示する。本発明の実施例では、チップ200の活性面におけるピン201を介して配線層300を引き出すことによって、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くし、パッケージ構造の小型化、及び電気信号伝達の損失や遅延の最適化に有利である。さらに、本実施例では、第1側壁パッド120が設けられることにより、単位面積あたりのパッケージ構造により多くのパッドを配置することが可能になり、これにより、増えつつあるI/Oの数への要件を満たす。第1側壁パッド120の設計によりパッケージ構造の表面実装、側面実装又は垂直実装が可能になり、各種の場面の実装の要件が満たされ、パッケージ構造の適用性の向上に有利である。
【0081】
〔実施例5〕
図21を参照すると、本発明の実施例は、プリント回路基板700と、パッケージユニット800と、パッケージデバイス810とを含む垂直パッケージモジュールを開示し、パッケージユニット800に第2側壁パッド820が設けられ、パッケージユニット800は第2側壁パッド820を介してプリント回路基板700に溶接され、パッケージユニット800の第1面はプリント回路基板700に垂直であり、パッケージデバイス810は機能エリア811を有し、ここで、機能エリア811は実施例1の機能領域202に対応し、即ち、機能エリア811は、信号送信端、信号接受信端、信号伝達端又は信号検知端として機能してもよく、もちろん、機能エリア811は、信号送信端と信号受信端を集積した信号受送信端としてもよい。機能エリア811は空気に晒されるものであるので、保護材料で被覆されることにより保護されてもよい。
【0082】
パッケージデバイス810は、パッケージユニット800内にパッケージされ、且つ第2側壁パッド820に電気的に接続され、パッケージデバイス810の機能エリア811はパッケージユニット800の第1面に面しており、このように、パッケージデバイス810の信号伝達方向はプリント回路基板700が所在する仮想面に平行又は実質的に平行となる。なお、機能エリア811はパッケージユニット800の2つの対向する面のうちのいずれか1つに面していてもよく、説明の便宜上、本発明の実施例では、機能エリア811の向きを基準として、パッケージユニット800の第1面を特定し、即ち、パッケージユニット800は、機能エリア811が面している面を第1面とする。なお、本実施例に係る「信号伝達方向」とは、パッケージデバイス810が送信又は受信する信号(例えば光信号)が、ある仮想直線経路に沿って伝達されることを意味し、この直線経路の向きは信号伝達方向である。本実施例に係る「実質的に平行」とはパッケージデバイス810の信号伝達方向とプリント回路基板700が所在する仮想面との間の夾角が一定の誤差範囲、例えば≦3°又は≦5°にあることを意味する。本実施例のパッケージユニット800はプリント回路基板700に垂直に組み立てられ、これにより、パッケージデバイス810のための、正面、裏面及び側面が同時に積極的に放熱する垂直組立構造が提供され、パッケージデバイス810の放熱効率向上に有利である。
【0083】
重複な説明を省略するために、本実施例のパッケージユニット800の具体的な構造は実施例1を参照すればよく、例えば、パッケージデバイス810のピン201を介して配線層300を引き出すことによって、ボンディングワイヤや金属バンプを省略し、パッケージ体積を減少させ、電気信号の伝達距離を短くし、パッケージ構造の小型化、及び電気信号伝達の損失や遅延の最適化に有利である。また、例えば、パッケージユニット800に放熱層400が設けられ、放熱層400はパッケージデバイス810に直接又は間接的に接続され、パッケージデバイス810の放熱効率を向上させる。本実施例の垂直組立構造では、パッケージデバイス810の正面又は裏面に設けられる放熱層400が空気に晒され、後で風冷や水冷などにより積極的に放熱することができ、これは放熱効率向上に有利であり、ここで、本実施例では、パッケージデバイス810はLED、受光デバイスやセンサチップなどであってもよい。なお、プリント回路基板700の内部又は表面に配線710及び/又はパッドが設けられ、プリント回路基板700には、他のデバイス、例えば、活性デバイス720(例えばチップ又はスイッチングトランジスタなど)や受動デバイス730(例えば抵抗又はコンデンサなど)がさらに実装されてもよく、デバイス同士は配線710を介して接続される。パッケージデバイス810が受発光デバイスであり、活性デバイス720が受発光デバイスの駆動制御チップ(ASIC)である場合、受発光デバイス及びそのASICを集積してもよい。
【0084】
パッケージデバイス810がパッケージされた一般的なパッケージユニット800では、パッケージデバイス810の機能エリア811は一般にパッケージユニット800の正面に向かっており、一方、パッケージユニット800のパッドは一般に底部に配置され、したがって、パッケージユニット800が表面実装技術によってプリント回路基板700に実装されると、パッケージデバイス810の信号伝達方向はプリント回路基板700が所在する仮想面に垂直となるしかなく、結果としてパッケージデバイス810の信号伝達方向が単一であり、また、構造の設計や生産プロセスなどの原因で、パッケージユニット800は一般に直方体構造であり、通常、面積の大きな面はプリント回路基板700に接続され、結果として実装面積が大きくなる。
【0085】
本実施例では、パッケージユニット800に第2側壁パッド820が設けられることで、平面の表面実装方式を垂直実装方式に変更し、これにより、実装面積を小さくし、垂直パッケージモジュールの小型化や高密度化に有利であり、且つ垂直実装方式により、光、電磁波、赤外線などの信号に対するパッケージデバイス810の放射、伝達、受信や検知方向が単一方向から選択可能な複数の方向になる。例えば図22のa、b、c及びdを参照すると、図には、6個、4個、3個、及び2個のパッケージユニット800が配列された場合がそれぞれ示されており、図における破線は信号伝達方向を表し、信号伝達方向はプリント回路基板700が所在する仮想平面に平行である。パッケージユニット800の数や実装向きを調整することによって、複数の向きの実装アレイ(例えばLEDアレイ又はアンテナアレイ)が実現され、信号受送信などの関連機能の実現に有利である。さらに、垂直パッケージモジュールの設計難度の低減に有利であり、また、垂直組立プロセスの難度を低下させるとともに、基板レベルの組立の信頼性を向上させる。
【0086】
図21又は図23を参照すると、プリント回路基板700の表面又は側辺に窪み701が設けられ、窪み701内に第1パッド702が設けられ、第2側壁パッド820は第1パッド702に溶接により接続される。例えば、図21を参照すると、図示した窪み701は凹溝構造であり、第1パッド702は凹溝に設けられ、パッケージユニット800が実装されると、液体充填剤で凹溝内の隙間が埋められ、液体充填剤が熱硬化又は光硬化により硬化され、これにより、パッケージユニット800の実装安定性を向上させる。また、例えば、図23を参照すると、図示した窪み701はプリント回路基板700の縁部に設けられたノッチ付き窪みであり、第1パッド702はノッチ付き窪みに設けられ、ここで、第1パッド702は平面状パッド又は直角状パッドである。第1パッド702が直角状パッドである場合、パッケージユニット800には底部パッドがさらに設けられ、パッケージユニット800の第2側壁パッド820及び底部パッドはそれぞれ直角状パッドに溶接により接続され、これにより、パッケージユニット800の実装安定性を向上させる。
【0087】
図24を参照すると、プリント回路基板700の表面に凸部703が設けられ、ここで、凸部703はピラー、ボスや垂直壁などの構造としてもよく、凸部703の側壁には第2パッド704が設けられ、パッケージユニット800には底部パッドがさらに設けられ、底部パッドは第2パッド704に溶接により接続される。このように、第2側壁パッド820が第1パッド702に溶接により接続されるとともに、底部パッドが第2パッド704に溶接により接続されることにより、パッケージユニット800の実装安定性が向上するに加えて、立体空間が十分に活用されて配線面積が大きくなり、デバイスの高集積密度化に有利である。なお、凸部703は複数の側壁を有し、設計レイアウトのニーズに合わせて、凸部703の1つ又は複数の側壁に第2パッド704を設けて、1つ又は複数のパッケージユニット800を実装してもい。
【0088】
以上は図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識範囲内で、本発明の主旨を逸脱することなく様々な変化を行ってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24