(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】画像処理方法及び装置、モバイル端末、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240906BHJP
G06T 5/73 20240101ALI20240906BHJP
G06T 5/92 20240101ALI20240906BHJP
【FI】
H04N23/60 500
G06T5/73
G06T5/92
(21)【出願番号】P 2022157535
(22)【出願日】2022-09-30
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】202210701809.1
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ラオ,チャン
(72)【発明者】
【氏名】デン,ジアカン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】イン,シュアンシュアン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,メイヤ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヤンチェンシュ
(72)【発明者】
【氏名】ドン,ジアシュ
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-200900(JP,A)
【文献】特開2016-039563(JP,A)
【文献】特開2009-218708(JP,A)
【文献】特開2012-160863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G06T 5/73
G06T 5/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ効果命令を取得し、前記レンズ効果命令に基づいて、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定するステップであって、前記ぼかしアルゴリズムは、光学レンズ効果をシミュレートするためのアルゴリズムであるステップと、
前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップと、
を含み、
レンズ効果命令を取得するステップは、
モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、現在の撮影環境パラメータを取得するステップであって、前記撮影環境パラメータには、焦点距離パラメータ、環境光の明るさパラメータ、主体検出パラメータ及び光点検出パラメータのうちの少なくとも1つが含まれるステップと、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たしていることに応答して、非ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たしていることに応答して、ソフトフォーカスぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たしていることに応答して、白黒ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たしていることに応答して、焦点回転ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たさず、前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たさず、前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たさず、前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たさないことに応答して、基準ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項2】
モバイル端末が光学レンズモードをオンにし、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替えることに応答して、前記第1の光学レンズ効果に対応する第1のぼかしアルゴリズムの処理における処理対象の画像の処理データを取得するステップと、
前記処理データに基づいて、前記第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムを使用して前記処理対象の画像に対して画像処理を行うステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記光学レンズ効果には、
非ぼかし効果、ソフトフォーカスぼかし効果、白黒ぼかし効果、焦点回転ぼかし効果及び基準ぼかし効果のうちの少なくとも1つが含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記レンズ効果命令を取得するステップは、
モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、光学レンズ効果を表示する選択インターフェースを出力するステップと、
前記選択インターフェースでのユーザからのユーザ入力命令を受信し、前記ユーザ入力命令に基づいて、対応するレンズ効果命令を生成するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記ターゲットぼかしアルゴリズムが基準ぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記ターゲットぼかしアルゴリズムが焦点回転ぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、光点レイヤーと背景レイヤーを取得するステップと、
前記背景レイヤーをフィルタリングして、背景結果レイヤーを取得し、予め設定された口径蝕マスクレイヤーに基づいて、前記光点レイヤーをフィルタリングして、光点結果レイヤーを取得するステップと、
前記背景結果レイヤーと前記光点結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記ターゲットぼかしアルゴリズムが白黒ぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像をカラー画像から白黒画像に変換するステップと、
前記白黒画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記ターゲットぼかしアルゴリズムがソフトフォーカスぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、中間画像を取得するステップと、
前記中間画像に対してハイライト強調処理を行い、前記ターゲット画像を取得するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれかに記載の画像処理方法。
【請求項9】
レンズ効果命令を取得し、前記レンズ効果命令に基づいて、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定する取得モジュールであって、前記ぼかしアルゴリズムは、光学レンズ効果をシミュレートするためのアルゴリズムである取得モジュールと、
前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するぼかし処理モジュールと、
を含み、
前記取得モジュールは、さらに、
モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、現在の撮影環境パラメータを取得し、前記撮影環境パラメータには、焦点距離パラメータ、環境光の明るさパラメータ、主体検出パラメータ及び光点検出パラメータのうちの少なくとも1つが含まれ、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たしていることに応答して、非ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たしていることに応答して、ソフトフォーカスぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たしていることに応答して、白黒ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たしていることに応答して、焦点回転ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たさず、前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たさず、前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たさず、前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たさないことに応答して、基準ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するように構成される、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
モバイル端末であって、
プロセッサと、
コンピュータ命令を記憶するメモリとを含み、
前記コンピュータ命令は、前記プロセッサが請求項1~
4のいずれかに記載の前記画像処理方法を実行するために用いられる、
ことを特徴とするモバイル端末。
【請求項11】
コンピュータ命令が記憶される記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令は、コンピューターが請求項1~
4のいずれかに記載の前記画像処理方法を実行するために用いられる、
ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2022年6月20日に提出した、中国特許出願番号が「2022107018091」であるものの優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、画像処理技術の分野に関し、具体的には、画像処理方法及び装置、モバイル端末、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器の画像技術の発展に伴い、人々はますますモバイル端末に依存して写真を撮っており、モバイル端末の撮影効果に対する要求はますます高くなっている。被写界深度の浅い効果とは、フォーカスポイント付近だけが鮮明で、前後の景色がぼやけた画像効果を指し、被写界深度の浅い効果は、被写体を非常にうまく強調することができ、ポートレート、クローズアップなどの撮影モードで広く使用されている。
【発明の概要】
【0004】
画像の撮像品質を向上させるために、本開示の実施形態は、画像処理方法、装置、モバイル端末、および記憶媒体を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本開示の実施形態は、
レンズ効果命令を取得し、前記レンズ効果命令に基づいて、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定するステップであって、前記ぼかしアルゴリズムは、光学レンズ効果をシミュレートするためのアルゴリズムであるステップと
前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップとを含む画像処理方法を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、レンズ効果命令を取得するステップは、
前記モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、現在の撮影環境パラメータを取得するステップであって、前記撮影環境パラメータには、焦点距離パラメータ、環境光の明るさパラメータ、主体検出パラメータ及び光点検出パラメータのうちの少なくとも1つが含まれるステップと、
現在の前記撮影環境パラメータに基づいて、前記レンズ効果命令を決定するステップとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、現在の前記撮影環境パラメータに基づいて、前記レンズ効果命令を決定するステップは、
前記撮影環境パラメータに含まれる少なくとも1つのパラメータとそれに対応する予め設定された条件との関係に基づいて、ターゲット光学レンズ効果に対応するレンズ効果命令を決定するステップを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記撮影環境パラメータに含まれる少なくとも1つのパラメータとそれに対応する予め設定された条件との関係に基づいて、ターゲット光学レンズ効果に対応するレンズ効果命令を決定するステップは、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たしていることに応答して、非ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たしていることに応答して、ソフトフォーカスぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たしていることに応答して、白黒ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たしていることに応答して、焦点回転ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップと、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たさず、前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たさず、前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たさず、前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たさないことに応答して、基準ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するステップとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記光学レンズ効果には、
非ぼかし効果、ソフトフォーカスぼかし効果、白黒ぼかし効果、焦点回転ぼかし効果及び基準ぼかし効果のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記レンズ効果命令を取得するステップは、
前記モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、光学レンズ効果を表示する選択インターフェースを出力するステップと、
前記選択インターフェースでのユーザからのユーザ入力命令を受信し、前記ユーザ入力命令に基づいて、対応するレンズ効果命令を生成するステップと、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記ターゲットぼかしアルゴリズムが基準ぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するステップと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記ターゲットぼかしアルゴリズムが焦点回転ぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、光点レイヤーと背景レイヤーを取得するステップと、
前記背景レイヤーをフィルタリングして、背景結果レイヤーを取得し、予め設定された口径蝕マスクレイヤーに基づいて、前記光点レイヤーをフィルタリングして、光点結果レイヤーを取得するステップと、
前記背景結果レイヤーと前記光点結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するステップとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記ターゲットぼかしアルゴリズムが白黒ぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像をカラー画像から白黒画像に変換するステップと、
前記白黒画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得するステップと
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するステップとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記ターゲットぼかしアルゴリズムがソフトフォーカスぼかしアルゴリズムである場合、前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得するステップと、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、中間画像を取得するステップと、
前記中間画像に対してハイライト強調処理を行い、前記ターゲット画像を取得するステップとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示の例示的な画像処理方法は、
前記モバイル端末が光学レンズモードをオンにして、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替えることに応答して、前記第1の光学レンズ効果に対応する第1のぼかしアルゴリズムの処理における処理対象の画像の処理データを取得するステップと
前記処理データに基づいて前記第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムを使用して前記処理対象の画像に対して画像処理を行うステップとをさらに含む。
【0016】
第2の態様によれば、本開示の実施形態は、
レンズ効果命令を取得し、前記レンズ効果命令に基づいて、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定する取得モジュールであって、前記ぼかしアルゴリズムは、光学レンズ効果をシミュレートするためのアルゴリズムである取得モジュールと、
前記ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するぼかし処理モジュールとを含む画像処理装置を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記取得モジュールは、
前記モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、現在の撮影環境パラメータを取得し、前記撮影環境パラメータには、焦点距離パラメータ、環境光の明るさパラメータ、主体検出パラメータ及び光点検出パラメータのうちの少なくとも1つが含まれ、
現在の前記撮影環境パラメータに基づいて、前記レンズ効果命令を決定するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記取得モジュールは、
前記撮影環境パラメータに含まれる少なくとも1つのパラメータとそれに対応する予め設定された条件との関係に基づいて、ターゲット光学レンズ効果に対応するレンズ効果命令を決定するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記取得モジュールは、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たしていることに応答して、非ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たしていることに応答して、ソフトフォーカスぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たしていることに応答して、白黒ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たしていることに応答して、焦点回転ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定し、
前記焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たさず、前記環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たさず、前記主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たさず、前記光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たさないことに応答して、基準ぼかし効果に対応する命令が前記レンズ効果命令であると決定するように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記光学レンズ効果には、
非ぼかし効果、ソフトフォーカスぼかし効果、白黒ぼかし効果、焦点回転ぼかし効果及び基準ぼかし効果のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記取得モジュールは、
前記モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、光学レンズ効果を表示する選択インターフェースを出力し、
前記選択インターフェースでのユーザからのユーザ入力命令を受信し、前記ユーザ入力命令に基づいて、対応するレンズ効果命令を生成するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記ぼかし処理モジュールは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記ぼかし処理モジュールは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、光点レイヤーと背景レイヤーを取得し、
前記背景レイヤーをフィルタリングして、背景結果レイヤーを取得し、予め設定された口径蝕マスクレイヤーに基づいて、前記光点レイヤーをフィルタリングして、光点結果レイヤーを取得し、
前記背景結果レイヤーと前記光点結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記ぼかし処理モジュールは、
前記処理対象の画像をカラー画像から白黒画像に変換し、
前記白黒画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、前記ターゲット画像を取得するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記ぼかし処理モジュールは、
前記処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーの前記ぼかし結果レイヤーを融合処理して、中間画像を取得し、
前記中間画像に対してハイライト強調処理を行い、前記ターゲット画像を取得するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、前記ぼかし処理モジュールは、さらに、
前記モバイル端末が光学レンズモードをオンにして、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替えることに応答して、前記第1の光学レンズ効果に対応する第1のぼかしアルゴリズムの処理における処理対象の画像の処理データを取得し、
前記処理データに基づいて前記第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムを使用して前記処理対象の画像に対して画像処理を行うように構成される。
【0027】
第3の態様によれば、本開示の実施形態は、モバイル端末を提供し、当該モバイル端末は
プロセッサと、
コンピュータ命令を記憶するメモリとを含み、
前記コンピュータ命令は、前記プロセッサが第1の態様の実施形態のいずれかに記載の前記画像処理方法を実行するために用いられる。
【0028】
第4の態様によれば、本開示の実施形態は、コンピュータ命令が記憶される記憶媒体を提供し、前記コンピュータ命令は、コンピュータが第1の態様の実施形態のいずれかに記載の前記画像処理方法を実行するために用いられる。
【発明の効果】
【0029】
本開示の実施形態の画像処理方法は、レンズ効果命令を取得し、レンズ効果命令に基づいて、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定するステップと、ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するステップとを含む。本開示の実施形態では、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されるため、撮影シーンによって異なるぼかしアルゴリズムを使用して処理し、さまざまな撮影シーンで、さまざまな光学レンズ効果を的確にシミュレートすることができ、画像の撮像質量を向上させ、さまざまなシーンでユーザの撮影のニーズを満たし、ユーザの撮影体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本開示の特定の実施形態または先行技術における技術案をより明確に説明するために、以下では、特定の実施形態または先行技術の説明に使用する必要がある添付の図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施形態であり、当業者は、創造的な努力なしに、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【0031】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のターゲット画像例示的な図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のターゲット画像例示的な図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法の原理図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による画像処理方法のフローチャートである。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による画像処理装置の構造ブロック図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態によるモバイル端末の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示の技術案は、添付の図面を参照して以下に明確かつ完全に説明されるが、明らかに、説明された実施形態は本開示の実施形態の一部であり、実施形態のすべてではない。本開示の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本開示の保護範囲内に入る。なお、以下に説明する本開示の異なる実施形態に含まれる技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0033】
現在、モバイル端末を使って写真を撮りたいというニーズが高まっており、モバイル端末で撮影した写真に業務用カメラに匹敵する効果が期待されている。ただし、モバイル端末の体積と重量によって制限されるため、カメラシステムのセンサと絞りは、プロ用カメラとは比較にならない。従って、各モバイル端末メーカーは、ユーザ向けに特別な「ポートレートモード」または「大絞りモード」を用意し、その原理は、ソフトウェアアルゴリズムを通じてプロ用カメラの撮像効果をシミュレートすることである。
【0034】
被写界深度とは、画像上で肉眼ではっきりと見える映像の範囲を指す映像の分野の概念であり、浅い被写界深度とは、フォーカスポイント付近だけが鮮明で、前後の景色がぼやけた効果を指す。被写界深度の浅い効果は、被写体を非常にうまく強調することができるため、「ポートレートモード」の撮影モードで広く使用されている。
【0035】
関連技術では、多くの場合、モバイル端末はユーザに「ポートレートモード」しか提供しなく、ユーザが写真を撮るためにポートレートモードを選択すると、システムは予め設定されたアルゴリズムを使用して、収集された画像を処理し、被写界深度の浅い撮影効果を実現することができ、ポートレートまたは被写体を強調し、残りの背景をぼかす。
【0036】
しかし、本件の発明者は、異なる撮影環境に対して、被写界深度の浅い効果により、画像の認識が一貫しないことが多いことを発見した。例えば、ユーザが、照明が良好で、且つ大きなハイライト領域がないポートレート撮影シーンでは、ポートレート以外の背景をぼかすことにより、より良い画像効果を得ることができる。一方、暗い光と多数の光点があるポートレート撮影シーンでは、同じアルゴリズムを使用すると、光点領域の明るさとコントラストが低下し、写真の品質が低下する。また、例えば、逆光のポートレート撮影シーンでは、画像に多数のハイライト領域があり、同じアルゴリズムを使用すると、画像全体が白くなり、ポートレート領域が暗すぎるなどの問題が発生し、撮像質量が低下する。
【0037】
このことから分かるように、関連技術では、モバイル端末のぼかしアルゴリズムは、異なる撮影シーンに対して絞った画像処理を行うことができず、一部のシーンでは撮像効果が低く、ユーザの撮影ニーズを満たすことが困難である。関連技術では、モバイル端末の被写界深度の浅い撮像効果は良くなく、ユーザのニーズを満たすことは困難である。
【0038】
上記の欠陥に基づいて、本開示の実施形態は、画像処理方法、装置、モバイル端末及び記憶媒体を提供し、モバイル端末での被写界深度の浅い効果での画像の撮像質量を向上させ、ユーザの撮影ニーズを満たすことを目的とする。
【0039】
まず、本開示の技術案は画像処理に関するものであり、文中にポートレートの画像が記載される場合、すべてのポートレート画像は撮影される人物の個人的な同意を得たものである。また、本開示の以下の実施形態では、個人のプライバシーを保護する目的で、記載されるすべての顔領域に対してぼかし処理を行う。しかしながら、本開示の技術案の実際の適用プロセスでは、顔領域に対してぼかし処理を行う必要はない。当業者はこれを理解することができ、詳細は本開示では繰り返されない。
【0040】
なお、本開示下文実施形態では、特に指定のない限り、その他の画像はカラー画像、つまり、R(赤)、G(緑)、およびB(青)チャネルを含む画像にすることができ、形式の要件を満たすために、以下の実施形態における画像は、グレースケール画像として均一に提示され、本開示では繰り返されない。
【0041】
第1の態様によれば、本開示の実施形態は画像処理方法を提供し、この方法は、モバイル端末に適用可能であり、本開示の実施形態のモバイル端末は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータなど、実施に適した任意のタイプのデバイスであり得るが、本開示はこれに限定されない。
【0042】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、本開示の例示的な画像処理方法は、以下のステップS110~S120を含む。
【0043】
S110では、レンズ効果命令を取得し、レンズ効果命令に基づいて、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定する。
【0044】
S120では、ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得する。
【0045】
なお、本開示の実施形態の画像処理方法は、被写界深度の浅い効果の画像を主に対象としており、被写界深度の浅い効果では最も重要な処理は、画像のぼかし処理である。
【0046】
本開示の実施形態では、撮像環境によって、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定される。ぼかしアルゴリズムとは、処理対象の画像に対して画像処理を行うソフトウェアアルゴリズムを指し、ぼかしアルゴリズムは、事前にプログラムしてモバイル端末のメモリにキャッシュすることができるため、処理対象の画像をぼかす場合、キャッシュされたぼかしアルゴリズムを呼び出して画像処理を行い、ターゲット画像を取得することができる。
【0047】
本開示の実施形態におけるぼかしアルゴリズムは、光学レンズ効果をシミュレートするためのソフトウェアアルゴリズムである。光学レンズ効果とは、プロのカメラレンズが示すいくつかのユニークな効果を指す。例えば、焦点回転レンズで撮像された画像は、焦点回転ぼかし効果を示し、焦点回転ぼかし効果とは、光学レンズ自体の構造の欠陥により、焦点が合っていないエッジの光点が非円形に圧縮される効果を指す。また、例えば、ソフトフォーカスレンズで撮影された画像は、ソフトフォーカスぼかし効果を示し、ソフトフォーカスぼかし効果とは、ソフトフォーカスレンズが意図的に設計された球面収差を使用して被写体をクリアでソフトにする画像効果を指す。また、例えば、白黒レンズで撮像された白黒画像は、白黒ぼかし効果を示し、コントラストがより高く、画像の明暗層がより際立ち、画像は映画のような品質になっている。
【0048】
従って、本開示の実施形態では、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムを使用して上述の様々な光学レンズ効果をシミュレートすることにより、画像がプロ用カメラのテクスチャに匹敵する質感を持たせることができる。具体的なアルゴリズム処理過程について、以下に説明する。
【0049】
本開示の実施形態では、モバイル端末に予め設定されるぼかしアルゴリズムの数は、特定の要件に基づいて設定することができ、これは本開示では限定されない。例えば、一例では、モバイル端末が被写界深度の浅い画像を撮像する場合、基準ぼかし効果、焦点回転ぼかし効果、ソフトフォーカスぼかし効果、及び白黒ぼかし効果の4つの光学レンズ効果をユーザに提供することができ、各光学レンズ効果は、ぼかしアルゴリズムに対応し、つまり、この例では、モバイル端末には、4つのぼかしアルゴリズムが予め設定されている。
【0050】
モバイル端末には複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されているため、処理対象の画像を1つ以上処理する場合、複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定する必要があり、ターゲットぼかしアルゴリズムも、処理対象の画像に対して画像処理を行うためのアルゴリズムである。
【0051】
本開示の実施形態では、取得されたレンズ効果命令に基づいて、複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定することができる。いくつかの実施形態では、レンズ効果命令は、ユーザ入力命令に基づいて生成される命令であり得、即ち、ぼかしアルゴリズムはユーザによって選択される。他の実施形態では、レンズ効果命令は、現在の撮影環境パラメータに基づいて決定される命令であり得、即ち、ぼかしアルゴリズムは、システムによって自動的に決定して選択される。本開示は、以下の実施形態において説明するが、ここでは詳細に説明しない。
【0052】
ターゲットぼかしアルゴリズムが決定された後、ターゲットぼかしアルゴリズムを使用して、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得することができる。
【0053】
本開示の実施形態では、処理対象の画像は、ぼかしが必要な画像を指し、モバイル端末の画像収集装置によって収集された画像であってもよく、例えば、処理対象の画像は、スマートフォンのカメラによって撮像され、モバイル端末によって受信された他のデバイスからの画像であってもよく、例えば、スマートフォンは、外部デバイスから送信された処理対象の画像を受信することができ、モバイル端末はネットワークを介してダウンロードした画像であってもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0054】
処理対象の画像はカラー画像であってもよく、本開示の実施形態で説明するカラー画像とは、画像の各ピクセルがR(赤)、G(緑)、B(緑)の成分で構成される画像を指し、つまり、処理対象の画像には、R、G、Bの3つのカラーチャネルがあることを指す。
【0055】
例えば、1つの例では、処理対象の画像は、カメラモジュールを介してスマートフォンによって収集された画像を例にすると、ターゲットぼかしアルゴリズムが決定された後、ターゲットぼかしアルゴリズムを使用して、収集された処理対象の画像をぼかし、ぼかし処理されたターゲット画像を取得することができる。
【0056】
前述の示例を例にすると、モバイル端末によって、被写界深度の浅い画像を撮像する場合、基準ぼかしアルゴリズム、焦点回転ぼかしアルゴリズム、ソフトフォーカスぼかしアルゴリズム及び白黒ぼかしアルゴリズムの4つのぼかしアルゴリズムが予め設定されている。その結果、ユーザが、照明が良好で、且つ大きなハイライト領域がないポートレートを撮像する場合、基準ぼかしアルゴリズムを使用して処理することができ、ユーザが、逆光ポートレートを撮像する場合、ソフトフォーカスぼかしアルゴリズムを使用して処理することができ、ユーザが、夜景を撮影し、且つ光点のあるポートレートが多数ある場合、焦点回転ぼかしアルゴリズムを使用して処理することができる。
【0057】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されるため、撮影シーンによって異なるぼかしアルゴリズムを使用して処理し処理し、さまざまな撮影シーンで、さまざまな光学レンズ効果を的確にシミュレートすることができ、画像の撮像質量を向上させ、さまざまなシーンでユーザの撮影のニーズを満たし、ユーザの撮影体験を向上させることができる。
【0058】
説明の便宜上、本開示の以下の実施形態では、モバイル端末に予め設定されたぼかしアルゴリズムについて、基準ぼかしアルゴリズム、ソフトフォーカスぼかしアルゴリズム、焦点回転ぼかしアルゴリズム及び白黒ぼかしアルゴリズムを例として説明する。しかし、当業者は、本開示の方法が上記の例における4つのぼかしアルゴリズムに限定されず、実施に適した任意の他のぼかしアルゴリズムであってもよいことを理解することができ、本開示はこれに限定されない。
【0059】
図2と
図3は、上記の例における4つのぼかしアルゴリズムの効果を示す図である。以下、
図2および
図3と組み合わせて、ぼかしアルゴリズムの効果および適用環境について簡単に説明する。
【0060】
図2の(a)に示すように、この例は、基準ぼかしアルゴリズムによって処理された画像の例であり、これから分かるように、照明が良好で、且つ大きなハイライト領域がないポートレート撮像シーンでは、基準ぼかしアルゴリズムは、背景の詳細と色情報をより適切に保持することができ、同時に、前景のポートレートがより際立っており、全体的な画像効果が向上する。
【0061】
図2の(b)に示すように、この例は、ソフトフォーカスぼかしアルゴリズムによって処理された画像の例であり、これから分かるように、逆光のポートレートシーンでは、ハイライト領域を強調することで、画像全体がより繊細でソフトになり、ポートレートが暗すぎるなどの問題を回避するために、ポートレートを明るくすることで、ポートレートをより際立たせることができる。
【0062】
図3の(a)に示すように、この例は、焦点回転ぼかしアルゴリズムによって処理された画像の例であり、これから分かるように、夜景では、画像背景には多数の光点があり、光点領域は良好な明るさとコントラストを維持することができ、背景と一緒にぼやけなく、前景のポートレートを効果的に際立たせることができるので、ポートレートの画像の雰囲気をより良くすることができる。
【0063】
図3の(b)に示すように、この例は、白黒ぼかしアルゴリズムによって処理された画像の例であり、白黒ぼかしは、ポートレートの撮像のシーンには適していないことが多く、景物の撮影には適している。この例を参照すると、前景のオブジェクトと背景のオブジェクトの間には適切な明暗層があるため、画像の映画感を向上させることができる。
【0064】
各ぼかしアルゴリズムの効果は、例示的な図と組み合わせて上記で例示されたが、各ぼかしアルゴリズムの原理的なプロセスは、本開示の以下の実施形態で個別に説明され、ここでは説明されない。
【0065】
いくつかの実施形態では、ユーザによって、処理対象の画像のターゲットぼかしアルゴリズムを自由に選択することができ、以下、
図4の実施形態と組み合わせて説明する。
【0066】
図4に示すように、いくつかの実施形態では、本開示の例示的な画像処理方法は、レンズ効果命令を取得するステップは、以下のステップS410~S420を含む。
【0067】
S410では、モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、光学レンズ効果を表示する選択インターフェースを出力する。
【0068】
S420では、前記選択インターフェースでのユーザからのユーザ入力命令を受信し、ユーザ入力命令に基づいて、対応するレンズ効果命令を生成する。
【0069】
なお、本開示の実施形態の方法は、主に被写界深度の浅い効果を有する撮影シーンを対象としているが、ユーザは、写真を撮るときに被写界深度の浅い効果を有する画像を撮像することを常に期待しているわけではない。従って、本開示の実施形態では、被写界深度の浅い効果を有効にするためのボタンまたはジェスチャー命令がモバイル端末に設定されてもよい。
【0070】
例えば、1つの例では、
図5の(a)に示すように、モバイル端末の撮影インターフェース100にはボタン110が設けられており、ボタン110をクリックすることにより、ユーザは光学レンズモードをオンにすることができ、即ち、被写界深度の浅い効果の撮影モードに入ることができる。また、ボタン110の近くに文字の吹き出し120を設定することもでき、文字の吹き出しには、「マスターレンズをクリックして開く」などの関連するプロンプト情報をマークすることができるが、この開示では繰り返さない。
【0071】
ユーザがボタン110をクリックした後、それはモバイル端末が光学レンズモードをオンにすることを意味し、このとき、出力した表示インターフェースは、
図5の(b)のようになっている。即ち、各ぼかし効果を表示する選択インターフェースがプレビューインターフェースに出力され、例えば、上記の例では、「基準」、「回転フォーカス」、「ソフトフォーカス」、「白黒」の4つのタブを出力することができ、各タブには、対応する光学レンズの模式図も表示することができる。
【0072】
ユーザが選択インターフェースの特定のタブをクリックした後、モバイル端末はユーザ入力命令を受信することができ、ユーザ入力命令は、ユーザによって選択された光学レンズ効果を示すため、モバイル端末は、ユーザ入力命令に基づいて、対応するターゲット光学レンズ効果を決定することができ、このターゲット光学レンズ効果に対応するレンズ効果命令を生成することができる。
【0073】
例えば、1つの例では、ユーザは、
図5の(b)に示すインターフェースの「焦点回転」タブをクリックすると、モバイル端末は、「焦点回転」タブに対応する焦点回転ぼかし効果をターゲット光学レンズ効果として決定し、焦点回転ぼかし効果に対応するレンズ効果命令を生成することができる。表示インターフェースは
図5の(c)に示すものに切り替えることができ、焦点回転ぼかし効果に対応するレンズの焦点距離をプレビューインターフェースに表示することができる。
【0074】
他の実施形態では、ユーザは、予め設定されたジェスチャー命令を使用して光学レンズモードをオンにすることもでき、予め設定されたジェスチャー命令は、例えば、ダブルクリック、タッチスワイプ、長押しなどの任意のジェスチャー操作であってよいが、本開示はこれに限定されなく、このように、表示インターフェースにボタン110を設定する必要はない。当業者はこれを理解して、十分に実現することができるため、本開示では繰り返さない。
【0075】
上記の
図5の例では、カメラの撮影インターフェース100には、光学レンズモードをオンにするためのボタン110が設定されている。いくつかの実施形態では、ボタン110はモバイル端末のデスクトップに設定することができ、すなわち、ユーザはカメラアプリケーションを開かずに、デスクトップのボタン110をクリックすることによってカメラアプリケーションを直接開くことができる。他の実施形態では、光学レンズ効果の各タブは、モバイル端末のデスクトップに設定することができ、例えば、「基準」、「焦点回転」、「ソフトフォーカス」及び「白黒」の4つのタブをモバイル端末のデスクトップに設定し、ユーザは、デスクトップのタブをクリックしてカメラアプリケーションを直接開き、対応する光学レンズ効果を選択して写真を撮ることができる。本分野技術者は、関連技術に基づいてそれを理解して、十分に実現することができるため、本開示では繰り返さない。
【0076】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されるため、撮影シーンによって異なるぼかしアルゴリズムを使用して処理し、さまざまな撮影シーンで、さまざまな光学レンズ効果を的確にシミュレートすることができ、画像の撮像質量を向上させ、さまざまなシーンでユーザの撮影のニーズを満たすことができる。また、ユーザが自由にぼかしアルゴリズムを選択するため、ユーザの撮影の操作性を向上させ、ユーザの撮影の体験を向上させることができる。
【0077】
上記の実施形態では、ユーザは、複数の光学レンズ効果から所望の光学レンズ効果を手動で選択する必要があるが、一部のユーザは専門的なカメラの知識がなく、手当たり次第に撮影すると、優れた画像効果が得られることを期待しているため、ユーザは現在の撮影シーンに応じて適切なぼかしアルゴリズムを選択することができず、予測できない撮像効果をもたらす。
【0078】
従って、本開示のいくつかの実施形態では、モバイル端末は、ユーザが手動で選択する必要なく、現在の撮影環境パラメータに基づいてターゲット光学レンズ効果を自動的に選択することができ、以下、
図6の実施形態と組み合わせてそれを説明する。
【0079】
図6に示すように、いくつかの実施形態では、本開示の例示的な画像処理方法は、レンズ効果命令を取得するステップが、以下のS610~S620を含む。
【0080】
S610では、モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、現在の撮影環境パラメータを取得する。
【0081】
S620では、現在の撮影環境パラメータに基づいて、レンズ効果命令を決定する。
【0082】
上述したように、本開示の実施形態における方法は、主に被写界深度の浅い効果を有する撮影シーンを対象としているが、ユーザは、写真を撮るときに被写界深度の浅い効果を有する画像を撮像することを常に期待しているわけではない。従って、本開示の実施形態では、被写界深度の浅い効果を有効にするためのボタンまたはジェスチャー命令がモバイル端末に設定されてもよい。例えば、
図5に示されるように、光学レンズモードは、表示インターフェースのボタン110を介してオンにされるが、これは、本開示では繰り返されない。
【0083】
光学レンズモードがオンになった後、ユーザが、処理対象の画像をぼかすことを期待していることを示し、これにより、システムは、現在の撮影の撮影環境パラメータを取得し、撮影環境パラメータに基づいて複数のぼかしアルゴリズムからターゲットぼかしアルゴリズムを決定することができる。
【0084】
撮影環境パラメータは、撮像効果に影響を与える関連パラメータを表し、例えば、いくつかの実施形態では、撮影環境パラメータは、焦点距離パラメータ、環境光の明るさパラメータ、主体検出パラメータ及び光点検出パラメータを含むことができる。
【0085】
焦点距離パラメータは、被写体とモバイル端末の間の距離を示し、被写体の距離がレンズの焦点距離を超える場合、被写体の距離が遠すぎて、ぼかし効果を表現するのが難しいことを意味することを理解することができる。従って、いくつかの実施形態では、レンズ構造に基づいて、対応する焦点距離閾値を事前に設定することができ、現在の撮影シーンの焦点距離パラメータを焦点距離閾値と比較して判断することにより、現在の焦点距離パラメータが予め設定された条件を満たすか否かを決定することができる。
【0086】
環境光の明るさパラメータは、現在の撮影の環境光の強度を表し、環境光の明るさは画像の撮像質量に直接影響し、環境光の明るさパラメータによって、異なるぼかしアルゴリズムを使用する必要があることを理解することができる。従って、いくつかの実施形態では、対応する環境光の明るさ閾値を事前に設定することができ、現在の撮影シーンの環境光の明るさパラメータと環境光の明るさ閾値とを比較して判断することにより、環境光の明るさパラメータが予め設定された条件を満たすか否かを判断することができる。
【0087】
主体検出パラメータは、現在の視野範囲に予め設定された主体が含まれるか否かを示し、例えば、予め設定された主体は人体であってもよく、人体検出方法によって現在のカメラの視野範囲に人体が含まれるか否かを判断することができる。なお、ポートレートの画像と非ポートレートの画像で使用されるぼかしアルゴリズムが異なるため、いくつかの実施形態では、主体検出パラメータに基づいて、現在の視野範囲に人体が含まれるか否かを判断し、主体検出パラメータが予め設定された条件を満たすか否かを判断することができる。
【0088】
光点検出パラメータは、現在の撮像シーンにおける高輝度領域の割合を示し、光点は、例えば、灯光またはガラスの反射によって形成される領域であっても良い。なお、光点が多いシーンと光点が少ないシーンでは、異なるぼかしアルゴリズムを使用する必要があるため、いくつかの実施形態では、光点の範囲の閾値を予め設定し、現在の撮影シーンの光点検出パラメータを光点範囲閾値と比較して判断することにより、現在の光点検出パラメータが予め設定された条件を満たすか否かを決定することができる。
【0089】
もちろん、当業者は、本開示の撮影環境パラメータが上記の例に限定されず、パラメータによって撮影環境の変化を判別できるのであれば、実施に適した任意の他のパラメータであってもよいが、本開示はこれに限定されない。
【0090】
本開示の実施形態では、撮影環境パラメータに含まれる少なくとも1つのパラメータとそれに対応する予め設定された条件との関係に基づいて、ターゲット光学レンズ効果を決定し、ターゲット光学レンズ効果に基づいて、対応するレンズ効果命令を生成することができる。
【0091】
例えば、いくつかの実施形態では、焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たしていることに応答して、非ぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定する。
【0092】
具体的には、本実施形態では、レンズの特性に基づいて、対応する焦点距離閾値を予め設定することができ、焦点距離閾値の具体的なデータは、本開示の実施形態によって限定されない。例えば、従来の携帯電話のレンズの場合、焦点距離閾値は5mに設定することができる。
【0093】
携帯電話のレンズで写真を撮る場合、現在撮影されている主体と携帯電話のレンズの間の焦点距離を検出して、焦点距離パラメータを取得することができる。本開示は、距離検出方法を限定するものではなく、深さセンサ、焦点AF値などの任意の既存の距離検出方法を使用して実現することができるが、本開示では繰り返さない。
【0094】
現在の焦点距離パラメータが焦点距離閾値を超える場合、焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たしていると決定され、この場合、現在の被写体がレンズから離れすぎていることを意味し、深度計算の精度が急激に低下し、ぼかしアルゴリズムの処理効果が低下する。これによって、この場合、ぼかし処理を行う必要がない。すなわち、処理対象の画像に対してぼかし処理を行っていないと決定することができ、対応するレンズ効果命令は空であってもよい。
【0095】
例えば、いくつかの実施形態では、環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たしていることに応答して、ソフトフォーカスぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定する。
【0096】
具体的には、本実施形態では、対応する環境光の明るさ閾値を予め設定することができ、モバイル端末を使用して写真を撮る場合、現在の撮影シーンの環境光の明るさパラメータを検出することができる。本開示は、環境光の明るさの検出方法を限定するものではなく、環境光センサなどの既存の環境光の検出方法によって実施することができるが、本開示では繰り返さない。
【0097】
現在の環境光の明るさパラメータが環境光の明るさ閾値を超える場合、環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たしていると決定され、この場合、現在のシーンの環境光の強度が高いことを意味する。これにより、この場合、ソフトフォーカスぼかし効果がターゲット光学レンズ効果であり、ソフトフォーカスぼかし効果に対応する命令がターゲットぼかし命令であると決定することができる。
【0098】
例えば、いくつかの実施形態では、主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たしていることに応答して、白黒ぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定する。
【0099】
具体的には、本実施形態では、現在の撮影の視野範囲で被写体を検出し、現在の視野範囲に、予め設定された主体が含まれるか否かを決定することができる。例えば、人体検出や顔検出などにより、現在の視野範囲に人体が含まれているか否かを判断することができる。
【0100】
現在の撮影の視野範囲に、予め設定されている主体が含まれていない場合、主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たしていると決定され、この場合、現在の撮影が、予め設定された主体の撮影ではないことを意味する。これによって、この場合、白黒ぼかし効果がターゲット光学レンズ効果であり、白黒ぼかし効果に対応する命令がターゲットぼかし命令であると決定することができる。
【0101】
例えば、いくつかの実施形態では、光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たしていることに応答して、焦点回転ぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定する。
【0102】
具体的には、本実施形態では、対応する光点範囲閾値を予め設定することができ、モバイル端末を使用して写真を撮影する場合、現在の撮影シーンの光点検出パラメータを検出することができる。本開示は、光点の検出方法を限定するものではなく、明るさ閾値分割、ピクセル能力推定などの既知の光点検出方法によって実施することができるが、本開示では繰り返さない。
【0103】
現在の光点検出パラメータが光点範囲閾値を超える場合、光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たしていると決定された場合、現在のシーンに、多い光点領域が存在することを意味する。これにより、この場合、焦点回転ぼかし効果がターゲット光学レンズ効果であり、焦点回転ぼかし効果に対応する命令がターゲットぼかし命令であると決定することができる。
【0104】
例えば、いくつかの実施形態では、上記のすべてのパラメータが、対応する予め設定された条件を満たさない場合、即ち、焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たさず、環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たさず、主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たさず、光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たさない場合、基準ぼかし効果がターゲット光学レンズ効果であり、基準ぼかし効果に対応する命令がターゲットぼかし命令であると決定することができる。
【0105】
モバイル端末は、上記のプロセスを通じて、ターゲット光学レンズ効果を決定し、対応するレンズ効果命令を生成し、レンズ効果命令が決定された後、モバイル端末は、レンズ効果命令に基づいて、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定し、ターゲットぼかしアルゴリズムを使用して処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得することができる。
【0106】
上記の内容から分かるように、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されるため、撮影シーンによって異なるぼかしアルゴリズムを使用して処理し、さまざまな撮影シーンで、さまざまな光学レンズ効果を的確にシミュレートすることができ、画像の撮像質量を向上させ、さまざまなシーンでユーザの撮影のニーズを満たし、ユーザの撮影体験を向上させることができる。モバイル端末は、現在の撮影環境パラメータに基づいて適切なぼかしアルゴリズムを自動的に選択することができ、ユーザが手動で選択する必要がないため、ユーザの知覚なしでぼかし処理を実現し、ユーザの学習コストを削減し、使用体験を向上させることができる。
【0107】
図7に示すように、いくつかの実施形態では、ターゲットぼかしアルゴリズムが基準ぼかしアルゴリズムである場合、ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかしてターゲット画像を取得するステップは、以下のS710~S730を含む。
【0108】
S710では、処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得する。
【0109】
S720では、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得する。
【0110】
S730では、各ぼかしレイヤーのぼかし結果レイヤーを融合処理して、ターゲット画像を取得する。
【0111】
本開示の実施形態では、処理対象の画像は、ぼかしが必要な画像を指し、処理対象の画像には、異なる複数のぼかし領域が含まれ、それぞれのぼかし領域を別々にぼかしレイヤーとして分割することで、複数のぼかしレイヤーを得ることができる。
【0112】
例えば、1つの例では、処理対象の画像は、ポートレートの画像を例にすると、ポートレートの画像には、ぼかし処理が不要なポートレート領域と、ぼかし処理が必要なぼかし対象領域とが含まれ、ぼかし対象領域には、被写界深度の異なる背景領域が含まれ得る。本開示の実施形態では、画像分割技術に基づいてぼかし対象領域に対して画像分割を行い、被写界深度の異なる背景領域を別々にセグメント化して、複数のぼかしレイヤーを形成することができる。
【0113】
複数のぼかしレイヤーが得られた後、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングすることができる。画像フィルタリングの処理は、画像をぼかすプロセスであり、異なるぼかしレイヤーが異なるぼかし効果に適している場合があるため、本開示の実施形態では、各ぼかしレイヤーによって、異なるフィルタリング処理を行うことで、対応するぼかし結果レイヤーを取得することができる。
【0114】
各ぼかしレイヤーに対応するぼかし結果レイヤーが得られた後、各ぼかし結果レイヤーを融合処理して、最終的なターゲット画像を取得することができる。例えば、まず、各ぼかし結果レイヤーを融合処理し、次に、ぼかしが不要なポートレート領域と融合処理して、ターゲット画像を取得する。
【0115】
詳細に説明されていない上記の点については、当業者は、関連する技術を参照し、それらを理解して十分に実現することができるため、本開示では繰り返されない。
【0116】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、処理対象の画像を複数のぼかしレイヤーに分割し、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングした後、融合によってターゲット画像を取得することにより、各ぼかしレイヤーに適切なフィルタリング効果を提供し、各ぼかしレイヤーのぼかし効果を改善し、撮像質量を向上させることができる。
【0117】
図8に示すように、いくつかの実施形態では、ターゲットぼかしアルゴリズムが焦点回転ぼかしアルゴリズムである場合、ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかしてターゲット画像を取得するステップは、以下のステップS810~S830を含む。
【0118】
S810では、処理対象の画像に対して画像分割を行い、光点レイヤーと背景レイヤーを取得する。
【0119】
S820では、背景レイヤーをフィルタリングして、背景結果レイヤーを取得し、予め設定された口径蝕マスクレイヤーに基づいて、光点レイヤーをフィルタリングして、光点結果レイヤーを取得する。
【0120】
S830では、背景結果レイヤーと光点結果レイヤーを融合処理して、ターゲット画像を取得する。
【0121】
本開示の実施形態では、上記に基づいて、処理対象の画像に対して画像分割を行い、ぼかし処理が不要な非ぼかしレイヤー、及びぼかし処理が必要なぼかし対象レイヤーを取得することができる。そして、ぼかし対象レイヤーの光点領域をさらに分割して、光点領域に対応する光点レイヤーと、光点領域以外の背景領域に対応する背景レイヤーを取得する。ぼかし対象領域は、灯光またはガラスの反射によって形成される光点領域と、光点領域以外の背景領域と、を含むことができる。
【0122】
なお、焦点回転ぼかしアルゴリズムは主に、光点レイヤーに対して、他のアルゴリズムとは異なるぼかし処理を行う。これによって、本開示の実施形態では、例えば、背景レイヤーに対してガウスフィルタリングを実行して、背景結果レイヤーを取得することができる。光点レイヤーに関しては、予め設定された口径蝕マスク(Mask)レイヤーに基づいて、光点レイヤーをフィルタリングして、光点結果レイヤーを取得することができる。
【0123】
口径蝕は、光点の結像特性であり、口径蝕マスクレイヤーの目的は、ソフトウェアアルゴリズムによって、光点レイヤーに対して、口径蝕の効果を高めることをシミュレートすることにより、光点がより雰囲気のある効果を持つことである。例えば、一例では、光点を三日月形、ハート形などに変更して、前景のポートレートに雰囲気を加えることができる。当業者はこれを理解することができ、詳細は本開示では繰り返されない。
【0124】
背景結果レイヤーと光点結果レイヤーが得られた後、両者を融合して、ぼかしが不要なポートレート領域と融合処理して、ターゲット画像を取得することができる。
【0125】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、口径蝕マスクレイヤーに基づいて、画像光点に対して口径蝕効果が加えられるため、画像は焦点回転レンズの撮像効果をシミュレートし、撮像の雰囲気を向上させることができる。
【0126】
図9に示すように、いくつかの実施形態では、ターゲットぼかしアルゴリズムが白黒ぼかしアルゴリズムである場合、ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかしてターゲット画像を取得するステップは、以下のステップS910~S940を含む。
【0127】
S910では、処理対象の画像をカラー画像から白黒画像に変換する。
【0128】
S920では、白黒画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得する。
【0129】
S930では、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得する。
【0130】
S940では、各ぼかしレイヤーのぼかし結果レイヤーを融合処理して、ターゲット画像を取得する。
【0131】
本開示の実施形態では、前述の
図7の実施形態との相違点は、処理対象の画像にぼかし処理を施す前に、処理対象の画像をカラー画像から白黒画像に変換する必要があることである。処理対象の画像をカラー画像から白黒画像に変換する方法は複数あり、例えば、カラーチャネルを破棄すること、画像モードをグレースケールモードに変換すること、色相/彩度パラメータを調整することなどがあり、本開示はこれに限定されない。
【0132】
処理対象の画像の色変換の後、前述の
図7の実施形態を参照して、処理対象の画像に対してぼかし処理を行い、ターゲット画像を取得することができ、本開示では繰り返されない。
【0133】
いくつかの実施形態では、ターゲット画像が得られた後、ターゲット画像に白黒フィルターを追加することで、ターゲット画像のグラデーション効果をさらに高め、画質を向上させることができる。
【0134】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、白黒画像のぼかし効果を実現し、処理対象の画像を複数のぼかしレイヤーに分割し、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングした後、融合によってターゲット画像を取得することにより、各ぼかしレイヤーに適切なフィルタリング効果を提供し、各ぼかしレイヤーのぼかし効果を改善し、画像が白黒レンズの撮像効果をシミュレートし、撮像質量を向上させることができる。
【0135】
図10に示すように、いくつかの実施形態では、ターゲットぼかしアルゴリズムがソフトフォーカスぼかしアルゴリズムである場合、ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかしてターゲット画像を取得するのステップは、以下のステップS1010~S1040を含む。
【0136】
S1010では、処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得する。
【0137】
S1020では、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得する。
【0138】
S1030では、各ぼかしレイヤーのぼかし結果レイヤーを融合処理して、中間画像を取得する。
【0139】
S1040では、前記中間画像に対してハイライト強調処理を行い、前記ターゲット画像を取得する。
【0140】
本開示の実施形態では、S1010~S1030のステップは、前述の
図7の実施形態と同じであってもよく、本開示では詳細に説明しない。相違点は、以下のとおりである。即ち、ソフトフォーカスぼかしを行う場合、各ぼかし結果レイヤーを融合処理して中間画像を取得した後、さらに中間画像に対してハイライト強調処理を行い、ポートレートを明るくすることで、画像全体がより繊細でソフトになり、ポートレートが暗すぎるなどの問題を回避し、ポートレートをより際立たせることができる。
【0141】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、処理対象の画像を複数のぼかしレイヤーに分割し、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングした後、融合によってターゲット画像を取得することにより、各ぼかしレイヤーに適切なフィルタリング効果を提供し、各ぼかしレイヤーのぼかし効果を改善し、画像がソフトフォーカスレンズの撮像効果をシミュレートし、撮像質量を向上させることができる。また、画像に対してハイライト強調処理を行い、ポートレートを明るくすることで、画像全体がより繊細でソフトになり、ポートレートが暗すぎるなどの問題を回避し、ポートレートをより際立たせることができる。
【0142】
また、本開示の実施形態では、処理対象の画像は、モバイル端末によってリアルタイムで収集された画像、またはモバイル端末のアルバム内の画像であり得、本開示の上記の実施形態の方法によって、アルバム内の画像に対して後処理を施すこともでき、画像にプロの光学レンズの質感を持たせることができる。
【0143】
このシーンでは、例えば、ユーザは、各光学レンズ効果を試したく、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替える場合、第1の光学レンズ効果に対応する第1のぼかしアルゴリズムを第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムに切り替えることができ、前記第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムを使用して前記処理対象の画像に対して画像処理を行うことにより、ユーザのニーズを満たすことができる。
【0144】
なお、上記のシーンでは、モバイル端末は、第1の光学レンズ効果に対応する処理データに基づいて、第2の光学レンズに対して効果の処理を行うことで、動作速度を改善することができる。以下に、
図11の実施形態と組み合わせて説明する。
【0145】
図11に示すように、いくつかの実施形態では、本開示の例示的な画像処理方法は、以下のステップS1110~S1120をさらに含む。
【0146】
S1110では、モバイル端末が光学レンズモードをオンにし、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替えることに応答して、第1の光学レンズ効果に対応する第1のぼかしアルゴリズムの処理における処理対象の画像の処理データを取得する。
【0147】
S1120では、処理データに基づいて、第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムを使用して処理対象の画像に対して画像処理を行う。
【0148】
前述に基づいて、光学レンズモードをオンにする場合、モバイル端末は、光学レンズ効果を選択するためのタブをユーザに出力することができ、これによって、ユーザが光学レンズ効果を選択した後、モバイル端末は、この光学レンズ効果に対応するぼかしアルゴリズムに基づいて処理対象の画像を処理して、ターゲット画像を取得することができる。本開示の実施形態では、この光学レンズ効果は「第1の光学レンズ効果」として定義され、対応するぼかしアルゴリズムは「第1のぼかしアルゴリズム」である。
【0149】
いくつかの実施形態では、例えば、ユーザが第1の光学レンズ効果によって示される画像に満足せず、第1の光学レンズ効果を第2の光学レンズ効果に切り替える場合、第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムに基づいて画像を再処理すると、計算量が多く、時間がかかる。
【0150】
上記のアルゴリズムプロセスから分かるように、異なる光学レンズは、画像を処理する際に、同じステップまたはパラメータを使用することが多く、例えば、スポット検出、画像分割、レイヤーフィルタリングなどを使用する。従って、本開示の実施形態では、第1のぼかしアルゴリズムの処理プロセスにおける処理データの一部または全部を再利用して、第2のぼかしアルゴリズムの処理を実行することができる。
【0151】
例えば、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替える場合、第1のぼかしアルゴリズムが、処理対象の画像を処理するときの処理データを取得し、処理データは、例えば、光点検出データ、画像分割データ、フィルタリング処理データなどを含み得る。これによって、処理対象の画像を第2のぼかしアルゴリズムで処理する場合、画像分割、フィルタリング演算などを再度実行する必要はなく、第1のぼかしアルゴリズムによって得られた処理データに直接基づいて演算を実行すればよく、計算量を削減することができる。
【0152】
例えば、1つの例では、第1の光学レンズ効果が焦点回転ぼかし効果であり、第2の光学レンズ効果がソフトフォーカスぼかし効果であり、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替える場合、焦点回転ぼかしアルゴリズムのプロセスで取得された光点レイヤー、背景レイヤー、フィルター画像などのデータに直接基づいて、ソフトフォーカスぼかしの演算を実行することで、画像処理時間を短縮することができる。
【0153】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、光学レンズ効果を切り替える場合、前の画像処理のデータに基づいて次の画像処理を行うことができるため、画像処理の計算量が減り、画像処理時間が短縮され、効率が向上する。
【0154】
第2の態様によれば、本開示の実施形態は、画像処理装置を提供し、この装置は、モバイル端末に適用可能であり、本開示の実施形態のモバイル端末は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータなど、実施に適した任意のタイプのデバイスであり得るが、本開示はこれに限定されない。
【0155】
図12に示すように、いくつかの実施形態では、本開示の例示的な画像処理装置は、
レンズ効果命令を取得し、レンズ効果命令に基づいて、予め設定された複数のぼかしアルゴリズムから、ターゲットぼかしアルゴリズムを決定する取得モジュール10であって、前記ぼかしアルゴリズムは、光学レンズ効果をシミュレートするためのアルゴリズムである取得モジュール10と、
ターゲットぼかしアルゴリズムに基づいて、処理対象の画像をぼかして、ターゲット画像を取得するぼかし処理モジュール20と、を含む。
【0156】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されるため、撮影シーンによって異なるぼかしアルゴリズムを使用して処理し、さまざまな撮影シーンで、さまざまな光学レンズ効果を的確にシミュレートすることができ、画像の撮像質量を向上させ、さまざまなシーンでユーザの撮影のニーズを満たし、ユーザの撮影体験を向上させることができる。
【0157】
いくつかの実施形態では、取得モジュール10は、
モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、現在の撮影環境パラメータを取得し、撮影環境パラメータには、焦点距離パラメータ、環境光の明るさパラメータ、主体検出パラメータ及び光点検出パラメータのうちの少なくとも1つが含まれ、現在の撮影環境パラメータに基づいて、レンズ効果命令を決定するように構成される。
【0158】
いくつかの実施形態では、取得モジュール10は、
撮影環境パラメータに含まれる少なくとも1つのパラメータとそれに対応する予め設定された条件との関係に基づいて、ターゲット光学レンズ効果に対応するレンズ効果命令を決定するように構成される。
【0159】
いくつかの実施形態では、取得モジュール10は、
焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たしていることに応答して、非ぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定し、
環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たしていることに応答して、ソフトフォーカスぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定し、
主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たしていることに応答して、白黒ぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定し、
光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たしていることに応答して、焦点回転ぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定し、
焦点距離パラメータが第1の予め設定された条件を満たさず、環境光の明るさパラメータが第2の予め設定された条件を満たさず、主体検出パラメータが第3の予め設定された条件を満たさず、光点検出パラメータが第4の予め設定された条件を満たさないことに応答して、基準ぼかし効果に対応する命令がレンズ効果命令であると決定するように構成される。
【0160】
いくつかの実施形態では、前記光学レンズ効果には、
非ぼかし効果、ソフトフォーカスぼかし効果、白黒ぼかし効果、焦点回転ぼかし効果及び基準ぼかし効果のうちの少なくとも1つが含まれる。
【0161】
上記の内容から分かるように、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されるため、撮影シーンによって異なるぼかしアルゴリズムを使用して処理し、さまざまな撮影シーンで、さまざまな光学レンズ効果を的確にシミュレートすることができ、画像の撮像質量を向上させ、さまざまなシーンでユーザの撮影のニーズを満たし、ユーザの撮影体験を向上させることができる。かつ、ユーザは、現在の撮影環境パラメータに基づいて適切なぼかしアルゴリズムを自動的に選択することができ、ユーザが手動で選択する必要がないため、ユーザの知覚なしでぼかし処理を実現し、ユーザの学習コストを削減し、使用体験を向上させることができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、取得モジュール10は、
モバイル端末が光学レンズモードをオンにしたことに応答して、光学レンズ効果を表示する選択インターフェースを出力し、
選択インターフェースでのユーザからのユーザ入力命令を受信し、ユーザ入力命令に基づいて、対応するレンズ効果命令を生成するように構成される。
【0163】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、モバイル端末に複数のぼかしアルゴリズムが予め設定されるため、撮影シーンによって異なるぼかしアルゴリズムを使用して処理し、さまざまな撮影シーンで、さまざまな光学レンズ効果を的確にシミュレートすることができ、画像の撮像質量を向上させ、さまざまなシーンでユーザの撮影のニーズを満たすことができる。かつ、ユーザが自由にぼかしアルゴリズムを選択するため、ユーザの撮影の操作性を向上させ、ユーザの撮影の体験を向上させることができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、ぼかし処理モジュール20は、
処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーのぼかし結果レイヤーを融合処理して、ターゲット画像を取得するように構成される。
【0165】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、処理対象の画像を複数のぼかしレイヤーに分割し、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングした後、融合によってターゲット画像を取得することにより、各ぼかしレイヤーに適切なフィルタリング効果を提供し、各ぼかしレイヤーのぼかし効果を改善し、撮像質量を向上させることができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、ぼかし処理モジュール20は、
処理対象の画像に対して画像分割を行い、光点レイヤーと背景レイヤーを取得し、
背景レイヤーをフィルタリングして、背景結果レイヤーを取得し、予め設定された口径蝕マスクレイヤーに基づいて、光点レイヤーをフィルタリングして、光点結果レイヤーを取得し、
背景結果レイヤーと光点結果レイヤーを融合処理して、ターゲット画像を取得するように構成される。
【0167】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、口径蝕マスクレイヤーに基づいて、画像光点に対して口径蝕効果が加えられるため、画像は焦点回転レンズの撮像効果をシミュレートし、撮像の雰囲気を向上させることができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、ぼかし処理モジュール20は、
処理対象の画像をカラー画像から白黒画像に変換し、
白黒画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーのぼかし結果レイヤーを融合処理して、ターゲット画像を取得するように構成される。
【0169】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、白黒画像のぼかし効果を実現し、処理対象の画像を複数のぼかしレイヤーに分割し、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングした後、融合によってターゲット画像を取得することにより、各ぼかしレイヤーに適切なフィルタリング効果を提供し、各ぼかしレイヤーのぼかし効果を改善し、使画像シミュレート出白黒レンズの撮像効果、撮像質量を向上させることができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、ぼかし処理モジュール20は、
処理対象の画像に対して画像分割を行い、少なくとも2つのぼかしレイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングして、ぼかし結果レイヤーを取得し、
各ぼかしレイヤーのぼかし結果レイヤーを融合処理して、中間画像を取得し、
中間画像に対してハイライト強調処理を行い、ターゲット画像を取得するように構成される。
【0171】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、処理対象の画像を複数のぼかしレイヤーに分割し、各ぼかしレイヤーをそれぞれフィルタリングした後、融合によってターゲット画像を取得することにより、各ぼかしレイヤーに適切なフィルタリング効果を提供し、各ぼかしレイヤーのぼかし効果を改善し、画像がソフトフォーカスレンズの撮像効果をシミュレートし、撮像質量を向上させることができる。かつ、画像に対してハイライト強調処理を行い、ポートレートを明るくすることで、画像全体がより繊細でソフトになり、ポートレートが暗すぎるなどの問題を回避し、ポートレートをより際立たせることができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、ぼかし処理モジュール20は、さらに、
前記モバイル端末が光学レンズモードをオンにして、第1の光学レンズ効果から第2の光学レンズ効果に切り替えることに応答して、前記第1の光学レンズ効果に対応する第1のぼかしアルゴリズムの処理における処理対象の画像の処理データを取得し、
前記処理データに基づいて前記第2の光学レンズ効果に対応する第2のぼかしアルゴリズムを使用して前記処理対象の画像に対して画像処理を行うように構成される。
【0173】
上記の内容から分かるように、本開示の実施形態では、光学レンズ効果を切り替える場合、前の画像処理のデータに基づいて次の画像処理を行うことができるため、画像処理の計算量が減り、画像処理時間が短縮され、効率が向上する。
【0174】
第3の態様によれば、本開示の実施形態は、モバイル端末を提供し、当該モバイル端末は、
プロセッサと、
コンピュータ命令を記憶するメモリとを含み、
当該コンピュータ命令は、プロセッサが第1の態様の実施形態のいずれかに記載の画像処理方法を実行するために用いられる。
【0175】
第4の態様によれば、本開示の実施形態は、コンピュータ命令が記憶される記憶媒体を提供し、
当該コンピュータ命令は、コンピュータが第1の態様の実施形態のいずれかに記載の画像処理方法を実行するために用いられる。
【0176】
図13は、本開示のいくつかの実施形態におけるモバイル端末を示す構造ブロック図であり、以下、
図13と組み合わせて、本開示のいくつかの実施形態のモバイル端末及び記憶媒体の関連する原理を説明する。
【0177】
図13を参照すると、モバイル端末1800は、処理コンポーネント1802、メモリ1804、電源コンポーネント1806、マルチメディアコンポーネント1808、オーディオコンポーネント1810、入力/出力(I/O)インターフェース1812、センサコンポーネント1816、及び通信コンポーネント1818からなる群から選ばれる少なくとも1つを備えてもよい。
【0178】
処理コンポーネント1802は、一般的には、モバイル端末1800の全体の操作、例えば、表示、電話呼び出し、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関連する操作を制御する。処理コンポーネント1802は、命令を実行する少なくとも1つのプロセッサ1820を備えてもよい。また、処理コンポーネント1802は、他のコンポーネントとのインタラクションを促進させるように、少なくとも1つのモジュールを備えてもよい。例えば、処理コンポーネント1802は、マルチメディアコンポーネント1808とのインタラクションを便利にさせるように、マルチメディアモジュールを備えてもよい。また、処理コンポーネント1802は、メモリから実行可能な命令を読み取って、モバイル端末の関連する機能を実現することができる。
【0179】
メモリ1804は、モバイル端末1800での操作をサポートするように、各種のデータを記憶するように配置される。これらのデータは、例えば、モバイル端末1800で何れのアプリケーション又は方法を操作するための命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、画像、ビデオ等を含む。メモリ1804は、何れの種類の揮発性又は不揮発性メモリ、例えば、スタティック ランダム アクセス メモリ(SRAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、或いは光ディスクにより、或いはそれらの組み合わせにより実現することができる。
【0180】
電源コンポーネント1806は、モバイル端末1800の各種コンポーネントに電力を供給するためのものであり、電源管理システム、1つ又は複数の電源、及びモバイル端末1800のために電力を生成、管理及び分配することに関連する他のコンポーネントを備えてもよい。
【0181】
マルチメディアコンポーネント1808は、前記モバイル端末1800とユーザとの間に出力インターフェースを提供するスクリーンを備えてもよい。いくつかの実施例では、マルチメディアコンポーネント1808は、フロントカメラ及び/又はバックカメラ含む。モバイル端末1800が、例えば、撮影モードやビデオモードのような操作モードにある時、フロントカメラ及び/又はバックカメラの少なくとも1つが外部のマルチメディアデータを受信することができる。フロントカメラ及びバックカメラのそれぞれは、固定の光学レンズ系であってもよいし、焦点距離及び光学ズーム能力を有するものであってもよい。
【0182】
オーディオコンポーネント1810は、オーディオ信号を出力及び/又は入力するように配置される。例えば、オーディオコンポーネント1810は、マイクロフォン(MiC)を有し、モバイル端末1800が呼び出しモード、記録モード、又は音声認識モードのような操作モードにあるとき、マイクロフォンは、外部のオーディオ信号を受信するように配置される。受信したオーディオ信号は、メモリ1804にさらに記憶されてもよいし、通信コンポーネント1818を介して送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオコンポーネント1810は、オーディオ信号を出力するためのスピーカをさらに備える。
【0183】
I/Oインターフェース1812は、処理コンポーネント1802と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供するためのものである。上記周辺インターフェースモジュールは、キーボードや、クリックホイールや、ボタン等であってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、音量ボタン、スタートボタン、及びロックボタンの少なくとも1つであってもよいが、それらに限らない。
【0184】
センサコンポーネント1816は、モバイル端末1800のために各方面の状態を評価する少なくとも1つのセンサを備えてもよい。例えば、センサコンポーネント1816は、モバイル端末1800のオン又はオフ状態や、コンポーネントの相対的な位置を検出することができ、例えば、前記コンポーネントは、モバイル端末1800のディスプレイ及びキーパッドであり、センサコンポーネント1816は、モバイル端末1800又はモバイル端末1800の1つのコンポーネントの位置の変化と、ユーザがモバイル端末1800に接触しているか否かと、モバイル端末1800の方向又は加速/減速と、モバイル端末1800の温度変化とを検出することができる。センサコンポーネント1816は、何れの物理的な接触もない場合に付近の物体を検出するように配置される近接センサを有してもよい。センサコンポーネント1816は、イメージングアプリケーションに用いるための光センサ、例えば、CMOS又はCCD画像センサを有してもよい。いくつかの実施例では、当該センサコンポーネント1816は、加速度センサ、ジャイロスコープセンサー、磁気センサ、圧力センサ又は温度センサをさらに備えてもよい。
【0185】
通信コンポーネント1818は、モバイル端末1800と他の設備の間との無線、又は有線通信を便利にさせるように配置される。モバイル端末1800は、通信標準に基づく無線ネットワーク、例えば、WiFi、2G、3G、4G、5G又は6G、又はそれらの組み合わせにアクセスできる。1つの例示的な実施例では、通信コンポーネント1818は、ブロードキャストチャンネルを介して外部のブロードキャスト管理システムからのブロードキャスト信号、又はブロードキャストに関する情報を受信する。1つの例示的な実施例では、前記通信コンポーネント1818は、近距離通信を促進するために近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに備えてもよい。例えば、NFCモジュールは、無線周波数認識装置(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域無線(UWB)技術、ブルートゥース(BT)技術及び他の技術によって実現されてもよい。
【0186】
例示的な実施例では、モバイル端末1800は、上述した方法を実行するために、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、数字信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサー、又は他の電子機器によって実現されてもよい。
【0187】
明らかに、上記の実施形態は、明確な説明のための例にすぎず、実施形態を限定することを意図していない。当業者であれば、上記の説明に基づいて、他の異なる形態の変更または修正を行うこともできる。ここですべての実装を網羅する必要はなく、網羅することもできない。しかしながら、明らかな変更またはこれから派生する変更は、依然として本開示の保護範囲内にある。