(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】装備フロントエンドモジュールおよびその駆動方法、それを含む基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2022197721
(22)【出願日】2022-12-12
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】10-2022-0072749
(32)【優先日】2022-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ドク ヒュン
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-505396(JP,A)
【文献】特表2022-505397(JP,A)
【文献】特表2020-510319(JP,A)
【文献】特開2011-119396(JP,A)
【文献】特開2014-038888(JP,A)
【文献】特表2022-505473(JP,A)
【文献】特開2002-359180(JP,A)
【文献】特開2021ー141136(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0127294(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0006679(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールチャンバと、
前記モジュールチャンバの第1面
および当該第1面と反対面に
各々設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できる
一対のサイドストレージと、
前記モジュールチャンバの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器と、
前記
一対のサイドストレージと排気装置を
各々連結する
一対の第1排気ラインと、
前記
一対の第1排気ラインに
各々設けられる
一対の流速制御器と
、
前記第1面および前記反対面と異なる第2面を含む前記モジュールチャンバの前記第2面と前記排気装置を連結する一対の第2排気ラインと、含み、
前記一対の第1排気ラインは各々前記一対の第2排気ラインと連結され、
前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから前記
一対のサイドストレージを通過して前記
一対の第1排気ラインに沿って流動し、前記
一対の流速制御器は前記
一対のサイドストレージを通過する前記不活性ガスの流速を制御
し、
前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから前記サイドストレージを通過して前記一対の第1排気ラインおよび前記一対の第2排気ラインに沿って流動して前記排気装置に排気される、装備フロントエンドモジュール。
【請求項2】
前記不活性ガスを循環させるための
一対の循環ラインをさらに含み、前記
一対の循環ラインは
前記一対の第1排気ラインと
前記一対の第2排気ラインのうちの少なくとも一つと連結される、請求項1に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項3】
前記モジュールチャンバの上面に設けられたファンフィルタユニットをさらに含み、
前記
一対の循環ラインは前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の第2排気ラインを、前記ファンフィルタユニットに連結させて、
前記
一対の第1排気ラインに沿って流動する前記不活性ガスの少なくとも一部と、前記
一対の第2排気ラインに沿って流動する前記不活性ガスの少なくとも一部は、前記
一対の循環ラインに沿って流動して前記ファンフィルタユニットに提供される、請求項
2に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項4】
前記
一対の第2排気ラインには
一対のスロットル弁が設けられ、前記
一対のスロットル弁の開口率を調節して、排気する不活性ガスの量を調節する、請求項
2に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項5】
前記
一対のスロットル弁の開口率が第1比率である状態で、前記不活性ガス供給器は不活性ガスを前記モジュールチャンバに供給し、
前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから、前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の第2排気ラインのうちの少なくとも一つに沿って流動して前記
一対の循環ラインに提供され、前記不活性ガスは前記
一対の循環ラインに沿って流動して前記モジュールチャンバに再供給され、
前記モジュールチャンバの湿度がターゲット値以下になると、前記
一対のスロットル弁の開口率を前記第1比率より大きい第2比率に変更する、請求項
4に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項6】
前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の循環ラインを
各々連結する
一対の連結ラインをさらに含み、第1ノードで前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の連結ラインが連結され、前記第1ノードに3方弁が設けられる、請求項
2に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項7】
第2ノードで前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の第2排気ラインが
各々連結され、前記第2ノードの後端に
一対のスロットル弁が設けられ、前記
一対のスロットル弁の開口率を調節して、前記
一対の第1排気ラインおよび前記
一対の第2排気ラインに沿って流動して前記排気装置に排気する不活性ガスの量を調節する、請求項2に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項8】
第3ノードで前記
一対の循環ラインと前記
一対の第2排気ラインが
各々連結され、前記第3ノードと前記第2ノードの間にオンオフ弁が設けられる、請求項
7に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項9】
前記不活性ガス供給器は、前記モジュールチャンバの側壁を介して供給する、請求項1に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項10】
前記モジュールチャンバには差圧センサが設けられ、前記差圧センサのセンシング値に基づいて、前記不活性ガス供給器は前記モジュールチャンバの内部に供給する不活性ガスの供給量を調節する、請求項
9に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項11】
前記
一対の流速制御器は少なくとも一つのファンを
各々含む、請求項1に記載の装備フロントエンドモジュール。
【請求項12】
装備フロントエンドモジュールと、
前記装備フロントエンドモジュールの第1面に配置され、基板キャリアを収容するように構成されたロードポートと、
前記装備フロントエンドモジュールの第2面に配置されたロードロック装置とを含み、
前記装備フロントエンドモジュールは、
モジュールチャンバと、
前記モジュールチャンバの上面に設けられたファンフィルタユニットと、
前記モジュールチャンバの
一側面
および当該一側面と反対側の側面に
各々設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できる
一対のサイドストレージと、
前記モジュールチャンバの側面を介して、前記モジュールチャンバの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器と、
前記
一対のサイドストレージと排気装置を
各々連結する
一対の第1排気ラインと、
前記
一対の第1排気ラインに
各々設けられ、前記
一対の第1排気ラインに沿って流動する不活性ガスの速度を制御する
一対の流速制御器と、
前記モジュールチャンバの底面と前記排気装置を
各々連結する
一対の第2排気ラインと、
前記
一対の第1排気ラインおよび前記
一対の第2排気ラインと各々連結され、前記
一対の第1排気ラインおよび前記
一対の第2排気ラインを介して伝達された不活性ガスを前記ファンフィルタユニットに再供給する
一対の循環ラインとを含
み、
前記一対の第1排気ラインは前記一対の第2排気ラインと各々連結され、
前記不活性ガスは、前記モジュールチャンバから前記一対のサイドストレージを通過して前記一対の第1排気ラインおよび前記一対の第2排気ラインに沿って流動して前記排気装置に排気される、基板処理装置。
【請求項13】
前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の循環ラインを各々連結する
一対の連結ラインをさらに含み、第1ノードで前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の連結ラインが各々
連結され、前記第1ノードに3方弁が設けられる、請求項
12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
第2ノードで前記
一対の第1排気ラインと前記
一対の第2排気ラインが連結され、前記第2ノードの後端に
一対のスロットル弁が設けられ、前記
一対のスロットル弁の開口率を調節して、前記
一対の第1排気ラインおよび前記
一対の第2排気ラインに沿って流動して前記排気装置に排気する不活性ガスの量を調節する、請求項
13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記3方弁の動作によって循環モードと排気モードが決定され、
前記循環モードで、前記
一対の第1排気ラインに沿って流動した不活性ガスのうちの少なくとも一部は前記
一対の循環ラインを通過して前記ファンフィルタユニットに提供され、
前記排気モードで、前記
一対の第1排気ラインに沿って流動した不活性ガスは前記
一対の第2排気ラインを通過して前記排気装置に排気する、請求項
14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
第3ノードで前記
一対の循環ラインと前記
一対の第2排気ラインが連結され、前記第3ノードと前記第2ノードの間にオンオフ弁が設けられる、請求項
14に記載の基板処理装置。
【請求項17】
モジュールチャンバと、前記モジュールチャンバの第1面
および当該第1面と反対面に
各々設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できる
一対のサイドストレージと、前記モジュールチャンバの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器と、前記
一対のサイドストレージと排気装置を
各々連結する
一対の第1排気ラインと、前記
一対の第1排気ラインと
一対の循環ラインを
各々連結する
一対の連結ラインと、
前記一対の第1排気ラインに各々設けられる一対の流速制御器と、前記第1面と異なる第2面を含む前記モジュールチャンバの前記第2面と前記排気装置を連結する一対の第2排気ラインと、前記第1排気ラインと前記連結ラインが連結されるノードに設けられた3方弁を含む装備フロントエンドモジュールが提供され、
前記一対の第1排気ラインは各々前記一対の第2排気ラインと連結され、
前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから前記サイドストレージを通過して前記第1排気ラインに沿って流動し、前記流速制御器は前記サイドストレージを通過する前記不活性ガスの流速を制御し、
前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから前記サイドストレージを通過して前記一対の第1排気ラインおよび前記一対の第2排気ラインに沿って流動して前記排気装置に排気され、
前記3方弁が第1ポジションであるとき、前記第1排気ラインに沿って流動した不活性ガスのうちの少なくとも一部は前記連結ラインおよび循環ラインを通過して前記モジュールチャンバに再び提供され、
前記3方弁が第2ポジションであるとき、前記第1排気ラインに沿って流動した不活性ガスは前記排気装置に排気する、装備フロントエンドモジュールの駆動方法。
【請求項18】
前記第2排気ラインにはスロットル弁が設けられ、前記スロットル弁の開口率を調節して、前記第1排気ラインに沿って流動して前記排気装置に排気する不活性ガスの量を調節する、請求項
17に記載の装備フロントエンドモジュールの駆動方法。
【請求項19】
モジュールチャンバと、
前記モジュールチャンバの第1面に設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できるサイドストレージと、
前記モジュールチャンバの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器と、
前記サイドストレージと排気装置を連結する第1排気ラインと、
前記第1排気ラインに設けられる流速制御器とを含
み、
前記モジュールチャンバは前記第1面と異なる第2面を含み、
前記モジュールチャンバの第2面と前記排気装置を連結する第2排気ラインをさらに含み、
前記第1排気ラインは前記第2排気ラインと連結され、
前記不活性ガスを循環させるための循環ラインをさらに含み、前記循環ラインは第1排気ラインと第2排気ラインのうちの少なくとも一つと連結され、
前記第2排気ラインにはスロットル弁が設けられ、前記スロットル弁の開口率を調節して、排気する不活性ガスの量を調節し、
前記スロットル弁の開口率が第1比率である状態で、前記不活性ガス供給器は不活性ガスを前記モジュールチャンバに供給し、
前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから、前記第1排気ラインと前記第2排気ラインのうちの少なくとも一つに沿って流動して前記循環ラインに提供され、前記不活性ガスは前記循環ラインに沿って流動して前記モジュールチャンバに再供給され、
前記モジュールチャンバの湿度がターゲット値以下になると、前記スロットル弁の開口率を前記第1比率より大きい第2比率に変更し、
前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから前記サイドストレージを通過して前記第1排気ラインに沿って流動し、前記流速制御器は前記サイドストレージを通過する前記不活性ガスの流速を制御
し、
前記不活性ガスは、前記モジュールチャンバから前記サイドストレージを通過して前記第1排気ラインおよび前記第2排気ラインに沿って流動して前記排気装置に排気される、装備フロントエンドモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装備フロントエンドモジュールおよびその駆動方法、それを含む基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際には、多数のプロセスモジュール内で写真、エッチング、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、洗浄等多様な工程が行われる。基板はキャリア(例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)等)に載せられて多数のプロセスモジュールの間を移動する。基板を処理するプロセスモジュールと、キャリアの間での基板伝達を行うために装備フロントエンドモジュール(Equipment front end module)が使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
装備フロントエンドモジュールの一側には、インターフェースの役割をするロードポート(load port)が設けられ、装備フロントエンドモジュールの他側にはロードロック装置が設けられる。装備フロントエンドモジュールは、基板を移送するためのロード/アンロードロボットと、基板を一時的に貯蔵するサイドストレージ(side storage)等を含む。
【0004】
一方、基板が相対的に高い湿度、または相対的に高い酸素(O2)レベル、化学汚染物レベル等に露出するとき、基板に多様な問題が発生し得る。したがって、装備フロントエンドモジュール内の湿度を効率的に制御する必要がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、不活性ガスを効率的に循環させて内部湿度が効果的に制御される、装備フロントエンドモジュールを提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、不活性ガスを効率的に循環させて内部湿度が効果的に制御される装備フロントエンドモジュールを含む基板処理装置を提供することにある。
【0007】
本発明が解決しようとするまた他の課題は、前記装備フロントエンドモジュールの駆動方法を提供することにある。
【0008】
本発明の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するための本発明の装備フロントエンドモジュールの一態様(aspect)は、モジュールチャンバ;前記モジュールチャンバの第1面に設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できるサイドストレージ;前記モジュールチャンバの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器;前記サイドストレージと排気装置を連結する第1排気ライン;および前記第1排気ラインに設けられる流速制御器を含み、前記不活性ガスは前記モジュールチャンバから前記サイドストレージを通過して前記第1排気ラインに沿って流動し、前記流速制御器は前記サイドストレージを通過する前記不活性ガスの流速を制御する。
【0010】
前記他の課題を達成するための本発明の基板処理装置の一態様は、装備フロントエンドモジュール(equipment front end module);前記装備フロントエンドモジュールの第1面に配置され、基板キャリアを収容するように構成されたロードポート;および前記装備フロントエンドモジュールの第2面に配置されたロードロック装置を含み、前記装備フロントエンドモジュールはモジュールチャンバと、前記モジュールチャンバの上面に設けられたファンフィルタユニットと、前記モジュールチャンバの側面に設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できるサイドストレージと、前記モジュールチャンバの側面を介して、前記モジュールチャンバの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器と、前記サイドストレージと排気装置を連結する第1排気ラインと、前記第1排気ラインに設けられ、前記第1排気ラインに沿って流動する不活性ガスの速度を制御する流速制御器と、前記モジュールチャンバの底面と前記排気装置を連結する第2排気ラインと、前記第1排気ラインおよび前記第2排気ラインと連結され、前記第1排気ラインおよび前記第2排気ラインを介して伝達された不活性ガスを前記ファンフィルタユニットに再供給する循環ラインを含む。
【0011】
前記また他の課題を達成するための本発明の装備フロントエンドモジュールの駆動方法の一態様は、モジュールチャンバと、前記モジュールチャンバの第1面に設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できるサイドストレージと、前記モジュールチャンバの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器と、前記サイドストレージと排気装置を連結する第1排気ラインと、前記第1排気ラインと循環ラインを連結する連結ラインと、前記第1排気ラインと前記連結ラインが連結されるノードに設けられた3方弁(3way valve)を含む装備フロントエンドモジュールが提供され、前記3方弁が第1ポジションであるとき、前記第1排気ラインに沿って流動した不活性ガスのうちの少なくとも一部は前記連結ラインおよび循環ラインを通過して前記モジュールチャンバに再び提供され、前記3方弁が第2ポジションであるとき、前記第1排気ラインに沿って流動した不活性ガスは前記排気装置に排気する。
【0012】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するためのブロック図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
【
図3】
図2に示すサイドストレージを説明するためのブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第1動作を説明するための図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第2動作を説明するための図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第3動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第4動作を説明するためのフローチャートである。
【
図8】本発明の第2実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
【
図9】本発明の第3実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
【
図10】本発明の第4実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
【
図11】本発明の第5実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施形態による装備フロントエンドモジュールの効果を説明するための図である。
【
図13】本発明のいくつかの実施形態による装備フロントエンドモジュールの効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0015】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」等は図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0016】
第1、第2等が多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0017】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0018】
図1は本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置を説明するためのブロック図である。
図2は本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
図3は
図2に示すサイドストレージを説明するためのブロック図である。
【0019】
まず
図1を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による基板処理装置は、装備フロントエンドモジュール114、ロードポート115、ロードロック装置112、多数のプロセスモジュール108、コントローラ106等を含む。X方向とY方向は互いに垂直であり、Z方向はX方向およびY方向に垂直であり得る。Z方向は上下方向であり得る。
【0020】
ロードポート115は装備フロントエンドモジュール114の一面(例えば、前方表面)に提供されることができる。ロードポート115は少なくとも一つのキャリア(例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod),116)を収容するように構成されることができる。キャリア116は装備フロントエンドモジュール114にドッキングされることができる。図面ではロードポート115が3個のキャリア116を収容できるように図示したが、これに限定されない。
【0021】
ロードロック装置112は装備フロントエンドモジュール114の他面(例えば、後方表面)に提供されることができる。
【0022】
装備フロントエンドモジュール114のモジュールチャンバ114c内には、ロード/アンロードロボット117が配置される。ロード/アンロードロボット117は、ロードポート115に位置して装備フロントエンドモジュール114にドッキングされたキャリア116内の基板Wを収容し、前記基板Wをロードロック装置112に伝達する。または、ロード/アンロードロボット117はロードロック装置112および/またはサイドストレージ120,1201にある基板Wを装備フロントエンドモジュール114にドッキングされたキャリア116内に伝達する。コントローラ106はロード/アンロードロボット117と通信し、ロード/アンロードロボット117にコマンドを提供してロード/アンロードロボット117の多様な動作を制御することができる。すなわち、コントローラ106からの多様なコマンドはロード/アンロードロボット117の多様なコンポーネントの運動を発生させることができる。
【0023】
装備フロントエンドモジュール114の環境パラメータ(例えば、湿度、温度、酸素量、不活性気体の量、化学汚染物の量等)は、コントローラ106によりモニタリングされて制御される。このような環境パラメータが既に設定された条件により制御されない場合、装備フロントエンドモジュール114にドッキングされたキャリアのうちいずれも開放されない。
【0024】
装備フロントエンドモジュール114には、モジュールチャンバ114cの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器118が設けられる。不活性ガスは例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムのうちの少なくとも一つを含み得るが、これに限定されない。
【0025】
また、装備フロントエンドモジュール114は、多数の基板Wを貯蔵できるサイドストレージ120,1201を含むことができる。
【0026】
排気ラインEL1は第1サイドストレージ120と排気装置150を連結し、排気ラインEL11は第2サイドストレージ1201と排気装置1501を連結する。第1排気装置150と第2排気装置1501は互いに物理的に分離された排気装置であってもよく、一つの排気装置であってもよい。排気ラインEL1には第1流速制御器159が設けられ、排気ラインEL11には第2流速制御器1591が設けられる。第1流速制御器159および第2流速制御器1591それぞれはファン(fan)を含むことができる。ファンの回転速度に従って、排気ラインEL1および排気ラインEL11に沿って流動する不活性気体の速度が決定される。
【0027】
装備フロントエンドモジュール114にはセンサ130が設けられる。センサ130は例えば、差圧センサであり得る。コントローラ106はセンサ130と通信してセンサ130のセンシング値の提供を受け、不活性ガス供給器118の不活性ガス供給量、第1流速制御器159の回転速度、第2流速制御器1591の回転速度、ファンフィルタユニットのうちの少なくとも一つを制御することができる。制御方式は例えば、PID(Proportional-Integral-Differential)方式であり得るが、これに限定されない。また、装備フロントエンドモジュール114には、多様な種類のセンサが追加的に設けられることができる。例えば、湿度レベル、酸素レベル、化学汚染物レベルのうちの少なくとも一つを測定できるセンサが設けられることができる。
【0028】
装備フロントエンドモジュール114のより具体的な構成および動作は
図2ないし
図11を用いて後述する。
【0029】
ロードロック装置112は移送チャンバ102と連結される。移送チャンバ102は、多数のプロセスモジュール108が設けられ得る多数の面を有する。移送チャンバ102は図示するように、四角形形状であり得るが、これに限定されない。
【0030】
また、移送チャンバ102内には移送ロボット103が位置する。移送ロボット103はアーム(arm)の動作によって多数のプロセスモジュール108のいずれか一つに基板Wを配置させて、多数のプロセスモジュール108のいずれか一つから基板Wを取り出すことができる。基板Wは例えば、半導体ウエハ、シリコン含有ウエハ、パターンされたウエハ、ガラス基板等を含む。コントローラ106はコマンドを提供して移送ロボット103の動作を制御することができる。すなわち、コントローラ106からの多様なコマンドは移送ロボット103の多様なコンポーネントの運動を発生させることができる。多様なセンサ、例えばポジションエンコーダ等によってコンポーネントのうちの一つ以上に対して適したフィードバックメカニズムが提供されることができる。
【0031】
多数のプロセスモジュール108それぞれは、移送チャンバ102の各面にカップリングされることができる。プロセスモジュール108は例えば、プラズマ気相蒸着(PVD)または化学気相蒸着(CVD)、エッチング、アニーリング、事前-洗浄、金属または金属酸化物除去等であり得る。
【0032】
ここで
図2を参照して、装備フロントエンドモジュール114およびこれと関連した構成について説明する。
【0033】
装備フロントエンドモジュール114はモジュールチャンバ114c、サイドストレージ120,1201、不活性ガス供給器118、排気ラインEL1,EL2,EL11,EL21、循環ラインCL1,CL2、第1流速制御器159、第2流速制御器1591、ファンフィルタユニット269,2691等を含む。
【0034】
不活性ガス供給器118はモジュールチャンバ114c内に不活性ガスを供給する。モジュールチャンバ114c内に不活性ガスを供給し、これを排気または循環させることによって、モジュールチャンバ114c内の環境パラメータ(例えば、湿度、温度、酸素量、不活性気体の量、化学汚染物の量等)を効果的に調節することができる。
【0035】
一方、不活性ガス供給器118はモジュールチャンバ114cの側壁を介して供給することができる。
【0036】
モジュールチャンバ114cの側壁には、不活性ガス供給器118が供給する不活性ガスが拡散するための別途の空間(例えば、プレナム(plenum))を設けなくてもよい。不活性ガス供給器118により供給される不活性ガスは、排気ラインEL1,EL11,EL2,EL21および循環ラインCL1,CL2を介してファンフィルタユニット269,2691に提供され、ファンフィルタユニット269,2691内で十分に拡散してモジュールチャンバ114c全体に供給されることができる。
【0037】
不活性ガスが拡散するための別途の空間が不必要であるので、不活性ガス供給器118が不活性ガスを供給する位置118aは自由に設計することができる。例えば、不活性ガスが供給される位置118aは、図示するように、サイドストレージ120,1201が設けられる位置より低くてもよい。
【0038】
サイドストレージ120,1201はモジュールチャンバ114cの両側面それぞれに設けられる。サイドストレージ120,1201は、モジュールチャンバ114cと互いに対して開放および/または互いに連通される貯蔵チャンバ121,1211を含む。貯蔵チャンバ121,1211内には多数の基板Wを貯蔵できる多数の棚が設けられる。
【0039】
本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールにおいて、モジュールチャンバ114cに連結された排気ラインEL2,EL21とは別に、サイドストレージ120,1201に連結された排気ラインEL1,EL11が設けられる。また、サイドストレージ120,1201に連結された別途の排気ラインEL1,EL11には流速制御器159,1591が設けられおり、サイドストレージ120,1201を通過して流れる不活性ガスの流速を制御することができる。
【0040】
図3に示すように、モジュールチャンバ114c内の不活性ガスは第1サイドストレージ120に積載された多数の基板Wの間を通過し(図面符号F0を参照)、第1サイドストレージ120に連結された第1排気ラインEL1に沿って流動する(図面符号F1を参照)。
【0041】
第1流速制御器159によって、第1サイドストレージ120を通過する不活性ガスの流速を別に制御される。したがって、第1サイドストレージ120に積載された多数の基板Wのヒューム(fume)およびポリマー(polymer)等を効果的に除去することができる。また、第1流速制御器159によって、第1サイドストレージ120に積載された多数の基板Wの間を通過する不活性ガスの速度を一定に維持することができる。したがって、多数の基板Wが全体的に均質なように管理されることができる。
【0042】
再び
図2を参照すると、排気ラインEL2,EL21および/または排気ラインEL1,EL11は循環ラインCL1,CL2に連結される。すなわち、排気ラインEL2,EL21に沿って流動した不活性ガス、排気ラインEL1,EL11に沿って流動した不活性ガスは循環ラインCL1,CL2に沿って再びモジュールチャンバ114c内に供給されることができる。このようにすることで、不活性ガス流量使用を最適化しながらもモジュールチャンバ114c内の湿度を効果的に制御することができる。
【0043】
前述した効果を実現するために、例示的に排気ラインEL1,EL11,EL2,EL21および循環ラインCL1,CL2を次のように実現することができる。
【0044】
第1排気ラインEL1はモジュールチャンバ114cの一側面(すなわち、第1面)に設けられた第1サイドストレージ120と、第1排気装置150を連結する。第1排気ラインEL1には第1流速制御器159が設けられ、第1流速制御器159は第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスの流速を制御する。
【0045】
第2排気ラインEL2はモジュールチャンバ114cの底面(すなわち、第2面)に設けられ、第2排気ラインEL2はモジュールチャンバ114cの底面と第1排気装置150を連結する。
【0046】
第1循環ラインCL1は不活性ガスを循環させるための配管である。第1循環ラインCL1は第1排気ラインEL1と第2排気ラインEL2のうちの少なくとも一つと連結され得る。
【0047】
第1連結ラインBL1は第1排気ラインEL1と第1循環ラインCL1を連結する。第1ノードN1は第1連結ラインBL1と第1排気ラインEL1が連結される部分であり、第3ノードN3は第1連結ラインBL1と第1循環ラインCL1が連結される部分である。
【0048】
第2排気ラインEL2には第1排気ラインEL1と第1循環ラインCL1が連結される。第2ノードN2で、第1排気ラインEL1と第2排気ラインEL2が連結される。第4ノードN4で、第1循環ラインCL1と第2排気ラインEL2が連結される。
【0049】
第1ノードN1に3方弁(3way valve,158)が設けられる。3方弁158のポジション(position)に従って、第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスの移動方向を制御することができる。
【0050】
例えば、3方弁158が第1ポジションであるとき、第1排気ラインEL1に沿って流動した不活性ガスは第1連結ラインBL1および第1循環ラインCL1を通過して(すなわち、第3ノードN3を通過して)、第1ファンフィルタユニット269およびモジュールチャンバ114cに再び提供されることができる(すなわち、循環する)。
【0051】
または、3方弁158が第2ポジションであるとき、第1排気ラインEL1に沿って流動した不活性ガスは第2排気ラインEL2を通過して(すなわち、第2ノードN2を通過して)、第1排気装置150に排気することができる。
【0052】
または、3方弁158が第3ポジションであるとき、第1排気ラインEL1に沿って流動した不活性ガスのうちの一部は第3ノードN3を通過してモジュールチャンバ114cに再び提供され、残りの一部は第2ノードN2を通過して第1排気装置150に排気することができる。
【0053】
また、第2排気ラインEL2で、第2ノードN2と第4ノードN4の間には第1オンオフ弁152が設けられる。第1オンオフ弁152がオン状態の場合、不活性ガスが第2排気ラインEL2に沿って第1排気装置150に流動し得、第1オンオフ弁152がオフ状態の場合、不活性ガスが第2排気ラインEL2に沿って流動しない。
【0054】
第2排気ラインEL2で第2ノードN2の下流には第1スロットル弁(throttle valve,T/V,151)が設けられる。第1スロットル弁151の開口率を調整することによって、第1排気装置150に抜け出る、不活性ガスの量が制御されることができる。したがって、モジュールチャンバ114c内の湿度を調節するために使用される不活性ガスの量を調節することができる。
【0055】
例えば、第1スロットル弁151の開口率が第1比率の場合、不活性ガスは第1流量だけ第1排気装置150に排気する。第1スロットル弁151の開口率が第1比率より大きい第2比率の場合、不活性ガスは第1流量より大きい第2流量だけ第1排気装置150に排気する。
【0056】
同様に、第3排気ラインEL11はモジュールチャンバ114cの他側面に設けられた第2サイドストレージ1201と、第2排気装置1501を連結する。第3排気ラインEL11には第2流速制御器1591が設けられる。
【0057】
第4排気ラインEL21はモジュールチャンバ114cの底面に設けられ、第4排気ラインEL21はモジュールチャンバ114cの底面と第2排気装置1501を連結する。
【0058】
第2循環ラインCL2は第3排気ラインEL11と第4排気ラインEL21のうちの少なくとも一つと連結されることができる。
【0059】
第2連結ラインBL2は第3排気ラインEL11と第2循環ラインCL2を連結する。第5ノードN11は第2連結ラインBL2と第3排気ラインEL11が連結される部分であり、第7ノードN13は第2連結ラインBL2と第2循環ラインCL2が連結される部分である。
【0060】
第4排気ラインEL21には第3排気ラインEL11と第2循環ラインCL2が連結される。第6ノードN12で、第3排気ラインEL11と第4排気ラインEL21が連結される。第8ノードN14で、第2循環ラインCL2と第4排気ラインEL21が連結される。
【0061】
第5ノードN11に3方弁1581が設けられる。3方弁1581のポジションに従って、第3排気ラインEL11に沿って流動する不活性ガスの移動方向を制御することができる。
【0062】
また、第4排気ラインEL21で、第6ノードN12と第8ノードN14の間には第2オンオフ弁1521が設けられる。
【0063】
第4排気ラインEL21で第6ノードN12の下流には第2スロットル弁(T/V,1511)が設けられる。第2スロットル弁1511の開口率を調整することによって、第2排気装置1501に抜け出る、不活性ガスの量が制御されることができる。
【0064】
一方、モジュールチャンバ114cの上面にはファンフィルタユニット(Fan Filter Unit,269,2691)が設けられる。ファンフィルタユニット269,2691内にはファン264,2641が設けられる。コントローラ(
図1の106を参照)はファン264,2641の回転速度を調節することによって、モジュールチャンバ114c内で不活性気体の拡散速度を調節することができる。また、モジュールチャンバ114c内の湿度を効率的に調節することができる。
【0065】
第1循環ラインCL1は第1ファンフィルタユニット269に連結される。第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスの少なくとも一部と、第2排気ラインEL2に沿って流動する不活性ガスの少なくとも一部は第1循環ラインCL1に沿って第1ファンフィルタユニット269に供給されることができる。
【0066】
第2循環ラインCL2は第2ファンフィルタユニット2691に連結される。第3排気ラインEL11に沿って流動する不活性ガスの少なくとも一部と、第4排気ラインEL21に沿って流動する不活性ガスの少なくとも一部は第2循環ラインCL2に沿って第2ファンフィルタユニット2691に供給されることができる。
【0067】
一方、図面では、モジュールチャンバ114cの両側面に設けられた2個のサイドストレージ120,1201を図示したが、これに限定されない。例えば、2個のサイドストレージ120,1201のいずれか一つ(例えば、120)のみ設けることもできる。このような場合、サイドストレージ120と関連する構成要素(例えば、EL1,159,151,150)のみ設けられ、他のサイドストレージ1201およびこれと関連する構成要素(例えば、EL11,1591,1511,1501)等は設けない。
【0068】
図4は本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第1動作を説明するための図である。
【0069】
図4を参照して、装備フロントエンドモジュールが排気モードの場合を説明する。
【0070】
第1オンオフ弁152および第2オンオフ弁1521はオン状態であり、3方弁158,1581は第2ポジションである。
【0071】
モジュールチャンバ114c内の不活性気体は第1サイドストレージ120を経て第1排気ラインEL1に沿って流動して、3方弁158を経て第2排気ラインEL2に提供される(図面符号F1を参照)。
【0072】
また、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は、モジュールチャンバ114cの底面から第2排気ラインEL2に沿って流動する。第2ノードN2で、第1排気ラインEL1の不活性気体が第2排気ラインEL2に合流する。不活性気体は第1スロットル弁151を経て第1排気装置150に排気する(図面符号F2を参照)。
【0073】
同様に、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は第2サイドストレージ1201を経て第3排気ラインEL11に沿って流動して、3方弁1581を経て第4排気ラインEL21に提供される(図面符号F11を参照)。
【0074】
また、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は、モジュールチャンバ114cの底面から第4排気ラインEL21に沿って流動する。第6ノードN12で、第3排気ラインEL11の不活性気体が第4排気ラインEL21に合流する。不活性気体は第2スロットル弁1511を経て第2排気装置1501に排気する(図面符号F21を参照)。
【0075】
図5は本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第2動作を説明するための図である。
【0076】
図5を参照して、装備フロントエンドモジュールが循環モードの場合を説明する。
【0077】
第1オンオフ弁152および第2オンオフ弁1521はオフ状態であり、3方弁158,1581は第1ポジションである。
【0078】
モジュールチャンバ114c内の不活性気体は第1サイドストレージ120を経て第1排気ラインEL1に沿って流動して、3方弁158を経て第3ノードN3で第1循環ラインCL1に提供される(図面符号F3を参照)。
【0079】
また、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は、モジュールチャンバ114cの底面から第2排気ラインEL2に沿って流動する。第4ノードN4で、第2排気ラインEL2の不活性気体は第1循環ラインCL1に合流する。不活性気体は第1循環ラインCL1に沿って流動して第1ファンフィルタユニット269に供給される(図面符号F4を参照)。第1ファンフィルタユニット269内で不活性気体は十分に拡散して、モジュールチャンバ114c内に供給される。
【0080】
同様に、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は第2サイドストレージ1201を経て第3排気ラインEL11に沿って流動して、3方弁1581を経て第7ノードN13で第2循環ラインCL2に提供される(図面符号F31を参照)。
【0081】
また、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は、モジュールチャンバ114cの底面から第4排気ラインEL21に沿って流動する。第8ノードN14で、第4排気ラインEL21の不活性気体は第2循環ラインCL2に合流する。不活性気体は第2循環ラインCL2に沿って流動して第2ファンフィルタユニット2691に供給される(図面符号F41を参照)。第2ファンフィルタユニット2691内で不活性気体は十分に拡散して、モジュールチャンバ114c内に供給される。
【0082】
別に図示していないが、循環モードは、排気ラインEL1,EL11に沿って流動した不活性気体のうちの一部は循環ラインCL1,CL2を介して循環し、残りの一部は排気装置150,1501によって排気することも含む。
【0083】
図6は本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第3動作を説明するためのフローチャートである。説明の便宜上で
図1ないし
図5を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0084】
図2および
図6を参照すると、スロットル弁151,1511の開口率が第1比率である状態で、不活性ガス供給器118は不活性ガスをモジュールチャンバ114cに供給する(S10)。ここで、オンオフ弁152,1521はオン状態であり、3方弁158,1581は第3ポジションであり得る。
【0085】
次に、不活性ガスは循環ラインCL1,CL2に沿って流動してモジュールチャンバ114cに再供給される(S20)。
【0086】
具体的には、不活性ガスが第1循環ラインCL1に沿ってモジュールチャンバ114cに循環する過程は次のとおりである。
【0087】
第1排気ラインEL1に沿って流動した不活性ガスのうちの一部は第3ノードN3を通過して第1循環ラインCL1に沿ってモジュールチャンバ114cに再び提供され、残りの一部は第2ノードN2を通過して第1排気装置150に排気することができる。また、モジュールチャンバ114cの底面で第2排気ラインEL2に排出された不活性気体のうちの一部は、第4ノードN4で第1循環ラインCL1に供給され、残りの一部は第2ノードN2を通過して第1排気装置150に排気することができる。
【0088】
不活性ガスが第2循環ラインCL2に沿ってモジュールチャンバ114cに循環する過程は前述した内容と実質的に同一である。
【0089】
次に、モジュールチャンバ114cの湿度がターゲット値以下であるかを確認する(S30)。
【0090】
具体的には、モジュールチャンバ114c内の湿度センサで測定された値に基づいて、モジュールチャンバ114cの湿度をチェックすることができる。ターゲット値は既定値であり得るが、設計によって変わり得る。ターゲット値は例えば、湿度1%であり得る。
【0091】
湿度がターゲット値より大きいと(S30でNo)、S10段階に戻って、S10、S20段階を再度行う。
【0092】
湿度がターゲット値より以下の場合(S30でYes)、S40段階を行う。
【0093】
スロットル弁151,1511の開口率を第1比率より大きい第2比率に変更する(S40)。
【0094】
具体的には、湿度が過度に低いと、基板Wの表面が過度に乾燥するので、基板Wに欠陥(defect)が発生しやすいからである。不活性ガス供給器118が不活性ガスをモジュールチャンバ114cに供給する状況で、スロットル弁151,1511の開口率を高めると湿度は上昇する。
【0095】
図面では別に示していないが、スロットル弁151,1511の開口率が第2比率である状態で、不活性ガス供給器118は不活性ガスをモジュールチャンバ114cに供給し続ける。モジュールチャンバ114cの湿度が限界値(limit)まで上昇すると、スロットル弁151,1511の開口率を再び第1比率に下げる。
【0096】
このような方式で、モジュールチャンバ114cの湿度がターゲット値と限界値の間に位置するように制御することもできる。
【0097】
図7は本発明の第1実施形態による装備フロントエンドモジュールの第4動作を説明するためのフローチャートである。説明の便宜上で
図1ないし
図5を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0098】
図2および
図7を参照すると、まず装備フロントエンドモジュールが提供される(S50)。
【0099】
具体的には、装備フロントエンドモジュール114はモジュールチャンバ114cと、モジュールチャンバ114cの一面に設けられ、内部に多数の基板を貯蔵できるサイドストレージ120,1201と、モジュールチャンバ114cの内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給器118と、サイドストレージ120,1201と排気装置150,1501を連結する排気ラインEL1,EL11と、排気ラインEL1,EL11と循環ラインCL1,CL2を連結する連結ラインBL1,BL2と、排気ラインEL1,EL11と連結ラインBL1,BL2が連結されるノードN1,N11に設けられた3方弁158,1581を含む。また、装備フロントエンドモジュール114は循環ラインCL1,CL2と連結される他の排気ラインEL2,EL21をさらに含むことができる。
【0100】
次に、循環モードであるかを確認する(S60)。
【0101】
循環モードの場合(S60のYes)、不活性ガスはモジュールチャンバ114cに再び提供される(S71)。
【0102】
具体的には、
図5に図示するように、排気ラインEL1,EL11に沿って流動した不活性ガスは連結ラインBL1,BL2および循環ラインCL1,CL2を通過してモジュールチャンバ114cに再び提供される(
図5のF3,F31を参照)。また、不活性ガスは排気ラインEL2,EL21および循環ラインCL1,CL2を通過してモジュールチャンバ114cに再び提供される(
図5のF4,F41を参照)。
【0103】
排気モードの場合(S60のNo)、不活性ガスは排気装置150,1501に排気する(S72)。
【0104】
具体的には、
図4に図示するように、排気ラインEL1,EL11に沿って流動した不活性ガスは3方弁158,1581、スロットル弁151,1511を経て排気装置150,1501に排気する(
図4のF1,F11を参照)。また、不活性ガスは排気ラインEL2,EL21およびスロットル弁151,1511を経て排気装置150,1501に排気する(
図4のF2,F21を参照)。
【0105】
図8は本発明の第2実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
図2を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0106】
図2に示す装備フロントエンドモジュールで、第1サイドストレージ120を経て第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスは、第1ノードN1に設けられた3方弁158で第1循環ラインCL1に循環することができる。また、モジュールチャンバ114cの底面から第2排気ラインEL2に沿って流動する不活性ガスも、第4ノードN4で第1循環ラインCL1に循環することができる。
【0107】
反面、
図8に示す装備フロントエンドモジュールは、モジュールチャンバ114cの底面から第2排気ラインEL2に沿って流動する不活性ガスは循環しない。すなわち、第1オンオフ弁152、第1スロットル弁151を経て排気装置150に排気する。
【0108】
図9は本発明の第3実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
図2を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0109】
図2に示す装備フロントエンドモジュールで、第1ノードN1に設けられた3方弁158一つで、第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスを循環させたり排気したりすることができる。
【0110】
反面、
図9に示す装備フロントエンドモジュールは、第1ノードN1と第2ノードN2の間に設けられた弁158bと、第1ノードN1と第3ノードN3の間に設けられた弁158aの動作によって、第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスを循環させたり排気したりすることができる。
【0111】
弁158bがオフ状態であり、弁158aがオン状態である場合、第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスをモジュールチャンバ114cに循環させることができる。
【0112】
弁158bがオン状態であり、弁158aがオフ状態である場合、第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスを排気装置150に排気させることができる。
【0113】
図10は本発明の第4実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
図9を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0114】
図10に示す装備フロントエンドモジュールは、第1ノードN1と第2ノードN2の間に設けられた弁158bが設けられるが、第1ノードN1と第3ノードN3の間には弁は設けられない。
【0115】
弁158bがオフ状態である場合、第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスをモジュールチャンバ114cに循環させることができる。
【0116】
弁158bがオン状態である場合、第1排気ラインEL1に沿って流動する不活性ガスの一部はモジュールチャンバ114cに循環し、残りの一部は排気装置150に排気する。
【0117】
図11は本発明の第5実施形態による装備フロントエンドモジュールを説明するためのブロック図である。
図2を用いて説明した内容と異なる点を中心に説明する。
【0118】
図11を参照すると、本発明の第5実施形態による装備フロントエンドモジュールで、第1排気ラインEL1と連結された排気装置150aと第2排気ラインEL2と連結された排気装置150がそれぞれ異なるものであり得る。
【0119】
図12および
図13は本発明のいくつかの実施形態による装備フロントエンドモジュールの効果を説明するための図である。
【0120】
図12を参照して、循環モードを用いてモジュールチャンバ114cの湿度を効率的に制御できることについて説明する。
【0121】
x軸は時間を示し、y軸は湿度を示す。
【0122】
CM1は装備フロントエンドモジュールが循環モードで動作する場合に、時間に応じた湿度の変化を示す。
【0123】
循環モードで、3方弁(
図5の158,1581を参照)が第1ポジションである。したがって、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は第1サイドストレージ120を経て第1排気ラインEL1に沿って流動して、3方弁158を経て第3ノードN3で第1循環ラインCL1に提供される(
図5のF3を参照)。
【0124】
EM1は装備フロントエンドモジュールが排気モードで動作する場合に、時間に応じた湿度の変化を示す。
【0125】
排気モードで、3方弁158,1581は第2ポジションである。したがって、モジュールチャンバ114c内の不活性気体は第1サイドストレージ120を経て第1排気ラインEL1に沿って流動して、3方弁158を経て第1排気ラインEL1に提供される(
図4のF1を参照)。
【0126】
時間の経過とともにCM1がEM1に比べてより早く湿度が低くなることがわかる。したがって、循環モードを用いて不活性気体を効率的に循環させて、モジュールチャンバ114c内の湿度を迅速にターゲット値以下に下げることができる。
【0127】
図13を参照して、ファンフィルタユニット(
図2の269,2691を参照)のファン(
図2の264,2641を参照)の回転速度に従って、湿度制御時間を最適化できることについて説明する。
【0128】
x軸は時間を示し、y軸は湿度を示す。
【0129】
他の条件はすべて同一であると仮定するとき、EM11のファンフィルタユニット269,2691のファン264,2641が第1速度(例えば、1000RPM)で回転する場合であり、EM12はファンフィルタユニット269,2691のファン264,2641が第1速度より遅い第2速度(例えば、600RPM)で回転する場合である。
【0130】
時間の経過とともにEM11がEM12に比べてより早く湿度が低くなることがわかる。したがって、ファンフィルタユニット269,2691のファン264,2641を速く回転させることによって、モジュールチャンバ114c内の湿度を早くターゲット値以下に下げることができる。
【0131】
以上と添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。