(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】三次元フォームの代替品
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20240906BHJP
A45F 3/12 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A45C13/30 C
A45F3/12 300
(21)【出願番号】P 2022516155
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(86)【国際出願番号】 US2020050319
(87)【国際公開番号】W WO2021050820
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-08-02
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503204222
【氏名又は名称】ザ ノース フェイス アパレル コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】The North Face Apparel Corp.
【住所又は居所原語表記】3411 Silverside Road,Wilmington,Delaware 19810 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オルソン,コリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ドルトン,ジェフリーアレン
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-226573(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0122493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/30
A45F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面を通る複数の第1の開口を画定する複数の第1の相互接続された支柱を含む第1の表面であって、該第1の表面は、第1の領域および少なくとも1つの第2の領域を含み、前記第1の領域は中央領域であり、また前記少なくとも1つの第2の領域は、前記第1の領域より半径方向の外側に配置される外側領域であるものである、第1の表面と、
前記第1の表面から少なくとも部分的に離間された第2の表面であって、前記第2の表面は、前記第2の表面を通る複数の第2の開口を画定する複数の第2の相互接続された支柱を含む、第2の表面と、
前記第1の表面と前記第2の表面との間に配置され、前記第1の表面および前記第2の表面の少なくとも1つに結合された1つ以上の第3の支柱と、を備えるストラップであって、
前記第1の表面および前記第2の表面は、それらの間に空洞を画定し、
前記1つ以上の第3の支柱は、前記空洞内または前記空洞に隣接して配置され、
前記第1の表面および前記第2の表面は、単一の本体として形成され、
前記第1の相互接続された支柱、前記第2の相互接続された支柱、および前記第3の支柱による形状は、前記中央領域の剛性が前記外側領域の剛性よりも低く、かつ前記中央領域の換気が前記外側領域の換気よりも大きいものであるように、前記ストラップの剛性および換気を制御するために調整可能であり、そして
前記ストラップは、バックパックの一部を形成するものである、ストラップ。
【請求項2】
前記第1の領域において画定された開口は、前記少なくとも1つの第2の領域において画定された開口の平均直径よりも
大きい平均直径を有する、請求項1に記載のストラップ。
【請求項3】
前記第1の表面は、第
2の領域の対
を備え、前記第
2の領域の対の間に
前記第1の領域が配置され
ており、
前記第1の領域において画定された開口は、前記
第2の領域
の対において画定された開口の平均直径よりも
大きい平均直径を有する、請求項1に記載のストラップ。
【請求項4】
前記第1の表面または前記第2の表面の一方または両方は、曲線形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のストラップ。
【請求項5】
前記第1の表面は、積層造形を使用して少なくとも部分的に形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のストラップ。
【請求項6】
前記第2の表面は、積層造形を使用して少なくとも部分的に形成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のストラップ。
【請求項7】
前記第1の表面の少なくとも一部を覆うように配置された第1の層をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のストラップ。
【請求項8】
前記第2の表面の少なくとも一部を覆うように配置された第2の層をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のストラップ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
バックパックなどのアイテムは、ショルダーストラップ、バックパネルなどの身体に隣接する構成要素を含み得る。身体に隣接する構成要素にはフォームが必要な場合がある。フォームは硬すぎて、身体に隣接して快適に配置できない場合がある。さらに、フォームは空気を通すのに十分な多孔質ではなく、着用者を不快に熱くし得る。したがって、より通気性があり、快適なフォームの代替品が必要である。
【発明の概要】
【0002】
ストラップは本明細書に記載されている。例示的なストラップは、第1の表面を通る複数の第1の開口を画定する複数の第1の相互接続された支柱を含む第1の表面を含み得る。例示的なストラップは、第1の表面から少なくとも部分的に離間された第2の表面を含み得る。第1の表面は、第2の表面を通る複数の第2の開口を画定する複数の第2の相互接続された支柱を含み得る。例示的なストラップは、第1の表面と第2の表面との間に配置され、第1の表面および第2の表面の少なくとも1つに結合された1つ以上の第3の支柱を含み得る。第1の表面および第2の表面は、それらの間に空洞を画定し得る。1つ以上の第3の支柱は、空洞内または空洞に隣接して配置され得る。第1の表面および第2の表面は、単一の本体として形成され得る。第1の相互接続された支柱、第2の相互接続された支柱、および第3の支柱の構成は、例示的なストラップの剛性および換気を制御するために調整可能であり得る。
【0003】
物品は本明細書に記載されている。例示的な物品は、第1の格子を含む第1の表面を含み得る。例示的な物品は、第1の表面から少なくとも部分的に離間された第2の表面を含み得る。第2の表面は、第2の格子を含み得る。第1の表面および第2の表面は、それらの間に空洞を画定し得る。第1の表面および第2の表面は、単一の本体として形成され得る。第1の相互接続された支柱、第2の相互接続された支柱、および第3の支柱の構成は、例示的な物品の剛性および換気を制御するために調整可能であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
以下の図面は、概して、本開示に論じられる様々な例を、限定としてではなく、例として示す。図面において、
【0005】
【0006】
【
図2】本開示による例示的なフォームの代替品の上面斜視図である。
【0007】
【
図3】本開示による
図2のフォームの代替品の底面図である。
【0008】
【
図4】本開示によるフォームの代替品の側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、従来のフォームショルダーストラップとバックパネルの代わりに使用し得る三次元(3D)プリント構造について説明する。本明細書に記載されているのは、構造全体にわたってより快適で可変の圧縮を有する、より通気性のある構造を作成するためのシステム、方法、物品、および/またはストラップである。3Dプリント構造は、異なるらせん状および幾何学的構成要素を含み、1つの構造に異なるレベルの圧縮を作成し得る。従来、独立気泡フォーム部品は、1つの部品の1つのデュロメーターでのみ製造できる。本明細書に記載のシステム、方法、物品、および/またはストラップは、いくつかの異なるレベルの調整可能な圧縮を可能にし得る。本明細書に記載のシステム、方法、物品、および/またはストラップは、空気がユーザーに向かって容易に流れることができる開放構造を印刷可能にし得る。本明細書に記載のシステム、方法、物品、および/またはストラップは、従来のショルダーストラップで発生する発汗の多くを排除する。
【0010】
本明細書に記載されているように、通気性(換気)は、ASTM D737を使用してテストし得、硬度(剛性)は、ASTM D2240を使用してテストし得、曲げ特性(3点曲げ)は、ASTM D790を使用してテストし得る。様々な物品またはサンプルサイズをテストし得る。他のパラメータと基準を使用し得る。
【0011】
ストラップは本明細書に記載されている。例示的なストラップは、第1の表面を通る複数の第1の開口を画定する複数の第1の相互接続された支柱によって構成される第1の表面を含み得る。第1の表面は、曲線形状を含み得る。複数の第1の相互接続された支柱は、格子構造を画定し得る。第1の表面は、積層造形を使用して少なくとも部分的に形成され得る。第1の表面は、少なくとも1つの第1の領域および少なくとも1つの第2の領域を含み得る。少なくとも1つの第1の領域で画定された開口は、少なくとも1つの第2の領域で画定された開口の平均直径よりも小さい平均直径を含み得る。第1の表面は、第1の剛性を有する少なくとも1つの第1の領域と、第1の剛性とは異なる第2の剛性を有する少なくとも1つの第2の領域とを含み得る。第1の表面は、第1の領域の対と、第1の領域の対の間に配置された第2の領域とを含み得る。少なくとも1つの第1の領域で画定された開口は、少なくとも1つの第2の領域で画定された開口の平均直径よりも小さい平均直径を含み得る。
【0012】
例示的なストラップは、第1の表面から少なくとも部分的に離間された第2の表面を含み得る。第1の表面は、第2の表面を通る複数の第2の開口を画定する複数の第2の相互接続された支柱を含み得る。第2の表面は、曲線形状を含み得る。複数の第2の相互接続された支柱は、格子構造を画定し得る。第2の表面は、積層造形を使用して少なくとも部分的に形成され得る。
【0013】
例示的なストラップは、第1の表面と第2の表面との間に配置され、第1の表面および第2の表面の少なくとも1つに結合された1つ以上の第3の支柱を含み得る。複数の第3の支柱は、格子構造を画定し得る。
【0014】
第1の表面および第2の表面は、それらの間に空洞を画定し得る。1つ以上の第3の支柱は、空洞内または空洞に隣接して配置され得る。第1の表面および第2の表面は、単一の本体として形成され得る。第1の相互接続された支柱、第2の相互接続された支柱、および第3の支柱の構成は、例示的なストラップの剛性および換気を制御するために調整可能であり得る。
【0015】
例示的な物品は、第1の表面の少なくとも一部を覆うように配置された第1の層を含み得る。例示的な物品は、第2の表面の少なくとも一部を覆うように配置された第2の層を含み得る。
【0016】
物品は本明細書に記載されている。例示的な物品は、第1の格子を含む第1の表面を含み得る。第1の表面は、曲線形状を含み得る。第1の表面は、積層造形を使用して少なくとも部分的に形成され得る。第1の表面は、少なくとも1つの第1の領域および少なくとも1つの第2の領域を含み得る。少なくとも1つの第1の領域で画定された開口は、少なくとも1つの第2の領域で画定された開口の平均直径よりも小さい平均直径を含み得る。第1の表面は、第1の剛性を有する少なくとも1つの第1の領域と、第1の剛性とは異なる第2の剛性を有する少なくとも1つの第2の領域とを含み得る。第1の表面は、第1の領域の対と、第1の領域の対の間に配置された第2の領域とを含み得る。少なくとも1つの第1の領域で画定された開口は、少なくとも1つの第2の領域で画定された開口の平均直径よりも小さい平均直径を含み得る。
【0017】
例示的な物品は、第1の表面から少なくとも部分的に離間された第2の表面を含み得る。第2の表面は、第2の格子を含み得る。第2の表面は、曲線形状を含み得る。第2の表面は、積層造形を使用して少なくとも部分的に形成され得る。
【0018】
第1の表面および第2の表面は、それらの間に空洞を画定し得る。第1の表面および第2の表面は、単一の本体として形成され得る。第1の相互接続された支柱、第2の相互接続された支柱、および第3の支柱の構成は、例示的な物品の剛性および換気を制御するために調整可能であり得る。
【0019】
例示的な物品は、第1の表面の少なくとも一部を覆うように配置された第1の層を含み得る。例示的な物品は、第2の表面の少なくとも一部を覆うように配置された第2の層を含み得る。
【0020】
図1は、ストラップの少なくとも一部を含み得る例示的な支持構造100を示す。構造100は、ショルダーストラップ付きのバッグ、背中の支持具またはバックパックなどのアイテムの一部を形成し得る。構造100は、例えば、積層造形を使用して、単一の本体として形成し得る。構造100は、複数の格子領域を含み得る。格子領域は、支柱および開口の1つ以上のパターンを画定するように構成し得る。一例として、構造100は、様々な剛性および/または通気性を提供するように構成された複数の格子パターンを含み得る。構造100は単一の本体として形成され得るので、様々な格子領域の構成を使用して、構造の特性の選択的制御を提供することができる。
【0021】
図2および
図3は、積層造形を使用して単一の本体として形成され得るフォームの代替品200の例を示す。フォームの代替品200は、第1の表面202と、第1の表面202から少なくとも部分的に離間された第2の表面204とを有し得る。
図2および3に示すように、第1の表面202は曲線形状を含み得、第2の表面204は実質的に長方形の平面形状を含み得る。第1の表面202および第2の表面204は、相互接続された支柱203または格子構造を含み得る。第1の表面202および第2の表面204は、それらの間に空洞207を画定し得、支柱203は、空洞207内または空洞207に隣接して配置され得る。支柱203の構成は、フォームの代替品200の剛性および換気を制御するように調整可能であり得る。
図2に示すように、フォームの代替品200は、複数の領域210、212、214を含み得る。領域210、212、214は、複数の開口を含み得る。例えば、1つの領域210の開口の平均直径は、異なる領域212、214の開口の平均直径とは異なり得る。1つの領域210、212、214の剛性および/または通気性は、別の領域210、212、214における剛性および/または通気性とは異なり得る。
【0022】
図4は、積層造形を使用して単一の本体として形成され得る例示的なフォームの代替品300の一部を示す。フォームの代替品300は、第1の表面302および第1の表面302から少なくとも部分的に離間された第2の表面304を有し得る。第1の表面302は曲線形状を含み得、第2の表面304は実質的に長方形の平面形状を含み得る。第1の表面302および第2の表面304は、第1の表面302および第2の表面304を通る複数の開口305を画定する複数の相互接続された支柱303を含み得る。開口305は、六角形および五角形などの幾何学的形状を含み得るか、またはそれらは他の形状を含み得る。追加の支柱303は、第1の表面302と第2の表面304との間の空洞307内に配置され得る。複数の相互接続された支柱303は、格子構造を含み得る。
図4に示すように、フォームの代替品300は、複数の領域310、312、314を含み得る。領域310、312、314は、同様の平均直径を有する複数の開口305を含み得る。例えば、1つの領域310における開口305の平均直径は、異なる領域312、314における開口305の平均直径とは異なり得る。1つの領域310の剛性は、別の領域312、314の剛性とは異なり得る。領域310、312、314間の剛性および通気性を制御するために、様々な直径および構成を使用し得る。図示のように、中央領域312は、外側領域312、314と比較して、より通気性があり、剛性が低くなり得る。