(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】発泡性組成物および発泡体
(51)【国際特許分類】
A23L 29/00 20160101AFI20240906BHJP
F17C 1/00 20060101ALN20240906BHJP
【FI】
A23L29/00
F17C1/00 Z
(21)【出願番号】P 2022520374
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(86)【国際出願番号】 EP2020077704
(87)【国際公開番号】W WO2021064196
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-30
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515275476
【氏名又は名称】エーディーエム ヴィルド ユオロペ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント カンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110004152
【氏名又は名称】弁理士法人お茶の水内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャタード,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲンス,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】トレンメル,フランク
(72)【発明者】
【氏名】メーダー,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】クラウト,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】バルー,フレデリック
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/013275(WO,A1)
【文献】特開2005-151835(JP,A)
【文献】特開昭62-224241(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0173046(US,A1)
【文献】特開2005-278601(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110037083(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104719919(CN,A)
【文献】特開2011-101637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA/AGRICOLA/BIOSIS/BIOTEHCNO/CABA/CAPLUS/SCISEARCH/TOXCENTER(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性組成物であって、前記組成物の総重量に基づいて、
a)
0.7~10wt%の植物胚芽粉末と、
b)0.5~15wt%の増粘剤と、
c)0.1~35wt%の天然繊維と、
d)水とを含む、発泡性組成物
であって、
前記植物胚芽粉末は、イナゴマメ胚芽粉末、コムギ胚芽粉末、トウモロコシ(maize)(コーン)胚芽粉末、コメ胚芽粉末、ライムギ胚芽粉末、オートムギ胚芽粉末、オオムギ胚芽粉末、ソルガム胚芽粉末、ヒヨコマメ胚芽粉末、キビ胚芽粉末、またはその混合物であり、
前記増粘剤は、キサンタンガム、ペクチン、ゲランガム、デキストラン、プルラン、またはその混合物である、
前記発泡性組成物。
【請求項2】
1.0~50wt%の、甘味料、着色剤、香味剤、風味増強剤、pH調整剤、酸性化剤、保存料、無機質、酸化防止剤、および天然有機酸からなる群より選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、請求項1に記載の発泡性組成物。
【請求項3】
前記天然繊維は可溶性繊維、不溶性繊維、またはその混合物である、請求項
1または2に記載の発泡性組成物。
【請求項4】
前記天然繊維は、食用の難消化性の可溶性もしくは不溶性炭水化物ポリマー、またはその混合物からなる群より選択される、請求項
3に記載の発泡性組成物。
【請求項5】
0.1~50wt%の食用植物の抽出物または食用植物の一部の抽出物をさらに含む、請求項
1~4のいずれか1項に記載の発泡性組成物。
【請求項6】
0.1~50wt%の食品抽出物をさらに含む、請求項
1~4のいずれか1項に記載の発泡性組成物。
【請求項7】
食用植物または食用植物の一部の前記抽出物は、野菜、果実、ハーブ、香辛料、種子、茶、ココア、およびコーヒーからなる群より選択される植物の抽出物である、請求項
1~5のいずれか1項に記載の発泡性組成物。
【請求項8】
請求項
1~7のいずれか1項に記載の発泡性組成物から得られる発泡体。
【請求項9】
請求項
1~7のいずれか1項に記載の発泡性組成物を生成するための方法であって、
a)前記植物胚芽粉末と、前記増粘剤と、前記天然繊維との水分散物を調製するステップと、
b)任意に、ステップa)の前記分散物を、食用植物もしくはその一部の前記抽出物または食品抽出物の水溶液に加え、前記組成物を混合するステップと、
c)任意に、ステップa)またはステップb)の前記分散物に追加原料を加えるステップと、
d)結果として得られた混合物を加熱するステップとを含む、方法。
【請求項10】
ステップa)は、
e)前記植物胚芽粉末を水中に分散させるステップ、
f)前記増粘剤を水中に分散させるステップ、
g)前記天然繊維を水中に分散させるステップ、
h)ステップe)~g)の前記分散物を混ぜ合わせ、結果として得られた前記組成物を混合するステップ、または
i)前記植物胚芽粉末と、前記増粘剤と、前記天然繊維とを水中に分散させるステップを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
食品製品に対する、請求項
1~7のいずれか1項に記載の発泡性組成物または請求項
8に記載の発泡体の使用。
【請求項12】
前記食品製品は、飲料、菓子、および固形食品からなる群より選択される、請求項
11に記載の使用。
【請求項13】
請求項
1~7のいずれか1項に記載の発泡性組成物または請求項
8に記載の発泡体を含む、食品製品。
【請求項14】
請求項
1~7のいずれか1項に記載の発泡性組成物と、10~30×10
5Paの圧力の加圧ガスとを含む、加圧容器。
【請求項15】
前記加圧ガスは、空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヘリウム、酸素、およびその混合物の中から選択される、請求項
14に記載の加圧容器。
【請求項16】
前記容器は、前記加圧ガスを導入することを可能にする弁と、発泡後の前記組成物を注ぐための開口部とを含む、請求項
14または15に記載の加圧容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性組成物と、前記発泡性組成物を生成するための方法と、発泡体と、前記発泡性組成物の使用と、前記発泡性組成物を含む食品製品とに関する。
【0002】
食品マトリックス中の安定化した気泡は発泡体を構築し、これはしばしば非常に望ましい特性とみなされる。こうした発泡食品製品は独特の食感を提供し、デザート、料理、または飲料に対するトッピング、アイシング、ムース、フィリング、またはグレイビーに一般的に用いられる。発泡食品製品の利益は、より柔らかく滑らかな食感、風味の送達の向上、およびレオロジーの変化に関係する。したがって、食品マトリックス内に気泡を閉じ込め得ること、および発泡体の安定性は、消費者を満足させる製品を提供するために重要である。一般的な発泡食品製品は、概してバブリング、泡立て、振とう、またはたとえばガス注入などのその他のガス取り込み方法によって形成される。
【0003】
しかし、発泡体を安定化するためにさらなる添加剤が必要である。発泡食品製品を安定化するために、一般的に界面活性剤が用いられてきた。特に、これらの製品は主に動物由来のタンパク質および/または脂肪に基づいて、大きいオーバーランを有する安定な泡状構造を達成するためにさまざまな増粘剤および乳化剤によって安定化される泡立て可能なエマルションを提供する。結果的に、それらの製品は、化学添加剤を含めた原料の数が増え、それに対する健康志向の消費者の懸念が増している。
【0004】
現在の公衆の関心は、加工食品の栄養上の態様、たとえばエネルギー密度、無脂肪およびコレステロールがないこと、ならびにアレルゲンとなり得るものが存在しないことなどに集中している。対応する伝統的調合物の品質を保持する健康的な栄養食品に対する消費者の要求によって、タンパク質、ポリエステル、食感改良剤、およびさまざまなその他のアプローチに基づいて多数の脂肪代替物となり得るものの開発がもたらされ、それらは今日の市場において、より健康的なライフスタイルを送ろうとしてより少ない添加剤を含む製品をも求める消費者に受け入れられなくなっている。
【0005】
特許文献1は、タンパク質と、油と、シクロデキストリンとを含む気泡含有食品組成物に関する。この組成物は、顕著な量の油を含む。
【0006】
特許文献2は、ジュース製品の上に発泡体の層を生成する発泡ジュース組成物を記載している。前記組成物はジュース製品と、食品グレード添加剤とを含有する。
【0007】
特許文献3は、果実ピューレと、水と、砂糖と、ペクチンと、食感改良剤と、乳化剤とを含む果実風味のクリームを開示している。しかし、達成されたオーバーランは150%以下である。
【0008】
特許文献4は発泡食品組成物に関する。しかし、前記発泡食品組成物は修飾デンプンと、少なくとも1つのスクロースエステルと、キサンタンガムとを含む安定化混合物を含有するため、消費者の要求に適合しない。
【0009】
特許文献5は脂肪と、タンパク質と、増粘剤とを含有する食物発泡体製品を調製するためのプロセスを開示している。ここでも、前記組成物は脂肪を含有し、これは消費者の要求に適合しない。
【0010】
特許文献6は、脂肪と、繊維と、タンパク質と、乳化剤と、甘味料と、安定剤とを含有する泡立て可能な食品製品を開示している。
【0011】
特許文献7は、グアーとともに処理された微結晶性セルロースと、カルボキシメチルセルロースとともに処理された微結晶性セルロースとを含有する、泡立てたトッピングのための安定剤組成物を開示している。
【0012】
特許文献8は、気泡含有可能な果実ベースと、ロカストビーン粉末(ガム)の親水コロイドの組み合わせと、好ましくは35~38%のエステル化度を有するペクチンと、カラギーナンと、乳化剤とを含む低カロリー気泡含有食品に関する。この製品はさらに、70~150%のオーバーランを有する。この概念は、化学乳化剤およびカラギーナンを含むいくつかの添加剤の使用を意味し、これらはすべて顧客の受容度を低下させる。さらに、カラギーナンは酸性条件において熱安定性が乏しいため、適用分野が限定される。加えて、この食品製品の調製には均質化ステップが必要である。
【0013】
特許文献9は、天然繊維と、果実または野菜粉末とから選択されるさまざまな構成要素を含む粉末を開示している。特許文献10は、特定的にオートムギ繊維と、酵母粉末とを含む(comrpising)類似の粉末組成物を開示している。特許文献11は、イタリアンドレッシングを開示している。特許文献12は、胚芽粉末も増粘剤も含有しない食品製品を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】欧州特許出願公開第1738650号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0251879号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2710501号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2985885号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0274348号明細書
【文献】国際公開第2011/044557号
【文献】米国特許第5789004号明細書
【文献】米国特許第5000974号明細書
【文献】中国特許出願公開第108378296号明細書
【文献】中国特許出願公開第109123414号明細書
【文献】国際公開第03/0132275号
【文献】米国特許出願公開第2010/173046号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
今日公知であるすべての気泡含有食品製品は添加剤を含んでおり、これは植物由来の食品製品を希望する消費者に適合しない。加えて、健康的な食事に鑑みて、消費者はアレルゲンを含まない美味な代替品を探し求めるようになっており、それは無脂肪であり、低エネルギー含有量の繊維源であり、かつより少ない添加剤を含有するものである。
【0016】
したがって本発明の目的は、低脂肪含有量、低エネルギー含有量、高オーバーランを有し、かつ繊維の供給源を提供でき、かつ望ましい官能特性を有する安定な発泡体を形成できる組成物を提供することである。
【0017】
前記目的は、組成物の総重量に基づいて0.05~10wt%の植物胚芽粉末と、0.1~15wt%の増粘剤と、0.1~35wt%の天然繊維と、水とを含む発泡性組成物によって解決される。したがって、本発明の組成物は通常は水性組成物である。
【0018】
驚くべきことに、本発明による発泡性組成物は低い脂肪およびエネルギー含有量、高オーバーランを有し、安定な発泡体を形成する。加えて、この発泡性組成物は低エネルギーの繊維源である。
【0019】
前記目的は、前記発泡性組成物から得ることができる発泡体と、前記発泡性組成物を生成する方法と、食品製品における前記発泡性組成物の使用と、前記発泡性組成物を含む食品製品とによってさらに解決される。
【0020】
好ましい実施形態は、従属請求項2~9および13に記載されている。
【0021】
上記または下記の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、発泡性組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1~50wt%の食品抽出物または食用植物もしくは食用植物の一部の抽出物をさらに含み、食用植物は野菜、果実、ハーブ、香辛料、種子、茶、ココア、およびコーヒーからなる群より選択される。好ましくは、発泡性組成物は、組成物の総重量に基づいて0.1~50wt%の食用植物または食用植物の一部の抽出物を含む。上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わされたより好ましい実施形態において、食用植物はハーブ、野菜、または果実であり、より好ましくはハーブまたは果実である。
【0022】
植物抽出物は、ジュース、ピューレ、濃縮物、浸出物、粉末、および発酵物(fermantat)/醸造物から選択され得る。
【0023】
本発明によると、「植物抽出物」という用語は、圧搾によって、またはたとえばマセレーションもしくは浸透などによる溶剤による抽出によって、食用植物または食用植物の一部から得られるすべての生成物に対して代表的に用いられる。
【0024】
抽出に好適な溶剤は、水、アルコール、たとえばメタノール、エタノール、もしくはイソプロピルアルコールなど、または塩素付加溶剤、たとえばジクロロメタンなど、およびアセトン、アセチルアセトン、酢酸エチル、アンモニア、氷酢酸、加えて超臨界二酸化炭素である。言及した溶剤の混合物も使用され得る。上記または下記に挙げられた実施形態のいずれか1つと組み合わされた好ましい実施形態においては、水か、または水とメタノールもしくはエタノールとの混合物が用いられる。
【0025】
抽出は通常、25℃から、適用可能なときには使用される溶剤の沸点の高さまでの温度で行われる。
【0026】
抽出は通常、2~8時間行われる。好ましくは、抽出は3~6時間、より好ましくは4~5時間行われる。
【0027】
可能な最高収率を達成するために、植物材料は数回抽出され得る。好ましくは、抽出は2~6回、より好ましくは3回繰り返される。この場合に、さまざまな抽出ステップにおいて異なる溶剤を用いることも可能である。
【0028】
マセレーション手順は通常、5~9日間、好ましくは7日間にわたって、室温にて水とエタノールとの混合物で、その溶剤混合物を植物要素の上に注ぎ、これを言及した期間置くことによって行われる。
【0029】
本発明によると、植物部分の浸透は通常、その部分を95~100℃の水で、その水を果実または植物の部分に通すことによって4~5時間処理することによって達成される。
【0030】
たとえばマセレーションまたは浸透などの溶剤による抽出から得られた粗生成物は、使用前に濃縮および/または乾燥および/またはさらに処理されることも可能である。さらなる処理は、たとえば抽出物から懸濁材料を除去するためのたとえば遠心分離、ろ過、およびデカンテーションなどの当業者に公知の洗浄ステップなどを含み得る。たとえばカラムクロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ、もしくはHPLCなどのクロマトグラフィ、または蒸留も精製のために用いられてもよい。好ましい実施形態において、粗生成物はさらなる精製ステップなしに用いられる。
【0031】
この方法で得られた抽出物は、その後さらに処理されて乾燥抽出物にされ得る。乾燥抽出物を生成するために、たとえば噴霧乾燥、凍結乾燥、または真空乾燥などによって、液体原料抽出物、濃縮抽出物、または洗浄済み抽出物から溶剤が除去され得る。
【0032】
本発明によって用いられる植物抽出物は、植物ジュースも含んでもよい。「ジュース」という用語は、圧搾、加圧、または粉砕によって植物またはその部分の1つから得ることのできる天然流体、流体内容物、または液体部分に対して代表的に用いられる。
【0033】
本発明によって用いられる植物抽出物は、植物濃縮物も含んでもよい。「濃縮物」という用語は、新鮮な植物またはそれぞれのジュースから水を除去することによって植物から得られるすべての生成物に対して代表的に用いられる。たとえば粉末などの乾燥植物生成物も、「濃縮物」という用語に含まれる。
【0034】
上記または下記の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、発泡性組成物は、食用植物または食用植物の一部の抽出物をさらに含む。
【0035】
上記または下記の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、食用植物または食用植物の一部の抽出物は、野菜、果実、ハーブ、香辛料、種子、茶、ココア、およびコーヒー、より好ましくは野菜、果実、ハーブ、茶、およびコーヒーからなる群より選択される植物の抽出物である。
【0036】
上記または下記の実施形態のいずれかによるさらに好ましい実施形態において、抽出物は果実抽出物であり、果実は、液果、たとえばアサイベリーブラックベリー、ブラックカラント、ブルーベリー、ボイセンベリー、クランベリー、エルダーベリー、ブドウ、グースベリー、キウイ、ラズベリー、レッドカラント、またはイチゴなど;柑橘類(citruse)果実、たとえばブラッドオレンジ、ダイダイ、シトロン、クレメンタイン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、キンカン、レモン、ライム、マンダリン、またはオレンジなど;核果、たとえばアセロラ、アプリコット、サクランボ、ココナッツ、コーヒー、ナツメヤシ、ライチ、マンゴー、ミラベル、ネクタリン、オリーブ、モモ、またはプラムなど;メロン類、たとえばカナリアメロン、カンタロープメロン、ハネデューメロン、またはスイカなど;ナシ状果、たとえばリンゴ、西洋ナシ、マルメロ、またはチョークベリーなど;多肉植物の果実、たとえばドラゴンフルーツまたはウチワサボテンの果実;トロピカルフルーツおよび熱帯様の果実、たとえばバナナ、カカオ、チェリモヤ、カシューアップル、イチジク、グァバ、ジャックフルーツ、パパイヤ、パッションフルーツ、カキ、パイナップル、ザクロ、紫マンゴスチン、スターフルーツ、タマリンド、またはバニラなど;食用の果実様の構造を有する植物、たとえばルバーブなど;ならびにナッツおよびナッツ様の果実および種子、たとえばクリ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、カシュー、ココナッツ、ピーカンナッツ、ピスタチオ、クルミ、松の実、マカダミア、トンカ豆、またはピーナッツなどより選択される。好ましくは、果実は、たとえばラズベリー、イチゴ、ブラックカラント、またはブルーベリーなどの液果、たとえばアプリコット、サクランボ、ココナッツ、コーヒー、ライチ、マンゴー、ミラベル、ネクタリン、オリーブ、モモ、またはプラムなどの核果、たとえばリンゴ、西洋ナシ、またはマルメロなどのナシ状果、たとえばパッションフルーツ、パイナップル、バナナ、カカオ、パッションフルーツ、ザクロ、またはバニラなどのトロピカルフルーツ、たとえばオレンジ、ダイダイ、シトロン、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ、レモン、ライム、またはマンダリンなどの柑橘類(citruse)果実、たとえばルバーブ、ナッツ、またはナッツ様の果実などの食用の果実様の構造を有する植物、およびたとえばクリ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ココナッツ、ピーカンナッツ、ピスタチオ、またはピーナッツなどの種子より選択される。
【0037】
上記または下記の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、抽出物は野菜の食用部分、たとえば球根、花、菌類、葉、根、種子、茎、または塊茎などの抽出物であり、野菜はたとえばアマランス、アーティチョーク、アスパラガス、アボカド、アズキ、ビートグリーン、ビートルート、ピーマン/トウガラシ、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セルリアック、セロリ、チリペッパー、ズッキーニ、キュウリ、ナス、フェンネル、ニンニク、ショウガ、コールラビ、リーキ、レタス、甘草、メロン、マッシュルーム、オクラ、タマネギ、パースニップ、エンドウ、ジャガイモ、プハ、カボチャ、ラディッシュ、ルバーブ、サラダ用葉野菜、シャロット、ホウレンソウ、ネギ、発芽豆および種子、スイートコーン、タロイモ、トマト、キクイモ、カブ、クレソン、キクニガナ/チコリ、またはヤムイモなどであるが、それらに限定されない。好ましくは、野菜はアーティチョーク、アスパラガス、アボカド、ビートグリーン、ビートルート、ピーマン/トウガラシ、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セルリアック、セロリ、チリペッパー、ズッキーニ、キュウリ、ナス、フェンネル、ニンニク、ショウガ、コールラビ、リーキ、メロン、マッシュルーム、タマネギ、パースニップ、エンドウ、ジャガイモ、カボチャ、ラディッシュ、ルバーブ、シャロット、ホウレンソウ、ネギ、スイートコーン、トマト、カブより選択される。
【0038】
上記または下記の実施形態のいずれかによる別の好ましい実施形態において、ハーブは、バジル、ルリジサ、セロリ、チャービル、チャイブ、コリアンダー、カレー、ディル、フェヌグリーク、ニンニク、ハイビスカス、ローレル、ラベンダー、レモングラス、ラベッジ、マジョラム、ペパーミント、スペアミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、サボリー、タラゴン、およびタイムからなる群より選択される。好ましいハーブは、バジル、ルリジサ、セロリ、チャービル、チャイブ、コリアンダー、カレー、ディル、フェヌグリーク、ニンニク、ハイビスカス、コブミカン、ローレル、ラベンダー、レモングラス、ラベッジ、マジョラム、ペパーミント、スペアミント、オレガノ、パセリ、ローズマリー、セージ、サボリー、タラゴン、およびタイム、またはその混合物、たとえばエルブドプロバンスなどである。
【0039】
本発明によると、「ハーブ」という用語は緑の葉の部分と、たとえばラベンダーの花などの花とを包含する。
【0040】
上記または下記の実施形態のいずれかによる別の好ましい実施形態において、好適な香辛料は、アニシード、カルダモン、セロリ、チリ、シナモン、桂皮、クローブ、コリアンダー、クミン、ディル、フェンネル、フェヌグリーク、ガランガル、ニンニク、ショウガ、グレインオブパラダイス、西洋ワサビ、ジュニパーベリー、メース/ナツメグ、マスタード、ニゲラ、タマネギ、パプリカ、ペッパー(グリーン、ブラック、ホワイト、レッド)、ピンクペッパー、花椒、ピメント、ケシの実、サフラン、ゴマ、スターアニス、ウルシ、トンカ豆、ターメリック、バニラの鞘、およびワサビからなる群より選択される。好ましくは、香辛料はアニシード、カルダモン、セロリ、チリ、シナモン、クローブ、コリアンダー、クミン、ディル、フェンネル、フェヌグリーク、ガランガル、ニンニク、ショウガ、西洋ワサビ、ジュニパーベリー、メース/ナツメグ、マスタード、タマネギ、パプリカ、ペッパー、ピメント、サフラン、スターアニス、ウルシ、ターメリック、バニラの鞘、およびワサビより選択される。
【0041】
本発明によると、「香辛料」という用語は、主に食品の調味、着色、または保存のために用いられる種子、果実、根、茎、皮、花、またはその一部を包含する。
【0042】
上記または下記の実施形態のいずれかによるさらに好ましい実施形態において、食用植物または食用植物の一部の抽出物は、1つ以上の上述の植物抽出物の混合物である。
【0043】
上記または下記の実施形態のいずれかによるさらに好ましい実施形態において、発泡性組成物は、食品抽出物をさらに含む。
【0044】
上記または下記の実施形態のいずれかによる別の好ましい実施形態において、食品抽出物は酪農製品であり、主にたとえば畜牛、水牛、ヤギ、ヒツジ、ラクダ、またはその混合などの哺乳動物から産生される。好適な酪農製品は、乳製品、クリーム製品、バター製品、発酵酪農製品、カスタード製品、チーズ製品、および乳清製品である。好ましくは、酪農製品はスプレッダブルチーズ製品、プロセスチーズ製品、チーズ粉末、クリーム濃縮物、加糖乳濃縮物、コンデンスミルク、クリームチーズ、ヨーグルト、またはバターより選択される。
【0045】
上記または下記の実施形態のいずれかによるさらに好ましい実施形態において、食品抽出物は調味料またはソースであり、それはたとえばアイオリ、アイバル、チャツネ(chatni)、チャツネ(chutney)、グリーンソース、ワカモレ、HPソース、フムス、ケチャップ、マーマイト、ペスト、タヒニ、タプナード、ガラムマサラ、タンドリーマサラ、またはラスエルハヌート(Raz el-Hanout)などである。
【0046】
上記または下記の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、食品抽出物および食用植物またはその一部の抽出物は、発泡性組成物中に組成物の総重量に基づいて0.1~45wt%の量、より好ましくは1.0~40wt%の量、最も好ましくは組成物の総重量に基づいて1.1~35wt%存在する。
【0047】
上記または下記の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、発泡性組成物はさらに、組成物の総重量に基づいて1.0~50wt%の少なくとも1つの追加原料を含み、この追加原料は、糖および糖シロップを含む甘味料、(たとえばカラメルシロップ、黒ニンジン、パプリカ、ターメリック、サフラン、スピルリナ、ブドウ色素抽出物などを含む)液体、粉末、ゲル、固体、またはペーストを含む着色剤、味覚調整剤を含む液体、粉末、ゲル、固体、またはペーストを含む香味剤、pH調整剤、酸性化剤、保存料、塩を含む無機質、酸化防止剤、および天然有機酸より選択される。好ましくは、追加原料はさらに、良好な栄養生理学的効果または健康への影響を有する物質または溶液より選択される。より好ましくは、本発明の発泡性組成物は2~50wt%の追加原料を含み、特に好ましくは、発泡性組成物は組成物の総重量に基づいて4~40wt%の甘味料を含む。
【0048】
上記または下記の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、甘味料は、天然炭水化物、天然の糖代替品、人工の糖、またはその混合物からなる群より選択される。
【0049】
好適な天然炭水化物は、精製された単糖および二糖、たとえばアルロース、フルクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、サッカロース、タガトース、加水分解サッカロース濃縮物、転化糖シロップ、グルコースシロップ、マルトデキストリン、またはコーンシロップ固体などを含む。本明細書において用いられる好適な天然の糖代替品は、炭水化物を含有する天然シロップ、たとえばハチミツなど、加工果実ジュースまたは果実ジュース濃縮物由来のシロップ(例、Fruit-up(登録商標)、リンゴジュース濃縮物、ブドウジュース濃縮物)、および野菜由来のシロップ、たとえば甘蔗糖、テンサイ糖、サトウキビジュース、テンサイジュース、またはアガベネクターなど、樹木シロップ、たとえばメープルシロップなど、ゴールデンシロップ、カラメルシュガーシロップ、糖アルコール、たとえばアラビトール、エリトリトール、グリセロール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、またはキシリトールなどを含む。好適な人工甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、チクロ、モグロシド、サッカリン、ステビア抽出物、ステビオシド、レバウジオシド、およびスクラロースを含む。
【0050】
上述または後述の実施形態のいずれかによる好ましい実施形態において、炭水化物は無色であるか、またはわずかしか色がなく、それ自体は味を有さない。
【0051】
上述または後述の実施形態のいずれかによる特に好ましい実施形態において、本発明の発泡性組成物は、組成物の総重量に基づいて2~30wt%の炭水化物と、0.1~2.0wt%の着色剤と、0.1~3wt%の香味剤と、0.1~1wt%のpH調整剤とを含む。
【0052】
本発明によると、「良好な栄養生理学的効果または健康への影響を有する物質または溶液」という用語は、良好な栄養生理学的効果または健康への影響を有する物質または1つ以上の物質を有する溶液を意味するものと理解される。良好な栄養生理学的効果または健康への影響を有する構成要素は、たとえばビタミン、無機質、食物繊維、ブドウ種子抽出物、果実抽出物、オリーブ抽出物、二次的ファイトニュートリエント、たとえばポリフェノールなど、オメガ3脂肪酸、フィトステロール、トコフェロール、イソフラボン、カロテノイド、血糖調節分子、糖アルコール、プロバイオティクス効果を有するスターター培養物、たとえば乳酸菌およびビフィズス菌など、たとえばラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ラクチス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・ラムノサス(Bifidobacterium rhamnosus)、ビフィドバクテリウム・ブレベ(Bifidobacterium breve)、またはこれらの混合物などである。
【0053】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態において、植物胚芽粉末は、イナゴマメ胚芽粉末、コムギ胚芽粉末、トウモロコシ(maize)(コーン)胚芽粉末、コメ胚芽粉末、ライムギ胚芽粉末、オートムギ胚芽粉末、オオムギ胚芽粉末、ソルガム胚芽粉末、ヒヨコマメ胚芽粉末、キビ胚芽粉末、またはその混合物である。より好ましくは、植物胚芽粉末は、イナゴマメ胚芽粉末またはコムギ胚芽粉末である。好ましくは、植物胚芽粉末は糖を含有しない。
【0054】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、植物胚芽粉末は、組成物の総重量に基づいて0.05~10wt%、より好ましくは0.5~5wt%、特に好ましくは0.7~4wt%の量で存在する。特に、植物胚芽粉末はイナゴマメ胚芽粉末であり、かつ組成物の総重量に基づいて0.8~3wt%の量で存在するか、または植物胚芽粉末はコムギ胚芽粉末であり、かつ組成物の総重量に基づいて1.0~3.5wt%の量で存在する。
【0055】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態において、増粘剤は多糖である。より好ましくは、増粘剤はキサンタンガム、ペクチン、ゲランガム、デキストラン、プルラン、またはその混合物である。特に好ましくは、増粘剤はペクチンとキサンタンガムとの混合物であり、特にペクチンは高メトキシル(high methoxyl)(HM-)ペクチンである。HM-ペクチンは、50%より高いエステル化度を有する。
【0056】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、増粘剤は高メトキシルペクチンと、さらなる増粘剤との重量比1000:1~5:1、より好ましくは70:1~7:1、特に50:1~10:1の混合物である。より好ましくは、さらなる増粘剤はキサンタンガム、ゲランガム、デキストラン、またはプルランより選択される。
【0057】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態において、増粘剤は、組成物の総重量に基づいて0.1~15wt%、より好ましくは0.5~10wt%、特に好ましくは0.7~5wt%の量で存在する。特に、増粘剤はペクチンとキサンタンガムとの混合物であり、ここでペクチンは組成物の総重量に基づいて0.3~2wt%の量で存在し、キサンタンガムは組成物の総重量に基づいて0.01~1wt%の量で存在する。
【0058】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態において、天然繊維は、食用の難消化性の可溶性もしくは不溶性炭水化物ポリマーまたはその混合物である。天然繊維は、植物供給源から選択されるか、または微生物によって産生され、それはたとえばレジスタントスターチ(RS:resistant starch)、または高モル重量もしくは低モル重量非デンプン多糖(プレバイオティクス)を有する非デンプン多糖(NSP:non-starch polysaccharide)などである。上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態において、天然繊維は高モル重量を有する非デンプン多糖であり、それは柑橘類繊維、リンゴ繊維、マメ繊維、ジャガイモ繊維、コムギ繊維、ペクチン、ベータ-グルカン(オオムギ、オートムギ、ライムギより、酵母/カビの発酵によって得られる)、オオバコ種子殻を加工した繊維、およびその混合物より選択される。上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、天然繊維は低モル重量非デンプン多糖であり、それは難消化性オリゴ糖(FOS/GOS)、イヌリン(チコリ、コムギより得られる)、難消化性マルトデキストリン/デキストリン(Fibersol(登録商標))、およびポリデキスロース(polydexrose)、ならびにその混合物より選択される。
【0059】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、繊維は、組成物の総重量に基づいて0.1~35wt%、より好ましくは0.5~20wt%、特に好ましくは0.6~15wt%の量で存在する。特に、繊維は可溶性繊維と不溶性繊維との混合物であり、ここで可溶性繊維は組成物の総重量に基づいて0.1~10wt%の量で存在し、不溶性繊維は組成物の総重量に基づいて0.1~8wt%の量で存在する。
【0060】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態において、可溶性繊維対増粘剤の重量比は1:10~35:1、より好ましくは1:5~10:1である。
【0061】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態において、組成物の原料由来の脂肪の量は、組成物の総重量に基づいて0.01~0.5wt%である。
【0062】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、組成物の原料由来のタンパク質の量は、組成物の総重量に基づいて0.1~1wt%である。
【0063】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態において、組成物の原料由来の炭水化物の量は、組成物の総重量に基づいて30wt%未満、より好ましくは20wt%未満、特に好ましくは12wt%未満である。
【0064】
本発明はさらに、本発明の発泡性組成物を調製するための方法を提供する。上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態において、この方法は、
a)植物胚芽粉末と、増粘剤と、天然繊維とを水中に分散させるステップと、
b)任意に、ステップa)の分散物を、食用植物もしくはその一部の抽出物または食品抽出物の水溶液に加え、その組成物を混合するステップと、
c)任意に、ステップa)またはステップb)の分散物に追加原料を加えるステップと、
d)結果として得られた混合物を加熱するステップとを含む。
【0065】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた代替的な好ましい実施形態において、この方法は、
e)植物胚芽粉末を水中に分散させるステップと、
f)増粘剤を水中に分散させるステップと、
g)天然繊維を水中に分散させるステップと、
h)ステップe)~g)の分散物を混ぜ合わせ、結果として得られた組成物を混合するステップと、
i)任意に、ステップh)の組成物を、食用植物もしくはその一部の抽出物または食品抽出物の水溶液に加え、その組成物を混合するステップと、
j)任意に、ステップh)またはステップi)の組成物に追加原料を加えるステップと、
k)結果として得られた混合物を加熱するステップとを含む。
【0066】
上記プロセスにおいて、混合機器は、当業者に公知の食品原料を混合するために好適な任意の一般的に利用可能な機械デバイスであってもよい。
【0067】
特定の調合物および利用可能な機器によって、上記のステップa)~d)またはe)~k)は、示されるものとは異なる順序で実行されてもよいが、上記の順序に従うことが好ましい。
【0068】
本発明による発泡性組成物の重要な特徴は、高酸組成物および低酸組成物に対する「周囲温度での貯蔵性」である。よって、官能品質および所望の発泡体性能に有害な影響を与えずに保存期間にわたる製品の経時的な安全性および微生物学的安定性を確実にするために、腐敗性微生物であり得るものを排除するための適切な熱処理が必要とされる。これに関しては、製品の商業的無菌性を提供するために、短い保持時間による高温プロセスが導入されるだろう。
【0069】
温度および時間は、以下の表に与えられた特定の温度と時間との組み合わせの中で、pH、水分活性、および特定の製品調合物に基づく所与の製品特徴に従って調整されてもよい。
【0070】
【0071】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた上記方法の好ましい実施形態において、必要とされる微生物学的無菌性を得るために、結果として得られる混合物は、高酸発泡性組成物については80℃~105℃の範囲、より好ましくは85℃~98℃の範囲の温度に加熱され、低酸発泡性組成物については120℃~150℃の範囲、より好ましくは125℃~140℃の範囲の温度に加熱される。
【0072】
上記のプロセスは任意の均質化ステップを必要としないため、投資、運用、および維持に必要なコストを顕著に低減させることは注目に値する。
【0073】
発泡性組成物の貯蔵のために、混合物は最高無菌充填温度以下に冷却される。好ましくは、無菌充填温度は40℃未満、より好ましくは15℃未満である。
【0074】
本発明はさらに、本発明の発泡性組成物を使用することによって発泡体を調製するための方法を提供し、この方法は以下のステップを含む。
a)弁を通じて密閉された容器内の発泡性組成物の2.5~3.5wt%の予め定められた量の加圧ガスを注入するステップ、
b)前記ガス注入された発泡性組成物を撹拌するステップ、
c)任意に、ガス注入された混合物とヘッドスペース体積との分圧平衡を部分的に得るために待つステップ、および
d)350%より大きいオーバーランを有する発泡食品製品を得るために、レバーを穏やかに始動させることによって、ヘッドダウン位置の容器の弁を通じて前記加圧された低温組成物を注ぐステップ。
【0075】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態において、ステップa)のガス注入された混合物は、ガス注入された混合物とヘッドスペース体積との分圧平衡が得られるまで撹拌される。
【0076】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、ステップg)の加圧ガスの圧力は10~20×105Pa、より好ましくは14~18×105Paである。
【0077】
本発明はさらに発泡体に関する。上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態において、発泡体は9~22vol%の水性連続相と、78~91vol%の気相とを含む。発泡体のオーバーランは、好ましくは3.5~10、すなわち350~1000%である。
【0078】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、気相は空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヘリウム、酸素、およびその混合物より選択されるガスである。より好ましくは、ガスは窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素、およびその混合物より選択される。
【0079】
したがって、本発明は、請求項1~10のいずれか1項に記載の発泡性組成物と、10~30×105Paの圧力の加圧ガスとを含む加圧(aressurized)容器も提供する。
【0080】
好ましくは、加圧ガスは、空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、ヘリウム、酸素、およびその混合物の中から選択される。
【0081】
こうした加圧容器は、加圧ガスを導入することを可能にする弁と、発泡後の組成物を注ぐための開口部とを含んでもよい。
【0082】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた別の好ましい実施形態において、発泡体は4kJ/ml未満、より好ましくは2kJ/ml未満、特に好ましくは0.8kJ/ml未満のカロリー密度を有する。
【0083】
本発明の発泡体は、350~1000%のオーバーランを有し、かつ20~80℃の温度での貯蔵中に少なくとも30分間安定である。
【0084】
こうした調合物によって作製される発泡体は向上したオーバーランを有し、たとえ酸性または高温の食品に適用されても驚くほど安定かつ多用途である。
【0085】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせたさらに好ましい実施形態において、本発明の発泡性組成物は、たとえば分注デバイスを伴うエアロゾル缶などの即時使用できる加圧無菌容器に入れられ得る。代替的には、本発明の発泡性組成物は非加圧無菌パッケージに入れられてもよく、発泡性組成物は使用時点で制御された量のガスによる加圧に適した容器に入れられる。
【0086】
ディスペンサーの弁がゆっくりと押されるとき、混合物は内部の高圧によってオリフィスから排出される。圧力の変化によって、溶解ガスのいくらかが泡に戻り、組成物を効果的に膨らませて、柔軟な比較的安定な薄膜に囲まれた小さい泡を生成する。体積の拡張は、発泡性組成物の重要な特徴と考えられており、通常は「オーバーラン」として定義される。
【0087】
オーバーランは、発泡性組成物に添加されたガスの体積を示し、これは組成物の発泡能力を定量化するものである。オーバーランは、以下の等式:(100mlの発泡性組成物の重量 - 100mlの発泡後組成物の重量)×100/(100mlの発泡後組成物の重量)に従って測定される。代替的に、体積に基づく以下の等式:オーバーラン=100%×(V発泡後組成物 - V発泡性組成物)/V発泡性組成物も使用され得る。オーバーランはパーセンテージ値としても報告される。
【0088】
開示される本発明の組成物および使用では、それらは少なくとも350%のオーバーランを有する。
【0089】
これに関して、本発明によって得られる発泡体は、粘度回復の挙動を示す。これは、分注プロセスの際に発泡後組成物が非常に良好な流動特性を示すために、分注が問題なく進行できることを意味する。しかし、一旦注がれると、発泡体の粘度は再び増加して、特に分注後の発泡体の形状が所望の期間保持され得るレベルになる。したがって、本明細書に記載されるとおり、発泡体は安定である。
【0090】
しかし実際には、発泡能力が重要となるのは、妥当な時間内に発泡製品の調製、提供、およびテイスティングを行うことを可能にする発泡体の安定性も与えられたときだけである。
【0091】
発泡体安定性は、発泡能力に影響を与えるもの以外の発泡性組成物の固有特性に影響される。したがって、発泡体安定性も定められるべき重要な性能指標である。発泡体安定性は、周囲温度におけるカップ中の発泡体の高さの経時的な相対的変化として測定された。
【0092】
特定の実施形態において、発泡体は60分後に自身の高さの少なくとも約80%を維持する。さらに好ましい実施形態において、発泡体は60分後に自身の高さの少なくとも約90%を維持する。特定の実施形態において、発泡体は50℃を超える提供温度の食品上で、30分後に自身の高さの少なくとも約60%を維持する。
【0093】
加えて、発泡性組成物を評価するために関心を持たれるのは、経時的に構築されるシネレシスである。シネレシスは、安定性テストの最後にカップの底に集められた液体の重量として測定された。液体をマイクロピペットでピペッティングし、集められた体積を精密天秤で重量測定した。シネレシスはg単位で測定される。
【0094】
最後に、任意の食品製品に関する知覚(sensoric)は重要であり、5(非常に良い)から1(受容できない)までの範囲のスコアを用いてその評価を行った。官能(sensoric)評価は全体的なものであり、発泡性製品の安定性、口当たり、味、および色を含む。
【0095】
上記または下記の実施形態のいずれかと組み合わせた好ましい実施形態において、甘いか、スパイシーか、または塩辛い発泡体は、それ自体が料理であるか、トッピング、フィリング、装飾、香味料/調味料であるか、あるいは前菜、主菜、スープ、メインコース料理、付け合わせ、チーズ、デザート、パン、菓子、または発泡体が望ましい任意のその他の食品もしくは飲料の原料である。
【0096】
本発明によると、飲料は、低温、周囲温度、または高温で提供される、炭酸および非炭酸飲料、水および風味付けした水、果実および野菜のジュース、スポーツドリンク、栄養ドリンク、茶、コーヒー、ココア、乳を含有する飲料、果実乳飲料、ドリンクヨーグルト、乳酸菌飲料、アルコール飲料(アルコールを含有する飲料)、たとえばビール、ビリビリ(bilibili)、ボザ、シードル、ジンジャーエール、クワス、ポワール、ワイン、果実ワイン、スパークリングワイン、たとえばシャンパン、強化ワイン(例、ポート、マデイラ、マルサーラ、シェリー、ベルモット、ビンサント)など、ミード、日本酒、蒸留アルコール飲料、たとえばアブサン、アクアビット、アラック、ウゾ、パスティス、ラク、サンブーカ、ブランデー(例、アルマニャック、コニャック、メタクサ、シンガニ)、カルバドス、エバークリア、ギネブラ、グラッパ、ジュネバ、ラム、焼酎、ソジュ、スピリット、テキーラ、ウォッカ、ウイスキー(whisky)、ウイスキー(whiskey)、およびリキュール(例、果実リキュール、コーヒーリキュール、クリームリキュール、ハーブリキュール、ウイスキーリキュール、カカオリキュール)などを包含することを意味する。
【0097】
本発明の文脈において、固形食品は、滑らかな粘稠度の乳製品、たとえば全種類のチーズ、デザート、アイスクリーム、およびヨーグルトなど、ならびにその他の製品、たとえば調味料、ソース、ゼリー、フィリングを有するかまたは有さないパン製品、シリアル、または加工肉製品などを含む。
【0098】
驚くべきことに、本発明はビーガン、非アレルゲン、低脂肪もしくは無脂肪、低エネルギーの、繊維含有食品製品を提供する。
【実施例】
【0099】
以下の限定的でない実施例は、本発明をさらに説明するものである。
【0100】
[実施例1]
デザート用のラズベリー発泡体
1wt%のイナゴマメ胚芽粉末と、1.20wt%のペクチンと、0.05wt%のキサンタンガムと、0.6wt%の柑橘類繊維とを15wt%の糖と予め混合し、最大80℃の温度にて57wt%の温水および0.3wt%の50wt%クエン酸水溶液に分散させる。
【0101】
別個に、8wt%の水と、5.0wt%のラズベリー果実ジュース濃縮物と、3.2wt%のスクロースシロップとの水溶液を調製し、そこに分散物を加える。
【0102】
混合物を、空気の取り込みを排除するように設計されたタンク内で適切な回転で5分間撹拌し、その後8.2wt%の水、0.25wt%の着色剤、0.20wt%の香味剤を加える。
【0103】
結果として得られた混合物をプレート熱交換器内で93℃に加熱し、この温度で1分間維持し、15℃に急速冷却し、撹拌下で16バールにて3.0wt%の滅菌亜酸化窒素ガスとともに予め滅菌したエアロゾル缶に無菌的に充填する。
【0104】
エアロゾル缶は、室温にて最大2年間常温保存可能である。
【0105】
このラズベリー発泡性組成物は、好適な無脂肪(脂肪0.1wt%未満)のビーガン繊維源であり、100kcal当り1.5gを超える繊維を有し、かつ0.7wt%未満のタンパク質を含有する。
【0106】
この発泡体は626%のオーバーランと、室温にて60分後に95%の安定性とを有し、0.8kJ/ml未満を含有する。したがって、この発泡体はビーガン食に好適な低エネルギー無脂肪の繊維源である。
【0107】
分注弁を洗浄後、エアロゾルを保存期間の終わりまで再び貯蔵できる。
【0108】
[実施例2]
高温の紅茶用のモモ発泡体
室温下で高剪断ターボミキサーによって、1.4wt%のコムギ胚芽粉末と、0.7wt%のペクチンと、0.01wt%のキサンタンガムと、0.01wt%のゲランガムと、6.0wt%のトウモロコシデキストリン(Fibersol-2(登録商標))と、1.0wt%の柑橘類繊維とを、0.15wt%の50wt%クエン酸水溶液で酸性化した40wt%の熱水に分散させる。
【0109】
撹拌器および二重ジャケットを有するより大きなタンクにスラリーを移し、9.0wt%のスクロースを穏やかに撹拌しながら完全に溶解するまで10分間混合する。その後、30wt%のシングルストレングスのモモジュースを加えた後に、0.30wt%の着色剤と、1.20wt%の香味剤と、10.23wt%の水とを加え、加熱前に混合物を確実に均質(homogenuous)にするために撹拌器を数分間継続する。結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器によって94℃に加熱し、この温度で50秒間維持し、20℃に急速冷却し、無菌厚紙パックに無菌的に充填する。
【0110】
厚紙パックは室温にて最大2年間常温保存可能であるため、効率的な流通経路を使用できる。
【0111】
このモモ発泡性組成物は、好適な無脂肪(脂肪0.2wt%未満)のビーガン繊維源であり、100g当り6gを超える繊維を有し、かつ0.7wt%未満のタンパク質を含有する。
【0112】
発泡後組成物の使用より少し前に、厚紙パックを温度が10℃未満になるまで十分な時間冷蔵する。
【0113】
このモモ発泡体は380%のオーバーランと、茶の上に浮かせて30分後に85%の安定性とを有し、0.8kJ/ml未満を含有する。したがって、このモモ発泡体はビーガン食に好適な低エネルギー無脂肪の高繊維発泡体である。
【0114】
発泡のために加圧N2OまたはCO2ガスを有するカプセルを用いることによって、微生物の成長を阻害できる。
【0115】
[実施例3]
クラッカー前菜用のキュウリスペアミント発泡体
室温下で高剪断ターボミキサーによって、6.0wt%のトウモロコシデキストリン(Fibersol-2(登録商標))を、0.35wt%の乳酸で酸性化した15wt%の熱水に分散させる。
【0116】
撹拌器および二重ジャケットを有するより大きなバッファタンクに繊維スラリーを移し、穏やかに撹拌しながら継続的に混合する。
【0117】
高剪断ターボミキサーによって、1.6wt%のイナゴマメ胚芽粉末を5wt%の熱水に分散させる。
【0118】
胚芽粉末スラリーをバッファタンクに移し、穏やかに撹拌しながら繊維スラリーと継続的に混合する。
【0119】
高剪断ターボミキサーによって、1.5wt%のペクチンと、0.05wt%のキサンタンガムとを、4.0wt%の果実ジュース濃縮物(Fruit-Up(登録商標))および60wt%の熱水に分散させる。
【0120】
増粘剤スラリーをバッファタンクに移し、穏やかに撹拌しながらスラリーと数分間混合して、加熱前に混合物を確実に均質にする。
【0121】
結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器によって92℃に加熱し、この温度で80秒間維持し、20℃に急速冷却し、撹拌(stirred)を有する無菌タンクに入れてステープルで留める。
【0122】
高剪断ターボミキサーによって、0.3wt%のスペアミント抽出物と、0.05wt%のステビアと、0.5wt%の着色用食品と、0.15wt%の香味料と、0.15wt%の塩とを、2.0wt%のキュウリジュース濃縮物および2.0wt%の熱水に分散させ、1.35kgの直接蒸気注入によって102℃に加熱し、この低温殺菌温度にて6秒間置いた後に、無菌タンクに移す。
【0123】
このキュウリスペアミント発泡性組成物を厚紙パックに無菌的に充填する。
【0124】
厚紙パックは室温にて最大2年間常温保存可能であるため、効率的な流通経路を使用できる。
【0125】
このキュウリスペアミント発泡性組成物は、好適な無脂肪(脂肪0.2wt%未満)のビーガン繊維源であり、100g当り6gを超える繊維を有し、かつ1.5wt%未満のタンパク質を含有する。
【0126】
発泡後組成物の使用前に、温度が10℃未満になるまで厚紙パックを冷蔵する。
【0127】
このキュウリスペアミント発泡体は352%のオーバーランと、60分後に90%の安定性とを有し、0.4kJ/ml未満を含有する。したがって、このキュウリスペアミント発泡体はビーガン食に好適な低エネルギー低糖無脂肪の高繊維発泡体である。
【0128】
発泡のために加圧N2OまたはCO2ガスを有するカプセルを用いることによって、微生物の成長を阻害できる。
【0129】
[実施例4]
栄養発泡体
室温下で高剪断ターボミキサーによって、6.0wt%のトウモロコシデキストリン(Fibersol-2(登録商標))と、0.25wt%の柑橘類繊維とを、0.35wt%の乳酸で酸性化した17.15wt%の熱水に分散させる。
【0130】
撹拌器および二重ジャケットを有するより大きなバッファタンクに繊維スラリーを移し、穏やかに撹拌しながら継続的に混合する。
【0131】
高剪断ターボミキサーによって、1.7wt%のイナゴマメ胚芽粉末を9wt%の熱水に分散させる。
【0132】
胚芽粉末スラリーをバッファタンクに移し、穏やかに撹拌しながら繊維スラリーと継続的に混合する。
【0133】
高剪断ターボミキサーによって、1.5wt%のペクチンと、0.05wt%のキサンタンガムとを、4.0wt%の果実ジュース濃縮物(Fruit-Up(登録商標))および60wt%の熱水に分散させる。
【0134】
増粘剤スラリーをバッファタンクに移し、穏やかに撹拌しながらスラリーと数分間混合して、加熱前に混合物を確実に均質にする。
【0135】
結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器によって130℃に加熱し、この温度で25秒間維持し、20℃に急速冷却し、撹拌(stirred)を有する無菌タンクに入れてステープルで留めた後に、厚紙パックに無菌的に充填する。
【0136】
この発泡性組成物は、中立的な味および黄色がかった色を有する。
【0137】
厚紙パックは室温にて最大2年間常温保存可能であるため、効率的な流通経路を使用できる。
【0138】
この中立的バルク発泡性組成物は、好適な無脂肪(脂肪0.2wt%未満)のビーガン繊維源であり、100g当り6gを超える繊維を有し、かつ1.0wt%未満のタンパク質を含有する。
【0139】
発泡後組成物の使用前に、温度が10℃未満になるまで厚紙パックを冷蔵する。
【0140】
冷蔵後に、発泡性組成物をビーカーに入れ、最大10wt%の風味付き化合物(例、ADMより)もしくは新たに調製した流体原料またはその混合物と混合し、加圧可能なサイフォンを用いて発泡させる。
【0141】
発泡のために加圧N2OまたはCO2ガスを有するカプセルを用いることによって、微生物の成長を阻害できる。
【0142】
以下の表2は、実施例1~4の組成物をまとめたものである。
【0143】
【0144】
[比較実施例1]
デザート用のラズベリー発泡体
0.6wt%のイナゴマメ胚芽粉末と、1.0wt%の柑橘類繊維とを18wt%の糖と予め混合し、最大80℃の温度にて57wt%の温水および0.3wt%の50wt%クエン酸水溶液に分散させる。
【0145】
別個に、8wt%の水と、9.5wt%のラズベリー果実ジュース濃縮物との水溶液を調製し、そこに分散物を加える。
【0146】
混合物を、空気の取り込みを排除するように設計されたタンク内で適切な回転で5分間撹拌し、その後5.15wt%の水、0.25wt%の着色剤、0.20wt%の香味剤を加える。
【0147】
結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器内で93℃に加熱し、この温度で1分間維持し、15℃に急速冷却し、撹拌下で16バールにて3.0wt%の滅菌亜酸化窒素ガスとともに予め滅菌したエアロゾル缶に無菌的に充填する。
【0148】
エアロゾル缶は、室温にて最大2年間常温保存可能である。
【0149】
このラズベリー発泡性組成物は、0.1wt%未満の脂肪と、0.7wt%未満のタンパク質とを含有する。
【0150】
この発泡体は160%のオーバーランと、室温にて60分後に67%の安定性とを有し、0.8kJ/mlより多くを含有する。
【0151】
分注弁を洗浄後、エアロゾルを保存期間の終わりまで再び貯蔵できる。
【0152】
[比較実施例2]
デザート用のラズベリー発泡体
1.00wt%のペクチンと、0.2wt%のキサンタンガムとを30wt%の糖と予め混合し、最大80℃の温度にて37wt%の温水および0.3wt%の50wt%クエン酸水溶液に分散させる。
【0153】
別個に、8wt%の水と、9.5wt%のラズベリー果実ジュース濃縮物との水溶液を調製し、そこに分散物を加える。
【0154】
混合物を、空気の取り込みを排除するように設計されたタンク内で適切な回転で5分間撹拌し、その後13.55wt%の水、0.25wt%の着色剤、0.20wt%の香味剤を加える。
【0155】
結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器内で93℃に加熱し、この温度で1分間維持し、15℃に急速冷却し、撹拌下で16バールにて3.0wt%の滅菌亜酸化窒素ガスとともに予め滅菌したエアロゾル缶に無菌的に充填する。
【0156】
エアロゾル缶は、室温にて最大2年間常温保存可能である。
【0157】
このラズベリー発泡性組成物は、0.1wt%未満の脂肪と、0.7wt%未満のタンパク質とを含有する。
【0158】
この発泡体は125%のオーバーランと、室温にて60分後に45%の安定性とを有し、0.8kJ/mlより多くを含有する。
【0159】
分注弁を洗浄後、エアロゾルを保存期間の終わりまで再び貯蔵できる。
【0160】
[比較実施例3]
デザート用のラズベリー発泡体
0.80wt%のペクチンと、0.10wt%のキサンタンガムと、0.5wt%の柑橘類繊維とを18wt%の糖と予め混合し、最大80℃の温度にて57wt%の温水および0.3wt%の50wt%クエン酸水溶液に分散させる。
【0161】
別個に、8wt%の水と、9.5wt%のラズベリー果実ジュース濃縮物との水溶液を調製し、そこに分散物を加える。
【0162】
混合物を、空気の取り込みを排除するように設計されたタンク内で適切な回転で5分間撹拌し、その後5.35wt%の水、0.25wt%の着色剤、0.20wt%の香味剤を加える。
【0163】
結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器内で93℃に加熱し、この温度で1分間維持し、15℃に急速冷却し、撹拌下で16バールにて3.0wt%の滅菌亜酸化窒素ガスとともに予め滅菌したエアロゾル缶に無菌的に充填する。
【0164】
エアロゾル缶は、室温にて最大2年間常温保存可能である。
【0165】
このラズベリー発泡性組成物は、0.1wt%未満の脂肪と、0.7wt%未満のタンパク質とを含有する。
【0166】
この発泡体は348%のオーバーランと、室温にて60分後に30%の安定性とを有し、0.8kJ/mlより多くを含有する。
【0167】
分注弁を洗浄後、エアロゾルを保存期間の終わりまで再び貯蔵できる。
【0168】
[比較実施例4]
デザート用のラズベリー発泡体
7wt%のイナゴマメ胚芽粉末と、4wt%のコムギ胚芽粉末と、0.40wt%のペクチンと、0.02wt%のキサンタンガムと、15wt%のトウモロコシデキストリン(Fibersol(登録商標))と、0.2wt%の柑橘類繊維とを15wt%の糖と予め混合し、最大80℃の温度にて40wt%の温水、5.0wt%のラズベリー果実ジュース濃縮物、および0.3wt%の50wt%クエン酸水溶液に分散させる。
【0169】
混合物を、空気の取り込みを排除するように設計されたタンク内で適切な回転で5分間撹拌し、その後3.2wt%のスクロースシロップ、9.43wt%の水、0.25wt%の着色剤、0.20wt%の香味剤を加える。
【0170】
結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器内で93℃に加熱し、この温度で1分間維持し、15℃に急速冷却し、撹拌下で16バールにて3.0wt%の滅菌亜酸化窒素ガスとともに予め滅菌したエアロゾル缶に無菌的に充填する。
【0171】
エアロゾル缶は、室温にて最大2年間常温保存可能である。
【0172】
このラズベリー発泡性組成物は、100kcal当り3.0gを超える繊維を有する、好適なビーガンの豊富な(高い)繊維源である。
【0173】
この発泡体は257%のオーバーランと、室温にて60分後に35%の安定性とを有し、0.8kJ/mlより多くを含有する。
【0174】
分注弁を洗浄後、エアロゾルを保存期間の終わりまで再び貯蔵できる。
【0175】
[比較実施例5]
デザート用のラズベリー発泡体
0.05wt%のコムギ胚芽粉末と、0.90wt%のペクチンと、0.02wt%のキサンタンガムと、33wt%のトウモロコシデキストリン(Fibersol(登録商標))とを5wt%の糖と予め混合し、最大80℃の温度にて47wt%の温水、5.0wt%のラズベリー果実ジュース濃縮物、および0.3wt%の50wt%クエン酸水溶液に分散させる。
【0176】
混合物を、空気の取り込みを排除するように設計されたタンク内で適切な回転で5分間撹拌し、その後8.28wt%の水、0.25wt%の着色剤、0.20wt%の香味剤を加える。
【0177】
結果として得られた混合物をチューブ状の熱交換器内で93℃に加熱し、この温度で1分間維持し、15℃に急速冷却し、撹拌下で16バールにて3.0wt%の滅菌亜酸化窒素ガスとともに予め滅菌したエアロゾル缶に無菌的に充填する。
【0178】
エアロゾル缶は、室温にて最大2年間常温保存可能である。
【0179】
このラズベリー発泡性組成物は、好適な無脂肪(脂肪0.1wt%未満)のビーガンの豊富な(高い)繊維源であり、100kcal当り3.0gを超える繊維を有し、かつ0.7wt%未満のタンパク質を含有する。
【0180】
この発泡体は145%のオーバーランと、室温にて60分後に75%の安定性とを有し、0.8kJ/mlより多くを含有する。
【0181】
分注弁を洗浄後、エアロゾルを保存期間の終わりまで再び貯蔵できる。
【0182】
以下の表3は、比較実施例1~4の組成物をまとめたものである。
【0183】
【0184】
実施例および比較実施例から分かるとおり、本発明の発泡性組成物は改善されたオーバーランと、より高い安定性と、より低いシネレシスとを示す。