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特許7550852フィルタホルダ又はフィルタの検出装置を備えるコーヒー粉砕機、並びにフィルタホルダ又はフィルタの検出方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】フィルタホルダ又はフィルタの検出装置を備えるコーヒー粉砕機、並びにフィルタホルダ又はフィルタの検出方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/40 20060101AFI20240906BHJP
   A47J 42/44 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A47J42/40
A47J42/44
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022522711
(86)(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(86)【国際出願番号】 IB2020059819
(87)【国際公開番号】W WO2021074908
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】102019000019349
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】512102391
【氏名又は名称】ラ マルゾッコ エス アール エル
【氏名又は名称原語表記】LA MARZOCCO S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ディオニシオ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108350(JP,A)
【文献】登録実用新案第3135377(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0094391(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0198887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/40
A47J 42/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を挽くためのモータ及び粉砕部材を含む機械本体(2)と;
挽かれたコーヒーを受け取るための設定位置にあるフィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)の存在を検出するための検出装置(10)と;
を備えるコーヒー粉砕機(1)であって、
前記検出装置(10)が、フィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)のための第支持体ハーフ(12A)と、フィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)のための第支持体ハーフ(12B)とを備える常開型スイッチ(I)であり、
前記スイッチ(I)は、前記フィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)が前記第1支持体ハーフ(12A)及び第2支持体ハーフ(12B)と電気的に接触するときに閉じられるように構成されている、粉砕機。
【請求項2】
請求項1に記載の粉砕機(1)であって、前記スイッチ(I)が開いているとき、前記コーヒー粉砕機の少なくとも1つの機能が阻害されるように構成されている、粉砕機(1)。
【請求項3】
請求項2に記載の粉砕機(1)であって、前記スイッチ(I)が開いているとき、前記モータへの電力供給が遮断されるように構成されている、粉砕機(1)。
【請求項4】
請求項1に記載の粉砕機(1)であって、前記第1支持体ハーフ(12A)及び第2支持体ハーフ(12B)は、スロット(18)により分離され、前記フィルタホルダ(20)の本体(21)用の湾曲部(16)を備えている、粉砕機(1)。
【請求項5】
請求項4に記載の粉砕機(1)であって、前記第1支持体ハーフ(12A)及び第2支持体ハーフ(12B)は、支持平面を画定する、粉砕機(1)。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の粉砕機(1)であって、前記第1支持体ハーフ(12A)及び第2支持体ハーフ(12B)は、前記フィルタホルダ(20)の本体(22)から突出するフィン(221)に対応して、前記フィルタホルダ(20)と係合するように構成されている、粉砕機(1)。
【請求項7】
請求項1~5の何れか一項に記載の粉砕機(1)であって、前記第1支持体ハーフ(12A)及び第2支持体ハーフ(12B)は、それぞれのケーブル(14A、14B)を介して基板(C)に接続されている、粉砕機(1)。
【請求項8】
請求項1~5の何れか一項に記載の粉砕機(1)であって、前記フィルタホルダ(20)のハンドル(21)を支持するためのハンドル支持部(19)を更に備える、粉砕機(1)。
【請求項9】
請求項1に記載の粉砕機(1)であって、前記フィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)を所定位置に保持するために前記支持体ハーフ(12A、12B)と協働するフック(15A、15B)を更に備える、粉砕機(1)。
【請求項10】
請求項9に記載の粉砕機であって、前記フック(15A、15B)は実質的に逆L字型である、粉砕機。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の粉砕機であって、前記フック(15A、15B)は、少なくとも一部が導電性材料で構成されている、粉砕機。
【請求項12】
コーヒー粉砕機、又はエスプレッソコーヒーを調製するマシン、又は一回分のコーヒーを計量するマシン、又はフィルタホルダにおいて挽かれた一回分のコーヒーをプレスするマシンにおいて、フィルタ(23)又はフィルタホルダ(20)が設定位置にあるときにその存在を検出する方法であって:
フィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)のための第1支持体ハーフ(12A)と、フィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)のための第2支持体ハーフ(12B)とを備える常開スイッチ(I0)を提供するステップと、
前記フィルタ(23)及び/又はフィルタホルダ(20)、前記第1支持体ハーフ(12A)及び前記第2支持体ハーフ(12B)の間を電気的に接触させて前記スイッチ(10)を閉じるステップと、を備える方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記スイッチ(I)が開いているとき、前記コーヒー粉砕機の少なくとも1つの機能を阻害する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記スイッチ(I)が開いているときモータに対する電力供給を遮断する、方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の方法であって、前記フィルタ及び/又はフィルタホルダによって回路が閉じられる時間と、コーヒー粉砕機の機能が阻害される時間との間に時間閾値を設定する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスプレッソコーヒーマシンの分野に関し、更にはコーヒー豆を粉砕するための粉砕機に関するものである。このようなコーヒー豆の粉砕機は、別個の機械であってもよいし、コーヒー飲料製造機に組み込まれるものでもよい。このようなコーヒー豆を粉砕するための機械は、単に「コーヒーグラインダ機械」、「コーヒー粉砕機」又は単に「粉砕機」としても知られている。
【0002】
より詳細には、本発明は、コーヒー粉砕機又はエスプレッソコーヒーマシンの所定位置にフィルタ及び/又はフィルタホルダが存在することを検出するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
周知のとおり、エスプレッソコーヒーの調製には、「ドーズ」とも通称される所要量の挽かれたコーヒーが使用される。所要量の挽かれたコーヒーはフィルタに充填され、そのフィルタは、通常は上部が開いたカップ状であり、その底部に微細孔が設けられている。典型的に、コーヒーのドーズはフィルタに押し込まれて粉末コーヒーパックを形成する。フィルタは、エスプレッソコーヒーマシンのディスペンサグループに対して着脱可能に係合するように構成されたフィルタホルダによって支持される。エスプレッソコーヒーは、加圧熱湯を粉末コーヒーパックに通過させることによって得られる。
【0004】
コーヒー粉末は、コーヒー粉砕機によって得られる。既知のコーヒー粉砕機において、コーヒー粒は、粉砕部材に通過させることにより粉砕される。粉砕部材としては、平板型、円錐型又は円筒型のものが既知である。典型的に、コーヒー粉砕機における粉砕部材は、固定部材と、固定部材に対して回転する部材とで構成される。例えば、円錐型の粉砕部材を備えるコーヒー粉砕機では、一方の粉砕部材が固定され、すなわち静止したままであり、他方はモータによって回転可能とされている。
【0005】
粉砕部材の下流側にはフィルタホルダが配置されており、挽かれたコーヒーはフィルタホルダに保持されたフィルタに溜まるように構成されている。
【0006】
フィルタホルダ用の支持体が既知である。これらの支持体は、コーヒーを挽くとき、及び挽かれたコーヒーをフィルタに充填するときにフィルタホルダを支持するものである。
【0007】
コーヒーメーカーによっては、支持体上にセットされたフィルタホルダの存在が感知可能とされている。
【0008】
例えば、機械的なマイクロスイッチ、誘導センサ、又はフィルタホルダの重量(又は質量)に対応する装置、例えばロードセル等からなる装置を用いて検出を行うコーヒー粉砕機が知られている。
【0009】
フィルタホルダが所定位置にあることを検出することは、複数の理由から望ましく、あるいは必要とされる場合がある。
【0010】
例えば、フィルタホルダを検知することで、コーヒーグラインダの起動キーを押すことなく、自動的にコーヒー豆の粉砕を開始することができる。
【0011】
また、フィルタホルダの検出は、フィルタホルダが静止していない状態でキーを押した場合、不用意に粉砕が開始されないように利用することもできる。
【0012】
更に、フィルタホルダを検知して、フィルタホルダの取り外しと同時に粉砕を自動停止することも可能である。
【発明の概要】
【0013】
出願人は、コーヒー粉砕機等において、フィルタホルダを検出するための既知の装置について仔細に検討した。
【0014】
出願人によれば、上記形式のフィルタホルダ検出システムは、破損の危険性の高い繊細な部品を使用するという、本質的な限界がある。実際、フィルタホルダの重量に基づく検出システムのマイクロスイッチ、誘導型センサ又はロードセルは、繊細な部品である。
【0015】
また、少なくとも次の理由から、動作条件が厳しく、最適とは言えない。環境はコーヒーの粉末で汚染されている。さらに、コーヒー粉砕機は、機械に無頓着な担当者が手早い作業を強いられる場合に、水や洗剤で洗浄されることが多い。バーテンダは狭い場所において迅速に作業するものであり、意図せずに、又は突然に、支持体やセンサに衝突することも往々にしてあり得る。
【0016】
出願人によれば、誘導型センサは、非接触である点で有利であるが、読み取り範囲がかなり狭くなる。更に、出願人によれば、鋼製フィルタホルダは、真鍮製フィルタホルダよりも検出精度が低い。いずれにせよ、誘導型センサは、汚れに敏感であり、また高価である。
【0017】
フィルタホルダの存在が検知されず、又は検知の信頼性が低い場合には、粉砕が行われず、設定した時間に粉砕が停止せず、又は必要のない時点で粉砕が開始される場合もある。このような状況は、いずれもバーテンダの作業の妨げとなり、バーテンダの作業に影響を与える。更に、所望の時点で粉砕が停止しない場合や、所望しないときに粉砕が開始される場合には、挽かれたコーヒーが無駄になってしまう。
【0018】
そこで、出願人は、コーヒー粉砕機におけるフィルタ又はフィルタホルダの存在を検出するための、信頼性が高く堅牢なシステムを提供することを目標として設定した。本発明の装置は、コーヒー粉砕機以外の機械にも適用することができる。例えば、(フィルタに含まれる)コーヒー用量を計量する機械や、挽かれたコーヒーを圧縮するマシンにも適用可能である。本発明の目的のため、「機械」又は「コーヒーマシン」等の用語は、エスプレッソコーヒーマシン、コーヒー計量機又はコーヒー圧縮機も含むものである。
【0019】
本発明によれば、上記目的は、第1電気接点及び第2電気接点を含む常開スイッチを提供することによって達成される。ここに、第1電気接点及び第2電気接点は、フィルタ及び/又はフィルタホルダを支持するものであり、これら両接点とフィルタ及び/又はフィルタホルダとの間の電気接触によってスイッチを閉じるように構成されている。
【0020】
本発明は、第1の態様において、コーヒー粉砕機を提供する。この粉砕機は:
コーヒー豆を挽くためのモータ及び粉砕部材を含む機械本体と;
挽かれたコーヒーを受け取るための設定位置にあるフィルタ及び/又はフィルタホルダの存在を検出するための検出装置と;
を備えている。
その検出装置は、前記フィルタ及び/又はフィルタホルダのための第1の支持体ハーフと、前記フィルタ及び/又はフィルタホルダのための第2の支持体ハーフとを備える常開型スイッチである。
このスイッチは、前記フィルタ及び/又はフィルタホルダが前記第1支持体ハーフ及び第2支持体ハーフと電気的に接触するときに閉じられるように構成されている。
【0021】
一実施形態において、粉砕機は、前記スイッチが開いているとき、粉砕機の少なくとも1つの機能が阻害されるように構成されている。
【0022】
一実施形態において、粉砕機は、前記スイッチが開いているとき、前記モータへの電力供給が遮断されるように構成されている。
【0023】
一実施形態において、前記第1支持体ハーフ及び第2支持体ハーフは、スロットにより分離され、前記フィルタホルダの本体用の湾曲部を備えている。
【0024】
一実施形態において、前記第1支持体ハーフ及び第2支持体ハーフは、支持平面を画定する。
【0025】
一実施形態において、前記第1支持体ハーフ及び第2支持体ハーフは、前記フィルタホルダの本体から突出するフィンに対応して、前記フィルタホルダと係合するように構成されている。
【0026】
一実施形態において、前記第1支持体ハーフ及び第2支持体ハーフは、それぞれのケーブルを介して基板に接続されている。
【0027】
一実施形態において、粉砕機は、前記フィルタホルダのハンドルを支持するためのハンドル支持部を更に備えている。
【0028】
一実施形態において、粉砕機は、前記フィルタ及び/又はフィルタホルダを所定位置に保持するために前記支持体ハーフと協働するフックを更に備えている。
【0029】
一実施形態において、前記フックは実質的に逆L字型である。
【0030】
一実施形態において、前記フックは、少なくとも一部が導電性材料で構成されている。
【0031】
本発明は、第2の態様において、コーヒー粉砕機、又はエスプレッソコーヒーを調製するマシン、又は一回分のコーヒーを計量するマシン、又は挽かれた一回分のコーヒーをフィルタホルダにおいてプレスする機械において、フィルタ又はフィルタホルダが設定位置にあるときにその存在を検出する方法を提供する。この方法は:
前記フィルタ及び/又はフィルタホルダのための第1支持体ハーフと、前記フィルタ及び/又はフィルタホルダのための第2支持体ハーフとを備える常開スイッチを提供するステップと;
前記フィルタ及び/又はフィルタホルダと、前記第1支持体ハーフ及び第2支持体ハーフとの間を電気的に接触させて前記スイッチを閉じるステップと;を備えている。
【0032】
一実施形態においては、前記スイッチが開いているとき、前記コーヒー粉砕機の少なくとも1つの機能を阻害する。
【0033】
一実施形態においては、前記スイッチが開いているとき、前記モータに対する電力供給を遮断する。
【0034】
一実施形態においては、前記フィルタ及び/又はフィルタホルダによって回路が閉じられる時間と、コーヒー粉砕機の機能が阻害される時間との間に時間閾値を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
以下、添付図面に示す非限定的で例示的な実施形態について本発明を更に詳述する。
図1図1は、本発明の一実施形態に係るフィルタホルダ検出装置付きコーヒー粉砕機の概略図である。
図2図2は、図1と同様の概略図であって、電気的接続も示すものである。
図3図3は、図1の粉砕機の一部拡大図である。
図4図4は、フィルタホルダを検出する装置の電気回路図である。
図5図5.1は,フィルタホルダ検出装置における2つの支持体に接触する前のフィルタホルダの模式図である。図5.2は、2つの支持体に接触しているフィルタホルダの模式図である。
図6A図6Aは、本発明の第2実施形態によるフィルタ及び/又はフィルタホルダ検出装置を有するコーヒー粉砕機の部分概略図である。
図6B図6Bは、図6Aの粉砕機の側面図である。
図7図7は、図6Aの粉砕機に片持ち支持されたフィルタホルダの概略図である。
図8A図8Aは、支持体上にフィルタがある状態の図6Aの粉砕機の斜視図である。
図8B図8Bは、図6Aの粉砕機を支持体上にフィルタを載せた状態で示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、もっぱら例示として、フィルタホルダ20が適正位置にあることを検出するための装置10を有するコーヒー粉砕機1を示すものである。
【0037】
コーヒー粉砕機1は、図示しないモータや粉砕部材などの主要構成部品からなる機械本体2を備える。本体上部には、粉砕すべきコーヒー豆を収容するホッパー5が取り付けられている。
【0038】
本体下部には、フィルタホルダ20のためのゾーン3が設けられている。コーヒー豆を挽いている間、フィルタホルダ20は、挽かれたコーヒーをフィルタ23に収集するための適正位置にある必要がある。
【0039】
本発明の第1実施形態において、フィルタホルダを検出するための装置10は、フィルタホルダ20と2つの導電性接点12A、12Bとの間の電気的接続によって閉じられる常開スイッチを備える。本発明によれば、2つの導電性接点12A、12Bは、フィルタホルダ20を支持するように構成されている。好適には、2つの導電性接点12A、12Bは、少なくとも部分的にスチール、アルミニウム、真鍮又はそれらの合金等の金属材料で構成されているフィルタホルダ20の本体22でフィルタホルダ20を支持する。
【0040】
図1~3に示す実施形態において、2つの導電性接点12A、12Bは、フィルタホルダの本体22を支持するように構成されている。
【0041】
代替的な実施形態において、2つの導電性接点12A、12Bは、フィルタホルダをエスプレッソコーヒーマシンにおけるディスペンサアセンブリにロックするためのフィン221によりフィルタホルダの本体22を支持するように構成される。
【0042】
図1~3に示すように、本発明の一実施形態において、フィルタホルダ検出装置10は、2つの支持体ハーフ12A,12Bで構成される支持体12を備えている。各支持体ハーフ12A,12Bは、少なくとも一部が導電性材料で構成され、他方の支持体ハーフから電気的に絶縁されている。図1~3に示すように、例えば2つの支持体ハーフ12A,12Bは、湾曲部18によって分離されており、実質的に半円形の前側湾曲部18を有する支持平面を形成している。言うまでもなく、支持体12A,12Bは、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる形状とすることも可能である。
【0043】
各支持体ハーフ12A,12Bは、例えば電線14A,14Bによって制御装置Cと電気的に接続されている。
【0044】
フィルタホルダが存在していない場合、対応する電気回路は開いており、これによりコーヒー粉砕機1の少なくとも1つの機能が阻害される。例えば、1つ以上の粉砕部材に作用してコーヒー粒の粉砕を実行するモータMへの給電が遮断されるのである。したがって、フィルタホルダが所定位置にない場合、モータMは給電されず、動作させることができない。
【0045】
フィルタホルダ20が適正位置にあるとき、その本体22が少なくとも部分的に金属で構成されているので、回路を閉じるか、さもなければ阻止されることとなる機能を許容する。例えば、起動キーによって、あるいは、キーを押すことなく、モータMを作動させることが可能となる。後者の場合、モータMは、フィルタホルダにおける(金属製の)本体と2つの支持体ハーフとの接触により直ちに起動するように構成されている。
【0046】
図4は、フィルタホルダ20の本体22によって閉じられたスイッチIの回路を模式的に示している。また、図4には、制御装置Cと、1つ以上の粉砕部材を駆動するためのモータMとが示されている。
【0047】
言うまでものなく、本発明の装置における支持体ハーフ12A,12Bは、図1~3に示すものとは異なる形状とすることができる。例えば、図4図5.1及び図5.2に示すように、それぞれ円柱棒形状とすることも可能である。
【0048】
より詳細には、図5.1は2つの支持体ハーフ12A、12Bと接触する前のフィルタホルダ20を模式的に示し、図5.2は2つの支持体ハーフ12A、12Bに接触した状態のフィルタホルダ20を模式的に示す。
【0049】
フィルタホルダ20における本体22の支持体に加えて、フィルタホルダ20を少なくとも別の点に対応させて支持するための更なる持体19を設けることもできる。図1~3に示すように、その更なる支持体は、フィルタホルダ20のハンドル21を受けるためのY字型のハンドル支持体21で構成することができる。一実施形態において、蒸気更なる支持体19の高さは、異なる形状及び/又は直径のハンドルに対応するように調節可能である。その高さ調節は、ねじシステムを介して行うことができる。
【0050】
一実施形態において、フィルタホルダによって回路が閉じられる時間と、例えばコーヒー挽き器のモータが始動し、場合によっては停止する時間との間に、時間閾値が設定されている。これは、バーテンダがフィルタホルダを支持体上に載せた直後に、不用意にフィルタホルダを支持体から持ち上げてしまうという事態を回避するためである。
【0051】
図6A図6B図7図8A及び図8Bは、本発明の他の実施形態を示す。この実施形態において、各支持体ハーフ12A、12Bは、フィルタホルダ20及び/又はフィルタ23を保持するための保持フック15A、15Bを備えている。フィルタ23は、フィルタホルダ20の本体22に収容される際にフック15A、15Bによって保持することができ、あるいは、直接保持することもできる(図8A図8B)。
【0052】
各フック15A、15Bは、例えば、逆L字形状をしており、2つのフックが向かい合い、中央で途切れて一種のブリッジを形成している。
【0053】
一実施形態において、支持体ハーフ12A及び12Bは、角張ったプロファイルを有する。各フック15A及び15Bは、支持体ハーフと一体であるか、又は支持体ハーフに固定されている。その固定は、例えば、溶接、ねじ、又は他の既知のシステムによって行うことができる。
【0054】
例えば図6Aに示すように、一実施形態において、各フック15A、15Bは、支持体ハーフ12A、12Bの孔に係合する、より細い下脚16A、16Bを有する。支持体ハーフとフック15A、15Bは、手の2本の指で回転可能としたヘッドを有するネジにより一緒にロックされる。これにより、2つのフックを簡単に組み立てたり、分解したりすることができる。
【0055】
支持体ハーフ12A、12B及びフックは、少なくとも部分的に、導電性材料で構成されている。第1実施形態に関連して説明した電気回路は、以下の(a)~(c)が存在する場合に閉じられる。
(a) 金属製又は他の導電性材料で構成されたフィルタホルダ及びフィルタ;又は
(b) 非導電性のフィルタホルダ、及び金属製又は他の導電性材料で構成されたフィルタ;又は
(c) 金属製又はその他の導電性材料で構成されたフィルタ。
すなわち、電気回路は、フィルタホルダとフィルタによって閉じられるのである。
【0056】
この実施形態は、いくつかの利点を有している。第1の利点として、電気的接触がフィルタによって確保されるため、非金属材料で構成されるフィルタホルダを使用することが可能である。第2の利点として、フィルタホルダを全く使用しないことも可能である。第3の利点として、フィルタホルダ及び/又はフィルタの転倒を防止することができる。第4の利点として、フィルタホルダ及び/又はフィルタが他の支持点に対応して静止していないため、重量測定が容易である。
図1
図2
図3
図4
図5.1】
図5.2】
図6A
図6B
図7
図8A
図8B