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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】基板収納容器
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240906BHJP
   B65D 85/30 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/30 500
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022534879
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 JP2020027104
(87)【国際公開番号】W WO2022009430
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000140890
【氏名又は名称】ミライアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】松鳥 千明
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-153963(JP,A)
【文献】特開2005-64275(JP,A)
【文献】特開2017-17264(JP,A)
【文献】国際公開第2016/047163(WO,A1)
【文献】特開平11-79274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に容器本体開口部が形成された開口周縁部を有し、他端部が閉塞された筒状の壁部を備え、前記壁部の内面によって、複数の基板を収納可能であり前記容器本体開口部に連通する基板収納空間が形成された容器本体と、
前記容器本体開口部に対して着脱可能であり、前記容器本体開口部を閉塞可能な蓋体と、
前記容器本体又は前記蓋体に取り付けられる部品と、を備え、
前記部品と前記容器本体又は前記蓋体又は他の前記部品との接続部分は、
前記容器本体又は前記蓋体又は他の前記部品への前記部品の圧入による位置決めがなされて互いに固定されて構成された圧入固定部と、
インパルス溶着により形成され、前記圧入固定部における位置決め及び固定を維持するインパルス溶着部と、を備え
前記圧入固定部は、前記インパルス溶着部の外側の領域に位置している基板収納容器。
【請求項2】
前記圧入固定部は、凸状部材と、前記凸状部材が挿入される被挿入部とにより構成され、
前記凸状部材の基部が前記被挿入部の先端側部に圧入され位置決めされて固定されて、前記凸状部材の基部と前記被挿入部の先端側部とは前記圧入固定部を構成し、前記凸状部材の先端側部が前記被挿入部の基部にインパルス溶着されて、前記凸状部材の先端側部と前記被挿入部の基部とは前記インパルス溶着部を構成する請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項3】
前記圧入固定部は、凸状部材と、前記凸状部材が挿入される被挿入部とにより構成され、
前記凸状部材が前記被挿入部に圧入され位置決めされて固定されて、前記凸状部材と前記被挿入部とは前記圧入固定部を構成し、
前記凸状部材の先端側部は、前記インパルス溶着部を構成しておらず、前記凸状部材とは異なる他の部分が前記インパルス溶着部を構成する請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項4】
前記容器本体は、奥壁、上壁、下壁、及び一対の側壁を有する壁部を有し、前記奥壁によって前記壁部の他端部が閉塞され、前記上壁の一端部、前記下壁の一端部、及び前記側壁の一端部によって前記容器本体開口部が形成され、
前記部品は、前記下壁に固定されて前記下壁と共に前記容器本体の底部を構成するボトムプレートである請求項1~請求項3のいずれかに記載の基板収納容器。
【請求項5】
前記基板収納空間と前記容器本体の外部の空間とを連通可能な通気路と、
前記通気路に流入した気体を前記基板収納空間に供給する複数の開口部を有する気体噴出ノズル部と、を備え、
前記気体噴出ノズル部は、互いに接続される複数の前記部品により構成され、複数の前記部品の接続部分は、前記圧入固定部と、前記インパルス溶着部とを有する請求項1~請求項3のいずれかに記載の基板収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等からなる基板を収納、保管、搬送、輸送等する際に使用される基板収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハからなる基板を収納して搬送するための基板収納容器としては、容器本体と蓋体とを備える構成のものが、従来より知られている(特許文献1~2参照)。
【0003】
容器本体は、一端部に容器本体開口部が形成され、他端部が閉塞された筒状の壁部を有する。容器本体内には基板収納空間が形成されている。基板収納空間は、壁部により取り囲まれて形成されており、複数の基板を収納可能である。蓋体は、容器本体開口部に対して着脱可能であり、容器本体開口部を閉塞可能である。
【0004】
蓋体の部分であって容器本体開口部を閉塞しているときに基板収納空間に対向する部分には、フロントリテーナが設けられている。フロントリテーナは、蓋体によって容器本体開口部が閉塞されているときに、複数の基板の縁部を支持可能である。また、フロントリテーナと対をなすようにして、奥側基板支持部が壁部に設けられている。奥側基板支持部は、複数の基板の縁部を支持可能である。奥側基板支持部は、蓋体によって容器本体開口部が閉塞されているときに、フロントリテーナと協働して複数の基板を支持することにより、隣接する基板同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板を保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2005-530331号公報
【文献】特開2018-113298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板収納容器においては、複数の熱可塑性樹脂部品が容器本体等に固定されて使用されることが多く、その固定の方法としては、スナップ方式、嵌め合わせ(圧入)、ネジ留め等の締結が行われてきた。しかし、基板収納容器に対する振動、外力、洗浄による急激な温度変化(膨張・収縮)等により、当該固定における“緩み・外れ”が生ずるおそれがある。
【0007】
これに対しては、熱可塑性樹脂の特性を生かし、溶着して固定する方法がある。その方法としては、超音波溶着を用いることが可能である。即ち、容器本体に対する熱可塑性樹脂部品の接合部に超音波振動と圧力を加えることにより、接合が行われる。
【0008】
しかし、超音波溶着の最大の問題点は、溶着により接合した部位からパーティクルが発生することである。具体的には、超音波の振動による摩擦により、溶融する前段階において細かな樹脂粉が発生する。樹脂粉は、溶融部の表面又は周囲に付着している状態になる。その状態では、樹脂粉は容易に脱落してパーティクルとなる。また、溶融後、溶融部の周囲においては、表面が粗い状態となり、この粗い表面の部分が脱落してパーティクルとなる。このようにパーティクルが発生することは、今後も微細化が進む半導体チップを生産する上では、致命的問題となる。
【0009】
基板収納容器の外側に超音波溶着をした場合であっても、基板収納容器を洗浄し乾燥する際に、基板収納容器の内側にパーティクルが回り込む可能性が非常に高く、また、洗浄装置の汚染にも繋がる。このため、基板収納容器の内側、外側のいずれに超音波溶着する場合を問わず、パーティクルによる悪影響のおそれがある。
【0010】
また、超音波溶着を行うために超音波振動を与える必要があるが、例えば圧入により、溶着させる部品同士の位置決めをした状態では、超音波振動は発生しない。このため、溶着させる部品同士の位置決めを緩くしておく必要がある。その結果、位置決め精度が低下する。また、超音波振動を与える際には、溶着させる部品同士に荷重を加えるため、部品が変形するおそれがある。
【0011】
本発明は、超音波溶着が行われずに製造され、パーティクルの発生が抑えられ、部品の位置決め精度が低下することが抑えられた基板収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、一端部に容器本体開口部が形成された開口周縁部を有し、他端部が閉塞された筒状の壁部を備え、前記壁部の内面によって、複数の基板を収納可能であり前記容器本体開口部に連通する基板収納空間が形成された容器本体と、前記容器本体開口部に対して着脱可能であり、前記容器本体開口部を閉塞可能な蓋体と、前記容器本体又は前記蓋体に取り付けられる部品と、を備え、前記部品と前記容器本体又は前記蓋体又は他の前記部品との接続部分は、圧入による位置決めがなされて互いに固定されて構成された圧入固定部と、インパルス溶着により形成され、前記圧入固定部における位置決め及び固定を維持するインパルス溶着部と、を備える基板収納容器に関する。
【0013】
また、前記圧入固定部は、凸状部材と、前記凸状部材が挿入される被挿入部とにより構成され、前記凸状部材の基部が前記被挿入部の先端側部に圧入され位置決めされて固定されて、前記凸状部材の基部と前記被挿入部の先端側部とは前記圧入固定部を構成し、前記凸状部材の先端側部が前記被挿入部の基部にインパルス溶着されて、前記凸状部材の先端側部と前記被挿入部の基部とは前記インパルス溶着部を構成することが好ましい。
【0014】
また、前記圧入固定部は、凸状部材と、前記凸状部材が挿入される被挿入部とにより構成され、前記凸状部材が前記被挿入部に圧入され位置決めされて固定されて、前記凸状部材と前記被挿入部とは前記圧入固定部を構成し、前記凸状部材の先端側部は、前記インパルス溶着部を構成しておらず、前記凸状部材とは異なる他の部分が前記インパルス溶着部を構成することが好ましい。
【0015】
また、前記容器本体は、奥壁、上壁、下壁、及び一対の側壁を有する壁部を有し、前記奥壁によって前記壁部の他端部が閉塞され、前記上壁の一端部、前記下壁の一端部、及び前記側壁の一端部によって前記容器本体開口部が形成され、前記部品は、前記下壁に固定されて前記下壁と共に前記容器本体の底部を構成するボトムプレートであることが好ましい。
【0016】
また、前記基板収納空間と前記容器本体の外部の空間とを連通可能な通気路と、前記通気路に流入した気体を前記基板収納空間に供給する複数の開口部を有する気体噴出ノズル部と、を備え、前記気体噴出ノズル部は、互いに接続される複数の前記部品により構成され、複数の前記部品の接続部分は、前記圧入固定部と、前記インパルス溶着部とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、超音波溶着が行われずに製造され、パーティクルの発生が抑えられ、部品の位置決め精度が低下することが抑えられた基板収納容器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1に複数の基板Wが収納された様子を示す分解斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の容器本体2を示す上方斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の容器本体2を示す下方斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の容器本体2を示す側方断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の突出部8を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の突出部8を示す分解斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る基板収納容器1の突出部8の突出部流路蓋部82を示す分解斜視図である。
図8図5のA-A線に沿った断面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る基板収納容器1Aの容器本体2Aを示す底面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る基板収納容器1Aの容器本体2Aを示す分解斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る基板収納容器1Aの容器本体2Aの下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分を示す拡大斜視図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る基板収納容器1Aの容器本体2Aの下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分を示す拡大断面図である。
図13】本発明の第3実施形態に係る基板収納容器の容器本体の下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、第1実施形態による基板収納容器1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、基板収納容器1に複数の基板Wが収納された様子を示す分解斜視図である。図2は、基板収納容器1の容器本体2を示す上方斜視図である。図3は、基板収納容器1の容器本体2を示す下方斜視図である。図4は、基板収納容器1の容器本体2を示す側方断面図である。図5は、基板収納容器1の突出部8を示す斜視図である。図6は、基板収納容器1の突出部8を示す分解斜視図である。図7は、基板収納容器1の突出部8の突出部流路蓋部82を示す分解斜視図である。図8は、図5のA-A線に沿った断面図である。
【0020】
ここで、説明の便宜上、後述の容器本体2から蓋体3へ向かう方向(図1における右上から左下へ向かう方向)を前方向D11と定義し、その反対の方向を後方向D12と定義し、これらをあわせて前後方向D1と定義する。また、後述の下壁24から上壁23へと向かう方向(図1における上方向)を上方向D21と定義し、その反対の方向を下方向D22と定義し、これらをあわせて上下方向D2と定義する。また、後述する第2側壁26から第1側壁25へと向かう方向(図1における右下から左上へ向かう方向)を左方向D31と定義し、その反対の方向を右方向D32と定義し、これらをあわせて左右方向D3と定義する。主要な図面には、これらの方向を示す矢印を図示している。
【0021】
また、基板収納容器1に収納される基板W(図1参照)は、円盤状のシリコンウェーハ、ガラスウェーハ、サファイアウェーハ等であり、産業に用いられる薄いものである。本実施形態における基板Wは、直径300mmのシリコンウェーハである。
【0022】
図1に示すように、基板収納容器1は、上述のようなシリコンウェーハからなる基板Wを収納して、工場内の工程において搬送する工程内容器として用いられたり、陸運手段・空運手段・海運手段等の輸送手段により基板を輸送するための出荷容器として用いられたりするものであり、容器本体2と、蓋体3とから構成される。容器本体2は、側方基板支持部としての基板支持板状部5と、奥側基板支持部6(図2等参照)とを備えており、蓋体3は、蓋体側基板支持部としての図示しないフロントリテーナを備えている。
【0023】
容器本体2は、一端部に容器本体開口部21が形成され、他端部が閉塞された筒状の壁部20を有する。容器本体2内には基板収納空間27が形成されている。基板収納空間27は、壁部20により取り囲まれて形成されている。壁部20の部分であって基板収納空間27を形成している部分には、基板支持板状部5が配置されている。基板収納空間27には、図1に示すように、複数の基板Wを収納可能である。
【0024】
基板支持板状部5は、基板収納空間27内において対をなすように壁部20に設けられている。基板支持板状部5は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されていないときに、複数の基板Wの縁部に当接することにより、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板Wの縁部を支持可能である。基板支持板状部5の奥側には、奥側基板支持部6が基板支持板状部5と一体成形されて設けられている。
【0025】
奥側基板支持部6(図2等参照)は、基板収納空間27内において後述する図示しないフロントリテーナと対をなすように壁部20に設けられている。奥側基板支持部6は、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部に当接することにより、複数の基板Wの縁部の後部を支持可能である。
【0026】
蓋体3は、容器本体開口部21を形成する開口周縁部28(図1等)に対して着脱可能であり、容器本体開口部21を閉塞可能である。図示しないフロントリテーナは、蓋体3の部分であって蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに基板収納空間27に対向する部分に設けられている。図示しないフロントリテーナは、基板収納空間27の内部において奥側基板支持部6と対をなすように配置されている。
【0027】
図示しないフロントリテーナは、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部に当接することにより複数の基板Wの縁部の前部を支持可能である。図示しないフロントリテーナは、蓋体3によって容器本体開口部21が閉塞されているときに、奥側基板支持部6と協働して複数の基板Wを支持することにより、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で保持する。
【0028】
基板収納容器1は、プラスチック材等の樹脂で構成されており、特に説明が無い場合には、その材料の樹脂としては、たとえば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等が上げられる。これらの成形材料の樹脂には、導電性を付与する場合には、カーボン繊維、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等の導電性物質が選択的に添加される。また、剛性を上げるためにガラス繊維や炭素繊維等を添加することも可能である。
【0029】
以下、各部について、詳細に説明する。
図1に示すように、容器本体2の壁部20は、奥壁22と上壁23と下壁24と第1側壁25と第2側壁26とを有する。奥壁22、上壁23、下壁24、第1側壁25、及び第2側壁26は、上述した材料により構成されており、一体成形されて構成されている。
【0030】
第1側壁25と第2側壁26とは対向しており、上壁23と下壁24とは対向している。上壁23の後端、下壁24の後端、第1側壁25の後端、及び第2側壁26の後端は、全て奥壁22に接続されている。上壁23の前端、下壁24の前端、第1側壁25の前端、及び第2側壁26の前端は、略長方形状をした容器本体開口部21を形成する開口周縁部28を構成する。
【0031】
開口周縁部28は、容器本体2の一端部に設けられており、奥壁22は、容器本体2の他端部に位置している。壁部20の外面により形成される容器本体2の外形は箱状である。壁部20の内面、即ち、奥壁22の内面、上壁23の内面、下壁24の内面、第1側壁25の内面、及び第2側壁26の内面は、これらによって取り囲まれた基板収納空間27を形成している。開口周縁部28に形成された容器本体開口部21は、壁部20により取り囲まれて容器本体2の内部に形成された基板収納空間27に連通している。基板収納空間27には、最大で25枚の基板Wを収納可能である。
【0032】
図1に示すように、上壁23及び下壁24の部分であって、開口周縁部28の近傍の部分には、基板収納空間27の外方へ向かって窪んだラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bが形成されている。ラッチ係合凹部231A、231B、241A、241Bは、上壁23及び下壁24の左右両端部近傍に1つずつ、計4つ形成されている。
【0033】
図1に示すように、上壁23の外面においては、リブ235が、上壁23と一体成形されて設けられている。リブ235は、容器本体2の剛性を高める。また、上壁23の中央部には、トップフランジ236が固定される。トップフランジ236は、AMHS(自動ウェーハ搬送システム)、PGV(ウェーハ基板搬送台車)等において基板収納容器1を吊り下げる際に、基板収納容器1において掛けられて吊り下げられる部分となる部材である。
【0034】
図3に示すように、下壁24の四隅には、通気路210(図5等参照)として、2種類の貫通孔である給気孔242と排気孔243が形成されている。本実施形態においては、下壁24の前部の2箇所の貫通孔は、容器本体2の内部の気体を排出するための排気孔243であり、後部の2箇所の貫通孔は、容器本体2の内部に気体を給気するための給気孔242である。給気孔242としての貫通孔には、給気用フィルタ部90が配置されており、排気孔243としての貫通孔には、排気用フィルタ部91が配置されている。従って、給気用フィルタ部90及び排気用フィルタ部91の内部の気体の流路は、基板収納空間27と容器本体2の外部の空間とを連通可能な通気路210の一部を構成する。また、給気用フィルタ部90と排気用フィルタ部91とは、壁部20に配置されており、給気用フィルタ部90と排気用フィルタ部91とにおいては、容器本体2の外部の空間と基板収納空間27との間で気体が通過可能である。
【0035】
基板支持板状部5は、第1側壁25及び第2側壁26にそれぞれ一体成形されて設けられており、左右方向D3において対をなすようにして基板収納空間27内に設けられている。具体的には、図4等に示すように、基板支持板状部5は、板部51を有している。
【0036】
板部51は、板状の略弧形状を有している。板部51は、第1側壁25、第2側壁26それぞれに、上下方向D2に25枚ずつ計50枚設けられている。隣接する板部51は、上下方向D2において10mm~12mm間隔で互いに離間して平行な位置関係で配置されている。なお、最も上に位置する板部51の上方には、もう一枚板部51と平行に板状の部材59が配置されているが、これは、最も上に位置して基板収納空間27内へ挿入される基板Wに対して、当該挿入の際のガイドの役割をする部材である。
【0037】
また、第1側壁25に設けられた25枚の板部51と、第2側壁26に設けられた25枚の板部51とは、互いに左右方向D3において対向する位置関係を有している。また、50枚の板部51、及び、板部51と平行な板状のガイドの役割をする部材59は、下壁24の内面に平行な位置関係を有している。図2等に示すように、板部51の上面には、凸部511、512が設けられている。板部51に支持された基板Wは、凸部511、512の突出端にのみ接触し、面で板部51に接触しない。
【0038】
このような構成の基板支持板状部5は、複数の基板Wのうちの隣接する基板W同士を、所定の間隔で離間した状態で且つ互いに平行な位置関係とした状態で、複数の基板Wの縁部を支持可能である。
【0039】
図4に示すように、奥側基板支持部6は、奥側端縁支持部60を有している。奥側端縁支持部60は、基板支持板状部5の板部51の後端部に、容器本体2と一体成形されて構成されている。
【0040】
奥側端縁支持部60は、基板収納空間27に収納可能な基板Wの一枚毎に対応した個数、具体的には、25個設けられている。第1側壁25及び第2側壁26に配置された奥側端縁支持部60は、前後方向D1において、後述するフロントリテーナと対をなすような位置関係を有している。基板収納空間27内に基板Wが収納され、蓋体3が閉じられることにより、奥側端縁支持部60は、基板Wの縁部の端縁を挟持して支持する。
【0041】
図2等に示すように、奥壁22は、気体噴出ノズル部としての突出部8を有している。突出部8は、図5図6に示す突出部本体部81と、図6に示す突出部本体部の全面を覆い、突出部本体部に固定される突出部流路蓋部82及び突出部ノズル蓋部83と、を有しており、容器本体2に取り付けられる部品を構成している。このような突出部8は、図2に示すように2つで対をなしており、リブ状に容器本体開口部21へ向って突出し、平行に奥壁22の上端部から下端部に至るまで延びている。即ち、突出部8は中空の柱状を有している。突出部8は、基板収納空間27と容器本体2の外部の空間とを連通可能な通気路210に流入した気体を、基板収納空間27に供給する複数の開口部802と、複数の開口部802から均一化された流量で気体を流出可能とする気体流量均一化部と、を有する。
【0042】
気体流量均一化部は、具体的には、基板収納空間27と容器本体2の外部の空間とを連通可能な通気路210と、開口部802との間に形成された分岐路であって、当該通気路210からの気体の流れを分岐させる分岐路801を有している。
【0043】
通気路210の上方向D21へ延びる垂直方向延出部213の上端部と開口部802との間には、通気路210からのパージガスの流れを分岐させ気体流量均一化部を構成する分岐路8011が形成されている。具体的には、図6に示すように、突出部本体部81は、1つの流入口811を有している。突出部本体部81の前方向D11には、分岐壁部812が設けられている。
【0044】
分岐壁部812によって分岐されたそれぞれの流れのパージガスの下流側には、吐出口814(図6参照)が形成されている。
【0045】
同様に、開口部802に至るまで、吐出口814及び吐出口814に対向する分岐壁部812がパージガスの流路を形成しており、このパージガスの流路は、あたかも、勝ち残り式トーナメント戦の対戦表のような形状を有する。本実施形態では、パージガスは、流入口811から開口部802までの間に3回分岐されて、開口部802から容器本体開口部21へ向って流出される。なお、最下流に位置している吐出口814に対向する突出部本体部81の部分は、分岐壁部812を有していない。
【0046】
また、突出部8は、洗浄液流入阻害部を有している。洗浄液流入阻害部は、図5に示すように、開口部802の近傍、より具体的には、開口部802の上側及び下側に、それぞれ前方向D11へ進むにつれて下方向D22に傾斜する傾斜庇815により構成されている。傾斜庇815は、互いに平行に延びている。傾斜庇815は、容器本体2を洗浄する際に、開口部802の近傍において開口部802から通気路210側への洗浄液の流入を阻む。
【0047】
突出部本体部81と、突出部流路蓋部82及び突出部ノズル蓋部83との接続部分は、圧入による位置決めがなされて互いに固定されて構成された圧入固定部と、インパルス溶着により形成され、圧入固定部における位置決め及び固定を維持するインパルス溶着部と、を備えている。
【0048】
具体的には、図8に示す突出部本体部81の、分岐路801が形成された部分である気体流量均一化部を構成する部分の上端部の開口を塞ぐように、突出部流路蓋部82が突出部本体部81の上端部の開口に圧入されて、突出部本体部81に対する突出部流路蓋部82の位置決めがなされて、突出部本体部81と突出部流路蓋部82とが互いに固定されている。
【0049】
即ち、突出部流路蓋部82の開口の形状を有する部分の先端側部(下側端部8201)には、突出部本体部81に設けられたピンのように図8の上方向へ突出するピン状部材8102を有する凸状部材の基部8101の部分が圧入により嵌合している。このように、圧入による嵌合により、位置決めがなされて互いに固定されている部分は、圧入固定部を構成する。また、突出部流路蓋部82の開口の形状を有する部分の基部(上側部8202)には、ピン状部材8102が挿入され、上側部8202とピン状部材8102とは、インパルス溶着されておりインパルス溶着部を構成する。
【0050】
また、図8に示す突出部本体部81の、開口部802が形成され傾斜庇815が設けられた部分の上端部の開口を塞ぐように、突出部ノズル蓋部83が設けられている。突出部本体部81と突出部ノズル蓋部83とは、突出部本体部81と突出部流路蓋部82との固定と同様に、圧入固定部とインパルス溶着部とによって固定されている。
【0051】
図1に示すように、蓋体3は、容器本体2の開口周縁部28の形状と略一致する略長方形状を有している。蓋体3は容器本体2の開口周縁部28に対して着脱可能であり、開口周縁部28に蓋体3が装着されることにより、蓋体3は、開口周縁部28によって取り囲まれる位置関係で、容器本体開口部21を閉塞可能である。
【0052】
蓋体3の内面(図1に示す蓋体3の裏側の面)であって、蓋体3が容器本体開口部21を閉塞しているときの開口周縁部28のすぐ後方向D12の位置に形成された段差の部分の面(シール面281)に対向する面には、蓋体3の外周縁部を一周するように、環状のシール部材4が取り付けられている。シール部材4は、蓋体3を一周するように配置されている。シール部材4は、弾性変形可能なポリエステル系、ポリオレフィン系など各種熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム製、シリコンゴム製等である。
【0053】
蓋体3が開口周縁部28に装着されたときに、シール部材4は、容器本体2のシール面281(図1参照)と蓋体3の内面とにより挟まれて弾性変形する。即ち、蓋体3と容器本体2との間にシール部材4が介在することにより、蓋体3と開口周縁部28とが互いに当接せずに離間した状態で、蓋体3は、容器本体開口部21を閉塞可能である。開口周縁部28から蓋体3が取り外されることにより、容器本体2内の基板収納空間27に対して、基板Wを出し入れ可能となる。
【0054】
蓋体3においては、ラッチ機構が設けられている。ラッチ機構は、蓋体3の左右両端部近傍に設けられており、図1に示すように、蓋体3の上辺から上方向へ突出可能な2つの上側ラッチ部32A、32Aと、蓋体3の下辺から下方向へ突出可能な2つの下側ラッチ部32B、32Bと、を備えている。2つの上側ラッチ部32A、32Aは、蓋体3の上辺の左右両端近傍に配置されており、2つの下側ラッチ部32B、32Bは、蓋体3の下辺の左右両端近傍に配置されている。
【0055】
蓋体3の外面においては操作部33が設けられている。操作部33を蓋体3の前側から操作することにより、上側ラッチ部32A、32A、下側ラッチ部32B、32Bを蓋体3の上辺、下辺から突出させることができ、また、上辺、下辺から突出させない状態とすることができる。上側ラッチ部32A、32Aが蓋体3の上辺から上方向へ突出して、容器本体2のラッチ係合凹部231A、231Bに係合し、且つ、下側ラッチ部32B、32Bが蓋体3の下辺から下方向へ突出して、容器本体2のラッチ係合凹部241A、241Bに係合することにより、蓋体3は、容器本体2の開口周縁部31に固定される。
【0056】
蓋体3の内側(図1における蓋体3の後方向D12の側)においては、収納空間27の外方(前方向D11)へ窪んだ凹部(図示せず)が形成されている。凹部(図示せず)及び凹部の外側の蓋体3の部分には、フロントリテーナ(図示せず)が固定されて設けられている。
【0057】
フロントリテーナ(図示せず)は、フロントリテーナ基板受け部(図示せず)を有している。フロントリテーナ基板受け部(図示せず)は、左右方向に所定の間隔で離間して対をなすようにして2つずつ配置されている。このように対をなすようにして2つずつ配置されたフロントリテーナ基板受け部は、上下方向に25対並列した状態で設けられている。収納空間27内に基板Wが収納され、蓋体3が閉じられることにより、フロントリテーナ基板受け部は、基板Wの縁部の端縁を挟持して支持する。
【0058】
上記構成の本実施形態に係る基板収納容器1によれば、以下のような効果を得ることができる。
前述のように、突出部本体部81と、他の部品である突出部流路蓋部82、突出部ノズル蓋部83との接続部分は、圧入による位置決めがなされて互いに固定されて構成された圧入固定部と、インパルス溶着により形成され、圧入固定部における位置決め及び固定を維持するインパルス溶着部と、を備える。
【0059】
上記構成により、位置決め精度を決める圧入を行った後に、外れ防止の溶融固定をインパルス溶着により行うため、安定的に生産される位置精度が高い基板収納容器1とすることが出来る。更に、インパルス溶着により物理的に加熱してカシメを行い、冷却するため、発塵を防止することが可能となる。また、部品同士や、容器本体に荷重をかける必要が無いため、部品に変形が発生することを防止することが可能となる。このため、クリーンで且つ寸法精度が高い基板収納容器1とすることが可能となる。
【0060】
また、ピン状部材8102を有する凸状部材の基部8101が、被挿入部の先端側部としての下側端部8201に圧入され位置決めされて固定されて、基部8101と下側端部8201とは圧入固定部を構成し、先端側部であるピン状部材8102が被挿入部の基部である上側部8202にインパルス溶着されて、ピン状部材8102と上側部8202とはインパルス溶着部を構成する。
【0061】
上記構成により、ピン状部材8102とその基部8101とで、インパルス溶着部と圧入固定部とを構成することができ、また、下側端部8201とその基部である上側部8202とで、圧入固定部とインパルス溶着部とを構成することができるため、圧入固定部とインパルス溶着部とを少ないスペースでコンパクトに構成することが可能となる。
【0062】
また、気体噴出ノズル部としての突出部8は、互いに接続される複数の部品である突出部本体部81と、他の部品である突出部流路蓋部82と、突出部ノズル蓋部83とにより構成され、突出部本体部81と、突出部流路蓋部82、突出部ノズル蓋部83との接続部分は、圧入固定部と、インパルス溶着部とを有する。これにより、突出部8を、クリーンで且つ寸法精度が高い気体噴出ノズル部とすることが可能となる。
【0063】
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。図9は、基板収納容器1Aの容器本体2Aを示す底面図である。図10は、基板収納容器1Aの容器本体2Aを示す分解斜視図である。図11は、基板収納容器1Aの容器本体2Aの下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分を示す拡大斜視図である。図12は、基板収納容器1Aの容器本体2Aの下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分を示す拡大断面図であり、図9のC-C線に沿った断面図である。
【0064】
第2実施形態では、圧入固定部とインパルス溶着部とにより構成される接続部分により容器本体2Aに接続される部品が異なる。これ以外の構成については第1実施形態と同様であるため、同一の部材については、同一の符号を付して、説明を省略する。
【0065】
下壁24Aには、図9に示すように、ボトムプレート244Aが固定されている。ボトムプレート244Aは、下壁24Aの外面を構成する下面の中央部から、下壁24Aの左右の前端部、及び、下壁24Aの後端部の左右方向における中央部に向かってそれぞれ延び、且つ、当該下壁24Aの後端部の左右方向における中央に向かって延びている部分の途中の部分が、左右方向に向かってそれぞれ延びる形状を有する板状の部材により構成されている。下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分は、圧入による位置決めがなされて互いに固定されて構成された圧入固定部と、インパルス溶着により形成され、圧入固定部における位置決め及び固定を維持するインパルス溶着部と、を備えている。
【0066】
具体的には、ボトムプレート244Aの周縁部であって、上述のようにそれぞれ延びている部分の端部は、上方向D21(図10図12における下方向)に突出する円筒形状の上方突出部245Aを有している。上方突出部245Aの先端側部(上側端部2451A)には、下壁24Aから下方向に突出して一体成形されて設けられた固定用下方突出部246Aのピンのように図12の上方向へ突出するピン状部材2462Aを有する凸状部材の基部2461Aの部分が圧入により嵌合している。このように、圧入による嵌合により、位置決めがなされて互いに固定されている部分は、圧入固定部を構成する。
【0067】
また、図12に示すように、上方突出部245Aの基部(下側部2452A)の内部には、貫通孔が形成されている。当該貫通孔には、ピン状部材2462Aが挿入され、下側部2452Aとピン状部材2462Aとは、インパルス溶着されておりインパルス溶着部を構成する。インパルス溶着後のピン状部材2462Aは、図12において二点鎖線で示す形状を有している。
【0068】
上記構成の本実施形態に係る基板収納容器によれば、以下のような効果を得ることができる。
前述のように、圧入固定部とインパルス溶着部により接続部分が構成される、容器本体2Aに固定される部品は、下壁24Aに固定されて下壁と共に容器本体2Aの底部を構成するボトムプレート244Aである。この構成により、ボトムプレート244Aが固定された容器本体2Aを、クリーンで且つ寸法精度が高い容器本体とすることが可能となる。
【0069】
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。図13は、基板収納容器の容器本体の下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分を示す拡大断面図であり、図9のB-B線に沿った断面図である。
【0070】
第3実施形態では、圧入固定部とインパルス溶着部とにより構成される接続部分により容器本体に接続される部品が異なる。これ以外の構成については第2実施形態と同様であるため、同一の部材については、同一の符号を付して、説明を省略する。
【0071】
下壁24Aには、図13に示すように、ボトムプレート244Aが固定されている。下壁24Aとボトムプレート244Aとの接続部分は、圧入による位置決めがなされて互いに固定されて構成された圧入固定部と、インパルス溶着により形成され、圧入固定部における位置決め及び固定を維持するインパルス溶着部と、を備えている。
【0072】
具体的には、ボトムプレート244Aは、上方向D21(図13における下方向)に突出する円筒形状の上方突出部245Bを有している。上方突出部245Bの先端側部(上側端部2451B)には、下壁24Aから下方向に突出して一体成形されて設けられた固定用下方突出部246Bの図13の上方向へ突出する円柱状部材2461Bが圧入により嵌合している。このように、圧入による嵌合により、位置決めがなされて互いに固定されている部分は、圧入固定部を構成する。
【0073】
また、上方突出部245Bを有しているボトムプレート244Aの部分とは異なる他の部分2452Bには、貫通孔が形成されている。当該貫通孔には、固定用下方突出部246Bが設けられている下壁24Aの部分とは異なる他の部分に設けられたピン状部材2462Bが挿入され、他の部分2452Bとピン状部材2462Bとは、インパルス溶着されておりインパルス溶着部を構成する。インパルス溶着後のピン状部材2462Bは、図13において二点鎖線で示す形状を有している。
【0074】
上記構成の本実施形態に係る基板収納容器によれば、以下のような効果を得ることができる。
前述のように、円柱状部材2461Bの先端側部は、インパルス溶着部を構成しておらず、円柱状部材2461Bとは異なる他の部分であるピン状部材2462Bがインパルス溶着部を構成する。この構成により、圧入固定部とインパルス溶着部とを異なる部分において構成するため、設計の自由度が高められた基板収納容器とすることが可能となる。
【0075】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。
【0076】
例えば、容器本体及び蓋体の形状、容器本体に収納可能な基板の枚数や寸法は、本実施形態における容器本体2及び蓋体3の形状、容器本体2に収納可能な基板Wの枚数や寸法に限定されない。また、本実施形態における基板Wは、直径300mmのシリコンウェーハであったが、この値に限定されない。
【0077】
また、例えば、本実施形態においては、容器本体と、容器本体に取り付けられる部品であるボトムプレート244Aとの接続部分は、圧入固定部とインパルス溶着部とを備えていた。また、容器本体に取り付けられる部品である突出部本体部81と、他の部品である突出部流路蓋部82、突出部ノズル蓋部83との接続部分は、圧入固定部とインパルス溶着部とを備えていたが、これらの構成に限定されない。部品が蓋体に取り付けられる部品であってもよく、この場合には、当該部品と蓋体との接続部分は、圧入固定部とインパルス溶着部とを備えていてもよい。
【0078】
また、奥側基板支持部は、本実施形態では基板支持板状部5の板部51の後端部に、容器本体2と一体成形されて構成された奥側端縁支持部60を有していたが、この構成に限定されない。例えば、奥側基板支持部は、容器本体と一体成形されて構成されておらず、別体として構成されてもよい。
【0079】
また、本実施形態では、下壁24の前部の2箇所の貫通孔は、容器本体2の内部の気体を排出するための排気孔243であり、後部の2箇所の貫通孔は、容器本体2の内部に気体を給気するための給気孔242であったが、この構成に限定されない。例えば、下壁の前部の2箇所の貫通孔の少なくとも1つについても、容器本体の内部に気体を給気するための給気孔としてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 基板収納容器
2 容器本体
3 蓋体
8 突出部(部品、気体噴出ノズル部)
20 壁部
21 容器本体開口部
22 奥壁
23 上壁
24 下壁
25 第1側壁
26 第2側壁
27 基板収納空間
28 開口周縁部
210 通気路
244A ボトムプレート(部品)
802 開口部
2451A 上側端部(圧入固定部、被挿入部)
2451B 上側端部(圧入固定部、被挿入部)
2452A 下側部(インパルス溶着部、被挿入部)
2452B 他の部分(インパルス溶着部、被挿入部)
2461A 基部(圧入固定部、凸状部材)
2461B 円柱状部材(圧入固定部、凸状部材)
2462A ピン状部材(インパルス溶着部、凸状部材)
2462B ピン状部材(インパルス溶着部、凸状部材)
8101 基部(圧入固定部、凸状部材)
8102 ピン状部材(インパルス溶着部、凸状部材)
8201 下側端部(圧入固定部、被挿入部)
8202 上側部(インパルス溶着部、被挿入部)
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13