(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ナノシート・ゲート・ダイオード
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240906BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240906BHJP
H01L 29/861 20060101ALI20240906BHJP
H01L 29/868 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H01L29/78 301S
H01L29/78 301P
H01L29/91 C
H01L29/91 F
(21)【出願番号】P 2022563094
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2021097946
(87)【国際公開番号】W WO2021249262
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-11-14
(32)【優先日】2020-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヘクマットショアータバリ、バーマン
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナン、カーシク
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/212644(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0102359(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0217507(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0217364(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/78
H01L 29/861
H01L 29/868
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノシート・ゲート・ダイオードであって、
基板と、
前記基板上に配置された第1のソース/ドレイン(S/D)であって、第1のS/Dドーピング型で第1のS/Dドーピング濃度を有する前記第1のS/Dと、
前記基板上に配置された第2のソース/ドレイン(S/D)であって、第2のS/Dドーピング型で第2のS/Dドーピング濃度を有する前記第2のS/Dと、
ダイオードを形成するp-n接合と、
前記p-n接合の第1の側であって、前記第1の側は、第1の側接合ドーピング型で第1の側接合ドーピング濃度を有し、前記第1の側接合ドーピング型が前記第1のS/Dドーピング型と同じであり、前記p-n接合の前記第1の側が前記第1のS/Dに電気的および物理的に接続されている、前記第1の側と、
前記p-n接合の第2の側であって、前記第2の側は、第2の側接合ドーピング型で第2の側接合ドーピング濃度を有し、前記第2の側接合ドーピング型が前記第2のS/Dドーピング型と同じであり、前記p-n接合の前記第2の側が前記第2のS/Dに電気的および物理的に接続されている、前記第2の側と、
前記p-n接合と界面で接して周囲を取り囲むゲート誘電体層と、
前記ゲート誘電体層を取り囲むゲート金属であって、前記ゲート金属および前記ゲート誘電体層が、前記p-n接合を取り囲むゲート・スタックを形成する、前記ゲート金属と
を備える、ナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項2】
前記第1の側接合ドーピング型および前記第1のS/Dドーピング型がn型ドーパントである、請求項1に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項3】
前記n型ドーパントが、リン(P)、ヒ素(As)、およびアンチモン(Sb)のうちの1つである、請求項2に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項4】
前記第1の側接合ドーピング濃度が1×10
19cm
-3と4×10
20cm
-3との間であり、前記第1のS/Dドーピング濃度が8×10
20cm
-3と2×10
21cm
-3との間である、請求項2に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項5】
前記第2の側接合ドーピング型および前記第2のS/Dドーピング型がp型ドーパントである、請求項1に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項6】
前記p型ドーパントが、ボロン(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、およびタリウム(Tl)のうちの1つである、請求項5に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項7】
前記第2の側接合ドーピング濃度が1×10
17cm
-3と1×10
19cm
-3との間であり、前記第2のS/Dドーピング濃度が8×10
20cm
-3と2×10
21cm
-3との間である、請求項2に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項8】
前記第1の側接合ドーピング型および前記第1のS/Dドーピング型がp型ドーパントである、請求項1に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項9】
前記第1の側接合ドーピング濃度が1×10
17cm
-3と1×10
19cm
-3との間であり、前記第1のS/Dドーピング濃度が8×10
20cm
-3と2×10
21cm
-3との間である、請求項8に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項10】
前記第2の側接合ドーピング型および前記第2のS/Dドーピング型がn型ドーパントである、請求項1に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項11】
前記第2の側接合ドーピング濃度が1×10
19cm
-3と4×10
20cm
-3との間であり、前記第2のS/Dドーピング濃度が8×10
20cm
-3と2×10
21cm
-3との間である、請求項10に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項12】
ナノシート・ゲート・ダイオードであって、
基板と、
前記基板上に配置された第1のソース/ドレイン(S/D)であって、第1のS/Dドーピング型で第1のS/Dドーピング濃度を有する前記第1のS/Dと、
前記基板上に配置された2つ以上の第2のソース/ドレイン(S/D)であって、前記第2のS/Dが、第2のS/Dドーピング型で第2のS/Dドーピング濃度を有し、前記第2のS/Dのうちの1つが右の第2のS/Dで、前記第2のS/Dのうちの1つが左の第2のS/Dである、前記2つ以上の第2のS/Dと、
1つまたは複数のp-n接合であって、各p-n接合は別々のチャネル中にダイオードを形成し、前記ダイオードおよび前記チャネルの各々がゲート・スタックによって取り囲まれ、前記ゲート・スタックが、前記p-n接合の各々と界面で接して周囲を取り囲むゲート誘電体層と、前記ゲート誘電体層を取り囲むゲート金属とを有する、前記1つまたは複数のp-n接合と、
前記ダイオードの1つまたは複数が互いに積層されて形成された2つ以上のデバイス・スタックであって、左のデバイス・スタックが前記左の第2のS/Dと前記第1のS/Dとの間にあり、右のデバイス・スタックが前記右の第2のS/Dと前記第1のS/Dとの間にある、前記2つ以上のデバイス・スタックと、
前記p-n接合の各々の第1の側であって、前記第1の側が第1の側接合ドーピング型で第1の側接合ドーピング濃度を有し、前記第1の側接合ドーピング型が前記第1のS/Dドーピング型と同じであり、前記p-n接合の前記第1の側が前記第1のS/Dに電気的および物理的に接続されている、前記p-n接合の各々の前記第1の側と、
前記p-n接合の第2の側であって、前記第2の側が第2の側接合ドーピング型で第2の側接合ドーピング濃度を有し、前記第2の側接合ドーピング型が前記第2のS/Dドーピング型と同じであり、前記左のスタック中の前記p-n接合の前記第2の側が前記左の第2のS/Dに電気的および物理的に接続され、前記右のスタック中の前記p-n接合が前記右の第2のS/Dに電気的および物理的に接続されている、前記p-n接合の前記第2の側と
を備え、前記左のスタック中および前記右のスタック中の前記p-n接合の前記第1の側が前記第1のS/Dに電気的に接続され、電気的に並列に接続された複数の前記ダイオードを形成する、ナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項13】
前記ゲート誘電体層を取り囲む前記ゲート金属と前記ダイオードの各々とが電気的に共通に接続されている、請求項12に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項14】
前記ナノシート・ゲート・ダイオードの電流容量が、ダイオードの数に応じて増加する、請求項12に記載のナノシート・ゲート・ダイオード。
【請求項15】
ナノシート・ゲート・ダイオードを製造する方法であって、
複数のナノ層から中間積層構造を形成するステップであって、前記ナノ層は、1つまたは複数のチャネル層および1つまたは複数のダミー・ゲート層であり、前記チャネル層および前記ダミー・ゲート層は、前記中間積層構造を形成するために、互い違いに互いの上に配置され、前記チャネル層は、第2の側接合ドーピング濃度と第2の側接合ドーピング型とをもつ半導体材料である、前記ステップと、
前記中間積層構造上に、ゲート・スペーサ層によってそれぞれ覆われる2つのダミー・ゲートを堆積させるステップと、
前記ゲート・スペーサ層をマスクとして使用し、前記中間積層構造から一対のスタックを、前記スタックの間および前記スタックの横の前記ナノ層を除去することによって生成するステップと、
前記ダミー・ゲート層の1つまたは複数の露出した端部の各々にインナー・スペーサを形成するステップと、
チャネル内の各チャネル層のチャネル層端部を露出させるために前記チャネル層の各々の一部を除去するステップであって、前記チャネル層が次に第2の側接合になる、前記ステップと、
第1のS/Dエピタキシャル成長の第1の部分としてチャネル・エピタキシをエピタキシャル成長させるステップであって、前記チャネル・エピタキシが、前記チャネル内に第1の側接合を成長させ、前記第1の側接合が前記第2の側接合に接触する前記露出したチャネル層にp-n接合/ダイオードを生成し、前記第1の側接合が第1の側接合ドーピング濃度と前記第2の側接合ドーピング型と反対の第1の側接合ドーピング型とを有する、前記ステップと、
第1のS/Dドーピング濃度と第1のS/Dドーピング型とをもつ第1のS/Dを成長させるために、前記第1のS/Dエピタキシャル成長を継続するステップであって、前記第1の側接合ドーピング型と前記第1のS/Dドーピング型とは同じで、前記第1のS/Dドーピング濃度が前記第1の側接合ドーピング濃度より高い、前記ステップと、
第2のS/Dドーピング濃度と第2のS/Dドーピング型とをもつ第2のソース/ドレイン(S/D)をエピタキシャル成長させるステップであって、前記第2のS/Dが前記第2の側接合と電気的に接触し、前記第2のS/Dドーピング型は前記第2の側接合ドーピング型と同じで、前記第2のS/Dドーピング濃度が前記第2の側接合ドーピング濃度より高い、前記ステップと、
前記p-n接合/ダイオードの1つまたは複数の周囲にゲート・スタックを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記p-n接合/ダイオードが形成された後、前記第1の側接合ドーピング濃度が前記第1のS/Dドーピング濃度まで上昇される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記チャネル・エピタキシが時限エピタキシャル成長である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
除去された前記チャネル層の各々の前記一部が、前記チャネル層の幅の約半分において前記チャネル層端部を露出させる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のS/Dドーピング濃度および前記第2のS/Dドーピング濃度が8×10
20cm
-3と2×10
21cm
-3との間である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記ゲート・スタックが、前記p-n接合の各々と界面で接して周囲を取り囲むゲート誘電体層と、前記ゲート誘電体層を取り囲むゲート金属とを有し、前記ゲート金属が、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)またはルテニウム(Ru)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、炭窒化チタンアルミニウム(TiAlCN)、炭化チタン(TiC)、炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、炭化タンタルアルミニウム(TaAlC)、炭窒化タンタルアルミニウム(TaAlCN)またはランタン(La)ドープのTiN、TaNのうちの1つまたは複数である、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改良された半導体ダイオードに関する。より詳細には、本発明は、1つまたは複数のゲート・ダイオード(gated diode)、およびナノシートからゲート・ダイオードを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノシートは、薄い半導体層である。ナノシートは積層され、ナノシート・スタックが形成される。
【0003】
ナノシート技術は、5ナノメートル(nm)テクノロジをターゲットとした小型デバイスを製造するための有力な選択肢として追求されている。ナノシート・スタックは、電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)のようなデバイスを製造するための初期構造として使用される。
【0004】
ダイオードは、デジタル回路、アナログ回路、ロジックおよび制御回路、および静電放電回路を含む、多くの回路用途に普及している半導体デバイスである。
【0005】
効果的なナノシート・ゲート・ダイオード構造、およびナノテクノロジを用いてゲート・ダイオードを製造する方法に対するニーズがある。加えて、ゲート・ダイオードをFETのような他の構成要素とともにナノシート構造に集積する方法および構造が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、1つまたは複数のゲート・ダイオード構造、およびゲート・ダイオードをナノシート構造から製造し、ゲート・ダイオードをナノシート構造に集積する方法を含む。
【0007】
ゲート・ダイオードは基板を含む。第1のソース/ドレイン(S/D)は基板上に配置される。第1のS/Dは、第1のS/Dドーピング型で第1のS/Dドーピング濃度を有する。第2のソース/ドレイン(S/D)は基板上に配置される。第2のS/Dは、第2のS/Dドーピング型で第2のS/Dドーピング濃度を有する。
【0008】
1つまたは複数のp-n接合は、それぞれダイオードを形成する。各p-n接合は、第1の側と第2の側とを有する。第1の側は、第1の側接合ドーピング型で第1の側接合ドーピング濃度を有する。第1の側接合ドーピング型は、第1のS/Dドーピング型と同じ型であり、p-n接合の第1の側は、第1のS/Dに電気的および物理的に接続される。第2の側は、第2の側接合ドーピング型で第2の側接合ドーピング濃度を有する。第2の側接合ドーピング型は、第2のS/Dドーピング型と同じ型であり、p-n接合の第2の側は、第2のS/Dに電気的および物理的に接続される。
【0009】
ゲート誘電体層は、p-n接合の各々と界面で接して周囲を取り囲み、ゲート金属は、そのゲート誘電体層を取り囲む。ゲート金属およびゲート誘電体層は、p-n接合の各々を取り囲むゲート・スタックを形成する。
【0010】
本発明の様々な実施形態は、次に簡潔に説明する添付の図面を参照しながら、以下により詳細に説明する。図は、本発明の様々な装置、構造、および関連する方法ステップを示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】中間積層構造、たとえばナノシート・スタックの断面図である。
【
図2】
図1の中間構造上に配置された一対のダミー・ゲートおよび一対のゲート・スペーサの断面図である。
【
図3】領域が除去されて一対のスタックが形成された中間積層ナノシート構造の断面図である。
【
図4】一対のスタックの各々にインナー・スペーサが形成された中間構造の断面図である。
【
図5】一対のマスクを堆積させた後の中間構造の断面図であり、各マスクはスタックの半分をマスクしている。
【
図6】1つまたは複数のチャネル層の側部を選択的エッチングした後の中間構造の断面図である。
【
図7】チャネル・エピタキシを含む、第1のソース/ドレイン(S/D)のエピタキシャル成長後の中間構造の断面図である。
【
図8】開口領域充填マスク(open area fill mask)の堆積後の中間構造の断面図である。
【
図9】1つまたは複数の第2のソース・ドレインのエピタキシャル成長後の中間構造の断面図である。
【
図10】領域充填マスクを除去し、層間誘電体(ILD:interlayer dielectric)充填材を堆積させた後の中間構造の断面図である。
【
図11】1つまたは複数のゲート・スタック形成後の1つまたは複数のナノシート・ゲート・ダイオードの一実施形態の断面図である。
【
図12】ナノシート・ゲート・ダイオードを製造する方法ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態は、本明細書に開示された例示的な方法、装置、構造、システムおよびデバイスに限定されるものではなく、むしろ、この開示が与えられた当業者にとって明らかになる、他の代替的でより広範な方法、装置、構造、システムおよびデバイスに対してより広範に適用可能であることは理解されるべきである。
【0013】
加えて、添付の図面に示される様々な層、構造、または領域、あるいはその組合せは縮尺通りに描かれておらず、一般的に使用される種類の1つまたは複数の層、構造、または領域、あるいはその組合せが所定の図面に明示的に示されていないことがあることは理解されるべきである。これは、明示的に示されていない層、構造、または領域、あるいはその組合せが実際のデバイスから省略されることを意味するものではない。
【0014】
加えて、説明がそのような省略された要素に必ずしも焦点を当てられていないとき、明確化または単純化あるいはその両方のために、特定の要素は図から省かれ得る。さらに、図面全体で使用される同一または類似の参照番号は、同一または類似の特徴、要素、または構造を示すために使用され、したがって、同一または類似の特徴、要素、または構造の詳細な説明は、図面のそれぞれについて繰り返されないことがある。
【0015】
本発明の実施形態によって開示される半導体デバイス、構造、および方法は、アプリケーション、ハードウェア、または電子システム、あるいはその組合せにおいて採用され得る。本発明の実施形態を実施するための適切なハードウェアおよびシステムは、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、電子商取引システム、携帯通信デバイス(たとえば、セルおよびスマートフォン)、固体媒体記憶デバイス、エキスパートおよび人工知能システム、機能回路、ニューラル・ネットワークなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。本半導体デバイスおよび構造を組み込んだシステムおよびハードウェアは、本発明の実施形態として企図される。
【0016】
本明細書で使用する際、「高さ(height)」は、要素(たとえば、層、トレンチ、ホール、開口部など)の底面から最上面まで測定された、または要素が置かれている表面を基準に測定された、あるいはその両方の、断面図または立面図における要素の垂直方向の寸法を指す。
【0017】
逆に、「深さ(depth)」は、要素(たとえば、層、トレンチ、ホール、開口部など)の最上面から底面まで測定した、断面図または立面図における要素の垂直方向の寸法を指す。「厚い(thick)」、「厚さ(thickness)」、「薄い(thin)」などの用語またはそれらの派生語が記載される場合、「高さ」の代わりに使用され得る。
【0018】
本明細書で使用する際、「横方向の(lateral)」、「横側(lateral side)」、「側部(side)」、および「外側面(lateral surface)」は、図面における左側面(left-side surface)または右側面(right-side surface)などの要素(たとえば、層、開口部など)の側面(side surface)のことをいう。
【0019】
本明細書で使用する際、「幅(width)」または「長さ(length)」は、要素の一側面から反対側の表面まで測定された、図面における要素(たとえば、層、トレンチ、ホール、開口部など)の寸法を指す。「厚い」、「厚さ」、「薄い」などの用語またはそれらの派生語が記載される場合、「幅」または「長さ」の代わりに使用され得る。
【0020】
本明細書で使用する際、「上部の(upper)」、「下部の(lower)」、「右の(right)」、「左の(left)」、「垂直の(vertical)」、「水平の(horizontal)」、「最上部(top)」、「底部(bottom)」などの用語、およびそれらの派生語は、図面図において方向付けられるように、開示される構造および方法に関連する。たとえば、本明細書で使用する際、「垂直の」は、立面図における基板の最上面に垂直な方向を指し、「水平の」は、立面図における基板の最上面に平行な方向を指す。
【0021】
本明細書で使用する際、別段に指定されない限り、「上に(on)」、「上に(overlying)」、「頂上に(atop)」、「上に(on top)」、「上に位置する(positioned on)」または「頂上に位置する(positioned atop)」などの用語は、第1の要素が第2の要素上に存在することを意味し、第1の要素と第2の要素との間に介在要素が存在し得る。本明細書で使用する際、別段に指定されない限り、「上に(on)」、「上に(overlying)」、「頂上に(atop)」、「上に(on top)」、「上に位置する(positioned on)」、「頂上に位置する(positioned atop)」、もしくは「上に配置される(disposed on)」という用語に関連して使用される「直接(directly)」という用語、または「接触して(in contact)」もしくは「直接接触して(direct contact)」という用語は、第1の要素と第2の要素とが、第1の要素と第2の要素との間に、たとえば、中間の導電層、絶縁層または半導体層などの介在要素がいずれも存在せずに接続されることを意味する。
【0022】
これらの用語は、記載されたデバイスの向きによって影響を受ける可能性があることを理解されたい。たとえば、これらの記述の意味は、デバイスが上下逆に回転されれば変わることもあり得るが、本発明の特徴間の相対的な関係を記述しているので、記述は依然有効である。
【0023】
図は、1つまたは複数のナノシート・ゲート・ダイオードの実施形態につながる一連の中間構造および異なる方法ステップを提示する。ある非限定的な例示的実施形態では、たとえばn型材料でできている第1のソース/ドレインのエピタキシャル成長が提示される。第1のソース/ドレインのエピタキシャル成長の第1の部分はチャネル・エピタキシであり、n型材料が、反対型の半導体材料、たとえばp型材料を含む1つまたは複数の凹んだチャネル内のエッチング除去された空間にエピタキシャル成長する。
【0024】
「全周(all-around)」ゲートの様々な実施形態が開示されている。たとえば、全周ゲートは、p-n接合、すなわちダイオードの各々が形成されている1つまたは複数のチャネル(およびp-n接合)の最上面、底面、前面、および裏面に直接接触する(界面で接する)ゲートであり得る。ゲートが、個々の並列チャネル/p-n接合の各々のすべてを取り囲む(「全周」)1つの統合された構造である実施形態では、すべてのp-n接合に同じゲート電圧が同時にかかる。
【0025】
次に、図を参照する。
【0026】
図1は、中間積層構造100の断面図である。開始構造100は、基板105上に配置されたナノシートの層である。各ナノシート(120、130、122、132、124、および134、一般的には140)は、チャネル層(130、132、および134、一般的には150)または全周ダミー・ゲート層(120、122、124、一般的には160)のいずれかである。チャネル層150と全周ダミー・ゲート層160とは、一方が他方の上に交互に配置されて、ナノシート140の層を形成している。
【0027】
基板105は、単一の元素(たとえば、シリコンまたはゲルマニウム);主として単一の元素(たとえば、ドープされた材料)、たとえばドープされたシリコン;または化合物半導体、たとえばガリウムヒ素(GaAs);または半導体合金、たとえばシリコンゲルマニウム(SiGe)から製造され得る。基板105の材料の非限定的な例は、シリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、Si:C(炭素ドープシリコン)、ゲルマニウム(Ge)、炭素ドープシリコンゲルマニウム(SiGe:C)、Si合金、Ge合金、III-V族材料(たとえば、GaAs、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)、インジウムヒ素(InAs)、インジウムリン(InP)、アルミニウムヒ素(AlAs)など)、II-V族材料(たとえば、カドミウムセレン(CdSe)、硫化カドミウム(CdS)またはこれらの任意の組合せ)のような1つまたは複数の半導体材料、あるいは他の同種の半導体を含む。加えて、半導体材料の複数の層は基板105を構成することができる。いくつかの実施形態では、基板105は半導体材料と絶縁体材料の両方を含む。いくつかのシリコン・オン・インシュレータ(SOI)実装例では、埋め込み酸化物層BOX(たとえば、SiO2)が基板105中に埋め込まれる。
【0028】
チャネル層150は、半導体材料でできている。
【0029】
チャネル層150は、第2のS/D950(後述)と同じ型のドーピングを有するが、チャネル層150のドーピング・レベルすなわちドーピング濃度(典型的には155)は、第2のS/Dのドーピング・レベル/濃度より低い。(以下の第2のS/D950のより詳細な説明を参照されたい。)
【0030】
第2のS/D950およびチャネル層150がp型にドープされる場合、ドーパントは、ボロン(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、およびタリウム(Tl)の非限定的なグループから選択され得る。第2のS/Dおよびチャネル層150がn型にドープされる場合、ドーパントは、リン(P)、ヒ素(As)およびアンチモン(Sb)の非限定的なグループから選択され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、チャネル層150は、5ナノメートル(nm)と12ナノメートルとの間の範囲のチャネル層150厚さ135を有する。
【0032】
チャネル層150のドーピング・レベル/濃度は変化する。たとえば、p型ドーピングについては、チャネル層150は、たとえばボロン(B)で、1×1017cm-3と1×1019cm-3との間の濃度でドープされ得る。n型ドーピングについては、チャネル層150は、たとえばリン(P)で、1×1019cm-3と4×1020cm-3との間の濃度でドープされ得る。他のドーピング・レベル/濃度155およびチャネル層厚さ135も可能である。
【0033】
非限定的な例では、チャネル層150は、ボロン(B)のp型ドーピングで1×1017cm-3と1×1019cm-3との間の濃度をもつシリコンでできている。
【0034】
全周ダミー・ゲート層160は、構造100の他の材料、たとえば基板105およびチャネル層150を作る材料に影響を与えないプロセスによって除去され得る犠牲材料でできている。いくつかの実施形態では、全周ダミー・ゲート層160はシリコンゲルマニウム(SiGe)でできている。
【0035】
全周ダミー・ゲート層160の厚さ125は6nmと20nmとの間であり、好ましくは8nmから10nmまでの厚さをもつ。他の厚さも可能である。
【0036】
いくつかの実施形態では、ナノシート層140は、互いの上に重ねてエピタキシャル成長させられる。「エピタキシャル成長するか、または堆積するか、あるいはその両方を行う(epitaxially growing and/or depositing)」および「エピタキシャル成長させられるか、または堆積させられるか、あるいはその両方が行われる(epitaxially grown and/or deposited)」という用語は、半導体材料の堆積表面上の半導体材料の成長を意味し、成長させられる半導体材料は、堆積表面の半導体材料と同じ結晶特性を有する。
【0037】
エピタキシャル堆積プロセスでは、堆積しようとする原子が、表面上を動き回り自分自身の向きを堆積表面の原子の結晶配列に合わせるのに十分なエネルギーを伴って半導体基板の堆積表面に到達するように、ソース・ガスによって供給される化学反応物質が制御され、システム・パラメータが設定される。したがって、エピタキシャル半導体材料スタックの各半導体層は、それが形成される堆積表面と同じ結晶特性を有する。
【0038】
本発明で採用され得る様々なエピタキシャル成長プロセス装置の例は、たとえば、急速熱化学気相成長(RTCVD:rapid thermal chemical vapor deposition)、低エネルギー・プラズマ成長(LEPD:low-energy plasma deposition)、超高真空化学気相成長(UHVCVD:ultra-high vacuum chemical vapor deposition)、大気圧化学気相成長(APCVD:atmospheric pressure chemical vapor deposition)、および分子線エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)を含む。エピタキシャル堆積の温度は、一般的には550℃から900℃までの範囲である。
【0039】
いくつかの実施形態では、エピタキシャル成長のためのガス源は、シリコンを含有するガス源またはゲルマニウムの混合物を含有するガス源あるいはその両方を含み得る。シリコン・ガス源の例は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、およびこれらの組合せを含む。ゲルマニウム・ガス源の例は、ゲルマン、ジゲルマン、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、エピタキシャルSiGe合金は、シリコンとゲルマニウムとを含有する化合物を含むソース・ガスから形成され得る。水素、ヘリウム、およびアルゴンのようなキャリア・ガスが使用され得る。層のエピタキシャル成長中に、適切な型のドーパントを前駆物質ガスまたはガス混合物に添加され得る。
【0040】
チャネル層150材料のいくつかの実施形態では、前駆物質ガスまたはガス混合物中にドーパントが存在しないし、添加されてもいない。他の実施形態では、以下に説明するように、チャネル層150はガス混合物中のドーパントでドープされるが、第2のS/D950よりも低いドーピング濃度でドープされる。
【0041】
好ましい実施形態では、層140は、統合エピタキシ・プロセスによって成長させられる。統合エピタキシ・プロセスでは、構造は、異なるドーパントおよびドーパント濃度をもつ異なる層を生成するためにガス源の型、およびドーパントの型または濃度あるいはその両方が異なる時間および時間期間で変化しながら、連続的にエピタキシャル成長させられる。いくつかの温度調整はまた、エピタキシャル成長中に、層の1つまたは複数に対して行われ得る。
【0042】
ナノシート層140は、以下に説明するように、互いの上に重ねて成長させられて構造100を完成させる。成長させられるチャネル層150はインサイチュでドープされ得、これは、それぞれのエピタキシャル・チャネル層150の成長/堆積中にドーパントがエピタキシ層中に取り込まれることを意味する。
【0043】
いくつかの実施形態では、全周ダミー・ゲート層160を生成するために、ソース・ガスが変更される。一般的に、全周ダミー・ゲート層160は、ドープされない。全周ダミー・ゲート層160のドーピングは、これらの層160が犠牲的であるため、必然性がない。
【0044】
いくつかの実施形態では、2つまたは3つのチャネル層150が形成される。より多くのチャネル層150の形成も可能である。
【0045】
ナノ層140をエピタキシャル成長させることによって構造100を生成することにより、ナノ層140厚さおよびドーピング・レベルの正確な制御が可能になる。さらに、ナノ層140の成長中は、層のアラインメントが必要とされない。
【0046】
図2は、中間構造100上に配置された、一対(210A、210B)のダミー・ゲート210および一対(220A、220B)のゲート・スペーサ220の断面
図200である。
【0047】
ダミー・ゲート210およびゲート・スペーサ220は、周知の方法によって形成される。たとえば、ダミー・ゲート材料210は、マスクを介して堆積される。マスク除去後、ゲート・スペーサ材料220がコンフォーマルに堆積され、指向性エッチ・バック(directional etch back)が行われる。ダミー・ゲート210は、ゲート・スペーサ220の材料と化学的に選択性が異なる犠牲材料でできている。
【0048】
ダミー・ゲート210材料は、たとえば、アモルファス・シリコン(α-Si)または多結晶シリコン(ポリシリコン)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ダミー・ゲート材料は、全周ダミー・ゲート層160と同じ材料、たとえば、SiGeである。ダミー・ゲート210材料は、物理気相成長(PVD:physical vapor deposition)、化学気相成長(CVD:chemical vapor deposition)、およびプラズマ強化化学気相成長(PECVD:plasma enhanced chemical vapor deposition)を含むが、これらに限定されない堆積プロセスによって堆積され得る。ダミー・ゲート210は、約10nmから約100nmまで、または20nmから50nmまでの厚さを有する。他の厚さも可能である。
【0049】
ゲート・スペーサ220の材料は、PVD、CVD、または原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)のような既知の技術によって堆積させられ得、窒化シリコン(SiN)、硼窒化シリコン(SiBN)、硼炭窒化シリコン(SiBCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、絶縁体酸窒化物、または酸化シリコン(SiOx)のような絶縁体酸化物のような材料からなり得る。ゲート・スペーサ220の厚さは、他の厚さも可能であるが、3nmから15nmまでの間であり得る。いくつかの実施形態では、ゲート・スペーサ220はSiNである。
【0050】
図3は、以下に説明するように、マスクおよびソース/ドレイン領域の成長を可能にするために領域(310、315、320)が除去された、一対のスタック360の中間構造300の断面図である。たとえば、一対のスタック360の間315およびスタックの横(310、320)の領域は、基板105上方に材料が何もないことになる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ゲート・スペーサ220は、ゲート・スペーサ220の各々の下には一対(360A、360B)のナノ層140のスタック360を残しながら、領域310、315、および320のナノ層140をエッチング除去する指向性反応性イオン・エッチ(RIE:reactive ion etch)プロセスのマスクとして使用される。いくつかの実施形態では、RIEエッチングは、層140が除去される化学反応に必要な、一連の異なるRIEである。RIEは、終点検出(end point detection)のような既知の技術、すなわち最後に除去される層120の材料が検出されなくなるときを監視することを使用して、基板105の表面305が到達されたときに停止する。
【0052】
一対のスタックの各々は、チャネル最上部710とチャネル底部720とをもつ1つまたは複数のチャネル730を有する。チャネル730は、それぞれのチャネル730の内部の材料を含むチャネル層150と区別される。また、チャネル730はチャネル幅325を有する。
【0053】
図4は、一対(460A、460B)のスペーサ・スタック460を生成するインナー・スペーサ450をもつ中間構造400の断面図である。インナー・スペーサ450は、各全周ダミー・ゲート層160の端部、典型的には455に形成され、次の処理ステップのいくつかにおいて、全周ダミー・ゲート層160を保護する。
【0054】
インナー・スペーサ450の形成は、全周ダミー・ゲート層160の部分的なエッチ・バックから始まる。そのエッチング化学反応は、全周ダミー・ゲート層160の材料、たとえばSiGeを選択的に除去し、チャネル層150またはゲート・スペーサ220の材料には影響を与えない。たとえば、構造300は、ある限られた時間期間、気体のHClのような既知の化学物質に曝露される。たとえば、TEL(東京エレクトロン株式会社)によって開発された他の利用可能な方法がある。
【0055】
全周ダミー・ゲート層160の端部455を必要な距離451だけ凹ませるための時間の長さは、経験的に決定される。
【0056】
端部455が凹まされた後、インナー・スペーサ450の材料はコンフォーマルに堆積させられる。既知のプロセス(たとえば、マスクされた方向性エッチング)は、スペーサ・スタック460の側部を再定義し、基板105の表面305からスペーサ材料を除去する。
【0057】
インナー・スペーサ450の材料および堆積技術は、ゲート・スペーサ220の形成に使用されたものであり得る。いくつかの実施形態では、インナー・スペーサ450は、窒化シリコン(SiN)でできている。インナー・スペーサ450の厚さ451は、3nmと8nmとの間である。他の厚さも可能である。
【0058】
図5は、一対(550A、550B)のハーフ・マスク550の堆積後の中間構造500の断面図であり、各ハーフ・マスク550はスペーサ・スタック460の半分をマスクしている。
【0059】
いくつかの実施形態では、ハーフ・マスク550は、二酸化シリコン(SiO2)を含む、酸化物のような、エピタキシャル成長に対応しない材料でできている。ハーフ・マスク550の材料はまた、チャネル層150を構成する材料と化学的に選択性がある。
【0060】
図6は、選択的エッチング・ステップ後の中間構造600の断面図である。
【0061】
ハーフ・マスク550が領域315を露出させたままにしているので、チャネル層150のチャネル層端部、一般的には655も露出される。ゲート・スペーサ220およびインナー・スペーサ450またはゲート・スペーサ220およびインナー・スペーサ450によってマスクされた材料、たとえばダミー層160の端部455にほとんどまたは全く影響を与えずに、チャネル730内の材料150を選択的にエッチ・バック/凹ませる650エッチング処理ステップ、たとえば適切な時限ウェットまたはドライ・エッチングが実行される。
【0062】
エッチングは、十分なチャネル層150の材料が除去されてチャネル730の各々の幅325の約半分625を凹ませる650まで続けられ、露出したチャネル層150端部655をチャネル730の幅325の約半分625だけチャネル730中に凹んだままにする。
【0063】
シリコンは、水酸化アンモニウム(NH4OH)溶液を用いて室温より高い温度で選択エッチングされる。その他の方法は、TEL(東京エレクトロン株式会社)から入手可能である。
【0064】
チャネル730中に残存するチャネル層150材料は、露出したチャネル層端部655でp-n接合の第2の側680となる。
【0065】
図7は、上述したような、エピタキシャル成長およびドーピング方法を用いた第1のソース/ドレイン(S/D)725のエピタキシャル成長後の中間構造700の断面図である。
【0066】
露出したチャネル層端部655およびダミー・ゲート材料160は半導体材料でできているので、第1のS/D725の材料は、チャネル730内の露出領域650の底部(典型的には720)、最上部(典型的には710)および露出したチャネル層端部655(半導体表面)上にエピタキシャル成長する。このチャネル・エピタキシは、第1のS/Dエピタキシャル成長725の第1の部分である。
【0067】
いくつかの実施形態では、チャネル・エピタキシ中に、チャネル層150の露出した凹部650は、たとえば第1のp-n接合ドーピング・レベル781の低いレベル781に保たれたドーピング・レベル781でエピタキシャル成長する材料750(第1のS/D725のエピタキシャル成長のこの第1の部分-チャネル・エピタキシにおいて)によって充填されている。
【0068】
エピタキシャル成長が続くと728、第1のS/D725のエピタキシャル成長の第2の部分で、継続しているエピタキシャル成長は第1のS/D領域725を充填する(たとえば、以前の何もなかった空間315をさらに充填する)。第1のS/D725の継続しているエピタキシャル成長のこの第2の部分において、ドーピング・レベル726は、より高いレベル726、たとえば第1のソース/ドレイン・ドーピング・レベル726に上昇される。
【0069】
より高い第1のS/Dドーピング濃度726への切り替えは、チャネル730内の何もない空間/露出した凹部650を充填750して、第1の側接合ドーピング・レベル/濃度781と第1の側接合ドーピング型782とをもつ第1の側接合780を形成するための十分な時間期間後に行われる。したがって、p-n接合790は、チャネル内、典型的には730内のp-n接合790の第2の側680と接する第1の側接合780を形成する、低いドーピング濃度781での時限チャネル・エピタキシャル成長によって形成される。
【0070】
換言すると、何もない/露出した領域650が充填された750後にドーピング・レベルは上昇し、第1の側接合ドーピング・レベル/濃度781と第1の側接合ドーピング型782とを有する材料750でできている第1の側接合780を形成する。何もない/露出した領域650が充填された後、第1のS/D725は、より高い第1のS/Dドーピング濃度726と第1のS/Dドーピング型727とをもつエピタキシャル成長728(第1のS/Dエピタキシャル成長の第2の部分)を続ける。したがって、第1のS/Dドーピング型727と第1の側接合ドーピング型782とは同じものである。いくつかの実施形態では、第1のS/D725を作る材料と、チャネル730の露出した凹部650を埋める材料750とは、同じドーピング型(727、782)であるが異なるドーピング濃度(726、781)をもつ同じ第1のS/D材料である。組成は異なるが、適切に整合する格子構造をもつ他の材料も想定される。換言すれば、いくつかの実施形態では、第1のS/D材料は、ある第1のS/D材料から別の第1のS/D材料に変更され、ある第1のS/D材料と別の第1のS/D材料とは異なる材料であるが、整合する格子構造を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、ドーピング・レベルがより低い第1の側接合ドーピング・レベル/濃度781からより高い第1のS/Dドーピング・レベル/濃度726に上昇する時間は、実験によって経験的に決定される。
【0072】
したがって、p-n接合すなわちダイオード、典型的には790は、ここで各前に露出したチャネル層端部655に形成される。p-n接合/ダイオード790は、第1の側、典型的には780、および第2の側、典型的には680を有する。
【0073】
チャネル730の充填された750部分は、第1のS/D725に物理的および電気的に接続されるp-n接合/ダイオード790の第1の側780を形成する。p-n接合/ダイオード790の第1の側780は、第1のS/D材料と同じ材料である。第1の側接合ドーピング型782は、第1のS/Dドーピング型727と同じであるが、第1の側接合ドーピング濃度781は、第1のS/Dドーピング濃度726より低い。
【0074】
p-n接合/ダイオード790の第2の側680は、元々チャネル層150を構成するドープされた半導体材料であり、元のチャネル層150と同じドーピング型(第2の側接合ドーピング型682)と濃度(第2の側接合ドーピング濃度681/155)とをもつ。
【0075】
いくつかの実施形態では、充填750された、露出した、凹んだ/何もない650チャネル730、すなわちp-n接合790の第1の側780は、1×1019cm-3と4×1020cm-3との間の第1の側接合ドーピング・レベル/濃度781でドープされるが、第1のS/D725は、8×1020cm-3と2×1021cm-3との間の第1のS/Dドーピング濃度726でドープされる。第1の側接合780のドーピング型782が第2の側接合680のドーピング型682と反対であるので、p-n接合/ダイオード790はチャネル730内に形成される。
【0076】
非限定的な例では、第1のS/D725およびチャネル730の露出した凹部650内の充填物750、すなわちp-n接合790の第1の側780を構成する材料/ドーピングは、たとえばリン(P)でn型ドープ782されたシリコンである。接合/ダイオードの第2の側680は、ボロン(B)でドープされたp型ドープ682のシリコンでできている。第2の側接合ドーピング(ボロン、Bで)濃度681は、1×1017cm-3と1×1019cm-3との間である。第1の側接合780は、n型ドープ782されたシリコン(リン、Pで)であり、第1の側接合ドーピング濃度781は、1×1019cm-3と4×1020cm-3との間である。その他のドーピング・レベルも想定される。第1の側780および第2の側680のドーピング型(782、682)と濃度(781、681)とは、チャネル730において逆の位置にあり得る。
【0077】
図8は、ハーフ・マスク550の除去および開口領域充填マスク850の堆積後の中間構造800の断面図である。
【0078】
一対(550A、550B)のハーフ・マスク550の除去は、ハーフ・マスク550を構成する材料を除去するが、ゲート・スペーサ220およびインナー・スペーサ450にはほとんど影響を与えない適切なウェット・エッチングまたはドライ・エッチングによって行われる。
【0079】
ハーフ・マスク550の除去は、再び、外側領域(310、320)および一対(220A、220B)のゲート・スペーサ220の一対(825A、825B)の最上部825を露出させる。現在は接合/ダイオード680の第2の側であるチャネル層、典型的には150の各対(810A、810B)の外縁、典型的には810がまた露出される。
【0080】
充填マスク850は、第1のソース/ドレイン725上方のすべての何もない空間を埋めるために、たとえばリソグラフィ・プロセスで堆積される。いくつかの実施形態では、充填マスク850は、ゲート・スペーサ220の一対(825A、825B)の最上部825のうちいくつかの最上部825と重なる。いくつかの実施形態では、化学機械研磨(CMP:chemical-mechanical polishing)を行って(図示せず)、構造800の最上部を平坦化する。
【0081】
充填マスク120は、次のステップで第2のソース・ドレインがエピタキシャル成長させられる間、第1のソース/ドレイン725を保護する保護材料である。充填マスク120の絶縁体材料は、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiN)、硼炭窒化シリコン(SiBCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、および酸窒化シリコン(SiON)のうちのいずれか1つを含み、化学気相成長(CVD)または物理気相成長(PVD)のような既知の技術によって堆積されるがこれだけに限定されるものではない。
【0082】
図9は、1つまたは複数の、たとえば一対(950A、950B)の、第2のソース・ドレイン950のエピタキシャル成長後の中間構造900の断面図である。
【0083】
一対(950A、950B)の第2のS/D950は、上述したようにエピタキシャル成長させられる。エピタキシャル成長中、各第2のソース・ドレイン(950A、950B)は、チャネル層150の外縁(810A、810B)(現在はp-n接合/ダイオード790の第2の側680)に電気的および物理的にそれぞれ接続されるようになる。
【0084】
いくつかの実施形態では、左の第2のS/D950Aおよび右の第2のS/D950Bがある。左の第2のS/D950Aは、左のデバイス・スタック(
図11中の1160A)におけるp-n接合/ダイオード790の第2の側680に電気的に接続され、右の第2のS/D950Bは、右のデバイス・スタック(
図11中の1160B)におけるp-n接合/ダイオード790のすべての第2の側680に電気的に接続される。
【0085】
第2のソース・ドレイン950は、チャネル層150/第2のp-n接合側680と同じ第2のS/Dドーピング型952を有する。しかしながら、いくつかの実施形態では、第2のソース・ドレイン950の第2のS/Dドーピング濃度951は、p-n接合/ダイオード790の第2の側680のそれよりも高くなる。たとえば、第2のソース・ドレイン950の第2のS/Dドーピング濃度/レベル951は、8×1020cm-3と2×1021cm-3との間である。
【0086】
いくつかの実施形態では、第2のソース・ドレイン950は、p型ドーパント、たとえばボロン(B)でドープされる。
【0087】
図10は、領域充填マスク850を除去し、層間誘電体(ILD)充填材1050を堆積させた後の中間構造1000の断面図である。
【0088】
充填マスク850は、既知の選択的ウェット・エッチング技術またはドライ・エッチング技術あるいはその両方を実行することによって除去される。
【0089】
ILD充填材1050は、酸化シリコン、スピンオングラス、流動性酸化物、高密度プラズマ酸化物、ボロホスホシリケート・ガラス(BPSG)、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない、低誘電率誘電体材料(k<4.0をもつ)から形成され得る。ILD1050は、CVD、PVD、PECVD、ALD、蒸着、化学溶液堆積、または同様のプロセスを含むが、これらに限定されない他の堆積プロセスによって堆積される。
【0090】
ILD1050は、構造1000を覆う。しかしながら、いくつかの実施形態では、ILD1050は、全周ダミー・ゲート層(120、122、124、典型的には160)の前からまたは後から(図の外側および内側)あるいはその両方からの進入路は覆わない。
【0091】
いくつかの実施形態では、構造体1000は、CMPのような既知の方法によって平坦化される。いくつかの実施形態では、構造1000の最上面を平滑化することに加えて、CMPは、ゲート・スペーサ220の最上部825を除去し(図示せず)、ダミー・ゲート210の材料を露出させる。線1015は、この場合、CMPが停止するレベルを示す。
【0092】
図11は、ダミー・ゲート210および全周ダミー・ゲート160の材料を除去し、1つまたは複数のゲート・スタック(1125、1150)を形成した後のナノシート・ゲート・ダイオード1100の実施形態1100の断面図である。
【0093】
ダミー・ゲート210および全周ダミー・ゲート160の材料は、リリース・エッチングによって除去される。ダミー・ゲート210と全周ダミー・ゲート層160とが同じ材料、たとえばSiGeでできている場合、1回のリリース・エッチングで済む。ダミー・ゲート210と全周ダミー・ゲート160が異なる材料でできている場合には、複数のリリース・エッチングが必要とされ得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、ダミー・ゲート210および全周ダミー・ゲート160は、SiGeでできている。これらの条件では、ダミー・ゲート210中のSiGeおよびチャネル730とインナー・スペーサ450との間の全周ダミー・ゲート160の材料(SiGe)は、ドライ・エッチング、または室温より高い温度での水酸化アンモニウム(NH4OH)への曝露、またはフッ酸(HF)の溶液への曝露によって選択的に除去または引き抜かれ得る。
【0095】
エッチング材料は、構造1100の最上部からダミー・ゲート210に到達することができ、たとえば、レベル1015から到達される。エッチング材料は、構造1100の前面および背面(図示せず)の露出した側部から全周ダミー・ゲート160内の材料に到達することができる。
【0096】
リリース・エッチングは、インナー・スペーサ450とチャネル730との間、およびダミー・ゲート210の材料が除去された場所を何もない状態のままにする(図示せず)。チャネル730の、最上部710および底部720および前部および後部(図示せず)、ならびにチャネル730中に形成されたそれぞれのp-n接合、典型的には790が露出される。
【0097】
ゲート・スタック(1125、1150)は、インナー・スペーサ450とチャネル730との間であって、ダミー・ゲート210材料が除去された何もない領域に形成される。ゲート・スタック(1125、1150)は、チャネル730およびチャネル730内のそれぞれのp-n接合790の表面(および残存するゲート・スペーサおよびインナー・スペーサ(220、450)材料の表面にも)と界面で接して周囲を取り囲むゲート誘電体層1125を有する。金属ゲート1150は、空間の残りを充填する。
【0098】
2つのデバイス・スタック1160、第1のまたは左のデバイス・スタック1160A、および第2のまたは右のデバイス・スタック1160Bがあることに留意されたい。
【0099】
ゲート誘電体層1125は、3.9より大きい、より好ましくは7.0を上回る、さらにより好ましくは10.0を上回る誘電率を有する絶縁体材料で作られ得る。ゲート誘電体材料1125に適した材料の非限定的な例は、酸化物、窒化物、酸窒化物、またはそれらの任意の組合せを含む。高誘電率材料(誘電率が7.0より大きい)の例は、酸化ハフニウム、酸化ハフニウムシリコン、酸窒化ハフニウムシリコン、酸化ランタン、酸化ランタンアルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムシリコン、酸窒化ジルコニウムシリコン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化バリウムストロンチウムチタン、酸化バリウムチタン、酸化ストロンチウムチタン、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、タンタル酸スカンジウム鉛、および亜鉛ニオブ酸鉛などの金属酸化物を含むが、これらに限定されない。高誘電率材料は、たとえば、ランタンおよびアルミニウムなどのドーパントをさらに含み得る。
【0100】
ゲート誘電体材料1125層は、適切な堆積プロセス、たとえば、CVD、PECVD、ALD、PVD、蒸着、化学溶液堆積、または他の同様のプロセスによって形成され得る。ゲート誘電体材料1125の厚さは、堆積プロセスならびに使用される高誘電率誘電体材料の組成および数によって変化し得る。
【0101】
ゲート金属層1150は、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)またはルテニウム(Ru)、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)、炭窒化チタンアルミニウム(TiAlCN)、炭化チタン(TiC)、炭化チタンアルミニウム(TiAlC)、炭化タンタルアルミニウム(TaAlC)、炭窒化タンタルアルミニウム(TaAlCN)またはランタン(La)ドープのTiN、TaNを含むが、必ずしもこれらに限定されない。これらのゲート金属1150は、たとえば、CVD、PECVD、PVD、ALD、LSMCD、高周波化学気相成長(RFCVD:Radio Frequency Chemical Vapor Deposition)、パルス・レーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)、液体ソースミスト化学堆積(LSMCD:Liquid Source Misted Chemical Deposition)、またはスパッタリングあるいはその組合せを含むがこれらに限定されない堆積技術を使用して堆積させられる。
【0102】
いくつかの実施形態では、外部電気的コンタクト1175は、第1のソース/ドレイン725となされる。第1のソース/ドレイン725を露出させるために、リソグラフィ技術またはレーザ技術を使用して、1つまたは複数の開口部/トレンチがILD1150を貫いて生成される。シリサイド層が、次いで、第1のソース/ドレイン725の露出した表面上に形成される。導電性材料1175が、第1のソース/ドレイン725に対する外部電気的コンタクト1175を形成する開口部/トレンチを埋めるように堆積させられる。
【0103】
他の実施形態では、外部電気的コンタクトはまた、たとえば1120が、ゲートとして作動する金属1150に対して、または、たとえば1115が第2のソース・ドレイン950に対して、あるいはその両方に対してなされ得る。前と同様に、必要に応じて開口/トレンチが、それぞれのコンタクト、すなわちゲート金属(1150)または第2のソース/ドレイン950あるいはその両方に接触するために作られ得る。シリサイド層は、半導体材料の露出した表面上に形成される。その後、導電性材料1120が、開口部/トレンチを埋めるために堆積させられる。
【0104】
このようにして、外部接続1115が第2のS/D950の各々になされる。外部接続1115Aは第2のS/D950Aになされ、外部接続1115Bは第2のS/D950Bになされる。
【0105】
導電性材料(1120、1175、1115)は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)またはそれらの任意の組合せなどの導電性金属であり得る。導電性材料(1120、1175)は、適切な堆積プロセス、たとえば、CVD、PECVD、PVD、メッキ、熱もしくは電子ビーム蒸着、またはスパッタリングによって堆積され得る。
【0106】
典型的な既知のシリサイド形成プロセスは、半導体表面上に金属(Niのような)を堆積させ、その後、たとえば摂氏410度と425度との間の温度で約15分間アニールし、その後、未反応の金属を除去することを含む。
【0107】
CMPは、デバイス1100の表面を平坦化するために実行され得る。
【0108】
一対(1125A、1150A、1125B、1150B)のゲート・スタック(1125、1150)がチャネル730およびp-n接合790を完全に取り囲む(上部710および下部720および前および後)実施形態では、一対(1160A、1160B)のデバイス・スタック1160の各々内のゲート金属(1150A、1150B)が共通接続1150に接続されているので、ゲート・スタック(1125、1150)のすべての部分は、実質的に同じ電圧電位にある。したがって、それぞれのゲート接続(1150A,1150B)に印加される実質的に同じ電圧が、デバイス・スタック1160の各々(1160A,1160B)内のすべてのチャネル730およびp-n接合790中に電界を生じさせる。
【0109】
いくつかの実施形態では、各(1160A、1160B)デバイス・スタック1160内の複数のダイオード790の各々は、並列に接続される。各(1160A、1160B)デバイス・スタック1160における並列接続されたダイオード790は、さらに並列接続され得る。
【0110】
本実施形態では、ゲート・ダイオード・デバイス1100全体を流れる電流、たとえば、第1の725および第2の950ソース/ドレインを流れる電流は、およそダイオード・パスの数だけ倍増する。換言すれば、ゲート・ダイオード1100の電流容量は、電気的に並列接続されたダイオード790の数とともに増加する。
【0111】
ダイオード790を垂直方向(基板105に対して垂直方向)に積層することにより、基板105上の少ない面積において大電流容量のダイオード(接続されたダイオードのグループ)が可能になる。
【0112】
ダイオード790を取り囲むゲート・スタック1125/1150に印加される電圧/信号は、ダイオード790の電流-電圧特性、したがってゲート・ダイオード・デバイス1100の電流-電圧特性を変調する。一実施形態では、ゲート・ダイオード・デバイス1100のブレークダウン電圧は、ゲート・スタック1125/1150に印加される電圧の関数である。
【0113】
図12は、ナノシート・ゲート・ダイオード、たとえば1100を製造する方法ステップを示すプロセスのフローチャート1200である。
【0114】
本方法は、交互に積層するナノ層140を形成することと、対(210A、210B)のダミー・ゲート210および対(220A、220B)のゲート・スペーサ220を堆積させることと、材料(310、315、および320)を除去してインナー・スペーサ450の形成の準備をすることとによって、ステップ1205から開始する。
【0115】
ステップ1210において、インナー・スペーサ450は、ダミー・ゲート層160の残存物の露出した端部455に形成される。チャネル層150はエッチングされ、チャネル層端部655およびチャネル730の何もない空間650を露出する。第1のソース/ドレイン(S/D)725がエピタキシャル成長させられ(第1のS/D成長の第1の部分)、p-n接合/ダイオード790が第1の側接合ドーピング・レベル/濃度781と第1の側接合ドーピング型782とで形成される。p-n接合790の第1の側780が形成された(第1のS/D成長の第2の部分)後、第1のソース/ドレイン(S/D)のドーピング・レベル726は第1のS/Dドーピング・レベル726に増加させられる。
【0116】
ステップ1215において、第1のソース/ドレイン725は開口領域充填マスク850でマスクされ、左950Aおよび右950Bの第2のS/D950が成長させられる。第2のS/D950は、p-n接合790の第2の側680と同じドーピング型(682、150)である第2のS/D型のドーピング952を有する。第2のS/D950のドーピング・レベル/濃度951は、第2の側680のドーピング・レベル/濃度681/155よりも大きくなるように上昇する。
【0117】
ステップ1220において、上述のように、ゲート・スタック(1125、1150)が形成される。
【0118】
ステップ1225において、ゲート・ダイオード790のための外部接続(1115、1120、1175)が作られる。
【0119】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたが、網羅的であることまたは開示された実施形態に限定されることを意図していない。説明された実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかになろう。たとえば、本発明の実施形態によって開示される半導体デバイス、構造、および方法は、アプリケーション、ハードウェア、または電子システムあるいはその組合せにおいて採用され得る。本発明の実施形態を実施するための適切なハードウェアおよびシステムは、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、電子商取引システム、携帯通信デバイス(たとえば、セルおよびスマートフォン)、固体媒体記憶デバイス、エキスパートおよび人工知能システム、機能回路などを含み得るが、これらに限定されるものではない。半導体装置を組み込んだシステムおよびハードウェアは、本発明の実施形態として企図される。
【0120】
本明細書で使用される用語は、実施形態の原理と、市場で見出される技術に対する実用化または技術的改良とを説明するために、またはさもなければ当業者が本明細書に開示された実施形態を理解できるようにするために選択されたものである。実質的に同じ機能を実行すること、実質的に同じ方法で働くこと、実質的に同様に用いられること、または同様のステップを実行すること、あるいはその組合せを行う、異なる用語で説明されたデバイス、構成要素、要素、特徴、装置、システム、構造、技術、および方法は、本発明の実施形態として企図されるものである。