(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】流れ制御装置用検出システム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240906BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A61M5/142 500
A61M5/168 500
A61M5/168 516
A61M5/168 520
(21)【出願番号】P 2022570352
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(86)【国際出願番号】 US2021033847
(87)【国際公開番号】W WO2021237198
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2024-05-20
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517408184
【氏名又は名称】ケイピーアール ユーエス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ビアマン、 ウェイン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ホルステ、 ジョン エイチ.
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-522966(JP,A)
【文献】特表2008-504558(JP,A)
【文献】特開2016-214793(JP,A)
【文献】特開2017-125727(JP,A)
【文献】特開2001-249038(JP,A)
【文献】特開2010-276523(JP,A)
【文献】特表2018-512576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 - 5/52
G01F 1/66 - 1/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れ制御装置であって、
供給セットを受容するように構成されたハウジングと、
前記供給セット内で流体の流れを生成するように構成されたポンプ装置と、
第1の超音波信号又は第2の超音波信号に基づいて前記供給セットの状態を示すセンサ信号を生成するように構成された超音波センサであって、複数のセンサ部品を備え、前記複数のセンサ部品のうちの第1のセンサ部品から第1の方向に前記供給セットの一部分を通して前記第1の超音波信号を送り、前記複数のセンサ部品のうちの第2のセンサ部品から前記第1の方向と反対の第2の方向に前記供給セットの一部分を通して前記第2の超音波信号を送るようにさらに構成された超音波センサと、
前記供給セットの状態を示す前記超音波センサからのセンサ信号を受信するように構成された、前記超音波センサと通信する制御回路と
を備え、
前記センサ信号は、前記第1の超音波信号と前記第2の超音波信号との比較に基づいて生成され、
前記比較により、受信された前記第1の超音波信号の振幅と受信された前記第2の超音波信号の振幅とが比較され、より高い振幅が特定され、
前記ポンプ装置は、特定されたより高い振幅
を有する超音波信号を選択するために、前記複数のセンサ部品のうちの前記第1のセンサ部品のみ又は前記複数のセンサ部品のうちの前記第2のセンサ部品のみを動作させるようにさらに構成される、流れ制御装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記複数のセンサ部品のうちの第1のセンサ部品が前記複数のセンサ部品のうちの第2のセンサ部品による検出のために前記第2のセンサ部品に向けられた超音波信号を送る第1のセンサ構成と、前記第2のセンサ部品が前記第1のセンサ部品による検出のために前記第1のセンサ部品に向けられた超音波信号を送る第2のセンサ構成を切り替えるように構成される、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項3】
前記第1のセンサ構成と前記第2のセンサ構成を切り替えるために前記超音波センサに接続されたスイッチをさらに備える、請求項2に記載の流れ制御装置。
【請求項4】
前記複数のセンサ部品は、前記第1のセンサ部品と前記第2のセンサ部品との間で超音波信号を送るために前記第1のセンサ部品と前記第2のセンサ部品を含む第1のセンサ対と、第3センサ部品と第4センサ部品との間で超音波信号を送るために前記第3センサ部品と前記第4センサ部品とを含む第2のセンサ対とをさらに備える、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項5】
前記第1の方向と前記第2の方向を切り替えるために前記超音波センサに動作可能に接続された1つ以上のスイッチをさらに備える、請求項4に記載の流れ制御装置。
【請求項6】
前記供給セットの一部分はチューブである、請求項5に記載の流れ制御装置。
【請求項7】
前記複数のセンサ部品は、前記第1のセンサ部品から送られた前記第1の超音波信号を検出するための第3のセンサ部品と、前記第2のセンサ部品から送られた前記第2の超音波信号を検出するための第4のセンサ部品とをさらに備える、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項8】
前記供給セットの状態は、前記供給セット内の前記流体の流れの閉塞、前記供給セットが前記ハウジング内に不適切に取り付けられていること、前記供給セットが空であること、及び前記供給セット内の前記流体の流れが正常に動作していることの少なくとも1つを示す、請求項1に記載の流れ制御装置。
【請求項9】
流れ制御装置を動作させる方法であって、
第1のセンサ部品によってポンプセットの一部分を通して第1の方向に第1の超音波信号を送ることと、
第2のセンサ部品によって前記ポンプセットの一部分を通して前記第1の方向と反対である第2の方向に第2の超音波信号を送ることと、
前記第1の超音波信号を検出して第1のセンサ読み取り値を特定することと、
前記第2の超音波信号を検出して第2のセンサ読み取り値を特定することと、
前記第1のセンサ読み取り値の振幅を前記第2のセンサ読み取り値の振幅と比較することと、
前記第1のセンサ読み取り値と前記第2のセンサ読み取り値との比較に基づいて前記ポンプセットの状態を検出することと、
前記第1のセンサ読み取り値の振幅と前記第2のセンサ読み取り値の振幅のうちのより大きな読み取り値に基づいて前記流れ制御装置によって前記ポンプセットの状態を検出することと、
前記振幅
のより大きな読み取り値
をもたらす超音波信号を選択するために、前記第1のセンサ部品又は前記第2のセンサ部品のみを動作させることと
を含む方法。
【請求項10】
前記第1の方向に前記第1の超音波信号を送ることと前記第2の方向に前記第2の超音波信号を送ることを切り替えることをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の方向に前記第1の超音波信号を送ることは、前記第2のセンサ部品に向けられた前記第1のセンサ部品からの前記第1の超音波信号を送ることを含み、前記第2の方向に前記第2の超音波信号を送ることは、前記第1のセンサ部品に向けられた前記第2のセンサ部品からの前記第2の超音波信号を送ることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の方向に前記第1の超音波信号を送ることは、第1のセンサ対の部品の間で前記第1の超音波信号を送ることを含み、前記第2の方向に前記第2の超音波信号を送ることは、第2のセンサ対の部品の間で前記第2の超音波信号を送ることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ポンプセットの一部分はチューブであり、前記流れ制御装置は利用者に流体を供給する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記ポンプセットの状態は、前記チューブ内の前記流体の流れの閉塞、前記流体が前記ポンプセット内で不適切に流れていること、前記利用者への流体が消耗していること、及び前記ポンプセット内の前記流体の流れが適切に動作していることの少なくとも1つを示す、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
流れ制御装置であって、
メモリと、
前記メモリと結合された少なくとも1つのプロセッサであって、
ポンプセットの一部分を通して第1の方向に第1の超音波信号を送り、
前記ポンプセットの一部分を通して前記第1の方向と反対である第2の方向に第2の超音波信号を送り、
前記第1の超音波信号を検出して第1のセンサ読み取り値を特定し、
前記第2の超音波信号を検出して第2のセンサ読み取り値を特定し、
前記第1のセンサ読み取り値の振幅を前記第2のセンサ読み取り値の振幅と比較し、
前記第1のセンサ読み取り値と前記第2のセンサ読み取り値との比較に基づいて前記ポンプセットの状態を検出し、
前記第1のセンサ読み取り値の振幅と前記第2のセンサ読み取り値の振幅のうちのより大きな読み取り値に基づいて前記ポンプセットの状態を検出し、
前記振幅
のより大きな読み取り値
をもたらす超音波信号を選択するために、前記第1の超音波信号のみを前記第1の方向に動作させるか又は前記第2の超音波信号のみを前記第2の方向に動作させる
ように構成された少なくとも1つのプロセッサと
を備える流れ制御装置。
【請求項16】
前記第1の方向に前記第1の超音波信号を送ることと前記第2の方向に前記第2の超音波信号を送ることを切り替えるようにさらに構成される、請求項15に記載の流れ制御装置。
【請求項17】
前記第1の方向に前記第1の超音波信号を送ることは、第2のセンサ部品に向けられた第1のセンサ部品からの前記第1の超音波信号を送ることを含み、前記第2の方向に前記第2の超音波信号を送ることは、前記第1のセンサ部品に向けられた前記第2のセンサ部品からの前記第2の超音波信号を送ることを含む、請求項15に記載の流れ制御装置。
【請求項18】
前記第1の方向に前記第1の超音波信号を送ることは、第1のセンサ対の部品の間で前記第1の超音波信号を送ることを含み、前記第2の方向に前記第2の超音波信号を送ることは、第2のセンサ対の部品の間で前記第2の超音波信号を送ることを含む、請求項15に記載の流れ制御装置。
【請求項19】
前記ポンプセットの一部分はチューブであり、前記流れ制御装置は利用者に流体を供給する、請求項15に記載の流れ制御装置。
【請求項20】
前記ポンプセットの状態は、前記チューブ内の前記流体の流れの閉塞、前記流体が前記ポンプセット内で不適切に流れていること、前記利用者への流体が消耗していること、及び前記ポンプセット内の前記流体の流れが適切に動作していることの少なくとも1つを示す、請求項19に記載の流れ制御装置。
【請求項21】
流れ制御装置であって、
供給セットを受容するように構成されたハウジングと、
前記供給セット内で流体の流れを生成するように構成されたポンプ装置と、
第1のセンサ部品と第2のセンサ部品とを含む超音波センサであって、前記第1のセンサ部品は、前記供給セットの一部分を通して第1の方向に第1の超音波信号を送るように構成され、第2のセンサ部品は、前記供給セットの一部分を通して第2の方向に第2の超音波信号を送るように構成される超音波センサと、
第1の構成と第2の構成を切り替えるように構成された制御回路であって、前記第1の構成は、前記第1のセンサ部品が前記第2のセンサ部品による検出のために前記第2のセンサ部品に向けられた前記第1の超音波信号を送ることを含み、前記第2の構成は、前記第2のセンサ部品が前記第1のセンサ部品による検出のために前記第1のセンサ部品に向けられた前記第2の超音波信号を送ることを含む制御回路と
を備え、
前記超音波センサは、前記第1の超音波信号又は前記第2の超音波信号に基づいて前記供給セットの状態を示すセンサ信号を生成するようにさらに構成され、
前記センサ信号は、前記第1の超音波信号と前記第2の超音波信号との比較に基づいて生成され、
前記比較により、検出された前記第1の超音波信号の振幅と検出された前記第2の超音波信号の振幅とが比較され、より高い振幅が特定され、
前記制御回路は、前記第1の構成と前記第2の構成を切り替えるためのスイッチを含み、前記
スイッチは、前記流れ制御装置の動作のために
、特定されたより高い振幅を有する超音波信号を選択するために、前記第1の構成又は前記第2の構成
に設定されるように構成される、流れ制御装置。
【請求項22】
前記スイッチは、前記第1の方向と前記第2の方向を切り替えるために前記超音波センサに動作可能に接続された1つ以上のスイッチをさらに含む、請求項21に記載の流れ制御装置。
【請求項23】
前記供給セットの一部分はチューブである、請求項21に記載の流れ制御装置。
【請求項24】
前記制御回路は、前記供給セットの状態を示す前記超音波センサからの前記センサ信号を受信するようにさらに構成される、請求項21に記載の流れ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、流れ制御装置に取り付けられたポンプセットの状態を検出することができる流れ制御装置に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月22日に出願された米国仮特許出願第63/028,951号の優先権を主張するものであり、上記米国仮特許出願の内容は、参照によりその全体が本出願に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
薬剤又は栄養を含む流体を患者に投与することは、当分野では一般によく知られている。通常、流体は、患者に流体を送達する流体の供給源に接続されたポンプなどの流れ制御装置によって受容されるポンプセットによって患者に送達される。従来技術の流れ制御装置はまた、流れ制御装置の動作中に装填した投与供給セット内で発生する可能性のある流体の流れ状態を監視及び検出することができる場合がある。一般に、流れ状態を監視及び検出することができる先行技術の流れ監視システムは、投与供給セットに対して配置されたセンサに依存する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下は、本開示の1つ以上の実施の簡略化された概要を提示し、そのような実施の基本的な理解を提供する。この概要は、考えられるすべての実施の広範な概要ではなく、すべての実施の必須の手段又は重要な要素を特定したり、一部又はすべての実施の範囲を詳しく説明したりすることを目的としていない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本開示の1つ以上の実施のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。
【0005】
一態様では、本開示は、制御装置を用いて流体の流れを検出するためのシステム、方法及びプロセッサによって実行され得るコンピュータ実行可能命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、供給セットの一部分を受容することができるハウジングを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、ハウジングに結合され、供給セットがハウジングによって受容されたときに供給セットに係合するように配置されたポンプ装置を含むことができ、それによりポンプ装置は、供給セットに係合して供給セット内に流体の流れを生成し、対象者に流体を送達する。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、送給セットの状態を示すセンサ信号を生成するためにポンプ装置に対して配置された超音波センサを含み、超音波センサは、複数のセンサ部品の1つから送給セットを通して第1の方向に超音波信号を送り、複数のセンサ部品の別の1つから送給セットを通して第1の方向とは反対の第2の方向に超音波信号を送るように構成された複数のセンサ部品を備えることができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、超音波センサから供給セットの状態を示すセンサ信号を受信するために超音波センサと通信する制御回路を含むことができる。
【0006】
一態様では、本開示は、制御装置を用いて流体の流れを検出するためのシステム、方法及びプロセッサによって実行され得るコンピュータの実行可能命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、ポンプセットの一部分を通して第1の方向に第1の超音波信号を送ることを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、ポンプセットの一部分を通して第1の方向と反対の第2の方向に第2の超音波信号を送ることを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1の超音波信号を検出して第1のセンサ読み取り値を特定することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第2の超音波信号を検出して第2のセンサ読み取り値を特定することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1のセンサ読み取り値の振幅を第2のセンサ読み取り値の振幅と比較することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1のセンサ読み取り値と第2のセンサ読み取り値の比較に基づいてポンプセットの状態を検出することを含むことができる。
【0007】
一態様では、本開示は、制御装置を用いて流体の流れを検出するためのシステム、方法及びプロセッサによって実行され得るコンピュータの実行可能命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、ポンプセットの一部分を通して第1の方向に第1のセンサ部品を用いて第1の超音波信号を送ることと、ポンプセットの一部分を通して第1の方向と反対の第2の方向に第2のセンサ部品を用いて第2の超音波信号を送ることとを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1の超音波信号を検出して第1のセンサ読み取り値を特定することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第2の超音波信号を検出して第2のセンサ読み取り値を特定することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1のセンサ読み取り値の振幅を第2のセンサ読み取り値の振幅と比較することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1のセンサ読み取り値と第2のセンサ読み取り値の比較に基づいてポンプセットの状態を検出することを含むことができる。
【0008】
一態様では、本開示は、制御装置を用いて流体の流れを検出するためのシステム、方法及びプロセッサによって実行され得るコンピュータの実行可能命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、供給セットを受容するように構成されたハウジングを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、供給セット内に流体の流れを生成するように構成されたポンプ装置を含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1のセンサ部品と第2のセンサ部品とを含む超音波センサを含むことができ、第1のセンサ部品は、第1の方向に供給セットの一部分を通して第1の超音波信号を送るように構成され、第2のセンサ部品は、第2の方向に供給セットの一部分を通して第2の超音波信号を送るように構成されている。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1の構成と第2の構成を切り替えるように構成された制御回路を含むことができ、第1の構成は、第1のセンサ部品が第2のセンサ部品による検出のために第2のセンサ部品に向けられた第1の超音波信号を送ることを含み、第2の構成は、第2のセンサ部品が第1のセンサ部品による検出のために第1のセンサ部品に向けられた第2の超音波信号を送ることを含む。
【0009】
一態様では、本開示は、制御装置を用いて流体の流れを検出するためのシステム、方法及びプロセッサによって実行され得るコンピュータの実行可能命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、供給セットを受容するように構成されたハウジングを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、供給セット内に流体の流れを生成するように構成されたポンプ装置を含むことができる。システム、方法及び非過渡的なコンピュータ可読媒体はまた、供給セットの第1の部分の第1の状態を示す第1のセンサ信号を生成するように構成された第1の超音波センサを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、供給セットの第2の部分の第1の状態を示す第2のセンサ信号を生成するように構成された第2の超音波センサを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、供給セットの第3の状態を示す圧力信号を生成するように構成された圧力センサを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1の超音波センサ、第2の超音波センサ及び圧力センサと通信し、第1のセンサ信号、第2のセンサ信号及び圧力信号を受信するように構成された制御回路を含むことができ、制御回路は、第1のセンサ信号又は第2のセンサ信号に基づいて供給セット内に流体が存在するという最初の表示を提供するか又は圧力信号に基づいて供給セット内の閉塞の最初の表示を提供するように構成される。
【0010】
一態様では、本開示は、制御装置を用いて流体の流れを検出するためのシステム、方法及びプロセッサによって実行され得るコンピュータの実行可能命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体は、供給セットの第1の部分の第1の状態を示す第1のセンサ信号を生成することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、供給セットの第2の部分の第1の状態を示す第2のセンサ信号を生成することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、供給セットの第3の状態を示す圧力信号を生成することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1のセンサ信号、第2のセンサ信号及び圧力信号を受信することを含むことができる。システム、方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体はまた、第1のセンサ信号又は第2のセンサ信号に基づいて供給セット内に流体が存在するという最初の表示を生成すること、又は圧力信号に基づいて供給セット内の閉塞の最初の表示を提供することを含むことができる。
【0011】
本開示の実施に関する更なる利点及び新規の特徴は、一部が以下の説明に記載され、一部が以下の検討又はその実施による学習によって、当業者により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の特徴と考えられる新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。以下の説明では、明細書及び図面全体にわたって同様の部分にそれぞれ同じ符号が付けられている。図面の図は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではなく、一部の図が明確さ及び簡潔さのために誇張又は一般化された形で示されている場合がある。しかしながら、本開示自体、並びに好ましい使用方法、更なる対象及びその進歩は、添付図面と併せて読むと、本開示の例示的態様に関する以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【0013】
【
図1】本開示の態様による例示的な経腸栄養ポンプとポンプに受容された供給セットの断片的な部分の斜視図である。
【0014】
【
図2】供給セットのカセットハウジングを取り外した状態での
図1の斜視図である。
【0015】
【
図3】供給セットを取り外した状態での
図2の斜視図である。
【0016】
【
図4】本開示の態様による流れ監視システムを含む経腸栄養ポンプの要素を示すブロック図である。
【0017】
【
図5】
図5A~
図5Cは、本開示の態様によるセンサトラック内に受容されたチューブの例示的な図である。
【0018】
【
図6】
図6A~
図6Bは、本開示の態様によるセンサトラック内に受容されている歪んだチューブの例示的な図である。
【0019】
【
図7】本開示の態様による例示的な較正方法のフローチャートである。
【0020】
【
図8】本開示の態様による、センサトラック内に受容されたチューブの例示的な図である。
【0021】
【
図9】本開示の実施による例示的な較正方法のフローチャートである。
【0022】
【
図10】本開示の態様による例示的な経腸栄養ポンプの拡大された断片的な斜視図である。
【0023】
【
図11】本開示の実施による流体検出ルーチンの例示的な方法のフローチャートである。
【0024】
【
図12】本開示の実施による閉塞検出ルーチンの例示的な方法のフローチャートである。
【0025】
【
図13A】
図6A及び
図6Bによるセンサトラック内に受容されている歪んだチューブの例示的な図に関連する例示的な結果を示す。
【0026】
【0027】
【
図15】本開示の態様によるアクセス制御システムを動作させることができるコンピュータシステムの様々なハードウェアコンポーネント及び他の機能の例示的なブロック図である。
【0028】
【
図16】本開示の態様による使用するための様々な例示的なシステムコンポーネントのブロック図である。
【0029】
対応する符号は、図面全体にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで
図1~
図3に概略的に示す例示的な態様を参照すると、経腸栄養ポンプ(広義には「流れ制御装置」)であり、以下、本開示全体を通じて「ポンプ」と称されるものが全体として1で示されている。ポンプ1は、全体として5で示されるカセットを取り付けるように構成されたハウジング3と、カセット内に取り外し可能に受容される(断片的な部分が全体として7で示される)供給セット(広義には「ポンプセット」)とを備えることができる。供給セット7は、栄養液の供給源とフラッシング液との間の流体経路を提供する、全体として77で示されるチューブを備えることができる(
図1)。チューブ83が、ポンプ1から利用者までの流体経路を提供する。本開示の態様では、末端利用者は患者又は経腸栄養ポンプの管理者の一方であり得る。以下でより詳細に説明するように、ポンプ1は、ポンプに装填された供給セット7の状態を検出して特定することができる流れ監視システム6(
図4)を備えることができる。本明細書で使用される場合、「装填」という用語は、供給セット7がポンプ1と係合しており、それにより供給セットが患者に流体を送達するためのポンプによる動作の準備が整っていることを意味する。
【0031】
図示の態様では、カセット5はハウジング3のカセット凹部8に取り外し可能に受容される(
図3)。本明細書で使用される「ハウジング」は、これに限定されるものではないが、多部品構造及びポンプ1の動作コンポーネントを封入又は収容しない構造を含む、多くの形態の支持構造(図示せず)を含み得ることが理解されるだろう。また、本開示の様々な態様及び特徴は、凹部8なしで実施することができる。ポンプ1はまた、ハウジング3にポンプの状態及び動作に関する情報を表示することができる表示画面9を備えることができる。表示画面9に近接することができる1つ以上のボタン11を、制御及びポンプ1からの情報を取得する際に使用するために提供することができ、1つ以上の発光素子(「LED」)13が、ポンプのステータス情報を提供することができる。本開示の一態様では、発光素子は、例えば、光ファイバー、発光ダイオードなど、光を送るデバイスの任意の形態であることができる。例えば、LED13はポンプ1の適切又は不適切な機能性を示すことができる。さらに、例えば、LEDはまた、流体が供給セット7を通って適切に又は不適切に流れているか又は流れていないかを示すことができる。ハウジング3の下部に脚(図示せず)を配置してハウジングを支持し、利用者が見やすいように表示画面9をわずかに上向きに傾けることができる。
【0032】
表示画面9は、ハウジング3の前面パネル(全体として19で示される)の一部であることができ、ハウジングに取り外し可能に取り付けることができる。ポンプ1はさらに、ロータ軸に接続されたポンプモータ27(
図4)を備える、全体として23で示されるポンプユニットを含むことができる。ポンプモータに電力を供給するために、ハウジング3にバッテリー(図示せず)を受容することができる。バッテリー以外の又はバッテリーに加えて電源を使用して、ロータ軸を介してポンプユニットを駆動する1つ以上の原動機を含むポンプに通電することができる。ロータ軸を備えたポンプの別の例は、米国特許出願公開第2020/0352827号に開示されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0033】
ポンプユニット23は、ロータ軸に連結され得るロータ(全体として37で示される)を有することができる。ロータ37は、内側ディスク39、外側ディスク41、及びローラ43(4つが望ましいが、そのうちの2つだけが示されている)を含むことができる。内側ディスク39と外側ディスク41は、好ましくは平行な平面内にあり、互いに離間し、共有軸を中心に回転可能である。ローラ43は、ディスク39、41の共有軸を中心に遊星回転するように内側ディスク39と外側ディスク41との間に取り付けられている。それぞれのローラ43はまた、ディスク39、41の共有軸に平行であり得るそれ自身の縦軸(
図2及び
図3)を中心にディスク39、41に対して回転するようにディスク39、41に取り付けられている。ローラ43がディスク39、41の軸を中心に回転しているとき、ローラ43は、供給セット7のチューブ45(
図2)と係合し、供給セットがカセット5に受容されかつカセットがハウジング3に取り付けられると蠕動係合によって供給セットを通して患者に流体を送達する。他の数のローラも想定され、実施され得る。例えば、これらに限定されるものではないが、本開示の範囲から逸脱せずに5つ又は6つのローラも使用することができる。
【0034】
ローラ43は、供給セットを通して流体を移動させるために供給セット7と係合することができる。図示の態様では、ポンプモータ27、ロータ軸、及びロータ37は、広義には「ポンプ装置」と見なされ得る。これらの構成要素は、個々に「ポンプ装置」と見なされ得る。ローラ以外の機構を使用する蠕動ポンプが本開示の範囲内に含まれ得ることが理解されるであろう。しかしながら、他のポンプ装置(例えば、非回転装置)も想定される。
【0035】
本明細書で使用される場合、ロータ37に至る供給セット7のチューブ77の部分が「上流」と呼ばれ、一方、ロータ37から患者に至るチューブ83が「下流」と呼ばれる。ロータ37の回転により、供給セット7のチューブ45が圧縮され、流体(例えば、栄養液)が供給セットの上流側から下流側へ患者の方向に駆動される。例示的な供給セット7が示されているが、他の構成の供給セット又は他のタイプのポンプセット(図示せず)を使用することができる。
【0036】
図2~
図4を参照すると、監視システム6(
図4)は、装置に装填された供給セット7の状態を検出して特定することができる。例えば、供給セット7の状態は、セットを通る液体の流れ、セットがポンプに適切に取り付けられているか否か、閉塞があるか否か、又は供給セット又はその動作に関する他の状況に関連し得る。例えば、セットを通る液体の流れは、セットを通る液体の不足又は不適切な流れを含み得る。さらに、例えば、セットがポンプに不適切に取り付けられている場合、流体がセットを通って正常に流れない可能性がある。さらに、例えば、セットがポンプに不適切に取り付けられている場合、チューブ内に閉塞が存在する可能性がある。
【0037】
ポンプ1はさらに、センサ64と通信するマイクロプロセッサ62を備えることができる。マイクロプロセッサ62は、ポンプ1の様々な構成要素の動作を制御及び管理することができる。ソフトウェアサブシステム66が、マイクロプロセッサ62に動作可能に結合され、監視システム6に動作可能に結合されて、ポンプ1が供給セット7の状態を検出して特定するための手段を提供することができる。記載された態様では、流れ監視システム6、ソフトウェアサブシステム66、ポンプ電子機器68、マイクロプロセッサ62及びメモリ70は、広義には「制御回路」と見なされ得ることを理解すべきである。これらの構成要素は、個々に「制御回路」と見なされ得る。さらに、本開示の範囲内で他のタイプの制御回路を使用することができる。以下で
図15及び
図16を参照して説明するように、制御回路は様々な構成要素に関連して実装することができる。
【0038】
センサ64は、1つ以上の超音波センサを備えることができる。センサ64は、ポンプ1のハウジング3に位置し、流体の存在と、供給セット7内の流体の1つ以上の特性(例えば、供給セット内の流体の閉塞)を検出するように配置され得る。図示の態様では、センサ64は凹部8に配置され、供給セット7がポンプ1に装填されたときにチューブ45の一部分を確実に受容するように適合されている。センサ64が供給セット7のチューブ45内の流体の存在を検出するために、チューブは、チューブ45の上流部分及び下流部分を受容するように構成されたセンサトラック105(
図3)内に係合及び保持され得る。チューブ45がセンサトラック105内に係合され、供給セット7の残りの部分がポンプ1と係合されると、監視システム6は動作可能になり得る。例えば、監視システム6は、1つ以上の検出器又は受信器による許容可能な信号(例えば、超音波信号)の受信によってセンサトラック105内のチューブ45の確実な係合が特定されたときに、動作上機能するようになり得る。センサ64は、供給セット7の方向に対して垂直に配置することができる。例えば、センサ64は水平方向に読み取るように配置され得るが、一方、供給セット7は流体を垂直方向に流すように配置され得る。本開示の一態様では、センサ64は、供給セット7に対して90度の角度に設定される。以下でより詳細に説明するように、センサトラック105に係合する供給セット7のチューブ45を水平方向に読み取るようにセンサ64を配置しようとしても、チューブ45又はセンサ64の位置がずれて、理想的とは言えない読み取り値を提供する可能性がある。センサは、上記のように、例えば間違った状態を示すなど、誤った表示を出力することがある。
【0039】
本開示の一態様では、センサ64は、それぞれチューブ45の上流部分及び下流部分を通して超音波信号を送信するための第1のセンサ部品107、109と、第1のセンサ部品から送られた超音波信号を受信及び検出するように構成された第2のセンサ部品107、109とを備えることができる。第1のセンサ部品107、109からの超音波信号を受信すると、第2のセンサ部品107、109は、第2のセンサ部品によって受信されかつマイクロプロセッサ62に伝達される超音波信号の特性に基づいて、チューブ45内の流体の存在を検出することができる。第1及び第2のセンサ部品107、109はそれぞれ、同一又は実質的に同一のセンサ構成を備えることができる。例えば、それぞれのセンサ部品107、109は、超音波結晶を備えることができ、それによってそれぞれのセンサ部品は、部品に通電する方法に応じて、超音波信号を送信するための送信機として、又は超音波信号を検出するための検出器として動作させることができる。したがって、超音波信号の方向は、センサ部品107、109間の単一方向に限定されず、センサ部品間の両方向に向けることができる。
【0040】
センサ64は、チューブ内の流体の有無を検出して、ポンプ1の動作状態の基本的な表示を与えることができる。センサ部品107、109から送られる超音波信号は、チューブ45内の流体の存在に応答して、チューブ内に流体が存在しない場合の信号と比較して、チューブ内の流体が信号の振幅の増加を生じるようにすることができる。このため、すべてが空気の媒体を通る超音波信号は、検出器で信号を生成しない。マイクロプロセッサ62に伝達された受信超音波信号の特性に基づいて、ソフトウェアサブシステム66は、供給セット7内に流体が存在するか否かを判定することができる。超音波センサ以外の、粘度を含む1つ以上の流体特性又は特性を測定するための他のタイプのセンサを使用することができる。流れ監視システム6はまた、本開示の範囲から逸脱することなく、供給セット7、供給セット内の流体、及び供給セットと結合された流体の他の状態を検出することができる。
【0041】
図5A~
図5Cを参照すると、チューブが
図3のセンサトラック105内で歪んでいる場合、超音波センサ「US」の信号強度によって誤差及び不正確な読み取り値が生じる可能性がある。本開示の一態様では、チューブT1は、チューブがセンサUSのセンサ部品E、D間の全幅に広がるように(
図5A)、
図3のセンサトラック105内で実質的に垂直配向に配置されるべきである。センサ部品E及びDは、それぞれエミッタ及び検出器と見なされる。この場合、超音波信号SはチューブT1を通る前又は通った後に空気を通らない。したがって、センサUSによって生成されるセンサ読み取り値は、チューブT1内に流体が存在するかしないかに基づいて、予想される出力読み取り値/結果を生成する。本開示のこの態様では、センサUSは正しく機能していると考える。換言すれば、センサUSは、センサUSのEとDの両側又は内側に隙間又は空気がないように製造されている。隙間又はエアポケットがE又はDの両側又は内側に存在する場合、チューブT1が
図3のセンサトラック105内の実質的に垂直な起点に配置されていても、センサUSは流体が存在するか否かに関する誤った又は不正確な読み取り値を得る可能性がある。以下でより詳細に説明する本開示の別の態様では、誤差及び不正確な読み取り値を修正又は調整するために、読み取り値内に誤差を導入する隙間又はエアポケットを補正することができる。
【0042】
本開示の別の態様では、チューブT2及び/又はT3がセンサ部品E又はDのいずれかに偏っている場合、センサUSの読み取りが不正確な、例えば、予測よりも高い又は低い可能性があり、誤った読み取り値が生じる可能性がある。特に、チューブT2がセンサUSのエミッタ側Eに偏っている場合(
図5B)、検出器Dで受信される信号は、チューブT3がセンサの検出器側Dに偏っている場合(
図5C)よりも強くなる。その結果、例えば、チューブT3がセンサUSの検出器側Dに偏っているとき、実際にチューブ内に流体が存在するときに、センサ読み取り値はチューブ内に流体が存在しないこと(すなわち、低信号)を示す場合がある。例えば、チューブT3が検出器側Dに偏っているときに、センサUSによるXの読み取り値が特定される場合がある。Xの読み取り値はその後、閾値Yと比較され得る。読み取り値Xが閾値Yよりも低い場合、ポンプはチューブT3内に流体が存在しないと判定し、実際に流体が存在するときに、後述するように利用者にアラートする可能性がある。これにより、時間とお金がかかり、利用者の信頼を失うことになる、正しくない間違った読み取り値及び出力が提供される可能性がある。本開示の別の態様では、例えば、チューブT2がセンサUSのエミッタ側Eに偏っているとき、センサ読み取り値はチューブ内に流体が存在すること(すなわち、高信号)を示す場合がある。例えば、チューブT2がエミッタ側Eに偏っているときに、センサUSによるXの読み取り値が特定される場合がある。Xの読み取り値はその後、閾値Yと比較され得る。読み取り値Xが閾値Yよりも高い場合、ポンプはチューブT2内に流体が存在すると判定する。このアプローチにより、時間とお金がかかり、利用者の信頼を失うことになる、正しくない間違った読み取り値及び出力が少なくなる可能性がある。
【0043】
図4、
図6A、及び
図6Bを参照すると、ポンプ電子機器68内には、どのセンサ部品107、109が超音波信号Sを送るためのエミッタEとして動作し、どのセンサ部品が超音波信号を受信及び検出するための検出器Dとして動作するかを制御するように構成された1つ以上のスイッチ72が含まれる。したがって、ポンプ1は、センサ64の性能を最適化するために、ポンプセット7のチューブ45の向き及び/又は寸法に適合するように構成される。1つ以上のスイッチ72は、センサ64に電気的に接続され、電気回路を再構成してセンサ部品107、109の一方に選択的に通電し、通電された部品を超音波エミッタEとして構成する。したがって、センサトラック105内のチューブ45の位置に応じて、ポンプ1は、信号強度を最大化するために、どのセンサ部品107、109がエミッタEとして動作し、どのセンサ部品が検出器Dとして動作するかを選択することができる。例えば、以下で
図13A、
図13B及び
図13Cを参照して説明するように、ポンプ1は、より高いセンサUS読み取り値を特定するために、エミッタE又は検出器Dとしての動作の間でセンサ部品107、109を切り替えることに基づいて、1つのチューブ配向で2つの異なる読み取り値を得ることができる。その結果、ポンプ1は、エミッタと検出器が事前設定され、チューブの位置又は向きが特定の状況で予想されるセンサ読み取り値を変える(例えば、低減する)場合に、従来のポンプで生じ得る問題に対処する(
図5C)。例えば、チューブ45は、チューブがセンサトラック105内で
図6Aに示す方向に偏っているように構成されることがある。左側のセンサ部品107、109がエミッタとして動作し、右側のセンサ部品107、109が検出器として動作するようにポンプ電子機器68が設定されている場合、センサ信号Sは、特にチューブ45がセンサ経路を横切って実質的に垂直に配置されていると仮定するようにポンプ1が較正されている場合、所与の流体条件に対して予想される信号強度よりも低くなる。しかしながら、チューブ45のこの起こり得る位置ずれを考慮に入れるために、ポンプ1は1つ以上のスイッチ72のうちの1つを作動させて、右側のセンサ部品がエミッタとして動作し、左側のセンサ部品が検出器として動作するように、右側のセンサ部品107、109に通電することができる(
図6B)。その結果、超音波信号Sの信号強度が増大し、チューブが垂直方向に向けられた理想的な状態により近くなる。このようにして、実際にはチューブ内に流体が存在するのに低信号が誤ってチューブ45内に流体が存在しないことを示す可能性がある状態が緩和される。その結果、供給セットの検出の精度を損なうことなく、様々な状態の供給チューブを利用することができる。また、センサトラック内でより良くフィットさせるためにチューブを圧搾又は平坦化する必要性が軽減される。したがって、チューブの完全性を損なう可能性のあるこの加工処理セットは除去される。
【0044】
さらに、本開示の別の態様によれば、ポンプ1は、センサUSが製造プロセス中に生じるエミッタ又は検出器内に存在する欠陥(隙間、エアポケットなど)を含む場合に従来のポンプで生じ得る問題に対処する。上記のように、通常、チューブがエミッタEに向かって傾いている場合により正確な読み取り値が得られるが、センサ部品107、109には、信号Sの誤った読み取り値をもたらすエアポケット及び/又は隙間などの欠陥が存在する可能性がある。例えば、
図6Bを参照して、左側のセンサ部品107、109がエミッタとして動作し、右側のセンサ部品107、109が検出器として動作するように、ポンプの電子機器68が設定されている場合、センサ信号Sは、特にチューブ45がセンサ経路を横断して実質的に垂直に配置されていると仮定するようにポンプ1が較正されている場合、特定の流体条件に対して予想される信号強度よりも低いと予想されるはずである。しかしながら、上記のように、チューブ45のこの起こり得る位置ずれを考慮に入れるために、ポンプ1は1つ以上のスイッチ72のうちの1つを作動させて、右側のセンサ部品がエミッタとして動作し、左側のセンサ部品が検出器として動作するように、右側のセンサ部品107、109に通電することができる(
図6B)。その結果、超音波信号Sの信号強度が増大し、チューブが垂直方向に向けられた理想的な状態により近くなると予想される。本開示の一態様では、製造プロセスは、右側のセンサ部品107、109内に欠陥を与え、それによって信号S内に大きな誤差を導入し、予想よりも低い結果をもたらした。このように、通常はエミッタEに近い側に傾斜したチューブの結果の方が流体の流れに関してより高くより正確な結果を提供するが、この例では、左側のセンサ部品107、109の欠陥に基づいて、左側のセンサ部品107、109がエミッタとして動作し、右側のセンサ部品107、109が検出器として動作する場合、システムは読み取り値からより高くより正確な結果を提供する。このプロセスによって、ポンプ1は、チューブの向き及びセンサ部品107、109の動作/構成に関係なく、最も高い結果の読み取り値を選択する。その結果、供給セット検出の精度を損なうことなく、様々な状態の供給チューブ、様々な欠陥を有するセンサ部品を利用することができる。また、センサトラック内でより良くフィットさせるためにチューブを圧縮又は平坦化する必要性が軽減される。したがって、チューブの完全性を損なう可能性のあるこの加工処理セットは除去される。また、正確な結果を得るためにセンサUSの品質管理をテストする必要性が軽減される。
【0045】
本開示の別の態様では、ポンプ1の動作は、チューブ45の位置/向きに合わせてセンサ64を較正するために、センサ較正ルーチンが(例えば、それぞれの電源サイクル又は新しいカセットが接続されたときに)自動的に実行されるか又は利用者が起動したコマンドに応答して開始されるようなものであり得る。例えば、
図7を参照すると、センサ較正ルーチンは、供給セット7がポンプに装填されたことをポンプ1が確認した後及び/又はそれぞれの供給サイクルの開始時に開始することができる。較正ルーチンが開始されるためのさらに他のアクションも想定される。第1のステップ301で、第1のセンサ部品107、109に通電し、第1のセンサ部品と反対側の第2のセンサ部品107、109に向かって超音波信号を送る。303で、第2のセンサ部品によって検出された信号の強度を測定し、メモリ70に格納する。305で、第2のセンサ部品107、109に通電し、第1のセンサ部品に向かって超音波信号を送る。次に307で、第1のセンサ部品107、109によって検出された信号の強度を測定し、メモリ70に格納する。次に309で、第2のセンサ部品107、109での信号の強度を第1のセンサ部品107、109での信号の強度と比較する。311で、最も強い信号を有するセンサ部品107、109を、チューブを通して患者に流体を送達するためのポンプ1の動作中にセンサ対の検出器として動作するように構成する。
【0046】
図8を参照すると、本開示の別の態様による超音波センサでは全体が164で示される。センサは、センサ部品の第1及び第2の対207A、209A及び207B、209Bを備える。それぞれのセンサ対は、上述のセンサ部品107、109と同様に構成される。さらに、センサ対は、チューブの上流部分及び下流部分を受容するためのセンサトラックの上流側と下流側の両方/いずれかに配置することができる。第1(上部)のセンサ部品対207A、209Aは、右側のセンサ部品がエミッタとして動作し、左側のセンサ部品が検出器として動作するように構成することができる。第2(下部)のセンサ部品対207B、209Bは、左側のセンサ部品がエミッタとして動作し、右側のセンサ部品が検出器として動作するように構成することができる。このため、センサ部品間でエミッタ/検出器機能を切り替えるためのスイッチは必要ない。代わりに、ポンプは、センサ部品の両方の対207A、209A及び207B、209Bをそれぞれ動作させ、ポンプセットのあらゆる決定において、センサ対の検出器側で最も強い信号を生成するセンサ対からのセンサ読み取り値を利用することができる。本開示の一態様によれば、最も強い信号は、センサの読み取り値を閾値と及び/又は互いに比較することによって特定することができる。加えて又は代わりに、センサ対のセンサ部品間でエミッタ/検出器機能を切り替えるために、1つ以上のスイッチをセンサ部品の対207A、209A及び207B、209Bにそれぞれ動作可能に接続することができる。
【0047】
図9を参照すると、センサ164でセンサ較正ルーチンを実行することもできる。第1のステップ401で、第1のセンサ対のセンサ部品207A、209Aに通電し、エミッタ部品の反対側にあるその対の他方のセンサ部品207A、209Aに向かって超音波信号を送る。403で、検出器部品によって検出された信号の強度を測定し、ポンプメモリに格納する。405で、第2のセンサ対のセンサ部品207B、209Bに通電し、エミッタ部品の反対側にあるその対の他方のセンサ部品207B、209Bに向かって超音波信号を送る。次に407で、第2のセンサ部品対207B、209Bの検出器部品によって検出された信号の強度を測定し、ポンプメモリに格納する。次に409で、第2のセンサ部品対207B、209B間の信号の強度を、第1のセンサ部品対207A、209A間の信号の強度と比較する。411で、最も強い信号を有するセンサ部品対207A、207B及び209A、209Bをそれぞれ、チューブを通して患者に流体を送達するためのポンプの動作中に制御センサとして動作するように構成する。3対以上のセンサを使用し得ることが理解されるだろう。
【0048】
図10を参照すると、本開示の別の態様のポンプ501は、ポンプセット内を流れる流体によって加えられる力を検出するための超音波センサと組み合わせて、センサ部品の第1の対507と、センサ部品の第2の対509と、圧力センサ530とを含む少なくとも1つの超音波センサ564を備えることができる。一態様では、圧力センサ530は、センサトラック505の下流側に位置する。一態様では、圧力センサ530は、センサトラック505の上流側に位置する。圧力センサ530は、チューブ内の流体の流れに応答してセンサトラック505内のチューブの膨張を測定するように構成される。例えば、チューブ内の流体の流れは、チューブを第1の量だけ膨張させ、圧力センサ530を圧迫し得るが、チューブ内の閉塞は、チューブ内の流体圧力が増加するにつれて、チューブをさらに大きく膨張させ得る。したがって、第1の閾値を超える圧力を検出することはチューブ内の流体の流れを示すことができ、第1の閾値よりも高い第2の閾値を超える圧力を検出することはチューブ内に閉塞が存在することを示すことができる。圧力センサ530はまた、流体が供給セットを通って流れているか否かとは別に、供給セットの存在を検出するように構成することができる。したがって、圧力センサ530は、ポンプ501に供給セットが装填されたことを検出することができる。
【0049】
超音波センサ564は、ポンプ501に装填された供給セットの様々な状態を検出するように動作させることができる。第1のセンサ対507はロータの上流側に位置し、第2のセンサ対509はロータの下流側に位置する。二重のセンサシステムは、上流の閉塞、下流の閉塞、及び袋が空の状態を識別する機能を提供する。例えば、閉塞がポンプロータの上流で発生した場合、流体はチューブの上流部分からは排出されるが、チューブの下流部分からは排出されない。この場合、ポンプ501は第2のセンサ対509で流体を継続的に検出するが、第1のセンサ対507では流体を検出しない。このシーケンスが発生すると、ポンプ501は上流の閉塞と特定する。袋が空の場合、流体はチューブの上流部分から排出され、次にチューブの下流部分から排出される。この場合、ポンプ501は最初に両方のセンサ対507、509で流体を検出する。次に、ポンプ501は、流体が第2の下流のセンサ対509によって検出されるが、第1のセンサ対507では検出されない期間を観察する。最後に、ポンプ501はいずれのセンサ対507、509でも流体を検出しない。この場合、空袋エラーが発生することがある。下流の閉塞が発生すると、チューブの下流部分が拡大し、流体を通る第2のセンサ対509での信号の伝導率が向上する。この場合、ポンプ501は第2のセンサ対でセンサ信号の著しい上昇を検出し、これは下流の閉塞と解釈される。したがって、ポンプ501は、閉塞をリアルタイムで検出する能力を有する。
【0050】
さらに、ポンプ501は、供給セットがポンプに設置されていないことを示すために、圧力センサ530によって測定された第1の圧力範囲内の第1の圧力P1を検出するように構成することができる。ポンプ501は、供給セットがポンプに設置されているが、流体が供給セットを通って流れていないことを示すために、圧力センサ530によって測定された第2の範囲内の第2の圧力P2を検出するように構成することができる。ポンプは、ポンプに供給セットが設置され、流体が供給セット内に存在するが、流れていないことを示すために、圧力センサ530によって測定された第3の範囲内の第3の圧力P3を検出するように構成することができる。ポンプ501は、ポンプに供給セットが設置され、流体が供給セットを通って流れていることを示すために、圧力センサ530によって測定された第4の範囲内の第4の圧力P4を検出するように構成することができる。
【0051】
チューブ内の流体の圧力P3及び流体の流れの圧力P4を監視して、チューブ内に閉塞が存在するか否かを判定することもできる。例えば、供給セットを通して流体を送達するためのポンプ501の動作中に、供給セット内の圧力はP3の範囲からP4の範囲に上昇し得る。ポンプ501の通常の動作中に、供給セットを通して流体を送達するためのポンプの動作を停止すると、圧力はP4の範囲からP3の範囲に降下する。供給セットに閉塞が存在する場合、圧力はポンプ501を停止した後もP4の範囲に留まる。ただし、この圧力プロファイルは、閉塞が存在しない場合でも生じる可能性がある。これは、流体の流れの圧力P4がチューブの特性とチューブを通してポンプで送り込まれる流体の特性に基づいているためである。したがって、流体の濃さ、粘度、チューブのサイズなどの態様によって、流体の流れの圧力P4が変化する可能性がある。したがって、流体の濃さ及び粘度、及び/又はチューブのサイズによっては、実際にはチューブを通る流体の流れが閉塞していないときに、圧力が閉塞を示すレベルまで(すなわち、P4の範囲内に)上昇する可能性がある。さらに、供給セットを通って流れる栄養液の流体特性も、液体内の気泡及び固体粒子が信号の読み取り値を変化させ、誤った表示をもたらす可能性があるため、超音波センサ564からの読み取り値に影響を与える可能性がある。
【0052】
圧力センサ530を超音波センサ564と組み合わせて使用することにより、センサの1つによって最初の表示が行われた後にチューブ内の流体の存在の検証とチューブ内に閉塞が存在することの検証を提供することができる。例えば、超音波センサ564は、チューブ内に流体が存在するか否かを判定するように動作させることができる。所定の閾値を超えるセンサ読み取り値などによって、流体が存在することを超音波センサ564が示す場合、チューブ内の流体の最初の表示を行うことができる。この最初の表示に続いて、圧力センサ530は、チューブによって圧力センサに加えられる力を測定するように動作させることができる。P2又はP3の圧力読み取り値が測定された場合、圧力センサ530によってチューブ内の流体の存在を確認することができる。ポンプ501は、超音波センサ564による最初の流体検出に応答して、又は圧力センサ530がチューブ内に流体が存在することを確認した後にのみ、修正メッセージ又はアラートを提供することができる。
【0053】
より具体的には、ポンプ501は流体検出ルーチン(
図11)を実行するように構成され、それにより、601で、超音波センサ564は、供給セットの状態を特定するためにチューブの一部を通して超音波信号を送るように動作する。センサの読み取り値が所定の閾値を超えている場合、ポンプは、603で、チューブ内に流体が存在するという最初の表示を提供する。センサの読み取り値が所定の閾値以下である場合、ポンプ501は、605で、チューブ内に流体が存在しないという表示を提供する。システムが603でチューブ内に流体が存在すると判定した場合、検証サブルーチンVが開始される。検証ルーチン中、607で、圧力センサ530は、チューブの下流部分で力を測定するように動作する。測定された力が所定の閾値を超える場合、609で、ポンプはチューブ内に流体が存在することを確認する。ポンプはその後、チューブ内に流体が存在することをアラートするか又はメモリ内に保存することができる。測定された力が所定の閾値以下である場合、611で、最初の流体検出表示は確認されない。ポンプは、流体検出ルーチンを再開するか又はチューブ内の流体の検出を行うことができなかったというアラートを提供することができる。したがって、ポンプ501は、一連のステップを経て、供給セット内の流体の存在の最初の表示と、2つの異なるセンサタイプからのセンサ読み取り値を用いた二次表示/確認を提供するように構成される。
【0054】
同様に、閉塞の検出は、最初に圧力センサ530を動作させてチューブの下流側で力を測定することによって行うことができる。圧力センサ530が閉塞と一致する力プロファイル(例えば、ポンプ501の動作中のP3の範囲からP4の範囲への圧力上昇、ポンプを一定時間停止した後にP4の範囲に残っている圧力)を測定した場合、最初の閉塞検出を行うことができる。ポンプ501はその後、圧力センサ530を動作させて、最初の閉塞検出の検証を提供することができる。超音波センサ564からの読み取り値も閉塞が存在することを示す場合、最初の閉塞検出が確認される。ポンプ501は、圧力センサ530による最初の閉塞判定の後、又は超音波センサ564による確認判定の後にのみ、利用者に閉塞をアラートすることができる。
【0055】
より具体的には、ポンプ501は閉塞検出ルーチン(
図12)を実行するように構成され、それにより、701で、圧力センサ530は、チューブを通して流体を送達するためのポンプの動作中にチューブの下流部分で力を測定するように動作する。圧力センサ530が、流体を送達するためのポンプ501の動作中に所定の閾値を超えて上昇し、その後ポンプが停止した後も高圧のままであるチューブ内の圧力を検出した場合、ポンプは、703で、チューブ内に閉塞が存在するという最初の表示を提供する。圧力センサ530が、流体を送達するためのポンプ501の動作中に所定の閾値未満に留まるか又は所定の閾値を超えて上昇するがポンプが停止すると所定の閾値未満に低下する圧力を検出した場合、ポンプは、705で、チューブ内に閉塞がないという表示を提供する。システムが703でチューブ内に閉塞が存在すると判定した場合、検証サブルーチンVが開始される。検証ルーチン中、707で、超音波センサは、チューブの一部を通して超音波信号を送るように動作する。所定の閾値を超えるセンサ読み取り値が超音波センサ564によって検出された場合、ポンプ501は、709で、チューブ内に閉塞が存在することを確認する。ポンプ501はその後、チューブ内に閉塞が存在することをアラートするか又はメモリ内に保存することができる。超音波センサ564からの信号読み取り値が所定の閾値以下である場合、711で、最初の閉塞検出表示は確認されない。ポンプ501は、閉塞検出ルーチンを再開するか又は閉塞の表示を行うことができなかったというアラートを提供することができる。
【0056】
本開示の一態様では、アラートは視覚的、聴覚的、又はそれらの組み合わせであることができる。視覚的なアラートは、表示画面9(
図1)及び又はLED13によって利用者に提供することができ、聴覚的なアラートは、スピーカーによって利用者に提供することができる。アラートは、システムの問題を修正、解決、又は調整するために利用者に提供され得る。
【0057】
図13A~
図13Cを見ると、
図6Aと
図6Bのセンサトラック内に受容されている歪んだチューブの例示的な図に関連するサンプル結果が示されている。具体的には、
図13Aは、エミッタの側と検出器の側を切り替えることによってセンサUSの信号Sの読み取り値を示す、実行された10個の別個のテストを示す。例えば、実行1は最初に、チューブの左側で動作するエミッタとチューブの右側で動作する検出器とを提供し、358の値を得る。実行1はその後、センサUSの動作を切り替え、エミッタをチューブの右側で動作させ、検出器をチューブの左側で動作させ、494の値を得る。得られた結果に基づいて、より高い494の値がシステムによって採用され、流体がチューブを流れていると判定される。さらに、上記のように、チューブの右側のエミッタとチューブの左側の検出器のより高い値により、例えば
図5Cに示すように、チューブがチューブトラックの右側に偏っていることが確認される。実行2~10は同じ手順で行われる。実行2、3、6及び8については、チューブは、動作するエミッタがあるチューブトラックの右側に偏っていると推測することができる。実行4、5、7、9及び10については、チューブは、動作するエミッタがあるチューブトラックの左側に偏っていると推測することができる。
図13Bは、
図13Aの結果をグラフで示す。
【0058】
図13Cは、信号Sによって得られた値が閾値とも比較されるところを示す。本開示の一態様によれば、センサUSによって得られた読み取り値は、使用可能な値と見なされる前に少なくとも最小閾値、例えば74を満たさなければならない。例えば、両方の実行3で74未満の値が得られた場合、システムは直ちにシステムによって問題が発生したと判定する。
【0059】
閾値は、チューブ及びセンサUSの材料、並びにチューブを通過する流体を考慮するために、製造段階中又は動作中に設定/決定することができる。
【0060】
図14A、
図14B、
図14C、
図14D、
図14E及び
図14Fを参照すると、
図5A、
図5B、
図5C及び
図8に従ってセンサトラック内に受容されたチューブの例示的な図に関連するサンプル結果が示されている。
図14A~
図14Fは、正確な読み取り値を得るためのシステムの堅牢性及びシステム全体の堅牢性を示す。例えば、本開示の一態様によれば、
図14A及び
図14Bを見ると、チューブが適切にチューブトラック内に(中心に)あるときに実行1~5が行われている。さらに、実行1~5は、
図8に関連して上述したように、2つのセンサUS位置A及びBに従って行われている。この例では、チューブがチューブトラック内の中心にあるため、センサUSのどちら側がエミッタ又は検出器として動作するように構成されているかは問題ではない。
図14A及び
図14Bに示すように、チューブがチューブトラック内で中心に置かれた状態で2つのUS位置から得られる最大値は805である。さらに、本開示の別の態様によれば、
図14C及び
図14Dを見ると、チューブがチューブトラック内でエミッタ側に偏っているときに実行1~5が行われている。上記のように、実行1~5は、
図8に関連して上述したように、2つのUS位置A及びBに従って行われている。
図14C及び
図14Dに示すように、チューブがチューブトラック内でエミッタ側に偏っている状態で2つのUS位置から得られる最大値は1235である。さらに、本開示の別の態様によれば、
図14E及び
図14Fを見ると、チューブがチューブトラック内の検出器側に偏っているときに実行1~5が行われている。上記のように、実行1~5は、
図8に関連して上述したように、2つのセンサUS位置A及びBに従って行われている。
図14E及び
図14Fに示すように、チューブがチューブトラック内で検出器側に偏っている状態で2つのセンサUS位置から得られる最大値は891である。これらの結果により、チューブがUSのエミッタ側に偏っている場ときにより高くより正確な読み取り値が得られることが確認される。
【0061】
本開示の態様は、1つ以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令という一般的な文脈で説明することができる。コンピュータ実行可能命令は、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及びデータ構造を含むがこれらに限定されない、1つ以上のコンピュータ実行可能なコンポーネント又はモジュールに編成することができる。本開示の態様は、任意の数及び編成のこのようなコンポーネント又はモジュールで実施することができる。例えば、本開示の態様は、本明細書で図に示しかつ説明した特定のコンピュータ実行可能命令又は特定のコンポーネント又はモジュールに限定されない。本開示の他の態様には、図示及び説明したものよりも多いか又は少ない機能を有する様々なコンピュータ実行可能命令又はコンポーネントを含み得る。
【0062】
さらに、本明細書で図示又は説明した本開示の態様における動作の実行又は遂行の順序は、特に指定がない限り、必須ではない。すなわち、特に指定がない限り、動作は任意の順序で実行することができ、本開示の態様は、付加的な動作又は本明細書に開示したものよりも少ない動作を含み得る。例えば、特定の動作を別の動作の前に、別の動作と同時に、又は別の動作の後に実行又は遂行することは、本開示の態様の範囲内であると考えられる。
【0063】
動作中、マイクロプロセッサ62は、本開示の態様を実施するために図に示したようなコンピュータ実行可能命令を実行する。本開示の態様は、通信ネットワークを通して接続されたリモート処理デバイスによってタスクが行われる分散コンピューティング環境でも実施することができる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶デバイスを含むローカルとリモートの両方のコンピュータ記憶媒体に配置することができる。
【0064】
本開示の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを用いて実施することができ、1つ以上のコンピュータシステム又は他の処理システムで実施することができる。本開示の一態様では、特徴は、本明細書に記載された機能を実行することができる1つ以上のコンピュータシステムに向けられている。このようなコンピュータシステム1500の例を
図15に示す。
【0065】
コンピュータシステム1500は、プロセッサ1504などの1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサ1504は、通信インフラストラクチャ1506(例えば、通信バス、クロスオーバーバー、又はネットワーク)に接続される。様々なソフトウェアの実施を、この例示的なコンピュータシステムで説明する。この説明を読んだ後、他のコンピュータシステム及び/又はアーキテクチャを使用して本開示の実施をどのように実施するかが当業者には明らかになるであろう。
【0066】
コンピュータシステム400は、表示装置1530に表示するために、通信インフラストラクチャ1506から(又は図示されていないフレームバッファから)グラフィックス、テキスト、及び他のデータを転送する表示インタフェース1502を含むことができる。コンピュータシステム1500はまた、メインメモリ1508、好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM)を含み、二次メモリ1510も含むことができる。二次メモリ1510は、例えば、ハードディスクドライブ1512、及び/又はフロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブなどを表す、リムーバブルストレージドライブ1514を含むことができる。リムーバブルストレージドライブ1514は、周知の方法でリムーバブルストレージユニット1518からの読み出し及び/又はリムーバブルストレージユニット1518への書き込みを行う。リムーバブルストレージユニット1518は、リムーバブルストレージドライブ1514によって読み出し及び書き込みされる、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、USBフラッシュドライブなどを表す。理解されるように、リムーバブルストレージユニット1518は、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを格納したコンピュータが使用可能な記憶媒体を含む。
【0067】
本開示の代替的な実施は、二次メモリ1510を含むことができ、コンピュータプログラム又は他の命令をコンピュータシステム1500に読み込むことを可能にするための他の類似のデバイスを含むことができる。このようなデバイスは、例えば、リムーバブルストレージユニット1522及びインタフェース1520を含むことができる。そのような例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインタフェース(ビデオゲームデバイスに見られるものなど)、リムーバブルメモリチップ(消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)又はプログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)など)及び関連ソケット、及びソフトウェア及びデータをリムーバブルストレージユニット1522からコンピュータシステム1500に転送することができる他のリムーバブルストレージユニット1522及びインタフェース1520を含み得る。
【0068】
コンピュータシステム1500はまた、通信インタフェース1524を含むことができる。通信インタフェース1524により、コンピュータシステム1500と外部デバイス間でソフトウェア及びデータを転送することが可能になる。通信インタフェース1524の例は、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネット(登録商標)カードなど)、通信ポート、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA)スロット及びカードなどを含み得る。通信インタフェース1524を介して転送されるソフトウェア及びデータは信号1528の形態であり、信号1528は、電子信号、電磁信号、光信号、又は通信インタフェース1524によって受信可能な他の信号であり得る。これらの信号1528は、通信経路(例えば、チャネル)1526を介して通信インタフェース1524に提供される。この経路1526は信号1528を伝送し、ワイヤ又はケーブル、光ファイバー、電話回線、セルラーリンク、無線周波数(RF)リンク及び/又は他の通信チャネルを用いて実現することができる。本明細書では、「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータが使用可能な媒体」という用語は、リムーバブルストレージユニット1518、ハードディスクドライブ1512にインストールされたハードディスク、及び信号1528などの媒体を一般的に指すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム1500にソフトウェアを提供する。本開示の実施は、そのようなコンピュータプログラム製品を対象とする。
【0069】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メインメモリ1508及び/又は二次メモリ1510に格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース1524を介して受信され得る。このようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム1500が、本明細書で説明されるように、本開示の実施に従って機能を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ1504が本開示の実施に従って機能を実行することを可能にする。したがって、このようなコンピュータプログラムはコンピュータシステム1500のコントローラを表す。
【0070】
本開示がソフトウェアを用いて実施される本開示の一態様では、ソフトウェアはコンピュータプログラム製品に格納され、リムーバブルストレージドライブ1514、ハードドライブ1512、又は通信インタフェース1520を用いてコンピュータシステム1500に読み込まれる。制御ロジック(ソフトウェア)は、プロセッサ1504によって実行されると、プロセッサ1504に本明細書に記載された機能を実行させる。本開示の別の態様では、システムは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェアコンポーネントを用いて主にハードウェアで実現される。本明細書に記載された機能を実行するためのハードウェア状態機械の実施は、当業者には明らかであろう。
【0071】
図16は、本開示の態様による様々な例示的なシステムコンポーネントのブロック図である。
図16は、1つ以上のアクセサ1660(本明細書では区別なく1以上の「利用者」とも呼ばれる)、1つ以上の端末1642を含む通信システム1600を示す。端末1642は、上述のシステム100及び又は200、又は関連システムなどを含むことができる。一態様では、本明細書に記載された態様に従って使用するためのデータは、例えばインターネット又はイントラネットのようなネットワーク1644、及びカップリング1645、1646、1664を介して、PC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサ及びデータ用のリポジトリ及び/又はデータ用のリポジトリへの接続を有する他のデバイスなどのサーバ1643に結合された、パーソナルコンピュータ(PC)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、マイクロコンピュータ、電話デバイス、又は携帯情報端末(「PDA」)及びRFIDリーダー(例えば、ハンドヘルド、モバイル、キャビネットなど)のような有線/無線デバイスなどの端末1642を介してアクセサ1660によって入力及び/又はアクセスされ得る。カップリング1645、1646、1664は、有線、無線、又は光ファイバリンクを含むことができる。別の変形例では、本明細書に記載された態様による方法及びシステムは、単一の端末などのスタンドアロン環境で動作する。
【0072】
本明細書に記載された態様はまた、コンピュータ実行可能命令を格納するコンピュータ可読記憶媒体との関連で説明及び実施することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体とを含み、フラッシュメモリドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、フロッピーディスク、及びテープカセットであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、モジュール又は他のデータなどの情報を格納するための任意の方法又は技術で実施された揮発性及び不揮発性の、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含むことができる。
【0073】
本明細書に記載された態様は、上で概説された例示的な態様と併せて説明されているが、既知であるか、現在予見されていないか、又は現在予見し得ないかにかかわらず、様々な代替物、修正物、変形物、改良物、及び/又は実質的な均等物が、少なくとも当業者には明らかになる可能性がある。したがって、上記の例示的な態様は、限定ではなく、例示を意図したものである。本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。したがって、本開示は、すべての既知の又は後に開発される代替物、修正物、変形物、改良物、及び/又は実質的な均等物を含むことを意図している。
【0074】
したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致するすべての範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、特に明記されていない限り、「1つのみ」ではなく、むしろ「1つ以上」を意味することを意図している。当業者に知られている、又は後に知られるようになる、本開示全体を通して説明された様々な態様の要素に対するすべての構造的及び機能的な均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれており、特許請求の範囲に含まれることを意図している。また、本明細書に開示されたものは、このような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に提供されることを意図したものではない。クレームの要素は、「手段」という語句を用いて明示的に記載されない限り、手段プラス機能として解釈されるべきではない。
【0075】
開示されたプロセス/フローチャートの特定の順序又は階層は、例示的なアプローチの説明であると理解される。設計の好みに基づいて、プロセス/フローチャート内の特定の順序又は階層を並べ替えることができることが理解される。さらに、いくつかの特徴/ステップが組み合わされ又は省略され得る。添付の方法クレームは、様々な特徴/ステップの要素をサンプルの順序で示しており、示された特定の順序又は階層に限定されることを意味するものではない。
【0076】
さらに、「example(例、例示的な)」という用語は、本明細書では「例、実例、又は例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書に「example」として記載された任意の態様は、必ずしも他の態様よりも好ましいか又は有利であると解釈されるべきではない。特に指定のない限り、「いくつか」は1つ以上を指す。「A、B、又はCの少なくとも1つ」、「A、B、及びCの少なくとも1つ」、「A、B、C、又はこれらの組み合わせ」などの組み合わせは、A、B、及び/又はCのあらゆる組み合わせを含み、複数のA、複数のB、又は複数のCを含むことができる。具体的には、「A、B、又はCの少なくとも1つ」、「A、B、及びCの少なくとも1つ」、「A、B、C、又はこれらの組み合わせ」などの組み合わせは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB、A及びC、B及びC、又はA及びB及びCでああることができ、このような組み合わせは、A、B、又はCの1つ以上のメンバーを含むことができる。本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に提供されることを意図したものではない。