(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】データ処理方法及び装置、デコーダー、ネットワークデバイスと記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H03M 13/45 20060101AFI20240906BHJP
H03M 13/19 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H03M13/45
H03M13/19
(21)【出願番号】P 2022574835
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 CN2021110549
(87)【国際公開番号】W WO2022033370
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】202010822621.3
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516010548
【氏名又は名称】セインチップス テクノロジー カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】卞青
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-115542(JP,A)
【文献】特開2008-153751(JP,A)
【文献】特開2010-158015(JP,A)
【文献】米国特許第08472568(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/222225(US,A1)
【文献】Jinhong Wu et al,BICM performance improvement via online LLR optimization,2013 IEEE Wireless Communications and Networking Conference (WCNC),IEEE,2013年04月10日,pp. 3850-3855,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=6555189,DOI: 10.1109/WCNC.2013.6555189
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 13/45
H03M 13/19
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、対数尤度比(LLR)元素に対して分類を行い、分類結果を得るステップと、
前記分類結果における各類別の特徴情報を抽出するステップと、
各類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得るステップと、
前記スケーリング因子に基づいて前記LLR元素に対してスケーリング処理を行うステップと、を
含み、
各前記類別の特徴情報は、各前記類別におけるLLR元素の数、各前記類別におけるLLR元素の値、および、各前記類別に対応するLLR平均値のうち、少なくとも一部を含む、
データ処理方法。
【請求項2】
変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、
前記LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得る前記ステップは、
前記変調方式、前記デコーダーの量子化事前設定閾値と前記信号対雑音比に基づき、分類閾値を生成するステップと、
前記分類閾値と前記LLR元素の値に基づいて、前記LLR元素に対応する類別を確定するステップと、
各前記LLR元素に対応する類別から前記分類結果を得るステップと、を含む
請求項1に記載の
データ処理方法。
【請求項3】
前記分類結果における各類別の特徴情報を抽出する前記ステップは、前記分類結果における各前記類別に対してそれぞれ、
各前記類別におけるLLR元素の数を統計し、各前記類別に対応する数量統計結果を得る操作と、
各前記類別におけるLLR元素の値を累算し、各前記類別に対応する数値統計結果を生成する操作と、
各前記類別に対応する前記数値統計結果と各前記類別に対応する前記数量統計結果に基づいて、各前記類別に対応するLLR平均値を計算して生成する操作と、
各前記類別に対応する数量統計結果、各前記類別に対応する数値統計結果と各前記類別に対応するLLR平均値に基づいて、各前記類別の特徴情報を確定する操作と、を行うことを含む
請求項1に記載の
データ処理方法。
【請求項4】
各前記類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得る前記ステップは、
前記数量統計結果に基づいて、各前記類別の割合をそれぞれ確定するステップと、
各前記類別の割合と事前設定割合閾値に基づいて、各前記類別の重みをそれぞれ確定するステップと、
各類別の重み、各類別に対応するLLR平均値と事前設定目標値に基づいて、前記スケーリング因子を計算して得るステップと、を含み、
前記事前設定目標値は、前記デコーダーの量子化事前設定閾値と前記変調方式に基づいて確定した値である
請求項3に記載の
データ処理方法。
【請求項5】
各前記類別の割合と事前設定割合閾値に基づいて、各前記類別の重みをそれぞれ確定する前記ステップは、
前記分類結果が第1類別と第2類別を含み、且つ前記第1類別の割合が第1事前設定割合閾値よりも大きく、且つ前記第1類別の割合が第2事前設定割合閾値よりも小さく、前記第1類別におけるLLR元素の値が元素の事前設定閾値よりも小さく、前記第2類別におけるLLR元素の値が前記元素の事前設定閾値よりも大きいことを満たすと確定すると、前記第1類別の重みは前記第2類別の重みよりも大きいと確定することを含む
請求項4に記載の
データ処理方法。
【請求項6】
各前記類別の割合と事前設定割合閾値に基づいて、各前記類別の重みをそれぞれ確定する前記ステップは、
前記分類結果が高値類別、中央値類別と低値類別を含み、且つ第1割合が第1事前設定割合閾値よりも小さく、第2割合が第2事前設定割合閾値よりも小さく、且つ第3割合が第3事前設定割合閾値よりも小さいことを満たすと確定すると、各前記類別の重みは低いものから高いものへ順番に前記高値類別の重み、前記中央値類別の重みと前記低値類別の重みであることと、
前記第1割合が前記第1事前設定割合閾値以上であると確定すると、前記高値類別の重みは前記中央値類別の重みよりも大きく、且つ前記高値類別の重みは前記低値類別の重みよりも大きいことと、を含み、
前記第1割合は前記高値類別の、すべての類別における割合であり、前記第2割合は前記低値類別の、前記中央値類別と前記低値類別における割合であり、前記第3割合は前記中央値類別の、前記中央値類別と前記低値類別における割合である
請求項4に記載の
データ処理方法。
【請求項7】
変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づいて、対数尤度比(LLR)元素に対して分類を行い、分類結果を得る前に、各前記LLR元素に対して振幅制限処理を行い、振幅制限後の前記LLR元素を得るステップと、
振幅制限後の前記LLR元素をキャッシュ領域にキャッシュするステップと、をさらに含む
請求項1~6のいずれか1項に記載の
データ処理方法。
【請求項8】
前記スケーリング因子に基づいて前記LLR元素に対してスケーリング処理を行った後、スケーリング後の前記LLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成するステップと、
前記量子化後のLLR元素に基づいて量子化後のLLR配列を得るステップと、
前記量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号をするステップと、をさらに含む
請求項1~6のいずれか1項に記載の
データ処理方法。
【請求項9】
変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、対数尤度比(LLR)元素に対して分類を行い、分類結果を得るように配置される分類モジュールと、
前記分類結果における各類別の特徴情報を抽出するように配置される抽出モジュールと、
各類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得るように配置される計算モジュールと、
前記スケーリング因子に基づいて前記LLR元素に対してスケーリング処理を行うように配置されるスケーリングモジュールと、を
含み、
各前記類別の特徴情報は、各前記類別におけるLLR元素の数、各前記類別におけるLLR元素の値、および、各前記類別に対応するLLR平均値のうち、少なくとも一部を含む、
データ処理装置。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載のデータ処理方法を実行し、スケーリング後のLLR元素を生成するように配置されるデータ処理装置と、
前記データ処理装置から出力されたスケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成し、前記量子化後のLLR元素から量子化後のLLR配列を取得するように配置される量子化装置と、
量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号をするように配置される復号装置と、を含む
デコーダー。
【請求項11】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムが記憶されており、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行される時に、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~8のいずれか1項に記載のデータ処理方法を実現させるメモリと、を含む
ネットワークデバイス。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、請求項1~8のいずれか1項に記載のデータ処理方法を実現する
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年8月14日に提出された、出願番号を202010822621.3とする中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の内容を参照により本願に援用する。
【0002】
本願は通信技術分野に関わり、具体的にデータ処理方法及び装置、デコーダー、ネットワークデバイスとコンピュータ可読記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
第5世代モバイル通信システム(5th Generation Mobile Networks、5G)では物理データ伝送チャネルに低密度パリティ検査符号(Low Density Parity Check Codes、LDPC)の符号化/復号技術を使用して高品質の情報伝送を実現する。常用のLDPC復号アルゴリズムは、ハードデシジョンデコードアルゴリズムとソフトデシジョンデコードアルゴリズムを含む。ハードデシジョンデコードアルゴリズムの計算の複雑度は低いが、その復号性能は理想的ではなく、復号エラーがよく発生する。常用のソフトデシジョンデコードアルゴリズムは、バックプロパゲーション(Back Propagation、BP)アルゴリズムであり、その基本思想は、入力された復号ビットの対数尤度比(Log Likelihood Ratio、LLR)に対して2分グラフを使用し、チェックノードと変数ノードとの間で情報の反複伝播を行うというものである。また、複雑度と性能のバランスが取れた状態を実現することを考慮すると、入力されたLLR元素に対して位置固定化を行い、LLR元素に対して特定のビットを使用して定量子化を行う必要もある。
【0004】
しかし、ソフトデシジョンデコードアルゴリズムは複雑で実現し難く、実際の通信システムに好ましく適用することはできない。位置固定化の使用はソフトデシジョンデコードアルゴリズムの実現複雑度を軽減しているが、量子化誤差も導入されてしまい、復号アルゴリズムは、5G通信ネットワーク内の複雑なフェージングチャネル環境、及び異なる変調方式でのLDPCデコーダーの性能要求に適応できなくなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願実施例は、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、対数尤度比(LLR)元素に対して分類を行い、分類結果を得るステップと、分類結果における各類別の特徴情報を抽出するステップと、各類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得るステップと、スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行うステップと、を含むデータ処理方法を提供する。
【0006】
本願実施例は、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、対数尤度比(LLR)元素に対して分類を行い、分類結果を得るように配置される分類モジュールと、分類結果における各類別の特徴情報を抽出するように配置される抽出モジュールと、各類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得るように配置される計算モジュールと、スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行うように配置されるスケーリングモジュールと、を含むデータ処理装置を提供する。
【0007】
本願実施例は、本願実施例におけるデータ処理方法を実行し、スケーリング後のLLR元素を生成するように配置されるデータ処理装置と、データ処理装置から出力されたスケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成し、量子化後のLLR元素から量子化後のLLR配列を取得するように配置される量子化装置と、量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号をするように配置される復号装置と、を含むデコーダーを提供する。
【0008】
本願実施例は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが記憶されており、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサにより実行される時に、前記1つまたは複数のプロセッサに本願実施例におけるデータ処理方法を実現させるメモリと、を含むネットワークデバイスを提供する。
【0009】
本願実施例は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、本願実施例におけるデータ処理方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0010】
本願の以上の実施例とその他の形態及びその実現方式については、図面の説明、具体的な実施の形態と請求項においてより多くの説明を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は本願実施例におけるデータ処理方法のフロー概略図である。
【
図2】
図2は本願実施例におけるデータ処理方法のもう1つのフロー概略図である。
【
図3】
図3は本願実施例におけるデータ処理装置の組成ブロック図である。
【
図4】
図4は本願実施例におけるデコーダーの組成ブロック図である。
【
図5】
図5は本願実施例におけるデータ処理システムの組成ブロック図である。
【
図6】
図6は本願実施例における適応スケーリングモジュールの組成ブロック図である。
【
図7】
図7は本願実施例におけるデータ処理システムが、入力されたLLR配列におけるLLR元素を処理する方法フロー図である。
【
図8】
図8は本願実施例によるデータ処理方法と装置を実現できる計算デバイスの例示的なハードウェアアーキテクチャの構造図である。
【具体的な実施の形態】
【0012】
本願の目的、技術案と利点をより明瞭にするために、以下では図面を組み合わせて本願の実施例について詳細に説明する。なお、矛盾することがなければ、本願における実施例及び実施例における特徴は互いに任意に組み合わせることができる。
【0013】
入力されたLLR配列におけるLLR元素が、量子化の過程においてLDPC復号性能の損失を招くことのないように、一般的には入力された浮動小数点型のLLR元素の値をスケーリング(scaling)する必要があり、スケーリング後のLLR元素を得てから、スケーリング後のLLR元素を量子化する。現在のデータスケーリング方法は主にLDPCの反復回数、入力信号のSNR及び信頼性に関するその他の情報に基づいてスケーリング因子を調整し、入力されたLLR元素にスケーリング因子を掛け、スケーリング後のLLR元素を得るというものである。これらデータスケーリング方法は、データ量子化によるLDPC復号の性能損失をある程度低減できるが、実際の通信システムにうまく適用することはできず、5G通信ネットワーク内の複雑なフェージングチャネル環境、及び異なる変調方式でのLDPCデコーダーの性能要求に適応することはできない。
【0014】
図1は本願実施例におけるデータ処理方法のフロー概略図である。当該データ処理方法はデータ処理装置に応用することができ、当該データ処理装置はデコーダーに設置されてもよい。
図1に示すように、本願実施例におけるデータ処理方法は以下のステップ110~140を含んでもよい。
【0015】
ステップ110:変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、対数尤度比元素に対して分類を行い、分類結果を得る。
【0016】
対数尤度比(Log Likelihood Ratio、LLR)は、通信においてソフトデコードに用いられるのが一般的であり、符号値の事前確率に関する比率である。一定の条件下では(例えば、符号の確率値が等しく、且つチャネルにメモリがない場合)、事後確率の比率に変換することもできる。
【0017】
一部の具体的な実施例において、ステップ110は、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、分類閾値を生成する、分類閾値とLLR元素の値に基づき、LLR元素に対応する類別を確定する、各LLR元素に対応する類別から分類結果を得る、という方式を用いて実現することができる。
【0018】
なお、変調方式は四位相偏移(Quadrature Phase Shift Keying、QPSK)変調方式、異なるビットの直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation、QAM)方式、例えば、16ビットQAM(16QAM)、64ビットQAM(64QAM)と256ビットQAM(256QAM)等の複数の変調方式を含んでもよい。以上の変調方式は例を挙げて説明しただけに過ぎず、その他の説明していない変調方式も本願の請求範囲内にあり、具体的な状況に応じて具体的に設定することができるため、ここでは改めて説明しない。
【0019】
デコーダーの量子化事前設定閾値は低密度パリティ検査符号(Low Density Parity Check Codes、LDPC)デコーダーの量子化範囲に基づいて確定した値であり、例えば、LDPCデコーダーの量子化範囲が[-a、b]であり、且つaとbがいずれもゼロよりも大きい数であれば、デコーダーの量子化事前設定閾値はaとbのうちの最大値を取り、即ち、デコーダーの量子化事前設定閾値qabs=max(a,b)であり、例えば、[-a,b]=[-8.0,7.75]の場合、qabs=8である。
【0020】
信号対雑音比(SIGNAL NOISE RATIO、SNR)は1つまたは複数の電子システムにおける信号と雑音との比率を指す。ここでの信号とは、デバイス外部からの、このデバイスで処理する必要がある電子信号を指し、雑音とは、当該デバイスを通過した後に生じた、もとの信号に存在しない不規則な余分な信号(または情報)を指し、かつ雑音はもとの信号の変化に伴って変化しない。狭い意味でのSNRは、増幅器の出力信号の電力と、同時に出力された雑音電力との比率を表し、通常はデシベル(dB)で表す。デバイスの信号対雑音比が大きいほど、当該デバイスにより生じる雑音がより少なく、当該デバイスの再生サウンドの品質がより高いということを示し、そうでない場合は逆である。分類閾値は複数の異なる閾値を含んでもよく、これにより、入力されたLLR配列におけるLLR元素を複数の類別に分け、即ち、分類結果は複数の類別を含んでもよく、各類別には複数のLLR元素を含む。異なる類別におけるLLR元素の値を等化することにより、比較的大きい値を有するLLR元素を除外し、LLR元素を量子化した後に飽和量子化値が比較的多くなり、復号結果が不正確になるという事態を回避し、復号の正確性を向上させることができる。
【0021】
例えば、分類閾値ThLLR=Factorqam*FactorSNR*qabsについて、qabsはデコーダーの量子化事前設定閾値を表し、Factorqamは変調方式に対応する分類閾値計算因子を表し、FactorSNRは信号対雑音比に対応する分類閾値計算因子を表す。例えば、変調方式が256QAMであり、当該変調方式に対応する計算因子が4.0で、SNRが30dBである時、SNRに対応する計算因子は0.9で、デコーダーの量子化事前設定閾値を8と設定すると、分類閾値ThLLR=4.0×0.9×8.0=28.8である。
【0022】
ステップ120:分類結果における各類別の特徴情報を抽出する。
【0023】
類別の特徴情報は、当該類別におけるLLR元素の数、当該類別におけるLLR元素の値と当該類別に対応するLLR平均値等の複数の情報を含んでもよい。以上の類別の特徴情報については例を挙げて説明しただけに過ぎず、その他の説明していない類別の特徴情報も本願の請求範囲内にあり、具体的な状況に応じて具体的に設定することができるため、ここでは改めて説明しない。
【0024】
一部の具体的な実施例において、ステップ120は、それぞれ分類結果における各類別に対して、各類別におけるLLR元素の数を統計し、各類別に対応する数量統計結果を得るという操作と、各類別におけるLLR元素の値を累算し、各類別に対応する数値統計結果を生成するという操作と、各類別に対応する数値統計結果と各類別に対応する数量統計結果に基づいて、各類別に対応するLLR平均値を計算して生成するという操作と、各類別に対応する数量統計結果、各類別に対応する数値統計結果と各類別に対応するLLR平均値に基づいて、各類別の特徴情報を確定するという操作と、を行うという方式で実現することができる。
【0025】
例えば、分類閾値ThLLR=28.8に基づいてLLR配列におけるLLR元素に対して分類を行い、取得した分類結果は、第1類別と第2類別という2つの類別を含む。第1類別におけるLLR元素の値は28.8以上であり、第1類別はM個のLLR元素を含み、第2類別におけるLLR元素の値は28.8よりも小さく、第2類別はN個のLLR元素を含み、MとNはいずれも1以上の整数である。第1類別に対応する数量統計結果はMであり、第2類別に対応する数量統計結果はNである。第1類別におけるLLR元素の値を累算し、数値統計結果sumhを生成すると、当該第1類別に対応するLLR平均値はsumh÷Mと等しい。同様に、第2類別におけるLLR元素の値を累算し、数値統計結果sumlを生成すると、当該第2類別に対応するLLR平均値はsuml÷Nと等しい。
【0026】
各類別に対応する数量統計結果、各類別に対応する数値統計結果と各類別に対応するLLR平均値を計算して得ることで、後続において以上の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得るのに便宜を図り、スケーリング因子が各類別の特徴により適合することを保証し、異なる類別におけるLLR元素の値を等化することができる。
【0027】
ステップ130:各類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得る。
【0028】
なお、スケーリング因子は、LLR元素に対してデータをスケーリングすることで、チャネルの符号化/復号性能を向上させ、さらにチャネルの確実な伝送を保証するためのものである。各類別の特徴情報を用いてスケーリング因子を計算して得ることは、各類別におけるLLR元素の特徴情報に対して等化処理を行うことができ、スケーリング因子がより合理的であることを保証する。
【0029】
一部の具体的な実施例において、ステップ130は、数量統計結果から各類別の割合をそれぞれ確定する、各類別の割合と事前設定割合閾値に応じて、各類別の重みをそれぞれ確定する、各類別の重み、各類別に対応するLLR平均値と事前設定目標値に基づいて、スケーリング因子を計算して得る、という方式を用いて実現することができ、事前設定目標値はデコーダーの量子化事前設定閾値と変調方式に基づいて確定した値である。
【0030】
例えば、事前設定目標値はLLRtarget=qabs*Factortargetであり、ここで、Factortargetは変調方式に対応する計算因子を表す。
【0031】
一部の具体的な実施例において、各類別の割合と事前設定割合閾値に基づいて各類別の重みをそれぞれ確定するステップは、分類結果が第1類別と第2類別を含み、且つ、第1類別の割合が第1事前設定割合閾値よりも大きく、且つ第1類別の割合が第2事前設定割合閾値よりも小さく、第1類別におけるLLR元素の値が元素の事前設定閾値よりも小さく、第2類別におけるLLR元素の値が元素の事前設定閾値よりも大きいという条件を満たすと確定すると、第1類別の重みは第2類別の重みよりも大きいと確定することを含む。
【0032】
例えば、第1事前設定割合閾値を50%とし、第2事前設定割合閾値を70%とすると、第1類別の割合が50%よりも大きく、且つ第1類別の割合が70%よりも小さい場合、第1類別の、入力されたLLR配列における割合は比較的多く、これに応じて、第2類別の、入力されたLLR配列における割合は比較的少ないということを表し、このとき、第1類別の重みは第2類別の重みよりもはるかに大きいと確定でき、これにより、第1類別に対応する重みが十分大きく、第2類別に対応する重みが十分小さいことを保証し、後続においてデータに対して量子化を行うのに便宜を図る。
【0033】
一部の具体的な実施例において、各類別の割合と事前設定割合閾値に基づいて、各類別の重みをそれぞれ確定するステップは、分類結果が高値類別、中央値類別と低値類別を含み、且つ第1割合が第1事前設定割合閾値よりも小さく、第2割合が第2事前設定割合閾値よりも小さく、且つ第3割合が第3事前設定割合閾値よりも小さいということを満たすと確定すると、各類別の重みは低いものから高いものへ順番に高値類別の重み、中央値類別の重みと低値類別の重みであるとするということと、第1割合が第1事前設定割合閾値以上であると確定すると、高値類別の重みは中央値類別の重みよりも大きく、且つ高値類別の重みは低値類別の重みよりも大きいということと、を含み、第1割合は高値類別の、すべての類別における割合で、第2割合は低値類別の、中央値類別と低値類別における割合で、第3割合は中央値類別の、中央値類別と低値類別における割合である。
【0034】
例えば、第1事前設定割合閾値を10%とし、第2事前設定割合閾値を70%とし、第3事前設定割合閾値を30%とすると、第1割合が10%よりも小さく、第2割合が70%よりも小さく且つ第3割合が30%よりも小さい場合、低値類別に対応する重みpl=0.8+0.2*rl、中央値類別に対応する重みpm=0.2-0.2*rl、高値類別に対応する重みph=0.0が得られ、高値類別の重みをゼロとし、且つ低値類別の重みを中央値類別の重みよりも大きくすることで、各類別に対応する重みに応じて、高値類別に対応するLLR元素を除去し、高値類別に対応するLLR元素が復号に与える影響を低減し、復号の正確度を向上させることができる。
【0035】
なお、重み因子の選択時に、LLR元素の値が比較的低い類別に比較的大きい重みが割り当てられるのは、LDPCの典型的な反復復号アルゴリズムに関して、毎回チェックノードに対して反復計算を行う時に、復号結果に対する影響が比較的大きいのは往々にしてLLR元素の低値類別であることから、低値類別に偏るという重みの分配方式は低値類別におけるLLR元素をより精確にスケーリングすることができるためである。また、高値類別はスケーリング因子のスケーリング演算を経てから量子化処理を行うと、往々にして飽和量子化値が現れるが、高値類別の飽和量子化値は復号結果に対する影響が小さく、無視することができ、ひいては復号の正確度を向上させることができる。
【0036】
ステップ140:スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行う。
【0037】
例えば、スケーリング因子を用いて、入力されたLLR配列における各LLR元素に掛けることで、各LLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を生成する。
【0038】
本実施例において、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得るステップは、異なる変調方式、異なる信号対雑音比環境及び異なるLLR元素の分布について、異なる分類結果を確定することで、5Gシステムにおけるフェーディングチャネルと、異なるスループットレベルのLLR元素に対する量子化の要求に適応させることができる。当該分類過程において、LLR元素を分類結果における類別に基づいて等化し、分類結果における各類別の特徴情報を抽出し、各類別の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得て、当該スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得るということは、鍵となるLLR元素の量子化誤差を効果的に低減でき、LDPC復号の正確度を高め、スケーリング計算の複雑度を低減することができる。
【0039】
具体的な一実施例において、ステップ110の前には、ステップ150とステップ160がさらに含まれる。
【0040】
ステップ150:各LLR元素に対して振幅制限処理を行い、振幅制限後のLLR元素を得る。
【0041】
なお、振幅制限とは、信号のある種の特性(例えば、電圧、電流、電力)が所定の閾値を超えるすべての瞬時値を所定の閾値に制限し、その他のすべての瞬時値を保留にするという操作を指す。例えば、LLR元素の範囲が[-128.0,128.0]にある部分を保留にし、この範囲を超えたその他の数値に対してこの範囲に近づくように縮小するという操作を行うことで、LLR元素の特徴情報をより際立たせることを保証する。
【0042】
ステップ160:振幅制限後のLLR元素をキャッシュ領域にキャッシュする。
【0043】
例えば、振幅制限後のLLR元素を予め設定した内部記憶キャッシュ領域に保存するか、または予め設定した記憶デバイスに保存する。以上のキャッシュ方式は例を挙げて説明しただけに過ぎず、その他の説明していないキャッシュ方式も本願の請求範囲にあり、具体的な状況に応じて具体的に設定することができるため、ここでは改めて説明しない。
【0044】
本実施例では、まず各LLR元素に対して振幅制限処理を行い、振幅制限後のLLR元素を得ることで、LLR元素の特徴情報をより際立たせ、その後、振幅制限後のLLR元素をキャッシュ領域にキャッシュし、LLR配列におけるLLR元素の完全性を保証する。次に、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得ることは、異なる変調方式、異なる信号対雑音比環境及び異なるLLR元素の分布について、異なる分類結果を確定することで、5Gシステムにおけるフェーディングチャネルと、異なるスループットレベルのLLR元素の量子化要求に適応させることができる。当該分類過程では、LLR元素を分類結果における類別に基づいて等化し、分類結果における各類別の特徴情報を抽出し、各類別の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得て、当該スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得ることができ、鍵となるLLR元素の量子化誤差を効果的に低減でき、LDPC復号の正確度を高め、スケーリング計算の複雑度を低減することができる。
【0045】
図2は本願実施例におけるデータ処理方法のもう1つのフロー概略図である。当該データ処理方法はデータ処理装置に応用することができ、当該データ処理装置はデコーダーに設置されてもよい。
図2に示すように、本願実施例におけるデータ処理方法は以下のステップ210~270を含んでもよい。
【0046】
ステップ210:変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、対数尤度比元素に対して分類を行い、分類結果を得る。
【0047】
ステップ220:分類結果における各類別の特徴情報を抽出する。
【0048】
ステップ230:各類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得る。
【0049】
ステップ240:スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行う。
【0050】
なお、本願実施例におけるステップ210~ステップ240は前の実施例におけるステップ110~ステップ140と同一であるので、ここでは改めて説明しない。
【0051】
ステップ250:スケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成する。
【0052】
例えば、事前設定量子化範囲内において(例えば、事前設定量子化範囲は[-8.0, 7.75]、量子化ステップサイズは0.25である)、スケーリング後のLLR元素を処理し、即ち、スケーリング後のLLR元素を量子化ステップサイズに基づいて量子化し、量子化の範囲を[-8.0, 7.75]とすることで、量子化後のLLR元素の値が当該予め設定した当該量子化範囲を超えないようにし、後続において量子化後のLLR元素の処理に便宜を図る。
【0053】
ステップ260:量子化後のLLR元素に基づいて量子化後のLLR配列を得る。
【0054】
例えば、量子化前のLLR元素がK個あれば、量子化後のLLR配列はK個の量子化後のLLR元素を含み、Kは1以上の整数である。
【0055】
ステップ270:量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号を行う。
【0056】
なお、低密度パリティ検査符号復号は複数の通信システムまたは情報記憶システムに用いられる誤り訂正/誤り検出技術であり、当該復号方式はチャネル極限に接近する性能を有し、復号結果の正確性を保証できる。
【0057】
本実施例において、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得るということは、異なる変調方式、異なる信号対雑音比環境及び異なるLLR元素の分布について異なる分類結果を確定することで、5Gシステムにおけるフェーディングチャネルと、異なるスループットレベルのLLR元素に対する量子化要求に適応させることができる。また、LLR元素を分類結果における類別に基づいて等化し、分類結果における各類別の特徴情報を抽出し、各類別の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得て、当該スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得る。スケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成し、鍵となるLLR元素の量子化誤差を効果的に低減でき、量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号を行うことで、LDPC復号の正確度を高め、スケーリング計算の複雑度を低減することができる。
【0058】
以下では図面を組み合わせて、本願実施例によるデータ処理装置について詳細に説明する。
図3は本願実施例におけるデータ処理装置の組成ブロック図である。
図3に示すように、前記データ処理装置は、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得るように配置される分類モジュール301と、分類結果における各類別の特徴情報を抽出するように配置される抽出モジュール302と、各類別の特徴情報に基づいて、スケーリング因子を計算して得るように配置される計算モジュール303と、スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行うように配置されるスケーリングモジュール304と、を含んでもよい。
【0059】
本願実施例のデータ処理装置によれば、分類モジュールにより変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得ることは、異なる変調方式、異なる信号対雑音比環境及び異なるLLR元素の分布について異なる分類結果を確定することで、5Gシステムにおけるフェーディングチャネルと、異なるスループットレベルのLLR元素に対する量子化要求に適応させることができる。当該分類過程では、LLR元素を分類結果における類別に基づいて等化し、抽出モジュールを用いて分類結果における各類別の特徴情報を抽出し、計算モジュールを用いて各類別の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得て、その後、スケーリングモジュールを用いて当該スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得る。鍵となるLLR元素の量子化誤差を効果的に低減でき、LDPC復号の正確度を高め、スケーリング計算の複雑度を低減することができる。
【0060】
図4は本願実施例におけるデコーダーの組成ブロック図である。
図4に示すように、デコーダーは、上記いずれか1つのデータ処理方法を実行し、スケーリング後のLLR元素を生成するように配置されるデータ処理装置401と、データ処理装置から出力されたスケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成し、量子化後のLLR元素に基づいて量子化後のLLR配列を得るように配置される量子化装置402と、量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号を行うように配置される復号装置403と、を含んでもよい。
【0061】
本願実施例におけるデコーダーによれば、データ処理装置により異なる変調方式、異なる信号対雑音比環境及び異なるLLR元素の分布について異なる分類結果を確定することで、5Gシステムにおけるフェーディングチャネルと異なるスループットレベルのLLR元素に対する量子化要求に適応させることができる。当該分類過程では、LLR元素を分類結果における類別に基づいて等化し、分類結果における各類別の特徴情報を抽出し、各類別の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得て、その後、当該スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を量子化装置へ出力することで、量子化装置がスケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行うようにし、量子化後のLLR元素を生成し、鍵となるLLR元素の量子化誤差を効果的に低減でき、また復号装置を用いて量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号を行うことで、LDPC復号の正確度を高め、スケーリング計算の複雑度を低減する。
【0062】
なお、本願は上文の実施例において説明され図面に示される特定の配置と処理に限定されない。説明の利便性と簡潔性のために、ここでは既知の方法に対する詳細な記載を省略する。また、上記記載のシステム、モジュールと手段の具体的な作動過程は前記方法実施例における対応過程を参考にすることができるため、ここでは改めて説明しない。
【0063】
図5は本願実施例におけるデータ処理システムの組成ブロック図である。
図5に示すように、当該データ処理システムは多入力多出力復調モジュール510、適応スケーリングモジュール520、及び低密度パリティ検査符号復号モジュール530を含む。
【0064】
多入力多出力復調モジュール510はLLR元素を生成するように配置され、適応スケーリングモジュール520は多入力多出力復調モジュール510へ入力されたLLR配列におけるLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得るように配置され、低密度パリティ検査符号復号モジュール530は適応スケーリングモジュール520から出力されたスケーリング後のLLR元素を復号するように配置される。
【0065】
図6は本願実施例における適応スケーリングモジュール530の組成ブロック図である。
図6に示すように、当該適応スケーリングモジュール530は、LLR入力及び記憶モジュール531、LLR組統計計算モジュール532、LLRスケーリングポリシー選択モジュール533、LLRスケーリング因子計算モジュール534とLLRスケーリングモジュール535を含む。
【0066】
LLR入力及び記憶モジュール531は、入力されたLLR配列におけるLLR元素を記憶するように配置される。
【0067】
LLR組統計計算モジュール532は、LLR入力及び記憶モジュール531から、記憶されたLLR元素の値を順次読み取り、変調方式、SNRとデコーダーの量子化事前設定閾値に基づいて分類閾値を適応計算し、当該分類閾値に基づいてLLR元素に対して分類を行い、分類結果を得、各類別におけるLLR元素の数をそれぞれ統計し、各類別に対応する数量統計結果を得、各類別におけるLLR元素の値をそれぞれ累算し、各類別に対応する数値統計結果を生成し、各類別に対応する数値統計結果と各類別に対応する数量統計結果に基づいて、各類別に対応するLLR平均値を計算して生成し、その後、各類別に対応する数量統計結果をLLRスケーリングポリシー選択モジュール533へ出力し、各類別に対応するLLR平均値をLLRスケーリング因子計算モジュール534へ出力するように配置される。LLR組統計計算モジュール532は数量統計結果に基づいて各類別の割合をそれぞれ確定し、各類別の割合をLLRスケーリングポリシー選択モジュール533へ出力するようにさらに配置される。
【0068】
LLRスケーリングポリシー選択モジュール533は、LLR組統計計算モジュール532から入力された各類別の割合に基づいて、予め設定された比較ポリシーを用いて各類別の重みを計算して得て、各類別の重みをLLRスケーリング因子計算モジュール534へ出力するように配置される。
【0069】
LLRスケーリング因子計算モジュール534は、LLR組統計計算モジュール532から出力された各類別に対応するLLR平均値、LLRスケーリングポリシー選択モジュール533から出力された各類別の重みと事前設定目標値に基づいて、スケーリング因子を計算して得て、当該スケーリング因子をLLRスケーリングモジュール535へ出力するように配置される。
【0070】
LLRスケーリングモジュール535は、LLRスケーリング因子計算モジュール534から出力されたスケーリング因子に基づいて、LLR入力及び記憶モジュール531に記憶されたLLR元素を当該スケーリング因子に順次掛け、スケーリング後のLLR元素を得、その後、当該スケーリング後のLLR元素を低密度パリティ検査符号復号モジュール530へ出力して復号を行うように配置される。
【0071】
図7は本願実施例におけるデータ処理システムが、入力されたLLR配列におけるLLR元素を処理する方法フロー図である。データ処理システムにおける信号対雑音比が30dBであり、変調方式が256QAMである場合、
図7に示すように、前記データ処理方法は以下のステップ701~707を含む。当該LLR配列に含まれるLLR元素の数はnum
all=49920である。
【0072】
ステップ701:LLR入力及び記憶モジュール531は入力されたLLR配列における各LLR元素に対して振幅制限キャッシュを行い、振幅制限後のLLR元素を得る。
【0073】
【0074】
ステップ702:LLR入力及び記憶モジュール531において記憶したLLR元素をLLR組統計計算モジュール532に順次入力し、LLR組統計計算モジュール532は変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得、分類結果における各類別のLLR元素に対してデータ統計を行うことで、各類別の特徴情報を抽出する。
【0075】
まず、現在のLDPCデコーダーの量子化範囲の最大絶対値に基づいて、現在の変調方式と現在の信号対雑音比を参照して計算を行い、分類閾値ThLLR=Factorqam*FactorSNR*qabsを得る。ここで、qabsはデコーダーの量子化事前設定閾値を表し、Factorqamは変調方式に対応する分類閾値計算因子を表し、FactorSNRは信号対雑音比に対応する分類閾値計算因子を表す。表1に典型的な変調方式に対応する分類閾値計算因子を示す。
【0076】
【0077】
【0078】
その後、分類閾値ThLLR=28.8に基づいてLLR配列におけるLLR元素に対して分類を行い、例えば、高値類別と低値類別を分け、高値類別の特徴情報と低値類別の特徴情報をそれぞれ抽出する。高値類別におけるLLR元素の値は28.8以上であり、低値類別におけるLLR元素の値は28.8よりも小さい。高値類別におけるLLR元素の数を統計し、numhとし、高値類別におけるLLR元素の値を累算し、数値統計結果sumhを生成する。同様に、低値類別におけるLLR元素の数を統計し、numlとし、低値類別におけるLLR元素の値を累算し、低値類別に対応する数値統計結果sumlを生成する。
【0079】
高値類別に対応するLLR平均値mh=sumh÷numhを計算して得て、低値類別に対応するLLR平均値ml=suml÷numlを計算して得る。各類別に対応する数量統計結果、各類別に対応する数値統計結果と各類別に対応するLLR平均値に基づいて、各類別の特徴情報を確定し、各類別の特徴情報をLLRスケーリングポリシー選択モジュール533へ出力する。
【0080】
ステップ703:LLRスケーリングポリシー選択モジュール533は各類別の特徴情報に基づいて、スケーリングポリシーを確定して、当該スケーリングポリシーに基づいて現在の比較値を計算して得る。
【0081】
まず、低値類別の、入力されたLLR配列における割合、即ち、低値割合rl=numl/numallを計算する。低値割合、第1事前設定割合閾値と第2事前設定割合閾値に基づいて、異なるスケーリングポリシーを確定して、各類別の重みを計算して得ることができる。
例えば、低値割合rlが第1事前設定割合閾値Thl
1以上であれば、第1スケーリングポリシーを取得して、低値類別に対応する重みpl=1.0、高値類別に対応する重みph=0.0を計算して得る。
【0082】
低値割合rlが第2事前設定割合閾値Thl
2以下であれば、第2スケーリングポリシーを取得して、低値類別に対応する重みpl=0.0、高値類別に対応する重みph=1.0を計算して得る。
【0083】
低値割合rlが第2事前設定割合閾値Thl
2よりも大きく、且つ低値割合rlが第1事前設定割合閾値Thl
1よりも小さければ、第3スケーリングポリシーポリシーを取得して、低値類別に対応する重みpl=0.9+0.1*rl、高値類別に対応する重みph=0.1-0.1*rlを計算して得る。0.9と0.1はエミュレーション結果から得た値であり、これにより低値類別に対応する重みが大きく、高値類別に対応する重みが小さいことを保証し、後続でデータの量子化に便宜を図る。表2に本願実施例における変調方式に対応する第1事前設定割合閾値と第2事前設定割合閾値の典型的な値を示す。
【0084】
【0085】
その後、計算により得た各類別に対応する重みに基づいて、現在の比較値LLRmean=pl*ml+ph*mhを計算して得る。
【0086】
ステップ704:ステップ703において取得したLLRの現在の比較値をLLRスケーリング因子計算モジュール534へ入力して計算し、スケーリング因子を得る。
【0087】
例えば、以下の式(3)を用いてスケーリング因子を計算して得、Factorscalingはスケーリング因子を表し、LLRtargetは事前設定目標値を表し、当該事前設定目標値はqabsと異なる変調方式に対応する計算因子Factortargetに基づいて確定した値であり、即ち、以下の式(4)に基づいて計算して得た値である。表3に本願実施例における変調方式及びこれに対応する計算因子Factortargetの対応関係を示す。
Factorscaling=LLRtarget÷LLRmean (3)
LLRtarget=qabs*Factortarget (4)
【0088】
【0089】
本実施例において、デコーダーの量子化事前設定閾値が8.0であり、256QAMを用いる変調方式に対応する計算因子が0.75であれば、計算して得られる事前設定目標値はLLRtarget=8.0*0.75=6.0である。
【0090】
ステップ705:LLR入力及び記憶モジュール531に記憶されたLLR元素とステップ704において計算して得たスケーリング因子をLLRスケーリングモジュール535に入力し、各LLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得る。
【0091】
例えば、以下の式(5)を用いて各LLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得、iは整数であり、その値の範囲は0~numall-1である。LLRscaling[i]はスケーリング後のi番目のLLR元素を表す。
LLRscaling[i]=LLRin[i]*Factorscaling (5)
【0092】
ステップ706:スケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成し、量子化後のLLR元素から量子化後のLLR配列を得て、量子化後のLLR配列を低密度パリティ検査符号復号モジュール530に出力する。
【0093】
【0094】
ステップ707:低密度パリティ検査符号復号モジュール530は量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号を行う。
【0095】
例えば、量子化後のLLR配列LLRquanに対してLDPC復号を行い、復号結果を得る。
【0096】
本実施例において、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、高値類別と低値類別を得ることは、異なる変調方式、異なる信号対雑音比環境及び異なるLLR元素の分布について異なる分類結果を確定することで、5Gシステムにおけるフェーディングチャネルと異なるスループットレベルのLLR元素に対する量子化要求に適応させることができる。当該分類過程では、高値類別におけるLLR元素と低値類別におけるLLR元素を等化して、高値類別と低値類別の特徴情報を抽出し、高値類別と低値類別の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得て、その後、当該スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得る。鍵となるLLR元素の量子化誤差を効果的に低減でき、LDPC復号の正確度を高め、スケーリング計算の複雑度を低減することができる。
【0097】
具体的な一実施例において、データ処理システムにおける信号対雑音比が10dBで、変調方式が16QAMである場合、データ処理システムが、入力されたLLR配列におけるLLR元素を処理する方法は
図7に示すデータ処理方法と一致する。
図7に示すように、前記データ処理方法は以下のステップ701~707を含む。当該LLR配列に含まれるLLR元素の数はnum
all=49920である。
【0098】
ステップ701:LLR入力及び記憶モジュール531は、入力されたLLR配列における各LLR元素に対して振幅制限キャッシュを行い、振幅制限後のLLR元素を得る。
【0099】
ステップ702:LLR入力及び記憶モジュール531に記憶されたLLR元素をLLR組統計計算モジュール532に順次入力し、LLR組統計計算モジュール532は変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、分類結果を得て、分類結果における各類別のLLR元素に対してデータを統計することで、各類別の特徴情報を抽出する。
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
その後、第1分類閾値11.2と第2分類閾値22.4に基づいてLLR配列におけるLLR元素に対して分類を行い、低値類別、中央値類別と高値類別を得、次に高値類別の特徴情報、中央値類別の特徴情報をそれぞれ抽出する。低値類別におけるLLR元素の値は11.2よりも小さく、中央値類別におけるLLR元素の値は11.2以上であり、且つ22.4よりも小さく、高値類別におけるLLR元素の値は22.4以上である。高値類別におけるLLR元素の数を統計し、numhとし、高値類別におけるLLR元素の値を累算し、数値統計結果sumhを生成する。同様に、中央値類別におけるLLR元素の数を統計し、nummとし、中央値類別におけるLLR元素の値を累算し、中央値類別に対応する数値統計結果summを生成し、低値類別におけるLLR元素の数を統計し、numlとし、低値類別におけるLLR元素の値を累算し、低値類別に対応する数値統計結果sumlを生成する。
【0105】
高値類別に対応するLLR平均値mh=sumh÷numhを計算して得、中央値類別に対応するLLR平均値mm=summ÷nummを計算して得、低値類別に対応するLLR平均値ml=suml÷numlを計算して得る。各類別に対応する数量統計結果、各類別に対応する数値統計結果と各類別に対応するLLR平均値に基づいて各類別の特徴情報を確定し、各類別の特徴情報をLLRスケーリングポリシー選択モジュール533へ出力する。
ステップ703:LLRスケーリングポリシー選択モジュール533は各類別の特徴情報に基づいて、スケーリングポリシーを確定して、当該スケーリングポリシーに基づいて現在の比較値を計算して得る。
【0106】
高値類別の、入力されたLLR配列全体における割合、即ち、高値割合rh=numh/numallを計算し、中央値類別の、低値類別と中央値類別における割合、即ち、中央値割合rm=numm/(numall-numh)を計算し、低値類別の、低値類別と中央値類別における割合即ち、低値割合rl=numl/(numall-numh)を計算する。低値割合rl、中央値割合rm、高値割合rh、第1事前設定割合閾値Thh、第2事前設定割合閾値Thmと第3事前設定割合閾値Thlに基づいて、異なるスケーリングポリシーを確定して、各類別の重みを計算して得ることができる。
【0107】
例えば、高値割合rhが第1事前設定割合閾値Thh以上である場合、システムに雑音がなければ、第1スケーリングポリシーを得て、低値類別に対応する重みpl=0.0、中央値類別に対応する重みpm=0.0、高値類別に対応する重みph=1.0を計算して得る。
【0108】
高値割合rhが第1事前設定割合閾値Thhよりも小さく、且つ低値割合rlが第3事前設定割合閾値Thl以上であれば、第2スケーリングポリシーを得て、低値類別に対応する重みpl=1.0、中央値類別に対応する重みpm=0.0、高値類別に対応する重みph=0.0を計算して得る。
【0109】
高値割合rhが第1事前設定割合閾値Thhよりも小さく、且つ中央値割合rmが第2事前設定割合閾値Thm以上であれば、第3スケーリングポリシーを得て、低値類別に対応する重みpl=0.0、中央値類別に対応する重みpm=1.0、高値類別に対応する重みph=0.0を計算して得る。
【0110】
高値割合rhが第1事前設定割合閾値Thhよりも小さく、且つ低値割合rlが第3事前設定割合閾値Thlよりも小さく、且つ中央値割合rmが第2事前設定割合閾値Thmよりも小さければ、第4スケーリングポリシーを得て、低値類別に対応する重みpl=0.8+0.2*rl、中央値類別に対応する重みpm=0.2-0.2*rl、高値類別に対応する重みph=0.0を計算して得る。表5に本願実施例における変調方式に対応する各事前設定割合閾値の典型的な値を示す。
【0111】
【0112】
その後、計算して得た各類別に対応する重みに基づいて、現在の比較値LLRmean=pl*ml+pm*mm+ph*mhを計算して得る。
【0113】
ステップ704:ステップ703において得たLLRの現在の比較値をLLRスケーリング因子計算モジュール534に入力して計算し、スケーリング因子を得る。
【0114】
前記式(3)と前記式(4)によりスケーリング因子を計算して得ることができる。本実施例において、量子化範囲最大絶対値は8.0であり、用いる変調方式は16QAMである。表4を見れば、16QAMの変調方式に対応する計算因子は0.6であるということが得られ、計算して得られる事前設定目標値はLLRtarget=8.0*0.6=4.8である。
【0115】
ステップ705:LLR入力及び記憶モジュール531に記憶されたLLR元素とステップ704において計算して得たスケーリング因子をLLRスケーリングモジュール535に入力し、各LLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得る。
【0116】
ステップ706:スケーリング後のLLR元素に対して飽和量子化処理を行い、量子化後のLLR元素を生成し、量子化後のLLR元素から量子化後のLLR配列を得て、量子化後のLLR配列を低密度パリティ検査符号復号モジュール530へ出力する。
【0117】
ステップ707:低密度パリティ検査符号復号モジュール530は量子化後のLLR配列に対して低密度パリティ検査符号復号を行う。
【0118】
本実施例において、変調方式、デコーダーの量子化事前設定閾値と信号対雑音比に基づき、LLR元素に対して分類を行い、高値類別、中央値類別と低値類別を得ることは、異なる変調方式、異なる信号対雑音比環境及び異なるLLR元素の分布について異なる分類結果を確定することで、5Gシステムにおけるフェーディングチャネルと異なるスループットレベルのLLR元素に対する量子化要求に適応させることができる。当該分類過程では、高値類別におけるLLR元素、中央値類別におけるLLR元素と低値類別におけるLLR元素を等化し、高値類別、中央値類別と低値類別の特徴情報をそれぞれ抽出し、高値類別、中央値類別と低値類別の特徴情報に基づいてスケーリング因子を計算して得て、その後、当該スケーリング因子に基づいてLLR元素に対してスケーリング処理を行い、スケーリング後のLLR元素を得る。鍵となるLLR元素の量子化誤差を効果的に低減でき、LDPC復号の正確度を高め、スケーリング計算の複雑度を低減することができる。
【0119】
図8は本願実施例によるデータ処理方法と装置を実現する計算デバイスの例示的なハードウェアアーキテクチャの構造図である。
【0120】
図8に示すように、計算デバイス800は入力デバイス801、入力インターフェース802、中央プロセッサ803、メモリ804、出力インターフェース805、及び出力デバイス806を含む。入力インターフェース802、中央プロセッサ803、メモリ804、及び出力インターフェース805はバス807により互いに接続され、入力デバイス801と出力デバイス806はそれぞれ入力インターフェース802と出力インターフェース805を介してバス807に接続され、さらには計算デバイス800のその他のアセンブリに接続される。
【0121】
具体的に、入力デバイス801は外部からの入力情報を受信し、入力インターフェース802により入力情報を中央プロセッサ803に送信し、中央プロセッサ803はメモリ804に記憶されたコンピュータ実行可能な指令に基づいて入力情報を処理して出力情報を生成し、出力情報をメモリ804に一時的または恒久的に記憶してから、出力インターフェース805により出力情報を出力デバイス806に送信し、出力デバイス806は出力情報を計算デバイス800の外部に出力してユーザの使用に供する。
【0122】
一部の実施の形態において、
図8に示す計算デバイスはネットワークデバイスとして実現されてよく、当該ネットワークデバイスは、プログラムを記憶するように配置されるメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行して、上記実施例に記載のデータ処理方法を実行するように配置されるプロセッサと、を含んでもよい。
【0123】
一部の実施の形態において、
図8に示す計算デバイスはデータ処理システムとして実現されてよく、当該データ処理システムは、プログラムを記憶するように配置されるメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行して、上記実施例に記載のデータ処理方法を実行するように配置されるプロセッサと、を含んでもよい。
【0124】
以上の記載は本願の例示的な実施例に過ぎず、本願の請求範囲を限定するものではない。一般的に、本願の複数の実施例はハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、論理またはこれらの任意の組み合わせで実現することができる。例えば、一部の態様はハードウェアにおいて実現され、その他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたはその他のコンピュータ装置により実行されるファームウェアまたはソフトウェアにおいて実現されてよいが、本願はこれにより制限されない。
【0125】
本願の実施例はモバイルデバイスのデータプロセッサによりコンピュータプログラム指令を実行することにより実現でき、例えば、プロセッサエンティティにおいて、ハードウェアにより、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより実現される。コンピュータプログラム指令は、アセンブラ指令、命令セットアーキテクチャ(ISA)指令、マシン指令、マシン関連指令、マイクロコード、ファームウェア指令、状態設定データ、あるいは1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードもしくはオブジェクトコードであってもよい。
【0126】
理解すべき点は、本願の実施例において、前記メモリは非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であってもよく、前記コンピュータプログラム指令/プログラムは前記コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよいという点である。
【0127】
本願図面における任意の論理フローのブロック図はプログラムステップを表すか、または互いに接続されている論理回路、モジュールと機能を表すか、あるいはプログラムステップと論理回路、モジュールと機能の組み合わせを表してもよい。コンピュータプログラムはメモリに記憶されてもよい。メモリはローカル技術環境に適した任意の類型を有してもよく、あらゆる適切なデータ記憶技術により実現することができ、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、光メモリデバイスとシステム(デジタル多用途ディスクDVDまたはCDディスク)等により実現されるが、これに限らない。コンピュータ可読記憶媒体は非一時的記憶媒体を含んでもよい。データプロセッサはローカル技術環境に適した任意の類型であってもよく、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、専用集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(FGPA)及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサであってもよいがこれに限らない。
【0128】
例示的及び非限定的な例により、上文では本願の例示的な実施例について詳細な説明を提供した。しかしながら、図面と請求項を組み合わせて考慮すれば、以上の実施例に対する各種修正と調整は当業者にとって自明であるが、本願の範囲を逸脱しない。よって、本願の適切な範囲は請求項に基づいて確定される。