(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】プログラム、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/266 20110101AFI20240906BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240906BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240906BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20240906BHJP
【FI】
H04N21/266
H04N21/24
G06T19/00 300A
H04L67/131
(21)【出願番号】P 2023100532
(22)【出願日】2023-06-20
【審査請求日】2024-04-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519120525
【氏名又は名称】カバー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】森 耕平
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-107264(JP,A)
【文献】特開2021-099784(JP,A)
【文献】特開2021-117990(JP,A)
【文献】特開2021-118539(JP,A)
【文献】特許第7391950(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第111182323(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
G06T 19/00 -19/20
H04L 67/00 -67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対し仮想空間を提供するためのコンピュータを、
前記仮想空間内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるための手段と、
ユーザに関連付けられている特定オブジェクトを前記仮想空間内の所定エリアに配置させるための手段として機能させ、
前記表示させるための手段は、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって前記仮想空間内に配置されている特定オブジェクトについては切替条件の成立に応じて
全部または一部を他の特定オブジェクトに切り替える一方で、ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクトについては前記切替条件が成立しても前記配置するための手段により配置されたエリア内において継続するように表示させ得る、プログラム。
【請求項2】
前記切替条件は、所定時間が経過すること、および、前記表示させるための手段により前記仮想空間内の画像を表示させることのうちの少なくともいずれか一方により成立し得る、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記他のユーザには特別種類のユーザが含まれ、
前記表示させるための手段は、前記切替条件が成立したとしても、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトのうち前記特別種類のユーザに関連付けられている特定オブジェクトを継続して表示させ得る、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記特定オブジェクトは、複数種類設けられており、種類に応じて前記仮想空間内に配置可能となるエリアが定められている、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特定オブジェクトは、前記仮想空間内の配置可能となるエリアに定められている上限数まで表示可能であり、
前記表示させるための手段は、配置される特定オブジェクトの数が前記上限数の範囲内となるように維持しつつ、前記切替条件の成立で前記他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトを他の特定オブジェクトに切り替えて表示させ得る、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記特定オブジェクトには、複数種類の属性のうちのいずれかが関連付けられており、
前記表示させるための手段は、表示する特定オブジェクトに関連付けられている属性の数が各属性間において略均等と
しバランスよくなるように特定オブジェクトを表示する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示させるための手段は、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって規制条件が成立している特定オブジェクトについての表示を規制し得る、請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記表示させるための手段は、前記ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクトについては前記規制条件が成立しているか否かにかかわらず継続して表示させ得る、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、
ユーザからの特定オブジェクトに対する好感アクションを特定するための好感情報を受信することにより、当該特定オブジェクトに対する好感履歴を更新する手段として機能させ、
前記表示させるための手段は、特定オブジェクトに対する好感履歴に基づいて当該特定オブジェクトを表示するときの表示を制御する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記表示させるための手段は、特定オブジェクトに対する好感履歴に基づいて、好感アクションが所定数未満である特定オブジェクトよりも好感アクションが所定数以上である特定オブジェクトの方が高い割合で、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトとして表示させ得る、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記仮想空間内には、特定オブジェクトを配置可能なエリアが複数設けられており、
前記配置させるための手段は、複数のエリアのうちユーザからの操作に応じて指定されたエリア内に特定オブジェクトを配置させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示させるための手段は、前記特定オブジェクトを配置させる際に、ユーザからの操作に応じて当該ユーザに関連付けられている特定オブジェクトの表示態様を変化させて表示させ得る、請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記表示させるための手段は、関連付けられている特定オブジェクトの数が、第1数未満であるユーザよりも第1数以上であるユーザの方が高い割合で他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトとして表示させ、第1数よりも多い第2数に到達しているユーザについては第2数よりも多いユーザであるか否かにかかわらず同じ割合で他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトとして表示させ得る、請求項1に記載のプログラム。
【請求項14】
ユーザに対し仮想空間を提供するためのコンピュータを制御する方法であって、
前記仮想空間内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるためのステップと、
ユーザに関連付けられている特定オブジェクトを前記仮想空間内の所定エリアに配置させるためのステップとを備え、
前記表示させるためのステップは、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって前記仮想空間内に配置されている特定オブジェクトについては切替条件の成立に応じて
全部または一部を他の特定オブジェクトに切り替える一方で、ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクトについては前記切替条件が成立しても前記配置するためのステップにより配置されたエリア内において継続するように表示させ得る、コンピュータの制御方法。
【請求項15】
ユーザに対し仮想空間を提供するための処理を行うコンピュータを有するシステムであって、
前記仮想空間内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるための手段と、
ユーザに関連付けられている特定オブジェクトを前記仮想空間内の所定エリアに配置させるための手段とを備え、
前記表示させるための手段は、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって前記仮想空間内に配置されている特定オブジェクトについては切替条件の成立に応じて
全部または一部を他の特定オブジェクトに切り替える一方で、ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクトについては前記切替条件が成立しても前記配置するための手段により配置されたエリア内において継続するように表示させ得る、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介してコンテンツなどを配信するシステムとして、例えば、ウェブ上の仮想空間において、演者がライブ演奏等のイベントなどを開催する一方で、視聴者が視聴者アバタを動作(移動、ギフト、投げ銭など)させて当該イベントに参加可能となるコンテンツを提供する配信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の配信システムでは、イベント開催中において、視聴者によりデコレーションや投げ銭などのオブジェクトが仮想空間内に配置されることにより、当該オブジェクトを他の視聴者も認識可能となる。しかしながら、仮想空間は限りある空間であるため、視聴者からのオブジェクトを配置させる数・量にも限界があるところ、この点について、特許文献1に記載の配信システムでは何ら考慮されていない。このため、視聴者などのユーザからのオブジェクトを仮想空間内において適切に反映させることができないといった問題が生じている。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、ユーザからのオブジェクトを仮想空間内において適切に反映させることができるプログラム、方法、およびシステムを提供するものである。
【0006】
(1) 本発明のある局面にしたがうプログラム(例えば、仮想空間生成プログラム120、視聴者用プログラム)は、ユーザに対し仮想空間を提供するためのコンピュータ(例えば、配信用サーバコンピュータ100、視聴者端末300など)を、
前記仮想空間内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるための手段(例えば、仮想空間更新データ配信処理、視聴者視点映像出力処理など)と、
ユーザに関連付けられている特定オブジェクトを前記仮想空間内の所定エリア(例えば、空間エリアER5内の所定の展示エリア)に配置させるための手段(仮想空間更新データ生成処理)、仮想空間更新データに基づき購入したオブジェクトを仮想空間内に配置更新する処理(仮想空間更新処理)など)として機能させ、
前記表示させるための手段は、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって前記仮想空間内に配置されている特定オブジェクト(例えば、
図29(A)に示す、展示エリアAに表示されている他のユーザに関連付けられているフラスタFS)については切替条件(例えば、所定時間経過、ユーザの空間エリアER5内へのログインや入退室)の成立(例えば、
図32のステップS202で切替条件成立(YES))に応じて
全部または一部を他の特定オブジェクトに切り替える(例えば、
図32のステップS203、ステップS205で、展示エリアに表示されていたフラスタFSを、他のフラスタFS切り替えて表示)一方で、ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクト(例えば、
図27(C)で記憶するユーザ自身が購入したフラスタFS)については前記切替条件が成立しても前記配置するための手段により配置されたエリア内において継続するように表示させ得る(例えば、
図32のステップS202で切替条件が成立(YES)しても、
図29(C)に示すように、ユーザ1自身が購入したフラスタFS1については、配置した展示エリアAに継続して表示され得る)。
【0007】
このような構成によれば、切替条件が成立することにより他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトについては全部または一部が切り替えられる一方で、ユーザ自身に関連付けられた特定オブジェクトについては継続して表示され得る。これにより、特定オブジェクトを仮想空間内において適切に反映させることができる。また、他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトが万遍なく仮想空間内において表示できるとともに仮想空間の表示態様を変化させて興趣を向上させることができるようにしつつ、ユーザ自身に関連付けられた特定オブジェクトを確認できるため満足感を高めることができる。
【0008】
(2) 上記(1)において、前記切替条件は、所定時間が経過すること(例えば、2時間経過毎)、および、前記表示させるための手段により前記仮想空間内の画像を表示させること(例えば、ユーザの空間エリアER5内へのログインや入退室)のうちの少なくともいずれか一方により成立し得る。
【0009】
このような構成によれば、ユーザの事前知識などを要することなく他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトが他のオブジェクトに切り替えられるため、いずれのユーザに対しても仮想空間内に表示され得る特定オブジェクトに対する興趣を向上させることができる。
【0010】
(3) 上記(1)において、前記他のユーザには特別種類のユーザ(例えば、スポンサーユーザ、演者ユーザ、特別ユーザなど)が含まれ、
前記表示させるための手段は、前記切替条件が成立したとしても、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトのうち前記特別種類のユーザに関連付けられている特定オブジェクトを継続して表示させ得る(例えば、
図33に示すように特別種類のユーザに関連付けられたフラスタFSTは、
図33(A)~(D)に示されるように表示が継続)。
【0011】
このような構成によれば、特別種類のユーザに関連付けられた特定オブジェクトについては切替条件が成立しても切り替えられないようにさせることができるため、特別種類のユーザの利便性を向上させることができる。
【0012】
(4) 上記(1)において、前記特定オブジェクトは、複数種類設けられており(例えば、
図27(A)、(B)に示す小/大などのサイズの種類)、種類に応じて前記仮想空間内に配置可能となるエリアが定められている(例えば、
図31(A)に示すように小サイズは展示エリアAに配置可能であり、
図31(B)に示すように大サイズは展示エリアBに配置可能)。
【0013】
このような構成によれば、仮想空間のデザイン・趣向などに合わせてエリアに応じて適切な種類の特定オブジェクトを配置させることができる。また、エリア毎に配置される特定オブジェクトの種類に統一感を持たせることができる。
【0014】
(5) 上記(1)において、前記特定オブジェクトは、前記仮想空間内の配置可能となるエリアに定められている上限数まで表示可能(例えば、展示エリアAには上限数100個までフラスタFSを表示可能)であり、
前記表示させるための手段は、配置される特定オブジェクトの数が前記上限数の範囲内となるように維持しつつ(例えば、展示エリアAの上限数100個分までのフラスタFSがランダム抽選などで決定される)、前記切替条件の成立で前記他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトを他の特定オブジェクトに切り替えて表示させ得る(例えば、
図29(B)から(C)への切替表示のように、ユーザ1に対しては、ユーザ1のフラスタFS1以外のフラスタFSは切り替えて表示される)。
【0015】
このような構成によれば、上限数の範囲内で他のユーザに関連付けられたオブジェクトを万遍なく仮想空間内に表示できるとともに仮想空間の表示態様を変化させて興趣を向上させることができる。
【0016】
(6) 上記(1)において、前記特定オブジェクトには、複数種類の属性のうちのいずれかが関連付けられており(例えば、
図27(A)のモチーフ(属性))、
前記表示させるための手段は、表示する特定オブジェクトに関連付けられている属性の数が各属性間において略均等と
しバランスよくなるように特定オブジェクトを表示する(例えば、属性「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」のフラスタFSを展示可能な位置が8万箇所であれば、ひとつの属性に対して展示可能な数が2万か所と算出することなど。変形例の(展示エリア内のフラスタ属性の表示バランスについて)参照)。
【0017】
このような構成によれば、仮想空間内において各属性に関連付けられた特定オブジェクトがバランスよく表示され得るようになる。
【0018】
(7) 上記(1)において、前記表示させるための手段は、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって規制条件(例えば、運営による非表示設定、ユーザからの通報が所定数に達したことによる非表示設定がされることなど。変形例の(デフォルトのフラスタに決定される確率などについて)参照)が成立している特定オブジェクトについての表示を規制し得る(例えば、非表示)。
【0019】
このような構成によれば、規制条件が成立している他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトについての表示を規制することができるため、ユーザに快適な仮想空間を提供することができる。
【0020】
(8) 上記(7)において、前記表示させるための手段は、前記ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクト(例えば、ユーザ自身が購入・所有しているフラスタFS)については前記規制条件が成立しているか否かにかかわらず継続して表示させ得る(例えば、他のユーザへは非表示の対象となっているフラスタFSであっても、当該フラスタFSを購入・所有しているユーザ自身の表示装置310には継続して表示されることなど。変形例の(デフォルトのフラスタに決定される確率などについて)参照)。
【0021】
このような構成によれば、規制条件が成立している特定オブジェクトが関連付けられているユーザの興趣を損なうことを防止しつつ、規制条件が成立していることを特定され難くすることができる。
【0022】
(9) 上記(1)において、前記コンピュータ(例えば、配信用サーバコンピュータ100)を、
ユーザからの特定オブジェクトに対する好感アクション(例えば、いいねアイコン513に対する操作)を特定するための好感情報を受信することにより、当該特定オブジェクトに対する好感履歴を更新する手段(例えば、オブジェクトデータ112に記憶されるフラスタFS毎のいいねの数を更新記憶)として機能させ、
前記表示させるための手段は、特定オブジェクトに対する好感履歴に基づいて当該特定オブジェクトの表示を制御する(例えば、いいねの数が多いフラスタFSについては
図31(A)、(B)や、
図36(A)のデフォルトのフラスタデータとして抽選される確率が高く設定されることなど。変形例の(デフォルトのフラスタに決定される確率などについて)参照)。
【0023】
このような構成によれば、好感履歴に基づいて特定オブジェクトの表示が制御されるといった面白味をユーザに提供できる。
【0024】
(10) 上記(9)において、前記表示させるための手段は、特定オブジェクトに対する好感履歴に基づいて、好感アクションが所定数未満(例えば、いいねの数が100~999)である特定オブジェクトよりも好感アクションが所定数以上(例えば、いいねの数が1000~2999)である特定オブジェクトの方が高い割合で、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトとして表示させ得る(例えば、いいねの数が100~999の場合は当選する確率が10/100万であるところ、いいねの数が1000~2999の場合は、100/100万に高めることなど。変形例の(デフォルトのフラスタに決定される確率などについて)参照)。
【0025】
このような構成によれば、好感アクションを獲得するといった面白味をユーザに提供でき、ユーザの興趣を向上させることができる。
【0026】
(11) 上記(1)において、前記仮想空間内には、特定オブジェクトを配置可能なエリアが複数設けられており(例えば、
図24の大通り(西)エリア51aや、境内(西)エリア52bなどの複数の展示エリア)、
前記配置させるための手段は、複数のエリアのうちユーザからの操作に応じて指定されたエリア内(例えば、
図26(A)の配置場所選択領域414への操作によって指定された展示エリア)に特定オブジェクトを配置させる。
【0027】
このような構成によれば、ユーザの好むエリアに特定オブジェクトを配置させることができ、興趣を向上させることができる。
【0028】
(12) 上記(1)において、前記表示させるための手段は、前記特定オブジェクトを配置させる際に、ユーザからの操作に応じて当該ユーザに関連付けられている特定オブジェクトの表示態様を変化させて表示させ得る(例えば、ユーザによるフラスタFSの購入時あるいは購入後に、
図26(A)の文字入力領域413などに対する操作などにより文字などの装飾を行ったフラスタFSを上で空間エリアER5へ配置)。
【0029】
このような構成によれば、特定オブジェクトの表示態様をユーザ独自の表示態様とすることができ、ユーザの興趣を向上させることができる。
【0030】
(13) 上記(1)において、前記表示させるための手段は、関連付けられている特定オブジェクトの数が、第1数(例えば、99個以下の所定値)未満であるユーザよりも第1数以上であるユーザ(例えば、10個よりも11個、30個よりも40個)の方が高い割合で他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトとして表示させ(例えば、
図27(C)で示す、関連付いているフラスタFSが1つのユーザ2の所有するフラスタFSよりも、関連付いているフラスタFSが3つのユーザ1の所有するフラスタFSのほうが、
図31(A)や(B)のデフォルトのフラスタFSに抽選して決定される割合が高くなる)、第1数よりも多い第2数(例えば、100個)に到達しているユーザについては第2数よりも多いユーザ(例えば、1万個所有)であるか否かにかかわらず同じ割合(例えば、所有しているフラスタFSの数が100個であるものとされる)で他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトとして表示させ得る。
【0031】
このような構成によれば、特定オブジェクトを程よい数(第2数未満)まで関連付けさせることを促すことができる一方で、第2数に到達しているユーザの特定オブジェクトの占める割合が際限なく高まり過ぎてしまうことを防止できる。
【0032】
(14) 本発明のある局面にしたがうコンピュータの制御方法は、ユーザに対し仮想空間を提供するためのコンピュータ(例えば、配信用サーバコンピュータ100、視聴者端末300など)を制御する方法であって、
前記仮想空間内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるためのステップ(例えば、仮想空間更新データ配信処理、視聴者視点映像出力処理など)と、
ユーザに関連付けられている特定オブジェクトを前記仮想空間内の所定エリア(例えば、空間エリアER5内の所定の展示エリア)に配置させるためのステップ(仮想空間更新データ生成処理)、仮想空間更新データに基づき購入したオブジェクトを仮想空間内に配置更新する処理(仮想空間更新処理)など)とを備え、
前記表示させるためのステップは、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって前記仮想空間内に配置されている特定オブジェクト(例えば、
図29(A)に示す、展示エリアAに表示されている他のユーザに関連付けられているフラスタFS)については切替条件の成立(例えば、所定時間経過、ユーザの空間エリアER5内への入退室)に応じて
全部または一部を他の特定オブジェクトに切り替える(例えば、
図32のステップS203、ステップS205で、展示エリアに表示されていたフラスタFSを、他のフラスタFS切り替えて表示)一方で、ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクト(例えば、
図27(C)で記憶するユーザ自身が購入したフラスタFS)については前記切替条件が成立しても前記配置するためのステップにより配置されたエリア内において継続するように表示させ得る(例えば、
図32のステップS202で切替条件が成立(YES)しても、
図29(C)に示すように、ユーザ1自身が購入したフラスタFS1については、配置した展示エリアAに継続して表示され得る)。
【0033】
このような構成によれば、切替条件が成立することにより他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトについては全部または一部が切り替えられる一方で、ユーザ自身に関連付けられた特定オブジェクトについては継続して表示され得る。これにより、特定オブジェクトを仮想空間内において適切に反映させることができる。また、他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトが万遍なく仮想空間内において表示できるとともに仮想空間の表示態様を変化させて興趣を向上させることができるようにしつつ、ユーザ自身に関連付けられた特定オブジェクトを確認できるため満足感を高めることができる。
【0034】
(15) 本発明のある局面にしたがうシステム(仮想空間コンテンツ配信システム)は、ユーザに対し仮想空間を提供するための処理を行うコンピュータ(例えば、配信用サーバコンピュータ100、視聴者端末300など)を有するシステムであって、
前記仮想空間内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるための手段(例えば、仮想空間更新データ配信処理、視聴者視点映像出力処理など)と、
ユーザに関連付けられている特定オブジェクトを前記仮想空間内の所定エリア(例えば、空間エリアER5内の所定の展示エリア)に配置させるための手段(仮想空間更新データ生成処理)、仮想空間更新データに基づき購入したオブジェクトを仮想空間内に配置更新する処理(仮想空間更新処理)など)とを備え、
前記表示させるための手段は、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって前記仮想空間内に配置されている特定オブジェクト(例えば、
図29(A)に示す、展示エリアAに表示されている他のユーザに関連付けられているフラスタFS)については切替条件(例えば、所定時間経過、ユーザの空間エリアER5内への入退室)の成立(例えば、
図32のステップS202で切替条件成立(YES))に応じて
全部または一部を他の特定オブジェクトに切り替える(例えば、
図32のステップS203、ステップS205で、展示エリアに表示されていたフラスタFSを、他のフラスタFS切り替えて表示)一方で、ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクト(例えば、
図27(C)で記憶するユーザ自身が購入したフラスタFS)については前記切替条件が成立しても前記配置するための手段により配置されたエリア内において継続するように表示させ得る(例えば、
図32のステップS202で切替条件が成立(YES)しても、
図29(C)に示すように、ユーザ1自身が購入したフラスタFS1については、配置した展示エリアAに継続して表示され得る)。
【0035】
このような構成によれば、切替条件が成立することにより他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトについては全部または一部が切り替えられる一方で、ユーザ自身に関連付けられた特定オブジェクトについては継続して表示され得る。これにより、特定オブジェクトを仮想空間内において適切に反映させることができる。また、他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトが万遍なく仮想空間内において表示できるとともに仮想空間の表示態様を変化させて興趣を向上させることができるようにしつつ、ユーザ自身に関連付けられた特定オブジェクトを確認できるため満足感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の実施形態における仮想空間コンテンツ配信システムのシステム構成例を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおける配信用サーバコンピュータの構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態の配信用サーバコンピュータが有するストレージに記憶されている各種データを示す図である。
【
図4】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおける演者端末の構成例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおける視聴者端末の構成例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおける管理者端末の構成例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおけるイベントデータの構成例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおける演者ユーザーデータの構成例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおける視聴者ユーザーデータの構成例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する各端末とサーバコンピュータとの間において送受されるデータを示す説明図である。
【
図11】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおいて、演者ユーザーが利用するスタジオの設備を示す模式図である。
【
図12】本発明の実施形態の仮想空間の全体像を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムにおいて使用される仮想空間である仮想ライブ会場を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末における表示例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末における表示例を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する演者端末における表示例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末におけるズーム操作による表示例を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末におけるズーム操作による表示例を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末における表示例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末におけるフライング演出期間の表示例を示す図である。
【
図21】本発明の実施形態の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末において実行される視聴者用視点映像制御処理の一例を示すフロー図である。
【
図22】変形例における仮想ライブ会場を示す図である。
【
図23】変形例における仮想ライブ会場への参加位置選択画面を示す図である。
【
図24】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間の俯瞰した一例を示す図である。
【
図25】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間の表示態様の一例を示す図である。
【
図26】本発明の実施形態の仮想空間において表示されるオブジェクトの購入処理の際の表示態様の一例を示す図である。
【
図27】本発明の実施形態の仮想空間において表示されるオブジェクトの購入処理の際に用いられるオブジェクトの種類およびユーザ関連情報の一例を示すテーブルである。
【
図28】本発明の実施形態の仮想空間において表示されるオブジェクトの購入処理の一例を示すフロー図である。
【
図29】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において表示されるオブジェクトの表示態様の遷移の一例を示す図である。
【
図30】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において表示されるオブジェクトの表示態様の遷移の別の一例を示す図である。
【
図31】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において表示されるオブジェクトの所定エリアとの関連の一例を示すテーブルである。
【
図32】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において表示されるオブジェクトの切替処理の一例を示すフロー図である。
【
図33】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において表示されるオブジェクトの表示態様の遷移の別の一例を示す図である。
【
図34】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において提供されるイベントコンテンツの一例を示す図である。
【
図35】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において提供されるイベントコンテンツにおいて表示されるオブジェクトに関するテーブルの一例を示す図である。
【
図36】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において提供されるイベントコンテンツにおいて表示されるオブジェクトの決定処理の一例を示す図である。
【
図37】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において提供されるイベントコンテンツに関連する処理に用いられるテーブルの一例を示す図である
【
図38】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において提供されるイベントコンテンツに関連する処理の一例を示すフロー図である。
【
図39】本発明の実施形態の所定種類の仮想空間において表示されるオブジェクトに対するアクションを行う画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の仮想空間内における各種のコンテンツを配信する仮想空間コンテンツ配信システムを実施するための形態について、実施例にもとづいて図面を用いて以下に説明する。なお、複数の図面において同一の又は類似する構成要素には同じ参照符号を付することで、重複する説明は省くものとする。また、本発明に係わる仮想空間コンテンツ配信システムにおいて実行させる配信プログラムは、仮想空間コンテンツ配信システムを構成する後述するサーバコンピュータや各端末から成るシステム全体で使用されるプログラムであってもよいし、仮想空間コンテンツ配信システムを構成する一部の装置である、例えば、サーバコンピュータや各端末だけで動作するものであってもよい。
【実施例】
【0038】
図1は、本発明の1実施形態である実施例における仮想空間コンテンツ配信システムのシステム構成例を示すブロック図であり、
図1に示す本実施例のシステムでは、演者ユーザーに対応した演者アバター1が、仮想空間内においてライブやゲーム、交流会、映画鑑賞会などのイベントを行う仮想空間コンテンツとして配信される。
【0039】
本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムは、
図1に示すように、主に、仮想空間に関する各種処理や仮想空間の提供・配信に関する各種処理を実行可能な配信用サーバコンピュータ100と、仮想空間内におけるイベントを運営・管理するイベント運営機関のイベント管理者Kが、仮想空間内におけるイベントの配信を管理するために使用する管理者端末150と、演者ユーザーが使用する演者端末200と、仮想空間内に入室・参加(例えば、仮想空間へログイン)して仮想空間内におけるイベントコンテンツを視聴する視聴者ユーザーが使用可能な視聴者端末300とから構成されており、配信用サーバコンピュータ100、管理者端末150、演者端末200、視聴者端末300は、オープンコンピュータネットワークであるインターネット網Nを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。
【0040】
尚、本実施例では、管理者端末150や演者端末200についてもインターネット網Nを介して配信用サーバコンピュータ100に接続させた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、イベント運営機関が演者ユーザーにスタジオを提供している等の場合であって、これらスタジオに配信用サーバコンピュータ100が設置されている場合にあっては、管理者端末150や演者端末200を配信用サーバコンピュータ100にローカルにデータ通信接続した形態としたり、スタジオ施設内のローカルエリアネットワークLANを介して通信接続するようにしてもよい。
【0041】
また、
図1に示すように、視聴者ユーザーA、視聴者ユーザーB、視聴者ユーザーC…のように、視聴者ユーザーは複数であって、視聴者端末300としては、個々の視聴者ユーザーA、視聴者ユーザーB、視聴者ユーザーC…が使用可能な視聴者端末300a、視聴者端末300b、視聴者端末300c…を含む。尚、視聴者ユーザーは、通常、複数であるが、1人でもよいし、4人以上であってもよく、その数は仮想空間内で提供されるイベントコンテンツの種類などに応じて適宜に決定すればよい。以下、視聴者ユーザーA、視聴者ユーザーB、視聴者ユーザーC…を総称して視聴者ユーザーと表記する場合があるとともに、視聴者端末300a、視聴者端末300b、視聴者端末300c…を総称して視聴者端末300と表記する場合がある。
【0042】
また、本実施例では、演者ユーザーを1人とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、仮想空間内で提供されるイベントコンテンツは、単独で活動している複数の演者ユーザーが参加して進行する共演イベントであってもよいし、共同で活動している複数人のグループが参加して進行するグループイベントであってもよく、このように、複数の演者が出演する場合には、各演者ユーザー毎に演者端末200a、演者端末200b、演者端末200c…を設けるようにしてもよいし、複数人のグループで出演する場合であれば、1つの演者端末200を複数人で使用するようにしてもよい。なお、演者ユーザー(タレントユーザーともいう)は、イベントコンテンツ内においてスピーカー、司会・進行役、主演などを務めるユーザーである。イベントコンテンツにおいては、演者ユーザーの動作に対応する演者アバターや、イベントを運営する運営者(運営ユーザーともいう)などの操作に対応する運営アバターなどの進行役となるアバターにより進行されることとなる。
【0043】
また、
図1においては、配信用サーバコンピュータ100を単体として図示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら配信用サーバコンピュータ100を、仮想空間処理を主に行う第1サーバコンピュータと配信処理を主に行う第2サーバコンピュータ等の複数のサーバコンピュータで構成したり、あるいは、クラウドサーバ等にて構成して、イベントの規模や参加する視聴者ユーザーの数等に応じてサーバコンピュータの数を適宜に変更可能としてもよい。
【0044】
同様に、管理者端末150についても、
図1においては単体として図示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら管理者端末150を、ライブなどのイベントコンテンツに参加する演者ユーザーや視聴者ユーザーの数等に応じて複数としてもよいことはいうまでもない。
【0045】
<配信用サーバコンピュータ>
図2は、本実施例に用いた配信用サーバコンピュータ100の構成を示す図である。本実施例で用いた配信用サーバコンピュータ100は、上記のように、イベント運営機関が運営するスタジオに設置された比較的処理能力に優れた通常のサーバコンピュータであって、
図2に示すように、データバス108に接続されたプロセッサ(CPU)101、メモリ(RAM)102、ハードディスク等のストレージ103、オープンコンピュータネットワークであるインターネットを介したTCP/IPプロトコルによる双方向に通信が可能な通信インターフェイス(I/F)104と、キーボード等の入力装置等を接続可能な入出力インターフェイス(I/F)105を有している。
【0046】
尚、本実施例では、ローカル操作を可能とするために、入出力インターフェイス(I/F)105を設けているが、通信インターフェイス(I/F)104を介してのリモート操作が可能である場合には、入出力インターフェイス(I/F)105を設けない形態としてもよい。
【0047】
配信用サーバコンピュータ100のストレージ103には、図示しないサーバ機能を提供するためのオペレーションシステム(サーバOS)に加えて、
図3に示すように、各種のデータやプログラムが記憶されている。具体的には、主に、各種のイベントを管理するイベント管理機能を提供するためのイベント管理プログラム110、イベント会場の仮想空間を提供するための仮想空間生成プログラム120、演者ユーザーを管理する演者ユーザー管理機能を提供するための演者ユーザー管理プログラム130と、視聴者ユーザーを管理する視聴者ユーザー管理機能を提供するための視聴者ユーザー管理プログラム132と、が記憶されている。
【0048】
イベント管理プログラム110は、管理者端末150と協同してイベント会場で開催されるイベントを管理するためのプログラムであって、該イベント管理プログラム110とともにストレージ103に記憶されているイベントデータ111(
図7参照)、タイムスケジュールデータ(TSデータ)112、楽曲データ113などを使用してイベントの進行を管理可能とされている。
【0049】
本実施例に用いたイベントデータ111を、
図7に例示する。イベントデータ111は、イベントに固有に付与されたイベントIDに対応付けて、イベント名、タイムスケジュール(TS)データのファイル名、出演者である演者ユーザーに固有に付与された演者ID、楽曲リストなどのファイル名、後述する仮想観客領域の第3領域に仮想参加が許可された特別な視聴者ユーザーの情報が登録されている参加視聴者リストのファイル名と、後述する仮想観客領域の第4領域に仮想参加を予約した視聴者ユーザーの情報が登録されている参加視聴者リストのファイル名等の情報が記憶されている。また、イベントデータは、イベントを開催する日時を特定するための情報を含み、当該日時になるとイベントコンテンツが配信されることとなる。さらに、イベントデータは、イベントの予定日前から当該イベントを開催する仮想空間を解放してユーザが入室可能となるコンテンツについて、当該仮想空間を解放する日時を特定するための情報を含む。
【0050】
尚、タイムスケジュールデータ(TSデータ)112は、開催される仮想空間ライブイベントの進行順序や楽曲等の演目が時系列に記述されたデータとされており、該タイムスケジュールデータ(TSデータ)112に記述されたタイムスケジュールにもとづいて仮想空間ライブイベントが進行するように管理される。また、これらタイムスケジュールデータ(TSデータ)112やイベントデータ111等は、管理者端末150をイベント管理者Kが操作することによって変更、更新、追加することができる。
【0051】
また、楽曲データ113は、演者ユーザーが歌唱する各楽曲の演奏パート(所謂カラオケ)のデータであって、イベント管理プログラム110によってタイムスケジュールデータ(TSデータ)112にもとづいて、後述する音声制御プログラム124によって再生されて、演者端末200や視聴者端末300に送信される(
図11参照)。
【0052】
仮想空間生成プログラム120は、仮想空間であるイベント会場を提供するためのプログラムであって、該仮想空間生成プログラム120とともにストレージ103に記憶されているイベント会場の構造等が記述された仮想空間データ121、イベント会場に配置される種々の物体(ステージ上の星の装飾物43や上空の星のオブジェ50~52を含む)等を仮想空間内に配置するためのオブジェクトデータ122、並びに後述する演者ユーザーデータ131に含まれている演者アバターデータおよび視聴者ユーザーデータ133に含まれている視聴者アバターデータとを用いて、演者アバターや視聴者アバターが仮想参加しているイベント会場を提供する機能を有する。
【0053】
視点映像制御プログラム123は、例えば
図13などに示すように、イベント会場に仮想的に設定された仮想カメラC1~C4並びに空中移動仮想カメラ(図示略)からの視点映像を生成する機能を提供するとともに、視聴者端末300と協同してイベント会場の第3領域にて仮想参加している視聴者アバター11~14、第4領域にて仮想参加している視聴者アバター21~32の各視点からの映像を演者端末200に表示する機能などを提供するためのプログラムである。尚、仮想カメラC2は、イベント会場のステージ上にいる演者アバター1の視点からの映像とするために設定された仮想カメラであり、該仮想カメラC2からの視点映像が、視聴者端末300に接続された後述するプロジェクタ211によって、スタジオにもうけられているスクリーンSに投影されるようになっている。
【0054】
音声制御プログラム124は、仮想空間におけるイベントにおいて配信される音声(楽曲を含む)に関する制御を行うためのプログラムであり、具体的には、楽曲データ113の再生機能や演者ユーザーが発した音声を再生した楽曲と合成して管理者端末150や視聴者端末300に配信する機能を提供する。
【0055】
コメント制御プログラム125は、後述する視聴者端末300に記憶されている視聴者用コメント制御プログラムと協同して、仮想空間におけるイベントにおいて各視聴者ユーザーが視聴者端末300において入力した種々のコメントを、時系列に演者端末200並びに視聴者端末300に表示させる機能を提供する。
【0056】
ギフト制御プログラム126は、後述する視聴者端末300に記憶されている視聴者用プログラムと協同して、視聴者ユーザーから演者ユーザーに贈られるギフトに関する制御を行うためのプログラムであり、具体的には、ギフトデータ134に記憶されている各種ギフトに設定された購入単価の情報にもとづいて視聴者ユーザーがギフトの購入を行う機能(例えば、オブジェクトなどの購入)や、ギフトデータ134に含まれているギフトのオブジェクトデータを用いて購入したギフトを視聴者ユーザーが演者ユーザーに贈るための処理機能(贈るときの演出等の処理を含む)や、贈られたギフトの所有者を視聴者ユーザーから演者ユーザーに変更するための処理機能等を提供する。
【0057】
演者ユーザー管理プログラム130は、該演者ユーザー管理プログラム130とともにストレージ103に記憶されている
図8に示す演者ユーザーデータ131にもとづいて、演者ユーザーに関する情報の管理機能並びに認証機能等を提供する。
【0058】
本実施例に用いた演者ユーザーデータ131を、
図8に例示する。演者ユーザーデータ131は、演者ユーザーに固有に付与された演者ユーザーIDに対応付けて、当該演者ユーザーのアカウント(電子メールアドレス)、名称、認証情報、仮想空間において使用するアバターのアバターデータのファイル名、所有しているアイテムが登録されているアイテムリストのファイル名、等の各種情報が記憶されている。尚、
図8には図示していないが、各演者ユーザーが所有しているポイント等の仮想価値の情報を演者ユーザーデータ131として記憶するようにしてもよい。
【0059】
演者ユーザーは、演者ユーザーID、アカウント、認証情報とを照合する等によって認証できるようになっているとともに、各演者ユーザーが視聴者から贈られることで所有することになったアイテム(ギフト)を、アイテムリストから特定できるようになっている。
【0060】
視聴者ユーザー管理プログラム132は、該プログラムとともにストレージ103に記憶されている
図9に示す視聴者ユーザーデータ133にもとづいて、視聴者ユーザーに関する情報の管理機能並びに認証機能等を提供する。
【0061】
本実施例に用いた視聴者ユーザーデータ133を、
図9に例示する。視聴者ユーザーデータ133は、視聴者ユーザーに固有に付与された視聴者ユーザーIDに対応付けて、当該視聴者ユーザーのアカウント(電子メールアドレス)、認証情報、仮想空間において使用するアバターのアバターデータのファイル名、仮想空間において使用可能なポイントの所有数である所有ポイント、ポイントを使用して購入したアイテム(ギフト)が登録されているアイテムリストのファイル名、氏名、生年月日、電話番号等の個人情報等の各種情報が記憶されている。尚、
図9には示していないが、コメントとともに表示されるニックネーム(コメントネーム)についても視聴者ユーザーデータ133に登録されていて、該ニックネーム(コメントネーム)がコメントとともに表示される。また、ポイントは、例えば、所定の運営会社から購入することで増やすことができる。
【0062】
<演者端末>
図4は、本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムにおける演者端末200の構成例を示す図である。演者端末200は、本実施例では、
図11に示すように、演者ユーザーが演技動作を行うスタジオに隣接する調整室内に設けられていて、比較的処理能力に優れた通常のコンピュータを使用しており、
図4に示すように、データバス208に接続されたプロセッサ(CPU)201、メモリ(RAM)202、ハードディスク等のストレージ203、オープンコンピュータネットワークであるインターネットを介したTCP/IPプロトコルによる双方向に通信が可能な通信インターフェイス(I/F)204、表示装置A210~表示装置C212が接続されたグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む画像処理部206、各種の入出力デバイスが接続された入出力インターフェイス(I/F)205を有している。
【0063】
入出力インターフェイス(I/F)205には、入力デバイスとして、演者ユーザーが左右の手足及び腰に装着している複数の装着センサ220C1~220C5(
図11参照)を含むモーションセンサ220、演者の顔の表情を入力するための撮像カメラで構成される表情入力装置221、演者ユーザーの頭部に装着されている集音マイクにより構成される音声入力装置222、演者ユーザーを補助する補助オペレータOが操作可能に設けられたキーボードやタッチパネル等の操作入力装置224等が接続される。尚、これら入力デバイスとして、演者ユーザーが把持することで種々の操作を行うことが可能なコントローラを設けることで、補助オペレータOによることなく、演者自身が種々の操作を行うことができるようにしてもよい。
【0064】
尚、本実施例では、演者ユーザーが楽曲に合わせた上演動作(楽曲動作)を行うため、上演中における操作を補助オペレータOが補助する形態としているが、これら補助オペレータOを複数人としたり、或いは、操作内容を予め演者端末200において、例えば、シーケンスプログラム等に設定しておくことで、補助オペレータOを設けない形態としてもよい。
【0065】
入出力インターフェイス(I/F)205には、出力デバイスとして演者ユーザーが装着している高機能イヤホン(イヤモニ)や調整室に配置されたスピーカー等を含む音声出力装置223が接続されることで、配信用サーバコンピュータ100から送信される再生楽曲の音が高機能イヤホン(イヤモニ)を介して演者ユーザーに対して出力されるとともに、スピーカーからは、演者の音声とともに楽曲音声が出力されることで、演者ユーザーが発した音声を含む楽曲の状況を、補助オペレータO等が調整室において確認することができるようになっている。
【0066】
本実施例では、演者ユーザーが装着している集音マイクから、再生された楽曲音声が入力されることによる不都合を回避するために高機能イヤホン(イヤモニ)を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、楽曲音声が入力されることによる不都合を回避できるのであれば、スタジオ内のスピーカー等から、楽曲音声を出力するようにしてもよい。
【0067】
尚、本実施例では、集音マイクを演者ユーザーが装着する形態を例示しているが、これら集音マイクを、スタジオの床、壁、又は天井に設置される設置型のものとしてもよい。
【0068】
ここで、本実施例の演者端末300で使用したモーションセンサ220について説明する。モーションセンサ220は、演者ユーザーの体の動き(動作)を適切に検出(計測)できるものであれば、任意のものを使用することができる。本実施例では、演者の動作をより正確且つ短周期で検出可能とするために、演者ユーザーが体に装着する複数の装着センサ220C1~220C5を使用している。尚、モーションセンサ220を、レーザー光等を用いたLiDER等の演者が機器を装着しないタイプのものを使用してもよい。
【0069】
尚、本実施例では、演者ユーザーが上演動作をする際のセンサ等の装着による動作負担、特には、頭部の動作負担を軽減するために、演者ユーザーの頭部の動作を、後述するように、表情入力装置221を構成する撮像カメラにて撮像された画像を用いた画像認識によって検出し、頭部以外の動作を5つの装着センサ220C1~220C5を使用した形態を例示しているが、例えば、演者ユーザーの頭部等にも装着センサを設けたり、更に、より詳細な動作を検出するために、より多く(7以上)の装着センサを装着するようにしてもよい。
【0070】
装着センサ220C1~220C5は、
図11に示すように、隣接する調整室とガラス窓を隔てたスタジオルーム内に設置されているベースステーション220a及びベースステーション220bと協働して、自らの位置及び向きを検出する。
【0071】
これらベースステーション220a及びベースステーション220bは、一例として、多軸レーザーエミッターを使用できる。ベースステーション220aは、同期用の点滅光を発した後に、例えば鉛直軸の周りでレーザー光を走査する。ベースステーション220bは、例えば水平軸の周りでレーザー光を走査する。
【0072】
装着センサ220C1~220C5はそれぞれ、ベースステーション220a及びベースステーション220bからの点滅光及びレーザー光の入射を検知する光センサを複数備えていてもよい。
【0073】
装着センサ220C1~220C5はそれぞれ、点滅光の入射タイミングとレーザー光の入射タイミングとの時間差、各光センサでの受光時間、各光センサが検知したレーザー光の入射角度、及び必要に応じてこれら以外の情報に基づいて、自らの位置及び向きを検出可能とされており、例えば、HTC CORPORATIONから提供されているViveTrackerや、ベースステーションを好適に使用することができる。
【0074】
ベースステーション220a及びベースステーション220bは、一定のインターバルで点滅光の発光及びレーザー光の走査を行うので、各装着センサ220C1~220C5の検出情報は、当該インターバルごとに更新される。そして、これら装着センサ220C1~220C5の各々において算出された各モーションセンサの位置及び向きを示す検出情報は、近距離無線通信によって演者端末200に入力され、フェイスモーションの情報とともに、演者アバター情報として配信用サーバコンピュータ100に送信される(
図10参照)。
【0075】
尚、本実施例では、ベースステーション220a及びベースステーション220bの2つのベースステーションを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらベースステーションを3つ以上としてもよい。
【0076】
また、モーションセンサ220を、演者ユーザーに装着される複数のモーションセンサの各々に多数の赤外LED或いは可視光LEDを搭載し、これらのLEDからの光を、スタジオの床や壁に設けられた赤外線カメラで検知することで、当該モーションセンサの各々の位置及び向きを検出してもよい。
【0077】
また、モーションセンサ220を、演者ユーザーの負担を軽減するために、装着センサ220C1~220C5に代えて、より軽量な反射マーカーを用いたモーションセンサを使用してもよい。つまり、演者ユーザーの身体の各部に粘着テープなどにより貼着された反射マーカーを撮影して撮影データを生成し、この撮影データを画像処理することにより、反射マーカーの位置及び向きを検出することで、演者ユーザーの動作を検出するものであってもよく、この場合にあっては、スタジオ内に演者ユーザーを撮影するカメラマンを配置して、該カメラマンが演者ユーザーを撮影することで、演者ユーザーの動作を、検出に適した方向から撮影することで、良好に検出できるようにしてもよい。
【0078】
また、モーションセンサ220として、慣性センサが内蔵されたスーツ、例えば、Xsens.com社が上市しているMVNモーションキャプチャシステム用の慣性センサ内蔵スーツを使用し、慣性センサから出力されるセンサ信号を解析することにより、演者ユーザーの動作を検出するものであってもよい。
【0079】
表情入力装置221は、演者ユーザーの顔を含む頭部の動作を適切に検出できるものであれば、任意のものを使用することができる。本実施例では、具体的には、演者ユーザーの顔を含む頭部画像を連続的に撮像可能に配置された撮像カメラ(デジタルカメラ)にて構成されており、該撮像カメラにて撮像された演者ユーザーの頭の動きと顔の動き(表情)を、画像認識にて検知し、該検知した頭の動きと顔の動き(表情)であるフェイスモーションの情報が、
図10に示すように、ボディモーションの情報とともに演者アバター情報として配信用サーバコンピュータ100に送信される。
【0080】
尚、表情入力装置221は、本実施例で使用した撮像カメラ(デジタルカメラ)に限定されるものではなく、例えば、表情入力装置221は、人物の顔の奥行きを検出可能な3Dカメラであってもよいし、例えば、LiDERデバイスが搭載されたスマートフォン等の携帯端末を使用することもできる。この場合、これらの携帯端末を演者ユーザーが装着するようにしてもよい。
【0081】
本実施例の演者端末200では、上記のように、3つの表示装置A210~表示装置C212を有しており、表示装置A210は、
図11示すように、調整室に設けられている液晶モニター等であり、表示装置B211は、スタジオ内に設けられたスクリーンSに映像を投影するプロジェクタであり、表示装置C212は、スタジオ内にスクリーンSに隣接して設けられた縦型の大型ディスプレイである。
【0082】
スタジオの調整室内に配置されている表示装置A210には、仮想カメラC1~C4の各視点からの映像や後述するフライング演出期間における空中移動仮想カメラからの視点映像と、コメントの内容と、補助オペレータOが演者ユーザーに伝達したいメッセージを入力するメッセージ入力ウインドウ等が表示される。
【0083】
一方、スタジオ内に設けられた表示装置B211であるプロジェクタから投影されるスクリーンSには、演者の視点である仮想カメラC2(
図13参照)の視点映像である、例えば、
図16に示すように、第3領域や第4領域においてライブに仮想参加している視聴者のアバターを含む映像が表示されることで、演者ユーザーが、仮想空間ライブに仮想参加している視聴者ユーザーの状況を、映像によって確認できるようになっている。
【0084】
また、スタジオ内に設けられた表示装置C212には、視聴者ユーザーのコメントや、補助オペレータOが入力したコメントやメッセージ等が表示されることで、演者ユーザーが、上演中においても視聴者ユーザーのコメントを確認したり、補助オペレータOからのメッセージを確認することができる。
【0085】
ストレージ203には、演者端末200であるコンピュータを動作させるためのオペレーションシステム(OS)に加えて、プロセッサ(CPU)201等が実行することで仮想空間コンテンツである仮想空間ライブにおける演者ユーザーによる演者アバター1の動作制御機能を初めとする各種機能を、配信用サーバコンピュータ100と協働して提供するための演者用プログラムが記憶されている。
【0086】
演者用プログラムは、
図4に示すように、演者アバター制御プログラム、演者用視点映像制御プログラム、演者用視点映像制御プログラム、演者用音声制御プログラム、演者用コメント制御プログラム、演者認証用データ等を含む。
【0087】
演者アバター制御プログラムは、主に、モーションセンサ220を用いて演者ユーザーのボディモーションをスキャンするとともに、表情入力装置221を用いて演者ユーザーのフェイスモーション(表情)をスキャンして、演者アバターを動作させるための演者アバター情報を生成して配信用サーバコンピュータ100に送信する機能を提供するプログラムである。
【0088】
演者用視点映像制御プログラムは、配信用サーバコンピュータ100から配信される仮想空間更新データにもとづいて演者視点である仮想カメラC2の視点映像を生成、出力する機能を提供するプログラムである。
【0089】
演者用音声制御プログラムは、配信用サーバコンピュータ100から配信される再生楽曲データにもとづく楽曲の再生音を、音声出力装置223を介して出力するとともに、音声入力装置222から入力される音声をデータ化して演者音声データとして配信用サーバコンピュータ100に送信し、楽曲の再生音と演者音声とからなるモニター音声を生成、出力する機能を提供するプログラムである。
【0090】
演者用コメント制御プログラムは、配信用サーバコンピュータ100から配信される視聴者ユーザーによる各コメント等を表示する機能を提供するプログラムである。
【0091】
演者認証用データは、配信用サーバコンピュータ100との通信接続において演者ユーザーが本人であることを認証するためのデータである。
【0092】
尚、演者アバター制御プログラムには、演者アバターデータに含まれる演者アバターの骨格を示すリグデータ(「スケルトンデータ」と呼ばれることもある。)を構成する骨(ボーン)の位置及び回転角度のパラメータ情報を生成可能なモーションパラメータ生成プログラム等が含まれているとともに、撮像カメラによって撮像された画像から演者ユーザーの頭部の位置と表情とを画像認識するための画像認識処理プログラム等が含まれている。
【0093】
また、本実施例では、演者端末200は、イベント運営機関が運営するスタジオに設置された演者端末200となるコンピュータを、複数の演者ユーザーが共同で利用し、ライブイベントを開催するときにおいて、個々の演者ユーザーが、演者認証用データを入力することで当該演者ユーザーの演者端末200として利用できるようにした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演者ユーザーが自宅等から仮想空間ライブに出演する場合であって、演者端末200が、演者ユーザーが自宅に設置している自分専用のコンピュータである場合のように、所有する演者ユーザーのみが利用する形態であってもよく、このような場合には、演者認証用データの記憶は必ずしも必要ない。
【0094】
このように、本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する演者端末200を演者ユーザー等が使用することで、演者ユーザーは、イベント会場における仮想ステージG上に配置された演者アバター1を、自身の動作に連動して動作させることができるとともに、演者アバター1の表情に自身の表情を反映させることができるとともに、自分の声を演者アバター1の声として、配信用サーバコンピュータ100を通じて視聴者に配信することができる。
【0095】
<視聴者端末>
図5は、本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムにおける視聴者端末300の構成例を示す図である。視聴者端末300は、本実施例では、視聴者ユーザーが携行するスマートフォンPや視聴者ユーザーが自宅等に設置している据え置き型の通常のコンピュータ(PC)とされており、
図5に示すように、データバス308に接続されたプロセッサ(CPU)301、メモリ(RAM)302、ハードディスクや不揮発性メモリ等のストレージ303、オープンコンピュータネットワークであるインターネットを介したTCP/IPプロトコルによる双方向に通信が可能な通信インターフェイス(I/F)304、表示装置310が接続されたグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む画像処理部306、各種の入出力デバイスが接続された入出力インターフェイス(I/F)305を有している。
【0096】
表示装置310は、後述するように、ストレージ303に記憶されている視聴者用プログラムに含まれる視聴者用視点映像制御プログラムによって、配信用サーバコンピュータ100から配信される仮想空間更新データ(
図10参照)によって更新される仮想空間であるイベント会場の仮想空間データにもとづいて生成される各視点映像や、後述するフライング演出期間において配信用サーバコンピュータ100から配信されるフライング視点映像を表示可能なものであればよく、視聴者端末300がスマートフォンPである場合は、該スマートフォンPが有するディスプレイが該当し、視聴者端末300が通常のコンピュータ(PC)であれば、コンピュータ(PC)を構成する据え置き型のディスプレイが該当する。尚、これらディスプレイは、平面視画像(2D画像)を表示するものに限らず、例えば、視聴者が装着可能なヘッドマウントディスプレイ(HMD)のように、右目画像と左目画像とを表示することで、立体視画像(3D画像)を表示可能なものであってもよい。
【0097】
入出力インターフェイス(I/F)305には、入力デバイスとして、視聴者が各種の操作が可能とされた1または複数のデバイスからなる操作入力装置321と、配信用サーバコンピュータ100から配信されるライブ音声等を出力可能なイヤホンやスピーカー等の音声出力装置322が接続される。
【0098】
尚、音声出力装置322は単独のデバイスではなく、上記したヘッドマウントディスプレイ(HMD)のように表示装置310と一体とされたものであってもよいことはいうまでもない。
【0099】
操作入力装置321は、視聴者が視聴者アバターの移動等を含む動作操作、ズーム操作、コメントに関する操作、ギフト等に関する操作等、の各種操作を実行可能なものであれば任意のものを使用することができ、例えば、スマートフォンのディスプレイ表面に形成された透明タッチパネル、コンピュータを構成するキーボード、ゲームコントローラ等の少なくとも1つ以上で構成される。
【0100】
尚、本実施例では、視聴者として、後述するように、イベント会場における仮想観客領域が、例えば
図13に示すように、演者ユーザーによって特別に許可された視聴者ユーザーだけが仮想参加できる仮想ステージG近傍の第3領域と、一般の視聴者ユーザーが仮想参加できる第3領域周囲の第4領域とに区分けされており、第4領域に仮想参加する視聴者ユーザーは、上記したように、タッチパネル、キーボード、ゲームコントローラ等の操作入力装置321であればよいが、第3領域に仮想参加する視聴者ユーザーは、操作入力装置321として、例えば、上述した慣性センサが内蔵されたMVNモーションキャプチャスーツを所有していることで、演者ユーザーと同様に、視聴者アバターを自身の動作によって細かく動作させることのできる視聴者ユーザーである。
【0101】
但し、第3領域に仮想参加が許可された視聴者ユーザーであっても、視聴者アバターの表情を変更することまではできないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら視聴者アバターの表情を、例えば、上記したように、視聴者ユーザーがスマートフォンのカメラ機能やコンピュータに接続したカメラを使用して視聴者ユーザーの顔の表情を認識させることで、演者ユーザーの変更レベルとは異なるレベルであっても、変更できるようにしてもよい。
【0102】
尚、これら入出力インターフェイス(I/F)305に接続される各種の入出力デバイスは、内蔵のものであっても外付けのものあってもよく、外付けのデバイスの場合には、有線、無線のいずれの接続形態であってもよい。
【0103】
ストレージ303には、視聴者端末300であるスマートフォンやコンピュータを動作させるためのオペレーションシステム(OS)に加えて、プロセッサ(CPU)301等が実行することで仮想空間コンテンツである仮想空間ライブにおける視聴者ユーザーに関するライブ視聴機能を初めとする各種機能を、配信用サーバコンピュータ100と協働して提供するための視聴者用プログラムが視聴アプリとして記憶されている。
【0104】
視聴者用プログラムは、
図5に示すように、表示装置310に表示する仮想空間ライブの各視点映像を生成する機能を提供する視聴者用視点映像制御プログラム、配信用サーバコンピュータ100から配信される仮想空間ライブのライブ音声(データ)に基づくライブ音声を音声出力装置322から出力する機能を提供する視聴者用音声制御プログラム、配信用サーバコンピュータ100から配信されるコメントデータにもとづくコメントを表示するとともに、視聴者が入力するコメントと配信用サーバコンピュータ100に送信する等のコメントに関する機能を提供する視聴者用コメント制御プログラム、配信用サーバコンピュータ100との通信接続において視聴者ユーザーが本人であることを認証するための視聴者認証用データ等を含む。
【0105】
尚、
図5には図示していないが、上記したプログラム以外に、ギフトや仮想空間へのオブジェクト配置に関する制御等を行うギフト制御プログラムや、イベントに視聴者アバターが仮想参加するためのチケットを購入するためのプログラム、
図22、
図23に示すように、イベントの開始前において事前にイベント会場において視聴者アバターが仮想参加する領域(位置)を予約するための領域指定プログラム等が含まれているが、これら以外の他のプログラムが含まれていてもよい。
【0106】
視聴者が入力するコメントは、本実施例では、テキスト形式の短文メッセージとされているが、これらテキスト形式の短文メッセージに限定されるものではなく、例えば、静止画形式のメッセージ、動画形式のメッセージ、及びこれら以外の任意の形式の電子的なメッセージであってもよい。尚、コメントは、表示装置310において各視点映像に重ねて表示される。
【0107】
このように、本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する視聴者端末300視聴者ユーザーが使用することで、イベント会場に仮想参加している視聴者アバターを移動や動作させて、視聴者アバターによる視点を変更することで表示装置310に表示される視点映像を変更することができるとともに、ズーム状態(視点の状態)についても変更することができ、視聴者アバターを動作させて演者アバター1を応援することができる。
【0108】
尚、第3領域に仮想参加した視聴者アバターの場合は、第3領域内においてだけ移動が可能とされていて、第4領域には移動することはできない。一方、第4領域に仮想参加した視聴者アバターの場合は、第4領域内においてだけ移動が可能とされていて、第3領域には移動することはできない。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、3領域に仮想参加した視聴者アバターの場合は第4領域に移動できるようにしてもよい。尚、視聴者アバターは、当然、仮想ステージG等には移動することができないので、演者アバター1の視認が仮想ステージG上に視聴者アバターが移動することによって阻害されてしまうことはない。
【0109】
また、これら表示装置310に視点映像が表示されるともに、ライブ音声が出力されることで、自分がイベント会場に立ち会っているような感覚で、仮想空間ライブを楽しむことができる。
【0110】
また、詳しい説明は省略するが、視聴者用コメント制御プログラムにより提供されるコメント機能によって、自分や他の視聴者ユーザーが入力したコメントを確認しながら仮想空間ライブを楽しむことができるとともに、ギフト制御プログラムによるギフト機能によって、自分が所有しているアイテムを演者アバター1に贈ることで、仮想空間ライブを盛り上げることもできる。
【0111】
<管理者端末>
図6は、本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムにおける管理者端末150の構成例を示す図である。管理者端末150は、本実施例では、演者端末200とともに、スタジオに隣接している調整室内に設けられた通常のコンピュータを使用しており、
図6に示すように、データバス158に接続されたプロセッサ(CPU)151、メモリ(RAM)152、ハードディスク等のストレージ153、オープンコンピュータネットワークであるインターネットを介したTCP/IPプロトコルによる双方向に通信が可能な通信インターフェイス(I/F)154、表示装置160が接続されたグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)を含む画像処理部156、各種の入出力デバイスが接続された入出力インターフェイス(I/F)155、を有している。
【0112】
表示装置150は、後述するように、ストレージ153に記憶されている管理者用プログラムに含まれる管理者用視点映像制御プログラムによって、配信用サーバコンピュータ100から配信される仮想空間更新データ(
図10参照)によって更新される仮想空間であるイベント会場の仮想空間データにもとづいて生成される、後述する各仮想カメラC1~C4並びにフライング演出期間における空中移動仮想カメラの各視点映像を個別に表示可能であるとともに、配信用サーバコンピュータ100から配信されるコメントデータにもとづくコメントを表示可能なものであればよく、1または複数の据え置き型のディスプレイによって構成されている。
【0113】
入出力インターフェイス(I/F)155には、入力デバイスとして、管理者Kが各種の操作が可能とされた1または複数のデバイスからなる操作入力装置161と、配信用サーバコンピュータ100から配信されるライブ音声等を出力可能なイヤホンやヘッドホンやスピーカー等の音声出力装置162が接続される。
【0114】
操作入力装置161は、管理者Kが、仮想空間ライブのイベントに関する入力や設定等の各種操作を実行可能なものであれば任意のものを使用することができ、例えば、コンピュータを構成するキーボードや、ディスプレイ表面に形成された透明タッチパネルや視点切替コントローラ等の少なくとも1つ以上で構成される。
【0115】
尚、これら入出力インターフェイス(I/F)155に接続される各種の入出力デバイスは、有線、無線のいずれの接続形態であってもよい。
【0116】
ストレージ153には、管理者端末150であるコンピュータを動作させるためのオペレーションシステム(OS)に加えて、プロセッサ(CPU)151等が実行することで仮想空間コンテンツである仮想空間ライブの配信に関する配信管理機能を初めとする各種機能を、配信用サーバコンピュータ100と協働して提供するための管理者用プログラムが記憶されている。
【0117】
管理者用プログラムは、
図6に示すように、管理者用視点映像制御プログラム、管理者用音声制御プログラム、管理者用コメント制御プログラム、視聴者管理プログラム、演者管理プログラム等を含む。
【0118】
管理者用視点映像制御プログラムは、表示装置160に表示する各仮想カメラからの視点映像を生成する機能並びに各視点の変更や切替機能を提供するプログラムである。
【0119】
管理者用音声制御プログラムは、配信用サーバコンピュータ100から配信される仮想空間ライブの音声データに基づくライブ音声を音声出力装置162から出力する機能を提供するプログラムである。
【0120】
管理者用コメント制御プログラムは、配信用サーバコンピュータ100から配信されるコメントデータにもとづくコメントを表示するとともに、配信を禁止するコメントや視聴者を選択して配信されないようにする等のコメントに関する機能を提供するプログラムである。
【0121】
視聴者管理プログラムは、仮想空間ライブに仮想参加する視聴者ユーザーを管理するためのプログラムであり、演者管理プログラムは、仮想空間ライブに仮想参加する演者ユーザーを管理するためのプログラムである。
【0122】
尚、
図6には図示していないが、操作者である管理者が本人であるか否かを認証するための認証用プログラムや、仮想空間ライブのタイムスケジュールや楽曲順等を編集するためのスケジュール用プログラム等が含まれているが、これら以外のプログラムが含まれていてもよい。
【0123】
このように、本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムを構成する管理者端末150を管理者Kが操作することによって、イベントを実行するための種々の設定、例えば、演目や楽曲順、演出に関する設定や、タイムスケジュール、フライング演出期間において空中移動仮想カメラが移動する軌道等の各種設定を実施できるようになっており、このようにして設定された内容にもとづいて仮想空間ライブが管理されるようになっている。
【0124】
<仮想空間の全体像>
以下では、コンテンツの一例として、仮想ライブ会場において演者によるライブイベントを行うコンテンツを説明する。本実施例のシステムによって提供される仮想空間の全体像を
図12に示す。本実施例の仮想空間ERは、複数種類の空間エリアER(空間エリアER1、空間エリアER2・・・)を含む。各空間エリアERにおいては、ジャンルや種類が異なるコンテンツを提供可能とする。複数種類の空間エリアERとしては、例えば、ユーザが仮想空間ERにログインした際にロビーとして機能するエントランスや、ライブ会場、ゲームコンテンツ、展示場など様々なコンテンツ各々に対応するエリアが設けられている。
図13、
図24、および、
図25などを用いて後述するイベント会場は、所定の空間エリアERの全体、あるいは、所定の空間エリアERの一部に構築される。
【0125】
各空間エリアER間の移動は、ユーザが仮想空間へログインしたあとに、特定のコンテンツを提供するエリア(例えば、エントランス)として定められた空間エリアERを介してからでなければ他の空間エリアERに移動できないものとしてもよく、あるいは、相互に行き来可能としてもよい。例えば、空間エリアER1を介さなければ空間エリアER2から空間エリアER3への移動ができないものとしてもよく、空間エリアER1を介さなくても空間エリアER2と空間エリアER3との間において直接行き来可能であってもよい。また、空間エリアER間を移動する際には、切替演出が行われるようにしてもよい。例えば、別の空間エリアERに移動する際には、表示画面が暗転(例えば、黒画面に「ロード中・・・」といったメッセージが表示される画面など)して切り替わるようにしてもよい。また、各空間エリアERへのユーザのアクセスについて、ログイン後にまずエントランスエリアに入るものでも、エントランスエリアを経由することなくユーザが好みの空間エリアERを選んで入室することができるものあってもよく、抽選によってランダムに決定した空間エリアERに遷移するものであってもよい。各ルームについても、ユーザが好みのルームを選んで入室するものであっても、抽選によってランダムに決定したルームに入室するものであってもよい。
【0126】
<仮想ライブ会場>
本実施例で使用した仮想空間である仮想ライブ会場を
図13に示す。
図13に示す仮想ライブ会場は、
図12に示す空間エリアERのうち予め定められた空間エリアERにおいて構築されている。仮想ライブ会場は、
図13に示すように、現実空間におけるライブ会場と同様に、演者ユーザーが演者アバター1として登壇する仮想ステージGと、観客となる視聴者ユーザーが視聴者アバターとして仮想参加する仮想観客領域とを有する仮想空間とされている。
【0127】
仮想ステージGは、
図13に示すように、比較的広い面積の台形状の床面を有しており、現実空間のライブ会場と同様に、演者アバター1が仮想ステージG上を移動できる。仮想ステージGの仮想客席方向とは逆方向側には、
図13に示すように、中央部と右側部と左側部とに3分割された仮想ステージ壁が形成されており、これら仮想ステージ壁の前面に、仮想ディスプレイ40、41、42が設けられていて、該仮想ディスプレイ40,41、42に、演出用の画像や映像が仮想表示されるようになっている。
【0128】
尚、仮想ディスプレイ40、41、42の間には、演者ユーザーに関係する星の仮想配置オブジェクト43が配置されているとともに、仮想ステージG上の領域であって仮想ステージ壁に囲まれた第1領域よりも上方の領域である第2領域には、
図13に示すように、大きな星の仮想空中オブジェクト50~52が配置されている。尚、仮想空中オブジェクト50~52は、第2領域内を移動できるようになっている。
【0129】
仮想ステージGの前側には、視聴者ユーザーが視聴者アバターとして仮想ライブ会場に仮想参加できる仮想観客領域が設けられている。この仮想観客領域は、
図13に示すように、演者アバター1が登壇する仮想ステージGの中央に近い特別領域である第3領域と、第3領域を囲むように形成された領域であって仮想ステージGの中央からの距離が第3領域よりも大きい第4領域とが設けられている。
【0130】
これら第3領域には、所定の上限数の範囲内で、仮想参加が許可された特別な視聴者ユーザーが仮想参加可能とされていて、本実施例では、
図13に示すように、例えば、所定の仮想参加実績を満たすとともに演者ユーザーによって仮想参加が許可された4人の視聴者ユーザーの視聴者アバター11~14が配置されている。
【0131】
また、第4領域には、仮想空間ライブの開始前において仮想参加を予約した一般の視聴者ユーザーの視聴者アバター21~32が配置されている。尚、
図13において、視聴者アバター21~32は、便宜上、簡素化して表示しているが、視聴者アバター11~14と同様のアバターである。
【0132】
尚、第3領域に配置された各視聴者アバター11~14は、視聴者ユーザーが視聴者端末を操作することで、該第3領域内を移動することが可能とされているとともに、第4領域に配置された各視聴者アバター21~32も、視聴者ユーザーが視聴者端末を操作することで、該第4領域内を移動することが可能とされている。
【0133】
仮想ライブ会場には、
図13に示すように、4つの仮想カメラC1~C4が仮想配置(設定)されている。仮想カメラC1は、演者アバター1の正面位置に、演者アバター1に対面するように仮想配置された仮想カメラであり、仮想カメラC1による視点映像は、
図14(a)に示すように、演者アバター1を正面近傍位置から見た視点映像となる。
【0134】
仮想カメラC2は、演者アバター1の頭上に仮想配置(設定)されたカメラであり、該仮想カメラC2による視点映像は、
図16に示すように、演者アバター1から仮想観客領域を見た演者視点映像となる。
【0135】
仮想カメラC3は、演者アバター1の斜め後方の仮想ディスプレイ41上に仮想配置された仮想カメラであり、仮想カメラC3による視点映像は、
図14(c)に示すように、演者アバター1の斜め後方から仮想観客領域を見た視点映像となる。
【0136】
仮想カメラC4は、演者アバター1の斜め後方の仮想ディスプレイ42上に仮想配置された仮想カメラであり、仮想カメラC4による視点映像は、
図14(b)に示すように、演者アバター1の斜め後方から仮想観客領域を見た視点映像となる。
【0137】
また、本実施例では、固定配置(設定)された仮想カメラC1~C4に加えて、仮想空間である仮想ライブ会場の空間内を空中移動可能に設定された空中移動仮想カメラ(図示略)が仮想配置されている。これら空中移動仮想カメラが移動する空中軌道並びに空中軌道上の個々の位置における視点方向(アングル)等は、管理者端末150によって予め設定されていて、後述するフライング演出期間において、演者アバター1が空中移動仮想カメラの空中軌道を追随するように仮想飛翔することで、仮想飛翔する演者アバター1を空中移動仮想カメラで捉えた視点映像が生成されるようになっている。
【0138】
尚、本実施例では、
図13に示すように、固定配置(設定)された仮想カメラとして4つの仮想カメラC1~C4を仮想配置した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら固定配置(設定)された仮想カメラを5以上としてもよいし、逆に、固定配置(設定)された仮想カメラを設けることなく、仮想ライブ会場に仮想参加した各アバターに対応した視点から見た視点映像だけが、演者端末200や視聴者端末300に表示されるようにしてもよい。
【0139】
また、本実施例では、空中移動仮想カメラを1つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら空中移動仮想カメラを複数とした形態としてもよいし、逆に、空中移動仮想カメラを仮想配置しない形態としてもよい。
【0140】
<スタジオ>
図11は、本実施例において使用したスタジオを示す図であり、スタジオには、前述したようにガラス窓を隔てた調整室が隣接して設けられており、演者ユーザーがスタジオ内で歌唱に対応した各動作を行うとともに、補助オペレータOが調整室に設置されている演者端末300の操作等を補助する。装着センサ220C1~220C5を装着した演者ユーザーの周囲には、ベースステーション220aとベースステーション220bとがスタンドに搭載配置されているとともに、演者ユーザーのほほ正面位置には、表情入力装置221を構成する撮像カメラがスタンドに搭載配置されている。
【0141】
演者ユーザーがスタジオ内で対峙する壁面にはスクリーンSが設けられており、スタジオの天井に配置されたプロジェクタ(表示装置B211)から、仮想カメラC2の視点映像がスクリーンSに投影されることで、
図16に示すように、演者アバター1から仮想観客領域を見た視点映像がスクリーンSに表示されるようになっており、演者ユーザーが、仮想観客領域において仮想参加している視聴者アバターの様子(ライブに対する視聴者の反応)を逐次、把握しながらライブを進めることができるようになっている。
【0142】
また、スクリーンSの側方位置には、表示装置C212としての縦型の大型ディスプレイが配置されていて、該大型ディスプレイに視聴者のコメントや補助オペレータOが演者ユーザーに伝達したいメッセージ等が表示されるようになっている。尚、表示装置C212には、ライブにおいて演者が歌唱する楽曲の歌詞や、セリフ等の情報(演者支援情報)が表示されるようにしてもよい。
【0143】
<仮想空間コンテンツ配信システムの動作>
図10は、本実施例の仮想空間コンテンツ配信システムの動作、具体的には、仮想ライブの映像や音声が配信される流れを説明する説明図である。
【0144】
まず、映像系について説明する。配信用サーバコンピュータ100は、前述したように、仮想空間生成プログラム120および演者ユーザーや視聴者ユーザーのアバターデータ等にもとづいて仮想ライブ会場の仮想空間を提供可能とされており、これら演者ユーザーや視聴者ユーザーの各アバターの動作等が、演者端末200から送信される演者アバター情報や、視聴者端末300から送信される視聴者アバター情報によって仮想空間の状態が記述された仮想空間データが更新されることで、演者ユーザーの動作が演者アバター1の動作に反映されるとともに、視聴者ユーザーの動作(操作)が視聴者アバターの動作に反映される。
【0145】
尚、
図10には示していないが、演者端末200並びに視聴者端末300には、仮想空間ライブに仮想参加するために配信用サーバコンピュータ100と通信接続することに伴って、配信用サーバコンピュータ100から仮想ライブ会場の仮想空間データが事前に配信され記憶されており、このようにして事前に記憶されている仮想空間データが、後述するように、配信用サーバコンピュータ100から逐次配信される仮想空間更新データによって順次更新されることで、仮想ライブ会場の最新の状態を、演者端末200並びに視聴者端末300にて特定できるようになっている。
【0146】
具体的には、前述したスタジオにおける演者ユーザーの動作や表情は、前述した演者アバター制御プログラムによるボディモーションスキャン並びにフェイスモーションスキャンの各機能によって所定時間間隔にてスキャンされて演者アバター情報が生成されて配信用サーバコンピュータ100に送信される。
【0147】
一方、第3領域に仮想参加が許可された視聴者ユーザーは、演者と同様に、モーションセンサを使用しているため、ボディモーションスキャン並びにフェイスモーションスキャンの各機能によって所定時間間隔にてスキャンされて視聴者アバター情報が生成されて配信用サーバコンピュータ100に送信される。
【0148】
また、第4領域に仮想参加が許可された視聴者ユーザーは、視聴者端末300のタッチパネルやキーボードやコントローラを使用して、移動操作、視点方向の変更操作、視点状況(ズーム)の変更操作、手を挙げる操作、手をたたく操作、跳ねる操作等の各種の操作を行うことで、視聴者アバターに対応する動作をさせることができる。そして、これら各操作のうち、視聴者アバターの動作に関係する操作にもとづいて視聴者アバター情報が生成されて配信用サーバコンピュータ100に送信される。
【0149】
このようにして演者端末200から送信される演者アバター情報や視聴者端末300から送信される視聴者アバター情報にもとづいて、配信用サーバコンピュータ100は、仮想空間データを更新する仮想空間更新処理を実行することで、仮想ライブ会場に仮想参加している各アバターに演者ユーザーの動作や視聴者ユーザーの動作(操作)を反映させる。
【0150】
そして、更新前の仮想空間データと更新後の仮想空間データとにもとづいて仮想空間更新データを生成する仮想空間更新データ生成処理を実行した後、該生成した仮想空間更新データを演者端末200と視聴者端末300とに配信する。
【0151】
仮想空間更新データが配信された演者端末200と視聴者端末300においては、
図10に示すように、配信されてきた仮想空間更新データにもとづいて、事前記憶されている仮想空間データが更新されるとともに、該更新された仮想空間データを使用した演者視点映像生成処理や視聴者視点映像生成処理が実行されることで、更新された仮想空間データにもとづく演者視点映像や視聴者視点映像が生成されて、該生成された演者視点映像や視聴者視点映像が演者端末200と視聴者端末300において表示される(視聴者視点映像出力処理)。
【0152】
このように、本実施例では、視聴者アバターにより仮想ライブ会場に仮想参加している各視聴者ユーザーの視点映像は、各視聴者ユーザーの視聴者端末300側で生成されて表示されることで、これら各視聴者ユーザーの視聴者アバター視点映像を配信用サーバコンピュータ100で生成することにより配信用サーバコンピュータ100の処理負荷が著しく大きくなって、多くの視聴者ユーザーが仮想空間ライブに参加できなくなってしまうことを回避できるとともに、処理負荷が増大することによって配信が困難となってしまうことを回避できるようになっている。
【0153】
本実施例では、仮想ステージG上の演者アバター1に近い第3領域にて仮想参加している視聴者アバター13の視聴者ユーザーの視聴者端末300の表示装置310には、
図14(d)に示すように、演者アバター1に近い視聴者アバター13から見た視点映像である演者アバター1のほぼ正面が大きく表示される視点映像が生成されて表示される一方、仮想ステージG上の演者アバター1から遠い第4領域であって、例えば、視聴者アバター13の後方位置において仮想参加している視聴者アバター28の視聴者ユーザーの視聴者端末300の表示装置310には、
図14(e)に示すように、演者アバター1から遠い視聴者アバター28から見た視点映像である、第3領域にて仮想参加している視聴者アバター13や視聴者アバター14越しに、演者アバター1のほぼ正面が相対的に小さく見える視点映像が表示される。
【0154】
また、上面視コ字状に設定されている第4領域の仮想ステージGの端側位置において仮想参加している視聴者アバター32の視聴者ユーザーの視聴者端末300の表示装置310には、
図14(f)に示すように、演者アバター1の斜め前方位置の視聴者アバター32から見た視点映像である、第3領域にて仮想参加している視聴者アバター14越しに、演者アバター1が相対的に小さく見える視点映像が表示される。
【0155】
尚、
図14に示す表示例は、いずれも、視聴者端末300が据置型のコンピュータ(PC)であって表示装置310が、据置型のディスプレイである場合を例示しているが、例えば、視聴者端末300がスマートフォンPやタブレット等である場合には、仮想カメラC1の視点映像の場合には、
図15(a)に示すように表示されるとともに、該視聴者端末300が視聴者アバター13の視聴者端末300である場合には、
図15(b)に示すように表示される。
【0156】
次に、音声系について説明すると、配信用サーバコンピュータ100においてタイムスケジュールデータ(TSデータ)112にもとづいて楽曲データ113が音声制御プログラム124によって再生され、再生楽曲(データ)として演者端末200に送信される(楽曲再生処理)。
【0157】
演者端末200においては、配信用サーバコンピュータ100から送信された再生楽曲(データ)による楽曲音声が、演者ユーザーが装着している高機能イヤホン(イヤモニ)を通じて該演者ユーザーに対して出力されるとともに(再生楽曲出力処理)、該出力された再生楽曲に合わせて演者ユーザーが歌唱することで、集音マイク(音声入力装置222)から入力される演者音声がデータ化されて演者音声(データ)として配信用サーバコンピュータ100に送信される。
【0158】
配信用サーバコンピュータ100は、演者端末200から受信した演者音声(データ)による演者音声と前述した楽曲再生処理にて再生した再生楽曲とから配信音声(データ)を生成し(配信音声生成処理)、該生成した配信音声(データ)を視聴者端末300に配信する(生成音声配信処理)。
【0159】
視聴者端末300では、配信用サーバコンピュータ100から配信された配信音声(データ)により配信音声が、イヤホンやスピーカー等の音声出力装置322から出力されることで、視聴者は、あたかも仮想ライブ会場において演者アバター1が歌唱しているようにライブ音声を聞くことができる。
【0160】
尚、演者端末200においては、上記したように、演者音声(データ)が配信用サーバコンピュータ100に送信されるとともに、
図10に示すように、モニター音声生成処理とモニター音声出力処理とが実行されることにより、調整室に配置されているスピーカーから再生楽曲の楽曲音声と演者音声とが出力されることで、演者ユーザーの歌唱の状況等を補助オペレータO等が調整室において確認することができるようになっている。
【0161】
<視聴者用視点映像制御処理>
次に、視聴者端末300において、視聴者用プログラムに含まれる視聴者用視点映像制御プログラムにもとづいて実行される視聴者用視点映像制御処理について、
図21を用いて説明する。
【0162】
視聴者用視点映像制御処理においては、先ず、演者アバター1が
図20に示すように、仮想飛翔するフライング演出期間中であるか否かを判定する(ステップS1)。フライング演出期間中であるか否かは、配信用サーバコンピュータ100から、フライング演出期間中であることを示す演出状態データによって特定することができる。尚、配信用サーバコンピュータ100は、タイムスケジュールデータにもとづいてフライング演出期間となるときに、視聴者端末300に対してフライング演出期間中であることを示す演出状態データを送信する。
【0163】
フライング演出期間中である場合(ステップS1でY)は、ステップS21に進む一方、フライング演出期間中でない場合(ステップS1でN)は、視点の移動操作(アバターの移動操作や動作操作による視点の変更を含む)やズーム操作を含む視点関係操作が無効とされているか否かを判定する(ステップS2)。
【0164】
視点関係操作が無効とされている場合(ステップS2でY)は、ステップS7に進む。視点関係操作が無効とされていない場合(ステップS2でN)は、アバターの移動操作や動作操作等の視点が変化する操作が有るか否かを判定し(ステップS3)、操作がある場合(ステップS3でY)は操作に応じて視聴者視点を変更し、操作がない場合(ステップS3でN)は、ステップS5に進んで、ズーム操作があるか否かを判定する(ステップS5)。
【0165】
ズーム操作がある場合(ステップS5でY)は、表示装置310に表示されている映像領域を操作に応じた映像領域に変更し、ズーム操作がない場合(ステップS5でN)は、動作追随設定の有無を判定する(ステップS7)。
【0166】
この動作追随設定は、視聴者ユーザーが、自身が操作に使用するデバイスの種類や、操作についての習熟度に応じて、視聴者端末300において、例えば、ライブ開始前やライブ中に、任意に設定することができる。具体的には、例えば、使用するタッチパネル、キーボード、ゲームコントローラ等の操作入力装置321の操作に慣れていない場合や、アバターの移動操作や動作操作による視点の変更に慣れていない場合、後述するように、自身の視聴者アバターの仮想参加位置が演者アバター1から遠く、ズームアップで拡大表示していることで、演者アバター1の少しの動作でも演者アバター1が適切に表示されなくなってしまう等、演者アバター1の移動や動作に対応して視点を上手く変更できない場合等に設定される。
【0167】
動作追随設定がない場合(ステップS7でN)は、ステップS11に進む一方、動作追随設定がある場合(ステップS7でY)は、更に、動作追随条件が成立したか否かを判定する(ステップS8)。
【0168】
動作追随条件とは、本実施例においては、表示装置310において演者アバター1が良好に表示されなくなることがほぼ確実である条件としており、具体的には、演者アバター1の頭部(顔でもよい)が、表示装置310の表示領域の周辺における所定範囲内に入っている場合には、演者アバター1の移動や動作によって表示領域外に頭部(顔)が移動して良好に表示されなくなってしまう可能性が著しく高いことから、動作追随条件が成立したものと判断するようにしている。
【0169】
このように、本実施例では、演者アバター1の頭部(顔)が表示領域に表示されなくなる前に動作追随条件が成立したと判断することで、演者アバター1の頭部(顔)が表示領域に表示されなくなってしまうことを大幅に低減できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら動作追随条件を、表示領域外に頭部(顔)が移動したことを条件としてもよいし、これら以外の条件を動作追随条件としてもよい。つまり、これら動作追随条件としては、演者アバター1が表示領域に良好に表示されなくなってしまうことを防ぐことができる条件であれば、任意の条件を使用することができる。
【0170】
動作追随条件が成立した場合(ステップS8でY)は、視点関係操作を無効化した後(ステップS12)、表示装置310の表示領域に表示される視点映像として、演者アバター1の頭部(顔)が表示領域の周辺における所定範囲に囲まれた非成立範囲内となる動作追随視点に視点が自動的に変更されて、該動作追随視点から見た視点映像が表示装置310の表示領域に表示される(ステップS13)。
【0171】
一方、動作追随条件が成立していない場合(ステップS8でN)は、更に、視点関係操作が無効化されているか否かを判定し(ステップS9)、視点関係操作が無効化されている場合(ステップS9でY)は、無効化されている視点関係操作を有効化して(ステップS10)からステップS11に進み、視点関係操作が無効化されていない場合(ステップS9でN)はステップS10を経由することなくステップS11に進む。
【0172】
ステップ11では、動作追随設定が設定されていないこと、若しくは、動作追随条件が成立していないことにより、視聴者アバターの視点映像が表示装置310の表示領域に継続表示される(ステップS11)。
【0173】
また、前述したように、ライブにおいて演者アバター1が仮想飛翔するフライング演出期間となった場合は、ステップS1でYと判定されてステップS21に進み、フライング演出期間の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS21)。
【0174】
フライング演出期間の開始タイミングである場合(ステップS21でY)は、フライング演出期間の開始前において表示装置310の表示領域に表示されていた視聴者アバターの視点映像または動作追随視点映像に代えて、配信用サーバコンピュータ100から配信されるフライング視点映像を表示し(ステップS22)、その後、視点関係操作を無効化して(ステップS23)、ステップS1に戻る。
【0175】
尚、本実施例では、フライング演出期間においては、全ての視聴者ユーザーの視聴者端末300に同一のフライング視点映像を表示することから、個々の視聴者ユーザーで異なる視聴者アバター視点映像のように、各視聴者端末300側でフライング視点映像を生成するのではなく、配信用サーバコンピュータ100側で生成して視聴者端末300に配信することで、視点の空中移動を伴うことで、視点映像の描画負荷が大きいフライング視点映像を、処理能力が低い視聴者端末300であっても、良好に表示できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらフライング視点映像を、視聴者アバター視点映像と同様に、個々の視聴者端末300側で生成するようにしてもよい。
【0176】
一方、フライング演出期間の開始タイミングでない場合(ステップS21でN)は、更に、フライング演出期間の終了タイミングであるか否かを判定する(ステップS24)。
【0177】
フライング演出期間の終了タイミングであるか否かは、配信用サーバコンピュータ100から送信されるフライング視点映像のデータ中に含まれる終了を示すデータにもとづいて特定してもよいし、フライング視点映像とは異なる前述した演出状態データによって特定してもよい。
【0178】
フライング演出期間の終了タイミングでない場合(ステップS24でN)、つまり、フライング演出期間中である場合には、ステップS26に進んで、フライング視点映像を更新した後、ステップ1に戻る一方、フライング演出期間の終了タイミングである場合(ステップS24でY)は、視点関係操作を有効化した後(ステップS25)、ステップS11に進んで、フライング演出期間中に表示装置310の表示領域に表示していたフライング視点映像に代えて、視聴者アバターの視点映像を表示装置310の表示領域に表示した後、ステップS1に戻る。
【0179】
このように、本実施例の視聴者端末300において
図21に示す視聴者用視点映像制御処理が実行されることによって視聴者端末300に表示される各視点映像を、
図17~
図20を用いて説明する。
【0180】
図17は、本実施例の視聴者端末300においてズーム操作をした場合の表示装置310の表示内容を示す図であり、ズーム操作を何もしていないデフォルトの状態では、
図17(a)に示すように、演者アバター1の上半身を中心とした映像領域の視点映像が表示されている。このデフォルト状態において、視聴者ユーザーがズームアップ操作、例えば、視聴者端末300がスマートフォンPである場合であれば、「+」の表示(図示略)に触れる操作を行い、視聴者端末300がコンピュータ(PC)である場合であれば、キーボードの「+」キーを操作した場合は、例えば、
図17(b)に示すように、演者アバター1の頭部(顔)を中心とした映像領域の視点映像が表示される。
【0181】
一方、視聴者ユーザーがズームダウン操作、例えば、視聴者端末300がスマートフォンPである場合であれば、「-」の表示(図示略)に触れる操作を行い、視聴者端末300がコンピュータ(PC)である場合であれば、キーボードの「-」キーを操作した場合は、例えば、
図17(c)に示すように、演者アバター1の全身が含まれる映像領域の視点映像が表示される。
【0182】
尚、
図17では、ズームの機能を解り易くするために、視聴者アバターの視点ではなく、仮想カメラC1の視点映像を使用して説明したが、
図18に示すように、視聴者アバターの視点についても同様にズームアップ、ズームダウンを行うことができる。
【0183】
また、
図21の視聴者用視点映像制御処理においては、詳述していないが、例えば、ライブが開始されるときに、演者アバター1が仮想ステージGに初めて登場する場合は、視聴者アバターの視点が演者アバター1に向いていないことから、登場する演者アバター1が視聴者端末300に表示されない期間が長くなってしまう可能性があるので、このように、演者アバター1が最初に登場する期間等を登場演出期間等とし、これらの演出期間において、視聴者端末300に表示される視点映像を、視聴者アバターの視点映像ではなく、仮想カメラC1の視点映像等に自動的に切り替えて表示するとともに、これら仮想カメラC1の視点映像においてもズームアップ等を、個々の視聴者ユーザーが実行できるようにしてもよい。
【0184】
図18は、視聴者アバターの視点映像の例として、第4領域に仮想参加している視聴者アバター28の視点映像を示している。
図18に示すように、視聴者アバター28の視点映像には、第3領域に仮想参加している視聴者アバター13と視聴者アバター14の頭部が含まれており、これら視聴者アバター13と視聴者アバター14の頭部越しに演者アバター1を見る映像となる。
【0185】
このため、視聴者アバター28の視聴者ユーザーは、例えば、ズームアップ操作を行って、
図18(b)に示すように、演者アバター1の上半身が中心的に表示される映像領域に変更することで、視聴者アバター13と視聴者アバター14が表示されないようにして、ライブを楽しむことができる。
【0186】
但し、
図18(b)に示すようにズームアップした状態においては、例えば、ライブが進行して演者アバター1が移動したり大きく動作するようになると、これら演者アバター1の動作に合わせて視聴者アバター28の視点を視聴者ユーザーが上手く変更することができないと、
図19(d)~(f)に示すように、演者アバター1が良好に表示されない状態となる場合があるため、視点の操作に注意を払うことによって、ライブに集中することが難しくなってしまい、ライブを良好に楽しむことができなくなる場合がある。
【0187】
しかし、本実施例では、上記のように、視聴者ユーザーが動作追随設定を行った場合には、
図19(a)~(c)に示すように、演者アバター1の頭部が表示領域の周辺所定領域内に入ることで動作追随条件が成立して視点が自動的に動作追随視点に変更され、該動作追随視点の視点映像が表示されるようになるため、視聴者ユーザーは、視点の操作に注意を払う必要がなくなるので、ライブに集中できることで良好にライブを楽しむことができるようになる。
【0188】
そして、ライブが進行してフライング演出期間となると、
図20に示すように、個々の視聴者アバターの視点映像から空中移動仮想カメラから見たフライング視点映像に、視聴者ユーザーが操作しなくても自動的に変更される。
【0189】
具体的には、演者アバター1が仮想飛翔をする前に、羽根のオブジェクトが演者アバター1の背中において大きくなる映像が表示される。そして、演者アバター1が仮想ライブ会場の第2領域に仮想配置されている星の仮想空中オブジェクト50を見あげるようにすることで視聴者アバターの視点も同様に移動する。このとき、演者アバター1の周囲には、光のエフェクト61が出現する。
【0190】
その後、演者アバター1が仮想飛翔に移ると、表示装置310に表示される視点映像は、
図20(b)までの視聴者アバターの視点映像から、
図20(c)に示すように、空中移動仮想カメラから見たフライング視点映像に自動的に切り替わる。
【0191】
そして、フライング演出期間において空中移動仮想カメラは、前述したように、予め設定された空中軌道にもとづいて第2領域内を空中移動し、これら空中移動する空中移動仮想カメラから見たフライング視点映像が、
図20(d)に示すように表示装置310に表示される。
【0192】
なお、具体的な構成は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0193】
例えば、上記実施例では、視聴者アバターは、仮想参加している第3領域内または第4領域内を自由に移動できる形態を例示したが、このようにすると、例えば、第4領域に参加している異なる視聴者アバター同志が仮想衝突したり同一仮想位置に重複することによって仮想空間データにエラー等が生じてしまう等の問題が生じる可能性がある。
【0194】
このような問題を解消するために、例えば、
図22、
図23に示す変形例に示すようにしてもよい。具体的には、第3領域や第4領域を
図22に示すように細かな領域に区切るとともに、これらの領域のうちのどの領域にて仮想ライブに参加するのかを、
図23に示すように、ライブが開始する前において事前に視聴者ユーザーから受付けておき、視聴者ユーザーが視聴者アバターで仮想参加する場合には、事前に選択した領域においてだけ参加が可能となるともに、該選択した領域内だけで移動できるように制限することで、視聴者アバター同志が仮想衝突したり同一仮想位置に重複することによって仮想空間データにエラー等が生じてしまうことを防ぐことができる。
【0195】
尚、上記のように、視聴者アバターの仮想参加位置を各視聴者ユーザーに事前に選択させるようにする場合にあっては、例えば、第4領域において仮想ステージGに向かって右側となるA1~C6の領域を選択した視聴者ユーザーについては、フライング演出期間における視点映像として、仮想飛翔する演者アバター1の右側前方位置からの視点映像が生成されて表示され、第4領域において仮想ステージGに向かって中央となるD4~H6の領域を選択した視聴者ユーザーについては、フライング演出期間における視点映像として、仮想飛翔する演者アバター1の中央前方位置からの視点映像が生成されて表示され、第4領域において仮想ステージGに向かって左側となるI1~K6の領域を選択した視聴者ユーザーについては、フライング演出期間における視点映像として、仮想飛翔する演者アバター1の左側前方位置からの視点映像が生成されて表示されるように、視聴者ユーザーが選択した位置に応じて、特別動作である仮想飛翔における視点映像が、各視聴者ユーザーが選択した位置(領域)に対応した視点映像となるようにしてもよい。
【0196】
また、上記実施例では、視聴者アバターからの視点映像を視聴者端末200側で生成して表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、仮想参加者が少ないライブイベントの場合には、視聴者アバターからの視点映像についても配信用サーバコンピュータ100側で生成して配信するようにしてもよい。また、視聴者ユーザーが、自分が所有する端末の処理能力やデータ通信環境に応じて、視聴者端末200側で生成するか配信用サーバコンピュータ100側で生成するかを選択できるようにしてもよいし、配信用サーバコンピュータ100が、通信接続している視聴者端末200の処理能力を特定して、該特定した処理能力にもとづいて、視聴者端末200側で生成するか配信用サーバコンピュータ100側で生成するかを決定するようにしてもよい。
【0197】
また、上記実施例では、配信用サーバコンピュータ100を、仮想空間ライブを主催するイベント運営機関が運営するスタジオに設置した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら配信用サーバコンピュータ100としては、サーバコンピュータを貸し出す企業がデータセンタ等において所有するサーバコンピュータを使用したり、上述したように、クラウドサービスによるサーバコンピュータを使用してもよく、これらサーバコンピュータの設置形態は、配信用サーバコンピュータ100の機能を得られる形態であれば、任意の形態とすることができる。
【0198】
また、上記実施例では、演者ユーザーが一人で歌唱と上演動作を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演者ユーザーが、複数人からなるグループであってもよく、これら複数人からなるグループで仮想空間ライブを行う場合には、複数人で1台の演者端末200を共有してもよいし、グループの各メンバー毎に演者端末200を設ける形態としてもよい。尚、演者ユーザーが、複数人のメンバーからなるグループである場合に、例えば、視点追随対象者指定処理を配信用サーバコンピュータ100や視聴者端末300の少なくとも一方で実行することで、視点を追随する対象とするメンバーを、視聴者ユーザーが選択できるようにしてもよい。
【0199】
また、上記実施例では、歌唱を行う歌唱者と上演動作を行うアクターとが個別の人物とされていてもよく、この場合、歌唱者の演者端末とアクターの演者端末を個別として、歌唱者はアクターが上演動作を行うスタジオ以外の場所で歌唱するようにしてもよい。
【0200】
また、上記実施例では、配信用サーバコンピュータ100、管理者端末150、演者端末200、視聴者端末300を接続するコンピュータ通信ネットワークとして、インターネット網を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら通信ネットワークは、特定のエリア内だけでデータ通信可能なローカルエリアネットワークで構成されていてもよいし、その一部にローカルエリアネットワークやローカルデータ通信が含まれていてもよい。
【0201】
また、上記実施例では、仮想空間ライブの配信時においてリアルタイムに演者ユーザーが歌唱や歌唱動作(上演動作)を実行する形態とすることで、演者ユーザーが、仮想空間ライブに仮想参加している視聴者ユーザーの反応等を確認しながらライブを進行できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演者ユーザーの歌唱や歌唱動作(上演動作)は、リアルタイムではなく、予め、歌唱や歌唱動作(上演動作)を実行しておき、これら歌唱の音声や歌唱動作(上演動作)を演者アバター情報として配信用サーバコンピュータ100に記録しておき、該記録した歌唱の音声や歌唱動作(上演動作)をライブの進行に応じて再生することによって仮想空間ライブを開催するようにしてもよい。
【0202】
また、演者ユーザーの歌唱や歌唱動作(上演)に替えて、コンピュータグラフィック等で作成した仮想の演者による歌唱や歌唱動作(上演動作)を演者アバター情報として配信用サーバコンピュータに記録しておき、該記録した歌唱の音声や歌唱動作(上演動作)をライブの進行に応じて再生することによって仮想空間ライブを開催するようにしてもよい。
【0203】
このように、予め、歌唱や歌唱動作(上演動作)を実行して演者アバター情報を配信用サーバコンピュータ100に記録、再生して仮想空間ライブを配信する場合にあっては、該配信時における仮想空間コンテンツ配信システムの構成は、配信用サーバコンピュータ100、管理者端末150、視聴者端末200とで構成されることになり、仮想空間において演者アバター1を動作させる操作を行う演者ユーザーが利用可能な演者ユーザー端末である演者端末200を含まない構成となる。
【0204】
また、上記実施例では、視聴者端末300としてスマートフォンPやコンピュータ(PC)とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらコンピュータは、持ち運び可能なノートパソコンであってもよいし、タブレット端末、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム用コンソール、及びこれら以外の、少なくとも2D映像と音声とを出力可能な各種情報処理装置であってもよい。
【0205】
また、上記実施例では、演者ユーザーが、スタジオで歌唱を含む上演を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演者ユーザーが自宅等に設置されている演者端末200を使用して、自宅等から仮想空間ライブに出演するようにしてもよい。
【0206】
上記した実施例では、仮想空間コンテンツとして仮想空間ライブを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら仮想空間コンテンツとしては、例えば、演者ユーザーが自分のファンと集うファンミーティングや、トークセッション等、視聴者ユーザーにとって有益なコンテンツであって、演者アバター1と視聴者アバターとが仮想参加する仮想空間に関するコンテンツであれば、どのようなコンテンツであってもよい。
【0207】
上記した実施例では、一般動作(第1動作)を、演者アバター1が仮想ステージGに移動せずに立っている動作とし、特別動作(第2動作)を、演者アバター1が仮想飛翔を行っている動作とし、特定動作(第3動作)を、演者アバター1が横方向に急移動する動作とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、配信するコネテンツに応じた動作であってよく、例えば、一般動作(第1動作)は、配信されるコンテンツにおいて、演者アバターが最も多くの期間に亘って実行している動作(通常動作)としてもよく、特別動作(第2動作)を、配信されるコンテンツにおいて、最も短い期間である特別期間において実行している動作や最も頻度が少ない動作とし、特定動作(第3動作)を、一般動作(第1動作)よりも実行される期間が短いが特別動作よりも実行されている期間が長い動作や一般動作(第1動作)よりも実行される頻度が少ないが特別動作よりも実行される頻度が多い操作としてもよい。尚、特別動作(第2動作)が、特定動作(第3動作)を含む場合があってもよい。
【0208】
上記した実施例では、特別動作(第2動作)に対応した視点への切替機能と、特定動作(第3動作)に追随する追随機能と、の双方の機能を有している形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのいずれか一方の機能のみを有する仮想空間コンテンツ配信システムであってもよい。
【0209】
上記した実施例では、固定配置(設定)された仮想カメラとして4つの仮想カメラC1~C4や空中移動仮想カメラの視点切替を、管理者端末150における設定や操作によって事前に行える形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら視点切替を、管理者端末150において管理者Kが、操作入力装置161を構成する視点切替コントローラ等を使用して、リアルタイムに行うようにしてもよい。
【0210】
上記した実施例では、仮想カメラとして仮想空間内に固定配置(設定)された仮想カメラC1~C4を使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、仮想カメラC1~C4に、加えるか若しくは代えて、移動可能な仮想移動カメラを仮想ライブ会場内に配置して、該仮想移動カメラの仮想空間内の位置や撮像方向等を、管理者端末150において管理者Kやカメラマン等が操作により制御して、仮想移動カメラの視点映像とするようにしてもよい。
【0211】
上記した実施例では、演者アバターの表情に反映させるために、演者ユーザーの顔の表情を検出可能とするために、スクリーンSに仮想カメラC2の視点映像を表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演者ユーザーの顔の表情を検出するセンサ機能を有する高機能ヘッドマウントディスプレイであれば、これら高機能ヘッドマウントディスプレイを装着して上演を行うようにしてもよく、このようにすることで、演者ユーザーの仮想ライブへの没入感を向上することができるようにしてもよい。また、演者アバターの表情に演者ユーザーの顔の表情を詳細に反映しなくてもよい場合は、通常のヘッドマウントディスプレイを演者ユーザーが装着して上演を行うようにしてもよい。
【0212】
上記した実施例では、視聴者ユーザーの視点を、演者アバターの動作に応じて変更、追随させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら視点の変更、追随を、ステージGにおける演出物であるスモークや花火(火柱)の仕掛け、特殊なライティング、ステージGの変形等の特定の演出に応じて実行するようにしてもよい。
【0213】
<イベントコンテンツ関連>
(イベントコンテンツの概要)
図13~
図23を参照して、コンテンツの一例として、仮想ライブ会場において演者によるライブイベントを行うイベントコンテンツを説明した。イベントコンテンツは、例えばイベントデータに従って予め定められた日時(予定日の予定時間)に配信されるが、さらに当該イベント開始前から当該イベントが開催される仮想空間内に視聴者ユーザーを入室・参加可能となるように、イベントコンテンツ提供予定の空間エリアERを提供(配信開始、開放)してもよい。この場合、イベントデータは、イベントコンテンツ提供予定の空間エリアERを予定日前に提供(配信開始、開放)する日時を特定するための情報を含むようにしてもよい。
【0214】
以下では、例えば
図13で示したような仮想ライブのイベントコンテンツ開始前から、所定種類の仮想空間として
図13で示した仮想ライブ会場(イベント会場)が構築される仮想空間を開放し、視聴者ユーザーを入室・参加可能とすることにより、当該イベント開始前から視聴者ユーザーに対して当該イベントへの興趣を段階的に向上させる例を説明する。所定種類の仮想空間は、例えば
図12の空間エリアERのいずれかの仮想空間である。以下では、所定種類の仮想空間の一例として、
図24に示す空間エリアER5を用いて説明する。
【0215】
図24は、空間エリアER5に構築されるイベント会場の全体俯瞰図である。本実施例における空間エリアER5では、一例として神社と神社前の町とを模した建造物などのオブジェクトが配置されている仮想空間が提供される。なお、空間エリアER5に配置されるオブジェクトは、神社を模した建造物に限るものではなく、海や湖、山、学校など種々のテーマに沿ったオブジェクトであればよい。また、空間エリアER5は、複数の領域から構成されている。空間エリアER5は、例えば、
図24(A)に示すように、町エリアに相当する領域ER51、境内エリアに相当する領域ER52、拝殿エリアに相当する領域ER53などから構成されている。
【0216】
町エリアには、例えば、民家を模した家オブジェクトが複数配置されているとともに、境内エリアに通じる参道に沿って視聴者ユーザーなどにより購入等された提灯オブジェクトを展示(設置)するための展示エリアが複数箇所に設けられている。提灯オブジェクトの購入は、例えば、町エリア内などの提灯ショップエリアで購入することができる。また、境内エリアには、例えば、神社の境内に配置される鳥居や門、置物などに相当するオブジェクトが多数配置されており、所定のゲームを行うことができるゲームエリアや、おみくじを行うことができるおみくじエリアが設けられ、展示エリアが複数箇所に設けられている。拝殿エリアには、例えば、神社の拝殿に相当する多数のオブジェクトや、仮想ライブ会場(イベント会場)となるステージオブジェクトが配置されるとともに、お賽銭を行うためのお賽銭エリアが設けられ、展示エリアが複数箇所に設けられている。
【0217】
展示エリアには、ユーザーにより購入された提灯オブジェクトや、運営(管理者)に関連付けられた提灯オブジェクト(初期設定されている提灯オブジェクトを含む)や、特別ユーザーに関連付けられた提灯オブジェクトなどが配置される。特別ユーザーには、演者ユーザー、運営ユーザー、イベントへの協賛をしているスポンサーユーザーや、その他著名人などであって、運営(管理者)側で特別なユーザーとして認証されているユーザーなどが含まれる。また、これらのスポンサーユーザーやその他著名人などの情報はイベントデータ111に記憶されている。
【0218】
また、展示エリアに展示される提灯オブジェクトは、後述するように、配信用サーバコンピュータ100側において全ユーザー共通に表示するデフォルトの提灯オブジェクトとして、切替条件が成立する毎にランダム抽選などにより予め決定され、空間エリアER5に入室しているユーザーの視聴者端末300に送信されており配置されており、視聴者アバターをいずれかの展示エリアに近づけることにより当該展示エリアに展示されている提灯オブジェクトを視聴者端末300に表示させることができる。
【0219】
このような空間エリアER5(所定種類の仮想空間)に関する各種処理や当該空間エリアER5の提供・配信に関する各種処理は、配信用サーバコンピュータ100により行われ、視聴者ユーザーは視聴者端末300を用いて空間エリアER5に入室・参加して視聴者アバターを移動させることにより、当該空間エリアER5内の画像を視聴者端末300に表示させることができる。以下では、視聴者ユーザーおよび視聴者アバター(その他、演者アバターなど)を、単にユーザおよびユーザアバタ(その他、演者アバタなど)ともいう。
【0220】
図25は、視聴者端末300の表示部310において表示される空間エリアER5の画像の一例である。
図25(A)は、領域ER51(町エリア)内から、
図24の領域ER52(境内エリア)を斜視したときの表示画像例である。
図25(B)は、ユーザが操作するユーザアバタUを、
図24の領域ER52内であって領域ER53の境界付近に移動させている状態を、ユーザアバタUの後方から見たときの表示画像例であり、領域ER52から領域ER53へと通じる大門に相当する大門オブジェクト53cが示されている。
図25(C)は、
図24の領域ER52内の大鳥居に相当する大鳥居オブジェクト52tの下にユーザアバタUを移動させている状態を、ユーザアバタUの後方から見たときの表示画像例であり、大鳥居オブジェクト52tの足元および大門オブジェクト53cが示されている。
図25(D)は、ユーザアバタUを
図25(C)で示した位置から後方側に移動させている状態を、ユーザアバタUの後方から見たときの表示画像例であり、大鳥居オブジェクト52aおよび民家に相当する民家オブジェクト51dが示されている。このように、ユーザは、空間エリアER5に入室・参加することにより、ユーザからの操作に応じて、当該空間エリアER5内を移動させて当該空間エリアER5内のオブジェクトや風景などを視認することができるとともに、オブジェクトの購入やお賽銭をすることや、予定日になると拝殿エリアにて開催されるライブイベントに参加可能となる。
【0221】
なお、
図25(A)に示すような仮想空間を俯瞰した画像は、ユーザ操作によって表示装置310に表示可能なものであってもよく、
図25(B)~(D)のようなユーザアバタUの目線に対応した画像であってもよい。また、ユーザ操作により、
図25(B)~(D)のようにユーザアバタUを俯瞰した画像であっても、ユーザが操作するユーザアバタUを表示させず、当該ユーザアバタUの視点から見た画像が表示されるものであってもよい。
【0222】
本実施例においては、空間エリアER5内でイベントコンテンツが提供される予定日よりも前の期間である予定日前期間であっても、ユーザは、空間エリアER5内に入室・参加(単に入るともいう)ことが可能である。例えば、予定日前期間であっても、ユーザが仮想空間ERにログインして空間エリアER5に入室・参加することにより、仮想空間生成プログラム120は、生成している空間エリアER5の画像を視聴者端末300の表示装置310に表示させるためのデータを視聴者端末300に送信する。予定日前期間とは、イベントコンテンツが提供される予定日よりも前の日であって、予定日より前の所定の期間(例えば、1週間)であってもよく、予定日より前の日すべてでもよい。本実施例においては、予定日の1週間前からユーザは空間エリアER5内に入ることができるものであるとする。
【0223】
空間エリアER5には、予定日に提供されるイベントコンテンツに参加するための権利(例えば、チケットなど)を有するユーザのみ、予定日前期間および予定日に入室・参加することが許容される。参加するための権利は、例えば、課金により参加するためのチケットを購入すること、あるいは、所定のゲームやミッションをクリアしていることなどによりユーザに付与される。
【0224】
所定種類の仮想空間である空間エリアER5は、例えば、複数の領域が連なって形成されている領域であって、視聴者ユーザが複数の領域内のある領域から他の領域にシームレスに移動・進入可能となる第1仮想空間と、他の領域と表示態様が共通する(同じ)領域のみからなる第2仮想空間とを含む。本実施例における空間エリアER5に対応する仮想空間は、
図24(A)に示すように、領域ER51~ER53が連なって形成されている領域であって、ユーザが領域ER51と領域ER52との間も領域ER52と領域ER53との間もシームレスに移動・進入可能となる第1仮想空間と、
図24(B)の右側に示すように、領域ER53と表示態様が共通する(同じ)領域ER53´のみからなる第2仮想空間とを含む。
【0225】
また、例えば、イベントコンテンツの予定日の特定期間前(例えば前日)までは、
図24(A)に示す第1仮想空間が提供され、イベントコンテンツの予定日の特定期間前となり解放条件が成立した後においては、第1仮想空間に加えて
図24(B)に示す第2仮想空間が提供され、第1仮想空間における複数の領域(領域ER51~ER53)のうち一部の領域(領域ER51、領域ER52)から他の領域(領域ER53)への移動が不可能な状態(例えば、領域ER53に通じる大門オブジェクト53cの門が閉じた状態)となるとともに一部の領域の所定位置(領域ER52内の大門オブジェクト53c前となる位置)にポータルPを設け、当該ポータルPにユーザアバタUを移動させることにより、例えば所定画面(例えば暗転画面)の表示を介して、領域ER53´のみからなる第2仮想空間に遷移可能となる。
【0226】
本実施例におけるイベントコンテンツは、領域ER53と表示態様が共通する領域ER53´において提供される。領域ER53´は、例えば解放条件が成立するまで進入することができない領域である。領域ER53´には、
図13で示した仮想ライブ会場と同様の会場が構築され、ライブイベント用の仮想ステージや観客席に相当するオブジェクトが配置されライブイベント中においては仮想ステージ上で演者アバタが動作し、ユーザはユーザアバタUを介して観客席から視聴することとなる。
【0227】
一方、予定日の特定期間前においては、第1仮想空間における領域ER53において、例えば、ライブイベント用の観客席に相当するオブジェクトが徐々に配置されたり、仮想ステージについて設置工事中のオブジェクトが配置されることにより、仮想ライブ会場が徐々に構築されていく様子が反映されて、ユーザはユーザアバタUを介して確認可能となる。例えば、所定時間経過毎(例えば、24時間など)に、表示されるオブジェクトを更新するための仮想空間更新データ配信処理が行われる。これにより、イベント開催が迫っていることや、臨場感を高め興趣を向上させることができる。
【0228】
また、解放条件が成立した際に領域ER53内に滞在していたユーザは、領域ER53の外に出される。例えば、ユーザアバタUが、領域ER53外の所定位置(例えば、領域ER52内の大門オブジェクト53c前)に強制的に移動制御される。その後、領域ER53には進入できなくなる一方、前述のポータルPを介して、領域ER53´にユーザアバタUを進入させることができる。
【0229】
領域ER53と、領域ER53´とは、表示態様が共通するがユーザアバタUが移動できる空間に制限を設けられている。例えば、領域ER53においてはユーザアバタUが自由に領域内を移動することが可能であるのに対し、領域ER53´においては、観客領域53´kのみを移動可能となる。これにより、サーバへの負担が、イベントコンテンツを提供するための最小限の処理のための負担となるようにすることができる。また、領域ER53と、領域ER53´とは、各々の領域を構築・生成するための処理を行うサーバを異ならせることができる。これにより、例えば、イベントコンテンツが提供される際の重い負荷に対応したサーバによって管理することができる。なお、領域ER53´へ進入することができるユーザはイベントコンテンツが提供されるための所定条件を満たしているユーザに限られるものとしてもよい。
【0230】
(仮想空間内の表示態様の変化について)
本実施例においては、予定日前期間において空間エリアER5内で生じた事象に応じて、空間エリアER5内の表示態様が変化し得る。予定日前期間において空間エリアER5内で生じた事象とは、例えば、予定日前期間におけるユーザの行動や、他のユーザの行動、その他、空間エリアER5内での抽選、運営者の操作によって実行される仮想空間に対する設定変更などが含まれる。ユーザの行動(あるい他のユーザの行動)には、例えば、所定のオブジェクト(アイテム、提灯オブジェクト等)を購入して配置させる操作、所定のミッションをコンプリートするなどゲームをプレイすることなどが含まれる。予定日前期間において空間エリアER5内で生じた事象に応じて変化し得る空間エリアER5内の表示態様には、例えば、空間エリアER5内に配置された特定オブジェクト(例えば、提灯オブジェクト、提灯オブジェクトを配置する展示エリアなど)の表示態様の変化や、イベントコンテンツ提供中における演出の表示態様の変化が含まれる。
【0231】
(特定オブジェクト配置による予定日前期間における表示態様の変化について)
以下では、
図26~
図32を参照して、予定日前期間において空間エリアER5内でユーザが提灯オブジェクトを購入して配置させる事象に応じて、例えば、空間エリアER5内に購入した提灯オブジェクトが展示エリアに配置されることや、また他のユーザが購入した提灯オブジェクトであって展示エリアに配置されている提灯オブジェクトが切替条件の成立に応じて他の提灯オブジェクトに切り替えられることなどにより、予定日前期間における空間エリアER5内の表示態様を変化させ得る例について説明する。なお、提灯オブジェクトは、例えばイベントコンテンツ提供時のユーザからの投げ銭アイテムの一種(例えば、フラワースタンド)ともなり得るため、以下ではフラスタFSとも称する。
【0232】
フラスタFSの購入は、例えば
図24に示す領域ER51内の参道沿いに設けられている提灯ショップ51sなどで購入可能である。ユーザは、ユーザアバタUを提灯ショップ51sに移動させるか、提灯ショップ51sを選択操作することなどにより、視聴者端末300に表示されている画像が領域ER51内の画像を表示する画面からフラスタFSを購入するための画面に切り替わる。
図26(A)は、フラスタFSの購入時の画面例である。
【0233】
購入可能なフラスタFSは、
図27(A)、(B)に示すように複数種類設けられている。
図27(A)は、フラスタFSの属性(モチーフ)別のテーブルを示している。属性(モチーフ)としては、「無地」、「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」、「豪華絢爛」などが定められている。各属性には、モチーフカラーが定められており、各属性のフラスタFSは、対応するカラーが用いられ、属性に関連したデザインが施されている。各属性のうち、「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」は、イベントコンテンツ提供時において進行キャラクタとして登場する演者アバタ各々に関連した属性・カラーとなる。すなわち、購入可能なフラスタFSは、イベントコンテンツ提供時に登場する演者アバタに定められているイメージモチーフ、イメージカラーに合致するものが準備される。
【0234】
また、フラスタFSには、複数のサイズが用意されている。フラスタFSは、属性に応じて、用意されるサイズの種類や、価格が異なる。例えば、属性「無地」については、サイズは「小」のみの取り扱いであり、価格として500コインが定められている。属性「桜」については、サイズは「大」および「小」の2種類定められており、サイズ「大」の価格は2500コイン、サイズ「小」の価格は500コインが定められている。ユーザはいずれかのモチーフとサイズを選択して所望のフラスタFSを購入する。例えば、イベントコンテンツ提供時に登場する演者アバタのうち、ユーザが応援している(推している)演者アバタに関連した属性・カラーとイメージモチーフ、イメージカラーが合致するフラスタFSを購入するといった楽しみ方を提供できる。
【0235】
図27(B)は、フラスタFSのサイズ別のテーブルである。ユーザはフラスタFSに装飾を施すこと(フラスタFSの表示態様を生成)が可能であり、例えば文字入れの装飾をすることができる。フラスタFSのサイズ別に、フォントの種類や、フォントの色が定められており、ユーザは購入時に選択可能である。また、フラスタFSのサイズ別に表示可能な文字数の上限が定められている。例えば、サイズ「大」については、2列に文字を入力可能であり、各15文字の文字数制限がある。サイズ「小」については、10文字の文字数の制限がある。
【0236】
フラスタFSはサイズごとに、展示(配置)可能なエリアが定められている。ユーザは購入したフラスタFSを空間エリアER5内に表示させる際に、空間エリアER5内に複数設けられている展示エリアであって当該フラスタFSを展示可能な展示エリアのうちから選択(指定)して配置することが可能である。例えばサイズ「大」は、大通り(西)エリア51a、大通り(東)エリア51b、大鳥居エリア52a(大鳥居オブジェクト52tが配置されているエリア)のいずれかのエリアから、配置する展示エリアを選択することができる。サイズ「小」は、境内(西)エリア52b、境内(東)エリア52c、拝殿前(西)エリア53a、拝殿前(東)エリア53bなどのいずれかのエリアから、配置する展示エリアを選択することができる。
【0237】
図26(A)に示す購入画面には、ユーザが選択したフラスタFSの画像411が表示されている。フラスタFSの画像411の下には、選択したフラスタFSの詳細情報412が表示されている。詳細情報412には、サイズや属性(モチーフ)に関する情報が含まれる。また、ユーザは、購入するフラスタFSに文字入れ装飾を施し、好みのデザインにカスタマイズすることが可能である。文字入力領域413では、フラスタFSに表示させる文字を入力することが可能である。入力した文字は、フラスタFSの画像411に反映され、配置されたときのイメージを確認することが可能である。また、フラスタFSに表示されることができる文字には、入力することが規制されているNGワードが定められている。NGワードとは、例えば暴力的な文言や、公序良俗に反する文言などである。NGワードが入力された場合には、購入アイコン417がグレー表示され、購入操作ができないようになる。
【0238】
図26(A)の購入画面例に示すように、配置場所選択領域414への操作により、ユーザはフラスタFSの展示エリアを選択する。また、コイン関連領域415には、ユーザの所持コイン数と、フラスタFSの購入価格として消費されるコイン数と、購入後の残コイン数が表示されている。ユーザは、購入アイコン417を操作することで、購入が確定され、課金処理がされる。購入を取りやめる場合は、閉じるアイコン416に対する操作を行う。
【0239】
フラスタFSを購入したあとは、
図26(B)に示すように、フラスタFSの展示演出がなされる。例えば、
図26(A)で、属性が「桜」であって、サイズが「小」の、「さいこう」の文字装飾が施されたフラスタFS1を購入したユーザであれば、フラスタFS1を配置した展示エリアにFS1が表示され、フラスタFS1が周囲に光を纏う演出(他のフラスタとは異なる特定態様で表示、強調表示)などが施される。ユーザがフラスタFSを購入し展示エリアを視聴者端末300側において指定されると、例えば、当該配信用サーバコンピュータ100において、指定された展示エリア内のうちから展示位置を抽選などで決定して当該フラスタFSの展示位置を含む情報を記憶するとともに、指定元のユーザの視聴者端末300に展示位置を特定するための情報を送信する。視聴者端末300では、受信した情報から特定される展示位置に展示されているフラスタをユーザが購入したフラスタに置き換えて表示する処理が行われる。これにより、ユーザが空間エリアER5に入室・参加した際に、当該ユーザ自身が配置したフラスタFSの展示エリアに移動して、ユーザ自身のフラスタFSを見に行くことに対する動機が働くよう促すことができる。また、他のユーザのフラスタFSの文字などを確認するといった面白味を提供できる。また、展示エリアは、
図24(A)で示したように空間エリアER5を構成する領域ER51~領域ER53のいずれにも設けられている。このため、空間エリアER5に入室・参加したユーザを、領域ER51~領域ER53のすべてに移動させることを促すことができ、空間エリアER5全体に亘ってユーザを堪能させることができる。
【0240】
次に、配信用サーバコンピュータ100によって実行されるフラスタFSのフラスタ購入処理について、
図28のフローを用いて説明する。
【0241】
ステップS101においては、予定日前の購入可能期間であるか否かが判定される。予定日前の購入可能期間とは、予定日前期間と合致する期間であってもよく、予定日前期間の一部の期間であってもよい。予定日前の購入可能期間であると判定されなかったときには、購入できないため処理を終了する。例えば、予定日当日などにおいては、ステップS101においてNOと判定されるため、フラスタFSを購入することができない。このため、イベント当日前に、少なくとも1回以上は空間エリアER5に入室させてフラスタFSを購入する動機をユーザに抱かせることができる。
【0242】
ステップS101において、予定日前の購入可能期間であると判定されたときには、ステップS102において、ショップ選択操作がされたか否かが判定される。ショップ選択操作とは、例えば、空間エリアER5内のフラスタショップ(例えば、
図24の提灯ショップ51s、53sなど)に対する操作(例えば、店員キャラクタへ近づくなどのアクションを行う、あるいは、ショップの所定アイコンへの選択操作を行うことなどが含まれる)である。ステップS102では、具体的には、視聴者端末300においてショップ選択操作が行われたときに送信される情報を受信したか否かが判定される。
【0243】
ステップS102でショップ選択操作がされたと判定されたときには、ステップS103において表示装置310にショップ画面を表示するための情報を、ショップ選択操作元の視聴者端末300に送信する。ショップ画面とは、例えば購入するフラスタFSを選択するための商品一覧を表示する画面や、
図26(A)のフラスタFSの購入画面などである。これにより、視聴者端末300では、ショップ画面を表示させて好みのフラスタFSを選択することができる。ステップS103においてショップ画面を表示するための情報を出力したあとは、処理を終了する。なお、フラスタFSの購入操作は、空間エリアER5内に限らず、仮想空間ER内の別の空間において表示されるショップからの操作であってもよく、仮想空間とは別のWEBサイトにおいて購入操作をすることで、仮想空間内において反映される(利用・展示可能となる)ようにしてもよい。
【0244】
一方、ステップS102で、ショップ選択操作がされたと判定されなかったときには、ステップS104において内容編集操作がされたか否かが判定される。内容編集操作とは、フラスタFSへの文字入れなどの装飾操作である。ステップS104では、具体的には視聴者端末300において購入対象とするフラスタFSが選択された後おいて
図26(A)で示したような画面において装飾操作が行われてフラスタFSに入力された文字を特定するための情報を、視聴者端末300から受信したか否かが判定される。内容編集操作がされたと判定されたときには、ステップS105において、NGワードが含まれているか否かが判定される。NGワードが含まれていると判定されなかったときには、処理を終了する。一方、ステップS105において、NGワードが含まれていると判定されたときには、ステップS106で、その旨(NGワードが含まれている旨)および、購入不可である旨を報知するための情報を、内容編集操作元の視聴者端末300に送信して処理を終了する。これにより、視聴者端末300においては、例えば、「NGワードが含まれています」との旨のポップアップ表示や、購入アイコン417を選択できないようにする処理などが行われる。
【0245】
ステップS104において、内容編集操作がされたと判定されなかったときには、ステップ107において購入確定操作がされたか否かが判定される。購入確定操作とは、例えば
図26(A)に示す購入アイコン417に対する操作である。ステップ107では、具体的には、視聴者端末300において購入アイコン417に対する操作が行われたときに送信される情報であって、購入したフラスタFSの種類や、入力された文字、選択された展示エリアなどを特定するための情報を受信したか否かが判定される。購入確定操作がされたと判定されなかったときには処理を終了する。
【0246】
一方、ステップS107において購入確定操作がされたと判定されたときには、ステップS108で購入処理(課金処理)が行われる。購入処理がされたあとは、ステップS109において、フラスタ展示演出処理が行われ、処理を終了する。例えば、購入確定操作が行われたときに受信する情報に基づいて、選択された展示エリア内のうちから展示位置を抽選などで決定して、当該フラスタFSに関するユーザ関連情報(視聴者ユーザデータ133に含まれる)を更新するとともに、購入元のユーザの視聴者端末300に展示位置を特定するための情報を送信、購入ユーザの視聴者端末300において
図26(B)に例示した展示演出を行わせるための処理などが行われる。
【0247】
図27(C)は、視聴者ユーザデータ133で記憶するユーザ関連情報のうち、ユーザが購入したフラスタFSに関する情報を記憶するテーブルの例である。例えば、ユーザID毎に、購入したフラスタFSを特定する情報や、ユーザが指定した展示エリア内におけるフラスタFSの展示場所に関する情報などが関連付けられている。一例として、フラスタFSを個別に特定するための「フラスタID」、購入したフラスタFSの属性やサイズに関する情報である「購入済みフラスタ」、ユーザが行った装飾(入力した文字)に関する情報である「文字」、ユーザが指定した展示エリアに関する情報として「ユーザ指定エリア」、展示エリア内の展示位置に関する情報である「位置」、ユーザがフラスタを購入した日時である「購入日時」などに関する情報が記憶されている。ステップS109のフラスタ展示演出処理の際には、購入したユーザに対応して購入したフラスタFSに関する情報が新たに記憶される。また、購入したフラスタFSに関する情報が購入したユーザの視聴者端末300に送信されて、視聴者端末300においては、展示する場所にすでに展示されているフラスタFSに替えて、購入したフラスタFSを表示(展示)する展示演出処理が行われる。なお、フラスタFSを購入した際には、展示演出が行われるものに限らず、これに替えてあるいは加えて、購入したフラスタFSが選択された展示エリアにおいて展示された旨のみが報知されるものであってもよい。
【0248】
また、いずれかのユーザがフラスタFSを購入した際には、当該ユーザの視聴者端末300においては、上記の通り、展示する場所にすでに展示されているフラスタFSが、購入したフラスタFSに替えて表示されるが、当該購入によっては他のユーザの視聴者端末300における展示エリアのフラスタFSに影響はなく、当該購入前と同じフラスタFSが継続して展示される。このため、フラスタFSを購入したユーザと、他のユーザとでは、展示エリアに展示されるフラスタFSを異ならせることができる。
【0249】
なお、ステップS101においては、予定日前の購入可能期間であるか否かの判定がなされたが、予定日前に限らず、いつでも購入可能なものであってもよい。例えば、購入するフラスタFSに関連するイベントコンテンツが提供されるタイミングに応じて、イベントコンテンツが提供される予定日あるいは予定日後であっても購入可能であるが、ステップS101において予定日前の購入可能期間でなかった場合には、イベントコンテンツ提供時の演出に用いられないものとしてもよい。
【0250】
また、フラスタFSの表示態様の編集操作(文字入れ操作、内容編集操作)は、購入時に限らず、これに替えてあるいは加えて、購入後に編集可能なものであってもよい。例えば、購入操作後に、ユーザのアイテムBOXにフラスタFSが保存されるようにし、ユーザの好みのタイミングでアイテムBOXから取り出して展示、あるいは編集操作が可能なものであってもよい。また、フォントの種類や色についても、購入時に限らず、購入後に操作可能であってもよい。文字に限らず、色の編集や、例えばオプションで別途豪華な表示態様にするための装飾を施すことが可能となるようにしてもよい。
【0251】
なお、
図28のステップS107で購入確定操作が行われたときに受信する情報に基づいて、ユーザが選択した展示エリア内のうちから、展示位置(例えば後述する展示エリアAの展示位置「A1」、「A2」・・・など)については抽選などで決定する例について説明した。しかし、これに限らず、例えばフラスタFS購入タイミングとは別のタイミングでフラスタFS展示可能とし、展示するタイミングで展示位置が決定されるものであってもよい。
【0252】
(切替条件成立による予定日前期間における表示態様の変化について)
次に
図29~
図32を参照して、展示エリアに配置されている提灯オブジェクト(展示エリアの表示態様)の遷移について説明する。本実施例においては、エリアER5内に複数設けられている展示エリア(例えば大通り(西)エリア51a、大通り(東)エリア51b、大鳥居エリア52aなど・・・)に、提灯オブジェクトが展示表示される。展示エリアは、エリア毎に、展示可能な提灯オブジェクトの上限数が定められている。
【0253】
展示エリアには、前述したとおり、
図26~
図28を参照して前述したユーザ自身が購入した(ユーザ自身に関連付けられた)フラスタFSに限らず、他のユーザが購入した(他のユーザに関連付けられた)フラスタFSや、運営(管理者)に関連付けられたフラスタFSや、特別ユーザに関連付けられたフラスタFSなどが配置される。
【0254】
本実施例においては、展示エリアAは、神社の境内エリアに相当する
図24の領域ER52の例えば境内(西)エリア52bに相当し、例えば、提灯オブジェクトであるフラスタFSのうち、
図27(B)に示すサイズ「小」を展示可能なエリアである。
図29(A)は、境内(西)エリア52bに相当する展示エリアAの一部であり、
図29(A)に示すように展示エリアAでは、提灯オブジェクトであるフラスタFSが縦横に複数並べて展示されている。
図31(A)は、オブジェクトデータ122に含まれるテーブルであって、展示エリアA内に展示するフラスタFSおよび展示位置を特定するための情報に関するデータテーブル例である。
図31(A)では、展示エリアA内の展示位置毎(A1、A2、A3・・・)に、フラスタFSを特定するための情報として、例えばフラスタIDや表示される文字情報が関連付けられている。展示位置A1は、例えば、
図29(A)の左上に相当し、フラスタID「a1」の、属性が「桜」であって「文字A」が表示されるフラスタFSが関連付けられている。展示位置A2は、展示位置A1の同じ行の一つ右隣りとなる位置に相当し、フラスタID「b1」の、属性が「鬼」であって、「文字B」が表示されるフラスタFSが関連付けられている。
【0255】
図31(B)は、オブジェクトデータ122に含まれるテーブルであって、展示エリアBに配置するフラスタFSおよび展示位置を特定するための情報に関するデータテーブル例である。展示エリアBは、
図27(B)に示すサイズ「大」のフラスタFSを展示可能なエリアであって、例えば領域ER52の大鳥居オブジェクト52tがある場所(大鳥居エリア52a)に相当する。
図31(B)では、
図31(A)と同様に、展示エリアB内の展示位置毎(B1、B2、B3・・・)に、フラスタFSを特定するための情報として、例えばフラスタIDや表示される文字情報が関連付けられている。展示位置B1に相当する位置には、例えば、フラスタID「a1」の、「文字A」が表示されるフラスタFSが関連付けられている。展示位置B2に相当する位置には、フラスタID「b1」の、「文字B」が表示されるフラスタFSが関連付けられている。
【0256】
また、
図31(A)および
図31(B)などに示すように展示エリア毎に関連付けられたフラスタFSの情報は、切替条件が成立する毎に、ランダム抽選などによって決定された他のフラスタFSの情報に切り替えられる。展示エリア毎のフラスタFS情報の切替条件には、例えば所定時間の経過(例えば、30分、2時間毎など)や、ユーザが仮想空間への入退室操作を行うこと(ログイン、再ログインなど)、ユーザによる表示データの再読み込み(例えば、リロード操作や、ユーザアバタUの視点から所定の展示エリアが外れたあとに、ユーザアバタUの視点が当該展示エリアへ戻ってきた場合など)により成立する条件が含まれ得る。ランダム抽選により展示当選する確率は、各フラスタFSに対して一律に選ばれる確率が定められているが、これに限らず、後述するようにフラスタFS毎の特性などに応じて変動させてもよい。
【0257】
配信用サーバコンピュータ100は、切替条件の成立毎に、展示エリア毎に展示するフラスタFSを決定して、オブジェクトデータ122に記憶される展示エリア毎のテーブル(
図31(A)および(B)など参照)を更新し(全ユーザ共通のデフォルトとして設定)、展示エリア毎のフラスタFSを特定するための情報を空間エリアER5に入室しているユーザの視聴者端末300に送信する。これにより、視聴者端末300において、各展示エリアのフラスタFS(ユーザ自身のフラスタFSを除く他のユーザなどのフラスタFS)を、他のフラスタFSに切り替えて表示可能となる。なお、フラスタFSの切り替えは、展示エリア毎に展示可能な上限数までの範囲で行われる。例えば、展示エリアAにおいて、フラスタFSを展示可能な上限数が100個である場合、
図31(A)に示すオブジェクトデータ122で記憶する展示エリアAのフラスタFSの情報は、切替条件成立毎に100個分のフラスタFSがランダム抽選などで決定されて当該決定されたフラスタFSのデータに切り替え更新される。また、例えば、展示エリアを解放時には、フラスタFSを100個表示可能な展示エリアAに初期配置されているフラスタFSを10個とし、ユーザが購入・展示していくにしたがって、100個まで徐々に増えていくものでもよい。展示エリアの解放時とは、例えば、ユーザがフラスタFSを購入して展示エリアに展示することができるようになったときなどである。この場合、ランダム抽選は、上限に達してから行われるようにしてもよい。
【0258】
また、前述したように、仮想空間内に配置されているフラスタFSの情報は、切替条件が成立する毎に切り替わるが、ユーザ自身が購入したフラスタFSについては、
図27(C)で管理する情報に基づいて、仮想空間内の展示エリアにて継続して表示され得る。例えば、
図29は、ユーザ1が、新規にフラスタFSを購入した場合の、ユーザ1の表示装置310に表示される展示エリアA内のフラスタFSの表示態様の遷移の一例である。
図30は、ユーザ1が新規にフラスタFSを購入した場合の、ユーザ2の表示装置310に表示される展示エリアA内(
図29で図示した展示位置と同じ位置)のフラスタFSの表示態様の遷移の一例である。
図29(A)および
図30(A)は、展示エリアAに対応してデフォルトとして決定されているフラスタFSであって、
図31(A)のフラスタ配置情報から特定されるフラスタFSが配置されている表示例である。なお、
図29(A)および
図30(A)のタイミングでは、ユーザ1およびユーザ2のいずれにも、各ユーザが購入したフラスタFSが展示エリアAに展示されていないものとして説明する。
【0259】
図29(B)および
図30(B)は、ユーザ1がフラスタFS1を新規に購入したタイミングにおける表示例である。ユーザ1が購入したフラスタFS1は、例えば
図27(C)に示すフラスタID「a3」の属性「桜」のサイズが「小」であって、入力された文字が「さいこう」である。また、ユーザ1は購入時に展示エリアとして「A」を選択しており、展示エリア内の場所「A1」が関連付けられたものとする。
【0260】
ユーザ1がフラスタFS1を購入すると、購入済みフラスタ情報がユーザ1に配信され、ユーザ1の視聴者端末300においては、展示エリアAの展示位置A1に配置されていたフラスタFSを、ユーザ1が購入したフラスタFS1に切り替えて表示する。一方、ユーザ2の表示装置301においては、
図30(B)に示すように、
図30(A)と同じフラスタFSの表示が維持されている。
【0261】
図29(C)および
図30(C)は、前回の切り替えから所定時間経過して切替条件が成立したときの表示例である。ユーザ1の表示装置301においては、
図29(C)に示すように、展示エリアA1に展示されるユーザ1自身が購入したフラスタFS1については
図29(B)と同じ位置において表示が継続しているが、他のフラスタFSについては、切替条件の成立に応じて抽選で決定されたフラスタFSに切り替わっている。他のフラスタFSは、ユーザ1には関連付いていないフラスタFSであって、他のユーザなどに関連付けられているフラスタFSである。なお、他のフラスタFSは、他のいずれのユーザにも関連付けられていない運営が用意したフラスタFSを含むものであってもよい。
【0262】
一方、ユーザ2の表示装置310においては、
図30(C)に示すように切替条件の成立に応じて抽選で決定されたフラスタFSに切り替わっている。
図30(C)は、ユーザ1の
図29(C)と比較して、展示エリアAの展示位置A1にユーザ1に関連付けられたフラスタFS1とは異なるフラスタFSが表示されている点において異なっており、展示位置A1を含む展示エリアA内のすべての展示位置においてオブジェクトデータ122で記憶されているデフォルトのデータに基づく共通のフラスタFSが表示されている。
【0263】
図29(D)および
図30(D)は、所定時間経過により再び切替条件が成立して展示エリアAのフラスタFSが切り替えられたときの表示例を示している。この切替タイミングにおいて抽選で決定されて記憶されている展示エリアAのオブジェクトデータ122には、偶然、ユーザ1が購入したフラスタFS1が含まれ、展示位置がA6(
図29(D)及び
図30(D)における下段左から2番目の位置)であったとする。この場合、ユーザ2については、
図30(D)に示すように、デフォルトのデータに基づきA6にユーザ1のフラスタFS1が表示される。
【0264】
一方、ユーザ1の表示装置310においては、
図29(D)に示すように、場所A1には、
図27(C)に基づき、継続してフラスタFS1が表示される。つまり、ユーザ1の視聴者端末300では、同じ展示エリアのオブジェクトデータ122にユーザ1が購入したフラスタFS1が含まれている場合であっても、ユーザ1が購入したフラスタFS1を、
図27(C)に基づく展示位置に配置するために切り替える。さらに、ユーザ1の視聴者端末300では、ユーザ1が購入したフラスタFS1の展示位置(A1)に配置されていたオブジェクトデータ122に基づくフラスタFS(デフォルトのフラスタFS)を、オブジェクトデータ122に基づくユーザ1が購入したフラスタFS1と置き換えて展示する処理を行う。これにより、ユーザ1のA6には、フラスタFS1に替わり、デフォルトのデータでA1に関連付けられていたフラスタFS(「文字O」のフラスタFS)が表示される。これにより、同じ展示エリアに同じフラスタが複数配置されることを防止できる。
【0265】
なお、同じ展示エリアのオブジェクトデータ122にユーザ1が購入したフラスタFSが含まれている場合であっても、ユーザ1が購入したフラスタFSを
図27(C)に基づく展示位置に配置するために切り替える処理のみを行い、オブジェクトデータ122に基づくユーザ1が購入したフラスタFSもそのまま展示するようにしてもよい。この場合には、ユーザ1の同じフラスタFSが複数展示されるため特別感をユーザに抱かせることができる。
【0266】
また、
図29においては、展示エリアA内の位置A1に固定されて、ユーザ1が購入したフラスタFS1が表示されている例について説明した。しかしこれに限らず、ユーザが配置した展示エリアA内において、切替条件成立毎に、購入済みフラスタFSの展示位置が切り替わるようにしてもよい。例えば
図29(C)のタイミングにおいては、ユーザ1が購入したフラスタFS1は位置A1に表示されているが、次の切替タイミングにおいては、展示エリアAの右上に相当する位置A4に表示され、A1にはデフォルトのデータ(
図31(A)でA1に関連付けられているフラスタFSのデータ)が表示されるようにしてもよい。
【0267】
次に、仮想空間生成プログラム120によって実行される仮想空間内の展示エリアに表示するフラスタFSの切替処理について
図32を参照して説明する。
【0268】
ステップS201において、予定日前の表示可能期間であるか否かの判定が行われる。表示可能期間とは、予定日前期間と合致する期間であってもよく、予定日前期間の一部の期間であってもよい。予定日前の表示可能期間であると判定されなかったときには、切替処理を終了する。
【0269】
一方、ステップS201において、予定日前の表示可能期間であると判定されたときには、ステップS202で切替条件が成立したか否かが判定される。ステップS202で、切替条件が成立していると判定されたときには、ステップS203で、展示エリア毎に展示するフラスタを、抽選対象となるすべてのフラスタFSのうちからランダム抽選して、オブジェクトデータ122における展示エリア毎のフラスタ配置情報(
図31(A)、(B)など)を更新し、更新後のフラスタ配置情報を空間エリアER5に入室・参加しているユーザの視聴者端末300に送信する。例えば、展示エリアAであれば、
図31(A)に例示する展示エリアAについてのフラスタ配置情報を、ランダム抽選したフラスタFSの情報に更新して記憶するとともに当該情報をユーザの視聴者端末300に送信する。これにより、デフォルトの展示エリア毎のフラスタFSの情報が更新されるとともに、空間エリアER5に入室・参加しているユーザの視聴者端末300において各展示エリアのフラスタを切り替えて表示することが可能となる。
【0270】
一方、ステップS202において、切替条件が成立していると判定されなかったときには、ステップS204において空間エリアER5にユーザが新たに入室してきたか否かが判定される。
【0271】
ステップS204で、ユーザが新たに入室してきたと判定されなかったときには、処理を終了する。一方、ステップS204で、ユーザが新たに入室してきたと判定されたときには、ステップS205で、展示エリア毎のフラスタ配置情報を当該ユーザの視聴者端末300に送信する。これにより、展示エリア毎に決定されているデフォルトのフラスタFSの情報をユーザは受け取ることができる。例えば、ステップS203で更新された展示エリアAを含むすべての展示エリアのフラスタ配置情報を送信する。
【0272】
ステップS206では、
図27(C)で示した購入済フラスタ関連の情報に基づいて、新たに入室してきたユーザに購入済みフラスタFSがあるか否かの判定が行われる。購入済みフラスタFSがあると判定されたときには、ステップS207において購入済みフラスタFSを特定するための購入済みフラスタ情報や、購入時に決定された展示位置情報などを当該ユーザの視聴者端末300に送信する。購入済みフラスタ情報とは、
図27(C)に例示するユーザ毎の購入したフラスタFSに関する情報である。例えば、ユーザ1について処理を行う場合、展示エリアAについては、
図29(C)に示すタイミングであったとすると、ステップS205で
図29(C)の時点での展示エリアAのデフォルトのデータが送信される。また、ステップS207で
図27(C)に示すユーザ1の購入済みフラスタ情報(フラスタID「a3」)と、購入時に決定された展示位置情報(「a3」の配置情報である「A1」)とが送信される。これにより、
図29(C)に示すように、展示位置A1の位置にフラスタID「a3」であるフラスタFS1が表示され、展示エリアA内のその他の展示位置にはデフォルトのフラスタFSが表示される。
【0273】
なお、ステップS201において、予定日前の表示可能期間であるか否かの判定を行う例について説明したが、これに限らず、予定日前の表示可能期間かの判定がされないものであってもよい。例えば、イベントコンテンツの提供日(例えば、ライブ開催日)とは関係なく、特定オブジェクトを配置させることができる空間エリアERに適用してもよい。
【0274】
また、ステップS203においては、切替条件成立によりフラスタ配置情報を更新するとともに、更新後のフラスタ配置情報を、空間エリアER5に入室・参加しているユーザに送信する例について説明した。しかし、ステップS203においては、これに限らず、切替条件成立によりフラスタ配置情報を更新する処理のみを行い、更新後のフラスタ配置情報を、空間エリアER5に入室・参加しているユーザに送信する処理については行わないようにしてもよい。すなわち、すでに入室・参加しているユーザの視聴者端末300において切替条件の成立に伴うフラスタの切替を行わないようにしてもよい。また、ステップS203においては、切替条件成立によりフラスタ配置情報を更新するとともに、更新後のフラスタ配置情報を、空間エリアER5に入室・参加しているユーザであって所定の要件を満たすユーザに対してのみ送信するようにしてもよい。所定の要件は、例えば、入室・参加してから切替条件を成立させる時間よりも長い時間が経過していることにより成立するものや、ユーザの個別設定により切替条件成立による切替を許可設定していることにより成立するものなどであってもよい。なお、ステップS203において、更新後のフラスタ配置情報が送信されないユーザであっても、再入室時などにおいて、ステップS205以降の処理が行われて最新の(ステップS203で更新された)フラスタ配置情報が送信されることとなる。
【0275】
図29~
図32を参照した実施例では、切替条件が成立しても、ユーザ自身が購入したフラスタFSについては継続して表示される一方、他のユーザに関連付けられたフラスタFSについては切り替えて表示される例を説明した。しかし、他のユーザに関連付けられたフラスタFSであっても、他のユーザが特別ユーザであった場合には、当該特別ユーザに関連付けられたフラスタFSを継続して表示されるようにしてもよい。特別ユーザとは、前述したように、演者ユーザ、イベントへの協賛をしているスポンサーユーザや、その他著名人などであって、運営(管理者)側で特別なユーザとして認証されているユーザなどが含まれる。
【0276】
図33は、
図29のユーザ1の表示画面310の表示例に、さらに展示エリアA内に特別ユーザに関連付けられたフラスタFSTが配置されている例である。フラスタFSTは、属性「黒狐」に関連するタレントユーザに関連付いたフラスタFSであり、例えば特別ユーザが用意あるいは購入した特別なフラスタFSTである。
図33(A)のタイミングでは、デフォルトで展示エリアA内の右上の展示位置A4に、特別ユーザのフラスタFSTが表示されている。特別ユーザが用意あるいは購入したフラスタFSTは、展示エリアに展示されて、切替条件が成立したとしても、当該フラスタFSTのフラスタ配置情報が他のフラスタに切り替えられることがない。
【0277】
次に
図33(B)において、ユーザ1がフラスタFS1を購入したときには、展示エリアAの展示位置A1にユーザ1が購入したフラスタFS1が表示される。ユーザがフラスタFSを購入したときには、前述のとおり、展示エリアを選択して当該展示エリア内の展示位置が決定されるが、当該決定対象となる展示位置から上記のように特別ユーザのフラスタが展示されている展示位置が除外される。これにより、ユーザがフラスタを購入したとしても、特別ユーザのフラスタの展示位置に決定されることを防止できる。
【0278】
その後、
図33(C)の切替条件が成立した切替タイミング後でも、ユーザ1自身が購入したフラスタFS1以外に、展示位置A4に特別ユーザのフラスタFSTが継続して表示されている。また、次の切替タイミングである
図33(D)のタイミングでも同様にフラスタFS1と、フラスタFSTは継続して表示されている。
【0279】
なお、空間エリアER5内において、展示されるフラスタFSがすべて特別ユーザのフラスタFSである展示エリア(特別展示エリア)が設けられていてもよく、特別ユーザのフラスタFSがオブジェや写真スポット的に単体で展示される単体エリアが設けられていてもよい。また、前述の特別展示エリアや単体エリアに展示するフラスタは、特別ユーザに関連付けられたフラスタFSの中で、切替条件の成立に応じて他の特別ユーザに関連付けられたフラスタFSに切り替わるようにしてもよい。
【0280】
本実施例におけるフラスタFS(特定オブジェクト)は、1ユーザにつき複数購入して所有することが可能である。そのため、フラスタFSの購入数が多いユーザ程、切替条件成立時においてデフォルトのフラスタFSとして決定される割合が高まり、他のユーザの視聴者端末300における空間エリアER5内において展示される可能性が高まる。例えば、
図27(C)に例示するユーザ1は、フラスタFSを3つ所有しているのに対し、ユーザ2が所有するフラスタFSは1つである。よって、一律の確率で抽選される場合、デフォルトのフラスタFSとして、ユーザ2のフラスタFSが決定される割合よりも、ユーザ1のいずれかのフラスタFSが決定される割合の方が3倍高くなる。このため、他のユーザにアピールするために、フラスタFSをより多く購入する動機をユーザに抱かせることができる。
【0281】
一方で、あるユーザが膨大な数(例えば1万個など)のフラスタFSを所有した場合においても、上記のように所有数が多い程、デフォルトのフラスタFSに決定されやすくしてしまうと、膨大な数を所有する当該ユーザのフラスタFSがデフォルトのフラスタFSに決定されて展示される割合が極めて高くなり、その結果、他のユーザにおける展示エリア内に展示されているフラスタFSの表示態様に変わり映えが薄れてしまう虞や、悪用されてしまう虞、他のユーザへ不快感を抱かせてしまう虞がある。これらを防止するために、本実施例においては、購入して所有しているフラスタFSの数が所定数(例えば100)に達しているユーザについては、所定数よりも多いユーザであるか否かにかかわらず、購入して所有しているフラスタFSの数が所定数であるものとして、購入して所有しているフラスタFSの数が所定数であるユーザと同じ割合(確率)となるように、デフォルトのフラスタFSに決定する。例えば、所定数を100とした場合、100個以上購入して所有するユーザのフラスタFSがデフォルトのフラスタFSに決定される割合は、実際に所有する個数が千個、1万個などであっても、100個購入して所有するユーザのフラスタFSがデフォルトのフラスタFSに決定される割合と同じとなる。これにより、特定のユーザのフラスタFSが他のユーザの表示装置300における展示エリア内に展示され過ぎてしまうことを防止できる。
【0282】
(イベントコンテンツ提供中における表示態様の変化について)
本実施例においては、予定日に提供されるイベントコンテンツの提供中において、ユーザが予定日前期間において購入したフラスタFSが仮想空間内に表示される。また、予定日前期間に空間エリアER5内で生じた事象に応じて、イベントコンテンツであるライブ中の領域ER53´内における画像(表示態様)が変化する。予定日前期間に空間エリアER5内で生じた事象とは、例えばユーザがフラスタFSを購入して空間エリアER5内の展示エリアに展示・配置することである。以下、
図34~
図36を参照してイベントコンテンツの提供中における仮想空間の表示態様の変化について説明する。
【0283】
図34は、仮想ステージGとして機能する
図24の領域ER53´の拝殿において提供されるイベントコンテンツ(例えば、
図13~
図24と同種の演出が実行されるライブなど)の演出の一場面例である。
図34における仮想ステージGは、以降仮想ステージG2と称して説明する。仮想ステージG2には、演者アバタ1a~1dが登壇している。演者アバタ1a~1dには、各々、属性「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」が関連付けられている。これらの属性は、
図27(A)に示すフラスタFSに関連付けられている属性と対応している。
【0284】
イベントコンテンツ提供中においては、
図34に示すように、演者アバタ1a~1dがフラスタFSを手に持って紹介するような演出が行われる。本実施例では、視聴しているユーザが予定日前期間においてフラスタFSを購入していた場合に、当該ユーザが購入したフラスタFSを演者アバタ1a~1dが手に持つ演出が行われる。
図35は、
図34のイベントコンテンツの演出に用いられるフラスタFSを特定するためのデータテーブル例である。
図35(A)は、配信用サーバコンピュータ100(例えば、ギフトデータ134など)において管理される全ユーザ共通のデフォルトのイベントフラスタ情報である。ユーザ毎の表示装置310に表示されるイベントコンテンツ提供中におけるフラスタFSは、
図35(A)のイベントフラスタ情報と、
図27(C)のユーザ毎の購入済みフラスタ関連情報に基づいて特定される。
【0285】
本実施例におけるイベントコンテンツの演出には、属性「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」各々のサイズ「大」および「小」のフラスタFSと、属性「豪華絢爛」のフラスタFSとの計9つのフラスタFSが用いられる。
図35(A)のデフォルトのフラスタFSは、予定日前期間終了後からイベントコンテンツ開始までの間において、予定日前期間中にいずれかのユーザにより購入されたフラスタFSのうちから、属性およびサイズ毎に予めランダム抽選して決定される。
図35(A)に示されるように、フラスタFSの属性およびサイズ毎に、演出に用いるデフォルトのフラスタFSを特定する情報が関連付けられている。例えば、属性「桜」のサイズ「大」のフラスタFSとして、フラスタID「a4」の表示される文字が「文字A4」のフラスタFSが関連付けられている。なお、
図27(A)で例示した予定日前に購入可能なフラスタFSのすべての種類がイベントコンテンツの演出に用いられるのではなく、一部であってもよい。例えば、本実施例においては、属性「無地」はイベントコンテンツ提供中の演出には用いられないものとする。
【0286】
配信用サーバコンピュータ100は、イベントコンテンツの開始時(ログイン時)や提供中の所定タイミングにおいて、参加しているユーザの視聴者端末300に対して、
図35(A)のイベントフラスタ情報と、
図27(C)のユーザ毎の購入済みフラスタ関連情報とを送信する。
【0287】
各ユーザの視聴者端末300においては、受信したイベントフラスタ情報から特定されるフラスタのうち、当該ユーザの購入済みフラスタ関連情報から特定されるフラスタと属性およびサイズが同じフラスタを、当該ユーザの購入済みフラスタ関連情報から特定されるフラスタに切り替えて、
図35(B)に示すイベントフラスタデータに更新する。本実施例においては、ユーザが同じ属性およびサイズのフラスタFSを複数購入・所有していた場合には、最後(直近)に購入したフラスタFSをイベントフラスタ情報として設定(テーブルに関連付け)する。ユーザ1は、
図27(C)に示すように、属性「桜」のサイズ「小」のフラスタFSの所有数はフラスタID「a3」の1つである。そのため、
図35(A)のデフォルトでは属性「桜」のサイズ「小」のフラスタFSは、フラスタID「b4」が関連付けられていたが、
図35(B)に示すように、ユーザ1のイベントフラスタ情報には、「a3」が関連付けられる。また、ユーザ1は、
図27(C)に示すように、属性「豪華絢爛」のフラスタFSをフラスタID「b3」と「c3」との2つ所有している。「b3」と「c3」では、「c3」の方が後に購入しているため、
図35(B)における属性「豪華絢爛」には、「c3」が関連付けられる。これにより、予定日前期間においてフラスタを購入していなかったユーザについては、デフォルトのイベントフラスタ情報が維持され、予定日前期間においてフラスタを購入していたユーザについては、デフォルトのイベントフラスタ情報のうち属性およびサイズが同じフラスタを購入したフラスタに置き換えたイベントフラスタ情報に更新される。
【0288】
各ユーザの視聴者端末300においては、設定されているイベントフラスタ情報に基づいて、
図34に例示するようなイベントコンテンツ提供中の演出が行われる。
図34は、ユーザ1の表示装置310に表示される表示態様の一例であり、
図35(B)で記憶するイベントフラスタ情報に基づいて表示される。
図34(A)は、演者アバタ1a~1dが、各々の属性に対応した属性のフラスタFSのサイズ「小」を持っている例である。演者アバタ1aが持つフラスタFSとしては、ユーザ1が購入したフラスタID「a3」のフラスタFS1が表示されている。また、
図34(A)の中央には、属性「豪華絢爛」のフラスタFSが表示されており、ユーザ1が最後に購入したフラスタID「c3」のフラスタFS2が表示されている。また、
図34(B)では、演者アバタ1bと、演者アバタ1cとが、属性「鬼」のサイズ「大」のフラスタFSを持っている。ユーザ1は、属性「鬼」のサイズ「大」のフラスタFSを購入していないため、
図35(A)のデフォルトで定められているフラスタID「g4」のフラスタFSが表示される。なお、仮想ライブ会場の表示態様は、
図34に例示するセットに限らず、種々のオブジェクトが表示されてもよい。
【0289】
図34に例示する演出は、配信用サーバコンピュータ100から、例えば演者アバタ1a~1dの表示動作を制御するための情報と、演者アバタ1a~1d各々の手に持たせたり仮想空間の所定位置に展示(天井から吊り下げられている)させたりするフラスタの属性およびサイズを特定するための情報とを含む演出用情報が送信されることにより行われる。各ユーザの視聴者端末300では、演出用情報に基づいて、演者アバタ1a~1dを含む仮想空間内の表示態様を制御するとともに、各視聴者端末300において更新されているイベントフラスタ情報(
図35(B)参照)から特定されるフラスタFSのうちフラスタの属性およびサイズを特定するための情報と合致するフラスタを配置させることにより、
図34に例示する演出を実行可能となる。
【0290】
次に、
図36(A)を参照して、配信用サーバコンピュータ100において実行されるイベントフラスタ決定処理について説明する。ステップS301では、イベントコンテンツ提供中の演出に用いるフラスタを、前述したフラスタの属性およびサイズ毎にランダム抽選して決定する。ステップS302では、当該決定結果を特定可能なイベント表示フラスタ情報(
図35(A)参照)を視聴者端末300に送信する。例えば、
図35(A)に示すように、属性およびサイズ毎に、抽選によって決定されたフラスタFSを特定する情報を関連付けて記憶したイベントフラスタ情報をイベントコンテンツに参加予定あるいは参加中のユーザの視聴者端末300に送信する。
【0291】
ステップS303では、
図27(C)に示すユーザ毎の購入済みフラスタ関連情報に基づいて、購入済みのフラスタがあるユーザについて、ユーザ毎の購入済みフラスタ関連情報を各ユーザの視聴者端末300に送信して、イベントフラスタ決定処理を終了する。
【0292】
次に、
図36(B)を参照して、視聴者用端末300において実行されるイベントフラスタ特定処理について説明する。
【0293】
ステップS311では、
図36(A)のステップS302で配信用サーバコンピュータ100より送信されて受信したイベントフラスタ情報(
図35(A)参照)を、演出に用いるデフォルトのフラスタFSを特定するためのデフォルトデータとして記憶する。ステップS312では、購入済みフラスタ関連情報(
図36(A)のステップS303で配信用サーバコンピュータ100より送信された
図27(C)の当該ユーザの情報)の受信があったか否かが判定される。ステップS312で購入済みフラスタ関連情報の受信があったと判定されなかったときには、イベントフラスタ決定処理を終了する。
【0294】
一方、ステップS312で購入済みフラスタ関連情報の受信があったと判定されたときには、ステップS313で、受信した購入済みフラスタ関連情報に基づいて、属性およびサイズ毎に、ユーザが購入したフラスタFSを特定するための情報を更新用データとして記憶する。このとき、属性およびサイズが同じフラスタとして、複数のフラスタが特定されたときには、購入日時に基づいて、最後(直近)に購入したフラスタを、当該属性およびサイズのフラスタを特定して記憶する。
【0295】
ステップS314では、デフォルトデータから特定されるフラスタのうち、更新用データから特定されるフラスタと属性およびサイズが同じフラスタについて、演出に用いるフラスタの情報を、更新用データから特定されるフラスタに書き換える処理を行う。
【0296】
以上のように、購入済みのフラスタFSがあるユーザについては、イベント表示フラスタについて、ユーザ自身が購入したフラスタを、演者アバタに関連付けて表示させることができる。また本実施例においては、購入したフラスタに属性およびサイズが同じフラスタが複数存在する場合には最後に購入したフラスタFSが表示されるためイベントコンテンツが提供される予定日までに、より趣向を凝らしたフラスタFSを作成したフラスタFSを表示させることが可能となる。なお、最後に購入したフラスタFSに差し替えるものに限らず、属性およびサイズが同じフラスタのうちから抽選によって決定するものを演出に用いるようにしてもよい。
【0297】
また、
図36(A)におけるイベントフラスタ決定処理は、イベントコンテンツが提供される前に事前に決定して記憶されている例について説明したが、これに限らず、イベントコンテンツ提供中に、例えば所定時間経過毎(例えば10分ごとなど)に実行されてイベントフラスタ情報を更新するものであってもよい。あるいは、イベントコンテンツ提供中において、歌唱パートと、MCパートとが繰り返し行われるのであれば、次のパートが始まる前にパート毎のイベントフラスタ情報が更新するものであってもよい。イベントコンテンツ提供中においては、イベントコンテンツ提供中に更新されたイベントフラスタ情報に基づいて演出の表示態様を変化させるようにしてもよい。
【0298】
なお、
図35(A)に例示するイベントフラスタ情報として決定される抽選対象となるフラスタFSには、特別ユーザに関連付けられたフラスタFSは除外されるようにしてもよい。これにより、例えば演者アバタのファンユーザ(一般のユーザ)に関連付けられたフラスタFSの中から抽選されるようになり、イベントコンテンツの演出において、表示されているフラスタFSと、「応援フラスタありがとう!」といったファンに対してのメッセージ演出などの一致性が増す。
【0299】
(イベントコンテンツに関連する処理について)
以上においては、イベントコンテンツが提供される予定日前期間において空間エリアER5内で生じた事象に応じて、空間エリアER5内の表示態様が変化し得る例について説明した。しかし、これに替えてあるいは加えて、本実施例では、仮想空間ERのうちのイベントコンテンツが提供される予定日前期間において空間エリアER5内に入室・参加などして視聴者端末300の表示装置310に当該空間エリアER5内の画像を表示させた度合いに応じて、イベントコンテンツに関連する処理を行うようにしてもよい。
【0300】
イベントコンテンツに関連する処理には、例えば、イベントコンテンツ提供中における演出の表示態様を変化させる処理や、イベントコンテンツ提供中にユーザが使用可能なオブジェクトをユーザへ付与する処理などが含まれる。表示させた度合いとは、例えば、予定日前期間においてユーザが空間エリアER5内へ入室した回数である。空間エリアER5内へ入室した回数は、同じ日に複数回入室した場合に1回とするために日数であってもよく、所定時間(例えば10分)以上入室していたときに1回にカウントされる回数であってもよい。なお、表示させた度合いは、これに限らず、予定日前期間における空間エリアER5内での滞在時間や、空間エリアER5内の特定の領域を表示させた度合い(表示回数や、表示させた時間など)であってもよい。特定の領域とは、例えば、展示エリアやお賽銭エリアなど、空間エリアER5内の予め定められている領域であればよい。
【0301】
以下、空間エリアER5内の画像を表示させた「度合い」が「予定日にイベントコンテンツが開催され得る空間エリアER5内へ入室した回数(以下、単に入室回数ともいう)」であり、「イベントコンテンツに関連する処理」が「イベントコンテンツ提供中における演出内容を変化させる処理」および「イベントコンテンツ提供中にユーザが使用可能なオブジェクトをユーザへ付与する処理」である例を説明する。
【0302】
配信用サーバコンピュータ100(例えば、イベントデータ111とギフトデータ134)は、予定日前期間における入室回数をユーザ毎に計数して記憶している。
図37は、入室回数に応じて付与される「アイテム」と、入室回数に応じてイベントコンテンツ提供中に変化させる「演出内容」を特定するためのデータテーブル例である。
【0303】
入室回数に応じて付与される(利用可能とする)「アイテム」は、イベントコンテンツ提供中においてユーザが利用可能なオブジェクトである。例えば、予定日前期間終了後に開催されるイベントコンテンツ(例えばライブ)でのみ使用可能な限定アイテムであってもよく、予定日前期間終了後に開催されるイベントコンテンツのみならず当該イベントコンテンツとは異なるコンテンツにおいても使用可能なアイテムであってもよい。なお、予定日前期間終了後に開催されるイベントコンテンツとは異なるコンテンツにおいても使用する場合には、例えば、当該アイテムの機能・効力などの性能面において所定の制限がかかる(例えば、ある機能が使えない、効果が低下するなど)ようにしてもよく、あるいは、これらに替えてあるいは加えて、予定日前期間終了後に開催されるイベントコンテンツの、例えばイメージテーマにちなんだ限定アイテムであってもよい。
【0304】
図37に示すように、「アイテム」としては、イベントコンテンツ提供中に使用することにより、例えば当該イベントを盛り上げるアイテムなどであって、例えば、予定日前期間における入室回数が1回であれば、イベントコンテンツにおいて使用可能な限定クラッカーA、2回であれば限定クラッカーB、3回であれば限定クラッカーCなどが付与される。4回であれば、限定花火、5回であれば限定サイリウム、6回であれば限定スタンプ、7回であれば限定アイテムセットなどが付与される。スタンプとは、仮想空間内でのチャットや、メッセージ送受信で使用可能なスタンプである。アイテムセットとは、複数のアイテムが含まれた詰め合わせセットである。なお、
図37に示すアイテムは、イベントコンテンツ提供中に使用でき、当該イベントを盛り上げるようなアイテムであればこれに限らず、いわゆる投げ銭アイテムなどであってもよい。また、ユーザに付与されるアイテムとしては、実際の入室回数に対応するアイテムに加えて、実際の入室回数に満たない回数に対応するアイテムをも付与するようにしてもよい。
【0305】
図37に示すように、「演出内容」としては、例えば、予定日前期間における入室回数が1回~3回であれば、ノーマル演出となり、演出内容が変化しない。入室回数が4回以上となると演出内容が変化し得るようになり、4回では、特別ルームA、5回では、特別ルームB、6回では、特別ルームSが提供されるようになる。特別ルームの提供とは、ノーマル演出とは、異なる仮想ライブ会場のアニメーション(表示態様)で、イベントコンテンツに参加できる権利を得ることである。例えば、特別ルームでライブに参加する権利を得た対象ユーザのみがアクセスすることができる領域ER53´を用意し、特別ルーム内においてイベントコンテンツを提供してもよい。あるいは、イベントコンテンツ提供時に配信されるライブ会場のセットの画像を、対象ユーザに対しては差し替えられた画像が配信されるようにしてもよい。
【0306】
また、7回ではシークレット衣装での演出が提供される。シークレット衣装は、イベントコンテンツ提供時に、演者アバタに対応して表示される演者アバタの衣装(衣装オブジェクト)である。シークレット衣装での演出がされる権利を得た対象ユーザに対しては、演者アバタの衣装データが通常の他のユーザに配信されるデータとは差し替えたデータが配信される。
【0307】
配信用サーバコンピュータ100において、
図37で例示した入室回数に応じて実行するイベントコンテンツ関連処理の例について、
図38を参照して説明する。イベントコンテンツ関連処理は、例えば、イベントコンテンツに参加予定のユーザ毎(例えば、ユーザIDが若い番号順)に、予定日前期間終了後からイベントコンテンツ開始までに実行される。
【0308】
ステップS401では、予定日前期間中の入室回数が1以上のユーザか否かが判定される。予定日前期間中の入室回数が1以上のユーザであると判定されなかったときには、処理を終了する。ステップS401で、予定日前期間中の入室回数が1以上のユーザではないと判定されたユーザについては、イベントデータ111においてデフォルトで記憶されているデータに基づいてイベントコンテンツの配信が行われる。
【0309】
一方、ステップS401で、予定日前期間中の入室回数が1以上のユーザであると判定されたときには、ステップS402で、入室回数に応じたアイテムを付与する。これにより、例えば、ユーザが仮想空間ER内で所有するアイテムボックスなどに付与されたアイテムが表示されるようになる。イベントコンテンツの提供開始時刻になるまでに事前にボックスに入るものとしてもよいが、提供開始時刻となるまではグレー表示され、提供開始時刻までは使えないものとしてもよく、提供開始時刻から開場されている仮想ライブ会場において使用可能であってもよい。
【0310】
ステップS403では、入室回数に応じた演出内容が当該ユーザに設定され、処理を終了する。例えば、入室回数が4回のユーザであれば、限定花火がアイテムボックスに表示されるようになり、仮想ライブ会場のデザインが特別ルームAとするための情報を対象ユーザに関連付けて記憶する。
【0311】
<具体的構成および効果の例>
【0312】
(1-1) 前述した実施例においては、
図1~
図25などを参照して説明したとおり、配信用サーバコンピュータ100は、記憶しているプログラムや当該プログラムによりコンピュータを制御する方法(以下、単にプログラムという)に基づいて、仮想空間ERを生成して当該仮想空間ER内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるための情報を送信するための処理を行い、視聴者端末300は、記憶しているプログラムに基づいて、配信用サーバコンピュータ100からの情報に応じてユーザからの操作に応じた画像を表示するための処理を行う。また、
図26~
図28などを参照して説明したとおり、配信用サーバコンピュータ100は、記憶しているプログラムに基づいて、ユーザからの購入操作に応じて購入したフラスタFSなどのオブジェクトを仮想空間ER内に配置更新するための処理を行い、視聴者端末300は、記憶しているプログラムに基づいて、配信用サーバコンピュータ100における配置更新およびユーザからの購入操作に応じて購入したオブジェクトを仮想空間ER内に配置表示するための処理を行う。さらに、
図13~
図23、および、
図34などを参照して説明したとおり、配信用サーバコンピュータ100は、記憶しているプログラムに基づいて、イベントコンテンツを予定日に提供するための空間を仮想空間ER内における空間エリアER5において構築するための処理を行い、視聴者端末300は、記憶しているプログラムに基づいて、配信用サーバコンピュータ100により構築された空間エリアER5においてイベントコンテンツを予定日に提供可能とする。
【0313】
また、本実施例においては、イベント予定日前の予定日前期間であっても、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、ユーザからの操作に応じて空間エリアER5に入室して当該空間エリアER5内の画像を表示可能とするための処理を行い、購入操作に応じて購入したオブジェクトを空間エリアER5内に配置表示可能とするための処理を行う。さらに、
図26、
図29、
図30、
図33、および、
図34などにおいて示したとおり、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、予定日前期間において空間エリアER5内でフラスタFSなどのオブジェクトを配置表示させたことに応じて空間エリアER5内の表示態様を変化させるための処理を行う。これにより、予定日前期間において、イベントコンテンツが提供される空間エリアER5と、空間エリアER5内の表示態様を変化させ得る事象とをユーザに共有・提供できるため、イベントコンテンツ提供前から当該イベントコンテンツに対する興趣を段階的に向上させることができる。
【0314】
(1-2) 配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、
図27(C)などに示す予定日前期間におけるユーザのフラスタFSの購入状況に応じて、
図26、
図28、および、
図29などに示すように、購入されてから予定日前期間が終了するまでにおける空間エリアER5内の各展示エリアの表示態様を変化させるための処理を行う。これにより、予定日前期間においてユーザによりフラスタFSが購入されるか、購入されたフラスタFSがどの属性でどのような装飾が施されてどこに展示されるか、その結果、空間エリアER5内の各展示エリアの表示態様がどのように変化するかなどにユーザを注目させることができる。
【0315】
(1-3) 予定日前期間において変化し得る空間エリアER5内の各展示エリアの表示態様は、例えば、
図29および
図30を比較して説明したとおり、予定日前期間においてユーザがフラスタFSを購入して配置することに応じて、当該ユーザ以外の他のユーザに対して表示される表示態様とは異なる表示態様となり得る。これにより、予定日前期間における空間エリアER5内の各展示エリアの表示態様をユーザ毎にカスタマイズ可能となり、ユーザ各々に特別感を抱かせることができる。
【0316】
(1-4)
図34などで示したとおり、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、予定日前期間においてユーザがフラスタFSを購入して配置することに応じて、イベントコンテンツ提供中における空間エリアER5内で行われるライブイベントの演出の表示態様を変化させるための処理を行う。これにより、予定日前期間においてユーザによりフラスタFSが購入されるか、購入されたフラスタFSがどの属性でどのような装飾が施されるか、その結果、イベントコンテンツ提供中における空間エリアER5内で行われるライブイベントの演出の表示態様がどのように変化するかなどにユーザを注目させることができる。
【0317】
(1-5) イベントコンテンツ提供中において変化し得る空間エリアER5内で行われるライブイベントの演出は、例えば、
図27(C)、
図34、および、
図35などで説明したとおり、予定日前期間においてユーザがフラスタFSを購入して配置していたことに応じて、当該ユーザ以外の他のユーザに対して表示される表示態様とは異なる表示態様となり得る。これにより、イベントコンテンツ提供中における空間エリアER5内で行われるライブイベントの演出の表示態様をユーザ毎にカスタマイズ可能となり、ユーザ各々に特別感を抱かせることができる。
【0318】
(1-6) 空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象として、ユーザからのフラスタFSの購入操作に応じた行動であり空間エリアER5内の展示エリアにおいて展示・配置されることにより購入したフラスタFSを反映させる行動であって、例えば、
図28のステップS107のユーザからのフラスタFSの購入操作によりステップS109で空間エリアER5の所定の展示エリアAなどに配置される行動を例示している。これにより、ユーザ自身の操作によって空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象を生じさせることができるようにしたため、ユーザに操作を促しつつユーザの参加意識を向上させることができる。
【0319】
(1-7) 空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象の一例として、他のユーザ(例えば、
図29および
図30におけるユーザ2にとって他のユーザであるユーザ1)からの操作に応じた行動であるフラスタFSの購入操作であって空間エリアER5内の展示エリアにおいて展示・配置されることにより反映される行動であって、例えば、他のユーザ1が購入した行動を例示している。すなわち、
図30(D)に一例を示すように、ユーザ2の表示装置310において、他のユーザ1が購入していなければ配置表示され得ないフラスタFS1が、他のユーザ1が購入した行動により、展示するデフォルトのフラスタFSにランダム抽選で決定されて所定の展示エリアAに配置表示され得る。これにより、他のユーザからの操作および行動によっても空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象になり得るため、表示態様の変化に面白味を持たせることができ、興趣を向上させることができる。
【0320】
(1-8) 空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象の一例として、切替条件の成立を例示している。また、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象が生じたとしても、空間エリアER5内における特別ユーザに関連するフラスタFSの展示を維持可能とする処理を行う。例えば、ユーザにより購入されたフラスタFSの展示位置を、特別ユーザのフラスタFSの展示位置以外の位置から抽選決定する。また、切替条件が成立したときであっても、
図33に示すように、特別ユーザに関連付けられたフラスタFSTの展示・表示が継続する。これにより、特別ユーザに関連する表示態様については変化させずに継続できるため、特別ユーザの利便性・優位性を維持・向上させることができる。また、特別ユーザのフラスタなどのオブジェクトを広告やPRに用いることが可能となるため、例えば、運営側は、特別ユーザの一例となり得るスポンサーなどに対して出資を募りやすくなる。
【0321】
(1-9)
図24で示したように、空間エリアER5内には、予定日においてイベントコンテンツの提供に用いる第2仮想空間の領域ER53´と、当該領域ER53´と表示態様が共通(同じ・類似など)する第1仮想空間のうちの一部である領域ER53とが設けられており、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、予定日前期間において例えばイベント予定日の前日となるまでは、ポータルPが表示されず領域ER53´内への進入が規制される一方で領域ER53内への進入は許容されておりユーザからの操作に応じて当該領域ER53の画像を表示可能とし、イベント予定日の前日となり解放条件が成立した後においては、領域ER53に通じる大門オブジェクト53cの門を閉じた状態とすることにより領域ER53内への進入が規制される一方で、ポータルPが表示されて第2仮想空間の領域ER53´内への進入が許容されてユーザからの操作に応じて当該領域ER53´の画像を表示可能とするための処理を行う。これにより、解放条件の成否に応じて用いる領域を切り替えることにより、解放条件成立前においてはイベントコンテンツ提供前のユーザの行動などに適した領域を用いて仮想空間を提供でき、解放条件成立後においてはイベントコンテンツの提供に適した領域を用いて仮想空間を提供することができる。
【0322】
(1-10)
図24で示したように、空間エリアER5内には、第1仮想空間のうちの一部である領域ER51および領域ER52が設けられており、第1仮想空間である
図24(A)の領域ER51と領域ER52と領域ER53とをシームレスに行き来可能(ユーザ操作によりユーザアバタを一方の領域から他方の領域に移動させることにより往来可能)である一方、第2仮想空間の領域ER53´と第1仮想空間のうちの一部である領域ER51および領域ER52とは切り離して形成されている領域であり、
図24(B)に示すように、第1仮想空間と第2仮想空間とは領域ER53´および領域ER52のポータルPから暗転表示を介して相互に行き来可能となる。これにより、解放条件成立前においては第1仮想空間である
図24(A)の領域ER51と領域ER52と領域ER53との往来の利便性を向上させることができ、解放条件成立後においては第2仮想空間の領域ER53´に移動する際に暗転表示させることによりユーザに対して特別感・緊張感などを抱かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0323】
(1-11) 解放条件は、イベントコンテンツが提供される予定日の前日となることにより成立し得る。これにより、解放条件成立前の期間と、解放条件成立後ではあるがイベントコンテンツ提供前の期間と、イベントコンテンツ提供中の期間とを形成でき、興趣をより段階的に向上させることができる。
【0324】
(1-12) 変化し得る空間エリアER5内の表示態様には、空間エリアER5内の展示エリアに展示されるフラスタFSが含まれ、空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象は、予定日前期間においてユーザがフラスタFSを購入してユーザに関連付けて空間エリアER5内の選択した展示エリアに当該フラスタFSを配置させる事象を含む。これにより、予定日前期間において、ユーザが購入したフラスタFSをユーザが選択した展示エリアに配置させることにより、展示エリアの表示態様を変化させることができ、ユーザの興趣を向上させることができる。
【0325】
(1-13) 空間エリアER5内の表示態様を変化させる事象は、フラスタFSを配置させる際に、ユーザからの操作に応じて当該フラスタFSの表示態様(文字などの装飾)を生成させる事象を含む。これにより、配置させるフラスタFSの表示態様自体についてもユーザ各々でオリジナルの表示態様に変化させることができるため、ユーザの興趣を向上させることができる。
【0326】
(1-14) 変化し得る空間エリアER5内の表示態様には、
図34に示されるように、イベントコンテンツ提供中において空間エリアER5内で表示され動作し当該イベントコンテンツを進行し得る演者アバタが手に持つフラスタFSが含まれる。これにより、予定日前期間に生じた事象に応じて、演者アバタに対応して表示され得るフラスタFSが変化し得るため、予定日前期間に生じる事象により興趣を向上させることができる。
【0327】
(1-15)
図38で示すように、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、空間エリアER5内の画像を予定日前期間において表示させた度合いの一例である空間エリアER5への入室回数に応じて、空間エリアER5内の表示態様を変化させるための処理を行う。これにより、予定日前期間における空間エリアER5への入室回数に応じて空間エリアER5内の表示態様が変化し得るため、予定日前期間において空間エリアER5への入室することに対するユーザの動機を向上させて促すことができる。
【0328】
(1-16) 配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、イベントコンテンツに参加できるチケットを購入するなどして所定条件を満たしているユーザに対して、イベントコンテンツを予定日に提供可能とし、当該所定条件を満たしているユーザに対して、予定日前期間において空間エリアER5内への入室を許容して空間エリアER5内の画像を表示可能とするための処理を行う。これにより、所定条件を満たすことに対するユーザの動機を向上させて促すことができる。
【0329】
(2-1) 本実施例においては、イベント予定日前の予定日前期間であっても、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、ユーザからの操作に応じて空間エリアER5に入室して当該空間エリアER5内の画像を表示可能とするための処理を行う。また、
図37、および、
図38などにおいて示したとおり、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、予定日前期間において、仮想空間ERのうちの予定日にイベントコンテンツが提供される空間エリアER5内に入室して当該空間エリアER5内の画像を表示させた度合いの一例である入室回数(仮想空間ERにログインしていた場合であっても当該仮想空間ERのうち空間エリアER5以外の他の空間エリアERへの入室回数を含まない)に応じてイベントコンテンツに関連する処理を行う。これにより、予定日前期間において、イベントコンテンツが提供される空間エリアER5をユーザに共有・提供できるとともに、予定日前期間における空間エリアER5内への入室回数に応じてイベントコンテンツに関連する処理が行われる。このため、仮想空間ER内の他の空間エリアよりも空間エリアER5内に入室して当該空間エリアER5内の画像を表示させることに対するユーザの動機を向上させることができ、イベントコンテンツ提供前から当該イベントコンテンツに対する興趣を段階的に向上させることができる。
【0330】
(2-2) イベントコンテンツに関連する処理は、
図37の演出内容などに示されるように、イベントコンテンツ提供中における空間エリアER5内の表示態様を予定日前期間における入室回数に応じて変化させる処理を含む。これにより、予定日前期間において空間エリアER5内に入室することに対するユーザの動機を向上させるとともに、空間エリアER5内の表示態様がどのように変化するかなどにユーザを注目させることができる。
【0331】
(2-3) イベントコンテンツに関連する処理により入室回数に応じて変化するイベントコンテンツ提供中における空間エリアER5内の表示態様は、
図37の演出内容などに示されるように、入室回数に応じて異なる演出内容が設定されるため、当該入室回数に応じて他のユーザに対して表示される表示態様とは異なる表示態様となり得る。これにより、イベントコンテンツ提供中における空間エリアER5内の表示態様をユーザ毎にカスタマイズ可能となり、ユーザ各々に特別感を抱かせることができる。
【0332】
(2-4) 変化するイベントコンテンツ提供中における空間エリアER5内の表示態様には、イベントコンテンツ提供中において空間エリアER5内に表示され動作し当該イベントコンテンツを進行し得る演者アバタに対応して表示される演者アバタの衣装であるシークレット衣装が含まれる。つまり、予定日前期間における空間エリアER5内への入室回数に応じて、イベントコンテンツ提供中における演者アバタの衣装が変化し得る。このため、予定日前期間において空間エリアER5内に入室することに対するユーザの動機を向上させることができ、興趣を向上させることができる。
【0333】
(2-5) イベントコンテンツに関連する処理は、
図38のステップS402で示すように、イベントコンテンツ提供中において利用可能なオブジェクトの一例であるアイテムのうちから入室回数に応じたアイテムをユーザが利用可能となるように付与するための処理を含む。このため、予定日前期間において空間エリアER5内に入室することに対するユーザの動機を向上させるとともに、付与されるアイテムにユーザを注目させることができる。
【0334】
(2-6) イベントコンテンツに関連する処理によりユーザに付与されるアイテムは、
図37のアイテムなどに示されるように、入室回数に応じて異なるアイテムが設定されるため、他のユーザに対して付与されるアイテムとは異なるアイテムとなり得る。これにより、様々なアイテムがイベントコンテンツ提供中に利用されることになるため当該イベントコンテンツの興趣を向上させることができる。
【0335】
(3-1) 本実施例における配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、ユーザが購入することにより関連付けられているフラスタFSを空間エリアER5内の展示エリアに配置させ、
図29(A)に示すフラスタFSのうち、他のユーザ(例えば、ユーザ1以外)に関連付けられているフラスタFSであって空間エリアER5内の展示エリアに配置されているフラスタFSについては、
図32のステップS203により、切替条件の成立に応じて他のフラスタFSに切り替える一方で、ユーザ自身(例えば、ユーザ1)に関連付けられているフラスタFSについては、
図27(C)を参照して説明したように、切替条件が成立しても同じ展示エリア内において継続して表示させ得るための処理を行う。これにより、展示対象となるフラスタFSが多数存在する場合であり展示エリアにおいて展示可能な展示位置の数に限りがある場合であっても、フラスタFSを空間エリアER5内において適切に反映させることができる。また、他のユーザに関連付けられたフラスタFSについては比較的万遍なく空間エリアER5内において展示・表示できるとともに空間エリアER5内の展示エリアの表示態様を変化させて興趣を向上させることができるようにしつつ、ユーザ自身に関連付けられたフラスタFSを確認できるため満足感を高めることができる。
【0336】
(3-2) 切替条件は、所定時間が経過することや、ユーザの空間エリアER5内へのログインや入退室などにより成立し得る。これにより、ユーザの事前知識(例えば切替方法)などを必要とすることなく他のユーザに関連付けられているフラスタFSが他のフラスタFSに切り替えられるため、いずれのユーザに対しても空間エリアER5内の展示エリアに展示・表示され得るフラスタFSに対する興趣を向上させることができる。
【0337】
(3-3) フラスタFSは、
図27に示すように、属性やサイズが異なる複数種類のフラスタが設けられており、その種類に応じて空間エリアER5内に配置させて展示可能となる展示エリアが定められている。これにより、空間エリアER5のデザイン・趣向・世界観などに合わせて展示エリアに応じて適切な種類のフラスタFSを配置させることができる。また、展示エリア毎に配置されるフラスタFSの種類に統一感を持たせることができる。
【0338】
(3-4) フラスタFSは、空間エリアER5内の展示エリアに定められている上限数まで展示・表示可能であり、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、
図29(C)~
図29(D)などに示されるように、展示されるフラスタFSの数が展示可能上限数の範囲内となるように維持しつつ、切替条件の成立で他のユーザに関連付けられているフラスタFSを他のフラスタFSに切り替えて表示させ得る。これにより、上限数の範囲内で他のユーザに関連付けられたフラスタFSを万遍なく展示エリアに展示できるとともに展示エリアおよび空間エリアER5の表示態様を変化させて興趣を向上させることができる。
【0339】
(3-5) 空間エリアER5内には、
図24に示される通り、フラスタFSを配置して展示可能な展示エリアが複数設けられており、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、
図26に示されるように、複数の展示エリアのうちユーザからの操作に応じて指定された展示エリア内に当該ユーザのフラスタFSを配置・展示させるための処理を行う。これにより、ユーザの好む展示エリアに自身のフラスタFSを配置・展示させることができ、興趣を向上させることができる。
【0340】
(3-6) 配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、
図26に示されるように、ユーザからの操作に応じて、展示させるフラスタFSに文字などの装飾を行うことにより表示態様を変化させて展示・表示させ得るための処理を行う。これにより、展示するフラスタFSの表示態様をユーザ独自の表示態様とすることができ、ユーザの興趣を向上させることができる。
【0341】
(3-7) 配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、購入しているフラスタFSの数が多いユーザ(例えば、10個よりも11個、30個よりも40個)の方が少ないユーザよりも高い割合でデフォルトのフラスタFSとして展示・表示させるが、所定数に到達しているユーザについてはフラスタを所定数以上に何個購入しているか否かにかかわらず同じ割合(例えば、所定数のユーザと同じ割合)でデフォルトのフラスタFSに抽選で決定されて展示・表示させ得る。これにより、フラスタFSを程よい数(所定数未満)まで購入することを促すことができる一方で、デフォルトのフラスタFSのうち購入数が所定数に到達しているユーザのフラスタの占める割合が際限なく高まり過ぎてしまうことを防止できる。
【0342】
<変形例>
以上、
図1~
図38を参照して説明した実施例(変更や追加を含む)に対する変形例などを以下に列挙する。
【0343】
(再演データ関連)
配信用サーバコンピュータ100は、本実施例において提供されたイベントコンテンツのデータ(イベントデータ111)を、ユーザに再提供可能となるように記憶するとともに、イベントコンテンツが提供された後であってもユーザからの要求(例えば、再演データを購入するための操作、2回目の視聴操作など)に応じて再提供可能とするための処理を行うものであってもよい。例えば、配信用サーバコンピュータ100は、予定日におけるイベントコンテンツ提供中において、ストレージ103に、演者アバターのモーションデータを含むアニメーションデータや音声データなどの演者情報(
図10で配信された演者アバター情報、演者音声など)を含む領域ER53´内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させるための情報や、
図35に例示されるイベントフラスタ情報、
図38により設定され得るアイテム・演出内容情報などをイベントデータの再演データとして記憶し、要求元のユーザの視聴者端末300に送信する。
【0344】
イベントフラスタ情報は、イベントコンテンツ毎に抽選された
図35(A)のデフォルトの情報と、
図27(C)のユーザ関連情報に基づき、再提供を要求したユーザが購入したフラスタFSの情報とを含む。また、アイテム・演出内容情報は、再提供要求したユーザの予定日前期間における入室回数に応じて、
図38のイベントコンテンツ関連処理により付与されるアイテムと、セットされる演出内容とを特定するための情報を含む。
【0345】
再演データを受信した視聴者端末300においては、ユーザの任意のタイミングで、再演データに基づき予定日に提供されたイベントコンテンツを再生する。また、イベントコンテンツを再生する際には、予定日前期間において生じた事象に応じた表示態様とするために、例えば、受信したイベントフラスタ情報から特定されるフラスタのうち、当該ユーザが購入したフラスタと属性およびサイズが同じフラスタを、当該ユーザが購入していたフラスタに切り替えて、イベントコンテンツの演出を提供する。つまり、再演データに基づき表示され得るフラスタFSの表示態様は、予定日前期間に購入されているフラスタFSによってユーザ毎に異なる態様となり得る。これにより、予定日においてイベントコンテンツが提供された後においても、予定日前期間において生じた事象に応じた表示態様でイベントコンテンツを提供できるため、ユーザの利便性および興趣を向上させることができる。具体的には、予定日にイベントコンテンツに参加できなかったユーザに対して、予定日後であってもイベントコンテンツに参加でき、その際に、予定日前期間にフラスタFSを購入していた場合には当該フラスタFSに応じた演出を提供できる。
【0346】
また、イベントコンテンツを再生する際にも、予定日前期間において空間エリアER5内の画像を表示させた度合いの一例である入室回数に応じてイベントコンテンツに関連する処理を行うために、例えば、イベントコンテンツの演出内容として受信したアイテム・演出内容情報から特定される演出内容とする設定が行われ、かつ受信したアイテム・演出内容情報から特定されるアイテムが付与されて当該再演中において利用可能とする。つまり、再演データに基づくイベントコンテンツの表示態様を、予定日前期間のユーザの入室回数に応じてユーザ毎に異ならせ得る。これにより、予定日においてイベントコンテンツが提供された後においても、予定日前期間における入室回数という度合いに応じた表示態様でイベントコンテンツを提供できるため、ユーザの利便性および興趣を向上させることができる。また、再演データに基づくイベントコンテンツにおいて利用可能なアイテムのうちから予定日前期間のユーザの入室回数に応じたアイテムをユーザが利用可能とする処理が行われる。これにより、ユーザの利便性および興趣を向上させることができる。
【0347】
(空間エリアER5への入室権利)
上記実施の形態においては、予定日に提供されるイベントコンテンツに参加するための権利(チケットなど)を有するユーザのみ、予定日前期間に空間エリアER5に入室・参加することが許容される例について説明した。しかし、これに限らず、予定日に提供されるイベントコンテンツに参加するための権利を有するユーザではなかったとしても、予定日前期間においては、空間エリアER5内に入ることが許容され、フラスタFSの購入や展示エリアの閲覧など空間エリアER5内において自由に行動できるものであってもよい。イベントコンテンツ自体には参加するための権利を有していなければ参加できない(例えば、領域ER53´への進入が制限される)が、予定日前期間においては空間エリアER5内に入ることが許容されて空間エリアER5内を散策・体験することなどにより、予定日に提供されるイベントコンテンツへの関心を高めることができ、権利を獲得してイベントコンテンツにも参加したいといった動機をユーザに抱かせることができる。なお、イベントコンテンツに参加するための権利の存在自体がなく、仮想空間ERに参加可能なユーザであれば、予定日のイベントコンテンツに参加でき、かつ、予定日前期間において空間エリアER5に入ることができるようにしてもよい。
【0348】
(展示エリア内のフラスタ属性の表示バランスについて)
上記実施の形態では、
図32のステップS302で切替条件成立時に切り替えるフラスタFSを、ランダム抽選で決定する例について説明した。しかし、これに限らず、空間エリアER5内に展示されるフラスタFSに関連付けられている属性の数が、各属性間において略均等となるように、展示するフラスタFSを抽選で決定するようにしてもよい。上述したとおり、属性「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」は、イベントコンテンツ提供時において進行キャラクタとして登場する演者アバタ各々に関連した属性・カラーである。また、例えば、空間エリアER5内に属性「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」のフラスタを展示可能な位置が8万箇所設けられているとすると、ひとつの属性に対して展示可能な数が2万箇所と算出される。このため、切替条件成立時に切り替えるフラスタFSを、ひとつの属性に対して2万個ずつ抽選で決定するようにしてもよい。すなわち、フラスタFSは、
図27に示すように、いずれかのモチーフ(属性)が関連付けられており、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、展示するフラスタFSに関連付けられている属性の数が各属性間において略均等となるようにデフォルトとなるフラスタFSを抽選・決定するための処理を行うことにより、空間エリアER5全体の中で4つの属性のフラスタが略均等となるようにしてもよい。これにより、空間エリアER5内において展示されるフラスタの属性がバランスよく表示され得るようになり、いずれかの属性に偏ってしまうことを防止できる。さらに、各展示エリアに着目した場合であっても、ひとつの展示エリア内に展示されるフラスタFSに関連付けられている属性の数が、各属性間において略均等となるようにしてもよい。つまり、展示エリア毎に4つの属性のフラスタが略均等となるようにしてもよい。
【0349】
また、上限数が所定数に定められている展示エリアを属性分だけ設けて、展示エリア毎に属性を関連付けて、例えば、第1展示エリアには属性「桜」のフラスタのみから抽選で決定し、第2展示エリアには属性「鬼」のフラスタのみから抽選で決定し、第3展示エリアには属性「白狐」のフラスタのみから抽選で決定し、第4展示エリアには属性「黒狐」のフラスタのみから抽選で決定するようにしてもよい。これにより、各属性(特にイベントコンテンツ提供時において登場する演者アバタの属性)に関連付けられたフラスタFSが空間エリアER5内においてバランスよく表示されるようになる。また、推しの演者アバタの属性に関するフラスタの展示エリアを閲覧することにより、推しの演者アバタの属性に関するフラスタを容易に効率よく閲覧することができる。また、上記の例では、特定の属性(属性「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」)についてのみ略均等となる例について示したが、これに限らず、無地や豪華絢爛を含むすべての属性が略均等となるものであってもよい。なお、ユーザが購入したフラスタFSを配置することで、ユーザが購入したフラスタFSに関連付けられた属性の数が、仮想空間内において増加し得る。しかし、ユーザが購入したフラスタFSの属性も考慮した上で、展示エリア内(あるいは空間エリアER内)に展示できるフラスタFSの上限数の範囲で属性間の表示バランスが略均等となるように、ユーザ毎に抽選して決定してもよい。
【0350】
また、属性毎に抽選によって決定されて表示される比率は、予め定められているものであってもよい。例えば、
図27(A)に示す属性「無地」が表示される割合は、空間エリアER5内において5%であるのに対し、「豪華絢爛」は15%、「桜」、「鬼」、「白狐」、「黒狐」については各20%などの比率を定められているものでもよい。
【0351】
(デフォルトのフラスタに決定される確率などについて)
上記実施の形態においては、切替条件成立時に、
図32のステップS203でランダム抽選されるデフォルトのフラスタFSに決定される確率がフラスタFS間で一律である例について説明した。しかし、デフォルトのフラスタFSに決定される確率は、これに限らず、フラスタFS固有のパラメータに応じて変動させたり、切替条件成立時にデフォルトのフラスタFSに決定されない(例えば、抽選対象から除外する)ようにしてもよい。以下、
図39を参照して、フラスタFS毎にデフォルトのフラスタFSに決定される確率を変動させる例を説明する。各ユーザは、空間エリアER5内に表示された他のユーザに関連付けられたフラスタFSに対して、好感アクションや、通報アクションを行うことができるようにしてもよい。好感アクションとは、好感の意を表するためのアクションであって、例えば「いいね」(ハートマーク)などのアイコンを操作することで、他のユーザのフラスタFSに対して好感があることを示すアクションである。通報アクションとは、空間エリアER5内に表示することが不適切であるといった意を表するためのアクションであって、例えば、他のユーザのフラスタFSに不快な文字(コメント)が表示されていた場合などに、運営に対して報告するアクションである。
【0352】
図39は、フラスタFSのアップ画像510の一例である。アップ画像510は、例えば、視聴者端末300において展示エリアに展示されているフラスタFSに近づくか操作することをトリガーにして配信用サーバコンピュータ100から送信される情報に基づいて、表示装置310において表示される画像であり、各フラスタFSの詳細を表示することが可能である。
図39のアップ画像510には、展示エリア内に配置されるフラスタFSのうちの1つが表示され、左右ボタン511(511L、511R)を操作することで、展示エリア内の他のフラスタFSを表示することができる。アップ画像510には、好感アクションを行うためのいいねボタン513や、通報アクションを行うための通報ボタン514、またアップ画像510を閉じるための閉じるボタン516などが表示されている。また、アップ画像510には、詳細情報として、製作者情報512(ユーザー情報)が表示されている。これにより、例えば、著名人や友人のアカウントによって購入・生成されたフラスタFSであれば、好感アクションを行う動機付けとなり得る。また、面白いメッセージや興味深いメッセージなどを入力しているフラスタFSに対して好感アクションを行う動機付けとなり得る。
【0353】
視聴者端末300は、いいねボタン513が操作されると、配信用サーバコンピュータ100に好感の対象となったフラスタFSをも特定するための好感情報を送信する。配信用サーバコンピュータ100においては、好感情報を受信すると、オブジェクトデータ122に記憶するフラスタFSのうち、好感対象となったフラスタFSのいいねの数(好感履歴)を更新記憶する。また、いいねの数が更新されると、アップ画像510に表示されるフラスタFSに対応するいいねの数を1加算更新させた態様で表示する。
【0354】
また、配信用サーバコンピュータ100は、切替条件成立時において展示するデフォルトのフラスタFSの抽選を行う際に、フラスタFS毎のいいねの数を参照し、いいねの数に応じて当該フラスタFSが抽選で当選する確率を変動させるようにしてもよい。例えば、抽選対象となるフラスタFSの数が100万存在する場合に、通常であれば当選する確率が、1/100万となるところ、いいねの数に応じて段階的に当選する確率を高めるようにしてもよい。例えば、いいねの数が100~999の場合には10/100万に高め、いいねの数が1000~2999の場合には100/100万に高めるといったように、いいねの数が多い程、当選する確率が高くなるようにしてもよい。
【0355】
すなわち、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、ユーザからのフラスタFSに対する好感アクションを特定するための好感情報を受信することにより、当該フラスタFSに対する好感履歴を更新し、各フラスタFSに対する好感履歴に基づいて当該フラスタFSを表示するときのいいねの数の表示を1加算表示制御するための処理や、デフォルトのフラスタとして表示されやすくするための処理などを行う。これにより、好感履歴に基づいてフラスタの表示が制御されるといった面白味をユーザに提供できる。また、好感アクションを獲得するといった面白味をユーザに提供できるとともに、他のユーザからリアクションを体感できるため、ユーザの興趣を向上させることができる。
【0356】
また、配信用サーバコンピュータ100は、規制条件が成立しているフラスタFSについて、
図32のステップS203の抽選対象から除外することにより、デフォルトのフラスタFSとして当選・展示されることを規制(すなわち、当該フラスタFSを所有するユーザとは異なる他のユーザに対して表示されることを規制)するようにしてもよい。規制条件は、例えば、通報アクション数や通報対象のフラスタの文字などを運営が確認して、非表示とすべきと判断した場合などに非表示の設定がされることなどにより成立する。視聴者端末300は、通報ボタン514が操作されると、配信用サーバコンピュータ100に通報の対象となったフラスタFSをも特定するための通報情報を送信する。配信用サーバコンピュータ100においては、通報情報を受信すると、オブジェクトデータ122に記憶するフラスタFSのうち、通報対象となったフラスタFSの通報数(通報履歴)を更新記憶する。なお、規制条件は、更新された通報数に応じて運営側で非表示の設定を行うことにより成立するものや、通報数が所定数に達したか否かを配信用サーバコンピュータ100において判定して所定数に達しているときには自動的に非表示の設定が行われて成立するものであってもよい。これにより、規制条件が成立している他のユーザに関連付けられたフラスタFSについての表示を、デフォルトのフラスタとして決定されることを規制することができるため、展示エリアに展示されることを防止でき、ユーザに快適な空間エリアER5を提供することができる。
【0357】
この場合において、規制条件が成立したフラスタFSであっても、当該フラスタFSを購入・所有するユーザの表示装置310には、空間エリアER5内の展示エリアにおいて継続して表示される(いわゆる「シャドーBAN」)ようにしてもよい。これにより、フラスタFSを購入したユーザの興趣が損なわれてしまうことを防止しつつ、規制条件が成立していることをユーザに特定されにくくすることができる。なお、通報とともに、あるいは通報に替えて、当該通報元のユーザの視聴者端末300においては規制条件の成立前であっても「非表示」とするようにしてもよい。非表示とするアクションであったとしても、配信用サーバコンピュータ100で非表示された数を蓄積し、非表示とされた数が所定数以上に達することでユーザ全体に対して非表示となるようにしてもよい。また、非表示とするアクションが行われた場合には、配信用サーバコンピュータ100および視聴者端末300は、各々、記憶しているプログラムに基づいて、代替して展示する他のフラスタを抽選で決定してもよい。
【0358】
なお、
図32のステップS203における抽選対象となるフラスタFSは、NGコメントや不適切なコメントなどが含まれているか否かの審査を通過したフラスタFSのみとし、含まれていると判断されたフラスタFSを抽選対象外としてもよい。審査は、例えば、運営によって目視で行われ、含まれていると判断されたフラスタFSについては抽選対象外とするNGフラグなどが設定されるものであってもよく、テキストを抽出して自動判定により審査が行われ、NG判定がされたフラスタFSについてはNGフラグなどが設定されるものであってもよい。また、切替条件成立時の抽選に限らず、
図36(A)のステップS301における抽選においても、フラスタFS固有のパラメータ(例えば、いいねの数)に応じて、デフォルトのフラスタに決定される確率を変動させたり、規制条件の成立に応じてデフォルトのフラスタFSに決定されないようにしてもよい。
【0359】
(仮想空間内の表示態様を変化させる事象について)
上記実施の形態では、空間エリアER5内の表示態様(予定日前期間においては展示エリア内のフラスタFS、イベントコンテンツ提供中においては演者アバタが持つフラスタFS)を変化させる事象として、ユーザからの操作に応じてフラスタFSが購入されて配置されることを例示した。しかし、仮想空間内の表示態様を変化させる事象を生じさせる特定オブジェクトは、フラスタFSに限らず、光を発するサイリウムや団扇などを模したオブジェクトや、空間エリアER5内に配置(設置)可能なオブジェクトであって、例えば、神社内の花、時計、垣根、玉垣、看板、立て札などを模したオブジェクトなどであってもよい。なお、特定オブジェクトは、イベントコンテンツ提供中において演者アバタが手に持つことができるオブジェクトを例示したが、これに限らず、ユーザアバタ(視聴者アバタ)が使用できるオブジェクトであってもよく、イベントコンテンツを提供する空間エリア(領域ER53´)内に配置(設置)可能なオブジェクトなどであってもよい。
【0360】
また、仮想空間内の表示態様を変化させる事象は、特定オブジェクトの配置等により生じ得るものに限らず、これに替えてあるいは加えて、空間エリアER5内に種々のアクティビティを用意し、予定日前期間においてユーザがプレイしたアクティビティの結果に応じて生じ得るものであってもよい。なお、このようなアクティビティは、予定日前期間限定(あるいは、イベントコンテンツが提供される開催時刻まで)で、プレイ可能なものであってもよい。アクティビティとは、例えば、空間エリアER5内において実行されるゲームや、ミッション、運試しなどである。例えば、
図24のゲームエリアにおいて、抽選ゲームなどの短時間でプレイできるゲームや、指定アイテムなどを探す探索ミッション、おみくじ、お賽銭のような運試しなどである。予定日前期間におけるゲーム、探索ミッション、運試しの結果に応じて、上述したフラスタFSや
図37のアイテムの付与や、イベントコンテンツ提供時における演出の変化などの所定の権利(特典)が、アクティビティを体験したユーザに関連付けられるものとしてもよい。また、アクティビティの結果に応じて得たアイテムなどをアイテムボックスなどに保存可能としてもよい。例えば、オブジェクトに限らず、演者アバタの音声データなどが含まれるものであってもよい。さらに、予定日前期間におけるゲーム、探索ミッション、運試しの結果そのものに応じて、アクティビティを体験したユーザの視聴者端末300における空間エリアER5内の表示態様を変化させるようにしてもよい。このように、予定日前期間においてイベントコンテンツが提供される所定種類の仮想空間において種々のアクティビティの体験を準備することにより、予定日前期間において仮想空間に事象を発生させ、かつ、イベントコンテンツが提供される予定日までのユーザの気分を高めることが可能となる。
【0361】
また、仮想空間内の表示態様を変化させる事象は、ユーザからの操作に応じて生じ得るものに限らず、これに替えてあるいは加えて、ユーザからの操作にかかわらず、仮想空間内に入室しているときであって発生条件が成立したときに生じ得るものであってもよい。例えば、空間エリアER5に入室しているユーザであって、入室から所定時間経過することにより特定オブジェクトが付与されて空間エリアER5内に配置されることにより事象が生じたものとしてもよく、入室から所定時間経過することにより事象が生じたものとしてもよく、空間エリアER5に入室しているユーザのうちから所定時間毎にランダム抽選などで当選したユーザについて事象が生じたもの(当選しなかったユーザについては事象が生じたものとみなされない)としてもよい。
【0362】
(生じた事象により予定日前期間において表示態様を変化させる対象について)
上記実施の形態では、予定日前期間中に生じた事象に応じて予定日前期間中における空間エリアER5内の展示エリアに配置するフラスタFSの表示態様を変化させる例を示したが、変化させる対象は空間エリアER5内のものであればこれに限るものではない。予定日前期間中に生じた事象に応じて変化させる対象は、例えば、予定日前期間中における空間エリアER5内に配置される建造物や置物などのオブジェクトの種類や数であってもよく、予定日前期間中における空間エリアER5内の建造物や置物などの配置位置であってもよく、予定日前期間中における空間エリアER5に含まれる領域数(例えば、領域ER51と連なる領域ER54が増設されて領域ER54に進入可能となるなど)であってもよい。なお、この場合、空間エリアER5内の領域のうち、変化が生じる領域は、領域ER51と領域ER52のみとし、イベントコンテンツが提供される領域と関連する領域ER53の表示態様については事象に応じて変化させないようにしてもよい。なお、このように構成する場合であっても、予定日前期間中に生じた事象に応じて変化させる対象は、事象が生じたユーザの視聴者端末300のみとなるため、予定日前期間において生じた事象に応じて、他のユーザに対して表示される表示態様とは異なる表示態様となり得る。
【0363】
(生じた事象によりイベント提供中において表示態様を変化させる対象について)
上記実施の形態では、予定日前期間中に生じた事象に応じてイベントコンテンツ提供中における演出のうち演者アバタが手に持つフラスタFS(演者アバタに関連付けられたオブジェクト)の表示態様を変化させる例を示したが、変化させる対象は空間エリアER5内のものであればこれに限るものではない。予定日前期間中に生じた事象に応じて変化させる対象は、例えば、
図37の入室回数7回目で設定される演出内容である「シークレット衣装」で例示したように、演者アバタの衣装オブジェクトなどであってもよい。また、予定日前期間中に生じた事象に応じて変化させる対象は、予定日前期間においてフラスタFSを購入したユーザのユーザ名をイベントコンテンツ終了の際におけるエンディングロールに表示させる場合であって、その際に、例えば、購入額の大きいユーザや購入数の多いユーザから順に表示されるようにしてもよく、購入額や購入数に応じてエンディングロールに表示されるユーザ名のサイズが異なる(購入額の大きい・購入数の多い程、大きなサイズで表示)ようにしてもよい。また、予定日前期間中に生じた事象に応じて変化させる対象は、仮想ライブ会場に大量のフラスタFSを表示するような演出であってもよく、例えば、ジェット風船などのように、予定日前期間においてユーザが購入したすべてのフラスタFS(購入していないユーザについてはデフォルトのフラスタFSとなる)を倍増させて大量に浮遊させるような演出であってもよい。これにより、イベントコンテンツがより一層盛り上がった演出となる。なお、このように構成する場合であっても、予定日前期間中に生じた事象に応じて変化させる対象は、事象が生じたユーザの視聴者端末300のみとなるため、予定日前期間において生じた事象に応じて、他のユーザに対して表示される表示態様とは異なる表示態様となり得る。
【0364】
(所定種類の仮想空間内の画像を予定日前期間において表示させた度合いについて)
上記実施の形態では、イベントコンテンツ関連処理を行うための度合いの一例として、予定日にイベントコンテンツが開催され得る空間エリアER5内へ入室した入室回数を示したが、これに限らず、空間エリアER5内に滞在していた滞在時間や、予定日前期間の日数に対して空間エリアER5内に入室した日数が占める割合、予定日前期間のトータル時間に対して空間エリアER5内に滞在していた滞在時間が占める割合、予定日前期間において仮想空間ERへの入室回数あるいは滞在時間のうち空間エリアER5内への入室回数あるいは滞在時間、さらには空間エリアER5内への入室回数あるいは滞在時間が占める割合、予定日前期間のうち前回入室時から今回入室までに要した時間の長短などであってもよい。
【0365】
(表示させた度合いに応じたイベントコンテンツ関連処理について)
上記実施の形態では、
図37の演出内容に示すように、度合いに応じて空間エリアER5内の表示態様を変化させる処理の対象として、ライブ会場のセットの画像や演者アバタの衣装などの演出内容を例示した。しかし、度合いに応じて空間エリアER5内の表示態様を変化させる処理の対象は、これに限らず、予定日前期間に入室したユーザのユーザ名をイベントコンテンツ終了の際におけるエンディングロールに表示させる場合であって、その際に、例えば、入室回数の多いユーザから順に表示されるようにしてもよく、入室回数に応じてエンディングロールに表示されるユーザ名のサイズが異なる(購入額の大きい・購入数の多い程、大きなサイズで表示)ようにしてもよい。また、仮想ライブ会場に大量のフラスタFSを表示するような演出であってもよく、例えば、ジェット風船などのように、入室回数に応じた数のフラスタFS(購入していたユーザについては購入したフラスタFSとし、購入していないユーザについてはデフォルトのフラスタFSとする)を浮遊させるような演出であってもよい。なお、このうち、演出内容やジェット風船などの表示態様を変化させる場合には、度合いに応じてユーザの視聴者端末300毎に異なることとなり得るため、度合いに応じて他のユーザに対して表示される表示態様とは異なる表示態様となり得る。また、演出内容としては、例えば、入室回数毎に表示態様が異なるルームが対応付けられており入室回数が異なれば設定されるルームの種類が異なるようにしてもよく(表示態様が異なる複数種類の特別ルームのうち入室回数に応じた特別ルームにおいてイベントコンテンツが提供されるなど)、入室回数毎に表示態様が異なる演者アバタの衣装が対応付けられており入室回数が異なれば設定される衣装の種類(表示態様)が異なるようにしてもよい。
【0366】
また、上記実施の形態では、
図37のアイテムに示すように、度合いに応じて空間エリアER5内の表示態様を変化させる処理の対象として、度合いに応じてオブジェクトとしてイベントコンテンツ中に利用可能なアイテムを付与する処理を例示した。しかし、度合いに応じて付与するオブジェクトの対象は、これに限らず、光を発するサイリウムや団扇などを模したオブジェクトや、空間エリアER5内に設置可能なオブジェクトであって、例えば、神社内の花、時計、垣根、玉垣、看板、立て札などを模したオブジェクトなどであってもよい。なお、オブジェクトは、イベントコンテンツ提供中において演者アバタが手に持つことができるオブジェクトであってもよく、ユーザアバタあるいは視聴者アバタが使用できるオブジェクトであってもよく、イベントコンテンツを提供する空間エリア(領域ER53´)内に設置可能なオブジェクトなどであってもよい。
【0367】
(仮想空間内における特定オブジェクトの表示態様遷移について)
上記実施の形態において、
図29~
図32で例示したフラスタ切替処理は、予定日に提供されるイベントコンテンツに関連した期間において行われるものに限らず、予定日に提供されるイベントコンテンツの有無にかかわらず、仮想空間内においてユーザに関連付けられた特定オブジェクトや他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトを配置可能とする場合に適用されるものであってもよい。例えば、ユーザが創作した創作コンテンツ(例えば、アートや二次創作、ゲーム内作品、オリジナルの仮想空間(例えばユーザが作成した建築物が存在)へのリンクなど)や、他のユーザが創作した創作コンテンツなどを共有・展示することができる仮想空間を提供し、当該仮想空間に対して
図29~
図32で例示したフラスタ切替処理を実行することにより、他のユーザが創作した創作コンテンツが切替条件成立により切り替えて表示される(仮想空間内への展示、配置)ようにしてもよい。これにより、事前知識なく様々なユーザの創作コンテンツを視認、体験することができるようになり、仮想空間内においての興趣が向上する。なお、ユーザの視聴者端末300からの操作により展示エリアに配置されるオブジェクトは、ユーザが編集操作(内容編集)をすることができない、予めデザインが決まったオブジェクトが含まれていてもよい。これにより、特定オブジェクトを仮想空間内において設置・表示できる数に限りがある場合であっても、ユーザ自身の特定オブジェクトについてはユーザ自身がいつでも閲覧可能となるため、満足感を高めることができる一方で、他のユーザに関連付けられた特定オブジェクトが万遍なく仮想空間内において表示できるとともに仮想空間の表示態様を変化させて興趣を向上させることができ、多数の特定オブジェクトを適切に反映させることができる。
【0368】
(特定オブジェクトの配置エリアについて)
上記実施の形態では、
図27において、特定オブジェクトの一例であるフラスタFSのサイズに応じて、配置エリアが異なるように定められている例を示した。しかし、フラスタFSは、サイズの他、属性も複数種類定められている。このため、配置エリアとしては、フラスタFSのサイズに替えてあるいは加えて、フラスタFSの属性毎に異なるように定められているものであってもよい。これにより、配置エリア毎の統一感をより一層高めることができる。
【0369】
(視聴者端末に送信するデータの別の形態について)
上記実施の形態においては、
図32のフラスタ切替処理、および、
図36のイベントフラスタ決定処理において、デフォルトのフラスタ情報(
図32のステップS205、
図36(A)のステップS302)と、
図27(C)のユーザ関連情報に基づく、ユーザ毎に関連付いているフラスタFSを特定するための情報(
図32のステップS207、
図36(A)のステップS303)とをユーザへ送信し、展示エリアや、イベントコンテンツの演出に用いられるフラスタの情報を、視聴者端末300において書き換える例について説明した。しかし、これに限らず、配信用サーバコンピュータ100で、デフォルトのフラスタ情報から、
図27(C)に基づいてユーザ毎に更新された情報を、ユーザ毎に送信するようにしてもよい。すなわち、配信用サーバコンピュータ100においては、ユーザのフラスタFSに応じてユーザ毎に異なる情報を生成して送信し、視聴者端末300においては、当該情報に基いて、当該ユーザに応じたフラスタFSを表示させるようにしてもよい。
【0370】
(イベントコンテンツ提供中において使用可能なアイテムについて)
上記実施の形態では、
図37で例示したように、イベントコンテンツ提供中において使用可能なアイテム(オブジェクト)として、クラッカー、花火、サイリウム、スタンプなどを例示した。これらは、使用済みであるか否かにかかわらず、仮想空間ER内において、例えばユーザが建築した家の部屋の中に飾っておくことができてもよい。あるいは、仮想空間ER内に表示されるアイテムボックスに、使用後であっても記念品として表示可能としてもよい。これにより、提供(開催)されるイベントコンテンツに応じた限定アイテムなどを、思い出として残しておくことができ、イベントコンテンツに対するユーザの愛着が増す。
【0371】
(予定日前期間に生じた事象の、イベントコンテンツに対するその他の影響)
上記実施の形態においては、予定日前期間における所定種類の仮想空間内で生じた事象に応じて変化するイベントコンテンツ提供時の仮想空間内の表示態様として、特定オブジェクトの表示態様の変化を説明した。しかし、これに限らず、例えば予定日前期間においてフラスタFSを購入して空間エリアER5内に配置したユーザについては、例えば購入金額や購入数(配置数)に応じて、所定の権利(特典)が付与されるものであってもよい。所定の権利(特典)とは、例えば、提供されるイベントコンテンツの時間延長(例えばアフタートークへの参加権利)できる権利や、イベントコンテンツをユーザが操作可能となる専用仮想カメラからライブを視聴することが可能となる権利であってもよく、特設エリアから参加可能となる権利であってもよい。
【0372】
(予定日の例について)
上記実施の形態におけるイベントコンテンツは、イベントデータに従って予定日の予定時間(予め定められた日時)に配信(提供)される例について説明した。当該予定日とは、例えば、ライブイベントなどが開催される予定の所定の日付全体(例えば、4月5日の0時~23時59分までなど)、あるいは、数日の期間であってもよい(例えば、5月1日9時から5月5日21時など)。また、イベントコンテンツの予定日を数日の期間とし、複数のコンテンツ(例えば、ライブイベント、トークショーなど)が提供される総合イベントコンテンツであった場合(例えば、数日に亘るフェスティバルイベントなど)、当該総合イベントコンテンツ中に提供される複数のコンテンツ各々(個々)の開催予定日毎の予定日前期間において生じた事象に応じて、複数のコンテンツ各々が提供される際の所定種類の仮想空間内の表示態様を変化させるようにしてもよい。
【0373】
(予定日前期間)
上記実施の形態においては、予定日前期間が、イベントコンテンツが提供される予定日の前日までとなる期間を例示した。しかし、予定日前期間は、イベントコンテンツが提供されるまでの期間であればこれに限らず、例えば、予定日より2日前や所定数日前となる期間であってもよく、また、イベントコンテンツが提供される予定日中のタイミングであって予定時間よりも1時間前までや、10分前まで、1分前までの期間などであってもよい。例えば、イベントコンテンツが提供される数時間前までに、所定種類の仮想空間内で生じた事象に応じて、所定種類の仮想空間内の表示態様を変化させてもよい。例えば、空間エリアER5内でライブイベントがスタートする時間(例えば、19時)の2時間前までに、ユーザが購入したフラスタFSを、空間エリアER5内に展示可能とし、当該購入したフラスタFSを
図34で示すイベント中の演出に用いるようにしてもよい。
【0374】
(ポータルPについて)
上記実施の形態においては、イベントコンテンツの予定日の特定期間前となり、解放条件が成立すると、
図24(B)のポータルPを介して、領域ER53´へ遷移可能となる例について説明した。当該ポータルPは、例えば、特定期間前(予定日前期間のうちの前日)になると(解放条件が成立すると)領域ER52の大門オブジェクト53cの前に出現するようにしてもよい。あるいは、特定期間前からあるが、特定期間前にならなければ、別領域へ遷移するポータルPとしては機能しないものであってもよい。また、領域ER53´への遷移後、領域ER52へ戻る場合、例えば
図24(B)の領域ER53´側のポータルPを介してユーザアバタUを領域ER52へ遷移可能とし、第1仮想空間と、第2仮想空間とが相互に行き来可能となるようにしてもよい。
【0375】
本実施例では、予定日の特定期間前(予定日の前日)になると、領域ER53内に滞在していたユーザは、領域ER53の外に出される例(例えば、ユーザアバタUが領域ER53外に強制的に移動制御)について説明した。しかし、一律に特定期間前になれば、領域ER53外に出されてしまうものに限らず、所定状態にあるユーザについては終了条件が成立した後に領域ER53の外に出される(領域ER53以外の仮想空間の画像が表示される)ように制御してもよい。例えば、領域ER53内で展示エリアにおいてフラスタFSを表示中(例えば
図39の画面を表示中)のユーザなどについては、所定状態であるとし、
図39などの画面の表示が終了したときに終了条件が成立したとして、領域ER53の外に移動されるようにしてもよい。
【0376】
(解放条件・特定期間について)
本実施例では、解放条件が、イベントコンテンツが提供される予定日の特定期間前となることにより成立し、当該特定期間としてイベント予定日の前日を例示した。しかし、解放条件が成立する予定日の特定期間前とは、これに限らず、予定日より2日前や所定数日前となる期間であってもよい。また、特定期間とは、日数や時間などに関連する期間であるものに限らず、例えば、空間エリアER5に入室したユーザ数が所定数に到達したタイミング以降の期間や、状況などを考慮して運営により設定されたタイミング以降の期間などであってもよい。
【0377】
(イベントコンテンツ終了後の第2仮想空間について)
上記実施の形態におけるイベントコンテンツは、領域ER53と表示態様が共通する領域ER53´において提供される例について説明した。当該領域ER53´は、イベントコンテンツの終了後あるいは終了から所定時間経過後にユーザアバタUが進入できない状態とするようにしてもよい。例えば、領域ER53´においてライブイベントが開催され、ライブイベント終了後30分経過したときに、まだ領域ER53´内に滞在しているユーザアバタUを、領域ER53´の外に強制的に遷移(移動)させる(例えば暗転演出とともに、領域ER52の大門オブジェクト53cの前に移動)ようにしてもよい。これにより、例えば、領域ER53´が、イベントコンテンツが提供される際の重い負荷に対応したサーバによって管理されていた場合に、当該サーバが必要以上に使用されてしまうことを抑制しコスト削減となり得る。また、イベントコンテンツの提供終了後、所定時間が経過するまで待ってから(例えば、30分や1時間が経過するまでなど)、ユーザアバタUを移動させることで、ユーザにイベントの余韻を感じてもらう時間を設けることができる。
【0378】
なお、イベントコンテンツが提供される予定日の特定期間前から進入できなくなっていた領域ER53については、イベントコンテンツの提供終了後において再度進入可能となる。例えば、領域ER53´へ進入できない状態となったとき(例えばライブイベント終了後から30分後など)に、領域ER53´へ遷移するポータルPが消失し領域ER53´への移動が不可能になるとともに、特定期間前となる以前の仮想空間(領域ER51、領域ER52、領域ER53)がシームレスに移動可能な状態(領域ER53に通じる大門オブジェクト53cの門が開いた状態)に戻るものとしてもよい。また、イベントコンテンツ終了から所定時間が経過する前であっても、一度領域ER53´から出たユーザについては、領域ER52にポータルPが表示されないものとし、例えば、領域ER53に通じる大門オブジェクト53cの門が開いた状態となるようにしてもよい。
【0379】
(イベントコンテンツ終了後のイベント会場)
上記実施の形態において、領域ER53には、領域ER53´に構築される
図13や
図34の仮想ライブ会場と同じ態様のステージ等(仮想ステージG、G2など)が表示され、予定日の特定期間前において、仮想ライブ会場が徐々に構築されていく様子が反映される例について説明した。これらに、加えて、あるいは替えて、イベントコンテンツ終了後において、領域ER53の仮想ライブ会場に、イベントコンテンツが提供された完成状態のステージの態様が表示されるようにしてもよい。例えば、イベントコンテンツが提供される前は未完成の態様であったが、イベントコンテンツ終了後は、
図34などのライブイベントが開催されたときの会場のオブジェクトがそのまま表示されるようにしてもよい。これにより、ユーザは、イベントコンテンツ終了後においても、イベントコンテンツの余韻を感じることができる。なお、領域ER53においては予定日前期間において仮想ライブ会場のオブジェクトは表示されず、特定期間前からイベント開催時間までの間に、領域ER53´において徐々に会場オブジェクトが増えていく表示をするデータを、所定時間毎にユーザに配信するようにしてもよい(つまり、領域ER53内においては会場オブジェクトが配置(表示)されず、領域ER53´内においてのみ会場オブジェクトが配置(表示)される)。
【0380】
(展示エリア内での特定オブジェクト別の切替例)
上記実施の形態において、
図29(D)、
図30(D)で例示したように、切替条件成立時に抽選で決定されて記憶されている展示エリアAのデフォルトとなるフラスタFSに、偶然、ユーザ1が購入したフラスタFS1が、展示エリアAの位置A6に含まれていた際に、ユーザ1の表示装置310においては、
図29(D)に示すように、
図27(C)のユーザ関連情報を優先して、位置A1に継続してフラスタFS1が表示され、位置A6のフラスタFSは、デフォルトで位置A1として決定されていたフラスタFSに切り替えられる例について説明した。しかし、これに限らず、デフォルトのフラスタFSにユーザ1が購入したフラスタFS1が含まれている場合にはデフォルトで決定されているフラスタFSを表示(つまり、ユーザ1が購入したフラスタFS1をデフォルトで決定されている位置A6において表示)するようにしてもよい。また、位置A1に継続してフラスタFS1を表示しつつも、デフォルトで決定されていた位置A6にもフラスタFS1が表示されるようにしてもよい。これにより、ユーザ自身が購入したフラスタFSが複数表示されるようになり、ユーザの満足感を向上させることができる。
【0381】
また、
図32のステップS203では、抽選対象となるすべてのフラスタFSのうちからランダム抽選して展示エリア毎のデフォルトのフラスタFSを決定し、当該抽選対象には切替前にデフォルトのフラスタFSとして決定されており展示されているフラスタFSをも含むため、
図29(C)などに示すように切替前にも含まれていた文字GのフラスタFSと同じフラスタFSが切替後も偶然に含まれ得る例について説明した。しかし、このように偶然切替前と後とで同じフラスタFSが抽選された場合には、切替前後で同じフラスタFSが展示されないように、さらに該当するフラスタFSのみ再抽選を行い、
図31(A)や(B)のオブジェクトデータ122のデフォルトのフラスタ情報のテーブルを更新するようにしてもよい。また、抽選対象から切替前にデフォルトのフラスタFSとして決定されており展示されているフラスタFSを除いて、切替後は全て切替前と異なるフラスタFSに切り替わるようにしてもよい。
【0382】
上記実施の形態においては、
図28のステップS101でフラスタFSの購入時に予定日前の購入可能期間であるか否かが判定され、
図32のステップS201ではフラスタFSの予定日前の表示可能期間であるか否かが判定される例を説明した。これらの購入可能期間と、表示可能期間とは一致していてもよく、一致していない期間であってもよい。例えば、購入可能期間として予定日から7日前~4日前までの日を定め、購入可能期間において購入したフラスタFSを予定日の3日前~前日までを表示可能期間としてもよい。
【0383】
〔ソフトウェアによる実現例〕
前述した実施の形態におけるサーバ、端末などのコンピュータが備える制御部の各種の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。CPUを用いてソフトウェアによって実現している場合、制御部を備えたコンピュータは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0384】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0385】
1 演者アバター
100 配信用サーバコンピュータ
150 管理者端末
200 演者端末
300 視聴者端末
【要約】
【課題】ユーザからのオブジェクトを仮想空間内において適切に反映させることができるプログラム、方法、およびシステムを提供する。
【解決手段】ユーザに対し仮想空間を提供するためのコンピュータにおいて、仮想空間内の画像であってユーザからの操作に応じた画像を表示させ、ユーザに関連付けられている特定オブジェクトを前記仮想空間内の所定エリアに配置させ、他のユーザに関連付けられている特定オブジェクトであって仮想空間内に配置されている特定オブジェクトについては切替条件の成立に応じて他の特定オブジェクトに切り替える一方で、ユーザ自身に関連付けられている特定オブジェクトについては切替条件が成立しても配置されたエリア内において継続するように表示させ得る。
【選択図】
図29