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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】遮音構造体
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/82 20060101AFI20240906BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20240906BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
E04B1/82 J
E04B2/74 561J
E04H1/12 302Z
E04B2/74 551E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023168805
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2024-02-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】福谷 優作
(72)【発明者】
【氏名】狩野 誠也
(72)【発明者】
【氏名】吉富 佑樹
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-037671(JP,A)
【文献】国際公開第2020/158220(WO,A1)
【文献】特開2023-078019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/12
E04B 1/82-1/86
E04B 2/74
G10K 11/16
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放されたブースの上に、前記ブースの開放部分を覆うように載置される遮音構造体であって、
前記ブースの上部に載置される複数の第1部材と、
吸音性を有し、前記第1部材と交差する姿勢にて配置される複数の第2部材と、を備え、
前記第2部材は、下部に形成された溝部へ前記第1部材の上部が入り込んだ状態、かつ、前記第1部材が延びる方向にスライド移動が可能な状態で配置され
前記第1部材は、前記第2部材が入り込むための溝を有さず、かつ、前記ブースの上面に接触している遮音構造体。
【請求項2】
前記第1部材は、前記ブースの上面と接触する接触部位よりも下方へ突出する第1突出部位を備える請求項1に記載の遮音構造体。
【請求項3】
前記第2部材は、前記第1部材における前記ブースの上面と接触する接触部位よりも下方へ突出する第2突出部位を備える請求項1に記載の遮音構造体。
【請求項4】
前記第1部材は、前記ブースの上面と接触する接触部位よりも下方へ突出する第1突出部位を備え、
前記第2部材は、前記接触部位よりも下方へ突出する第2突出部位を備え、
前記接触部位の下端と前記第1突出部位の下端との距離と、前記接触部位の下端と前記第2突出部位の下端との距離と、がほぼ同じである請求項1に記載の遮音構造体。
【請求項5】
前記第2部材の上部が、中央が両端部よりも高い傾斜状に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の遮音構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部が開放されたブースの上に載置される遮音構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遮音構造体として、例えば、特許文献1に記載されているように、ブース(特許文献1では「ブース装置」)の上部に備えられ、複数の板状部材の吸音材で構成されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-037671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遮音構造体は、例えば、ブースの設置の場所の天井の開口面積等により、適切な吸音材の間隔や配置位置が異なる。しかし、この遮音構造体では、ブースに設置した後に、吸音材の間隔や配置位置の調整をすることができないという不都合が生じていた。
【0005】
本発明の目的は、ブースの設置した後でも吸音材の間隔や配置位置を調整することを可能とし、遮音構造体の吸音効果を向上することを可能とする遮音構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遮音構造体は、上部が開放されたブースの上に、前記ブースの開放部分を覆うように載置される遮音構造体であって、前記ブースの上部に載置される複数の第1部材と、吸音性を有し、前記第1部材と交差する姿勢にて配置される複数の第2部材と、を備え、前記第2部材は、下部に形成された溝部へ前記第1部材の上部が入り込んだ状態、かつ、前記第1部材が延びる方向にスライド移動が可能な状態で配置され、前記第1部材は、前記第2部材が入り込むための溝を有さず、かつ、前記ブースの上面に接触している
【0007】
この発明によれば、第2部材は、第1部材の延びる方向にスライド移動可能に構成されていることにより、遮音構造体を設置した後においても、第2部材同士の間隔や第2部材の配置位置の変更が可能となる。例えば、ブースに遮音構造体を設置した後に、騒音計測器を用いて騒音を計測しながら、第2部材をスライドさせることで、適切な第2部材同士の間隔や第2部材の配置位置を、容易に確認及び変更することができる。
【0008】
また、遮音構造体は、ブースの上に載置される構成であるため、ブースからの遮音構造体の取り外しを、容易に行うことができる。その結果、遮音構造体を取り外して、第2部材同士の間隔や第2部材の配置位置の変更を容易に行うことができる。
【0009】
本発明においては、前記第1部材は、前記ブースの上面と接触する接触部位よりも下方へ突出する第1突出部位を備えると好適である。
【0010】
この構成によれば、ブースの上面の高さ位置から上方だけでなく、ブースの上面の高さ位置から下方の位置にも、吸音性を有する第1部材の一部が位置する構成となる。その結果、より効果的に吸音効果を向上させることが可能となる。また、第1突出部位が側面パネルの側面に接触可能なため、遮音構造体の落下が抑制される。
【0011】
本発明においては、前記第2部材は、前記第1部材における前記ブースの上面と接触する接触部位よりも下方へ突出する第2突出部位を備えると好適である。
【0012】
この構成によれば、ブースの上面の高さ位置から上方だけでなく、ブースの上面の高さ位置から下方の位置にも、吸音性を有する第2部材の一部が位置する構成となる。その結果、より効果的に吸音効果を向上させることが可能となる。また、第2部材をスライドさせてブースの上部に接触させれば、ブースに対する遮音構造体の簡易的な位置決めが可能となる。
【0013】
本発明においては、前記第1部材は、前記ブースの上面と接触する接触部位よりも下方へ突出する第1突出部位を備え、前記第2部材は、前記接触部位よりも下方へ突出する第2突出部位を備え、前記接触部位の下端と前記第1突出部位の下端との距離と、前記接触部位の下端と前記第2突出部位の下端との距離と、がほぼ同じであると好適である。
【0014】
この構成によれば、ブースの上面の高さ位置から上方だけでなく、ブースの上面の高さ位置から下方の位置にも、吸音性を有する第1部材及び第2部材の一部が位置する構成となるとともに、第1突出部位の下端と第2突出部位の下端との高さ位置がほぼ同じとなる。その結果、より効果的に吸音効果を向上させることが可能となるとともに、ブース内から見た、遮音構造体の意匠性を向上させることが可能となる。
【0015】
本発明においては、前記第2部材の上部が、中央が両端部よりも高い傾斜状に形成されていると好適である。
【0016】
この構成によれば、ブースの手前に位置する入り口箇所において、遮音構造体の高さを抑えることで、圧迫感を抑えつつ、ブースの天井の中央部分において、遮音構造体の高さを高くすることで、効率的に吸音効果を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ブース及び遮音構造体の全体構成を示す斜視図である。
図2】第1部材の構成を示す図である。
図3】第2部材の構成を示す図である。
図4】遮音構造体の構成を示す左右方向視図である。
図5】遮音構造体の構成を示す前後方向視図である。
図6】遮音構造体の構成を示す上下方向視(平面視)図である。
図7】遮音構造体の組み立て方法を示す斜視図である。
図8】ブース及び遮音構造体の全体構成を示す前後方向視(正面視)図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とし、図中の矢印Fの方向を「前」及び「奥」、図中の矢印Bの方向を「後」及び「手前」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0019】
〔ブースの構成について〕
図1に示すように、本実施形態では、ブース1は、対向配置される一対の側面パネル2と、側面パネル2の背面側端部間に接続される奥側パネル3とを備え、自立可能に構成されている。ブース1の上部は、開放されており、ブース1は、天井を備えない構成となっている。
【0020】
側面パネル2及び奥側パネル3は、それぞれ、矩形の板状部材で構成されている。側面パネル2は、側面パネル2の上端に位置する上面2aを備える。また、奥側パネル3は、側面パネル2と同様に、奥側パネル3の上端に位置する上面3aを備える。
【0021】
側面パネル2の上面2aと奥側パネル3の上面3aとは、高さ位置が同じになるように構成されており、ブース1が設置されている部屋の天井と接しない高さになるように構成されている。
【0022】
〔遮音構造体の構成について〕
図1に示すように、上部が開放されたブース1の上に、ブース1の開放部分を覆うように、ブース1の上部に遮音構造体10が載置されている。遮音構造体10は、吸音性を有する板状部材からなる複数の第1部材11と、同様に吸音性を有する板状部材からなる複数の第2部材12とを備える。第1部材11及び第2部材12は、例えば、フェルト、ウレタン、グラスウール、ロックウールなどであるが、木製部材や樹脂製部材にフェルト等の吸音材が貼り付けて構成されたものでもよい。本実施形態では、第1部材11の材質・厚さと第2部材12の材質・厚さは同じであるが、異なってもよい。ここで、第1部材11及び第2部材12は、吸音性を有し且つ打ち抜き加工可能な素材からなり、複数枚重ねた状態で打ち抜き型を用いたプレス加工が可能に構成されていると、複数枚の部材を安価に製造できることから好ましいが、これに限定されるものではない。
【0023】
第1部材11は、一方の端部が一方の側面パネル2の上面2aに載置され、他方の端部が他方の側面パネル2の上面2aに載置される。つまり、第2部材12は、第1部材11と交差する姿勢にて配置される。なお、本実施形態では、側面パネル2の上端に位置する上面2aに、第1部材11が載置されるが、側面パネル2の上部に段差が形成されている等、高さの異なる複数の上面を有する場合は、必ずしも上端に位置する上面に載置される必要はない。
【0024】
図2に第1部材11の厚み方向視で示すように、第1部材11は、両側部の下側部分に切欠部21を有する矩形形状に形成されている。下辺11aは、ブース1において対向配置されている2つの側面パネル2間の距離とほぼ同じ長さになるように形成されている。切欠部21から上方に延びる側辺11bは、側面パネル2の上方及び外側に位置するように構成されている。本実施形態では、上辺11cは、直線状に形成されている。なお、下辺11a及び側辺11bも直線状に形成されている。
【0025】
切欠部21は、第1部材11の延びる方向に延びる横辺21aと、第1部材11の幅方向に延びる縦辺21bと、を有する形状に形成されている。縦辺21bは、下辺11aの両端から上方に延び、横辺21aは、下辺11aの上端から第1部材11の延びる方向に延びる。側辺11bの端部から、側辺11bが上方へ延びる。
【0026】
図3に第2部材12の厚み方向視で示すように、第2部材12は、下辺12a、下辺12aの両端から上方へ延びる側辺12b、及び、両側辺12bの上端間に延びる上辺12cを備える。下辺12a及び側辺12bは、直線状に形成されている。上辺12cは、上方へ湾曲するアーチ形状に形成されている。つまり、第2部材12の上部が、中央が両端部よりも高い傾斜状に形成されている。
【0027】
第2部材12の下部には、下辺12aから上方へ延びる複数の溝部22が形成されている。溝部22の幅は、第1部材11の厚み以上となるように構成されている。溝部22の深さは、第1部材11の下辺11aと上辺11cとの距離とほぼ同じに構成されている。
【0028】
図4及び図5に示すように、並列に配置された複数の第1部材11に、複数の第2部材12が交差する姿勢で並列に配置される。図6に示すように、本実施形態では、第1部材11と第2部材12とは、直角に交差するように配置される。この構成により、遮音構造体10は、第1部材11と第2部材12とにより格子状に構成されている。
【0029】
第2部材12は、溝部22へ第1部材11の上部が入り込んだ状態で配置される。上述の通り、第1部材11の上辺11cは、直線状に形成されており、溝等が形成されていない構成となっている。そのため、第1部材11に第2部材12を組み合わせた後でも、第2部材12は、第1部材11が延びる方向にスライド移動な可能な状態で配置されている構成となる。
【0030】
〔第1突出部位と第2突出部位について〕
側面パネル2の上に遮音構造体10を載置するとき、第1部材11の両端の切欠部21の横辺21aが2つの側面パネル2の上面2aに接触するように載置する。これにより、第1部材11の一方の端部が一方の側面パネル2の上に載置され他方の端部が他方の側面パネル2の上に載置される。
【0031】
このとき、図4に示すように、第1部材11のうちの両端の切欠部21の縦辺21bの間の箇所は、側面パネル2の上面2aと接触する接触部位である横辺21a(以下、単に「接触部位」と称する。)よりも下方へ突出する。以下、第1部材11のうちの側面パネル2(ブース1)の上面2aと接触する接触部位よりも下方へ突出する箇所を、「第1突出部位23」と称する。
【0032】
また、図5に示すように、第2部材12の下側部分は、第2部材12のうちの切欠部21の横辺21aの高さ位置、つまり、接触部位よりも下方へ突出する。以下、第2部材12のうちの接触部位よりも下方へ突出する箇所を、「第2突出部位24」と称する。
【0033】
図4及び図5に示すように、第1突出部位23の下端と第2突出部位24の下端とは、ほぼ同じ高さ位置に位置するように構成されており、接触部位と第1突出部位23の下端との距離は、接触部位と第2突出部位24との距離と、がほぼ同じ距離となるように構成されている。
【0034】
〔遮音構造体の組み立てについて〕
図7に示すように、遮音構造体10を組み立てるとき、並列配置された複数の第1部材11に、第2部材12を、溝部22へ第1部材11の上部が入り込んだ状態となるように組み合わせる。
【0035】
本実施形態では、複数の第2部材12のうちの両端に位置する第2部材12は、第1部材11の延びる方向において、第2部材12の外側面の位置と第1部材11の切欠部21の縦辺21aの位置とがほぼ同じになるように組み合わせる。この構成により、側面パネル2の上端に遮音構造体10を載置したとき、複数の第2部材12のうちの両端に位置する第2部材12は、下側部分が側面パネル2に接するように構成される。
【0036】
なお、上述では、遮音構造体10を組み立てた後に、側面パネル2の上端に遮音構造体10を載置する場合を説明したが、複数の第1部材11を側面パネル2の上端に並列に載置した後に、第2部材12を組み合わせるように組み立ててもよい。
【0037】
図8に示すように、側面パネル2の上端に載置された遮音構造体10により、ブース1の内部から生ずる音及びブース1の外部から生ずる音は、遮音構造体10に吸音され、ブース1の内部からブース1外へ漏れる音を軽減し、ブース1の外部からブース1内へ入ってくる音を軽減することが可能となる。
【0038】
また、第1部材11に、第2部材12が挿入される溝を形成すると、溝の底と下辺11aとの距離が短くなる構成となり、運搬時、組み立て時、及び第2部材12を外す時に破損し易い。また、第2部材12の設置位置、設置する数や設置する角度の自由度が失われる。本発明では、第1部材11に、第2部材12が挿入される溝を形成しないことによって、このような不都合を回避することが可能となる。ここで、第1部材11及び第2部材12は、吸音性を有し且つ打ち抜き加工可能な素材からなり、複数枚重ねた状態で打ち抜き型を用いたプレス加工が可能に構成されていると、複数枚の部材を安価に製造できることから好ましいが、これに限定されるものではない。なお、吸音性を有し且つ打ち型を用いたプレス加工が可能な素材としては、硬質フェルト、ウレタン発泡体等が考えられる。これらは、それほど強度が強い素材ではないが、第1部材11の上部に溝を形成しないことで、より強度に優れた遮音構造体10を安価に提供することが可能となる。
【0039】
〔別実施形態〕
以下、上記実施形態に変更を加えた別実施形態を例示する。
【0040】
(1)上記実施形態では、第1部材11と第2部材12とは、直角に交差する構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、第1部材11と第2部材12とは、直角以外の角度で交差するように構成されていてもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、第1部材11は、一方の端部が一方の側面パネル2の上面2aに載置され、他方の端部が他方の側面パネル2の上面2aに載置される構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、ブース1が手前側部に上枠を有する扉を備える構成である場合、第1部材11は、一方の端部が扉の上枠の上面に載置され、他方の端部が奥側パネル3の上面3aに載置されるように構成されていてもよく、また、ブース1が、上部にブース1の壁を構成するパネル同士を跨ぐように設けられた桟材が備えられている場合、第1部材11は、一方の端部が桟材に載置され、他方の端部が側面パネル2、奥側パネル3、又は別の桟材に載置される構成としてもよい。
【0042】
(3)上記実施形態では、図1に示されるように、遮音構造体10は6つの第1部材11と7つの第2部材12とを備える。第1部材11及び第2部材12の数は、これに限られない。第1部材11の数は2以上であればよく、3以上であれば好ましい。第2部材12の数は2以上であればよく、3以上であれば好ましい。
【0043】
(4)上記実施形態では、第1部材11と第2部材12とは、板状部材で構成されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、第1部材11と第2部材12とのいずれか一方又は両方が、棒状部材で構成されていてもよい。
【0044】
(5)上記実施形態では、第1部材11に切欠部21が形成されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、第1部材11に切欠部21が形成されていない構成、つまり、第1部材11及び第2部材12は、第1突出部位23及び第2突出部位24を備えない構成としてもよい。
【0045】
(6)上記実施形態では、第1突出部位23の下端と第2突出部位24の下端とは、ほぼ同じ高さ位置に位置するように構成されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、上記実施形態では、第1突出部位23の下端と第2突出部位24の下端とは、異なる高さ位置となるように構成されていてもよい。例えば、第2突出部位24の下端の高さ位置と第1部材11の切欠部21の縦辺21aの高さ位置とがほぼ同じになるように構成することで、第1部材11は、側面パネル2の上に載置され、かつ、第2部材12は、奥側パネル3の上に載置される構成としてもよい。
【0046】
(7)上記実施形態では、第2部材12の上部が、上方へ湾曲するアーチ状に形成されている構成を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、第2部材12の上部(上辺11c)が、直線的な形状により中央が両端部よりも高い傾斜状に形成されていてもよい。なお、第2部材12の上部(上辺11c)は、水平に延びる直線状に形成されていてもよい。
【0047】
尚、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、上部が開放されたブースの上に載置される遮音構造体に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 :ブース
10 :遮音構造体
11 :第1部材
12 :第2部材
22 :溝部
23 :第1突出部位
24 :第2突出部位
【要約】
【課題】ブースの設置した後でも吸音材の間隔や配置位置を調整することを可能とし、遮音構造体の吸音効果を向上することを可能とする遮音構造体を提供する。
【解決手段】上部が開放されたブース1の上に、ブース1の開放部分を覆うように載置される遮音構造体10であって、ブース1の上部に載置される複数の第1部材11と、吸音性を有し、第1部材と交差する姿勢にて配置される複数の第2部材12と、を備え、第2部材12は、下部に形成された溝部へ第1部材11の上部が入り込んだ状態、かつ、第1部材11が延びる方向にスライド移動が可能な状態で配置される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8