(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240906BHJP
H01L 21/67 20060101ALI20240906BHJP
H01L 21/50 20060101ALI20240906BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/68 E
H01L21/50 F
H01L21/52 F
(21)【出願番号】P 2023179068
(22)【出願日】2023-10-17
(62)【分割の表示】P 2018236108の分割
【原出願日】2018-12-18
【審査請求日】2023-10-30
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517438583
【氏名又は名称】ネクスペリア ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ハイバーズ
(72)【発明者】
【氏名】ハンス ファン デ レイド
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/063835(WO,A1)
【文献】特開2017-108056(JP,A)
【文献】国際公開第2014/087491(WO,A1)
【文献】特表2005-517289(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/67
H01L 21/50
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスをウェハーから目標位置へ搬送する装置であって、
それぞれが回転軸を中心に回転可能な搬送ヘッドを有する複数の回転可能搬送アセンブリと、
前記複数の回転可能搬送アセンブリの少なくとも一つを、前記搬送ヘッドの回転面に対して回転軸方向に移動させるように構成された搬送アセンブリアクチュエータとを含み、
前記複数の回転可能搬送アセンブリは、第1の回転可能搬送アセンブリと第2の回転可能搬送アセンブリとを含み、
前記第1の回転可能搬送アセンブリは、
第1の平面に位置するウェハーから半導体デバイスをピックアップするために、前記回転軸を中心に搬送ヘッドをピックアップ位置まで回転させ、その回転軸中心に搬送ヘッドを、搬送位置まで回転させるように構成され、
前記搬送位置は、半導体デバイスが第1の回転可能搬送アセンブリから第2の回転可能搬送アセンブリに搬送されるために配置される位置を含み、
少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリは、前記搬送位置での半導体デバイスの搬送と同時に前記回転軸方向に移動可能であり、
第2の回転可能搬送アセンブリが、搬送ヘッドを搬送位置まで回転させ、半導体デバイスを第1の回転可能搬送アセンブリの搬送ヘッドから受け取り、第2の回転可能搬送アセンブリの搬送ヘッドを第1の平面と交差する第2の平面に位置する目標位置まで回転させるように構成されている、
装置。
【請求項2】
前記搬送位置は、前記目標位置を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記目標位置は、キャリア構造への載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記目標位置は、キャリアテープへの載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記目標位置は、リードフレームへの載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ウェハーから目標位置へ半導体デバイスを搬送するシステムであって、
請求項1に記載の装置と、
ピックアップ位置および搬送位置に対する搬送ヘッドの位置を特定し、特定された位置を搬送ヘッドの目標位置と比較するように構成された配置監視装置と、
を備えるシステム。
【請求項7】
請求項
6に記載のシステムであって、
前記搬送ヘッドがピックアップ装置を含み
ピックアップ位置と移送位置のためのピックアップ装置の目標位置に対するピックアップ装置の決定された位置の間の差の識別に応答し、
前記配置監視装置は、軸方向及び/又は搬送ヘッドの回転面におけるピックアップ装置の位置を調整するように、前記複数の回転可能搬送アセンブリの少なくとも一つを回転させるように構成されたアクチュエータの動作を制御するコントローラと、搬送アセンブリのアクチュエータの動作を制御するためのコントローラのうちの少なくとも一つに信号を伝達するように構成された、
システム。
【請求項8】
前記装置の前記第1の回転可能搬送アセンブリがウェハーから半導体デバイスをピックアップすべくウェハーを保持するように構成されているウェハー保持装置を備えている、請求項
7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスをウェハーから目標位置へと搬送する装置及びシステムに関し、特に、本発明は、限定はされないが、半導体デバイスをウェハーから、例えば、キャリアテープやリードフレームなどのキャリア構造に位置し得る目標位置へと搬送する装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、従来、ウェハーとも称される円形の平面基板上及びその中において、必須条件ではないが通常同一かつ同寸法の回路の行列を複数有するマトリックス状に製造される。ウェハーの製造後、ウェハー表面は、柔軟性を有するキャリアフィルムに接着される。そして、各回路は、そのキャリアフィルムを切断せずに、ウェハーをその一方の面から他方の面まで切断することにより、互いに物理的に分離される。これにより、キャリアフィルム上に配置された複数の個々の半導体デバイス又は回路(以下、「チップ」又は「ダイ」ともいう)が得られる。
【0003】
典型的なチップ搬送装置では、チップ搬送部及びチップ反転部によって、半導体ウェハーから半導体チップをピックアップし、その半導体チップの方向を反転させ、目標位置、例えば、キャリア構造上に半導体チップを載置する。例えば、チップ搬送部によりウェハーから集積回路(IC)ダイをピックアップし、通常、チップ搬送部と目標位置との間に載置されているチップ反転部へとそのICダイを搬送することができる。そして、チップ反転部によりそのICダイの方向を反転させ、反転したICダイを目標位置に載置することができる。例えば、ウェハーは、通常、そのアクティブ側(凹凸側、上側又は前面側ともいう)がチップ搬送部及びチップ反転部に向くように配置される。チップ搬送部によって凹凸側にあるICダイをピックアップし、チップ反転部によってその凹凸側が下になるようにICダイを反転させ、凹凸側を下に向けてその反転したICダイを目標位置に載置する。
【0004】
各チップは、チップ搬送部のチップピックアップ位置にある搬送ヘッドと相互作用するニードル機構によって機械的にピックアップされたり、キャリアフィルムから取り外されたりする。各チップのピックアップ処理が行われる前に、ウェハーを移動させることによりチップをチップピックアップ位置まで持っていく。チップは、ピックアップ後、搬送ヘッドによってリードフレームへと搬送され、そこでチップ接着位置にある搬送ヘッドから外されて、リードフレームに固着(接着)される。次に、ワイヤボンディング処理において、各チップの接触パッドとリードフレームの接触ピンとを電気的に接続する。チップを搬送する他の処理では、ピックアップ後のチップを搬送ヘッドによってキャリアテープまで、又は(チップを反転させる場合)チップ反転部まで搬送する。
【0005】
チップ搬送装置のチップ搬送部は、一般に、多数の搬送ヘッドが配置された回転ヘッドを備えている。各搬送ヘッドは、真空によりチップをピックアップするように構成されたコレットや真空ピペットを備えている。これにより、回転ヘッドの搬送ヘッドは、その回転ヘッドの他の搬送ヘッドがチップを目標位置、例えば、キャリア構造上に配置している間に、ウェハーからチップをピックアップすることができる。搬送処理では、チップの引き渡しが二度にわたって、すなわち、ウェハーから搬送ヘッドへのピックアップ時と、搬送ヘッドから目標位置、例えば、リードフレームやキャリアテープなどのキャリア構造への載置時とに行われることが理解されよう。
【0006】
いわゆる「フリップチップ」配置では、第2のチップ搬送部(すなわち、チップ反転部)が設けられる。これにより、チップ搬送部の搬送ヘッドは、ウェハーからチップをピックアップすることができる。チップを運んでいる搬送ヘッドがピックアップ位置からハンドオーバ位置へ移動するように回転ヘッドを回転させることによって、このチップはハンドオーバ位置、すなわち、チップ反転部の搬送ヘッドへとチップの引き渡しが行われる位置まで搬送される。このハンドオーバ位置にて、チップがチップ反転部の搬送ヘッドへと引き渡される。その後、チップ反転部は、このチップを他の位置へ移動させる、例えば、目標位置に配置させるように動作してもよい。フリップチップ搬送処理では、さらなる引き渡し、すなわち、第1のチップ搬送部からチップ反転部への引き渡しが必要となることが理解されよう。そのため、ウェハーから搬送ヘッドへのピックアップ、チップ搬送部の搬送ヘッドからチップ反転部の搬送ヘッドへの引き渡し、そして、チップ反転部の搬送ヘッドから目標位置への載置の三度にわたって引き渡しが行われる。
【0007】
このような位置の全てにおいて、すなわち、フリップチップ処理と非フリップチップ(通常)処理の両方において、非常に小さなチップの引き渡しを可能にするには、コレットの位置と目標のピックアップ位置又は載置位置とを非常に高精度に合わせる必要がある。搬送装置の(例えば、搬送ヘッドの)各部の公差は比較的大きいため、このような配置調整を行うには、すべてのコレットそれぞれに特定の位置補正を行う必要がある。接線方向では、これは、回転ヘッドを回転させることにより行うことができる。径方向では、コレットの位置をアクチュエータによって調整できる。すなわち、コレットの配置は、2つの方向において(すなわち、搬送ヘッド/コレットが回転する平面において)補正することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のようにコレットの配置の補正が行われればよく、特定の動作条件においてもそれで十分ではあるが、本発明者らが認識したところでは、このように補正が行われると、位置精度の低下(チップサイズの制限)を引き起こす場合がある。さらに、そのような補正処理は、人間の技術者によって行わなければならない場合があり、搬送ヘッドの配置(又は交換)時にダウンタイムが生じてしまうこともある。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、ウェハーから目標位置へ半導体デバイスを搬送する装置であって、半導体デバイスをピックアップ位置から搬送位置へと搬送する少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリであって、前記回転可能搬送アセンブリの回転軸の周りを回転可能な搬送ヘッドを有している、少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリと、前記搬送ヘッドの回転面に対して軸方向に前記少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリを移動させるように構成された搬送アセンブリアクチュエータとを備えた装置を提供する。
【0011】
前記装置によれば、回転方向及び径方向だけでなく、軸方向においても回転可能搬送アセンブリの搬送ヘッドを調整することができる。これにより、前記装置は3つの自由度を有し、すべてのサイクルで(そして場合によっては人間のオペレータが調整を行う必要なく)迅速かつ正確に配置調整を行うことが可能となる。よって、チップ用の比較的高速なチップ搬送装置又はフリップチップ搬送装置を提供することができる。
【0012】
必要に応じて、前記搬送アセンブリアクチュエータは、前記少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリのそれぞれに対する搬送アセンブリアクチュエータを含んでいてもよく、前記搬送アセンブリアクチュエータのそれぞれは、各回転可能搬送アセンブリの回転軸の軸方向に各回転可能搬送アセンブリを移動させるように構成されている。
【0013】
必要に応じて、前記少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリは、第1の回転可能搬送アセンブリを含んでいてもよく、この第1の回転可能搬送アセンブリは、その搬送ヘッドを前記ピックアップ位置まで回転させ、その搬送ヘッドを前記搬送位置まで回転させるように構成されている。
【0014】
必要に応じて、前記搬送位置は、前記目標位置を含んでいてもよい。さらに、必要に応じて、前記目標位置は、キャリア構造への載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含んでいてもよい。さらにまた、必要に応じて、前記目標位置は、キャリアテープへの載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含んでいてもよい。さらにまた、必要に応じて、前記目標位置は、リードフレームへの載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含んでいてもよい。
【0015】
必要に応じて、前記少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリは、第1の回転可能搬送アセンブリと、第2の回転可能搬送アセンブリとを含んでいてもよく、前記第1及び第2の回転可能搬送アセンブリのそれぞれは搬送ヘッドを有し、前記第1の回転可能搬送アセンブリは、その前記搬送ヘッドを前記ピックアップ位置まで回転させて前記ウェハーから前記半導体デバイスをピックアップし、その前記搬送ヘッドを前記搬送位置まで回転させるように構成されている。
【0016】
必要に応じて、前記搬送位置は、前記第1の回転可能搬送アセンブリから前記第2の回転可能搬送アセンブリへの搬送のために前記半導体デバイスを配置する位置を含んでいてもよい。
【0017】
必要に応じて、前記第2の回転可能搬送アセンブリは、その前記搬送ヘッドを前記搬送位置まで回転させ、前記第1の回転可能搬送アセンブリの前記搬送ヘッドから前記半導体デバイスを受け取り、前記第2の回転可能搬送アセンブリの前記搬送ヘッドを前記目標位置まで回転させるように構成されていてもよい。さらに、必要に応じて、前記目標位置は、キャリア構造への載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含んでいてもよい。さらにまた、必要に応じて、前記目標位置は、キャリアテープへの載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含んでいてもよい。さらにまた、必要に応じて、前記目標位置は、リードフレームへの載置のために前記半導体デバイスを配置する位置を含んでいてもよい。
【0018】
必要に応じて、前記搬送アセンブリアクチュエータは、モータを含んでいてもよい。さらに、そのモータは、必要に応じて、単極モータを含んでいてもよい。
【0019】
必要に応じて、前記少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリは、前記搬送位置において前記半導体デバイスの搬送と同時に、前記軸方向に移動可能であってもよい。
【0020】
本発明の別の態様によれば、ウェハーから目標位置へ半導体デバイスを搬送するシステムであって、前記及び/又は以下に記載の前記装置と、前記ピックアップ位置及び搬送位置に対して前記又は各搬送ヘッドの位置を特定し、特定されたピックアップ装置の位置と前記又は各搬送ヘッドの目標位置とを比較するように構成された配置監視装置とを備えたシステムを提供する。
【0021】
必要に応じて、前記ピックアップ位置及び搬送位置の少なくとも一つについて、前記特定されたピックアップ装置の位置と、前記ピックアップ装置の前記目標位置とに違いがあると判定された場合、前記配置監視装置は、前記少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリを回転させるように構成されたアクチュエータの動作を制御するコントローラと、前記搬送アセンブリアクチュエータの動作を制御して、前記軸方向及び/又は前記又は各搬送ヘッドの回転面における前記ピックアップ装置の位置を調整するコントローラのうちの少なくとも一つに信号を送信するように構成されていてもよい。
【0022】
必要に応じて、前記システムはさらに、前記装置の回転可能搬送アセンブリがウェハーから半導体デバイスをピックアップすべくウェハーを保持するように構成されているウェハー保持装置を備えていてもよい。
本発明の態様に係る一つ又は複数の特定の実施形態について、単に一例として、以下の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の一又は複数の実施形態に係るウェハーから目標位置へ半導 体デバイスを搬送するシステムを示す概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の一又は複数の実施形態に係るウェハーから目標位置へ半導 体デバイスを搬送するシステムを概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の一又は複数の実施形態に係るシステムによって実行される 配置チェック処理を概略的に示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すシステムのサイクルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2に示すシステムのサイクルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2に示すシステムのサイクルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、ウェハーからキャリア構造へ半導体デバイスを搬送するシステムの 本発明の一又は複数の実施形態に係る装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一又は複数の実施形態に係るウェハーから目標位置へ半導体デバイスを搬送するシステム100を示す概略ブロック図である。目標位置は、リードフレームやキャリアテープなどのキャリア構造に又はその上に位置していてもよい。このシステム100は、装置102と、ウェハー保持装置112と、キャリア移動機構114と、配置監視装置116と、コントローラ118とを備えている。
【0025】
前記装置102は、2つの回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2と、軸方向アクチュエータ106と、回転アクチュエータ108と、ピックアップ装置アクチュエータ110とを備えている。これらのアクチュエータ106、108、110は、コントローラ118からの制御信号の受信に応じて、前記2つの回転可能搬送アセンブリの各部を移動させる駆動装置を含んでいる。
【0026】
このシステム100は、半導体デバイスのパッケージングに用いることができる。例えば、システム100は、ウェハーから目標位置、例えば、リードフレームやキャリアテープなどのキャリア構造へ半導体デバイスを搬送するのに用いることができる。このようなシステム100によって搬送可能な半導体デバイスの例としては、集積回路(IC)チップ、ICダイ及びその他のICモジュールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ICダイのサイズは、任意の範囲のものであればよい。装置102の回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2は、ウェハー保持装置112に保持されたウェハーからキャリア移動機構114に配置されたキャリア構造の表面へと半導体デバイスを移動するのに用いられる。各回転可能搬送アセンブリは、少なくとも2つの搬送ヘッドを有していてもよく、各搬送ヘッドを用いて一度に一つの半導体デバイスが搬送される。回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2は、その上に配置されているピックアップ装置(例えば、コレット)によって、吸引、力又はその他の適用可能な手段により半導体デバイ
スをピックアップして保持することができる。
【0027】
軸方向アクチュエータ106、回転アクチュエータ108、ピックアップ装置アクチュエータ110は、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の搬送ヘッドの位置を制御するように構成されている。これらのアクチュエータについては、
図7を参照しながら詳述する。
【0028】
システム100のウェハー保持装置112は、少なくとも一つの回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2によって半導体デバイスのピックアップを行うために、多数の半導体デバイス(例えば、その上に作製されたICダイ又はチップ及び半導体パッケージ)を含むウェハーを所定の位置に保持するように構成されている。
【0029】
システム100のキャリア移動機構114は、キャリア構造(例えば、リードフレームやキャリアテープ)の位置決めや移動を行うのに用いられる。このキャリア移動機構114は、キャリア構造の供給が行われるチャネルを有していてもよい。このキャリア構造は、半導体デバイスが載置される接着面を有していてもよい。このようなキャリア構造の例としては、リードフレーム及びキャリアテープが挙げられるが、これらに限定されるものではない。キャリア移動機構114は、キャリア構造によって半導体デバイスの載置位置を変え続けられるような移動プラットフォーム(例えば、コンベヤシステム)であってもよい。そのようなキャリア移動機構の例としては、オープンリール式のリードフレームインデクサ、ストリップ式インデクサ、オープンリール式のキャリアテープインデクサが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
システム100の配置監視装置116は、ウェハー保持装置112におけるウェハーからキャリア移動機構114に配置されたキャリア構造への搬送処理中に、搬送アセンブリ104-1、104-2の搬送ヘッドのピックアップ装置の配置をチェックするように構成されている。この配置監視装置116は、ピックアップ装置の配置を光学的にチェックしてもよい。一又は複数の実施形態では、この配置監視装置116は、コントローラによって制御される機械視覚システム(例えば、CMOSカメラなどの光学系)を含んでいてもよい。配置監視装置116は、ウェハー保持装置112にあるウェハーから半導体デバイスをピックアップする前、半導体デバイスの搬送中、半導体デバイスがキャリア構造に載置される前、及び/又は、半導体デバイスがキャリア構造に載置された後にピックアップ装置の配置をチェックすることができる。
【0031】
システム100のコントローラ118は、回転アクチュエータ108を制御して回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2を回転させ、例えば、回転アクチュエータ108に回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2を駆動させ、半導体デバイスをウェハー保持装置112にあるウェハーからキャリア移動機構114に配置されたキャリア構造の接着面へと移動させるのに用いられる。さらに、このコントローラ118は、配置監視装置116によって得られた位置データの受信に応じて、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の回転運動を調整するように構成されている。また、コントローラ118は、配置監視装置116によって得られた位置データの受信に応じて、軸方向アクチュエータ106を制御して回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2を軸方向に移動させるのに用いられる。すなわち、軸方向アクチュエータ106によって、搬送アセンブリの一つ又は複数の搬送ヘッドの回転面に対して回転可能搬送アセンブリを軸方向に移動させる。さらに、コントローラ118は、配置監視装置116によって得られた位置データの受信に応じて、ピックアップ装置アクチュエータ110を制御して、一つ又は複数のピックアップ装置を径方向に移動させるように構成されている。
【0032】
従って、コントローラ118は、接線方向、径方向及び/又は軸方向において、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の一つ又は複数のピックアップ装置の位置を調整することができる。
【0033】
図2は、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の中心が、キャリア移動機構114によって配置されたキャリア構造120の接着面が延在する面と平行に配置されているシステム100を示す図である。
図2に概略的に示す半導体デバイス搬送システム100では、2つの回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2によって、半導体デバイス122(例えば、ICチップ又はダイ)をウェハー保持装置112に保持されたウェハーから、キャリア移動機構によって配置されたキャリア構造120の接着面124へと搬送する。そして、配置監視装置116-1、116-2、116-3によって、それぞれの位置における半導体デバイスの搬送をチェックする。回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の回転中心126-1、126-2が、
図2に示す点線128の位置に配置されている(図示の実施形態では、回転中心126-1、126-2の水平配置を示す、すなわち、中心が同一面上にある)。他の実施形態では、回転可能搬送アセンブリの回転軸は水平方向にそろっていなくてもよい。
【0034】
ウェハー保持装置112に保持されたウェハーは、第1面130に位置し、その面内で移動可能である。目標位置がある面(例えば、キャリア構造の面)は、必要に応じて点線128と平行であってもよく、また、必要に応じて第1面130に垂直であってもよい第2面132に延在している。符号134は、半導体デバイスがウェハーからピックアップされ、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2によってキャリア構造へ搬送される第3面(すなわち、装置搬送面)を示している。この第3面134は、必要に応じて、第1面130及び第2面132に垂直であってもよい。
図2に示す回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2及び配置監視装置116-1、116-2、116-3は、
図1のブロック図に概略的に示した回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2及び配置監視装置116の例である。
【0035】
各回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2は、複数の搬送ヘッドを有している。この搬送ヘッドの数は任意の数(例えば、4又は8)であればよい。
図2に示す例では、回転可能搬送アセンブリ104-1は4つの搬送ヘッド136-1、136-2、136-3、136-4を有し、回転可能搬送アセンブリ104-2も4つの搬送ヘッド136-5、136-6、136-7、136-8を有している。
【0036】
一般的に、4つで一組のヘッド構成が、4×90度ずつ漸進的に移動して半導体ダイ搬送サイクルを完了する。90度移動する毎に、例えば、3時にダイのピックアップ、12時にダイの検査、9時にダイのハンドオーバなどといった処理が行われる。各搬送ヘッドは、一度に一つの半導体デバイスを搬送するために用いられる。例えば、搬送サイクル内では、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-1によって第1半導体デバイスのピックアップを行い、搬送ヘッド136-2によって第2半導体デバイスのピックアップを行い、搬送ヘッド136-3によって第3半導体デバイスのピックアップを行い、搬送ヘッド136-4によって第4半導体デバイスのピックアップを行うことができる。第2回転可能搬送アセンブリ104-2を回転可能搬送アセンブリ104-1の隣に、かつ、キャリア構造120の接着面124と平行に配置することにより、この搬送処理における半導体デバイスの回転がキャリア構造と平行になる。これにより、半導体デバイスのフリップ機能が、非フリップ半導体搬送システムと同じ速度かつ同じ処理で実現可能となる。
【0037】
配置監視装置116-1、116-2、116-3は、システム100内のそれぞれ異なる位置に配置され、それぞれ異なる位置において半導体デバイスの搬送をチェックするのに用いられる。具体的には、配置監視装置116-1は、回転可能搬送アセンブリ104-1と回転可能搬送アセンブリ104-2との間に配置され、搬送(ハンドオーバ)位置における回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の搬送ヘッドの配置をチェックするのに用いられる。このチェックにより、一つの搬送アセンブリの搬送ヘッドと他の搬送アセンブリの搬送ヘッドとがそろっているかどうか、及び/又は、両方の搬送アセンブリの搬送ヘッドが搬送位置の目標位置とそろっているかどうかを判断してもよい。
【0038】
配置監視装置116-2は、回転可能搬送アセンブリ104-1の監視を行う位置に配置され、ピックアップ位置及び/又は搬送位置における搬送ヘッドの配置をチェックするのに用いることができる。このチェックにより、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッドとピックアップ位置の目標位置とがそろっているかどうかを判断することができる。また、このチェックにより、必要に応じて、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッドと、他の回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッドとがそろっているかどうか、及び/又は、搬送位置の目標位置とがそろっているかどうかを判断してもよい。
【0039】
配置監視装置116-3は、回転可能搬送アセンブリ104-2の監視を行う位置に配置され、搬送(ハンドオーバ)位置及び/又はダイ載置位置、すなわち、ダイをキャリア構造120に載置するために配置する位置における搬送ヘッドの配置をチェックするのに用いることができる。このチェックにより、回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッドとダイ載置位置の目標位置とがそろっているかどうかを判断することができる。また、このチェックにより、必要に応じて、回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッドと、他の回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッドとがそろっているかどうか、及び/又は、搬送位置の目標位置とがそろっているかどうかを判断してもよい。
【0040】
配置監視装置116-1、116-2、116-3は、例えば、ピックアップ位置、ハンドオーバ位置、ダイ載置位置に光を照射し、当該位置におけるその光の反射をチェックすることによって搬送ヘッドの配置を光学的にチェックすることができる。
【0041】
図3は、配置チェック工程を行う場合の
図2のシステム100を示す図である。このチェック工程により、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッドとピックアップ位置の目標位置とがそろっているかどうか、一つの搬送アセンブリの搬送ヘッドと他の搬送アセンブリの搬送ヘッドとがそろっているかどうか、及び/又は、両方の搬送アセンブリの搬送ヘッドと搬送位置の目標位置とがそろっているかどうか、回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッドとダイ載置位置の目標位置とがそろっているかどうかを判断することができる。
【0042】
図3に示すように、配置監視装置116-2は、ピックアップ位置138におけるウェハー保持装置112に対する回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-1、136-2、136-3、136-4の配置をチェックする。この配置監視装置116-2は、ウェハー保持装置112に対する回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-1、136-2、136-3、136-4の配置を光学的にチェックする。例えば、配置監視装置116-2は、ピックアップ位置の領域に光140を照射し、搬送ヘッド136-2とピックアップ位置とがそろっているかどうかを判断するように、その領域からの光の反射をチェックすることによって、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-1、136-2、136-3、136-4の配置をチェックする。この配置チェック工程により、搬送ヘッド136-2(ひいては回転可能搬送アセンブリ104-1)とピックアップ位置とがきちんとそろっていないと判断された場合、コントローラ118は、配置監視装置116-2から受信した位置データを含む信号に応じて、軸方向アクチュエータ106、回転アクチュエータ108、ピックアップ装置アクチュエータ110のうちの少なくとも一つに配置信号を送信して、回転可能搬送アセンブリ(及び/又はその各部)を軸方向(すなわち、図の紙面内へと向かう又はそこから出る方向)、接線方向(すなわち、搬送アセンブリ104-1の回転による方向)、径方向(すなわち、搬送ヘッドのピックアップ装置の先端を移動させる方向)のうちの少なくとも一つの方向に移動させることができる。
【0043】
搬送位置(すなわち、回転可能搬送アセンブリ104-1から回転可能搬送アセンブリ104-2へとダイの引き渡しが行われる位置)における配置チェックは、配置監視装置116-1によって行われる。例えば、配置監視装置116-1は、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の配置を光学的にチェックする(ことによりそれらの搬送ヘッドが確実に同一面で回転するように配置する)。これは、搬送位置の領域に光142-1を照射し、搬送ヘッド136-4、136-6と搬送位置とがそろっているかどうか、かつ、それらが互いにそろっているかどうかを判断するように、その領域からの光の反射をチェックすることによって行われる。この配置チェック工程により、搬送ヘッド136-4、136-6(ひいては、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2)の一方又は両方と搬送位置とがきちんとそろっていないと判断された場合、コントローラ118は、配置監視装置116-1から受信した位置データを含む信号に応じて、軸方向アクチュエータ106、回転アクチュエータ108、ピックアップ装置アクチュエータ110のうちの少なくとも一つに配置信号を送信して、回転可能搬送アセンブリ104-1及び/又は104-2(及び/又はその各部)を軸方向(すなわち、図の紙面内へと向かう又はそこから出る方向)、接線方向(すなわち、搬送アセンブリ104-1及び/又は104-2の回転による方向)、径方向(すなわち、搬送ヘッドのピックアップ装置の先端を移動させる方向)のうちの少なくとも一つの方向に移動させることができる。
【0044】
目標位置、例えば、載置位置(すなわち、ダイをキャリア構造120に載置する位置)における配置チェックは、配置監視装置116-3によって行われる。例えば、配置監視装置116-3は、回転可能搬送アセンブリ104-2の配置を光学的にチェックする。これは、搬送ヘッド136-7と設置位置とがそろっているかどうかを判断するように載置位置の領域に光144を照射することによって行われる。この配置チェック工程により、搬送ヘッド136-7(ひいては、回転可能搬送アセンブリ104-2)と載置位置とがきちんとそろっていないと判断された場合、コントローラ118は、配置監視装置116-3から受信した位置データを含む信号に応じて、軸方向アクチュエータ106、回転アクチュエータ108、ピックアップ装置アクチュエータ110のうちの少なくとも一つに配置信号を送信して、回転可能搬送アセンブリ104-2(及び/又はその各部)を軸方向(すなわち、図の紙面内へと向かう又はそこから出る方向)、接線方向(すなわち、搬送アセンブリ104-2の回転による方向)、径方向(すなわち、搬送ヘッドのピックアップ装置の先端を移動させる方向)のうちの少なくとも一つの方向に移動させることができる。
【0045】
図3に示す配置チェック工程により、回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2がきちんとそろっていると判断されると、半導体デバイスがウェハーからピックアップされる。
図4は、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-3によってウェハーから半導体デバイスをピックアップした直後のシステム100を示す図である。
図4に示すように、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-3を回転させて半導体デバイスをピックアップ位置から運び出す。この回転可能搬送アセンブリ104-1をさらに回転させることにより搬送ヘッド136-4をチップピックアップ位置まで回転させて、別の半導体デバイスをピックアップする。この搬送移動では、搬送ヘッド136-2が9時のダイ搬送位置に位置決めされている。
【0046】
半導体デバイス122をウェハー保持装置112からピックアップした後、回転可能搬送アセンブリ104-1を回転させて半導体デバイスを回転可能搬送アセンブリ104-2まで搬送する。
図5は、半導体デバイスを回転可能搬送アセンブリ104-1から回転可能搬送アセンブリ104-2へ移動させる半導体デバイス搬送工程を示す図である。
図5に示すように、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-3を搬送(すなわち、ハンドオーバ又はチップフリップ)位置148まで回転させて、そこから回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッド136-7によって半導体デバイスのピックアップを行う。一又は複数の実施形態では、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッド136-3をピックアップ位置138から搬送位置148へ180度回転させる。
【0047】
半導体デバイス122を回転可能搬送アセンブリ104-2へと搬送した後、回転可能搬送アセンブリ104-2を回転させて半導体デバイスをキャリア構造120に載置する。この半導体デバイス(例えば、半導体ダイ)は、ダイボンディング処理において水平接着パッド上に載置することができる。または、半導体デバイス(例えば、半導体チップ又はクワッドフラットノーリード(QFN)パッケージ)は、ダイソーティング又はテーピング処理において、ブリスターテープ又はキャリアテープのキャビティ内に載置することもできる。
図6は、半導体デバイス122を回転可能搬送アセンブリ104-2からキャリア構造の接着面124へと搬送する前のシステム100を示す図である。
図6に示すように、回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッド136-7を回転させて、半導体デバイスをキャリア構造の接着面にある開口部150(例えば、間隙又は穴部)内に載置する。キャリア構造120内に半導体デバイスを密閉すべく、カバー層146(例えば、テープ層)によってその開口部をカバーする(例えば、その上に貼り付ける)実施形態もある。
【0048】
図7は、
図2の回転可能搬送アセンブリ104-1の一実施形態を示す図である。回転可能搬送アセンブリ104-1は、4つの搬送ヘッド136-1、136-2、136-3、136-4を備えている。この回転可能搬送アセンブリは、軸152の周りを回転するように構成され、モータ170によって時計回り又は逆時計回り(反時計回り)に駆動される。これは、回転アクチュエータ108(
図1参照)から受信した信号に応じて行われ、それによって、搬送アセンブリの操作運動や搬送アセンブリの補正運動(すなわち、図中の矢印Tで示される、位置補正のための搬送ヘッドの小さな運動)の制御が可能となる。ウェハー155上のチップ120の表面は、チップピックアップ位置の搬送ヘッド136に対向して配置されている。回転アセンブリの動作において、チップ120は、搬送ヘッド136-1によってウェハー155からピックアップされ、インデックス工程が2回行われた後、搬送、ハンドオーバ又はチップフリップ位置まで(すなわち、図では搬送ヘッド136-3によって占められる位置まで)回転される。
図2に示す回転可能搬送アセンブリ104-2は、
図7に示す回転可能搬送アセンブリ104-1と同一又は同様に実装可能である。
【0049】
回転可能搬送アセンブリ104-1において、各搬送ヘッド136-1、136-2、136-3、136-4は、各アーム156a~156dと、一対の平行な板ばね158と、各ブロック160a~160dと、各コレット162a~162dと、各アーム164a~164dと、各圧縮ばね166a~166dとを備えている。各コレット162a~162dは、軸152(図中矢印Rで示す)に直交して、基本的に径方向に短い距離にわたって往復運動が可能である。この径方向運動はモータ154によって行われ、ピックアップ装置アクチュエータ110(
図1参照)から受信した信号に応じて制御される。必要に応じて、第2モータを用いて径方向運動を行ってもよい。
【0050】
搬送ヘッドは、アセンブリを軸152の周りで駆動するのに用いられるモータ170に接続される。各アーム156a~156dは、回転可能搬送アセンブリから軸152に対して基本的に径方向に延在する。各アーム156a~156dの端部又はその近くには、一対の平行な板ばね158の一方の端部が固着され、その一対の板ばね158の他方の端部がブロック160a~160dをそれぞれ支持している。各ブロック160a~160dには、コレット162a~162dがそれぞれ固着されている。このコレット162a~162dによって、吸引、力又はその他の適用可能な手段により半導体デバイス120(例えば、ICチップ又はダイ)をピックアップして保持する。必要に応じて、コレットは、ピックアップ開口部の圧力を変化させることにより半導体デバイスのピックアップ、保持、取り外しを行う少なくとも一つのピックアップ開口部を有していてもよい。このコレットが半導体デバイスピックアップ位置にある場合、ピックアップ開口部は半導体デバイスに極めて接近し、開口部内が低圧(例えば、真空)となる。これにより、半導体デバイスは、開口部に対して吸引される。この低圧を維持しながら、半導体デバイスは、他のチップ搬送位置へとコレットによって搬送され、ピックアップ開口部により高い圧力を印加することによって取り外し可能である。
【0051】
また、各搬送ヘッドはそれぞれ、回転可能搬送アセンブリから軸152に対して基本的に径方向に延在するアーム164a~164dも備えている。圧縮ばね166a~166dは、このアーム164a~164dの端部と各ブロック160a~160dとの間に取り付けられている。
【0052】
搬送ヘッド136-1のブロック160aは、配線168により搬送ヘッド136-3のブロック160cに接続されて、搬送ヘッド136-2のブロック160bは、配線170により搬送ヘッド136-4のブロック160dに接続されている。配線168は、モータ駆動される回転シャフトに接続されたレバーに固着、例えば、固定される。
【0053】
コントローラ(図示せず)は、配置監視装置116からの信号を受信すると、ピックアップ位置及び/又は搬送位置において、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッドと目標位置とをそろえる配置処理を開始するように動作する。また、コントローラは、搬送位置が第2の回転可能搬送アセンブリへのハンドオーバ位置の場合、回転可能搬送アセンブリ104-1の搬送ヘッドと回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッドとをそろえ、回転可能搬送アセンブリ104-2の搬送ヘッドと載置位置とをそろえる配置処理を開始するように動作する。コントローラは、軸方向アクチュエータ106、回転アクチュエータ108及び/又はピックアップ装置アクチュエータ110のうちのいずれか一つ以上へ制御信号を送ることによってこの処理を行う。軸方向アクチュエータ106は、モータを制御して、一つ又は複数の搬送アセンブリを軸152に沿って(すなわち、矢印Aで示す軸方向に)移動させる。回転アクチュエータ108は、モータ170を制御して、一つ又は複数の搬送アセンブリの搬送ヘッドを回転方向(すなわち、図中の矢印Tで示す方向)に移動させる。ピックアップ装置アクチュエータ110は、モータ154を制御して、一つ又は複数の搬送アセンブリの搬送ヘッドを径方向(すなわち、図中の矢印Rで示す方向)に移動させる。これにより、システムは、3つの自由度で搬送ヘッド位置の調整を行うことができる。
【0054】
前記システム100は、
図1に特定の構成要素を含んで示されているが、いくつかの実施形態では、より少ない又はより多くの機能を実装するより少ない又はより多くの構成要素を含んでいてもよい。例えば、半導体システム100は、2つ以上の回転可能搬送アセンブリを備えていてもよい。
【0055】
一又は複数の実施形態において、回転可能搬送アセンブリの少なくとも一つの搬送ヘッドは、ピックアップ開口部における圧力を変化させることによって半導体デバイスのピックアップ、保持、取り外しを行う少なくとも一つのピックアップ開口部を有するピックアップ装置を備えていてもよい。搬送ヘッドが半導体デバイスピックアップ位置にある場合、ピックアップ開口部は半導体デバイスに極めて接近し、開口部内が低圧(例えば、真空)となる。これにより、半導体デバイスは、開口部に対して吸引される。この低圧を維持しながら、半導体デバイスは、他の位置へと搬送ヘッドによって搬送され、ピックアップ開口部により高い圧力を印加することによって取り外し可能である。
【0056】
一又は複数の実施形態において、ウェハー保持装置112は、移動プラットフォーム(例えば、スピニングホイールやコンボイベルト)上に配置されてもよいし、回転可能搬送アセンブリによって半導体デバイスのピックアップが行われる位置をウェハー保持装置によって継続して変化させることができるような移動プラットフォームを備えていてもよい。
【0057】
図1に示すシステム100は、一つの配置監視装置116を備えて示されているが、必要に応じて、システム100内の異なる位置に配置されて、異なる位置にあるピックアップ装置の配置をチェックするのに使用し得る一つ以上の配置監視装置116を備えていてもよい。
【0058】
各回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2は、例えば、位置サーボシステムや電気機械サーボシステムなど、対応するコントローラによって制御される別個の回転アクチュエータによって駆動されてもよい。必要に応じて、各搬送アセンブリは、角度位置、径方向位置、軸方向位置の精密制御を可能にし、搬送アセンブリシステムコントローラによって制御されるサーボモータフィードバック制御システムを備えていてもよい。
【0059】
各回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の位置は、一つ又は複数の同じ又は別の軸方向アクチュエータの制御により調整が行われてもよい。
【0060】
各回転可能搬送アセンブリ104-1、104-2の各ピックアップ装置の位置は、一つ又は複数の同じ又は別の回転アクチュエータ及び/又は一つ又は複数の同じ又は別のピックアップ装置アクチュエータによって調整が行われてもよい。
【0061】
図2に示すシステム100は、
図1に示す半導体デバイス搬送システムの一例であるが、
図1に示す半導体デバイス搬送システムは、
図2に示す例に限定されるものではない。
【0062】
本発明の特定の及び好適な態様は、添付の独立請求項に記載されている。従属請求項及び/又は独立請求項の特徴は、請求項に記載のものに限らず、適宜組み合わされてもよい。
【0063】
本開示の範囲は、特許請求される発明に関連しているか否か、あるいは本発明によって対処される問題のいくつか、あるいはすべてを軽減するか否かとは無関係に、任意の新規な特徴もしくは本開示で明示的に又は暗示的に開示された特徴の組合せ、あるいはそれらの任意の一般化を含む。本出願人は、ここに、本出願の手続遂行中、あるいは本出願から派生する任意の他の出願の手続遂行中、このような特徴に対して新しい特許請求項を記載することができることを通知する。詳細には、添付の特許請求の範囲を参照すると、従属請求項の特徴は独立請求項の特徴と組み合わせることができ、また、個々の独立請求項の特徴は、任意の適切な方法で組み合わせることができ、特許請求の範囲に記載の特定の組合せのみがあるわけではない。
【0064】
別個の実施形態の文脈において記載されている特徴もまた、単一の実施形態において組み合わせて記載され得る。逆に、簡単のため、単一の実施形態の文脈において記載されている様々な特徴もまた、別々に又は任意の適切なサブコンビネーションにおいて記載され得る。
【0065】
「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞(“a”、“an”)はその複数形を除外しない。特許請求の範囲における参照番号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。