(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ヘアスタイリング用デバイス
(51)【国際特許分類】
A45D 1/28 20060101AFI20240906BHJP
A45D 1/00 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A45D1/28 C
A45D1/00 503A
A45D1/00 505E
(21)【出願番号】P 2023505938
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 GB2021051878
(87)【国際公開番号】W WO2022023713
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-03-02
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100224694
【氏名又は名称】伊藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス チェイニア ヒッキー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー コリングウッド ワトソン
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ キャンプラーニ
(72)【発明者】
【氏名】リーリー タオ
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02359710(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/140085(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/28
A45D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアスタイリング用デバイスであって、
毛髪接触可能面を有する加熱可能な毛髪接触部材であって、前記毛髪接触可能面を介して毛髪に熱を加えるように動作可能な毛髪接触部材と、
前記毛髪接触部材の移動に応じて信号を出力するように構成された慣性計測装置IMUと、
制御部であって、
毛束の第1の端部と前記毛束の第2の端部の間での前記毛束に沿った前記毛髪接触部材の移動を示す信号を前記IMUから受信し、
受信した前記信号を処理して、前記毛髪接触部材の速度を導出し、
導出された前記速度に基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御する
ように構成された制御部と
を備えるヘアスタイリング用デバイス
において、
前記制御部が、
導出された前記速度に基づいて、前記毛束の前記第1の端部からの前記毛髪接触部材の変位を導出し、
導出された前記毛束の前記第1の端部からの前記毛髪接触部材の変位に基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御する
ように構成される、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記制御部が、
導出された前記速度を使用して前記毛束に沿った目標熱供給プロファイルを決定し、
前記目標熱供給プロファイルに基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御する
ように構成される、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記目標熱供給プロファイルが、前記毛束に沿って変化する熱供給プロファイルを含む、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記制御部が、導出された前記速度に基づいて前記毛髪接触部材を加熱するために使用されるエネルギーの量を調整するように構成される、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記制御部が、前記毛髪接触部材の目標動作温度に基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御するように構成され、
前記目標動作温度が、導出された前記速度に依存する、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記制御部が、ユーザーインターフェースにより、導出された速度に基づいた出力を提供するように構成される、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記制御部が、速度及び/又は位置推定アルゴリズムを使用して前記IMUから受信した信号を処理するように構成される、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項8】
請求項
7に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記速度及び/又は位置推定アルゴリズムが、Madgwickフィルタを含む、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
前記第1の端部が、前記毛束の毛根側端部を含み、
前記第2の端部が、前記毛束の毛先側端部を含む、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
当該ヘアスタイリング用デバイスが、前記毛髪接触部材を加熱するように動作可能な発熱体を備え、
前記制御部が、導出された前記速度に基づいて前記発熱体を制御するように構成される、
ヘアスタイリング用デバイス。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか一項に記載のヘアスタイリング用デバイスであって、
縮毛矯正用デバイス及び/又はヘアカーリングデバイス
を含むヘアスタイリング用デバイス。
【請求項12】
ヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法であって、
前記ヘアスタイリング用デバイスが、
毛髪接触可能面を有する加熱可能な毛髪接触部材であって、前記毛髪接触可能面を介
して毛髪に熱を加えるように動作可能な毛髪接触部材と、
前記毛髪接触部材の移動に応じて信号を出力するように構成された慣性計測装置IM
Uと
を備え、
当該方法が、
毛束の第1の端部と前記毛束の第2の端部との間での前記毛束に沿った前記毛髪接触
部材の移動を示す信号を前記IMUから受信することと、
受信した前記信号を処理して、前記毛髪接触部材の速度を導出することと、
導出された前記速度に基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御することと
を含む、
方法
において、
前記加熱を制御することは、
導出された前記速度に基づいて、前記毛束の前記第1の端部からの前記毛髪接触部材の変位を導出することと、
導出された前記毛束の前記第1の端部からの前記毛髪接触部材の変位に基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御することと
を含む、
方法。
【請求項13】
コンピュータデバイスによって実行されたときに、ヘアスタイリング用デバイスを動作
させる方法を前記コンピュータデバイスに実行させる1組の命令を含むコンピュータプロ
グラムであって、
前記ヘアスタイリング用デバイスが、
毛髪接触可能面を有する加熱可能な毛髪接触部材であって、前記毛髪接触可能面を介
して毛髪に熱を加えるように動作可能な毛髪接触部材と、
前記毛髪接触部材の移動に応じて信号を出力するように構成された慣性計測装置IM
Uと
を備え、
前記方法が、
毛束の第1の端部と前記毛束の第2の端部との間での前記毛束に沿った前記毛髪接触
部材の移動を示す信号を前記IMUから受信することと、
受信した前記信号を処理して、前記毛髪接触部材の速度を導出することと、
導出された前記速度に基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御することと
を含む、
コンピュータプログラム
において、
前記加熱を制御することは、
導出された前記速度に基づいて、前記毛束の前記第1の端部からの前記毛髪接触部材の変位を導出することと、
導出された前記毛束の前記第1の端部からの前記毛髪接触部材の変位に基づいて前記毛髪接触部材の加熱を制御することと
を含む、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘアスタイリング用デバイスに関する。限定されるわけではないが、特に、本開示は、ヘアスタイリング用デバイスを動作させるための手段に関し、これらの手段には、方法、装置及びコンピュータプログラムも含める。
【背景技術】
【0002】
ヘアスタイリング器具とも呼ばれるヘアスタイリング用デバイスは、毛髪を希望通りの形状又はスタイルに整えるために使用される。特に、加熱式ヘアスタイリング用デバイスは、熱の作用と、任意選択により機械的手段も使用して、毛髪を希望通りにスタイリングする。
【0003】
このようなヘアスタイリング用デバイスの一例は、縮毛矯正用デバイス(ストレートヘアアイロン又はヘアアイロンとも呼ばれる)である。このようなヘアスタイリング用デバイスは一般的に、一方の端部のところで互いに旋回可能に取り付けられた2つの多関節アームを備え、これらの2つの多関節アームには、1つ又は複数の加熱可能なプレートが取り付けられる。両方のアームが加熱可能なプレートを有する場合、加熱可能なプレートは一般に、対向するこれらのアームの内面に配置される。加熱可能なプレートは、ヘアスタイリング用デバイスの使用中に毛髪と接触して熱を加えるように動作可能な毛髪接触可能面を有する。加熱可能なプレート(したがって、毛髪接触可能面)は、1つ又は複数の発熱体によって加熱することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、公知のヘアスタイリング用デバイスの自由度及び/又は汎用性には制限がある。結果として、公知のヘアスタイリング用デバイスでは、希望通りのスタイルを達成する能力が制限され得る。例えば、公知のヘアスタイリング用デバイスは一般的に、毛束と接触したときに熱を放出する。これは比較的非効率的なものであり得、さらには、毛髪にダメージを与える可能性もある。さらに、公知のヘアスタイリング用デバイスは一般に、希望通りのスタイルを達成するためにユーザーがヘアスタイリング用デバイスを正しく使用することを頼りとする。場合によっては、例えば、多すぎる若しくは少なすぎる熱及び/又は大きすぎる若しくは小さすぎる把持圧が毛髪に加えられ得る。これは、毛髪の熱ダメージ及び/若しくは機械的ダメージを発生させ得、並びに/又は、希望通りのスタイルを達成できなくし得る。第1のパスでヘアスタイリング用デバイスを使用しても、例えばヘアスタイリング用デバイスの正しくない又は準最適な使用により、希望通りのスタイルが達成されない場合、ユーザーは、毛髪の同じ部分にパスを1回又は複数回繰り返すことができる。この繰返しは、毛髪へのダメージのリスクを高めることに加えて、時間を延ばし、及び/又は電力消費を増やすことも包含する。場合によっては、パスを繰り返しても希望通りのスタイルが達成されないこともある。
【0005】
したがって、改良型のヘアスタイリング用デバイス及び/又はヘアスタイリング用デバイスを動作させるための改良型の方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ヘアスタイリング用デバイスであって、毛髪接触可能面を有する加熱可能な毛髪接触部材であって、毛髪接触可能面を介して毛髪に熱を加えるように動作可能な毛髪接触部材と、毛髪接触部材の移動に応じて信号を出力するように構成された慣性計測装置IMUと、制御部であって、毛束の第1の端部と毛束の第2の端部との間での毛束に沿った毛髪接触部材の移動を示す信号をIMUから受信し、受信した信号を処理して、毛髪接触部材の速度を導出し、導出された速度に基づいて毛髪接触部材の加熱を制御するように構成された制御部とを備えるヘアスタイリング用デバイスが提供される。
【0007】
導出された毛髪接触部材の速度に基づいて毛髪接触部材の加熱を制御することによって、毛束に沿った熱供給及び/又は熱分布を、よりインテリジェントに制御及び/又は適応させることができる。さらに、導出された速度を使用して、毛髪へのダメージが起き得るのか、例えば、熱及び/又は機械的圧力が毛髪に加えられることによって起き得るのかを予測することができる。例えば、毛髪接触部材が毛束に沿って比較的ゆっくり移動していると判断された場合、毛髪への熱ダメージの可能性が高まる。毛髪接触部材の加熱を制御して、前述のダメージを低減及び/又は回避することができる。
【0008】
複数の実施形態において、制御部は、導出された速度を使用して毛束に沿った目標熱供給プロファイルを決定し、目標熱供給プロファイルに基づいて毛髪接触部材の加熱を制御するように構成される。複数の実施形態において、目標熱供給プロファイルは、毛束に沿って変化する熱供給プロファイルを構成する。したがって、ユーザーに対して個別調整される目標熱供給プロファイルは、ユーザーが毛髪接触部材を毛束に沿ってどのくらい素早く移動させるのかに基づいて決定することができる。
【0009】
複数の実施形態において、制御部は、導出された速度に基づいて毛髪接触部材を加熱するために使用されるエネルギーの量を調整するように構成される。これにより、過熱によって毛髪に熱ダメージが与えられる可能性を低下させ、及び/又は、希望通りのスタイルを達成するのに十分な熱を毛髪に加えることを確実にすることができる。
【0010】
複数の実施形態において、制御部は、毛髪接触部材の目標動作温度に基づいて毛髪接触部材の加熱を制御するように構成される。このような複数の実施形態において、目標動作温度は、導出された速度に依存する。これにより、過熱によって毛髪に熱ダメージが与えられる可能性を低下させ、及び/又は、希望通りのスタイルを達成するのに十分な熱を毛髪に加えることを確実にすることができる。
【0011】
複数の実施形態において、制御部は、導出された速度に基づいて、毛束の第1の端部からの毛髪接触部材の変位を導出し、導出された毛束の第1の端部からの毛髪接触部材の変位に基づいて毛髪接触部材の加熱を制御するように構成される。このような判定は、第1の端部からの変位を導出するために毛束の長さ及び/又は速度が使用されない比較ケースより高精度であり得る。導出された変位に基づいて毛髪接触部材の加熱を制御することによって、毛束に沿った熱分配のより細かい制御を達成することができる。
【0012】
複数の実施形態において、制御部は、ユーザーインターフェースにより、導出された速度に基づいた出力を提供するように構成される。
【0013】
複数の実施形態において、制御部は、速度及び/又は位置推定アルゴリズムを使用してIMUから受信した信号を処理するように構成される。複数の実施形態において、速度及び/又は位置推定アルゴリズムは、Madgwickフィルタを備える。複数の実施形態において、速度及び/又は位置推定アルゴリズムは、機械学習モデルを備える。
【0014】
複数の実施形態において、第1の端部は、毛束の毛根側端部を含む。複数の実施形態において、第2の端部は、毛束の毛先側端部を含む。
【0015】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイスは、毛髪接触部材を加熱するように動作可能な発熱体を備える。このような複数の実施形態において、制御部は、導出された速度に基づいて発熱体を制御するように構成される。
【0016】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイスは、縮毛矯正用デバイス及び/又はヘアカーリングデバイスを含む。
【0017】
本開示の一態様によれば、ヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法であって、ヘアスタイリング用デバイスが、毛髪接触可能面を有する加熱可能な毛髪接触部材であって、毛髪接触可能面を介して毛髪に熱を加えるように動作可能な毛髪接触部材と、毛髪接触部材の移動に応じて信号を出力するように構成された慣性計測装置IMUとを備え、当該方法が、毛束の第1の端部と毛束の第2の端部との間での毛束に沿った毛髪接触部材の移動を示す信号をIMUから受信することと、受信した信号を処理して、毛髪接触部材の速度を導出することと、導出された速度に基づいて毛髪接触部材の加熱を制御することとを含む、方法が提供される。
【0018】
本開示の一態様によれば、コンピュータデバイスによって実行されたときに、ヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法をコンピュータデバイスに実行させる1組の命令を含むコンピュータプログラムであって、ヘアスタイリング用デバイスが、毛髪接触可能面を有する加熱可能な毛髪接触部材であって、毛髪接触可能面を介して毛髪に熱を加えるように動作可能な毛髪接触部材と、毛髪接触部材の移動に応じて信号を出力するように構成された慣性計測装置IMUとを備え、上記方法が、毛束の第1の端部と毛束の第2の端部との間での毛束に沿った毛髪接触部材の移動を示す信号をIMUから受信することと、受信した信号を処理して、毛髪接触部材の速度を導出することと、導出された速度に基づいて毛髪接触部材の加熱を制御することとを含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0019】
当然ながら、本発明の一態様との関連で記述された特徴を本発明の他の態様に組み込むことができることは理解されよう。例えば、本発明の方法は、本発明の装置との関連で記述された特徴のいずれかを組み込むことが可能であり、その逆もまた可能である。
【0020】
次に、添付の図面を参照しながら、例示用にすぎない本開示の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1A及び
図1Bは、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスの斜視図である。
【
図2】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスの概略図である。
【
図3】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図4】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図5】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図6】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図7】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図8】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図9】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図10】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図11】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図12】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【
図13】複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1A及び
図1Bは、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイス100の斜視図を示す。ヘアスタイリング用デバイス100及び/又はその構成要素は、本明細書に記載された方法を実行するために使用することができる。
図1A及び
図1Bに示された実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ストレートヘアアイロンを備える。
【0023】
ヘアスタイリング用デバイス100は、ヒンジ130によって一方の端部のところでつなぎ合わされた第1のアーム110及び第2のアーム120を備える。各アーム110、120は、加熱可能なプレート115、125を備える。加熱可能なプレート115、125の片方又は両方は、例えば発熱体(図示なし)によって加熱することが可能である。一部の実施形態において、加熱可能なプレート115、125の片方又は両方が抵抗式プレートを備える。このような抵抗式プレートは、例えば別個の発熱体を必要とすることなく、直接加熱され得る。加熱可能なプレート115、125はそれぞれ、毛髪接触可能面116、126を備える。毛髪接触可能面116、126は、互いに向かい合うように配置される。アーム110、120は、これらのアームが開位置(
図1Aに示される)と閉位置(
図1Bに示される)との間で移動することができるようにヒンジ連結される。閉位置においては、スタイリングすべき毛髪を毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との間に保持することができるように、毛髪接触可能面116、126を互いに向かって寄せる。一部の実施形態において、アーム110、120が閉位置にある場合、毛髪接触可能面116、126が接触する。他の複数の実施形態において、毛髪接触可能面116、126が接触しない。
【0024】
アーム110、120は、ユーザーにより、開位置と閉位置との間で移動させることができる。例えば、ユーザーは、(毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との間の毛髪をスタイリングするために)ヘアスタイリング用デバイス100を使用するときにアーム110、120を一緒に押し、スタイリングが完了したらアーム110、120を解放し、及び/又は、アーム110、120を引き離す。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、付勢手段(図示なし)、例えば、1つ又は複数のばね及び/又は磁石を備える。付勢手段は、開位置に向かうようにアーム110、120に働きかけ、結果として、ユーザーがアーム110、120を一緒に押していないときにはアーム110、120が開位置に戻る。
【0025】
代替的な複数の実施形態において、アーム110、120は、ヒンジ130を中心にして旋回することができない。例えば、アーム110、120は、互いに対して実質的に平行であり得る。どちらの場合であっても、ユーザーは、アーム110、120を一緒に押して、毛髪をスタイリングすることができる。
【0026】
図1A及び
図1Bに示された実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、コードレス型ヘアスタイリング用デバイスを備える。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100は、充電式バッテリーによって電力供給され得る。代替的な複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、例えば1つ又は複数の外部電源コード(図示なし)を介して、外部から電力供給される。
【0027】
図2は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイス100の概略的なブロック図を示す。
【0028】
ヘアスタイリング用デバイス100は、制御部210を備える。下記においてより詳細に記述するように、制御部210は、様々なデータ処理を実行し、及び/又は複数の実施形態による機能を制御するように動作可能である。制御部210は、1つ又は複数の構成要素を含むことができる。1つ又は複数の構成要素は、ハードウェア及び/又はソフトウェアに実装され得る。1つ又は複数の構成要素は、ヘアスタイリング用デバイス100内の同じ場所に配置することもできるし、又は互いから離して配置することもできる。制御部210は、1つ又は複数のソフトウェア機能及び/又はハードウェアモジュールとして具体化され得る。複数の実施形態において、制御部210は、命令及び/又はデータを処理するように構成された1つ又は複数のプロセッサを備える。1つ又は複数のプロセッサによって実行される操作は、ハードウェア及び/又はソフトウェアによって実行することができる。制御部210を使用して、本明細書に記載された方法を実行することができる。複数の実施形態において、制御部210は、ヘアスタイリング用デバイス100の1つ又は複数の構成要素を制御するための制御信号を出力するように動作可能である。
【0029】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、発熱体220を備える。発熱体220は例えば、電気エネルギーを熱に変換するように動作可能なものであり得る。発熱体220は、ヘアスタイリング用デバイス100によって毛髪を加熱するように構成される。制御部210は、発熱体220を制御するように動作可能である。例えば、制御部210は、例えば制御部210によって生成された1つ又は複数の制御信号を介して、発熱体220にエネルギー(例えば、電気エネルギー)を加えるように動作可能なものであり得る。
【0030】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイスは、加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、発熱体220によって加熱可能なものであり得る。代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、直接加熱可能であり、すなわち、別個の発熱体220を必要とすることなく加熱可能である。複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、1つ又は複数の加熱可能なプレートを備える。例えば、毛髪接触部材225は、上記において
図1A及び
図1Bとの関連で記述された加熱可能なプレート115、125のうちの1つ又は複数を備えることができる。毛髪接触部材225は、1つ又は複数の毛髪接触可能面、例えば、上記毛髪接触可能面116、126を備えることができる。毛髪接触部材225は、1つ又は複数の毛髪接触可能面116、126を介して毛髪に熱を加えるように動作可能である。したがって、制御部210は、例えば発熱体220を制御し、これにより、毛髪接触部材225の1つ又は複数の毛髪接触可能面116、126と接触した毛髪に熱を供給することによって、毛髪接触部材225の加熱を制御する。
【0031】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126を備える。対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126は、これらの毛髪接触可能面の間に差し込まれた毛髪を加熱するように配置される。複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、毛束に沿って、例えば毛束の第1の端部から毛束の第2の端部に向かって毛髪接触部材225を移動させることによって毛髪に熱を加えるように動作可能である。毛束に沿った毛髪接触部材225の移動は、「パス」と呼ばれることもある。代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、単一の毛髪接触可能面を備える。毛髪接触部材225は、上記において
図1A及び
図1Bを参照しながら記述された第1のアーム110及び第2のアーム120等の移動可能なアームを備えることができる。
【0032】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、開閉機構227を備える。開閉機構227は、毛髪接触部材225を閉鎖及び/又は開放するように動作可能であり得る。開閉機構227は、電気機械的な開閉機構を備えることができる。開閉機構227は、制御部210から制御信号を受信し、これにより、制御部210が開閉機構227を制御することを可能にするように動作可能である。毛髪接触部材225が、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126を備え、第1及び第2の毛髪接触可能面116、126が、これらの毛髪接触可能面の間に毛髪を受け入れるように配置される実施形態において、開閉機構227は、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を調整するように動作可能である。これについては、下記においてより詳細に記述する。
【0033】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、センサ機器230を備える。センサ機器230は、1つ又は複数のセンサを備える。このようなセンサの例には、限定されるわけではないが、IMU、ホール効果センサ、温度センサ、パワーセンサ、近接センサ、モーションセンサ、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計等が挙げられる。複数の実施形態において、センサ機器230は、1つ又は複数のプロセッサを備える。制御部210は、センサ機器230から信号(例えば、センサ出力)を受信するように動作可能である。センサ機器230からのセンサ出力を使用して、ヘアスタイリング用デバイス100を制御することができる。複数の実施形態において、制御部210は、センサ機器230を制御するように動作可能である。
【0034】
図2に示された実施形態において、センサ機器230は、IMU235を備える。このような複数の実施形態において、制御部210は、ヘアスタイリング用デバイス100の移動を示す信号をIMU235から受信するように動作可能である。複数の実施形態において、IMU235は、加速度計、ジャイロスコープ及び磁力計を備える。加速度計、ジャイロスコープ及び磁力計のそれぞれが3つの軸又は自由度(x、y、z)を有する。したがって、IMU235は、9軸IMUを構成し得る。代替的な複数の実施形態において、IMU235は、加速度計及びジャイロスコープを備えるが、磁力計を備えない。このような複数の実施形態において、IMU235は、6軸IMUを構成する。9軸IMUは、自由度が増えるため、6軸IMUより高精度な測定値を生成することができる。しかしながら、状況によっては、9軸IMUより6軸IMUが好ましいこともある。例えば、一部のヘアスタイリング用デバイスは、使用中に磁気の乱れを発生させ、及び/又は磁気の乱れを受け得る。これは、オンボード型電源を備えるコードレス型ヘアスタイリング用デバイス並びに発熱体を備えるヘアスタイリング用デバイスに関しては、特に考慮すべき事項であり得る。加熱、デバイスの磁気及び/若しくは磁気インダクタンス、並びに/又は、他の磁気の乱れが磁力計の挙動に影響し得る。したがって、場合によっては、6軸IMUは、9軸IMUより信頼性が高く、及び/又はより高精度である。IMUは、加速度計信号及びジャイロスコープ信号(並びに一部の実施形態においては磁力計信号)を示すデータを出力するように構成される。代替的な一実施形態において、IMU235は、加速度計を含むことができるが、ジャイロスコープ又は磁力計を含まない。このような実施形態において、IMU235は、3軸IMUを構成する。
【0035】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ユーザーインターフェース240を備える。ユーザーインターフェース240は例えば、音声及び/又は視覚的インターフェースを備えることができる。複数の実施形態において、ユーザーインターフェース240は、ディスプレイ(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)を備える。複数の実施形態において、ユーザーインターフェース240は、スピーカー等の音声出力デバイスを備える。複数の実施形態において、ユーザーインターフェース240は、触覚的フィードバックをユーザーに提供するように構成された触覚的フィードバック生成装置を備える。制御部210は、ユーザーインターフェース240を制御するように動作可能であり、例えば、ユーザーインターフェース240により、ユーザーのための出力を提供するように動作可能である。一部の実施形態において、制御部210は、例えばユーザーインターフェース240を介したユーザーの入力に基づいてデータを受信するように動作可能である。
【0036】
ヘアスタイリング用デバイス100は、メモリ250をさらに備える。メモリ250は、複数の実施形態による様々なデータを記憶するように動作可能である。メモリは、少なくとも1つの揮発性メモリ、少なくとも1つの不揮発性メモリ及び/又は少なくとも1つのデータ記憶装置を備えることができる。揮発性メモリ、不揮発性メモリ及び/又はデータ記憶装置は、制御部210による使用又は実行のためのコンピュータ読取り可能な情報及び/又は命令を記憶するように構成され得る。
【0037】
代替的な複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、より多い構成要素、より少ない構成要素及び/又は異なる構成要素を備えることができる。特に、
図1A、
図1B及び/又は
図2に示されたヘアスタイリング用デバイス100の構成要素の少なくとも一部は、一部の実施形態において省略され得る(例えば、必要とされないこともある)。例えば、一部の実施形態において、発熱体220、毛髪接触部材225、開閉機構227、センサ機器230、ユーザーインターフェース240及びメモリ250のうちの少なくとも1つを省略することができる。一部の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、移動可能な(例えば、旋回可能な)アーム110、120を備えない。
【0038】
図3は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法300を示す。方法300を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図3の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触可能面116、126を有する加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、毛髪接触可能面116、126を介してユーザーの毛束に熱を加えるように動作可能である。複数の実施形態において、方法300は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0039】
ステップ310において、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部から毛束の第2の端部に向かって毛束に沿って移動していると判定する。
【0040】
ステップ320において、上記判定に基づいて、発熱体220は、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部から毛束の第2の端部に向かって毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225の動作温度を変化させるように制御される。
【0041】
複数の実施形態において、第1の端部は、毛束の毛根側端部を構成し、第2の端部は、毛束の毛先側端部を構成する。第1の端部は、毛根又は毛束の中間点に配置され得る。同様に、第2の端部は、毛先又は毛束の中間点に配置され得る。本明細書において使用される「毛根側端部」という用語は、毛髪の根本に最も近い毛束の端部を指す。「毛先」側端部という用語は、毛髪の先端に最も近い(例えば、根本から最も遠い)毛束の端部を指す。一部の例において、毛束は、毛髪の根本(例えば、ユーザーの頭部)から毛髪の先端までの間の全経路にわたって延在する。他の複数の例において、しかしながら、毛束は、毛髪の根本から毛髪の先端までの間で部分的に延在する。このような例において、毛束の毛根側端部は、実際の毛髪の根本ではない箇所に配置され得、及び/又は、毛束の毛先側端部は、実際の毛髪の先端ではない箇所に配置され得る。
【0042】
したがって、毛髪接触部材225の動作温度は、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに変化する。毛束に沿った毛髪への熱の供給を適応及び/又は調節することによって、毛束の全体にわたる熱分布を制御することができる。毛髪の温度は、毛束の毛先側端部に比較して、毛束の毛根側端部の方がより高くなり得る。しかしながら、毛先側端部の毛髪は、希望通りにスタイリングする(例えば、まっすぐにする)するために毛根側端部の毛髪より多量の熱を加えることを必要とすることがある。毛先側端部の毛髪は毛根側端部の毛髪より老いており、老いた毛髪は、希望通りにスタイリングするためにより多くの熱を必要とすることがある。したがって、一定の動作温度にした毛髪接触部材225を毛束に沿って使用することにより、(毛根側端部への熱の供給が多すぎるせいで)毛束の毛根側端部の毛髪に熱ダメージが与えられることもあり得るし、及び/又は、(毛先側端部への熱の供給が少なすぎるせいで)希望通りのスタイルを達成することができないこともあり得る。したがって、毛束の毛根側端部から毛先側端部に向かって増大する熱供給プロファイルを提供することにより、希望通りのスタイルを達成するのに十分に高い温度が毛先側端部の毛髪に伝達されることを確実にしながら、熱ダメージの可能性を低下させる(特に、毛根側端部のより若い毛髪を保護する)。このような熱供給プロファイルは、「根元から先端までの(root-to-tip)」熱供給プロファイルと呼ばれることもある。複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225の動作温度を上昇させる。代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225の動作温度を低下させる。
【0043】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触部材225の移動に応じたセンサ出力を生成するように構成されたセンサ機器230を備える。センサ出力を処理して、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動していると判定する。したがって、一部の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動しているとの判定は、ユーザーの入力及び/又は介入なしでなされ得る。複数の実施形態において、センサ機器230は、IMU235を備える。IMU235からの1つ又は複数の信号を処理して、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動していると判定することができる。さらには又は代替的には、センサ機器230は、ホール効果センサを備えることができる。ホール効果センサは、毛髪接触部材225が開構成(例えば、アーム110、120が開放している場合)と閉構成(例えば、アーム110、120が閉鎖されている場合)のどちらであるのかに応じたセンサ出力を生成することができる。したがって、毛髪接触部材225の閉鎖を感知し、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動していると判定するために使用することができる。代替的な複数の実施形態において、ステップ310の判定は、センサ機器の使用なしで実行される。例えば、上記判定は、例えばユーザーインターフェース、ヘアスタイリング用デバイス100にある1つ又は複数のボタン等を介したユーザーの入力に基づいてなされ得る。
【0044】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触部材225を加熱するように動作可能な発熱体220を備える。このような複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱の制御は、発熱体220を制御することを含む。
【0045】
複数の実施形態において、センサ出力に基づいて、毛束の第1の端部からの毛髪接触部材225の変位を導出する。このような複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱(例えば、発熱体220の制御)は、導出された変位に基づく。変位は、例えばIMU235から受信した信号に基づいて導出することができる。他の複数の例において、パスの開始が特定され(例えば、毛髪接触部材225が毛束の毛根側端部にある場合)、パスの開始からの経過時間に基づいて変位が導出される。パスの開始は例えば、毛髪接触部材225のプレートの閉鎖に基づいて特定することができる。導出された変位に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御することにより、毛束に沿った熱分配をより細かく制御することができる。
【0046】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の所定閾値動作温度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。所定閾値動作温度は、導出された毛束の第1の端部(例えば、毛根側端部)からの毛髪接触部材225の変位に依存する。毛髪接触部材225の加熱は例えば、毛髪接触部材225の動作温度が、毛髪接触部材225に関する所定閾値動作温度より高くなるように制御することができる。複数の実施形態において、毛束の第1の端部には、第1の所定閾値動作温度が使用され、毛束の第2の端部には、第2の所定閾値動作温度が使用され、第2の所定閾値動作温度は、第1の所定閾値動作温度より高い。一部の実施形態において、第1の端部と第2の端部との間の毛束上のある場所には、第3の所定閾値動作温度が使用される。第3の所定閾値動作温度は、第1の所定閾値動作温度から第2の所定閾値動作温度までの間であり得る。
【0047】
複数の実施形態において、センサ出力に基づいて、毛髪接触部材225の速度を導出する。例えば、速度は、IMU235からの1つ又は複数の信号を処理することによって導出することができる。このような複数の実施形態において、導出された速度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、導出された速度に応じた率で毛髪接触部材225の動作温度を変化させる(例えば、上昇させる)ように制御される。言い換えると、毛髪接触部材225の温度変化の率は、毛髪接触部材225が移動している速度に依存し得る。例えば、温度上昇(又は「昇温」)の速度は、毛髪接触部材225が比較的素早く移動していると判定された場合には比較的急速であり得、毛髪接触部材225が比較的ゆっくり移動していると判定された場合には比較的緩やかであり得る。これにより、毛束に沿った熱分配のより細かい制御を可能にし、及び/又は、ヘアスタイリング用デバイス100をユーザーの挙動に適応させることができる。複数の実施形態において、毛束に沿った熱供給プロファイルは、導出された速度に依存する。
【0048】
複数の実施形態において、速度及び/又は位置推定アルゴリズムを使用して、センサ出力を処理する。複数の実施形態において、速度及び/又は位置推定アルゴリズムは、IMUからの加速度計信号とジャイロスコープ信号とを合成するように構成される。例えば、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動していると判定すること、第1の端部からの毛髪接触部材225の変位を導出すること、及び/又は毛髪接触部材225の速度を導出することは、速度及び/又は位置推定アルゴリズムの使用によって実行することができる。9軸IMUが使用される実施形態において、速度及び/又は位置推定アルゴリズムは、加速度計信号及びジャイロスコープ信号に加えて磁力計からの信号を使用して初期状態を判定することができる。複数の実施形態において、速度及び/又は位置アルゴリズムは、Madgwickフィルタを備える。速度及び/又は位置推定アルゴリズムは、ソフトウェア若しくはハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して実装することもできるし、又は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せを用いて実装することもできる。速度及び/又は位置推定アルゴリズムは、本明細書に記載された様々な方法において使用することができる。
【0049】
IMUは、適切に補正されない限り得られた計算結果に誤りを発生させる可能性がある、ノイズ、バイアス及び/又はドリフトを伴い得る。例えば、ジャイロスコープ信号は、時間経過に伴ってドリフトし得るし、加速度計は、重力によってバイアスをかけられ得るし、ジャイロスコープ信号と加速度計信号は両方とも、ノイズを伴い得る。複数の実施形態において、フィルタリング、例えばハイ及び/若しくはローパスフィルタ並びに/又はメジアンフィルタを使用してIMU信号中のノイズの少なくとも一部を除去する。複数の実施形態において、加速度計信号とジャイロスコープ信号とを結合させる一方で、ジャイロスコープの測定誤差の大きさを推定誤差の方向又は最も急な方向で取り除くことにより、ジャイロスコープのドリフトを補正するためにMadgwickフィルタが使用される。Madgwickフィルタの出力は、世界基準の方位クォータニオン又はMadgwickクォータニオンであり、デバイスに方位を与えるものである。このクォータニオンは、加速度信号を地球基準座標系に対して回転させるために使用される。加速度を回転させたら、各軸にかかる重力の引力の比率を計算して取り除く(すなわち、重力が補償される)。これにより、直線加速度が得られ、直線加速度を積分して速度を得ることができ、次いで速度を積分して位置及び/又は変位を得ることができる。これらの信号を積分するたびに、このようなバイアス及び/又はドリフトに起因する残存の誤差が増大する。したがって、このような誤差は、速度及び/又は位置の測定に関しては特に問題となり得る。速度のドリフトを補償した後で速度を積分して位置を得ることにより、測定値の精度を高める。速度及び/又は位置の測定値は、3つすべての軸について個別に測定値を構成することもできるし、又は、方向成分を合成して速度の大きさ及び/若しくは位置の大きさを得ることもできる。
【0050】
他の複数の実施形態において、Madgwickフィルタの代わりに、又はMadgwickフィルタに加えて、代替的なフィルタ及び/又はアルゴリズムを使用することができる。このようなフィルタの例には、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、及び/又は、Mahonyフィルタ等の相補フィルタが挙げられる。しかしながら、Madgwickフィルタは、他のフィルタに比べて、同等のレベルの精度又は場合によってはより良好なレベルの精度を達成しながらも計算量がより少ない。これにより、Madgwickフィルタは、外部処理デバイスを必要とすることなく、ヘアスタイリング用デバイス100自体で実行することができる。これは、デバイス間でデータを転送する必要性がなくなるので、処理が外部処理データに実行される場合に比較してレイテンシーを低減する。
【0051】
複数の実施形態において、速度は、3軸IMUからの1つ又は複数の信号を処理することによって導出することができる。上記のように、このような複数の実施形態において、導出された速度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、導出された速度に応じた率で毛髪接触部材225の動作温度を変化させる(例えば、上昇させる)ように制御される。言い換えると、毛髪接触部材225の温度変化の率は、毛髪接触部材225が移動している速度に依存し得る。例えば、温度上昇(又は「昇温」)の速度は、毛髪接触部材225が比較的素早く移動していると判定された場合には比較的急速であり得、毛髪接触部材225が比較的ゆっくり移動していると判定された場合には比較的緩やかであり得る。これにより、毛束に沿った熱分配のより細かい制御を可能にし、及び/又は、ヘアスタイリング用デバイス100をユーザーの挙動に適応させることができる。複数の実施形態において、毛束に沿った熱供給プロファイルは、導出された速度に依存する。
【0052】
複数の実施形態において、機械学習モデル等の速度及び/又は位置推定アルゴリズムを使用して、センサ出力を処理する。複数の実施形態において、加速度計を備える3軸IMUは、機械学習モデルと組み合わせて使用される。例えば、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動していると判定すること、第1の端部からの毛髪接触部材225の変位を導出すること、及び/又は毛髪接触部材225の速度を導出することは、機械学習モデルの使用によって実行され得る。
【0053】
3軸IMUが使用される実施形態において、機械学習モデルは、3軸IMUからの信号を使用して初期状態を判定することができる。複数の実施形態において、機械学習モデルは、一般化非線形回帰アルゴリズム(ガウシアンカーネル回帰及びニューラルネットワーク等)を使用して訓練されてきた。機械学習モデル用の訓練データは、ヘアスタイリング用デバイス100の過去の使用からの3軸IMUデータと、グラウンドトゥルースソース、例えばViconモーションキャプチャシステムからの目標データとを一緒に使用する。グラウンドトゥルースソースからの目標データは、代替的なシステムを使用して取り込むことができることは理解されよう。機械学習モデルは、ソフトウェア若しくはハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)を使用して実装することもできるし、又はハードウェアとソフトウェアとの組合せを使用して実装することもできる。機械学習モデルは、本明細書に記載された様々な方法において使用することができる。
【0054】
上記のように、IMU(3軸IMU等)は、適切に補正されない限り得られる計算結果に誤りを発生させる可能性がある、ノイズ、バイアス及び/又はドリフトを伴い得る。例えば、加速度計は、重力によってバイアスをかけられ得るし、加速度計信号は、ノイズを伴い得る。複数の実施形態において、加速度計信号のノイズの少なくとも一部は、フィルタリング、例えばハイ及び/若しくはローパスフィルタ並びに/又はメジアンフィルタを使用して取り除かれる。
【0055】
複数の実施形態において、ローパスフィルタを3軸IMUの各信号出力に適用して、ノイズを取り除く。次いで、各信号を合成して単一の信号出力にする。次いで、重力による単一の信号出力にかかる力の比率を計算し、信号出力から差し引いて、加速度の大きさを得る。
【0056】
次いで、事前に訓練済みの機械学習モデルを加速度の大きさに適用する。
【0057】
上記機械学習モデルを使用して、先述したように訓練されてきた機械学習モデルの使用によって加速度の大きさを速度の大きさに変換するのと同時に、ノイズ、バイアス及び速度ドリフト等のドリフトを補正する。複数の実施形態において、機械学習モデルは、ヘアスタイリング用デバイスの過去の使用において提供された運動加速度の大きさの訓練データと、グラウンドトゥルースソース、例えばViconモーションキャプチャシステムからの、速度の大きさのグラウンドトゥルースデータとを用いて訓練される。
【0058】
複数の実施形態において、スライディングウィンドウアルゴリズムを使用して、好ましい複数の実施形態においては20のサンプルポイントからなる機械学習モデル用の入力データを同時に生成する。その際、計算された速度の20番目のサンプルポイントについては、この20番目のサンプルポイントと、運動加速度の大きさの入力データのうちの先行する19のサンプルポイントとを考慮した機械学習モデルによってドリフトが補償される。しかしながら、機械学習モデルへの入力データとして、異なる数のサンプルポイントを使用することができることは理解されよう。この点に関して、機械学習モデルは、3軸IMUに関連するノイズ、バイアス及び/又はドリフトを補正及び/又は補償することができる。
【0059】
代替的な一実施形態において、ローパスフィルタを3軸IMUの各信号出力に適用する。次いで、3つの信号出力はそれぞれ別々に処理される。次いで、各信号における力の比率を計算し、信号出力のそれぞれから差し引いて、3つの加速度の大きさ(1つの軸につき1つの加速度の大きさ)を得る。次いで、上記の事前に訓練済みの機械学習モデルを加速度の大きさのそれぞれに個別に適用する。同様に、スライディングウィンドウアルゴリズムを適用して、機械学習モデルのための入力を生成することができる。言い換えると、機械学習モデル及びスライディングウィンドウアルゴリズムは、各軸に個別に適用することができる。
【0060】
複数の実施形態において、速度を積分して位置及び/又は変位を得る。計算された速度においてはドリフトが補償されているので、位置及び/又は変位をより高精度に導出することができる。
【0061】
したがって、3軸IMUと組み合わせた機械学習モデルを使用して、速度ドリフトを補償し、ヘアスタイリング用デバイスの速度、位置及び/又は変位を導出することができる。
【0062】
複数の実施形態において、動作温度を変化させること(例えば、上昇させること)は、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部から毛束の第2の端部に向かって毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量を調整すること(例えば、増大させること)を含む。例えば、発熱体220に加えられるエネルギーの量は、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに調整することができる。したがって、このような複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225の動作温度と発熱体220に加えられるエネルギーの量との両方を増大させることができる。代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量を増大させない。例えば、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量は、一定であり得る。
【0063】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛根側端部から毛先側端部に向かって毛束に沿って移動するときに、所定の率で毛髪接触部材225の動作温度を上昇させる。所定上昇率は、毛束に沿った熱供給プロファイルに基づき得る。一部の実施形態において、所定上昇率は、毛髪接触部材225の速度に依存する。所定上昇率は、限定されるわけではないが、スタイリングされている毛髪の種類、毛髪が濡れているのか乾いているのか、毛束の長さ、ヘアスタイリング用デバイスの過去の使用、ユーザーの好み等を含む他の要因に依存し得る。複数の実施形態において、所定上昇率は、例えば1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータによって規定される毛束の状態に依存する。これについては、下記においてより詳細に記述する。
【0064】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225が第2の端部(例えば、毛先側端部)にあるときの毛髪接触部材225の動作温度が、毛髪接触部材225が第1の端部(例えば、毛根側端部)にあるときの毛髪接触部材225の動作温度より40~80度高くなるように制御される。例えば、毛髪接触部材225が第2の端部にある場合の動作温度は、毛髪接触部材225が第1の端部にある場合の動作温度より50~70度高く、例えば60度高くなり得る。一部の例において、毛髪接触部材225が第1の端部にある場合の動作温度は120℃であり、毛髪接触部材225が第2の端部にある場合の動作温度は180℃である。このような第1の端部の動作温度と第2の端部の動作温度の差により、毛束全体を希望通りにスタイリングする(例えば、まっすぐにする又はカールさせる)ことができ、これにより、毛髪への熱ダメージの可能性を低下させながらスタイリング時間を短縮することができる。第1の端部の動作温度と第2の端部の動作温度との差は、他の複数の実施形態において、他の値を有し得る。
【0065】
複数の実施形態において、方法300は、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかを判定することを含む。発熱体220は、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかに応じて制御される。このような一部の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかに応じた率で毛髪接触部材225の動作温度を変化させるように制御される。例えば、第1の所定上昇率は、縮毛矯正挙動のために使用することができ、第2の異なる所定上昇率は、ヘアカーリング挙動のために使用することができる。したがって、異なる活動のためには、異なる温度伝達プロファイルを使用することができる。これにより、同じヘアスタイリング用デバイス100によって異なるスタイルを達成することが可能になり、熱ダメージの可能性を低下させ、スタイリング時間を短縮しながらヘアスタイリング用デバイス100の汎用性を改善することができる。複数の実施形態において、スタイリング挙動は、下記においてより詳細に記述するように、分類アルゴリズム及びセンサデータを使用して特定される。代替的な複数の実施形態において、スタイリング挙動は、ユーザーの入力に基づいて特定される。代替的な複数の実施形態において、厳密なスタイリング挙動は特定されない。例えば、スタイリング挙動にかかわらず、同じ温度伝達プロファイル(毛束に沿って変化し得る)を使用することができる。
【0066】
例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、例えば、毛髪接触部材225自体にエネルギーを直接加えることによって実行することができる。どちらの場合であっても、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225の動作温度が毛束に沿って変化するように制御される。
【0067】
図4は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法400を示す。方法400を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図4の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触可能面116、126を有する加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、毛束の第1の端部と毛束の第2の端部との間での毛束に沿った毛髪接触部材225の移動によって、毛髪接触可能面を介して毛束に熱を加えるように動作可能である。これらの実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の使用を示すセンサ出力を生成するように構成されたセンサ機器230をさらに備える。複数の実施形態において、方法400は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0068】
ステップ410において、センサ機器230からセンサ出力を受信する。
【0069】
ステップ420において、センサ出力に基づいて、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部又は毛束の第2の端部にあると判定する。
【0070】
ステップ430において、ヘアスタイリング用デバイス100は、上記判定に基づいてアクションを実行するように制御される。
【0071】
毛髪接触部材225が毛束の第1の端部(例えば、毛束の毛根側端部)にあると判定することによって、パスの開始を検出する。同様に、毛髪接触部材225が毛束の第2の端部(例えば、毛束の毛先側端部)にあると判定することによって、パスの終了を検出する。したがって、パスの境界(すなわち、開始及び終了)は、ヘアスタイリング用デバイス100によって特定され、ヘアスタイリング用デバイス100を制御するために使用される。これにより、パスの境界が特定されない場合に比較してより細かい及び/又はよりインテリジェントなヘアスタイリング用デバイス100の制御が可能になる。
【0072】
第1の端部は、毛根又は毛束の中間点に配置され得る。同様に、第2の端部は、毛先又は毛束の中間点に配置され得る。複数の実施形態において、第1の端部は、毛束の毛根側端部を構成し、第2の端部は、毛束の毛先側端部を構成する。
【0073】
複数の実施形態において、ステップ420において実行された判定に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備える場合、ステップ420において実行された判定に基づいて発熱体220を制御することができる。したがって、方法400は、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部又は毛束の第2の端部にあるとの判定に基づいて発熱体220を制御することを含み得る。代替的な複数の実施形態においてステップ420で実行された判定に基づいて、ヘアスタイリング用デバイス100の他の構成要素及び/又は機能を制御することができる。
【0074】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部(例えば、毛根側端部)にあると判定したことに応答して、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量(例えば、発熱体220に加えられるエネルギーの量)を増大させる。毛髪接触部材225が毛束の第2の端部(例えば、毛先側端部)にあると判定したことに応答して、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量を減少させる。したがって、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量は、パスの開始時には増大させることができ(これによって、毛束内の毛髪を加熱する)、パスの終了時(毛髪の加熱がもはや実行されていないとき)には減少させることができる。これにより、ヘアスタイリング用デバイス100の使用中を通して毛髪接触部材225を加熱するために一定量のエネルギーが使用される場合に比較して、電力消費が低減される。このようにして毛髪接触部材225の加熱を制御することにより、毛束に沿って所定温度伝達プロファイル(例えば、昇温)を適用することができる。複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225の加熱のために使用されるエネルギーの量を所定の率で増大させる。代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量及び/又は毛髪接触部材225の動作温度は、毛束に沿って一定である。このような代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量をパスの終了時(毛髪接触部材225が毛束の第2の端部にあると判定された場合)に減少させ、これにより、電力消費を低減する。
【0075】
複数の実施形態において、センサ出力は、ヘアスタイリング用デバイス100の使用特性を示す。使用特性は、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の使用を示す。使用特性は、時間経過に伴って変化する特性であり得る。複数の実施形態において、使用特性は、毛髪接触部材225の移動を示す。複数の実施形態において、使用特性は、(例えば、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときの)毛髪接触部材225の速度を含む。したがって、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部又は毛束の第2の端部にあるとの判定は、毛髪接触部材225の速度に基づき得る。例えば、毛髪接触部材225の速度は、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動している場合に比較して、毛束の端部においてはより低くなり得る。複数の実施形態において、使用特性は、毛髪接触部材225が運動中であるか否かを示す。
【0076】
複数の実施形態において、使用特性は、毛髪接触部材225の位置、例えば、毛束の第1の端部からの変位を含む。したがって、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部又は毛束の第2の端部にあるとの判定は、判定された毛髪接触部材225の位置に基づき得る。これは例えば、IMU235から受信した信号に基づいて計算することができる。第1の位置は、毛束の第1の端部に関連付けることができ、第2の位置は、第2の端部に関連付けることができる。一部の実施形態において、位置は、三次元空間における座標として規定される。他の複数の実施形態において、位置は、一次元的な値、例えば、既知又は所定の場所からの距離として規定される。
【0077】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、開構成と閉構成との間で移動可能である。このような複数の実施形態において、使用特性は、毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのかを示す。複数の実施形態において、センサ機器230は、ホール効果センサを備える。したがって、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部又は毛束の第2の端部にあることの判定は、毛髪接触部材225の開構成と閉構成との間での移動に基づき得る。例えば、毛髪接触部材225は、毛髪接触部材225が毛束の毛根側端部(例えば、パスの開始)にある場合、開構成から閉構成まで移動することができ、毛髪接触部材225が毛束の毛先側端部(例えば、パスの終了)にある場合、閉構成から開構成まで移動することができる。したがって、ヘアスタイリング用デバイス100は、ユーザーの入力を必要とすることなく、パスの開始及び/又は終了を検出することができる。
【0078】
複数の実施形態において、例えば、センサ機器230がIMU235を備える場合、使用特性は、毛髪接触部材225の移動を示す。このような一部の実施形態において、速度及び/又は位置推定アルゴリズム(例えば、Madgwickフィルタ及び/又は機械学習モデルを備える)を使用して、センサ出力を処理する。これについては、上記において、
図3を参照しながらより詳細に記述されている。
【0079】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、毛束の第2の端部に向かって毛束の第1の端部から離れるように移動していると判定する。このような判定は例えば、IMU235から受信した信号に基づいて実行することができる。毛髪接触部材225の加熱は、このような判定に基づいて制御することができる。例えば、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225の加熱を制御して、所定熱供給プロファイルを実装することができる。
【0080】
例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225にエネルギーを直接加えることによって制御することができる。
【0081】
図5は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法500を示す。方法500を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図5の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触可能面116、126を有する加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、毛髪接触可能面を介してユーザーの毛髪に熱を加えるように動作可能である。これらの実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、IMU235をさらに備える。IMU235は、毛髪接触部材225の移動に応じて信号を出力するように構成される。複数の実施形態において、方法500は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0082】
ステップ510において、毛髪接触部材225が毛束の第1の端部から毛束の第2の端部に毛束に沿って移動していることを示す1つ又は複数の信号をIMU235から受信する。
【0083】
ステップ520において、受信した1つ又は複数の信号を処理して、毛束の第1の端部からの毛髪接触部材225の変位を導出する。
【0084】
ステップ530において、導出された変位に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。
【0085】
導出された毛束の第1の端部(例えば、毛束の毛根側端部)からの毛髪接触部材225の変位に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御することによって、毛束に沿った熱供給及び/又は熱分布を制御し、及び/又は適応させることができる。したがって、毛束に沿った目標熱供給プロファイルは、所与の時間における毛髪接触部材225の変位を導出し、毛髪接触部材225の加熱を相応に制御することによって達成することができる。代替的な複数の実施形態において、受信した1つ又は複数の信号を処理して、毛束の第2の端部(例えば、毛束の毛先側端部)からの毛髪接触部材225の変位を導出する。
【0086】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触部材225を加熱するように動作可能な発熱体220を備える。このような複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱を制御することは、発熱体220を制御することを含む。
【0087】
複数の実施形態において、第1の端部は、毛束の毛根側端部を構成し、第2の端部は、毛束の毛先側端部を構成する。第1の端部は、毛根又は毛束の中間点に配置され得る。同様に、第2の端部は、毛先又は毛束の中間点に配置され得る。
【0088】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量(例えば、発熱体220に加えられるエネルギーの量)は、導出された変位に基づいて調整される。これにより、毛束に沿って変化する熱供給プロファイルを達成することができる。例えば、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量を増大させることができる。したがって、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量は、毛束の第1の端部からの毛髪接触部材225の変位に依存し得る。これにより、スタイリング時間を短縮して毛髪への熱ダメージの可能性を低下させながら、希望通りのスタイルを達成することができる。
【0089】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の所定閾値動作温度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。例えば、毛髪接触部材225の加熱を制御して、毛髪接触部材225の動作温度を所定閾値動作温度より高く保持することができる。所定閾値動作温度は、導出された毛束の第1の端部からの毛髪接触部材225の変位に依存する。例えば、所定閾値動作温度は、毛髪接触部材225が毛根側端部に比較的近い場合にはより低いことが可能であり、毛髪接触部材225が毛根側端部から比較的遠い(又は毛先側端部に近い)場合にはより高いことが可能である。したがって、異なる変位が異なる場合、異なる毛髪接触部材225の動作温度が使用され得る。これにより、毛束に沿った動的な又は変化する熱供給プロファイルを毛髪に適用することができる。
【0090】
複数の実施形態において、1つ又は複数の信号を処理して、第1の端部と第2の端部との間の毛束の長さを導出する。導出された長さを使用して、第1の端部からの毛髪接触部材225の変位を導出することができる。毛束の長さを使用して変位を導出することは、毛束の長さが導出されない比較ケースより高精度であり得る。さらに、毛束の長さを使用することにより、絶対的変位に加えて又は絶対的変位の代替として、相対的変位を導出することができる。例えば、所与の時間において、毛髪接触部材225が毛束に沿って第1の端部と第2の端部との間の途中にあると判定することができ、毛髪接触部材225の加熱を相応に制御する(例えば、第1の端部と第2の端部との間の途中にある毛髪に所定の加熱を加える)ことができる。これにより、希望通りの熱供給プロファイルを毛束に沿って実装することができる。複数の実施形態において、絶対的変位を使用して、例えば、所定の毛束の長さを使用して、熱供給プロファイルを実装することができる。これは、毛束の長さを測定する方法より実地での実装が容易であり得る。所定長さより長い所与の毛束のセクションは、熱供給プロファイルの最高温度を受け取ることができる。複数の実施形態において、ユーザーの頭部に対する毛髪接触部材225の位置を導出し、所定の毛束の長さと一緒に使用して、毛束の第1の端部からの変位を導出する。
【0091】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が第1のパスで毛束に沿って移動していることを示す第1の信号をIMU235から受信する。第1の受信した信号を処理して、毛束の長さを導出する。次いで、毛髪接触部材225が第1のパスに後続する第2のパスで毛束に沿って移動していることを示す第2の信号をIMU235から受信する。導出された長さを使用して第2の信号を処理して、第1の端部からの毛髪接触部材225の変位を導出する。したがって、毛束に沿った第1のパスでIMUデータから毛束の長さを導出することができ、次いで、導出された長さを、第2のパスでIMUデータと一緒に使用して、所与の時間における毛束に沿った変位を導出する。これにより、毛束の長さを事前に導出しない比較ケースより高精度な変位の値を与えることができる。第1のパスと第2のパスは、両方ともが同じヘアスタイリングセッションの一部であってもよいし、又は異なるヘアスタイリングセッションの一部であってもよい。例えば、第1のパスは、過去のヘアスタイリングセッションのものであってもよい。代替的な複数の実施形態において、同じパスで毛束の長さと変位との両方を導出する。これは、異なるパスで毛束の長さと変位とを導出する場合より少ないパスを包含し、したがって、より少ない時間及び/又は電力消費を包含する。
【0092】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225が毛根側端部から毛先側端部に向かって毛束に沿って移動するときに、毛髪接触部材225の動作温度を上昇させるように制御される。毛根側端部から毛束の毛先側端部に向かって増大する熱供給プロファイルを提供することにより、希望通りのスタイルを達成するのに十分に高い温度が毛先側端部の毛髪に分配されることを確実にしながら、熱ダメージの可能性を低下させる。
【0093】
複数の実施形態において、Madgwickフィルタを使用して、IMU235から受信した信号を処理する。これについては、上記において、
図3を参照しながらより詳細に記述されている。複数の実施形態において、上記のように、機械学習モデルを使用して、受信した信号を処理する。
【0094】
例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225にエネルギーを直接加えることによって制御することができる。
【0095】
図6は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法600を示す。方法600を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図6の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、IMU235を備える。IMU235は、ヘアスタイリング用デバイス100の移動に応じて信号を出力するように構成される。複数の実施形態において、方法600は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0096】
ステップ610において、毛束の第1の端部と毛束の第2の端部との間での毛束に沿ったヘアスタイリング用デバイス100の移動を示す信号をIMU235から受信する。
【0097】
ステップ620において、受信した信号を処理して、第1の端部と第2の端部との間の毛束の長さを導出する。
【0098】
ステップ630において、導出された長さに基づいてヘアスタイリング用デバイス100を制御してアクションを実行する。
【0099】
毛束の長さを導出することによって、ユーザーの毛髪に関するより有用な情報を得て活用することができる。例えば、スタイリングアドバイス及び/又はフィードバックは、例えばヘアスタイリング用デバイス100のユーザーインターフェースを介して、毛束の長さに応じて提供することができる。毛束の長さが異なる場合、異なるスタイリングアドバイスが適切であり得る。したがって、IMUデータから毛束の長さを導出することによって、ヘアスタイリング用デバイス100によって提供されるスタイリングアドバイスを、特定のユーザーに対して個別調整することができる。さらには又は代替的には、導出された毛束の長さを使用して、ヘアスタイリング用デバイス100の1つ又は複数の動作設定、例えば、動作温度を制御することができ、これにより、ユーザーの毛束の長さに基づいた動作制御の個別調整を可能にする。
【0100】
複数の実施形態において、受信した信号を処理して、毛束の毛根側端部と毛束の毛先側端部との間の長さを導出する。ヘアスタイリング用デバイス100は、導出された長さに基づいて制御することができる。第1の端部は、毛根又は毛束の中間点に配置され得る。同様に、第2の端部は、毛先又は毛束の中間点に配置され得る。
【0101】
複数の実施形態において、導出された長さを使用して毛束の第1の端部からのヘアスタイリング用デバイス100の変位を導出する。ヘアスタイリング用デバイス100は、導出された変位に基づいて制御することができる。このような導出された変位は、毛束の長さを使用して変位を導出しない比較ケースにおけるものより高精度であり得る。第1の端部からのヘアスタイリング用デバイス100の変位をより高精度に導出することによって、毛束に沿った加熱プロファイルの制御を向上することができる。毛束の第1の端部からのヘアスタイリング用デバイス100の変位を導出することにより、毛束に沿った熱供給及び/又は熱分布を制御及び/又は適応させることができる。したがって、毛束に沿った目標熱供給プロファイルは、所与の瞬間における毛髪接触部材225の変位を導出し、ヘアスタイリング用デバイス100を相応に制御することによって達成され得る。
【0102】
ヘアスタイリング用デバイス100がユーザーの毛髪に熱を加えるように動作可能な発熱体220を備える実施形態において、導出された長さに基づいて、発熱体220を制御することができる。ヘアスタイリング用デバイス100が毛髪接触部材225を備える実施形態において、発熱体220は、毛髪接触部材225の目標動作温度に基づいて制御することができる。目標動作温度は、導出された長さに依存し得る。したがって、異なる長さの毛束の場合、ヘアスタイリング用デバイス100によって毛髪を異なる態様で加熱することができる。これにより、ヘアスタイリング用デバイス100をユーザーの毛髪に対して個別調整することができ、これにより、動作温度が毛束の長さに応じない場合に比較してスタイリング時間を短縮し、及び/又は希望通りのスタイルを容易化することができる。
【0103】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースにより、導出された長さに関する出力を提供する。一部の実施形態において、ユーザーインターフェース、例えばユーザーインターフェース240がヘアスタイリング用デバイス100に備えられる。代替的な複数の実施形態において、ユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100に備えられず、例えば、ユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス用の充電デバイス又は携帯電話通信デバイスにインストールされたアプリに備えられ得る。出力は、音声及び/又は視覚的出力を含み得る。複数の実施形態において、出力は、導出された長さに応じたスタイリングアドバイス及び/又はフィードバックを含む。例えば、第1のスタイリングアドバイスは、導出された長さが所定閾値長さより短い場合に提供され得、第1のスタイリングアドバイスと異なる第2のスタイリングアドバイスは、導出された長さが所定閾値長さより長い場合に提供され得る。したがって、個別調整されたフィードバック及び/又はアドバイスをユーザーに提供し、これにより、ユーザーがヘアスタイリング用デバイス100をより効率的に及び/又は最適に使用することを補助することができる。
【0104】
複数の実施形態において、導出された長さに基づいて、ヘアスタイリング用デバイス100を使用してスタイリングされている毛髪のセクション及び/又はレイヤーを判定する。このような複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、判定されたスタイリングされている毛髪のセクション及び/又はレイヤーに応じて制御される。例えば、どの毛髪のセクション及び/又はレイヤーがスタイリングされているのかに応じて、特定のスタイリングアドバイス及び/又はフィードバックをユーザーに提供することができる。ユーザーの毛髪のクラウンセクションは、ユーザーの毛髪のネープセクションに比較して、異なる毛束の長さを有し得、どのセクションがスタイリングされているのかを判定することによって、ヘアスタイリング用デバイス100を、異なるセクションに対して異なる態様で(例えば、ユーザーインターフェースを介して個別調整されたフィードバックを提供すること、及び/又は加熱を制御することによって)制御することができる。
【0105】
複数の実施形態において、導出された長さは、メモリ、例えば、ヘアスタイリング用デバイス100のメモリ250に記憶される。これにより、導出された長さを、例えばヘアスタイリング用デバイス100の後続のパス及び/又は次回以降の使用のために後で検索及び使用することができる。複数の実施形態において、導出された長さは、毛束に沿った第1のパスにおいて導出され、メモリ250に記憶され、次いで、第2のパスで毛束に沿って移動している毛髪接触部材225の変位を導出するために使用される。一部の実施形態において、導出された長さは、ユーザーの毛髪の分析のために記憶される。複数の実施形態において、導出された長さは、ヘアスタイリング用デバイス100の1つ又は複数の設定をユーザーの毛髪に対して個別調整することを可能にするために記憶される。例えば、ユーザーヘアスタイリングプロファイルは、導出された毛束の長さに少なくとも部分的に基づいて、ユーザーのために生成することができる。このようなユーザーヘアスタイリングプロファイルは、ユーザーにフィードバック及び/若しくはアドバイスを提供するために使用することもできるし、並びに/又は、ユーザーによるヘアスタイリング用デバイス100の次回以降の使用中にヘアスタイリング用デバイス100の1つ若しくは複数の設定を制御するために使用することもできる。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、異なるユーザーのために複数のユーザーヘアスタイリングプロファイルを生成及び/又は記憶するように構成される。すなわち、複数のユーザー、例えば、異なる長さの毛髪を有する異なるユーザーはそれぞれ、同じヘアスタイリング用デバイス100を使用することができ、ヘアスタイリング用デバイス100は、ヘアスタイリング用デバイス100の設定を異なるユーザーに適応させることを可能にするために、各ユーザー用に個別調整されたプロファイルを(ローカルに又はリモートで)記憶することができる。
【0106】
複数の実施形態において、受信した信号は、Madgwickフィルタを使用して処理される。これについては、上記において、
図3を参照しながらより詳細に記述されている。複数の実施形態において、上記のように、機械学習モデルを使用して、受信した信号を処理する。
【0107】
図7は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法700を示す。方法700を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図7の複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126を備える。毛髪接触部材225は、閉構成と開構成との間を移動可能である。ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触部材225が閉構成と開構成のどちらであるのかを示すセンサ出力を生成するように構成されたセンサ機器230を備える。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、コードレス型ヘアスタイリング用デバイスを構成する。複数の実施形態において、方法700は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0108】
ステップ710において、センサ機器230からセンサ出力を受信する。
【0109】
ステップ720において、毛髪接触部材225が閉構成であることを示すセンサ出力に応答して、毛髪接触部材225の第1の所定閾値動作温度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。
【0110】
ステップ730において、毛髪接触部材225が開構成であることを示すセンサ出力に応答して、毛髪接触部材225の第2の所定閾値動作温度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。第2の所定閾値動作温度は、第1の所定閾値動作温度より低い。
【0111】
したがって、毛髪接触部材225の動作温度は、毛髪接触部材225が閉構成である場合に比較して、毛髪接触部材225が開構成である場合の方がより低くなる。これにより、希望通りの量の熱を毛髪に供給する毛髪接触部材225の能力を維持しながら、電力消費を低減することができる。
【0112】
毛髪接触部材225が開構成である場合、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126が間隔を空けて配置され、毛髪接触部材225が閉構成である場合、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126を合わせることができる。複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離は、毛髪接触部材225が閉構成である場合、所定閾値距離より短く、毛髪接触部材225が開構成である場合、所定閾値距離より長い。場合によっては、第1の毛髪接触可能面116及び第2の毛髪接触可能面126は、毛髪接触部材225が閉構成である場合、隣接し合う。他の場合において、第1の毛髪接触可能面116及び第2の毛髪接触可能面126は、毛髪接触部材225が閉構成である場合、隣接し合うことがない。
【0113】
毛髪接触部材225が閉構成である場合、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126の間に差し込まれた毛髪は例えば、熱及び/又は機械的圧力を加えることによってスタイリングされる。しかしながら、複数の実施形態において、毛髪接触部材225が開構成である場合、毛髪のスタイリングが起きない。毛髪接触部材225は例えば、対向する毛髪接触可能面116、126の間に毛髪が存在しない場合、開構成であり得る。複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、毛髪接触部材225が休止状態である場合、例えば使用中でない場合、開構成である。複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、ヘアスタイリング用デバイス100がパス間にある場合、開構成である。例えば、毛束に沿った第1のパスを(毛髪接触部材225が閉構成である状態で)実行し、次いで毛髪接触部材225を、毛束に沿った第2のパスを開始する前に、開構成に移動させることができる。毛髪接触部材225を開構成に移動させることは、毛髪接触可能面間に差し込まれた毛髪を解放することを包含し得る。したがって、電力消費は、毛髪が毛髪接触可能面間に差し込まれていない場合、閾値動作温度を低下させることによって低減される。
【0114】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触部材225を加熱するように動作可能な発熱体220を備える。このような複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱を制御することは、発熱体220を制御することを含む。
【0115】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が閉構成であることを示すセンサ出力に応答して、毛髪接触部材225の加熱を制御して、毛髪接触部材225の動作温度を第1の所定閾値動作温度より高いままにする。毛髪接触部材225が開構成であることを示すセンサ出力に応答して、毛髪接触部材225の加熱を制御して、毛髪接触部材225の動作温度を第2の所定閾値動作温度より高いままにする。
【0116】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が閉構成であることを示すセンサ出力に応答して、毛髪接触部材225の動作温度が第1の所定閾値動作温度より低くなったときにエネルギーを加えて、毛髪接触部材225を加熱する。毛髪接触部材225が開構成であることを示すセンサ出力に応答して、毛髪接触部材225の動作温度が第2の所定閾値動作温度より低くなったときにエネルギーを加えて、毛髪接触部材225を加熱する。
【0117】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が閉構成であることを示すセンサ出力に応答して、第1の量のエネルギーを加えて(例えば、第1の量のエネルギーを発熱体220に加えて)、毛髪接触部材225を加熱する。毛髪接触部材225が開構成であることを示すセンサ出力に応答して、第2の量のエネルギーを加えて(例えば、第2の量のエネルギーを発熱体220に加えて)、毛髪接触部材225を加熱する。第2の量のエネルギーは、第1の量のエネルギーより低い。したがって、毛髪接触部材225が開構成である場合には、より少ないエネルギーを加えて毛髪接触部材225を加熱し、これにより、電力消費を低減することができる。
【0118】
複数の実施形態において、センサ機器230は、ホール効果センサを備える。このような一部の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、第1の毛髪接触可能面116に連結された磁石を備え、ホール効果センサは、第2の毛髪接触可能面126に連結される。このようなホール効果センサによって生成されたセンサ出力を使用して、毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのかを判定することができ、例えば、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離が所定閾値距離より長いのか、短いのかを判定することができる。複数の実施形態において、センサ機器230は、IMU235を備える。したがって、毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのかの判定は、感知された毛髪接触部材225の移動に基づき得る。
【0119】
複数の実施形態において、第2の所定閾値動作温度は、第1の所定閾値動作温度より少なくとも50度低い。
【0120】
例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225にエネルギーを直接加えることによって制御することができる。
【0121】
図8は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法800を示す。方法800を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図8の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触可能面116、126を有する加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、毛髪接触可能面116、126を介して毛髪に熱を加えるように動作可能である。複数の実施形態において、方法800は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0122】
ステップ810において、毛髪接触可能面116、126を介したユーザーの毛髪の加熱中おける毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力をモニタリングする。
【0123】
ステップ820において、モニタリングされる消費電力に基づいて、加熱された毛髪のダメージを示す1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを計算する。
【0124】
ステップ830において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいてヘアスタイリング用デバイス100を制御する。
【0125】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触部材225を加熱するように動作可能な発熱体220を備える。このような複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪接触部材225を加熱するために発熱体220によって消費されてモニタリングされる電力に基づいて計算される。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない代替的な複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪接触部材225自体によって消費されてモニタリングされる電力に基づいて計算される。
【0126】
複数の実施形態において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、加熱された毛髪の物理的ダメージ、熱ダメージ及び化学的ダメージのうちの少なくとも1つを示す。
【0127】
複数の実施形態において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、加熱された毛髪の既存ダメージを示す。毛髪は、例えば過熱(熱ダメージを発生させる)、化学処理(化学的ダメージを発生させる)、加えられる把持圧が高すぎること及び/又はパスの繰返しが多すぎること(機械的ダメージを発生させる)等により、過去にダメージを受けた可能性がある。したがって、毛髪への既存ダメージは、ヘアスタイリング用デバイス100を制御するときに考慮され得る。毛髪のダメージを考慮してヘアスタイリング用デバイス100を制御することは例えば、下記においてより詳細に記述するように、毛髪の加熱を制御すること及び/又はユーザーにフィードバックを提供することを包含し得る。
【0128】
ダメージを与えられた毛髪は、例えば毛髪の内部構造の変化によるダメージを受けていない毛髪より少ない水分を保持し得る。毛髪によって保持される水分の量は結果的には、毛髪を加熱しようとするときに、毛髪接触部材225に伴う消費電力に影響する。したがって、毛髪のダメージの指標は、毛髪を加熱するための毛髪接触部材225に伴う消費電力(例えば、発熱体220によって消費される電力)をモニタリングすることによって得ることができる。例えば、所与の温度に毛髪を加熱するために発熱体220によって消費される電力は、ダメージを与えられた毛髪(より少ない水分を保持する)に対しては比較的多くなり得、ダメージを受けていない毛髪(より多い水分を保持する)に対しては比較的小さくなり得る。消費電力は、電力計、アンメータ、マルチメータ等、ヘアスタイリング用デバイスに組み込まれた機能を使用して測定することができる。
【0129】
複数の実施形態において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、加熱された毛髪の加熱に起因する予測ダメージを示す。言い換えると、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力は、加熱によって毛髪にダメージを与えるのか、及び/又は、加熱によって毛髪にどの程度のダメージが与えられるのかを予測するために使用することができる。このようなダメージは、既存ダメージに追加されるものであり得る。したがって、複数の実施形態において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、加熱された毛髪への既存ダメージと、予測ダメージとの両方を示す。例えば、ダメージを受けていない毛髪に比較して保持される水分が少なくなるように毛髪にダメージが与えられる場合、加熱によって毛髪にさらなるダメージが与えられる可能性が高まり得る。毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力をモニタリングし、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出することによって、前述の予測されるさらなる毛髪のダメージを回避することができる。代替的な複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、予測ダメージのみを示す(既存ダメージを示さない)。
【0130】
複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、ダメージの種類、例えば、化学的ダメージ、熱ダメージ又は機械的ダメージを示す。このような種類のダメージは、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力に基づいて導出することができる。例えば、化学物質によってダメージを与えられた毛髪は、熱によってダメージを与えられた毛髪より少ない水分を保持し得る。複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪のダメージの程度を示す。1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、例えば0:「ダメージなし」から10:「非常にダメージが大きい」の範囲の増分スケールで値を構成し得る。
【0131】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力をモニタリングすることで1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを計算して、毛髪接触部材225の動作温度を所定閾値動作温度より高く保つ。例えば、ダメージを受けていない毛髪に比較してダメージを与えられた毛髪の場合、発熱体220は、毛髪接触部材225の動作温度を所定閾値より高く保つためにより多くの電力を消費し得る。発熱体220によって消費される電力は、毛髪の加熱中における毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力を示す。
【0132】
ヘアスタイリング用デバイス100が、毛髪接触部材225の移動に応じたセンサ出力を生成するように構成されたセンサ機器230を備える実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、センサ出力に基づいて計算することができる。毛髪接触部材225を加熱するために発熱体220によって消費される電力は、毛髪接触部材225の移動に依存し得る。したがって、毛髪接触部材225の移動を考慮することによって、モニタリングされる電力から1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータをより高精度に計算することができる。
【0133】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、毛束の毛根側端部と毛束の毛先側端部との間での毛束に沿った毛髪接触部材225の移動によってユーザーの毛髪に熱を加えるように動作可能である。毛髪接触部材225の変位は、センサ出力に基づいて導出することができる。このような複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、導出された変位に基づいて計算される。毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力は、毛髪接触部材225が毛束内のどこにあるのか、例えば、毛根側端部又は毛先側端部に対してどこにあるのかに依存し得る。これは少なくとも部分的に、毛束が一般的に毛根側端部の方がより厚く、毛先側端部の方がより細いことに起因する。したがって、毛束の毛根側端部からの毛髪接触部材225の変位を考慮することによって、モニタリングされる電力から1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータをより高精度に計算することができる。
【0134】
複数の実施形態において、センサ出力に基づいて、毛髪接触部材225が運動中であると判定する。1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪接触部材225が運動中であるのかの判定に基づいて計算することができる。毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力は、毛髪接触部材225が運動中であるのかに依存し得る。したがって、毛髪接触部材225の移動を考慮することによって、モニタリングされる電力から1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータをより高精度に計算することができる。
【0135】
複数の実施形態において、加熱された毛髪がヘアスタイリング用デバイス100によって過去に加熱されたのかを判定する。1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、加熱された毛髪がヘアスタイリング用デバイス100によって過去に加熱されたか否かに応じて計算することができる。毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力は、加熱された毛髪がヘアスタイリング用デバイス100によって過去に加熱されたか否かに依存し得る。したがって、毛髪の過去の加熱を考慮することによって、モニタリングされる電力から1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータをより高精度に計算することができる。ヘアスタイリング用デバイス100による毛髪の過去の加熱は、過去のヘアスタイリングセッション中の加熱、及び/又は、現在のヘアスタイリングセッションに含まれる過去のパス中の加熱を含み得る。過去に加熱された毛髪を加熱することは、発熱体220によって消費される電力を、過去に加熱されなかった毛髪を加熱することより少なくすることができる。さらに、過去に加熱された毛髪を加熱することは、毛髪に熱ダメージ及び/又は機械的ダメージが与えられる可能性を高め得る。
【0136】
複数の実施形態において、加熱された毛髪が所定期間中に過去に加熱されたのかを判定する。1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、加熱された毛髪が所定期間中に過去に加熱されたか否かに応じて計算することができる。所定期間は例えば、現在のヘアスタイリングセッションに対応し得る。したがって、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、加熱された毛髪が現在のヘアスタイリングセッション中にすでに加熱されたか否かに応じて計算することができる。
【0137】
複数の実施形態において、毛髪接触可能面を介して加熱されているユーザーの毛髪のセクション及び/又はレイヤーを判定する。1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、判定された毛髪のセクション及び/又はレイヤーに基づいて計算することができる。複数の実施形態において、スタイリングされているセクション及び/又はレイヤーは、毛髪接触部材225の移動を示すセンサデータ、例えばIMU信号を使用して判定される。毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力は、毛髪のどのセクション及び/又はレイヤーがスタイリングされているのかに依存し得る。したがって、毛髪のセクション及び/又はレイヤーを考慮することによって、モニタリングされる電力から1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータをより高精度に計算することができる。
【0138】
したがって、複数の実施形態において、毛髪ダメージパラメータの計算精度を改善するために、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力と毛髪ダメージパラメータとの関係に影響し得る1つ又は複数の要因をフィルタリングし、又は考慮に入れる。このような要因は、毛髪接触部材225の運動、毛束に沿った毛髪接触部材225の変位、毛髪が過去に加熱されたのか及び/又は毛髪が過去にいつ加熱されたのか、並びに、毛髪のどのセクション及び/又はレイヤーがスタイリングされているのかを含む。代替的な複数の実施形態においては、他の要因を決定し、考慮することもできる。
【0139】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースにより、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいた出力を提供する。出力は、加熱されている毛髪がダメージを与えられたこと、及び/又はダメージを与えられた状態になる可能性が高いことをユーザーに通知する通知を含み得る。複数の実施形態において、通知は、毛髪へのダメージの種類をユーザーに通知する。複数の実施形態において、通知は、ダメージを与えられた毛髪、及び/又はダメージを与えられた状態になる可能性が高い毛髪の場所をユーザーに通知する。例えば、毛髪のどのセクション及び/又はレイヤーがダメージを与えられた毛髪を含むかをユーザーに通知することができる。複数の実施形態において、出力は、毛髪ダメージパラメータに関するアラートを含む。複数の実施形態において、出力は、補正アクションをとるようにユーザーに通知する通知を含む。例えば、通知は、毛髪にダメージ又はさらなるダメージが与えられることを回避するために毛髪の加熱の中止をユーザーに通知することができる。代替的には、通知は、毛髪接触部材225100の動作温度を調整すること、ユーザーが毛髪接触部材225を移動させる速度を調整すること、及び/又は、ユーザーによって毛髪に加えられる把持圧を調整することをユーザーに通知することができる。
【0140】
ユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100に備えられ得る。例えば、ユーザーインターフェースは、上記において
図2を参照しながら記述されたユーザーインターフェース240を構成することができる。代替的な複数の実施形態において、ユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100に備えられない。ユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100に通信可能に結合(例えば、無線通信を介して)された遠隔デバイスに備えられ得る。このような遠隔デバイスは例えば、ユーザーデバイス又はドッキングステーションを備えることができる。
【0141】
複数の実施形態において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。例えば、ヘアスタイリング用デバイスが発熱体220を備える場合、発熱体220は、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいて制御することができる。複数の実施形態において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいて、発熱体220に加えられるエネルギーの量を調整する。これにより、毛髪にダメージ及び/又はさらなるダメージが与えられることを低減及び/又は回避することができる。複数の実施形態において、毛髪にダメージが与えられたと判定された場合、毛髪接触部材225の動作温度を低下させる。代替的な複数の実施形態において、毛髪にダメージが与えられたと判定された場合、毛髪接触部材225の動作温度を上昇させる。ダメージを与えられた毛髪は例えば、希望通りにスタイリングするためにより多量の熱を必要とすることもある。複数の実施形態において、毛髪のダメージの程度及び/又は種類は、さらなるダメージの可能性及び/又は影響が無視できるようにするものであると判定され得る。一部の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱(例えば、発熱体220による加熱)は、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいて停止される。したがって、毛髪接触部材225による毛髪の加熱が中止され、これによって、毛髪へのダメージ及び/又はさらなるダメージを低減及び/又は回避することができる。
【0142】
例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225にエネルギーを直接加えることによって制御することができる。このような複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力は、(毛髪接触部材225を加熱するために発熱体220によって消費される電力をモニタリングすることによってではなく)直接モニタリングすることができ、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを計算するために使用され得る。
【0143】
図9は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法900を示す。方法900を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図9の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ヘアスタイリング用デバイス100の少なくとも1つの使用特性に応じたセンサ出力を生成するように構成されたセンサ機器230を備える。少なくとも1つの使用特性は、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の使用を示す。複数の実施形態において、方法900は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0144】
ステップ910において、センサ機器230からセンサ出力を受信する。
【0145】
ステップ920において、分類アルゴリズムを使用してセンサ出力を処理して、分類データを取得する。分類アルゴリズムは、ヘアスタイリング用デバイス100の少なくとも1つの使用特性に基づいて、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2の異なるスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかを判定するように構成される。
【0146】
ステップ930において、分類データを使用してヘアスタイリング用デバイス100を制御してアクションを実行する。
【0147】
したがって、ヘアスタイリング用デバイス100は、センサデータに基づいて現在使用されているスタイリング挙動を判定することができる。分類アルゴリズムへの入力としてセンサデータを使用することによって、ユーザーの入力を必要とすることなくスタイリング挙動を認識することができる。したがって、ヘアスタイリング用デバイス100は、ユーザーがどのようにヘアスタイリング用デバイス100を使用しているのかを自律的に特定して相応に適応することができる。これにより、ヘアスタイリング用デバイス100をよりインテリジェントに制御することができる。例えば、特定された挙動に応じてヘアスタイリング用デバイス100の1つ又は複数の動作設定を制御することができる。これにより、ヘアスタイリング用デバイス100の設定を、ユーザーがどのようにヘアスタイリング用デバイス100を使用しようとしているのかにより密接に対応させることができる。これにより、スタイリング時間を短縮し、及び/又は希望通りのスタイルを達成することができる可能性を高めることができる。さらに、これにより、例えばユーザーが正しくない及び/又は準最適な設定を所与のスタイリング挙動に使用することによって、毛髪にダメージが与えられる可能性を低下させることができる。
【0148】
複数の実施形態において、第1のスタイリング挙動は、縮毛矯正挙動を構成し、第2のスタイリング挙動は、非縮毛矯正挙動、例えば、ヘアカーリング挙動を構成する。縮毛矯正の場合、ヘアカーリングに比較して、少なくとも1つの使用特性が異なってもよい。例えば、ユーザーは、ユーザーが毛髪をまっすぐにしようとしているのか、毛髪をカールさせようとしているのかに応じてヘアスタイリング用デバイス100を異なる態様で移動させることができる。ヘアカーリングは、例えば縮毛矯正に比較して、より多いヘアスタイリング用デバイス100の回転量を伴う。したがって、分類アルゴリズムは、センサデータを使用して縮毛矯正と、ヘアカーリングとを区別するように構成され得る。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100が毛髪をまっすぐにするために使用されていないと判定され、このような判定は、ヘアスタイリング用デバイス100が毛髪をカールさせるために使用されていること、又はその逆で毛髪をカールさせるために使用されていないことを推測するために用いられる。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100の異なる動作設定は、ヘアスタイリング用デバイス100が縮毛矯正のために使用されているものであるのか、縮毛矯正以外のため、例えばヘアカーリングのために使用されているものであるのかの判定に応じて使用することができる。例えば、ヘアカーリングの場合には、毛髪がダメージを受ける可能性を低下させながら希望通りのスタイルを達成するために、縮毛矯正に比較してより低い動作温度を使用することが希望されることもある。これは、ヘアカーリングの場合のパス持続期間が縮毛矯正の場合のものより長いこと、及び/又は、ヘアカーリングの場合のパス速度が縮毛矯正の場合のものよりゆっくりであることに起因し得る。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100が縮毛矯正のために使用されているものであるのか、又はヘアカーリングのために使用されているものであるのかに応じて、異なる熱供給プロファイルが決定及び/又は使用され得る。
【0149】
複数の実施形態において、第1のスタイリング挙動は、フルスタイル挙動を構成し、第2のスタイリング挙動は、タッチアップ挙動を構成する。フルスタイルの場合、タッチアップに比較して、少なくとも1つの使用特性が異なってもよい。例えば、ユーザーは、ユーザーがフルスタイルを実行するのか、タッチアップを実行するのかに応じてヘアスタイリング用デバイス100を異なる態様で移動させることができる。フルスタイルは、毛束全体の長さに沿ってスタイリングすることを包含し得るが、タッチアップは、毛束の長さの一部(例えば、毛束の毛先)のみをスタイリングすることを包含し得る。さらには又は代替的には、フルスタイルは、(例えば、毛髪が過去にスタイリングされなかった、又は所定期間中に過去にスタイリングされなかった)何もされていない状態から毛髪をスタイリングすることを包含し得るが、タッチアップは、既存のスタイルを修正又は復元することを包含し得る。したがって、分類アルゴリズムは、センサデータを使用してフルスタイルとタッチアップとを区別するように構成され得る。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100がフルスタイルのために使用されているものであるのか、タッチアップのために使用されているものであるのかに応じて、ヘアスタイリング用デバイス100の異なる動作設定が使用され得る。例えば、タッチアップの場合、フルスタイルに比較してより高い動作温度を使用することが望ましいこともある。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100がフルスタイルのために使用されているものであるのか、タッチアップのために使用されているものであるのかに応じて、異なる熱供給プロファイルが決定及び/又は使用され得る。例えば、タッチアップのためには一定の熱供給プロファイルを使用することができるが、フルスタイルのためには変化する熱供給プロファイルを使用することができる。
【0150】
複数の実施形態において、第1のスタイリング挙動は、ウェットヘアスタイリング挙動を構成し、第2のスタイリング挙動は、ドライヘアスタイリング挙動を構成する。ウェットヘアの場合、ドライヘアに比較して、少なくとも1つの使用特性が異なってもよい。例えば、使用中にヘアスタイリング用デバイス100によって消費電力は、毛髪が濡れているのか、乾燥しているのかに依存し得る。毛髪が濡れているのか、乾いているのかは例えば、静電容量式センサを使用し、水分センサを使用し、及び/又は毛髪の加熱中に消費電力をモニタリングすることによって判定することができる。したがって、分類アルゴリズムは、センサデータを使用してウェットヘアスタイリングとドライヘアスタイリングとを区別するように構成され得る。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100がウェットヘアに使用されているものであるのか、又はドライヘアに使用されているものであるのかに応じて、ヘアスタイリング用デバイス100の異なる動作設定が使用され得る。場合によっては、ウェットヘアへのヘアスタイリング用デバイス100の使用は、ドライヘアへのヘアスタイリング用デバイス100の使用に比較して、毛髪にダメージを与えるリスクを高める可能性がある。このような一部の例において、ユーザーインターフェースにより、毛髪にダメージを与えることを回避するために、ヘアスタイリング用デバイス100をウェットヘアに使用しないようにユーザーにアドバイスする出力を提供することができる。他の複数の例において、ヘアスタイリング用デバイス100がウェットヘアのために使用されているものであるのか、ドライヘアのために使用されているものであるのかに応じて、ヘアスタイリング用デバイス100の1つ又は複数の動作設定が調整され得る。
【0151】
代替的な複数の実施形態において、分類アルゴリズムによって他のスタイリング挙動を特定することができる。例えば、分類アルゴリズムは、毛髪のどのセクション及び/又はレイヤーがスタイリングされているのかを判定するように構成され得る。一部の例において、分類アルゴリズムは、ヘアスタイリング用デバイス100が現在使用されているのか、充電中であるので静止状態(例えば、休止状態)であるのか、ユーザーによる毛髪のセクション及び/又はレイヤー間の移動中であるので静止状態であるのかを判定するように構成される。
【0152】
複数の実施形態において、分類アルゴリズムは、訓練済みアルゴリズムを備える。分類アルゴリズムは、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかを判定するように、訓練データを使用して訓練される。このような訓練済みアルゴリズムを使用することは、訓練済みアルゴリズムが使用されていない場合に比較してより精度及び/又は信頼性が高いスタイリング挙動の分類をもたらす。
【0153】
複数の実施形態において、分類アルゴリズムは、機械学習アルゴリズムを備える。このような機械学習アルゴリズムは、経験及び/又は訓練によって向上し得る(例えば、分類の精度及び/又は信頼性を高めることができる)。複数の実施形態において、分類アルゴリズムは、ランダムフォレストアルゴリズムを備える。このようなアルゴリズムは、複数の決定木を使用することができる。分類データは、個別のツリーの出力クラスの平均に基づいて得ることができる。代替的な複数の実施形態において、他の種類の分類アルゴリズムを使用することができる。複数の実施形態において、分類アルゴリズムは、センサ出力に対して特徴抽出を実行する第1のステップと、抽出された特徴量を使用して挙動分類を実行する第2のステップとを含む。複数の実施形態において、機械学習アルゴリズムは、1つ又は複数の人工的なニューラルネットワークを含む。
【0154】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、機械学習エージェント(図示なし)を備える。機械学習エージェントは例えば、制御部210に備えられ得る。このような複数の実施形態において、機械学習エージェントは、分類アルゴリズムを備える。したがって、分類アルゴリズムは、ヘアスタイリング用デバイス100に配置することができる。ヘアスタイリング用デバイス100のスタイリング挙動の分類を実行することにより、別のデバイスへのデータの伝送及び/又は別のデバイスからのデータの受信が必要とされないので、分類アルゴリズムがヘアスタイリング用デバイス100に配置されない場合に比較して、レイテンシーが低下する。これにより、分類データをより素早く取得することができ、これにより、とるべき何らかの補正アクション、例えば、ヘアスタイリング用デバイス100の1つ又は複数の動作設定を調整することのためにかかる時間が短縮される。結果として、例えば動作設定が意図されたヘアスタイリング用デバイス100の使用に対応しないことによって毛髪にダメージが与えられる可能性を低下させることができる。
【0155】
複数の実施形態において、例えば、センサ機器230がIMU235を備える場合、少なくとも1つの使用特性は、ヘアスタイリング用デバイス100の移動を示す。したがって、スタイリング挙動は、どのようにヘアスタイリング用デバイス100が移動しているのかに基づいて判定することができる。ヘアスタイリング用デバイス100が毛髪接触部材225を備え、毛髪接触部材225が、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126を備え、開構成と閉構成との間で移動可能である実施形態において、少なくとも1つの使用特性は、毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのかを示すことができる。センサ機器230は、例えば毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのかを感知するように動作可能なホール効果センサを備えることができる。したがって、毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのか、並びに/又は、毛髪接触部材225がいつ開構成及び閉構成であるのかに基づいてスタイリング挙動を判定することができる。
【0156】
複数の実施形態において、センサ出力を使用して分類アルゴリズムを修正する。したがって、分類アルゴリズムは、センサ出力を使用して訓練し、及び/又はさらに訓練することができる。分類アルゴリズムを修正することは、経験及び/又はより多くの訓練データの使用によって分類アルゴリズムの精度及び/又は信頼性を改善することができる。すなわち、分類データの信頼水準を高めることができる。さらに、分類アルゴリズムを修正することにより、分類アルゴリズムをユーザーに対して個別調整することが可能になる。例えば、初期の分類アルゴリズムはヘアスタイリング用デバイス100上に設けられ得るが、初期の分類アルゴリズムは、所与のユーザーの特定の挙動及び/又は活動を考慮しない。ユーザーは例えば、他のユーザーと異なる特定の方法によって毛髪接触部材225を移動させることができる。訓練データとしてセンサ出力を使用して分類アルゴリズムを動的に再訓練することによって、分類アルゴリズムは、どのスタイリング挙動をユーザーが使用しようとしているのかをより高い信頼性で判定することができる。
【0157】
ヘアスタイリング用デバイス100が、毛髪に熱を加えるように動作可能な発熱体220を備える実施形態において、分類データに基づいて発熱体220を制御することができる。したがって、発熱体220は、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかに応じて制御することができる。複数の実施形態において、発熱体220は、毛束に沿って所定熱供給プロファイルを適用するように制御される。所定熱供給プロファイルは、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかに依存する。複数の実施形態において、発熱体220を制御することは、発熱体220に加えられるエネルギーの量を調整し、及び/又はヘアスタイリング用デバイス100の動作温度を調整することを含む。これにより、ヘアスタイリング用デバイス100の加熱設定を、ユーザーが使用を意図するスタイリング挙動により密接に対応させることができる。したがって、毛髪がダメージを受ける可能性を低下させ、及び/又はスタイリング時間を短縮しながら希望通りのスタイルを達成することができる。
【0158】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースにより、分類データに基づいた出力を提供する。出力は例えば、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の動作設定が、特定されたスタイリング挙動に対応しないことをユーザーに通知する通知を含み得る。これにより、補正アクションをとること、例えば、動作設定を変更することをユーザーに促すことができる。複数の実施形態において、出力は、ヘアスタイリング用デバイス100の不適切及び/又は安全でない使用に対する警告を含む。複数の実施形態において、出力は、特定されたスタイリング挙動が正しいことを確認するようにユーザーに要求することを含む。
【0159】
複数の実施形態において、分類アルゴリズムへの入力として1つ又は複数の文脈的特徴量を使用して、分類データを取得する。したがって、分類アルゴリズムは、入力として、センサ出力と1つ又は複数の文脈的特徴量との両方を取り込むことができる。複数の実施形態において、1つ又は複数の文脈的特徴量は、ヘアスタイリング用デバイスの過去の使用を示す。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が縮毛矯正のためにユーザーによって過去に使用されたことが判定及び/又は把握され得る。この情報は、次回以降の使用のための挙動分類に影響する。例えば、過去の挙動を把握しているので、ヘアカーリングではなく縮毛矯正のためにヘアスタイリング用デバイス100が現在使用されていると判定される確率が高まり得る。一部の実施形態において、過去の使用は、同じヘアスタイリングセッションの中で過去にスタイリングされた毛束を含む。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100を使用して第1の毛束がまっすぐにされたことが判定及び/又は把握され得る。この情報により、第2の毛束も同様にまっすぐにされると判定される確率が高まる。複数の実施形態において、1つ又は複数の文脈的特徴量は、ユーザーの好みを示す。文脈的特徴量を分類アルゴリズムへの入力として使用することにより、分類データの信頼水準が高まる。
【0160】
複数の実施形態において、分類データは、メモリ、例えば、ヘアスタイリング用デバイス100のメモリ250に記憶される。したがって、分類データは、後になって使用することができ、例えば、ヘアスタイリング用デバイス100の次回の使用中に使用することができる。複数の実施形態において、分類データは、ヘアスタイリング用デバイス100の次回の使用中に文脈的特徴量として使用するために記憶される。これにより、分類アルゴリズムによって実行される将来の分類の信頼水準を高めることができる。複数の実施形態において、分類データは、遠隔デバイスへの伝送のために出力される。例えば、分類データは、ユーザーデバイスへの伝送のために出力され得る。複数の実施形態において、分類データを使用して、ユーザーのためのユーザーヘアスタイリングプロファイルを生成する。ユーザーヘアスタイリングプロファイルは例えば、個別調整されたスタイリングアドバイスをユーザーに提供するために使用することができる。ユーザーヘアスタイリングプロファイルは、新たな分類データが得られたときに修正及び/又は更新することができる。
【0161】
複数の実施形態において、遠隔デバイスから訓練データを受信する。このような一部の実施形態において、受信した訓練データを使用して分類アルゴリズムを修正する。訓練データは、ネットワーク、例えば、「クラウド」から受信することができる。このような訓練データは、他のユーザーに関連付けられたセンサデータ及び/又は分類データを含むことができる。このような訓練データは例えば、クラウドソーシングされたデータを含むことができる。複数の実施形態において、このような訓練データは、ヘアスタイリング用デバイス100を使用することから直接得られたセンサデータ及び/又は分類データより量が多い。遠隔デバイスからの訓練データを使用して分類アルゴリズムを修正することにより、このような訓練データが使用されない場合に比較して、分類アルゴリズムの精度及び/又は信頼性を高めることができる。
【0162】
図10は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法1000を示す。方法1000を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図10の複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイスは、加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、対向する第1及び第2の毛髪接触可能面116、126を備える。毛髪接触部材225は、第1の毛髪接触可能面116及び第2の毛髪接触可能面126のうちの少なくとも1つを介して毛髪に熱を加えるように動作可能である。ヘアスタイリング用デバイス100は、第2の毛髪接触可能面126に対して第1の毛髪接触可能面116を移動させるように動作可能な開閉機構227をさらに備える。複数の実施形態において、方法1000は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0163】
ステップ1010において、制御信号を開閉機構227に出力する。
【0164】
ステップ1020において、制御信号の受信に応答して、開閉機構227は、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を調整する。
【0165】
したがって、開閉機構227は、例えば制御部210からの制御信号に対してすぐに応答する。したがって、複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離の制御はユーザーを頼りとしない。これにより、毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との間への毛髪の把持を、より制御されたよりインテリジェントな態様で実行することができる。手動による毛髪の把持がユーザーを頼りとする場合、高すぎる又は低すぎる圧力が毛髪に加えられ得る。例えば、毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との間の毛束が比較的厚い毛束の毛根側端部においては、ユーザーが高すぎる把持圧を加え、これにより、毛髪へのダメージのリスクを生じさせる可能性がある。しかしながら、毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との間の毛束が比較的細い毛束の毛先側端部においては、ユーザーは、毛髪を希望通りにスタイリングするのに十分な把持圧を加えることができないこともある。したがって、ユーザーによって加えられる手動把持力によってのみ毛髪を挟み込むことにより、毛髪にダメージが与えられ、希望通りのスタイルを達成できなくなり、及び/又はスタイリング時間が延びる可能性がある。したがって、制御部210からの制御信号によって開閉機構227を自動的に制御することは、毛髪がダメージを受ける可能性を低下させ、希望通りのスタイルが達成される可能性を高め、及び/又はスタイリング時間を短縮する。
【0166】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225は、上記において
図1A及び
図1Bとの関連で記述されたように、第1のアーム110と、第1のアーム110に移動可能に連結された第2のアーム120とを備える。第1のアーム110は、第1の毛髪接触可能面116を備え、第2のアーム120は、第2の毛髪接触可能面126を備える。このような一部の実施形態において、開閉機構227は、制御信号の受信に応答して、第1のアーム110に対して第1の毛髪接触可能面116を移動させるように構成される。したがって、第1のアーム110は、第2のアーム120に対して移動することができ、第1の毛髪接触可能面116は、第1のアーム110に対してさらに移動することができる。このような一部の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100の閉鎖は、2つの段階を含む。手動による第1の段階において、ユーザーは、第2のアーム120に対して第1のアーム110を移動させ、すなわち、アーム110、120の開構成からアーム110、120の閉構成になるように移動させる。自動化された第2の段階において、制御部210は、開閉機構227により、第1のアーム110に対して第1の毛髪接触可能面116を移動させ、これによって、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を調整する。一部の実施形態において、開閉機構227は、制御信号の受信に応答して、第2のアーム120に対して第1のアーム110を移動させるように構成される。
【0167】
複数の実施形態において、開閉機構227は、第1の毛髪接触可能面116に加えて、第2の毛髪接触可能面126も移動させるように動作可能である。これにより、開閉機構227が毛髪接触可能面116、126のうちの1つのみを移動させるように動作可能である場合に比較して、より細かいレベルの制御が可能になる。
【0168】
複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との目標距離を特定する。このような複数の実施形態において、目標距離に基づいて制御信号を開閉機構227に出力する。目標距離は、後述するいくつかの要因に基づいて特定することができる。
【0169】
複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との間の毛髪に加えられるべき目標把持圧。このような複数の実施形態において、目標把持圧に基づいて制御信号を開閉機構227に出力する。例えば、制御信号は、開閉機構227により、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との間の毛髪に目標把持圧を加えることができる。目標把持圧は、後述するいくつかの要因に基づいて特定することができる。
【0170】
複数の実施形態において、開閉機構227は、少なくとも部分的に電気機械的なものである。例えば、開閉機構227は、電気的な制御信号を受信し、このような制御信号を機械的な移動に変換することができる。複数の実施形態において、開閉機構227は、1つ又は複数のステッピングモータを備える。このような複数の実施形態において、開閉機構227は、制御信号の受信に応答して、1つ又は複数のステッピングモータを駆動させて、第2の毛髪接触可能面126に対して第1の毛髪接触可能面116を移動させるように構成される。
【0171】
複数の実施形態において、開閉機構227は、第1の毛髪接触可能面116に隣接する1つ又は複数の膨張可能なエアバッグを備える。このような複数の実施形態において、開閉機構227は、制御信号の受信に応答して、1つ又は複数の膨張可能なエアバッグの膨張を制御して、第2の毛髪接触可能面126に対して第1の毛髪接触可能面116を移動させるように構成される。このようなエアバッグは、第1の毛髪接触可能面116を構成する「浮き(floating)」プレート115を設けるために使用することができ、このプレート115は、第1のアーム110に対して移動することができる。このようなエアバッグは、第1の毛髪接触可能面116の後、すなわち、第1のアーム110の中に配置されてもよい。開閉機構227は、1つ又は複数のエアバッグの膨張を希望通りの圧力に制御するように構成される。複数の実施形態において、空気は、制御部210の制御下において、リザーバ(例えば、キャニスター)から提供される。希望通りの圧力は、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との目標距離、及び/又は、第1の毛髪接触可能面と第2の毛髪接触可能面との間の毛髪に加えるべき目標圧力に依存する。開閉機構227は、希望通りの圧力を超えることを防止するため、及び/又は1つ若しくは複数のエアバッグ内の圧力を低下させるためのバルブを備えることができる。複数の実施形態において、開閉機構227は、第2の毛髪接触可能面126に隣接する1つ又は複数の膨張可能なエアバッグをさらに備え、1つ又は複数の膨張可能なエアバッグは、同じように制御することができる。
【0172】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束の毛根側端部から毛束の毛先側端部に向かって毛束に沿って移動していると判定する。例えば、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動していることを示す信号をIMU235から受信することができる。このような一部の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束に沿って移動していると判定したことに応答して、制御信号を開閉機構227に出力する。第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との目標距離、及び/又は、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との間の毛髪に加えるべき目標圧力は、毛束に沿った毛髪接触部材225の移動に依存し得る。
【0173】
複数の実施形態において、導出された毛束に沿って移動している毛髪接触部材225の速度に基づいて、制御信号を開閉機構に出力する。例えば、導出された速度が所定閾値より高い場合には、毛髪に機械的ダメージが与えられる可能性を低下させるために把持圧を低下させることができる。
【0174】
複数の実施形態において、毛束の毛根側端部からの毛髪接触部材225の変位を導出する。このような複数の実施形態において、導出された変位に基づいて制御信号を開閉機構227に出力する。変位は例えば、IMU235からの信号を使用して導出することができる。複数の実施形態において、毛根側端部からの毛髪接触部材225の変位を使用して、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との目標距離、及び/又は、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との間の毛髪に加えるべき目標圧力を計算する。したがって、毛髪に加えられる把持圧を、よりインテリジェントに制御することができる。
【0175】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束の毛根側端部から毛束の毛先側端部に向かって毛束に沿って移動するときに、制御信号を開閉機構227に出力して、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を短くする。一般に毛髪は毛根側端部の方がより太く、毛先側端部の方がより細い(及び/又はより不健康である)ので、毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との距離を毛束に沿って短くすることは、毛束の毛先側端部の毛髪が希望通りにスタイリングされることを確実にしながら、毛根側端部の毛髪へのダメージの可能性を低下させる。
【0176】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225が毛束の毛根側端部から毛束の毛先側端部に向かって毛束に沿って移動するときに、制御信号を開閉機構227に出力して、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との間の毛髪に加えられる把持圧を増大させる。したがって、昇圧を毛束に適用することができる。このような昇圧は、毛束の毛先側端部の毛髪が希望通りにスタイリングされることを確実にしながら、毛束の毛根側端部の毛髪へのダメージの可能性を低下させる。複数の実施形態において、昇圧(又は「圧力プロファイル」)は、ユーザーに対して個別調整される。例えば、昇圧は、1つ又は複数のユーザーの好み、ヘアスタイリング用デバイス100、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の使用を示すセンサデータ等に基づいて決定することができる。
【0177】
複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との間の毛髪の厚さを導出する。このような複数の実施形態において、導出された毛髪の厚さに基づいて制御信号を開閉機構227に出力する。上記厚さは例えば、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を測定することによって導出することができる。他の複数の例において、毛髪の厚さは、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力を測定することによって導出される。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が、毛髪を加熱するように構成された発熱体220を備える場合、毛髪の厚さは、加熱中に発熱体220によって消費される電力を測定することによって導出することができる。複数の実施形態において、上記厚さは、毛束の毛根側端部からのヘアスタイリング用デバイス100の変位に基づいて導出される。複数の実施形態において、導出された厚さを使用して、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との目標距離、及び/又は、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との間の毛髪に加えるべき目標圧力を計算する。複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能プレートと第2の毛髪接触可能プレートとの間の毛髪の厚さは、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との間の毛髪の量を示す。
【0178】
複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を導出する。このような複数の実施形態において、測定された距離に基づいて制御信号を開閉機構227に出力する。第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離は例えば、ホール効果センサを使用して測定することができる。第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との目標距離、及び/又は、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との間の毛髪に加えるべき目標圧力は、測定された距離に依存し得る。
【0179】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力は、第1の毛髪接触可能面116及び第2の毛髪接触可能面126のうちの少なくとも1つを介した毛髪の加熱中にモニタリングすることができる。消費電力は、センサ機器、例えば電力計を使用してモニタリングすることができる。ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備える例において、消費電力をモニタリングすることは、毛髪の加熱中に発熱体220によって消費される電力をモニタリングすることを含み得る。モニタリングされる消費電力に基づいて、加熱された毛髪のダメージを示す1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを計算する。このような複数の実施形態において、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいて制御信号を開閉機構227に出力する。第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との目標距離、及び/又は、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との間の毛髪に加えるべき目標圧力は、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに依存し得る。例えば、制御信号は、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータが、(例えば、過剰な把持圧により)毛髪へのダメージが起きる可能性が高いことを示す場合、把持圧を低下させることができる。場合によっては、計算された1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータが、毛髪がすでにダメージを受けていることを示す場合、制御信号は、把持圧を上昇させることができる。この上昇した把持圧により、ダメージを与えられた毛髪のスタイリングを容易化することができる。
【0180】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動(例えば、縮毛矯正挙動)と、第1のスタイリング挙動(例えば、ヘアカーリング挙動)と異なる第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかを判定する。このような判定は、例えば上記において
図9との関連で記述されたように分類アルゴリズムを使用して、ユーザーの入力なしでなされ得る。代替的な複数の実施形態において、このような判定は、ユーザーの入力に基づいてなされる。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかに応じて、制御信号を開閉機構227に出力する。第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との目標距離、及び/又は、第1の毛髪接触可能プレート116と第2の毛髪接触可能プレート126との間の毛髪に加えるべき目標圧力は、判定されたスタイリング挙動に依存し得る。例えば、制御信号は、縮毛矯正用の把持圧を、ヘアカーリング用の把持圧とは異なるものにすることができる。これにより、スタイリング時間を短縮し、及び/又は毛髪がダメージを受ける可能性を低下させながら、異なるスタイルを達成することができる。
【0181】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ユーザーによって加えられる把持外力により、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離が第1の所定閾値距離より短くなることを防止するように構成される。このような複数の実施形態において、制御信号は、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を第1の所定閾値距離より短くすることができるが、このように第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を短くすることは、ユーザーによって加えられる把持外力にはできないことである。第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離が第1の所定閾値距離より短い場合、この距離は、把持外力ではなく制御信号によってさらに短くすることができる。したがって、毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との距離の制御は、毛髪接触可能面116、126が(例えば、第2のアーム120に対して第1のアーム110を移動させることによって)比較的遠く離れている場合にはユーザーによって実行され得るが、毛髪接触可能面116、126が(例えば、第1のアーム110に対して第1の毛髪接触可能面116を移動させることによって)互いに対して比較的近い場合には制御部210のみによって実行され得る。これにより、ユーザーによって加えられる外力が制御信号の作用を上書きすることを防止する。複数の実施形態において、第1の所定閾値距離は、約2メートルである。
【0182】
複数の実施形態において、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離が第2の所定閾値距離より短いと判定する。第2の所定閾値距離は、第1の所定閾値距離と同じであってもよいし、又は異なってもよい。第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離が第2の所定閾値距離より短いと判定したことに応答して、制御信号を開閉機構227に出力する。したがって、制御信号による開閉機構227の制御は、第1の毛髪接触可能面116及び第2の毛髪接触可能面126が互いに対して比較的近い場合に実行される。これにより、制御信号による開閉機構227の制御が適宜、すなわち、ヘアスタイリング用デバイス100によって毛髪がスタイリングされているときに実行されることを確実にする。アーム110、120が、開構成と、閉構成との間で移動可能である実施形態において、アーム110、120が閉構成であると判定したことに応答して、制御信号を開閉機構227に出力する。複数の実施形態において、アーム110、120が閉構成であるが、ヘアスタイリング用デバイスが実際には使用されていない場合(例えば、ユーザーによって保持されているとき及び/又は毛髪をスタイリングしているとき)、開閉機構227の自動制御は実行されない。
【0183】
複数の実施形態において、アーム110、120が閉構成である場合で開閉機構227が第1の毛髪接触可能面116を移動させた後の毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との距離は、アーム110、120が閉構成である場合で開閉機構227が第1の毛髪接触可能面116を移動させる前の毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との距離より短い。言い換えると、アーム110、120が閉位置にある「手動閉位置」が用意され、アーム110、120が閉位置にあり、さらには、制御信号に応答して開閉機構227が毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との距離を短くする、別個の「自動閉位置」が用意される。したがって、一部の実施形態において、自動閉位置は、手動閉位置に比べて「より閉鎖される」。
【0184】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ユーザーによって加えられる把持外力により、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126とが接触することを防止するように構成される。例えば、アーム110、120が閉構成である場合、第1の毛髪接触可能面116及び第2の毛髪接触可能面126は、間隔を空けて配置することができる。このような複数の実施形態において、開閉機構227に出力された制御信号は、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126とを接触させることができる。したがって、開閉機構227を制御するときに、ユーザーによって加えられる外力が、制御信号の作用を上書きすることが防止される。
【0185】
複数の実施形態において、第2のアーム120に向かうように第1のアーム110に働きかけるユーザーによって加えられる把持外力が導出され、例えば、測定される。このような把持外力は、センサ機器(例えば、力センサ及び/又は圧力センサ)からのセンサ出力を使用して導出することができる。すなわち、把持外力は、1つ又は複数のセンサによって測定することができる。把持外力は、第2の毛髪接触可能面126に向かうように第1の毛髪接触可能面116に働きかけるためにユーザーによって加えられる。複数の実施形態において、導出された把持外力に基づいて制御信号を開閉機構227に出力する。したがって、開閉機構227の制御、及び結果としての毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との距離の制御は、ユーザーによって加えられる把持外力に依存し得る。したがって、ユーザーによって加えられる把持外力は、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126とを直接合わせることはないが、制御部210によって生成された制御信号を介して開閉機構227の制御に影響することができる。
【0186】
複数の実施形態において、測定された把持外力が所定閾値を超えたことに応答して、制御信号を開閉機構227に出力する。したがって、は、ユーザーが毛髪接触可能面116、126にまとめて働きかけるように試みるときには、制御部210によって開閉機構227を制御することができる。複数の実施形態において、開閉機構227によって毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との間の毛髪に加えるべき目標把持圧は、ユーザーによって加えられて測定された把持外力に依存する。言い換えると、ユーザーが(アーム110、120に及ぼされる力を増大させることによって)把持圧を増大させようと試みるとき、このような把持圧の増大は、制御部210によって決定され、結果として、開閉機構227によって加えられる目標把持圧を増大させる。
【0187】
複数の実施形態において、測定された把持外力を使用して、毛束に沿った毛髪接触部材225の変位を推定する。例えば、ユーザーは、より小さな力を毛束の毛根側端部に加え、より大きな力を毛束の毛先側端部に向かって加えるように試みることができ、これは、制御部210によって決定され得る。一部の例において、測定された把持外力を使用して、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との間の毛髪の厚さを導出する。例えば、ユーザーは、毛髪接触可能面116と毛髪接触可能面126との間の毛髪がより少ない及び/又はより薄い場合、より多くの力を加えようと試みることができる。
【0188】
ヘアスタイリング用デバイス100が、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の使用を示すセンサ出力を生成するように構成されたセンサ機器230を備える実施形態において、センサ出力に基づいて制御信号を出力することができる。センサ機器230は、例えば、IMU235及び/又はホール効果センサを備えることができる。したがって、開閉機構227は、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の使用を示すセンサ出力、例えば、ユーザーがどのようにヘアスタイリング用デバイス100を移動させているのかを示すセンサ出力に基づいて制御することができる。複数の実施形態において、センサ出力は、毛髪接触部材225の速度を導出すること、毛束の毛根側端部からの毛髪接触部材225の変位を導出すること、毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力を導出すること、アーム110、120が開構成と閉構成のどちらであるのかを判定すること、ユーザーによって加えられる把持外力の大きさを導出すること、使用されているスタイリング挙動を判定すること、第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との距離を導出すること及び第1の毛髪接触可能面116と第2の毛髪接触可能面126との間の毛髪の厚さを導出することのうちの1つ又は複数を行うために処理される。これにより、開閉機構227を、よりインテリジェントでより自由度の高い方法によって制御することができる。
【0189】
図11は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法1100を示す。方法1100を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図11の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触可能面116、126を有する加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、毛髪接触可能面116、126を介して毛髪に熱を加えるように動作可能である。ヘアスタイリング用デバイス100は、IMU235をさらに備える。IMU235は、毛髪接触部材225の移動に応じて信号を出力するように構成される。複数の実施形態において、方法1100は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0190】
ステップ1110において、毛束の第1の端部と毛束の第2の端部との間での毛束に沿った毛髪接触部材225の移動を示す信号をIMU235から受信する。
【0191】
ステップ1120において、受信した信号を処理して毛髪接触部材225の速度を導出する。
【0192】
ステップ1130において、導出された速度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。
【0193】
導出された毛髪接触部材225の速度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御することによって、毛束に沿った熱供給及び/又は熱分布を、よりインテリジェントに制御及び/又は適応させることができる。さらに、導出された速度を使用して、毛髪へのダメージが起き得るのか、例えば、熱及び/又は機械的圧力が毛髪に加えられることによって起き得るのかを予測することができる。例えば、毛髪接触部材225が毛束に沿って比較的ゆっくり移動していると判断された場合、毛髪への熱ダメージの可能性が高まる。毛髪接触部材225の加熱を制御して、前述のダメージを低減及び/又は回避することができる。例えば、毛髪接触部材225の加熱を制御して、毛髪に加えられる熱の量を低減することができる。
【0194】
複数の実施形態において、毛束の第1の端部は、毛束の毛根側端部を構成し、毛束の第2の端部は、毛束の毛先側端部を構成する。このような複数の実施形態において、毛根側端部と毛先側端部との間を移動している毛髪接触部材225の速度を、記述した方法によって導出して使用する。第1の端部は、毛根又は毛束の中間点に配置され得る。第2の端部は、毛先又は毛束の中間点に配置され得る。
【0195】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触部材225を加熱するように動作可能な発熱体220を備える。このような複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱を制御することは、発熱体220を制御することを含む。したがって、導出された速度に基づいて、発熱体220を制御することができる。
【0196】
複数の実施形態において、導出された速度を使用して、毛束に沿った目標熱供給プロファイルを決定する。このような複数の実施形態において、目標熱供給プロファイルに基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。したがって、ユーザーに対して個別調整される目標熱供給プロファイルは、ユーザーが毛髪接触部材225を毛束に沿ってどのくらい素早く移動させるのかに基づいて決定することができる。毛髪接触部材225の速度が異なる場合、異なる目標熱供給プロファイルを使用することができる。複数の実施形態において、目標熱供給プロファイルは、毛束に沿って変化する熱供給プロファイルを構成する。例えば、目標熱供給プロファイルは、毛束に沿った昇温を含み得る。毛束に沿った昇温の急速さ(すなわち、温度上昇の速度)は、導出された毛髪接触部材225の速度に依存し得る。これにより、毛束に沿った熱分配をよりインテリジェントに制御することができる。複数の実施形態において、最初に第1の目標熱供給プロファイルがヘアスタイリング用デバイス100によって使用される。しかしながら、導出された毛髪接触部材225の速度に基づいて、第2の異なる目標熱供給プロファイルを決定する。第2の目標熱供給プロファイルは、希望通りのスタイルを、第1の目標熱供給プロファイルに比較してより素早く、及び/又は、毛髪にダメージを与えるリスクを低下させながら達成することが可能であり得る。
【0197】
複数の実施形態において、導出された速度に基づいて、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量(例えば、発熱体220に加えられるエネルギーの量)を調整する。例えば、毛髪接触部材225の速度が所定閾値速度より低いと判定された場合、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量を低減させることができる。これにより、過熱によって毛髪に熱ダメージが与えられる可能性が低下する。速度が所定閾値速度より高いと判定された場合、毛髪接触部材225を加熱するために使用されるエネルギーの量を増大させることができる。これにより、希望通りのスタイルを達成するのに十分な熱を毛髪に加えることを確実にする。
【0198】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の目標動作温度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。目標動作温度は、導出された速度に依存する。例えば、毛髪接触部材225を比較的ゆっくり移動させている(これにより、熱ダメージの可能性を低下させる)場合には、比較的低い目標動作温度を使用することができるが、毛髪接触部材225を比較的素早く移動させている(これにより、希望通りのスタイルを達成するのに十分な熱を毛髪に移すことができる)場合には、比較的高い目標動作温度を使用することができる。
【0199】
複数の実施形態において、導出された速度に基づいて、毛束の第1の端部(例えば、毛根側端部)からの毛髪接触部材225の変位を導出する。このような複数の実施形態において、導出された第1の端部からの変位に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。複数の実施形態において、毛髪接触部材225の変位は、毛束の長さの測定値と、導出された毛髪接触部材225の速度との両方を使用して導出される。このような判定は、第1の端部からの変位を導出するために毛束の長さ及び/又は速度が使用されない比較ケースより高精度であり得る。導出された変位に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御することによって、毛束に沿った熱分配のより細かい制御を達成することができる。例えば、毛髪接触部材225が毛先側端部に向かって移動するときに、毛髪接触部材225の動作温度を上昇させることができる。毛根側端部から毛束の毛先側端部に向かって増大する熱供給プロファイルを提供することにより、希望通りのスタイルを達成するのに十分に高い温度が毛先側端部の毛髪に伝達されることを確実にしながら、熱ダメージの可能性を低下させる。
【0200】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェース(例えば、ヘアスタイリング用デバイス100のユーザーインターフェース240)により、導出された速度に基づいた出力を提供する。複数の実施形態において、出力は、ヘアスタイリング用デバイス100の動作温度が毛髪接触部材225の速度によって調整されたことをユーザーに通知する通知を含む。複数の実施形態において、出力は、毛髪接触部材225の速度を調整するようにユーザーにアドバイスする通知を含む。
【0201】
複数の実施形態において、IMU235から受信した信号は、速度及び/又は位置推定アルゴリズム(例えば、Madgwickフィルタを備える)を使用して処理される。これについては、上記において、
図3を参照しながらより詳細に記述されている。複数の実施形態において、上記のように、機械学習モデルを使用して、受信した信号を処理する。
【0202】
例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない複数の実施形態において、毛髪接触部材225の加熱は、毛髪接触部材225にエネルギーを直接加えることによって制御することができる。どちらの場合であっても、導出された速度に基づいて毛髪接触部材225の加熱を制御する。
【0203】
図12は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法1200を示す。方法1200を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図12の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、毛髪接触可能面116、126を有する加熱可能な毛髪接触部材225を備える。毛髪接触部材225は、毛髪接触可能面116、126を介して毛髪に熱を加えるように動作可能である。ヘアスタイリング用デバイス100は、IMU235をさらに備える。IMU235は、毛髪接触部材225の移動に応じて信号を出力するように構成される。複数の実施形態において、方法1200は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0204】
ステップ1210において、ユーザーの毛束の第1の端部と毛束の第2の端部との間での毛束に沿った毛髪接触部材225の移動を示す信号をIMU235から受信する。
【0205】
ステップ1220において、受信した信号を処理して、毛髪接触部材225の速度を導出する。
【0206】
ステップ1230において、毛束に沿って導出された速度で移動する毛髪接触部材225によって達成可能な熱供給プロファイルと、毛束に沿った目標熱供給プロファイルとの差を導出する。
【0207】
ステップ1240において、上記導出された差に基づいて、ユーザーインターフェースにより、導出された毛髪接触部材225の速度に関する出力を提供する。
【0208】
導出された速度で移動する毛髪接触部材225によって達成可能な熱供給プロファイルと、目標熱供給プロファイルとの差に基づいて、ユーザーインターフェースで出力を提供することによって、このような差が存在することをユーザーに通知することができる。すなわち、毛髪接触部材225の速度のせいで目標熱供給プロファイルを達成することができないことをユーザーに通知することができる。
【0209】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースによって提供された出力は、毛髪接触部材225の速度を調整するようにユーザーに通知する通知を含む。例えば、増速又は減速することをユーザーに促すことができる。毛髪接触部材225の速度を調整するようにユーザーに促すことにより、ヘアスタイリング用デバイス100は、目標熱供給プロファイルを達成することができる。これにより、スタイリング時間を短縮し、及び/又は毛髪がダメージを受ける可能性を低下させながら、希望通りのスタイルを達成することができる可能性を高める。
【0210】
複数の実施形態において、目標熱供給プロファイルは、毛束に沿って変化する熱供給プロファイルを構成する。すなわち、毛髪接触部材225の目標動作温度は、毛束に沿って変化し得る。例えば、目標熱供給プロファイルは、毛根側端部から毛先側端部に向かって毛束に沿って増大する熱供給プロファイルを構成し得る。このような目標熱供給プロファイルが達成されると、希望通りのスタイルを達成するのに十分な熱を毛束の毛先側端部の毛髪に加えることを確実にしながら、毛束の毛根側端部の毛髪がダメージを受ける可能性を低下させる。
【0211】
複数の実施形態において、毛髪接触部材225の速度が目標速度範囲外であると特定される。目標速度範囲は、毛髪接触部材225が毛束に沿った目標熱供給プロファイルを達成することができる速度を規定する。例えば、毛髪接触部材225の速度は、目標速度範囲より低いこともあり得るし(すなわち、ゆっくりすぎる)、又は、目標速度範囲より高いこともあり得る(すなわち、速すぎる)。毛髪接触部材225がゆっくりすぎる移動及び/又は素早すぎる移動を行っていて、目標熱供給プロファイルを達成することができないと判定された場合、ユーザーインターフェースを介してユーザーに知らせる。毛髪接触部材225の速度が目標速度範囲に収まるように毛髪接触部材225の速度を調整することをユーザーに促すことができる。複数の実施形態において、目標速度範囲を特定する。異なる目標速度範囲を異なる目標熱供給プロファイルに関連付けることができる。
【0212】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と、第1のスタイリング挙動と異なる第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかを判定する。このような複数の実施形態において、目標熱供給プロファイルは、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかに依存する。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が縮毛矯正のために使用されている場合には、第1の目標熱供給プロファイルを使用することができ、ヘアスタイリング用デバイス100がヘアカーリングのために使用されている場合には、第2の目標熱供給プロファイルを使用することができる。複数の実施形態において、スタイリング挙動は、上記のように、分類アルゴリズムを使用して判定される。代替的な複数の実施形態において、目標熱供給プロファイルは、使用されているスタイリング挙動に応じない。
【0213】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100が第1のスタイリング挙動と第2のスタイリング挙動のどちらに従って使用されているのかを判定することは、IMU235から受信した信号に基づく。したがって、毛髪接触部材225の移動を使用して、ヘアスタイリング用デバイス100の現在のスタイリング挙動を特定する。例えば、ヘアカーリングは、縮毛矯正に比較してより多い毛髪接触部材225の回転量を包含し得る。このような移動は、IMU235からのデータを使用して分析することができる。
【0214】
複数の実施形態において、IMU235から受信した信号は、速度及び/又は位置推定アルゴリズム(例えば、Madgwickフィルタを備える)を使用して処理される。これについては、上記において、
図3を参照しながらより詳細に記述されている。複数の実施形態において、上記のように、機械学習モデルを使用して、受信した信号を処理する。
【0215】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ユーザーインターフェースを備える。例えば、導出された毛髪接触部材225の速度に関する出力は、ヘアスタイリング用デバイス100のユーザーインターフェース240を介して提供することができる。これにより、ユーザーインターフェースがヘアスタイリング用デバイス100に備えられない場合に比較して、ユーザーが出力を迅速に受信する可能性を高めることができる。出力は、音声出力、視覚的出力及び/又は触覚的出力を含み得る。
【0216】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100に通信可能に結合された遠隔デバイス、例えば、モバイルデバイス又はドッキングステーションに備えられる。このような複数の実施形態において、信号を遠隔デバイスに出力して、ユーザーインターフェースにより、出力を提供する。このような遠隔デバイスのユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100自体のユーザーインターフェースより汎用性が高いものであり得る。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100上に収容することができるものより大きなディスプレイが遠隔デバイス上に設けられてもよい。ヘアスタイリング用デバイス100は、一般に手持ち式のものであり、発熱体及び毛髪接触可能面等の様々な他の構成要素を有するので、ユーザーインターフェースのために利用可能なヘアスタイリング用デバイス100上の物理的スペースの量が限定され得る。
【0217】
複数の実施形態において、方法1200は、導出された速度で移動している毛髪接触部材225によって達成可能な熱供給プロファイルを決定することを含む。代替的な複数の実施形態において、毛髪接触部材225によって達成可能な熱供給プロファイルを決定しない。したがって、ステップ1230において実行された導出は、達成可能な熱供給プロファイルと目標熱供給プロファイルとの差を定量化することを含み得るが、代替的には、差が存在すること、すなわち、現在の速度では目標熱供給プロファイルを達成できないことを単に断定することを含み得る。
【0218】
複数の実施形態において、第1の端部は、毛束の毛根側端部を構成し、第2の端部は、毛束の毛先側端部を構成する。したがって、複数の実施形態において、IMU235から受信した信号は、毛束の毛根側端部と毛束の毛先側端部との間での毛髪接触部材225の移動を示す。このような複数の実施形態において、毛束の毛根側端部と毛束の毛先側端部との間を移動している毛髪接触部材225の速度を、記述した方法によって導出して使用する。
【0219】
図13は、複数の実施形態によるヘアスタイリング用デバイスを動作させる方法1300を示す。方法1300を使用して、
図1A、
図1B及び
図2を参照しながら上述したヘアスタイリング用デバイス100を動作させることができる。
図13の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ヘアスタイリング用デバイス100の現在の使用を示すヘアスタイリング用デバイス100の少なくとも1つの使用特性に応じたセンサ出力を生成するように構成されたセンサ機器230を備える。複数の実施形態において、方法1300は少なくとも部分的に、制御部210によって実行される。
【0220】
ステップ1310において、センサ機器230からセンサ出力を受信する。
【0221】
ステップ1320において、センサ出力を処理して、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出する。1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、ヘアスタイリング用デバイス100によって加熱されている毛髪のダメージを示す。
【0222】
ステップ1330において、ヘアスタイリング用デバイス100による毛髪の加熱中に、ユーザーインターフェースにより、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに応じた出力を提供する。
【0223】
ユーザーインターフェースにより、ヘアスタイリングセッションの完了後ではなく毛髪の加熱中に出力を提供することによって、実質的にリアルタイムでフィードバックを提供することができる。これにより、現在加熱されている毛髪がダメージを与えられたこと、又はダメージを与えられた状態になり得ることをユーザーに知らせることができる。したがって、他の方法に比較してより有意義な情報を、より迅速にユーザーに伝達することができる。さらに、このようなフィードバックは、補正アクションをとること、例えば、ヘアスタイリング用デバイス100の速度及び/又は動作温度を変更すること、ダメージ及び/又はさらなるダメージが加熱された毛髪に与えられる可能性を低下させることをユーザーに促すことができる。
【0224】
複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪への既存ダメージを示す。複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、ヘアスタイリング用デバイス100による毛髪の加熱に起因する予測ダメージを示す。複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、既存ダメージと、予測ダメージとの両方を示す。複数の実施形態において、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪の物理的ダメージ、熱ダメージ及び化学的ダメージのうちの少なくとも1つを示す。
【0225】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースによって提供された出力は、音声出力、視覚的出力及び/又は触覚的出力を含む。例えば、出力は、ディスプレイ、スピーカー及び/又は触覚アクチュエータを介して提供することができる。
【0226】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースは、遠隔デバイスに備えられる。このような遠隔デバイスのユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100自体のユーザーインターフェースより汎用性が高いものであり得る。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100上に収容することができるものより大きなディスプレイが遠隔デバイス上に設けられてもよい。ヘアスタイリング用デバイス100は、一般に手持ち式のものであり、発熱体及び毛髪接触可能面等の様々な他の構成要素を有することができるので、ユーザーインターフェースのために利用可能なヘアスタイリング用デバイス100のスペースの量が限定され得る。このような複数の実施形態において、信号を遠隔デバイスに出力して、ユーザーインターフェースにより、出力を提供する。このような信号は、例えばBluetooth(商標)技術を介して、遠隔デバイスに無線方式で伝送することができる。
【0227】
代替的な複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、ユーザーインターフェースを備える。ヘアスタイリング用デバイス100上にユーザーインターフェースを設けることによって、異なるデバイス間で通信する必要性がなくなるので、ユーザーインターフェースがヘアスタイリング用デバイス100上に備えられない場合に比較して、より素早く出力を生成してユーザーに受信させることができる。さらに、ヘアスタイリング用デバイス100上にユーザーインターフェースを設けることにより、ユーザーがフィードバックを迅速に受信する可能性を高めることができる。例えば、ユーザーは、ヘアスタイリング用デバイス100の使用中に遠隔デバイスと同じ場所にいない可能性もあり、したがって、ユーザーは、遠隔デバイス上の通知を迅速に見る又は聞くことができない。
【0228】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースによって提供された出力は、フィードバックメッセージが遠隔デバイス上で入手可能であることをユーザーに通知する通知を含む。このような複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100と遠隔デバイスとの両方がユーザーインターフェースを備える。しかしながら、遠隔デバイスのユーザーインターフェースは、ヘアスタイリング用デバイス100のユーザーインターフェースより汎用性が高く、より複雑で、及び/又はより大きいものであり得る。フィードバックメッセージが遠隔デバイス上で入手可能であることをユーザーに通知することによって、フィードバックを受信するために遠隔デバイス(場合によってはユーザーとは異なる場所にあることもあり得る)を見ることをユーザーに促す。ヘアスタイリング用デバイス100に提供される出力は例えば、点滅する光、音声トーン及び/又は振動を含み得る。遠隔デバイス上のフィードバックメッセージは、テキストメッセージ、絵文字メッセージ、音声メッセージ等を含み得る。複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100の制御部210は、遠隔デバイスにより、フィードバックメッセージを提供する。
【0229】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースによって提供された出力は、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに関するアラートを含む。このようなアラートは例えば、現在加熱されている毛髪の部分が、加熱によってすでにダメージを受けていること、又は加熱によってダメージを与えられた状態になる可能性が高いことを示すことができる。複数の実施形態において、アラートは、毛髪へのダメージの種類、例えば、化学的ダメージ、熱ダメージ又は機械的ダメージを示す。
【0230】
複数の実施形態において、ユーザーインターフェースによって提供された出力は、補正アクションをとるようにユーザーに通知する通知を含む。このような通知は例えば、ヘアスタイリング用デバイス100の速度及び/又はヘアスタイリング用デバイス100の動作温度を調整するようにユーザーにアドバイスすることができる。複数の実施形態において、通知は、推奨動作温度を含む。実質的にリアルタイムでユーザーに補正アクションをとるように通知することによって、加熱された毛髪へのダメージ及び/又はさらなるダメージを防止することができる。
【0231】
複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100の1つ又は複数の設定は、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいて変更される。1つ又は複数の設定は、ヘアスタイリング用デバイス100自体、例えば制御部210によって変更される。1つ又は複数の設定は、加熱された毛髪へのダメージの防止及び/又はさらなるダメージの防止のために変更される。このような一部の実施形態において、ユーザーインターフェースによって提供された出力は、1つ又は複数の設定が変更されたことをユーザーに通知する通知を含む。したがって、ヘアスタイリング用デバイス100は、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータに基づいて自身の設定を自律的に変更した後、このような変更がなされたことをユーザーに通知することができる。これは、ユーザーがヘアスタイリング用デバイス100の設定を変更することを頼りとする場合より速くなり得、これにより、毛髪へのさらなるダメージの可能性を低下させることができる。複数の実施形態において、1つ又は複数の設定は、ヘアスタイリング用デバイス100の動作温度を含む。例えば、加熱された毛髪へのダメージ及び/又はさらなるダメージを防止するために動作温度を低下させることができる。
【0232】
複数の実施形態において、例えば、ヘアスタイリング用デバイス100がIMU235を備える場合、少なくとも1つの使用特性は、ヘアスタイリング用デバイス100の移動を示す。例えば、少なくとも1つの使用特性は、ヘアスタイリング用デバイス100の速度を示すことができる。したがって、ヘアスタイリング用デバイス100の速度に基づいて1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出することができる。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100の速度が所定閾値速度より低い(すなわち、移動が速すぎる)と判定された場合、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪に機械的ダメージが与えられる可能性が比較的高いことを示し得る。ヘアスタイリング用デバイス100の速度が所定閾値速度より低い(すなわち、移動がゆっくりすぎる)と判定された場合、1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータは、毛髪に熱ダメージが与えられる可能性が比較的高いことを示し得る。複数の実施形態において、少なくとも1つの使用特性は、毛束の毛根側端部から毛束に沿ったヘアスタイリング用デバイス100の変位を示す。したがって、このような変位に基づいて1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出することができる。
【0233】
ヘアスタイリング用デバイス100が毛髪接触部材225を備え、毛髪接触部材225が、対抗する第1の毛髪接触可能及び第2の毛髪接触可能面を備え、開構成と閉構成との間で移動可能である実施形態において、少なくとも1つの使用特性は、毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのかを示すことができる。したがって、毛髪接触部材225が開構成と閉構成のどちらであるのかに基づいて1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出することができる。例えば、毛髪に機械的及び/又は熱ダメージが与えられる可能性は、毛髪接触部材225が長期間にわたって閉構成である場合に高まり得る。
【0234】
複数の実施形態において、センサ機器230は、ヘアスタイリング用デバイス100の動作温度(例えば、毛髪接触部材225の動作温度)を感知するように構成された温度センサを備える。このような複数の実施形態において、少なくとも1つの使用特性は、ヘアスタイリング用デバイス100の動作温度を含む。したがって、ヘアスタイリング用デバイス100の動作温度に基づいて1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出することができる。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100の動作温度が所定閾値より高い(すなわち、熱すぎる)と判定された場合、毛髪に熱ダメージが与えられる可能性が高まり得る。
【0235】
ヘアスタイリング用デバイスが発熱体220を備える実施形態において、センサ機器230は、毛髪の加熱中に発熱体220によって消費される電力を感知するように構成されたパワーセンサを備える。このような複数の実施形態において、少なくとも1つの使用特性は、発熱体220によって消費される電力を含む。したがって、毛髪の加熱中に発熱体220によって消費される電力に基づいて1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出することができる。
図8との関連で上述したように、ダメージを与えられた毛髪の保水特性と、ダメージを受けていない毛髪の保水特性とが異なるので、毛髪のダメージの指標は、毛髪を加熱するための毛髪接触部材225の加熱に伴う消費電力(例えば、発熱体220によって消費される電力)をモニタリングすることによって得ることができる。例えば、所与の温度に毛髪を加熱するために発熱体220によって消費される電力は、ダメージを与えられた毛髪(より少ない水分を保持する)に対しては比較的多くなり得、ダメージを受けていない毛髪(より多い水分を保持する)に対しては比較的小さくなり得る。例えば、ヘアスタイリング用デバイス100が発熱体220を備えない代替的な複数の実施形態において、パワーセンサは、毛髪の加熱中に毛髪接触部材225自体によって消費される電力を感知することができる。
【0236】
少なくとも1つの使用特性は、上記要因のうちの1つ又は複数の組合せを含み得る。例えば、動作温度とヘアスタイリング用デバイス100の速度との組合せに基づいて1つ又は複数の毛髪ダメージパラメータを導出することができる。
【0237】
いずれか1つの実施形態及び/又は態様との関連で記述された何らかの特徴は、単独で用いられてもよいし、又は記載された他の特徴と組み合わせて用いられてもよく、さらには、任意の他の実施形態及び/若しくは態様の1つ若しくは複数の特徴、又は、任意の他の実施形態及び/若しくは態様の任意の組合せと組み合わせて用いることも可能であることを理解すべきである。例えば、方法300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300のうちの所与の1つとの関連で記述された特徴及び/又はステップが、方法300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300のうちの他のものとの関連で記述された特徴及び/若しくはステップの代わりに、又はこれらの特徴及び/若しくはステップに加えて含まれ得ることは理解されよう。
【0238】
本開示の複数の実施形態において、ヘアスタイリング用デバイス100は、制御部210を備える。制御部210は、本明細書に記載された様々な方法を実行するように構成される。複数の実施形態において、制御部は、処理システムを備える。このような処理システムは、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はメモリを備えることができる。本明細書に記載された例のいずれかとの関連で記述された各デバイス、構成要素又は機能、例えばセンサ機器230、ユーザーインターフェース240及び/又は機械学習エージェントも同様にプロセッサを備えることができ、又はプロセッサを備える装置に備えられ得る。本明細書に記載された実施形態の1つ又は複数の態様は、装置によって実行されるプロセスを含む。一部の例において、装置は、これらのプロセスを実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサを備える。この点に関して、複数の実施形態は少なくとも部分的に、(非一時的な)メモリに記憶されてプロセッサ、又はハードウェア、又は有形物に記憶されたソフトウェアとハードウェア(及び有形物に記憶されたファームウェア)との組合せによって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、実装することができる。複数の実施形態は、上記実施形態を実践するために適応させたコンピュータプログラム、特に、キャリア上又はキャリア内のコンピュータプログラムにも及ぶ。プログラムは、非一時的なソースコード、オブジェクトコード、又は、複数の実施形態によるプロセスの実装における使用に適した任意の他の非一時的な形態の形態であり得る。キャリアは、RAM、ROM又は光メモリデバイス等、プログラムを運ぶことが可能な任意のエンティティ又はデバイスであり得る。
【0239】
処理システムの1つ又は複数のプロセッサは、中央処理装置(CPU)を備えることができる。1つ又は複数のプロセッサは、グラフィックスプロセシングユニット(GPU)を備えることができる。1つ又は複数のプロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)又はコンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)の1つ又は複数を備えることができる。1つ又は複数のプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)を備えることができる。当業者ならば、提供された例に加えて、数多くの他の種類のデバイスが1つ又は複数のプロセッサを用意するために使用され得ることは理解されよう。1つ又は複数のプロセッサは、同じ場所に配置された複数のプロセッサ又は異なる場所に配置された複数のプロセッサを備えることができる。1つ又は複数のプロセッサによって実行される演算は、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアのうちの1つ又は複数によって実行することができる。処理システムが、記述された構成要素より多い、記述された構成要素より少ない、及び/又は記述された構成要素と異なる構成要素を備えることができることは理解されよう。
【0240】
本明細書に記載された技法は、ソフトウェア若しくはハードウェアに実装することもできるし、又は、ソフトウェアとハードウェアとの組合せを用いて実装することもできる。本明細書に記載された技法は、本明細書に記載された技法のいずれか又はすべてを実行及び又は支援するための装置を構成することを含み得る。図面を参照しながら本明細書において記述された例の少なくとも一部の態様は、処理システム又はプロセッサにおいて実行されるコンピュータプロセスを含むが、本明細書において記述された例は、これらの例を実践するために適応させたコンピュータプログラム、例えば、キャリア上又はキャリア内のコンピュータプログラムにも及ぶ。キャリアは、プログラムを実行することが可能な任意のエンティティ又はデバイスであり得る。キャリアは、コンピュータ読取り可能なストレージメディアを備えることができる。コンピュータ読取り可能な有形のストレージメディアの例には、限定されるわけではないが、光学媒体(例えば、CD-ROM、DVD-ROM又はブルーレイ)、フラッシュメモリカード、フロッピーディスク若しくはハードディスク、又は、ファームウェア又はマイクロコード等のコンピュータ読取り可能な命令を少なくとも1つのROM若しくはRAM又はプログラマブルROM(PROM)チップに記憶することが可能な任意の他の媒体が挙げられる。
【0241】
上記の記述において、公知の、明白な又は予見可能な等価物を有する整数又は要素が言及される場合、そのような等価物は、個別に記載された場合と全く同じように本明細書に組み込まれる。特許請求の範囲への言及は、前述のあらゆる等価物を包摂するように解されるべき本開示の真の範囲を決定するという目的でなされるべきである。好ましいもの、有利なもの又は好都合なもの等として記載された本開示の整数又は特徴は任意選択によるものであり、独立請求項の範囲を限定しないことも読者は理解されよう。さらに、前述の任意選択による整数又は特徴は、本開示の一部の実施形態においては利益があり得るものであるが、望ましくない場合もあり、したがって、他の複数の実施形態においては存在しないこともあることを理解すべきである。