(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】ヘアケア器具
(51)【国際特許分類】
A45D 20/12 20060101AFI20240906BHJP
A45D 20/08 20060101ALI20240906BHJP
A45D 20/10 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
A45D20/12 D
A45D20/08
A45D20/10 Z
(21)【出願番号】P 2023519695
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 GB2021052402
(87)【国際公開番号】W WO2022069865
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-04-14
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイムズ ブーン
(72)【発明者】
【氏名】エドワード セバート モーリス シェルトン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ベンジャミン コートニー
(72)【発明者】
【氏名】ユエン キー リャオ
(72)【発明者】
【氏名】グレン レイモンド ウォードル
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209898567(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0335128(US,A1)
【文献】米国特許第06026590(US,A)
【文献】特開2008-141835(JP,A)
【文献】特開2018-001862(JP,A)
【文献】特開2020-024637(JP,A)
【文献】実開昭48-020687(JP,U)
【文献】米国特許第05970622(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/00 - 20/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータハウジングと、
前記ヒータハウジングに配置されたヒータアセンブリと、
前記ヒータハウジングを通る気流を発生するための気流発生器であって、前記ヒータハウジングに配置された前記気流発生器と、
前記ヒータハウジングから離れた回路ハウジングと、
前記回路ハウジングに配置された気流発生器制御回路と、
前記回路ハウジングから前記ヒータハウジングへ延在する電線であって、前記気流発生器制御回路を前記気流発生器に結合する前記電線と
を含む、ヘアケア器具
であって、
前記ヘアケア器具は、主電源によって電力供給されるように構成されており、前記ヘアケア器具は、電力を前記気流発生器制御回路に供給するための電力コンバータであって、前記回路ハウジングに配置される前記電力コンバータを含み、
前記ヒータアセンブリは、ヒータコントローラであって、前記回路ハウジングから前記ヒータハウジングへ延在する通信線のペアを介して前記気流発生器制御回路と通信する前記ヒータコントローラを含み、前記電力コンバータは、前記通信線のペアを介して電力を前記ヒータコントローラに供給するように構成されている、ヘアケア器具。
【請求項2】
前記気流発生器制御回路は、前記気流発生器への電流フローを制御するためのスイッチを含む、請求項1に記載のヘアケア器具。
【請求項3】
前記気流発生器は、モータと、前記モータによって駆動されるインペラとを含み、前記インペラの回転位置は、前記電線を介して前記気流発生器制御回路に伝達される電流値及び/又は電圧値を使用して計算される、請求項1又は2に記載のヘアケア器具。
【請求項4】
前記モータは、単相モータを含む、請求項3に記載のヘアケア器具。
【請求項5】
前記ヘアケア器具は、電力を前記ヒータアセンブリに供給するための電源線のペアであって、前記回路ハウジングから前記ヒータハウジングへ延在する前記電源線のペアと、前記回路ハウジング内に配置されたリレーであって、主電源から前記電源線のうちの一方への電流供給経路を中断する前記リレーとを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項6】
前記ヘアケア器具は、前記回路ハウジング内に配置された熱保護回路を含み、前記リレーは、前記熱保護回路によって制御される、請求項5に記載のヘアケア器具。
【請求項7】
前記ヒータコントローラは、低電圧差動信号を使用して前記気流発生器制御回路と通信するように構成されている、請求項
1乃至6のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項8】
ヒータハウジングと、
前記ヒータハウジングから離れた回路ハウジングと、
前記ヒータハウジングを通る気流を発生するための気流発生器と、
前記気流発生器を制御するための気流発生器制御回路と、
前記ヒータハウジングを通る気流を加熱するためのヒータアセンブリであって、
ヒータと、
ヒータコントローラと、
前記ヒータコントローラによって制御されるヒータ駆動回路と
を含むヒータアセンブリと、
前記ヒータハウジングを通る気流の温度を検知するための温度センサと、
前記温度センサからの信号を受信するための熱保護回路と、
主電源に接続するための電源コネクタと、
DC電力を前記気流発生器制御回路及び前記ヒータコントローラに供給するための電力コンバータとを含み、
前記電源コネクタは、前記回路ハウジングに接続され、前記気流発生器、前記ヒータアセンブリ及び前記温度センサは、前記ヒータハウジングに配置され、前記気流発生器制御回路、前記熱保護回路及び前記電力コンバータは、前記回路ハウジングに配置され、前記気流発生器制御回路は、気流発生器コントローラ及び気流発生器駆動回路を含み、前記気流発生器駆動回路は、第1のカップリングによって前記気流発生器に電気的に結合され、前記ヒータコントローラは、第2のカップリングによって前記気流発生器コントローラに通信可能に結合され、前記温度センサは、第3のカップリングによって前記熱保護回路に電気的に結合され、前記電力コンバータは、第4のカップリングによって前記ヒータコントローラ及び前記気流発生器コントローラに電気的に結合され、前記ヒータ駆動回路は、第5のカップリングによって前記電源コネクタに電気的に結合され、前記第1、第2、第3、第4及び第5カップリングは、電気ケーブル内で前記回路ハウジングと前記ヒータハウジングとの間に延在するわずか8本の電線を一括して含む
、ヘアケア器具。
【請求項9】
前記第2及び第4のカップリングは、前記ヒータコントローラを前記気流発生器コントローラに通信可能に結合し、前記ヒータコントローラを前記電力コンバータに電気的に結合する、通信線のペアを一括して含む、請求項
8に記載のヘアケア器具。
【請求項10】
前記ヒータコントローラは、低電圧差動信号を使用して前記気流発生器制御回路と通信するように構成されている、請求項
8又は
9に記載のヘアケア器具。
【請求項11】
前記第1のカップリングは、前記気流発生器駆動回路を前記気流発生器に電気的に結合する気流発生器電流線のペアを含む、請求項
8乃至
10のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項12】
前記気流発生器は、モータと、前記モータによって駆動されるインペラとを含み、前記インペラの回転位置は、前記電線を介して前記気流発生器制御回路に伝達される電流値及び/又は電圧値を使用して計算される、請求項
8乃至
11のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項13】
前記モータは、単相モータを含む、請求項
12に記載のヘアケア器具。
【請求項14】
前記第3のカップリングは、前記熱保護回路を前記温度センサに電気的に結合する熱保護回路線のペアを含む、請求項
8乃至
13のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【請求項15】
前記第5のカップリングは、前記ヒータ駆動回路を前記電源コネクタに電気的に結合する電源線のペアを含む、請求項
8乃至
14のいずれか1項に記載のヘアケア器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアケア器具に関する。
【背景技術】
【0002】
概して、ヘアケア器具は、髪を処理し、或いはスタイリングするために使用され、いくつかのヘアケア器具は、熱と共に気流を使用して髪を処理し、或いはスタイリングし得る。典型的に、そのようなヘアケア器具は、所望の処理又はスタイリングを得るために、ユーザによって保持され、髪に対して移動される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、ヒータハウジングと、ヒータハウジングに配置されたヒータアセンブリと、ヒータハウジングを通る気流を発生するための気流発生器であって、ヒータハウジングに配置された気流発生器と、ヒータハウジングから離れた回路ハウジングと、回路ハウジングに配置された気流発生器制御回路と、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する電線であって、気流発生器制御回路を気流発生器に結合する電線とを含む、ヘアケア器具が提供される。
【0004】
本発明の第1の態様によるヘアケア器具は、気流発生器がヒータハウジングに配置され、気流発生器制御回路がヒータハウジングから離れた回路ハウジングに配置されるので、有益であり得る。特に、ヒータハウジングからの気流発生器制御回路の除去は、例えば、ヒータハウジングが、気流発生器と気流発生器制御回路との両方がヒータハウジングに配置される配置よりも、より小さく、且つ/或いは、より軽いことを可能にし得る。これは、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって保持されるように構成されている場合、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。これはまた、所定の大きさのハウジング内の利用可能な空間を増加させ得る。
【0005】
ヒータハウジングは、使用中にユーザによって保持されるハンドル部分を含んでもよい。回路ハウジングは、例えば、回路ハウジングが使用中にユーザによって直接保持されないように、使用中にユーザから離れて配置されるように構成されていてもよい。ヒータアセンブリは、使用中にヒータハウジングを通る気流を加熱するように構成されていてもよい。
【0006】
電線は、気流発生器制御回路から気流発生器への、或いはその逆の電流経路を含んでもよい。電線は、電気ケーブルに配置されてもよく、電気ケーブルは、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する。
【0007】
回路ハウジングは、インラインハウジング、すなわち、電線のうちの一方の先端部にヒータハウジングと、電線のうちの他方の先端部にプラグとを有する2つの電線間に接続するハウジングであってもよい。代替的に、回路ハウジングは、器具の電源を受けるためのソケットに差し込むプラグユニットの一部として形成されてもよい。
【0008】
ヘアケア器具は、回路ハウジングから延在する電線のペアを含んでもよく、電線のペアは、気流発生器制御回路を気流発生器に結合する。電線のペアのうちの第1の電線は、ライブ電線を含んでもよく、電線のペアのうちの第2の電線は、ニュートラル電線を含んでもよく、或いはその逆も同様である。電線のペアは、気流発生器電流線のペアを含んでもよい。
【0009】
気流発生器制御回路は、駆動回路、例えば、電力を変更し、気流発生器の1つ又は複数のコンポーネントの回転を駆動し得る回路を含んでもよい。例えば、駆動回路は、気流発生器に供給される電流フローを整流するように構成されていてもよい。
【0010】
気流発生器制御回路は、気流発生器への電流フローを制御するためのスイッチを含んでもよい。スイッチは、比較的大きい電気部品を含んでもよいので、回路ハウジングにスイッチを配置することは、ヒータハウジング内の利用可能な空間を増加させ、或いはより小さく、且つ/或いは、より軽いヒータハウジングの使用を可能にし得る。これは、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって保持されるように構成されている場合、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。例えば、スイッチは、電子的に制御されたスイッチを含んでもよい。スイッチは、電界効果トランジスタ(FET)を含んでもよい。気流発生器は、気流発生器への電流フローを制御するための複数のスイッチを含んでもよい。気流発生器は、スイッチのうちの少なくとも1つのハーフブリッジを含んでもよい。
【0011】
気流発生器は、モータと、モータによって駆動されるインペラとを含んでもよく、インペラの回転位置は、電線を介して気流発生器制御回路に伝達される電流値及び/又は電圧値を使用して計算されてもよい。これは、気流発生器回路と気流発生器との間に提供される追加の通信配線の必要性を取り除くことができ、インペラの位置を示す信号、例えば、モータのホールセンサによって提供される信号などを提供するので、有益であり得る。モータは、センサレス制御方式で駆動されてもよい。気流発生器制御回路は、モータへの電流フローとモータからの電流フローとを制御するための制御回路を含んでもよい。モータは、ブラシレス永久磁石モータを含んでもよい。
【0012】
モータは、単相モータを含んでもよい。これは、例えば、三相モータを利用する同様の配置と比較して、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在するために必要とされる電線の数を減少し得る。減少された電線の数は、電気ケーブルの柔軟性の増加を提供することができ、ユーザエクスペリエンスを高めることができる。単相モータはまた、例えば、三相モータよりも動作のための、より少ないスイッチを必要とすることができ、三相モータを利用する同様のヘアケア器具と比較して、必要とされるコンポーネントの数を減少することができ、したがって、重量及びコストを減少することができる。さらに、増加されたスイッチの数は、使用中に発生される熱の量の増加をもたらすことがあり、回路ハウジングの熱管理要件を増加させることがある。それによって、単相モータの使用は、例えば、三相モータを利用する同様のヘアケア器具と比較して、回路ハウジングの熱管理要件を軽減し得る。
【0013】
ヘアケア器具は、電力をヒータアセンブリに供給するための電源線のペアであって、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する電源線のペアと、回路ハウジング内に配置されたリレーであって、主電源から電源線のうちの一方への電流供給経路を中断するリレーとを含んでもよい。
【0014】
リレーは、比較的大きい電子部品を含んでもよく、リレーを回路ハウジングに配置することは、例えば、リレーがヒータハウジングに配置される同等の配置よりも、より小さく、且つ/或いは、より軽いヒータハウジングを提供し得る。これは、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって保持されるように構成されている場合、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。
【0015】
電源線のペアは、ヒータアセンブリの駆動回路、例えば、電力を変更し、ヒータアセンブリのヒータを駆動し得る回路に電力を供給するように構成されていてもよい。例えば、駆動回路は、バーストファイア及び位相角制御のうちの1つ、又はその組み合わせを使用して、ヒータアセンブリのヒータを駆動するように構成されていてもよい。
【0016】
ヘアケア器具は、回路ハウジング内に配置された熱保護回路を含んでもよく、リレーは、熱保護回路によって制御されてもよい。これは、例えば、ヒータハウジング内に配置されたサーマルヒューズを利用するヘアケア器具よりも、より小さく、且つ/或いは、より軽いヒータハウジングを提供し得る。これは、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって保持されるように構成されている場合、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。リレーは、ヒータアセンブリの動作温度が予め定められた閾値を下回るとき、例えば、ヒータアセンブリが使用中に予め定められた許容温度範囲内の温度で動作しているとき、例えば、熱保護回路によって閉位置に保持されるように構成されていてもよい。リレーは、ヒータアセンブリの動作温度が予め定められた閾値を上回るとき、例えば、ヒータアセンブリが使用中に予め定められた許容温度を上回る温度で動作しているとき、例えば、熱保護回路によって開位置に保持されるように構成されていてもよい。
【0017】
熱保護回路は、ヒータハウジング内に配置された温度センサに結合されてもよく、例えば、熱保護回路線のペアによって結合されてもよい。熱保護回路線は、使用中に温度センサから熱保護回路に抵抗測定、例えば、ヒータアセンブリの動作温度を示す抵抗値を伝達してもよい。
【0018】
ヘアケア器具は、主電源によって電力供給されるように構成されていてもよく、ヘアケア器具は、電力を気流発生器制御回路に供給するための電力コンバータであって、回路ハウジングに配置される電力コンバータを含んでもよい。回路ハウジングに電力コンバータを配置することは、例えば、電力コンバータがヒータハウジングに配置される配置よりも、より軽く、且つ/或いは、より小さいヒータハウジングを提供し得る。これは、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって保持されるように構成されている場合、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。電力コンバータは、主電源からのAC電力を、気流発生器を駆動するためのDC電力に変換するための、AC-DCコンバータを含んでもよい。電力コンバータは、整流器を含んでもよい。ヘアケア器具は、AC主電源に接続するための電源コネクタを含んでもよい。
【0019】
ヒータアセンブリは、ヒータコントローラであって、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する通信線のペアを介して気流発生器制御回路と通信するヒータコントローラを含んでもよく、電力コンバータは、通信線のペアを介して電力をヒータコントローラに供給するように構成されていてもよい。これは、例えば、別個の電線が、通信とヒータコントローラへの電力供給とのために使用される配置と比較して、必要とされる電線の数を減少し得る。これは、より柔軟な電気ケーブルの使用を可能にすることができ、ヒータハウジングが使用中にユーザによって把持されるとき、ヘアケア器具のユーザにとって、より高い柔軟性を可能にすることができる。気流発生器制御回路は、通信線を介してヒータコントローラと通信する気流発生器制御コントローラを含んでもよい。気流発生器コントローラ及びヒータコントローラは、ヘアケア器具の出力気流の特性を制御するために、且つ/或いは、ヘアケア器具の正しい動作を確認するために、互いに通信するように構成されていてもよい。
【0020】
ヘアケアアプリケーションは、通信線に通信信号を注入し、通信線から通信信号を復号するための通信回路を含んでもよい。通信回路は、回路ハウジングとヒータハウジングとの両方に配置されてもよく、例えば、符号化回路と復号化回路との両方は、回路ハウジング及びヒータハウジングの各々に存在する。
【0021】
ヒータコントローラは、低電圧差動信号を使用して気流発生器制御回路と通信するように構成されていてもよい。低電圧差動信号の使用は、他の信号方法と比較して、他の電線からのノイズに対する耐性を高めることができ、他の信号方法に対してノイズ放射のレベルを下げることができ、比較的低コストであり得る。
【0022】
ヘアケア器具は、ヒータハウジングに配置されたさらなる電力コンバータを含んでもよく、さらなる電力コンバータは、通信線のペアを介して受け取った電力を変更し、変更された電力をヒータコントローラに渡すように構成されている。さらなる電力コンバータは、DC-DCコンバータを含んでもよい。さらなる電力コンバータは、通信線のペアを介して受け取った電力の電圧をステップダウンするためのステップダウンコンバータを含んでもよい。これは、ヒータハウジングに配置された低電圧コンポーネントのための低電圧電源を提供し得る。
【0023】
ヘアケア器具は、電気ケーブル内で回路ハウジングからヒータハウジングへ延在するわずか8本の電線を含んでもよい。8本よりも多い電線を有する電気ケーブルは、剛性のレベルが使用中にユーザエクスペリエンスに悪影響を及ぼし得るように、例えば、剛性のレベルがユーザにとって扱いにくいヘアケア器具をもたらすように、剛性のレベルを有し得る。
【0024】
本発明の第2の態様によれば、ヒータハウジングと、ヒータハウジングから離れた回路ハウジングと、ヒータハウジングを通る気流を発生するための気流発生器と、気流発生器を制御するための気流発生器制御回路と、ヒータハウジングを通る気流を加熱するためのヒータアセンブリであって、ヒータと、ヒータコントローラと、ヒータコントローラによって制御されるヒータ駆動回路と、ヒータハウジングを通る気流の温度を検知するための温度センサと、温度センサからの信号を受信するための熱保護回路と、主電源に接続するための電源コネクタと、DC電力を気流発生器制御回路及びヒータコントローラに供給するための電力コンバータとを含み、電源コネクタは、回路ハウジングに接続され、気流発生器、ヒータアセンブリ及び温度センサは、ヒータハウジングに配置され、気流発生器制御回路、熱保護回路及び電力コンバータは、回路ハウジングに配置され、気流発生器制御回路は、気流発生器コントローラ及び気流発生器駆動回路を含み、気流発生器駆動回路は、第1のカップリングによって気流発生器に電気的に結合され、ヒータコントローラは、第2のカップリングによって気流発生器コントローラに通信可能に結合され、温度センサは、第3のカップリングによって熱保護回路に電気的に結合され、電力コンバータは、第4のカップリングによってヒータコントローラ及び気流発生器コントローラに電気的に結合され、ヒータ駆動回路は、第5のカップリングによって電源コネクタに電気的に結合され、第1、第2、第3、第4及び第5カップリングは、電気ケーブル内で回路ハウジングとヒータハウジングとの間に延在するわずか8本の電線を一括して含む、ヒータアセンブリとを含む、ヘアケア器具が提供される。
【0025】
本発明の第2の態様によるヘアケア器具は、気流発生器、ヒータアセンブリ及び温度センサがヒータハウジングに配置され、気流発生器制御回路、熱保護回路及び電力コンバータが回路ハウジングに配置されるので、有益であり得る。特に、ヒータハウジングからの気流発生器制御回路、熱保護回路及び電力コンバータの除去は、例えば、ヒータハウジングが、これらのコンポーネントがヒータハウジングに配置される配置よりも、より小さく、且つ/或いは、より軽いことを可能にし得る。これは、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって保持されるように構成されている場合、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。これはまた、所定の大きさのハウジング内の利用可能な空間を増加させ得る。
【0026】
しかしながら、気流発生器制御回路を回路ハウジングに配置することは、回路ハウジングとヒータハウジングとの間の電気接続、すなわち、電線の数を増加させ得る。これは、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する電気ケーブルの厚さの増加をもたらし得る。ケーブルの厚さの増加は、剛性のレベルが使用中にユーザエクスペリエンスに悪影響を及ぼし得るように、例えば、剛性のレベルがユーザにとって扱いにくいヘアケア器具をもたらすように、剛性のレベルを有し得る。第1、第2、第3、第4及び第5のカップリングを有することは、電気ケーブル内で回路ハウジングとヒータハウジングとの間に延在するわずか8本の電線を一括して含む。全ての所望の電気的且つ通信可能な接続は、過度に厚く、剛性のある電気ケーブルなしに行われ得る。
【0027】
第2及び第4のカップリングは、ヒータコントローラを気流発生器コントローラに通信可能に結合し、ヒータコントローラを電力コンバータに電気的に結合する、通信線のペアを一括して含んでもよい。通信可能なカップリングと電気的なカップリングとの両方のための電線の1つのペアを使用することによって、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する電線の数は、最小限にされることができ、それによって、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する電気ケーブルの厚さを最小限にし、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって移動されるとき、ヒータハウジングと回路ハウジングとの間の可動範囲の増加を提供することによって、ユーザエクスペリエンスを改善する。通信線のペアは、電気ケーブルに配置されてもよい。
【0028】
ヒータコントローラは、低電圧差動信号を使用して気流発生器制御回路と通信するように構成されていてもよい。低電圧差動信号の使用は、他の信号方法と比較して、他の電線からのノイズに対する耐性を高めることができ、他の信号方法に対してノイズ放射のレベルを下げることができ、比較的低コストであり得る。
【0029】
第1のカップリングは、気流発生器駆動回路を気流発生器に電気的に結合する気流発生器電流線のペアを含んでもよい。気流発生器電流線のペアは、電気ケーブルに配置されてもよい。
【0030】
気流発生器は、モータと、モータによって駆動されるインペラとを含んでもよく、インペラの回転位置は、電線を介して気流発生器制御回路に伝達される電流値及び/又は電圧値を使用して計算されてもよい。これは、気流発生器回路と気流発生器との間に提供される追加の通信配線の必要性を取り除くことができ、インペラの位置を示す信号、例えば、モータのホールセンサによって提供される信号などを提供するので、有益であり得る。モータは、センサレス制御方式で駆動されてもよい。気流発生器制御回路は、モータへの電流フローとモータからの電流フローとを制御するための制御回路を含んでもよい。モータは、ブラシレス永久磁石モータを含んでもよい。
【0031】
モータは、単相モータで構成されていてもよい。これは、例えば、三相モータを利用する同様の配置と比較して、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在するために必要とされる電線の数を減少し得る。減少された電線の数は、電気ケーブルの柔軟性の増加を提供することができ、ユーザエクスペリエンスを高めることができる。単相モータはまた、例えば、三相モータよりも動作のための、より少ないスイッチを必要とすることができ、三相モータを利用する同様のヘアケア器具と比較して、必要とされるコンポーネントの数を減少することができ、したがって、重量及びコストを減少することができる。さらに、増加されたスイッチの数は、使用中に発生される熱の量の増加をもたらすことがあり、回路ハウジングの熱管理要件を増加させることがある。それによって、単相モータの使用は、例えば、三相モータを利用する同様のヘアケア器具と比較して、回路ハウジングの熱管理要件を軽減し得る。
【0032】
第3のカップリングは、熱保護回路を温度センサに電気的に結合する熱保護回路線のペアを含んでもよい。熱保護回路線のペアは、電気ケーブルに配置されてもよい。
【0033】
第5のカップリングは、ヒータ駆動回路を電源コネクタに電気的に結合する電源線のペアを含んでもよい。電源線のペアは、回路ハウジングを通して延在してもよく、例えば、回路ハウジング内に配置されたフィルタを介して電源コネクタに接続されてもよい。電源線のペアは、電気ケーブルに配置されてもよい。
【0034】
本発明の第3の態様によれば、ヒータハウジングと、ヒータハウジングから離れた回路ハウジングと、ヒータハウジングを通る気流を発生するための気流発生器と、気流発生器を制御するための気流発生器コントローラと、ヒータハウジングを通る気流を加熱するためのヒータと、ヒータを制御するためのヒータコントローラと、DC電力を気流発生器コントローラ及びヒータコントローラに供給するための電力コンバータとを含み、気流発生器、ヒータ及びヒータコントローラは、ヒータハウジングに配置され、気流発生器コントローラ及び電力コンバータは、回路ハウジングに配置され、ヒータコントローラは、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する電線のペアによって、電力コンバータに電気的に結合され、気流発生器コントローラに通信可能に結合される、ヘアケア器具が提供される。
【0035】
本発明の第3の態様によるヘアケア器具は、気流発生器、ヒータ及びヒータコントローラがヒータハウジングに配置され、気流発生器コントローラ及び電力コンバータが回路ハウジングに配置されるので、有益であり得る。特に、ヒータハウジングからの気流発生器コントローラ及び電力コンバータの除去は、例えば、ヒータハウジングが、これらのコンポーネントがヒータハウジングに配置される配置よりも、より小さく、且つ/或いは、より軽いことを可能にし得る。これは、例えば、ヒータハウジングが使用中にユーザによって保持されるように構成されている場合、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。これはまた、所定の大きさのハウジング内の利用可能な空間を増加させ得る。
【0036】
しかしながら、気流発生器制御回路を回路ハウジングに配置することは、回路ハウジングとヒータハウジングとの間の電気接続、すなわち、電線の数を増加させ得る。これは、回路ハウジングからヒータハウジングへ延在する電気ケーブルの厚さの増加をもたらし得る。ケーブルの厚さの増加は、剛性のレベルが使用中にユーザエクスペリエンスに悪影響を及ぼし得るように、例えば、剛性のレベルがユーザにとって扱いにくいヘアケア器具をもたらすように、剛性のレベルを有し得る。電力コンバータをヒータコントローラに電気的に結合し、気流発生器コントローラをヒータコントローラに通信可能に結合する、電線のペアを利用することによって、減少された電線の数は、例えば、別個の電線のペアが電力供給と通信との両方に必要とされる配置と比較して、必要とされ得る。
【0037】
適切な場合には、本発明の態様の任意の特徴は、本発明の他の態様に同様に適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、ヘアケア器具の一実施形態の透視図である。
【
図2】
図2は、
図1のヘアケア器具の内部コンポーネントを例示する概略図である。
【
図4】
図4は、
図1のヘアケア器具の回路ハウジングの拡大図である。
【
図5】
図5は、
図1のヘアケア器具で利用される取付部材の透視図である。
【
図6】
図6は、
図5の取付部材と係合された
図4の回路ハウジングの一部分の拡大図である。
【
図7】
図7は、
図5の取付部材と共に使用される応力除去特徴部を例示する概略図である。
【
図8】
図8は、
図1のヘアケア器具で利用される電線ガイドの透視図である。
【
図12C】
図12Cは、電源コネクタ上の温度センシング配置と共に使用するのに適した端子の透視図である。
【
図13】
図13は、流入口に関連付けられた異なる層の分解図である。
【
図17】
図17は、
図16の器具のヒータハウジング領域の第1の部品のいくつかの内部特徴の分解図である。
【
図18】
図18は、
図16の器具のヒータハウジングの第2の部品のいくつかの内部特徴の分解図である。
【
図19】
図19は、本発明による器具のためのUIの分解図である。
【
図21】
図21は、ヘアケア器具の一実施形態の透視図である。
【
図22】
図22は、
図21のヘアケア器具と共に使用するのに適した取付部の一実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
概して、10と指定されるヘアケア器具は、
図1及び
図2に概略的に示されている。
図1及び
図2の実施形態におけるヘアケア器具10は、ヘアドライヤであるが、本明細書で議論されるいくつかの教示は、他のタイプのヘアケア器具、例えば、ヘアストレートアイロン又はヘアカーラなどに適用されてもよいことを理解されよう。
【0040】
ヘアケア器具10は、回路ハウジング12と、ヒータハウジング14と、回路ハウジング12からヒータハウジング14へ延在する電気ケーブル16とを含む。以下に説明され得るように、回路ハウジング12は、多数の電子部品を収容する筐体を規定し、回路ハウジング12内の電子部品は、電気ケーブル16内に保持された電線によって、ヒータハウジング14内の対応する電子部品に結合される。電線と呼ばれる一方で、各電線が、例えば、編組線のケースのように、2つ以上の導電性フィラメントを含んでもよく、複数のフィラメントの全体構造が、電線と見なされることを理解されよう。プラグの形態の電源コネクタ15は、電気ケーブル16に対して回路ハウジング12の反対側に結合される。電源コネクタ15は、例えば、主ソケットを介して、AC主電源と相互作用するように構成されており、使用中にヘアケア器具10に電流を供給する。
【0041】
図11及び
図12に示される代替の一実施形態では、回路ハウジング212は、電源コネクタ15と一体的に形成される。この特定のバージョンでは、電源コネクタ15は、回路ハウジング212の一体型部品として形成されず、むしろ、異なる電源コネクタが、器具が使用される領域に依存して使用されることを可能にする別個の部品である。
【0042】
回路ハウジング212は、プラグスリーブ212aとプラグ端壁212bとを有し、PCBアセンブリ244と、絶縁体246と、ヒートシンク248と、サーマルパッド248aとを含む多数のコンポーネントを収容する。電源コネクタ15は、プラグ端壁212bに接着されるエンドキャップアセンブリ250に取り付けられ、シールされたユニットを形成する。
【0043】
図12B及び
図12Cに示される一実施形態では、さらに、電源コネクタ15は、温度センサを含む。これは、電源コネクタ15が回路ハウジング212の一部を形成するときに特に有利である。例えば、電源コネクタ15は、家庭用電源に接続するための係合ピン115を含む。本実施例は、2つの係合ピン115を有し、各々は、ピンの一部分に隣接するサーミスタ215を有する。本実施例では、サーミスタ215は、電源コネクタ15の内面15aに配置される。各サーミスタ215は、それぞれの係合ピン115に向かってバイアスされるので、それぞれの係合ピン115の温度を正確に測定し得る。バイアスは、サーミスタ215を第1の部分119に収容し、係合ピン115と内部リード123との間に接続端子121を提供する形状端子117を使用していてもよい。形状端子117は、サーミスタ215及び内部リード123の周りにクリンプされることがあり、係合ピン115に固定され、或いはねじ止めされることがある。代替的に、電源コネクタ15の内面15aは、それぞれのサーミスタ215をそれぞれの係合ピン115に向かって押し付けるリブ又は同様の構造を含んでもよい。サーマルグリスは、それぞれのサーミスタ215とそれぞれの係合ピン115との間に塗布されてもよく、熱接触を改善する。
【0044】
ヒータハウジング14は、使用中にユーザによって把持されるように意図される、中空の、概して細長い、ハンドルを規定する。
図1に見られるように、ヒータハウジング14は、概して、ヒータハウジング14の第1の端部22が円筒形状であるように、円錐状端部18と、円錐状端部18から上方に延在する壁20とを含む。ヒータハウジング14は、第1の端部22から遠位の第2の端部24を有し、ヒータハウジング14は、第2の端部24が第1の端部22に対して角度をなすように湾曲されている。空気流入口26は、壁20上のヒータハウジング14の第1の端部22に配置され、例えば、メッシュ状構造の、複数の開口部の形態をとる。空気流出口28は、第2の端部24に配置され、空気が使用中に流れ得る開口部を含む。電気ケーブル16は、円錐状端部18、例えば、円錐状端部18の円形ベース21に形成された開口部19(
図10を参照)を通してヒータハウジング14に入る。ユーザインタフェース32は、壁20上に形成され、複数のボタン、タッチスクリーン、又はそれらの組み合わせの形態をとってもよい。
【0045】
ヒータハウジング14内に配置されるのは、ヒータアセンブリ34と、気流発生器36と、温度センサ38と、ユーザインタフェースコントローラ40と、DC-DCコンバータ42と、第1のセットの通信回路44とである。ヒータアセンブリ34は、2つのヒータ要素46と、ヒータ駆動回路48と、ヒータコントローラ50とを含む。当業者によって理解され得るように、ヒータ駆動回路48の形態は、ヒータアセンブリ34の所望の制御方式に依存し、したがって、例えば、ヒータ駆動回路48の特定の形態は、使用されるヒータ要素46に依存して変化してもよい。本明細書で議論されるように、ヒータコントローラ50は、バーストファイア制御方式、位相角制御方式、又はそれらの組み合わせを使用してヒータ駆動回路48を動作し、ヒータ要素46への電流フローを制御するように構成されている。そのような実施形態では、典型的に、ヒータ駆動回路48は、ヒータコントローラ50の出力に依存してヒータ要素46への電流フローを制御するために使用される複数のTRIACを含む。
【0046】
ヒータコントローラ50は、ヒータコントローラ50が、ユーザインタフェース32を介して入力される所望の設定に反応し、適宜ヒータ駆動回路48を制御し得るように、ユーザインタフェースコントローラ40に結合される。
【0047】
ヒータ駆動回路48は、電気ケーブル16内及び回路ハウジング12を通して延在する電源線のペア52によって、電源コネクタ15に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、例えば、コンデンサなどを含む入力フィルタ(図示せず)は、回路ハウジング12内の電源線のペア52と電源コネクタ15との間に配置される。電源線のペア52は、活線と中性線とを含む。
【0048】
ヒータコントローラ50は、DC-DCコンバータ42によって供給される低電圧のDC電力によって電力供給されるように構成されている。DC-DCコンバータ42は、回路ハウジング12から、例えば、回路ハウジング12内に収容されたAC-DCコンバータ62から、DC電圧を受け取り、受け取ったDC電圧をヒータコントローラ50の動作に適した電圧レベルにステップダウンするように構成されている。そのようなDC-DCコンバータのアーキテクチャは、任意の一般的なDC-DCコンバータアーキテクチャ、例えば、スイッチと、ダイオードと、インダクタと、コンデンサとを含む一般的なステップダウン又はバックコンバータアーキテクチャを含んでもよい。DC-DCコンバータ42は、電気ケーブル16内に延在する通信線のペア54を介して、回路ハウジング12のAC-DCコンバータ62に電気的に結合される。通信線のペア54はまた、回路ハウジング12とヒータハウジング14との間の通信信号の送受信を可能にするので、通信線のペア54は、そのように称される。
【0049】
特に、以下に説明され得るように、ヒータコントローラ50は、回路ハウジング12内に配置された1つ又は複数のマイクロコントローラと通信するように構成されている。ヒータコントローラ50は、通信信号を第1のセットの通信回路44に渡すように構成されている。第1のセットの通信回路44は、通信信号をエンコードし、通信線のペア54に注入するように構成されており、また、いくつかの実施形態では、通信線のペア54を介して受信された通信信号をデコードするように構成されている。
【0050】
温度センサ38は、ヒータ要素46の温度の表示を提供するように位置決めされ、構成されているRTDセンサを含む。温度センサ38は、電気ケーブル16内に延在する熱保護回路線のペア56によって、回路ハウジング12内に配置された熱保護回路66に電気的に結合される。
【0051】
気流発生器36は、使用中に空気流入口26から空気流出口28へ、ヒータハウジング14内に気流を発生することができる気流発生器を含む。適切な気流発生器36の一実施例は、駆動インペラを含むモータである。そのようなモータの1つは、Dyson Technology LimitedのV9 Dyson Digital Motorであり、例えば、その詳細は、公開PCT特許出願WO2017098202A1に見出され得る。そのようなモータは、単相のブラシレス永久磁石モータである。気流発生器36は、電気ケーブル16内に延在するモータ電流線のペア58によって、回路ハウジング12内に配置された気流発生器制御回路60に電気的に結合される。
【0052】
回路ハウジング12内に配置されるのは、気流発生器制御回路60と、AC-DCコンバータ62と、第2のセットの通信回路64と、熱保護回路66と、リレー68とである。
【0053】
気流発生器制御回路60は、気流発生器駆動回路70と、気流発生器コントローラ72とを含む。気流発生器駆動回路70の詳細は、使用される気流発生器36に依存するが、気流発生器36がDyson Technology LimitedのV9 Dyson Digital Motorなどの、ブラシレス永久磁石モータを含む場合、気流発生器駆動回路70は、ブリッジ形成で配置されたFETの形態の複数のスイッチを含む。
【0054】
スイッチは、比較的大きい電子部品と見なされ得る。気流発生器駆動回路を、ヒータハウジング14内ではなく、回路ハウジング12内に配置することによって、ヒータハウジング14は、より小さく、且つ/或いは、より軽くしてもよく、或いは代替的に、空間は、ヒータハウジング14内に確保されてもよい。しかしながら、これは、モータ電流線のペア58の使用を必要とし、ヒータハウジング14内の気流発生器36に相電流を供給する。
【0055】
簡潔に上述されたように、Dyson Technology LimitedのV9 Dyson Digital Motorは、単相モータである。単相モータの使用は、例えば、三相モータがヒータハウジング14内の気流発生器36として利用される同様の配置と比較して、回路ハウジング12からヒータハウジング14へ延在するために必要とされる電線の数を減少し得る。より少ない電線は、電気ケーブル16の厚さを低減することができ、ヒータハウジング14が使用中にユーザによって把持されるとき、柔軟性及び可動範囲の増加を提供し得る。これは、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。
【0056】
とはいえ、柔軟性の低下という電気ケーブル16の代償ではあるが、三相モータが、より小さく、且つ/或いは、より軽いヒータハウジング14を得るために依然として使用されてもよいことを理解されよう。
【0057】
Dyson Technology LimitedのV9 Dyson Digital Motorはまた、「センサレス」制御方式、すなわち、ホールセンサなどの位置センサを使用せずにモータのロータの位置を推定する制御方式として知られているものを使用して制御される。「センサレス」制御方式は、モータ電流線のペア58を介して気流発生器制御回路に伝達される電流値及び/又は電圧値を使用して、モータの、ロータ、したがってインペラの回転位置を計算してもよい。これは、例えば、ロータの位置を計算するためにホールセンサを利用する同様の配置と比較して、必要とされる電線の数を減少することができ、上で議論されたように、より少ない電線は、電気ケーブル16の厚さを低減することができ、ヒータハウジング14が使用中にユーザによって把持されるとき、柔軟性及び可動範囲の増加を提供し得る。これは、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。
【0058】
適切な「センサレス」制御方式の詳細は、簡潔のために本明細書では議論されないが、適した「アナログセンサレス」制御方式は、公開PCT特許出願WO2013132247A1に開示されており、適切な「デジタルセンサレス」制御方式の詳細は、GB特許出願番号1904290.2に見出され得る。
【0059】
気流発生器駆動回路70は、モータ電流線のペア58を介してDC電流を気流発生器36に供給するように構成されており、気流発生器駆動回路70は、気流発生器コントローラ72によって制御され、気流発生器コントローラ72は、任意の適切なマイクロコントローラを含んでもよい。AC-DCコンバータ62は、整流器、例えば、ダイオードブリッジ整流器を含み、AC-DCコンバータ62が使用中にAC主電源に結合されるように、電源コネクタ15に結合される。AC-DCコンバータ62は、DC電流を気流発生器駆動回路70に供給し、また、通信線のペア54を介してDC電流をDC-DCコンバータ42に供給する。
【0060】
気流発生器コントローラ72は、通信線のペア54を介してヒータコントローラ50に通信可能に結合され、第2のセットの通信回路64は、通信線のペア54を介して受信された通信信号をデコードするように構成されており、いくつかの実施形態ではまた、通信信号をエンコードし、通信線のペア54に注入するように構成されている。通信線のペア54は、AC-DCコンバータ62からDC-DCコンバータ42に電力を伝送するためと、ヒータコントローラ50と気流発生器コントローラ72との間に通信信号を提供するためとの両方に使用されるので、電気ケーブル16内に延在する電線の数は、例えば、電源線と通信線との別個のペアが利用される同様の配置と比較して減少され得る。より少ない電線は、電気ケーブル16の厚さを低減することができ、ヒータハウジング14が使用中にユーザによって把持されるとき、柔軟性及び可動範囲の増加を提供し得る。これは、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。
【0061】
ヒータコントローラ50と気流発生器コントローラ72との間の通信を実現するために、ヘアケア器具10は、キャリア変調低電圧差動信号を利用する。この方法では、コントローラは、キャリアをデータで変調し、信号は、低電圧の輸送電線ペア(transport wire-pair)に差動的に注入される。輸送電線ペアの他端における回路は、信号をフィルタリングし、差動抽出を実行し、信号を復調する。低電圧差動信号の送受信のための適切な回路、例えば、第1のセットの通信回路44及び第2のセットの通信回路64の実施形態は、
図3に示されている。
【0062】
図3に見られるように、第1のセットの通信回路44及び第2のセットの通信回路64の送信回路74は、コントローラ76と、NORゲート78と、トランジスタ80と、レジスタ82と、第1のフィルタ84と、第2のフィルタ86とを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ76は、ヒータコントローラ50とは別個のコントローラを含んでもよく、他の実施形態では、ヒータコントローラ50は、送信回路74のコントローラ76として使用されてもよい。このケースでは、コントローラ76は、約980kHzの周波数を有するキャリア信号を生成し、また、汎用非同期送受信機(UART)ハードウェアを使用して送信されるデータを生成する。データは、例えば、オンオフキーイング(OOK)を介してキャリア信号をオンオフに変調し、トランジスタ80のゲートは、NORゲート78の出力によって制御され、通信信号を通信線のペア54に注入する。レジスタ82は、通信信号の振幅を設定するために使用され、第1のフィルタ84及び第2のフィルタ86は、通信信号がヒータハウジング14内の電力システムに渡されるのを防止する、すなわち、通信信号がDC-DCコンバータ42に渡されるのを防止する。
図3に示されるように、第1のフィルタ84及び第2のフィルタ86は各々、インダクタと並列に接続されたコンデンサを含む。
【0063】
第1のセットの通信回路44及び第2のセットの通信回路64の受信回路88は、ローパスフィルタ90と、第1のパワーフィルタ92及び第2のパワーフィルタ94と、抽出回路96と、復調回路98と、コントローラ100とを含む。ローパスフィルタ90は、信号から高周波ノイズを除去するための複数のコンデンサを含み、第1のパワーフィルタ92及び第2のパワーフィルタ94は、通信信号が回路ハウジング12内の電力システムに渡されるのを防止する、すなわち、通信信号がAC-DCコンバータ62に渡されるのを防止する。
図3に示されるように、第1のパワーフィルタ92及び第2のパワーフィルタ94は各々、インダクタと並列に接続されたコンデンサを含む。送信回路74及び受信回路88のうちの1つのみが、適切なフィルタを有し、通信信号がヘアケア器具10の電力システムに渡されるのを防止するように、送信回路74が第1のフィルタ84及び第2のフィルタ86を有し、逆もまた同様である、実施形態の場合、パワーフィルタ92,94が必要でないことがあることを理解されよう。
【0064】
抽出回路96は、グランド基準信号に戻して差動信号を抽出するためのコンパレータを含み、復調回路98は、信号からキャリア周波数を取り除くためのコンパレータ及び複数のレジスタを含む。次いで、コントローラ100は、UARTハードウェアを介してデータを受信する。いくつかの実施形態では、コントローラ100は、気流発生器コントローラ72とは別個のコントローラを含んでもよく、他の実施形態では、気流発生器コントローラ72は、受信回路88のコントローラ100として使用されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態、例えば、双方向通信がヒータコントローラ50と気流発生器コントローラ72との間で望まれる場合では、第1のセットの通信回路44及び第2のセットの通信回路64は各々、送信回路74及び受信回路88を含んでもよく、他の実施形態、例えば、ヒータコントローラ50から気流発生器コントローラ72への一方向通信のみが望まれる場合では、第1のセットの通信回路44は、送信回路を含んでもよく、第2のセットの通信回路64は、受信回路88を含んでもよいことを理解されよう。
【0066】
前述されたように、熱保護回路66は、回路ハウジング12からヒータハウジング14へ電気ケーブル16内に延在する熱保護回路線のペア56によって温度センサ38に電気的に結合される。熱保護回路66はまた、リレー68に電気的に結合され、リレー68は、電源線のペア52の活線上に配置される。熱保護回路66及びリレー68をヒータハウジング14から除去することによって、より小さく、且つ/或いは、より軽いヒータハウジング14は、実現され得る。さらに、RTDセンサは、例えば、典型的に、ヘアケア器具で使用されるサーマルヒューズよりも比較的小さくてもよいので、RTDセンサの使用は、より小さく、且つ/或いは、より軽いヒータハウジング14を提供し得る。
【0067】
熱保護回路66は、RTD温度センサ38の抵抗値を受け取り、RTD温度センサ38の抵抗値に応答してリレー68を制御するための任意の適切な回路を含む。そのような方法で、主電源からヒータ要素46への電流の供給は、例えば、過熱事象が発生する場合、RTD温度センサ38の抵抗値に応答してリレー68によって中断されてもよい。
【0068】
熱保護回路66の正確なアーキテクチャは、RTD温度センサ38によって提供される値を監視し、それに応答してリレー68を制御するのに十分であることを条件に、変化してもよい。例えば、熱保護回路66は、コンパレータと、コンパレータに応答して設定されるラッチとを提供してもよく、ラッチは、リレー68を制御する。コンパレータは、RTD温度センサ38からの検知値を予め定められた限界値と比較し、比較に基づいてラッチの値を設定してもよい。次いで、ラッチ値は、リレー68を開閉するための駆動回路を制御してもよい。いくつかの実施例では、リレー68は、リレーの開放がヘアケア器具10のメンテナンス、又は実際にヘアケア器具10の交換を必要とするように、一回限りのリレーを含んでもよい。
【0069】
使用中、ヒータコントローラ50は、例えば、ヒータ要素46の温度を高くし、或いは下げるために、ユーザインタフェース32を使用してユーザによって入力され、ユーザインタフェースコントローラ40を介してヒータコントローラ50に伝達されるコマンドに応じて、ヒータ駆動回路48を使用して、電源線のペア52からヒータ要素46への電流フローを制御することができる。ヒータコントローラ50は、例えば、ヒータハウジング14を通る気流を増加させ、或いは減少させるために、通信線のペア54を介して気流発生器コントローラ72と通信することができ、気流発生器コントローラ72は、気流発生器駆動回路70を制御し、モータ電流線のペア58に沿って気流発生器36への電流のフローを制御する。したがって、ヘアケア器具10のマスターコントローラと見なされ得るヒータコントローラ50は、使用中にヘアケア器具10によって提供される温度と気流との両方を制御するために利用されてもよい。
【0070】
RTD温度センサ38は、ヒータ要素46の温度を、例えば、抵抗測定を介して間接的に、熱保護回路線のペア56を介して熱保護回路66にフィードバックすることができ、熱保護回路66は、電源線のペア52に沿って主電源からヒータ駆動回路48への電流のフローを制御する。
【0071】
前述されたように、気流発生器制御回路60と、AC-DCコンバータ62と、熱保護回路66と、リレー68とをヒータハウジング14から除去し、これらのコンポーネントを回路ハウジング12に配置することは、使用中にユーザによって把持されるように意図される、ヒータハウジング14を、より小さく、且つ、より軽くすることを可能することができ、改善されたユーザエクスペリエンスを提供し得る。
【0072】
しかしながら、上述されたコンポーネントをヒータハウジング14とは対照的に回路ハウジングに配置することは、電気ケーブル16内に収容された電線の形態で、回路ハウジング12からヒータハウジング14へ延在する多数の電気接続を必要とし得る。電気ケーブル16内に収容された電線の数が増加するにつれて、電気ケーブル16の厚さも増加し、より厚い電気ケーブル16は、より薄い電気ケーブル16よりも剛性であり得る。より剛性である電気ケーブル16は、回路ハウジング12とヒータハウジング14との間の、より小さい可動範囲を提供することがあり、ヘアケア器具10を使用するときに、ユーザエクスペリエンスに悪影響を及ぼし得る。
【0073】
結合された電線及び信号線と、単相モータと、「センサレス」制御方式を利用するモータとのうちのいずれか又は任意の組み合わせを利用することによって、上述された機能性を実現するために必要とされる電線の数は、最小限に抑えられ得る。
【0074】
実際、上述された、電線のペア52,54,56,58と電気接続とを利用することによって、電気ケーブル16において回路ハウジング12からヒータハウジング14へ延在する8本の電線しか有さないが、本明細書で説明される機能性が実現され得ることを見出した。これは、適切なユーザエクスペリエンスを提供するために必要とされる、所望の機能性と電気ケーブル16の柔軟性との両方を提供することを見出した。
【0075】
電気ケーブル16に収容された電線のペア52,54,56,58の形態で、回路ハウジング12からヒータハウジング14へ延在する比較的多数の電気接続を考慮すると、電気接続は、使用中にヘアケア器具10の故障を避けるために、確実に保持されなければならない。
【0076】
図4及び
図6に示されるように、電気接続を確実に保持するそのような方法の1つは、電気ケーブル16を回路ハウジング12に取り付ける取付部材102を設けることである。
【0077】
図4に見られるように、概して、回路ハウジング12は、回路ハウジング12が第1の、下方の、側104と、第1の側104とは反対側の第2の、上方の、側106とを有するように、頂点が湾曲しているものの、立方体状である。回路ハウジング12の第3の側108及び第4の側110は、第1の側104と第2の側106との間に延在する端面によって規定される。回路ハウジング12の第1の側104及び第2の側106は、対応するクリップ105によって一緒に保持される別個のコンポーネントとして形成され、第1の側104及び第2の側106が一緒にクリップされ、取付部材102が回路ハウジング12と係合されると、第3の側108及び第4の側110が回路ハウジング12に加えられる。以下に説明され得るように、取付部材102は、回路ハウジング12の第1の側104と第2の側106との両方に係合し、電気ケーブル16と回路ハウジング12との間の確実な接続を提供する。
【0078】
図5では、取付部材102は、分離して示されている。取付部材102は、本体108と、本体108から延在する第1のアーム110、第2のアーム112、第3のアーム114、及び第4のアーム116とを含む。概して、本体108は、円形ベース109を有する円錐形状であり、ボア118は、本体108に中心的に、すなわち、円形ベース109に中心的に配置される。ボア118は、例えば、使用中に力が電気ケーブル16に印加されるときにボア118内に電気ケーブル16を保持するのに十分な摩擦嵌合を介して、ボア118の中に電気ケーブル16を受け入れるように、形成され、寸法決めされる。
【0079】
第1のアーム110、第2のアーム112、第3のアーム114及び第4のアーム116の各々は、取付部材102がモノリシック構造を含むように、本体108と一体的に形成される。取付部材102は、金属材料で形成され、剛性と熱伝導性との両方を可能にし得る。
【0080】
第1のアーム110及び第2のアーム112の各々は、同様の構造を含み、
図5に見られるように、本体108に直交する方向に延在し、ボア118と平行な平面で再び延在するために下方に湾曲する前に、
図5に見られるように、ボア118と平行な平面で横方向に本体108から外側に延在する。したがって、第1のアーム110及び第2のアーム112の各々は、本体108に取り付けられたそれぞれの第1の端部120と、自由端であり、回路ハウジング12の第1の側104と係合し得るそれぞれの第2の端部122とを有する。
【0081】
図5に見られるように、第1のアーム110及び第2のアーム112の各々の第1の側は、滑らかな曲線を含み、第1のアーム110及び第2のアーム112の各々の第2の対向する側、下方の側は、
図6に見られるように、回路ハウジング12の第1の側104から上方に延在するリップ136に係合するように形成されたステップ124の形態のそれぞれの係合特徴を含む。
図6に見られるように、第1のアーム110及び第2のアーム112の各々の第1の側は、回路ハウジング12の第1の側104から延在するそれぞれの係合クリップ138,140に係合するように構成されている。
【0082】
図5に見られるように、ボア118は、ボア118の中心点を通して延在する中心軸A-Aを含み、第1のアーム110は、ボア118の第1の側、すなわち、中心軸A-Aの第1の側に配置され、第2のアーム112は、ボア118の第2の対向する側、すなわち、中心軸A-Aの第2の側に配置される。第1のアーム110及び第2のアーム112は、中心軸A-Aから等距離に配置され、取付部材102が回路ハウジング12と係合されるとき、力の均一な分配を提供し得る。
【0083】
図5に見られるように、第3のアーム114は、本体108に直交する方向に延在する前に、ボア118と平行な平面で横方向に本体108から外側に延在する。第3のアーム114は、取付部材102が回路ハウジングと係合されるとき、回路ハウジング12の第2の側106と実質的に平行である平面部分126を有する。平面部分126は、締結具144を受け入れるための貫通孔128を含み、第3のアーム114を回路ハウジング12の第2の側106と係合する。
【0084】
第3のアーム114は、第1のアーム110と実質的に反対側である本体108上に配置され、貫通孔128は、第1のアーム110の第2の端部122と実質的に反対側に配置される。そのような方法で、より詳細に以下に議論され得るように、回路ハウジング12との第1のアーム110及び第3のアーム114の係合領域は、互いに実質的に反対側に配置されてもよい。
【0085】
第1のアーム110及び第2のアーム112と同様に、
図5に見られるように、第4のアーム116は、本体108に直交する方向に延在し、ボア118と平行な平面で再び延在するために上方に湾曲する前に、
図5に見られるように、ボア118と平行な平面で横方向に本体108から外側に延在する。したがって、第4のアーム116は、本体108に取り付けられた第1の端部130と、自由端であり、回路ハウジング12の第2の側106と係合し得る第2の端部132とを有する。
【0086】
第3のアーム114は、ボア118の第1の側、すなわち、中心軸A-Aの第1の側に配置され、第4のアーム116は、ボア118の第2の対向する側、すなわち、中心軸A-Aの第2の側に配置される。第3のアーム114及び第4のアーム116は、中心軸A-Aから等距離に配置され、取付部材102が回路ハウジング12と係合するとき、力の均一な分配を提供し得る。
【0087】
第4のアーム116は、第2のアーム112と実質的に反対側である本体108上に配置され、第4のアーム116の第2の端部132は、第2のアーム112の第2の端部122と実質的に反対側に配置される。そのような方法で、より詳細に以下に議論され得るように、回路ハウジング12との第2のアーム112及び第4のアーム116の係合領域は、互いに実質的に反対側に配置されてもよい。
【0088】
上述された方法で、第1のアーム110、第2のアーム112、第3のアーム114及び第4のアーム116は、本体108の周辺の周りに分布され、回路ハウジング12と係合するとき、使用中に、印加される力、例えば、電気ケーブル16の縦方向に印加される力の存在下で、回路ハウジング12から、取付部材102、したがってボア118内に保持される電気ケーブル16の分離を抑制する確実な係合を提供し得る。
【0089】
取付部材102と回路ハウジング12との間の係合は、
図6で見られ得る。
【0090】
回路ハウジング12の第1の側104は、第1のアーム110及び第2のアーム112の第2の端部122がそれぞれ受け入れられる開口部134の形態の2つの位置決め特徴を有する。回路ハウジング12の第1の側104と平行な平面における印加される力の存在下で、第1のアーム110及び第2のアーム112の第2の端部122は、開口部134の周辺と係合し、回路ハウジング12から、取付部材102、したがって電気ケーブル16の除去を抑制する。
【0091】
回路ハウジング12の第1の側104はまた、回路ハウジングから上方に延在するリップ136を含み、リップ136は、第1のアーム110及び第2のアーム112のステップ124と係合する平坦面を規定する。回路ハウジング12の第1の側104と平行な平面における印加される力の存在下で、リップ136とのステップ124の係合は、回路ハウジング12から、取付部材102、したがって電気ケーブル16の除去を抑制する。
【0092】
図6に見られるように、回路ハウジングの第1の側104は、第1のアーム110及び第2のアーム112の上面に係合する第1の係合クリップ138及び第2の係合クリップ140をさらに含む。概して、第1の係合クリップ138及び第2の係合クリップ140は、L字形状であり、回路ハウジング12の第1の側104に直交する平面における印加される力、例えば、回路ハウジング12の第1の側104と第2の側106との間の方向に印加される力の存在下で、第1のアーム110及び第2のアーム112との係合クリップ138,140の係合は、回路ハウジング12から、取付部材102、したがって電気ケーブル16の除去を抑制する。
【0093】
回路ハウジング12の第2の側106は、取付部材102の第3のアーム114の貫通孔128と位置合わせされた貫通孔142を含む。ねじの形態の締結具144は、貫通孔128,142を通って延在し、取付部材102の第2のアーム112を回路ハウジング12の第2の側106と係合するように作用する。締結具144は、回路ハウジング12の第2の側106に平行な面と直交する面との両方向における印加される力の存在下で、回路ハウジング12から、取付部材102、したがって電気ケーブル16の除去を抑制する。貫通孔128,142は、回路ハウジング12のそれぞれの第1の側104及び第2の側106との第1のアーム110及び第3のアーム114の係合が互いに反対側であるように、回路ハウジング12の第1の側104の開口部134のうちの1つと位置合わせされる。
【0094】
回路ハウジング12の第2の側106は、第4のアーム116の第2の端部132が受け入れられる開口部146の形態の位置決め特徴をさらに含む。回路ハウジング12の第2の側106と平行な平面における印加される力の存在下で、第4のアーム116の第2の端部132は、開口部146の周辺と係合し、回路ハウジング12から、取付部材102、したがって電気ケーブル16の除去を抑制する。
【0095】
回路ハウジング12の第2の側106の開口部146は、回路ハウジング12のそれぞれの第1の側104及び第2の側106との第2のアーム112及び第4のアーム116の係合が互いに反対側であるように、回路ハウジング12の第1の側104の開口部134のうちの1つと位置合わせされる。
【0096】
上述されたように、回路ハウジング12との取付部材102の係合は、回路ハウジング12への電気ケーブル16の確実な係合を提供することができ、電気ケーブル内に保持される電気接続、すなわち、電線のペア52,54,56,58が、使用中にヘアケア器具10の故障を回避するために確実に保持されることを保証し得る。
【0097】
第1のアーム110及び第2のアーム112が回路ハウジング12の第1の側104と係合され、第3のアーム114及び第4のアーム116が回路ハウジング12の第2の側106と係合されるので、使用中、電気ケーブル16、したがって取付部材102の印加される力の存在下で、回路ハウジング12の第1の側104と第2の側106との間で力が均一に分配され得る。これは、例えば、回路ハウジングの第1の側104及び第2の側106が、互いに取り付けられた別個のコンポーネントによって規定される場合に有益であり得る。
【0098】
上述された取付部材102はまた、アーム110,112,114,116が、本体108から回路ハウジング12の内部へ延在し、回路ハウジング12と係合するので、回路ハウジング12内に空間を作り出してもよく、本体108は、回路ハウジング12の周辺に配置される。
【0099】
図7に示されるように、使用中に電気ケーブル16に印加される力をさらに緩和するために、応力除去特徴部148は、取付部材102にオーバーモールドされる。応力除去特徴部148は、電気ケーブル16の印加される力の存在下で、各々が変形し、隣接するリブ149に接触するように構成されている複数の間隔を空けたリブ149を含む。
【0100】
上述されたように、電気ケーブル16に収容された電線のペア52,54,56,58の形態で、回路ハウジング12からヒータハウジング14へ延在する比較的多数の電気接続を考慮すると、電気接続は、使用中にヘアケア器具10の故障を避けるために、確実に保持されなければならない。
【0101】
図8に示されるように、電気接続を確実に保持する別のそのような方法は、ヒータハウジング14内に電線のペア52,54,56,58を保持する電線ガイド150を設けることである。
【0102】
図8に見られ得るように、電線ガイド150は、第1の部分152及び第2の部分154を含み、第1の部分152は、第2の部分154に対して斜めに角度をなす。電線ガイド150は、電線ガイド150、したがって第1の部分152及び第2の部分154がモノリシック構造を含むように、例えば、製造中、電線のペア52,54,56,58にオーバーモールドされ、電線のペア52,54,56,58は、電線ガイド150によって確実に保持される。次いで、電線ガイド150は、電線のペア52,54,56,58と共にヒータハウジング14に挿入されてもよく、例えば、電線のペア52,54,56,58の電線が、電線ガイドの開口部に個別に挿入される配置と比較して、製造の容易性を提供し得る。電線ガイド150の材料は、40-60の領域、好ましくは約50の領域におけるショアA硬度を有する。これは、電線ガイド150の剛性と柔軟性との間の合理的な妥協点を提供し得る。例えば、比較的剛性のある電線ガイド150は、製造中、ヒータハウジング14への電線ガイド150の挿入に関して問題となることがあり、電線ガイド150が比較的柔軟である場合、電線ガイド150からの電線の分離のリスクは、増加され得る。
【0103】
電線ガイド150は、第1の部分152と第2の部分154との間に湾曲した移行部が存在するように形成され、例えば、第1の部分152と第2の部分154との間に鋭い移行部を含む電線ガイドよりも、電線ガイド150に、より大きい構造的一体性を提供し得る。
【0104】
電線ガイド150の端部を例示する概略図である、
図9に見られるように、電線ガイド150は、電線のペア52,54,56,58を第1の列156及び第2の列158に保持する。第1の列156は、通信線のペア54と、熱保護回路線のペア56と、モータ電流線のペア58のうちの一方とを含む。第2の列158は、電源線のペア52と、モータ電流線のペア58のうちの他方とを含む。通信線のペア54及び熱保護回路線のペア56の各電線は、第1の列156及び第2の列158が実質的に同じ長さを有するように、電源線のペア52の各電線の直径の約半分の直径を有する。これは、電線のペア52,54,56,58のための比較的コンパクトな配列を提供することができ、ヒータハウジング14内の電線ガイド150によって占有される空間を低減することができ、それによって、例えば、ヒータハウジング14内の気流チャネルのための、より多くの空間を可能にする。
【0105】
通信線のペア54の電線は、第1の列156において互いに隣接して配置され、熱保護回路線のペア56の電線は、第1の列156において互いに隣接して配置され、モータ電流線のペア58のうちの一方は、第1の列156における通信線のペア54と熱保護回路線のペア56との中間である。モータ電流線のペア58のうちの他方は、第2の列158における電源線のペア52の電線の中間に配置され、モータ電流線のペア58の電線は、第1の列156と第2の列158との間で互いに隣接している。もちろん、ヒータハウジング14内の電線の向きは、ヒータハウジング14内のコンポーネントのレイアウトに依存するが、上述された方法で電線のコンパクトな配列は、実現された。
【0106】
ヒータハウジング14内の電線ガイド150の位置は、
図10に概略的に示されている。
【0107】
上述されたように、ヒータハウジング14は、使用中にユーザによって把持されるように意図される、中空の、概して細長い、ハンドルを画定する。ヒータハウジング14は、概して、ヒータハウジング14の第1の端部22が円筒形状であるように、円錐状端部18と、円錐状端部18から上方に延在する壁20とを含む。開口部19は、円錐状端部18のベース21に中心的に形成され、電気ケーブル16、したがって電線のペア52,54,56,58は、開口部を通してヒータハウジング14の内部に延在する。ヒータハウジング14は、ヒータハウジング14の内部を、空気流入口26から延在する気流路25と、気流路25からシールされたチャネル27とに分ける内壁23を含む。
【0108】
電線ガイド150は、電線ガイド150が気流路25内に配置されないように、チャネル27に配置される。これは、電線ガイド150の形状の選択の、より高い柔軟性を提供することができ、また、気流路25を通る気流特性を改善することができる。電線ガイド150はまた、電線ガイド150の第1の部分152が、開口部から、したがってベース21からも、壁20に向かう方向に延在するように、チャネル27に配置される。電線ガイド150の第2の部分154は、壁20と平行に延在する。そのような方法で、電線ガイド150は、電線のペア52,54,56,58を開口部19から壁20に向かって導く。これは、ヒータハウジング14内に気流路25のための空間を作り出すことができ、気流路25が、例えば、電線ガイド150が開口部19から上方にのみ、すなわち、開口部19の平面から直交して延在するように設けられた空間よりも望ましい形状を有することを可能にし得る。電線ガイド150はまた、例えば、力が、使用中に開口部19の平面に直交する方向に印加されるとき、例えば、ヒータハウジング14から遠ざかる方向に電線のペア52,54,56,58に印加される引っ張り力で、ヒータハウジング14から電線のペア52,54,56,58の分離を抑制し得る。例えば、電線ガイド150は、ヒータハウジング14の端部18、例えば、ベース21と係合してもよく、ヒータハウジング14から複数の電線52,54,56,58の分離を抑制する。
【0109】
図10の実施形態では、電線ガイド150は、クランプ160を介して端部18と係合する。クランプ160は、環状であり、電線ガイド150がクランプ160内に保持されるように、電線ガイド150の幅に実質的に対応する直径、又は代替的に、電線ガイド150の幅よりもわずかに小さい直径を有する。次いで、クランプ160は、環状アバットメント部分162を介して開口部19の周辺の周りの端部18に係合し、ヒータハウジング14から、複数の電線52,54,56,58の分離を抑制する。
【0110】
上述されたヘアケア器具10は、ヒータハウジング14が使用中にユーザによって把持され、移動されるとき、ヒータハウジング14と回路ハウジング12との間の相対運動に妥協することなく、回路ハウジング12とヒータハウジング14との間の確実な電気接続を提供すると同時に、より軽く、且つ/或いは、より小さく、したがって、よりユーザフレンドリーな、ヒータハウジング14を提供し得る。
【0111】
ここで、ヘアケア器具10のさらなる特徴は、議論され得る。空気流入口26は、複数の開口部を含み、濾過構造の一部を形成する。ここで、
図13を参照すると、空気流入口26は、取り外し可能な部品220と固定部品230とから形成される。固定部品230は、直径約2-4mmの開口部236の配列を含み、器具の内部部品へのアクセスを防止するフィンガーガードとして機能する。取り外し可能な部品220は、主要な濾過媒体を提供する。使用時に器具の内部コンポーネントを物質の侵入から保護するために、濾過構造の取り外し可能な部品220が器具10にない間、器具は、スイッチオンされることができない。
図13に示されるように、固定部品230は、壁20と一体的に形成され、或いは別個に形成されることができ、次いで、壁20又はヒータハウジング内に配置される内部構造に取り付けられることができる。
【0112】
当業者は、器具がオンにされるのを防止する多数の方法が存在することを理解し、本実施例では、リードスイッチ232は、壁20の内側の固定部品230に隣接して設けられている。取り外し可能な部品220は、取り外し可能な部品を固定部品230に接続する磁石222と共に設けられている。固定部品230は、対応する磁化可能な材料234を有する。
【0113】
本実施形態では、取り外し可能な部品220は、中間層226に設けられた深さローディング媒体228の洗浄を容易にするので、外側グリル224と中間層226とに分けられることができ、そのような洗浄は、例えば、手によって、或いは食器洗浄機で行われてもよい。電気ケーブル16から濾過構造の取り外し可能な部品220を取り外すために、取り外し可能な部品220は、分割線255と共に製造される。したがって、取り外し可能な部品220は、取り外し可能な部品220をヒータハウジング14から遠ざかってスライドすることによって固定部品230から取り外されると、取り外し可能な部品220は、電気ケーブル16から取り外され得るC字型の構造を形成する分割線255に沿って開かれてもよい。
【0114】
本質的に、外側グリル224は、中間層226上をスライドするスリーブである。外側グリル224だけが固定部品230に存在する場合、中間層226なしに固定部品230と係合する手段はない。
【0115】
取り外し可能な部品220を濾過構造に戻すために、取り外し可能な部品220は、開かれ、電気ケーブル16の周りに置かれ、次いで、閉じられ、固定部品230上にスライドされる。本実施形態では、取り外し可能な部品220は、分割線255の両側に設けられた磁石のペア242を使用して閉じられた状態に保持され、これらは、固定部品230のチャネル240内に収容される。これは、国際特許公開番号WO2019/077301及び国際特許出願番号PCT/GB2021/050777において、より詳細に説明される。
【0116】
リードスイッチ232は、器具上の取り外し可能な部品を保持する磁気カップリング及び/又は分割線255の周りの磁気カップリングのいずれかと相互作用する。したがって、これらのカップリングのうちの一方又は両方がリードスイッチ232に近接すると、リードスイッチ232内のスイッチが閉じ、器具の電気回路が完成し、ユーザが器具をオンにすることを可能にする。濾過構造の取り外し可能な部品220の取り外しは、磁気カップリングが破壊され、或いは磁力が除去されるので、リードスイッチを開かせ、回路を切断し、器具が作動するのを防止する。
【0117】
本実施形態では、フィルタの固定部品230は、壁20の一部として一体的に形成される。当業者が理解し得るように、固定部品230は、別個の部品として形成され、ねじ、接着剤などによって壁20に取り付けられ得る。
【0118】
ヒータハウジング14は、クラムシェルとして形成され、壁20内に配置されるコンポーネントのための様々な位置決め特徴を提供する内壁23を含む内部特徴を有する。内壁23内には、流体流路290があり、空気は、内壁23内に配置された気流発生器36によって空気流入口26内に引き込まれる。内壁23は、主部品180とクラムシェル190との、2つの部品から形成され、気流発生器36のようなコンポーネントは、主部品180内に配置され、次いで、クラムシェル190は、主部品180に取り付けられ、これらのコンポーネントを器具内の所定の位置に固定する。
【0119】
ここで、
図15から
図18を参照すると、ヒータハウジング14は、管状であり、使用中にユーザによって把持されるように意図されるハンドルを形成する第1の部品14aと、アーチ状であり、ヒータアセンブリ34を収容する第2の部品14bとの、2つの部品で製造される。本実施形態では、第2の部品14bは、内壁23に取り付ける多数の位置決め特徴を含むが、当業者は、第1の部品14aに取り付ける第2の部品14bを思い付き得る。ヒータハウジングの第1の部品14a及び第2の部品14bが取り付けられる領域の周りの強度に関して、内壁23の主部品180は、カラー182を含み、カラー182は、流体流路290の全周に延在し、ヒータハウジングの第2の部品14bが係合するための単一の部品を提供する。カラー182は、ヒータハウジングの第2の部品14bが接合するための単一の成形部品を提供し、より剛性のある接続を与える。
【0120】
ヒータハウジング14の第2の部品14bは、6つの位置決め特徴を含むカラー214と、カラー214の周りに周方向に間隔を空けて配置される4つの凹部216と、ヒータハウジング14の第1の部品14a内にさらに延在し、より安定性を提供する2つのタブ218とを含む。4つの凹部216は、主部品180の4つの係合タブ182と協働し、2つのタブ218は、内壁23に設けられたクリップ174と協働する開口部222を含む。第2の部品14bが内壁170と正しく位置合わせされるとき、4つの係合タブ172及び2つのクリップ174は、それぞれ、4つの凹部216及び2つの開口部222に収まる。組み立てられるとき、第1の部品14aと内壁23との間の空間は、それぞれの凹部及び開口部から、それぞれのタブ及びクリップの移動を可能にするには不十分である。
【0121】
ここで、空気流入口、及び
図15に戻ると、電線ガイド150は、クランプ160を介して内壁23及び端部18と係合する。クランプ160は、環状であり、電線ガイド150がクランプ160内に保持されるように、電線ガイド150の幅に実質的に対応する直径、又は代替的に、電線ガイド150の幅よりもわずかに小さい直径を有する。次いで、クランプ160は、環状アバットメント部分162を介して開口部19の周辺の周りの端部18に係合し、ヒータハウジング14から、複数の電線52,54,56,58の分離を抑制する。
【0122】
電気ケーブル16は、円錐状端部18に形成された開口部19(
図10を参照)を通してヒータハウジング14に入る。この接合部における電線16の過度の曲げ及び歪みを止めるために、回路ハウジング12にあるものと同様の応力除去特徴部252とオーバーモールドされる。応力除去特徴部252は、クランプ160を越えて延在し、ケーブル16に沿って、ヒータハウジング14から遠ざかって先細りに延在する。
【0123】
電線ガイド150の上流端部では、電線のペア52,54,56,58は、内壁23と壁20との間の電線ガイド150から出て、PCB260に接続される。このPCBは、多数の機能を有し、ケーブル16からの電線52,54,56,58の接続ポイントを提供し、異なる電線が、器具を通してルーティングするために分離されることを可能にする。PCBは、内壁23内に形成された圧力検知開口部292を介して流体流路290内の圧力を測定する圧力センサを収容する。シール294は、圧力検知開口部292の周りに形成され、流体流路290から内壁23と壁20との間の空洞への流体移動を防止する。
【0124】
さらに、ヒータ駆動回路48の一部としてヒータへの電力を制御するためのスイッチ268は、PCB260に設けられている。スイッチ268は、トライアックであり、1つのトライアックは、各ヒータ要素に対する電力を切り替えるために設けられている。これは、流体流出口28から流れる空気の温度が制御されることを可能にする。本実施例では、3つのヒータトラック(図示せず)が存在するので、3つのトライアックは、使用される。スイッチ268は、流体流路290に対して開かれ、スイッチ268から遠ざかる熱伝達を可能にする。シール276は、スイッチ268の周りに形成され、流体流路290と、内壁23及び壁20の間の領域との間の任意の流体移動を停止する。
【0125】
リードスイッチ接続部238が、PCB260に設けられており、リードスイッチ232からの信号が、配線254を介して回路に接続されることを可能にするので、フィルタの取り外し可能な部品220の存在は、検出され得る。
【0126】
イオナイザ接続部は、PCB260に設けられており、イオナイザ電源線のペア282は、PCB260をイオン発生器280に接続し、イオン発生器280は、イオンエミッタ286に接続する出力リード284を有する。本実施例では、イオンエミッタ286は、針であるが、当業者は承知し得るように、任意の先の尖った1つ又は複数の表面は、適する。イオンエミッタ286は、空気流出口28の近くの流体流路290内に配置される。エミッタハウジング480は、内壁23に対してイオンエミッタ286を固定する。エミッタハウジング480は、内壁23の対応する大きさの開口部にスライドするグロメットであり、開口部をシールし、流体流路290からの流体漏れを防止する。エミッタハウジング480は、出力リード284とイオンエミッタ286との間の接続を覆い、保護すると共に、イオンエミッタ286の端部を流体流路290内に配置する。
【0127】
本実施形態では、イオンエミッタ286は、棒状針であり、端部のポイントは、旋盤を使用して作られる。棒状針は、エミッタ先端部286aが、最適化された空間エンベロープ内に配置されるように(気流プロファイル及び他の材料への近接性を考慮して)適宜曲げられる。棒状針の先端部は、平坦なシートにスタンプされ、打ち抜かれ、配線接続、すなわち、出力リード284とのはんだ付けを可能にする。エミッタハウジング480は、はんだ付けプロセスに続いてオーバーモールドされる。エミッタハウジングに適した材料は、良好な熱特性を有する液晶ポリマ(LCP)である。
【0128】
内壁23内を流れる空気の乱れを最小限にするための曲面を有する弾丸形状の中空288は、イオン発生器280のためのハウジングを提供する。本実施形態では、これは、電線ガイド150の上流に設けられており、半径方向に対向しているが、これは、必須ではない。出力リード284は、内壁23と壁20との間にルーティングされる。
【0129】
PCB260は、フレキシブル電気コネクタ又はPCBの機械加工された剛性の部品262のいずれかを介して一緒にヒンジされる2つの部分から形成され、両方は、流体流路290の周りに基板全体を形成する効果を実現する。カバー264は、設けられており、PCB260を内壁23に対して所定の位置に維持する。位置決めクリップ266は、カバー264を内壁23に接続する。
【0130】
ユーザインタフェース(UI)32は、壁20、有利には、ヒータハウジングの第1の部品14aに設けられており、器具の使用中、アクセスの容易さを可能にする。本実施形態では、ユーザインタフェース32は、2つの位置に設けられている。第1のUI32aは、3つのユーザ操作可能なボタンを有する。器具を起動し、停止するプッシュスイッチ330と、フロー及び温度を制御する2つのロッカスイッチ340,342とである。
【0131】
第1のUI32aは、積層されており、外部からアクセス可能な特徴としてユーザ操作可能なボタンを有する第1の層と、壁20の内面に付着し、ユーザ操作可能なボタンの位置決めと第1のUI32aの周りの壁20のシーリングとの両方を行う膜350とを有する。
【0132】
中間層は、押されるときに内層366に配置されたタクトスイッチと係合するフレキシブルアクチュエータを提供するプラスチックフレーム352である。押されるとき、第1のタクトスイッチ356と係合するオン/オフボタン330と関連付けられた1つのフレキシブルアクチュエータ354が存在する。熱及びフローロッカスイッチ340,342の各1つと関連付けられた2つのフレキシブルアクチュエータ344が存在し、これらは、4つのタクトスイッチのうちの1つと係合する。各ロッカスイッチの第1の端部340a,342aのプッシュは、第1のタクトスイッチのペア346のうちの1つと係合し、熱又はフローのいずれかの増加を引き起こす。各ロッカスイッチの第2の端部340b,342bのプッシュは、第2のタクトスイッチのペア362のうちの1つと係合し、熱又はフローのいずれかの減少を引き起こす、すなわち、スイッチの状態の変化を引き起こす。本実施例では、3つのフロー設定が存在し、3つのLEDの配列は、どのフロー設定が現在使用中であるかを視覚的に示すために設けられている。本実施例では、4つの熱設定が存在し、3つのLEDの別の配列は、どの熱設定が現在使用中であるかを視覚的に示すために設けられている。LEDが熱設定のためのLEDの配列において点灯していないとき、熱設定は、コールド(cold)である。好都合には、LED348は、オン/オフボタンの両側に設けられており、熱ロッカスイッチは、マーカー358を有し、ユーザが、各ロッカスイッチの機能を区別することを可能にし、マーカーは、例えば、赤い点に着色され得る。
【0133】
内層366は、5つのタクトスイッチ356,346,362が取り付けられているUI PCBである。この内層366は、プラスチックフレーム352上の対応するラグ368と相互作用する内壁23に設けられたクリップ254を介して所定の位置に保持される。さらに、内層366は、流体流出口28に配置されるRFidリーダ及びサーミスタビード(thermistor bead)386からの電線の接続ポイント370を提供し、より詳細に以下に議論され得る。
【0134】
第2のUI32bは、第1のUI32aの正反対側に設けられており、単一のコールドショットボタン332を含む。コールドショットボタン332はまた、壁20の内面に付着し、コールドショットボタンの位置決めと第2のUI32bの周りの壁20のシーリングとの両方を行う膜(図示せず)に設けられている。このコールドショットボタン332は、フレキシブルプラスチックアクチュエータ334を介して、圧力が印加されるときにのみ起動する、異なるタイプのタクトスイッチ336と係合する。プラスチックアクチュエータ334は、内壁の適切な大きさの凹部324に接続する位置決めピン322と、内壁23に設けられた突起328にクリップするエンドクリップのペア326とを含む。機能は、髪のトレス又は髪の領域に対する所望のスタイルがスタイリングされ、髪を冷却し、スタイルにセットすると、ヒータへの電力を一時的に断ち、髪が素早く冷却されることを可能にすることである。異なるタイプのタクトスイッチ336は、第1のコネクタ270を介してさらなるPCB366に接続し、第2のコネクタ272を介してPCB260に接続するフレキシブル電気コネクタ338に取り付けられる。内壁23は、器具内に配置し、コネクタ内の配線を損傷から保護する、フレキシブル電気コネクタ338を収容するための成形凹部274を含む。
【0135】
内壁23は、PCB260から、気流発生器36、ヒータアセンブリ34、又は空気出口アセンブリ380へ器具を通してルーティングする配線を収容するための凹部を組み入れてもよい。
【0136】
フレキシブル電気コネクタ338は、コールドショットボタン332の状態を内層336に伝達し、全てのユーザ起動ボタンの状態、すなわち、器具を起動し、停止するプッシュスイッチ330の状態と、フロー及び温度を制御する2つのロッカスイッチ340,342とを内層336からPCB366へ伝達する。この状態情報は、適切な応答のためにヒータコントローラ50及び気流発生器制御回路60に渡される。
【0137】
内壁23の一部分は、開口部192の配列を含み、内壁23と壁20との間に挟まれているのは、フェルト材194の層である。フェルト材194は、流体流路290内で発生されるノイズを吸収する。
【0138】
空気流入口26と気流発生器36との間には、フローコンディショナ196がある。フローコンディショナ196は、流体流路290を横切って延在する六角形の開口部の配列であり、空気が気流発生器36に入る前に、流体流路290と共に流れる空気中の小さい渦(eddies)及び渦巻(swirls)を除去する役割を果たす。
【0139】
気流発生器36の下流には、ヒータアセンブリ34がある。ヒータのタイプは、適切ではないが、実施例は、英国特許番号GB2516249に開示されているような抵抗線ヒータアセンブリ、又は欧州特許出願番号EP3568038に開示されているようなセラミックヒータアセンブリを含む。ヒータアセンブリ34は、ヒータサラウンド302によって囲まれており、エアギャップ304は、ヒータサラウンドとヒータハウジング14との間に設けられている。エアギャップ304は、ヒータハウジング14の断熱を提供する。空気流出口28では、ヒータサラウンド302、したがってエアギャップ304の位置は、空気出口アセンブリ380によって維持される。
【0140】
空気出口アセンブリ380は、成形されたプラスチック部品であり、多数の機能を有する。第1は、ヒータハウジング14内にヒータアセンブリ34の下流端部を保持することである。保持特徴の全詳細は、英国特許出願番号GB2104986.1に説明されるが、目的は、空気出口アセンブリ380に対してヒータアセンブリ34を所定の位置に固定することである。第2は、空気流出口28を覆う金属グリッドであり、器具への特徴の偶発的な侵入を防止する空気出口グリル382を保持することである。
【0141】
第3は、流体流出口28に近い空気の温度を測定する温度センサ384のためのマウントを提供することである。本実施例では、温度センサ384は、サーミスタビード386を取り囲み、サーミスタビード386を流体流路にサスペンドするハウジング388に取り付けられたサーミスタビード386を含む。好都合には、ハウジングは、空気出口アセンブリ380の一部を形成するベース部分388と、サーミスタビード386を周囲のハウジング394内にサスペンドするアームのペア392とを有する。この温度センサ384は、RTD温度センサ38に加えてであり、ヒータ温度ではなく空気温度を測定し、例えば、フィルタ又は空気流出口での閉塞の早期の表示を提供し得る。空気温度が予想よりも高い場合、ヒータ36への電力は、制限され、或いは停止され得る。サーミスタ電線のペア390は、サーミスタビード386の温度読み取り値を、第1のUI32aの内層366への接続のためのコネクタ370に中継する。
【0142】
第4は、信号を、器具の取付部400から第1のUI32aの内層366への接続のためのコネクタ370に中継するRFidアンテナ392のためのマウントを提供することである。RFidアンテナ392は、取付部400内に設置されたRFidチップが、データ/情報を通信することを可能にするので、熱及び/又はフロー設定は、各取付部の異なる使用、例えば、ラフドライ、スタイリング、又はディフューザに調整され得る。さらに、取付部の欠如は、信号が存在し得ないので、器具の動作を防止するために使用され得る。これは、温度及びフロー又は空気がユーザに到達する前に、温度及びフロー又は空気が取付部を通して管理され得るので、電力密度の高いセラミックヒータが器具内で使用される場合、特に有用である。
【0143】
第5は、取付リング394のためのマウントを提供することである。この取付リング394は、鋼などの磁化可能な材料から作られ、取付部400のために器具10に磁気的な取付を提供するために使用される。そのような取付部400は、取付リング394と協働し、取付部400を器具に位置決めして取り付ける、磁気リング又は示されるように分離した磁石402を含む。さらに、ヒータハウジング14bは、空気流出口28及び第2の端部24に隣接し、空気流出口28及び第2の端部24の周りに延在する凹部領域414を含み、凹部領域414は、取付部400の流入口406の周辺の周りに延在する対応するカラー404と協働する。
【0144】
取付部400は、流入口端部420と流出口端部430とを含み、流体は、流入口端部420での流体流入口406から流出口端部430での流体流出口に流れ得る。流入口端部420は、器具の対応する凹部414に嵌合するように適合されたカラー404を含む。カラー404に直交するのは、2つの磁石セグメント402を収容する嵌合面408である。嵌合面408は、取付リング394に嵌合するように適合され、取付部400のための磁気的カップリングと共に、カラー404及び凹部414を介した機械的なカップリングを提供する。代替的に、カラー404及び凹部414は、省かれることができ、取付部は、器具に単に磁気的に結合され得る。
【0145】
図21では、器具10は、グリップ特徴部450を含む。これは、ヒータハウジング14の第1の部品14aと第2の部品14bとの間の接合部にほぼ配置される、例えば、ゴム状或いはシリコンベースの材料のフレキシブルリングである。グリップ特徴部450は、ヒータハウジング14の直径よりも大きい直径を有し、それは、ユーザが、ユーザの人差し指と親指との間の皮膚の網に器具10を立て掛けることを可能にする。代替的に、或いは追加的に、グリップ特徴部450の半円形の食い込みとして形成された凹部452は、立て掛ける場所を提供する指又は親指を収容することができ、そのような4つの凹部は、使用されることができ、より多い、或いは、より少ない凹部がまた、利用され得ることを当業者には明らかであろう。これらの凹部452は、グリップ特徴部450の円周の周りに間隔を空けて配置される。
【0146】
グリップ特徴部450は、グリップ特徴部450から流体流入口26に向かって延在するスリーブなどのグリップ特徴部450と一体であってもよく、或いは一体でないことがあるスリーブ460をさらに含んでもよい。
【0147】
多数のシールは、ヒータハウジング14内に設けられており、流体が、流体流路290から、気流発生器36の周りに再循環を引き起こし得る内壁23と壁20との間の空間に流れるのを防止し、或いは、流体が、流体流路290への異物の侵入を防止する。
【0148】
第1のシール470は、空気流入口26の下流端部で壁20とクラムシェル190との間に設けられており、濾過されていない空気が流体流路290に入るのを防止する。第2のシール472は、内壁23の下流端部で内壁23と壁20との間に設けられている。第3のシール474は、ヒータハウジングの第2の部品14bと内壁23との間に設けられている。これらのシールは、Oリング(オーリング)、又はシールされる表面の一方に位置決めされ、付着されるテープであってもよい。さらに、有利には、クラムシェルシール(図示せず)は、主部品180とクラムシェル190との嵌合端部に沿って設けられている。
【0149】
特定の実施例及び実施形態が説明されたが、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得ることを理解されたい。