(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】吊り具、および取付構造
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0047 20190101AFI20240906BHJP
F24F 13/32 20060101ALI20240906BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20240906BHJP
【FI】
F24F1/0047
F24F13/32
F16M13/02 C
(21)【出願番号】P 2023525128
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 JP2021020587
(87)【国際公開番号】W WO2022254476
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】末▲廣▼ 啓伸
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 洋介
(72)【発明者】
【氏名】小松 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】松永 尚也
(72)【発明者】
【氏名】栗原 誠
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3051223(JP,U)
【文献】特開平8-271036(JP,A)
【文献】特開平4-13018(JP,A)
【文献】特開2021-67006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0047
F24F 13/32
F16M 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に室内機を固定するための吊り具であって、
天井に固定される平面視で枠状の枠部材に固定される吊り具本体部
と、
前記吊り具本体部の外縁部から屈曲して突出し、前記吊り具本体部の外縁部に沿って延びるフランジ部と、
を備え、
前記吊り具本体部は、
前記枠部材と前記吊り具本体部とを固定するための固定ボルトが通される第1ボルト穴と、
前記室内機と前記吊り具本体部とを固定するための吊りボルトが通される第2ボルト穴と、
を有し、
前記吊り具本体部のうち前記第2ボルト穴が設けられた部分は、前記吊り具本体部が前記枠部材に固定された状態において、平面視で前記枠部材の内側に位置
し、
前記フランジ部は、前記第1ボルト穴から前記第2ボルト穴に向かう向きに沿って延びており、かつ、前記第1ボルト穴を挟んで一対設けられ、
一対の前記フランジ部が前記第1ボルト穴を挟む方向と直交する方向における前記吊り具本体部の外縁部には、前記フランジ部が設けられておらず、
前記吊り具本体部のうち前記第2ボルト穴が設けられた部分は、一対の前記フランジ部よりも、前記第1ボルト穴から離れた位置に設けられている、吊り具。
【請求項2】
前記第1ボルト穴は、複数設けられている、請求項1に記載の吊り具。
【請求項3】
平面視における前記吊り具本体部の幅は、前記第1ボルト穴が設けられた部分から前記第2ボルト穴が設けられた部分に向かうに従って小さくなっている、請求項1
または2に記載の吊り具。
【請求項4】
天井に室内機を取り付けるための取付構造であって、
天井に固定される平面視で枠状の枠部材と、
前記枠部材に固定される請求項1から
3のいずれか一項に記載の吊り具と、
前記第1ボルト穴に通され、前記枠部材と前記吊り具本体部とを固定する固定ボルトと、
前記第2ボルト穴に通され、前記室内機と前記吊り具本体部とを固定する吊りボルトと、
を備える、取付構造。
【請求項5】
前記枠部材の内側には、前記室内機の少なくとも一部が挿入される、請求項
4に記載の取付構造。
【請求項6】
前記吊り具本体部は、前記枠部材の下側に固定される、請求項
4または
5に記載の取付構造。
【請求項7】
前記固定ボルトの上端部および前記吊りボルトの上端部は、前記枠部材の上端部と同じ鉛直方向位置、または前記枠部材の上端部よりも下方に位置する、請求項
4から
6のいずれか一項に記載の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吊り具、および取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
天井裏に埋め込まれて天井に取り付けられる室内機が知られている。例えば、特許文献1には、4本の棒状のアングル部材が四角形の枠体状に連結された天吊り部材に対して吊ボルトによって室内機を取り付ける構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構造においては、室内機の上方に天吊り部材が配置されていた。そのため、天吊り部材と室内機とを合わせた鉛直方向の寸法が大きくなりやすい。これにより、室内機が取り付けられる天井裏の高さが比較的小さい場合には、室内機本体が天井裏から室内にはみ出す場合があった。したがって、室内機本体のうち当該はみ出した部分を覆うカバーを取り付ける必要がある、または室内機の設置場所を変更する必要があるなどの問題が生じる場合があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、室内機本体が天井裏からはみ出すことを抑制しつつ室内機を天井に取り付け可能とする吊り具、および取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る吊り具の一つの態様は、天井に室内機を固定するための吊り具であって、天井に固定される平面視で枠状の枠部材に固定される吊り具本体部と、前記吊り具本体部の外縁部から屈曲して突出し、前記吊り具本体部の外縁部に沿って延びるフランジ部と、を備え、前記吊り具本体部は、前記枠部材と前記吊り具本体部とを固定するための固定ボルトが通される第1ボルト穴と、前記室内機と前記吊り具本体部とを固定するための吊りボルトが通される第2ボルト穴と、を有し、前記吊り具本体部のうち前記第2ボルト穴が設けられた部分は、前記吊り具本体部が前記枠部材に固定された状態において、平面視で前記枠部材の内側に位置し、前記フランジ部は、前記第1ボルト穴から前記第2ボルト穴に向かう向きに沿って延びており、かつ、前記第1ボルト穴を挟んで一対設けられ、一対の前記フランジ部が前記第1ボルト穴を挟む方向と直交する方向における前記吊り具本体部の外縁部には、前記フランジ部が設けられておらず、前記吊り具本体部のうち前記第2ボルト穴が設けられた部分は、一対の前記フランジ部よりも、前記第1ボルト穴から離れた位置に設けられている。
【0007】
本開示に係る取付構造の一つの態様は、天井に室内機を取り付けるための取付構造であって、天井に固定される平面視で枠状の枠部材と、前記枠部材に固定される上記の吊り具と、前記第1ボルト穴に通され、前記枠部材と前記吊り具本体部とを固定する固定ボルトと、前記第2ボルト穴に通され、前記室内機と前記吊り具本体部とを固定する吊りボルトと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、室内機本体が天井裏からはみ出すことを抑制しつつ室内機を天井に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態における取付構造および取付構造によって取り付けられる室内機を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態における取付構造および室内機を第1水平方向に見た図である。
【
図3】実施の形態における取付構造および室内機を上方から見た図である。
【
図4】実施の形態における取付構造によって取り付けられる室内機の一部を示す図であって、
図2の部分拡大図である。
【
図5】実施の形態における取付構造を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態における取付構造の一部を示す斜視図であって、
図5の部分拡大図である。
【
図7】実施の形態における吊り具を示す斜視図である。
【
図8】実施の形態における取付構造の一部および室内機の一部を第1水平方向に見た図であって、
図2の部分拡大図である。
【
図9】実施の形態における取付構造の一部および室内機の一部を第2水平方向に見た図である。
【
図10】実施の形態における吊り具に対して固定ボルトおよび吊りボルトを固定する手順の一部を示す図である。
【
図11】従来の取付構造および従来の取付構造によって取り付けられる室内機を第1水平方向に見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、本開示の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0011】
また、図面には、適宜、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。X軸は、水平方向のうちの一方向を示している。Y軸は、水平方向のうちの他の一方向を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。以下の説明においては、X軸に沿った水平方向を“第1水平方向X”と呼び、Y軸に沿った水平方向を“第2水平方向Y”と呼ぶ。第1水平方向X、第2水平方向Y、および鉛直方向は、互いに直交する方向である。鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)は上側であり、鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は下側である。
【0012】
図1は、本実施の形態における取付構造10および取付構造10によって取り付けられる室内機20を示す斜視図である。
図2は、取付構造10および室内機20を第1水平方向Xに見た図である。
図3は、取付構造10および室内機20を上方から見た図である。
図4は、室内機20の一部を示す図であって、
図2の部分拡大図である。
【0013】
なお、以下に説明する各部の相対位置関係は、特に断りのない限り、取付構造10によって室内機20が取り付けられた状態における各部の相対位置関係とする。また、本明細書において“平面視”とは、取付構造10によって室内機20が取り付けられた状態において或る対象を鉛直方向の上方から見ることを意味する。
【0014】
図1から
図3に示す室内機20は、空気調和装置の室内機である。
図1および
図2に示すように、室内機20は、取付構造10によって天井Cに取り付けられている。
図2に示すように、天井Cは、天井スラブCSと、天井スラブCSの下方に間隔を空けて配置された天井板CBと、を有する二重天井である。天井スラブCSは、上階のスラブや梁などの構造物である。天井スラブCSは、下方を向く固定面CSaを有する。天井板CBは、板面が鉛直方向を向く板状である。天井板CBの下面は、室内に面している。本実施の形態において天井板CBは、石膏ボードなどの天井板本体CB1の下面にビニールクロスなどの壁紙CB2が貼られて構成されている。
【0015】
以下、天井スラブCSと天井板CBとの鉛直方向の間に設けられた空間を天井裏CAと呼ぶ。
図2に示す天井裏CAの高さは、比較的小さい高さH1である。天井裏CAの高さH1は、天井スラブCSの固定面CSaと天井板CBの上面との鉛直方向の間の距離である。
【0016】
室内機20は、天井裏CAに埋め込まれて設置される天井埋め込み型の室内機である。室内機20は、室内機本体21と、化粧パネル22と、固定具23と、を備える。室内機本体21は、鉛直方向に扁平な略四角柱状である。室内機本体21は、第1水平方向Xに沿った側面21xと、第2水平方向Yに沿った側面21yと、を有する。
図3に示すように、室内機本体21は、平面視で、角部が角面取りされた略四角形状である。つまり、室内機本体21は、平面視で、略八角形状である。室内機本体21は、四角のそれぞれに傾斜面21aを有する。傾斜面21aは、第1水平方向Xおよび第2水平方向Yの両方に対して45°傾斜する方向を向いている。
【0017】
図2に示すように、室内機本体21は、天井裏CAに埋め込まれている。室内機本体21の下端部は、天井板CBに設けられた貫通孔CBa内に配置されている。貫通孔CBaは、天井板CBを鉛直方向に貫通している。貫通孔CBaは、平面視で、室内機本体21の外形よりも大きい正方形状である。
【0018】
室内機本体21の下端部には、化粧パネル22が取り付けられている。化粧パネル22は、板面が鉛直方向を向き、第1水平方向Xおよび第2水平方向Yに沿った辺を有する正方形板状である。化粧パネル22は、室内に配置されている。化粧パネル22の外周縁部は、平面視で、室内機本体21よりも外側に突出している。化粧パネル22の外周縁部は、天井板CBの下面に接触している。
【0019】
固定具23は、後述する吊りボルト50が固定される金具である。固定具23は、室内機本体21の側面に固定されている。固定具23は、天井裏CAに位置する。
図3に示すように、固定具23は、4つの傾斜面21aにそれぞれ1つずつ固定されている。
図4に示すように、固定具23は、傾斜面21aにボルトで固定された基部23aと、基部23aの上端部から傾斜面21aから離れる向きに突出する突出部23bと、を有する。突出部23bは、板面が鉛直方向を向く板状である。図示は省略するが、突出部23bは、吊りボルト50が鉛直方向に通される貫通部を有する。
【0020】
取付構造10は、天井Cに室内機20を取り付けるための取付構造である。
図5は、取付構造10を示す斜視図である。
図6は、取付構造10の一部を示す斜視図であって、
図5の部分拡大図である。
図5および
図6に示すように、取付構造10は、枠部材30と、吊り具40と、吊りボルト50と、固定ボルト61と、を備える。
【0021】
図5に示すように、枠部材30は、平面視で枠状の部材である。本実施の形態において枠部材30は、正方形枠状である。枠部材30は、一対の第1支持部材31と、一対の第2支持部材32と、を有する。一対の第1支持部材31は、第1水平方向Xに延びている。一対の第1支持部材31は、第2水平方向Yに間隔を空けて配置されている。一対の第2支持部材32は、第2水平方向Yに延びている。一対の第2支持部材32は、第1水平方向Xに間隔を空けて配置されている。一対の第2支持部材32は、一対の第1支持部材31よりも上方に位置する。一対の第2支持部材32における第2水平方向Yの一端部のそれぞれは、一方の第1支持部材31における第1水平方向Xの両端部のそれぞれの上方に固定されている。一対の第2支持部材32における第2水平方向Yの他端部のそれぞれは、他方の第1支持部材31における第1水平方向Xの両端部のそれぞれの上方に固定されている。
【0022】
本実施の形態において第1支持部材31および第2支持部材32は、下方に開口する溝を有するC形のチャンネル鋼である。
図6に示すように、第1支持部材31は、第1水平方向Xに延びる溝31aを有する。第2支持部材32は、第2水平方向Yに延びる溝32aを有する。溝31a,32aは、下方に開口している。
図3に示すように、第1支持部材31の上側の壁部には、第1水平方向Xに長い長孔31bが設けられている。長孔31bは、第1水平方向Xに沿って複数設けられている。第2支持部材32の上側の壁部には、第2水平方向Yに長い長孔32bが設けられている。長孔32bは、第2水平方向Yに沿って複数設けられている。
【0023】
図2に示すように、枠部材30は、天井Cに固定されている。本実施の形態において枠部材30は、鉛直方向に延びるボルト60によって天井スラブCSに固定されている。ボルト60は、4つ設けられている。各ボルト60は、正方形枠状の枠部材30の各角部を天井スラブCSの固定面CSaに固定している。枠部材30の内側には、室内機20の少なくとも一部が挿入されている。本実施の形態では、枠部材30の内側には、室内機本体21の上端部が挿入されている。
【0024】
吊り具40は、天井Cに室内機20を固定するための吊り具である。本実施の形態において吊り具40は、金属製の板部材にプレス加工などの機械加工が施されて作られた部材である。
図5に示すように、吊り具40は、枠部材30に固定されている。より詳細には、吊り具40は、一対の第1支持部材31のそれぞれに2つずつ固定されている。つまり、本実施の形態では、吊り具40は、合計で4つ設けられている。各第1支持部材31に設けられた2つの吊り具40は、第1水平方向Xに間隔を空けて配置されている。一方の第1支持部材31に固定された吊り具40と他方の第1支持部材31に固定された吊り具40とは、第2水平方向Yに反転した向きで固定されている。各吊り具40は、枠部材30に対して固定される位置および向きが異なる点を除いて同様の構成である。以下の吊り具40の説明においては、各吊り具40を代表して、第2水平方向Yの一方側(+Y側)に位置する第1支持部材31に固定された吊り具40について説明する。
【0025】
図7は、吊り具40を示す斜視図である。
図7に示すように、吊り具40は、吊り具本体部41と、一対のフランジ部42,43と、を有する。吊り具本体部41は、板面が鉛直方向を向く板状である。本実施の形態において吊り具本体部41は、平面視で略三角形状である。
図6に示すように、本実施の形態において吊り具本体部41は、枠部材30の下側に固定されている。より詳細には、吊り具本体部41は、枠部材30のうち第1支持部材31の下側に固定されている。吊り具本体部41は、第1支持部材31から枠部材30の内方側、すなわち
図6では-Y側に向かって延びている。
【0026】
以下、吊り具本体部41のうち第1支持部材31の下方に位置する部分を被固定部41aと呼び、第1支持部材31よりも枠部材30の内方側に突出する部分を突出部41bと呼ぶ。被固定部41aは、第1支持部材31に固定されている。突出部41bは、平面視で枠部材30の内側に位置する。
【0027】
図7に示すように、吊り具本体部41は、第1ボルト穴44と、第2ボルト穴45と、を有する。第1ボルト穴44および第2ボルト穴45は、吊り具本体部41を鉛直方向に貫通する円形状の穴である。第1ボルト穴44は、被固定部41aに設けられている。第2ボルト穴45は、突出部41bの先端部に設けられている。第1ボルト穴44は、複数設けられている。本実施の形態において第1ボルト穴44は、吊り具40が固定された第1支持部材31の長手方向、すなわち第1水平方向Xに間隔を空けて2つ設けられている。第1ボルト穴44には、枠部材30と吊り具本体部41とを固定するための固定ボルト61が通されている。本実施の形態において第2ボルト穴45は、吊り具本体部41に対して1つのみ設けられている。第2ボルト穴45には、室内機20と吊り具本体部41とを固定するための吊りボルト50が通されている。
【0028】
平面視における吊り具本体部41の幅は、第1ボルト穴44が設けられた部分から第2ボルト穴45が設けられた部分に向かうに従って小さくなっている。平面視における吊り具本体部41の幅とは、例えば、吊り具本体部41の第1水平方向Xの寸法である。吊り具本体部41の第1水平方向Xの外縁部のうち一方の外縁部41cは、第2水平方向Yに延びている。吊り具本体部41の第1水平方向Xの外縁部のうち他方の外縁部41dは、第2水平方向Yに対して第1水平方向Xに斜めに傾いた方向に延びている。
【0029】
図6に示すように、吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分は、吊り具本体部41が枠部材30に固定された状態において、平面視で枠部材30の内側に位置する。吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分は、平面視において、室内機20の固定具23のうち吊りボルト50が通される貫通部が設けられた部分と重なる位置に配置されている。
【0030】
図7に示すように、一対のフランジ部42,43は、吊り具本体部41の外縁部41c,41dから下方に屈曲して突出している。フランジ部42は、外縁部41cに設けられている。フランジ部43は、外縁部41dに設けられている。一対のフランジ部42,43は、板面が鉛直方向に沿った板状である。一対のフランジ部42,43は、第1水平方向Xに間隔を空けて配置されている。一対のフランジ部42,43は、第1ボルト穴44を第1水平方向Xに挟んでいる。
【0031】
一対のフランジ部42,43は、吊り具本体部41の外縁部41c,41dのそれぞれに沿って延びている。本実施の形態において一対のフランジ部42,43は、第1ボルト穴44から第2ボルト穴45に向かう向きに沿って延びている。フランジ部42は、第1水平方向Xの一方側(+X側)に位置する一方の第1ボルト穴44から第2ボルト穴45に向かう向きに沿って延びている。本実施の形態においてフランジ部42は、第2水平方向Yに延びている。フランジ部43は、第1水平方向Xの他方側(-X側)に位置する一方の第1ボルト穴44から第2ボルト穴45に向かう向きに沿って延びている。本実施の形態においてフランジ部43は、第2水平方向Yに対して第1水平方向Xに斜めに傾いた方向に延びている。フランジ部42とフランジ部43とは、第2ボルト穴45に近づくに従って互いに第1水平方向Xに近づいている。
【0032】
各フランジ部42,43は、吊り具本体部41における各外縁部41c,41dの一部のみに設けられている。各フランジ部42,43は、各外縁部41c,41dのうち第1ボルト穴44に近い側(+Y側)の端部から、各外縁部41c,41dのうち第1ボルト穴44と第2ボルト穴45との第2水平方向Yの間に位置する部分まで延びている。これにより、吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分は、一対のフランジ部42,43よりも、第1ボルト穴44から離れた位置に設けられている。外縁部41cのうち第2ボルト穴45に近い側の一部には、フランジ部42が設けられていない。外縁部41dのうち第2ボルト穴45に近い側の一部には、フランジ部43が設けられていない。
【0033】
固定ボルト61は、鉛直方向に延びるボルトである。固定ボルト61は、吊り具40ごとに2つずつ設けられている。つまり、固定ボルト61は、合計で8つ設けられている。各吊り具40において、2つの固定ボルト61は、2つの第1ボルト穴44にそれぞれ鉛直方向に通されている。固定ボルト61は、枠部材30と吊り具本体部41とを固定するボルトである。本実施の形態において固定ボルト61は、第1支持部材31と吊り具本体部41とを固定している。
【0034】
図8は、取付構造10の一部および室内機20の一部を第1水平方向Xに見た図であって、
図2の部分拡大図である。
図9は、取付構造10の一部および室内機20の一部を第2水平方向Yに見た図である。
図10は、吊り具40に対して固定ボルト61および吊りボルト50を固定する手順の一部を示す図である。
【0035】
図8に示すように、固定ボルト61によって固定される吊り具本体部41と第1支持部材31との鉛直方向の間には、カバー部材33が設けられている。カバー部材33は、第1支持部材31の溝31aを下方から覆う板状の部材である。カバー部材33には、固定ボルト61が鉛直方向に通された貫通孔33aが設けられている。カバー部材33の上面は、第1支持部材31の下端部に接触している。カバー部材33の下面は、吊り具本体部41の上面に接触している。カバー部材33によって吊り具本体部41を安定して支持することができ、吊り具本体部41を第1支持部材31に対して安定して固定できる。
図9に示すように、カバー部材33は、固定ボルト61のそれぞれに対して設けられている。
【0036】
図8に示すように、固定ボルト61は、溝31aおよび長孔31bに鉛直方向に通されて、第1支持部材31を鉛直方向に貫通している。固定ボルト61のうち溝31a内に位置する部分には、固定ボルト61が締め込まれた雌ねじ穴63aを有する固定板63が取り付けられている。固定板63は、溝31aの内部において第1支持部材31の下端部における第2水平方向Yの両縁部に上方から引っ掛かっている。
【0037】
固定ボルト61には、ナット62が締め込まれている。ナット62は、吊り具本体部41の下方に位置する。固定ボルト61に固定された固定板63とナット62とによって吊り具本体部41と第1支持部材31の下端部とがカバー部材33を介して鉛直方向に挟持されることで、固定ボルト61を介して吊り具本体部41が第1支持部材31に固定されている。
図10に示すように、ナット62は、吊り具本体部41の下方からスパナSを用いて締め込まれている。
図9に示すように、固定ボルト61の下端部は、吊り具40よりも下方に突出している。固定ボルト61の上端部は、枠部材30の上端部と同じ鉛直方向位置に位置する。
【0038】
吊りボルト50は、鉛直方向に延びるボルトである。吊りボルト50は、4つ設けられている。各吊りボルト50は、各吊り具40に固定されている。各吊りボルト50は、各吊り具40の第2ボルト穴45に鉛直方向に通されている。吊りボルト50は、室内機20と吊り具本体部41とを固定するボルトである。本実施の形態において吊りボルト50は、固定具23と吊り具本体部41とを固定している。
【0039】
図8に示すように、吊りボルト50は、吊りボルト50に締め込まれた一対のナット51a,51bによって、吊り具本体部41に固定されている。ナット51a,51bは、吊り具本体部41を鉛直方向に挟んで配置されている。ナット51aは、吊り具本体部41の下方に位置する。ナット51bは、吊り具本体部41の上方に位置する。ナット51bは、2つのナットを含むダブルナットである。ナット51a,51bによって吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分が鉛直方向に挟み込まれることで、吊りボルト50が吊り具本体部41に固定されている。
図10に示すように、ナット51aは、吊り具本体部41の下方からスパナSを用いて締め込まれている。
【0040】
4つの吊りボルト50は、4つの固定具23のそれぞれに固定されている。
図9に示すように、吊りボルト50は、吊りボルト50に締め込まれた一対のナット52によって、室内機20の固定具23に固定されている。一対のナット52は、固定具23の突出部23bを鉛直方向に挟んで配置されている。一対のナット52によって突出部23bが鉛直方向に挟み込まれることで、吊りボルト50が固定具23に固定されている。これにより、吊りボルト50が室内機20に固定されている。なお、吊りボルト50に対するナット51a,51b,52の鉛直方向位置を調整することで、吊り具本体部41と固定具23との鉛直方向の相対位置を調整可能である。
【0041】
吊りボルト50は、固定ボルト61よりも下方に延びている。
図8に示すように、本実施の形態において吊りボルト50の上端部は、固定ボルト61の上端部と同じ鉛直方向位置に位置する。吊りボルト50の上端部は、枠部材30の上端部と同じ鉛直方向位置に位置する。
【0042】
取付構造10によって室内機20を取り付ける作業者は、まず枠部材30に対して、吊り具40および吊りボルト50を固定する。作業者は、吊り具40および吊りボルト50が取り付けられた状態の枠部材30を天井スラブCSに固定する。作業者は、天井スラブCSに枠部材30を介して固定された吊りボルト50に対してナット52を締め込んで室内機20を固定する。なお、吊り具40および吊りボルト50は、天井スラブCSに枠部材30を固定した後に、枠部材30に固定されてもよい。
【0043】
図11は、従来の取付構造210および従来の取付構造210によって取り付けられる室内機20を第1水平方向Xに見た図である。
図11に示すように、従来の取付構造210は、枠部材230と、吊りボルト250と、を備える。枠部材230は、第1支持部材31と第2支持部材32とによって構成された枠の大きさが上述した実施の形態における枠部材30よりも小さい点を除いて、枠部材30と同様の構成である。枠部材230は、複数のボルト260によって天井スラブCSに固定されている。枠部材230は、室内機20よりも上方に位置する。吊りボルト250は、枠部材230のうち第1支持部材31と第2支持部材32とが鉛直方向に重なる交差部のそれぞれに対して直接的に固定されている。吊りボルト250は、鉛直方向に延びて枠部材230と固定具23とを固定している。吊りボルト250は、枠部材230よりも上方に突出している。
【0044】
上述したように、従来の取付構造210では、吊りボルト250が枠部材230に対して直接的に固定されている。そのため、各吊りボルト250の水平方向位置を室内機20の固定具23の水平方向位置に合わせると、平面視において枠部材230の枠の大きさが室内機20の大きさよりも小さくなりやすい。これにより、枠部材230の内側に室内機20を配置できず、枠部材230を室内機20よりも上方に配置する必要が生じる。したがって、上方に枠部材230が配置される分だけ、室内機20を天井スラブCSから下方に離して配置する必要が生じる。
【0045】
また、従来の取付構造210では、吊りボルト250が枠部材230よりも上方に突出しやすい。そのため、吊りボルト250の上端部を配置する空間を確保するために、枠部材230の位置も或る程度、天井スラブCSから下方に離して配置する必要がある。これにより、室内機20をより天井スラブCSから下方に離して配置する必要が生じる。
【0046】
以上のことから、例えば上述した実施の形態における天井Cのように天井裏CAの高さが比較的小さい高さH1であると、
図11に示すように室内機本体21の下端部が貫通孔CBaから天井板CBよりも下方にはみ出す場合がある。つまり、室内機本体21の一部が室内にはみ出す場合がある。この場合、室内機本体21のうち室内にはみ出した部分の外周を覆うカバー270を天井板CBと化粧パネル22との鉛直方向の間に配置する必要が生じる。この場合、カバー270を設置する必要がある分だけ、室内機20の設置コストが増大し、かつ、室内機20を取り付ける作業の作業性が悪くなる。また、室内から見た室内機20の外観が悪くなる問題がある。
【0047】
また、カバー270を設けることができない場合などには、室内機20の設置場所を変更する必要もある。具体的には、
図11に二点鎖線で示す位置に天井板CBが設置される程度に天井裏CAの高さが大きい場所に室内機20の設置場所を変更する必要がある。二点鎖線で示す天井板CBを有する天井裏CAの高さは、高さH1よりも大きい高さH2である。
【0048】
以上の問題に対して、本実施の形態によれば、取付構造10には、天井Cに固定される平面視で枠状の枠部材30に固定される吊り具本体部41が設けられている。吊り具本体部41は、枠部材30と吊り具本体部41とを固定するための固定ボルト61が通される第1ボルト穴44と、室内機20と吊り具本体部41とを固定するための吊りボルト50が通される第2ボルト穴45と、を有する。吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分は、吊り具本体部41が枠部材30に固定された状態において、平面視で枠部材30の内側に位置する。そのため、吊りボルト50の水平方向位置を平面視で枠部材30の内側にできる。これにより、平面視において枠部材30の枠の大きさを室内機20よりも大きくしつつ、吊りボルト50の水平方向位置を室内機20の固定具23の水平方向位置に合わせることができる。したがって、枠部材30の内側に室内機20の少なくとも一部を挿入する構成を採用できる。つまり、枠部材30を室内機20より上方に離して配置する必要がなく、室内機20を天井スラブCSにより近づけて配置できる。
【0049】
また、吊りボルト50が枠部材30に直接的には固定されず、吊りボルト50は吊り具40に固定される。そのため、枠部材30の下側に吊り具40を固定するなどにより、吊りボルト50を下方に配置しやすく、吊りボルト50が枠部材30よりも上方に突出することを抑制できる。これにより、枠部材30をより天井スラブCSに近づけて配置することができる。したがって、仮に枠部材30の内側に室内機20の一部を配置できなくても、枠部材30と共に室内機20をより天井スラブCSに近づけて配置できる。
【0050】
以上により、本実施の形態の吊り具40を用いた取付構造10とすることで、従来の取付構造210よりも、室内機20を天井スラブCSに近づけて配置することができる。したがって、本実施の形態によれば、天井裏CAの高さが比較的小さくても、室内機本体21が天井裏CAからはみ出すことを抑制しつつ室内機20を天井Cに取り付けることができる。そのため、上述したカバー270のような部材を設ける必要がなく、室内機20の設置コストが増大することを抑制でき、かつ、室内機20を取り付ける作業の作業性が悪くなることを抑制できる。また、室内から見た室内機20の外観が悪くなることを抑制できる。つまり、室内から見た室内機20の意匠性を向上できる。また、室内機20の設置場所を変更する必要が生じることを抑制できる。
【0051】
また、本実施の形態によれば、第1ボルト穴44は、複数設けられている。そのため、枠部材30に対して吊り具40が固定ボルト61の中心軸回りに回転することを抑制できる。これにより、吊り具40を枠部材30に対して安定して固定できる。したがって、取付構造10によって室内機20を安定して取り付けることができる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、吊り具40は、吊り具本体部41の外縁部41c,41dから屈曲して突出し吊り具本体部41の外縁部41c,41dに沿って延びるフランジ部42,43を備える。そのため、フランジ部42,43によって吊り具40の強度を向上できる。これにより、吊り具40が変形することなどを抑制でき、吊り具40を介して、室内機20をより安定して取り付けることができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、フランジ部42,43は、第1ボルト穴44から第2ボルト穴45に向かう向きに沿って延びており、かつ、第1ボルト穴44を挟んで一対設けられている。そのため、一対のフランジ部42,43が第1ボルト穴44を挟む方向と直交する方向における吊り具40の外縁部にはフランジ部を設けなくても、一対のフランジ部42,43によって吊り具40の強度を確保しやすい。これにより、
図10に示すように、第1ボルト穴44に通された固定ボルト61を吊り具本体部41に固定する際に、ナット62を締め込むスパナSを一対のフランジ部42,43が第1ボルト穴44を挟む方向と直交する方向に逃がすことができる。したがって、ナット62を締め込む際にスパナSが一対のフランジ部42,43に干渉することを抑制できる。そのため、スパナSの可動範囲を確保しやすく、ナット62を締め込みやすくできる。したがって、固定ボルト61によって吊り具40を枠部材30に固定しやすくできる。
【0054】
また、本実施の形態によれば、吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分は、一対のフランジ部42,43よりも、第1ボルト穴44から離れた位置に設けられている。つまり、外縁部41c,41dのうち第2ボルト穴45が設けられた部分を第1水平方向Xに挟む部分には、フランジ部42,43が設けられていない。そのため、
図10に示すように、第2ボルト穴45に通された吊りボルト50を吊り具本体部41に固定する際に、ナット51aを締め込むスパナSがフランジ部42,43に干渉することを抑制できる。これにより、スパナSの可動範囲を確保しやすく、ナット51aを締め込みやすくできる。したがって、吊りボルト50を吊り具40に対して固定しやすくできる。以上により、吊り具40に対して固定ボルト61および吊りボルト50を固定しやすくでき、室内機20の取り付け作業を容易にできる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、平面視における吊り具本体部41の幅は、第1ボルト穴44が設けられた部分から第2ボルト穴45が設けられた部分に向かうに従って小さくなっている。そのため、吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分の幅を比較的小さくできる。これにより、吊り具本体部41が室内機本体21と干渉することを抑制しつつ、吊り具本体部41のうち第2ボルト穴45が設けられた部分を室内機本体21に設けられた固定具23の上方に配置しやすくできる。したがって、枠部材30の内側に室内機本体21の少なくとも一部を配置しつつ、吊り具40を介して室内機20を取り付けやすくできる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、枠部材30の内側には、室内機20の少なくとも一部が挿入される。そのため、枠部材30の鉛直方向位置によらず、室内機20を天井スラブCSに近づけて配置することができる。これにより、上述したように、室内機本体21が天井裏CAからはみ出すことを抑制しつつ室内機20を天井Cに取り付けることができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、吊り具本体部41は、枠部材30の下側に固定される。そのため、吊り具本体部41の鉛直方向位置をより下方にしやすい。これにより、第1ボルト穴44の鉛直方向位置および第2ボルト穴45の鉛直方向位置をより下方にしやすい。したがって、第1ボルト穴44に通される固定ボルト61の鉛直方向位置および第2ボルト穴45に通される吊りボルト50の鉛直方向位置をより下方にしやすい。そのため、固定ボルト61および吊りボルト50が枠部材30よりも上方に突出することを抑制できる。これにより、枠部材30を天井スラブCSに近づけやすくできる。したがって、仮に枠部材30の内側に室内機20を挿入できない場合であっても、室内機本体21が天井裏CAからはみ出すことを抑制できる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、固定ボルト61の上端部および吊りボルト50の上端部は、枠部材30の上端部と同じ鉛直方向位置に位置する。そのため、固定ボルト61および吊りボルト50が枠部材30よりも上方に突出しない。これにより、枠部材30をより好適に天井スラブCSに近づけやすくできる。したがって、室内機本体21が天井裏CAからはみ出すことをより抑制できる。
【0059】
以上に本開示における実施の形態について説明したが、本開示は上述した各実施の形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
【0060】
吊り具本体部の形状は、特に限定されない。吊り具本体部は、平面視で三角形状以外の多角形状であってもよいし、楕円形状などその他の形状であってもよい。吊り具本体部に設けられる第1ボルト穴は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。吊り具本体部には、複数の第2ボルト穴が設けられてもよい。吊り具本体部は、枠部材のいずれの箇所に固定されてもよい。上述した実施の形態において吊り具本体部41は、第2支持部材32に固定されてもよいし、枠部材30の上側に固定されてもよい。吊り具本体部に設けられるフランジ部は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。フランジ部は、設けられなくてもよい。室内機を取り付ける取付構造に含まれる吊り具の数は、特に限定されない。
【0061】
枠部材は、平面視で枠状であればどのような形状であってもよい。枠部材は、四角形以外の多角形枠状であってもよい。枠部材は、どのように構成されていてもよい。例えば、上述した実施の形態において、第1支持部材31および第2支持部材32は、L形のアングル鋼などでもよい。枠部材は、一体成形された枠状の部材であってもよい。
【0062】
固定ボルトの上端部および吊りボルトの上端部は、枠部材の上端部よりも下方に位置してもよい。この場合にも、固定ボルトおよび吊りボルトが枠部材よりも上方に突出しないため、枠部材をより好適に天井スラブに近づけやすくできる。したがって、室内機本体が天井裏からはみ出すことをより抑制できる。固定ボルトの上端部および吊りボルトの上端部は、枠部材の上端部より上方に位置してもよい。
【0063】
吊り具を含む取付構造によって取り付けられる室内機は、天井埋め込み型の室内機であれば、どのような形状の室内機であってもよい。室内機は、枠部材の内側に挿入されなくてもよい。この場合、室内機は、枠部材よりも下方に位置した状態で天井に取り付けられる。
【0064】
以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0065】
10…取付構造、20…室内機、30…枠部材、40…吊り具、41…吊り具本体部、41c,41d…外縁部、42,43…フランジ部、44…第1ボルト穴、45…第2ボルト穴、50…吊りボルト、61…固定ボルト、C…天井