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特許7551008第1のデバイスによって実施される方法、第1のデバイス、コンピュータープログラム、及び第2のデバイスによって実施される方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】第1のデバイスによって実施される方法、第1のデバイス、コンピュータープログラム、及び第2のデバイスによって実施される方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/25 20230101AFI20240906BHJP
   H04W 72/40 20230101ALI20240906BHJP
   H04W 72/50 20230101ALI20240906BHJP
【FI】
H04W72/25
H04W72/40
H04W72/50
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023566079
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 JP2021048451
(87)【国際公開番号】W WO2022230239
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】21305536.1
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】シェハタ、モハメド
(72)【発明者】
【氏名】シベル、ジャン-クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】グレッセ、ニコラ
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/024854(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0368351(US,A1)
【文献】国際公開第2016/163251(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワーク内で少なくとも1つのリソース要素を共有する第1のデバイスによって実施される方法であって、前記リソース要素は、リソースプール内において前記第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットに属し、前記第1のデバイスは、前記無線通信ネットワーク内でデバイスツーデバイス通信を使用し、
前記第1のデバイスは、前記デバイスツーデバイス通信を通じて、前記リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を送出し、該表示は、1次基準に基づいて送出され、該1次基準は、少なくとも前記リソースプール内の輻輳レベルに関する値に関係する、方法。
【請求項2】
前記第1のデバイスは、前記デバイスツーデバイス通信を通じて共有シグナリングメッセージを送出し、前記共有シグナリングメッセージは、前記リソース要素が共有に利用可能であることを示す前記表示を少なくとも含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1次基準は、さらに、
前記リソース要素の前記共有を可能又は不可能にする事前構成メッセージと、
前記リソース要素が利用可能であることに関する値と、
前記無線通信ネットワークのチャネル状態に関する値と、
前記第1のデバイスのハードウェア能力と、
のうちの1つ又はそれらの組み合わせに関連している、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記リソース要素が共有に利用可能であることを示す前記表示は、
前記共有に利用可能なリソース要素の位置を示す少なくとも1つのビットと、
前記共有に利用可能なリソース要素のサイズを示す少なくとも1つのビットと、
前記リソース要素が共有に利用可能である時間間隔を示す少なくとも1つのビットと、
前記共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーンを示す少なくとも1つのビットと、
のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記リソース要素は、少なくとも1つの送信次元において共有に利用可能であり、前記送信次元は、
空間送信次元と、
偏波送信次元と、
時間周波数送信次元と、
を含む要素のセットの中の少なくとも1つの要素を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記リソース要素が共有に利用可能であることを示す前記表示は、
前記共有に利用可能なリソース要素の位置を示す少なくとも1つのビットと、
前記共有に利用可能なリソース要素のサイズを示す少なくとも1つのビットと、
前記リソース要素が共有に利用可能である時間間隔を示す少なくとも1つのビットと、
前記共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーンを示す少なくとも1つのビットと、
のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含み、
前記第1のデバイスは、前記リソースプール内の輻輳レベルの表示を取得し、前記第1のデバイスは、少なくとも1つの既定の輻輳レベル閾値を第1のメモリユニットに更に記憶し、前記1次基準は、前記輻輳レベルが前記輻輳レベル閾値を超えている場合に満たされる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記リソース要素は、少なくとも1つの送信次元において共有に利用可能であり、前記送信次元は、
空間送信次元と、
偏波送信次元と、
時間周波数送信次元と、
を含む要素のセットの中の少なくとも1つの要素を含み、
前記第1のデバイスは、前記リソースプール内の輻輳レベルの表示を取得し、前記第1のデバイスは、少なくとも1つの既定の輻輳レベル閾値を第1のメモリユニットに更に記憶し、前記1次基準は、前記輻輳レベルが前記輻輳レベル閾値を超えている場合に満たされる、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のデバイスは、
前記第1のデバイスの第1のリソース占有量の物理的測定値を取得し、
前記第1のデバイスから少なくとも1つの第1の受信デバイスへの第1のデータパケットの少なくとも1つの送信用の前記第1のデバイスの第1のリソース使用量に関する値を求め、
前記1次基準は、
前記輻輳レベルが輻輳レベル閾値を超えており、
前記第1のデバイスの前記第1のリソース占有量の前記物理的測定値が、前記第1のデバイスの前記第1のリソース使用量に関する前記値を超えている、
場合に満たされる、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
第1のデバイスであって、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法を実行する第1の処理回路を備える、第1のデバイス。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の方法を実行する第1のコンピューター可読記憶媒体に記憶されたプログラム命令コードの第1のセットを含む、コンピュータープログラム。
【請求項11】
無線通信ネットワーク内で少なくとも1つのリソース要素を利用する第2のデバイスによって実施される方法であって、前記リソース要素は、リソースプール内において第1のデバイス用に確保された無線リソースの第1のセットに属し、前記第1のデバイス及び前記第2のデバイスは、前記無線通信ネットワーク内でデバイスツーデバイス通信を使用し、該方法は、
前記リソース要素が前記第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す表示を、前記デバイスツーデバイス通信を通じて受信することと、
前記無線通信ネットワーク内における送信に、前記第1のデバイスによって共有される前記リソース要素を利用することと、
を含み、
前記リソース要素を利用することは、2次基準に基づいており、該2次基準は、少なくとも前記リソースプール内の輻輳レベルに関するデータに関係する、方法。
【請求項12】
前記リソース要素が前記第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す前記表示は、前記デバイスツーデバイス通信を通じて、共有シグナリングメッセージ内において受信される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記2次基準は、さらに、
前記リソース要素の利用を可能又は不可能にする事前構成メッセージと、
前記無線通信ネットワークのチャネル状態に関するデータと、
前記リソース要素が共有に利用可能である時間間隔に関するデータと、
前記共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーンに関するデータと、
前記共有に利用可能なリソース要素のサイズに関するデータと、
前記共有に利用可能なリソース要素の少なくとも1つの送信次元に関するデータと、
前記第2のデバイスのハードウェア能力と、
のうちの1つ又はそれらの組み合わせに関係する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記リソース要素が前記第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す前記表示は、前記共有に利用可能なリソース要素のサイズに関するデータを少なくとも含み、前記第2のデバイスは、
前記リソースプール内の輻輳レベルに関するデータと、
前記第2のデバイスから少なくとも1つの第2の受信デバイスへの第2のデータパケットの少なくとも1つの送信用の前記第2のデバイスの第2のリソース使用量の測定値と、
を取得し、
前記第2のデバイスは、少なくとも1つの既定の輻輳レベル閾値を第2のメモリユニットに更に記憶し、
前記第2のデバイスは、前記第2のデバイスの前記第2のリソース使用量の前記測定値を前記共有に利用可能なリソース要素の前記サイズと比較し、前記2次基準は、
前記輻輳レベルが前記輻輳レベル閾値を超えており、
前記第1のデバイスによる前記共有に利用可能なリソース要素の前記サイズが、前記第2のデバイスの前記第2のリソース使用量の前記測定値を超えている、
場合に満たされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のデバイスは、前記第1のデバイスによる前記共有に利用可能なリソース要素を使用して、第2のデータパケットを少なくとも第2の受信デバイスに送信する、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
第2のデバイスであって、請求項11~15のいずれか1項に記載の方法を実行する第2の処理回路を備える、第2のデバイス。
【請求項17】
請求項11~15のいずれか1項に記載の方法を実行する第2のコンピューター可読記憶媒体に記憶されたプログラム命令コードの第2のセットを含む、コンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関し、特に、ビークルツーエブリシング(V2X:vehicle-to-everything)通信のリソースの選択に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代新無線ベースのビークルツーエブリシング(5G NR V2X:Fifth-Generation New Radio based Vehicle-to Everything)通信は、ビークルツーエブリシング(V2X)通信を可能にするとともに自律運転等のアプリケーションの超高信頼性低レイテンシー無線通信を提供することを目的とする無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を指す。
その上、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標):3rd Generation Partnership Project)システム規格のリリース14に導入された直接通信モード(又はサイドリンク送信)の開発は、デバイス(V-UE、又は車両デバイス)がセルラーネットワークに依拠することなく他のデバイス(V2V)及び歩行者(V2P)と通信することを可能にする。
NR V2X技術が発展し続けるにつれて、より高い信頼性、より低いレイテンシー及びより高いデータレートを通じて、自律運転ユースケースを高性能V2Xアプリケーションに向けて継続的に改善するために、直接通信モードがNR V2Xの状況において指定される。
【0003】
特に、NR V2Xは、デバイス(V-UE)の直接通信(又はD2D)を利用して、無線通信ネットワークを介したデータサイドリンク送信及び制御サイドリンク送信の無線リソース管理(RRM:Radio Resource Management)を改善する。
例えば、NR V2Xサイドリンクモード2では、無線リソースは、基地局等のセルラーネットワークエンティティの介入なく、分散センシングベースの方式を使用してデバイス(V-UE)によってリソースプール内で自律的に選択される。
D2D通信を使用する自律的な無線リソース管理の開発によって、セルラーカバレッジが低いか又は存在しないリモートエリア及び範囲外エリアであっても、デバイスの信頼性が確保される。
【0004】
しかしながら、リソースプールのレイテンシーバジェット及び周波数帯域幅制約、ネットワーク内の車両密度、並びにV-UEがそれぞれリソースを必要とすることによって、定期的にリソースプールが輻輳し、スペクトルが不足する。
いくつかのデバイス(V-UE)が送信用に十分な無線リソースを確保することができないことによって、レイテンシーはより高くなり、V2Xアプリケーションの信頼性は低下する。
【0005】
既存の輻輳制御方法は、いくつかのデバイスに、リソースプールにおける別の利用可能な選択ウィンドウを待機させるか、又は、データパケットドロップメカニズム又はプリエンプションメカニズムを通じて選択的な送信に進ませるものである。
しかし、そのような方法には、関係している車両デバイスのレイテンシー及び信頼性の問題が依然として存在し、V2Xアプリケーションの全体的な性能は劣化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、そのような問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、無線通信ネットワーク内で少なくとも1つのリソース要素を共有する第1のデバイスによって実施される方法であって、リソース要素は、リソースプール内において第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットに属し、第1のデバイスは、無線通信ネットワーク内でデバイスツーデバイス通信を使用し、第1のデバイスは、デバイスツーデバイス通信を通じて、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を送出する、方法を提案する。
【0008】
したがって、本発明は、デバイスのリソース配分を高度化する方法を提案し、無線通信ネットワークにおけるスペクトル不足、レイテンシー及び信頼性の問題に対処する。
本方法は、車両ユーザー機器に関する既存の無線リソース管理(RRM)方法の代替の方法を提案することによってビークルツーエブリシング(すなわちV2X)アプリケーションの信頼性を最適化することを特に可能にする。
【0009】
実際、本発明は、直接通信(又はデバイスツーデバイス通信、すなわちD2D(Device-to-Device))を使用するデバイスの間のリソース要素の共有を提案する。
そのような共有は、第1のデバイスによって開始及び表示され、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットの一部分である少なくとも1つのリソース要素を利用可能にする。
その結果、別のデバイスは、成功したリソース選択手順をトリガーした後、必ずしも配分された無線リソースをリソースプールから取得することなく、リソース要素をそれ自身の送信用に取得して利用することもできるし、完全な既存の無線リソース選択手順を全く実行しなくても、それ自身の送信用のリソース要素を取得することもできる。
【0010】
配分された無線リソースを取得する既存のリソース選択手順は、デバイスがリソースセンシング方法による分散型リソース選択手順を開始することができるものであり、この手順は、デバイスが、リソースプールにおいて利用可能な無線リソースを特定し、次に、その無線リソースをそれ自身の送信用に選択することを可能にするものである。
配分される無線リソースは、ネットワークスケジューリングからも得ることができ、ネットワークは、ネットワークに対してデバイスによって開始されるリソース要求手順後に無線リソースをデバイスに配分する。
【0011】
したがって、他のデバイスは、既存のリソース選択手順を実行しない場合もあれば、既存のリソース選択手順を通じてそれらの送信用に配分されたリソースを首尾よく取得することができない場合もあるが、そのようなときであっても、本方法は、配分されたリソースを取得する代替のプロセスをそのような他のデバイスに提供する。
【0012】
特に、本方法は、例えばリソースプールが輻輳しており、既存のリソース選択手順がそのようなデバイスへの無線リソースの配分に失敗したときに他のデバイスが遭遇するスペクトル不足に対処することを可能にする。
リソース選択手順がそのように不成功になることによって、そのようなデバイスは、それらのサービス要件及びレイテンシー要件を尊重することによるそれら自身の送信を行うことができなくなる場合もあるし、V2Xアプリケーションの全体的な信頼性を下げる既存の輻輳制御方法に進む場合もある。
【0013】
第1のデバイスに最初に配分されたリソース要素が共有に利用可能であることを示すことによって、本方法は、既存のリソース配分方式に柔軟性を導入し、ネットワークのデバイスが、配分されたリソースを取得する方法として、既存の手順と比較してより柔軟で状況に応じた方法を使用してそれら自身の送信を保証することを可能にする。
【0014】
本方法は、第1のデバイスが、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットの潜在的に使用されないリソース要素又は不必要なリソース要素の再配分を提案することも可能にし、したがって、無線通信ネットワークのデバイス間のリソース要素の配分を最適化し、リソース浪費を回避することを可能にする。
実際、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットは、リソースプールにおいて第1のデバイスによって実行されるリソース選択手順から得ることができる。
リソースプールのリソース構造は、無線リソースが、時間の1つのスロットと周波数の1つ又はいくつかのサブチャネルとによって構成される単一の時間周波数ブロックとして定義される構造とすることができる。
その結果、第1のデバイスは、例えば、第1のデバイスが送信しなければならないサービスデータパケットの量、そのリンクバジェット及び/又はそのサービス品質(QoS:Quality of Service)要件に応じて、第1のデバイスがそれ自身の送信に完全には利用しない場合がある第1のデバイスに配分された量の無線リソースを取得することができる。
【0015】
無線通信ネットワークとは、1つ又はいくつかの基地局によってカバーされる地表面上の地理的領域を指す。
各基地局は、セルと呼ばれる特定のエリアにサービスを提供する。
無線通信ネットワークは、スマートインフラストラクチャ、静止デバイス又はモバイルデバイス等のいくつかのタイプのユニット又はユーザーも含む。
無線通信ネットワークの検討対象のユニット(又はユーザー)は、接続性を提供するために埋め込まれた電子機器、ソフトウェア、センサー等を有する。
これによって、そのようなユニットは、無線通信ネットワークのインフラストラクチャにわたってデータ及び制御を収集及び交換することが可能になる。
【0016】
第1のデバイスは、地上の車両ユーザー機器に対応する無線通信ネットワーク内の特定のタイプのユニットを指す。
車両ユーザー機器、デバイス、車両、車両デバイスという用語は、本発明において区別なく使用される。
そのような第1のデバイスは、モバイルデバイス(移動している車両の場合)であってもよいし、静止デバイス(例えば停止している車両の場合)であってもよい。
第1のデバイスは、新無線(NR:New Radio)ビークルツーエブリシング(V2X)技術を備えると考えられる。
【0017】
第1のデバイスは、第1のデバイスが空間又は偏波等の1つ又はいくつかの特定の送信次元において信号を送信及び受信することを可能にする特定のアンテナ及び/又はアンテナアレイパネル等の特定のハードウェアも備えることができる。
第1のデバイスは、例えば垂直偏波面及び水平偏波面において偏波多重化を行うことができ、及び/又は空間における特定の方向にビームフォーミングを行うことができる。
【0018】
無線リソースの第1のセットとは、無線通信ネットワークを介した第1のデバイスの送信をサポートする時間及び周波数に関連したブロックのセットを指す。
そのような送信は、第1のデバイスがデータシグナリング及び制御シグナリングをネットワークの別のユニット、例えば第1のデバイスの送信を受信する別のデバイスに送信することを可能にする。
無線リソースの第1のセットは、時間による区切りサイズの1つのスロットと、周波数による固定数のサブチャネルとを有することができる。
無線リソースの第1のセットは、特定の期間において特定の地理的ゾーン内で行われる送信に利用することができる。
【0019】
第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットとは、特定の期間内の第1のデバイスの送信をサポートするために第1のデバイスによって最初に取得される無線リソースの第1のセットであると解釈される(最初とは、第1のデバイスが、リソース要素が共有に利用可能であることを示すことによってこの無線リソースの第1のセットの一部分の再配分を決定する前であると解釈される)。
第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットは、例えば、第1のデバイスによって開始されるか又はネットワークによって管理されるリソース選択手順から得ることができる。
例えば、配分された無線リソースの第1のセットは、第1のデバイスによって開始される分散型リソース選択手順から得ることができ、すなわち、第1のデバイスは、リソースプール内で利用可能な無線リソースを検知し、その送信をサポートするその無線リソースの第1のセットを選択する。
配分された無線リソースの第1のセットは、ネットワークスケジューリング型手順から得ることもでき、この手順では、例えば、第1のデバイスによってネットワークに対して開始されたリソース要求手順の後に、ネットワークが、集中型リソースプールから無線リソースの第1のセットを選択し、無線リソースの第1のセットを第1のデバイスに割り当てる。
【0020】
本明細書において、「デバイスに配分された」、「デバイス用に確保された」及び「デバイス用に選択された」無線リソース又は無線リソースのセットは、区別なく使用される場合があり、一般的には、(分散型リソース配分方式ではデバイスによって又は集中型リソース配分方式ではネットワークによって)リソースプールにおいて実行されたリソース選択手順の後にデバイスによって取得された無線リソースであると解釈することができる。
【0021】
リソースプールとは、様々な物理チャネル及び物理信号がマッピングされる物理リソースグリッドを指す。
そのようなリソースプールは、無線リソースのいくつかのセットを含む時間及び周波数に関連したブロックの大規模セットと定義することができる。
リソースプールは、リソースプールの物理チャネルが時間領域及び周波数領域の双方において多重化される新無線(NR)の状況において考慮することができる。
リソースプールは、無線通信ネットワークにおける送信に使用される無線リソースを含む。
そのような送信は、特定のタイプの送信、例えば、サイドリンク通信の場合におけるデバイス間の送信に関係し得る。
そのようなリソースプールは、ネットワークによって管理される集中型リソースプールとすることができ、この場合に、無線リソースは、種々のデバイスに(例えばそれらのサイドリンク送信用に)配分されるようにネットワークによってスケジューリング及び選択される。
リソースプールは、ネットワークがリソース選択に干渉することなく、既定の地理的領域(例えばカバレッジ外の領域)内のデバイスが、それら自身の送信をサポートするために、それらのそれぞれの配分された無線リソースのセットを選択することができるように、ネットワークによって事前構成されたリソースプールとすることもできる。
【0022】
リソース要素とは、時間領域における厳密に1つのOFDM(直交周波数分割多重化(Orthogonal frequency-division multiplexing))シンボルと、周波数領域における1つのリソースブロック(すなわちRB(resource block))とによって構成される時間及び周波数に関連した単位ブロックを指す。
リソース要素のサイズは、無線リソースのサイズよりも小さく、実際のところ、無線リソースは、いくつかのリソース要素によって構成される。
例えば、時間領域における無線リソースを構成する1つのスロットは、14個のOFDMシンボルによって構成される。
いくつかのリソース要素は、このように、時間領域におけるいくつかのOFDMシンボルと、周波数領域におけるいくつかのリソースブロックとによって構成される。
【0023】
第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットからの少なくとも1つのリソース要素を共有することは、したがって、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットを構成する区切られた複数のリソース要素を第1のデバイスが再配分することができると解釈され、そのようなリソース要素再配分は、第1のデバイスによって提案される。
【0024】
デバイスツーデバイス通信(直接通信又はサイドリンク通信又はD2Dとも呼ばれる)とは、いくつかのデバイスが、ネットワークの基地局を通る信号中継を必要とすることなく、特定のインターフェース(新無線においてPC5インターフェースと呼ばれる)を介したデータ信号及び制御信号の交換を通じて互いに通信することを可能にする直接通信モードを指す。
デバイスツーデバイス通信を使用する第1のデバイスは、データ信号及び制御信号を、直接通信を使用して他のデバイスに送信する第1のデバイスを指す。
そのような直接通信によって、デバイスは、リモートエリア及びカバレッジ外のエリアにおいても通信することが可能になる。
【0025】
リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示は、リソースプールにおいて第1のデバイスに配分されたリソース要素が第1のデバイスによって利用可能にされ、そのようなリソース要素を、別のデバイスの送信をサポートするためにそのような別のデバイスに再配分することができることに関するメッセージであると解釈される。
第1のデバイスが、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を、デバイスツーデバイス通信を通じて送出することは、第1のデバイスがネットワークの少なくとも1つの他のデバイスに再配分されるリソース要素を提案することについてのメッセージを、第1のデバイスがそのような他のデバイスに直接通信することであると解釈される。
この表示は、例えば制御情報に関する実際のリソース要素配分に対応することができる。
この表示は、デバイスツーデバイス通信を使用し、直接通信を介して制御シグナリングを受信することができる他のデバイスに第1のデバイスによって専用で又は非専用で送出される制御シグナリングを指すこともできる。
リソース要素が共有に利用可能であることを示すそのような表示は、第1のデバイスが開始することができ、第1のデバイスがその無線リソースの第1のセットの一部分を再配分するとの決定の結果得られる。
そのような無線リソースの第1のセットとは、第1のデバイスの送信を特にサポートするために最初に取得されたものである。
【0026】
本発明の一態様によれば、第1のデバイスは、デバイスツーデバイス通信を通じて共有シグナリングメッセージを送出し、この共有シグナリングメッセージは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す上記表示を少なくとも含む。
【0027】
したがって、第1のデバイスは、リソース要素が利用可能であることを、いくつかの他のデバイスによって潜在的に受信される特定の明示的な制御シグナリングメッセージを介してシグナリングする。
そのようなメッセージは、特定の他のデバイスに再配分を実際に課すことなく、リソース要素の再配分を提案する。
したがって、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示は、一般的なブロードキャスト/グループキャストシグナリングによってデバイスに通信することができ、他の任意の潜在的なデバイスのデータ送信は、そのような他のデバイスが共有に利用可能なリソース要素の利用を決定した場合には、共有に利用可能なリソース要素に再スケジューリングすることができる。
【0028】
共有シグナリングメッセージは、リソース要素が共有に利用可能であることを示すために第1のデバイスによって送出される制御シグナリングであると解釈される。
そのような共有シグナリングメッセージは、例えば、D2Dを通じてブロードキャスト又はグループキャストされる信号とすることができる。
【0029】
本発明の一態様によれば、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示は、1次基準に基づいて送出され、この1次基準は、
リソース要素の共有を可能又は不可能にする事前構成メッセージと、
リソース要素が利用可能であることに関する値と、
リソースプール内の輻輳レベルに関する値と、
無線通信ネットワークのチャネル状態に関する値と、
第1のデバイスのハードウェア能力と、
のうちの1つ又はそれらの組み合わせに関連している。
【0030】
したがって、第1のデバイスによるリソース要素の共有は、第1のデバイスが他のデバイスへのリソース要素を共有する実際の能力、又は、リソース要素の利用に好適なネットワーク内のチャネル状態の存在を条件とすることができる。
リソース要素の共有は、例えば、ネットワーク内のスペクトル不足及び/又は輻輳状況を削減するために、第1のデバイスから別のデバイスへのリソース要素再配分が実際に有用であり、ネットワークの全体的な機能のためになることを条件とすることもできる。
【0031】
その結果、第1のデバイスは、そのような共有がネットワークの別のデバイスの送信をサポートするために必要でなく、有用でなく及び/又は実際に使用可能でない可能性があると判断した場合に、第1のデバイスは、リソース要素が共有に利用可能であることを示すためにエネルギーを消費せず、潜在的にリソースを消費しないものとすることができる。
【0032】
1次基準に基づいてとは、1次基準の内容が満たされていない場合には、第1のデバイスが、リソース要素が共有に利用可能であることを示すことができないことと解釈される。
その結果、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を送出する前に、第1のデバイスは、1次基準が満たされていることを確認することができる。
【0033】
リソース要素の共有を可能又は不可能にする事前構成メッセージとは、ネットワーク若しくは別のデバイスから受信されるメッセージ、又は、例えば地理的基準に基づいてネットワークによって配備されるリソースプールによって課されるメッセージであって、そのようなメッセージが、共有されるリソース要素の使用を既定の基準に従って可能又は不可能にする、メッセージであると解釈される。
【0034】
リソース要素が利用可能であることに関する値とは、例えば、測定、推定又は計算に基づいて第1のデバイスによって求められた値であって、そのような値が、第1のデバイスが共有に利用可能なリソース要素を有するか否かを反映している、値であると解釈される。
リソース要素が利用可能であることに関するそのような値は、例えば、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットのサイズ及び第1のデバイスによって所定の時間内にその送信に実際に使用される無線リソースの量(例えば、第1のデバイスのチャネル使用率すなわちCR(Channel Usage Ratio))に基づいて求めることができる。
第1のデバイスによって実際に使用される無線リソースのそのような量が、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットのサイズよりも小さい場合には、そのサイズ差(1つ又はいくつかのリソース要素に対応する)は、リソース要素が利用可能であることに関する値に対応することができる。
その場合に、そのようなサイズ差がヌルでないことは、1次基準(又は1次基準の一部)とすることができる。
【0035】
リソースプール内の輻輳レベルに関する値とは、ネットワーク若しくは別のデバイスから受信される値、又は、例えば測定、推定若しくは計算に基づいて第1のデバイスによって求められる値であって、そのような値が、リソースプール内の輻輳のレベル、例えば、リソースプールのいくつかの近時のサブフレーム(1つのサブフレームは、1ミリ秒の固定持続時間をもたらすリソースプール内のいくつかのスロットに対応する)におけるチャネルビジー率(すなわちCBR(Channel Busy Ratio))を反映している、値であると解釈される。
【0036】
無線通信ネットワークのチャネル状態に関する値とは、例えば、デバイスの2つの異なる偏波送信アンテナの間の直交性のレベルを反映する交差偏波比(すなわちXPR(Cross Polarization Ratio))等の、ネットワーク内の送信伝播の状態を反映する任意の値であると解釈される。
【0037】
第1のデバイスのハードウェア能力とは、第1のデバイスがネットワークにおいて特定の送信を行うことを可能にするハードウェアの機能性であると解釈され、例えば、特に偏波アンテナが、第1のデバイスが偏波多重化を行うことを可能にするか、又は、アンテナアレイパネルが、第1のデバイスがビームフォーミングを行うことを可能にするハードウェアの機能性であると解釈される。
【0038】
本発明の一態様によれば、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示は、
共有に利用可能なリソース要素の位置を示す少なくとも1つのビットと、
共有に利用可能なリソース要素のサイズを示す少なくとも1つのビットと、
リソース要素が共有に利用可能である時間間隔を示す少なくとも1つのビットと、
共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーンを示す少なくとも1つのビットと、
のうちの1つ又はそれらの組み合わせを含む。
【0039】
したがって、第1のデバイスは、共有に利用可能なリソース要素を正確に特定するために、全ての必要な情報をこの表示に提供する。
その結果、そのような表示を受信する別のデバイスは、第1のデバイスによって表示に提供された情報のみに基づいて、例えば特定のスロット及び特定のサブチャネル内で、そのような別のデバイスの送信に専用化された無線リソースの正確な部分を特定可能とすることができる。
【0040】
第1のデバイスによって送出される表示に含まれる情報は、そのような表示を受信する他のデバイスが、共有に利用可能なリソース要素を利用する必要があるか否か及び/又は利用することができる否かを判断することを可能にするものとすることもできる。
したがって、そのような表示は、資格のない他のデバイス(すなわち、例えば、リソース要素を利用するハードウェア能力を有しない他のデバイス)が不成功に終わる送信を試みることを防止する。
【0041】
共有に利用可能なリソース要素の位置を示す少なくとも1つのビットとは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す、第1のデバイスによって送出される表示の内容を構成するいくつかの2進数字(すなわちビット)であって、そのようなビットが、共有に利用可能なリソース要素を、例えば、配分された無線リソースの第1のセットのスロット内及び特定の数のサブチャネル内に区切り、そのような区切りが、共有に利用可能なリソース要素の一意の位置を定義する、2進数字であると解釈される。
【0042】
共有に利用可能なリソース要素のサイズを示す少なくとも1つのビットとは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す、第1のデバイスによって送出される表示の内容を構成するいくつかの2進数字(すなわちビット)であって、そのようなビットが、共有に利用可能なリソース要素の数を直接示す、2進数字であると解釈される。
そのようなビットは、共有に利用可能なリソース要素の位置を示すビットと共通にすることもできる。
すなわち、共有に利用可能なリソース要素の正確な区切りに基づいて、リソース要素のサイズを推論することができる。
【0043】
リソース要素が共有に利用可能である時間間隔を示す少なくとも1つのビットとは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す、第1のデバイスによって送出される表示の内容を構成するいくつかの2進数字(すなわちビット)であって、そのようなビットが、リソース要素が利用可能である持続時間を示す、2進数字であると解釈される。
そのような時間間隔は、例えば、第1のデバイスの送信のタイミング又は配分された無線リソースの第1のセットを構成するスロットに関係し得る。
【0044】
共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーンを示す少なくとも1つのビットとは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す、第1のデバイスによって送出される表示の内容を構成するいくつかの2進数字(すなわちビット)であって、そのようなビットが、リソース要素を送信に使用することができる場所を示す(又は直接推論することを可能にする)、2進数字であると解釈される。
そのような地理的ゾーンは、例えば、第1のデバイスのリソースプール、又は、第1のデバイス及び配分された無線リソースの第1のセットを使用する第1のデバイスの送信を受信するデバイスの位置に関係し得る。
【0045】
本発明の一態様によれば、リソース要素は、少なくとも1つの送信次元において共有に利用可能であり、上記送信次元は、
空間送信次元と、
偏波送信次元と、
時間周波数送信次元と、
を含む要素のセットの中の少なくとも1つの要素を含む。
【0046】
したがって、第1のデバイスは、可能性のある他のデバイスに、多重化において共有に利用可能にされたリソース要素を使用してそれ自身の送信を行うよう提案することができる。
多重化とは、1つの通信チャネルを使用する一連の独立した重なり合わない送信への送信分割を指す。
【0047】
その結果、第1のデバイスは、様々な領域(すなわち送信次元)において多重化を使用して送信の可能性の数を増加させることができる。
リソース多重化を使用することによって、いくつかの送信は、単一の通信媒体(例えば、単一の多重化された物理チャネル等)を使用して個別の方法で行うことができる。
ネットワークにおけるスペクトル不足は、リソース多重化によって、同じリソース要素を各送信次元内でいくつかの別個の送信に使用することができるようにして対処することができる。
実際、リソースプールは、デバイスの送信用に当該デバイスに配分されるスロット及びサブチャネルとして、限られた数のスロット及びサブチャネルしか含んでいないので、例えば空間送信次元(又は偏波送信次元)におけるそのようなリソースプールの多重化は、同じ時間及び周波数に関連したリソースの複数の「コピー」を有することを可能にし、リソースプールRPの各「コピー」は、いくつかの別個の送信に同時に使用可能である。
【0048】
リソース要素が時間及び周波数の送信次元において共有に利用可能であるとは、リソース要素が、時間における特定の数のOFDMシンボル及び周波数における特定の数のリソースブロックとして共有に利用可能であり、デバイスの送信が時間及び周波数に関連した無線リソースに依拠することができ、各送信が、時間における特定のスロット内において周波数における特定のサブチャネルにわたってスケジューリングされることと解釈される。
新無線の場合には、リソースプールは、時間及び周波数において多重化され、その結果、リソース要素は、時間及び周波数の送信次元において共有に利用可能である。
【0049】
リソース要素が偏波送信次元において共有に利用可能であるとは、第1のデバイスが、別個の幾何学的送信面をもたらす別個の幾何学的振動方位においてその送信をサポートする無線リソース(すなわち、固定スロット及び固定サブチャネル)を多重化することができることと解釈される。
例えば、デュアル偏波多重化の場合には、第1のデバイスは、垂直偏波面及び水平偏波面において同じ配分された無線リソースの第1のセットを使用して送信を行うことができ、2つの偏波面のうちの一方は、例えば第1のデバイスによってそれ自身の送信に使用されない。
この使用されない偏波面は、その場合に、偏波送信次元において使用されない偏波面における第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を指す。
【0050】
リソース要素が空間送信次元において共有に利用可能であるとは、第1のデバイスがビームフォーミングを行うことができ、別個の空間方向においてその送信をサポートする無線リソース(すなわち、固定スロット及び固定サブチャネル)を多重化することができることと解釈される。
少なくとも1つの方向は、第1のデバイスによってそれ自身の送信に使用されない。
そのような使用されない空間方向におけるリソース要素は、その場合に、空間送信次元の使用されない空間方向における第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を指す。
【0051】
本発明の一態様によれば、第1のデバイスは、リソースプール内の輻輳レベルの表示を取得し、第1のデバイスは、少なくとも1つの既定の輻輳レベル閾値を第1のメモリユニットに更に記憶し、1次基準は、輻輳レベルが輻輳レベル閾値を超えている場合に満たされる。
【0052】
したがって、第1のデバイスが、ネットワークにスペクトル不足状況が存在し、リソースプールが、無線リソースをそのようなリソースプールに要請する全てのデバイスに配分される利用可能な無線リソースを潜在的に欠くおそれがあると判断した場合には、第1のデバイスは、そのリソース要素の共有を提案することができる。
その結果、リソース要素が輻輳したネットワーク状況において共有に利用可能であることを示すことによって、第1のデバイスは、別のデバイスが、例えばリソースプール内の利用可能な無線リソースの欠如(ひいては、例えばリソース選択手順の不成功)に起因して当該別のデバイスに配分される無線リソースのセットの取得に失敗するにもかかわらず、それ自身の送信を行うリソース要素を取得することを可能にすることができる。
【0053】
リソースプール内の輻輳レベルの表示を取得するとは、第1のデバイスがリソースプール内の輻輳レベルに関する値を、ネットワーク又は別のデバイスからそのような値を受信することによって取得することができることと解釈される。
そのような値は、第1のデバイスが、例えば測定、推定又は計算に基づいて求めることもできる。
輻輳レベルの表示は、例えばチャネルビジー率(すなわちCBR)及び/又はリソースプールの各サブフレームの受信信号エネルギーのレベルに対応することができる。
輻輳レベルのそのような表示によって、第1のデバイスは、リソースプール内の輻輳レベルを反映する値を実際に取得することが可能になる(そのような値は、輻輳レベル自体の表示に対応することもできる)。
【0054】
輻輳レベル閾値とは、リソースプール内の輻輳レベルが、その値を超えると輻輳状況を反映しているとみなされる輻輳レベルの最大値であると解釈される。
そのような輻輳レベル閾値は、ネットワークが第1のデバイスについて事前に定義することができる。
第1のデバイスは、いくつかの輻輳レベル閾値を記憶することもでき、これらの閾値によって、第1のデバイスは、リソースプール内の輻輳状況をより正確に判断するために、リソースプール内のいくつかの輻輳レベルを判断することが可能になる。
輻輳レベルの表示から得られる輻輳レベルと比較される輻輳レベル閾値は、第1のデバイスによって記憶された輻輳レベル閾値のうちの1つである。
【0055】
本発明の一態様によれば、第1のデバイスは、
第1のデバイスの第1のリソース占有量の物理的測定値を取得し、
第1のデバイスから少なくとも1つの第1の受信デバイスへの第1のデータパケットの少なくとも1つの送信用の第1のデバイスの第1のリソース使用量に関する値を求め、
1次基準は、
輻輳レベルが輻輳レベル閾値を超えており、
第1のデバイスの第1のリソース占有量の物理的測定値が、第1のデバイスの第1のリソース使用量に関する値を超えている、
場合に満たされる。
【0056】
したがって、第1のデバイスが、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセット内に使用されないリソース要素があるとともに、ネットワークにスペクトル不足状況が存在し、したがって、第1のデバイスから別のデバイスへのリソース要素の再配分が必要であると判断した場合に、第1のデバイスは、そのリソース要素の共有を提案することができる。
これによって、第1のデバイスは、使用されないリソース要素を浪費しないことが可能になり、そのようなリソース要素は、別のデバイスによってそれ自身の送信に潜在的に必要とされる。
リソース要素の共有は、このように、ネットワークにおける輻輳状況に加えて第1のデバイス自身のリソース使用量に対しても状況に応じた適応的な方法で第1のデバイスによって行われる。
【0057】
第1のデバイスの第1のリソース占有量とは、第1のデバイスに配分された無線リソースの第1のセットのサイズ、すなわち、第1のデバイスがその送信を行うために自由に使用することができる無線リソースの量であると解釈される。
【0058】
第1のリソース使用量とは、所定の時間内に第1のデバイスによってその送信に実際に使用される無線リソースの量(例えば、第1のデバイスのチャネル使用率すなわちCR)であると解釈される。
第1のデバイスの第1のリソース使用量は、例えば、第1のデバイスのサービス品質要件及びリソースプール内の輻輳レベルを考慮に入れることができ、その結果、第1のデバイスがその送信を行うために使用し得るリソース要素の量が得られる。
【0059】
第1のデバイスの第1のリソース占有量と第1のリソース使用量との間の差は、第1のデバイスによって共有されるリソース要素が利用可能であることに関する値を反映することができる。
【0060】
本発明の一態様によれば、第1のデバイスは、配分された無線リソースの第1のセットを使用して、第1のデータパケットを少なくとも1つの第1の受信デバイスに送信し、第1のデバイスは、少なくとも2つの第1の偏波アンテナと、第1の偏波アンテナごとの第1の無線周波数チェーンとを備え、第1のデバイスは、第1のデバイス側及び第1の受信デバイス側における交差偏波比の測定値を取得し、第1のデバイスは、第1の交差偏波比閾値を第1のメモリユニットに更に記憶し、
輻輳レベルが輻輳レベル閾値を超えており、
第1のデバイス側及び第1の受信デバイス側における交差偏波比の測定値が第1の交差偏波比閾値を超えている、
場合には、1次基準は満たされ、第1のデバイスは、偏波送信次元においてリソース要素を共有する。
【0061】
その結果、第1のデバイスが、
リソースプール内の輻輳状況が、可能性のある他のデバイスがそれら自身の送信にそのようなリソース要素を使用するためにリソース要素の共有を必要とし、
第1のデバイスのハードウェア能力及びチャネル状態が、第1のデバイスが偏波送信次元において送信を行うのに好適である、
と判断した場合には、第1のデバイスは、リソース要素が特定の偏波面(すなわち領域)において共有に利用可能であることを示すことができる。
【0062】
少なくとも2つの第1の偏波アンテナ及び第1の偏波アンテナごとの第1の無線周波数チェーンとは、第1のデバイスハードウェアに含まれる2つの異なる無線アンテナであり、2つの第1の偏波アンテナ及びそれらのそれぞれの無線周波数チェーン(すなわちRF(radiofrequency)チェーン)が、互いに異なる特定の偏波(又は偏波面)において最大電磁波信号を受信するように設計されていると解釈される。
例えば、2つの第1の偏波アンテナのうちの一方は、垂直偏波信号を受信することができるのに対して、他方の第1の偏波アンテナは、水平偏波信号を受信することができる。
第1のデバイスは、2つ以上の第1の偏波アンテナも有することができ、各第1の偏波アンテナは、特定且つ一意の偏波と、関連付けられた無線周波数チェーンとを有する。
第1のデバイスは、したがって、異なる第1の偏波アンテナを使用して異なる偏波面において信号を送信することができる。
【0063】
第1のデバイス側及び第1の受信デバイス側における交差偏波比の測定値とは、検討対象の偏波面(第1のデバイスと第1の受信デバイスとの間の送信に実際に使用される偏波)において第1のデバイスから受信デバイスに送出される無線電力と、直交偏波面(すなわち、交差偏波面)において干渉する無線電力との間の比であると解釈される。
そのような交差偏波比の測定値は、例えば、第1のデバイスの偏波アンテナと第1の受信デバイスの偏波アンテナとの間の整列のレベルと、そのようなアンテナの間の高低差とに依存し得る。
第1の交差偏波比閾値は、第1のデバイスが、ネットワーク内のチャネル状態が所与の偏波面における送信に好適であると考えるために交差偏波比の最小値を指す。
【0064】
本発明の一態様によれば、第1のデバイスは、少なくとも2つの空間的に分離されたアンテナを備える少なくとも1つの第1のアンテナパネルを備え、
輻輳レベルが輻輳レベル閾値を超えている場合には、1次基準は満たされ、第1のデバイスは、空間送信次元においてリソース要素を共有する。
【0065】
その結果、第1のデバイスが、
リソースプール内の輻輳状況が、可能性のある他のデバイスがそれら自身の送信にリソース要素を使用するためにそのようなリソース要素の共有を必要とし、
第1のデバイスのハードウェア能力が、第1のデバイスがビームフォーミングを行うことを可能にする、
と判断した場合に、第1のデバイスは、リソース要素が空間送信次元において共有に利用可能であることを示すことができる。
【0066】
少なくとも2つの空間的に分離されたアンテナを備える少なくとも1つの第1のアンテナパネルとは、第1のデバイスが、異なる空間方向のそれぞれに送信を行い、したがってビームフォーミングを行うためにそのような異なる空間方向を分離することを可能にする第1のデバイスのハードウェア機器の一部分であると解釈される。
【0067】
第1のデバイスは、送信ビームフォーミングが方向制約を顕著に示し、その結果、ビームフォーミングを使用する送信がブロードキャスト及びグループキャストにほとんど適用することができないことを考慮に入れることもできる。
その結果、第1のデバイスの空間次元における送信がユニキャスト送信である場合に、1次基準を満たすことができ、第1のデバイスは、空間送信次元においてリソース要素を共有することができる。
【0068】
本発明の別の態様は、本発明の第1の態様を通して記載の方法を実行する第1の処理回路を備える、第1のデバイスに関する。
【0069】
本発明の別の態様は、本発明の第1の態様に記載の方法を実行する第1のコンピューター可読媒体に記憶されたプログラム命令コードの第1のセットを含む、コンピュータープログラム製品に関する。
【0070】
本発明の第2の態様は、無線通信ネットワーク内で少なくとも1つのリソース要素を利用する第2のデバイスによって実施される方法であって、このリソース要素は、リソースプール内において第1のデバイス用に確保された無線リソースの第1のセットに属し、第1のデバイス及び第2のデバイスは、無線通信ネットワーク内でデバイスツーデバイス通信を使用し、本方法は、
リソース要素が第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す表示を、デバイスツーデバイス通信を通じて受信することと、
無線通信ネットワーク内における送信に、第1のデバイスによって共有されるリソース要素を利用することと、
を含む、方法に関する。
【0071】
したがって、第2のデバイスは、第2のデバイスに配分される無線リソースのセットを、例えばリソース選択手順を実行することによって必ずしも取得することなく、第2のデバイスの送信をサポートするリソース要素を取得することができる。
既存のリソース選択手順は、第2のデバイスがリソースセンシング方法によってリソースプールにおいて分散型リソース選択手順を実行するものとすることができ、これによって、第2のデバイスは、リソースプールにおいて利用可能な無線リソースを特定し、続いて、その無線リソースをそれ自身の送信用に選択することが可能になる。
リソース選択手順は、ネットワークスケジューリングに基づくこともでき、ネットワークは、ネットワークに対して第2のデバイスによって開始されたリソース要求手順の後に、配分された無線リソースのセットを第2のデバイスに与える。
したがって、デバイスツーデバイス通信を通じて第1のデバイスによって利用可能にされたリソース要素を利用することによって、第2のデバイスは、リソース選択手順又はリソース要求手順を省くことができ、本方法によって、第2のデバイスに配分された無線リソースを取得するために第2のデバイス(及びネットワークスケジューリング型選択手順の場合にはネットワーク)によって使用されるシグナリング及びエネルギーを削減することが可能になる。
【0072】
本方法は、第2のデバイスが、第2のデバイスに配分される無線リソースのセットを取得しないとき、例えば、第2のデバイスによって開始されたリソース選択手順が、第2のデバイス用にリソースプールにおいて無線リソースを確保することに失敗した場合に、第2のデバイスが、それ自身の送信を行うためにリソース要素を取得することも可能にする。
これは、リソースプールが輻輳しており、第2のデバイスに配分される利用可能な無線リソースが十分にない状況の場合に該当し得る。
リソースプール内の無線リソースを必要とし、第2のデバイスと比較してより厳しいサービス品質(QoS)要件又はより高い送信優先度を有する他のデバイスが存在する場合もあり、これによって、リソースプールの利用可能な無線リソースは、そのような他のデバイスに優先して配分される。
したがって、第2のデバイスがそれ自身の送信を行う無線リソースが欠如する場合があり、第2のデバイスは、リソースプールにおいて別のリソース選択手順を実行するのを待機しなければならない場合があり、これによって、その信頼性は低下し、そのレイテンシーは増加する。
その結果、本方法は、無線通信ネットワークの信頼性問題及び性能問題に対処することを可能にする。
【0073】
本発明は、既存のリソース配分方式に代わる方式としてデバイスの間のリソース要素の直接再配分も可能にする。
第1のデバイスによって使用されない場合があるリソース要素は、再配分することができ、第2のデバイスが利用することができる。
これによって、リソースの浪費が回避され、既存のRRM方式と比較して状況に応じた適応的な無線リソース管理(RRM)が可能になる。
【0074】
第2のデバイスとは、無線通信ネットワークの車両ユーザー機器であると解釈される。
第2のデバイスは、モバイルデバイス(移動している車両の場合)又は静止デバイス(例えば停止している車両の場合)のいずれであってもよい。
第2のデバイスは、新無線(NR)ビークルツーエブリシング(V2X)技術を備えるとみなされる。
第2のデバイスは、第1のデバイスと異なるデバイスであり、第1のデバイスからの無線リソースの第1のセットによってサポートされる送信を受信するデバイスと異なってもよい。
第2のデバイスは、リソースプール(そのようなリソースプールは、第1のデバイスがその配分された無線リソースの第1のセットを取得するリソースプールと共通である場合もあるし共通でない場合もある)から第2のデバイスに配分された無線リソースのセットを取得するために、リソース選択手順を実行済みである場合もあるし実行済みでない場合もある。
【0075】
第2のデバイスは、第2のデバイスが空間又は偏波等の1つ又はいくつかの特定の送信次元において信号を送信及び受信することを可能にする特定のアンテナ及び/又はアンテナアレイパネル等の特定のハードウェアも備えることができる。
第2のデバイスは、例えば垂直偏波面及び水平偏波面において偏波多重化を行うことができ、及び/又は空間における特定の方向にビームフォーミングを行うことができる。
【0076】
リソース要素が第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す表示を、デバイスツーデバイス通信を通じて受信することとは、第2のデバイスが、例えば、ブロードキャスト、グループキャスト又はユニキャストされたメッセージとして送出された第1のデバイスからのメッセージを受信することができ、そのようなメッセージが、リソース要素が共有に利用可能であることを示し、リソース要素についての特定の情報を含むことと解釈される。
リソース要素に関するそのような表示及び情報は、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を形成する一連の2進数字として符号化することができ、これらの2進数字は、第2のデバイスが例えば復号化モジュールを使用することによって復号化可能なものとすることができる。
【0077】
リソース要素が第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す表示の復号化は、第2のデバイスが、表示の次のビットを復号化する前に表示内の各ビット又はビットのセットを復号化及び処理することができるように、漸進的なものとすることができる。
これによって、例えば、第2のデバイスによって復号化される最初のビットが、第2のデバイスが例えば共有に利用可能にされたリソース要素を利用することができないか又は利用する必要がないと判断することを既に可能にしている場合には、第2のデバイスは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示全体を処理しないことによってエネルギー及び時間を得ることが可能になる。
そのような場合には、第2のデバイスは、受信された表示の復号化を継続する必要がないものとすることができ、受信された表示の残りの部分を無視することができる。
第2のデバイスは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を受信すると、例えば、リソースプールにおいて第2のデバイスによって行われるリソースセンシングフェーズが、(リソース要素が第1のデバイスに配分されているので)リソース要素が利用不能であることを反映するにもかかわらず、リソースプール内のリソース要素を正確に特定することもできるものであってもよく、そのようなリソース要素が利用可能であることを考慮に入れる。
【0078】
第1のデバイスによって共有されるリソース要素を無線通信ネットワーク内の送信に利用することとは、第2のデバイスが、それ自身の第2のデータパケットを受信する別のデバイス(そのような別のデバイスは第2の受信デバイスと呼ばれる)に送信されるそのような第2のデータパケットを、第1のデバイスによる共有に利用可能であり、本開示の第1の態様に従って第1のデバイスによって示されるリソース要素を使用して送信することと解釈される。
【0079】
本発明の一態様によれば、リソース要素が第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す表示は、デバイスツーデバイス通信を通じて、共有シグナリングメッセージ内において受信される。
【0080】
本発明の一態様によれば、リソース要素を利用することは、2次基準に基づいており、この2次基準は、
リソース要素の利用を可能又は不可能にする事前構成メッセージと、
リソースプール内の輻輳レベルに関するデータと、
無線通信ネットワークのチャネル状態に関するデータと、
リソース要素が共有に利用可能である時間間隔に関するデータであって、第1のデバイスから受信されるデータと、
共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーンに関するデータであって、第1のデバイスから受信されるデータと、
共有に利用可能なリソース要素のサイズに関するデータであって、第1のデバイスから受信されるデータと、
共有に利用可能なリソース要素の少なくとも1つの送信次元に関するデータであって、第1のデバイスから受信されるデータと、
第2のデバイスのハードウェア能力と、
のうちの1つ又はそれらの組み合わせに関係する。
【0081】
その結果、第2のデバイスは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を受信すると、第2のデバイスがそのようなリソース要素を必要とし及び/又は利用することができるか否かを判断するために、特定のプロセスをトリガーすることができる。
2次基準が満たされていない場合には、第2のデバイスは、共有に利用可能なリソース要素を利用しないことを決定し、第2のデバイスは、第1のデバイスによって送出された表示を無視することができる。
【0082】
共有に利用可能なリソース要素についての第1のデバイスから受信されるデータとは別に、第2のデバイスの2次基準は、
第2のデバイスがその送信を行う必要がある持続時間に関するデータと、
第2のデバイスがいる地理的エリアに関するデータと、
第2のデバイスの第2のリソース使用量に関するデータであって、そのような第2のリソース使用量は、第2のデバイスが第2の受信デバイスにその送信を行うのに必要とされるリソース要素の量を指す、データと、
においても関係し得る。
【0083】
本発明の一態様によれば、リソース要素が第1のデバイスによる共有に利用可能であることを示す表示は、共有に利用可能なリソース要素のサイズに関するデータを少なくとも含み、第2のデバイスは、
リソースプール内の輻輳レベルに関するデータと、
第2のデバイスから少なくとも1つの第2の受信デバイスへの第2のデータパケットの少なくとも1つの送信用の第2のデバイスの第2のリソース使用量の測定値と、
を取得し、
第2のデバイスは、少なくとも1つの既定の輻輳レベル閾値を第2のメモリユニットに更に記憶し、
第2のデバイスは、第2のデバイスの第2のリソース使用量の測定値を共有に利用可能なリソース要素のサイズと比較し、2次基準は、
輻輳レベルが輻輳レベル閾値を超えており、
第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素のサイズが、第2のデバイスの第2のリソース使用量の測定値を超えている、
場合に満たされる。
【0084】
その結果、リソースプールが第2のデバイスによって輻輳状況にあると判断された場合には、第2のデバイスは、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を利用する必要があり得ると判断する。
リソースプールが輻輳している場合には、例えば、リソースプールは、第2のデバイスに配分される十分な量の利用可能な無線リソースを有していないので、第2のデバイスは、それ自身の送信をサポートするために使用される配分された無線リソースのセットを取得することができない場合がある。
第2のデバイスは、第2のデバイスよりも厳しいサービス品質要件のより高い送信優先度を有する他のデバイスとリソースプールにおいて競合している場合もあり、その結果、第2のデバイスには、その送信用の無線リソースが配分されない場合もある。
したがって、第2のデバイスがそれ自身の送信を行うリソースが欠如し、その場合に、第2のデバイスは、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を必要とすると判断することができる。
【0085】
その上、第2のデバイスは、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素のサイズが第2のデバイスの送信をサポートするのに十分であると判断した場合に、リソース要素の利用を決定することができる。
【0086】
第2のリソース使用量とは、第2のデバイスが所与の時間内に第2の受信デバイスにそれ自身の送信を行うために必要とするリソース要素の量であると解釈される。
そのような第2のリソース使用量は、第2のデバイスが求めることができ、第2のデバイスのチャネル使用率(すなわちCR)に対応することができる。
第2のデバイスの第2のリソース使用量は、例えば、第2のデバイスのサービス品質要件及びリソースプール内の輻輳レベルを考慮に入れることができ、その結果、第2のデバイスがその送信を行うために使用し得るリソース要素の量が得られる。
【0087】
本発明の一態様によれば、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素は、少なくとも偏波送信次元において共有され、第2のデバイスは、第2のデータパケットを少なくとも1つの第2の受信デバイスに送信し、第2のデバイスは、少なくとも2つの第2の偏波アンテナと、第2の偏波アンテナごとの第2の無線周波数チェーンとを備え、第2のデバイスは、第2のデバイス側及び第2の受信デバイス側における交差偏波比の測定値を取得し、第2のデバイスは、第2の交差偏波比閾値を第2のメモリユニットに更に記憶し、
輻輳レベルが、輻輳レベル閾値を超えており、
第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素のサイズが、第2のデバイスの第2のリソース使用量の測定値を超えており、
第2のデバイス側及び第2の受信デバイス側における交差偏波比の測定値が、第2の交差偏波比閾値を超えている、
場合に、2次基準は満たされ、第2のデバイスは、偏波送信次元において第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を利用する。
【0088】
その結果、第2のデバイスが、
リソースプール内の輻輳状況が、第2のデバイスがそれ自身の送信をサポートするためにリソース要素を潜在的に必要とすることを要求するものであり、
第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素のサイズが、第2のデバイスの送信をサポートするのに十分であり、
第2のデバイスのハードウェア能力及びチャネル状態が、第2のデバイスが偏波送信次元において第1のデバイスによって提案された偏波面に従って送信を行うのに好適である、
と判断した場合には、第2のデバイスは、偏波送信次元において第1のデバイスによって共有に利用可能にされたリソース要素を利用することができる。
【0089】
本発明の一態様によれば、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素は、少なくとも空間送信次元において共有され、第2のデバイスは、少なくとも2つの空間的に分離されたアンテナを備える少なくとも1つの第2のアンテナパネルを備え、
輻輳レベルが輻輳レベル閾値を超えており、
第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素のサイズが、第2のデバイスの第2のリソース使用量の測定値を超えている、
場合に、2次基準は満たされ、第2のデバイスは、空間送信次元において第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を利用する。
【0090】
その結果、第2のデバイスが、
リソースプール内の輻輳状況が、可能性のある他のデバイスがそれら自身の送信にリソース要素を使用するために、そのようなリソース要素の共有を必要とし、
第2のデバイスのハードウェア能力が、第2のデバイスが表示において第1のデバイスによって提案された方向と同じ方向にビームフォーミングを行うことを可能にする、
と判断した場合に、第2のデバイスは、空間送信次元において第1のデバイスによって共有に利用可能にされたリソース要素を利用することができる。
【0091】
第1のデバイスは、送信ビームフォーミングが方向制約を顕著に示し、その結果、ビームフォーミングを使用する送信がブロードキャスト及びグループキャストにほとんど適用することができないことを考慮に入れることもできる。
その結果、第2のデバイスの空間次元における送信がユニキャスト送信である場合に、2次基準を満たすことができ、第2のデバイスは、空間送信次元において第1のデバイスによって共有されるリソース要素を利用することができる。
【0092】
本発明の一態様によれば、第2のデバイスは、2次基準が満たされている場合に、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を使用して、第2のデータパケットを少なくとも第2の受信デバイスに送信する。
【0093】
その結果、第2のデバイスが、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素を利用することを決定すると、第2のデバイスは、第1のデバイスによって共有されるリソース要素に対応する配分された無線リソースの第1のセットの専用部分において、そのデータパケットを第2の受信デバイスに送信する。
【0094】
第2のデバイスは、第2のデバイスが第1のデバイスによって利用可能にされたリソース要素を利用することを他のデバイスに通知するために、新無線における物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)等のネットワークの特定のフィードバックチャネルにおいて、そのデータ送信の前に第2のデバイスの制御情報を含む制御シグナリングを送出することもできる。
【0095】
本発明の別の態様は、本開示の第2の態様を通して記載の方法を実行する第2の処理回路を備える、第2のデバイスに関する。
【0096】
本発明の別の態様は、本開示の第2の態様に記載の方法を実行する第2のコンピューター可読媒体に記憶されたプログラム命令コードの第2のセットを含む、コンピュータープログラム製品に関する。
【0097】
他の特徴、詳細、及び利点を、限定を避けて、以下の詳細な説明において、及び図面上で示す。
【図面の簡単な説明】
【0098】
図1】本発明による方法の一実施形態を適用することができる一般的な無線通信ネットワークの一部分を示す図である。
図2】一般的な無線通信ネットワークにおける既存のリソース配分手順を示す図である。
図3】本発明の可能な実施形態による第1のデバイスのシグナリングを示す図である。
図4】本発明の可能な実施形態による第1のデバイスによって実施されるステップを示すフローチャートである。
図5】本発明の可能な実施形態による第2のデバイスによって実施されるステップを示すフローチャートである。
図6】本発明の可能な実施形態による第1のデバイスによって実施されるステップを示すフローチャートである。
図7】本発明の可能な実施形態による第2のデバイスによって実施されるステップを示すフローチャートである。
図8】本発明の可能な実施形態による偏波送信次元におけるリソース共有を示す図である。
図9】本発明の可能な実施形態による空間送信次元におけるリソース共有を示す図である。
図10】本発明の可能な実施形態による時間周波数送信次元におけるリソース共有を示す図である。
図11】デバイスの概略的な処理回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0099】
まず図1を参照する。
一般的な無線通信ネットワークNWの一部分が示されている。
そのような無線通信ネットワークNWは、基地局BSと、歩行者Pと、路傍インフラストラクチャIと、いくつかの車両ユーザー機器(すなわちV-UE(vehicular user equipment))UE1、UE2、UE3とを含む種々のユニットを含む。
別の実施形態において、無線通信ネットワークNWは、いくつかの基地局BSと、種々の数のユニットとを全体として含んでもよい。
【0100】
そのようなユニットは、全体で協調型高度道路交通システム(C-ITS:Cooperative Intelligent Transport System)を無線通信ネットワークNW内に形成し、これは、そのようなユニットが、所与のデジタル技術を備え、交通安全及び交通効率に関する情報を互いに提供するために互いに通信することで行われる。
【0101】
そのようなネットワークNW内の車両ユーザー機器UE1、UE2、UE3は、ビークルツーエブリシング(V2X)通信と呼ばれる車両通信システムを用いて使用可能にされる。
この通信は、車両ユーザー機器UE1、UE2、UE3と、車両ユーザー機器UE1、UE2、UE3に影響を与える場合もあるし、これらの車両ユーザー機器による影響を受ける場合もある任意のユニットとの間の全てのタイプの通信を示す。
所与の車両ユーザー機器UE1は、したがって、ビークルツービークル(V2V:Vehicle-to-Vehicle)通信を通じて別の車両ユーザー機器UE2、UE3とインタラクトすることもできるし、ビークルツーネットワーク(V2N:Vehicle-to-Network)通信を通じて基地局BS等のネットワークエンティティとインタラクトすることもできるし、ビークルツー歩行者(V2P:Vehicle-to-Pedestrian)通信を通じて歩行者Pのセルラーユーザー機器とインタラクトすることもできるし、ビークルツーインフラストラクチャ(V2I:Vehicle-to-Infrastructure)通信を通じてスマート信号機等の路傍インフラストラクチャIとインタラクトすることもできる。
【0102】
特に、車両ユーザー機器UE1と別の車両ユーザー機器UE2等の別の車両ユーザー機器との間の通信(V2Vに対応する)又は例えば歩行者モバイルデバイスとの間の通信(V2Pに対応する)は、双方の通信エンドポイントがユーザー機器(UE:user equipment)であるので、サイドリンク(SL:Sidelink)通信又はデバイスツーデバイス通信(D2D)とも呼ばれる直接通信といわれる。
直接通信は、ネットワークNWの2つのユーザー機器(UE)の間の直接チャネルに対応するPC5インターフェースと呼ばれるインターフェースを使用する。
セルラーネットワークベースの通信とは逆に、PC5を介したUEの間の直接通信は、基地局BSを通る信号中継を必要としない。
【0103】
本明細書においては、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって定義されているようなNR V2XにおけるPC5を介した2つの車両ユーザー機器(V-UE)の間の直接通信(すなわちD2D)を検討することにする。
その結果、車両ユーザー機器、デバイス、車両デバイス又は車両という用語は、本明細書の全体を通して区別なく使用される場合がある。
【0104】
図1は、そのようなデバイスUE1、UE2、UE3を示している。
全てのデバイスUE1、UE2、UE3は、NR V2X能力を有するとみなされ、PC5インターフェースを使用して互いに直接通信を行うことができる。
例えば、図1における全矢印は、一方にある第1のデバイスUE1と、他方にある第2のデバイスUE2及び第3のデバイスUE3との間のPC5インターフェースを表している。
したがって、PC5を介して、第1のデバイスUE1は、例えばユニキャスト送信を通じて、専用の制御シグナリング及びデータシグナリングを第2のデバイスUE2又は第3のデバイスUE3に送信することができる。
第1のデバイスUE1は、他の任意のデバイスUE2、UE3が受信することができるブロードキャスト送信及び/又はグループキャスト送信を通じて制御シグナリング及びデータシグナリングも送信することができ、ここでは詳述されないいくつかの地理的条件、チャネル状態及びハードウェア条件を提供することができる。
【0105】
各デバイスUE1、UE2、UE3は、図11によって示されるような別個の処理回路を備える。
そのような処理回路は、デバイスUE1、UE2、UE3が本明細書におけるデータシグナリング及び制御シグナリングを送信、記憶及び処理することができるように処理ユニット(PROC-UE)、メモリユニット(MEM-UE)及び通信ユニット(COM-UE)を備える。
各デバイスUE1、UE2、UE3の処理回路は、共通の又は異なるコンピュータープログラムルーチン(例えば、リソースを共有するためのもの及び共有されたリソースを取り出すためのもの)を実行するように構成することができる。
【0106】
そのようなV2X無線インターフェースフレームワークにおいて、設計の重要な側面は、デバイスUE1、UE2、UE3がデータ及び制御の送信を行う際に基礎となる無線リソース管理(RRM)である。
【0107】
NRサイドリンク送信については、以下の2つの無線リソース管理モードが存在する。
集中型RRMモードとも呼ばれるネットワークスケジューリング型NR RRMモードであるNR V2Xサイドリンクモード1。
このNR V2Xサイドリンクモード1では、デバイスUE1、UE2、UE3の無線リソースは、ネットワークの基地局BSによってスケジューリングされる。
デバイスUE1、UE2、UE3は、基地局BSのカバレッジ内でなければならず、それらの送信用に配分される無線リソースが与えられるようにダウンリンク(DL:downlink)信号及びアップリンク(UL:uplink)信号を基地局BSと交換しなければならない。
そのような集中型RRMモードは、カバレッジ内のデバイスUE1、UE2、UE3によって採用される。
分散型RRMモードとも呼ばれる自律的NR RRMモードであるNR V2Xサイドリンクモード2。
このNR V2Xサイドリンクモード2では、デバイスUE1、UE2、UE3は、ネットワークエンティティ(すなわち、例えば基地局BS)を必要とすることなく、それらの送信用の無線リソースをそれら自身によって選択する。
そのために、デバイスUE1、UE2、UE3は、本説明において更に詳述されるチャネルセンシングメカニズムに基づいてリソースプールRPにおいてリソース選択手順を開始する。
そのような分散型RRMモードは、カバレッジ内のデバイス及びカバレッジ外のデバイスUE1、UE2、UE3の双方が採用することができる。
【0108】
本明細書において、デバイスUE1、UE2、UE3は、NR V2Xサイドリンクモード1リソース配分手順又はNR V2Xサイドリンクモード2リソース配分手順のいずれかを開始するとみなすことができる。
デバイスUE1、UE2、UE3は、デバイスUE1、UE2、UE3の無線リソースの配分をもたらす他の任意のリソース配分手順も開始することができる。
【0109】
リソース配分モード1及び2のいずれにおいても、デバイスUE1、UE2、UE3は、それら自身の制御及びデータの送信用に配分された無線リソースを取得することができる。
【0110】
NR V2Xの場合には、各デバイスUE1、UE2、UE3は、時間及び周波数の双方において多重化される配分された無線リソースを有する。
一方、各デバイスUE1、UE2、UE3のハードウェア能力HW1、HW2、HW3に応じて、無線リソース管理(RRM)は、異なる偏波、空間領域等において利用することができ、したがって、偏波、空間等において多重化することができ、その結果、スペクトル効率の観点からデバイスUE1、UE2、UE3の幅広い可能性が得られる。
リソースプールのアーキテクチャ及び種々のタイプのリソース多重化が図2の説明において詳述される。
【0111】
デバイスUE1、UE2、UE3のハードウェア能力HW1、HW2、HW3は、以下のものに対応することができる。
個のアンテナのアレイを備えるデバイスUE1、UE2、UE3がビームフォーミングを行うことができ、ひいては空間送信次元においてN個の異なるビーム(したがってN個の異なる方向)を分離することができるように、アンテナのアレイ及び/又は少なくとも2つの異なる方向を示す指向性アンテナのアレイに対応することができる。
したがって、種々の指向性を有するアンテナのアレイを用いて使用可能にされるデバイスUE1、UE2、UE3は、空間多重化を行うことができる。
少なくともデュアル偏波アンテナ及びそれらのそれぞれのRFチェーンを備えるデバイスUE1、UE2、UE3が、偏波送信次元において少なくとも垂直偏波及び水平偏波を分離することができるように、少なくとも2つの異なる偏波を有するアンテナ及び偏波アンテナごとの無線周波数チェーン(すなわちRFチェーン)に対応することができる。
【0112】
そのようなハードウェアHW能力(指向性アンテナのアレイ、偏波アンテナのアレイ等)は、デバイスUE1、UE2、UE3が種々の領域においてリソース多重化を行うことができるように、1つのデバイスUE1、UE2、UE3内で組み合わせることができる。
空間多重化、偏波多重化等は、例えば無線通信ネットワークNWのチャネル状態等のデバイスUE1、UE2、UE3のハードウェア能力HW以外の因子にも依存し得る。
【0113】
次に図2を参照する。
図2は、3GPP NR V2Xアーキテクチャにおいて検討されるようなリソースプールRPの図を示している。
本明細書において、検討対象のリソースプールRPは、NR V2Xにおけるサイドリンク送信のリソースプールである。
リソースプールRP内の無線リソースは、サイドリンク送信のためにデバイスUE1、UE2、UE3の間で共有され、以下のものを含む異なる物理チャネルによってサポートされる。
デバイスUE1、UE2、UE3のデータ送信用のトランスポートブロック(TB:transport block)を搬送する物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、及び
デバイスUE1、UE2、UE3の制御送信用のサイドリンク制御情報の一部分を搬送する物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)。
【0114】
3GPP NR V2Xでは、リソースプールRP、ひいてはPSSCH及びPSCCHは、時間領域及び周波数領域の双方において多重化される。
【0115】
図2の横軸上に表される時間領域では、リソースプールRPの無線リソースは、異なるスロットに構造化され、各スロットは、図2に図示されていない14個のOFDM(直交周波数分割多重化(Orthogonal frequency-division multiplexing))シンボルを含む。
サブフレームは、1つ又は多くのスロットとして定義され、1ミリ秒(ms)の固定持続時間を有する。
NR V2XリソースプールRPの特殊性は、スロットの持続時間が1つのOFDMシンボルの持続時間に応じて可変であることであり、1つのOFDMシンボルは、それ自体が周波数の可変サブキャリア間隔(SCS:subcarrier spacing)値に依存する。
NRサイドリンクにおいて、第1の周波数レンジ(FR1)について、サブキャリア間隔(SCS)は、15キロヘルツ(kHz)、30kHz又は60kHzの3つの異なる値を採用することができる。
SCSが15kHzに等しい場合には、対応するスロットは、近似的にサブフレームに対応し、したがって、1msの持続時間を有する。
SCSの値が15kHzよりも高い場合には、スロットの持続時間は1ms未満となる。
【0116】
リソースプールRPの時間長は、例えば、デバイスUE1、UE2、UE3が、それ自身の送信用の無線リソースを確保する自律的リソース選択手順を開始するときに、無線通信ネットワークNWの車両デバイスUE1、UE2、UE3がリソースプールRPのリソースにアクセスすることができる時間長を指す。
NR V2Xモード2では、デバイスUE1、UE2、UE3がリソースプールRPから無線リソースを選択することができる時間長は、32個のスロットに対応する。
したがって、自律的リソース選択手順を開始する各デバイスUE1、UE2、UE3のリソースプールRP内に選択送信ウィンドウSTWを定義することができる。
そのような選択送信ウィンドウSTWの時間長は、したがって、32スロットである。
【0117】
図2の縦軸上に表される周波数領域では、リソースプールRPの無線リソースは、異なるサブチャネルに構造化され、1つのサブチャネルは、少なくとも10個のリソースブロック(RB)を含む。
すなわち、選択送信ウィンドウSTWの最大サイズは、時間領域では32スロットであり、周波数領域では帯域幅に依存する。
【0118】
無線リソースは、時間領域における1つのスロットと、周波数領域における1つ又はいくつかのサブチャネルとによって構成される時間周波数ブロックを指す。
【0119】
リソース要素REは、時間領域における1つのOFDMシンボルと、周波数領域における1つのリソースブロック(すなわちRB)とによって構成される時間周波数ブロックを指す。
したがって、リソース要素は、無線リソースと比較してより小さなリソース単位であり、実際のところ、無線リソースは、いくつかのリソース要素によって構成される。
【0120】
図2を参照すると、リソースプール内の1つのスロット及び1つのサブチャネルによって構成される無線リソースを形成するいくつかのリソース要素REが表されている。
リソース要素REのサイズ又は量は、OFDMシンボルの数及びそのようなリソース要素REを構成するリソースブロックの数を指す。
【0121】
デバイスUE1、UE2、UE3には、リソースプールRPから無線リソースを配分することができる。
すなわち、デバイスUE1、UE2、UE3に配分される最小単位は、1つのスロット及び1つのサブチャネルによって構成される単一の無線リソースである。
(特に、デバイスUE1、UE2、UE3には、例えばリソースプールRPから単一のリソース要素REを配分することができない)。
その上、分散型RRMモード(NR V2Xモード2等)の場合には、デバイスUE1、UE2、UE3がその送信用に選択することができるリソースプールRPの無線リソースは、サイズが制限された選択送信ウィンドウSTW内に区切られる(すなわち、32スロット及び帯域幅依存サブチャネルに制限される)。
【0122】
図2を参照し、NR V2Xの状況下での分散型RRMモードを検討する。
デバイスUE1は、上述したように、配分された無線リソースの第1のセットをリソースプールRPから取得するために、リソースプールRPにおいて自律的リソース選択手順を開始する。
リソースプールRPのリソースプールウィンドウSW内で、デバイスUE1は、時刻T0とT2との間で図2に表された以下の3つの異なるステップからなる自律的リソース選択手順を開始する。
第1のステップは、時刻T0とT1との間のセンシングウィンドウSSWにおいて開始されるリソースセンシングフェーズであり、そのようなセンシングウィンドウSSWは、リソースプールウィンドウSWに含まれる。
第1のステップは、デバイスUE1が、デバイスUE1によるリソース選択の潜在的な候補を特定するために、他の車両デバイスに既に配分された無線リソースから利用可能なリソースを特定することを可能にする。
そのために、デバイスUE1は、当該デバイスUE1が、各無線リソース上でPSCCH部分によって搬送されるサイドリンク制御情報(SCI:Sidelink Control Information)の一部分を検出することを可能にするセンシングベースの方式を実施する。
他のデバイスによって占有される無線リソースは、それらの無線リソースが利用不能であることについての情報を、対応するデバイスによって開始され、センシングフェーズ中にデバイスUE1によって復号化可能なSCIの部分(すなわち第1ステージSCI)に含む。
この第1のステップ中に、デバイスUE1は、デバイスUE1に対する許容可能干渉レベルを有する無線リソースを特定するために、各無線リソースの基準信号受信電力(RSRP:Reference Signal Received Power)も測定する。
許容可能干渉レベルは、干渉レベル閾値を超えない干渉レベルを指し、そのような閾値は、例えば、デバイスUE1のサービス品質(QoS)に依存する。
第1のステップの終わりに、デバイスUE1は、空いたリソース、占有されたリソースを特定するリソースプールRPのフルマップとともに、デバイスUE1に対する各リソースの干渉レベルを取得する。
デバイスUE1の候補無線リソースは、空いたリソースに対応する。
別の実施形態において、候補リソースは、他のデバイスの進行中のサイドリンク送信であって、デバイスUE1に対する干渉レベルが所与の干渉レベル閾値未満であるサイドリンク送信によって占有されたリソースも含んでよい。
第2のステップは、時刻T1におけるリソース選択フェーズである。
デバイスUE1の送信用に時間(すなわち、1つのスロット)及び周波数(すなわち、1つ又はいくつかのサブチャネル)においてデバイスUE1に配分されるリソースは、第1のステップにおいて事前に特定された候補リソースの中からランダムに選択される。
ステップ2の終了までに、デバイスUE1は、その送信用に配分された無線リソースのセットを有する。
第3のステップは、配分された無線リソースのセットを使用した、T1とT2との間におけるデータ送信である。
選択フェーズ及び送信フェーズは、選択送信ウィンドウSTW内において時刻T1とT2との間で1つずつ順番に開始することもでき、そのような選択送信ウィンドウSTWは、リソースプールウィンドウSWに含まれる。
デバイスUE1は、その送信用に配分された無線リソースのセットを取得した後、そのように配分された無線リソースのPSSCH部分にそのデータパケットを割り当てる。
デバイスUE1は、配分された無線リソースのセットに関するSCIも準備し、そのようなSCIの一部分(すなわち第1ステージSCI)を最終的に送信する。
このSCIの一部分は、デバイスUE1が確保した無線リソースの情報を、配分された無線リソースのセットのPSCCH部分で他のデバイスに知らせるものである。
【0123】
自律的リソース選択手順は、リソースプールRPにおいてデバイスUE1によって開始される。
特に、そのようなリソースプールRPは、既定の地理的エリア、例えば、いくつかのデバイスがネットワークのカバレッジ外である場合があり、自律的リソース選択手順を開始することによって配分された無線リソースを引き続きなんとか取得することができるエリアにおいて、ネットワーク(例えば基地局BS)によって事前に構成される。
そのようなリソースプールRPからの無線リソースは、そのような地理的エリア内のデバイスに配分することができる。
【0124】
デバイスUE1は、NR V2Xモード1等の集中型RRMモードに基づいて、ネットワークによるスケジューリングを介してその配分された無線リソースのセットを取得することもできる。
そのような集中型RRMモードでは、デバイスUE1は、無線リソースが基地局BSによってスケジューリングされるように要求する4ステップ交換手順を実行する。
基地局BSは、例えば所与の時間間隔(例えば、選択送信ウィンドウSTWの時間長)内でリソースプールにおいて利用可能な無線リソースに基づいて、配分された無線リソースのセットを、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)を使用してデバイスに与える。
そのようなリソース付与は、動的な方法(デバイスが、実行すべき送信を有するときに、無線リソースをネットワークに要求する)又は設定された方法(デバイスが、無線リソースを事前に要求し、配分されたリソースを設定された周期で取得する)のいずれかで行うことができる。
デバイスUE1は、その後、その制御送信及びデータ送信を含むそのPSCCH及びPSSCHを、ネットワークによって与えられる配分された無線リソースを使用して送信する。
【0125】
デバイスUE1がその送信用に配分された無線リソースを取得することができることは、リソースプールRPの時限選択送信ウィンドウSTW内で選択することができる利用可能な無線リソースが存在することに顕著に依存する。
その結果、リソース選択手順(上記に詳述したような自律的なもの又はネットワークスケジューリング型のもののいずれか)は、同じ選択送信ウィンドウSTWにおいて無線リソースを必要とする各デバイスのフル送信を確保する無線リソースのセットの配分を常にもたらすとは限らない。
これは、リソースプールRPが輻輳しているときに特に当てはまる。
リソースプールRPのそのような輻輳は、例えば、多くのデバイスUE1、UE2、UE3が自律的リソース選択手順を開始する場合又は同じ選択送信ウィンドウSTW内で無線リソースを要求する場合に発生し、リソースプールRP内の同じ限られた量の無線リソースについて多くのデバイスの競合をもたらす。
輻輳は、いくつかのデバイスが、単一の送信に複数の無線リソースの使用を要する、サービス品質(QoS)に関してタイトな制約又は厳しい要件を有する場合にもリソースプールRPにおいて発生し得る。
そのような高QoSデバイスは、このように、特にリソースを大量に消費し、配分された無線リソースの多くのセットを必要とする。
【0126】
リソースプールRPが非常に輻輳しているとき、多くのデバイスUE1、UE2、UE3は、最適化された信頼性及びレイテンシーを保証するとともにそれら自身の送信をサポートする無線リソースが、特に既存の輻輳制御方法に起因して潜在的に欠如する。
そのような既存の輻輳制御方法は、例えば、高優先度デバイスに有利になるように低優先度デバイスがデータパケットドロップメカニズム、プリエンプションメカニズムを実行するものである。
ほとんどの既存の輻輳制御方法は、したがって、デバイス送信の信頼性を抑制し、ひいてはV2Xアプリケーションの全体的な性能を抑制する。
【0127】
リソースプールRPにおける輻輳問題に対処し、スペクトル不足問題を解決するために、様々な領域(すなわち送信次元)における多重化を使用する代替の送信が存在する。
実際、図2に示すようなリソースプールRPは、時間領域及び周波数領域の双方において多重化された無線リソースを有する。
そのようなリソースプールRPは、したがって、デバイス自身のサイドリンク送信用にデバイスに配分される限られた数のスロット及びサブチャネルを提供する。
一方、時間及び周波数以外の次元(複数の場合もある)(空間、偏波等)におけるそのようなリソースプールRPの多重化は、同じ時間周波数リソースの複数の「コピー」を有することを可能にし、リソースプールRPの各「コピー」は、複数のデバイスUE1、UE2、UE3によって同時に使用可能である。
【0128】
多重化は、或る送信を、1つの通信チャネルを使用する一連の独立した重なり合わない送信に分割することを指す。
例えば、周波数分割多重化又は直交周波数分割多重化(OFDM)の場合には、通信媒体を使用する全帯域幅が、重なり合わない周波数帯域に分割され、各帯域は、個別の信号を搬送するのに使用される。
【0129】
空間多重化の場合には、異なる指向性アンテナ等の特定のハードウェア能力を有するデバイスは、同じリソースプールRP上で異なるビームによって異なる空間方向に複数の送信を送出するためにビームフォーミングを行うことができる。
その結果、スペクトルリソースはN倍増加する。
ここで、Nは、デバイスによって展開可能なビームの数である。
【0130】
いくつかの実施形態において、最適化された空間多重化は、異なるビーム間のクロストーク干渉を回避するために、見通し内支配環境(Line-of-Sight-dominated environment)等の特定のチャネル状態を必要とする。
空間多重化は、定義によって方向制約も示し、したがって、ユニキャスト送信(すなわち、ブロードキャスト送信又はグループキャスト送信とは逆に空間的に方向付けられた送信)等の特定の通信シナリオに制限される。
【0131】
偏波多重化の場合には、異なる偏波面(例えば、水平偏波面H及び垂直偏波面V)を提供する異なる偏波アンテナ等の特定のハードウェア能力を有するデバイスが、同じリソースプールRPからリソースを送信するために偏波分割多重化(PDM:polarization division multiplexing)を異なる偏波で複数回行うことができ、いずれのデュアル偏波も直交ペアを形成する。
その結果、スペクトルリソースはN倍増加する。
ここで、Nは、利用可能な偏波の数である。
【0132】
偏波多重化は、異なる偏波の間の十分な分離を確保するために、異なる偏波の間において最適化された直交性も必要とする。
2つの偏波の間の交差偏波放射を測定する交差偏波比(XPR)等の測定可能な指標が、偏波多重化を行うためにチャネル状態が満たされているか否かを判断することを可能にする。
【0133】
空間送信次元又は偏波送信次元における多重化を使用するそのような代替の送信は、本明細書において更に詳述される。
本明細書の場合に、デバイスUE1、UE2、UE3は、種々の送信次元(空間又は偏波等)において多重化を行うことができるように、特定のハードウェア能力HW1、HW2、HW3を用いて使用可能にすることができる。
そのような特定のハードウェア能力HW1、HW2、HW3は、必要に応じて詳述される。
【0134】
次に図3を参照する。
図3は、無線通信ネットワークNW内の第1のデバイスUE1の3つの異なるデータサイドリンク送信及び制御サイドリンク送信を表している。
図3では、横軸に時間領域における送信が表され、縦軸に周波数領域における送信が表されている。
そのようなサイドリンク送信は、第1のデバイスUE1から第1の受信デバイスに行われる。
第1のデバイスUE1の第1の受信デバイスは、配分された無線リソースの第1のセットを使用して第1のデバイスUE1によって行われる送信を受信するネットワークNWの別のデバイスを指す。
NR V2Xでは、サイドリンク送信をサポートする物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)及び物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)が、時間及び周波数の双方において多重化される。
実際、PSSCHの一部分及び対応するPSCCHが、重なり合わない周波数リソースにおいて重なり合う時間リソースを使用して送信されることに加えて、PSSCHの別の部分及びそれに対応するPSCCHが、重なり合わない時間リソースを使用して送信される。
図3は、このように、第1のデバイスUE1の送信におけるPSSCH及びPSCCHの双方のそのような時間周波数多重化を示している。
そのような送信は、第1のデバイスUE1に配分された配分無線リソースの第1のセットを使用して行われる。
第1のデバイスUE1は、図2において詳述したような自律的リソース選択手順を開始することによって又はネットワークスケジューリング型手順によって、図3に示す送信を行う前の時点でそのような配分された無線リソースの第1のセットを取得する。
【0135】
図3の左端部分に示すサイドリンク送信は、NR V2Xにおける車両UE1の初期送信TR0の既存の図に対応する。
図2に示すように、第1のデバイスUE1は、その配分された無線リソースの第1のセットを取得した後、そのデータパケットData1をその配分された無線リソースの第1のセットのPSSCH部分に割り当てるとともに、第1ステージサイドリンク制御情報(SCI)SCIをその配分された無線リソースの第1のセットのPSCCH部分に割り当てる。
送信TR0のPSSCH部分は、このように、第1のデバイスUE1のデータ送信Data1に対応する一方、送信TR0のPSCCH部分は、第1のデバイスUE1の制御送信に対応する。
【0136】
図3の中央部分に示すサイドリンク送信TR1は、本発明の一実施形態において、第1のデバイスUE1がその配分された無線リソースの第1のセットからの共有に利用可能な1つ又はいくつかのリソース要素を共有するときのNR V2Xにおける第1の受信デバイスへの第1のデバイスUE1の初期送信TR1に対応する。
第1のデバイスUE1がそのようなリソース要素を共有することができる条件は、1次基準と呼ばれ、本明細書において更に詳述される。
第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素は、配分された無線リソースの第1のセットの一部分である。
【0137】
本明細書において、第1のデバイスUE1は、その配分された無線リソースの第1のセットからの1つ又はいくつかのリソース要素に対応する量のリソース要素を共有することができる。
用語「共有に利用可能なリソース要素」及び「共有に利用可能なリソース要素(複数の場合もある)」は全て、第1のデバイスUE1によって共有される量のリソース要素を指す。
【0138】
そのようなリソース要素の共有は、第1のデバイスUE1が、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を送出することで行われる。
そのような表示は、そのような表示をサイドリンク(すなわちデバイスツーデバイス)通信を通じて少なくとも1つの特定された第2のデバイスUE2に送信することによって共有に利用可能なリソース要素を第2のデバイスUE2に再配分するメッセージで行うことができる。
【0139】
第1のデバイスUE1は、その初期送信TR1内の追加の制御シグナリングメッセージである共有シグナリングメッセージSSMを介した特定のシグナリングの送出によって、共有に利用可能なリソース要素が利用可能であることをアナウンスすることもでき、そのような共有シグナリングメッセージSSMは、リソース要素が共有に利用可能であることを示す第1のデバイスUE1の表示を含む。
そのような共有シグナリングメッセージSSMは、配分された無線リソースの第1のセットを使用してPSSCH部分において搬送される。
その結果、第1のデバイスUE1が、その配分された無線リソースの第1のセットのリソース要素の共有を決定した場合に、その初期送信TR1は、以下のものを含むことができる。
-第1のデバイスUE1によって開始され、配分された無線リソースの第1のセットのPSCCH部分に埋め込まれる既存のSCI、
-配分された無線リソースの第1のセットを使用して第1のデバイスUE1によって第1の受信デバイスに送信されるデータパケットData1であって、配分された無線リソースの第1のセットのPSSCH部分に埋め込まれるデータパケットData1、及び
-配分された無線リソースの第1のセットのPSSCH部分に埋め込まれる共有シグナリングメッセージSSMである追加の制御シグナリングメッセージ。
【0140】
その結果、リソース要素の共有をアナウンスするために、第1のデバイスUE1の初期送信TR1は、データData1及び2つの別個の制御シグナリングメッセージ(すなわち、既存のSCI及び共有シグナリングメッセージSSM)を送信するために、既存の初期送信TR0と比較して制御シグナリングメッセージSSMを追加することができる。
特に、既存の初期送信TR0の内容は同じままであり、共有シグナリングメッセージSSMが、第1のデバイスUE1の初期送信TR1を形成するためにPSSCH部分に追加されるだけである。
その結果、例えば、他のデバイスが自律的リソース選択手順を開始する場合に、既存のリソース選択手順のリソースセンシングフェーズが依然として実行可能であるように、PSCCH部分に埋め込まれるSCIは不変であり、引き続き他のデバイスによって復号化可能である。
共有シグナリングメッセージは、その後、例えば、本明細書において特定のリソース共有ハードウェア、ソフトウェア及び/又は特徴を用いて使用可能にされるデバイスによって復号化することができる。
したがって、既存のSCIと共有シグナリングメッセージSSMとの間の無相関性によって、例えば、リソース共有手順と既存のNR V2Xリソース選択方法との間の後方互換性が可能になる。
【0141】
リソース要素が共有に利用可能であることを示す第1のデバイスUE1による表示は、共有シグナリングメッセージSSMに埋め込むことができ、第1のデバイスUE1によって符号化される一連の2進数字(すなわちビット)から構成することができ、その内容は、共有に利用可能なリソース要素の特性に依存する。
【0142】
1つの実施形態において、第1のデバイスUE1によって(例えば、共有シグナリングメッセージSSMとして)送信される、リソース要素が共有に利用可能であることを示すそのような表示は、以下のものを含むことができる。
リソース要素が共有に利用可能であるか否かを効果的に示す1つのビット。
例えば、共有シグナリングメッセージSSMを受信する第2のデバイスUE2によって復号化可能な共有シグナリングメッセージSSMの第1ビットが、共有されるリソース要素がない場合には「0」を示し、共有に利用可能なリソース要素がある場合には「1」を示すビットである。
この実施形態において、共有シグナリングメッセージSSMは、例えば、第1のデバイスUE1が、共有するためのリソース要素を有しない(したがって、上記ビットは「0」を示す)ときであっても、その配分された無線リソースの第1のセットを取得した後に、デフォルトによって第1のデバイスUE1によって自動シグナリングとして送出することができる(すなわち、共有シグナリングメッセージSSMを送信するステップが、第1のデバイスUE1のソフトウェア内に埋め込まれている)。
リソース要素が共有されることを示すこのビットの解釈は、共有シグナリングメッセージSSMを受信する他のデバイスUE2、UE3が共有リソース要素を使用するか否かを決定するために、それらの他のデバイスによる特定の共有決定手順をトリガーするのに役立つことができる。
共有シグナリングメッセージSSMを受信したときに他のデバイスUE2、UE3によって開始されるそのような特定の共有決定手順は、本明細書において更に詳述される。
或いは、第1のデバイスUE1によるリソース要素の共有を示すビットは存在しない場合があり、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示の受信自体が、共有されるリソース要素が利用可能であることをアナウンスする十分なトリガーとなる(すなわち、利用可能なリソース要素がない場合には、共有シグナリングメッセージSSMは第1のデバイスUE1によって送出されない)。
第1のデバイスUE1による共有に利用可能なリソース要素の送信次元(すなわち領域)を示す1つ又はいくつかのビット。
実際、第1のデバイスUE1は、そのリソース要素を時間周波数領域において共有することができるが、例えば偏波領域及び/又は空間領域においても共有することができる。
共有シグナリングメッセージSSMに含まれる1つ又はいくつかのビットは、したがって、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素が利用可能である送信次元に関係し得る。
例えば、共有シグナリングメッセージSSMの2つのビットがそのような領域を示すことができ、ビット「00」は時間周波数領域におけるリソース共有を示し、ビット「01」は偏波領域におけるリソース共有を示し、ビット「10」は空間領域におけるリソース共有を示す等がある。
他の送信次元における共有も同様に示すために、より多くのビットを配分することができる。
共有に利用可能なリソース要素の送信次元を示すそのようなビットは、共有シグナリングメッセージSSMを受信する他のデバイスが共有に利用可能なリソース要素を利用するか否かを決定する際に、それらの他のデバイスも誘導することができる。
偏波多重化を(例えば、ハードウェア能力HW2が欠如していることに起因して)行うことができない第2のデバイスUE2が、共有シグナリングメッセージSSMを受信し、リソース要素が偏波領域において第1のデバイスUE1によって共有に利用可能であることを示すビット「01」を復号化した場合には、第2のデバイスUE2は、そのようなリソース要素を利用することができないので、共有シグナリングメッセージSSMをこれ以上処理及び復号化する必要はない。
別の実施形態において、例えば、第1のデバイスUE1が偏波領域においてリソース要素を独占的に共有するときに、送信次元は、第1のデバイスUE1のソフトウェア内で直接事前設定することができる。
そのような場合には、共有シグナリングメッセージにおける共有に利用可能なリソース要素の送信次元を示すビットは、必ずしも必要とされない。
-リソース要素が利用されるべき最大時間又はリソース要素を利用することができる時間間隔等の、共有に利用可能なリソース要素についての時間関連情報を示す少なくとも1つのビット。
そのような時間関連情報は、例えば、配分された無線リソースの第1のセットの特定のタイムスロット又はタイムスロット持続時間に基づくこともできるし、第1のデバイスUE1の送信の時刻又はパターンに基づくこともできる。
共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーン又はリソースプールに関連付けられた地理的ゾーン等の、共有に利用可能なリソース要素についての地理的関連情報を示す少なくとも1つのビット。
第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素のサイズを示す1つ又はいくつかのビット。
そのようなビットは、第1のデバイスUE1による共有に利用可能なリソース要素の内容を他のデバイスUE2、UE3に詳細に示すことを目的とする。
この場合に、共有に利用可能なリソース要素のサイズは、時間領域及び周波数領域におけるリソースプールRP内の共有に利用可能なリソース要素の開始位置及び終了位置を提供することによって示すことができる。
例えば、共有に利用可能なリソース要素が、リソースプールRPの時間領域において所与の数のOFDMシンボルの範囲内に及ぶとともに周波数領域において所与の数のリソースブロックの範囲内に及ぶ場合に、以下のことを行うことができる。
時間領域における共有されるリソース要素の開始位置を示すlog(Nsymbols)個のビットを共有シグナリングメッセージSSMに含めることができる。
ここで、Nsymbolsは、特定のタイムスロット内のOFDMシンボルの総数を表す;及び
時間領域における共有に利用可能なリソース要素の終了位置を示すlog(Nsymbols)個のビットを共有シグナリングメッセージSSMに含めることができる。
周波数領域における共有されるリソース要素の開始位置を示すlog(NRB)個のビットを共有シグナリングメッセージSSMに含めることができる。
ここで、NRBは、配分された無線リソース内のリソースブロックの総数を表す。
周波数領域における共有されるリソース要素の終了位置を示すlog(NRB)個のビットを共有シグナリングメッセージSSMに含めることができる。
【0143】
同じ理由から、リソース要素が偏波領域において第1のデバイスUE1による共有に利用可能である場合には、共有に関係している偏波を示すlog(N)個のビットを共有シグナリングメッセージSSMに含めることができる。
ここで、Nは、ネットワークNW内の偏波の数を表す。
リソース要素が、空間領域において第1のデバイスUE1による共有に利用可能である場合には、共有に関係している空間方向を示すlog(N)個のビットを共有シグナリングメッセージSSMに含めることができる。
ここで、Nは、ネットワークNW内におけるビーム又は空間方向の数を表す。
【0144】
共有シグナリングメッセージSSM内に埋め込まれるビットは、第1のデバイスUE1から共有シグナリングメッセージSSMを受信する他のデバイスUE2、UE3が、特に、共有に利用可能なリソース要素を使用する必要があるか否か及び/又は使用する能力を有するか否かを判断するために利用可能なリソース要素を正確に特定することができるように、主として、第1のデバイスUE1によって利用可能にされるリソース要素の性質、サイズ、位置、利用可能な持続時間等のその正確な特性を要約することを目的とする。
【0145】
図3の右端部分に示すサイドリンク送信TR2は、共有に利用可能なリソース要素がネットワークNWの第2のデバイスUEによって利用されるときのNR V2Xにおける第1のデバイスUE1の第2の送信TR2に対応する。
第1のデバイスUE1による共有に利用可能にされるリソース要素の利用をもたらす第2のデバイスUE2によって開始されるプロセスが更に詳述される。
第1のデバイスUE1と異なるデバイス、例えば第2のデバイスUE2が、第1のデバイスUE1による共有に利用可能なリソース要素を利用するとき、第1のデバイスUE1及び第2のデバイスUE2は、配分された無線リソースの第1のセットが、第1のデバイスUE1及び第2のデバイスUE2の双方のデータ及び制御送信をカバーするようにペアリングされる。
第2のデバイスUE2の制御及びデータ送信Data2は、共有に利用可能なリソース要素に対応する配分された無線リソースの第1のセットのPSSCH部分によってサポートされる。
図3の右端部分に示す送信TR2は、第1のデバイスUE1の第2の送信を含み(第1の送信、すなわち初期送信TR1は、他のデバイスUE2、UE3に送出される共有シグナリングメッセージSSMを含む送信である)、また、第2のデバイスUE2の初期送信TR1も含む(ここでは、第2のデバイスUE2は送信TR1の前に送信を行わなかったものと考える)。
【0146】
次に図4を参照する。
図4は、無線通信ネットワークNWの第1のデバイスUE1によって実行される第1のリソース共有プロセスのステップを表すフローチャートである。
【0147】
第1のリソース共有プロセスは、第1のデバイスUE1が配分された無線リソースを実際に有する場合にのみ実行することができる。
したがって、ステップS0において、第1のデバイスUE1が、それ自身の送信用に配分された無線リソースの第1のセットをまだ選択していない(すなわち、第1のデバイスUE1が、完全なリソース選択手順を開始していないか又はネットワークによって与えられたリソースを取得していない)場合には、第1のデバイスUE1は、他の任意のデバイスUE2、UE3といずれのリソース要素も共有することができず、第1のリソース共有プロセスはステップS3において終了する。
この場合には、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示は第1のデバイスUE1によって送出されず、したがって、共有シグナリングメッセージSSMも送出されない。
或いは、第1のデバイスUE1は、共有されるリソース要素が利用可能であることを示すビットが、リソース要素が第1のデバイスUE1によって共有されないことを意味する「0」に設定された共有シグナリングメッセージSSMを引き続き送信してもよい。
一方、ステップS0において、第1のデバイスUE1が、(自律的リソース選択手順又はネットワークスケジューリング型リソース選択手順のいずれかを通じて)それ自身の送信用に配分された無線リソースの第1のセットを取得している場合には、第1のリソース共有プロセスのステップS1を第1のデバイスUE1が開始することができる。
ステップS1において、第1のデバイスUE1は、第1のリソース共有プロセスが必要であるか否かを評価するために、リソースプールRP内の輻輳レベルを評価する。
そのために、第1のデバイスUE1は、所与の時間内の各サブフレーム、例えばリソースプールRPの100個の直近のサブフレームについての受信信号強度表示(RSSI)の値を取得することによって、リソースプールRPの各サブフレームのチャネルビジー率(CBR)等のリソースプールRP内の輻輳レベルについての表示を取得することができる。
リソースプールRP内の輻輳レベルについてのそのような表示は、第1のデバイスUE1が測定してもよいし、第1のデバイスUE1がネットワークNWの別のユニット、例えば別のデバイス又は基地局BSから受信してもよい。
RSSIの値によって、第1のデバイスUE1は、リソースプールRPがネットワークNWのデバイスによってどの程度要求されているのかを定量化することが可能になる。
したがって、CBRは、リソースプールRP内の近時の輻輳レベルを反映するメトリックを与える。
第1のデバイスUE1は、リソースプールRP内のCBRと比較される1つ又は種々の輻輳レベル閾値を記憶することもできる。
例えば、CBRが0.650未満である場合には、リソースプールRPは輻輳していないと考えられる。
その結果、ステップS1において、測定されたCBRが輻輳レベル閾値未満である場合には、リソースプールRPは、デバイスUE1、UE2、UE3がそれら自身の送信用に選択するための利用可能な無線リソースを十分に有するとみなされるので(十分とは、測定されたCBRが輻輳レベル閾値未満であることによって表される)、第1のデバイスUE1は、リソースプールRPが輻輳していないと評価し、したがって、第1のリソース共有プロセスを実行する必要はない。
これによって、第1のリソース共有プロセスは、ステップS3において終了する。
一方、ステップS1において、測定されたCBRが輻輳レベル閾値よりも大きい場合には、第1のデバイスUE1は、リソースプールRPが輻輳していると評価し、これによって、他のデバイスUE2、UE3は、それら自身の送信用にリソースプールRPにおいて選択される利用可能な無線リソースを欠く可能性がある。
この場合はステップS2に進む。
第1のデバイスUE1は、チャネルビジー率(CBR)以外に/チャネルビジー率(CBR)に加えて別のメトリックを使用して、リソースプールRP内の輻輳レベルを評価してもよい。
リソースプールRP内の輻輳レベルは、したがって、第1のリソース共有プロセスが第1のデバイスUE1によって開始される際の1次基準である。
【0148】
ステップS2において、第1のデバイスUE1は、その配分された無線リソースの第1のセット内の利用可能なリソース要素を他のデバイスと共有するために、そのようなリソース要素を保有するか否かを評価する。
第1のデバイスUE1の利用可能なリソース要素は、配分された無線リソースの第1のセットの一部分であるが、第1のデバイスUE1がそれ自身の送信用に必要としないリソース要素を指す。
第1のデバイスUE1は、共有に利用可能なリソース要素を有するか否かを判断するために、第1のリソース占有量の測定値を取得することができる。
第1のリソース占有量は、リソースプールRP内で第1のデバイスUE1によってその送信用に選択される無線リソースの量を指す。
第1のリソース占有量は、配分された無線リソースの第1のセットのサイズを指す場合もある。
第1のデバイスUE1は、第1のデバイスUE1がそれ自身の送信用に実際に必要とする無線リソース要素の量を指す第1のリソース使用量の値も取得する。
そのような第1のリソース使用量の値は、例えば、第1のデバイスUE1のチャネル使用率(CR)に対応することができ、このチャネル使用率は、区切り時間(例えば1000ms)内に送信される、第1のデバイスUE1に配分されたサブチャネルの総数をカウントすることに依拠する。
特定の実施形態において、第1のリソース使用量の値は、リソースプールRPの輻輳レベルにも依存し得る。
第1のデバイスUE1は、リソース使用量制限を用いて構成される。
例えば、リソースプールRPに輻輳がない(すなわち、輻輳レベルが輻輳レベル閾値未満である)とき、第1のデバイスUE1は、配分された無線リソースの第1のセット内の最適化された量の無線リソースを使用してそのデータパケットを送信することができる。
最適化された量は、その送信の品質及び信頼性を最適化するとともに送信エラーを最小にするために所与の変調において使用される無線リソースの量として定義される。
一方、リソースプールRPの輻輳レベルが高い場合には(高いとは、輻輳レベル閾値よりも大きな輻輳レベルを意味する)、既定のリソース使用量制限によって第1のリソース使用量を制限することができ、これには、例えば、第1のデバイスUE1が、その送信をより少量の無線リソースに削減するようにその変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)を適合させる必要がある(より少量とは、最適化された量未満を意味する)。
【0149】
ステップS2において、第1のリソース占有量が第1のリソース使用量を超えている場合には、第1のデバイスUE1は、共有に利用可能なリソース要素を有するとみなされる。
その結果、第1のデバイスUEに配分された無線リソースの量(すなわち、配分された無線リソースの第1のセットのサイズ)が、第1のデバイスUE1によってその送信用に有効に使用される無線リソース要素の量、すなわち第1のリソース使用量を超えている場合には、第1のデバイスUE1は、第1のリソース共有プロセスを実行することができる。
第1のデバイスUE1による共有に利用可能なリソース要素の量は、したがって、第1のリソース占有量と第1のリソース使用量との間のサイズ差に対応することができる。
第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素が利用可能であることは、リソース共有プロセスを実行するための1次基準とすることができる。
【0150】
一方、ステップS2において、第1のデバイスUE1が、共有に利用可能なリソース要素を有していないと判断した場合には、第1のデバイスは、第1のリソース共有プロセスを実行することができず、その結果、ステップS3に進む。
これは、例えば、第1のリソース占有量が第1のリソース使用量を超えていない場合に該当する。
【0151】
リソースプールRPが、ステップS1において輻輳しているとみなされ、第1のデバイスUE1が、ステップS2において、共有に利用可能なリソース要素を有する場合には、第1のデバイスUE1は、ステップS20において、リソース共有プロセスの最後のフェーズを実行することができる。
ステップS20において、第1のデバイスUE1は、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を、例えばその初期送信TR1内の共有シグナリングメッセージSSMを介して送出する。
そのような表示は、上記で詳述したように、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素についての更なる情報を含む。
そのような表示の内容を判断するプロセスは、図6の説明において詳述される。
【0152】
第1のデバイスUE1が、ステップS20における共有に利用可能なリソース要素を有することを示す表示の共有に進む前の中間ステップ(図4に図示せず)において、第1のデバイスUE1は、ステップS2において特定された共有に利用可能なリソース要素(又は配分された無線リソースの第1のセット全体)が、そのようなリソース要素の共有を不可能にする事前設定された制限を有しないことを確認することができる。
そのような事前設定された制限は、ネットワークNWによって事前に定義しておくことができ、例えば地理的基準に基づいてネットワークNWによって配備される各リソースプールRPに固有のものとすることができる。
第1のデバイスUE1は、(例えば、配分された無線リソースの第1のセットを取得するときに)既定の基準に従ってそのリソース要素の共有を可能又は不可能にする事前構成されたメッセージを取得することができる。
事前設定された制限が、共有に利用可能なリソース要素に課されていない場合には、第1のデバイスは、ステップS20における共有に進むことができる。
そうでない場合には、第1のリソース共有プロセスは、ステップS3において終了する。
【0153】
ステップS20において送出される共有シグナリングメッセージSSMは、少なくとも1つのリソース要素が共有に利用可能であることを示すビット「1」を含む。
別の実施形態において、共有シグナリングメッセージSSMの送出自体が、少なくとも1つのリソース要素が共有されることを暗に示し、共有シグナリングメッセージSSMは、共有されるリソース要素についての詳細を直接含む。
【0154】
リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示は、ステップS20において第1のデバイスUE1によって送出され、PC5インターフェースを使用して直接通信D2Dを通じて送信することができる。
そのような表示は、例えばグループキャスト送信又はブロードキャスト送信の一部分として、共有シグナリングメッセージSSMに含めることができる。
したがって、共有シグナリングメッセージは、第1のデバイスUE1が、他の特定のデバイスUE2、UE3を宛先とすることなく第1のデバイスUE1の送信範囲内に送出することができる。
【0155】
次に図5を参照する。
図5は、無線通信ネットワークNWの第2のデバイスUE2によって実行される第2のリソース共有プロセスのステップを表すフローチャートである。
【0156】
第2のデバイスUE2が第2のリソース共有プロセスを実行するには、完全な第1のリソース共有プロセスが第1のデバイスUE1によって事前に実行されていなければならない。
【0157】
第2のデバイスUE2は、一方では第1のデバイスUE1と異なるとともに、例えばユニキャスト送信又はグループキャスト送信の場合には第1のデバイスUE1の受信デバイスとも異なることが前提である。
【0158】
第1のデバイスUE1が、第1のリソース共有プロセスのステップS20において、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を例えば共有シグナリングメッセージSSMを介して送出することを通じて、少なくとも配分された無線リソースの第1のセットのリソース要素を共有することを決定した後、この表示は、ステップS21において、無線通信ネットワークNWの1つ又はいくつかのデバイスUE2、UE3によって受信及び復号化される可能性がある。
【0159】
第1のデバイスUE1によって送出された共有シグナリングメッセージSSMを受信するデバイスUE2、UE3の数及び識別情報は、デバイスUE2、UE3のソフトウェア能力及びハードウェア能力(デバイスUE2、UE3は、共有シグナリングメッセージSSMを復号化するために復号化方式を実施することができるはずである)、第1のデバイスUE1に対するデバイスUE2、UE3の地理的位置及び/又は第1のデバイスUE1によって送出されるシグナリングの送信電力等のいくつかのパラメーターに依存する。
実際、第1のデバイスUE1によって送出された共有シグナリングメッセージSSMを受信するために、第2のデバイスUE2は、例えば、第1のデバイスUE1とのデバイスツーデバイス通信を使用することができ、NR V2X能力を有することができ、十分な送信電力を有する共有シグナリングメッセージSSMを受信することができるはずである。
第1のデバイスUE1の共有シグナリングメッセージSSMを受信する別のデバイスUE2は、リソース選択手順に関して、第1のデバイスUE1に対して特定のタイミングも有することができる。
すなわち、例えば、別のデバイスUE2が、それ自身の送信用の候補無線リソースを見つけるためにそのリソース選択手順のセンシングフェーズを開始している間に、第1のデバイスUE1が共有シグナリングメッセージSSMを送出した場合にのみ、別のデバイスUE2は、共有シグナリングメッセージSSMを受信可能とすることができる。
第1のデバイスUE1によって送出された表示は、したがって、例えば、第1のデバイスUE1のリソースプールRPと同じリソースプールRPにおける別のデバイスUE2のセンシングフェーズ中に、別のデバイスUE2によって復号化することができる。
【0160】
本明細書において、第2のデバイスUE2は、したがって、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を、例えば、第1のリソース共有プロセスを通じて第1のデバイスUE1によって送出された共有シグナリングメッセージSSMを介して受信する、第1のデバイスUE1と異なる無線通信ネットワークNWのデバイスを指す。
図5は、1つの第2のデバイスUE2のみの観点からの第2のリソース共有プロセスを示しているが、別の実施形態において、いくつかのデバイスUE2、UE3が第1のデバイスUE1の共有シグナリングメッセージSSMを受信し、同じ第2のリソース共有プロセスを実行する。
【0161】
ステップS21において、第2のデバイスUE2は、リソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を(例えば、共有シグナリングメッセージSSMとして)受信した後、第2のデバイスUE2によって実施される復号化方式を使用して共有シグナリングメッセージSSMを復号化する。
第2のデバイスUE2は、したがって、共有シグナリングメッセージSSMに含まれ、第1のデバイスUE1による共有に利用可能なリソース要素を記述した一連のビットを読み取ることができる。
1つの実施形態において、第1のデバイスUE1による共有シグナリングメッセージSSMの送出は、少なくとも1つの共有に利用可能なリソース要素が第1のデバイスUE1の配分されたリソースの第1のセット内に存在する場合にのみ行われる。
この場合に、第2のデバイスUE2は、共有シグナリングメッセージSSMを受信して復号化すると、少なくとも1つのリソース要素が共有に利用可能であることを直接識別し、これによって、第2のリソース共有プロセスのその後のステップがトリガーされる。
その後のステップにおいて、第2のデバイスUE2は、共有に利用可能なリソース要素を利用するか否かを決定する。
別の実施形態において、共有シグナリングメッセージSSMは、共有されるリソースの存在を示す少なくとも1つのビットを含む。
そのようなビットは、少なくとも1つのリソース要素が共有に利用可能である場合には「1」を示し、リソース要素が共有されない場合には「0」を示す。
この場合に、第2のリソース共有プロセスのその後のステップは、共有シグナリングメッセージの復号化が、「1」に対応する共有されるリソースの存在を示すビットを復号化する場合には、第2のデバイスUE2によってトリガーされる。
【0162】
第2のデバイスUE2は、リソース要素が共有に利用可能であると判断すると、第2のリソース共有プロセスを進める前に、共有に利用可能にされたリソース要素の利用を不可能にする事前設定された制限がないことを確認することができる。
そのような事前設定された制限は、ネットワークNWによって事前に定義しておくことができ、例えば地理的基準に基づいてネットワークNWによって配備される各リソースプールRPに固有のものとすることができる。
第2のデバイスUE2は、共有されるリソース要素の使用を既定の基準に従って可能又は不可能にする事前構成されたメッセージを(例えば、基地局等のネットワークユニットから)取得することができる。
事前設定された制限が、共有に利用可能なリソース要素の利用に課されてない場合には、第2のデバイスUE2は、第2のリソース選択プロセスを進めることができる。
【0163】
第2のデバイスUE2が、共有シグナリングメッセージSSMを、少なくとも1つのリソース要素が共有に利用可能であることを示すものとして識別した場合には、第2のデバイスUE2は、次に、共有に利用可能なリソース要素を利用するか否かを決定することができる。
そのために、第1のリソース共有プロセスにおいて第1のデバイスUE1によって実行されるステップS1と同様に、第2のリソース共有手順のステップS22において、第2のデバイスUE2は、リソースプールRPの各サブフレームのチャネルビジー率(CBR)等のリソースプールRP内の輻輳レベルについての表示に基づいて、リソースプールRPの輻輳レベルを評価する。
リソースプールRP内の輻輳レベルについてのそのような表示は、第2のデバイスUE2が測定してもよいし、第2のデバイスUE2が基地局BS又は別のデバイス等の別のネットワークユニットから受信してもよい。
したがって、第2のデバイスUE2によって取得されるCBRは、リソースプールRP内の近時の輻輳レベルを反映するメトリックを与える。
また、第2のデバイスUE2は、リソースプールRP内の測定されたCBRと比較される1つ又は種々の輻輳レベル閾値を記憶する。
そのような輻輳レベル閾値は、第1のデバイスUE1によって記憶されるものと同じものとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
例えば、第2のデバイスUE2が、0.7に等しい輻輳レベル閾値を記憶している場合に、0.7未満のCBRは、リソースプールRPが第2のデバイスUE2の観点から輻輳していないことを示す。
その結果、ステップS22において、第2のデバイスUE2によって測定されたCBRが輻輳レベル閾値未満である場合には、リソースプールRPは、第2のデバイスUE2、UE3がそれ自身の送信用に選択するための利用可能な無線リソースを十分に有するとみなされるので(十分とは、測定されたCBRが輻輳レベル閾値未満であることによって表される)、第2のデバイスUE2は、リソースプールRPが輻輳しておらず、共有シグナリングメッセージSSMを通じて通知された利用可能にされているリソース要素を利用する必要がない可能性があると判断する。
この場合に、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素を利用しないことを決定し、ステップS23において第2のリソース共有プロセスを終了する。
そのようなステップS23は、ステップS21において受信された共有シグナリングメッセージSSMを単に無視するものである。
別の実施形態において、第2のデバイスUE2が、共有シグナリングメッセージSSMの一部分しか復号化していない場合(例えば、第2のデバイスUE2が、共有されるリソース要素が利用可能であることを示すビット「1」のみを復号化し、実際のリソース要素を詳細に示す共有シグナリングメッセージSSMの残りの部分を復号化していなかった場合)、ステップS23において、第2のデバイスUE2は、共有されるリソース要素についての詳細を与える他のビットを読み取ることなく、共有シグナリングメッセージSSMの残りの部分を無視する。
この実施形態によって、第2のデバイスUE2は、ステップS22の後に、他のデバイス(この場合には第1のデバイスUE1)とのリソース共有に頼る必要がないことを知っているので、第2のデバイスUE2は、共有シグナリングメッセージSSMの残りの部分を復号化しないことによって時間及びプロセッサエネルギーを得ることが特に可能になる。
【0164】
一方、ステップS22において、リソースプールRP内の測定された輻輳レベル(CBR等)が、第2のデバイスUE2によって記憶された輻輳レベル閾値を超えている場合には、第2のデバイスUE2は、第2のリソース共有プロセスを継続する。
その理由は、リソースプールRP内の潜在的に利用可能な無線リソースが輻輳に起因して第2のデバイスUE2自身の送信用に十分でない可能性があり、共有シグナリングメッセージSSMを通じて利用可能にされるリソース要素等のリソースを取得する補完的な方法が必要である可能性があると考えられるからである。
輻輳したリソースプールRPは、したがって、第2のデバイスUE2が共有されるリソース要素を利用するための2次基準である。
【0165】
この場合には、第2のデバイスUE2は、第2のリソース共有プロセスのステップS24に進む。
ステップS24において、第2のデバイスUE2は、共有に利用可能なリソース要素がそれ自身の送信用に十分なものであるか否かを評価する。
十分とは、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素が、第2のデバイスUE2によってそれ自身の送信用に利用されるために、そのような共有されるリソース要素を使用する第2のデバイスUE2のデータ送信が、例えば信頼性及びサービス品質(QoS)に関する第2のデバイスUE2の送信制約を尊重するように、十分なOFDMシンボル及びリソースブロックを提供しなければならないことと解釈される。
そのために、ステップS24において、第2のデバイスUE2は、一方において、そのデータ送信をサポートするとともにその送信制約を尊重するために必要となる無線リソース要素(複数の場合もある)の量の測定値を取得する。
第2のデバイスUE2によってそれ自身の送信用に必要とされるそのような無線リソースの量は、第2のデバイスUE2の第2のリソース使用量と呼ばれる。
他方において、第2のデバイスUE2は、共有シグナリングメッセージSSMを復号化することによって、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素のサイズを取得する。
1つの実施形態において、共有シグナリングメッセージSSMに含まれる2進数字の少なくとも一部分は、第1のデバイスUE1による共有に利用可能にされたリソース要素のサイズを与える(すなわち、共有に利用可能にされたOFDMシンボル及びリソースブロックの明示的な数が詳細に示される)。
別の実施形態において、共有シグナリングメッセージSSMは、リソースプール内で共有されるリソース要素の正確な位置についての情報(すなわち、配分されたリソースの第1のセットの少なくとも時間領域及び周波数領域における共有に利用可能なリソース要素(複数の場合もある)の開始位置及び終了位置を表す共有シグナリングメッセージSSMの2進数字の少なくとも一部分)を含む。
その場合には、第2のデバイスUE2は、共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズを求めるために、共有シグナリングメッセージSSMに含まれるそのような情報を処理することができる。
ステップS24において、第2のデバイスUE2は、その第2のリソース使用量の測定値を、共有シグナリングメッセージSSMを通じて第1のデバイスUE1によって利用可能にされたリソース要素(複数の場合もある)のサイズと比較する。
共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズが、第2のリソース使用量よりも小さい場合に、これは、第1のデバイスUE1によって利用可能にされたリソース要素によって、第2のデバイスUE2は、そのような共有されるリソース要素(複数の場合もある)を使用してそれ自身の送信を行うことが可能でないことを意味し、したがって、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって利用可能にされたリソース要素(複数の場合もある)を使用しないとの決定を行い、その結果、ステップS23に進む。
ステップS23において、第2のリソース共有手順は、第2のデバイスUE2によってドロップされる。
したがって、共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズが第2のリソース使用量のサイズよりも大きいことは、第2のデバイスUE2が共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用するための2次基準である。
【0166】
したがって、ステップS24において、第2のデバイスUE2の第2のリソース使用量が、第1のデバイスUE1によって利用可能にされたリソース要素(複数の場合もある)のサイズ以下である場合に、これは、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)が第2のデバイスUE2の送信をサポートするために十分なものであることを意味する。
この場合には、第2のデバイスUE2は、ステップS25において、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を決定する。
この場合には、ステップS25において、第2のデバイスUE2は、そのデータパケットを送信し、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)に対応する第1のデバイスUE1の配分された無線リソースの第1のセットの専用部分を使用してその送信を行う。
換言すれば、第2のデバイスUE2が、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を決定したとき、第1のデバイス及び第2のデバイスは、ステップS25においてペアリングされ、第2のデバイスUE2の送信は、第1のデバイスUE1の制御シグナリング「アンブレラ(umbrella)」の下で行われる。
別の実施形態において、ステップS25において、第2のデバイスUE2は、共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用する意図があることを知らせるために、共有シグナリングメッセージSSMに応答して制御シグナリングを送出する。
そのような応答シグナリングは、第2のデバイスUE2が、NR V2Xにおいて物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)と呼ばれるフィードバックチャネルを介して送信することができる。
【0167】
第2のリソース共有プロセスは、ステップS25の前に、第2のデバイスUE2が、例えば、共有に利用可能なリソース要素に関連付けられた地理的ゾーンを取得するために、共有シグナリングメッセージSSMに含まれる地理的関連情報を評価することもできるステップも含むことができる。
例えば、第2のデバイスUE2が地理的ゾーンに位置していない場合には、第2のデバイスUE2は、ステップS23において第2のリソース共有プロセスを終了することができ、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素を利用しなくてもよい。
【0168】
第2のリソース共有プロセスは、ステップS25の前に、第2のデバイスUE2が、第1のデバイスUE1によって利用可能にされたリソース要素を利用しなければならない時間間隔についての表示を取得するために、共有シグナリングメッセージSSMに含まれる時間関連情報を評価することもできるステップも含むことができる。
第2のデバイスUE2は、例えば第2のデバイスUE2のレイテンシー要件に基づいてその送信を行なければならない持続時間を求めることもできる。
そのような持続時間は、リソースプールRP内の第2のデバイスUE2の選択送信ウィンドウSTWに対応することができる。
第2のデバイスUE2は、例えば、時間間隔及び持続時間が重なり合わない場合に、ステップS23において第2のリソース共有プロセスを終了することができ、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素を利用しなくてもよい。
【0169】
次に図6を参照する。
図6は、第1のデバイスUE1によって実行される第1のリソース共有プロセスのステップを示すフローチャートである。
図6は、図4に示す概略的なステップの詳細なフローチャートである。
【0170】
図4によって詳述したように、ステップS1において、リソースプールRPの輻輳レベルがリソース共有を必要とするか否かを評価し、ステップS2において、配分された無線リソースの第1のセットが共有に利用可能なリソース要素(複数の場合もある)を提供するか否かを評価した後、第1のデバイスUE1は、どの送信次元(すなわち領域)においてリソース要素(複数の場合もある)を共有することができるのかを判断する。
【0171】
リソースプールRPが時間及び周波数の送信次元において多重化されるとき、リソース要素は、ステップS20bにおいて、時間及び周波数の送信次元において第1のデバイスUE1によって共有される。
ステップS20bにおいて、第1のデバイスUE1は、少なくとも1つのリソース要素が共有に利用可能であることを示す表示を、例えば共有シグナリングメッセージSSMとして送出することができ、共有されるリソース要素(複数の場合もある)を区切って定義するそのようなリソース要素の正確な特性を詳細に示すことができる。
【0172】
一方、第1のデバイスUE1のハードウェア能力HW1、第1のデバイスUE1の送信制約及び/又はチャネル状態に応じて、第1のデバイスUE1は、多重化を使用して異なる偏波送信次元及び/又は空間送信次元において利用可能なリソース要素(複数の場合もある)を共有可能とすることができ、したがって、利用可能なスペクトルリソースを増加させることができる。
【0173】
ステップS41において、第1のデバイスUE1は、偏波多重化を行うことができるか否か、すなわち、特定の偏波においてリソース要素(複数の場合もある)を共有することができるか否かを判断することによって第1のリソース共有プロセスを進める。
そのために、第1のデバイスUE1のハードウェアHW1は、例えば、垂直V偏波面及び水平H偏波面に第1の偏波アンテナごとに個別の無線周波数チェーンを与える少なくとも2つの第1の偏波アンテナを含まなければならない。
したがって、そのようなハードウェアHW1によって、第1のデバイスUE1は、異なる偏波領域を分離することができ、例えば、垂直V偏波面及び水平H偏波面において無線リソースを独立に使用して同時送信を行うことができる。
【0174】
第1のデバイスUE1がステップS41において異なる偏波を分離することを可能にする第1のデバイスUE1のハードウェア能力HW1は、ステップS42において好適なチャネル状態を伴っていなければならない。
好適な状態は、ここでは、異なる偏波領域の間の直交性が許容可能レベルであると定義される。
2つの異なる偏波の直交性のレベルは、交差偏波比すなわちXPRと呼ばれる交差偏波放射レベルを用いて測定することができる。
ステップS42において、第1のデバイスUE1は、第1のデバイスUE1側及び第1のデバイスUE1の受信デバイス側において、例えば1秒等の既定の期間にわたって交差偏波放射レベルを物理的に測定することができる。
XPRのそのような測定は、特に第1のデバイスUE1が偏波分離用の特定のハードウェアHW1を備えるので可能である。
【0175】
異なる偏波領域の間の直交性の許容可能レベルは、交差偏波比閾値を超える交差偏波比のレベルを指す。
この閾値は、第1のデバイスUE1によって第1のメモリユニットに記憶することができる。
ステップS42において、第1のデバイスUE1による交差偏波比のレベルの測定値は、第1のデバイスUE1によって記憶された交差偏波比閾値と比較される。
ステップS42において、測定された交差偏波比のレベルが交差偏波比閾値を超えている場合には、異なる偏波の間の直交性のレベルは、異なる偏波の間の良好な分離、ひいてはその受信デバイスに向けた第1のデバイスUE1の送信の良好な品質を確保するのに十分であるとみなされる。
この場合に、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)は、ステップS20aにおいて、少なくとも偏波送信次元で共有される。
【0176】
一方、S41における第1のデバイスUE1のハードウェア能力についての状態及びステップS42におけるチャネル状態が再結合されない場合には、第1のデバイスUE1は、偏波送信次元においてリソース要素(複数の場合もある)を共有することができない。
偏波多重化のハードウェア能力HW1及び好適なチャネル状態は、したがって、偏波領域におけるリソース共有の1次基準である。
【0177】
ステップS5において、第1のデバイスUE1は、ビームフォーミングを用いて、すなわち、特定のビームを使用して特定の方向にリソースを共有することによって空間送信次元においてリソース要素(複数の場合もある)を共有することができるか否かを判断することによって、第1のリソース共有プロセスを進める。
そのために、第1のデバイスUE1のハードウェアHW1は、種々の空間方向に向けられたアンテナのアレイ(又はアンテナパネル)及び/又は指向性アンテナを少なくとも含まなければならない。
したがって、そのようなハードウェアHW1によって、第1のデバイスUE1は、空間領域において異なるビームを分離することができ、例えば、2つの異なる方向に無線リソースを使用し、2つの異なるビームを独立に使用して送信を行うことができる。
【0178】
第1のデバイスUE1は、ステップS5において、そのような特定のハードウェアHW1を備える場合には、ステップS20cにおいて、そのアンテナパネルの特定の識別されたビームを使用して、空間領域においてリソース要素(複数の場合もある)を共有することができる。
したがって、空間多重化のハードウェア能力HW1は、空間領域におけるリソース共有の1次基準である。
【0179】
特定の実施形態において、ステップS5において、ビーム間の高レベルの直交性を確保するために又は異なるビーム間のクロストーク干渉を回避するために、第1のデバイスUE1とその受信デバイスとの間のチャネル状態又は通信制約を第1のデバイスUE1が更に考慮してもよい。
第1のデバイスUE1の送信の性質は、空間多重化の制約にも適合可能であるはずである。
そのような測定は、ネットワークNW内のXPR又は見通し線に関係することがあり、第1のデバイスUE1によって取得することができる。
【0180】
次に図7を参照する。
図7は、共有シグナリングメッセージSSMを受信した後に、第2のデバイスUE2によって実行される第2のリソース共有プロセスのステップを表すフローチャートである。
図7は、図5に示す概略的なステップの詳細なフローチャートである。
【0181】
図5によって詳述したように、ステップS22において、リソースプールRPの輻輳レベルが、共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を必要とするか否かを評価した後、第2のデバイスUE2は、共有されるリソース要素を利用することができるか否かを共有シグナリングメッセージSSM内のその説明に基づいて決定することによって、第2のリソース共有プロセスを進める。
共有シグナリングメッセージSSMに含まれる2進数字は、共有されるリソース要素の正確な位置を詳細に示している。
その結果、受信された共有シグナリングメッセージSSMを復号化することによって、第2のデバイスUE2は、サイズ、リソースプールRP内の位置及び送信次元に関して、共有されるリソース要素の特性を特定することができる。
そのような特性に応じて、第2のデバイスUE2は、以下の異なるステップをトリガーする。
第2のデバイスUE2が、共有されるリソース要素が偏波領域において共有されることを特定した場合には、第2のリソース共有プロセスの分岐S220aのステップがトリガーされる。
第2のデバイスUE2が、共有されるリソース要素が時間領域及び周波数領域において共有されることを特定した場合には、第2のリソース共有プロセスの分岐S220bのステップがトリガーされる。
第2のデバイスUE2が、共有されるリソース要素が空間領域において共有されることを特定した場合には、第2のリソース共有プロセスの分岐S220cのステップがトリガーされる。
分岐S220a、220b及び220cは、排他的なものではなく、特に第1のデバイスUE1によるリソース共有がいくつかの異なる送信次元において行われる場合には、同時に又は連続的にトリガーされてもよい。
【0182】
分岐S220aにおいて、共有シグナリングメッセージSSMは、偏波送信次元において共有されるリソース要素を詳細に示す。
第2のデバイスUE2は、したがって、偏波送信次元において共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用するために、ステップS221において、ハードウェア能力HW2を保有するか否かを最初に判断しなければならない。
したがって、ステップS221において、第2のデバイスUE2が、共有シグナリングメッセージSSMに提案された偏波と同じ偏波において送信を行うことができるように、第2のデバイスUE2は、そのハードウェアHW2が、第2の偏波アンテナごとに個別の無線周波数チェーンを有する少なくとも2つの第2の偏波アンテナを含むか否かを判断する。
第2のデバイスUE2のハードウェア能力HW2が、個別の無線周波数チェーンを有するそのような第2の偏波アンテナを含む場合には、第2のデバイスUE2は、ステップS222において、第2のデバイスUE2側におけるチャネル状態及び第2のデバイスUE2の受信デバイス側におけるチャネル状態が偏波送信に好適なものであるか否かを判断する。
第2のデバイスUE2の受信デバイスとは、ここでは、(共有されるリソース要素を潜在的に使用して)第2のデバイスUE2の送信を受信するネットワークNWのデバイスを指す。
好適なチャネル状態は、第1のデバイスUE1の偏波多重化の好適なチャネル状態と同様に定義される。
【0183】
第1のデバイスUE1によって実行される第1のリソース共有プロセスのステップS42と同様の方法で、ステップS222において、第2のデバイスUE2は、第2のデバイスUE2側及びその受信デバイス側において交差偏波比(すなわちXPR)の測定値を取得し、その後、そのような測定されたXPRを第2のデバイスUE2の第2のメモリユニットに記憶された既定の交差偏波比閾値と比較する。
そのような既定の交差偏波比閾値は、ステップS42における第1のデバイスUE1によって記憶された既定の交差偏波比閾値と同じであってもよいし、異なってもよい。
ステップS222において、第2のデバイスUE2は、既定の交差偏波比閾値を超えるXPRの値を測定した場合には、ステップS222において、共有シグナリングメッセージSSMによって示される偏波領域においてその送信を行うことができると判断する。
一方、第2のデバイスUE2が、ステップ221において異なる偏波を分離することができる必要なハードウェアHW2を備えていない場合、又は、ステップS222において偏波送信の好適でないチャネル状態を測定した場合には(好適でないとは、ステップS22における測定されたXPRが、第2のデバイスUE2によって記憶された既定の交差偏波比閾値未満であることを意味する)、第1のデバイスUE1によって利用可能にされ、共有シグナリングメッセージSSMにおいて詳細に示されたリソース要素(複数の場合もある)を第2のデバイスUE2は利用することができない。
この場合には、第2のリソース共有プロセスは、ステップS23において停止され、第1のデバイスUE1と第2のデバイスUE2との間のリソース共有は、第2のデバイスUE2のハードウェア能力HW2の欠如又は第2のデバイス(又はその受信デバイス)側における偏波送信の好適なチャネル状態の欠如に起因して行われない。
偏波多重化のハードウェア能力HW2及び好適なチャネル状態は、したがって、偏波領域におけるリソース共有の2次基準である。
【0184】
分岐S220cにおいて、共有シグナリングメッセージSSMは、空間送信次元において共有されるリソース要素(複数の場合もある)を詳細に示す。
共有シグナリングメッセージSSMを復号化することによって、第2のデバイスUE2は、共有されるリソース要素の方向(又はビーム)も特定する。
第2のデバイスUE2は、したがって、ステップS223において、空間送信次元において共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用するためのハードウェア能力HW2を保有するか否か、より詳細には、共有されるリソース要素(複数の場合もある)の方向と同じ方向にビームフォーミングを行うことができるか否かを判断しなければならない。
ステップS223において、第2のデバイスUE2は、したがって、そのハードウェアHW2が、共有されるリソース要素(複数の場合もある)の空間方向を含む種々の空間方向に向けられたアンテナのアレイ(又はアンテナパネル)及び/又は指向性アンテナを少なくとも含むか否かを判断する。
【0185】
ステップS223において、第2のデバイスUE2がそのような特定のハードウェアHW2を備える場合には、第2のデバイスUE2は、ステップS223において、そのアンテナパネルの特定の識別されたビームを使用して空間領域において共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用するためのハードウェア能力HW2を有すると判断する。
一方、第2のデバイスUE2のハードウェアHW2が、第2のデバイスUE2が必要とされる方向にビームフォーミングを行うことを可能にしない場合には、第1のデバイスUE1によって利用可能にされ、共有シグナリングメッセージSSMにおいて詳細に示されたリソース要素(複数の場合もある)を第2のデバイスUE2は利用することができない。
この場合には、第2のリソース共有プロセスは、ステップS23において停止され、第1のデバイスUE1と第2のデバイスUE2との間のリソース共有は、第2のデバイスUE2のハードウェア能力HW2の欠如に起因して行われない。
共有されるリソース要素の方向と同じ方向における空間多重化のハードウェア能力HW2は、したがって、空間領域におけるリソース共有の2次基準である。
【0186】
分岐S220bにおいて、第1のデバイスUE1によって利用可能にされたリソース要素(複数の場合もある)は、「基本」リソースプールRPにおいて共有される。
基本とは、空間多重化及び/又は偏波多重化を有しないリソースプールRPを指す。
この場合には、リソース共有は、特定の偏波ハードウェア能力及び/又はビームフォーミングハードウェア能力も特定のチャネル状態も必要としない。
【0187】
第2のデバイスUE2が共有されるリソース要素を利用するための共通の2次基準は、ステップS24において、共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズが、第2のデバイスUE2によってそれ自身の送信用に必要とされる無線リソース要素(複数の場合もある)の量以上、すなわち第2のリソース使用量以上であることである。
共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズに関するそのような2次基準は、図5のステップS24の説明に詳述されている。
実際、分岐S220aにおいて、ハードウェア能力HW2及び好適なチャネル状態の2次基準が満たされている場合には、第2のリソース共有プロセスはステップS24に進み、このステップにおいて、第2のデバイスUE2は、偏波送信次元において共有されるリソース要素(複数の場合もある)が第2のデバイスUE2の送信をカバーするのに十分であるか否かを判断する。
同様に、分岐S220cにおいて、ハードウェア能力HW2の2次基準が満たされている場合には、第2のリソース共有プロセスはステップS24に進み、このステップにおいて、第2のデバイスUE2は、空間送信次元において共有されるリソース要素(複数の場合もある)が第2のデバイスUE2の送信をカバーするのに十分であるか否かを判断する。
分岐S220bの場合には、共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズが第2のリソース使用量を上回っていることが、考慮される唯一の2次基準である。
【0188】
そのような2次基準が、ステップS24において満たされている場合には、第2のデバイスUE2は、ステップS25において、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を決定する。
そのようなリソース共有の詳細は、図5の説明に示されている。
一方、ステップS24において、共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズが、第2のデバイスUE2がそれ自身の送信に必要とする無線リソース要素(複数の場合もある)の量未満である場合には、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用しないことを決定し、ステップS23において第2のリソース共有プロセスを終了する。
【0189】
次に図8図9及び図10を参照する。
図8図9及び図10は、本発明の可能な実施形態による、それぞれ偏波送信次元、空間送信次元及び時間周波数送信次元におけるリソース共有を表している。
そのようなリソース共有シグナリングは、3つの別々の図に表されているが、他の実施形態において、リソース共有は、いくつかの送信次元において一時に行うことができる。
リソース共有は、無線通信ネットワークNWの第1のデバイスUE1と第2のデバイスUE2との間で行われる。
【0190】
図8を参照すると、第1のデバイスUE1は、図4及び図6の説明で詳述したような第1のリソース共有プロセスを実行した後に、偏波送信次元において、より正確には水平偏波面においてリソース要素を共有することができると判断する。
そのような実施形態において、これは、
リソースプールRPが、第1のデバイスUE1によって輻輳しているとみなされ、
第1のデバイスUE1が、第1の偏波アンテナごとの無線周波数チェーンを有する少なくともデュアルの第1の偏波アンテナを含む特定のハードウェアHW1を備え、デュアルの第1の偏波アンテナは、それぞれ垂直偏波面及び水平偏波面における送信を可能にし、
第1のデバイスUE1側及び第1のデバイスUE1の受信デバイス側におけるチャネル状態が、それらのチャネル状態が偏波送信に好適であることを意味する、高レベルの(すなわち、既定の閾値を超える)交差偏波比を反映し、
偏波面のうちの少なくとも一方(ここでは水平H偏波面)が、第1のデバイスUE1によってそれ自身の送信に使用されず、したがって、第1のデバイスによる共有に利用可能である、
ことを意味する。
【0191】
この場合には、垂直偏波面において第1のデバイスUE1の初期送信TR1を行っている間、第1のデバイスUE1は、リソース要素が偏波送信次元において共有に利用可能であることをシグナリングするために、共有シグナリングメッセージSSMを追加して、その初期送信TR1のPSSCH部分に埋め込む。
そのようなリソース要素は、水平偏波面において正確に共有される。
【0192】
第1のデバイスUE1のPSCCH部分に埋め込まれるサイドリンク制御情報(SCI)は、リソース共有機能を用いて可能であるか否かを問わず、既存のNR V2Xの自律的リソース配分手順に従って、SCIがネットワークNWの他の全てのデバイスによって復号化可能であるように、リソース共有プロセス全体を通して不変であり、共有されるリソース要素と重なり合わず、したがって既存のシグナリング手順との後方互換性を保証する。
【0193】
共有シグナリングメッセージSSMは、第1のデバイスUE1によってその送信範囲内で開始することができ、及び/又は、そのような送信範囲内の他の任意のデバイスがこの共有シグナリングメッセージSSMを受信することができるようにブロードキャストすることができる。
【0194】
図8を参照すると、無線通信ネットワークNWの第2のデバイスUE2が、第1のデバイスUE1によってその初期送信TR1を通じて送出された共有シグナリングメッセージSSMを受信するとみなされ、第2のデバイスUE2は、図5及び図7の説明で詳述したような第2のリソース共有プロセスを実行した後、偏波送信次元において、より正確には水平偏波面において第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素を利用することを決定する。
そのような実施形態において、これは、
リソースプールRPが、第2のデバイスUE2によって輻輳しているとみなされ、
第2のデバイスUE2が、第2の偏波アンテナごとの無線周波数チェーンを有する少なくともデュアルの第2の偏波アンテナを含む特定のハードウェアHW2を備え、デュアルの第2の偏波アンテナのうちの一方は、水平偏波面における送信を可能にし、
第2のデバイスUE2側及び第2のデバイスUE2の受信デバイス側におけるチャネル状態が、それらのチャネル状態が偏波送信に好適であることを意味する、高レベルの(すなわち、既定の閾値を超える)交差偏波比を反映し、
水平偏波面において第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズが、第2のデバイスUE2のデータ及び制御送信Data2に十分である、
ことを意味する。
【0195】
この場合には、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を決定する。
その結果、第1のデバイスUE1の第2の送信TR2が垂直V偏波面において行われるとき、第2のデバイスUE2の初期送信TR1は、第1のデバイスUE1によって利用可能にされた専用のリソース要素(複数の場合もある)を使用して水平H偏波面において並列に行われる。
特に、第1のデバイスUE1のSCIを含むPSCCH部分は、水平H偏波面を含む全ての送信次元(ここでは、周波数、時間及び偏波)において第2のデバイスUE2によって不変のままとされる。
第1のデバイスUE1のPSCCHのこの不変部分は、図8においてストライプ付きのゾーンとして表されている。
図8に示す特定の実施形態において、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を決定すると、共有されるリソース要素(複数の場合もある)を第2のデバイスUE2が利用する意図があることを他のデバイス(第1のデバイスUE1を含む)に知らせるために、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)を通じて応答制御シグナリングを送出することができる。
そのような応答制御シグナリングは、第2のデバイスUE2の初期送信TR1の前に行われる。
【0196】
図9を参照すると、第1のデバイスUE1は、図4及び図6の説明で詳述したような第1のリソース共有プロセスを実行した後に、空間送信次元において、より正確にはビームB2を使用して特定の方向においてリソース要素を共有することができると判断する。
そのような実施形態において、これは、
リソースプールRPが、第1のデバイスUE1によって輻輳しているとみなされ、
第1のデバイスUE1が、少なくとも指向性アンテナの第1のアレイを含む特定のハードウェアHW1を備え、そのようなアンテナの第1のアレイは、ビームB1及びB2をそれぞれ使用して2つの異なる方向に送信を可能にする少なくとも2つの異なるビームを含み、
これらの方向のうちの少なくとも一方(ここでは、ビームB2を使用する方向)が、第1のデバイスUE1によってそれ自身の送信に使用されず、したがって、第1のデバイスによる共有に利用可能であり、
特定の実施形態において、第1のデバイスUE1側及び第1のデバイスUE1の受信デバイス側におけるチャネル状態が、ビームB1とB2との間に高レベルの直交性が存在するように、見通し線支配環境を反映し、これによって、ビームフォーミングの最適化されたチャネル状態が可能になる、
ことを意味する。
【0197】
この場合には、ビームB1を使用して第1のデバイスUE1の初期送信TR1を行っている間、第1のデバイスUE1は、リソース要素が空間送信次元において共有に利用可能であることをシグナリングするために、共有シグナリングメッセージSSMを追加し、その初期送信TR1のPSSCH部分に埋め込む。
そのようなリソース要素は、ビームB2と正確に共有される。
そのような共有シグナリングメッセージSSMは、その後、第1のデバイスUE1によって全ての方向Bxにブロードキャストされる。
【0198】
第1のデバイスUE1のPSCCH部分に埋め込まれたサイドリンク制御情報(SCI)及び第1のデバイスUE1のPSSCH部分に埋め込まれたSSMは、全ての空間方向Bxに送出される。
特に、第1のデバイスUE1のPSCCH部分に埋め込まれるサイドリンク制御情報(SCI)は、リソース共有機能を用いて可能であるか否かを問わず、既存のNR V2Xの自律的リソース配分手順に従って、SCIがネットワークNWの他の全てのデバイスによって復号化可能であるように、リソース共有プロセス全体を通して不変であり、共有されるリソース要素と重なり合わず、したがって既存のシグナリング手順との後方互換性を保証する。
【0199】
図9を参照すると、無線通信ネットワークNWの第2のデバイスUE2が、第1のデバイスUE1によってその初期送信TR1を通じて送出された共有シグナリングメッセージSSMを受信するとみなされ、第2のデバイスUE2は、図5及び図7の説明で詳述したような第2のリソース共有プロセスを実行した後、空間送信次元において、より正確にはビームB2の方向において第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用することを決定する。
そのような実施形態において、これは、
リソースプールRPが、第2のデバイスUE2によって輻輳しているとみなされ、
第2のデバイスUE2が、少なくとも指向性アンテナの第2のアレイを含む特定のハードウェアHW2を備え、そのような第2のアンテナのアレイが、少なくともビームB2と同じ方向における送信のビームを含み、
ビームB2を使用して第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)のサイズが、第2のデバイスUE2のデータ及び制御送信Data2に十分なものであり、
特定の実施形態において、第2のデバイスUE2側及び第2のデバイスUE2の受信デバイス側におけるチャネル状態が、ビームB2と同じ方向を有するビームを含む第2のデバイスUE2のビームの間に高レベルの直交性が存在するように、見通し線支配環境を反映し、これによって、第2のデバイスUE2によって開始されるビームフォーミングの最適化されたチャネル状態が可能になる、
ことを意味する。
【0200】
この場合には、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を決定する。
その結果、第1のデバイスUE1の第2の送信TR2がビームB1の方向において行われるとき、第2のデバイスUE2の初期送信TR1は、第1のデバイスUE1によって利用可能にされた専用のリソース要素(複数の場合もある)を使用してビームB2の方向において並列に行われる。
特に、第1のデバイスUE1のSCIを含むPSCCH部分は、ビームB2の方向を含む全ての送信次元(ここでは、周波数、時間及び空間)において第2のデバイスUE2によって不変のままとされる。
第1のデバイスUE1のPSCCHのこの不変部分は、図9においてストライプ付きのゾーンとして表されている。
図9に示す特定の実施形態において、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素の利用を決定すると、共有されるリソース要素を第2のデバイスUE2が利用する意図があることを他のデバイス(第1のデバイスUE1を含む)に知らせるために、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)を通じて応答制御シグナリングを送出することができる。
そのような応答制御シグナリングは、全ての方向(ビームB1及びB2の方向を含む)における第2のデバイスUE2の初期送信TR1の前に行われる。
【0201】
図10を参照すると、第1のデバイスUE1は、図4及び図6の説明で詳述したような第1のリソース共有プロセスを実行した後に、時間周波数送信次元においてリソース要素を共有することができると判断する。
そのような実施形態において、これは、
リソースプールRPが、第1のデバイスUE1によって輻輳しているとみなされ、
第1のデバイスUE1に配分されたスロットの所与の数のOFDMシンボル及び第1のデバイスUE1に配分された所与の数のリソースブロックが、第1のデバイスUE1によってそれ自身の送信に使用されず、したがって、第1のデバイスによる共有に利用可能なリソース要素(複数の場合もある)を形成する、
ことを意味する。
そのような利用可能な空いたリソース要素(複数の場合もある)は、図10においてFREE REとして表されている。
【0202】
この場合には、第1のデバイスUE1は、それ自身の送信に必要とされる量のOFDMシンボル及びリソースブロック(定義によれば、共有されるリソース要素(複数の場合もある)を形成する所与の数のOFDMシンボル及び所与の数のリソースブロックを含まない)を使用して第1のデバイスUE1の初期送信TR1を行っている間、リソース要素(複数の場合もある)が時間周波数送信次元において共有に利用可能であることをシグナリングするために、共有シグナリングメッセージSSMを追加して、その初期送信TR1のPSSCH部分に埋め込む。
そのようなリソース要素(複数の場合もある)は、所与の数のOFDMシンボル及び所与の数のリソースブロックを介して正確に共有される。
【0203】
第1のデバイスUE1のPSCCH部分に埋め込まれるサイドリンク制御情報(SCI)は、リソース共有機能を用いて可能であるか否かを問わず、既存のNR V2Xの自律的リソース配分手順に従って、SCIがネットワークNWの他の全てのデバイスによって復号化可能であるように、リソース共有プロセス全体を通して不変であり、共有されるリソース要素と重なり合わず、したがって既存のシグナリング手順との後方互換性を保証する。
【0204】
図10を参照すると、無線通信ネットワークNWの第2のデバイスUE2が、第1のデバイスUE1によってその初期送信TR1を通じて送出された共有シグナリングメッセージSSMを受信するとみなされ、第2のデバイスUE2は、図5及び図7の説明で詳述したような第2のリソース共有プロセスを実行した後、時間周波数送信次元において第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用することを決定する。
そのような実施形態において、これは、
リソースプールRPが、第2のデバイスUE2によって輻輳しているとみなされ、
第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)(すなわち、所与の数のOFDMシンボル及び所与の数のリソースブロック)のサイズが、第2のデバイスUE2のデータ及び制御送信Data2に十分なものである、
ことを意味する。
【0205】
この場合には、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)を利用することを決定する。
その結果、第1のデバイスUE1の第2の送信TR2が時間領域及び周波数領域を介して行われるとき、第2のデバイスUE2の初期送信TR1は、第1のデバイスUE1によって利用可能にされた専用のリソース要素(複数の場合もある)を使用して(すなわち、所与の数のOFDMシンボル及び所与の数のリソースブロックRBを使用して)並列に行われる。
特に、第1のデバイスUE1のSCIを含むPSCCH部分は、第2のデバイスUE2によって不変のままとされる。
図10に示す特定の実施形態において、第2のデバイスUE2は、第1のデバイスUE1によって共有されるリソース要素(複数の場合もある)の利用を決定すると、共有されるリソース要素(複数の場合もある)を第2のデバイスUE2が利用する意図があることを他のデバイス(第1のデバイスUE1を含む)に知らせるために、物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH)を通じて応答制御シグナリングを送出することができる。
そのような応答制御シグナリングは、第2のデバイスUE2の初期送信TR1の前に行われる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11