(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-05
(45)【発行日】2024-09-13
(54)【発明の名称】模型玩具、及び模型部品
(51)【国際特許分類】
A63H 3/36 20060101AFI20240906BHJP
【FI】
A63H3/36 C
(21)【出願番号】P 2024041473
(22)【出願日】2024-03-15
【審査請求日】2024-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山上 篤史
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 由輔
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112717430(CN,A)
【文献】特開2010-183946(JP,A)
【文献】特開2007-014693(JP,A)
【文献】特開2005-176987(JP,A)
【文献】特開2003-311026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00 - 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具であって、
開口部を有する第1パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出し、前記第2パーツを前記第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備え、
前記第1パーツ及び前記第3パーツは、前記第2パーツを取り外して組み付け可能であることを特徴とする模型玩具。
【請求項2】
前記第3パーツは、前記第2パーツの有無に関わらず前記第1パーツへ組み付けた際の位置が変化しないことを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項3】
前記第3パーツは、前記第1パーツに対して所定の隙間を有して組み付けられ、
前記第2パーツは、前記所定の隙間に嵌まるように成形されることを特徴とする請求項2に記載の模型玩具。
【請求項4】
前記第1パーツは、前記第2パーツ及び前記第3パーツを組み付けた際に前記第2パーツに形成された開口部
を貫通する突起部を有し、該開口部を貫通した突起部が前記第3パーツに嵌合す
ることを特徴とする請求項2に記載の模型玩具。
【請求項5】
前記第1パーツ、前記第2パーツ、及び前記第3パーツはセットで交換可能なパーツであり、
前記第1パーツはパーツごとに前記開口部のサイズが異なり、
前記第2パーツは対応する前記第1パーツの前記開口部のサイズに合わせて該開口部から露出する領域が調整されたパーツであることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具。
【請求項6】
前記第2パーツは、対応する前記第1パーツの前記開口部のサイズに合わせて該開口部から露出する前記一部の所定方向の長さが前記セットごとに変化しないように調整されることを特徴とする請求項5に記載の模型玩具。
【請求項7】
前記第2パーツ及び前記第3パーツは、前記セットごとに、前記第2パーツ及び前記第3パーツを組み付けるための嵌合部の位置が異なることを特徴とする請求項5に記載の模型玩具。
【請求項8】
前記第1パーツは顔パーツであって、前記開口部が口に対応し、
前記第2パーツは歯パーツであり、
前記第3パーツは口腔パーツであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の模型玩具。
【請求項9】
前記歯パーツは上下の歯の少なくとも一方を形成することを特徴とする請求項8に記載の模型玩具。
【請求項10】
前記歯パーツは、少なくとも前記開口部から露出する領域の形状が異なる他の歯パーツと交換可能であることを特徴とする請求項8に記載の模型玩具。
【請求項11】
模型部品であって、
開口部を有する第1パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出し、前記第2パーツを前記第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備え、
前記第1パーツ及び前記第3パーツは、前記第2パーツを取り外して組み付け可能であることを特徴とする模型部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具、及び模型部品に関する。
【背景技術】
【0002】
人形玩具(模型玩具)には、その外観を変更するためにオプションパーツを有するものがある。特許文献1には、顔画像を形成したお面部材を、立体人形の顔部分に脱着・交換可能とした顔面変換型の立体人形が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術ではお面部材に顔画像が形成されている。しかし、模型玩具における顔の表情などにおいて、より自然な印象を与えるためには、顔に含まれるパーツ、例えば目や口などのパーツも立体的に形成されることが望ましい。その場合においても表情を構成する顔パーツを変換可能であればユーザの嗜好等に合わせて変更することができる。
【0005】
本発明は、例えば模型玩具において、表情を変更可能な顔パーツの新規な構造を実現する仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、模型玩具であって、開口部を有する第1パーツと、前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツと、前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出し、前記第2パーツを前記第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備え、前記第1パーツ及び前記第3パーツは、前記第2パーツを取り外して組み付け可能であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、例えば、模型部品であって、開口部を有する第1パーツと、前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツと、前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出し、前記第2パーツを前記第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備え、前記第1パーツ及び前記第3パーツは、前記第2パーツを取り外して組み付け可能であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、例えば、模型部品であって、開口部を有する第1パーツと、前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツとを備え、前記第1パーツ及び前記第2パーツはセットで交換可能なパーツであり、
前記第1パーツはパーツごとに前記開口部のサイズが異なり、前記第2パーツは対応する前記第1パーツの前記開口部のサイズに合わせて該開口部から露出する領域が調整されたパーツであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表情を変更可能な顔パーツの新規な構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る模型玩具の(a)外観正面、及び(b)外観側面を示す図。
【
図2】一実施形態に係る模型玩具の(a)外観正面、及び(b)頭部の分解斜視図。
【
図3】一実施形態に係る模型玩具のフェイス部分の分解斜視図。
【
図4】一実施形態に係る模型玩具の口腔パーツ及び歯パーツを示す図。
【
図5】一実施形態に係る異なる2つのフェイス正面を示す図。
【
図7】一実施形態に係るフェイスの組み付け手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
<第1の実施形態>
<模型玩具の外観>
以下では本発明の第1の実施形態について説明する。まず、
図1を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の外観構成の一例について説明する。
図1(a)は模型玩具100の外観正面を示す。
図1(b)は模型玩具100の外観側面を示す。なお、x,y,zの矢印はそれぞれ模型玩具における上、左、前方向の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0013】
模型玩具(人形体)100は、頭部101、胸部102、腕部103a、103b、腹部104、服飾部105、及び脚部106a、106bを備える。模型玩具100は、可動フィギアなどの可動式の模型玩具であり、各パーツは他の部材との関係で生じる制限領域の範囲内で可動させることができる。頭部101は胸部102に球形状の連結部材によって連結される(以下では、ボールジョイントとも称する。)。胸部102には、さらに右腕部103a及び左腕部103bを含む腕部103が球形状の連結部材で連結され、下部において腹部104が連結される。胸部の詳細な構成については後述する。腹部104には服飾部105が連結される。また、腹部104の下部には右脚部106a及び左脚部106bを含む脚部が連結される。
【0014】
本実施形態によれば、頭部101の顔部(フェイス)は、脱着可能であり、複数のセットパーツを切り替えて取り付けることができる。これにより、多様な表情のフェイスを実現することができる。複数のセットパーツには、顔パーツ(フェイスパーツ)と、顔パーツにそれぞれ組み付けられる眼パーツ、口パーツ、鼻パーツなどを含んでもよい。本実施形態では、セットパーツごとに、対応する各パーツを変更することでより自然な印象の表情を形成することができる。しかし、本発明を限定するものではなく、セット間又はセット内で一部のパーツのみ(例えば、歯パーツなど)を変更するようにしてもよい。以下では、一例として、顔パーツと口パーツとを含むセットパーツを例に説明する。
【0015】
<頭部の構成>
図2を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の頭部101の詳細構成ついて説明する。
図2(a)は
図1(a)と同様に外観正面を示す。
図2(b)は頭部101を構成する複数のパーツの分解斜視図を示す。
図2(a)は
図1(a)と同様の図であるため説明を省略する。
【0016】
図2(b)に示すように、頭部101は、パーツ201~211で構成され、パーツ208を介して回動可能に胸部102に連結される。パーツ201は、第1パーツに対応し、模型玩具100の顔パーツとなる。パーツ202は、第2パーツに対応し、口パーツの一部を構成する歯パーツであり、パーツ201の裏面側に組み付けられる。パーツ203は、第3パーツに対応し、口パーツの一部を構成する口腔パーツであり、パーツ201の裏面側にパーツ202を挟み込んで組み付けられる。
【0017】
パーツ204は、頭部101の基部パーツであり、顔パーツ、髪パーツ及び後頭部パーツが組み付けられる。パーツ204の前方にはパーツ201~203で構成された顔部が組み付けられる。さらに、それらのパーツ群に対して前方から前髪を構成するパーツ209、210が組み付けられ、パーツ211が上部から嵌め込まれる。パーツ204の左右からはそれぞれ髪パーツを構成するパーツ205、206が組み付けられ、後頭部として後部からパーツ207が組み付けられる。また、パーツ204には、下部からパーツ208の球形状の連結部が回動可能に連結される。さらにパーツ208は胸部102の一部のパーツに回動可能に連結される。
【0018】
<顔部の構成>
図3を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の顔部の詳細構成について説明する。
図3は顔部のパーツ201~203の分解斜視図を示し、
図3(a)は前方からの斜視図であり、
図3(b)は後方からの斜視図である。
【0019】
図3(a)に示すように、顔パーツであるパーツ201の裏側方向から、歯パーツであるパーツ202と口腔パーツであるパーツ203が組み付けられるパーツ201には口に対応する開口部301が形成されている。その後部に対してパーツ202、203がそれぞれ組み付けられ、模型玩具100の口腔内を形成する。パーツ202には開口部301から露出する歯の部分311が設けられており、開口部301から先端が露出するようにその長さが調整されている。また、パーツ203の下部は口腔内の歯以外の部分を形成している。したがって、部分311は顔パーツに形成された開口部のサイズに依存するものであり、そのため顔パーツとセットで成形されることが望ましい。
【0020】
図3(b)に示すように、パーツ201の裏面には、パーツ202、203を連結するための連結部302が形成される。連結部302は例えば矩形の形状で形成され、その形状に合わせて形成されたパーツ202の連結部312と、パーツ203の連結部321とが嵌め込まれて連結される。より詳細には、連結部312、321は、それぞれ連結部302の矩形形状の囲みの内壁の一部に当接するように形成されており、連結部312、321においてそれぞれの当接部分が異なるように形成されている。従って、パーツ202、203はパーツ201に対して同時に嵌め込むことができる。また、パーツ203は、パーツ202を覆うように組み付けられるが、パーツ202を取り外した状態であってもパーツ201へ組み付けることができる。つまり、本実施形態によれば、歯パーツであるパーツ202の有無を切り替えることができる。歯パーツにより模型玩具100の印象は変化するため、ユーザは嗜好に合わせて歯パーツの有無を変更することができる。なお、パーツ202とパーツ203との組み付けについては
図4を用いて後述する。
【0021】
<口部のセット構成>
図4を参照して、本実施形態に係る口部のセットパーツの構成について説明する。
図4(a)、(b)はパーツ203の表面を示す。
図4(c)、(d)はパーツ202の裏面を示す。また、
図4(a)及び
図4(c)がセットパーツであり、参照符号の末尾に”a”を付す。
図4(b)及び
図4(d)がセットパーツであり、参照符号の末尾に”b”を付す。
【0022】
パーツ203a、203bの相違は、それぞれに設けられた凹部401、403と、口腔部を形成する部分402、404とである。部分402、404は、開口部301から露出する口腔内の歯パーツ以外の部分を形成するものであり、歯パーツであるパーツ202に合わせて多少形状が異なるものである。このように、本実施形態によれば、パーツ201~203はそれぞれセットごとに異なるパーツとして成形される。しかし、パーツは比較的小さなパーツであるため、組立者にとっては何れのパーツがセットを形成しているかを一見して認識することが難しい。そこで、本実施形態では、例えばパーツ202、203の嵌合部の位置を異ならしめることにより、その違いを容易に認識しやすいようにしている。
【0023】
例えば、上述したように、パーツ203a、203bにそれぞれ設けられた凹部401、403は左右反対に設けられている。これに対応して、パーツ202a、202bにはそれぞれ凹部401、403に嵌合する凸部413、415が左右反対に設けられている。したがって、セットごとに正しいパーツを組み合わせなければパーツ202、パーツ203を正しく組み付けることができない。これにより、誤ったパーツの組み付けを防止することができる。
【0024】
また、パーツ202a、202bにはそれぞれ口腔内に形成される歯に対応する部分414、416が異なるサイズで形成される。ここでは開口部301の大きさに合わせてそのサイズが調整されている。当該サイズ調整の詳細については
図5を用いて後述する。
【0025】
<顔パーツのセット内容>
図5を参照して、本実施形態に係る顔パーツのセット内容について説明する。
図5(a)及び
図5(b)は、パーツ201~203を組み付けた際のセットごとの外観正面を示す。
【0026】
図5(a)に示すパーツ201aは、開口部301aを有する。開口部301aからパーツ202aの歯に対応する部分414が露出する。さらに、開口部301aからパーツ203aの口腔部を形成する部分402も露出している。なお、パーツ201aにおける開口部301aの垂直方向の長さを511の矢印で示している。
【0027】
一方、
図5(b)に示すパーツ201bは、開口部301bを有する。開口部301bは512の矢印で示すように、開口部301aの垂直方向の長さよりも長いサイズで形成される。開口部301bからパーツ202bの歯に対応する部分416が露出する。さらに、開口部301bからパーツ203bの口腔部を形成する部分404も露出している。
【0028】
ここで、パーツ201a、201bは開口部301a、301bにおける垂直方向の長さが異なるにも関わらず、それぞれの開口部301a、301bから露出する歯に対応する部分414、416は同様の長さや、範囲となっていることが分かる。これは、セットごとに開口部301のサイズに合わせて歯に対応するパーツ202の部分も調整して形成しているためである。一方で、上述のような調整を行わず、パーツ202を共通パーツとすると、開口部301の大きさに応じて、歯に対応する部分の露出具合が異なってしまい不自然な印象を与えてしまう。本実施形態によれば、そのような不自然な印象を与えないために、開口部のサイズに合わせて開口部から露出する一部(歯の部分)の所定方向の長さがセットごとに変化しないように調整して形成する。これにより、不自然な印象を与えることなく表情を変更することができる。
【0029】
本実施形態では、口腔内の上部に形成された歯のパーツを開口部の大きさに関わらず、一定の部分が露出するように調整することについて説明した。しかし、本発明は歯のパーツの形態を限定する意図はない。本実施形態では、上の歯のみを有する構成について説明したが、上下の歯を有する構成としてもよい。また、歯のパーツ自体を多様に変化させてもよい。例えば、ユーザーが外部から視認可能に露出する部分の形状を八重歯や欠け歯、抜け歯、ギザ歯などにしたセットパーツを提供するようにしてもよい。或いは、本発明においては、1つのセットパーツにおいて、開口部から露出する領域の形状が異なる複数の歯パーツを含めてもよい。つまり、本発明によれば、セットごとに歯パーツを変更するのではなく、他のパーツを共通パーツとし、歯パーツ等の所定のパーツのみを変更可能とする形態としてもよい。
【0030】
<歯パーツの有無>
図6及び
図7を参照して、本実施形態に係る歯パーツの有無について説明する。
図6(a)及び
図6(b)はパーツ201~203を組み付けた際の側断面を示す。
【0031】
図6(a)はパーツ201、202、203を組み付けた様子を示す。一方、
図6(b)はパーツ202を取り外して、パーツ201、203を組み付けた様子を示す。ここで、
図6(a)及び
図6(b)を比較すると、パーツ202の有無に応じて、パーツ203の組み付け位置が変化していないことが分かる。
図6(b)に示すように、パーツ203はパーツ202が組み付けられるための所定の隙間を有してパーツ201に対して組み付けられる。したがって、パーツ202は、上記所定の隙間に嵌まるように成形される。これは、歯の有無に応じて口腔パーツの位置が変化することにより不自然な印象を与えることを回避するためである。詳細な組み付け構成について
図7を用いて説明する。
【0032】
図7は本実施形態に係る歯パーツを含むパーツ201~203の組み付け手順を示す。
図7(a)はパーツ201~203の後方からの分解斜視図を示す。パーツ201の連結部302の内部には突起部701が形成される。突起部701は、パーツ202に形成された開口部702に嵌め込まれる。
【0033】
図7(b)はパーツ201に対してパーツ202のみを組み付けた場合の様子を示す。
図7(b)に示されるように、パーツ202の開口部702を通じて突起部701が突き出している様子がわかる。このように、突起部701はパーツ202が組み付けられた場合であってもパーツ202を超えて後側に突き出す。突起部701の突き出た部分は、パーツ203に設けられた開口部703にさらに嵌め込まれる。これにより、パーツ203はパーツ202の有無に関わらずパーツ201に対して組み付けることができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る模型玩具は、開口部を有する第1パーツと、第1パーツの裏面側に組み付けられ、開口部から一部が露出する第2パーツと、第1パーツの裏面側に組み付けられ、開口部から一部が露出し、第2パーツを第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備える。また、第1パーツ及び第3パーツは、第2パーツを取り外して組み付け可能である。これにより、本実施形態によれば、表情を変更可能な顔パーツの新規な構造を実現することができる。
【0035】
<変形例>
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。上記実施形態では可動構造を肩関節に適用する例について説明したが、本発明を限定する意図はなく他の部位に利用してもよい。例えば、模型玩具として模型玩具の例を説明したが、模型玩具(人形体)の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜、仮想生命体等、様々な形状を含むものである。また、可動部を含む形態であれば、模型玩具の形状は特に限定されるものではない。
【0036】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の模型玩具、及び模型部品を少なくとも開示する。
(1)
模型玩具であって、
開口部を有する第1パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出し、前記第2パーツを前記第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備え、
前記第1パーツ及び前記第3パーツは、前記第2パーツを取り外して組み付け可能であることを特徴とする模型玩具。
(2)
前記第3パーツは、前記第2パーツの有無に関わらず前記第1パーツへ組み付けた際の位置が変化しないことを特徴とする(1)に記載の模型玩具。
(3)
前記第3パーツは、前記第1パーツに対して所定の隙間を有して組み付けられ、
前記第2パーツは、前記所定の隙間に嵌まるように成形されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の模型玩具。
(4)
前記第1パーツは、前記第2パーツ及び前記第3パーツを組み付けた際に前記第2パーツに形成された開口部を利用して前記第3パーツに嵌合する突起部を有することを特徴とする(1)乃至(3)の何れか1つに記載の模型玩具。
(5)
前記第1パーツ、前記第2パーツ、及び前記第3パーツはセットで交換可能なパーツであり、
前記第1パーツはパーツごとに前記開口部のサイズが異なり、
前記第2パーツは対応する前記第1パーツの前記開口部のサイズに合わせて該開口部から露出する領域が調整されたパーツであることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1つに記載の模型玩具。
(6)
前記第2パーツは、対応する前記第1パーツの前記開口部のサイズに合わせて該開口部から露出する前記一部の所定方向の長さが前記セットごとに変化しないように調整されることを特徴とする(5)に記載の模型玩具。
(7)
前記第2パーツ及び前記第3パーツは、前記セットごとに、前記第2パーツ及び前記第3パーツを組み付けるための嵌合部の位置が異なることを特徴とする(5)又は(6)に記載の模型玩具。
(8)
前記第1パーツは顔パーツであって、前記開口部が口に対応し、
前記第2パーツは歯パーツであり、
前記第3パーツは口腔パーツであることを特徴とする(1)乃至(7)の何れか1つに記載の模型玩具。
(9)
前記歯パーツは上下の歯の少なくとも一方を形成することを特徴とする(8)に記載の模型玩具。
(10)
前記歯パーツは、少なくとも前記開口部から露出する領域の形状が異なる他の歯パーツと交換可能であることを特徴とする(8)に記載の模型玩具。
(11)
模型部品であって、
開口部を有する第1パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出し、前記第2パーツを前記第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備え、
前記第1パーツ及び前記第3パーツは、前記第2パーツを取り外して組み付け可能であることを特徴とする模型部品。
(12)
模型部品であって、
開口部を有する第1パーツと、
前記第1パーツの裏面側に組み付けられ、前記開口部から一部が露出する第2パーツと
を備え、
前記第1パーツ及び前記第2パーツはセットで交換可能なパーツであり、
前記第1パーツはパーツごとに前記開口部のサイズが異なり、
前記第2パーツは対応する前記第1パーツの前記開口部のサイズに合わせて該開口部から露出する領域が調整されたパーツであることを特徴とする模型部品。
【符号の説明】
【0037】
100:模型玩具、101:頭部、102:胸部、103a、103b:腕部、104:腹部、105:服飾部、106a、106b:脚部
【要約】
【課題】本発明は、例えば、表情を変更可能な顔パーツの新規な構造を実現する仕組みを提供する。
【解決手段】本模型玩具は、開口部を有する第1パーツと、第1パーツの裏面側に組み付けられ、開口部から一部が露出する第2パーツと、第1パーツの裏面側に組み付けられ、開口部から一部が露出し、第2パーツを第1パーツと挟み込んで組み付ける第3パーツとを備える。また、第1パーツ及び第3パーツは、第2パーツを取り外して組み付け可能である。
【選択図】
図3