(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-06
(45)【発行日】2024-09-17
(54)【発明の名称】モーメント分析システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20240909BHJP
【FI】
G06Q30/0203
(21)【出願番号】P 2018212735
(22)【出願日】2018-11-13
【審査請求日】2021-11-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】500175277
【氏名又は名称】株式会社ビービット
(74)【代理人】
【識別番号】100120145
【氏名又は名称】田坂 一朗
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 直紀
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】緑川 隆
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開10-40056(JP,A)
【文献】石津丈也,ほか,“アクセスログによるネットショッピング支援手法の検討”,情報処理学会研究報告 平成22年度▲1▼[CD-ROM],日本,社団法人情報処理学会,2010年06月15日,第1-6頁
【文献】石津丈也,ほか,“オンラインショッピングにおけるアクセスログを用いた商品選定過程の視覚化手法の検討”,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2010年11月18日,第110巻,第290号,第61-66頁
【文献】“ビービットがウェブ行動可視化「ユーザグラム」を顧客のモーメント分析ツールに再構築”,[online],2018年10月10日,Webデザイン参考記事まとめアプデ(UPDE),[2024年1月31日検索]インターネット<URL:https//upde.jp/512402/>
【文献】”ユーザグラムご利用ガイド”,第15-16頁,[online],2018年2月9日,beBit,[2024年5月23日検索]インターネット<URL:https://s3.amazonaws.com/helpscout.net/docs/assets/57b66110c697917de37ced6f/attachments/5a7d69692c7d3a4a4198f9ff/%E3%80%90%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%80%91%E3%81%94%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブにおいて閲覧可能な複数の閲覧可能表示に対するユーザの注視度に関する情報であるモーメント情報を分析するモーメント分析システムであって、
複数の前記閲覧可能表示のそれぞれに対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能表示へのアクセスに関する履歴情報を取得する履歴情報取得手段と、
前記履歴情報に基づき、前記閲覧可能表示毎の前記モーメント情報を分析する分析手段と、
前記履歴情報に基づき、個々のユーザがアクセスした前記閲覧可能表示を示す閲覧可能情報を、時系列順に配列し、前記閲覧可能情報に、前記モーメント情報が対応付けられたモーメント分析画面を、表示手段に表示する表示制御手段と、を備え、
前記分析手段は、前記モーメント情報における前記注視度の度合いを分析し、
前記表示制御手段は、前記モーメント分析画面において、前記モーメント情報における前記注視度の度合いに応じて、前記モーメント情報の表示態様を人の顔を模したアイコン
と数値で表示し、前記アイコンを形成する外形内の色の濃淡と前記アイコンの表情と
の変化
に加え、前記数値も変化させるモーメント分析システム。
【請求項2】
前記分析手段は、前記履歴情報を機械学習することで、前記モーメント情報を分析する請求項1に記載のモーメント分析システム。
【請求項3】
ウェブにおいて閲覧可能な複数の閲覧可能表示に対するユーザの注視度に関する情報であるモーメント情報を分析するモーメント分析システムが実行する方法であって、
複数の前記閲覧可能表示のそれぞれに対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能表示へのアクセスに関する履歴情報を取得するステップと、
前記履歴情報に基づき、前記閲覧可能表示毎の前記モーメント情報を分析するステップと、
前記履歴情報に基づき、個々のユーザがアクセスした前記閲覧可能表示を示す閲覧可能情報を、時系列順に配列し、前記閲覧可能情報に、前記モーメント情報が対応付けられたモーメント分析画面を、表示手段に表示するステップと、を含み、
前記分析するステップで、前記モーメント情報における前記注視度の度合いを分析し、
前記表示するステップで、前記モーメント分析画面において、前記モーメント情報における前記注視度の度合いに応じて、前記モーメント情報の表示態様を人の顔を模したアイコン
と数値で表示し、前記アイコンを形成する外形内の色の濃淡と前記アイコンの表情と
の変化
に加え、前記数値も変化させるモーメント分析方法。
【請求項4】
ウェブにおいて閲覧可能な複数の閲覧可能表示に対するユーザの注視度に関する情報であるモーメント情報を分析するモーメント分析システムを、
複数の前記閲覧可能表示のそれぞれに対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能表示へのアクセスに関する履歴情報を取得する履歴情報取得手段、
前記履歴情報に基づき、前記閲覧可能表示毎の前記モーメント情報を分析する分析手段、
前記履歴情報に基づき、個々のユーザがアクセスした前記閲覧可能表示を示す閲覧可能情報を、時系列順に配列し、前記閲覧可能情報に、前記モーメント情報が対応付けられたモーメント分析画面を、表示手段に表示する表示制御手段、として機能させ、
前記分析手段は、前記モーメント情報における前記注視度の度合いを分析し、
前記表示制御手段は、前記モーメント分析画面において、前記モーメント情報における前記注視度の度合いに応じて、前記モーメント情報の表示態様を人の顔を模したアイコン
と数値で表示し、前記アイコンを形成する外形内の色の濃淡と前記アイコンの表情と
の変化
に加え、前記数値も変化させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブにおいて閲覧可能な複数の閲覧可能表示に対するユーザの注視度に関する情報であるモーメント情報を分析するモーメント分析システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能表示である、ウェブサイトのウェブページや、スマートフォン等のアプリケーション上で表示される情報表示において、閲覧者であるユーザに商品やサービスの情報を提供し、その商品やサービスの購入等の行動を促すことが広く行われている。このようにユーザの行動を促すために、ユーザが訪問したウェブサイトにおけるユーザの動向に関する履歴を分析する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザがウェブサイトに訪問してから商品の購買に至るまでの購買行動項目と、ウェブサイトに含まれるウェブページを識別する識別情報と、購買行動への影響度合いを示す重み情報を対応付けて記憶し、ユーザの各ウェブページへの滞在時間を取得し、各ウェブページの重み情報及び滞在時間に基づいてウェブサイトの構成評価情報を生成する評価支援システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の評価支援システムは、ウェブサイトに含まれる各ウェブページに対する複数のユーザの行動から、ウェブサイトの構成評価ができても、個々のユーザが、どのウェブページに注目しているかを評価することはできない。このため、個々のユーザが注目するウェブページを識別することもできない。
【0006】
本発明は、これらの課題に鑑み、個々のユーザが注目する閲覧可能表示を識別することが容易となるモーメント分析システム、方法、プログラム及びモーメント分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
本発明は、ウェブにおいて閲覧可能な複数の閲覧可能表示に対するユーザの注視度に関する情報であるモーメント情報を分析するモーメント分析システムであって、
複数の前記閲覧可能表示のそれぞれに対して、個々のユーザにおける前記閲覧可能表示へのアクセスに関する履歴情報を取得する履歴情報取得手段と、
前記履歴情報に基づき、前記閲覧可能表示毎の前記モーメント情報を分析する分析手段と、
前記履歴情報に基づき、個々のユーザがアクセスした前記閲覧可能表示を示す閲覧可能情報を、時系列順に配列し、前記閲覧可能情報に、前記モーメント情報が対応付けられたモーメント分析画面を、表示手段に表示する表示制御手段と、を備え、
前記分析手段は、前記モーメント情報における前記注視度の度合いを分析し、
前記表示制御手段は、前記モーメント分析画面において、前記モーメント情報における前記注視度の度合いに応じて、前記モーメント情報の表示態様を変化させるモーメント分析システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、前記分析手段が、前記履歴情報を機械学習することで、前記モーメント情報を分析してもよい。
【0009】
また、本発明は、前記表示制御手段が、前記モーメント分析画面において、前記モーメント情報における前記注視度の度合いに応じて、前記モーメント情報の表示態様の色の濃淡を変化させてもよい。
【0010】
また、本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、個々のユーザが注目する閲覧可能表示を識別することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るモーメント分析システムの概要を示す表示例である。
【
図2】
図2は、本実施形態のモーメント分析システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、ユーザ情報DBを模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、履歴情報DBを模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態のモーメント分析システムの分析手段による分析の概要を説明する図である。
【
図6】
図6は、本実施形態のモーメント分析処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0014】
<全体構成>
図1は、本実施形態に係るモーメント分析システムの概要を示す表示例である。
図1では、ウェブサイト(https://www.aaa.com/jp)におけるユーザ(APPLE)のモーメント分析画面の一例を示している。モーメント分析システムは、複数のウェブページ(
図1に示す例では、https://www.aaa.com/jp/TOP等)を含むウェブサイト(
図1に示す例では、https://www.aaa.com/jp)を閲覧するユーザ(
図1に示す例では、APPLE)の注視度に関する情報であるモーメント情報を分析する。
【0015】
本実施形態において、ウェブサイトにおける複数のウェブページは、「ウェブにおいて閲覧可能な複数の閲覧可能表示」の一例であり、「ウェブにおいて閲覧可能な複数の閲覧可能表示」には、その他、スマートフォン等のユーザが使用する端末で実行されているアプリケーション上で表示される情報表示等が含まれる。なお、以下の説明では、主に、「閲覧可能表示」を「ウェブページ」として説明する。また、「注視度に関する情報であるモーメント情報」とは、ユーザが、ウェブにおいて閲覧可能な閲覧可能表示(ウェブページや、上記情報表示)を閲覧したタイミングにおいて、「どういう状況で、どういう興味、関心、意欲等」を、どの程度持っているかを示す情報であり、ウェブサイトのウェブページへのアクセスに関する情報や、スマートフォン等のユーザが使用する端末で実行されているアプリケーション上で表示される情報表示に関する情報等が含まれる履歴情報(行動データ)から分析される情報である。
【0016】
モーメント分析システムは、複数のウェブページのそれぞれに対して、個々のユーザにおけるウェブページへのアクセスに関する履歴情報を取得し、この履歴情報に基づき、ウェブページ毎のモーメント情報を分析する。
【0017】
そして、モーメント分析システムは、履歴情報に基づき、個々のユーザがアクセスしたウェブページを示すウェブページ情報a、b、c、dを、時系列順(
図1に示す例では、https://www.aaa.com/jp/TOP、https://www.aaa.com/jp/商品一覧、https://www.aaa.com/jp/FAQ、https://www.aaa.com/jp/シューズの順)に配列し、これらのウェブページ情報に、それぞれのモーメント情報A、B、C、D(
図1に示す例では、人の顔を模したアイコン)が対応付けられたモーメント分析画面5を表示手段(例えば、ディスプレイ等)に表示する。
【0018】
また、モーメント分析システムは、モーメント情報における注視度の度合いを分析し、モーメント情報における注視度の度合いに応じて、モーメント分析画面5のモーメント情報A、B、C、Dの表示態様を変化させる(
図1に示す例では、アイコンの濃淡を変化させている)。
【0019】
このようなモーメント分析システムは、あるユーザによる、あるウェブサイトにおける履歴情報(行動データ)に基づき、当該ユーザがアクセスしたウェブページを示すウェブページ情報を、時系列順に配列し、これらのウェブページ情報に、それぞれのモーメント情報が対応付けられたモーメント分析画面5を表示する。そして、このモーメント分析画面5において、注視度の度合いに応じてモーメント情報の表示態様を変化させる。
これにより、モーメント分析システムの管理者(例えば、ウェブサイトを運営する者や、ウェブサイトを改善する者等)は、ウェブサイトにアクセスしたあるユーザの各ウェブページの注視度の度合いを、モーメント情報の表示態様によって、把握することができる。
したがって、個々のユーザが注目するウェブページを識別することが容易となる。
また、モーメント分析システムの管理者は、個々のユーザがウェブサイトを閲覧した際における体験である顧客体験を把握することが可能となるので、ウェブサイトの改善する点が明確になり、速やかにウェブサイトを改善することが可能となる。
【0020】
<機能構成>
図2は、本実施形態のモーメント分析システムの機能構成を示すブロック図である。
モーメント分析システム1は、例えば、サーバで構成され、図示しないプロセッサ、メモリ、ストレージを備え、これらはバスにより接続されている。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成され、メモリに記憶された各種プログラムを読み出して実行することで、各種処理を行うことで、後述する各手段として機能する。メモリは、CPUにより実行されるプログラムを記憶するものであり、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成される。ストレージは、後述するデータベースや制御プログラムなどを記憶するものである。
なお、モーメント分析システム1は、1つのサーバで構成する必要はなく、例えば、モーメント分析システム1の管理者により操作される端末(例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等)や、このような端末とネットワークを介して接続されたサーバ等により、各種処理の全部又は一部を実行してもよい。
【0021】
モーメント分析システム1は、ユーザ情報取得手段11と、ユーザ情報データベース(以下、「ユーザ情報DB」とも言う。)12と、履歴情報取得手段13と、履歴情報データベース(以下、「履歴情報DB」とも言う。)14と、分析手段15と、表示手段16と、表示制御手段17と、を備える。
【0022】
ユーザ情報取得手段11は、ユーザに操作される端末(例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等)や、外部の装置であるオフラインデータベース(以下、「オフラインDB」とも言う。)200等から、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報DB12に記憶する。
【0023】
図3は、ユーザ情報DBを模式的に示す図である。
ユーザ情報DB12は、各ユーザを識別する識別情報に、ユーザのネーム(例えば、ユーザにより設定されたニックネームや、ユーザの名前等)、性別、年齢、所在地(ユーザが居住する都道府県や、住所等)等が対応付けられたユーザ情報が記憶されている。なお、ユーザ情報には、その他、ユーザ属性(例えば、ウェブサイトの運営者が運営するグループの会員ランク、PV(Page View)数、CV(Conversion)数等)や、オフラインデータ(例えば、ユーザの現実の行動履歴、NPS(Net Promoter Score)、ビジネス指標等)等を含めてもよい。この場合、これらの情報は、ユーザ情報取得手段11が取得し、ユーザ情報DB12において、識別情報に、対応付けて記憶してもよい。
【0024】
図2に戻って、履歴情報取得手段13は、ウェブサイト及びユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした当該ウェブサイトの各ウェブページのアドレス、当該ウェブページにアクセスした時間を示す訪問時間、当該ユーザが当該ウェブページにアクセスした使用媒体(例えば、パーソナルコンピュータや、携帯端末等)を示す情報、当該ユーザが当該ウェブページにアクセスする契機となったウェブ上の広告や、当該ユーザが当該ウェブページの前にアクセスしていたウェブページを示す流入経路を示す情報、当該ウェブページにおける当該ユーザの行動を示すイベントタイプ(例えば、PVだけであったのか、CVに至ったのか)を示す情報、当該ウェブページにアクセスしてから次のウェブページに移動するまでの時間を示す滞在時間等を含む履歴情報を、当該ウェブサイトをユーザの端末に表示させ、ユーザの端末からアクセスされている装置(サーバ等)から取得し、履歴情報DB14に記憶する。また、履歴情報取得手段13は、流入経路を示す情報を、ユーザの初回アクセス時と2回目以降のアクセス時とで分類して取得し、それぞれ記憶してもよいし、CVに至ったときの流入経路を示す情報を、PVのみの場合と分類して取得し、それぞれ記憶してもよい。
【0025】
図4は、履歴情報DBを模式的に示す図である。
履歴情報DB14は、ウェブサイト及びユーザ毎に、当該ユーザが当該ウェブサイトの各ウェブページのアドレスや各ウェブページの縮小画像(
図4では省略)を示す情報(以下、「ウェブページ情報」とも言う。)に、訪問時間、使用媒体を示す情報、流入経路を示す情報、イベントタイプを示す情報、滞在時間等が対応付けられて記憶されている。ウェブページ情報は、「閲覧可能情報」の一例であり、「閲覧可能情報」には、その他、スマートフォン等のユーザが使用する端末で実行されているアプリケーション上で表示される情報表示に関する情報が含まれる。なお、履歴情報には、各ウェブページにおけるユーザの操作に関する情報として、ウェブページがスクロールされた量やスクロールする速度を示すスクロール情報や、ユーザに操作される端末におけるマウス操作やタッチ操作により、ウェブページ上で移動させることが可能なポインタの移動経路や移動量や移動速度を示すポインタ情報等を含めてもよい。この場合、これらの情報は、履歴情報取得手段13が取得し、履歴情報DB14において、ウェブページ情報に、対応付けて記憶してもよい。
【0026】
図2に戻って、分析手段15は、ユーザ情報や、履歴情報や、モーメント分析システム1にネットワークを介して接続されたオフラインDB200から取得した各種情報や、モーメント分析システム1にネットワークを介して接続された外部データベース(以下、「外部DB」とも言う。)300から取得した各種情報等に基づき、ウェブページ毎のモーメント情報を分析する。また、分析手段15は、モーメント情報における注視度の度合いを分析する。なお、分析手段15は、モーメント情報における注視度の度合いを分析する際、下記に説明するモーメントアルゴリズム151により分析した数値を注視度の度合いとしてもよいし、履歴情報に基づき、例えば、滞在時間をそのまま注視度の度合いとしてもよい。
【0027】
また、分析手段15は、履歴情報を機械学習することで、モーメント情報を分析する。
図5は、本実施形態のモーメント分析システムの分析手段による分析の概要を説明する図である。
分析手段15は、ユーザ情報DB12に記憶されたユーザ情報及び履歴情報DB14に記憶された履歴情報や、外部の装置から取得した一般的な情報(休日に関する情報や、天気に関する情報や、アクセスされた日に行われていたイベント(オリンピック等)に関する情報等)と、ウェブページにアクセスした後のユーザの行動との相関関係について学習し、機械学習済みモデルであるモーメントアルゴリズム151を生成・更新する。
【0028】
例えば、分析手段15は、各ユーザ毎、全ユーザの行動パターンや、ウェブページへのアクセス時間等の分布や、ウェブページへのアクセスの周期性や、ウェブページへのアクセスの間隔等を学習する。行動パターンには、例えば、オフラインの行動や、ユーザ属性(会員ランク)の変化(例えば、無料会員から有料会員への申出や登録等)や、よく使う媒体(例えば、ウェブサイトや、ユーザ端末で利用されるアプリケーション等)や媒体の変化や、ユーザがアクセスするウェブサイトのカテゴリ(ディレクトリベース)の変化や、PVとCVの比率の変化等が含まれる。また、ウェブページへのアクセス時間等の分布には、全ユーザ及び個々のユーザにおける、ウェブサイトへのアクセス時間の分布や、ウェブサイトのウェブページ毎のアクセス時間の分布や、ウェブページ内におけるスクロール情報や、ウェブページ内におけるポインタ情報や、ウェブページ内に配置された自動解析されたコンテンツの分布等が含まれる。
【0029】
分析手段15は、このようなモーメントアルゴリズム151によって、新たにユーザ情報取得手段11により取得されたユーザ情報と履歴情報取得手段13により取得された履歴情報を解析して、モーメント情報における注視度の度合いを分析してもよい。なお、モーメントアルゴリズム151におけるアルゴリズムは、教師あり学習を用いることができるが、このほかにも、機械学習用のアルゴリズムは、公知の各種のアルゴリズムを用いてよい。
【0030】
例えば、分析手段15は、モーメントアルゴリズム151に、ユーザ情報及び履歴情報をインプットし、ユーザがアクセスしたウェブページをどのくらい注視しているかを数値で示した注視量値をアウトプットする。この注視量値は、ウェブページの傾向(例えば、商品を買ってもらうページ(例えば、
図1に示す商品一覧)なのか、ユーザの疑問点についての説明をするページ(例えば、
図1に示すFAQ)なのか等)や、ユーザの傾向(例えば、ユーザの会員ランク、性別、年齢、CV数、PV数等のユーザ属性)に応じて重み付けをしてもよい。
【0031】
また、分析手段15は、モーメントアルゴリズム151に、ユーザ情報及び履歴情報をインプットし、ユーザがウェブページにアクセスした目的を推定した目的情報や、全体の傾向から外れている行動であったことを示す異常値をアウトプットしてもよい。
【0032】
また、分析手段15は、上述のように、ウェブページに対する評価のみでなく、アクセスしたユーザに関するユーザ分析情報をアウトプットしてもよい。ユーザ分析情報には、例えば、ユーザが予め設定したセグメント(例えば、元々購入の意思があったのか、たまたまウェブページにアクセスしたのか等)に属すかを示すユーザ分類情報や、分析しているウェブサイトへのアクセス頻度を示す頻度情報や、分析しているウェブサイトに掲載されている商品や当該ウェブサイトを運営するメーカ等の商品の購入頻度や購入額等の、他のユーザとの相対的な大きさを示すロイヤルカスタマー値や、ウェブページにアクセスしたときのユーザの感情(急いでいるのか、高揚しているか等)を推定した感情値等が含まれる。
【0033】
図2に戻って、表示手段16は、例えば、ディスプレイやタッチパネルで構成され、表示制御手段17の制御により、モーメント分析画面5(
図1参照)を表示する。
【0034】
表示制御手段17は、履歴情報DB14(
図4参照)を参照して、履歴情報に基づき、個々のユーザがアクセスしたウェブページを示すウェブページ情報(
図1に示す例では、ウェブページの縮小画像やウェブページのアドレス等)を、時系列順に配列(
図1に示す例では、スクロール可能な方向(上下方向)に配列)し、ウェブページ情報に、分析手段15が分析したモーメント情報(
図1に示す例では、人の顔を模したアイコンや、このアイコンの側に表示された数値)が対応付けられたモーメント分析画面5を、表示手段16に表示する。
【0035】
表示制御手段17は、モーメント分析画面5において、分析手段15が分析したウェブページ毎のモーメント情報における注視度の度合いに応じて、モーメント情報の表示態様を決定することで、表示手段16における表示態様をウェブページ毎に変化させる。例えば、表示制御手段17は、モーメント分析画面5において、モーメント情報における注視度の度合いに応じて、
図1に示すように、モーメント情報(
図1に示す例では、人の顔を模したアイコン)の表示態様の色の濃淡を、ウェブページ毎に変化させる。また、表示制御手段17は、モーメント分析画面5において、モーメント情報における注視度の度合いに応じて、
図1に示すように、モーメント情報(
図1に示す例では、アイコンの側に表示された数値)の数値を変化させる。このように、注視度の度合いに応じて、モーメント情報の色の濃淡に加え、数値を変化させることで、ユーザの注視度を直感的に把握できるとともに、分析的にも把握することが可能となる。なお、モーメント情報の表示態様の変化は、色の濃淡に限らず、モーメント情報を示す人の顔を模したアイコンの表情の変化や、モーメント情報を示す表示の色の変化や、大きさの変化等の任意の態様とすることができる。
【0036】
<モーメント分析処理>
次に、モーメント分析システムによるモーメント分析処理の一例について、
図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態のモーメント分析処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、ユーザ情報取得手段11は、ユーザに操作される端末や、外部の装置であるオフラインDB200等から、ユーザ情報を取得し、ユーザ情報DB12に記憶する。
【0037】
ステップS2において、履歴情報取得手段13は、ウェブサイト及びユーザ毎に、当該ユーザがアクセスした当該ウェブサイトの各ウェブページの履歴情報を、当該ウェブサイトをユーザの端末に表示させ、ユーザの端末からアクセスされている装置から取得し、履歴情報DB14に記憶する。
【0038】
ステップS3において、分析手段15は、ステップS1でユーザ情報取得手段11が取得したユーザ情報や、ステップS2で履歴情報取得手段13が取得した履歴情報や、オフラインDB200から取得した各種情報や、外部DB300から取得した各種情報等に基づき、ウェブページ毎のモーメント情報を分析する。また、本ステップにおいて、分析手段15は、モーメント情報における注視度の度合いを分析する。
【0039】
ステップS4において、表示制御手段17は、履歴情報DB14(
図4参照)を参照して、履歴情報に基づき、個々のユーザがアクセスしたウェブページを示すウェブページ情報を、時系列順に配列する。
【0040】
ステップS5において、表示制御手段17は、ステップS4で配列したウェブページ情報に対応して表示するモーメント情報の表示態様を、ステップS3で分析手段15が分析したモーメント情報における注視度の度合いに応じて決定する。
【0041】
ステップS6において、表示制御手段17は、ステップS4で配列したウェブページ情報に、ステップS5で決定した注視度の度合いに応じた表示態様のモーメント情報を対応付けたモーメント分析画面5(
図1参照)を、表示手段16に表示する。
【0042】
<効果>
以上説明した本実施形態のモーメント分析システムによれば、あるユーザによるある閲覧可能表示(ウェブページ等)における履歴情報(行動データ)に基づき、当該ユーザがアクセスした閲覧可能表示(ウェブページ等)を示す閲覧可能情報(ウェブページ情報)を、時系列順に配列し、これらの閲覧可能情報に、それぞれのモーメント情報が対応付けられたモーメント分析画面5を表示する。そして、このモーメント分析画面5において、注視度の度合いに応じてモーメント情報の表示態様を変化させる。
これにより、モーメント分析システムの管理者(例えば、ウェブサイトやユーザの端末で実行されるアプリケーションにおける表示等を運営する者や、これらを改善する者等)は、あるユーザの各閲覧可能表示の注視度の度合いを、モーメント情報の表示態様によって、把握することができる。
したがって、個々のユーザが注目する閲覧可能表示を識別することが容易となる。
また、モーメント分析システムの管理者は、例えば、個々のユーザがウェブサイトを閲覧した際における体験である顧客体験を把握することが可能となるので、ウェブサイトの改善する点が明確になり、速やかにウェブサイトを改善することが可能となる。
【0043】
また、分析手段15は、履歴情報を機械学習したモーメントアルゴリズム151により、モーメント情報を分析するので、より適格なモーメント情報を表示することが可能となるので、より高い精度でウェブサイトを改善することが可能となる。
【0044】
また、モーメント分析画面において、各閲覧可能表示のモーメント情報における注視度の度合いに応じて、モーメント情報の表示態様の色の濃淡を変化させるので、ウェブサイトを改善する場合、より直感的に各閲覧可能表示のモーメント情報を把握することが可能となり、より速やかに閲覧可能表示を改善することが可能となる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0046】
1・・・モーメント分析システム、5・・・モーメント分析画面、11・・・ユーザ情報取得手段、12・・・ユーザ情報DB、13・・・履歴情報取得手段、14・・・履歴情報DB、15・・・分析手段、16・・・表示手段、17・・・表示制御手段、151・・・モーメントアルゴリズム、200・・・オフラインDB、300・・・外部DB